(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】CT撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20220805BHJP
A61B 6/14 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A61B6/03 321D
A61B6/14 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571632
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 FI2020050372
(87)【国際公開番号】W WO2020245500
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036309
【氏名又は名称】プランメカ オイ
【氏名又は名称原語表記】Planmeca Oy
【住所又は居所原語表記】Asentajankatu 6, 00880 Helsinki, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルヤラ トンミ
(72)【発明者】
【氏名】セッパラ ラウリ
(72)【発明者】
【氏名】ムーラー ティモ
(72)【発明者】
【氏名】マルメン カリ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA37
4C093DA05
4C093EC33
4C093ED03
4C093FA12
(57)【要約】
本発明は、特に、歯科用及び医療用コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)撮像装置の構造に関する。本装置の基本構成は、実質的に垂直に延びるフレーム部分(11)を含み、これは、水平に延びる支持構成(12)を介して本装置のX線撮像手段(14、15)を支持する。本装置は、実質的に垂直に延びるフレーム部分(11)と実質的に平行に延び、かつ本質的に同じ長さである患者支持体構造(18)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用または医療用CT撮像装置であって、
-上端部及び下端部を備える第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と、
-前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11から本質的に水平方向に延びる支持構成12と、
-前記支持構成12に取り付けられ、まとめてX線撮像手段14、15を形成するX線源14及び画像検出器15と、
-軸13を中心に前記撮像手段14、15を移動させるように配置された第1の駆動機構16と、
-前記支持構成12を、前記実質的に垂直に延びるフレーム部分11が延びる方向と実質的に平行な方向に移動させるように配置された第2の駆動機構17と、
-患者支持体18と、
-制御システムと、を備え、
前記患者支持体18が、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に機械的に接続され、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と実質的に平行に延びる構造であり、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と本質的に同じ長さであることを特徴とする、前記装置。
【請求項2】
前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さが220cm~260cmであるか、または前記実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さが240cm程度であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記患者支持体18の長さが、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さの80~90%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記患者支持体18が、第1の方向でより長い寸法を有し、前記第1の方向に直交する第2の方向でより短い寸法を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記患者支持体18が、少なくともその主要部分について、少なくとも前記第1の方向において放射線透過性であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記患者支持体18の放射線透過性である部分が、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さと本質的に同じ長さであることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記患者支持体18が、前記第1の方向におけるその端部の少なくともいずれかで放射線透過性でないセクションを備えることを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の方向における前記患者支持体18の放射線透過性である部分の長さが、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さの80~90%であることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が、前記患者支持体18を前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に機械的に接続する第1の接続構成19、20を備え、前記第1の接続構成19、20が、前記患者支持体18を前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に近づけるように変位させること、及び遠ざけるように変位させることを可能にするように構成されている患者支持体調整機構19’、20’を備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、前記患者支持体調整機構19’、20’と機能的に接続されて配置された第3の駆動機構19”、20”を備えることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記患者支持体調整機構19’、20’が、前記第3の駆動機構19”、20”に含まれる駆動機構19”と一緒に、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の前記上端部に実質的に配置された第1の調整機構19’と、前記第3の駆動機構19”、20”に含まれる駆動機構20”と一緒に、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の前記下端部に実質的に配置された第2の調整機構20’とを備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記制御システムが、前記患者支持体調整機構19’、20’と機能的に接続されて配置された前記第3の駆動機構19”、20”を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御システムは、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の前記上端部に実質的に配置された駆動機構19”を有する前記第1の調整機構19’と、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の前記下端部に実質的に配置された駆動機構20”を有する前記第2の調整機構20’とを備える前記第1の接続構成19、20が、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と前記患者支持体18との間の距離を調整するときに、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の前記上端部及び前記下端部において、二者の間を同一距離に保つように制御するように構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の駆動機構17が、前記支持構成12を前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に沿ってまたはそれに並んで移動させるように配置されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に機械的に接続された第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21を備え、前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21が、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と本質的に同じ長さであることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11、12の前記上端部の近傍に、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21を機械的に接続し、かつ前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21に対して水平傾斜軸を中心に前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11を傾けることを可能にする関節式接続構成22が配置されることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記関節式接続構成22と接続されて、前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の側面に取り付け構造23が配置されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記取り付け構造23が、前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動可能に配置されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21と機能的に接続され、前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで前記取り付け構造23を駆動する第4の駆動機構27が配置されることを特徴とする、請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の前記下端部の近傍に、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の接続及び分離を可能にするように構成されているロック機構24が配置されることを特徴とする、請求項15~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記ロック機構24は、前記ロック機構が前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21を分離するときに、前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分22の前記下端部を押して、前記第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21から一定距離離すように構成されている変位機構25を備えることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11が、その下端部の近傍において、少なくとも1つのホイールもしくはローラ26、または表面上でスライドするように設計された構造を備えることを特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ断層撮影撮像装置に関する。具体的には、本発明による装置の特徴は、歯科用及び医療用コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)撮像装置のコンテクストでの使用に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)は、撮像するボリュームを異なる方向から照射し、このようにして取得した画像情報から所望の二次元または三次元画像を再構成することができるX線撮像の一種である。
【0003】
従来のCT装置は、大きくて重く、それらは、典型的には、床に取り付けられる。患者は、典型的には、水平に延び、横方向に移動可能な検査プラットフォーム上で、装置の検査開口部内での撮像のために位置決めされる。
【0004】
例えば、撮像手段のより遅い回転速度が使用されるコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)技術が開発されて以来、従来のCT装置よりも重量が少ない装置が開発されている。CBCT装置の中には、例えば、床に取り付けられるのではなく、可動性があるように構成されているものもある。また、垂直に延びるフレームと、撮像手段のための水平に延びる支持体とを備える構成が設計されている。そのような支持体は、例えば、リング状のガントリーまたはいわゆるCアームを備えてもよく、そのような装置は、例えば、頭蓋撮像の必要性の観点から設計されることがある。撮像手段の回転は、(仮想的な)垂直回転軸を中心に行われるように配置されることが知られており、そのようなコンテクストでは、特に、露光中に立っている間に患者の頭部を静止したままにするのに役立つように設計された支持体が開発されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的及びその好ましい実施形態は、汎用的な使用に適用可能であり、解剖学的構造の様々な部分の撮像を可能にするCT装置、特にCBCT装置である。本発明の特徴的な機能は、請求項1に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、その好ましい実施形態及び添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】本発明による装置の例としての一実施形態の特定の構成要素を示す概略側面図である。
【
図2a】
図1の装置の垂直に延びるフレームのコンテクストでの使用に適用可能な構造的詳細を示す。
【
図2b】
図1の装置の垂直に延びるフレームのコンテクストでの使用に適用可能な構造的詳細を示す。
【
図3a】
図1に示されるような装置での使用に適用可能な患者支持体構成のいくつかの詳細を例として示す。
【
図3b】
図1に示されるような装置での使用に適用可能な患者支持体構成の断面の例を示す。
【
図4】本発明による装置の例として、別の実施形態の特定の構成要素を示す概略側面図である。
【
図5】傾斜した位置に駆動された構成の特定の構成要素を示す
図4の装置の概略側面図である。
【
図6】本発明による装置の例として、さらに別の実施形態の特定の構成要素を示す概略側面図である。
【
図7】本発明による装置の制御システムが制御するように構成され得る構成要素の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明による装置の例としての一実施形態の特定の構成要素の概略側面図を示す。
図1の歯科用または医療用CT撮像装置は、上端部及び下端部を有する実質的に垂直に延びるフレーム部分11を備える。この実質的に垂直に延びるフレーム部分11からは、
図1にはそれ自体が見えないX線源14及び画像検出器15を支持する支持構成12が本質的に水平方向に延びている。まとめてX線撮像手段14、15を形成するX線源14及び画像検出器15は、互いに本質的に反対側の支持構成12に取り付けられてもよいが、実施形態では、それらの相互位置は、調整可能であるように配置されてもよい。
【0008】
図1は、実質的に垂直に延びるフレーム部分11に機械的に接続され、実質的に垂直に延びるフレーム部分11と実質的に平行に延びる構造である患者支持体18をさらに示す。
図1の実施形態では、患者支持体18は、実質的に垂直に延びるフレーム部分11と本質的に同じ長さである。
【0009】
一態様によれば、例えば、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さは、240cm程度である。
【0010】
一態様によれば、例えば、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さは、220cm~260cmである。
【0011】
一態様によれば、例えば、患者支持体18の長さは、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さの80~90%である。
【0012】
一態様によれば、例えば、患者支持体18は、第1の方向により長い寸法を有し、第1の方向に直交する第2の方向により短い寸法を有する。
【0013】
一態様によれば、例えば、患者支持体18は、少なくともその主要部分について、少なくとも第1の方向において放射線透過性である。
【0014】
一態様によれば、例えば、患者支持体18の放射線透過性である部分は、実質的に垂直に延びるフレーム部分11と本質的に同じ長さである。
【0015】
一態様によれば、例えば、患者支持体18は、第1の方向におけるその端部の少なくともいずれかで放射線透過性でないセクションを備える。
【0016】
一態様によれば、例えば、第1の方向における患者支持体18の放射線透過性である部分の長さは、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の長さの80~90%である。
【0017】
一態様によれば、例えば、X線撮像手段14、15を支持する支持構成12は、中心軸13を有する円形のガントリーである。ガントリーは、X線撮像手段14、15を部分的に囲む、または完全に収容してもよい。
【0018】
図1で直接見えない一態様によれば、例えば、装置は、回転軸を中心にX線撮像手段14、15を駆動するように配置された駆動機構16を備える。回転軸は、ガントリーの形態で支持構成12の中心軸13と一致してもよく、それは、
図1の場合のように、物理的な軸、または仮想的な回転軸であってもよい。
【0019】
一態様によれば、例えば、ガントリーの中心軸13は、X線撮像手段14、15が湾曲した経路に沿って駆動されるときに、X線撮像手段14、15の回転中心/回転軸と一致する。
【0020】
一態様によれば、回転軸は、瞬間的な(仮想的な)回転軸であり、中心軸13に対する瞬間的な回転軸の場所は、変更されるように配置することができる。
【0021】
一態様によれば、線源14及び画像検出器15の構成要素の少なくともいずれかは、他の構成要素と正確に反対の場所から横方向に移動可能であるように配置される。
【0022】
一態様によれば、X線撮像手段14、15を支持する構造12は、中心軸を有するガントリーを備え、装置の構造は、X線源14を、それが生成する中心光線がガントリーの中心軸と一致する位置と、それが生成する中心光線がガントリーの中心軸と一致しない位置との間で横方向に移動させることと、画像検出器15を、画像検出器15の中心で検出器表面に垂直なベクトルがガントリーの中心軸と一致する位置と、画像検出器15の中心で検出器表面に垂直なベクトルがガントリーの中心軸と一致しない位置との間で横方向に移動させることと、のうちの少なくともいずれかを可能にする。X線撮像手段14、15の横方向の移動は、X線撮像手段14、15を、それらが互いに対面する位置に移動させることを含み得るが、一方で、X線源14が生成する中心光線は、ガントリーの中心軸と一致せず、画像検出器15の中心で検出器表面に垂直なベクトルは、ガントリーの中心軸と一致しない。
【0023】
別の態様によれば、別の駆動機構17は、実質的に垂直に延びるフレーム部分11が延びる方向と実質的に平行な方向に支持構成12を前後に動かすことを可能にするように装置に配置される。一態様によれば、その駆動機構17は、支持構成12を実質的に垂直に延びるフレーム部分11に沿ってまたはそれに並んで移動させるように構成されてもよい。
【0024】
図2aによる例では、上記に論じた支持構成12の駆動機構17は、モータ110と、プーリ112を回転させるように配置されたギア111とを備える。
図2aの一実施形態として示される構成では、モータ110及びプーリ112は、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部の近傍に位置するが、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部の近傍には他の別の他のプーリ112’があり、プーリ112、112’の周りには、ベルト113、またはチェーンのような対応して機能する構成要素が走っている。次いで、この機構は、支持構成12に機能的に接続され、それを実質的に垂直に延びるフレーム部分11に沿って駆動するようになっており、
図2bに例として示されるもののように、溝114が、実質的に垂直に延びるフレーム部分11に配置され、溝114に沿ってスライドするように適合するように突起部121が支持構成12に配置される。一実施形態では、摩擦を最小限に抑えるために、ローラタイプの直線案内ウェイが使用され、その場合、運動はスライドするのではなくローリングする。
【0025】
図のいずれにも示されていない一態様によれば、例えば、支持構成12を駆動するための駆動機構は、支持構成12自体に配置されたモータを備える。
【0026】
支持構成12を駆動するための駆動機構17の構成の詳細にかかわらず、1つの好ましい実施形態において、装置の構成は、支持構成12を、本質的に、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部と下端部との間の全長で駆動することを可能にする。
【0027】
さらに別の態様によれば、
図1に示されるように、装置は、患者支持体18を実質的に垂直に延びるフレーム部分11に接続する接続構成19、20を備える。
【0028】
例が
図3aに示される別の態様によれば、装置は、患者支持体18を実質的に垂直に延びるフレーム部分11に機械的に接続する接続構成19、20を備える。
【0029】
接続構成19、20は、患者支持体18を実質的に垂直に延びるフレーム部分11からより近く、より遠くに変位させることを可能にするように構成された患者支持体調整機構19’、20’を備えてもよい。
【0030】
別の態様によれば、駆動機構19”、20”は、患者支持体調整機構19’、20’と機能的に接続されて配置される。
【0031】
別の態様によれば、患者支持体調整機構19’、20’は、駆動機構19”、20”に含まれる駆動機構19”と一緒に、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部に実質的に配置された第1の調整機構19’と、駆動機構19”、20”に含まれる駆動機構20”と一緒に、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部に実質的に配置された第2の調整機構20’を備えてもよい。
【0032】
一態様によれば、例えば、患者支持体調整機構19’、20’は、装置の制御システムと機能的に関連して配置され、制御システムは、調整機構19’、20’の駆動機構19”、20”を制御するように構成されている。
【0033】
一態様によれば、例えば、制御システムは、駆動機構19”とともに、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部に実質的に配置された第1の調整機構19’と、駆動機構20”とともに、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部に実質的に配置された第2の調整機構20’とを備える第1の接続構成19、20が、実質的に垂直に延びるフレーム部分11と患者支持体18との間の距離を調整するときに、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部及び下端部において、二者の間を同一距離に保つように制御するように構成されている。
【0034】
別の態様によれば、実質的に垂直に延びるフレーム部分11の端部と患者支持体18との間の距離は、異なるように調整することができる。一態様によれば、第1及び第2の調整機構19’、20’は、独立して制御されるように配置される。
【0035】
一態様によれば、
図3bに示されるように、上記で論じた患者支持体構成18の第1の方向を考慮すると、その主要部分についてのその断面は、患者支持体構成18の凹面に対して患者をより良好に支持するために湾曲している。
【0036】
他の一態様によれば、
図3bに示されるように、患者支持体構成18のその断面の縁181では、断面の形状は、反対方向に湾曲している。
【0037】
他の一態様によれば、
図3bにさらに示されるように、患者支持体構成18の上記に論じた断面の縁181の近くであって、その主要部分の凹面とは反対側に、保持構造182が配置される。保持構造182は、患者支持体構成18の凹面上またはその上方にわたるように設計されたストラップを受けて、患者にさらなる支持を提供し、撮像露光中に静止を維持するのに役立つように使用される、例えば、細長いハンドルまたは取り付け構造であってもよい。
【0038】
一態様によれば、装置は、上記に論じた第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と呼ぶことができるものに加えて、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と本質的に同じ長さの第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に機械的に接続された第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21をさらに備える。
図4は、概略的な側面図としてのそのような構成の例を示す。
【0039】
一態様によれば、
図4を参照すると、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11、12の上端部の近傍に、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21を機械的に接続し、かつ第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21に対して水平傾斜軸を中心に第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11を傾けることを可能にする関節式接続構成22が配置される。
【0040】
別の態様によれば、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の側面に、
図4で直接見えない取り付け構造23が、関節式接続構成22と接続されて配置される。取り付け構造23は、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで移動可能に配置されてもよい。
【0041】
別の態様によれば、例えば、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の下端部の近傍に、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の接続及び分離を可能にするように構成されているロック機構24が配置される。
【0042】
第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21が安定して取り付けられ、ロック機構24が第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21を接続していないとき、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部は水平方向に自由に移動し、フレーム部分11、21間の関節式接続22は、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部の近傍における水平傾斜軸を中心に第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の回転を可能にし、一方で、移動可能に配置された取り付け構造23は、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部の下降及び上昇を可能にする。
【0043】
図5は、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部が下方に移動し、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部が表面上で水平に移動した段階での、
図4による装置を示す。装置は、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部を、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21の下端部の近傍までずっと下降させることを可能にするように構成されてもよい。
【0044】
また別の態様によれば、
図4及び5に直接見えないが、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21との機能的接続では、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21に沿ってまたはそれに並んで取り付け構造23を駆動する駆動機構27が配置される。第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11と機械的に接続しているときに、その上端部の近傍で、駆動機構27は、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の上端部を移動させることができる。
【0045】
取り付け構造23を駆動する駆動機構27は、撮像手段14、15の支持構成12を駆動する駆動機構17と同様の構成であってもよい。
【0046】
一態様によれば、取り付け構造23を駆動する駆動機構27は、チェーン駆動を備える。
【0047】
さらに別の態様によれば、ロック機構24は、ロック機構24が第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11及び第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21を分離するときに、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部を移動させて、第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分21から一定距離離す、
図4及び
図5に直接見えない変位機構25を備える。
【0048】
図に詳細に示されていない一態様によれば、例えば、ロック機構24は、電動構造の側面と、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11に嵌合構成要素をそれぞれ有するモータ駆動配置を備える。
【0049】
ロック機構24は、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部がロック機構24に向かって移動しているときに、ロック機構24上で第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部を真っ直ぐに案内するように構成された案内構成をさらに備えてもよい。
【0050】
さらに別の態様によれば、また
図4及び
図5に例として示すように、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11は、その下端部の近傍に少なくとも1つのホイールまたはローラ26を備える。
【0051】
別の態様によれば、ホイールまたはローラの代わりに、表面上でスライドするように設計された構造が、第1の実質的に垂直に延びるフレーム部分11の下端部に配置されてもよい。
【0052】
一態様によれば、例えば、
図6に示すように、ガントリーの形態での撮像手段15、16のための支持構成12は、基本的に撮像手段14、15を完全に囲むのではなく、主にまたは単独で撮像手段14、15を保持するための支持構造として機能し、軸を中心に撮像手段14、15を駆動するガントリーに配置された構造として機能する。この種の解決策は、重さを減らし、撮像手段14、15間のボリュームへのより良いアクセスを提供するガントリーを実現することを可能にし、物理的にも、そのボリュームに明確な視線を有することがある領域を考慮することを可能にする。
【0053】
図7は、本開示による装置での使用に適用可能な制御システムの構成要素の例をブロック図として示す。様々な実施形態では、これらの特徴のすべてが必ずしも装置の制御システムに存在するわけではない。
図7に記載の制御システムは、まず、X線源及び画像検出器の動作を制御することを可能にするように構成されている。X線源及び画像検出器の動作を制御する構成要素は、X線源及び画像検出器及び/または装置の他の場所に物理的に配置された構成要素を含むことができる。
図7の制御システムは、支持構成、支持構成自体、及び患者支持体の調整機構によって支持された撮像手段を移動させるものなど、装置の様々な駆動手段をさらに制御する。第1及び第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分の両方を含む実施形態の場合、制御システムはまた、例えば、上記に論じた取り付け構造の駆動を制御してもよい。さらに、第1及び第2の実質的に垂直に延びるフレーム部分を接続及び分離するための電動ロック機構を備える装置の場合、制御システムはまた、ロック機構の駆動手段を制御してもよい。全体的に、制御システムは、上記に論じたすべての動作またはその任意の一部を制御するように配置されてもよい。
【国際調査報告】