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特表2022-536294食品包装物評価用の方法、及び食品包装物評価のシステム
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  • 特表-食品包装物評価用の方法、及び食品包装物評価のシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】食品包装物評価用の方法、及び食品包装物評価のシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20220805BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220805BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572281
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2020064786
(87)【国際公開番号】W WO2020245020
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19178434.7
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニ・コラッツァリ
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ペラカーニ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・ロッシ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC03
(57)【要約】
食品包装物評価用の方法(300)であって、オペレーター(202a、202b、202c)に連結されるデバイス(204a、204b、204c)に関連付けられる身元(220a、220b、220c)を判定して、食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行するステップ(302)と、食品包装物評価に関する命令(208a、208b、208c)を、身元(220a、220b、220c)に関連付けられるデバイス(204a、204b、204c)に送信するステップ(304)と、命令(208a、208b、208c)に応じてデバイス(204a、204b、204c)から測定値(212a、212b、212c)を受信するステップ(306)と、測定値(212a、212b、212c)に基づいて食品包装物評価データ(218)を判定するステップ(308)とを含む方法。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品包装物評価用の方法(300)であって、
オペレーター(202a、202b、202c)に連結されるデバイス(204a、204b、204c)に関連付けられる身元(220a、220b、220c)を判定して、前記食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行するステップ(302)と、
前記食品包装物評価に関する命令(208a、208b、208c)を、前記身元(220a、220b、220c)に関連付けられる前記デバイス(204a、204b、204c)に送信するステップ(304)と、
前記命令(208a、208b、208c)に応じて前記デバイス(204a、204b、204c)から測定値(212a、212b、212c)を受信するステップ(306)と、
前記測定値(212a、212b、212c)に基づいて食品包装物評価データ(218)を判定するステップ(308)と
を含む方法(300)。
【請求項2】
複数の身元(220a、220b、220c)に関連付けられる複数のデバイス(204a、204b、204c)に関連付けられる位置を判定するステップ(310)と、
前記命令(208a、208b、208c)に連結される命令関連位置を判定するステップ(312)と
を更に含み、
前記識別オペレーターに連結される前記身元を判定して、前記食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行する前記ステップ(302)は、
前記命令関連位置に最も近い位置を有する前記身元に関連付けられる前記デバイスを識別するステップ(314)
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定値(212a、212b、212c)と一緒に包装物身元(222a、222b、222c)を受信するステップ(316)を更に含み、前記包装物身元を前記デバイス(204a、204b、204c)によって判定する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイス(204a、204b、204c)を使用することによって包装物位置を判定するステップ(318)と、
前記測定値(212a、212b、212c)と一緒に前記包装物位置を受信するステップ(320)と、
前記測定値に基づいて更なる命令を判定するステップ(322)と、
前記包装物位置に基づいて更なるオペレーターに連結される更なる身元を判定するステップ(324)と、
前記更なる命令を前記更なるオペレーターに送信するステップ(326)と、
前記更なるオペレーターから更なる測定値を受信するステップ(328)と
を更に含み、
前記食品包装物評価は、前記測定値及び前記更なる測定値に基づいている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記包装物位置に基づいて周囲の状態を受信するステップ(330)を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記包装物位置を判定する前記ステップ(318)は、
前記デバイス(204a、204b、204c)を使用することによって前記包装物身元に関連付けられる包装物を走査するステップ(332)と、
前記包装物(210a、210b、210c)を走査する前記ステップ中に前記デバイスに対するデバイス位置を判定するステップ(334)と、
前記包装物位置を前記デバイス位置に設定するステップ(336)と
を含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記食品包装物評価は、包装物のインキュベーションを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記身元に連結される前記デバイスからの前記測定値を、他の身元に連結される他のデバイスからの他の測定値と比較するステップ(338)と、
偏差を見付けた場合(340)、前記身元に連結される前記デバイスに通知を送信するステップ(342)と
を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記食品包装物評価データ(218)を解析して、食品安全性リスクを識別するステップ(344)と、
前記食品安全性リスクを識別した場合(346)、リコール要求を送信するステップ(348)及び/又は食品生産を停止するステップ(350)と
を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
食品包装物評価用のシステム(200)であって、
身元(220a、220b、220c)に関連付けられ、オペレーター(202a、202b、202c)に連結されている複数のデバイス(204a、204b、204c)と、
識別オペレーターに連結されている前記身元(220a、200b、200c)の中で身元を判定して前記食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行し、前記食品包装物評価に関する命令(208a、208b、208c)を、前記身元に関連付けられているデバイスに送信し、前記命令に応じて前記デバイスから測定値(212a、212b、212c)を受信し、前記測定値に基づいて食品包装物評価データ(218)を判定するように構成されているサーバー(206)と
を含むシステム(200)。
【請求項11】
前記サーバー(206)は、複数の身元(220a、220b、220c)に関連付けられている複数のデバイス(204a、204b、204c)に関連付けられている位置を判定し、前記命令(208a、208b、208c)に連結されている命令関連位置を判定し、前記命令関連位置に最も近い位置を有する前記身元に関連付けられている前記デバイスを識別するように更に構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記サーバー(206)は、前記測定値(212a、212b、212c)と一緒に包装物身元(222a、222b、222c)を受信するように更に構成されており、
前記複数のデバイス(204a、204b、204c)は、前記包装物身元を判定するように構成されている、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記サーバー(206)は、前記測定値(212a、212b、212c)と一緒に包装物身元及び包装物位置(222a、222b、222c)を受信するように更に構成されており、
前記複数のデバイス(204a、204b、204c)は、前記包装物身元及び前記包装物位置を判定するように構成されている、請求項10~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記サーバー(206)は、前記測定値(212a、212b、212c)と一緒に周囲(222a、222b、222c)の状態を受信するように更に構成されており、
前記複数のデバイス(204a、204b、204c)は、周囲(222a、22b、222c)の状態を受信するように更に構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のデバイス(204a、204b、204c)は、前記包装物身元に関連付けられている包装物を走査し、前記包装物を走査する間にデバイス位置を判定し、前記包装物位置を前記デバイス位置に設定するように更に構成されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装技術の分野に関する。より詳細には、本発明は、食品包装物完全性評価などの食品包装物評価に関する。
【背景技術】
【0002】
食品安全性は、食品生産のあらゆるステップで考慮されるべきである。生産される食品生産物に望ましくない微生物がいないことを保証するために、幾つかの品質評価ステップは、食品生産工程に含まれる。食品生産に加えて、生産物を充填する包装物も、生産物を安全に摂取することができることを保証するために、食品安全基準に従う必要がある。
【0003】
食品安全性を保証するために、様々な種類の試験を行う。食品生産設備において、生産物が適切に熱処理されていること、又は脂肪含有量が事前設定区間内にあることを確認するために、様々な種類のセンサーを適用する。包装物が事前設定条件に従って生産されていることを保証するために、視覚センサーシステムを使用してもよい。例えば、包装物を示す画像データを取り込むために、視覚センサーを使用してもよく、包装物の形状が事前設定区間内にあるか否かを判断することができるように、画像データを処理することができ、その結果、包装物が偏差無しで生産されているか否かに関する情報が提供される。
【0004】
様々な種類のセンサーを使用することによって、食品安全性パラメータを連続的に監視することができるけれども、更にオフライン試験を行う必要がまだある。例えば、包装物は、形状の点で事前設定区間内にあるかもしれないけれども、例えば、包装物完全性の点で問題をまだ有することがある。これらの包装物が消費者に配達されていないことを確認するために、サンプル包装物を、包装物から取って、オフラインで解析することができる。サンプル包装物を消費するのに安全でないことが識別された場合、同じバッチからの包装物を、識別してリコールすることができる。
【0005】
上述のように、現在、食品安全性を保証するために、適所に処理及び技術がある。しかし、効率の点で改善の余地がまだある。例えば、有害食品生産物を含む可能性がある包装物が消費されていないことを確認するために、かなりの数の包装物が無駄になる。食品安全性の問題を識別する処理を、より効率的にすることができる場合、包装物をあまり無駄にしなくてもよく、環境的及び経済的に有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の上述の制約のうち1つ又は複数の制約を少なくとも部分的に克服することにある。特に、本発明の目的は、現在よりも時間効率の良い食品包装物完全性評価用の方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、食品包装物評価用の方法を提供する。方法は、オペレーターに連結されるデバイスに関連付けられる身元を判定して、食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行するステップと、食品包装物評価に関する命令を、身元に関連付けられるデバイスに送信するステップと、命令に応じてデバイスから測定値を受信するステップと、測定値に基づいて食品包装物評価データを判定するステップとを含む。
【0008】
方法は、複数の身元に関連付けられる複数のデバイスに関連付けられる位置を判定するステップと、命令に連結される命令関連位置を判定するステップとを更に含んでもよく、識別オペレーターに連結される身元を判定して、食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行するステップは、命令関連位置に最も近い位置を有する身元に関連付けられるデバイスを識別するステップを含む。
【0009】
方法は、測定値と一緒に包装物身元を受信するステップを更に含んでもよく、包装物身元をデバイスによって判定する。
【0010】
方法は、デバイスを使用することによって包装物位置を判定するステップと、測定値と一緒に包装物位置を受信するステップと、測定値に基づいて更なる命令を判定するステップと、包装物位置に基づいて更なるオペレーターに連結される更なる身元を判定するステップと、更なる命令を更なるオペレーターに送信するステップと、更なるオペレーターから更なる測定値を受信するステップとを更に含んでもよく、食品包装物評価は、測定値及び更なる測定値に基づいていてもよい。
【0011】
方法は、包装物位置に基づいて周囲の状態を受信するステップを更に含んでもよい。
【0012】
包装物位置を判定するステップは、デバイスを使用することによって包装物身元に関連付けられる包装物を走査するステップと、包装物を走査するステップ中にデバイスに対するデバイス位置を判定するステップと、包装物位置をデバイス位置に設定するステップとを含んでもよい。
【0013】
食品包装物評価は、包装物のインキュベーションを含んでもよい。
【0014】
方法は、身元に連結されるデバイスからの測定値を、他の身元に連結される他のデバイスからの他の測定値と比較するステップと、偏差を見付けた場合、身元に連結されるデバイスに通知を送信するステップとを更に含んでもよい。
【0015】
方法は、食品包装物評価データを解析して、食品安全性リスクを識別するステップと、食品安全性リスクを識別した場合、リコール要求を送信するステップ及び/又は食品生産を停止するステップとを更に含んでもよい。
【0016】
第2の態様によれば、食品包装物評価用のシステムを提供する。システムは、身元に関連付けられ、オペレーターに連結されている複数のデバイスと、オペレーターに連結されている身元の中で身元を判定して食品包装物評価に関する1つ又は複数のタスクを実行し、食品包装物評価に関する命令を、身元に関連付けられているデバイスに送信し、命令に応じてデバイスから測定値を受信し、測定値に基づいて食品包装物評価データを判定するように構成されているサーバーとを含む。
【0017】
サーバーは、複数の身元に関連付けられている複数のデバイスに関連付けられている位置を判定し、命令に連結されている命令関連位置を判定し、命令関連位置に最も近い位置を有する身元に関連付けられているデバイスを識別するように更に構成されていてもよい。
【0018】
サーバーは、測定値と一緒に包装物身元を受信するように更に構成されていてもよく、複数のデバイスは、包装物身元を判定するように構成されていてもよい。
【0019】
サーバーは、測定値と一緒に包装物身元及び包装物位置を受信するように更に構成されていてもよく、複数のデバイスは、包装物身元及び包装物位置を判定するように構成されていてもよい。
【0020】
サーバーは、測定値と一緒に周囲の状態を受信するように更に構成されていてもよく、複数のデバイスは、周囲の状態を受信するように更に構成されていてもよい。
【0021】
複数のデバイスは、包装物身元に関連付けられている包装物を走査し、包装物を走査する間にデバイス位置を判定し、包装物位置をデバイス位置に設定するように更に構成されていてもよい。
【0022】
本発明の更に他の目的、特徴、態様及び利点は、下記の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0023】
さて、本発明の実施形態について、概略的な添付図面を参照して一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】食品包装物完全性を評価する既知のシステムである。
図2】本発明によるシステムである。
図3a-3b】食品包装物評価用の方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照して、食品包装物完全性を評価する既知のシステム100を例示する。既知のシステム100は、包装材料のリール102、及び包装材料及び食品生産物を充填機106(包装機としても知られている)にそれぞれ供給する管104を含む。図1に例示の特定の例において、包装材料は、カートンベースの包装材料であり、充填機106は、ロール供給充填機である。他の変型例は、ブランク供給充填機又はPET瓶詰め機である。
【0026】
充填機106は、食品生産物(例えば、牛乳)が充填された包装物108を生産している。生産後、下流の設備(例えば、段ボール包装機、フィルム包装機、ストロー貼り付け器、パレタイザーなど)によって、包装物108を更に処理することができる。例示の特定の例において、包装物をパレット112に積載しているパレタイザー110に、包装物108を供給する。
【0027】
食品生産物の包装に関連する全設備、この特定の例において、充填機106及びパレタイザー110を、包装ライン114と呼んでもよい。
【0028】
包装物完全性を評価するために、即ち、望ましくない微生物又は他の外部要因が食品生産物を腐らせないように包装物108を密閉することを評価するために、サンプル包装物116を、オペレーター118によって包装物108から取り込んでもよい。サンプル包装物116を受け取った後、オペレーター118は、サンプル包装物116に関する多くの測定を行い、情報をコンピュータ120に入力する。コンピュータ120は、独立型コンピュータであってもよく、クラウドサービス122を介して他のコンピュータに接続されていてもよい。サンプル包装物116が事前設定品質条件を満たさないとオペレーター118が分かった場合、オペレーター118は、更なる措置を講じることを要求してもよい。
【0029】
図2は、本発明によるシステム200を例示する。図1に例示の既知のシステム100のように、システム200は、リール102、管104、充填機106、包装物108、パレタイザー及びパレット112を含む包装ライン114を含む。
【0030】
既知のシステム100と違って、システム200は、デバイス204a、204b、204c(例えば、サーバー206に通信可能に接続された携帯電話又はタブレット)を各々が有する複数のオペレーター202a、202b、202cを含む。このようなセットアップを有すると、必要に応じて、サーバー206からデバイス204a、204b、204cに命令208a、208b、208cを送信することができる。従って、図1に例示のようなオペレーター118がオペレーターに与えられる計画に従うことに基づく消極的手法を有する代わりに、システム200は、命令208a、208b、208cをオペレーター202a、202b、202cに与える積極的手法の可能性を与える。
【0031】
オペレーター202a、202b、202cのうち1人又は数人に与えられることができる命令208a、208b、208cを送信した後、オペレーターは、サンプル包装物210a、210b、210cを取り込み、命令208a、208b、208cに割り当てられたタスクを実行する。サンプル包装物210a、210b、210cを抜き取る場所を、命令に含んでもよい。サンプル包装物210a、210b、210cで得られた測定値212a、212b、212cを、デバイス204a、204b、204cからサーバー206に転送することができる。
【0032】
測定値212a、212b、212cを、サーバー206自体又はクラウドサービス214、又はこれらの組み合わせによって処理することができる。任意選択的に、追加データを、測定値をより確実に評価することができるように別の包装ラインに関連付けられた別のクラウドサービス216から受信してもよい。同様の方法で、データを、サーバー206に関連付けられたクラウドサービス214から他のクラウドサービス216に送信してもよい。
【0033】
測定値の処理からの出力は、食品包装評価データ216である。このデータは、包装物210a、210b、210cが十分な完全性を与えるか否かだけを示すブール代数であってもよく、又は、例えば不十分な完全性の根本原因を識別することができるように、より詳細なデータを含んでもよい。
【0034】
デバイス204a、204b、204cを、身元220a、220b、220cに関連付けてもよい。デバイスが携帯電話又はタブレットである場合、身元は、MACアドレスであってもよく、身元を、特にこの目的のために形成してもよい。デバイスに対する身元を有する利点は、特定のオペレーターを特定のデバイスに関連付ける場合、測定値におけるオペレーター固有の偏差を識別することができることである。効果として、特定のオペレーターが正確に測定を実行していないことを識別することができる場合、このことを識別することができ、次に、測定の信頼性を向上させることができるように訓練を与えてもよい。
【0035】
更に、包装物に設けられた光学マーク(例えば、QR(クイックレスポンス)コード)を走査することができるように、カメラをデバイス204a、204b、204cに設けてもよい。光学マークは、包装物身元情報を含むことができるので、測定値をもたらすタスクを実行するオペレーターだけでなく、測定される包装物の包装物身元も識別することができる。包装物身元222a、222b、22cを、測定値と一緒にデバイスから送信してもよい。包装物身元を知ることによって、サーバー206は、包装物を生産する場合、充填機106で使用される、例えばパラメータ設定値の形で、追加情報を取り込んでもよく、その結果、測定値の解析を向上させることができる。
【0036】
更に、デバイスの位置を判定する手段を、GPS使用可能な又は任意の他の方法で、デバイス204a、204b、204cに設けてもよい。デバイスの位置を有することによって、測定を実行するためにデバイスを使用するので、測定が行われる場所を判定することもできる。これは、包装物を走査して包装物身元を判定するためにデバイスを使用する場合、特に当てはまる。このような方法で、包装物位置222a、222b、222cを、測定値と一緒に送信してもよい。
【0037】
デバイス204a、204b、204c用の位置情報を有する別の効果は、包装物を取り込むべき位置に近いオペレーターに命令を送信することができることである。例えば、オペレーターがパレタイザー110に近く、測定されるべき包装物を、パレタイザーから取り込むべきである場合、このオペレーターに命令を送信することができる。
【0038】
更に、デバイス204a、204b、204cの位置を有すると、周囲222a、222b、222cの状態を、測定値と一緒に識別して送信することができる。これらの状態を、デバイスに組み込まれたセンサー(例えば、温度センサー及び湿度センサー)を有することによって、取り込んでもよい。しかし、位置データと一緒に状態の要求を外部センサーに送信し、状態を外部センサーから受信することによって、デバイス204a、204b、204cは、状態を間接的に判定することもできる。外部センサーは、例えば、包装ライン114を収容する設備に設けられた温度センサー及び/又は湿度センサーであってもよい。
【0039】
温度及び/又は湿度は測定値に影響を与えることがあるので、周囲の状態を識別することは適切であり、周囲の状態は、包装ラインを収容する設備の部分によって異なることがある。例えば、管104及びリール102を設備の低温区域(例えば、10℃未満)に置き、パレタイザー110を設備の高温区域(10℃を超える)に置くように、包装ライン114を配置してもよい。
【0040】
包装物身元、包装物位置及び周囲の状態をグループ化することが例示されているが、包装物身元、包装物位置及び周囲の状態を、更に別々に処理することができるものと理解されたい。
【0041】
図2に例示のように、サンプル包装物110a、110b、110cを、包装ライン114からだけでなく、インキュベーター224からも取り込んでもよい。制御状態下で所定時間サンプル包装物を保持することによって、包装物完全性の確実な評価を行うことができる。更に、図示されていないが、サンプル包装物を、包装ラインと異なる位置に置かれた倉庫から取り込んでもよく、又は他の場所に置かれた食料品店で取り込んでもよい。
【0042】
上述の手法を用いた利点は、包装物の評価を、より迅速に行うことができることであり、食品安全性リスクを、より迅速に識別することができ、その結果、摂取して安全でない食品生産物が消費者に届くリスクを更に減らし、多くの無駄な包装物を減少することができるように食品生産を停止することもできる。
【0043】
更に、利点は、評価が動的であることである。例えば、特定の測定値を受信する場合、どの命令を次のステップとして送信するかを、サーバー206で予めプログラム化してもよい。異なる位置に置かれた幾つかのデバイスと組み合わせられる場合、動的手法は、特に便利である。例えば、インキュベーター224に保持されたサンプル包装物は、食品安全性リスクの可能性があることを示す場合、異なる位置に置かれた倉庫に配置されたオペレーターに命令を送信し、インキュベーターに保持されたサンプル包装物と同じバッチから来る、倉庫に保持された包装物に関する測定を実行してもよい。
【0044】
各オペレーターをデバイスに関連付けることが上述されているが、この事例である必要がない。同じデバイスを用いたオペレーターのグループであってもよく、又は、デバイスを全オペレーターの間で共用してもよい。
【0045】
図3a及び図3bは、食品包装物評価用の方法を例示するフローチャート300である。
【0046】
第1のステップ302で、デバイス204a、204b、204cに関連付けられる身元を識別することができる。
【0047】
第2のステップ304で、命令208a、208b、208cを、デバイスに送信することができる。
【0048】
第3のステップ306で、デバイスからの測定値212a、212b、212cを受信することができる。
【0049】
第4のステップ308で、食品包装物評価データ218を判定することができる。
【0050】
第5のステップ310で、複数のデバイスに関連付けられる位置を判定してもよい。第6のステップ312で、命令関連位置を判定してもよい。第1のステップ302の一部であってもよい第7のステップ314で、命令関連位置に最も近い位置を有するデバイスを識別してもよい。換言すれば、命令が特定の位置で実行されるべきである場合、この特定の位置に最も近いデバイスを識別してもよく、命令をこのデバイスに送信してもよい。
【0051】
第8のステップ316で、包装物身元を、測定値と一緒に受信してもよい。
【0052】
第9のステップ318で、包装物位置を、デバイスによって判定してもよい。
【0053】
第10のステップ320で、包装物位置を、測定値と一緒に受信してもよい。
【0054】
第11のステップ322で、更なる命令を、測定値に基づいて判定してもよい。
【0055】
第12のステップ324で、更なるオペレーターに連結される更なる身元を、包装物位置に基づいて判定してもよい。
【0056】
第13のステップ326で、更なる命令を、更なるオペレーターに送信してもよい。
【0057】
第14のステップ328で、更なる測定値を、更なるオペレーターから受信してもよい。
【0058】
第15のステップ330で、包装物位置に基づいて判定される周囲の状態を、受信してもよい。
【0059】
第9のステップ318は、デバイスを用いて包装物を走査する第1のサブステップ332と、走査するステップ中にデバイス位置を判定する第2のサブステップ334と、包装物位置をデバイス位置に設定する第3のサブステップ336とを含んでもよい。
【0060】
第16のステップ338で、身元に連結されるデバイスからの測定値を、他の身元に連結される他のデバイスからの他の測定値と比較することができる。偏差を見付けた場合(340)、第17のステップ342で、身元に連結されるデバイスへの通知を送信してもよい。
【0061】
第18のステップ344で、食品包装物評価データ218を解析して、食品安全性リスクを識別することができる。食品安全性リスクを識別した場合(346)、第19のステップ348で、リコール要求を送信することができる、及び/又は、第20のステップ350で、食品生産を停止することができる。
【0062】
特定の順序で例示及び説明されているけれども、ステップを更に他の順序で実行することができるものと理解されたい。
【0063】
上述から、本発明の様々な実施形態が説明され示されているが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、下記の特許請求の範囲に規定の主題の範囲内で、本発明を他の方法で具体化することができる。
図1
図2
図3a
図3b
【国際調査報告】