(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】高分子洗浄ブースター
(51)【国際特許分類】
C08F 290/14 20060101AFI20220805BHJP
C08F 16/26 20060101ALI20220805BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20220805BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
C08F290/14
C08F16/26
C11D3/37
C11D17/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573850
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 US2020034806
(87)【国際公開番号】W WO2020251767
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペーラ、アスガル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ドノヴァン、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、ロイ
【テーマコード(参考)】
4H003
4J100
4J127
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA01
4H003DB01
4H003DB02
4H003EB30
4H003FA05
4J100AE18Q
4J100AE77Q
4J100AJ02P
4J100AJ09P
4J100AK32P
4J100AL01P
4J100AL03R
4J100AM15P
4J100BA04Q
4J100BA08Q
4J100BA56Q
4J100BA64Q
4J100CA04
4J100CA05
4J100DA01
4J100FA03
4J100FA04
4J100FA19
4J100GC35
4J127AA05
4J127AA07
4J127BB021
4J127BB071
4J127BB101
4J127BB191
4J127BC021
4J127BC151
4J127BD211
4J127BG051
4J127BG05Y
4J127BG121
4J127BG12Y
4J127BG141
4J127BG14Y
4J127BG331
4J127BG33Y
4J127CB121
4J127CC151
4J127FA00
4J127FA51
(57)【要約】
【解決手段】 液体洗濯添加剤であって、洗浄ブースターポリマーであって、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化1】
式中、aは、平均1~3であり、bは、平均1~3であり、cは、平均0~5であり、dは、4~100であり、Aは、アニオンであり、Mは、アニオンとバランスをとっているカチオンの電荷である、構造単位と、任意選択的に、式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化2】
のものであり、
式中、各R
2は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される、構造単位と、を有する洗浄ブースターポリマー、を含む液体洗濯添加剤が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯添加剤であって、
洗浄ブースターポリマーであって、
前記洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、
前記洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化1】
(I)
式中、aは、平均1~3であり、bは、平均1~3であり、cは、平均0~5であり、dは、4~100であり、Aは、アニオン(好ましくは、SO
3
-またはPO
3
2-、より好ましくは、SO
3
-)であり、Mは、前記アニオンとバランスをとっているNH
4
+の電荷である、構造単位と、
前記洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~20重量%の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化2】
(II)
式中、各R
2は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される、構造単位と、を含む洗浄ブースターポリマー、を含む液体洗濯添加剤。
【請求項2】
前記洗浄ブースターポリマーが、500~100,000ダルトンの重量平均分子量M
Wを有する、請求項1に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項3】
前記モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位が、式(III)の構造単位であって、
【化3】
(III)
式中、各R
4は、独立して、水素および-CH
3基から選択される、構造単位である、請求項2に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項4】
各R
4が、前記洗浄ブースターポリマー中の前記式(III)の構造単位の50~100モル%において水素である、請求項3に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項5】
aが、平均2である、請求項4に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項6】
bが、1である、請求項5に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項7】
cが、0である、請求項6に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項8】
dが、10~20である、請求項7に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項9】
Aが、SO
3
-である、請求項8に記載の液体洗濯添加剤。
【請求項10】
前記液体洗濯添加剤が、前記液体洗濯添加剤の前記乾燥重量に基づいて、≦1重量%のビニルアルコールポリマーを含有する、請求項9に記載の液体洗濯添加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗濯添加剤に関する。特に、本発明は、液体洗濯添加剤であって、洗浄ブースターポリマーであって、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化1】
式中、aは、平均1~3であり、bは、平均1~3であり、cは、平均0~5であり、dは、4~100であり、Aは、アニオンであり、Mは、アニオンとバランスをとっているカチオンの電荷である、構造単位と、任意選択的に、式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化2】
のものであり、
式中、各R
2は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される、構造単位と、を有する洗浄ブースターポリマー、を含む液体洗濯添加剤に関する。
【0002】
優れた全体的な洗浄を提供する液体およびゲル形態の洗濯洗剤は、消費者にとって望ましい。そのような洗濯洗剤は、典型的には、消費者が所望の洗浄効果を果たすために、他の成分の中でも界面活性剤を含む。それにもかかわらず、環境への感受性の高まりおよび材料費の上昇により、洗濯洗剤での界面活性剤の利用を減らす動きが高まっている。その結果、洗剤メーカーは、全体的な洗浄性能を維持しながら、洗濯洗剤の単位用量あたりの界面活性剤の量を減らす方法を模索している。
【0003】
界面活性剤の単位用量を減らすための1つのアプローチは、Boutiqueらによって、米国特許出願公開第2009/0005288号に記載されているように、ポリマーを液体洗剤配合物に組み込むことである。Boutiqueらは、約2~約20重量%の界面活性剤を有する液体またはゲル洗濯洗剤配合物で使用するためのポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンオキシドと酢酸ビニルとの約1:0.2~約1:10の重量比のグラフトコポリマーを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それにもかかわらず、好ましくは、改善された再付着防止性能も提供しつつ、液体またはゲルの洗濯洗剤配合物中の界面活性剤の低減された量を有する、一次洗浄性能の維持を促進する、液体洗濯添加剤の継続的な必要性が存在する。
【0005】
本発明は、洗浄ブースターポリマーであって、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化3】
式中、aは、平均1~3であり、bは、平均1~3であり、cは、平均0~5であり、dは、4~100であり、Aは、アニオンであり、Mは、アニオンとバランスをとっているNH
4
+の電荷である、構造単位と、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~20重量%の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化4】
のものであり、
式中、各R
2は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される、構造単位と、を含む洗浄ブースターポリマーを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
驚くべきことに、本明細書に記載される液体洗濯添加剤は、グラウンドクレイの良好な再付着防止性能を維持しながら、ほこり皮脂に対する一次洗浄性能の改善を促進することが見出された。
【0007】
特に指示がない限り、比率、百分率、部などは、重量単位である。組成物中の重量百分率(または重量%)は、乾燥重量の百分率であり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除した百分率である。
【0008】
本明細書で使用される場合、特に指示がない限り、「重量平均分子量」および「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPC技術については、Modern Size Exclusion Liquid Chromatography:Practice of Gel Permeation and Gel Filtration Chromatography,Second Edition,Striegel,et al.,John Wiley&Sons,2009で詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0009】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「構造単位」という用語は、示されたモノマーの残部(remnant)を指し、したがって、(メタ)アクリル酸の構造単位は、以下で示され、
【化5】
式中、点線は、ポリマー骨格への結合点を表し、Rは、アクリル酸の構造単位の水素、およびメタクリル酸の構造単位の-CH
3基である。
【0010】
好ましくは、本発明の液体洗濯添加剤は、本明細書に記載される洗浄ブースターポリマーを含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯添加剤は、水、および本明細書に記載される洗浄ブースターポリマーを含み、洗浄ブースターは、水に分散されている。最も好ましくは、本発明の液体洗濯添加剤は、5~85重量%(好ましくは、20~80重量%、より好ましくは、30~75重量%、最も好ましくは、40~60重量%)の水と、15~95重量%(好ましくは、20~80重量%、より好ましくは、25~70重量%、最も好ましくは、40~60重量%)の本明細書に記載される洗浄ブースターポリマーと、を含む。
【0011】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位と、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、15~25重量%)の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化6】
式中、aは、平均1~3(好ましくは、1~2、最も好ましくは、2)であり、bは、平均1~3(好ましくは、1~2、最も好ましくは、1)であり、cは、平均0~5(好ましくは、0~2、最も好ましくは、0)であり、dは、4~100(好ましくは、5~50、より好ましくは、7.5~20、最も好ましくは、10~20)であり、Aはアニオン(好ましくは、SO
3-またはPO
3
2-、より好ましくは、SO
3
-)であり、Mは、アニオンとバランスをとっているNH
4
+カチオンの電荷である、構造単位と、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~20重量%(好ましくは、0~15重量%、より好ましくは、0~10重量%、さらにより好ましくは、0~5重量%、最も好ましくは、0重量%)の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位であって、
【化7】
のものであり、
式中、各R
2は、独立して、-C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、水素およびメチル基からなる群から選択される、構造単位と、を含む洗浄ブースターポリマーを含む。
【0012】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物に使用される洗浄ブースターポリマーは、500~100,000ダルトン(好ましくは、1,000~50,000ダルトン、より好ましくは、2,000~20,000ダルトン、最も好ましくは、2,500~7,500ダルトン)の重量平均分子量MWを有する。
【0013】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含む。より好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーから選択される。さらによる好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、ならびに対応する無水物、アミド、およびエステルなどの他の誘導体からなる群から選択される。なおさらにより好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。なおさらにより好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸コアモノマーは、アクリル酸を含む。最も好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸コアモノマーは、アクリル酸である。
【0014】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位は、式(III)の構造単位であり、
【化8】
式中、各R
4は、独立して、水素および-CH
3基(好ましくは、水素)から選択される。最も好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、50~95重量%(好ましくは、60~92重量%、より好ましくは、70~90重量%、最も好ましくは、75~85重量%)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの構造単位は、式(III)の構造単位であり、各R
4は、独立して、水素および-CH
3基から選択され、R
4は、洗浄ブースターポリマー中の式(III)の構造単位の50~100モル%(好ましくは、75~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、さらにより好ましくは、98~100モル%、最も好ましくは、100モル%)において水素である。
【0015】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、15~25重量%)の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を含み、
【化9】
式中、aは、平均1~3(好ましくは、1~2、最も好ましくは、2)であり、bは、平均1~3(好ましくは、1~2、最も好ましくは、1)であり、cは、平均0~5(好ましくは、0~2、最も好ましくは、0)であり、dは、4~100(好ましくは、5~50、より好ましくは、7.5~20、最も好ましくは、10~20)であり、Aはアニオン(好ましくは、SO
3-またはPO
3
2-、より好ましくは、SO
3
-)であり、Mは、アニオンとバランスをとっているNH
4
+の電荷である。より好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、5~50重量%(好ましくは、8~40重量%、より好ましくは、10~30重量%、最も好ましくは、15~25重量%)の式(I)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を含み、式中、aは、平均2であり、bは、1であり、cは、0であり、dは、平均10~20であり、Aは、SO
3
-であり、Mは、NH
4
+である。
【0016】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~20重量%(好ましくは、0~15重量%、より好ましくは、0~10重量%、さらにより好ましくは、0~5重量%、最も好ましくは、0重量%)の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を含み、
【化10】
のものであり、
式中、各R
2は、独立して、-C
1~4アルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、およびブチル基、より好ましくは、エチル基、およびブチル基、最も好ましくは、エチル基)から選択され、各R
3は、独立して、水素およびメチル基(好ましくは、水素)からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、洗浄ブースターポリマーの乾燥重量に基づいて、0~5重量%(好ましくは、0~3重量%、より好ましくは、0~2重量%、最も好ましくは、0重量%)の式(II)のエチレン性不飽和モノマーの構造単位を含み、R
2は、洗浄ブースターポリマー中の式(II)の構造単位の75~100モル%(好ましくは、90~100モル%、より好ましくは、98~100モル%、最も好ましくは、100モル%)においてエチレン基であり、R
3は、洗浄ブースターポリマー中の式IVの構造単位の75~100モル%(好ましくは、90~100モル%、より好ましくは、98~100モル%、最も好ましくは、100モル%)において水素である。
【0017】
好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは、<0.5重量%、より好ましくは、<0.2重量%、さらにより好ましくは、<0.1重量%、なおさらにより好ましくは、<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有する。より好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは、<0.5重量%、より好ましくは、<0.2重量%、さらにより好ましくは、<0.1重量%、なおさらにより好ましくは、<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有し、ビニルアルコールポリマーは、80~100モル%の鹸化度(JIS K 6726(1994)に規定された方法を使用して決定)を有する。最も好ましくは、本発明の洗浄ブースターポリマーは、液体洗濯添加剤の乾燥重量に基づいて、<1重量%(好ましくは、<0.5重量%、より好ましくは、<0.2重量%、さらにより好ましくは、<0.1重量%、なおさらにより好ましくは、<0.01重量%、最も好ましくは、<検出限界)のビニルアルコールポリマー(PVA)を含有し、ビニルアルコールポリマーは、変性ビニルアルコールポリマーを含み得る。変性ビニルアルコールポリマーとしては、アニオン変性PVA(例えば、スルホン酸基変性PVA、およびカルボン酸基変性PVA)、カチオン変性PVA(例えば、第四級アミン基変性PVA)、アミド変性PVA、アセトアセチル基変性PVA、ジアセトンアクリルアミド変性PVA、およびエチレン変性PVAが挙げられる。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態を、これより以下の実施例において詳細に説明する。
【0019】
合成S1:ポリマー1
機械的撹拌器、加熱マントル、熱電対、冷却器、ならびにモノマー、開始剤、鎖調整剤の添加口を備える、2リットルの丸底フラスコに、脱イオン水(300g)を充填した。フラスコの内容物を攪拌し、74℃に加熱した。フラスコの内容物が74℃の反応温度に達したら、0.15%の硫酸鉄七水和物促進剤水溶液(2.5g)を添加し、続いて、事前充填として、脱イオン水(7.0g)に溶解したメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)(1.43g)を添加した。次いで、以下のように、フラスコの内容物に、別個の供給を行った。
開始剤の同時供給:脱イオン水(25g)に溶解した過硫酸ナトリウム(5.98g)を、110分かけてフラスコに供給した。
連鎖移動剤(CTA)の同時供給:脱イオン水(40g)に溶解したメタ重亜硫酸ナトリウム(22.43g)を、98分かけてフラスコに供給した。
モノマーの同時供給:氷状のアクリル酸(239.2g)と、式(I)のエチレン性不飽和モノマーであって、式中、aは、2であり、bは、1であり、cは、0であり、dは、15であり、Aは、-SO3
-であり、Mは、NH4
+である、エチレン性不飽和モノマー(Ethox Chemicals,LLCから、E-Sperse(登録商標)RS-1596の名称で入手可能)(59.8g)と、を含有するモノマー溶液を、95分かけてフラスコに供給した。
同時供給が完了したら、すすぎとして、脱イオン水(10g)を添加した。次いで、フラスコの内容物を、74℃で10分間保持した。保持が完了したら、2つの連続したチェース溶液を、フラスコに添加し、チェースの添加の間に5分間保持した。両方のチェースは、過硫酸ナトリウム(0.42g)および脱イオン水(8g)で構成され、10分かけて添加した。次いで、35%過酸化水素スカベンジャー水溶液(3g)を、フラスコの内容物に添加した。次いで、フラスコの内容物を、<35℃に冷却した。生成物ポリマーは、45.9%の固形分、1.62のpH、520cpsのブルックフィールド粘度を有していた。残留モノマーは、52ppm未満と測定された。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終重量平均分子量Mwは、5,721ダルトンであった。
【0020】
比較例C1および実施例1:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、表2に示される洗浄ブースターポリマーを有する、表1に記載される一般的な配合を有するように調製し、標準的な液体洗濯配合物調製手順によって調製した。
【表1】
【表2】
【0021】
一次洗浄性能
比較例C1および実施例1の液体洗濯洗剤配合物の一次洗浄性能を、表3に示される条件で、毎分90回転で攪拌されたSR Lab Instrumentsから入手可能であるTerg-o-tometer Model TOM-52-A(6×1Lウェル)で評価した。
【表3】
【0022】
汚れ除去指数(SRI)は、ASTMメソッドD4265-14を使用して計算した。ΔSRIは、洗浄ブースターがない場合と同じ界面活性剤濃度の対照洗剤を参照して決定した。結果を、表4に提供する。
【表4】
【国際調査報告】