(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】棚部品及びキャビネット
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20220805BHJP
A47F 5/00 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
A47F3/04 L
A47F5/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573925
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2020072463
(87)【国際公開番号】W WO2020248606
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】201910502513.5
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520194696
【氏名又は名称】合肥美的智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA INTELLIGENT TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】2 Fioor,Building G2,Mingzhu Road 198,Hefei High-Tech Zone,Hefei,Anhui 230088,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲潤▼迪
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲結▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】任 志恒
【テーマコード(参考)】
3B110
3B118
【Fターム(参考)】
3B110CA10
3B118AA14
3B118BB04
3B118DA31
3B118FA32
(57)【要約】
本願は、棚部品及びキャビネットを提供する。当該棚部品は、底受け(1)と、固定端と自由端とを有し、固定端が底受け(1)に固定され、自由端が底受け(1)に対して浮いている重力センサ(3)と、自由端に固定されるトレイ(2)と、を備える。当該棚部品は、重力センサ(3)の固定端が底受け(1)に固定され、自由端がトレイ(2)の重量を受けるため、さらにテコの原理を利用して、微小の重力変化の識別の正確性を大幅に向上させることができる。トレイ(2)全体の重力が自由端に作用する。商品がトレイ(2)に載置されると、自由端が圧下されて変形する状態となるため、重力センサ(3)は、その変形量に基づいて、どのくらいの重量の商品が載置されているかを認識することができる。商品がトレイ(2)から取り出されると、商品の載置による変形量が回復し、重力センサは、リバウンドによる変形量に基づいて、どのくらいの重量の商品が取り出されたかを認識する。この棚部品を備えたキャビネットは、顧客の注文エラーの可能性を大幅に低減させ、料金の差し引きの誤りを回避することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底受けと、
固定端と自由端とを有し、前記固定端が前記底受けに固定され、前記自由端が前記底受けに対して浮いている重力センサと、
前記自由端に固定されるトレイと、を備えることを特徴とする棚部品。
【請求項2】
前記底受けには、第1の突起が設けられており、前記固定端は、前記第1の突起に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の棚部品。
【請求項3】
前記底受けの縁には、凹溝が設けられており、前記第1の突起は、前記凹溝に位置し、前記重力センサは、前記凹溝に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の棚部品。
【請求項4】
前記底受けのうちの前記トレイから遠い側には、位置限定取付溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の棚部品。
【請求項5】
荷重受け板をさらに備え、
前記荷重受け板には、第2の突起が設けられており、前記第2の突起は、前記自由端に固定され、前記トレイは、前記荷重受け板に固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の棚部品。
【請求項6】
前記重力センサは2つあり、前記荷重受け板は2枚あり、2つの前記重力センサ及び2枚の前記荷重受け板は、いずれも前記底受けの両側に中心対称に分布していることを特徴とする請求項5に記載の棚部品。
【請求項7】
前記トレイは、トレイ本体と、仕切板とを有し、前記仕切板は、前記トレイ本体のうちの前記底受けから遠い側に位置し、前記仕切板は、前記トレイ本体の幅方向に移動して固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の棚部品。
【請求項8】
前記トレイは、前記トレイ本体の幅方向に延びる一対のスライドレールをさらに有し、
前記スライドレールは、前記トレイ本体に固定され、
前記仕切板の両端には、前記スライドレールに沿ってスライドして固定されるスライダが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の棚部品。
【請求項9】
前記スライドレールには、抜止スライド溝が形成されており、
前記スライダは、前記スライドレールの両端から前記抜止スライド溝の内部に入り込むストッパ部を有することを特徴とする請求項8に記載の棚部品。
【請求項10】
前記トレイ本体の幅方向に沿った両端には、フランジが設けられており、前記フランジは、前記スライドレールの端部をブロックすることを特徴とする請求項9に記載の棚部品。
【請求項11】
キャビネット本体と、前記キャビネット本体内に位置する支持柱とを備え、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の棚部品をさらに備え、前記棚部品は、前記支持柱に取り付けられることを特徴とするキャビネット。
【請求項12】
前記底受けのうちの前記トレイから遠い側に取り付けられ、前記キャビネット本体内の画像情報を撮る撮像手段と、
前記画像情報及び前記重力センサにより測定された重力データを受信する処理モジュールと、
前記処理モジュールに接続され、前記画像情報と前記重力データとに基づいて、商品取り又は商品補充の状況を表示する表示モジュールと、をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のキャビネット。
【請求項13】
前記キャビネット本体の内部空洞の頂部に設けられたファンをさらに備え、
前記トレイ及び前記底受けのいずれにも、通風孔が設けられていることを特徴とする請求項11に記載のキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本願は、2019年06月11日に提出された、発明の名称が「棚部品及びキャビネット」であり、出願番号が2019105025135である中国特許出願を引用し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、スマート販売技術分野に関し、特に、棚部品及びキャビネットに関する。
【背景技術】
【0003】
自動販売キャビネットは、販売員を必要とせずに対応する商品を自動販売できる商業取引機器であり、設置が容易であり、取引時に販売者のスタッフを必要としないと共に、時間や場所による制限を受けないため、24時間営業のミニスーパーとも呼ばれている。
【0004】
現在、市販されている重力識別機能を備えた自動販売キャビネットの商品トレイは、センサをトレイに直接取り付けてトレイ上の重力変化を識別しているが、微細な重力の変化に対して識別が不正確であるため、顧客の注文エラーが生じて、料金の差し引きに誤りが非常に発生しやすくなる。
【0005】
また、トレイ上に商品が無秩序に並べられることで、商品が傾いたり、箱体や他の商品に寄りかかったりしやすくなり、商品の識別が不正確になることが発生しやすくなり、同様に、顧客の注文エラーが生じて、料金の差し引きに誤りが発生しやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、従来技術又は関連技術における課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0007】
本願は、1つの目的として、従来技術における、自動販売キャビネットが微細な重力の変化に対して識別が不正確であるため、顧客の注文エラーが生じ、料金の差し引きに誤りが発生するという課題を解決するための棚部品及びキャビネットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本願は、
底受けと、
固定端と自由端とを有し、前記固定端が前記底受けに固定され、前記自由端が前記底受けに対して浮いている重力センサと、
前記自由端に固定されるトレイと、を備える棚部品を提供する。
【0009】
一つの実施形態において、前記底受けには、第1の突起が設けられており、前記固定端は、前記第1の突起に固定されている。
【0010】
一つの実施形態において、前記底受けの縁には、凹溝が設けられており、前記第1の突起は、前記凹溝に位置し、前記重力センサは、前記凹溝に固定されている。
【0011】
一つの実施形態において、前記底受けのうちの前記トレイから遠い側には、位置限定取付溝が設けられている。
【0012】
一つの実施形態において、前記棚部品は、荷重受け板をさらに備え、
前記荷重受け板には、第2の突起が設けられており、前記第2の突起は、前記自由端に固定され、
前記トレイは、前記荷重受け板に固定されている。
【0013】
一つの実施形態において、前記重力センサは2つあり、前記荷重受け板は2枚あり、2つの前記重力センサ及び2枚の前記荷重受け板は、いずれも前記底受けの両側に中心対称に分布している。
【0014】
一つの実施形態において、前記トレイは、トレイ本体と、仕切板とを有し、前記仕切板は、前記トレイ本体のうちの前記底受けから遠い側に位置し、
前記仕切板は、前記トレイ本体の幅方向に移動して固定される。
【0015】
一つの実施形態において、前記トレイは、前記トレイ本体の幅方向に延びる一対のスライドレールをさらに有し、
前記スライドレールは、前記トレイ本体に固定され、
前記仕切板の両端には、前記スライドレールに沿ってスライドして固定されるスライダが設けられている。
【0016】
一つの実施形態において、前記スライドレールには、抜止スライド溝が形成されており、
前記スライダは、前記スライドレールの両端から前記抜止スライド溝の内部に入り込むストッパ部を有する。
【0017】
一つの実施形態において、前記トレイ本体の幅方向に沿った両端には、フランジが設けられており、前記フランジは、前記スライドレールの端部をブロックする。
【0018】
上記の目的を達成するために、本願は、
キャビネット本体と、前記キャビネット本体内に位置する支持柱とを備え、
前記支持柱に取り付けられた上記の棚部品をさらに備えるキャビネットを提供する。
【0019】
一つの実施形態において、前記キャビネットは、前記底受けのうちの前記トレイから遠い側に取り付けられ、前記キャビネット本体内の画像情報を撮る撮像手段と、
前記画像情報及び前記重力センサにより測定された重力データを受信する処理モジュールと、
前記処理モジュールに接続され、前記画像情報と前記重力データとに基づいて、商品取り又は商品補充の状況を表示する表示モジュールと、をさらに備える。
【0020】
一つの実施形態において、前記キャビネットは、前記キャビネット本体の内キャビティの頂部に設けられたファンをさらに備え、
前記トレイ及び前記底受けのいずれにも、通風孔が設けられている。
【0021】
本願の技術案は、以下の利点を有する。本願の当該棚部品は、重力センサの固定端が底受けに固定され、自由端がトレイの重量を受けるため、さらにこの重力センサがテコの原理を利用して、微小の重力変化の識別の正確性を大幅に向上させることができる。トレイ全体の重力が自由端に作用する。商品がトレイに載置されると、自由端が圧下されて変形する状態となるため、重力センサは、その変形量に基づいて、どのくらいの重量の商品が載置されているかを認識することができる。また、商品がトレイから取り出されると、商品の載置による変形量が回復し、重力センサは、リバウンドによる変形量に基づいて、どのくらいの重量の商品が取り出されたかを認識する。この棚部品を備えたキャビネットは、顧客の注文エラーの可能性を大幅に低減させ、料金の差し引きの誤りを回避することができる。
【0022】
本願の実施形態又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下に説明する図面は、本願のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働を要しない前提で、これらの図面に基づいてその他の図面を更に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本願の実施形態の棚部品の側面模式図である。
【
図2】本願の実施形態の棚部品のある視角での斜視模式図である。
【
図3】本願の実施形態の棚部品の別の視角での斜視模式図である。
【
図4】本願の実施形態の底受けのある視角での斜視模式図である。
【
図5】本願の実施形態の底受けの別の視角での斜視模式図である。
【
図6】本願の実施形態の荷重受け板の正面模式図である。
【
図7】本願の実施形態の荷重受け板の上面模式図である。
【
図8】本願の実施形態の荷重受け板の側面模式図である。
【
図9】本願の実施形態のトレイの斜視模式図である。
【
図10】本願の実施形態のトレイの上面模式図である。
【
図11】本願の実施形態のトレイの側面模式図である。
【
図13】本願の実施形態のスライドレールの側面模式図である。
【
図14】本願の実施形態のスライダの斜視模式図である。
【
図15】本願の実施形態のスライダの側面模式図である。
【
図16】本願の実施形態のスライダの上面模式図である。
【
図17】本願の実施形態の仕切板の斜視模式図である。
【
図18】本願の実施形態のトレイ本体のある視角での斜視模式図である。
【
図19】本願の実施形態のトレイ本体の別の視角での斜視模式図である。
【
図20】本願の実施形態の重力センサの斜視模式図である。
【
図21】本願の実施形態のキャビネットの透視構成模式図である。
【
図22】本願の実施形態のキャビネットの斜視模式図である。
【
図23】本願の実施形態の撮像手段の実装模式図である。
【
図24】本願の実施形態の撮像手段の構成模式図である。
【
図25】本願の実施形態の照明手段の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面及び実施形態を参照して本願の実施形態を更に詳細に説明する。以下の実施形態は、本願を説明するためのものであり、本願の範囲を限定するものではない。
【0025】
本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を便利に又は簡単に説明するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が必ず特定の方位にあり、特定の方位において構成されて操作されると明示又は暗示するものではないので、本願に対する限定であると理解されるべきではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、単に説明のためのものであり、相対的な重要性を明示又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0026】
本願の説明において、明確な規定と限定がない限り、「互いに接続」、「接続」などの用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、或いは一体的な接続でも可能であり、機械的な接続や、電気的な接続も可能であり、直接接続することや、中間媒体を介して互いに間接接続することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0027】
図1~
図3に示すように、本願の実施形態によれば、棚部品は、底受け1と、重力センサ3と、トレイ2とを備える。ここで、重力センサ3は、固定端と自由端とを有し、固定端は、底受け1に固定され、自由端は、底受け1に対して浮いており、トレイ2は、自由端に固定される。
【0028】
この棚部品は、重力センサの固定端が底受け1に固定され、自由端がトレイ2の重量を受けるので、さらにこの重力センサはテコの原理を利用して、微小の重力変化の識別の正確性を大幅に向上させることができる。トレイ2全体の重力が自由端に作用する。商品がトレイ2上に載置されると、自由端が圧下されて変形する状態となるため、重力センサは、その変形量に基づいて、どのくらいの重量の商品が載置されているかを認識することができる。また、商品がトレイ2から取り出されると、商品の載置による変形量が回復し、重力センサは、リバウンドによる変形量に基づいて、どのくらいの重量の商品が取り出されたかを認識することができる。この棚部品を備えたキャビネットは、顧客の注文エラーの可能性を大幅に低減させ、料金の差し引きの誤りを回避することができる。
【0029】
図4を参照して、底受け1には、第1の突起6が設けられ、固定端は、第1の突起6に固定されている。第1の突起6を設けることで、重力センサの自由端が浮いていることが確保され、さらに重力センサは一端が浮いた状態で底受け1に固定されていることが確保される。
【0030】
図4において、第1の突起6は、立方体状に形成されており、この場合、第1の突起6と重力センサとが面接触しており、これにより第1の突起6及び重力センサの構造強度が確保される。勿論、図面は第1の突起6の構造を限定するものではなく、第1の突起6の構造は任意である。
【0031】
また、重力センサ3の自由端が底受け1に対して浮いていることを確保するために、重力センサ3の固定端に突起を設けたり、底受け1上の対応する位置に切り欠きを設けたりしてもよい。
【0032】
さらに、底受け1には、凹溝7が設けられており、第1の突起6は、凹溝7内に位置しており、重力センサ3は、凹溝7に固定されている。凹溝7を設けることにより、第1の突起6と重力センサ3の位置を規制することができ、重力センサ3の取り付けの信頼性を確保することができる。また、凹溝7を設けることにより、棚部品の美観を確保するように、第1の突起6を凹溝7内に完全に隠すことができ、重力センサ3の少なくとも一部を凹溝7内に隠すことができる。
【0033】
図4において、凹溝7は、底受け1の縁に沿って分布しており、重力センサ3の数が複数である場合には、凹溝7の縁に沿って複数の重力センサ3が配置される。また、
図4において、2つの第1の突起6は、それぞれ底受け1の左下方及び右上方に設けられており、さらに2つの重力センサ3は、それぞれ左下方及び右上方の第1の突起6によって固定されている。
【0034】
図5に示すように、底受け1のうちのトレイ2から遠い側には、位置限定取付溝5が設けられている。この位置限定取付溝5により、続いて底受け1、さらに棚部品の支持柱19への固定が容易になる。
図5において、位置限定取付溝5は4個あり、矩形の底受け1の4つの角位置に分布している。勿論、底受け1の構造は
図5に限定されるものではなく、また、位置限定取付溝5の数もここで例示したものに限定されない。
【0035】
さらに、
図1から明らかなように、棚部品は、荷重受け板4をさらに備える。
図6~
図8に示すように、荷重受け板4には、第2の突起8が設けられており、荷重受け板4の第2の突起8は、自由端に固定され、トレイ2は、荷重受け板4に固定される。荷重受け板4を設けることにより、トレイ2の重力を荷重受け板4に伝達し、その後、荷重受け板4を介して重力センサ3に伝達することができ、トレイ2上の重力変化に対する重力センサ3による検出感度を向上させることができる。
【0036】
また、
図7から明らかなように、第2の突起8の両端には、貫通孔9が設けられており、この貫通孔9は、トレイ2の底部の位置決め柱12と係合してトレイ2を荷重受け板4に固定し、荷重受け板4を介して自由端に重力を伝達するように役割を果たす。
【0037】
ここで、荷重受け板4の一端が第2の突起8を介して自由端に固定され、その他端が重力センサ3に対して浮いているので、荷重受け板4もテコの原理を利用してトレイ2上の重力変化を重力センサ3に伝達する。
【0038】
本願の実施形態によれば、荷重受け板4に貫通孔9が設けられているとともに、重力センサ3及び底受け1の対応位置にも貫通孔9が設けられている。そして、荷重受け板4と重力センサ3との間、及び重力センサ3と底受け1との間は、締結具が貫通孔9を通過することにより接続することができる。勿論、ここでの貫通孔9は、手段間の接続要求を満たすものであれば、止まり穴や他の形態の穴に置き換えてもよい。
【0039】
本実施形態によれば、荷重受け板4は、細長い形状に形成されており、
図4の凹溝7の長手方向に沿って延びる。このような荷重受け板4は、トレイ2全体上の重力変化を、荷重受け板4上の重力変化に変換し、最終的に自由端における重力変化に変換することができる。
【0040】
本願の実施形態によれば、重力センサ3は2つあり、荷重受け板4は2枚あり、2つの重力センサ3及び2枚の前記荷重受け板4は、いずれも底受け1の両側に中心対称に分布している。ここで、底受け1が
図4のような構造であり、即ち、底受け1に矩形枠状の凹溝7が形成されている場合には、2つの重力センサ3が左側及び右側の凹溝7内にそれぞれ分布する。ここで、左側の重力センサ3は、固定端が下方に位置し、自由端が上方に位置しており、右側の重力センサ3は、固定端が上方に位置し、自由端が下方に位置している。2つの重力センサ3には、それぞれ1つの荷重受け板4が取り付けられている。荷重受け板4は、凹溝7の長手方向に沿って重力センサ3の自由端に取り付けられている。この場合、トレイ2全体上の重力変化を、荷重受け板4を介して重力センサ3に伝達することができ、両側の荷重受け板4及び重力センサ3によってトレイ2及びトレイ2上の商品の載置の信頼性を確保することができる。
【0041】
図9~
図12に示すように、トレイ2は、トレイ本体201と、仕切板206とを備え、仕切板206が、トレイ本体201のうちの底受け1から遠い側に位置し、仕切板206が、トレイ本体201の幅方向に移動して固定される。ここで、「トレイ本体201の幅方向」とは、
図9及び
図10における左右方向である。
【0042】
このような仕切板206を設けることにより、トレイ2の上方の載置スペースを柔軟に仕分けすることができ、商品が無秩序に並べられていることや、商品が傾いたり箱体や他の商品に寄りかかったりすることを回避し、出し入れの過程における商品の認識の正確性を確保し、顧客の注文エラーを低減させ、料金の差し引きの誤りを低減させることができる。例えば、大きなサイズの缶を載置する必要がある場合に、仕切板206を移動させることにより、この一列の商品載置スペースのサイズを大きくして、缶の載置のニーズに対応することができる。小さいサイズのミネラルウォーターを載置する必要がある場合に、仕切板206を移動させることにより、この一列の商品載置スペースのサイズを小さくすることができる。
【0043】
本願の実施形態によれば、トレイ2は、
図13に示すように、トレイ本体201の幅方向に延びる一対のスライドレール202を備えている。仕切板206の両端には、スライドレール202に沿ってスライドして固定されるスライダ203が設けられており、スライダ203の構造は
図14~
図16に示されている。スライダ203とスライドレール202との係合により、仕切板206がトレイ2の幅方向に移動して固定される。ここで、スライドレール202とスライダ203との係合は、
図12に示されている。勿論、トレイ2と仕切板206との間は、スライドレール202とスライダ203とが係合する形態の以外、ボールねじペアやチェーンスプロケット等の従来技術におけるの種々の手段によって移動可能な係合を実現できる。
【0044】
図13において、スライドレール202には抜止スライド溝が形成されており、スライダ203は、スライドレール202の両端から抜止スライド溝の内部に入り込むストッパ部205を有する。このような抜止スライド溝を設けることにより、スライダ203がスライドレール202から抜け落ちることを防止することができる。ここで、抜止スライド溝の横断面は、T型、L型、U型等であってもよい。さらに、対応する構造のストッパ部205は、スライドレール202の両端を通って抜止スライド溝に入り込んだ後、抜止スライド溝に沿って移動することができる。例えば、抜止スライド溝の横断面がT型の場合、対応するスライダ203のストッパ部205はT型ボルトのボルトヘッドとすることができる。
【0045】
図16から分かるように、スライダ203は、係止爪204を備えている。また、
図17に示すように、仕切板206の両端には、取付孔10が形成されている。そして、スライダ203の係止爪204を仕切板206の取付孔10に係止させることで、スライダ203と仕切板206とを着脱可能に連結することができる。なお、仕切板206とスライダ203との間は図示の構成で係止する場合には、いつでも仕切板206を取り外して洗浄することが容易になる。勿論、スライダ203と仕切板206との間は、溶接、接着、螺合等であってもよく、具体的な接続形態は特に限定されない。
【0046】
図18及び
図19に示すように、トレイ本体201は、その自身の幅方向に沿った両端にフランジ11が設けられており、つまり、トレイ本体201の左右両端にはフランジ11が設けられている。ここで、スライドレール202の装着後、フランジ11がスライドレール202の端部をブロックし、さらに仕切板206がスライダ203を介してスライドレール202に装着された後、フランジ11の設置により仕切板206がトレイ本体201から抜け落ちることを防止できる。
【0047】
本願の実施形態によれば、重力センサ3の構成は
図20に示されている。重力センサ3の左側の自由端には、荷重受け板4に接続するように配置される貫通孔9が設けられており、重力センサ3の右側の固定端には、底受け1に接続するように配置される貫通孔9が設けられており、自由端と固定端との間には、さらに軽量化用孔が設けられている。勿論、
図20は、本願の重力センサ3を限定するものではない。
【0048】
本願の実施形態によれば、
図21及び
図22に示すように、キャビネット本体と、キャビネット本体内に位置する支持柱19と、支持柱19に取り付けられた上述の棚部品とを備えるキャビネットが提供される。このキャビネットは、構造が合理的で、組み立ての信頼性が高い。
【0049】
ここで、
図21に示すように、支持柱19は、その自身の長手方向に沿って取付孔が分布しており、取付孔に係止具が係合され、係止具が取付孔内に固定可能であり、底受け1の位置限定取付溝5と係止具とが係合されることにより、棚部品と支持柱19との係合が実現できる。棚部品の位置調整は、支持柱19上の係止具の位置を調整することにより行うことができる。
【0050】
本願の実施形態によれば、キャビネットは、撮像手段16と、処理モジュール14と、表示モジュール15とをさらに備える。
図23に示すように、撮像手段16は、底受け1のうちのトレイ2から遠い側に取り付けられており、キャビネット内の画像情報を撮るように配置されている。具体的には、撮像手段16の取付孔10を底受け1に設けることができる。撮像手段16の構成は
図24に示されている。勿論、最上層のトレイ2上の商品については、その画像情報を監視するために、撮像手段16をキャビネットの頂部に取り付ける必要がある。処理モジュール14は、画像情報及び重力センサ3によって測定された重力データを受信し、取得されたデータを処理して、今出し入れされている商品及びその商品の数を判定する。表示モジュール15は、処理モジュール14に接続されており、画像情報と重力データに基づいて、商品取りや商品補充の状況を表示する。このようなキャビネットは、棚部品おけるトレイ2上の重力変化情報の全てが効率的に受信されて処理モジュール14に伝達され、処理モジュール14によってデータ情報が処理されることにより、商品の識別の正確性を大幅に向上させることができる。また、このキャビネットは、顧客の注文情報をリアルタイムに表示することができ、顧客の体験や買い物の快適さを大幅に向上させることができる。
【0051】
勿論、出し入れする商品を正確に認識するために、撮像手段16を設ける以外は、撮像手段16の代わりにRFID識別機器を用いてもよく、或いは撮像手段16とRFID識別機器の両方を同時に設けてもよい。
【0052】
本願の実施形態によれば、
図21に示すように、キャビネットは、ファン18をさらに備える。ファン18は、キャビネット本体の内部空洞の頂部に設けられており、トレイ2及び底受け1のいずれにも通風孔13が設けられている。ファン18と通風孔13とを設けることにより、キャビネット内部における気流の流通、さらに商品の貯蔵環境を確保することができる。通風孔13の構造は、
図3、
図4、
図5、
図10、
図18、
図19、
図23に示されている。
【0053】
図25に示すように、キャビネットは、照明手段17をさらに備える。照明手段17が各層の棚部品の上方に配置されることにより、各層の棚部品の上方の商品を明確に視認することが確保され、撮像手段16がキャビネット本体の内部の画像情報を明確に取得できることが確保される。
【0054】
上記の処理モジュール14はターミナルサービスモジュール、表示モジュール15は液晶表示パネル、撮像手段16はカメラ、照明手段17はLEDランプとすることができる。
【0055】
上記実施形態は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、本願の技術案について行った様々な組み合わせ、修正、又は等価的な置き換えは、いずれも本願の技術案の趣旨及び範囲から逸脱するものではなく、本願の請求の範囲のに含まれるべきであると理解できるはずである。
【符号の説明】
【0056】
1…底受け
2…トレイ
201…トレイ本体
202…スライドレール
203…スライダ
204…係止爪
205…ストッパ部
206…仕切板
3…重力センサ
4…荷重受け板
5…位置限定取付溝
6…第1の突起
7…凹溝
8…第2の突起
9…貫通孔
10…取付孔
11…フランジ
12…位置決め柱
13…通風孔
14…処理モジュール
15…表示モジュール
16…撮像手段
17…照明手段
18…ファン
19…支持柱
【国際調査報告】