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  • 特表-ダイバーズウォッチ 図1a
  • 特表-ダイバーズウォッチ 図1b
  • 特表-ダイバーズウォッチ 図1c
  • 特表-ダイバーズウォッチ 図2
  • 特表-ダイバーズウォッチ 図3
  • 特表-ダイバーズウォッチ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-15
(54)【発明の名称】ダイバーズウォッチ
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/00 20060101AFI20220805BHJP
   G04B 47/06 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
G04B19/00 Q
G04B47/06 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574246
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020064449
(87)【国際公開番号】W WO2020259936
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】19183410.0
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594082512
【氏名又は名称】ブランパン・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ハイエク,マルク・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】バレスタ,ローラン
(57)【要約】
本発明は、現在時刻を表示するための第1のデバイス(2)と、潜水持続時間をアナログ表示するための第2のデバイス(3)とを含む、ダイバーズウォッチ(1)に関し、上記第2のデバイス(3)は、潜水持続時間の表示専用の針(4)と、時間目盛りを含む時間スケール(11)を含む可視面(9)を備える回転ベゼル(10)とを備え、上記ベゼル(10)は、上記潜水持続時間の瞬時値を表示することによって、特に均一な回転運動で連続的に駆動される上記専用針(4)と協働するよう構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を表示するための第1のデバイス(2)と、潜水持続時間をアナログ表示するための第2のデバイス(3)とを含む、ダイバーズウォッチ(1)であって、
前記第2のデバイス(3)は、前記潜水持続時間の表示専用の針(4)と、時間目盛りを含む時間スケール(11)を含む可視面(9)を備える回転ベゼル(10)とを備え、
前記ベゼル(10)は、特に均一な回転運動で連続的に駆動される前記専用針(4)と協働して前記潜水持続時間の瞬時値を表示するよう構成される、ダイバーズウォッチ(1)。
【請求項2】
前記専用針(4)は、前記潜水持続時間に関連する時及び分を表示することを特徴とする、請求項1に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項3】
前記時間スケール(11)は厳密に1時間を超える時間間隔を定義することを特徴とする、請求項1または2に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項4】
前記回転ベゼル(10)の前記可視面(9)は、前記ベゼル(10)を前記専用針(4)に対して位置決めするためのインデックス(12)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項5】
前記回転ベゼル(10)は、前記腕時計(1)の防水ケース(14)のミドルケース(13)上に、一方向に回転移動できるように設置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項6】
前記腕時計(1)は、前記専用針(4)に対する前記ベゼル(10)の前記位置決めをロックするためのデバイスを備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項7】
前記専用針(4)は、前記専用針(4)を、前記第1の表示デバイス(2)の針(6、7、8)から区別する形状又は色を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項8】
前記時間スケール(11)の前記時間目盛りと、前記専用針(4)の可視面(15)の全体又は一部とは:
‐類似した色;
‐前記腕時計の前記防水ケース(14)の他の部分、特に文字盤(5)、前記文字盤(5)内/上に備えられたインデックス(16)、又は前記第1の表示デバイス(2)の前記針(6、7、8)の色とは異なる、類似した色
を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項9】
前記時間スケール(11)の前記時間目盛りと、前記専用針(4)の前記可視面(15)の全体又は一部とは:
‐類似した色;
‐前記腕時計の前記防水ケース(14)の他の部分、特に前記文字盤(5)、前記文字盤(5)内/上に備えられた前記インデックス(16)、又は前記第1の表示デバイス(2)の前記針(6、7、8)が含む発光材料の色とは異なる類似した色
の光を放出する特性を有する、発光材料を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項10】
前記第1の表示デバイス(2)はアナログ又はデジタル表示デバイスであることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項11】
前記ダイバーズウォッチ(1)は機械式又は電気機械式腕時計であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項12】
前記第1のデバイス(2)及び前記第2のデバイス(3)は、2つの別個の表示デバイス(2、3)であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項13】
前記専用針(4)は、前記腕時計(1)の他の各前記針(6、7、8)の角速度とは異なる角速度を有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【請求項14】
前記第1の表示デバイス(2)がアナログである場合、前記専用針(4)と、前記第1のデバイス(2)の全ての前記針(6、7、8)とは同軸であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のダイバーズウォッチ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイバーに該ダイバーの潜水時間の瞬時値の表示を与えることができるダイバーズウォッチに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイバーは水面下への潜水を行う際、自身の安全を保証するために様々なパラメータを把握する必要がある。特にダイバーは、酸素の備蓄を使い果たさずに水面に安全に戻ることができるよう、自身の潜水時間を瞬時に把握できなければならない。
【0003】
自身の潜水時間に関連する情報をダイバーに提供する腕時計は、既に知られている。しかしながらこのような腕時計では、潜水時間が1時間を超えた場合に、これらの腕時計上の視認可能な持続時間データから潜水時間を直接、即ちダイバーが暗算又は推論を行うことなく、確立することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、潜水の持続時間にかかわらずダイバーに潜水時間を直接表示する腕時計が、従来技術において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的の1つは、潜水中のダイバーの安全を、該潜水の持続時間に関連する情報をダイバーが把握するのを容易にすることによって、改善することである。
【0006】
本発明の課題は、現在時刻を表示するための第1のデバイスと、潜水持続時間をアナログ表示するための第2のデバイスとを含むダイバーズウォッチを提供することによって、この要求に応えることであり、上記第2のデバイスは、潜水持続時間の表示専用の針と、時間目盛りを含む時間スケールを含む可視面を備える回転ベゼルとを備え、上記ベゼルは、特に均一な回転運動で連続的に駆動される上記専用針と協働して上記潜水持続時間の瞬時値を表示するよう構成される。
【0007】
これらの特徴により、本発明は、上記回転ベゼルの上記可視面に設けられた上記時間スケールの1つの上記時間目盛りを指す、潜水持続時間の表示専用の上記針を、ひと目見るだけで、上記潜水持続時間に関連する表示を上記ダイバーに提供する、ダイバーズウォッチを提供する。これにより上記ダイバーは、最適な条件下で上記潜水を実施することを保証され、自身の酸素消費の管理に注意及び集中を向けることができ、又は必要に応じて減圧停止を実行でき、これによって上記ダイバーの安全が改善される。実際に、面倒な計算を行う必要なしに上記潜水持続時間を簡単に読み取れることにより、上記ダイバーは、上記潜水持続時間に関連するストレスの一部を解放できる。更に、上記潜水持続時間に関連する情報の信頼性に関する不安が当然なくなるため、上記ダイバーは自身の集中及び注意を、潜水の、自身の生存に関してデリケートで価値のある他の側面に移すことができる。
【0008】
他の実施形態では:
‐上記専用針は、上記潜水持続時間に関連する時及び分を表示し;
‐上記時間スケールは厳密に1時間を超える時間間隔を定義し;
‐上記回転ベゼルの上記可視面は、上記ベゼルを上記専用針に対して位置決めするためのインデックスを備え;
‐上記回転ベゼルは、上記腕時計の防水ケースのミドルケース上に、一方向に回転移動できるように設置され;
‐上記腕時計は、上記専用針に対する上記ベゼルの上記位置決めをロックするためのデバイスを備え;
‐上記専用針は、上記専用針を、上記第1の表示デバイスの針から区別する形状又は色を有し;
‐上記時間スケールの上記時間目盛りと、上記専用針の可視面の全体又は一部とは、類似した色を有し;
‐上記時間スケールの上記時間目盛りと、上記専用針の上記可視面の全体又は一部とは、上記腕時計の上記防水ケースの他の部分、特に文字盤、上記文字盤内/上に備えられたインデックス、又は上記第1の表示デバイスの上記針の色とは異なる、類似した色を有し;
‐上記時間スケールの上記時間目盛りと、上記専用針の上記可視面の全体又は一部とは、類似した色の光を放出する特性を有する発光材料を含み;
‐上記時間スケールの上記時間目盛りと、上記専用針の上記可視面の全体又は一部とは、上記腕時計の上記防水ケースの他の部分、特に文字盤、上記文字盤内/上に備えられたインデックス、又は上記第1の表示デバイスの上記針が含む発光材料の色とは異なる類似した色の光を放出する特性を有する発光材料を含み;
‐上記第1の表示デバイスはアナログ又はデジタル表示デバイスであり;
‐上記腕時計は機械式又は電気機械式であり;
‐上記第1のデバイス及び上記第2のデバイスは、2つの別個の表示デバイスであり;
‐上記専用針は、上記腕時計の他の各針の角速度とは異なる角速度を有し;
‐上記第1の表示デバイスがアナログである場合、上記専用針と、上記第1のデバイスの全ての上記針とは同軸である。
【0009】
非限定的な例として与えられる添付の図面を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1a-1c】図1a~1cは、本発明の一実施形態による、潜水持続時間の異なる複数の瞬時値をアナログ表示するダイバーズウォッチの斜視図を示す。
図2図2は、本発明の上記実施形態による上記腕時計のムーブメントの斜視図を示す。
図3図3は、図2の部分Aの拡大図である。
図4図4は、本発明の上記実施形態によるムーブメントの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ダイバーズウォッチ1に潜水持続時間をアナログ表示するためのデバイス3を設け、ダイバーが、自身が実施している潜水の経過時間をひと目で理解でき、また必要に応じて、例えば自身の酸素の備蓄の状態に応じて水面に戻るか又はこの潜水を継続できるようにすることからなる、独自のアイデアから発展するものである。従って本発明によるダイバーズウォッチ1は、ダイバーの安全を向上させることができる。図1a~1bは、本発明のある実施形態によるダイバーズウォッチ1の斜視図である。全体として一般参照番号1で指示されているこの腕時計1は、従来のタイプのものであり、機械式腕時計又は電気機械式腕時計とすることができる。これは防水ケース14を含み、この防水ケース14は例えば、中に地板がねじ留めされるか摩擦によって保持されるミドルケース13を備える、金属製のタイプのものとすることができる。ケース14は、ブレスレットを取り付けるために設けられたラグを含み、特に図2で確認できる時計ムーブメント17と、文字盤5とを内包する。このような文字盤5は、従来と同様に時及び分を表すアワーマーカー及び/又はインデックス等の時目盛り16を有する。このケース14は、その上面をクリスタルで閉鎖され、その周上で回転するベゼル10を保持し、このベゼル10は、ミドルケース13に対して回転運動できるように設置される。このようなベゼル10の回転は好ましくは、反時計回り方向23の一方向に実施できる。従来と同様、例えばクラウン及び/又は少なくとも1つの側方押し込み部品の形態の、外部制御部材が設けられる。
【0012】
この腕時計1は、現在時刻を表示するための第1のデバイス2を含む。この表示デバイス2はアナログ又はデジタルとすることができる。本実施形態では、この表示デバイス2は好ましくはアナログであり、文字盤5と、時針7、分針6、及び秒針8を含む針類とで形成される。これらの針6、7、8はそれぞれ従来と同様、文字盤5の中心に配置された対応する回転シャフト上に設置され、この文字盤5の上で変位する。時目盛り16と、これらの針6、7、8の可視面の全体又は一部とは、類似した色を有してよいことに留意されたい。更に、時目盛り16と、これらの針6、7、8の可視面の全体又は一部とは、暗所にあるときに類似した色の光を放出する特性を有する発光材料を含んでよい。この材料は、「LumiNova(登録商標)」又は「Super‐LumiNova(登録商標)」のブランド名で知られる材料とすることができる。「Super‐LumiNova(登録商標)」材料は、燐光特性を有するフォトルミネッセンス材料を指すことに留意されたい。暗所では、この材料は例えば青色、緑色、又は赤色の発光の形態で、貯蔵した光を復元する。この材料を、これらの針6、7、8及び時目盛り16に塗布する。このような材料は暗所においてその燐光を徐々に失うが、光の下で自動的に再びチャージされる。
【0013】
この腕時計1はまた、必然的にアナログ表示デバイスである第2の表示デバイス3を備える。この第2のデバイス3は、回転ベゼル10と、潜水の持続時間の表示のための専用針4とを備える。この専用針4は、「潜水持続時間針(diving duration hand)」又は「潜水持続時間表示針(diving duration indication hand)」又は「潜水持続時間決定針(diving duration determination hand)」又は「潜水持続時間に関連する情報の単一の項目を表示する針(hand indicating a single item of information relating to the diving duration)」とも呼ばれ:
‐均一な及び/若しくは連続した回転運動で連続的に;又は
‐均一な及び/若しくは連続した円運動で連続的に;又は
‐均一な及び/若しくは連続した永久回転運動で;又は
‐均一な及び/若しくは連続した永久円運動で
駆動される。
【0014】
この回転運動は時計回り方向に実施される。この針の運動は例えば腕時計のボタンで制御できず、この運動は、上記腕時計の時針7及び分針6の運動と同様に永久的であることに留意されたい。換言すれば、この専用針4は、腕時計が上記腕時計のムーブメントの動作を保証するエネルギを有する限り、中断されることなく動作する。この針4は、潜水持続時間に関連する情報の確立だけを特に目的としており、従って腕時計1の他のいずれの機能の実施にも関与しないため、「専用(dedicated)」針と呼ばれる。この専用針4は、その端部のうちの1つが、文字盤5の中央、特にベゼル10の中央に配設された、対応する回転シャフトに設置される。ベゼル10は可視面9を備え、その上には時間スケール11がプロットされており、これは時間目盛りを含み、また1時間を厳密に超える時間間隔を定義する。上記時間目盛りは、専用針4に対する上記ベゼル10の位置決めのためのインデックス12を含み、このインデックス12は、この時間スケール11の始点と終点とを定義することに留意されたい。図1a~1cに示されている例では、上記時間間隔は3時間であり、上記時間スケール11は5分毎の目盛りを有する。他の変形例では、限定するものではなくまた包括的なものでもないが、上記時間間隔は2時間、4時間、5時間、又は6時間であってよいことが理解される。この構成において、専用針4は時間スケール11と協働して、既に完了/経過した潜水の持続時間の瞬時表示をダイバーに提供する。換言すれば、この時間スケール11を備えるベゼル10は、上記専用針4と協働して、潜水持続時間の瞬時値、又は即時値を、これらに関連する潜水の持続時間の計算を行うことなくアナログ表示するよう構成される。従ってこの値は、潜水の持続時間の、瞬間値、即時値、又はベゼル上での読み取り値となり得る。目盛りを備えるベゼル10と協働する専用針4は、潜水の持続時間の瞬間値、即ちベゼルの時間スケールの目盛りに刻まれ、かつこの専用針4の端部によって指し示される、潜水時間の視覚的識別を、表示できることが理解される。この専用針4は、従来技術の多くの場合のように減圧停止の実施前にダイバーに残されている時間を表示するために、ベゼル10と協働するわけではない。この文脈では、専用針4は、時間スケール11の時間目盛り、即ち潜水の持続時間に関連する時及び分を含む目盛りを表示する。更に、上記時間間隔が3時間であるこの構成では、専用針4の端部は、位置決め用のインデックス12から始まって同じインデックス12に到達するまで時間スケール11を移動するために、360°の角度を描かなければならないことが理解される。
【0015】
この第2の表示デバイス3では、専用針4は、それ自体を第1の表示デバイス2の針類、即ち時針、分針及び秒針と区別することを目的とした形状又は色を有する。更に、時間スケール11の時間目盛りと、専用針4の可視面15の全体又は一部とは:
‐類似した色;又は
‐腕時計1の防水ケース14の他の部分、特に文字盤5、文字盤5内/上に備えられた時目盛り16、若しくは第1の表示デバイス2の針6、7、8の色とは異なる、類似した色
を有する。
【0016】
更に、上記時間目盛りと、専用針4の可視面15の全体又は一部とは、発光材料を含み、上記発光材料は:
‐類似した色;又は
‐腕時計1の防水ケース14の他の部分、特に文字盤5、文字盤5内/上に備えられた時目盛り16、若しくは第1の表示デバイス2の針6、7、8が含む発光材料の色とは異なる、類似した色
の光を放出する特性を有する。
【0017】
第1のデバイス2においてと同様、時間目盛り及び専用針4は、暗所に置かれたときに類似した色の光を放出する特性を有する発光材料を含むことに留意されたい。この材料は、「LumiNova(登録商標)」又は「Super‐LumiNova(登録商標)」のブランド名で知られる材料に相当するものであってよい。
【0018】
上記第1のデバイス2及び第2のデバイス3は、腕時計1の異なる構成部品、即ち第1のデバイス2については針類及び文字盤5、そして第2のデバイス3については専用針4及びベゼル10から、2つの異なる情報項目、即ち一方は現在時刻に関する情報項目、そしてもう一方は潜水の持続時間に関する情報項目を、ダイバーに伝達するのに寄与するものであるため、2つの分離した別個のデバイス2、3となる。第1の表示デバイス2がアナログである場合、専用針4と、この第1のデバイス2の全ての針6、7、8とは、互いに同軸であることに留意されたい。換言すれば、専用針4、時針7、分針6、及び秒針8は同軸である。腕時計のこれらの針4、6、7、8は全て、互いに同軸とされたまま腕時計に設置される。
【0019】
この専用針4は、上記腕時計の他の全ての針の角速度とは異なる角速度を有する。この専用針4は、上記腕時計1の他の針6、7、8それぞれの角速度とは異なる角速度を有する。この専用針4は、腕時計の時針7の角速度と分針6の角速度との間の、一定の角速度を有する。この専用針4は、分針6の角速度より大きな角速度を有する。この専用針4は、時針7の角速度未満の角速度を有する。4、6、7で表されるこれらの針の角速度は一定であることに留意されたい。上記時間間隔が3時間である本実施形態では、専用針4は、第1のデバイス2の分針6の3倍速く、かつ時針7の4倍遅く変位する。この文脈では、図2~4に示されているムーブメント17は、ベゼル10上に定義された時間スケール11の時間間隔に従って1回転できる第1の歯付きホイール20を備え、上記時間間隔はここでは3時間である。このムーブメント17内において筒車21の上方に配設されたこの第1の歯付きホイール20は、専用針4がはめ込まれて固定された回転シャフト上に設けられる。この第1の歯付きホイール20は、ムーブメント17の日の裏車18に固定されたシャフトに設置された第2の歯付きホイール19と噛合する。筒車21は、日の裏車18のシャフトに設けられたカナ22と噛合することに留意されたい。
【0020】
腕時計1はまた、専用針4に対するベゼル10の位置決めをロックするためのデバイスを備える。このようなロックデバイスは、当該技術分野から公知の設計のものであるため、ここで更に説明する必要はない。このロックデバイスは、ベゼル10の制御されていない回転を防止することを目的としたものであり、このような制御されていない回転は、専用針4とベゼル10との間の協働から得られる潜水持続時間に関する情報を歪曲する恐れがある。
【0021】
一実施形態では、このダイバーズウォッチ1は、現在時刻を表示するための第1のデバイス2と、潜水持続時間を表示するための第2のアナログデバイス3とを含み、上記第2のデバイス3は、均一で永久的な円運動で駆動される潜水持続時間針4と、時間目盛りを含む時間スケール11を含む可視面9を備えた回転ベゼル10とを備え、上記ベゼル10は、潜水持続時間の瞬間/即時値を表示することによって、上記専用針4と協働するよう構成される。
【0022】
別の実施形態では、このダイバーズウォッチ1は、現在時刻を表示するための第1のアナログデバイス2と、潜水持続時間を表示するための第2のアナログデバイス3とを含み、上記第2のデバイス3は、均一で永久的な円運動で駆動される潜水持続時間針4と、時間目盛りを含む時間スケール11を含む可視面9を備えた回転ベゼル10とを備え、上記ベゼル10は、潜水の持続時間の瞬間/即時値を表示することによって、上記専用針4と協働するよう構成され、上記専用針4と、第1のデバイス2の全ての針6、7、8とは、同軸である。
【0023】
本発明はまた、この腕時計1から潜水持続時間を推定する方法にも関する。この目的のために、ダイバーが潜水を開始する際、上記方法は、ベゼル10上に設けられた位置決め用インデックス12を、図1bで確認できるように専用針4の端部に対向するように配置するステップを含む。このステップの間、初めは図1aに示されている例において12時のための数字12に関連する時目盛り上にインデックス12が位置決めされているベゼル10を作動させて、このインデックス12が専用針4に対向して位置決めされるまで反時計回り方向23の回転を行う。
【0024】
その後、上記方法は、潜水持続時間を決定するステップを提供する。このステップでは、ダイバーが潜水の持続時間の瞬時値を知りたいと思うとすぐに、専用針4の端部が示す時間スケール11の目盛りを視覚的に識別するだけでよい。例えば図1cでは、上記瞬時値は、2時間25分の潜水持続時間に相当する。
【0025】
従って本発明は、回転ベゼル10の可視面9に設けられた時間スケール11の時間目盛りを専用針4が指すのをひと目見るだけで、潜水時間に関連する表示をダイバーに提供できる。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
【国際調査報告】