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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】医療刺激システムのための回路
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20220809BHJP
   A61N 1/05 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572937
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 US2020037017
(87)【国際公開番号】W WO2020252037
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/860,452
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517325113
【氏名又は名称】ラングペーサー メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LUNGPACER MEDICAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】タッカー、バイラル エス.
(72)【発明者】
【氏名】エバンス、ダグラス ジー.
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC02
4C053CC10
4C053JJ13
4C053JJ23
4C053JJ24
(57)【要約】
医療デバイスは、近位端及び遠位端を有する可撓性本体と、遠位端に近接して本体上に配置された電極とを含む。電極は、組織を刺激するための電荷を提供するように構成される。医療デバイスは、近位端に近接して本体上に配置された電気接続部を含む。電気接続部は、電極を電源に電気的に結合するように構成される。医療デバイスは、電極を電気接続部に接続する電気リードを含む。リードは、可撓性本体上又は可撓性本体内にある。本体は、管の外部に固定される前の第1の構成と、管の外部に固定された電極を伴って管の外形に適合する形状を有する第2の構成とを有するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する可撓性本体と、
前記遠位端に近接して前記本体上に配置された電極であって、組織を刺激するための電荷を提供するように構成される電極と、
前記近位端に近接して前記本体上に配置された電気接続部であって、前記電極を電源に電気的に結合するように構成される電気接続部と、
前記電極を前記電気接続部に接続する電気リードであって、前記可撓性本体上又は前記可撓性本体内にある電気リードと、を備え、
前記本体は、管の外部に固定される前の第1の構成と、前記管の外部に固定された前記電極を伴って前記管の外形に適合する形状を有する第2の構成とを有するように構成される、医療デバイス。
【請求項2】
前記管をさらに備え、前記可撓性本体は、複数の巻回で前記管の外部に螺旋状に巻き付けられて、前記第2の構成を達成する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記管をさらに備え、前記管の外部の周りに前記可撓性本体を固定することにより、前記管が前記可撓性本体を有する前記管の複数の位置においてさまざまな可撓性の領域を有する、請求項1又は2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記可撓性本体は、前記電極と前記電気リードとの間に配置された誘電体基板フィルムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記可撓性本体は、前記誘電体基板フィルムを貫通する孔をさらに含み、前記孔には、前記電極を前記電気リードに電気的に接続する導電性材料が充填される、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記誘電体基板フィルム内及び前記電極と前記電気リードとの間に配置された、センサ、電子チップ、又は集積回路をさらに含む、請求項4又は5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記可撓性本体は、前記第1の構成において、前記可撓性本体の隣接部分に対して拡大された幅を有する少なくとも1つのセグメントを含み、前記少なくとも1つのセグメントは、前記可撓性本体の隣接部分よりも可撓性が低い、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記可撓性本体は、前記第1の構成において、線形構成を有する前記可撓性本体の部分に隣接する非線形構成を有する少なくとも1つのセグメントを含み、前記少なくとも1つのセグメントは、前記部分よりも可撓性が高い、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記管をさらに備え、前記可撓性本体は、前記第1の構成において、屈曲部に近位の近位部分の長手方向軸が屈曲部に遠位の遠位部分の長手方向軸に対して横断するように、前記近位端と前記遠位端との間に少なくとも1つの屈曲部を含み、
前記医療デバイスの前記近位部分を有するセグメントの可撓性は、前記管上の前記近位部分及び前記遠位部分の配置に起因して、前記医療デバイスの前記遠位部分を有するセグメントの可撓性とは異なる、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの屈曲部は、前記可撓性本体が前記第2の構成にあるとき、前記管の周りの前記可撓性本体の螺旋状巻回の方向を変化させる、請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記可撓性本体は、前記可撓性本体の隣接部分に対する前記可撓性本体の剛性を増大させるように構成された補剛構造を有する少なくとも1つのセグメントを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記可撓性本体は、前記遠位端に複数の枝を有する少なくとも1つのセグメントを含み、前記複数の枝の各々は、電極のアレイを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセグメントは、前記複数の枝の長手方向軸が前記可撓性本体の長手方向軸に対して横断するように、前記近位端に対して角度が付けられる、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記可撓性本体は、前記遠位端の近位にあって複数の第2の枝を有する第2のセグメントを含み、前記複数の第2の枝の各々は、電極の第2のアレイを含む、請求項12又は13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
医療デバイスであって、
長手方向長さ及び少なくとも1つの内腔を有する管であって、前記少なくとも1つの内腔内にデバイス及び流体の少なくとも1つを受容するように構成される管と、
組織を刺激するための電荷を提供するように構成された刺激アレイを有する可撓性本体であって、近位部分と前記近位部分から少なくとも1つの屈曲部によって分離された遠位部分とを含む可撓性本体と、を備え、
前記可撓性本体は、前記刺激アレイが前記管状本体の外部の周りに配置されるように、前記管の長手方向長さの少なくとも一部を覆うように構成され、
前記少なくとも1つの屈曲部は、前記可撓性本体が前記管の外部に巻き付けられたときに、前記近位部分及び前記遠位部分の一方を線形構成に、前記近位部分及び前記遠位部分の他方を前記管に対して非線形構成に、配置するように構成される、医療デバイス。
【請求項16】
前記刺激アレイは、
前記遠位部分に近接して前記可撓性本体上に配置された遠位電極アレイであって、第1の位置で組織を刺激するための電荷を提供するように構成される遠位電極アレイと、
前記近位部分に近接して前記可撓性本体上に配置された近位電極アレイであって、前記第1の位置とは異なる第2の位置で組織を刺激するための電荷を提供するように構成される近位電極アレイと、
前記近位部分に近接して前記可撓性本体上に配置され、前記遠位電極アレイと前記近位電極アレイとを電源に電気的に結合するように構成された電気接続部を含む、請求項15に記載の医療デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つの屈曲部は、前記管の周りで前記可撓性本体の螺旋状巻回の方向を変化させ、前記少なくとも1つの屈曲部に近接する前記近位部分の長手方向軸は、前記少なくとも1つの屈曲部に対して遠位の前記遠位部分の長手方向軸に対して横断する、請求項15又は16に記載の医療デバイス。
【請求項18】
前記医療デバイスの前記近位部分を有する部分の可撓性は、前記管上の前記近位部分及び前記遠位部分の配置に起因して、前記医療デバイスの前記遠位部分を有する部分の可撓性とは異なる、請求項15~17のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項19】
医療デバイスであって、
管と、
近位部分及び前記近位部分に対して角度付けされた遠位部分を含む可撓性本体を有する回路と、を備え、前記遠位部分は、組織を刺激するための電荷を提供するように構成された電極のアレイをそれぞれ含む複数の枝を有し、
前記可撓性本体は、螺旋状構成で前記管の上に配置された前記近位部分に前記管を係合させるように構成され、前記遠位部分は、前記複数の枝が前記管の長手方向軸に対して実質的に平行に配置されるように、前記管の上に線形構成で配置される、医療デバイス。
【請求項20】
前記複数の枝は、前記管の周囲に間隔をあけて配置され、
前記回路は、前記可撓性本体が前記管に係合したときに、前記管の可撓性を変更するように構成され、前記可撓性は、前記管の前記近位部分を有するセグメントと前記管の前記遠位部分を有するセグメントとの間でさまざまである、請求項19に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示の実施形態は、体の刺激のために構成された医療デバイス上の電気回路、リード及び/又は電極を提供するためのシステム、デバイス、及び装置に関する。この開示の実施形態は概して、筋肉及び/又は神経の刺激中に使用するための可撓性回路構成を含む、神経及び/又は筋肉の刺激のための医療デバイス(システムを含む)に関する。実施形態では、システムは、電気刺激を使用して、衰えた神経生理学的機能を回復、増強、及び/又は調節し得る。いくつかの実施形態は、処置中にデバイス外部の電極を1つ以上の標的神経に隣接して位置決めするために医療デバイス上に配置される可撓性層を提供する。
【背景技術】
【0002】
救命救急患者、特に侵襲的な機械的人工換気(MV:mechanical ventilation)を必要とする患者は概して、より高いレベルの横隔膜、肺、脳、心臓、及び/又は他の臓器の損傷を経験し得る。呼吸筋(例えば、横隔膜、胸鎖乳突筋、斜角筋、小胸筋、外肋間筋、内肋間筋、腹筋、方形筋等)はMVの間に、急速に量及び強度を失い得る。患者の肺は、高圧損傷及び低圧損傷を含む、人工呼吸器によって誘発される外傷を受け得る。異常な神経伝達及び炎症応答を含むMVの認知作用は、いくつかの因子によって引き起こされ得る。患者がMVにさらされる期間を制限することは、このような負の副作用を最小限に抑えることに寄与し得る。しかし、MV患者における急速な呼吸筋萎縮は、MVへの依存状態から患者を離脱させる移行を困難なものにする。患者が外部呼吸サポートなしに呼吸能力を回復し得るようにするための、救命救急患者、特にMVを受けている患者の呼吸筋を強化するオプションは、限定され得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、とりわけ、1つ以上の解剖学的標的に刺激を与えるためのシステム、デバイス、及び方法に関する。本明細書に記載されるシステム及びデバイスのための可撓性回路装置の実施形態は、例えば、呼吸神経及び/又は呼吸筋の刺激等のMVを伴って使用され得る。本明細書に開示される実施形態の各々は、他の開示された実施形態のいずれかに関連して記載された特徴の1つ以上を含み得る。
【0004】
1つの実施例では、医療デバイスは、近位端及び遠位端を有する可撓性本体と、遠位端に近接して本体上に配置された電極とを含み得る。電極は、組織を刺激するための電荷を提供するように構成される。医療デバイスは、近位端に近接して本体上に配置された電気接続部を含み得る。電気接続部は、電極を電源に電気的に結合するように構成される。医療デバイスは、電極を電気接続部に接続する電気リードを含み得、リードは、可撓性本体上又は可撓性本体内にある。本体は、管の外部に固定される前の第1の構成と、管の外部に固定された電極を伴って管の外形に適合する形状を有する第2の構成とを有するように構成される。
【0005】
本明細書に開示されるシステム又は方法のいずれかは、以下の特徴のいずれかを含み得る。医療デバイスは、管を含み得る。可撓性本体は、複数の巻回で管の外部に螺旋状に巻き付けられて、第2の構成を達成する。医療デバイスは、管を含み得、管の外部の周りに可撓性本体を固定することにより、管が可撓性本体を有する管の複数の位置においてさまざまな可撓性の領域を有する。可撓性本体は、電極と電気リードとの間に配置された誘電体基板フィルムを含む。可撓性本体は、誘電体基板フィルムを貫通する孔をさらに含み、孔には、電極を電気リードに電気的に接続する導電性材料が充填される。医療デバイスは、誘電体基板フィルム内及び電極と電気リードとの間に配置された、センサ、電子チップ、又は集積回路を含む。可撓性本体は、第1の構成において、可撓性本体の隣接部分に対して拡大された幅を有する少なくとも1つのセグメントを含み、該少なくとも1つのセグメントは、可撓性本体の隣接部分よりも可撓性が低い。可撓性本体は、第1の構成において、線形構成を有する可撓性本体の部分に隣接する非線形構成を有する少なくとも1つのセグメントを含み、該少なくとも1つのセグメントは、その部分よりも可撓性が高い。医療デバイスは、管を含む。可撓性本体は、第1の構成において、屈曲部に近位の近位部分の長手方向軸が屈曲部に遠位の遠位部分の長手方向軸に対して横断するように、近位端と遠位端との間に少なくとも1つの屈曲部を含む。医療デバイスの近位部分を有するセグメントの可撓性は、管上の近位部分及び遠位部分の配置に起因して、医療デバイスの遠位部分を有するセグメントの可撓性とは異なる。少なくとも1つの屈曲部は、可撓性本体が第2の構成にあるとき、管の周りの可撓性本体の螺旋状巻回の方向を変化させる。可撓性本体は、可撓性本体の隣接部分に対する可撓性本体の剛性を増大させるように構成された補剛構造を有する少なくとも1つのセグメントを含む。可撓性本体は、遠位端に複数の枝を有する少なくとも1つのセグメントを含み、複数の枝の各々は、電極のアレイを含む。少なくとも1つのセグメントは、複数の枝の長手方向軸が可撓性本体の長手方向軸に対して横断するように、近位端に対して角度が付けられている。可撓性本体は、遠位端の近位にあって複数の第2の枝を有する第2のセグメントを含み、複数の第2の枝の各々は、電極の第2のアレイを含む。
【0006】
別の実施例では、医療デバイスは、長手方向長さ及び少なくとも1つの内腔を有する管を含み得る。管は、少なくとも1つの内腔内にデバイス及び流体の少なくとも1つを受容するように構成される。医療デバイスは、組織を刺激するための電荷を提供するように構成された刺激アレイを有する可撓性本体を含み得る。可撓性本体は、近位部分と、近位部分から少なくとも1つの屈曲部によって分離された遠位部分とを含む。可撓性本体は、刺激アレイが管状本体の外部の周りに配置されるように、管の長手方向長さの少なくとも一部を覆うように構成される。少なくとも1つの屈曲部は、可撓性本体が管の外部に巻き付けられたときに、近位部分及び遠位部分の一方を線形構成に、近位部分及び遠位部分の他方を管に対して非線形構成に、配置するように構成される。
【0007】
本明細書に開示されるシステム又は方法のいずれかは、以下の特徴のいずれかを含み得る。刺激アレイは、遠位部分に近接して可撓性本体上に配置された遠位電極アレイを含む。遠位電極アレイは、第1の位置で組織を刺激するための電荷を提供するように構成される。刺激アレイは、近位部分に近接して可撓性本体上に配置された近位電極アレイを含む。近位電極アレイは、第1の位置とは異なる第2の位置で組織を刺激するための電荷を提供するように構成される。刺激アレイは、近位部分に近接して可撓性本体上に配置されて遠位電極アレイと近位電極アレイとを電源に電気的に結合するように構成された電気接続部を含む。少なくとも1つの屈曲部は、管の周りで可撓性本体の螺旋状巻回の方向を変化させ、少なくとも1つの屈曲部に近接する近位部分の長手方向軸は、少なくとも1つの屈曲部に対して遠位の遠位部分の長手方向軸に対して横断する。医療デバイスの近位部分を有する部分の可撓性は、管上の近位部分及び遠位部分の配置に起因して、医療デバイスの遠位部分を有する部分の可撓性とは異なる。
【0008】
別の実施例では、医療デバイスは、管と、近位部分及び近位部分に対して角度付けされた遠位部分を含む可撓性本体を有する回路とを含み得る。遠位部分は、組織を刺激するための電荷を提供するように構成された電極のアレイをそれぞれ含む、複数の枝を有する。可撓性本体は、螺旋状構成で管の上に配置された近位部分に管を係合させるように構成され、遠位部分は、複数の枝が管の長手方向軸に対して実質的に平行に配置されるように、管の上に線形構成で配置される。
【0009】
本明細書に開示されるシステム又は方法のいずれかは、以下の特徴のいずれかを含み得る。複数の枝は、管の周囲に間隔をあけて配置される。回路は、可撓性本体が管に係合したときに、管の可撓性を変更するように構成され、可撓性は、管の近位部分を有するセグメントと管の遠位部分を有するセグメントとの間でさまざまである。
【0010】
前述の概括的説明及び以下の詳細な説明はいずれも、例示的かつ説明的なものであるにすぎず、請求の範囲に記載された本発明の制限ではないことが理解され得る。
本明細書の一部に組み込まれて本明細書を構成する添付図面は、本開示の非限定的な実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の種々の実施形態による、一連の電気的かつ導電性構成要素を含む例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、電気的かつ導電性構成要素に関連する電気回路を含む、図1の回路デバイスの部分側面図を示す。
図3】種々の実施形態による、螺旋状構成で医療デバイスに取り付けられた図1の回路デバイスの斜視図を示す。
図4A】1つ以上の実施形態による、図3の医療デバイスに取り付けられ、電極を含む、図1の回路デバイスの断面図を示す。
図4B】1つ以上の実施形態による、図3の医療デバイスに取り付けられ、デバイス構成要素を含む、図1の回路デバイスの断面図を示す。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、デバイス構成要素を含む、図1の回路デバイスの斜視図を示す。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、図3の医療デバイスのスロット内に受容されたデバイス構成要素を伴う、図1の回路デバイスの断面図を示す。
図7A】本開示の1つ以上の実施形態による、平面シート上に印刷されて1つ以上の湾曲した屈曲部を含む、図1の回路デバイスの側面図を示す。
図7B】本開示の1つ以上の実施形態による、平面シート上に印刷されて1つ以上の角ばった屈曲部を含む、図1の回路デバイスの側面図を示す。
図8】本開示の一実施形態による、図3の医療デバイスに取り付けられてハブを含む、図1の回路デバイスの斜視を示す。
図9】本開示の1つ以上の実施形態による、第1の構成における、図8のハブに電気的に結合された図1の回路デバイスの部分斜視図を示す。
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、第2の構成における、図8のハブに電気的に結合された図1の回路デバイスの部分斜視図を示す。
図11】本開示の1つ以上の実施形態による、コネクタアセンブリに電気的に結合された、図1の回路デバイスの部分斜視図を示す。
図12】本開示の一実施形態による、図8のハブに電気的に結合されて制御ユニットを含む、図1の回路デバイスの部分斜視図を示す。
図13】本開示の1つ以上の実施形態による、可撓性が低減された拡幅セグメントを含む、別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図14】本開示の1つ以上の実施形態による、可撓性が高められた非線形セグメントを含む、別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図15】本開示の1つ以上の実施形態による、角ばった屈曲部を含む、別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図16】本開示の1つ以上の実施形態による、図3の医療デバイスに取り付けられ、角ばった屈曲部間に可撓性セグメント(低密度)及び剛性セグメント(高密度)を含んで多様な可撓性及び他の属性を提供する、図15の回路デバイスの斜視図を示す。
図17】本開示の1つ以上の実施形態による、図3の医療デバイスに取り付けられ、医療デバイスと平行に延びる遠位セグメントを含む、別の例示的な回路デバイスの斜視図を示す。
図17A】本開示の1つ以上の実施形態による、屈曲部を含む遠位セグメントを伴う、図17の回路デバイスの部分側面図を示す。
図18】本開示の1つ以上の実施形態による、一連の補剛材機構を含む別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図19】本開示の1つ以上の実施形態による、一対の枝で形成された角度付き遠位セグメントを含む、別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図20】本開示の1つ以上の実施形態による、複数の枝で形成された角度付き遠位セグメントを含む、別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図21】本開示の1つ以上の実施形態による、図3の医療デバイスに取り付けられた、図20の回路デバイスの斜視図を示す。
図22】本開示の1つ以上の実施形態による、一対の枝で形成された角度付き中間セグメントと一対の枝で形成された角度付き遠位セグメントとを含む、別の例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図23】本開示の1つ以上の実施形態による、近位端での電気回路を含む、例示的な回路デバイスの側面図を示す。
図24】本開示の1つ以上の実施形態による、コネクタアセンブリ内に受容された電気回路を伴う、図23の回路デバイスの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明を通じて、より完全な理解を当業者に提供するために、具体的詳細が示される。本技術の実施例の以下の説明は、網羅的であること、又は任意の例示的な実施形態の正確な形態にシステムを限定することを意図するものではない。したがって、説明及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきである。
【0013】
本明細書に記載されているすべての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により援用されると具体的に示される場合と同程度、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。例えば、本開示の実施形態は、米国特許第8,571,662号明細書、米国特許第9,242,088号明細書、米国特許第9,333,363号明細書、米国特許第9,776,005号明細書、米国特許第10,039,920号明細書、米国特許第10,293,164号明細書、米国特許出願公開第2015/0045810号明細書、米国特許出願公開第2019/0001126号明細書、米国特許出願公開第2019/0175908号明細書、米国特許出願公開第2019/0038894号明細書、及び/又は米国特許出願公開第2020/0147364号明細書に開示されている1つ以上のシステム、カテーテル、装置、及び電極と組み合わせて使用され得る。これら全ての開示は、参照により本明細書に援用される。
【0014】
例示的な実施形態の開示及び特徴のさらなる態様は、添付の図面に示され、及び/又は、本明細書の本文に記載され、及び/又は、添付の特許請求の範囲に記載されている。前述の概括的説明及び以下の詳細な説明はいずれも、例示的かつ説明的なものにすぎず、請求の範囲に記載されているように本発明を限定するものではないことが理解され得る。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、又はそれらの他の変形については、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、又は装置がそれらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない、又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有である他の要素を含み得るように、非排他的包含物をカバーすることが意図されている。
【0016】
さらに、本明細書において用語「例示的な」は、「理想的」ではなく「例」という意味で使用される。本明細書で使用される場合、用語「近位」は、よりオペレータに近い方向を意味し、用語「遠位」は、よりオペレータから遠い方向を意味する。「おおよそ」又は同様の用語(例えば、「約」、「実質的に」)は、記載値の10%以内の値を包含する。
【0017】
ここで、上記で説明され、添付の図面に示されている本開示の実施例を詳細に参照する。可能な場合には、同一又は同様の部分を参照するために、同じ参照番号が複数の図面を通して使用される。
【0018】
図1は、本開示の実施例による回路デバイス100を示す。回路デバイス100は、遠位端104と近位端106との間に画定される長手方向長さを有する可撓性本体102を含み得る。可撓性本体102は、外面101と内面103(図2)とによって画定される可撓性の平面基板を含み得る。実施例では、可撓性本体102は概して、遠位端104と近位端106から遠位の可撓性本体102の中間部分との間に線形構成を含み得る。さらに、可撓性本体102は、遠位端104と近位端106との間に、実質的に一定な、基準となる幅を有し得る。
【0019】
可撓性本体102は、近位端106が可撓性本体102の中間部分と遠位端104とに対して横断的整列を有し得る(端部106の軸が中間部分の軸に対して横断する)ように、近位端106に隣接する屈曲部108を含み得る。本明細書でさらに説明するように、屈曲部108は、近位端106の長手方向軸と医療デバイスの中心軸とを整列させる角度を形成し得る。可撓性本体102は、可撓性本体102の遠位端104での幅及び/又は中間部分での幅よりも相対的に広い幅を有し得る、近位端106に近位タブ110をさらに含み得る。近位タブ110は、その上に1つ以上の回路構成要素(導電性パッド112等)を受容するようなサイズ及び/又は形状とされ得る。
【0020】
可撓性本体102は、回路デバイス100が、可撓性本体102の形状、ジオメトリ、及び/又は構成を変形させるように構成され得るように、柔軟特性を有する可撓性材料で形成され得る。例えば、可撓性本体102は、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)、熱可塑性樹脂、ポリイミド、PEEKポリエステル、シリコーン、他のエラストマ等で形成され得る。可撓性本体102は、例えば、電気的導電性材料及び/又は非導電性材料等の、複数材料層で構成され得る。以下にさらに詳細に説明するように、回路デバイス100は、医療デバイスと係合するように構成され得、可撓性本体102は、そこに取り付けられたときに医療デバイスの外形に適合するように構成され得る。
【0021】
引き続き図1を参照すると、回路デバイス100は、可撓性プリント回路基板及び/又はフレックスリボン回路を含み得る電気接続デバイスである。例えば、回路デバイス100は、導電性パッド112及び電極114を含む1つ以上(例えば、複数)の電気的及び/又は導電性構成要素等の、可撓性本体102上の可撓性回路を含み得る。本実施例では、回路デバイス100は、遠位端104に隣接する外面101にてパターニングされた一対の電極114と、近位端106に隣接する外面101にてパターニングされた一対の導電性パッド112とを含む。導電性パッド112は、近位タブ110上に含まれ、回路デバイス100は、可撓性本体102上の各電極114について少なくとも1つの導電性パッド112を含み得る。
【0022】
導電性パッド112は、電極114を補助デバイス(例えば、プログラム可能エネルギ送達システム、電源等)に接続して、そこに電流を伝送するように構成され得る。電極114は、補助デバイスから電流を受けると、対象(例えば、患者)の標的部位を治療するように構成され得る。例えば、電極114は、標的部位(例えば、神経、神経節等)を刺激し、エネルギを組織に伝達し(例えば、熱的、電気的等)、及び/又は、遠位端104が標的部位に位置しているときに、標的部位から、又は標的部位にて生理学的パラメータを感知するよう動作可能であり得る。
【0023】
引き続き図1を参照すると、電極114は、1つ以上の回路、プロセッサ、デバイス、システム、アプリケーション、ユニット、又はコントローラに有線又は無線で接続される1つ以上の刺激アレイを形成し得る。刺激アレイの各電極114は、刺激を送達するための1つ以上のノードを含み得る。本明細書でさらに詳細に説明するように、電極114は、医療デバイス(例えば、静脈内カテーテル、ガイドワイヤ、刺激リード、針、プローブ、リード、パッチ等)上に支持され得、患者(例えば、首、胴、血管等)に載置もしくは挿入されるか又は皮膚表面に載置されるように構成され得る。さまざまな形状及び/又はサイズの、本明細書に示されて説明されたものに追加の及び/又は本明細書に示されて説明されたものよりも少ない電極114が、可撓性本体102上に含まれ得ることが理解されるべきである。
【0024】
電極114は、可撓性本体102に沿って高電流密度を形成するために、互いに対するいろいろな複雑な配置において、外面101に沿って配置され得る。可撓性本体102は、回路デバイス100がそこに取り付けられたときに、医療デバイス(例えば、カテーテル)の周囲に沿って軸方向及び半径方向に電極114のさらなる多様な位置決めを可能にするように構成され得ることが理解されるべきである。換言すれば、電極114の位置は、医療デバイスの代わりに回路デバイス100上に電極114を組み込むことに起因して、例えば医療デバイスの内腔のジオメトリ等の医療デバイスの構造によって制限され得ない。
【0025】
電極114は、単極、双極、三極、又は他の多極電極として、刺激を送達するように構成され得る。本明細書で使用される場合、電極114によって伝達される刺激は、単一電極114(アノード)によって、より大きな電界を生成するためにアノードから離れて位置する接地基準(カソード)に伝達される電気信号(単極電気刺激)、アノード電極114からカソード電極114に伝達される電気信号(双極刺激)、又は1つ以上の電極114から1つ以上の他の電極114に伝達される電気信号(多極電気刺激)(例えば、1つのカソードから2つのアノードへ、2つのカソードから1つのアノードへ、又は1つのカソードから3つ以上のアノードへ、又は2つのカソードから2つのアノードへ、等)を指し得る。これらの電極の組み合わせ及び構成のいずれかが意図される場合、1つ以上のプロセス、方法、又は動作モードを参照するときの明瞭性のために、このようなタイプの電気信号伝送はすべて、1つの電極114、又は電極114の組み合わせによって送信される刺激と称され得る。
【0026】
ここで図2を参照すると、可撓性本体102の内面103が示され、外面101上の導電性パッド112と電極114との相対位置が、例示目的のために概略的に示されている。各導電性パッド112は、内面103に沿って延びる導電性(電気的)リード116を介して、対応する電極114に接続され得る。導電性リード116は、内面103上にパターニングされた回路トレースを含み得、導電性リード116は、導電性パッド112と電極114との間の導電性経路を画定し得る。
【0027】
導電性リード116は、電極114を電源に接続するためのワイヤを含む必要性を打ち消すように構成され得、それによって、回路デバイス100の回路構成を簡略化することができる。各導電性リード116は、電極114の位置で遠位端104に隣接して位置する遠位端と、導電性パッド112の位置で近位端106に隣接して位置する近位端とを含み得る。
【0028】
導電性パッド112及び電極114は、内面103上の導電性リード116の反対側の外面101上にパターニングされ得ることが理解されるべきである。回路デバイス100は、可撓性本体102上の導電性パッド112及び電極114の対応する対のそれぞれについて少なくとも1つの導電性リード116を含み得る。導電性パッド112において補助デバイス(例えば、電源等)から回路デバイス100が受ける電流は、導電性リード116を介して電極114に送達され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、可撓性本体102は、外面101及び/又は内面103に沿って配置された形状記憶合金ワイヤ(図示せず)を含み得る。ワイヤは、例えば、電流受容及び/又は温度上昇(例えば、対象の身体から等)に応答して等、可撓性本体102の形状を選択的に操作するように構成され得る。以下にさらに詳細に説明するように、ワイヤは、回路デバイス100がそこに取り付けられたときに医療デバイスの形状を調整するように動作可能であり得る。医療デバイスの形状及び/又は向きの制御は、電極114によって生成される刺激フィールドの制御を可能にし得る。上述したように、刺激フィールドの形状及び強度は、可撓性本体102に沿った互いに対する電極114の形状、サイズ、電荷、及び/又は配置によってさらに制御され得る。
【0030】
図3を参照すると、回路デバイス100は、医療デバイス10の上に配置され、そこに取り付けられて示されている。医療デバイス10は、遠位先端14と近位先端16との間に画定された、長手方向長さを有する管状本体12を含み得る。いくつかの実施形態では、医療デバイス10は、カテーテル、可撓性管、シース、スコープ、リード、プローブ、ハイポ管、パッチ、ケーブル、及び/又は、血管内、経皮的(percutaneous)、又は経皮性(transcutaneous)送達に適した種々の他の可撓性器具を含み得る。実施例では、医療デバイス10は、対象の血管、食道、鼻腔、及び/又は、種々の他の解剖学的内腔、通路等を通るのに十分な可撓性を有する静脈内カテーテルを含み得る。
【0031】
いくつかの実施例では、管状本体12は、管状本体12が長手方向長さに沿って実質的に一貫した曲げ強度を含み得るように、遠位先端14と近位先端16との間に均質な性質(例えば、一定の厚さ等)を有する押出ポリマーで形成され得る。他の実施形態では、回路デバイス100は、可撓性本体102がそこに取り付けられたときに、管状本体12のある部分に沿って材料の厚さを増加させる及び/又は管状本体12の特性を修正(例えば、剛性又は可撓性を増加又は低下させる、形状記憶に影響する、等)する1つ以上の構造を含むように構成され得る。
【0032】
管状デバイス12は、遠位先端14と近位先端16との間に画定された1つ以上の内腔(図6参照)を含み得る。1つ以上の内腔は、灌注デバイス、超音波デバイス、光学デバイス、撮像デバイス、センシングデバイス、照明デバイス、ガイドワイヤ、診断又は治療デバイス等を含むがこれらに限定されない1つ以上のデバイス及び/又は流体をそこに受容するような、サイズ、形状、及び構成とされ得る。遠位先端14は、内腔内に受容された1つ以上のデバイスが、開口を通って遠位先端14から外側に延び得るように、管状本体12の1つ以上の内腔と連通する開口を含み得る。遠位先端14は、対象を通る際の組織への損傷を最小限にするための非外傷性構成を有し得る。
【0033】
回路デバイス100は、医療デバイス10の周りに配置され、管状本体12の外面に固定され得る。可撓性本体102は、管状本体12の外部に固定される前の第1の構成と、管状本体12の外部に固定された電極114を伴う管状本体12の外形に適合する形状を有する第2の構成とを有するように構成される。したがって、可撓性本体102は、管状本体12のジオメトリ(例えば、筒状)に適合するように構成され得る。実施例では、遠位端104は、遠位先端14に隣接して遠位先端14の近位である管状本体12の遠位部分に固定され得る。近位端106は、近位先端16に隣接して近位先端16の遠位である管状本体12の近位部分に固定され得る。
【0034】
回路デバイス100は、例えば、可撓性本体102を管状本体12の外部に接着すること(例えば、熱接着、熱溶接、熱ラミネート、超音波溶接、レーザ溶接、RF溶接、接着剤接着、溶剤接着、化学反応、及び/又は溶媒接着)を含む種々の方法によって、1つ以上の位置で医療デバイス10に取り付けられ得る。管状本体12の、結果として得られる曲げ特性は、そこに可撓性本体102を接着する方法、管状本体12に対する可撓性本体102の構成/配置、及び/又は、可撓性本体102の材料組成を含むがこれらに限定されない、種々の要因に基づいてさまざまであり得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、回路デバイス100は、管状本体12に制限又は接着される前に可撓性本体102の表面特性を修正するように処理され得る。表面処理の例としては、マイクロブラスト、サンドブラスト、プラズマ処理、化学エッチング、やすり掛け、研削、電気めっき、溶射、物理蒸着、電子ビーム加熱等が挙げられ得るが、これらに限定されるものではない。
【0035】
医療デバイス10と回路デバイス100との複合アセンブリの、結果として得られる曲げ特性は、処置中の管状本体12の性能に影響を与え得る。例えば、曲げ特性は、管状本体12が対象の解剖学的構造を通り抜けるとき等の処置中に管状本体12が曲がり得る場所に影響を与えるように、管状本体12の長手方向長さに沿った特定の領域において低減され得る。曲げ特性は、対象内の標的部位に配置されたときに曲げ構成にて維持され得る管状本体12の特定の領域に沿った応力をさらに低下させるように低減され得る。いくつかの実施形態では、曲げ特性は、管状本体12の曲げ方向に影響を与えるように構成され得る。
【0036】
引き続き図3を参照すると、可撓性本体102は、管状本体12に対して所望の位置に電極114を位置決めするためのいろいろな配置及び/又は構成で管状本体12の周りに配置され得る。電極114は、医療デバイス10のさまざまな物理的特性を達成するために、管状部材12に沿ったいろいろな軸方向位置、及び/又は管状部材12の周りのいろいろな半径方向位置に配置され得ることが理解されるべきである。例えば、可撓性本体102は、管状本体12の中心軸に対して平行又は横断的(例えば、垂直)となり得るように管状本体12に取り付けられ得る。
【0037】
本実施例では、可撓性本体102は、回路デバイス100が螺旋状構成で医療デバイス10に固定されるように、管状本体12の中心軸に対して横断する角度で管状本体12に取り付けられ得る。可撓性本体102は、管状本体12の中心軸の周りに、複数の螺旋状巻回115(すなわち、螺旋ターン)で巻き付けられ得る。一対の隣接する螺旋状巻回115は、該一対の隣接する螺旋状巻回115間に間隙117を形成し得る。電極114は、管状本体12の周囲に巻き付けられ得、可撓性本体102は、管状本体12の外形に適合し得る。
【0038】
引き続き図3を参照すると、可撓性本体102は、隣接する螺旋状巻回115の間で、実質的に一定のピッチ及び均一な間隙117で螺旋状に巻かれ得る。したがって、回路デバイス100は、可撓性本体102の長手方向長さに沿って一定の曲げ特性を有し得る。他の実施形態では、可撓性本体102は、間隙なしを含む、さまざまなピッチ及び/又は間隙(図16図17参照)を有するように螺旋状に巻かれ、管状本体12に沿ったいろいろな位置で回路デバイス100の曲げ特性を選択的に調整し得る。
【0039】
管状本体12の実質的な長さは、可撓性本体102の下に配置され得る。上記のように、屈曲部108は、可撓性本体102の中間部分と近位端106との間に角度を形成して、近位端106を管状本体12の中心軸と整列させ得る。したがって、複数の螺旋状巻回115は、近位端106が管状本体12と実質的に平行に延びるように、屈曲部108で終端し得る。換言すれば、可撓性本体102の螺旋状構成は、近位部分106が管状本体12の中心軸に平行な非螺旋状(例えば、線形)構成に維持され得るように、遠位端104から屈曲部108まで延び得る。
【0040】
引き続き図3を参照すると、遠位先端14は、遠位端104の比較的遠位に位置し得、近位先端16は、屈曲部108の近位かつ近位タブ110の比較的遠位に位置し得る。したがって、近位タブ110は、近位先端16の近位方向に延び得る。より詳細に以下説明するように、近位タブ110は、ハブ140内で受容するために近位先端16を越えて延び得る(図9参照)。
【0041】
図4A図4Bは、線4-4で切り取られた図3の例示的な部分断面図である。ここで図4Aを参照すると、可撓性本体102の例示的な可撓性回路構成が概略的に示されている。例えば、可撓性本体102は、遠位端104と近位端106との間に導電性経路を形成する、1つ以上の電気的導電性材料及び/又は絶縁性材料で形成され得る。電極114は、第1の導電層を画定し得、導電性リード116は、第2の導電層を画定し得る。回路デバイス100は、一対の電気的導電層の間に配置された1つ以上の誘電体基板フィルムから形成されたベース層120をさらに含み得る。電極114及び導電性リード116は、例えば、層を一緒に堆積、粘着、及び/又は接着することによって、ベース層120に固定され得る。
【0042】
いくつかの実施例では、ベース層120は、約12ミクロン~約125ミクロンの範囲の厚さを有し得る。ベース層120を形成する1つ以上の誘電体基板フィルムは、例えば、ポリイミド、ポリエステル、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンナフタレート、ポリビニリデンフルオライド、ポリエーテルイミド、種々のフルオロポリマー(FEP)等のポリマー材料を備え得る。いくつかの実施例では、ベース層120を備えるポリマー材料は、組織との生体適合性を有し得る。
【0043】
引き続き図4Aを参照すると、電極114及び/又は導電性リード116を形成する1つ以上の電気的導電性材料は、例えば、銅、金、グラフェン、銀、ニッケル、白金、白金‐イリジウム合金、酸化イリジウム、窒化チタン、タングステン、合金、及び/又はこれらの組み合わせを備え得る。他の実施形態では、導電性リード116をパターニングして、種々の他の電気回路素子を形成し得る。
【0044】
例えば、導電性リード116を形成する電気的導電性層は、付加プロセス(例えば、スプレー、スパッタリング、スパッタコーティング、スクリーン印刷、ステンシル、電着、電気めっき、原子層堆積、及び/又はデジタル印刷等)及び/又は除去プロセス(例えば、化学エッチング、レーザエッチング、及び/又はレーザマシニング等)を用いてパターニングされ得る。換言すれば、可撓性本体102は、上述の付加プロセス及び/又は除去プロセスの1つ以上を介して導電性リード116の一部を選択的に除去することによって、所望の電気回路トレース及び/又は他の電気回路素子を含み得る。
【0045】
引き続き図4Aを参照すると、電極114は、導電性リード116とはベース層120の反対側に固定され得る。さらに、電極114は、ベース層120を通ってビア124によって導電性リード116と相互接続され得る。ビア124は、例えば、ベース層120及び/又は対向導電層の対(例えば、電極114、導電性リード116)の穿孔、レーザ切断、及び/又は機械的穿刺によって、ベース層120を貫通して形成された穴であり得る。いくつかの実施形態では、回路デバイス100は、それぞれが電極114と導電性リード116とをベース層120を通って接続するように構成された、導電性材料で充填され得る複数のビア124を含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、電極114及び/又は導電性リード116の外面は、例えば、付加プロセッシング(例えば、電着、電気めっき、無電解めっき、スパッタリング、スパッタコーティング等)を介して等、その上に含まれる1つ以上の材料及び/又は仕上げ剤を有し得る。電極114及び/又は導電性リード116に含まれる1つ以上の材料及び/又は仕上げ剤は、例えば、ニッケル、銀、金、白金、白金イリジウム、窒化チタン等を含み得る。1つ以上の材料及び/又は仕上げ剤は、回路デバイス100の導電性、耐食性、及び/又は生体適合性を向上させるように操作可能であり得る。
【0047】
さらに、絶縁性又は非導電性の基板、層、コーティング、フィルム、及び/又は仕上げ剤が、電極114、導電性リード116、及び/又はベース層120の絶縁を提供するために、可撓性本体102に付着(例えば、接着、はんだ付け等)され得る。このような材料は、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE:tetrafluoroethylene)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyetheretherketone)ポリエステル、シリコン、及び他の種々の可撓性基板を含み得る。
【0048】
引き続き図4Aを参照すると、保護カバー層が、回路デバイス100に含まれ得、ベース層120及び/又は導電性リード116に接着され得る。保護カバー層は、処置での回路デバイス100の使用中に、導電性リード116(及び/又は他の電気的構成要素)を湿気への環境暴露、汚染物、機械的損傷等から保護するように構成されたフィルム及び/又は仕上げ(例えば、ラミネート接着剤層等)を含み得る。本実施例では、回路デバイス100は、導電性リード116の表面とベース層120とに接着剤126で接着されたカバーレイフィルム122を含み得る。カバーレイフィルム122は、導電性リード116を保護するように構成されて動作可能であり得る。
【0049】
ここで図4Bを参照すると、可撓性本体102の別の例示的な可撓性回路構成が概略的に示されている。この実施例では、可撓性本体102は、一対の隣接するベース層120間に位置する少なくとも1つの接着剤層126によって互いに固定された複数のベース層120(例えば、誘電体基板フィルム)を含む。可撓性本体102は、最上部ベース層120上に配置された複数の電極114をさらに含み得、各電極114は、最下部ベース層120の下に配置された対応する導電性リード116を含む(管状本体12に隣接する)。
【0050】
各電極114は、電極114間に配置された複数のベース層120を貫通して延びる各ビア124によって、導電性リード116と相互接続され得る。各ビア124には、複数のベース層120とその間に位置する接着剤層126とを通って、導電性材料(例えば、電極114及び導電性リード116)を互いに接続するように構成された導電性材料が充填され得る。本実施例では、可撓性本体102は、3つのベース層120と、ベース層120の下に配置された1つのカバーレイフィルム122とを含み得る。
【0051】
引き続き図4Bを参照すると、可撓性本体102は、複数のベース層120の間に埋め込まれたデバイス構成要素130をさらに含み得る。デバイス構成要素130は、中央ベース層120に整列して、最上部ベース層120と最下部ベース層120との間に配置され得る。可撓性本体102は、デバイス構成要素130と接触する1つ以上の導電層132と、導電層132を対応する導電性リード116に接続する1つ以上の(例えば、複数の)ビア124(導電性材料で充填されている)とをさらに含み得る。回路デバイス100は、複数の電極114の各々とデバイス構成要素130に対応する近位端106とにおいてそれぞれの導電性パッド112を含み得ることが理解されるべきである。
【0052】
デバイス構成要素130は、例えば、センサ、電子チップ、集積回路等を含む種々のシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス構成要素130が複数のベース層120の間に完全に囲まれ得る一方、他の実施形態では、デバイス構成要素130の少なくとも一部が複数のベース層120から露出され得る。この場合、デバイス構成要素130は、処置での回路デバイス100の使用中に、対象の組織及び/又は流体にアクセス可能であり得る。例えば、デバイス構成要素130は、対象(すなわち、患者)からの信号(例えば、心臓信号、インピーダンス、温度、フロー、圧力、化学組成、血液ガス等)を検出するように構成された感知システムを含み得、その中の回路デバイス100の位置を決定することを容易にする、及び/又は対象の物理的応答に基づいて解剖学的標的の刺激を検出する。
【0053】
図4A図4Bには示されていないが、いくつかの実施形態では、可撓性本体102の1つ以上の縁部と管状本体12の表面との間での滑らかな移行を提供するために、接着剤、ポリマー、又は他の充填材料が含まれ得る。滑らかな移行を提供することによって、医療デバイス10及び回路デバイス100は、最小限の抵抗と組織外傷可能性とで、挿入され、及び/又は対象から除去され得る。
【0054】
他の実施形態では、デバイス構成要素130は、管状本体12の長手方向長さに沿ったいろいろな領域で、処置中に可撓性本体102の撓みを検出するように構成され得る撓み検出回路を含み得る。このような情報は、管状本体12の配置を案内し得る及び/又は医療デバイス10のオペレータに解剖学的情報を提供し得る。例えば、デバイス構成要素130は、管状本体12の対向表面の圧縮及び/又は膨張(例えば、横方向の伸長、長手方向の伸び等)を測定するように構成された歪み回路、ピエゾ回路、及び/又は種々の他のセンサを含み得、対象に対する管状本体12の2次元又は3次元の空間的配向(例えば、距離、回転等)を決定する。
【0055】
追加的に及び/又は代替的に、1つ以上の集積回路を可撓性本体102に直接取り付けて、さらなる局在化されたスマート回路を提供し得る。例えば、図5に示されるように、1つ以上のデバイス構成要素130は、遠位端104に隣接して等、可撓性本体102に沿ったいろいろな位置で、内面103に取り付けられ(例えば、はんだ付けされ)得る。この場合、デバイス構成要素130は、内面130から横方向外側に延び、それによって、内面103に対して突出した外形を形成する。
【0056】
回路デバイス100は、可撓性本体102上に含まれる各デバイス構成要素130のための内面103に沿った回路トレース134を含み得る。回路トレース134は、デバイス構成要素130を、近位端106において対応する導電性パッド112と相互接続し得る(図1)。本実施例では、医療デバイス10は、可撓性本体102がそこに固定されたときに1つ以上のデバイス構成要素130を受容するサイズ及び形状を有する管状本体12の外周に沿って形成された長手方向スロット、チャネル、及び/又は溝を含み得る。管状本体102上の1つ以上のスロットは、可撓性本体102と管状本体12との面一の係合を収容するためにデバイス構成要素130をその内部に受容し得る。
【0057】
ここで図6を参照すると、少なくとも1つのスロット15は、管状本体12の少なくとも1つの表面に沿って形成され得る。スロット15は、管状本体12を通って管状本体12の少なくとも1つの内腔13内に延び得る。したがって、内腔13は、スロット15を介して管状本体12の外部に露出され得る。管状本体12は、スロット15と整列した少なくとも1つの内腔13とは別個の複数の他の内腔11を含み得ることが理解されるべきである。したがって、複数の内腔11は、内腔13と、又は互いと流体連通していない。他の実施例では、複数の内腔11のうちの2つ以上が、互いと及び/又は内腔13と1つ以上の位置で相互接続され得る。
【0058】
可撓性本体102は、デバイス構成要素130がスロット15と整列されてスロット15に受容されるように、管状本体12に固定され得る。したがって、内面103は、管状本体12の外面と面一になり得る。可撓性本体102は、管状本体12の大部分を覆い得る及び/又は封入し得ることが理解されるべきである。したがって、可撓性本体102が管状本体12に取り付けられたときにスロット115は覆われ得、それによって、内腔13を内面103で封止し得る。デバイス構成要素130は、例えば、サーミスタセンサ、電子チップ、抵抗器、ダイオード、キャパシタ、ひずみゲージ、圧電センサ、集積回路、及び種々の他の電子デバイスを含み得る。
【0059】
例として、デバイス構成要素130は、流体(例えば、複数の内腔11,13のうちの1つ内に配置された及び/又は医療デバイス10の外部に配置された流体等)の温度を測定するように構成され得る。回路デバイス100は、デバイス構成要素130によって検出された温度データに基づいて温度変化を測定するように構成され得る。いくつかの実施例では、回路デバイス100は、デバイス構成要素130によって感知された温度データに基づいて、流体の流量及び/又は他の特徴を測定するように構成され得る。他の実施例では、デバイス構成要素130は、回路デバイス100の外部に位置する流体(例えば、血液等)を加熱し、回路デバイス100の長手方向長さ及び/又は横幅に沿った1つ以上の位置で流体の温度変化を測定するように構成され得る。例えば、流体の温度変化を測定するための少なくとも1つの位置は、流体の流量又は他の特性を決定するために、熱源(例えば、遠位構成要素130)に対して相対的に遠位に配置され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、図7Aに見られるように、回路デバイス100は、平面シート50上等の、シートフォーマットで誘電体基板フィルム上に印刷され得る。可撓性本体102は、いろいろな所望のサイズ、形状、及び/又は構成でシート50から切り出され得る。例えば、可撓性本体102は、遠位端104と近位端106との間に実質的に一定の幅を有するように印刷され得る。さらに、可撓性本体102は、管状本体12の長手方向長さに応じて、遠位端104と近位端106との間にいろいろな適切な長さを有するように印刷され得る。
【0061】
近位端106は、種々の構成、サイズ、及び/又は形状でシート10上に印刷され得る。例えば、近位端106は、所望の角度を有する屈曲部108を含むように印刷され得る。屈曲部108は、可撓性本体102の近位端106と中間部分との間の複数の角度及び/又は弧度を画定し得ることが理解されるべきである。さらに、近位端106は、近位タブ110を画定する方形端を含むように印刷され得る(図1図3)。他の実施例では、近位端106は、完全に屈曲部108を省略する及び/又は別の例示的な近位タブ110’を画定する円形端を含むように、印刷され得る。
【0062】
引き続き図7Aを参照すると、可撓性本体102は、いろいろな長手方向長さを収容するために、1つ以上の屈曲部105Aを伴ってシート50上に印刷され得る。屈曲部105Aは、回路デバイス100がその上に印刷されるときに、シート50上の材料使用を最小にするサイズとされ得る。例えば、1つ以上の屈曲部105Aは、約90度~約180度の範囲であり得る。他の実施例では、図7Bに見られるように、可撓性本体102は、45度等の、約1度~約89度の範囲の1つ以上の屈曲部105Bを伴ってシート50上に印刷され得る。この場合、可撓性本体102は、回路デバイス100が1つ以上の屈曲部105A(例えば、より大きな角度を有する屈曲部)を伴って印刷される場合よりも、管状本体102上への付着について、より容易に矯正され得る。
【0063】
ここで図8を参照すると、ハブ140は、管状部材12及び可撓性本体102をその内部に受容するように構成されかつ動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、管状部材12及び可撓性本体102がハブ140に結合され得る一方、他の実施形態では、ハブ140は管状部材12及び可撓性本体102の上に成形され得る。ハブ140は、近位先端16から近位に延び得、ハブ140の近位端に結合及び/又は成形された1つ以上の延長管150を含み得る。ハブ140は、内腔11(図6)を延長管150と相互接続するように構成され得る。
【0064】
延長管150は、補助デバイス(例えば、ツール、センサ、ケーブル、ファイバ等)を確実に結合するために、各延長管150の遠位端にて結合機構152(例えば、ルアーコネクタ、雌アダプタ、フィッティング、及び/又は他の流体密コネクタアセンブリ)を含み得る。延長管150は、ハブ140を介した1つ以上の補助デバイスの内腔11への受容を容易にし得る。いくつかの実施例では、延長管150は、内腔11に流体(例えば、薬剤、治療剤等)を送達するための流体源にハブ140を結合するように構成され得る。延長管150は、医療デバイス10から収集され、内腔11を介してハブ140で受容された流体サンプル(例えば、血液)を抽出するようにさらに構成され得る。
【0065】
他の実施例では、延長管150は、圧力及び/又は温度を監視するための(例えば、センサ)、及び/又は、患者内の管状本体12を位置決めするための(例えば、ガイドワイヤ)、補助デバイスを受容し得る。例えば、光ファイバ、超音波カメラ、血管内撮像装置、フィルタ、レーザ、ライト等の他の補助デバイスを、ハブ140を介して延長管150から内腔11に導入し得る。
【0066】
引き続き図8を参照すると、ハブ140は、そこに固定された保護シース154を含み得る。保護シース154は、保護シース154の近位端に電気コネクタ156を含み得、1本以上のワイヤ及び/又はケーブルを収容するチャネルを画定し得る。本明細書でさらに詳細に説明するように、ワイヤは、近位端において電気コネクタ156に結合され、遠位端において可撓性本体102に接続するためにハブ140内に受容され得る。
【0067】
図9は、例示目的のために少なくともハブ140の頂壁を省略した、ハブ140を示す。近位端106は、近位タブ110がハブ140内に配置されるようにハブ140の入口142を介して受容され得る。ハブ140は、入口142と反対側に位置決めされた近位壁144と、近位壁144を通って形成された1つ以上の出口146とをさらに含み得る。各延長管150及び保護シース154は、少なくとも1つの出口146に結合され得る。いくつかの実施例では、ハブ140は、少なくとも1つの出口146を介して保護シース154から1本以上のワイヤ118を受容し得る。
【0068】
近位ハブ140が、ワイヤ118への電気接続を容易にするための1つ以上の特徴を組み込み得ることが理解されるべきである。1本以上のワイヤ118は、導電性パッド112に接続されて、それにより、ワイヤ118と電極114との間の電気通信(例えば、導電性リード116を介した)を確立し得る。導電性パッド112とワイヤ118との間の電気的接合は、例えば、はんだ、レーザ溶接、導電性接着剤、ホットバー、締め代、摩擦嵌合、及び/又は種々の他の機械的接続方法を含む、種々の適切な取り付け方法により形成され得る。
【0069】
さらに、電気的接合は、ポッティング、オーバーモールド、封入、機械的締結具、及び/又はそれらの組み合わせで補強され得る。各ワイヤ118は、保護シース154を貫通して延び得、電気コネクタ156で終端し得る。電気コネクタ156は、電極114に電力を供給するように構成された電源に選択的に結合され得る。
【0070】
引き続き図9を参照すると、ハブ140は、可撓性本体102とワイヤ118との間の固定された安定した相互作用点を画定する剛体を含み得る。したがって、ハブ140は、近位タブ110とワイヤ118との間の接合部で可撓性本体102及びワイヤ118に歪み緩和を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハブ140の剛体は、誘電特性を有する熱可塑性材料で形成され得る。したがって、ハブ140は、導電性パッド112とワイヤ118との接続を電気的に絶縁するように構成され得る。
【0071】
図10は、可撓性本体102の少なくとも中間部分を、入口142を通って、保護シース154に結合されたそれぞれの出口146内に受容し得る回路デバイス100の別の構成を示している。したがって、可撓性本体102の一部は、保護シース154を貫通して延び、電気コネクタ156内に受容され得る。ワイヤ118は、近位タブ110が電源に直接結合され得るように、本実施例から完全に省略され得ることが理解されるべきである。
【0072】
ここで図11を参照すると、代替の例示的な近位タブ110’が近位端106に示されている。実施例では、近位タブ110’は、円形形状を有し得、近位端106に対してある角度で延び得る。いくつかの実施形態では、近位端106に対する近位タブ110’の位置及び/又は向きは、選択的に調節可能であり得る。近位タブ110’は、そこを通って形成された複数のアパーチャ111と、複数のアパーチャ111の周りに配置された複数の導電性パッド112とを含み得る。
【0073】
換言すれば、各導電性パッド112は、アパーチャ111を通って受容されるデバイスに導電性パッド112が接触し得るように、少なくとも1つのアパーチャ111の周りに形成される。電気コネクタ156の内部構成要素は、例示目的のために省略された電気コネクタ156の外側ハウジングで示されている。電気コネクタ156は、複数の開口を有するソケット158と、複数の開口を貫通して延びる複数のピン159とを含み得る。複数のピン159の各々は、ソケット158から近位に延びる近位端と、ソケット158から遠位に延びる遠位端とを有し得る。
【0074】
引き続き図11を参照すると、ピン159の遠位端は、近位タブ110’との接続のために完全に組み立てられた状態のときに、電気コネクタ156の外側ハウジング内に配置され得る。ピン159の近位端は、電源との接続のために完全に組み立てられた状態のときに、電気コネクタ156の外側ハウジングから外側に延び得る。したがって、複数のピン159の近位端は、電気コネクタ156のコネクタインターフェースを画定し得る。
【0075】
複数のアパーチャ111の各々は、複数のピン159のうちの少なくとも1つを受容するサイズ及び形状であり得る。近位タブ110’に対するアパーチャ111の数量及び位置は、ソケット158上のピン159の数及び位置に基づき得ることが理解されるべきである。回路デバイス100は、ピン159に接触する導電性パッド112に応じて電源との接続を確立し得る。いくつかの実施例では、近位タブ110’はソケット158にはんだ付けされて、それにより、導電性パッド112とピン159との間の電気接続を確保し得る。
【0076】
他の実施形態において、ここで図12を参照すると、回路デバイス100は、近位タブ110で可撓性本体102に搭載された電子構成要素135を含み得る。電子構成要素135は、外面101に沿って位置決めされ、ハブ140内に封入され得る。電子構成要素135は、例えば、ピン及びビア、オーバーモールド、ポッティング等によることを含む種々の適切な構成を介して(例えば、近位タブ110で)可撓性本体102に固定され得る。他の実施形態では、電子構成要素135は、ハブ140に直接固定され得る。
【0077】
電子構成要素135は、例えば、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、リードオンリメモリチップ、リードライトメモリチップ、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM:electrically erasable programmable read‐only memory)、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ等を含むがこれらに限定されない、種々のタイプの揮発性及び不揮発性記憶媒体等のコンピュータ可読記憶媒体を含む、種々の適切なデバイスを含み得る。他の実施形態では、電子構成要素135は、センシング回路、無線周波数識別(RFID:radio‐frequency identification)タグ、及び他の種々のデバイスを含み得る。
【0078】
例えば、電子構成要素135は、シリアル番号、ロット番号、製品構成、有効期限、デバイス構成要素130についての較正定数等の、回路デバイス100に関する製品固有データを記憶するように構成され得る。さらなる例として、電子構成要素135は、起動日、治療処置セッションからの変数データ、制御ユニット機能アルゴリズム、デバイス構成要素130のセンサデータ等の、回路デバイス100及び/又は医療デバイス10の使用データを記録するように構成され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、電子構成要素135は、例えば、プロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、グラフィックス処理ユニット(GPU:graphics processing unit)、又はその両方)等のコンピュータシステムを、上述のメモリと組み合わせてさらに含み得る。例えば、プロセッサは、標準的なパーソナルコンピュータ又はワークステーションの一部であり得る。プロセッサは、データを解析して処理するための、1つ以上の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、又はそれらの組み合わせであり得る。プロセッサは、プログラム可能コード等のソフトウェアプログラムを実行し得る。他の実施形態では、メモリは、電子構成要素135とは別個の外部記憶デバイス又はデータベースであり得る。
【0080】
引き続き図12を参照すると、電子構成要素135は、回路デバイス100の1つ以上の他の構成要素(例えば、電極114、デバイス構成要素130等)から情報を受け入れ、種々のアルゴリズムに従って情報を処理して回路デバイス100の他の構成要素を制御するための制御信号を生成するように概して構成されたコントローラを含み得る。
【0081】
例えば、コントローラは、システム及びシステム構成要素から情報を受け入れ、種々のアルゴリズムに従って情報を処理し、回路デバイス100によって監視されている処置状況又は他の情報を回路デバイス100のユーザに通知する情報信号を生成し得る。コントローラは、デジタルICプロセッサ、アナログプロセッサ、又は制御アルゴリズムを実行する任意の他の適切な論理もしくは制御システムであり得る。電子構成要素135は、バッテリ、ダイレクトワイヤエネルギ、又は他の適切なパワーデバイスによって電力供給され得る。いくつかの実施例では、電子構成要素135は、有線接続及び/又は無線接続を介して、回路デバイス100のコントローラ又は他の構成要素と通信するように構成され得る。
【0082】
処置中に回路デバイス100を使用する例示的な方法によれば、可撓性本体102は、上で示され説明されたように、複数の構成のうちの1つで管状本体12に最初に接着され得る。近位タブ110は、ハブ140内に受容され、導電性パッド114と電気コネクタ156との接続から電源に結合され得る。医療デバイス10に固定された回路デバイス100により、管状本体12は、対象(例えば、患者)内に受容されて、標的治療部位に向けて誘導され得る。
【0083】
医療デバイス10は、1つ以上の神経(例えば、横隔神経、迷走神経等)、筋肉、及び/又は他の組織に相対的に近位に位置する血管を通って行き来するように構成され得る。管状本体12の可撓性(又は、その欠如)は、可撓性本体102の取り付け構成及び/又は可撓性本体102の材料組成に基づいて、回路デバイス100の曲げ特性によって少なくとも部分的に決定され得る。すなわち、回路デバイス100のジオメトリ及び配置は、医療デバイス10の曲げ特性に影響を与え得る。医療デバイス10は、延長管150及びハブ140を介して内腔11(図6)内に受容された1つ以上のデバイスを使用して標的治療部位に案内され得る。例えば、医療デバイス10は、回路デバイス100の配置を容易にするために、補剛要素(例えば、ポリマー及び/又は金属マンドレル)、ガイドワイヤ、センサ、撮像デバイス、照明デバイス、形状記憶材料(例えば、ニチノール等)、及び/又は他の治療用もしくは診断用医療デバイスを受容し得る。
【0084】
したがって、管状部材12は、標的治療部位に対する回路デバイス100の配置を案内するように構成され得る。標的治療部位に到達すると、管状本体12は、標的物体(例えば、神経、筋肉、組織等)に対して所望の位置に電極114を位置付けするために移動(例えば、並進、回転等)され得る。標的物体に隣接して配置された電極114を用いて、電源の投入により、電流が、ワイヤ118、導電性パッド112を通って、導電性リード116を介して電極114に送達され得る。電極114は、導電性リード116からの電流を受けると、標的物体を刺激するように構成され得る(例えば、所望の生理学的結果を引き起こすのに十分な刺激)。
【0085】
電極114は、特定の解剖学的標的についての治療効果(例えば、神経刺激)を発生させ得、外面101上の互いに対する電極114の相対位置は、ある治療効果についての管状本体12に沿った1つ以上の電荷場(例えば、非対称電荷場)を生成し得る。電極114は、横隔膜又は他の肺付属組織(lung-accessory)の収縮を引き起こすのに十分な電荷を発生させ得る。いくつかの実施形態では、電極114は、管状本体12に沿って配置されて、例えば、神経刺激、筋肉刺激、心臓刺激、横隔神経活性化、横隔膜筋肉活性化、及びその他多くを含む、種々の形態の刺激を検出するように構成及び動作可能にされたセンサアレイアンテナを形成し得る。
【0086】
回路デバイス100がデバイス構成要素130(例えば、センサ等)を含む実施例では、デバイス構成要素130(図4B図6)は、標的物体に向けて配置され、標的物体の1つ以上の特徴又は特性(例えば、解剖学的標的の必要な刺激が発生したか否かについての入力)を検出及び/又は記録するようにアクティベートされ得る。デバイス構成要素130は、例えば、有線又は無線接続によって電気構成要素135(図12)を介して等、1つ以上のコンピューティングシステムに通信可能に結合され得る。
【0087】
医療デバイス10の外部に固定された回路デバイス100とともに、内腔11を利用して、回路デバイス100に含まれるもの以外のデバイスが受容され得ることが理解されるべきである。換言すれば、回路デバイス100は、内腔11内の利用可能空間を最大にして他の補助デバイスを受容するように動作可能であり得る。例えば、回路デバイス100は、電極114を電源に接続するために管状本体12内部を通って配線する必要性をなくし、それにより、管状本体12をより小さな最小径のサイズとし得る。
【0088】
さらに、回路デバイス100は、管状本体12内に受容されている及び/又は管状本体12上に配置されているかにかかわらず、電極114を電源に接続するためのワイヤの使用が完全に省略され得るように導電性リード116を含み、それによって、医療デバイス10の複雑さをさらに軽減させる。したがって、管状本体12は、デバイス上に1つ以上の電極を含むための電気構成要素(例えば、ワイヤ)を収容するようなサイズ及び形状の他の医療デバイス(例えば、カテーテル)よりも小さい断面外形を含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、医療デバイス10は、延長管150及びハブ140を介して内腔11(図6)内に受容された1つ以上のデバイス(例えば、血管内超音波法(IVUS:intravascular ultrasound))を使用して、標的治療部位の生理学的パラメータを感知し得る。他の実施形態では、医療デバイス10は、管状本体12の曲げ特性を変化させて剛性領域及び/又は可撓性領域のゾーンを作成するデバイスを受容し得る。例えば、ニチノールワイヤ(図示せず)は、内腔11内に受容されて、そこに印加される電流を受けるワイヤに応答して管状本体12の形状を変更又は制御し得る。この場合、ワイヤは、内腔11内から固定/所望の構成まで管状本体12上に力を加え得る。電流の除去は、ワイヤによって管状本体12に加えられた力を終了させ得、それによって、管状本体12が可撓性状態に戻ることを可能にする。他の実施例では、形状記憶ワイヤは、対象の身体によって生成された熱によってアクティベートされ得る。
【0090】
図13図24は、回路デバイス100と実質的に同様であり得る代替の例示的な回路デバイスを示す。管状本体12の軸に対する回路デバイスのジオメトリ、向き及び層構造は、管状本体12の長手方向長さに沿った特定の領域における医療デバイス10の曲げ特性に影響を及ぼし得る。以下の実施例に記載された回路デバイスは、本明細書に明示的に記載された相違点を除いて、回路デバイス100と同様に構成されかつ動作可能であり得、したがって、同様の構成要素を識別するために同様の参照番号が使用されることが理解されるべきである。さらに、以下の例示的な回路デバイスは、医療デバイス10に容易に組み込まれ得ることが理解されるべきである。
【0091】
具体的に図13を参照すると、この開示の実施例による回路デバイス200が示される。回路デバイス200は、可撓性本体102の長手方向長さに沿って変化するジオメトリ及び/又は幅を含み得る。例えば、可撓性本体102は、遠位端104と近位端106との間に1つ以上の拡幅セグメント203を含み得る。本実施例では、回路デバイス200は、比較的狭い幅を有する中間セグメント205によって可撓性本体102の長手方向長さに沿って互いに分離された一対の拡幅セグメント203を含み得る。
【0092】
可撓性本体102は、中間セグメント205に対して拡幅セグメント203に沿ってより大きな厚さを有する層を含み得る。拡幅セグメント203は、低減された可撓性を可撓性本体102に付与するように構成され得る。実施例では、拡幅セグメント203は、中間セグメント205よりも比較的短い長手方向長さを有するが、セグメント203,205のいろいろな他の相対的長さ及び/又は構成が、この開示の範囲から逸脱することなく含まれ得ることが理解されるべきである。他の実施形態では、追加の及び/又はより少ない拡幅セグメント203及び/又は中間セグメント205が、可撓性本体102に沿って含まれ得る。
【0093】
引き続き図13を参照すると、可撓性本体102は、一対の拡幅セグメント203と中間セグメント205とに沿って複数の電極114を含み得る。これにより、近位タブ110は、可撓性本体102上の電極114の数量に応じて、近位端106に複数の導電性パッド112を含み得る。いくつかの実施形態では、拡幅セグメント203及び/又は中間セグメント205のうちの1つ以上は、その上の任意の電極114を排除し得る。使用時には、拡幅セグメント203は、回路デバイス200が医療デバイス10に取り付けられたときに、拡幅セグメント203と整列する管状本体12のそれぞれの部分に沿って管状本体12の曲げ特性を低下させるように構成されかつ動作可能であり得る。
【0094】
ここで図14を参照すると、この開示の別の実施例に従って例示的な回路デバイス300が示されている。回路デバイス300は、可撓性本体102の長手方向長さに沿って不規則セグメント303を含み得る。不規則セグメント303は、遠位端104と近位端106との間に含まれ得、可撓性本体102の残りの線形ジオメトリを横断するジオメトリ及び/又は構成を有し得る。例えば、不規則セグメント303は、複数の凸波305(例えば、ピーク)と、複数の凹波307(例えば、トラフ)とを含む正弦波状(例えば、S外形)を有し得る。複数の波305,307は、可撓性本体102の長手方向軸に対していろいろな適切な長さ及び/又は振幅を有し得る。
【0095】
本実施例では、不規則セグメント303は、一対の凸波305と一対の凹波307とを含むが、追加の及び/又はより少ない波305,307が不規則セグメント303に含まれ得ることが理解されるべきである。他の実施形態では、可撓性本体102は、遠位端104と近位端106との間に追加の不規則セグメント303を含み得る。本実施例では、不規則セグメント303は、遠位端104に隣接して可撓性本体102に沿って形成され得、可撓性本体102の残りの部分と変わらない幅を含み得る。さらに、不規則セグメント303は、可撓性本体102の残りの部分に対する可撓性本体102の可撓性を増大させるように構成され得る。
【0096】
引き続き図14を参照すると、可撓性本体102は、不規則セグメント303がその上の電極114を排除するように、不規則セグメント303の近位及び遠位の可撓性本体102の部分に沿って複数の電極114を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の凸波305及び/又は凹波307は、その上に電極114を含み得る。使用時には、不規則セグメント303は、回路デバイス300が医療デバイス10に取り付けられたときに、不規則セグメント303と整列する管状本体12のそれぞれの部分に沿って管状本体12の曲げ特性を相対的に増大させるように構成されかつ動作可能であり得る。
【0097】
ここで図15を参照すると、この開示の別の実施例に従って例示的な回路デバイス400が示されている。回路デバイス400は、可撓性本体102の長手方向長さに沿って1つ以上の角度変化/屈曲部を含み得る。例えば、可撓性本体102は、それぞれ少なくとも1つの屈曲部410によって互いに分離された複数のセグメント404,406,408を含み得る。したがって、複数のセグメント404,406,408の各々は、互いに相対して横断的に位置決めされ、整列され得る。
【0098】
本実施例では、遠位セグメント404は、遠位端104に隣接して配置され、近位セグメント408は、近位端106に隣接して配置され、中間セグメント406は、遠位セグメント404と近位セグメント408との間に配置される。可撓性本体102は、一対の屈曲部410を含み得、その少なくとも一方は、遠位セグメント404と中間セグメント406との間に配置され、その他方は、中間セグメント406と近位セグメント406との間に配置される。
【0099】
引き続き図15を参照すると、複数のセグメント404,406,408の各々は、隣接する一対のセグメント間の屈曲部410の角度に基づいて、互いに相対的に変化する曲げ特性を有し得る。屈曲部410は、約1度~約60度の範囲であり得、各屈曲部410は、隣接する一対のセグメントを、互いに異なる(又は同様の)方向及び/又は角度で延長し得る。さらに、各屈曲部410は、可撓性本体102上の1つ以上の他の屈曲部410に対して変化する角度を含み得る。
【0100】
他の実施形態では、回路デバイス400は、それぞれ追加の及び/又はより少ない屈曲部410によって分離され得る、可撓性本体102に沿った追加の及び/又はより少ないセグメントを含み得る。複数のセグメント404,406,408の各々は、1つ以上の電極114を含み得る一方、いくつかの実施形態では、セグメント404,406,408は、電極114を完全に省略し得る。
【0101】
ここで図16を参照すると、複数のセグメント404,406,408の各々は、管状本体12の周りの各セグメント404,406,408の螺旋状ラップの角度に基づいて、医療デバイス全体の対応する部分が互いに対して変化する曲げ特性を有するようにさせ得る。換言すれば、可撓性本体102が管状本体12の周りに螺旋状に巻回する巻線間の角度、ピッチ、及び/又は間隔は、各セグメント404,406,408において変化し得る。例えば、可撓性本体102の螺旋状巻回のピッチは、中間セグメント406におけるよりも遠位セグメント404及び近位セグメント408において相対的に大きくあり得る。この場合、可撓性本体102は、中間セグメント406に対して遠位セグメント404及び近位セグメント408に沿って実質的に可撓性であり得る。
【0102】
さらなる実施例として、可撓性本体102が管状本体12の周りに螺旋状に巻回するピッチ又は角度は、中間セグメント406に沿って可撓性本体102が実質的に剛性であり得るように、中間セグメント406に沿って相対的に小さくあり得る。セグメント404,406,408は、本明細書に示され説明されたもの以外の、そして、回路デバイス400の所望の構成に依存して本明細書に示され説明されたもの以外の、互いに対する、いろいろな螺旋状ラップの角度及びピッチを含み得ることが理解されるべきである。
【0103】
引き続き図16を参照すると、可撓性本体102の螺旋状ラップの方向は、複数のセグメント404,406,408のうちの1つ以上の間で方向を変え得る。本実施例では、遠位セグメント404及び近位セグメント408は、第1の方向A(例えば、時計回り方向)に管状本体12に巻き付けられ得、中間セグメント406は、第1の方向Aとは異なる第2の方向B(例えば、反時計回り方向)に管状本体12の周囲を包み得る。さらに、遠位セグメント404及び/又は近位セグメント408は、第1の螺旋ピッチαで管状本体12の周りを螺旋状に巻き得、中間セグメント406は、第1の螺旋ピッチαとは異なる第2の螺旋ピッチβで管状本体12の周りを螺旋状に巻き得る。例えば、第1の螺旋ピッチαは、遠位セグメント404及び/又は近位セグメント408が中間セグメント406よりも少ない螺旋状巻回を含み得るように、第2の螺旋ピッチβよりも相対的に小さくあり得る。セグメント404,406,408は、本明細書に示され説明されたもの以外の、互いに対するいろいろな螺旋ピッチ及び/又は巻回を含み得ることが理解されるべきである。
【0104】
回路デバイス400は、可撓性本体102が管状本体12に取り付けられたときに互いに対して方向を変える隣接セグメント404,406,408の間に間隙405を形成するように構成され得る。回路デバイス400は、可撓性本体102の螺旋状ラップが方向を変えたときに管状本体12の少なくとも一部を覆わない可能性があり、それにより、可撓性本体102の下方に配置された管状本体12の一部を露出させる。
【0105】
管状本体12の曲げ特性は、可撓性本体102を受容する他の部分に対して間隙405に沿って露出される部分に沿って変化し得ることが理解されるべきである。例えば、管状本体12は、その上の可撓性本体102を省略した領域に沿って相対的に低下した剛性(すなわち、高められた可撓性)を有し得る。さらに、医療デバイス10及び回路デバイス100のアセンブリは、可撓性本体102が管状本体12に取り付けられる部分に沿ってより大きな材料厚さを有する領域を提供し得、それによって、管状本体12の長手方向長さに沿った非対称性を提供する。
【0106】
引き続き図16を参照すると、管状本体12上の医療デバイス10の1つ以上の特徴(例えば、アクセス孔18)は、可撓性本体102が管状本体12に巻き付けられたときに、間隙405に沿って現れ、アクセス可能であり得る。間隙405のサイズは、さまざまであり得、例えば、間隙405を画定する隣接する一対のセグメント間の螺旋状ラップの角度に依存し得る。アクセス孔18は、流体及び/又はデバイス(例えば、ガイドワイヤ)が管状本体12から外向きに送達され得る及び/又はアクセス孔18を介して管状本体12に受容され得るように、1つ以上の内腔11(図6)と流体連通し得る。いくつかの実施例では、アクセス孔18は、デバイス(例えば、光ファイバセンサ等)が、例えば流体(例えば、血液等)の酸素レベル、中心静脈圧、及び他の多くのもの等の1つ以上のパラメータを測定することを可能にするための感知ポータルを提供し得る。さらに、アクセス孔18は、1つ以上の器具が管状本体12から外部に延びることを可能にする展開ポータルを提供し得る。示されてはいないが、いくつかの実施形態では、アクセス孔18は、血管壁に接触するための管状本体12からのニチノール位置決めデバイスの展開を容易にし得、それによって、管状本体12を好ましい構成に付勢し、医療デバイス10を標的治療部位に対して安定化させる。
【0107】
複数のセグメント404,406,408のそれぞれの螺旋状ラップの角度及び/又はピッチは、螺旋状巻回の方向が変化するときに、一定に維持され得る及び/又は互いに対して変化し得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、屈曲部410は、可撓性本体102の螺旋状ラップの角度と一致し得る。この場合、複数のセグメント404,406,408の少なくとも1つは、可撓性本体102の残りのセグメントを横断する長手方向軸に沿って延びる延長された長さを有し得る。
【0108】
例えば、図17に見られるように、遠位セグメント404は、回路デバイス400が医療デバイス10に固定されたときに管状本体12の中心軸に平行に延び得、遠位セグメント404と中間セグメント406との間の屈曲部410における角度変化は、管状本体12の周りの可撓性本体102の螺旋状ラップの角度を決定し得る。換言すれば、屈曲部410の角度は、管状本体12の中心軸の周りに巻き付く可撓性本体102の螺旋角度を画定するか、又はそれに対応し得る。
【0109】
図17Aに見られるように、屈曲部410は、可撓性本体102の遠位セグメント404と中間セグメント406との間の屈曲角度Cを画定し得る。いくつかの実施形態では、屈曲角度Cは、約1度~約179度の範囲であり得、管状本体12に対する(可撓性本体102の)複数の螺旋状巻回の構成を少なくとも部分的に画定し得る。例えば、管状本体12の中心軸Lを横断する軸Tに対して、中間セグメント406に沿った複数の螺旋状巻回は、螺旋角度Dを含み得る。螺旋角度Dは、遠位セグメント404が管状本体12の軸と整列するか、又は実質的に平行であるときに、屈曲角度Cが螺旋角度D+約90度に実質的に等しくなり得る(C=D+90度)ように、屈曲角度Cに対して相対的な関係を有し得る。
【0110】
屈曲部410と中間セグメント406に沿った複数の螺旋状巻回とが、本明細書に示され説明されたもの以外の互いに対する種々の適切な関係を有し得るように、本実施例の屈曲角度C及び螺旋角度Dが単に例示的なものであることが理解されるべきである。さらに、中間セグメント406の螺旋ピッチ(例えば、図16、第1の螺旋α、第2の螺旋ピッチβ等を参照)は、可撓性本体102の屈曲角度C及び/又は螺旋角度Dによって少なくとも部分的に画定されるか又は別様にそれらに対応し得る。したがって、中間セグメント406は管状本体12の周りに螺旋構成で巻かれ得る。本実施例では、回路デバイス400は、中間セグメント406が屈曲部108まで延びてそこで終端するように、単一の屈曲部410を含むのみである。
【0111】
可撓性本体102及びそれに対応する医療デバイスの部分は、各セグメント404,406のそれぞれのジオメトリに基づいて、遠位セグメント404及び中間セグメント406に沿ってさまざまな屈曲特性を有し得る。本実施例では、遠位セグメント404は、その遠位セグメント104に対応する医療デバイスの部分が半径方向に非対称な曲げ特性を有し得るように、管状本体12の中心軸に平行に配向され得る。医療デバイス10は、力が可撓性本体102と管状本体12との両方に垂直である場合よりも、可撓性本体102の長手方向軸に横断的で管状本体12の中心軸に平行な力が加えられた場合に、遠位セグメント404に対応する部分に沿って、より大きな撓みを経験し得る。
【0112】
引き続き図17を参照すると、遠位セグメント404の半径方向の曲げ非対称性は、例えば、管状本体12が処置での使用中に曲げられたときに特定の方向に等、より大きな剛性を管状本体12に提供し得る。例えば、管状本体12の遠位部分は、例えば、対象内の血管壁に接触するため等、標的治療部位に対して複数の方向のうちの1つに曲げられ得る。管状本体12の遠位部分は、遠位セグメント404の半径方向の曲げ非対称性がもたらす遠位部分の強化された剛性に起因して、血管壁との接触を維持し得る。遠位セグメント404の半径方向非対称曲げ特性とは対照的に、中間セグメント406は、中間セグメント406のジオメトリに基づいて半径方向対称の曲げ特性を有し得る。
【0113】
ここで図18を参照すると、この開示の実施例に従って別の例示的な回路デバイス500が示されている。回路デバイス500は、その中に形成された補剛構造を有する1つ以上のセグメント504と、補剛構造を省略した1つ以上のセグメント506とを含み得る。本実施例では、回路デバイス500は、遠位端104と近位端106との間に位置する、一対の補剛セグメント504と一対の非補剛セグメント506とを含み得る。補剛セグメント504は、回路デバイス500の長さに沿って非補剛セグメント506と交互に配置される。他の実施形態では、回路デバイス500は、本明細書に示され説明されたもの以外のいろいろな適切な配置において可撓性本体102に沿って追加の及び/又はより少ないセグメント504,506を含み得る。
【0114】
補剛構造は、さまざまな剛性及び/又は厚さの材料で作られて回路デバイス500の剛性を増加及び/又は低下させるために可撓性本体102の領域に組み込まれ得る構成要素(例えば、追加の層、積層に使用される接着剤、補剛ワイヤ等)を含み得る。補剛材は、ガラス強化エポキシ積層材料(FR4)、ポリイミド、ポリエステル、ポリマー、及び/又はステンレス鋼を含み得る。補剛構造は、可撓性本体102がそこに取り付けられたときに、補剛セグメント504と整列された特定の領域における管状本体12の剛性を高めるために、比較的高い剛性を有する材料で形成され得る。
【0115】
換言すれば、可撓性本体102は、補剛セグメント504と整列された領域に沿って管状本体12の可撓性を低下させるように構成され得る。補剛構造は、管状本体12上に追加の層を提供し得、それによって、管状本体12の長手方向長さに沿って医療デバイス10及び回路デバイス500のアセンブリの幅を変えることができる。したがって、管状本体12の曲げ特性は、その上の補剛セグメント504の位置に対応する選択的領域で変化し得る。他の実施形態では、補剛構造は、回路デバイス100を医療デバイス10に取り付ける前に、管状本体12の外面と可撓性本体102の内面103との間に配置され得る。この場合、補剛構造は、管状本体12と可撓性本体102との間に封入され得る。
【0116】
ここで図19を参照すると、この開示の実施例に従って別の例示的な回路デバイス600が示されている。回路デバイス600は、遠位セグメント604と、遠位端104と近位端106との間の可撓性本体102の長手方向長さを画定する中間セグメント606とを含み得る。遠位セグメント604は、一対の枝セグメント608によって遠位端104が画定され得るような、中間セグメント606から遠位に延びる一対の枝セグメント608を含み得る。各枝セグメント608は、互いに平行に整列し得、互いに等しい、一方よりも長い、及び/又は一方よりも短い長手方向長さを有し得る。本実施例では、複数の枝セグメント608は、中間セグメント606の長手方向長さよりも短い、実質的に同様の長さを有し得る。枝セグメント608の各々は、中間セグメント606の幅よりも相対的に狭い幅を有し得る。
【0117】
引き続き図19を参照すると、可撓性本体102は、枝セグメント608が中間セグメント606に対して角度付けされ得るように、一対の枝セグメント608の近位端に屈曲部610をさらに含み得る。したがって、各枝セグメント608は、中間セグメント606の軸を横断する長手方向軸を有し得る。いくつかの実施例では、屈曲部610における可撓性本体102の角度変化は、回路デバイス600が医療デバイス10に固定されたときに、管状本体12の周りの中間セグメント606の螺旋状ラップの角度を決定し得る(例えば、図17A、屈曲角度C参照)。
【0118】
遠位セグメント604及び/又は中間セグメント606は、1つ以上(例えば、複数)の電極114を含み得る。本実施例では、一対の枝セグメント608の各々は、遠位セグメント604に沿って電極114のアレイを画定し得、それによって、遠位セグメント604に複雑な回路密度を提供する。回路デバイス600は、増強された治療療法を標的部位に提供するために、枝セグメント608上の電極114のアレイでの、より大きな電流及び/又はカバレッジフィールドを生成するように構成され得ることが理解されるべきである。電極114のアレイは、より大きな電流密度及び/又は集中密度フィールドを選択的に発生させることができる複雑な電極ジオメトリを有する医療デバイス10を提供し得る。
【0119】
回路デバイス600は、各枝セグメント608の長手方向軸が管状本体12の中心、長手方向軸に平行になり得るように、医療デバイス10上に組み立てられ得る。換言すれば、遠位セグメント604は、枝セグメント608が管状本体12の中心軸に平行に延びるように、管状本体12の遠位部分上に固定され得る。さらに、中間セグメント606の軸は可撓性本体102が中間セグメント606に沿って管状本体12の外部に螺旋状に巻き付けられ得るように、管状本体12の中心軸に対して横断し得る。したがって、回路デバイス600は、それぞれ遠位セグメント604及び中間セグメント606を受容する部分に沿って管状本体12上に異なる曲げ特性を付与するように構成され得る。
【0120】
引き続き図19を参照すると、可撓性本体102が管状本体12上に搭載されたときに、枝セグメント608は、ある角度及び/又は距離だけ互いに離間し得る。例えば、各枝セグメント608は、管状本体12の遠位部分に固定されたとき、互いに約180度離れて配置され得る。したがって、回路デバイス600は、互いにオフセットされて管状本体12の周囲の周りに配置された一対の対向電極アレイを提供するように構成され得る。例えば、枝セグメント608は、回路デバイス600が医療デバイス10に取り付けられたときに、管状本体12の上下(例えば、又は左右)の外面に沿って配置され得る。
【0121】
枝セグメント608は、回路デバイス600と医療デバイス10とによって提供されるべき所望の治療効果に依存するいろいろな他の相対的な度数及び/又は距離で互いに選択的に離間され得ることが理解されるべきである。他の実施形態では、回路デバイス600は、遠位セグメント604にて、中間セグメント606にて、及び/又は可撓性本体102のいろいろな他の部分にて、追加の枝セグメント608を含み得る。
【0122】
例えば、図20に示されるように、回路デバイス600は、中間部分606から遠位方向に延びて屈曲部610によってそれに対して角度付けされた第2の対の枝セグメント609を含み得る。本実施例では、一対の枝セグメント609は、枝セグメント608に平行に延び得、枝セグメント608の長手方向長さに等しい、それよりも長い、及び/又はそれよりも短い長手方向長さを有し得る。実施例では、枝セグメント609は、枝セグメント608よりも短い長さを有し得、枝セグメント608と交互構成で配置され得る。したがって、各枝セグメント608は、枝セグメント608間に位置する少なくとも1つの枝セグメント609によって互いに分離され得る。
【0123】
各枝セグメント609は、1つ以上(例えば、複数)の電極114を含み、それによって、各枝セグメント609上に電極114のアレイを画定し得る。いくつかの実施例では、電極114は、長手方向に互いに整列するように各枝セグメント609に沿って配置され、枝セグメント608に沿って複数の電極114から長手方向にオフセットされ得る。
【0124】
引き続き図20を参照すると、枝セグメント609は、可撓性本体102が管状本体12上に搭載されたときに、ある角度及び/又は距離だけ、互いから及び/又は枝セグメント608から離間され得る。例えば、各枝セグメント609は、管状本体12の遠位部分に固定されたとき、互いから約180度、及び各枝セグメント608から約90度に配置され得る。したがって、回路デバイス600は、互いにオフセットされて管状本体12の周囲の周りに位置する二対の対向電極アレイを提供し得る。
【0125】
例えば、図21は、回路デバイス600が医療デバイス10に取り付けられたときの、管状本体12の上下の外面に沿って位置決めされた枝セグメント608(頂部のみが図に見られる)、及び、左右側面に沿って位置決めされた枝セグメント609(左側のみが図に見られる)を示す。枝セグメント608は、管状本体12上で180度互いに離間しており、枝セグメント609は180度互いに離間していることが理解されるべきである。さらに、各枝セグメント608は、管状本体12上で枝セグメント609から90度離れて配置されている。他の実施形態では、回路デバイス600は、遠位セグメント604にて、中間セグメント606にて、及び/又は可撓性本体102のいろいろな他の部分にて、追加の及び/又はより少ない枝セグメント608,609を含み得る。
【0126】
ここで図22を参照すると、この開示の別の実施例に従って例示的な回路デバイス700が概略的に示されている。回路デバイス700は、遠位セグメント702と、第1の中間セグメント704と、第2の中間セグメント706と、近位セグメント708とによって画定される長手方向長さを有する可撓性本体102を含み得る。遠位セグメント702は、遠位端104で終端し、第1の中間セグメント704に対して遠位方向に延び得る。遠位セグメント702は、屈曲部710によって第1の中間セグメント702に対してある角度で延びる一対の枝セグメント608を含み得る。
【0127】
第1の中間セグメント704は、第1の中間セグメント704が遠位セグメント702と第2の中間セグメント706との間に配置され得るように、第2の中間セグメント706に対して遠位方向に延び得る。第1の中間セグメント704は、遠位セグメント702及び第2の中間セグメント706の各々の長手方向軸に対して横断的に延びる長手方向長さ(軸)を有し得る。いくつかの実施例では、第1の中間セグメント704が1つ以上(例えば、複数)の電極114を含み得る一方、他の実施例では、第1の中間セグメント704はその上の電極114を排除し得る。
【0128】
引き続き図22を参照すると、可撓性本体102は、第1の中間セグメント704が屈曲部712によって第2の中間セグメント706に対してある角度で延びるように構成され得るように、第1の中間セグメント704と第2の中間セグメント706との間に第2の屈曲部712をさらに含み得る。第2の中間セグメント706は、一対の枝セグメント609を含み得、第1の中間セグメント704は、一対の枝セグメント609のうちの少なくとも1つの遠位端から遠位方向に延びる。換言すれば、各枝セグメント608,609は、第1の中間セグメント704の近位端に固定された少なくとも1つの枝セグメント609を除いて、自由遠位端を有する。
【0129】
したがって、一対の枝セグメント609は、一対の枝セグメント608の近位に、かつ、一対の枝セグメント608からある角度で配置され得る。したがって、各枝セグメント609は、一対の枝セグメント608の軸に対して横断的な長手方向軸を有し得る。第2の中間セグメント706は、第1の中間セグメント704と近位セグメント708との間に第2の中間セグメント706が配置されるように、近位中間セグメント708に対して遠位方向に延び得る。第2の中間セグメント706は、第1の中間セグメント704及び近位セグメント708の各々の長手方向軸に対して横断的に延びる長手方向長さ(軸)を有し得る。いくつかの実施例では、第1の中間セグメント704は、近位セグメント708の軸に平行な軸を有し得る。
【0130】
引き続き図22を参照すると、第2の中間セグメント706が一対の枝セグメント609のうちの1つ以上の上に1つ以上(例えば、複数)の電極114を含み得る一方、他の実施例では、第2の中間セグメント706は電極114を完全に排除し得る。可撓性本体102は、第2の中間セグメント706が屈曲部714によって近位セグメント708に対してある角度で延びるように構成され得るように、第2の中間セグメント706と近位セグメント708との間に屈曲部714を含み得る。
【0131】
遠位セグメント702及び第2の中間セグメント706は、互いに平行に管状本体12の中心長手方向軸に延び得、第1の中間セグメント704及び近位セグメント708は、回路デバイス700が医療デバイス10に取り付けられたときに、管状本体12の周りに螺旋状に巻き付けられ得る。したがって、セグメント704,708と比較して、その上にセグメント702,706を受容するそれらの部分に沿って、管状本体12上にさまざまな曲げ特性が付与され得る。
【0132】
一対の枝608は、本体12の軸の周りに一対の枝609と同様の又は一対の枝609とは異なる半径方向位置に沿って(すなわち、それぞれ180度又は90度離れているか、又は任意の他の適切な角度で離れて)管状本体12に固定され得る。屈曲部710,712,714における可撓性本体102の角度変化は、回路デバイス700が医療デバイス10に固定されたときに、管状本体12の周りの第1の中間セグメント704及び近位セグメント708の螺旋状ラップの角度を決定し得る(例えば、図17A、屈曲角度C参照)。したがって、枝セグメント608と枝セグメント609との間に1つ以上の間隙が形成され得る。
【0133】
ここで図23を参照すると、この開示の別の実施例に従って例示的な回路デバイス800が概略的に示されている。回路デバイス800は、近位端106に、代替の例示的な近位タブ110’’を含み得る。近位タブ110’’は、その上に配置された1つ以上(例えば、複数)の導電性パッド112を有する長方形形状を含み得る。実施例では、近位タブ110’’は、電源(図示せず)と接続するための回路デバイス800のコネクタインターフェースを画定し得る。換言すれば、近位タブ110’’は、1本以上のワイヤ118(図8図9)を介して電源との接続を確立する回路デバイスの代わりに、電源と直接接続するように構成され得る。
【0134】
図24は、例示目的のために分解状態の電気コネクタ156を示す。示されているように、可撓性本体102は、保護シース154を介して電気コネクタ156内に受容され得る。実施例では、保護シース154は、電気コネクタ156の入口ポート162において電気コネクタ156に固定され得る。さらに、電気コネクタ156は、近位端106を受容するための内部空洞を画定する上部ハウジング160A及び底部ハウジング160Bを含み得る。実施例では、電気コネクタ156は、ソケット158及びピン159(図11参照)の代わりに出口コネクタ164を含み得る。
【0135】
出口コネクタ164は、電気コネクタ156が完全に組み立てられた状態にあるときに、ハウジング160A,160Bから近位方向に外側に延び得る。出口コネクタ164は、電源と接続するための電気コネクタ156のコネクタインターフェースを画定し得、近位タブ110’’を受容するように構成され得る。近位タブ110’’は、複数の導電性パッド112が半径方向に外側に向いた状態で、出口コネクタ164の外部の周りに配置され得る。出口コネクタ164は、近位タブ110’’の出口コネクタ164への整列及び取り付けを容易にするように構成されたキーイング構造166を含み得る。例えば、キーイング構造166は、近位タブ110’’の終端部に係合し得る及び/又は出口コネクタ164の周囲の周りに近位タブ110’’を包むための開始点と終点とを指定し得る。
【0136】
引き続き図24を参照すると、近位タブ110’’は、種々の適切な機構(例えば、接着剤を含む)によって出口コネクタ164に固定され得る。例示的な使用において、導電性パッド112は、近位端106が電気コネクタ156内に受容され、近位タブ110’’が出口コネクタ164に固定されるとき、ハウジング160A,160Bから露出され得る。導電性パッド112は、電気コネクタ156が導電性パッド112に結合されて出口コネクタ164が電源内に受容されると電源に直接接続し得、それにより、回路デバイス800に電力を供給する。
【0137】
前述のシステム、デバイス、アセンブリ、及び方法の各々は、診断又は治療効果を提供でき得る対象(例えば、患者)内の標的治療部位にて電気回路を提供するために使用され得る。(シース又は管上の)医療デバイスの外部に配置された回路デバイスを含む医療デバイスを提供することによって、ユーザは、他のデバイス及び/又は材料を受容するために医療デバイスの内腔を利用し得る。最小サイズ及び可撓性の電気回路を有する回路デバイスによれば、回路デバイスは、医療デバイスに沿ったいろいろな位置における電気構成要素の選択的な位置決めを最大化しながら、医療デバイスの全体的な物理的外形を最小にし得る。この場合、ユーザは、処置の効率を高め得、全体的な処置時間を短縮し得、及び/又は、内腔内に電気回路デバイスを収容するための侵襲的外形を有する医療デバイスによって引き起こされる対象の身体への不必要な害を回避し得る。
【0138】
この開示の範囲から逸脱することなく開示されたデバイス及び方法に種々の修正及び変更がなされ得ることは当業者には明らかであろう。本開示の他の態様は、本明細書に開示される特徴の仕様及び実施を考慮して、当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、単なる例示と考えられることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図17A
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2022-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する可撓性本体と、
前記遠位端に近接して前記本体上に配置された電極であって、組織を刺激するための電荷を提供するように構成される電極と、
前記近位端に近接して前記本体上に配置された電気接続部であって、前記電極を電源に電気的に結合するように構成される電気接続部と、
前記電極を前記電気接続部に接続する電気リードであって、前記可撓性本体上又は前記可撓性本体内にある電気リードと、を備え、
前記本体は、管の外部に固定される前の第1の構成と、前記管の外部に固定された前記電極を伴って前記管の外形に適合する形状を有する第2の構成とを有するように構成される、医療デバイス。
【請求項2】
前記管をさらに備え、前記可撓性本体は、複数の巻回で前記管の外部に螺旋状に巻き付けられて、前記第2の構成を達成する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記管をさらに備え、前記管の外部の周りに前記可撓性本体を固定することにより、前記管が前記可撓性本体を有する前記管の複数の位置においてさまざまな可撓性の領域を有する、請求項1又は2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記可撓性本体は、前記電極と前記電気リードとの間に配置された誘電体基板フィルムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記可撓性本体は、前記誘電体基板フィルムを貫通する孔をさらに含み、前記孔には、前記電極を前記電気リードに電気的に接続する導電性材料が充填される、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記誘電体基板フィルム内及び前記電極と前記電気リードとの間に配置された、センサ、電子チップ、又は集積回路をさらに含む、請求項4又は5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記可撓性本体は、前記第1の構成において、前記可撓性本体の隣接部分に対して拡大された幅を有する少なくとも1つのセグメントを含み、前記少なくとも1つのセグメントは、前記可撓性本体の隣接部分よりも可撓性が低い、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記可撓性本体は、前記第1の構成において、線形構成を有する前記可撓性本体の部分に隣接する非線形構成を有する少なくとも1つのセグメントを含み、前記少なくとも1つのセグメントは、前記部分よりも可撓性が高い、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記管をさらに備え、前記可撓性本体は、前記第1の構成において、屈曲部に近位の近位部分の長手方向軸が屈曲部に遠位の遠位部分の長手方向軸に対して横断するように、前記近位端と前記遠位端との間に少なくとも1つの屈曲部を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの屈曲部は、前記可撓性本体が前記第2の構成にあるとき、前記管の周りの前記可撓性本体の螺旋状巻回の方向を変化させる、請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記可撓性本体は、前記可撓性本体の隣接部分に対する前記可撓性本体の剛性を増大させるように構成された補剛構造を有する少なくとも1つのセグメントを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記可撓性本体は、前記遠位端に複数の枝を有する少なくとも1つのセグメントを含み、前記複数の枝の各々は、電極のアレイを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセグメントは、前記複数の枝の長手方向軸が前記可撓性本体の長手方向軸に対して横断するように、前記近位端に対して角度が付けられる、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記可撓性本体は、前記遠位端の近位にあって複数の第2の枝を有する第2のセグメントを含み、前記複数の第2の枝の各々は、電極の第2のアレイを含む、請求項12又は13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記医療デバイスの前記近位部分を有するセグメントの可撓性は、前記管上の前記近位部分及び前記遠位部分の配置に起因して、前記医療デバイスの前記遠位部分を有するセグメントの可撓性とは異なる、請求項9に記載の医療デバイス。
【国際調査報告】