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特表2022-5364896-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-D3)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶性塩形態
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  • 特表-6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-D3)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶性塩形態 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-D3)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶性塩形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/12 20060101AFI20220809BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
C07D403/12 CSP
A61K31/501
A61P1/04
A61P13/12
A61P17/06
A61P19/02
A61P29/00
A61P37/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573343
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020036727
(87)【国際公開番号】W WO2020251911
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/860,439
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ダニエル リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,チェンコウ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC41
4C063DD28
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC60
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA02
4C086NA03
4C086ZA68
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZC20
(57)【要約】
6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶性塩形態CおよびDが開示される。形態Cは化合物(I)のMSA塩であり、形態Dは硫酸塩である。形態の特性データを開示する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶形態C。
【請求項2】
7.1±0.2;7.8±0.2;9.5±0.2;10.6±0.2;11.4±0.2;12.8±0.2;15.6±0.2;17.5±0.2;および24.1±0.2から選択される度数(CuKα)における5つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、当該形態CのPXRDパターンが約25℃の温度で測定される、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項3】
7.8±0.2および9.5±0.2度(CuKα)における2θ値を含む、粉末X線回折パターン;および7.1±0.2;10.6±0.2;11.4±0.2;12.8±0.2;15.6±0.2;17.5±0.2;および24.1±0から選択される度数(CuKα)における3つ以上の2θ値によって特徴付けられ、形態CのPXRDパターンが約25℃の温度で測定される、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項4】
(i)約25℃の温度において測定した、7.8±0.2および9.5±0.2度(CuKα)における2θ値を含む、粉末X線回折パターン;および(ii)177.8;163.2;159.8;151.2;146.3;136.0;132.9;127.0;124.7;123.8;121.1;97.5;63.5;40.3;36.7および24.2から選択されるppm(全て±0.2)における5つ以上の化学シフト値を含む、13C ssNMRスペクトルによって特徴付けられ、形態Cのスペクトルが約280°Kの温度において測定される、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項5】
本質的に形態Cから成る、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項6】
前記形態Cが実質的に純粋な形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項7】
6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドを含む組成物であって、前記6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの少なくとも95重量%は結晶形態Cである、組成物。
【請求項8】
6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶形態D。
【請求項9】
以下:
i)8.5±0.2;14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;18.3±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)における、4つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターン、ここで、形態DのPXRDパターンは約25℃の温度において測定される;または
ii)実質的に図5に示される、観察された粉末X線回折パターン;または
iii)以下の値に実質的に等しい、単位胞パラメーター:
a=8.49±0.05Å
b=12.39±0.05Å
c=12.52±0.05Å
α=63.0±0.5°
β=80.5±0.5°
γ=81.4±0.5°
空間群:P-1
単位胞あたりの分子(Z):2
の少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項8に記載の結晶形態であって、化合物(I)の形態Dの単位胞パラメーターは、約25℃の温度で測定される、結晶形態。
【請求項10】
8.5±0.2;14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;18.3±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)における、5つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項8に記載の結晶形態であって、形態DのPXRDパターンは、約25℃の温度において測定される、結晶形態。
【請求項11】
8.5±0.2および18.3±0.2度(CuKα)における2θ値;および14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)における3つ以上の2θ値を含む粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項8に記載の結晶形態であって、形態DのPXRDパターンは、約25℃の温度において測定される、結晶形態。
【請求項12】
実質的に形態Dから成る、請求項8に記載の結晶形態。
【請求項13】
前記形態Dが実質的に純粋な形態である、請求項8に記載の結晶形態。
【請求項14】
6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドを含む組成物であって、前記6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの少なくとも95重量%は、結晶形態Dである、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第62/860439号(2019年6月12日出願)の利益を主張し、この開示はその全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は一般に、本明細書においてそれぞれ「形態C」および「形態D」と称される、6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶性塩形態に関する。形態Cは化合物のMSA塩であり、形態Dは硫酸塩である。
【背景技術】
【0003】
化合物、6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドは、式(I):
【化1】

の構造を有し、本明細書において「化合物(I)」と称する。化合物(I)は、本譲受人に譲渡された、米国特許第9,505,748 B2号に開示されている。米国特許第9,505,748 B2号はまた、化合物(I)を用いる治療方法を開示する。
【0004】
化合物(I)は、乾癬、乾癬性関節炎、狼瘡、ループス腎炎、シェーグレン症候群、炎症性腸疾患、クローン病、および強直性脊椎炎などの、自己免疫疾患および自己炎症性疾患の治療のために、現在臨床試験が行われているTyk2阻害剤である。
【0005】
医薬品使用が意図される化学的化合物の合成において、合成プロセスの完了時、およびその化合物を医薬製剤として提供するためのさらなる処理の前に、その化合物を単離して精製することが必要である。単離および精製のステップは、組み合わせてもよく、あるいは別々の連続するステップでもよく、反応混合物の他の成分から単離する間に、および/または単離した化合物サンプルから不純物を取り除くための精製の間に、収率の低下を最小限に抑えて、化合物を精製した固形物として提供する。
【0006】
単離および/または精製ステップから再現性よく製造することができる固体形態を提供するのが望ましい。
【0007】
さらに、精製した化合物を、温度および湿度の異なる条件などにおける保存条件の範囲で、物理的および化学的に安定な固体形態で単離するのが好ましい。
【0008】
さらに、他の固体形態の調製を可能にするために、溶媒/溶液中に十分な溶解度を有する化合物の固体形態を提供することが望ましい。
【0009】
さらに、出願人らは、驚くべきことに、保存条件の範囲において物理的および化学的に安定であり、溶媒/溶液中に十分な溶解度を有し、他の固体形態の調製を可能にする、固体形態の化合物(I)を提供する、化合物(I)の結晶形態を発見した。
【0010】
さらに、出願人らは、驚くべきことに、試験した他の塩よりもpH効果を緩和する固体形態における化合物(I)を提供する、化合物(I)の結晶形態を発見した。
本発明はまた、他の重要な局面に関する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、化合物(I)の結晶形態Cおよび形態Dを提供する。本明細書において特定の形態を特徴付けるために用いられる名称、例えば「形態Cまたは形態D」などは、類似または同一の物理的および化学的特性を有する任意の他の物質に関して限定的であると考えられるべきではなく、むしろこの表記は、本明細書においても提示される特性情報に従って解釈されるべきである、単なる識別子であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、化合物(I)の結晶形態Cの観察された粉末X線回折パターン(CuKα、T=25℃)を示す。
図2図2は、化合物(I)の結晶形態Cの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
図3図3は、化合物(I)の形態Cの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
図4図4は、化合物(I)の形態Cの13C固体核磁気共鳴(ssNMR)スペクトル(280K)を示す。
図5図5は、化合物(I)の結晶形態Dの観察された粉末X線回折パターン(CuKα、T=25℃)を示す。
図6図6は、化合物(I)の結晶形態Dの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
図7図7は、化合物(I)の形態Dの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
【0013】
本発明の詳細な説明
本発明の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読めば、当業者によってさらに容易に理解されうる。明確性のために、別の実施態様の文脈における上記および下記の本発明のいくつかの特徴はまた、組み合わせて単一の実施態様を形成しうることが理解されるべきである。逆に、簡潔性のために、単一の実施態様の文脈において記載される本発明の様々な特徴はまた、組み合わせてそれらのサブコンビネーションを形成しうる。
【0014】
本明細書において特定の形態を特徴付けるために用いられる名称、例えば「形態C」などは、本明細書に記載されている特性情報に従って解釈されるべきである、単なる識別子であり、類似または同一の物理的および化学的特性を有する任意の他の物質を排除するように限定するものではない。
【0015】
本明細書に記載の定義は、参照により本明細書に援用される、任意の特許、特許出願、および/または特許出願公報に記載される定義よりも優先される。
【0016】
用語「約」が先行する成分の量、重量パーセント、温度などを表す全ての数値は、記載された数値の上下にわずかな変化を用いることで、記載された数字と実質的に同じ結果を達成しうる、近似値としてのみ理解されるべきである。そのため、特に言及されない限り、用語「約」によって先行される数値パラメーターは、得ようとする目的の性質に応じて変化しうる、近似値である。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限することを意図するものではないが、各数値パラメーターは少なくとも、報告された有効桁数を考慮し、通常の丸め技術を適用して解釈されるべきである。
【0017】
全ての測定値は実験誤差の対象であり、本発明の範囲内である。
【0018】
本明細書で用いられる「多形」は、同じ化学構造を有するが、結晶を形成する分子および/またはイオンの異なる空間配置を有する、結晶形態をいう。
【0019】
本明細書において用いられる「非晶質」は、結晶性ではない分子および/またはイオンの固体形態をいう。非晶質固体は、鋭い最大値を有する特徴的なX線回折パターンを示さない。
【0020】
本明細書において用いられる「実質的に純粋な」は、結晶形について用いられる場合、化合物の重量に基づいて、90、91、92、93、94、95、96、97、98、および99重量%以上など、およびまた約100重量%と同等などの、90重量%以上の化合物(I)の純度を有する化合物を意味する。残りの物質は、化合物の他の形態、および/または反応不純物、および/またはその製造から生じる工程不純物を含む。例えば、化合物(I)の結晶形態は、現時点で当技術分野において既知であり、一般的に受け入れられている方法によって測定して、90重量%以上の純度を有する、実質的に純粋であるとみなすことができ、ここで、物質の残りの10重量%未満は、化合物(I)の非晶質および/または他の形態、および/または反応不純物、および/または工程不純物を含む。
【0021】
本明細書において、ピークの特定の群から選択されるいくつかの数のピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンは、特定のピーク群に含まれないさらなるピークを有するPXRDパターンを含むことが意図される。例えば、A、B、C、D、E、F、G、およびHから選択される、4つ以上、好ましくは5つ以上の2θ値を含むPXRDパターンは、(a)A、B、C、D、E、F、G、およびHから選択される、4つ以上、好ましくは5つ以上の2θ値;および(b)A、B、C、D、E、F、G、およびHのピークのいずれでもない、0個以上のピークを有するPXRDパターンを含むことが意図される。
【0022】
反応不純物および/または工程不純物の存在は、例えば、クロマトグラフィー、核磁気共鳴分光法、質量分析法、および/または赤外分光法などの、当技術分野において既知の分析技術によって決定されうる。
【0023】
本明細書の単位胞パラメーター「単位胞あたりの分子」は、単位胞内の化合物(I)の分子数をいう。
【0024】
化合物(I)の形態C
ある実施態様において、化合物(I)は、形態Cを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶形態Cは、MSA塩である。
表1.280Kにおける形態Cの13C CPMAS化学シフト値
【表1】

【0025】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、7.1±0.2;7.8±0.2;9.5±0.2、10.6±0.2;11.4±0.2;12.8±0.2;15.6±0.2;17.5±0.2および24.1±0.2から選択される度数(CuKα)における4つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、形態CのPXRDパターンは約25℃の温度で測定される。
【0026】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、7.1±0.2;7.8±0.2;9.5±0.2、10.6±0.2;11.4±0.2;12.8±0.2;15.6±0.2;17.5±0.2および24.1±0.2から選択される度数(CuKα)における5つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、ここで、形態CのPXRDパターンは約25℃の温度で測定される。
【0027】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、7.1±0.2;7.8±0.2;9.5±0.2、10.6±0.2;11.4±0.2;12.8±0.2;15.6±0.2;17.5±0.2および24.1±0.2から選択される度数(CuKα)における6個以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、ここで、形態CのPXRDパターンは約25℃の温度で測定される。
【0028】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、7.8±0.2および9.5±0.2度(CuKα)における2θ値、および7.1±0.2;10.6±0.2;11.4±0.2;12.8±0.2;15.6±0.2;17.5±0.2および24.1±0.2から選択される度数(CuKα)における3つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、ここで、形態CのPXRDパターンは、約25℃の温度において測定する。
【0029】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、177.8;163.2;159.8;151.2;146.3;136.0;132.9;127.0;124.7;123.8;121.1;97.5;63.5;40.3;36.7および24.2から選択されるppm(全て±0.2)における、4つ以上の化学シフト値を含む、13C ssNMRスペクトルによって特徴付けられ;ここで、形態Cのスペクトルは約280Kの温度において測定される。
【0030】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、177.8;163.2;159.8;151.2;146.3;136.0;132.9;127.0;124.7;123.8;121.1;97.5;63.5;40.3;36.7および24.2から選択されるppm(全て±0.2)における、5つ以上の化学シフト値を含む、13C ssNMRスペクトルによって特徴付けられ、ここで、形態Cのスペクトルは約280Kの温度において測定される。
【0031】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、177.8;163.2;159.8;151.2;146.3;136.0;132.9;127.0;124.7;123.8;121.1;97.5;63.5;40.3;36.7および24.2から選択されるppm(全て±0.2)における、6つ以上の化学シフト値を含む、13C ssNMRスペクトルによって特徴付けられ、ここで、形態Cのスペクトルは約280Kの温度において測定される。
【0032】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、(i)約25℃の温度において測定した、7.8±0.2および9.5±0.2度(CuKα)における2θ値を含む、粉末X線回折パターン;および(ii)約220℃における可変吸熱によって特徴付けられる。
【0033】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、実質的に図1に示すような、観察された粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。
【0034】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、約220℃における可変吸熱によって特徴付けられる。
【0035】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、実質的に図2に示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
【0036】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、(i)7.8±0.2および9.5±0.2度(CuKα)における2θ値を含む粉末X線回折パターン;および(ii)実質的に図2に示されるものと一致する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
【0037】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、約150℃の温度に加熱したとき、形態Cのサンプルの重量に基づいて、0.2%以下の重量損失を有する熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴付けられる。
【0038】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは、実質的に図3に示されるような熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
【0039】
さらにさらなる実施態様において、化合物(I)の結晶形態Cは実質的に純粋である。
【0040】
別の実施態様において、化合物(I)の結晶形態は実質的に形態Cから成る。本実施態様の結晶形態は、結晶形態である化合物(I)の形態Cの重量に基づいて、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、およびさらに好ましくは少なくとも約99重量%を含みうる。
【0041】
ある実施態様は、6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドを含む組成物を提供し、ここで、前記6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%、およびさらに好ましくは少なくとも99重量%は、結晶形態Cである。
【0042】
化合物(I)の形態D
ある実施態様において、化合物(I)は形態Dを含む結晶物質として提供される。化合物(I)の結晶形態Dは硫酸塩である。
【0043】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、以下:
a=8.49±0.05Å
b=12.39±0.05Å
c=12.52±0.05Å
α=63.0±0.5°
β=80.5±0.5°
γ=81.4±0.5°
空間群:P-1
単位胞あたりの分子(Z):2
単位胞体積=1153±10Å
計算密度 1.508g/cm
とほぼ等しい単位胞パラメーターによって特徴付けられ、ここで、化合物(I)の形態Dの単位胞パラメーターは、約25℃の温度で測定される。
【0044】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、8.5±0.2;14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;18.3±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)において4つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、ここで、形態DのPXRDパターンは約25℃の温度において測定される。
【0045】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、8.5±0.2;14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;18.3±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)において5つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、ここで、形態DのPXRDパターンは約25℃の温度において測定される。
【0046】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、8.5±0.2;14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;18.3±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)において6つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ、ここで、形態DのPXRDパターンは、約25℃の温度において測定される。
【0047】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、8.5±0.2および18.3±0.2度(CuKα)における2θ値;および14.4±0.2;14.8±0.2;17.0±0.2;21.9±0.2;および27.9±0.2から選択される度数(CuKα)における、3つ以上の2θ値を含む、粉末X線回折パターンによって特徴付けられ;ここで、形態DのPXRDパターンは約25℃の温度において測定される。
【0048】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、(i)約25℃の温度において測定された、8.5±0.2および18.3±0.2度(CuKα)における2θ値を含む、粉末X線回折パターン;および(ii)約233℃におけるピーク最大値を有する、可変吸熱によって特徴付けられる。
【0049】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、実質的に図4において示されるような、観察される粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。
【0050】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、約233℃におけるピーク最大値を有する、可変吸熱によって特徴付けられる。
【0051】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、実質的に図5において示される、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
【0052】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、(i)約25℃の温度において測定された、8.5±0.2および18.3±0.2度(CuKα)における2θ値を含む、粉末X線回折パターン;および(ii)図5において示されるものと実質的に一致する、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。
【0053】
ある実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは、実質的に図6において示される、熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
【0054】
さらにさらなる実施態様において、化合物(I)の結晶形態Dは実質的に純粋である。
【0055】
別の実施態様において、化合物(I)の結晶形態は実質的に形態Dから成る。本実施態様の結晶形態は、結晶形態である化合物(I)の形態Dの重量に基づいて、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%、およびさらに好ましくは少なくとも約99重量%を含みうる。
【0056】
ある実施態様は、6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドを含む組成物を提供し、ここで、前記6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-N-(メチル-d)ピリダジン-3-カルボキサミドの少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも97重量%、およびさらに好ましくは少なくとも99重量%は、結晶形態Dである。
【0057】
結晶形態は、例えば、適切な溶媒からの結晶化または再結晶化、昇華、融解液からの成長、別の相からの固体相変態、超臨界流体からの結晶化、およびジェットスプレーなどの、様々な方法によって調製されうる。溶媒混合物からの結晶形態の結晶化または再結晶化の技術としては、例えば、溶媒の蒸発、溶媒混合物の温度の低下、分子および/または塩の過飽和溶媒混合物の結晶播種、溶媒混合物の凍結乾燥、および溶媒混合物への抗溶媒(対溶媒)の添加が挙げられる。多形体を含む結晶体を調製するために、高スループット結晶化技術が用いられうる。
【0058】
多形体などの薬物の結晶、調製方法、および薬物結晶の特性は、Solid-State Chemistry of Drugs, S.R. Byrn, R.R. Pfeiffer, and J.G. Stowell, 2nd Edition, SSCI, West Lafayette, Indiana (1999)において記載される。
【0059】
溶媒を使用する結晶化技術の場合、溶媒の選択は一般に、化合物の溶解度、結晶化技術、および溶媒の蒸気圧などの1つ以上の因子に応じて変化する。溶媒の組み合わせが用いられうる、例えば、化合物を第一溶液に溶解させて溶液を得て、次いで抗溶媒を添加して、溶液中の化合物の溶解度を減少させて、結晶の形成が得られうる。抗溶媒は、化合物の溶解度が低い溶媒である。
【0060】
結晶を調製する方法の1つにおいて、化合物を適切な溶媒中で懸濁および撹拌して、スラリーを得て、これを加熱して溶解を促進しうる。本明細書において用いられる用語「スラリー」は化合物の飽和溶液を意味し、これはまた、所定の温度において化合物および溶媒の不均一な混合物を生じるために、化合物のさらなる分量を含んでもよい。
【0061】
種結晶は、結晶化を促進するために任意の結晶化混合物に加えられうる。シーディングは、特定の多形体の成長を制御するため、または結晶生成物の粒子径分布を制御するために用いられうる。したがって、例えば、「Programmed Cooling of Batch Crystallizers,」 J.W. Mullin and J. Nyvlt, Chemical Engineering Science, 1971, 26, 369-377に記載されているように、必要なシードの量の計算は、利用可能なシードの大きさと、平均的な生成物の粒子の望ましい大きさに依存する。一般に、バッチ内の結晶の成長を効果的に制御するためには、小さなサイズのシードが必要である。小さなサイズのシードは、大きな結晶のふるい分け、粉砕、または微粒化によって、または溶液の微結晶化によって製造されうる。結晶の粉砕または微粒化は、目的とする結晶形態の結晶性へのいかなる変化(すなわち、非晶質または他の多形体への変化)を生じないように注意する必要がある。
【0062】
冷却した結晶混合物を真空下で濾過し、単離した固形物を適切な溶媒、例えば、冷却再結晶溶媒などで洗浄し、窒素パージ下で乾燥させて、目的の結晶形態が得られうる。単離した固体は、固体核磁気共鳴、示差走査熱量測定、粉末X線回折などの、適切な分光法または分析技術によって分析され、生成物の好ましい結晶形態の形成が保証されうる。得られた結晶形態は一般に、結晶化手順において最初に用いられる化合物の重量に基づいて、約70重量%以上の単離収率、好ましくは90重量%以上の単離収率の分量で生成される。必要に応じて、生成物を共粉砕するか、あるいはメッシュスクリーンに通して生成物を塊砕してもよい。
【0063】
結晶形態は、化合物(I)を調製する最終工程の反応媒体から直接調製してもよい。これは、例えば、最終製造工程で、化合物(I)を結晶化させうる溶媒または溶媒の混合物を用いることによって達成しうる。あるいは、結晶形態は、蒸留または溶媒添加技術によって得られうる。この目的に適した溶媒としては、例えば、前記の非極性溶媒および極性溶媒、例えば、アルコールなどのプロトン性極性溶媒、およびケトンなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
【0064】
サンプル中の複数の多形体の存在は、粉末X線回折(PXRD)または固体核磁気共鳴(ssNMR)分光法などの技術によって決定されうる。例えば、実験的に測定されたPXRDパターンと、シミュレーションされたPXRDパターンの比較において、余分なピークが存在することは、サンプル中の複数の多形体を示唆しうる。シミュレーションされたPXRDは、単結晶X線データから計算されうる。Smith, D.K., 「A FORTRAN Program for Calculating X-Ray Powder Diffraction Patterns,」 Lawrence Radiation Laboratory, Livermore, California, UCRL-7196 (April 1963)を参照されたい。
【0065】
化合物(I)の形態CおよびDは、当業者に周知の操作の様々な技術を用いて特徴付けられうる。形態は、固定分析温度における単結晶の単位胞測定に基づいて、単結晶X線回折を用いて特徴付けられ、区別されうる。単位胞の詳細な説明は、Stout & Jensen, X-Ray Structure Determination: A Practical Guide, Macmillan Co., New York (1968), Chapter 3に提供され、参照によって本明細書に援用される。あるいは、結晶構造を特徴付ける別の方法は粉末X線回折分析によるものであり、回折プロファイルは、同じ分析温度において実行され、一連の2θの度数の値(通常4つ以上)として特徴付けられる対象形態の測定の両方によって、純粋な粉末物質を表すシミュレーションされたプロファイルと比較される。
【0066】
形態を特徴付ける他の方法、例えば、固体核磁気共鳴、示差走査熱量測定、熱分析、および振動分光法などが用いられうる。これらのパラメーターはまた、対象形態を特徴付けるために組み合わせて用いられうる。
【0067】
有用性
化合物(I)の結晶形態CおよびDを用いて、合成手順の完了時に、化合物(I)を他の成分から単離し;および/または1つもしくは一連の結晶化手順によって化合物(I)を精製することができる。単離および精製ステップは組み合わされるか、または別の処理ステップとして実施されうる。
【0068】
実施例
本発明は、本発明の好ましい実施態様である以下の実施例にさらに記載される。特に言及されていない限り、全ての温度はセルシウス度(℃)である。これらの例は、限定的ではなく例示的なものであり、本明細書に添付の特許請求の範囲に定義される、本発明の精神および範囲内である別の実施態様が存在しうることが理解されるべきである。
【0069】
参照を容易にするために、以下の略語が本明細書において用いられうる。
【表2】

【表3】
【0070】
実施例1:化合物(I)の結晶形態Cの製造
360mgの化合物Iを、23mLのTHFおよび1mLの水中に室温(25℃)で完全に溶解するまで混合することによって溶液を調製し、そこに55μLのメタンスルホン酸を加えた。得られたスラリーを、スピードバックを用いて一晩乾燥させた。90mgの乾燥した固形物を、60℃で1mlのBuOAcに懸濁させ、得られたスラリーを60℃で一晩熟成させた。スラリーを濾過し、湿ったケーキを50~60℃の範囲の温度において真空オーブン中で乾燥させ、形態Cの化合物Iを得た。
【0071】
実施例2:化合物(I)の結晶形態Cの製造
550mgの化合物Iを、35mLのTHFおよび2mLの水中に室温(25℃)で完全に溶解するまで混合することによって溶液を調製し、そこに84μLのメタンスルホン酸を加えた。得られたスラリーを、スピードバックを用いて一晩乾燥させた。乾燥した固形物を、60℃で5mlのBuOAcに懸濁させ、得られたスラリーを60℃で一晩熟成させた。スラリーを濾過し、湿ったケーキを50~60℃の範囲の温度において真空オーブン中で乾燥させ、形態Cの化合物Iを得た。
【0072】
実施例3:化合物(I)の結晶形態Dの製造
50mgの化合物Iおよび0.5mlの0.25M HSOを、2mlのアセトン中に混合し、55℃に加熱することによって、溶液を調製した。混合物を55℃で一晩撹拌し、その後加熱を止め、撹拌せずに室温で一晩放置し、形態Dの結晶が生じた。
【0073】
実施例4:化合物(I)の結晶形態Dの製造
550mgの化合物Iを、35mLのTHFおよび2mLの水中に室温(25℃)で完全に溶解するまで混合して溶液を調製し、そこに72μLの96%HSOを加えた。得られたスラリーを、スピードバックを用いて一晩乾燥させた。乾燥した固形物を60℃で5mlのBuOAc中に懸濁させて、得られたスラリーを60℃で一晩熟成させた。スラリーを濾過し、湿ったケーキを真空オーブンで50~60℃の範囲の温度で乾燥させて、形態Dの化合物Iを得た。
【0074】
形態C
PXRD
X線粉末回折(PXRD)データは、Vantec-500検出器を有するBruker C2 GADDS検出器を用いて取得した。放射線はCu Kα(40KV、40mA)であった。サンプル検出器距離は~20cmであった。入射光学系は、ゲーベルミラーおよび0.3mmコリメーターを含む。粉末サンプルを、直径1mm以下に密閉されたガラスキャピラリーに配置し;データ収集中にキャピラリーを回転させた。データは少なくとも1000秒のサンプル露光時間で、22θ35°で収集した。得られた2次元回折アークを統合して、従来の1次元PXRDパターンを、~2から~30度の2θの範囲で、0.05度の2θのステップサイズによって作成した。
【0075】
DSC
示差走査熱量測定(DSC)実験は、TA Instruments(登録商標)モデル Q1000において実行した。サンプル(約2~6mg)をアルミニウム製の鍋に秤量し、100分の1ミリグラムまで正確に記録し、DSCに移した。機器を50mL/分の窒素ガスでパージした。データを室温と300℃の間で、10℃/分の加熱速度で収集した。プロットは、吸熱ピークを下に向けて作成した。
【0076】
TGA
熱重量分析(TGA)実験は、TA Instruments(登録商標)モデル Q500において実行した。サンプル(約10~30mg)をあらかじめ風袋を秤量した白金製の鍋に置いた。サンプルの重量を正確に測定し、機器によって1000分の1ミリグラムまで記録した。炉を100mL/分の窒素ガスでパージした。データを室温から300℃の間で、10℃/分の加熱速度で収集した。
【0077】
固体核磁気共鳴(ssNMR)
炭素13交差分極マジック角回転(CPMAS)固体NMRを、500MHzのプロトン周波数で作動する、Bruker AV III装置において実施した。固体サンプルを4mm ZrO回転軸において、13kHzで回転させた。接触時間は4ミリ秒で、プロトンチャネルにおいて50~100%まで上昇した(A.E. Bennett et al, J. Chem. Phys., 1995, 103, 6951), (G. Metz, X. Wu and S.O. Smith, J. Magn. Reson. A., 1994, 110, 219-227)。弛緩遅延はAPIの5xH T、すなわち9.1秒で維持した。プロトンデカップリングは、4.2マイクロ秒パルス(59.5kHz公称帯域幅)のTPPMシーケンスを用いて適用した。スペクトル掃引幅は、100ppmを中心に300ppmであった。4380個のデータポイントを取得し(20Hzのデジタル分解能が得られる)、20Hzラインブロードニングによりアポダイゼーションする前に、ゼロから8192に埋めた。1024の自由誘導減衰を同時に加えた。スペクトルは、3-メチルグルタル酸を用いて、TMSを間接的に参照した(D. Barich, E. Gorman, M. Zell, and E. Munson, Solid State Nuc. Mag. Res., 2006, 30, 125-129)。各実験には、約70mgのサンプルを用いた。温度は280Kに設定した。
【0078】
形態D
単結晶データ
単結晶X線データは、APEX II CCD検出器、および単色Cu Kα放射線のMICROSTARマイクロフォーカス回転アノードX線発生器を備えた、Bruker X8-Proteum回折計を用いて回収した。データ収集中、単結晶は室温(約25℃)であった。
【0079】
最終的な単位胞パラメーターは、3.99°<θ<60.10°の範囲で6414回の反射の設定角度を用いて、最小二乗法の微調整から得た。構造は、SHELXS-97ソフトウェアを用いた直接法によって解析し、SHELXL-97ソフトウェア(Sheldrick, G. M. (2015). Acta Cryst. C71, 3-8)を用いた完全行列最小二乗法によって微調整した。構造の微調整は、Σw(|F|-|F|)で定義される関数の最小化に関し、ここで、wは観測強度の誤差に基づく適切な重み係数であり、Fは測定された反射に基づく構造因子であり、Fは計算された反射に基づく構造因子である。微調整された結晶構造モデルおよび実験X線回折データとの一致は、残余要因R=Σ||F|-|F||/Σ|F|およびwR=[Σw(|F|-|F|)/Σw|F|]1/2を用いて評価する。差分フーリエマップを、改良の全ての段階で調べた。全ての非水素原子は、異方性熱変位パラメーターによって微調整した。水素原子は独立して微調整した。
【0080】
PXRD
X線粉末回折(PXRD)データは、Vantec-500検出器を備えたBruker C2 GADDSを用いて取得した。放射線はCu Kα(40KV、40mA)であった。サンプル検出器距離は~20cmであった。入射光学系は、ゲーベルミラーおよび0.3mmコリメーターを含む。粉末サンプルは、直径1mm以下の密閉したガラスキャピラリーに置き;キャピラリーはデータの収集中に回転させた。データは、少なくとも1000秒のサンプル露光時間で、22θ35°について収集した。得られた二次元回折アークを統合して、~2から~30°の2θの範囲で、0.05°の2θのステップサイズを有する従来の1次元PXRDパターンを作成した。
【0081】
DSC
示差走査熱量測定(DSC)実験は、TA Instruments(登録商標)モデル Q1000において実施した。サンプル(約2~6mg)をアルミニウム製の鍋に秤量し、100分の1ミリグラムまで正確に記録し、DSCに移した。機器を50mL/分の窒素ガスでパージした。データを室温と300℃の間で、10℃/分の加熱速度で収集した。プロットは、吸熱ピークを下に向けて作成した。
【0082】
TGA
熱重量分析(TGA)実験は、TA Instruments(登録商標)モデル Q500において実施した。サンプル(約10~30mg)を、あらかじめ風量を秤量した白金製の鍋に入れた。サンプルの重量を正確に測定し、機器によって1000分の1ミリグラムまで記録した。炉を100mL/分において窒素ガスでパージした。データは、室温から300℃の間で、10℃/分の加熱速度で収集した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】