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特表2022-536496機械的強度の高い薄型ガラス基板のエッジを仕上げ加工するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】機械的強度の高い薄型ガラス基板のエッジを仕上げ加工するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C03C 19/00 20060101AFI20220809BHJP
   B24B 9/00 20060101ALI20220809BHJP
   B24B 9/10 20060101ALI20220809BHJP
   B24B 29/00 20060101ALI20220809BHJP
   C03C 21/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
C03C19/00 Z
B24B9/00 601B
B24B9/10 Z
B24B29/00 D
C03C21/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573454
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 US2020037120
(87)【国際公開番号】W WO2020257034
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/864,131
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/872,410
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バンカイティス,ジョナス
(72)【発明者】
【氏名】ブイ,ドゥク アン
(72)【発明者】
【氏名】クロンク,スコット スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ダイグラー,クリストファー ポール
(72)【発明者】
【氏名】ラスコウスキー,クリスティーナ マリー
(72)【発明者】
【氏名】パートリッジ,ニール ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥーテ,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ツダ,セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス,チャド マイケル
【テーマコード(参考)】
3C049
3C158
4G059
【Fターム(参考)】
3C049AA06
3C049CA06
3C049CB01
3C049CB10
3C158AA06
3C158CA06
3C158CB01
3C158CB10
3C158DA17
4G059AA01
4G059AB03
4G059AC03
4G059AC16
4G059HB13
4G059HB14
4G059HB15
4G059HB16
4G059HB17
(57)【要約】
脆性材料の基板をエッジ成形および仕上げ加工して、所望のエッジプロファイルを与え、かつ所望の機械的エッジ強度を実現しながら、切断および分離によって形成された領域のエッジに残っている対応する損傷を同時に取り除くことができるプロセスおよびデバイス。本開示のプロセスは、1枚以上の薄型基板の表面を成形および/または研磨するように構成された化学的および機械的なブラシ研磨プロセスを含み得る。複数の基板は、積層構成で配置されてよく、設計されたインターポーザデバイスは、積み重ねられた基板の間に配置されてよい。インターポーザは、基板の間にスペースを提供してよく、基板エッジ上の材料除去をガイドするように、ブラッシング中にフィラメントの配置を誘導してもよい。対称的および非対称的なプロファイルを含む基板エッジプロファイル形状は、寸法、機械的特徴、材料特性、および位置決めを含むインターポーザ特性の戦略的な操作によって成形され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨されたエッジを備えた基板であって、
少なくとも700MPaの機械的エッジ強度と、
2μm以下のサイズのエッジ欠陥と
を含む、基板。
【請求項2】
前記研磨されたエッジが、実質的に平行な配置で前記エッジ上に配置された複数のブラシマークを含み、前記ブラシマークは、ブラシ研磨プロセスによって付与されている、請求項1記載の基板。
【請求項3】
前記ブラシマークが、前記研磨されたエッジの長手方向軸線に対して平行に配置されている、請求項2記載の基板。
【請求項4】
前記基板が、アール形、方形、ブルノーズ形、または面取り形のエッジプロファイルを含む、請求項1から3いずれか1項記載の基板。
【請求項5】
前記基板が、対称的なエッジプロファイルを含む、請求項1から4いずれか1項記載の基板。
【請求項6】
前記基板が、非対称的なエッジプロファイルを含む、請求項1から5いずれか1項記載の基板。
【請求項7】
前記非対称的なエッジプロファイルが、面取り形の表面およびアール形の表面を含む、請求項6記載の基板。
【請求項8】
前記研磨されたエッジが、前記エッジから横方向に延びる複数の成形された突出部を有し、各突出部が、第1のテーパ状の側壁および第2のテーパ状の側壁を有する、請求項1から7いずれか1項記載の基板。
【請求項9】
前記基板が、約2nm~約20nmのエッジ二乗平均平方根粗さを含む、請求項1から8いずれか1項記載の基板。
【請求項10】
前記基板が、前記基板の表面に配置されたインク層を含み、前記インク層のエッジがブラシ研磨されている、請求項1から9いずれか1項記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国特許法第119条のもと、2019年7月10日に出願された米国仮特許出願第62/872410号明細書および2019年6月20日に出願された米国仮特許出願第62/864131号明細書の優先権の利益を主張し、それらの内容が依拠され、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、機械的強度の高い薄型ガラス基板のエッジを仕上げ加工するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に提供される背景技術の説明は、本開示の背景を概略的に示すことを目的としている。ここに記載されている発明者の研究は、出願時に別の形で先行技術としての資格を有し得ない明細書の態様と同様に、背景技術の箇所に記載されている範囲内で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認めるものではない。
【0004】
複雑なフォームファクタのエッジ強度の高いディスプレイ用薄型ガラス基板に対する需要は強く、高まっている。かかる基板の需要は、従来は民生用電子機器の分野(例えば、携帯型電子機器)にあったが、現在では自動車およびアドバンストオプティクスの用途などの新しい分野でも急速に成長している。携帯型電子機器の分野(携帯電話およびタブレット)のように、複雑な形状の新しい薄型ガラス基板は、高い機械的エッジ強度を維持しながら、全体の重量(自動車用グレージング製品の場合)、表面の清浄度(建築用ガラス分野のエレクトロクロミックウィンドウの場合)および機能性(自動車内装用製品の場合)に対する消費者の要求を満たすために、薄型ガラスから作製されていることが多い。
【0005】
比較的高い強度を有する薄型基板、例えばガラス基板の従来のシンギュレーションには、複数の機械的なエッジ研削および研磨ステップが含まれることが多い。典型的には、エッジは粗い研削材を使用して成形され得るが、これにより基板エッジに表面下損傷が生じる可能性がある。エッジはさらに、最初のエッジ成形によって生じた表面下損傷を軽減するために、砥粒サイズが減少する複数の研削用ホイールを用いた段階的な研削ステップに供されてもよい。このエッジ研削ステップを使用して、最初の研削または他のエッジ成形プロセスによって生じた表面下損傷を軽減することができる。図1は、幾つかの従来のエッジ成形プロセスに従って行われる一連の機械的な研削ステップを示している。図示されているように、各研削ステップでは、異なるグリットを使用して複数の工程を必要とし得る。かかる機械的な研削は、基板のエッジに損傷を与え、欠け、チッピングおよび他の欠陥を残し、基板の機械的エッジ強度を低下させる可能性がある。機械的な研削によって引き起こされた損傷を取り除き、ひいてはエッジ強度を向上させるために、典型的には、エッジは複数の研磨用ホイールを用いて研磨される。
【0006】
かかる従来のエッジ成形および仕上げ加工のプロセスは、時間がかかり、資本効率が悪く、高価であり、特に基板の内部特徴のエッジも成形および仕上げ加工される場合には、基板成形の中で最も高価で時間のかかる操作の1つを含むことが多い。場合によっては、エッジ成形と仕上げ加工とが、基板製造コスト全体の50%を占めることもある。図1から理解され得るように、採用される様々な研削ステップの工程数は、比較的時間のかかるプロセスであることが証明され得る。さらに、研削用ホイール、研磨用ホイール、研削液、ドレッシング材、切削ホイール、切削液および他の研削消耗品は比較的高価な可能性があり、摩耗率の監視などの厳格なプロセス制御の実行が必要な可能性がある。複雑な形状および/または不規則な形状を製造する場合、かかる成形および仕上げ加工のプロセスでは、基板の使用率が比較的低くなる可能性がある。厳密な材料除去制御を実現するには困難な可能性があるため、寸法制御が比較的難しい可能性がある。スクリーン印刷または他の加飾などの下流プロセスでは、精密な加飾を可能にし、平滑で研磨されたエッジに液体インクが接触するのを防ぐために、完成した基板の比較的厳しい寸法公差(例えば、±50μm)が必要になる可能性がある。従来の機械的な研削および研磨では、かかる公差を満たすことは比較的困難な可能性がある。プロセススループットが熱的に制限される可能性があり、研削ゾーンを冷却する能力によって機械的な研削速度が制限される可能性がある。さらに、従来の研削用ホイールを使用して作製された逆ジオメトリのエッジプロファイルが、研削操作中に減衰する可能性がある。
【0007】
従来の機械的な研削および研磨によって実現される基板のエッジ強度は比較的低く、図1に関して理解され得るように、場合によっては300MPaに満たないことがある。さらに、一部の市場(例えば、自動車内装用など)における美的要件では、比較的少数のエッジチップと比較的小さいチップサイズ公差とが要求されることがあり、許容可能な歩留まりを実現するために、多数の研削ステップまたは工程が必要となることがある。研削ステップおよび工程の増加は、コストおよびスループットを増加させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、当該技術分野では、高強度で複雑な形状の薄型基板を製造するのに適した、改良されたエッジ成形および仕上げ加工のプロセスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下では、本開示の1つまたは複数の実施形態の簡略化した概要を、かかる実施形態の基本的な理解を提供するために提示する。この概要は、全ての企図された実施形態の広範な概要ではなく、全ての実施形態の主要なまたは重要な要素を特定することも、任意のまたは全ての実施形態の範囲を画定することも意図していない。
【0010】
本開示は、複雑なフォームファクタの高強度薄型基板に関するものである。特に、本開示は、ニアネットシェイピング、エッジプロファイリングおよび仕上げ加工を含む、高強度薄型基板、例えば高強度ガラス基板のシンギュレーションに関するものである。より詳細には、本開示は、高強度薄型ガラス基板のエッジを成形し、仕上げ加工するための方法およびデバイスに関するものである。
【0011】
本開示は、1つまたは複数の実施形態において、研磨されたエッジを備えた基板に関するものであり、基板は、少なくとも700MPaの機械的エッジ強度と、2μm以下のサイズのエッジ欠陥とを有する。基板は、(本明細書に記載の)脆性材料を含んでよい。研磨されたエッジは、実質的に平行な配置でエッジ上に配置された複数のブラシマーク(ブラシ痕)を有してよい。基板は、約0.01mm~約6mmの厚さを有してよい。幾つかの実施形態では、基板は、少なくとも1GPaの機械的エッジ強度を有してよい。基板は、幾つかの実施形態では、面取り形またはアール形のエッジプロファイルを有してよい。さらに、幾つかの実施形態では、基板はガラスラミネートであってよい。
【0012】
本開示はさらに、1つまたは複数の実施形態において、基板のエッジ表面を同時に成形および仕上げ加工する方法に関するものである。この方法は、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間にニアネットシェイプ化された基板を配置するステップと、基板およびインターポーザに圧縮力を加えるステップと、ブラシを使用して基板のエッジ表面を同時に成形および研磨するステップとを含んでよく、各インターポーザデバイスは、基板の所望のエッジプロファイル形状を実現するためにブラシをガイドするように構成されたサイズおよびエッジプロファイルを含む。幾つかの実施形態では、基板のエッジ表面を成形および研磨するステップは、エッジ表面を回転ブラシおよび研磨スラリーでブラッシングすることを含んでよい。研磨スラリーは、0.3~15.0μmの範囲の粒径の酸化セリウムを含んでよい。研磨スラリーは、30nm~100μmの範囲の砥粒サイズを有する機械的研磨剤スラリーを含んでよい。さらに、研磨スラリーは、pH6~10の範囲のアルカリ度を有してよい。幾つかの実施形態では、ブラシは、0.2mm以下の直径をそれぞれ有する複数のフィラメントを有してよい。各インターポーザデバイスは、輪郭のあるエッジと、基板の厚さの0.01倍~10倍の厚さとを含んでよい。幾つかの実施形態では、基板のエッジ表面を同時に成形および研磨するステップは、基板のエッジ表面を面取りおよび研磨するステップを含んでよい。各インターポーザデバイスと基板との間には、液体不透過性シールが形成されていてよい。幾つかの実施形態では、基板は、強化されたガラス、強化されていないガラス、セラミックスまたはシリコンを含んでよい。さらに、幾つかの実施形態では、第1のインターポーザは、第1のサイズを有し、第2のインターポーザは、第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有してよい。
【0013】
本開示はさらに、1つまたは複数の実施形態において、基板のエッジ表面で行われるブラッシング操作中に、隣接するニアネットシェイプ化された基板を分離するためのインターポーザに関するものである。インターポーザは、基板の周縁形状と合わせられるように構成された周縁形状と、基板の厚さの0.01倍~10倍の厚さと、基板の所望のエッジプロファイル形状に対応するエッジプロファイルと、基板の所望のエッジプロファイル形状に対応する幅とを含んでよい。幾つかの実施形態では、インターポーザは、インターポーザの開口を通して配置されたグロメットを含んでよく、グロメットは、インターポーザと、隣接する基板との間の摩擦を増加させるように構成されている。さらに、インターポーザは、基板の内部エッジをブラッシングするために、基板の開口と合わせられるように構成された開口を有してよい。
【0014】
複数の実施形態が開示されているが、本開示のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し、かつ説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本開示の様々な実施形態は、全て本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様において修正が可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、制限的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書は、本開示の様々な実施形態を形成するとみなされる主題を特に指摘し、かつ区別してクレームする請求項で結ばれているが、本発明は、添付の図面と合わせられる以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
図1】従来のエッジ研削プロセスによる機械的なエッジ研削ステップのチャートを提供する図である。
図2】エッジ成形および仕上げ加工の対象となり得る、複雑な特徴の自動車内装用ディスプレイ基板の正面図である。
図3】従来のエッジ成形および仕上げ加工のプロセスで発生する可能性がある基板エッジ上の表面下損傷の概念的な内部図である。
図4】従来のエッジ成形および仕上げ加工のプロセスによる薄型基板の例で実施されたエラーバジェット分析を示す図である。
図5】1つまたは複数の実施形態による、本開示の方法のフロー図である。
図6A】1つまたは複数の実施形態による、本開示の基板の正面図である。
図6B】1つまたは複数の実施形態による、本開示の基板の一部の端面断面図である。
図7A】1つまたは複数の実施形態による、本開示のブラッシング操作の断面図である。
図7B】1つまたは複数の実施形態による、本開示の別のブラッシング操作の断面図である。
図7C】1つまたは複数の実施形態による、本開示の別のブラッシング操作の断面図である。
図7D】1つまたは複数の実施形態による、本開示の別のブラッシング操作の断面図である。
図7E】1つまたは複数の実施形態による、本開示の別のブラッシング操作の断面図である。
図8】複数の成形および仕上げ加工の操作についての機械的エッジ強度のワイブルプロットを示す図である。
図9A】本開示のブラッシングプロセス前後の合わせガラス基板を示す写真であり、ブラッシング前後の基板長さの分布を示している。
図9B】本開示のブラッシングプロセス前後の合わせガラス基板の機械的エッジ強度のワイブルプロットを示す図である。
図10A】基板表面に印刷されたままのインクラインのクローズアップ写真を示す図である。
図10B】本開示のブラッシング操作を受けた後の基板表面上のインクラインのクローズアップ写真を示す図である。
図11】1つまたは複数の実施形態による、本開示のブラッシング操作の断面図である。
図12】従来の成形および仕上げ加工のプロセスと比較した、本開示の成形および仕上げ加工のプロセスのフロー図である。
図13A】1つまたは複数の実施形態による、本開示の成形および仕上げ加工された基板エッジの顕微鏡写真を示す図である。
図13B】1つまたは複数の実施形態による、本開示の成形および仕上げ加工された基板エッジの別の顕微鏡写真を示す図である。
図13C】1つまたは複数の実施形態による、本開示の成形および仕上げ加工された基板エッジの別の顕微鏡写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、一連の切断および分離技術によってニアネットシェイプ化され得る脆性材料基板をエッジ成形および仕上げ加工して、所望のエッジプロファイルを与え、かつ所望の機械的エッジ強度を実現しながら、切断および分離によって形成された領域のエッジに残っている対応する損傷を同時に取り除くことができるプロセスおよびデバイスに関するものである。本開示のプロセスおよびデバイスは、1.0μm以下の欠陥および最大1.25GPaまたはそれを超える機械的エッジ強度を有する基板エッジを実現するために採用され得る。さらに、本開示のプロセスおよびデバイスは、10nm以下の平均粗さ(Ra)、20nm以下の二乗平均平方根粗さ(Rms)、および500nm以下のピーク・トゥー・バレー(PV)を有する基板エッジを実現するために採用され得る。脆性材料の基板は、初期の形態(未強化ガラス、強化ガラス、セラミックス、シリコン、金属またはその他)であっても、コーティング、加飾および/または薄膜デバイスで加工されていてもよい。
【0017】
本開示のプロセスおよびデバイスを使用して成形および仕上げ加工され得る幾つかの特定の基板材料としては、ソーダライムガラス、アニール処理されたソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、任意の適切なコアおよびクラッド材料を有する合わせガラス(またはガラスラミネート)、および/または他の脆性材料を挙げることができる。本明細書に記載されているプロセスおよびデバイスは、対称形状または非対称形状であり得る、任意の適切なエッジプロファイル形状を有する基板を成形および/または仕上げ加工するために採用され得る。
【0018】
本開示のプロセスは、1つまたは複数の薄い基板の表面を成形および/または研磨するように構成された化学的および機械的なブラシ研磨プロセスを含み得る。幾つかの実施形態では、バッチ式のブラッシングプロセスで複数の基板を一緒に成形および仕上げ加工してもよい。複数の基板は、積層構成で配置されてもよく、設計されたインターポーザデバイスは、積み重ねられた基板の間に配置されてもよい。インターポーザは、基板の間にスペースを提供してもよく、さらに、基板エッジ上の材料除去をガイドするように、ブラッシング中にフィラメントの配置を誘導するように構成されていてもよい。このようにして、インターポーザは、基板のエッジおよび側面の所望の部分をブラッシングにさらしながら、他の部分はブラッシングから保護するように、形状およびサイズが設定され得る。対称的および非対称的なプロファイルを含む基板エッジプロファイル形状は、寸法、機械的特徴、材料特性、および処理バッチ内の位置決めを含むインターポーザ特性の戦略的な操作によって成形され得る。
【0019】
約0.005mm~約12.0mmもしくは約0.01mm~約6.0mmの厚さを有するか、または任意の他の比較的小さい厚さを有する脆性基板は、様々な業界において、ならびに様々な技術および用途で使用することができ、例えば、携帯電話およびタブレットPCなどの携帯型電子機器用のスクリーンまたは表面、ならびにダッシュボードコンポーネントなどの自動車内装用表面が挙げられる。かかる基板は、例えば、約50mm~約1500mmの長さ、幅もしくは直径を有し得るか、または任意の他の適切な寸法を有し得る。かかる用途のための材料としては、ガラス、ガラスラミネート、シリコンおよび/または他の適切な材料を挙げることができる。これらの薄型コンポーネントは、全体の重量、表面の清浄度、機能性およびエッジ強度に関する特定の消費者またはメーカーの要件を有していることがある。かかるコンポーネントはさらに、比較的複雑な形状をしていることがあり、かつ/または場合によっては内部特徴を有していることがある。図2は、所望のエッジ強度を実現するためにエッジ成形および仕上げ加工を必要とし得る、複雑な特徴の自動車内装用ディスプレイ基板200の一実施形態を示している。図2に関して理解され得るように、幾つかの複雑な形状は、1つ以上の外部エッジ202および1つ以上の内部エッジ204を有し得る。内部および/または外部のエッジは、所望のエッジプロファイル形状、機械的エッジ強度および/またはエッジ粗さを実現するために、成形および仕上げ加工のプロセスの対象となり得る。
【0020】
従来の成形および仕上げ加工のプロセスでは、クラック、チッピングおよび/または他の欠陥が基板に生じる可能性がある。図3は、従来の成形および仕上げ加工のプロセスで残る可能性がある表面下損傷の一例を示している。機械的なスコアリング(筋入れ)およびブレイキング(破壊)は、基板に深いクラックを残す可能性があり、一方、機械的な研磨プロセスは、研磨によって取り除くことが困難な可能性がある追加の表面下損傷を生じさせる可能性がある。また、従来の成形および仕上げ加工のプロセスでは、寸法制御の問題も投げかける可能性がある。図4は、自動車内装用薄型ガラス基板の製造プロセスの例で実施されたエラーバジェット分析を提供している。エラーバジェット分析により、下流の加飾操作に必要な寸法精度を実現するための従来の成形および仕上げ加工のプロセスでは不十分であることが明らかになった。エラーバジェット分析は、1000mm×250mmの薄型ガラス基板を想定して実施した。スクリーン印刷などの加飾プロセスでは、精密な加飾を可能にし、かつ液体の加飾材料(例えば、インク)が平滑な研磨されたエッジに接触してインクが流れたり、しみたりするのを防ぐために、完成した基板の寸法公差を厳しくする必要があることが多い(例えば、±50μm)。図4のエラーバジェット分析の概要に示されているように、仕上げ加工された薄型ガラス基板の寸法のばらつきをもたらす最も大きな要因は、サイズに合わせた研削およびイオン交換化学強化である。
【0021】
次に図5に目を向けると、1つまたは複数の実施形態による、本開示の製造プロセス500が示されている。図示されているように、このプロセスは、基板をニアネットシェイプ化するステップ502と、ニアネットシェイプ化された基板を第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間のスタックに配置するステップ504と、スタックに圧縮力を加えるステップ506と、基板エッジをブラッシングするステップ508と、洗浄および下流処理510とを含み得る。他の実施形態では、プロセス500は、追加および/または代替のステップを含んでいてもよい。
【0022】
プロセス500は、自動車用途、建築用途、民生用電子機器および/または他の業界で使用するための、ガラス、ガラスラミネート、他のラミネート、ガラス複合体、シリコンまたは他の比較的脆性の材料を含む比較的薄型の基板の製造に使用され得る。ガラス基板または他の基板は、予め強化されてもよい。1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板は強化され、一方または両方の側面(例えば、図7Aの側面712A,714A)から第1の圧縮深さ(DOC)まで延びる圧縮応力(CS)領域を示す。CS領域は、最大CSの大きさ(CSmax)を含む。ガラス基板は、DOCから対向するCS領域まで延びる中央領域に配置されたCT領域を有する。CT領域は、最大CTの大きさ(CTmax)を規定する。CS領域およびCT領域は、ガラス基板の厚さに沿って延びる応力プロファイルを定義する。
【0023】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板は、基板の部分間の熱膨張係数の不一致を利用して、圧縮応力領域と、引張応力を示す中央領域とを生じさせることによって、機械的に強化され得る。幾つかの実施形態では、ガラス基板は、ガラス転移点を超える温度にガラスを加熱し、次いで急速に急冷することによって熱的に強化され得る。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板は、イオン交換によって化学的に強化され得る。イオン交換プロセスでは、ガラス基板の表面またはその付近にあるイオンが、同じ原子価または酸化状態を有するより大きなイオンに置き換えられるか、または交換される。ガラス基板がアルカリ含有ガラスを含むそれらの実施形態では、物品の表面層のイオンと、より大きなイオンとは、一価のアルカリ金属カチオン、例えばLi、Na、K、RbおよびCsである。あるいは表面層の一価のカチオンは、アルカリ金属カチオン以外の一価のカチオン、例えばAgなどで置き換えられてもよい。かかる実施形態では、ガラス基板に交換された一価のイオン(またはカチオン)が応力を発生させる。
【0025】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板のCSmaxは、約900MPa以上、約920MPa以上、約940MPa以上、約950MPa以上、約960MPa以上、約980MPa以上、約1000MPa以上、約1020MPa以上、約1040MPa以上、約1050MPa以上、約1060MPa以上、約1080MPa以上、約1100MPa以上、約1120MPa以上、約1140MPa以上、約1150MPa以上、約1160MPa以上、約1180MPa以上、約1200MPa以上、約1220MPa以上、約1240MPa以上、約1250MPa以上、約1260MPa以上、約1280MPa以上、または約1300MPa以上である。1つまたは複数の実施形態において、CSmaxは、約900MPa~約1500MPa、約920MPa~約1500MPa、約940MPa~約1500MPa、約950MPa~約1500MPa、約960MPa~約1500MPa、約980MPa~約1500MPa、約1000MPa~約1500MPa、約1020MPa~約1500MPa、約1040MPa~約1500MPa、約1050MPa~約1500MPa、約1060MPa~約1500MPa、約1080MPa~約1500MPa、約1100MPa~約1500MPa、約1120MPa~約1500MPaまで、約1140MPa~約1500MPa、約1150MPa~約1500MPa、約1160MPa~約1500MPa、約1180MPa~約1500MPa、約1200MPa~約1500MPa、約1220MPa~約1500MPa、約1240MPa~約1500MPa、約1250MPa~約1500MPa、約1260MPa~約1500MPa、約1280MPa~約1500MPa、約1300MPa~約1500MPa、約900MPa~約1480MPa、約900MPa~約1460MPa、約900MPa~約1450MPa、約900MPa~約1440MPa、約900MPa~約1420MPa、約900MPa~約1400MPa、約900MPa~約1380MPa、約900MPa~約1360MPa、約900MPa~約1350MPa、約900MPa~約1340MPa、約900MPa~約1320MPa、約900MPa~約1300MPa、約900MPa~約1280MPa、約900MPa~約1260MPa、約900MPa~約1250MPa、約900MPa~約1240MPa、約900MPa~約1220MPa、約900MPa~約1210MPa、約900MPa~約1200MPa、約900MPa~約1180MPa、約900MPa~約1160MPa、約900MPa~約1150MPa、約900MPa~約1140MPa、約900MPa~約1120MPa、約900MPa~約1100MPa、約900MPa~約1080MPa、約900MPa~約1060MPa、約900MPa~約1050MPa、または約950MPa~約1050MPa、または約1000MPa~約1050MPaの範囲である。CSmaxは、主面で測定してもよいし、CS領域内の主面からの深さで求めてもよい。
【0026】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板は、一方または両方の側面から約10μmのガラス基板内の深さで、800MPa以上のCSの大きさの応力プロファイルを有する(CS10)。1つまたは複数の実施形態において、CS10は、約810MPa以上、約820MPa以上、約830MPa以上、約840MPa以上、約850MPa以上、約860MPa以上、約870MPa以上、約880MPa以上、約890MPa以上、または約900MPa以上である。1つまたは複数の実施形態において、CS10は、約800MPa~約1000MPa、約825MPa~約1000MPa、約850MPa~約1000MPa、約875MPa~約1000MPa、約900MPa~約1000MPa、約925MPa~約1000MPa、約950MPa~約1000MPa、約800MPa~約975MPa、約800MPa~約950MPa、約800MPa~約925MPa、約800MPa~約900MPa、約800MPa~約875MPa、または約800MPa~約850MPaの範囲である。
【0027】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板は、第1の主面102から約5μmの一方または両方の側面からのガラス基板内の深さで、700MPa以上、または約750MPa以上のCSの大きさの応力プロファイルを有する(CS5)。1つまたは複数の実施形態において、CS5は、約760MPa以上、約770MPa以上、約775MPa以上、約780MPa以上、約790MPa以上、約800MPa以上、約810MPa以上、約820MPa以上、約825MPa以上、または約830MPa以上である。1つまたは複数の実施形態において、CS5は、約700MPa~約900MPa、約725MPa~約900MPa、約750MPa~約900MPa、約775MPa~約900MPa、約800MPa~約900MPa、約825MPa~約900MPa、約850MPa~約900MPa、約700MPa~約875MPa、約700MPa~約850MPa、約700MPa~約825MPa、約700MPa~約800MPa、約700MPa~約775MPa、約750MPa~約800MPa、約750MPa~約850MPa、または約700MPa~約750MPaの範囲である。
【0028】
1つまたは複数の実施形態において、CTmaxの大きさは、約80MPa以下、約78MPa以下、約76MPa以下、約75MPa以下、約74MPa以下、約72MPa以下、約70MPa以下、約68MPa以下、約66MPa以下、約65MPa以下、約64MPa以下、約62MPa以下、約60MPa以下、約58MPa以下、約56MPa以下、約55MPa以下、約54MPa以下、約52MPa以下、または約50MPa以下である。1つまたは複数の実施形態において、CTmaxの大きさは、約40MPa~約80MPa、約45MPa~約80MPa、約50MPa~約80MPa、約55MPa~約80MPa、約60MPa~約80MPa、約65MPa~約80MPa、約70MPa~約80MPa、約40MPa~約75MPa、約40MPa~約70MPa、約40MPa~約65MPa、約40MPa~約60MPa、約40MPa~約55MPa、または約40MPa~約50MPaの範囲である。
【0029】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板のDOCは、約0.2ガラス基板の厚さ(0.2t)以下である。例えば、DOCは、約0.18t以下、約0.18t以下、約0.16t以下、約0.15t以下、約0.14t以下、約0.12t以下、約0.1t以下、約0.08t以下、約0.06t以下、約0.05t以下、約0.04t以下、または約0.03t以下であり得る。1つまたは複数の実施形態において、DOCは、約0.02t~約0.2t、約0.04t~約0.2t、約0.05t~約0.2t、約0.06t~約0.2t、約0.08t~約0.2t、約0.1t~約0.2t、約0.12t~約0.2t、約0.14t~約0.2t、約0.15t~約0.2t、約0.16t~約0.2t、約0.02t~約0.18t、約0.02t~約0.16t、約0.02t~約0.15t、約0.02t~約0.14t、約0.02t~約0.12t、約0.02t~約0.1t、約0.02t~約0.08t、約0.02t~約0.06t、約0.02t~約0.05t、約0.1t~約0.8t、約0.12t~約0.16t、または約0.14t~約0.17tの範囲である。
【0030】
1つまたは複数の実施形態において、ガラスは強化されていなくてもよい。幾つかの実施形態では、強化されていないガラスは、アニール処理されたガラスを含む。
【0031】
かかるガラス基板のための例示的な組成物としては、ソーダライムシリケートガラス組成物、アルミノシリケートガラス組成物、またはアルカリアルミノシリケートガラス組成物を挙げることができる。幾つかの実施形態では、ガラス基板は、Corning(登録商標)Gorilla(登録商標)ガラス、Lotus(商標)NXT、Eagle XG(登録商標)ガラス、Willow(登録商標)ガラス、および/または任意の他のガラスタイプならびに他の脆性材料であってもよいし、それらを含んでいてもよい。
【0032】
ガラス基板は、約0.1mm~約6mmの範囲の厚さ、または約0.1mm~約1.5mmの範囲の厚さを有し得る。例えば、ガラス基板は、約0.125mm超の厚さ(例えば、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上)を有し得る。1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板の厚さは、約0.01mm~約1.5mm、0.02mm~約1.5mm、0.03mm~約1.5mm、0.04mm~約1.5mm、0.05mm~約1.5mm、0.06mm~約1.5mm、0.07mm~約1.5mm、0.08mm~約1.5mm、0.09mm~約1.5mm、0.1mm~約1.5mm、約0.15mm~約1.5mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.35mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.45mm~約1.5mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.55mm~約1.5mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.65mm~約1.5mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.01mm~約1.4mm、約0.01mm~約1.3mm、約0.01mm~約1.2mm、約0.01mm~約1.1mm、約0.01mm~約1.05mm、約0.01mm~約1mm、約0.01mm~約0.95mm、約0.01mm~約0.9mm、約0.01mm~約0.85mm、約0.01mm~約0.8mm、約0.01mm~約0.75mm、約0.01mm~約0.7mm、約0.01mm~約0.65mm、約0.01mm~約0.6mm、約0.01mm~約0.55mm、約0.01mm~約0.5mm、約0.01mm~約0.4mm、約0.01mm~約0.3mm、約0.01mm~約0.2mm、約0.01mm~約0.1mm、約0.04mm~約0.07mm、約0.1mm~約1.4mm、約0.1mm~約1.3mm、約0.1mm~約1.2mm、約0.1mm~約1.1mm、約0.1mm~約1.05mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約0.95mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約0.85mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.75mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.65mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.55mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.4mm、または約0.3mm~約0.7mmの範囲であり得る。
【0033】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板の幅は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、または約5cm~約75cmの範囲である。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、ガラス基板の長さは、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、または約5cm~約75cmの範囲である。
【0035】
幾つかの実施形態では、基板は、比較的薄型のスチールラミネートまたは他の薄型のラミネート製品であってもよいし、それらを含んでいてもよい。基板は、追加的または代替的に、コーティング、加飾、またはその他の方法で前処理されてもよい。例えば、基板は、1つ以上のインクまたは薄膜でコーティングされてもよい。幾つかの実施形態では、かかる加飾は、ニアネットシェイピングの前に適用されてもよい。追加的または代替的に、加飾層は、ニアネットシェイピングの後に、かつ/または製造プロセスの任意の他の適切な時点で適用されてもよい。プロセスステップ502~510のそれぞれは、追加の図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【0036】
基板は、任意の適切な方法を用いてニアネットシェイプ化502されてもよい。例えば、基板は、機械的なスコア&ブレイク(筋入れおよび破壊)プロセスを使用してニアネットシェイプ化されてもよく、ガラスまたは他の基板のより大きなシートに、成形および仕上げ加工されるコンポーネントの輪郭で筋入れし、コンポーネントを筋入れラインに沿ってより大きなシートから機械的に分離する。他の実施形態では、例えば、Corning Laser Technologies(CLT)社が供給するレーザを使用して、ナノ穿孔および熱分離によってニアネットシェイプ化を行ってもよい。幾つかの実施形態では、ニアネットシェイピングは、例えば、クラック進展制御(CPC)技術によるナノ穿孔の第1ステップと、COレーザまたは他の適切なレーザデバイスによる熱分離の第2ステップとを含んでいてもよい。他の実施形態では、ニアネットシェイピングは、ナノ穿孔(CPCによるものなど)および自発分離を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、基板は、ニアネットシェイピング中に、またはニアネットシェイピングステップの一部として、エッジプロファイリングされてもよい。例えば、レーザエッジ面取り技術を使用して、基板のニアネットシェイプとエッジプロファイルとを同時に行うことができる。幾つかの実施形態では、エッジ成形および仕上げ加工の前に、強化、加飾、コーティングおよび/または他の処理を行ってもよい。
【0037】
ニアネットシェイプ化された基板は、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間に配置されてもよい504。各インターポーザは、基板と同様のサイズおよび形状を有していてもよい。インターポーザは、隣接する基板を分離するように構成されていてもよく、さらに、ブラッシング操作中にブラシフィラメントを誘導するように、基板エッジの所望の領域または部分を露出および保護するように構成されていてもよい。幾つかの実施形態では、複数の基板が、個々の基板の間に配置されたインターポーザとともに、積層構成で調整および配置されてもよい。
【0038】
図6A~6Bは、1つまたは複数の実施形態による、本開示のインターポーザ600の一例を示している。インターポーザ600は、第1および第2の側面601を備えた平面形状を有し得る。インターポーザ600は、成形および仕上げ加工される特定の基板に対応するようなサイズおよび形状を有し得る。図6に関して示されるインターポーザ600は、一般的に長方形の周縁形状を有し、本開示のインターポーザは、成形および仕上げ加工される基板と合わせられるように構成された任意の他の適切な周縁形状を有し得ることを理解されたい。例えば、成形および仕上げ加工される基板が円形の周縁形状を有する場合、対応するインターポーザも円形の周縁形状を有し得る。図6Aの俯瞰図を参照すると、インターポーザ600は、インターポーザの第1の側部に沿って測定された長さLと、第2の側部に沿って測定され、かつ長さに垂直な幅Wとを有し得る。長さおよび幅は、対応する基板の長さおよび幅に等しいか、実質的に等しいか、または類似したサイズを有し得る。
【0039】
例えば、幾つかの実施形態では、インターポーザ600は、成形および仕上げ加工される対応する基板の所望の仕上げ長さと一致するようにサイズ設定された長さLを有し得る。すなわち、例えば、完成した基板が100mmの最終的な長さを有するように構成されている場合、対応するインターポーザもまた100mmの長さLを有し得る。他の実施形態では、インターポーザ600は、成形および仕上げ加工される対応する基板の所望の仕上げ長さよりもわずかに小さい長さLを有し得る。例えば、基板が100mmの最終的な長さを有するように構成されている場合、対応するインターポーザは、99mm、98mm、97mm、96mm、95mm、または異なる長さの長さLを有し得る。このようにして、インターポーザ600は、以下でより詳細に説明するように、より多くの基板材料をブラッシング操作にさらすようにサイズ設定され得る。さらに他の実施形態では、インターポーザ600は、対応する基板の所望の仕上げ長さよりも大きくなるようにサイズ設定された長さLを有し得る。インターポーザの幅Wもまた、成形および仕上げ加工される対応する基板の所望の仕上げ幅と一致するか、それよりも小さくなるか、またはそれよりも大きくなるようにサイズ設定され得る。幾つかの実施形態では、インターポーザ600の長さLは、約50mm~約1500mmの範囲であり得、幅Wは、約50mm~約500mmの範囲であり得る。他の実施形態では、インターポーザ600は、処理される特定の基板に対応するようにサイズ設定されたより小さなまたはより大きな寸法を有し得る。
【0040】
図6Bに示すように、インターポーザは、幅Wおよび長さLのそれぞれに垂直に測定される厚さTを有し得る。幾つかの実施形態では、厚さTは、成形および仕上げ加工される対応する基板の厚さの約0.01倍~約10倍であり得る。例えば、成形および仕上げ加工される基板が1mmの厚さを有する場合、インターポーザ600は、約0.01mm~約10mmの厚さTを有し得る。インターポーザ600の厚さTは、後述するように、ブラシフィラメントへの基板材料の露出を制御するようにサイズ設定され得る。
【0041】
インターポーザ600は、定義されたプロファイル形状を有する周縁部または外側エッジ表面604を有し得る。プロファイル形状は、以下でより詳細に説明するように、ブラシフィラメントを基板の所望の部分に誘導して、所望の基板エッジプロファイル形状を実現するように構成され得る。インターポーザエッジ604のプロファイル形状は、例えば図6Bに示すように、面取りされたエッジであり、2つの面取りされた角部605を有するものであり得る。各面取り角部605は、インターポーザ600の側面601とエッジ表面604の最も外側の部分との間に、傾斜状またはテーパ状の表面を画定し得る。面取りされた角部605は、45度の面取り角度、または任意の他の適切な面取り角度を有し得る。他の実施形態では、インターポーザエッジ604は、ベベル形、アール形、正方形、または他の適切なエッジプロファイル形状を有し得る。幾つかの実施形態では、インターポーザエッジ604は、インターポーザの上下に配置された2枚の基板上で、それぞれ異なるエッジプロファイルを実現するように成形され得る。例えば、インターポーザエッジ604は、インターポーザ600の第1の側面601に沿って配置された面取り角部605であってもよく、対向する第2の角部は、インターポーザの第2の側面に対して90度の角度を持った角部であってもよい。このようにして、インターポーザ600は、エッジ604の2つの角部でブラシ毛を異なる向きに誘導することができる。
【0042】
インターポーザ600は、幾つかの実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製であり得る。インターポーザ600は、追加的または代替的に、1つ以上の紙材料、1つ以上のプラスチック、ネオプレン、シリコーン、エラストマー材料、および/または他の適切な材料を含み得る。インターポーザ600は、比較的過酷な化学物質(例えば、酸性、アルカリ性)に対して耐性があり、処理温度の極端な変化に耐えることができ、高分子材料の範囲が関係する場合には比較的柔らかく、基板表面に対して非マーキングであるように構成された材料製であり得る。幾つかの実施形態では、インターポーザ600は、約6.0~約11.0、または約7.0~約9.0のpHを有する1つ以上の材料製であり得る。さらに、インターポーザ材料は、容易に機械加工されるように構成され、ロボットによる取り扱いを可能にする比較的高度の機械的剛性を有するように構成され得る。インターポーザ材料は、簡単に洗浄して再利用できるように構成され得る。インターポーザ材料は、インターポーザが基板上にマーキングを残さないように、非マーキングであるように構成され得る。幾つかの実施形態では、インターポーザ材料は、比較的柔らかく、圧縮されると横方向に広がるように構成され得る。インターポーザ材料は、基板材料に対してシールを形成するように構成され得、かかるシールは液体不透過性シールであり得る。このようなシールは、研磨スラリーが露出部分を超えて基板上に流れるのを防ぐように構成され得、かつ/または基板の破砕を防ぐために基板/インターポーザスタックに加えられる圧縮力を分散させるように構成され得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、インターポーザ600は、2つの側面601の間に延びる1つ以上の貫通孔602を有し得る。インターポーザ600は、インターポーザの中で対称的に、または別様に戦略的に間隔を空けて、1~10個、またはそれを超える貫通孔602を有し得る。幾つかの実施形態では、各貫通孔602は、二重チャンバの断面形状を有するカウンタボア型、または皿穴型の貫通孔であり得る。各貫通孔602は、それぞれインターポーザの第1および第2の側部601に延びる深さを有する第1および第2のチャンバ606と、チャンバの間に延びるチャネル608とを有し得る。チャネル608は、チャンバ606の幅または直径よりも小さい幅または直径を有し得る。他の実施形態では、貫通孔602は、一定の幅もしくは直径を有し得るか、または任意の他の適切な断面形状を有し得る。幾つかの実施形態では、貫通孔602はそれぞれ、スタビライザまたは安定化材料を受け入れるように構成され得る。スタビライザまたは安定化材料は、周囲のインターポーザ材料と比較して、基板材料に対してより高い摩擦係数を有するように構成された1つ以上のゴムまたは他の成形可能な材料を含み得る。幾つかの実施形態では、スタビライザは、貫通孔602から容易に取り外し可能であり得る。幾つかの実施形態では、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間に基板を配置するステップは、各インターポーザがスタック状に配置される前、その最中、または後に、スタビライザまたは安定化材料を各貫通孔602に配置することを含み得る。しかしながら、他の実施形態では、インターポーザ600は、貫通孔602に配置されたスタビライザまたは安定化材料なしで採用され得る。
【0044】
インターポーザ600は、成形および仕上げ加工される基板または複数の基板に対応するようなサイズおよび形状を有し得ることを理解されたい。少なくとも1つの実施形態では、インターポーザ600は、約100mm~約1000mmの長さLと、約30mm~約300mmの幅Wとを有し得る。インターポーザ600は、約0.1mm~約10mmの厚さTを有し得る。貫通孔602は、約1mm~約20mmの幅または直径を有し得る。しかしながら、他の実施形態では、インターポーザ600は、仕上げ加工される基板に対応するようにサイズ設定された任意の他の適切な寸法を有し得る。インターポーザ600は、仕上げ加工される基板の所望の長さおよび幅に等しいか、またはそれよりもわずかに小さいか、またはそれよりもわずかに大きい長さLおよび幅Wを持つようにサイズ設定され得る。幾つかの実施形態では、インターポーザ600は、完成した基板の長さよりも0.1~10mm小さいように構成された長さと、完成した基板の幅よりも0.1~10mm小さいように構成された幅とを有し得る。他の実施形態では、インターポーザ600は、基板に対して他の適切な寸法を有し得る。
【0045】
幾つかの実施形態では、複数の基板がスタック状に配置され、各隣接するペアの基板の間にインターポーザが配置されている。基板はそれぞれ、同じ所望の仕上げ形状およびサイズを有し得る。このようにして、スタック状に配置された複数の基板は、バッチプロセスにおいて同時にエッジを成形および仕上げ加工され得る。幾つかの実施形態では、最大5枚、最大10枚、最大20枚、最大50枚、最大100枚、最大200枚、最大300枚、最大400枚、または最大500枚の基板が、基板の各ペアの間に配置されたインターポーザを伴ってスタック状に一緒に配置され得る。他の実施形態では、バッチ処理のために、より多くのまたはより少ない基板がスタック状に一緒に配置され得る。エンドキャップまたはチャックが、幾つかの実施形態では、スタック部分の各端部(例えば、上部および下部)に配置されてもよい。エンドキャップまたはチャックは、1つ以上の金属または他の適切な材料製であり得る。幾つかの実施形態では、インターポーザが、基板上に直接スクリーン印刷されていてもよい。例えば、第1の基板をスタック状に位置決めしてもよく、所望の形状および寸法を有するインターポーザを基板の側面に直接スクリーン印刷してもよく、印刷されたインターポーザの上に第2の基板をスタック状に配置してもよい。かかる実施形態では、インターポーザは、ブラッシング操作の後に機械的および/または化学的に除去されてもよい。
【0046】
図5を再び参照すると、基板とインターポーザ506とに圧縮力を加えることができる。例えば、基板が第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間に配置されている場合、圧縮力は、基板とインターポーザとを第1の側部から圧縮するように第1のインターポーザに加えてもよいし、基板とインターポーザとを第2の側部から圧縮するように第2のインターポーザに加えてもよいし、第1および第2のインターポーザの両方に加えてもよい。圧縮力は、任意の適切な手段を使用して加えることができ、約1psi(約6.895kPa)~約1000psi(約6,895kPa)の範囲であり得る。幾つかの実施形態では、スタックに加えられる圧力または力の大きさは、基板の寸法および/または数に依存し得る。例えば、スタック内の1枚以上の基板の長さおよび幅が100mmの場合、約650psi(約4,481kPa)~700psi(4,826kPa)の圧縮力をスタックに加えることができる。別の例として、スタック内の1枚以上の基板が対角線の長さを635mmとする正方形の形状をしている場合、約30psi(約206.8kPa)~40psi(275.8kPa)の圧縮力をスタックに加えることができる。圧縮力は、圧縮力を分散させ、かつ基板の亀裂または破損を引き起こさないのに十分な大きさの表面積で加えられ得ることを理解されたい。圧縮力は、基板とインターポーザとをスタック状に一緒に保持し、コンポーネント同士のずれまたはねじれを概ね防止するように構成され得る。圧縮力は、任意の適切な手段を使用して加えることができる。幾つかの実施形態では、例えば、クランプをスタック上に配置し、ナットまたはボルトを締めて所望の力を加えてもよい。
【0047】
基板エッジをブラッシングするステップ508は、基板のエッジをブラシと研磨材またはスラリーと接触させることを含み得る。ブラシおよびスラリーは、チッピング、欠け、または他の欠陥を除去するために、基板のエッジ表面を研磨するように構成され得る。さらに、幾つかの実施形態では、ブラシおよびスラリーは、所望の形状を実現するために基板材料を機械的および/または化学的に除去することによって、基板のエッジ表面を同時に成形するように構成され得る。
【0048】
ブラシは、基板のスタックに対応するようにサイズ設定され得、ベース部分から延びる複数の毛またはフィラメントを有し得る。ブラシフィラメントは、幾つかの実施形態では、1つ以上のポリマー材料、樹脂材料、または炭素繊維材料製であり得る。他の実施形態では、他の適切なフィラメント材料が使用され得る。さらに、ブラシフィラメントはそれぞれ、幾つかの実施形態では、0.500mm以下または0.200mm以下の直径を有し得る。幾つかの実施形態では、ブラシフィラメントは、約0.100mm~約0.500mmの直径を有し得る。フィラメントは、幾つかの実施形態では、円形または多角形の断面形状を有し得る。ブラシフィラメントは、約1mm~約200mmの長さを有し得る。ブラシのフィラメントは、幾つかの実施形態では、様々な長さおよび/または様々な直径を有し得る。さらに、ブラシフィラメントは、別個の房または束で配置されてもよく、各房または束は、約1.0mm~約10.0mmの直径を有する。個々のフィラメントまたはフィラメントの房は、ブラシベース上に特定のパターンで配置されてもよい。例えば、束または房は、直線状、螺旋状、千鳥状、ランダムまたは他のパターンで配置されてもよい。さらに、ブラシは、約10%~約95%、または約30%~約90%、または約50%~約85%のブラシ密度(またはフィラメント密度)を有し得る。少なくとも一実施形態では、本開示のブラシは、約68.5%のブラシ密度を有し得る。他の実施形態では、フィラメントおよび房は、任意の他の適切なサイジングおよび構成を有し得る。
【0049】
幾つかの実施形態では、ブラシは、中心となる長手方向軸線の周りを回転するように構成された回転ブラシであり得る。幾つかの実施形態では、回転ブラシは、基板およびインターポーザスタックが固定されている間に、基板のエッジに沿って横方向に移動しながら、その中心軸線の周りを回転するように構成され得る。他の実施形態では、基板スタックは、追加的または代替的に、ブラシの回転軸線に対して平行であり得るスタックの中心軸線の周りを回転するように構成され得る。幾つかの実施形態では、ブラッシングステップは、ブラシを第1の方向に回転させ、さらに基板およびインターポーザスタックを反対の第2の方向に回転させることによって行われ得る。これは特に基板が丸い平面形状を有する場合に有用であり得る。本開示のブラッシングプロセスは、シングルパスの極運動を使用して、角部の滞留または丸め運動を必要とせずに、基板の全周縁エッジを研磨するように操作され得ることを理解されたい。
【0050】
ブラシは、研磨材またはスラリーを基板に適用するために操作され得る。研磨材またはスラリーは、化学的および/または機械的に基板材料を除去して、同時に基板のエッジ表面を成形および/または研磨するように構成され得る。幾つかの実施形態では、研磨材は、研磨剤スラリー、例えば酸化セリウムまたはダイヤモンドスラリーであってもよいし、それらを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、研磨材は、約0.01μm~約15.0μmもしくは0.05~7.0μm、0.1~1.0μmもしくは0.1~0.5μmの粒径を有する酸化セリウムまたは他の研磨剤または化学研磨剤を含んでいてもよい。少なくとも1つの実施形態では、研磨材は、約0.1~約0.3μmの粒径を有する酸化セリウムまたは他の研磨剤または化学研磨剤を有し得る。酸化セリウムスラリーまたは他の研磨材は、pH6~pH11の範囲のアルカリ度を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、研磨材は、約30nm~約100μmの範囲のダイヤモンド砥粒サイズを有する50ct/リットル(10kg/m)のDND Dia-Solナノダイヤモンドを含み得る。他の実施形態では、化学的および/または機械的な研磨材を含む他の研磨材が使用され得る。幾つかの実施形態では、複数の研磨材が連続的または同時に使用され得る。
【0051】
幾つかの実施形態では、ブラシは、研磨材を受け取り、分配するように構成され得る。例えば、ブラシフィラメントが延びるブラシベースは、研磨材をブラシベースからフィラメントおよび基板上に放出するように構成された穿孔またはチャネルを有し得る。穿孔は、ブラシベース全体に分布していてもよい。研磨材は、押出システムにより、または回転ブラシの求心力により、穿孔から排出され得る。穿孔は、定義された粘度を有する研磨材の所望の流量を実現するのに適した任意の直径を有する円形、多角形、または他の適切な断面形状を有し得る。幾つかの実施形態では、ブラシベースは、必要に応じて外部供給源から研磨材を連続的に再注入できるように構成された回転ユニオンを有し得る。
【0052】
ブラッシング操作中、ブラシは約10~約1000rpmの速度で駆動され得る。さらに、幾つかの実施形態では、ブラシは、基板のエッジに沿って、約1~約1000m/分の線形速度で駆動され得る。ブラシは、基板エッジとブラシフィラメントとの間のバッティング距離が約0.1~約10.0mmに維持されるように配置され得る。幾つかの実施形態では、バッティング距離は、例えばブラシの各工程で変化させてもよい。幾つかの実施形態では、第1のバッティング距離がエッジ成形のために材料除去を実現するように構成され得、一方、第2のバッティング距離がエッジ研磨を実現するように構成され得る。このようにして、ブラシの各工程が、バッティング距離に応じて、主に成形に向けられてもよいし、主に研磨に向けられてもよい。ブラッシングは、所望のエッジプロファイルが実現されるまで、かつ基板エッジ上の最大欠陥サイズまたは平均欠陥サイズが3μm未満、2μm未満、または1μm未満に減少するまで行われ得る。ブラッシングステップは、面取り形、ベベル形、アール形、または他の適切なエッジプロファイルもしくは形状であり得る基板の所望のエッジ形状を形成して、同時に基板エッジを研磨するように操作され得る。
【0053】
幾つかの実施形態では、ブラッシングステップは、単一段階のブラッシングステップを含み得る。すなわち、幾つかの実施形態では、単一のブラシを使用してエッジ表面上を適切な回数通過させることで、エッジの成形および研磨の両方を行うことができる。他の実施形態では、ブラッシングは、例えば、複数のブラシおよび/または複数の研磨材を使用して複数の段階で行われ得る。例えば、第1のブラシと第1の粒径を有する研磨材とを使用して第1のブラッシングステップを行ってもよく、そのブラシと第2のより小さい粒径を有する研磨材とを使用して第2のブラッシングステップを行ってもよい。具体的な例として、第2のブラッシングステップは、約0.1μm~約0.5μmの粒径を有する微細な研磨用酸化セリウムスラリーで基板エッジをブラッシングすることを含み得る。
【0054】
ブラッシングステップ中、インターポーザは、ブラシのフィラメントを誘導して、基板材料を所望のエッジプロファイルまたは形状へと除去するように操作され得る。特に、インターポーザは、所望の量の基板エッジをブラシ表面に露出させるように構成され得、所望の量の基板エッジがブラッシングステップからの材料除去の対象となるようにされ得る。
【0055】
例えば、図7Aは、隣接する基板の各ペアの間にインターポーザ704が配置された基板702(本明細書に記載されているガラス基板の1つまたは複数の実施形態を含み得る)のスタックの一実施形態を示している。図示されているように、圧縮力706がスタックに加えられ得、基板のエッジがブラシ708にさらされ得る。図7Aに示すように、幾つかの実施形態では、インターポーザ704は、幅および/または長さが、基板702の幅および/または長さに等しいか、または実質的に等しいサイズに設定され得る。基板702に対するインターポーザ704のサイジングが等しいか、または実質的に等しい結果として、インターポーザは、対向する側面712A,714Aをブラシから保護しながら、基板の垂直なエッジ表面710Aのみをブラシ708にさらすことが保証され得る。したがって、図7Aにさらに示すように、ブラッシングと研磨との同時ステップは、エッジ710Aの直角の、または垂直なエッジプロファイル形状を有する基板を作製し得る。
【0056】
別の例として、図7Bは、隣接する基板の各ペアの間にインターポーザ716が配置された基板702のスタックを示している。各インターポーザ716は、基板702よりも小さい幅および/または長さを有し、ひいては基板表面のより多くをブラシ708にさらすように構成され得る。特に、インターポーザ716の短くなった幅および/または長さにより、各基板のエッジ表面710Bに加えて、対向する側面712B,714Bの一部がブラシ708にさらされ得る。このようにしてエッジ表面を露出させることにより、図7Aの材料除去と比較して、ブラシおよび研磨材がより多くの基板材料を除去することを可能にし得る。図7Bに示すように、対向する側面712B,714Bの一部を露出させることにより、ブラッシングステップはエッジ710Bの面取りされたエッジプロファイル形状を形成し得ることになる。図7Bから理解され得るように、インターポーザ716の厚さもまた、ブラシ708にさらされる基板の量に影響を及ぼし得る。比較的厚いインターポーザ716により、ブラシフィラメントが基板の露出した側面712B,714Bにより容易に到達することを可能にし得るのに対して、比較的より薄型の基板は、ブラシフィラメントへの露出を減らすことによって側面をより保護し得る。
【0057】
幾つかの実施形態では、インターポーザを使用して、基板の非対称的なエッジプロファイルを作製することができる。例えば、1枚以上の基板を、異なるサイズおよび/または異なる形状のインターポーザで間隔を空けて配置してもよい。図7Cは、第1のサイズを有するインターポーザ718と、第2のサイズを有するインターポーザ720とで間隔を空けて配置された基板702のスタックを示している。幾つかの実施形態では、第2のサイズは、第1のサイズよりも大きくてもよい。特に、インターポーザ720は、インターポーザ718の幅および/または長さよりも大きい幅および/または長さを有し得る。インターポーザ718,720は、スタック内の各基板702が、基板の一方の面に配置された第1のサイズのインターポーザ718と、基板の対向する面に配置された第2のサイズのインターポーザ720とを有し得るように配置され得る。したがって、小さい方のサイズのインターポーザ718は、大きい方のサイズのインターポーザ720と比較して、各基板702の露出した側面、または露出した側面のより大きな部分を提供し得る。したがって、各基板702について、異なるサイズのインターポーザ718,720は、非対称的なエッジを生じさせるように、ブラシ708のフィラメントを誘導することができる。小さい方のインターポーザ718が配置されている場合には、基板702は面取りされたエッジプロファイル形状(図7Bに示すものと同様)を有し得、大きい方のインターポーザ720が配置されている場合には、基板は方形のエッジプロファイル形状(図7Aに示すものと同様)を有し得る。
【0058】
他の実施形態では、非対称的なエッジを有するインターポーザを用いて、基板の非対称的なエッジプロファイルが実現され得る。図7Dは、インターポーザ722で間隔を空けて配置された基板702のスタックを示している。各インターポーザ722は、角度の付いたエッジプロファイルを有していてもよく、概ね台形の断面形状を有していてもよい。例えば、各インターポーザ722は、基板702の幅であり得るか、またはこの幅に実質的に類似し得る第1の幅を有し得る。インターポーザ722はそれぞれ、第1の幅から、第1の幅よりも小さい第2の幅へとテーパ状になり得る。第2の幅は、隣接する基板702の側面714Dの一部を露出させるように構成され得る。このようにして、図7Dに示すような積層構成において、各基板702は、インターポーザ722の第1の幅に隣接して配置された第1の側部と、別のインターポーザの第2の幅に隣接して配置された第2の側部とを有し得る。角度の付いたインターポーザのエッジは、図7Dに示すように、エッジ710Dの角度の付いたまたはテーパ状のエッジプロファイル形状を作製するように、ブラシ708のフィラメントを誘導することができる。
【0059】
他の実施形態では、インターポーザは、他のエッジプロファイル形状を有し得る。例えば、図7Eは、インターポーザ724と絡み合った基板702のスタックを示し、各インターポーザは、二重面取りされたエッジ形状を有する。この二重面取りされたエッジは、基板702の幅または長さに等しいか、もしくは実質的に等しくあり得る最大の幅または長さまで延びていてもよく、第2のより小さい幅または長さに向かってエッジの各側で内側にテーパ状になっていてもよい。インターポーザ724の二重面取りされたエッジは、基板側部712E,714Eの一部をブラッシングにさらすことができる。したがって、各インターポーザ724の二重面取りされたエッジは、図7Eに示すように、エッジ710Eの丸みを帯びた形または湾曲した形のエッジプロファイル形状を形成するように、ブラシ708のフィラメントを誘導することができる。
【0060】
したがって、本開示のインターポーザは、所望の基板エッジプロファイルを実現するように構成された、任意の適切な長さおよび幅、厚さ、ならびにエッジプロファイル形状を有し得ることを理解されたい。インターポーザは、ブラシフィラメントと基板との間の接触をガイドまたは誘導するように、基板の特定の領域または量をブラッシングにさらし、かつ/または他の領域を保護するように構成され得る。このようにして、インターポーザは、基板表面に欠陥を形成させるのではなく、ブラッシングによって引き起こされた任意の欠陥を基板エッジ上に導くことができる。
【0061】
図5を再び参照すると、プロセス500は、洗浄および/または下流処理ステップ510を含み得る。例えば、ブラッシングステップが完了し、基板エッジが成形および研磨された後、基板はインターポーザスタックから取り外されてもよく、基板は任意の適切な洗浄方法によって洗浄されて、基板表面から研磨材、基板ダスト、または他の材料が除去され得る。洗浄には、例えば、すすぎまたは水浴が含まれ得る。追加の下流プロセスには、印刷インクなどの加飾、電子コンポーネントの取り付け、IOX強化プロセスなどの追加の強化、および/または他の下流プロセスを含み得る。幾つかの実施形態では、研磨された基板エッジは、酸エッチング処理によってさらに強化され得る。
【0062】
幾つかの実施形態では、上述のプロセス500は、機械的な研削を行わずに基板のエッジ表面を同時に成形および仕上げ加工するように操作され得ることを理解されたい。すなわち、エッジ面取りまたは他のエッジ成形は、研磨材がエッジ表面上にブラッシングされる際の、研磨材と基板材料との間の化学的および/または機械的な相互作用によって提供され得る。上述のプロセスは、研削用ホイールなどからの機械的な研削がしばしば引き起こす損傷を与えることなく、エッジ表面を形成および成形するように操作され得る。さらに、機械的な研削によって生じるスクラッチ、チッピング、および/または他の欠陥なしに、上述のプロセスを使用して比較的高いエッジ強度を実現できることを理解されたい。
【0063】
上述のプロセス500は、比較的高いエッジ強度を有する完成した基板を提供し得る。特に、本明細書に記載されているプロセスおよび装置を使用して成形および研磨されたエッジを有する基板は、少なくとも100MPa、少なくとも300MPa、少なくとも500MPa、少なくとも700MPa、少なくとも900MPa、少なくとも1GPa、少なくとも1.25GPa、またはそれを超える機械的エッジ強度を有し得る。図8は、様々なプロセスを使用して製造された基板のB10機械的エッジ強度のワイブルプロットを示している。第1の曲線802は、スコア&ブレイク(筋入れおよび破壊)(「SBE」)プロセスを使用してニアネットシェイプ化され、グラインダによる従来の機械的なエッジ研削を使用して成形および仕上げ加工された、追加の化学強化を受けていない、非化学的に強化されたガラス基板(「NIOX」)のエッジ強度を明らかにしている。図示されているように、曲線802で表される従来のプロセスのエッジ強度は、B10において100MPaをわずかに超える程度であり得る。曲線810は、曲線802のプロセスと同様に、スコア&ブレイクおよび機械的なエッジ研削によって製造された基板のエッジ強度を示しているが、エッジはイオン交換プロセスによって追加的に化学強化されている。図示されているように、イオン交換プロセスは、B10において基板のエッジ強度を約630MPaまで高めることができる。したがって、化学強化は、曲線802のプロセスよりも改善されるが、機械的なエッジ研削のために、強度は依然として650MPaを下回る可能性があることが理解され得る。
【0064】
引き続き図8を参照すると、曲線804、806および808は、本明細書に記載されているプロセスを使用した同時エッジ成形を含む様々なプロセス経路によって製造された基板のエッジ強度を明らかにしている。曲線802で表される従来のプロセスと同様に、曲線804、806および808のプロセスは、成形後の化学強化を含まない。特に、曲線804は、レーザカット法を使用してニアネットシェイプ化され、本明細書に記載されているブラシ研磨法(「BP」)によって同時に成形および研磨された、非化学的に強化された基板を表している。曲線806は、スコア&ブレイクプロセス(SBE)を使用してニアネットシェイプ化され、機械的なエッジ研削を受ける、本明細書に記載されているブラシ研磨法によって同時に成形および研磨された、非化学的に強化された基板を表している。曲線808は、最初に化学的に強化され、レーザカットによってニアネットシェイプ化され、本明細書に記載されているブラシ研磨法によって同時に成形および研磨された基板を表している。図示されているように、曲線802における従来のプロセスにより成形および研磨された基板と比較して、本明細書に記載されている成形および研磨プロセスを使用した基板のエッジ強度は、成形後の化学強化を行わなくても、B10において、少なくとも約150MPa、少なくとも約200MPa、または少なくとも約240MPaであり得る。したがって、本明細書に記載されている同時エッジ成形および研磨プロセスは、従来のエッジ成形および仕上げ加工のプロセスと比較して、劇的に改善されたエッジ強度を提供し得ることが理解され得る。
【0065】
引き続き図8を参照すると、曲線812および814は、本明細書に記載されているプロセスを使用した同時エッジ成形を含むプロセス経路によって製造された追加の基板のエッジ強度を明らかにしている。曲線810で表される従来のプロセスと同様に、曲線812および814のプロセスは、成形後の化学強化を含む。特に、曲線812は、レーザカットを使用してニアネットシェイプ化され、本明細書に記載されているブラッシングプロセスを使用して同時に成形および研磨され、追加の化学的エッジ強化を受ける、非化学的に強化された基板を表している。曲線814は、スコア&ブレイクプロセスを使用してニアネットシェイプ化され、機械的なエッジ研削を受け、本明細書に記載されているブラッシングプロセスを使用して同時に成形および研磨され、追加の化学的エッジ強化を受ける、非化学的に強化された基板を表している。図示されているように、曲線810において従来のエッジ成形および研磨により成形された基板と比較して、本明細書に記載されている成形および研磨プロセスを使用した基板エッジ強度は、B10において少なくとも約825MPaまたは少なくとも約930MPaであり得る。
【0066】
さらに、本開示のプロセスは、比較的低いエッジ粗さを有する基板を作製することができる。例えば、プロセス500は、約1nm~約10nmのエッジを有する基板を作製することができる。幾つかの平均粗さ(Ra)の実施形態では、Raは、約6nm~約8nmであり得る。さらに、本明細書に記載されているブラッシングプロセスは、約2nm~約20nmの二乗平均平方根粗さ(rms)を有する基板エッジを作製することができる。幾つかの特定の実施形態では、エッジは、約2nm~約12nm、または約10nm~約12nmのrmsを有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているブラッシングプロセスは、約50nm~約500nm、または約80nm~約300nmのピーク・トゥー・バレー(PV)測定値を有する基板エッジを作製することができる。さらに他の実施形態では、本開示のブラッシングプロセスは、異なるRa、rmsおよび/またはPVを有する基板エッジを作製することができる。
【0067】
本開示の同時エッジ成形および研磨プロセスは、化学的に強化された基板、ならびにガラスラミネートまたは他のラミネートなどの多層基板の成形および仕上げ加工に使用することができる。したがって、本開示のプロセスは、従来の機械的な研削プロセスではラミネートおよび化学的に強化された材料に適さない場合があるため、従来の成形および仕上げ加工のプロセスに対する改善を提供できることを理解されたい。例えば、従来の機械的なエッジ研削では、ガラスラミネートおよび他のラミネートには適さない場合がある。なぜなら、積層基板のコア材料とクラッド材料とを研削するために、異なる研削材および/またはグラインダが必要になる場合があるからである。図9Bは、本明細書に記載されている同時ブラッシングを使用してガラスラミネート基板を成形および仕上げ加工した後に得られるエッジ強度および基板長さを示している。特に、図9Bは、曲線902におけるニアネットシェイピング後、ならびに曲線904における本開示のプロセスを使用した同時エッジ成形および研磨後の積層基板のエッジ強度を示すワイブルプロットを含む。図示されているように、本開示のエッジ成形および仕上げ加工のプロセスは、積層基板のエッジ強度を約216MPaから約365MPaに高めることができる。図9Aに追加で示すように、ニアネットシェイプ化された積層基板の長さは約100.018mmで測定され、一方、成形および仕上げ後の長さは約99.882mmで測定され、結果として、対向する2つの側のそれぞれから約76.65μmの材料が除去された。したがって、本開示の成形およびブラッシングの同時プロセスは、余分な材料の除去または廃棄物を伴わずに、所望のエッジプロファイル形状、エッジ平滑性、およびエッジ強度を実現できることが理解され得る。本開示のプロセスはさらに、他のラミネート材料、例えば比較的薄型のスチールラミネートを成形および/または仕上げ加工するために採用され得る。
【0068】
本開示のプロセスによって成形および/または仕上げ加工された基板は、任意の所望のエッジプロファイル形状を有し得る。所望のエッジプロファイル形状を実現するために、インターポーザは、基板の所望の部分または領域をブラシフィラメントに露出させるように、サイズ(長さ、幅および厚さ)および/または形状(例えば、面取り)が設定され得る。さらに、幾つかの実施形態では、ブラシおよび/またはブラシフィラメントは、所望の基板エッジプロファイルを実現するために、サイズ、形状および/または位置が設定され得る。例えば、ブラシフィラメントは、所望のエッジプロファイル形状の逆ジオメトリを定義するように、サイズ、形状および/または位置が設定され得る。例えば、様々な長さのブラシフィラメントをブラシコアに沿って列状に配置して、所望のエッジプロファイルの逆プロファイル形状が実現され得る。
【0069】
例えば、幾つかの実施形態では、本開示の基板は、平坦または方形のエッジプロファイル形状を有するように成形および/または仕上げ加工され得る。例えば、図7Aに関して上述したように、完成した基板は、2つの側面712Aと714Aとの間で垂直に延びるエッジ表面710Aを有し得る。エッジ表面710Aは、各側面712A,714Aから90度または約90度の角度で延びていてもよい。幾つかの実施形態では、基板は、アール形の角部を伴った直線または方形のエッジプロファイル形状を有し得る。すなわち、例えば図7Aを見ると、垂直なエッジ表面710Aと各側面712A,714Aとの間に、アール形の角部が提供され得る。
【0070】
幾つかの実施形態では、基板は、対称的に面取りされた(または二重面取りされた)エッジプロファイル形状を備えていてもよい。例えば図7Bを参照すると、2つの側面712B,714Bと、垂直なエッジ表面710Bとを有する基板は、エッジ表面と各側面との間に延びる角度の付いた面取り表面を有するように仕上げ加工され得る。各面取り表面は、エッジ表面710Bおよび側面(712Bまたは714B)から、45度または約45度の角度で延びていてもよい。他の実施形態では、面取り表面は、任意の他の適切な角度を有し得る。
【0071】
幾つかの実施形態では、基板は、ブルノーズ形または他の丸みを帯びた形もしくはアール形のエッジプロファイル形状を備えていてもよい。例えば図7Eを参照すると、2つの側面712E,714Eを有する基板は、2つの側面の間に延びる湾曲した形のエッジ表面710Eを有するように仕上げ加工され得る。幾つかの実施形態では、湾曲した形のエッジ710Eは、基板の厚さの半分になるように、またはほぼ半分の厚さになるように定義された曲率半径を有し得る。他の実施形態では、湾曲した形のエッジ表面710Eは、異なる曲率半径を備えていてもよい。
【0072】
幾つかの実施形態では、本開示の基板は、非対称的なエッジプロファイル形状を有し得る。例えば、基板は、面取り形、ベベル形、または半直角型のエッジプロファイル形状を有するように仕上げ加工され得る。例えば図7Dを参照すると、2つの側面712D,714Dを有する基板は、2つの側面の間に延びるテーパ状または角度の付いたエッジ表面710Dを有するように仕上げ加工され得る。角度の付いたまたはテーパ状のエッジ表面710Dは、幾つかの実施形態では、2つの側面712Dと714Dとの間に、45度の角度、または約45度の角度で配置されてもよい。他の実施形態では、角度の付いたまたはテーパ状のエッジ表面710Dは、任意の他の適切な角度を有し得る。角度の付いたまたはテーパ状のエッジ表面710Dが2つの側面712D,714Dのそれぞれとぶつかるところでは、エッジプロファイルは、幾つかの実施形態では、アール形の角部を有し得る。
【0073】
異なるエッジプロファイル形状は、異なる用途のために構成されるか、または適していることを理解されたい。上述したものに加えて、さらに他の実施形態では、本開示の基板は、ダブルベベル形、半ブルノーズデミブルノーズ形、またはオジー形のエッジプロファイル形状を有するように仕上げ加工され得る。幾つかの実施形態では、基板エッジプロファイル形状は、上述の形状要素のうちの2つ以上の組み合わせを有するように構成されていてもよい。例えば、少なくとも1つの実施形態では、基板エッジは、面取り形またはベベル形の角部表面と組み合わせて、半アール形または半ブルノーズ形のプロファイル形状を有するように構成されていてもよい。特に、本開示の基板は、例えば、湾曲した形またはアール形のエッジを有する基板の第1の側面から延び、かつ約45度の角度を有する面取り形またはベベル形のエッジを備えた基板の対向する第2の側面から延びるプロファイルを有し得る。他の非対称的または対称的なエッジプロファイル形状も同様に考えられ、本明細書に記載されているプロセスによって実現され得る。
【0074】
幾つかの実施形態では、本開示の基板は、比較的複雑なエッジプロファイル形状で仕上げ加工され得る。図11は、基板のエッジから横方向に延びる複数の突出部1106を備える入り組んだエッジプロファイルを有する基板1102の実施形態を示している。基板エッジは、突出部1106の各ペアの間で基板内に延びる谷部を有し得る。突出部1106は、互いに平行に延びていてもよい。他の実施形態では、突出部1106はそれぞれ、方形のエッジ表面に延びていてもよいし、尖ったまたは丸みを帯びた表面に延びていてもよい。幾つかの実施形態では、突出部1106(およびそれらの間の対応する谷部)は、例えば図11に示すように、角度の付いたまたはテーパ状の側壁を有し得る。他の実施形態では、突出部1106(および/またはそれらの間の対応する谷部)は、アール形の側壁を有していてもよいし、基板のエッジ表面に対して垂直に延びる側壁を有していてもよい。少なくとも1つの実施形態では、基板エッジは、1つ以上の非対称的な突出部および/または1つ以上の非対称的な谷部を有し得る。本開示の基板エッジは、任意の適切な数の突出部1106および/または谷部、例えば2~24個の突出部もしくは谷部、または6~18個の突出部もしくは谷部を有し得る。幾つかの実施形態では、基板1102は、例えば、12個の突出部1106を有し得る。かかるエッジプロファイルは、例えば、ライトガイドにおける入射光のコリメーションのために望まれることがある。
【0075】
引き続き図11を参照すると、ニアネットシェイプ化され得るか、またはその他の方法で最初は方形または実質的に方形のエッジプロファイル形状で成形され得る基板1102が、一対のインターポーザの間に配置されてもよい。ブラシ1104が、所望の基板エッジ突出部1106の逆ジオメトリを形成するために、ブラシコア上に配置された様々なフィラメント長さで設計され得る。ブラシ1104と研磨スラリーとを基板1102に接触させてもよい。ブラッシングは、ブラシの逆ジオメトリと基板エッジとの間のアラインメントを維持しながら、ブラシ1104を基板エッジに対して回転させることによって、かつ/または基板スタックを回転させることによって行われ得る。このようにして、ブラシの長手方向軸線に沿って延びるブラシのz軸線と、基板スタックの平行なz軸線とが、固定的なアラインメント状態を維持できることを理解されたい。ブラッシング中に基板のエッジに対して維持されるフィラメントの逆ジオメトリは、突出部の間に谷部を刻むことによって基板のエッジに突出部1106を形成するように操作され得る。したがって、ブラッシングステップは、基板のエッジに所望の突出部を形成すると同時に、基板のエッジも研磨して所望の機械的エッジ強度、エッジ粗さ、および/または欠陥のサイズを実現するように操作され得る。ブラシのフィラメントが、他の比較的入り組んだまたは複雑な基板エッジプロファイルを形成するために、任意の所望の逆ジオメトリ形状を形成するようにサイズ、形状および配置が設定され得ることを理解されたい。
【0076】
さらに、本開示のプロセスを使用して、加飾された基板を成形および/または研磨することができる。例えば、インク、フィルム、電気的に活性なデバイスを含み得るデバイス層、および/または他の加飾を備えた基板が、本開示のプロセスを使用して成形および仕上げ加工され得る。少なくとも1つの実施形態では、本開示の基板は、基板の表面に印刷された、またはその他の方法で取り付けられた、または配置された電子デバイス層を有し得る。デバイス層は、例えば、幾つかの実施形態では、メタライズされた(例えば、Cu)相互接続部を有するマイクロLED材料を含み得る。他の実施形態では、デバイス層は、他の適切な電子コンポーネントを有し得る。別の例として、本開示の基板は、基板の表面に印刷またはその他の方法で取り付けられた、または配置されたインク層を有し得る。インク層は、有機インクおよび/または無機インクを含み得る。他の加飾層としては、フィルムが挙げられるか、またはオーバーレイも同様に考えられる。かかるデバイス層、インク層、および/または他の層が、本明細書に記載されているブラッシングプロセスの適用前に、基板上に配置されてもよい。従来の機械的なエッジ研削プロセスは、研削が加飾層を損傷させる可能性があるため、かかる加飾された基板には適さない場合がある。幾つかの実施形態では、本開示のプロセスは、改善された印刷またはコーティングプロセスを提供することができる。例えば、本開示のブラッシングプロセスを使用して、印刷インクラインまたは他の加飾ラインを仕上げ加工することができる。本開示のブラッシングプロセスは、加飾が適用された後に、加飾を損なうことなく行うことができ、ブラッシングを使用して、所望の印刷公差および印刷ラインを実現することができる。例えば、図10Aは、基板エッジ上のスクリーン印刷されたままのインクライン1002の一例を示している。理解され得るように、インクライン1002は、場合によっては、比較的不均一またはギザギザであり得る。さらに、多くの従来のプロセスでは、印刷は、成形および仕上げ加工の操作後に行われるため、印刷公差を注意深く監視する必要がある。本開示のブラッシングプロセスを使用して、ブラッシングの前にインクまたは他の加飾を基板上に印刷することができ、ブラッシングステップを使用して、基板エッジの成形および仕上げ加工を行いながら最終的な印刷公差を実現することができる。図10Bは、本開示のブラッシングプロセス後の基板エッジ上のインクライン1004の一例を示している。理解され得るように、インクライン1004は、鮮明なインクラインであり得る。
【0077】
幾つかの実施形態では、本開示のインターポーザを使用して、基板に加飾を適用するか、または適用を支援することができる。例えば、本開示のインターポーザは、逆の構成でそれに取り付けられた電子デバイス層、または他の所望の加飾または層を有し得る。デバイス層または他の加飾または層は、基板がインターポーザと接触して配置されたときに、加飾または層がインターポーザから基板上に転写され得るように、転写可能に構成され得る。幾つかの実施形態では、基板とインターポーザとのスタックに加えられる圧縮力が、インターポーザから基板上に加飾または層を転写するのに役立ち得る。幾つかの実施形態では、加飾と基板との間に接着剤層を適用してもよい。
【0078】
本開示の同時エッジ成形および研磨プロセスはさらに、従来の成形および仕上げ加工のプロセスよりも大幅な時間の節約を提供することができる。すなわち、エッジ材料を除去するための一連の機械的な研削ステップと、研削から生じた欠陥を除去するための一連の研磨ステップとではなく、上述の単一段階のブラッシングステップが、より少ない時間とより少ない労働集約的なプロセスとを提供することができる。
【0079】
本明細書に記載されているプロセスは、従来の機械的なニアネットシェイピングとエッジ仕上げ加工とを、薄型ガラスエッジの成形と仕上げ加工とを同時に行う単一ステップの半バッチ式ブラシ研磨プロセスに置き換えることを提供できることを理解されたい。上記の解決策は、優れた仕上げ加工プロセス技術を多数のプロジェクトに展開するためのより大きな機会を表している。これは特に自動車内装用製品に関して見られることができる。例えば、自動車内装用製品の薄型ガラス製品の仕上げ加工されたエッジ品質仕様は特に要求が厳しく、化学強化の前に最大215MPaのエッジ強度が要求される場合がある。かかる機械的エッジ強度は、例えば、研削後の最大欠陥が11μmを超えないようにする必要があると計算されている。この結果、エッジ仕上げ加工された薄型ガラス製品の商業的およびコストモデル的な目標を達成できない製造ラインの設置および試運転が現在行われている。さらに、一部のメーカーおよび業界では、冷間成形が可能な薄型ガラス部品への需要が高まっている。かかる機能のためには、比較的高いエッジ強度が必要となるが、これは従来の機械的なエッジ研削とその後の化学強化とで実現され得る強度よりも高い可能性がある。
【0080】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているエッジ成形および仕上げ加工のプロセスは、従来の研削ステップの代わりに使用することができるが、さらに、本明細書に記載されているブラッシングプロセスを、基板のエッジ研削と組み合わせて使用できることも理解され得る。例えば、ニアネットシェイプ化された基板は、1つ以上の機械的な研削ステップによって成形されたエッジを有し得、その後、基板はインターポーザ間に配置され、本明細書に記載されているブラッシングプロセスを受けて、所望のエッジ強度を実現するためにエッジ研磨され得る。機械的な研削は、適切な砥粒サイズを有する研磨剤研削媒体を使用して行われ得る。さらに、本明細書に記載されているエッジ成形および仕上げ加工のプロセスは、HF処理およびイオン交換処理などであるがこれらに限定されない化学的エッジ強化プロセスの代わりに、またはそれらと組み合わせて使用することができる。
【0081】
本開示の成形および仕上げ加工のプロセスは、ブラッシングおよび研磨材による成形および仕上げ加工によって、また、幾つかの実施形態では、機械的なエッジ研削を採用せずに、比較的高いエッジ強度要件を満たすか、またはそれを超える能力を提供することができる。従来の機械的なエッジ研削プロセスは、本開示のブラッシングプロセスを使用して実現され得る薄型基板のエッジ強度を実現できない場合がある。上述のように、最終的な化学強化の前の基板のエッジ強度は、本開示のブラッシングプロセスを使用して、150、200、250、300またはそれ以上のMPaまで達することができる。さらに、最終的な化学強化ステップを追加することで、仕上げ加工された製品のエッジ強度は、幾つかの実施形態では、500、700、800、900、または1000MPaまで達することができる。本開示の成形および仕上げ加工のプロセスは、従来の処理経路と比較して最大30%またはそれを超えるエッジ強度の増加を提供することができ、これによりまた薄型ガラス製品の冷間成形用途を可能にすることができる。さらに、基板の研磨されたエッジ表面と少ない欠陥とにより、サンプル部品の自動検査が可能になり得る。
【0082】
本開示の成形および仕上げ加工のプロセスはさらに、より効率的で費用対効果の高い製造を提供することができる。特に、数十または数百の基板を含む複数の基板が、各基板の間に配置されたインターポーザを備えてスタック状に配置され得る。基板のスタックは、本明細書に記載されているブラッシングプロセスを使用して一緒に成形および仕上げ加工され得る。したがって、処理時間は、部品あたり10分未満、5分未満、または3分未満に短縮され得る。さらに、本開示のプロセスは、従来の成形および仕上げ加工のプロセスと比較して、材料の廃棄物が少なくなり得る。特に、ブラシ研磨では、従来の研削プロセスで必要とされ得る量よりも少ない材料除去量で所望のエッジ形状および研磨を実現することができる。さらに、本開示のプロセスは、インク、デバイス、フィルムおよび/または他の加飾を適用した後に、基板上でエッジ成形および仕上げ加工することを可能にすることによって、処理効率の向上を提供することができる。エッジ成形および仕上げ加工の前に加飾を適用することによって、プロセス時間が劇的に短縮され得る。また、本開示の成形および仕上げ加工のプロセスは、従来の成形および仕上げ加工のプロセスで課題を提示し得るラミネート材料および化学強化材料の両方など、比較的多様な基板材料に適用することができるという点で、汎用性が高いと言うことができる。
【0083】
図12は、少なくとも幾つかの実施形態による、本開示の基板製造プロセス1202を、従来の基板製造プロセス1204と比較して示している。図12から理解され得るように、本開示の成形および仕上げ加工のプロセスは、成形および仕上げ加工の工程前に、ガラスまたは他の基板を化学的に強化することを可能にし、これにより、製造プロセスにおける時間および費用が削減され得る。さらに、機械的なエッジ研削を排除することによって、時間、費用、および作業時間も同様に削減され得る。
【0084】
以下は、本開示のエッジ成形および仕上げ加工のプロセスによって実現され得る幾つかの追加の利点である:
1.化学強化処理の効率を、個別に仕上げ加工された薄型ガラス部品としてではなく、完全なシートの形でガラスを処理することによって実現することができる。
【0085】
2.ナノパーフォレーションレーザカット、または他のレーザカットによる化学強化ガラスおよび/または合わせガラスのシンギュレーションおよびエッジ仕上げ加工を、非化学的に強化された基板を最後に切断する際に典型的には使用される熱分離ステップを排除することにより、より安価に、より多くの量で実現することができる。
【0086】
3.ニアネットシェイピング、エッジ仕上げ加工、およびイオン交換処理に起因し得る寸法誤差が大幅に減少するため、下流の加飾操作(例えば、スクリーン印刷)にとって重要な完成部品の厳密な寸法制御が確立される。
【0087】
4.レーザカット技術を、ニアネットシェイピングに活用することができる。特に、精密なレーザカットに伴う材料利用の向上が実現され得、最小限の材料除去を可能にする寸法精度が実現され得、最小限の材料除去を可能にする低い損傷深度が実現され得、化学的に強化された基板への容易な適用、ならびに溶融延伸ガラスラミネートおよび他のラミネートへの容易な適用が実現され得る。
【0088】
5.比較的高価なエッジ仕上げプラットフォーム(例えば、カットプラットフォーム、搬送、研削プラットフォーム)を、フットプリントのより小さいレーザカットツールと大幅に安価なブラシ研磨ツールとに置き換えることができる。例えば、従来の研削に伴う消耗品セット(例えば、研削用ホイール、ドレッシング材、カット用ホイール)が、比較的安価なブラシとインターポーザとに置き換えられ得る。
【0089】
6.ブラシの設計、インターポーザの設計、および/または戦略的な部品の積み重ねにより、基板に非対称なエッジを与えるように設計することができる。
【0090】
7.本明細書に記載されているプロセスは、加飾された基板の成形および仕上げ加工を可能にするので、成形および仕上げ加工の工程前に完全なシートで部品をより効率的に加飾することができる。さらに、基板はオーバーコートされ得、本明細書に記載されているブラッシング操作を使用して、完成したインクラインが形成および定義され得る。
【0091】
8.幾つかの実施形態では、本開示のプロセスは、1GPaまで、またはそれを超える機械的エッジ強度をもたらすことができ、これは、冷間成形用途に特に適している可能性がある。
【0092】
9.本開示の成形および仕上げ加工のプロセスは、セラミック、ガラス、シリコンおよび金属を含むがこれらに限定されない、様々な異なる基板材料に合わせて調整することができる。
【0093】
10.本開示のプロセスは、比較的安価で単純な研磨後の洗浄を提供することができ、これは、比較的安価なすすぎステップおよび/または超音波洗浄浴を含み得る。
【0094】
11.本明細書に記載されているプロセスは、特別な訓練を受けた検査員によって実施される目視検査の必要性を排除または低減することができる。
【0095】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているブラッシングプロセスによって作製または処理された基板は、基板のエッジ、ベベル、および/またはエッジに隣接する側面に、拡大して見える微細なブラシマークを備えた光学的品質のエッジを有し得る。さらに、基板は、エッジに隣接する側面に光学的品質の境界領域を有し得る。基板は、光学的品質のエッジ仕上げ加工によって覆い隠された、光学的に見える垂直ナノパーフォレーションエッジストライプを有し得る。さらに、印刷された加飾を備えた基板が本開示のブラッシングプロセスの対象となる場合、加飾のインクラインは、シャープな精細度を有する鮮明なものであり得、ギザギザまたは波状の形状がないものであり得る。本開示のブラッシングプロセスから生じる目に見えるブラシマークは、一実施形態によれば、図13A、13Bおよび13Cの顕微鏡写真画像で見ることができる。図13Aに示すように、ブラシライン1302は、完成した基板のエッジに付与され得、ブラシラインは、フィラメントが基板エッジ表面に接触した運動ラインに対して平行または実質的に平行であり得る。ブラシラインまたはマークは、互いに平行または実質的に平行に配置され得、また、基板エッジに沿って長手方向に配置されたラインに対して平行または実質的に平行に配置され得る。幾つかの実施形態では、ブラシラインまたはマークは、基板の厚さの約半分の長さを有し得る。幾つかの実施形態では、ブラシラインまたはマークは、2μm未満、1.5μm未満、または1μm未満の深さを有し得る。
【0096】
以下の段落では、本開示の製造プロセスの幾つかの例を提供するために、幾つかの実施形態が説明される。以下の実施形態は例として提供されるものであり、以下の実施形態に適用が限定されないことを理解されたい。
【0097】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、強化されていない薄型ガラス基板または他の強化されていない基板は、従来のピコ秒レーザカット(ナノパーフォレーションとそれに続く熱分離);クラック進展制御(CPC)ピコ秒レーザカット(ナノパーフォレーションとそれに続く熱分離);ピコ秒部分レーザカット(部分的ナノパーフォレーション)とそれに続く機械的分離;アブレイティブレーザカット(CO、ファイバレーザ)とそれに続く機械的分離;機械的なスコアリング、ブレイキング、およびエッジ研削、および/または機械的なスコアリングおよびブレイキングを含むがこれらに限定されない一連のニアネットシェイピング技術によって調製され得る。強化されていない薄型ガラス基板または他の強化されていない基板は、所望のエッジプロファイルに同時に成形され、かつ特徴的に残留損傷および欠陥分布が少なく、ひいては高い機械的エッジ強度を備えた高品質のエッジ仕上げに研磨されたエッジを有し得る。薄型基板と設計されたインターポーザとで交互に構成されたスタックを作製することができる。インターポーザを戦略的に位置決めすることで、研磨されるエッジが研磨媒体およびスラリーにさらされるのを制御することができる。採用されるインターポーザは、所望の機械的特性(相対的な寸法、エッジプロファイル、圧縮性、スティック・スリップ係数、熱膨張係数、耐摩耗性、静電容量)、化学的特性(耐研磨スラリー性、耐アルカリ性)、電気的特性(静電容量)、および磁性材料の特性を組み合わせて設計することができる。スタックは、単純な長時間の機械的圧縮により拘束されてもよい。エッジの露出が制御された薄型基板のエッジは、ブラシを制御された状態で薄型基板の設計されたスタックと接触させ、かつプログラムされた一連の動作運動で研磨スラリーの連続的な流れと接触するブラシ研磨プロセスに供することができる。ブラシは、様々なサイズ(例えば、3~5mm)、パターン(例えば、螺旋状、千鳥状、直線状)、およびブラシ密度の束または「タフト」で結び合わされた、直径が小さく(0.200mm以下)、様々な長さの設計されたフィラメントで構成された円筒形のブラシであってもよく、所定の線形速度または表面速度(10~1000rpm)で回転させてもよい。基板は、ニアネットシェイピングによる残留表面下損傷が2μm未満の特徴的な最大欠陥サイズに減少するまでブラシ研磨され得、所望のエッジプロファイルが与えられる。基板はさらに、別個のブラシを採用するように設計されたより微細な研磨スラリーを用いた後続のブラシ研磨ステップにより研磨され得、それによって残留表面下損傷がさらに低減される。このプロセスにより処理された薄型ガラス基板または他の基板は、機械的強度をさらに高めるために、成形および仕上げ加工の後に、続けて強化されてもよい。イオン交換可能な組成を有する薄型ガラス基板または他の基板は、成形および仕上げ加工の後に機械的エッジ強度を段階的に高めるために化学的に強化されてもよい。
【0098】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、強化もしくはラミネートされた薄型ガラス物品または他の基板は、上に挙げたものを含むがそれら限定されない一連のニアネットシェイピング技術によって調製され得る。強化もしくはラミネートされた薄型ガラス基板または他の基板は、本明細書に記載されているプロセスによって、所望のエッジプロファイルに同時に成形され、かつ特徴的に残留損傷および欠陥分布が少なく、ひいては高い機械的エッジ強度を備えた高品質のエッジ仕上げに研磨されたエッジを有し得る。
【0099】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、クラック進展制御(CPC)ピコ秒レーザカット(ナノパーフォレーションとそれに続く自発分離)を可能にするために基準が適用された完全なシートへの複数の部品のスクリーン印刷による加飾によって調製された、強化および加飾された薄型ガラス基板または他の基板が、本明細書に記載されているプロセスによって、所望のエッジプロファイルに同時に成形され、かつ特徴的に残留損傷および欠陥分布が少なく、ひいては高い機械的エッジ強度を備えた高品質のエッジ仕上げに研磨されたエッジを有し得る。
【0100】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、クラック進展制御(CPC)ピコ秒レーザカット(ナノパーフォレーションとそれに続く自発分離)を可能にするために基準が適用された完全なシートへの複数の部品のスクリーン印刷による加飾によって調製された、強化され、続けてオーバー加飾された薄型ガラス基板または他の基板が、本明細書に記載されているプロセスによって、所望のエッジプロファイルに同時に成形され、かつ特徴的に残留損傷および欠陥分布が少なく、ひいては高い機械的エッジ強度を備えた高品質のエッジ仕上げに研磨されたエッジを有し得る。表面のオーバー加飾の部分を研磨することによって同時に除去が可能となり、それによって既存の加飾を保持するだけではなく、加飾境界を形成するように、戦略的なインターポーザが基板間に位置決めされ得る。
【0101】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、薄型ガラス基板または他の基板の内部特徴のエッジが、同時に成形および仕上げ加工され得る。内部特徴は、強化されていないガラス、強化されたガラス、合わせガラス、強化および加飾されたガラス基板、または他の基板などの薄型ガラス部品に機械加工(機械的に成形、またはレーザアブレーション/レーザカット)されてもよい。内部特徴としては、穴、スロットおよび/または不規則な特徴、例えばキーホールおよび他の規則的もしくは不規則的な形状を挙げることができる。インターポーザは、対応する内部特徴を有するように構成され得る。内部特徴が内部エッジへのアクセスを可能にするように合わせられるように、基板と設計されたインターポーザとで交互に構成されたスタックを作製することができる。インターポーザを戦略的に位置決めすることで、研磨されるエッジが研磨媒体およびスラリーにさらされるのを制御することができる。インターポーザは、所望の機械的特性(相対的な寸法、エッジプロファイル、圧縮性、スティック・スリップ係数、熱膨張係数、耐摩耗性、静電容量)、化学的特性(耐研磨スラリー性、耐アルカリ性)、電気的特性(静電容量)、および磁性材料の特性を組み合わせて設計することができる。スタックは、単純な長時間の機械的圧縮により拘束されてもよい。エッジの露出が制御された薄型ガラスのエッジは、1つ以上のブラシを制御された状態でスタックと接触させ、ホーニング運動で内部特徴の開口に直径の小さなブラシを通過させるブラシ研磨プロセスに供することができる。ブラシは、様々なサイズ(例えば、3~5mm)、パターン(例えば、螺旋状、千鳥状または直線状)、およびブラシ密度の束または「タフト」で結び合わされた、直径が小さく(0.200mm以下)、様々な長さの設計されたフィラメントで構成された円筒形のブラシであってもよく、所定の速度(100~1000rpm)で回転させ、プログラムされた一連の動作運動で研磨スラリーの連続的な流れと接触させてもよい。基板の内部特徴は、ニアネットシェイピングによる残留表面下損傷が2μm未満の特徴的な最大欠陥サイズに減少するまで研磨され得、所望のエッジプロファイルが与えられる。内部特徴のエッジはさらに、別個のブラシを採用するように設計されたより微細な研磨スラリーを用いた後続のブラシ研磨ステップにより研磨され得、それによって残留表面下損傷がさらに低減される。この内部特徴は、ブラッシング後の機械的エッジ強度を段階的に高めるために、HFにさらされることで化学的に強化され得る。
【0102】
少なくとも1つの実施形態では、データストレージでの使用を目的としたガラスまたはアルミニウムディスク(例えば、ハードドライブストレージディスク)は、型成形または溶融成形され、次いでレーザでニアネットシェイプ化され得る。ディスクは、周縁エッジを有し得、さらに、中心の穴を取り囲む内部特徴のエッジを有し得る。周縁部および内部中心穴の両方のエッジは、周縁部および内部中心穴の両方のエッジが所望の形状、強度、平滑性および/または欠陥もしくは損傷の程度に成形および仕上げ加工されるまで、本開示のプロセスに従ってブラシ研磨され得る。
【0103】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、ライトガイドにおける入射光のコリメーションに使用されるものなどの入り組んだエッジ特徴が、本開示のブラッシングプロセスを使用して成形および仕上げ加工され得る。例えば、図11に示すようなものなどのコリメーション特徴を有する薄型ガラス製のライトガイドは、設計されたインターポーザと交互配置されてスタック部分を形成し得る。インターポーザは、コリメーション特徴がサポートされないように設計されてもよく、すなわち、インターポーザは、コリメーション特徴の手前で停止するような長さおよび幅を有していてもよい(これにより、研磨スラリーを、研磨のために到達するのが最も困難な領域に重力供給によって導くことが可能になり得る)。さらに、インターポーザは、仕上げ加工される基板の厚さの約0.1~0.5倍の厚さで、比較的薄く構成されていてもよい。インターポーザの長さおよび幅は、基板の長さおよび幅よりもわずかに小さくされ得ることで、概ね平坦なエッジプロファイルの成形を可能にしている。研磨されるコリメーション特徴と逆ジオメトリに形成または成形されたフィラメント束を有するブラシが、ライトガイド部品のコリメーション特徴と整列するように、円筒形のコアの円周上に直線状に配置され得る。このブラシを、遮られたコリメーション特徴のエッジに接触させることができ、これらのエッジがコリメーション特徴のウェルを含めて研磨され得る。
【0104】
薄型ガラス製のライトガイドなどの基板が、比較的壊れやすいか、または感応性であり得る側面にインプリントまたは堆積されたデバイス層を有する場合、デバイス層を保護するためにインターポーザ材料が選択され得る。例えば、適切なインターポーザは、1つ以上の軟質の圧縮可能な材料または材料層で構成され得る。インターポーザは、1つ以上の外側ライナー層を有し得る。インターポーザは、基板表面のデバイスを機械的に吸着して、かかるデバイスをスラリーの侵入から保護するだけでなく、圧縮による損傷からも保護するように構成され得る。一例として、インターポーザは、両側にプラスチックライナーが配置された、Marian Chicago, Inc.社製のHT6135シリコーンエラストマー材料であってもよいし、それを含んでいてもよい。さらに、ブラッシングのためにスタック状で配置される場合、基板はそれぞれ、感応性の特徴を有する側が下向きになるように配向させてもよい。各インターポーザの一方の面からプラスチックライナーを除去してもよく、プラスチックライナーを除去した軟質のエラストマー面を一方の基板の感応性のデバイス層に押し当て、インターポーザの他方の面(プラスチックライナーがインターポーザに付着した状態のままである)を隣接する基板の裏面に接触させるように、インターポーザを配向させてもよい。エラストマー材料は、基板のデバイス層に対してシールを形成し得、これは液体不透過性シールであり得る。幾つかの実施形態では、インターポーザは、下流のブラッシング後の処理中に所定の位置に留まってもよい。インターポーザは、感応性の特徴を有するガラス表面から容易に剥離され得る。
【0105】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、機械的スラリー粒子を使用して基板エッジが成形および仕上げ加工され得る。適切な機械的スラリーは、フジミインコーポレーテッド社が製造および販売しているDNDナノダイヤモンドスラリー製品ポートフォリオ(DIA-SOL HLの製品名およびブランドを含む)であってもよいし、それを含んでいてもよく、これらのスラリーは、濃縮(50ct/リットル(10kg/m))形態で、幅広い粒子サイズ(30nm~75μm)およびタイプ(破砕性、メタルボンド)で製造されている。他の適切な機械的スラリー粒子を追加的または代替的に使用してもよい。スラリーは、最大の効率を得るために最も濃縮された状態(例えば、50ct/リットル(10kg/m))で分配されるが、必要に応じて水での希釈を行ってもよい。機械的スラリー粒子は、ブラッシングの後、容易にきれいにすすぐことができる。
【0106】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、コロイダルシリカおよび促進剤(一般的にはKOHであるが、これに限定されない)を化学的/機械的なスラリーとして使用して、基板エッジが成形および仕上げ加工され得る。これは特にシリコン基板のエッジを成形および仕上げ加工するのに有用であり得る。コロイダルシリカ/KOH研磨スラリーの連続的な流れがブラッシング中に放出されてもよい。スラリーは、希釈形態(例えば、脱イオン水中の20:1のスラリー)で分配されてもよいが、他の希釈を使用してもよい。基板はさらに、より微細な化学的/機械的な研磨スラリー(例えば、フジミのGlanzox製品などの高希釈のアンモニア安定化コロイダルシリカ仕上げスラリー)を用いた後続のブラシ研磨ステップにより研磨されてもよい。
【0107】
本開示の少なくとも1つの実施形態では、転写可能なパターン(例えば、デカール)を有するインターポーザを使用してブラシ研磨を行い、スタックを拘束するために使用される圧力を使用してインターポーザ上のパターンを薄型ガラス基板の表面に同時に転写しながら、エッジ仕上げを行うことができる。例えば、基板とインターポーザとで交互に構成されたスタックを作製することができる。インターポーザを戦略的に位置決めすることで、研磨されるエッジが研磨媒体およびスラリーにさらされるのを制御することができる。インターポーザは、所望の機械的特性(相対的な寸法、エッジプロファイル、圧縮性、スティック・スリップ係数、熱膨張係数、耐摩耗性、静電容量)、化学的特性(耐研磨スラリー性、耐アルカリ性))、電気的特性(静電容量)、および/または磁性材料の特性を組み合わせて設計することができる。インターポーザはさらに、その上に配置され、かつ接触および圧力によって活性化するように構成された転写可能な加飾材料を有していてもよく、圧縮による拘束およびブラシ研磨の間に、所望の加飾パターンが研磨される基板に転写されるようになっている。スタックは、単純な長時間の機械的圧縮により拘束されてもよい。基板エッジは、様々なサイズ(例えば、3~5mm)、パターン(例えば、螺旋状、千鳥状、直線状)、および/またはブラシ密度の束または「タフト」で結び合わされた、直径が小さく(0.200mm以下)、様々な長さの設計されたフィラメントで構成された円筒形のブラシを、所定の速度(10~1000rpm)で回転させ、プログラムされた一連の動作運動で研磨スラリーの連続的な流れと接触させるブラシ研磨プロセスに供することができる。フィラメントは、設計された基板のスタックと制御された状態で接触させることができる。基板は、ニアネットシェイピングによる残留表面下損傷が2μm未満の特徴的な最大欠陥サイズに減少するまで研磨され得、所望のエッジプロファイルが与えられる。基板はさらに、別個のブラシを採用するように設計されたより微細な研磨スラリーを用いた後続のブラシ研磨ステップにより研磨され得、それによって残留表面下損傷がさらに低減される。基板はさらに、HFおよび/またはイオン交換にさらされることで化学的に強化され得る。
【0108】
少なくとも1つの実施形態では、本開示のブラッシングプロセスは、従来の研磨操作と比較して、研磨サイクル時間の短縮を提供することができる。例えば、ブラシは、基板の角部または他のエッジ特徴に研磨圧力および/または時間を意図的に滞留させることなく、基板スタックのエッジに沿ってスムーズな極性研磨運動を有するように操作されてもよい。このようにして、本開示のブラシは、一定またはほぼ一定の線形速度(例えば、5~100mm/分、または他の適切な速度)で、基板の周縁エッジに沿って連続的に移動させてもよい。従来のブラッシング操作に典型的な、角部または他の特徴の滞留または丸み付けの操作がなくても、本開示のブラシ研磨操作は、低減された工程サイクル時間で行われ得ることを理解されたい。かかるコンパクトな極性研磨工程は、比較的高い解像度を実現するために繰り返されてもよい。
【0109】
少なくとも1つの実施形態では、本開示のインターポーザは、1つ以上の磁気的に活性な材料であってもよいし、それを含んでいてもよい。さらに、幾つかの実施形態では、スタック部分の各端部に配置されたエンドキャップまたはチャックが、静電力を提供するように構成されていてもよい。静電エンドキャップと磁気インターポーザとを一緒に、ブラシ処理中にインターポーザと基板とのアラインメントを維持するように操作してもよい。幾つかの実施形態では、これを使用して、スタックに加えられる圧縮力の代わりに、またはそれに加えて、アラインメントを維持することができる。
【0110】
本開示の態様(1)は、研磨されたエッジを備えた基板であって、少なくとも700MPaの機械的エッジ強度と、2μm以下のサイズのエッジ欠陥とを含む、基板に関する。
【0111】
本開示の態様(2)は、研磨されたエッジが、実質的に平行な配置でエッジ上に配置された複数のブラシマークを含み、ブラシマークは、ブラシ研磨プロセスによって付与されている、態様(1)記載の基板に関する。
【0112】
本開示の態様(3)は、ブラシマークが、研磨されたエッジの長手方向軸線に対して平行に配置されている、態様(2)記載の基板に関する。
【0113】
本開示の態様(4)は、基板が、約0.01mm~約6.0mmの厚さを含む、態様(1)から(3)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0114】
本開示の態様(5)は、基板が、少なくとも1Gpaの機械的エッジ強度を含む、態様(1)から(4)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0115】
本開示の態様(6)は、基板が、面取り形またはアール形のエッジプロファイルを含む、態様(1)から(5)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0116】
本開示の態様(7)は、基板が、方形、ブルノーズ形、または面取り形のエッジプロファイルを含む、態様(1)から(5)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0117】
本開示の態様(8)は、基板が、対称的なエッジプロファイルを含む、態様(1)から(7)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0118】
本開示の態様(9)は、基板が、非対称的なエッジプロファイルを含む、態様(1)から(7)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0119】
本開示の態様(10)は、非対称的なエッジプロファイルが、面取り形の表面およびアール形の表面を含む、態様(8)記載の基板に関する。
【0120】
本開示の態様(11)は、エッジプロファイルが、面取り形の表面およびアール形の表面を含む、態様(9)記載の基板に関する。
【0121】
本開示の態様(12)は、研磨されたエッジが、エッジから横方向に延びる複数の成形された突出部を有する、態様(1)から(11)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0122】
本開示の態様(13)は、各突出部が、第1のテーパ状の側壁および第2のテーパ状の側壁を有する、態様(12)記載の基板に関する。
【0123】
本開示の態様(14)は、基板が、約1nm~約10nmのエッジ平均粗さを含む、態様(1)から(13)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0124】
本開示の態様(15)は、基板が、約2nm~約20nmのエッジ二乗平均平方根粗さを含む、態様(1)から(14)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0125】
本開示の態様(16)は、基板が、約5nm~約500nmのエッジ粗さのピーク・トゥー・バレー測定値を含む、態様(1)から(15)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0126】
本開示の態様(17)は、基板が、強化されたガラス、強化されていないガラス、スチールラミネート、セラミック基板、またはシリコン基板を含む、態様(1)から(16)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0127】
本開示の態様(18)は、基板が、基板の表面に配置された電子デバイス層を含む、態様(1)から(17)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0128】
本開示の態様(19)は、基板が、基板の表面に配置されたインク層を含む、態様(1)から(18)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0129】
本開示の態様(20)は、インク層のエッジがブラシ研磨されている、態様(19)記載の基板に関する。
【0130】
本開示の態様(21)は、基板が、化学的に強化されたガラスを含む強化されたガラス、またはガラスラミネートである、態様(1)から(20)までのいずれか1つ記載の基板に関する。
【0131】
本開示の態様(22)は、基板のエッジ表面を同時に成形および仕上げ加工する方法であって、第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間にニアネットシェイプ化された基板を配置するステップと、基板およびインターポーザに圧縮力を加えるステップと、ブラシを使用して基板のエッジ表面を同時に成形および研磨するステップとを含み、各インターポーザデバイスが、基板の所望のエッジプロファイル形状を実現するためにブラシをガイドするように構成されたサイズおよびエッジプロファイルを含む、方法に関する。
【0132】
本開示の態様(23)は、基板のエッジ表面を同時に成形および研磨するステップが、基板のエッジ表面を回転ブラシおよび研磨スラリーでブラッシングするステップを含む、態様(22)の方法に関する。
【0133】
本開示の態様(24)は、研磨スラリーが、0.3~15.0μmの範囲の粒径の酸化セリウムおよび30nm~100μmの範囲の砥粒サイズを有する機械的研磨剤スラリーのうちの少なくとも一方を含む、態様(23)記載の方法に関する。
【0134】
本開示の態様(25)は、研磨スラリーが、pH6~11の範囲のアルカリ度を含む、態様(22)から(24)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0135】
本開示の態様(26)は、ブラシが、0.2mm以下の直径をそれぞれ有する複数のフィラメントを含む、態様(22)から(25)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0136】
本開示の態様(27)は、各インターポーザデバイスが、基板の厚さの0.01倍~10倍の厚さを含む、態様(22)から(26)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0137】
本開示の態様(28)は、基板のエッジ表面を同時に成形および研磨するステップが、基板のエッジ表面を面取りおよび研磨するステップを含む、態様(22)から(27)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0138】
本開示の態様(29)は、各インターポーザデバイスと基板との間に液体不透過性シールが形成されている、態様(22)から(28)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0139】
本開示の態様(30)は、基板が、強化されたガラス、強化されていないガラス、スチールラミネート、セラミック基板、またはシリコン基板を含む、態様(22)から(29)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0140】
本開示の態様(31)は、第1のインターポーザが、第1のサイズを有し、第2のインターポーザが、第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有する、態様(22)から(30)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0141】
本開示の態様(32)は、レーザエッジ面取りプロセスを使用して、基板をニアネットシェイプ化するステップをさらに含む、態様(22)から(31)までのいずれか1つ記載の方法に関する。
【0142】
本開示の態様(33)は、基板のエッジ表面で行われるブラッシング操作中に、隣接するニアネットシェイプ化された基板を分離するためのインターポーザであって、基板の周縁形状と合わせられるように構成された周縁形状と、基板の厚さの0.01倍~10倍の厚さと、基板の所望のエッジプロファイルに対応するエッジプロファイルと、基板の所望のエッジプロファイルに対応する幅とを含む、インターポーザに関する。
【0143】
本開示の態様(34)は、インターポーザの開口を通して配置されたグロメットをさらに含み、グロメットが、インターポーザと、隣接する基板との間の摩擦を増加させるように構成されている、態様(33)記載のインターポーザに関する。
【0144】
本開示の態様(35)は、インターポーザが、基板の内部エッジをブラッシングするために、基板の開口と合わせられるように構成された開口を含む、態様(33)または(34)記載のインターポーザに関する。
【0145】
本明細書で使用される場合、「実質的に」または「一般的に」という用語は、作用、特徴、性質、状態、構造、項目、または結果の完全なもしくはほぼ完全な範囲または程度を指す。例えば、「実質的に」または「一般的に」密閉されている物体は、完全に密閉されているか、またはほぼ完全に密閉されているかのいずれかであることを意味する。絶対的な完全性からの正確な許容可能な逸脱の程度は、特定の状況に依存する場合があり得る。しかしながら、一般的に言えば、完全に近いとは、絶対的および全体的な完全が得られた場合と、全体的な結果が概ね同じようなものになるであろう。「実質的に」または「一般的に」の使用は、作用、特徴、性質、状態、構造、項目、または結果の完全なもしくはほぼ完全な欠如を指す否定的な意味合いで使用される場合にも同様に適用され得る。例えば、ある要素を「実質的に含まない」または「一般的に含まない」要素、組み合わせ、実施形態、または組成物は、一般的にその有意な効果がない限り、実際にかかる要素を依然として含み得る。
【0146】
特許庁および本出願に基づいて発行された特許の読者の全てが本明細書に添付の特許請求の範囲を解釈する際に役立つように、出願人は、「~のための手段」または「~のステップ」という文言が特定の請求項で明示的に使用されていない限り、添付の特許請求の範囲または請求項の要素のいずれも米国特許法第112条(f)を引き合いに出すことを意図していないことに留意されたい。
【0147】
さらに、本明細書で使用される場合、「[X]および[Y]のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、XおよびYが本開示の実施形態に含まれ得る異なる構成要素である場合、実施形態は構成要素Xを構成要素Yなしで含むことができ、実施形態は構成要素Yを構成要素Xなしで含むことができ、または実施形態は構成要素XおよびYの両方を含むことができることを意味する。同様に、「[X]、[Y]、および[Z]のうちの少なくとも1つ」などの、3つ以上の構成要素に関して使用される場合、このフレーズは、実施形態が3つ以上の構成要素のうちのいずれか1つ、構成要素のいずれかの組み合わせまたは部分的組み合わせ、または構成要素の全てを含むことができることを意味する。
【0148】
前述の説明では、本開示の様々な実施形態が、例示および説明の目的で提示されてきた。それらは、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図したものではない。上記の教示に照らして、明らかな修正または変形が可能である。様々な実施形態は、本開示の原理およびその実際的な適用の最良の説明を提供し、当業者が、企図された特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態を利用できるようにするために選択され、説明された。かかる全ての修正および変形は、添付の特許請求の範囲が公正に、法的に、そして公平に権利を与えられている範囲に従って解釈される場合、それらによって決定されるように本開示の範囲内である。
【0149】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0150】
実施形態1
研磨されたエッジを備えた基板であって、
少なくとも700MPaの機械的エッジ強度と、
2μm以下のサイズのエッジ欠陥と
を含む、基板。
【0151】
実施形態2
前記研磨されたエッジが、実質的に平行な配置で前記エッジ上に配置された複数のブラシマークを含み、前記ブラシマークは、ブラシ研磨プロセスによって付与されている、実施形態1記載の基板。
【0152】
実施形態3
前記ブラシマークが、前記研磨されたエッジの長手方向軸線に対して平行に配置されている、実施形態2記載の基板。
【0153】
実施形態4
前記基板が、約0.01mm~約6.0mmの厚さを含む、実施形態1から3までのいずれか1つ記載の基板。
【0154】
実施形態5
前記基板が、少なくとも1Gpaの機械的エッジ強度を含む、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の基板。
【0155】
実施形態6
前記基板が、面取り形またはアール形のエッジプロファイルを含む、実施形態1から5までのいずれか1つ記載の基板。
【0156】
実施形態7
前記基板が、方形、ブルノーズ形、または面取り形のエッジプロファイルを含む、実施形態1から5までのいずれか1つ記載の基板。
【0157】
実施形態8
前記基板が、対称的なエッジプロファイルを含む、実施形態1から7までのいずれか1つ記載の基板。
【0158】
実施形態9
前記基板が、非対称的なエッジプロファイルを含む、実施形態1から7までのいずれか1つ記載の基板。
【0159】
実施形態10
前記非対称的なエッジプロファイルが、面取り形の表面およびアール形の表面を含む、実施形態8記載の基板。
【0160】
実施形態11
前記エッジプロファイルが、面取り形の表面およびアール形の表面を含む、実施形態9記載の基板。
【0161】
実施形態12
前記研磨されたエッジが、前記エッジから横方向に延びる複数の成形された突出部を有する、実施形態1から11までのいずれか1つ記載の基板。
【0162】
実施形態13
各突出部が、第1のテーパ状の側壁および第2のテーパ状の側壁を有する、実施形態12記載の基板。
【0163】
実施形態14
前記基板が、約1nm~約10nmのエッジ平均粗さを含む、実施形態1から13までのいずれか1つ記載の基板。
【0164】
実施形態15
前記基板が、約2nm~約20nmのエッジ二乗平均平方根粗さを含む、実施形態1から14までのいずれか1つ記載の基板。
【0165】
実施形態16
前記基板が、約5nm~約500nmのエッジ粗さのピーク・トゥー・バレー測定値を含む、実施形態1から15までのいずれか1つ記載の基板。
【0166】
実施形態17
前記基板が、強化されたガラス、強化されていないガラス、スチールラミネート、セラミック基板、またはシリコン基板を含む、実施形態1から16までのいずれか1つ記載の基板。
【0167】
実施形態18
前記基板が、前記基板の表面に配置された電子デバイス層を含む、実施形態1から17までのいずれか1つ記載の基板。
【0168】
実施形態19
前記基板が、前記基板の表面に配置されたインク層を含む、実施形態1から18までのいずれか1つ記載の基板。
【0169】
実施形態20
前記インク層のエッジがブラシ研磨されている、実施形態19記載の基板。
【0170】
実施形態21
前記基板が、化学的に強化されたガラスを含む強化されたガラス、またはガラスラミネートである、実施形態1から20までのいずれか1つ記載の基板。
【0171】
実施形態22
基板のエッジ表面を同時に成形および仕上げ加工する方法であって、
第1のインターポーザと第2のインターポーザとの間にニアネットシェイプ化された基板を配置するステップと、
前記基板および前記インターポーザに圧縮力を加えるステップと、
ブラシを使用して前記基板のエッジ表面を同時に成形および研磨するステップと
を含み、
各インターポーザデバイスが、前記基板の所望のエッジプロファイル形状を実現するために前記ブラシをガイドするように構成されたサイズおよびエッジプロファイルを含む、
方法。
【0172】
実施形態23
前記基板の前記エッジ表面を同時に成形および研磨するステップが、前記基板の前記エッジ表面を回転ブラシおよび研磨スラリーでブラッシングするステップを含む、実施形態22記載の方法。
【0173】
実施形態24
前記研磨スラリーが、0.3~15.0μmの範囲の粒径の酸化セリウムおよび30nm~100μmの範囲の砥粒サイズを有する機械的研磨剤スラリーのうちの少なくとも一方を含む、実施形態23記載の方法。
【0174】
実施形態25
前記研磨スラリーが、pH6~11の範囲のアルカリ度を含む、実施形態22から24までのいずれか1つ記載の方法。
【0175】
実施形態26
前記ブラシが、0.2mm以下の直径をそれぞれ有する複数のフィラメントを含む、実施形態22から25までのいずれか1つ記載の方法。
【0176】
実施形態27
各インターポーザデバイスが、前記基板の厚さの0.01倍~10倍の厚さを含む、実施形態22から26までのいずれか1つ記載の方法。
【0177】
実施形態28
前記基板の前記エッジ表面を同時に成形および研磨するステップが、前記基板の前記エッジ表面を面取りおよび研磨するステップを含む、実施形態22から27までのいずれか1つ記載の方法。
【0178】
実施形態29
各インターポーザデバイスと前記基板との間に液体不透過性シールが形成されている、実施形態22から28までのいずれか1つ記載の方法。
【0179】
実施形態30
前記基板が、強化されたガラス、強化されていないガラス、スチールラミネート、セラミック基板、またはシリコン基板を含む、実施形態22から29までのいずれか1つ記載の方法。
【0180】
実施形態31
前記第1のインターポーザが、第1のサイズを有し、前記第2のインターポーザが、前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有する、実施形態22から30までのいずれか1つ記載の方法。
【0181】
実施形態32
レーザエッジ面取りプロセスを使用して、前記基板をニアネットシェイプ化するステップをさらに含む、実施形態22から31までのいずれか1つ記載の方法。
【0182】
実施形態33
前記基板の前記エッジ表面で行われるブラッシング操作中に、隣接するニアネットシェイプ化された基板を分離するためのインターポーザであって、
前記基板の周縁形状と合わせられるように構成された周縁形状と、
前記基板の厚さの0.01倍~10倍の厚さと、
前記基板の所望のエッジプロファイルに対応するエッジプロファイルと、
前記基板の所望のエッジプロファイルに対応する幅と
を含む、インターポーザ。
【0183】
実施形態34
前記インターポーザの開口を通して配置されたグロメットをさらに含み、前記グロメットが、前記インターポーザと、隣接する基板との間の摩擦を増加させるように構成されている、実施形態33記載のインターポーザ。
【0184】
実施形態35
前記インターポーザが、前記基板の内部エッジをブラッシングするために、前記基板の開口と合わせられるように構成された開口を含む、実施形態33または34記載のインターポーザ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】