(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】自動カテーテル装置及び自動胸腔チューブ装置及び関連システム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20220809BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20220809BHJP
【FI】
A61M1/00 160
A61M1/00 130
A61M25/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573720
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2020036640
(87)【国際公開番号】W WO2020251893
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521541550
【氏名又は名称】テセフィ イノベーションズ, インク.
【氏名又は名称原語表記】TESSEFI INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】キーレン,メネシャ
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077AA18
4C077AA19
4C077DD12
4C077DD19
4C077EE04
4C077HH06
4C077HH15
4C077KK25
4C267AA09
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB26
4C267BB27
4C267CC26
4C267CC30
(57)【要約】
自動カテーテルシステム及び装置、並びに自動胸腔チューブシステム及び装置である。幾つかの実施形態では、本開示の自動(又はスマート)カテーテル及び自動(又はスマート)胸腔チューブは、液体を収集する1つ以上の収集リザーバを収容するハウジングと、膀胱、胸腔、又は他のしかるべき身体領域から液体を徐々に排出させる為に使用される可撓チューブと、可撓チューブを通って流れて収集リザーバに入る液体の量を測定する測定装置と、を含む。幾つかの実施形態では、本開示のスマートカテーテル及びスマート胸腔チューブは、リザーバに収集された液体の体積及び他の特性に関するデータを送信及び受信すること、並びに様々な機能を実施する為のコマンドを受信することの為に、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の送信器、及び1つ以上の受信器を含む。液体の体積が特定の所定閾値を超えたら又は超えなかったら、アラームがトリガされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部に開口部を有する可撓チューブと、
反対側の第2の端部にある排液ポートと、
前記第1の端部の、前記開口部の近くにある膨張式バルーンと、
前記第2の端部の、前記排液ポートの近くにあるバルーンポートと、
測定装置であって、1つ以上のセンサを含み、前記可撓チューブと一体化されているか前記可撓チューブに取り付けられ、前記可撓チューブを通って流れる液体の量を測定するように構成された前記測定装置と、
を含むスマートカテーテル。
【請求項2】
前記スマートカテーテルは、患者の膀胱から尿を徐々に排出させるように構成されており、前記測定装置は流量メータセンサである、請求項1に記載のスマートカテーテル。
【請求項3】
前記排液ポートは、1つ以上の収集リザーバに接続するか他の方法で取り付けられるように構成されており、
前記スマートカテーテルは、前記1つ以上の収集リザーバ内に尿を堆積させるように構成されている、
請求項2に記載のスマートカテーテル。
【請求項4】
前記流量メータセンサは、前記1つ以上の収集リザーバ内に堆積した尿の量を測定するように構成されている、請求項3に記載のスマートカテーテル。
【請求項5】
前記可撓チューブは、前記可撓チューブの長さ方向に延びる2つの別々のチャネル又は管腔を含み、第1の管腔は、両端が解放されていて、前記第1の端部にある前記開口部を前記第2の端部にある前記排液ポートにつないでおり、前記第2の管腔は前記膨張式バルーンを前記バルーンポートにつないでいる、請求項1に記載のスマートカテーテル。
【請求項6】
前記測定装置は、前記可撓チューブの任意の適切な場所に組み込まれているか、且つ/又は前記可撓チューブの長さに沿った任意の適切な場所にある、請求項1に記載のスマートカテーテル。
【請求項7】
前記スマートカテーテルは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上の送信器と、1つ以上の受信器と、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上の送信器又は前記1つ以上の受信器を介して、前記スマートカテーテルと通信している1つ以上のコンピューティング装置にデータを送信し、前記1つ以上のコンピューティング装置からデータを受信するように構成されている、
請求項1に記載のスマートカテーテル。
【請求項8】
前記送信データは尿流量データを含み、
前記1つ以上のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つが前記尿流量データを保管及び監視するように構成されており、
前記1つ以上のプロセッサ及び前記少なくとも1つのコンピューティング装置は、前記スマートカテーテルの1つ以上の収集リザーバ内に堆積した尿の量を監視するように構成されており、
前記1つ以上のプロセッサは、前記スマートカテーテルの前記1つ以上の収集リザーバのうちの少なくとも1つが1つ以上の閾値に達した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている、
請求項7に記載のスマートカテーテル。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、前記スマートカテーテルの機能不良が発生した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている、請求項7に記載のスマートカテーテル。
【請求項10】
前記スマートカテーテルの構成要素は、ディスプレイスクリーンを含むエンクロージャに収容されており、
前記ディスプレイスクリーンは、前記スマートカテーテルの1つ以上の収集リザーバの充填水位を表示するように構成されている、
請求項1に記載のスマートカテーテル。
【請求項11】
前記エンクロージャは更に、透明又は不透明のドアを含み、
前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、透明又は不透明である、
請求項1~10のいずれか一項に記載のスマートカテーテル。
【請求項12】
前記収集リザーバのうちの1つ以上が、完全溶解固体物質メータ、及び/又は液体の色又は色合いを検出及び測定するように構成された色センサを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のスマートカテーテル。
【請求項13】
前記収集リザーバのうちの1つ以上が、前記1つ以上の収集リザーバを前記スマートカテーテルに接続するクイック接続ポートを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のスマートカテーテル。
【請求項14】
前記スマートカテーテルは、前記スマートカテーテルから第1の収集リザーバが取り外されたときに、第2の収集リザーバを選択して、前記第2の収集リザーバへの尿の排出を開始させることを自動で行うように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のスマートカテーテル。
【請求項15】
前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、それぞれの収集リザーバの様々な構成要素に電力を供給することと、前記1つ以上のプロセッサを前記それぞれの収集リザーバの前記様々な構成要素に接続することと、を行うように構成された電気接続を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のスマートカテーテル。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のスマートカテーテルと、
外部装置であって、タブレット、コンピュータ、電話、スマートウオッチ、オーディオ装置、又はディスプレイ装置を含む前記外部装置と、
を含むスマートカテーテルシステム。
【請求項17】
前記システムは更に、
電源、1つ以上のプロセッサ、メモリ、受信器又は送信器、ディスプレイ、加速度計、スピーカ、及び/又は触感信号装置
を含み、
前記スマートカテーテル、前記電源、前記1つ以上のプロセッサ、前記メモリ、前記受信器又は送信器、前記ディスプレイ、前記加速度計、前記スピーカ、又は前記触感信号装置は互いに相互接続されている、
請求項16に記載のスマートカテーテルシステム。
【請求項18】
前記ディスプレイは、前記患者及び/又は前記スマートカテーテルの情報を表示するように構成されている、請求項16~17のいずれか一項に記載のスマートカテーテルシステム。
【請求項19】
前記ディスプレイは、前記患者の識別情報、及び前記患者の尿に関する情報を表示するように構成されており、
前記ディスプレイは、前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれの容量の情報、或いは警告又はエラーメッセージを表示するように構成されている、
請求項16~18のいずれか一項に記載のスマートカテーテルシステム。
【請求項20】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を含み、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体の形で実施されて、測定装置から電気信号を受け取ることと、前記電気信号を処理して、測定された体積に関するデータを計算することと、前記データを前記電子ディスプレイ、前記スピーカ、前記触感信号装置、又は前記外部装置に中継することと、を含む各ステップを実施する、請求項16~19のいずれか一項に記載のスマートカテーテルシステム。
【請求項21】
前記スマートカテーテルシステムは、患者から生成された尿又は他の体液の体積を30分おき又は1時間おきに測定及び計算するように構成されており、前記計算された体積はコンピュータで処理されて電子カルテ記入システムに入力される、請求項16~20のいずれか一項に記載のスマートカテーテルシステム。
【請求項22】
前記スマートカテーテルシステムは、患者から生成された尿又は他の体液の体積を測定及び計算し、尿及び/又は他の体液の前記体積が所定閾値を上回るか且つ/又は下回る場合にはアラームを活性化させるように構成されている、請求項16~21のいずれか一項に記載のスマートカテーテルシステム。
【請求項23】
前記スマートカテーテル及び/又はスマートカテーテルシステムは胸腔チューブとして構成されている、請求項1~22のいずれか一項に記載のスマートカテーテル又はスマートカテーテルシステム。
【請求項24】
第1の端部に開口部を有する可撓チューブと、
反対側の第2の端部にある排液ポートと、
測定装置であって、1つ以上のセンサを含み、前記可撓チューブと一体化されているか前記可撓チューブに取り付けられ、前記可撓チューブを通って流れる液体の量を測定するように構成された前記測定装置と、
を含むスマート胸腔チューブ。
【請求項25】
前記胸腔チューブは、患者の胸腔から空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を徐々に排出させるように構成されており、前記測定装置は液体流量メータセンサである、請求項24に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項26】
前記排液ポートは、1つ以上の収集リザーバに接続するか他の方法で取り付けられるように構成されており、
前記スマート胸腔チューブは、前記1つ以上の収集リザーバ内に空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を堆積させるように構成されている、
請求項25に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項27】
前記流量メータセンサは、前記1つ以上の収集リザーバ内に堆積した空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の量を測定するように構成されている、請求項26に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項28】
前記測定装置は、前記可撓チューブの任意の適切な場所に組み込まれているか、且つ/又は前記可撓チューブの長さに沿った任意の適切な場所にある、請求項24に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項29】
前記スマート胸腔チューブは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上の送信器と、1つ以上の受信器と、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上の送信器又は前記1つ以上の受信器を介して、前記スマート胸腔チューブと通信している1つ以上のコンピューティング装置にデータを送信し、前記1つ以上のコンピューティング装置からデータを受信するように構成されている、
請求項24に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項30】
前記送信データは、前記可撓チューブを通って流れて前記測定装置で測定された空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿に関する流量データを含み、
前記1つ以上のコンピューティング装置のうちの少なくとも1つが前記流量データを保管及び監視するように構成されており、
前記1つ以上のプロセッサ及び前記少なくとも1つのコンピューティング装置は、前記スマート胸腔チューブの1つ以上の収集リザーバ内に堆積した空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の量を監視するように構成されており、
前記1つ以上のプロセッサは、前記スマート胸腔チューブの前記1つ以上の収集リザーバのうちの少なくとも1つが1つ以上の閾値に達した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている、
請求項29に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項31】
前記1つ以上のプロセッサは、前記スマート胸腔チューブの機能不良が発生した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている、請求項30に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項32】
前記スマート胸腔チューブの構成要素は、ディスプレイスクリーンを含むエンクロージャに収容されており、
前記ディスプレイスクリーンは、前記スマート胸腔チューブの1つ以上の収集リザーバの充填水位を表示するように構成されている
請求項24に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項33】
前記エンクロージャは更に、透明又は不透明のドアを含み、
前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、透明又は不透明である、
請求項24~32のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項34】
前記胸腔チューブは、患者から生成された空気又は体液の体積を測定及び計算し、空気又は体液の前記体積が1つ以上の所定閾値を上回るか下回る場合にはアラームを活性化させるように構成されている、請求項24に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項35】
前記収集リザーバのうちの1つ以上が、完全溶解固体物質メータ、及び/又は液体の色又は色合いを検出及び測定するように構成された色センサを含む、請求項24~34のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項36】
前記収集リザーバのうちの1つ以上が、前記1つ以上の収集リザーバを前記スマート胸腔チューブに接続するクイック接続ポートを含む、請求項24~35のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項37】
前記スマート胸腔チューブは、前記スマート胸腔チューブから第1の収集リザーバが取り外されたときに、第2の収集リザーバを選択して、前記第2の収集リザーバへの体液の排出を開始させることを自動で行うように構成されている、請求項24~36のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項38】
前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、それぞれの収集リザーバの様々な構成要素に電力を供給することと、前記1つ以上のプロセッサを前記それぞれの収集リザーバの前記様々な構成要素に接続することと、を行うように構成された電気接続を含む、請求項24~37のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブ。
【請求項39】
スマート胸腔チューブシステムであって、
請求項24~38のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブと、
外部装置であって、タブレット、コンピュータ、電話、スマートウオッチ、オーディオ装置、又はディスプレイ装置を含む前記外部装置と、
を含むシステム。
【請求項40】
前記システムは更に、
電源、1つ以上のプロセッサ、メモリ、受信器又は送信器、ディスプレイ、加速度計、スピーカ、及び/又は触感信号装置
を含み、
前記電源、前記1つ以上のプロセッサ、前記メモリ、前記受信器又は送信器、前記ディスプレイ、前記加速度計、前記スピーカ、又は前記触感信号装置は互いに相互接続されている、
請求項39に記載のスマート胸腔チューブシステム。
【請求項41】
前記ディスプレイは、前記患者及び/又は前記スマートカテーテルの情報を表示するように構成されている、請求項39~40のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブシステム。
【請求項42】
前記ディスプレイは、前記患者の識別情報、及び前記患者の尿に関する情報を表示するように構成されており、
前記ディスプレイは、前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれの容量の情報、或いは警告又はエラーメッセージを表示するように構成されている、
請求項39~41のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブシステム。
【請求項43】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を含み、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体の形で実施されて、測定装置から電気信号を受け取ることと、前記電気信号を処理して、測定された体積に関するデータを計算することと、前記データを前記電子ディスプレイ、前記スピーカ、前記触感信号装置、又は前記外部装置に中継することと、を含む各ステップを実施する、請求項39~42のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブシステム。
【請求項44】
前記スマート胸腔チューブシステムは、患者から生成された空気又は体液の体積を30分おき又は1時間おきに測定及び計算するように構成されており、前記計算された体積はコンピュータで処理されて電子カルテ記入システムに入力される、請求項39~43のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブシステム。
【請求項45】
前記胸腔チューブシステムは、患者から生成された空気又は体液の体積を測定及び計算し、空気又は体液の前記体積が所定閾値を上回るか且つ/又は下回る場合にはアラームを活性化させるように構成されている、請求項39~44のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/861,169号、並びに2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/861,165号の優先権を主張するものである。
【0002】
本明細書の対象は、全般的には、カテーテル、胸腔チューブ、及び関連装置の分野に関する。本明細書の対象は、特に、尿道カテーテル及び胸腔チューブを含む自動カテーテル装置及び関連システムに関する。
【背景技術】
【0003】
病院や医療施設に入院している患者の尿の収集には現代的な医療カテーテル、特にフォーリーカテーテルが使用される。しかしながら、カテーテルで収集される尿の量は自動的には計算されず、そのデータをコンピュータで電子的に利用することができない。その為、尿排出量の測定又は観測は手動で行わなければならず、そのデータは、時間があるときに手動でカルテ記入又は記録される。これは患者にとっては好ましくない場合がある。もしも看護師、看護助手、技術者、又は他の医療専門家が定期的な排出量のカルテ記入をし忘れたら、医療提供者は尿排出量がゼロだったと見なすことになるからである。誤差に関しては様々な可能性があり、例えば、尿がこぼれたり、測定が正確さや厳密さを欠いたりする可能性があり、これらに限定されない。これは、適切な医療ケアを提供する上で非常に重要なことである。例えば、患者が尿崩症等の診断で入院している場合には、尿排出量の記録及び利用が適切かどうかが生死に関わる問題になりうる。
【0004】
同じように、病院や医療施設に入院している患者、及び/又は別の形で医療ケア下にある患者の胸腔から空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を収集する為に胸腔チューブが使用される。しかしながら、胸腔チューブで収集される空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の量は自動的には計算されず、そのデータをコンピュータで電子的に利用することができない。その為、空気又は液体の排出量の測定又は観測は手動で行わなければならず、そのデータは、時間があるときに手動でカルテ記入又は記録される。上述の尿道カテーテルの問題と同様に、もしも看護師又は他の専門家が、患者から収集された定期的な空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿をカルテ記入し損なったら、医療提供者は排出量がゼロだったと見なすことになるからである。これらのタイプのカルテ記入は、適切な治療を受ける上で非常に重要であり、カテーテルの場合と全く同様に、誤差の潜在的重要性は生死に関わる可能性がある。例えば、患者が特定の症状で入院している場合には、空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の排出量の記録及び利用が適切かどうかが生死に関わる問題になりうる。
【0005】
そこで必要とされるのが、結果をリアルタイムで出力する自動システム、或いは、医療従事者の作業を最小限又はゼロとして、尿排出量、及び/又は空気、液体、胸水、血液、乳糜、及び/又は膿の排出量を収集、測定、及び/又は記録する装置である。本明細書に記載の装置及びシステムは、そのような必要に応える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、スマートカテーテル装置及びシステム、並びにスマート胸腔チューブ装置及びシステムが提供される。一態様ではスマートカテーテルが提供され、スマートカテーテルは、第1の端部に開口部を有する可撓チューブと、反対側の第2の端部にある排液ポートと、第1の端部の、開口部の近くにある膨張式バルーンと、第2の端部の、排液ポートの近くにあるバルーンポートと、測定装置であって、1つ以上のセンサを含み、可撓チューブと一体化されているか可撓チューブに取り付けられ、可撓チューブを通って流れる液体の量を測定するように構成された測定装置と、を含む。幾つかの実施形態では、スマートカテーテルは、患者の膀胱から尿を徐々に排出させるように構成されており、測定装置は流量メータセンサである。幾つかの実施形態では、排液ポートは、1つ以上の収集リザーバに接続するか他の方法で取り付けられるように構成されており、スマートカテーテルは、1つ以上の収集リザーバ内に尿を堆積させるように構成されている。
【0008】
別の幾つかの実施形態では、流量メータセンサは、1つ以上の収集リザーバ内に堆積した尿の量を測定するように構成されている。幾つかの実施形態では、可撓チューブは、可撓チューブの長さ方向に延びる2つの別々のチャネル又は管腔を含み、第1の管腔は、両端が解放されていて、第1の端部にある開口部を第2の端部にある排液ポートにつないでおり、第2の管腔は膨張式バルーンを前記バルーンポートにつないでいる。幾つかの実施形態では、測定装置は、可撓チューブの任意の適切な場所に組み込まれているか、且つ/又は可撓チューブの長さに沿った任意の適切な場所にある。幾つかの実施形態では、測定装置は送信器を含み、送信器は、測定装置と通信している1つ以上のプロセッサにデータを送信するように構成されている。
【0009】
別の幾つかの実施形態では、送信データは尿流量データを含み、1つ以上のプロセッサは、尿流量データを保管及び監視するように構成されており、1つ以上のプロセッサは、スマートカテーテルの1つ以上の収集リザーバ内に堆積した尿の量を監視するように構成されており、1つ以上のプロセッサは、スマートカテーテルの1つ以上の収集リザーバのうちの少なくとも1つが1つ以上の閾値に達した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている。幾つかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、スマートカテーテルの機能不良が発生した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている。幾つかの実施形態では、スマートカテーテルの構成要素は、ディスプレイスクリーンを含むエンクロージャに収容されており、ディスプレイスクリーンは、スマートカテーテルの1つ以上の収集リザーバの充填水位を表示するように構成されている。
【0010】
幾つかの実施形態では、エンクロージャは更に、透明又は不透明のドアを含み、1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、透明又は不透明である。幾つかの実施形態では、収集リザーバのうちの1つ以上が、完全溶解固体物質メータ、及び/又は液体の色又は色合いを検出及び測定するように構成された色センサを含む。幾つかの実施形態では、収集リザーバのうちの1つ以上が、1つ以上の収集リザーバをスマートカテーテルに接続するクイック接続ポートを含む。幾つかの実施形態では、スマートカテーテルは、スマートカテーテルから第1の収集リザーバが取り外されたときに、第2の収集リザーバを選択して、第2の収集リザーバへの尿の排出を開始させることを自動で行うように構成されている。幾つかの実施形態では、1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、それぞれの収集リザーバの様々な構成要素に電力を供給することと、1つ以上のプロセッサをそれぞれの収集リザーバの様々な構成要素に接続することと、を行うように構成された電気接続を含む。
【0011】
別の態様では、スマートカテーテルシステムが提供され、スマートカテーテルシステムは、上述の実施形態のいずれかに記載のスマートカテーテルと、外部装置であって、タブレット、コンピュータ、電話、スマートウオッチ、オーディオ装置、又はディスプレイ装置を含む外部装置と、を含む。幾つかの実施形態では、本システムは更に、電源、1つ以上のプロセッサ、メモリ、受信器又は送信器、ディスプレイ、加速度計、スピーカ、及び/又は触感信号装置を含み、スマートカテーテル、電源、1つ以上のプロセッサ、メモリ、受信器又は送信器、ディスプレイ、加速度計、スピーカ、又は触感信号装置は互いに相互接続されている。幾つかの実施形態では、ディスプレイは、患者及び/又はスマートカテーテルの情報を表示するように構成されている。
【0012】
幾つかの実施形態では、ディスプレイは、患者の識別情報、及び患者の尿に関する情報を表示するように構成されており、ディスプレイは、1つ以上の収集リザーバのそれぞれの容量の情報、或いは警告又はエラーメッセージを表示するように構成されている。幾つかの実施形態では、スマートカテーテルシステムは、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を含み、コンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体の形で実施されて、測定装置から電気信号を受け取ることと、その電気信号を処理して、測定された体積に関するデータを計算することと、そのデータを電子ディスプレイ、スピーカ、触感信号装置、又は外部装置に中継することと、を含む各ステップを実施する。幾つかの実施形態では、スマートカテーテルシステムは、患者から生成された尿又は他の体液の体積を30分おき又は1時間おきに測定及び計算するように構成されており、計算された体積はコンピュータで処理されて電子カルテ記入システムに入力される。
【0013】
幾つかの実施形態では、スマートカテーテルシステムは、患者から生成された尿又は他の体液の体積を測定及び計算し、尿及び/又は他の体液の体積が所定閾値を上回るか且つ/又は下回る場合にはアラームを活性化させるように構成されている。幾つかの実施形態では、上述の実施形態のいずれかのスマートカテーテル又はスマートカテーテルシステムにおいて、スマートカテーテル又はスマートカテーテルシステムは胸腔チューブとして構成されている。
【0014】
別の態様ではスマート胸腔チューブが提供され、スマート胸腔チューブは、第1の端部に開口部を有する可撓チューブと、反対側の第2の端部にある排液ポートと、測定装置であって、1つ以上のセンサを含み、可撓チューブと一体化されているか可撓チューブに取り付けられ、可撓チューブを通って流れる液体の量を測定するように構成された測定装置と、を含む。幾つかの実施形態では、胸腔チューブは、患者の胸腔から空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を徐々に排出させるように構成されており、測定装置は液体流量メータセンサである。幾つかの実施形態では、排液ポートは、1つ以上の収集リザーバに接続するか他の方法で取り付けられるように構成されており、スマート胸腔チューブは、1つ以上の収集リザーバ内に空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を堆積させるように構成されている。幾つかの実施形態では、流量メータセンサは、1つ以上の収集リザーバ内に堆積した空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の量を測定するように構成されている。
【0015】
別の幾つかの実施形態では、測定装置は、可撓チューブの任意の適切な場所に組み込まれているか、且つ/又は可撓チューブの長さに沿った任意の適切な場所にある。幾つかの実施形態では、測定装置は送信器を含み、送信器は、測定装置と通信している1つ以上のプロセッサにデータを送信するように構成されている。幾つかの実施形態では、送信データは、可撓チューブを通って流れて測定装置で測定された空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿に関する流量データを含み、1つ以上のプロセッサは、流量データを保管及び監視するように構成されており、1つ以上のプロセッサは、スマート胸腔チューブの1つ以上の収集リザーバ内に堆積した空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の量を監視するように構成されており、1つ以上のプロセッサは、スマート胸腔チューブの1つ以上の収集リザーバのうちの少なくとも1つが1つ以上の閾値に達した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている。
【0016】
別の幾つかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、スマート胸腔チューブの機能不良が発生した場合に警告信号を送信するかアラームをトリガするように構成されている。幾つかの実施形態では、スマート胸腔チューブの構成要素は、ディスプレイスクリーンを含むエンクロージャに収容されており、ディスプレイスクリーンは、スマート胸腔チューブの1つ以上の収集リザーバの充填水位を表示するように構成されている。幾つかの実施形態では、胸腔チューブシステムは、患者から生成された空気又は体液の体積を測定及び計算し、空気又は体液の体積が1つ以上の所定閾値を上回るか下回る場合にはアラームを活性化させるように構成されている。
【0017】
別の幾つかの実施形態では、収集リザーバのうちの1つ以上が、完全溶解固体物質メータ、及び/又は液体の色又は色合いを検出及び測定するように構成された色センサを含む。幾つかの実施形態では、収集リザーバのうちの1つ以上が、1つ以上の収集リザーバをスマート胸腔チューブに接続するクイック接続ポートを含む。幾つかの実施形態では、スマート胸腔チューブは、スマート胸腔チューブから第1の収集リザーバが取り外されたときに、第2の収集リザーバを選択して、第2の収集リザーバへの体液の排出を開始させることを自動で行うように構成されている。幾つかの実施形態では、1つ以上の収集リザーバのそれぞれは、それぞれの収集リザーバの様々な構成要素に電力を供給することと、1つ以上のプロセッサをそれぞれの収集リザーバの様々な構成要素に接続することと、を行うように構成された電気接続を含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、スマート胸腔チューブシステムが提供され、本システムは、上述の請求項のいずれか一項に記載のスマート胸腔チューブと、外部装置であって、タブレット、コンピュータ、電話、スマートウオッチ、オーディオ装置、又はディスプレイ装置を含む外部装置と、を含む。幾つかの実施形態では、本システムは更に、電源、1つ以上のプロセッサ、メモリ、受信器又は送信器、ディスプレイ、加速度計、スピーカ、及び/又は触感信号装置を含み、電源、1つ以上のプロセッサ、メモリ、受信器又は送信器、ディスプレイ、加速度計、スピーカ、又は触感信号装置は互いに相互接続されている。幾つかの実施形態では、ディスプレイは、患者及び/又はスマートカテーテルの情報を表示するように構成されている。
【0019】
幾つかの実施形態では、ディスプレイは、患者の識別情報、及び患者の尿に関する情報を表示するように構成されており、
ディスプレイは、前記1つ以上の収集リザーバのそれぞれの容量の情報、或いは警告又はエラーメッセージを表示するように構成されている。幾つかの実施形態では、スマート胸腔チューブシステムは、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を含み、コンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体の形で実施されて、測定装置から電気信号を受け取ることと、その電気信号を処理して、測定された体積に関するデータを計算することと、そのデータを電子ディスプレイ、スピーカ、触感信号装置、又は外部装置に中継することと、を含む各ステップを実施する。幾つかの実施形態では、スマート胸腔チューブシステムは、患者から生成された空気又は体液の体積を30分おき又は1時間おきに測定及び計算するように構成されており、計算された体積はコンピュータで処理されて電子カルテ記入システムに入力される。別の幾つかの実施形態では、胸腔チューブシステムは、患者から生成された空気又は体液の体積を測定及び計算し、空気又は体液の体積が所定閾値を上回るか且つ/又は下回る場合にはアラームを活性化させるように構成されている。
【0020】
ここまで本開示対象の態様の幾つかについて述べてきたが(そしてこれらは本開示対象によって全体的又は部分的に実現されるが)、以下で最もよく説明されるように、添付図面と関連しながら説明が進むにつれて他の態様も明らかになるであろう。
【0021】
本発明対象の特徴及び利点は、説明的且つ非限定的な例として与えられているに過ぎない添付図面と併せて読まれるべき以下の詳細説明からより容易に理解されるであろう。添付図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の斜視図である。
【
図1B】暗いところで光るディスプレイを有する、本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の斜視図である。
【
図2A】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の正面図を示す。
【
図2C】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の側面図を示し、可撓チューブの詳細を示す。
【
図3B】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の斜視図であり、スマートカテーテルのドアが半開きになっていて、スマートカテーテルの内部構成要素が露出している図である。
【
図4B】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置のバイアル又は収集リザーバの近接図である。
【
図5】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置のバイアル又は収集リザーバの分解図である。
【
図6A】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の底面斜視図及び側面図である。
【
図6B】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の背面斜視図を示す。
【
図7】本開示対象の一実施形態によるスマートカテーテル装置の上面近接斜視図である。
【
図8】本開示対象の一実施形態によるスマート胸腔チューブ装置の上面近接斜視図であり、可撓チューブの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明対象は、自動又はスマートカテーテルシステム及び装置、並びに自動又はスマート胸腔チューブシステム及び装置を提供する。一態様では、本発明対象は、患者から尿を徐々に排出させてこれを保管及び測定し、尿の水位が特定水位に達したら、又は装置が機能不良になったら医療担当者に警告又はアラートを発するスマートカテーテルシステム及び装置を提供する。同様の態様では、本発明対象は、患者から体液を徐々に排出させてこれを保管及び測定し、体液の水位が特定閾値に達したら医療担当者に警告又はアラートを発するスマート胸腔チューブシステム及び装置を提供する。以下の用語は、当業者には十分に理解されるものと考えられるが、本開示対象の説明を容易にする為に以下の定義を明記する。
【0024】
別段の定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示対象が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本開示対象の実施又は実験においては本明細書に記載のものと同様又は等価な任意の方法、装置、及び材料が使用されてよいが、以下では代表的な方法、装置、及び材料について説明する。
【0025】
長く続いている特許法の慣習に従うと、「a」、「an」、及び「the」は、特許請求項を含む本出願において使用される場合には「1つ以上の」を意味する。従って、例えば、「バイアル(a vial)」への言及は、複数のそのようなバイアル、その他を包含しうる。
【0026】
特に断らない限り、本明細書及び特許請求項において使用されている、長さ、径、幅、その他の量を表す全ての数値は、あらゆる場合において「約(about)」又は「約(approximately)」という語句で修飾されるものと理解されたい。従って、反対のことが示されない限り、本明細書及び添付の特許請求項に記載された数値パラメータは、本開示対象により得られることが求められている所望の特性に応じて様々であってよい近似である。
【0027】
本明細書では、「約(about)」及び「約(approximately)」という語句は、ある値に、又はある長さ、幅、径、温度、時間、体積、濃度、割合等に言及した場合に、明示された量からの、実施形態によっては±20%、実施形態によっては±10%、実施形態によっては±5%、実施形態によっては±1%、実施形態によっては±0.5%、及び実施形態によっては±0.1%のばらつきを包含していて、そのようなばらつきが、本開示の装置及びデバイスにおいて適切なものであることを意味する。
【0028】
「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「を特徴とする(characterized by)」と同義であって、包含的又はオープンエンドであり、未記載の要素又は方法ステップの追加を排除しない。「含む(comprising)」は、指定された要素は不可欠であるが、他の要素が追加されても引き続き請求項の範囲内の構成を形成することが可能であることを意味する、請求項の言い回しで使用される専門用語である。
【0029】
本明細書では、「からなる(consisting of)」という語句は、請求項で指定されない要素、ステップ、又は成分を全て排除する。「からなる(consisting of)」という語句は、請求項のプリアンブルの直後ではなく要部の句中に現れた場合には、その句中に明記された要素のみを限定し、他の要素は請求項全体からは排除されない。
【0030】
本明細書では、「のみからなる(consisting essentially of)」という語句は、請求項の範囲を、指定された材料又はステップ、並びに請求対象の基本的且つ新規な特性に実質的に影響しない材料又はステップに限定する。
【0031】
「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、及び「のみからなる(consisting essentially of)」という語句に関しては、これら3つの語句の1つが本明細書で使用される場合には、本開示対象及び請求対象は、それ以外の2つの語句のいずれかの使用を包含することが可能である。
【0032】
本明細書では、「及び/又は(and/or)」という語句は、エンティティのリストの文脈で使用された場合には、単独で、又は組み合わせで存在しているエンティティを参照する。従って、例えば、「A、B、C、及び/又はD(A, B, C, and/or D)」という語句は、A、B、C、及びDを個別に包含し、更に、A、B、C、及びDのあらゆる組み合わせ及び副組み合わせを包含する。
【0033】
スマートカテーテル装置及びシステム
病院や医療施設に入院している患者の尿の収集、並びに在宅患者の、薬剤の慢性使用の為の尿の収集には尿道カテーテルが使用される。尿排出量の収集及び測定は、看護師及び他の医療専門家によって手動で行われる。残念なことに、この重要な作業を実施する自動システムが存在しない。その為、尿排出量の測定又は観測は手動で行わなければならず、そのデータは、通常は数時間後に手動でカルテ記入又は記録される。これは、適切な医療ケアを提供する上で非常に重要な手順であるのに、この作業が手動であるという性質の為に見落としや遅延が容易に起こりうる。医療従事者の作業を最小限又はゼロとして尿排出量を収集、測定、及び/又は記録する自動又はスマートシステム又は装置があれば、効率、正確さ、ベストプラクティス、医療の有効性、及び患者の転帰の成功率が向上するであろう。本開示の装置及びシステムは、この満たされていない必要を満たす。具体的には、本開示の装置及びシステムは、尿排出量及び他の関連データの収集、測定、計算、及び記録を自動的に行う。幾つかの実施形態では、そのようなカテーテル及びカテーテルシステムは、精密カテーテル、スマートカテーテル、電子カテーテル等、又は精密フォーリー、スマートフォーリー、電子フォーリー等のように呼ぶことがある。
【0034】
図1Aを参照すると、
図1Aは、病院のベッドの側部に取り付けられた、本開示の可能なスマートカテーテルの一実施形態100の斜視図を示す。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、その構成要素のサブセットを収容するエンクロージャ又はハウジングを有してよい。ハウジング又はエンクロージャは、スイングして開いて中の全ての構成要素を露出させるドア102を有してよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は又、ディスプレイ104、可撓チューブ106(即ち、実際の尿道カテーテル構成要素)、及び照明要素108を含んでよい。
図1Bを参照すると、幾つかの実施形態では、照明要素108は、それがある部屋を常夜灯のように照らして、看護師、医師、及び他の医療専門家が部屋の照明をいきなり点けて患者を起こすことなくディスプレイを見て、カテーテル収集リザーバの中身を調べることを可能にできる。各種構成要素の特徴については、後で詳述する。
【0035】
図2Aを参照すると、
図2Aは、本開示の可能なスマートカテーテル100の外部正面図を示す。幾つかの実施形態では、ドア102は、ドア102が開く方向を示すパターン110、溝、又は他のしるしを含む。これは、医療専門家がスマートカテーテル100のハウジングの内側の構成要素を点検又は交換しようとするときにどの方向にドアを開くかを容易に判断して効率を高めることを可能にする。
【0036】
図2Bに示すように、幾つかの実施形態では、本開示のスマートカテーテル100は、ハウジングの背面にクランプ及び/又はブラケット112を含んでよく、これは、スマートカテーテル100を(例えば、病院のベッドの側部、テーブル、又は他の適切な場所)の表面に一時的又は永続的に固定する又は取り付ける為に使用されてよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、尿を徐々に排出させる為に使用される可撓チューブ106がハウジングの上部からスマートカテーテル100内に入ることが可能であるように構成されてよい。幾つかの実施形態では、可撓チューブ106は、スマートカテーテル100の背面、又は他の任意の適切な場所から中に入ってよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、本開示のスマートカテーテル100は、患者の膀胱から尿を徐々に排出させる為に使用される尿道カテーテルを含んでよい。幾つかの実施形態では、尿道カテーテルは、限定ではなく例として、フォーリーカテーテルを含んでよく、これは可撓チューブ106を含み、臨床医は、尿を徐々に排出させる為に可撓チューブ106を患者の尿道に通して患者の膀胱に入れる。幾つかの実施形態では、可撓チューブ106は、一方の端部に膀胱側開口部106-1を含み、反対側のもう一方の端部に尿排出ポート(ハウジングの内側に位置する為、この図では見えない)を含む。膀胱側開口部106-1の端部は、膀胱側開口部106-1が患者の膀胱に達するまで患者の尿道を通されてよい。尿排出ポートは、収集リザーバ(本明細書において詳述)に接続されるか他の方法で取り付けられるように構成されてよい。
【0038】
図2Cを参照すると、幾つかの実施形態では、可撓チューブ106は又、膀胱側開口部106-1がある端部又はその近くに膨張式バルーンを含んでよく、排出ポートがある(即ち、スマートカテーテルハウジングにつながっている)場所の近くの反対側端部にバルーンポートを含んでよい。幾つかの態様では、可撓チューブ106は、その長さ方向に延びる2つの別々のチャネル又は管腔を有する。一方の管腔は、両端が開放されていて、膀胱側開口部106-1を尿排出ポートにつないでおり、尿を膀胱からその管腔に通して排出ポートから収集リザーバ(限定ではなく例として、収集袋等)の中へ徐々に排出させるように構成されている。他方の管腔は、バルーンポート106-2とバルーンとをつないでいる。バルーン106-2は、膀胱内部に置かれたときに滅菌水で膨らまされて、カテーテル又は可撓チューブ106が滑って抜けるのを阻止する。
【0039】
幾つかの実施形態では、可撓チューブ106は、シリコーン又は他の適切な材料及び/又はコーティングされた天然ラテックスで作られてよい。コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン、ヒドロゲル、又はシリコンエラストマを含んでよい。幾つかの例では、これらの表面コーティングの様々な特性によって、適切な使用期間が判断されてよく、例えば、カテーテルが28日間又は3か月の留置期間に適するかどうかが判断されてよい。更に、カテーテルは又、汚れた場合、漏れがある場合、又は感染がある場合に交換される。
【0040】
幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、1つ以上のプロセッサ(図示せず)、非一時的コンピュータ可読媒体、及び装置の様々な自動機能を動作させる為に使用される実行可能命令を含んでよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、ディスプレイ104を動作させ、本明細書に記載のセンサに基づいて様々な測定を実施し、本明細書に記載の他の様々な機能を実施するように構成されてよい。
【0041】
図3A及び
図3Bを参照すると、幾つかの実施形態では、上述のように、スマートカテーテル100のハウジングは、任意の適切な方向に開くように構成されたドア102を含んでよい。限定ではなく例として、ドア102は、ヒンジでハウジングに取り付けられて上に開いてよく(即ち、航空機内の頭上収納棚のように開いてよく)、又はドア102は、水平方向に外に開いてもよい(即ち、典型的なドアのように開いてもよい)。図面に開示している実施形態では、ドア102は、収集リザーバ116の中身を覆い隠す為に塗装されているか半透明であるか不透明であるが、幾つかの実施形態では、ドア102は、医療スタッフが収集リザーバ116の中身を容易に視覚監視できるようにクリア又は透明であってよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100のハウジングは、中に1つ以上の収集リザーバ116を含んでよい。限定ではなく例として、スマートカテーテル100は、
図3Aに示すように、第1の収集リザーバ116A及び第2の収集リザーバ116Bを含んでよく、それぞれが尿又は他の液体を収集するように構成されている。
図3Aに示すように、第1の収集リザーバ116A及び第2の収集リザーバ116Bは、限定ではなく例として、尿を収容するバイアル、袋、ジャー、又は任意の適切な容器又はリザーバを含んでよい。幾つかの実施形態では、第1の収集リザーバ116A及び第2の収集リザーバ116Bのそれぞれは、それらの上に目盛マーキング118を含んでよく、これは、医療従事者がそれらの充填水位を手動で確認する場合に、それらがどのくらい一杯になっているかを示すことに役立つ。幾つかの実施形態では、収集リザーバ116のそれぞれは、透明でも不透明でもよい。例えば、医療スタッフが収集リザーバ116の中身を視覚監視しなければならない場合には、それらは透明であってよい。
【0042】
図3Bに示すように、幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100のハウジングは、収集リザーバのうちの1つ以上を射出する為の1つ以上の押しボタン114を含んでよい。限定ではなく例として、幾つかの実施形態では、全ての収集リザーバに対して1つの押しボタン114があってよく、或いは、各収集リザーバに対して別々の押しボタン114があってよい。幾つかの実施形態では、押しボタン114及び1つ以上の収集リザーバ116は、1つ以上の収集リザーバ116のいずれかを片手だけで取り外すことが可能なように構成及び配置されてよい。限定ではなく例として、幾つかの実施形態では、押しボタン114は、収集リザーバ116のボディをつかんでいる手の指で更に押しボタン114を押して収集リザーバ116を解放することが可能であるように配置されてよい。
図3Bに示すように、収集リザーバのうちの1つ以上、例えば、第1の収集リザーバ116Aが、点検、空にすること、交換、又は他の任意の適切な目的の為の取り外しが可能である。
【0043】
図4A及び
図4Bを参照すると、幾つかの実施形態では、収集リザーバ116は、完全溶解固体物質(TDS)メータ120、又は尿中の完全溶解固体物質を測定するように構成されたセンサを含んでよい。幾つかの実施形態では、TDSメータ120は、スマートカテーテル100の1つ以上のプロセッサと通信しており、1つ以上のプロセッサは、TDSメータ120を使用して、尿の完全溶解固体物質測定値をキャプチャし、そのデータを中継するか、そのデータにより様々なタスクを実施するように構成されている。限定ではなく例として、1つ以上のプロセッサは、TDSメータ120の出力に基づいて、このデータに関する統計を医療従事者ソフトウェアに送るか、出力をディスプレイ102に表示するように構成されてよい。そしてこの情報は、患者の健康状態が監視されていることを保証する為に使用されてよい。
【0044】
更に、幾つかの実施形態では、収集リザーバ116内に1つ以上の色センサ122(限定ではなく例として、RGBセンサ)が設けられてよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の色センサ122は、尿の色又は色合いを検出及び測定する為に使用されてよい。この情報は、患者の健康状態を調べること、例えば、患者が脱水していて液体又は電解液の追加を必要としているかどうか、患者が出血しているかどうか等を調べることに使用されてよい。幾つかの実施形態では、TDSメータ120及び/又は1つ以上の色センサ122は、有線又は無線接続で1つ以上のプロセッサと通信していてよく、それらの機能及び出力キャプチャに関してデータを送信したり命令を受信したりしてよい。
【0045】
図4Bは収集リザーバ116の一例の背面を示しており、収集リザーバ116のそれぞれは、収集リザーバ116とスマートカテーテル100との迅速な接続を可能にするクイック接続ポート124を含む。クイック接続ポート124は、尿を含む液体が徐々に排出されて、ハウジングの上部に接続された可撓チューブ106から収集リザーバ116に収集されることを可能にするように構成されてよい。図示していないが、本開示のスマートカテーテル100は、可撓チューブ106をクイック接続ポート124に接続するインフラストラクチャをハウジングの内側に含んでよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100の内側のインフラストラクチャは、可撓チューブ106から1つ以上の収集リザーバ116のうちのいずれに排出されるかを選択するように構成されてよいスイッチ又は電気弁を含んでよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のスイッチ又は電気弁を含むインフラストラクチャを動作させるように構成されている。この場合、自動であれ手動であれ、プロセッサは、どの収集リザーバ116が尿を受けるかを選択するようにスイッチ又は電気弁をアクチュエートするように構成されている。限定ではなく例として、プロセッサは、第1の収集リザーバ116Aが一杯になるか、ある水位に達したら、尿又は他の液体が第2の収集リザーバ116Bに排出され始めるようにスイッチ又は弁をアクチュエートするように構成されている。更に、収集リザーバ116に機能不良がある場合には、又は他の何らかの理由で、スマートカテーテル100は、医療スタッフが別の収集リザーバ116を手動で選択することを可能にするように構成されており、スイッチは、その別のリザーバに切り替わるようにアクチュエートされる。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、現在の排出先である収集リザーバ116が装置から取り外される場合には、それ自体がまだ一杯になっておらず機能不良にもなっっていない他の利用可能な収集リザーバ116のいずれかに自動的に移行するように構成されている。
【0046】
更に、1つ以上の収集リザーバ116は電気接続128を含み、電気接続128は、1つ以上の収集リザーバ116内の様々なセンサ、メータ、及び他の構成要素に電力を供給することに役立つだけでなく、本明細書に記載のアクションを実施する為に1つ以上のプロセッサをそれらの様々なセンサ、メータ、及び他の構成要素に接続するように構成されている。限定ではなく例として、TDSメータ120及び1つ以上の色センサ122のそれぞれは、収集リザーバ内の尿又は他の液体におけるそれらのそれぞれの特性を測定し、それらの測定値を電気接続128経由で1つ以上のプロセッサに送ってよい。このアクションは、センサ自体によって自動的に実施されてよく(即ち、プロセッサからは何の要求もクエリもないままに実施されてよく)、又は1つ以上のプロセッサは、一定の又は周期的な又はランダムなタイミングでセンサに対してクエリを実行してよく、或いは、医療専門家が、ディスプレイ104、又はスマートカテーテル100と通信している他のコンピューティング機器から、センサの出力のチェックを手動で要求してよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、電気接続128は、スマートカテーテル100が収集リザーバ116と通信して収集リザーバ116の水位を調べる為に使用してよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、少なくとも1つの収集リザーバ116が少なくとも一杯の半分になったときにアラームを発するように構成されている。更に、幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、尿排出量がゼロ又は不十分であるときにアラームを発するように構成されている。これらも又、設定パラメータであってよい。幾つかの実施形態では、アラームは、限定ではなく例として、医師専門家のモバイル装置、タブレット、コンピュータ、又はモバイルワークステーションに送られて、それらにアラームを通知する信号、メッセージ、テキストメッセージ、電子メッセージ、電子メール、又は他の適切なメッセージであってよい。テキストメッセージ又は電子メッセージで送られるメッセージ、アラーム、又は警告は全て、警告のタイプ、収集リザーバ116のうちのどれだけが一杯になっているか、その充填水位はどれだけか、及び他の任意の関連情報(例えば、関連付けられた患者、病室、又は他の適切な識別子)等の情報を含んでよい。
【0048】
他の幾つかの実施形態では、アラームは、例えば、スマートカテーテル116で作成される、スピーカ(図示せず)からの音であってよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、自動音声を使用してアラームを発することが可能なように構成されており、例えば、「リザーバが一杯です(RESERVOIR FULL)」、「全てのリザーバが一杯です(ALL RESERVOIRS FULL)」、「リザーバが一杯の半分です(RESERVOIR HALF FULL)」、「リザーバが一杯のX%です(RESERVOIR IS X% FULL)」(Xは任意のパーセンテージ)、又は他の任意のプログラム可能な自動音声を使用してアラームを発することが可能なように構成されている。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、尿が1つ以上のリザーバ内に堆積するたびに上記の音声アラームのいずれかをアラートするように構成されてよい。幾つかの実施形態では、アラートは、患者を担当している医療専門家に収集リザーバ116が一杯の半分であることをアラートするだけの為に1回又は数回発生するビープ音又は他の音であってよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、収集リザーバ116のうちの少なくとも1つがほぼ一杯であって、あとわずかの選択的に事前決定された体積(例えば、100ml)が埋まればその収集リザーバ116が完全に一杯になる場合にアラームをトリガするように構成されている。この特定のケースでは、収集リザーバ116がほぼ一杯であることを示すアラームは、そのアラームが、収集リザーバ116が一杯の半分であることを示すアラームとは別のアラームであることを示す別の音であってよく、或いは何らかの別のしるし(例えば、異なるメロディー、ビープ音の異なる数、その他)を有してよい。同様に、事前決定された最小閾値の尿が本明細書に記載のスマートカテーテル100によって収集されていない場合には、本明細書に記載のアラームのようなアラームがトリガされてよい。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のスマートカテーテル100によって収集された尿の量が、特定時間長以内に特定の事前決定された閾値以内に収まらない場合に、本明細書に記載のようにアラームがトリガされてよい。幾つかの実施形態では、本システムは、クリティカルな値、又は設定パラメータを超えたことを通知する。これらのパラメータは患者固有であってよく、従って、医療担当者によって変更又はカスタマイズされてよく、これは、ディスプレイ104から、又はスマートカテーテル100に搭載された1つ以上のプロセッサへの送信によって行われる。
【0049】
幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100に収集リザーバ116が1つだけ挿入されている場合には、それが完全に一杯になったら、上述のアラームと同様にアラームが音として発せられるか、且つ/又は上述の適切な電子メッセージが送信される。幾つかの実施形態では、ビープ音又は他のアラーム音のような音を伝達する任意のアラームが、収集リザーバ116が交換されるまで、又は(例えば、もはや患者がスマートカテーテル100につながれない場合に)スマートカテーテル100がオフにされるまで、アラームを発し続けるようにスマートカテーテル100が構成されている。同様に、スマートカテーテル100が、
図3A及び
図3Bの2つの収集リザーバ116A及び116Bのような2つ以上の収集リザーバ116を含む場合には、連続的に音又はアラートを発するアラームは、全ての収集リザーバ116が一杯の場合にそのように働く。幾つかの実施形態では、上述のこれらの限度は、スマートカテーテル100を監視している医療スタッフが患者間の違い、及び可能性のある収集リザーバ116のサイズの違いに対処する為に設定及び調節してよい。限定ではなく例として、アラームは、設定された任意の特定の限度で音をオフにしてよく、4つ以上のアラームが設定されてよい。限定ではなく例として、複数のアラームが、収集リザーバ116の様々な充填水位でトリガするように設定されてよい。長さ、音、チャープ、メッセージ等は全て修正可能又は変更可能であり、これは、どのアラームがどの充填水位に対応するかを医療スタッフが区別することに役立つ。スマートカテーテル100のアラーム、測定、及び他の様々な機能は全てカスタマイズ可能且つ調節可能であり、複数の事前決定及び事前設定された限度及びアラームを有することが可能であるように十分なメモリ及びストレージを有する。
【0050】
更に、幾つかの実施形態では、収集リザーバ116のうちの1つ以上(又はその中のセンサ又はメータのいずれか)との接続の機能不良、或いはディスプレイ104、照明要素108、又は他のいずれかの、スマートカテーテル100の構成要素の機能不良がスマートカテーテル100によって検出された場合には、上述のアラームと同様のアラームがトリガされるように構成されている。幾つかの実施形態では、可能であれば、ディスプレイ104と関係がある機能不良の場合、又はディスプレイ104の電源が入らないという機能不良の場合に照明要素108が別の色で点滅してよく、或いは、ディスプレイ104の電源が入る場合には、機能不良を示すエラーメッセージがディスプレイ104に表示されてよい。
【0051】
図4Bに示すように、幾つかの実施形態では、収集リザーバ116は、収集リザーバ116を設置して保持する為の溝を含んでよい。本明細書では収集リザーバ116をほぼ円筒形であるように示しているが、当業者であれば理解されるように、収集リザーバ116は(従って、スマートカテーテル100の形状は)任意の適切な形状及びサイズであってよい。例えば、収集リザーバ116は、フラスコ形、円筒形、袋状、お椀形、立方体状、底面が長方形の角柱状、又は任意の適切な、液体を収集して保持することが可能な3次元形状であってよい。スマートカテーテル100は、本明細書の図面に示された形状から、上述の任意の形状又は任意の3次元形状にフィットするように修正されてよい。
【0052】
図5は、本開示の収集リザーバ116の一例の分解図を示す。幾つかの実施形態では、収集リザーバ116は入口ポート132を含み、これはクイック接続ポート124を介してスマートカテーテル100のインフラストラクチャにつながる。幾つかの実施形態では、入口ポート132は、現時点でどの収集リザーバ116が尿又は他の液体を受けるべきかを決定又は選択するスイッチ又は電子弁につながる。収集リザーバ116がスマートカテーテル100に正しく挿入されていて、クイック接続ポート124がスマートカテーテル100のインフラストラクチャに接続されていて、特定の収集リザーバ116が尿を受けるように選択されたら、尿は入口ポート132を通って流量メータ130に流れ、流量メータ130は、収集リザーバ116に収集される尿の量を測定するように構成されている。尿は、流量メータ130を通った後、出口ポート134から出て、収集リザーバ116のスパウト136に流れ込む。幾つかの実施形態では、流量メータ130は、流量メータ130を通って流れる尿の体積を任意の適切な手段で測定するように構成されている。限定ではなく例として、幾つかの実施形態では、流量メータ130は、毎秒何ミリリットル(又は他の適切な時間当たり体積)の液体が収集リザーバ116に流れ込むかを測定して流量を計算し、その流量で流れる尿を検出した秒数をその流量に掛けるように構成されている。幾つかの実施形態では、流量メータ130は、流量の多少なりとも正確な測定値を使用することにより、収集リザーバ116内の尿のより厳密な体積を求めることが可能である。幾つかの実施形態では、流量メータ130は、可撓チューブ106自体の一部であって収集リザーバ116の一部でなくてもよい。言い換えると、流量メータ130は、可撓チューブ106に沿った任意の適切な場所に配置されてよい。更に、流量メータ130は、可撓チューブ106と一体化されてもよく、
図5に示したように別個の部品であってもよい。流量メータ130がハウジングの外側に配置されている場合でも、流量メータ130は無線又は有線接続で1つ以上のプロセッサと通信していて、それらのプロセッサから命令を受けるようになっている。
【0053】
図6A及び
図6Bを参照すると、幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、装置の底面に1つ以上のゴム脚138を含んでよく、これにより、装置がある表面上に配置された場合に装置が滑ったとしてもその滑りが最小限に抑えられる。更に、
図6Bに示すように、幾つかの実施形態では、背面のクランプ及び/又はブラケット112は回転可能であり、それによって、クランプ及び/又はブラケット112の開口部は、スマートカテーテル100のハウジングの長さ方向に平行であるか、スマートカテーテル100のハウジングの長さ方向に垂直である。当業者であれば理解されるように、クランプ及び/又はブラケット112は、スマートカテーテル100の背面のトラックに沿って上下に調節されてもよい。更に、幾つかの実施形態では、クランプ及び/又はブラケット112は、定位置で回転可能であり、取り外さずに回転させて、スマートカテーテル100に対して平行又は垂直にすることが可能である。更に、幾つかの実施形態では、クランプ及び/又はブラケット112は、スマートカテーテル100を、標準的な病院用ベッドのフレーム、移動用ポール、又は他の任意の適切な場所に取り付けるように構成されてよい。限定ではなく例として、クランプ又はブラケット112は、スマートカテーテル100のハウジング又はエンクロージャを、ベッド又は他のフレーム、ポール、或いは他の適切な、寸法が0.5インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、2.5インチ等である取付場所に取り付けるように構成されてよい。
【0054】
図7を参照すると、幾つかの実施形態では、本開示のスマートカテーテル100は、様々な情報をディスプレイ104に提示するように構成されている。限定ではなく例として、ディスプレイ104は、その特定のスマートカテーテル100が使用されている患者を識別する情報を表示するように構成されてよい。そのような識別情報は、患者の写真140又はアバター、又は患者の名前142、又は患者の識別番号であってよい。更に、幾つかの実施形態では、各収集リザーバ116の液体水位144又は容量が表示されてよい。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100のハウジング内に位置する1つ以上のプロセッサは、どの項目をどのタイミングで表示するかを制御してよい。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のアラームは、ディスプレイ104上で様々なインジケータが点滅することと同時に起こることによって、医療従事者に問題をアラートすることに役立ちうる。更に、幾つかの実施形態では、ディスプレイは、1つ以上の収集リザーバ116の水位が特定閾値に達したときに、それらの液体水位144インジケータを点滅させてよい。このようにして、医療スタッフは、どの収集リザーバ116が一杯になっているかを、ドア102を開けなくても容易に特定することが可能である。幾つかの実施形態では、ディスプレイ104は又、尿の関連情報(例えば、溶解固体物質があればその統計、又は他の情報)を表示してよい。幾つかの実施形態では、ディスプレイ104は、尿の色を照合する為に照明するように構成されてよい。別の幾つかの実施形態では、ディスプレイ104は、照明を薄暗い照明から明るい照明に切り換えるセンサモーションを有することが可能である。
【0055】
当業者であれば理解されるように、ディスプレイ104は、患者、医療従事者、スマートカテーテル100又はそのいずれかの部分のステータス等に関する任意の適切な情報を表示するように構成されてよい。スマートカテーテル100を操作及び監視している医療専門家が装置をより容易に制御することを可能にする為に、ディスプレイ104は、表示、切替、変更、カスタマイズ等が可能な異なる複数のページ、フォルダ、及びボタンを有するタッチスクリーンディスプレイであってよい。更に、幾つかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の外部装置と通信していてよい。幾つかの実施形態では、外部装置は、患者の医療記録及び/又は医療カルテをホストしているサーバ又は他のコンピュータを含む。そのような実施形態では、1つ以上のプロセッサは、収集リザーバ116のうちの1つ以上において、所定の時間設定に従って(例えば、連続的に、定期的に、ランダムに、30分又は1時間おきに等)尿の量又は体積を測定し、全収集リザーバ116の尿の体積の合計、又は各収集リザーバ116の尿の体積を送信することを自動的に行うように構成されてよい。更に、尿に関して様々なセンサから収集された情報も記録されて、医療記録及び/又は医療カルテの更新の為にそれらに送られてよい。
【0056】
更に、幾つかの実施形態では、外部装置は、タブレット、コンピュータ、モバイル装置、電話、スマートウオッチ、オーディオ装置、手持ち式文書化装置、又はディスプレイ装置を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のようなカテーテルは更に、電源、コンピュータ、メモリ、受信器又は送信器、加速度計、スピーカ、マイク、又は触感信号装置を含み、電源、コンピュータ、メモリ、受信器又は送信器、加速度計、スピーカ、又は触感信号装置は互いに相互接続されている。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のようなカテーテルは更に、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を含み、コンピュータ実行可能命令は、コンピュータ可読媒体の形で実施されて、測定装置から電気信号を受け取ることと、その電気信号を処理して、測定された体積に関するデータを計算することと、そのデータを電子ディスプレイ、スピーカ、触感信号装置、又は外部装置に中継することと、を含む各ステップを実施する。幾つかの実施形態では、無線受信器が、データを無線で受け取ってコンピュータに転送するように構成されており、コンピュータは、そのデータを処理してディスプレイ、スピーカ、又は触感信号装置に送るように構成されている。
【0057】
本明細書に記載の機能及び対象は、特に、本明細書に記載の1つ以上のプロセッサに関しては、幾つかの実施形態では、コンピュータ可読媒体の形で実施されるコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品を使用して実施されてよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、メモリに格納され、コンピュータによって実施されてよい。本明細書に記載の対象を実施することに適する例示的コンピュータ可読媒体として、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックデバイス、及びダウンロード可能な電気信号がある。更に、本明細書に記載の対象を実施するコンピュータプログラム製品は、単一のデバイス又はコンピューティングプラットフォームに配置されてよく、或いは複数のデバイス又はコンピューティングプラットフォームにまたがって分散されてよい。
【0058】
上述の測定及び伝送は全て、リアルタイムで又は事後に行われてよい(即ち、尿が収集リザーバ116に流入したら、その流入が止まったら、スマートカテーテル100は直ちに体積データ及び尿特性データを医療記録サーバに送信してよい)。幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、医療記録及び/又は医療カルテサーバ/コンピュータとの接続を有線又は無線で行う為の送信器、伝送装置、又は送受信器を含んでよい。更に、幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は受信器を含み、限定ではなく例として、外部装置からデータを受信するように構成された無線又は有線の受信器等を含む。スマートカテーテル100の任意の構成要素が、1つ以上のプロセッサ並びに送信器及び/又は受信器を使用して、任意の適切な外部装置又は内部装置(即ち、例えば、医療記録又は医療カルテサーバ、携帯電話、タブレット、医療機器等)からデータを受信したり、それらにデータを送信したりしてよい。無線受信器及び/又は送信器は、無線信号を介してデータ及び情報を無線で受信及び/又は送信するように構成されてよい。限定ではなく例として、そのような無線の通信形式は、Wi-Fi及びBluetoothを含んでよい。本明細書に記載のように、組み込まれた無線通信機能により、カテーテルは、別の装置(限定ではなく例として、タブレット、コンピュータ、電話、スマートウオッチ、オーディオ装置、又はディスプレイ装置)との間で情報及び/又はデータの交換(即ち、受信及び/又は送信)を行うことが可能である。
【0059】
幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、電気コンセントに接続された有線の電源ケーブルによって電力を供給されてよい。別の実施形態では、スマートカテーテル100は、バッテリ又は他の適切な電源から電力を供給されてよい。いずれの実施形態でも、スマートカテーテル100は、電力接続が不十分になった場合、又は電力接続又はバッテリ又は他の電源の機能不良が発生した場合には、本明細書に記載のようなアラームをトリガして音で発するように構成されてよい。更に、幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、音声認識によって動作することが可能であってよい。この機能をサポートする為に、本開示のスマートカテーテル100の幾つかの実施形態は、ユーザがスマートカテーテル100に話しかけてコマンド又は要求を出すことを可能にするスピーカ及びオーディオ入力装置(マイク等)を含む。更に、そのような実施形態では、スマートカテーテル100の1つ以上のプロセッサは、音声コマンドを受け取って、別のオーディオフィードバックで応答するか、そのコマンドに関連するタスクを実施するように構成された人工知能プログラムを動作させるように構成されてよい。このようにして、自動で、又はスマートカテーテル100にタッチする人によって手動で実施可能なパラメータ、アクション、サービス、又はパフォーマンスはいずれも、音声認識によって音声コマンドでも実施されてよい。
【0060】
スマート胸腔チューブ
本開示の幾つかの実施形態では、スマートカテーテル100は、スマートカテーテルの代わりにスマート胸腔チューブとして働くように改造されてよい。本明細書に記載のスマート胸腔チューブは、本明細書では精密胸腔チューブ、KG胸腔チューブ、胸腔チューブ、及び/又は電子胸腔チューブと呼ぶこともある。胸腔チューブは、胸壁を貫通して挿入されて胸膜腔又は縦隔に入る可撓プラスチックチューブである。これは、胸腔から空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を取り除く為に使用される。これは、ブーラウドレイン又は肋間カテーテルとも呼ばれる。
【0061】
場合によっては、肺の周囲の圧力は体外の大気圧より低い。適切な胸腔排液システムが実現すべき目標は、(i)可能な限り迅速に液体及び空気を取り除くこと、(ii)排出された空気及び液体が胸膜腔に戻るのを防いで、胸膜腔内の負圧を回復して肺を再膨張させることである。従って、幾つかの実施形態では、排液装置は、(i)空気及び液体が胸腔から出るのを可能にすること、(ii)空気及び液体が胸腔に戻るのを防ぐ一方向弁を含むこと、(iii)装置が重力排液用胸腔チューブの高さより下にあるような設計を含むことである。肺に対する適切な空気圧を回復すること、つぶれた肺を再膨張させること、並びに血液及び他の液体を取り除くことに水中シール胸腔排液システムが使用されてよい。このシステムは、2室又は3室のプラスチックユニットであり、垂直カラムに測定値がミリリットル単位でマーキングされる。胸腔排液装置は、広い範囲をカバーするものであり、登場以来かなり進化している。これらのシステムの基本的な設計原理は、呼吸サイクル及び胸腔からの空気及び液体の連続的排出の様々なフェーズの間に胸腔に空気が入らないようにすることであった。水シールチャンバは、収集チャンバと直列に接続されており、空気がストロー又は狭いチャネルを通って下行し、水シールの底面から泡になって出ることを可能にする。空気が患者に戻ってはならない為、水シールが、非常に有用な診断ツールであることに加えて、患者を保護するのに最も安全であり費用対効果の高い手段の1つであると見なされている。水シールカラムは、較正されており、胸腔内圧を測定する水圧計として働く。
【0062】
従来の水シール動作システムでは、液体が患者から直接、チューブ(例えば、6フィート3/8インチのチューブ)を介して大きな収集チャンバに徐々に排出される。排出された液体はこのチャンバに収集される為、看護師又は他の専門家が、収集された液体の量を指定されたスケジュールで記録してよい。残念なことに、排出された液体の測定及び記録は未だに手動で行われる。必要とされるのは、自動化された正確な測定及び記録装置である。
【0063】
図8を参照すると、幾つかの実施形態では、本開示のスマート胸腔チューブは、
図1~
図7のスマートカテーテル100とほぼ同じ外観であってよく、ほぼ全ての構成要素が同じであってよい。但し、当業者であれば完全に理解されるように、スマート胸腔チューブの場合は更なる構成要素が必要である。これらの構成要素は、当該技術分野においてよく知られている具体的には、上述の測定装置、センサ、及び他の機器は、胸腔から胸腔チューブを通って流れる空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿を受けて測定することが可能であるように変更されてよい。可撓チューブ106は、胸腔チューブとして動作するように交換又は変更されてよく、可撓チューブ106は、一方の端部106-1に1つ以上の開口部を含み、反対側の端部に排液ポートを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の開口部106-1は、可撓チューブ106の端面に配置されてよく、即ち軸方向に並べられてよい(つまり、端部近くから始まって可撓チューブ106の長さ方向に並べられてよい)。他の幾つかの実施形態では、1つ以上の開口部106-1は、円周方向に(つまり、可撓チューブ106の円周の周囲に)並べられてよい。
【0064】
幾つかの実施形態では、
図5の流量メータ130は、尿の代わりに流量メータ130を通って流れる空気、液体、胸水、血液、乳糜、及び/又は膿の量を測定するように構成される。流量メータ130は、流量メータ130を通って流れるほぼ全ての液体を正しく測定するように適合されてよい。
【0065】
流量メータ130によって決定された、空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の測定された体積は、データとして外部装置(例えば、コンピュータ又は受信器)に送られてよい。本明細書に記載のように、スマート胸腔チューブ装置は、幾つかの実施形態では、データを外部装置に無線送信する送信器又は伝送装置を含んでよい。スマート胸腔チューブは又、幾つかの実施形態では、外部装置からデータを受信するように構成された受信器を含んでよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、装置がスマート胸腔チューブとして改造された場合に、装置は、患者から生成された空気、液体、胸水、血液、乳糜、又は膿の体積を測定及び計算することと、そのような体積出力が設定又は事前決定された閾値を超えるか満たさない場合、又は上述のように、収集リザーバ116が一杯であるか一杯になりそうな場合、又は機能不良が発生した場合にアラームを活性化させることと、を行うように構成されている。スマートカテーテル100に関して上述された特徴及び態様の全てが、改造又は小変更により、尿道カテーテルと胸腔チューブの動作のいかなる違いにも対処可能である。例えば、膿及び乳糜の保管に関する可用性を高める為に、チューブやポートのサイズを大きくしたり、材料を変更したりしてよい。
【0067】
更に、本明細書に記載のスマートカテーテル100は、スマート胸腔チューブに応用する為に、患者の胸腔から徐々に排出される液体の吸引に役立つ吸引制御チャンバを後付けされてよい。
【0068】
本発明対象は、本発明の趣旨及び必須特徴から逸脱しない限り、他の形態で実施されてもよい。従って、記載の実施形態は、あらゆる点において制限的ではなく例示的であると考えられたい。本発明対象を特定の具体的な実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば明らかな他の実施形態も本発明対象の範囲内である。
【国際調査報告】