(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】複数ダイを備えるICパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220809BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H01L25/08 E
H01L21/60 301N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573729
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020037482
(87)【国際公開番号】W WO2020252299
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(71)【出願人】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ダイヤー ボニフィールド
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044EE00
(57)【要約】
集積回路(IC)パッケージ(100)が、基板(116)に重なる第1の表面(108)を備える第1のダイ(102)を含む。第1のダイ(102)は、第1の表面(108)に対向する第2の表面(118)において第1の金属パッド(130)を含む。ICパッケージ(100)はまた、第1のダイ(102)の第2の表面(118)に接する第1の表面(119)を有する誘電体層(106)を含む。ICパッケージ(100)は、誘電体層(106)の第2の表面(121)に接する表面(120)を備える第2のダイ(104)を更に含む。第2のダイ(104)は、第1のダイ(102)の第1の金属パッド(132)に整合された第2の金属パッド(132)を含む。第1のダイ(102)の第2の表面(118)に垂直な平面(136)が、第1の金属パッド(130)及び第2の金属パッド(132)と交差する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)パッケージであって、
基板に重なる第1の表面を備える第1のダイであって、前記第1のダイが、前記第1の表面に対向する第2の表面において第1の金属パッドを含む、前記第1のダイと、
前記第1のダイの前記第2の表面に接する第1の表面を有する誘電体層と、
前記誘電体層の第2の表面に接する表面を備える第2のダイであって、前記第2のダイが、前記第1のダイの前記第1の金属パッドに整合された第2の金属パッドを含み、前記第1のダイの前記第2の表面に垂直な平面が、前記第1の金属パッド及び前記第2の金属パッドと交差する、前記第2のダイと、
を含む、ICパッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載のICパッケージであって、前記第1の金属パッド及び前記第2の金属パッドがキャパシタを形成し、前記第1のダイ及び前記第2のダイが、前記キャパシタを介して通信する、ICパッケージ。
【請求項3】
請求項2に記載のICパッケージであって、前記第1のダイ及び前記第2のダイがガルバニック絶縁されている、ICパッケージ。
【請求項4】
請求項3に記載のICパッケージであって、前記第1のダイが第1の接地電位を有し、前記第2のダイが第2の接地電位を有し、前記第1の接地電位が、前記第2の接地電位と少なくとも40ボルト異なる、ICパッケージ。
【請求項5】
請求項1に記載のICパッケージであって、前記第2のダイの前記表面が第1の表面であり、前記基板が第1の基板であり、前記ICパッケージが、
前記第2のダイの第2の表面に接する第2の基板を更に含み、前記第2のダイの前記第2の表面が、前記第2のダイの前記第1の表面に対向する、ICパッケージ。
【請求項6】
請求項5に記載のICパッケージであって、前記ICパッケージが、
前記第2のダイの金属層の一部を露出させて第3の金属パッドを提供する、前記第2の基板及び前記第2のダイの絶縁層における凹部であって、前記第2のダイの前記絶縁層が、前記第2のダイの前記金属層を、前記第2の基板から分離させる、前記凹部と、
前記第3の金属パッドに結合されるワイヤボンドと、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項7】
請求項1に記載のICパッケージであって、前記誘電体層が、
前記第1のダイの前記第2の表面に接する第1の保護オーバーコートと、
前記第2のダイの前記表面に接する第2の保護オーバーコートと、
前記第1の保護オーバーコートと前記第2の保護オーバーコートとの間に挟まれた非導電性ダイ接着剤と、
を含む、ICパッケージ。
【請求項8】
請求項7に記載のICパッケージであって、
前記第1のダイの前記第2の表面において形成される第3の金属パッドを露出させる、前記第1の保護オーバーコートにおける凹部と、
前記第3の金属パッドに結合されるワイヤボンドと、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項9】
請求項7に記載のICパッケージであって、前記第2のダイの前記表面が第1の表面であり、前記基板が第1の基板であり、前記ICパッケージが、
前記第2のダイの第2の表面に接する第2の基板であって、前記第2のダイの前記第2の表面が前記第2のダイの前記第1の表面に対向する、前記第2の基板と、
前記第2のダイにおける金属層の一部を露出させて、第3の金属パッドを提供する、前記第2の基板及び前記第2のダイの絶縁層における第1の凹部であって、前記第2のダイの前記絶縁層が前記第2のダイの前記金属層を前記第2の基板から分離させる、前記第1の凹部と、
前記第3の金属パッドに結合される第1のワイヤボンドと、
前記第1のダイの前記第2の表面において形成される第4の金属パッドを露出させる、前記第1の保護オーバーコートにおける第2の凹部と、
前記第4の金属パッドに結合される第2のワイヤボンドと、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項10】
請求項9に記載のICパッケージであって、前記第2のダイが、前記第1のダイよりも小さいフットプリントを有する、ICパッケージ。
【請求項11】
請求項1に記載のICパッケージであって、前記誘電体層が、
前記第1のダイの前記第2の表面に接する第1の保護オーバーコートと、
前記第2のダイの前記表面に接する第2の保護オーバーコートと、
前記第1の保護オーバーコートと前記第2の保護オーバーコートとの間に挟まれるスペーサプレートと、
前記第1のダイの前記第2の表面において形成された第3の金属パッドを露出させる、前記第1の保護オーバーコートにおける凹部と、
前記第1の保護オーバーコートと前記スペーサプレートの第1の表面との間に挟まれた第1の非導電性ダイ接着剤(NCDA)層であって、前記第1のNCDA層が、前記第1の保護オーバーコートにおける前記凹部から離間されている前記第1の保護オーバーコートの一部に重なる、前記第1のNCDA層と、
前記第2の保護オーバーコートと、前記スペーサプレートの前記第1の表面に対向する前記スペーサプレートの第2の表面との間に挟まれた第2のNCDA層と、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項12】
請求項11に記載のICパッケージであって、前記第2のダイの前記表面が第1の表面であり、前記基板が第1の基板であり、前記ICパッケージが、
前記第2のダイの第2の表面に接する第2の基板であって、前記第2のダイの前記第2の表面が、前記第2のダイの前記第1の表面に対向する、前記第2の基板と、
前記第2の基板及び前記第2のダイの絶縁層における第1の凹部であって、前記第2のダイの金属層を露出させて第3の金属パッドを提供し、前記第2のダイの前記絶縁層が、前記第2のダイの前記金属層を前記第2の基板から分離する、前記第1の凹部と、
前記第3の金属パッドに結合される第1のワイヤボンドと、
前記第1のダイの前記第2の表面において形成された第4の金属パッドを露出させる、前記第1の保護オーバーコートにおける第2の凹部と、
前記第4の金属パッドに結合される第2のワイヤボンドと、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項13】
請求項12に記載のICパッケージであって、前記スペーサプレート及び前記第2のダイが、前記第1のダイよりも小さいフットプリントを有する、ICパッケージ。
【請求項14】
集積回路(IC)パッケージであって、
第1の基板に重なる第1の表面を備える第1のダイであって、前記第1のダイが、前記第1の表面に対向する第2の表面において、第1の金属パッドを含む前記第1のダイと、
前記第1の金属パッドに整合された第2の金属パッドを含む第2のダイと、
前記第1のダイの前記第2の表面に接する第1の保護オーバーコート層であって、前記第1の保護オーバーコート層が、前記第1のダイの前記第2の表面に配置された第3の金属パッドを露出させる第1の凹部を含む前記第1の保護オーバーコート層と、
前記第2のダイの第1の表面に接する第2の保護オーバーコート層と、
前記第1の保護オーバーコートと前記第2の保護オーバーコートとの間に挟まれた非導電性ダイ接着剤(NCDA)層であって、前記第1の金属パッド及び前記第2の金属パッドが、前記第1のダイを前記第2のダイに結合するキャパシタを形成し、前記NCDA層が、前記第1の凹部から離間されている前記第1の保護オーバーコート層の一部に重なる、前記NCDA層と、
前記第2のダイの第2の表面に接する第2の基板であって、前記第2の基板及び前記第2のダイの絶縁層を介して延在する第2の凹部が、金属層の一部を露出させて第4の金属パッドを提供する、前記第2の基板と、
を含む、ICパッケージ。
【請求項15】
請求項14に記載のICパッケージであって、
配置された前記第3の金属パッドに結合される第1のワイヤボンドと、
前記第4の金属パッドに結合される第2のワイヤボンドと、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項16】
請求項14に記載のICパッケージであって、前記第1のダイ及び前記第2のダイがガルバニック絶縁された、ICパッケージ。
【請求項17】
請求項14に記載のICパッケージであって、前記NCDA層が第1のNCDA層であり、前記ICパッケージが、
前記第2の保護オーバーコートと前記第1の保護オーバーコートとの間に挟まれた第2のNCDA層と、
前記第1のNCDA層と前記第2のNCDA層との間のスペーサと、
を更に含む、ICパッケージ。
【請求項18】
集積回路(IC)パッケージを形成するための方法であって、前記方法が、
第1のダイを含む第1のダイウェハ及び第2のダイを含む第2のダイウェハに保護オーバーコートを付けることであって、前記第1のダイの第1の表面が基板に重なり、前記第1の第2の表面が第1の金属パッドを含み、前記第1のダイの前記第2の表面が前記第1のダイの前記第1の表面に対向することと、
前記第1のダイウェハから前記第1のダイを、前記第2のダイウェハから前記第2のダイを個片化することと、
非導電性ダイ接着剤(NCDA)層を、前記第1のダイの前記第2の表面に付けることと、
前記第2のダイの表面に配置された第2の金属パッドを、前記第1のダイの前記第1の金属パッドと整合することと、
前記第2のダイを前記NCDA層に接着させて、前記第1の金属パッド及び前記第2の金属パッドを備えるキャパシタを形成することであって、前記キャパシタが前記第1のダイを前記第2のダイに結合することと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載のICパッケージを形成するための方法であって、前記第2のダイの前記表面が第1の表面であり、前記方法が、
前記第2の基板の金属層の一部を露出させて第3の金属パッドを提供するために、前記第2のダイの第2の表面に接する第2の基板と前記第2の基板の絶縁層とを介して延在する前記第2のダイウェハ内に第1の凹部をエッチングすることであって、前記第2のダイの前記第2の表面が前記第2のダイの前記第1の表面に対向しており、前記第2のダイの前記絶縁層が、前記第2の金属パッドの前記金属層を前記第2の基板から分離する、前記第1の凹部をエッチングすることと、
前記第1のダイの前記第2の表面上に配置される第4の金属パッドを露出させるために、前記第1のダイウェハに重なる前記第1の保護オーバーコートに第2の凹部をエッチングすることであって、前記NCDA層が、前記第2の凹部から離間されている前記第1の保護オーバーコートの一部に付けられる、前記第2の凹部をエッチングすることと、
前記第3の金属パッド及び前記第4の金属パッドにワイヤボンドを取り付けることと、
を更に含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載のICパッケージを形成するための方法であって、前記第1のダイが前記第2のダイからガルバニック絶縁されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、集積回路(IC)パッケージに関し、特に、複数ダイを備えるICパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
ガルバニック絶縁は、電気的システムの機能セクションを絶縁し、電流の流れを防止して、直接的な導通経路が許可されないようにする原理である。その場合でも、キャパシタンス、インダクタンス、又は電磁波等の他のメカニズムによって、エネルギー又は情報がセクション間で交換され得る。ガルバニック絶縁は、2つ又はそれ以上の電気回路が通信するところに用いられるが、そのような電子回路は異なる電位であり得る接地を有する。ガルバニック絶縁は、接地導体を共有する2つのユニット間で不要な電流が流れるのを防止することによって、接地ループを遮断する有効な方法である。ガルバニック絶縁は、安全のためにも用いられ得、偶発的な電流が人体を通って接地に到達することを防ぐ。
【0003】
キャパシタは、交流(AC)を流し、直流を遮断することによってガルバニック絶縁を提供し得る。従って、キャパシタは、異なる直流電圧において回路間でAC信号を結合し得る。
【発明の概要】
【0004】
第1の例が、基板に重なる第1の表面を備える第1のダイを含む集積回路(IC)パッケージに関する。第1のダイは、第1の表面に対向する第2の表面における第1の金属パッドと、第1のダイの第2の表面に接する第1の表面を有する誘電体層とを含む。ICパッケージはまた、誘電体層の第2の表面に接する表面を備える第2のダイを含む。第2のダイは、第1のダイの第1の金属パッドに整合された第2の金属パッドを含む。第1のダイの第2の表面に垂直な平面が、第1の金属パッド及び第2の金属パッドと交差する。
【0005】
第2の例はICパッケージに関する。ICパッケージは、第1の基板に重なる第1の表面を備える第1のダイを含み、第1のダイは、第1の表面に対向する第2の表面において第1の金属パッドを含む。ICパッケージはまた、第1の金属パッドに整合された第2の金属パッドを含む第2のダイを含む。第1の保護オーバーコート層は、第1のダイの第2の表面に接する。第1の保護オーバーコート層は、第1のダイの第2の表面に配置された第3の金属パッドを露出させる第1の凹部を含む。第2の保護オーバーコート層が、第2のダイの第1の表面に接する。非導電性ダイ接着剤(NCDA)層が、第1の保護オーバーコートと第2の保護オーバーコートとの間に挟まれている。NCDA層は、第1の凹部から離間されている第1の保護オーバーコート層の一部に重なる。第1の金属パッド及び第2の金属パッドは、第1のダイを第2のダイに結合するキャパシタを形成する。ICパッケージは、第2のダイの第2の表面に接する第2の基板を更に含む。第2の基板及び第2のダイの絶縁層を介して延在する第2の凹部が、金属層の一部を露出させて第4の金属パッドを提供する。
【0006】
第3の例は、ICパッケージを形成するための方法に関する。この方法は、第1のダイを含む第1のダイウェハ及び第2のダイを含む第2のダイウェハに保護オーバーコートを付けることを含む。第1のダイの第1の表面が基板に重なり、第1のダイの第2の表面が第1の金属パッドを含む。第1のダイの第2の表面は、第1のダイの第1の表面に対向する。この方法は、第1のダイウェハから第1のダイを、第2のダイウェハから第2のダイを個片化することを含む。この方法はまた、NCDA層を第1のダイの第2の表面に付けることと、第2のダイの表面上に配置された第2の金属パッドを第1のダイの第1の金属パッドに整合させることとを含む。この方法は更に、第2のダイをNCDA層に接着して、第1の金属パッド及び第2の金属パッドを備えるキャパシタを形成することを含む。キャパシタは、第1のダイを第2のダイに結合する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ガルバニック絶縁された第1のダイ及び第2のダイを備える集積回路(IC)パッケージの一例の図を示す。
【0008】
【
図2】ガルバニック絶縁された第1のダイ及び第2のダイを備えるICパッケージの別の例を示す。
【0009】
【
図3】ガルバニック絶縁された第1のダイ及び第2のダイを備えるICパッケージの更に別の例を示す。
【0010】
【
図4】ICパッケージを形成する例示の方法のフローチャートを示す。
【0011】
【
図5】
図4の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第1の段階を示す。
【0012】
【
図6】
図4の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第2の段階を示す。
【0013】
【
図7】
図4の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第3の段階を示す。
【0014】
【
図8】
図4の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第4の段階を示す。
【0015】
【
図9】ICパッケージを形成する別の例示の方法を示す。
【0016】
【
図10】
図9の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第1の段階を示す。
【0017】
【
図11】
図9の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第2の段階を示す。
【0018】
【
図12】
図9の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第3の段階を示す。
【0019】
【
図13】
図9の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第4の段階を示す。
【0020】
【
図14】
図9の方法によって形成されるICパッケージのためのパッケージングの第5の段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書は、ガルバニック絶縁され容量結合された第1のダイ及び第2のダイを備える集積回路(IC)パッケージに関する。第1のダイ及び第2のダイは、埋め込み回路を含む。また、第1のダイ及び第2のダイはガルバニック絶縁されているので、第1のダイに埋め込まれた回路は、第2のダイに埋め込まれた回路の接地とは異なる電位の接地を有し得る。第1のダイは、第1の基板に重なる第1の表面を有し、第1のダイは、第1の表面に対向する第2の表面において第1の金属パッドを有する。第1の保護オーバーコートが、第1のダイの第2の表面に接する。第2のダイは、第2の保護オーバーコートに接する第1の表面を有する。第2のダイは、第1の金属パッドに整合された第2の金属パッドを含む。第1の金属パッド及び第2の金属パッドは、第1のダイを第2のダイに結合するキャパシタのノードを形成する。
【0022】
非導電性ダイ接着剤(NCDA)層が、第1の保護オーバーコートと第2の保護オーバーコートとの間に挟まれている。幾つかの例において、複数のNCDA層及び/又はスペーサが、第1の保護オーバーコートと第2の保護オーバーコートとの間に挟まれている。第1の保護オーバーコート、第2の保護オーバーコート、第1のダイの第1の金属パッドと第2のダイの第2の金属パッドとの間に介在するNCDA層(及び/又はその他の層)の組み合わせは、誘電体層を形成する。第1のダイの第1の金属パッド及び第2のダイの第2の金属パッドは、誘電体層によって分離され、それによって、第1のダイを第2のダイに容量結合するためのキャパシタを形成する。
【0023】
また、第1のダイ及び第2のダイを、ICパッケージの他のダイ及び/又は外部リード構成要素等の他の構成要素に結合するためにワイヤボンドが用いられ得る。特に、第1の保護オーバーコートにおける第1の凹部が、第1のダイの第2の表面上に配置された第3の金属接点を露出させる。同様に、第2の基板(例えば、シリコンで形成されている)が、第2のダイの第2の表面に接する。第2の基板は、第2のダイの第2の表面に配置された第4の金属パッドを露出させる第2の凹部を含む。ワイヤボンドがそれぞれの第3の金属パッド及び第4の金属パッドに結合されて、第1のダイ及び第2のダイをICパッケージの他の構成要素に結合する。
【0024】
ICパッケージをこのように実装することによって、機能絶縁、基礎絶縁、又は強化絶縁等の電気的絶縁が達成可能である。また、第1のダイ及び第2のダイはガルバニック絶縁されているため、特に、第1のダイの最大電圧が第2のダイの最大電圧とは異なる状況において、第1のダイ及び第2のダイを製造するために異なる処理技法が採用可能である。
【0025】
図1は、パッケージングを完了するための状態におけるICパッケージ100の一例の図を示す。ICパッケージ100は第1のダイ102及び第2のダイ104を含む。第1のダイ102及び第2のダイ104は、それぞれの埋め込み回路を含む。1つの配向において、第2のダイ104は、第1のダイ102に重なり、第1のダイ102及び第2のダイ104は、誘電体層106によって分離される。
【0026】
第1のダイ102の第1の表面108が基板116に重なる。基板116は、シリコンで形成され得る。第1のダイ102の第2の表面118が第1の表面108に対向する。幾つかの例において、第1のダイ102の第2の表面118は、第1のダイ102のフェースと呼ばれる。1つの配向において、第1のダイ102の第2の表面118は、誘電体層106の下にあり、その結果、誘電体層106の第1の表面119が第1のダイ102の第2の表面に接する。
【0027】
第2のダイ104は、第1の表面120及び第2の表面122を含む。第2のダイ104の第2の表面122は、第2のダイ104の第1の表面120に対向する。幾つかの例において、第2のダイ104は、第1のダイ102よりも小さいフットプリントを有する。ダイのフットプリントは、それぞれのダイの表面の面積を指す。幾つかの例において、第2のダイ104の第1の表面120は、誘電体層106の第2の表面121に接する。誘電体層106の第2の表面121は、誘電体層106の第1の表面119に対向する。
【0028】
幾つかの例において、誘電体層106は、第1のダイ及び第2のダイのための保護オーバーコート、並びに、エポキシで形成された層等の非導電性ダイ接着剤(NCDA)層等の同種の材料の単層を用いて実装される。他の例において、誘電体層106は、第1のダイ及び第2のダイのための保護オーバーコート、NCDAの複数の層、及びNCDAの複数の層の間に挟まれたスペーサ等の異種材料の複数層で実装され得る。
【0029】
第1のダイ102及び第2のダイ104は埋め込み回路を含む。第1のダイ102及び第2のダイ104は、異なる材料及び/又は処理技法を用いて形成され得る。このように、第1のダイ102及び第2のダイ104を製造するための材料及び/又は製造技法は、第1のダイ102及び第2のダイ104の動作パラメータ(例えば、最大電圧)に基づいて、個々に選択可能である。
【0030】
幾つかの例において、第1のダイ102及び第2のダイ104の配置は、フェースツーフェース構成と称される。第1のダイ102は第1の金属パッド130(例えば、コネクタ)を含み、第2のダイ104は第2の金属パッド132を含む。第1の金属パッド130及び第2の金属パッド132は、合同であり、整合されている。従って、1つの配向において、第1のダイ102の第2の表面118に垂直に延在する平面136等の平面は、第1の金属パッド130及び第2の金属パッド132と交差する。第1の金属パッド130は、キャパシタ140の第1のノードを形成し、第2の金属パッド132は、キャパシタ140の第2のノードを形成する。
【0031】
第1のダイ102及び第2のダイ104は、ガルバニック絶縁され、キャパシタ140を介して容量結合されている。このようにして、第1のダイ102に埋め込まれた回路は、キャパシタ140を介して、第2のダイ104に埋め込まれた回路と通信する。第1のダイ102及び第2のダイ104は、ガルバニック絶縁されているので、幾つかの例において、第1のダイ102及び第2のダイ104は、異なる電位の接地を有する。高電圧応用例の1つの例において、第1のダイ102の接地は、第2のダイ104の接地との高い電圧差(例えば、約40ボルト(V)又はそれ以上の電圧差)を有する。実際、第1のダイ102がモータを駆動するための回路を有し、第2のダイ104が第1のダイ102に対する動作を制御する状況等の幾つかの例において、第1のダイ102の接地電圧は、第2のダイ104の接地電圧より、1キロボルト(kV)又はそれ以上大きくなり得る。
【0032】
第1のダイ102は、第1のダイ102の第2の表面118に配置された第3の金属パッド150を含む。第1のワイヤボンド152が、第3の金属パッド150に結合される。また、第4の金属パッド154が、第2のダイ104の第2の表面122上に配置される。第2のワイヤボンド156が、第4の金属パッド154に結合される。第1のワイヤボンド152及び第2のワイヤボンド156は、ICパッケージの他のダイ及び/又はリード等、ICパッケージの他の構成要素に結合される。
【0033】
ICパッケージ100は、ガルバニック絶縁を達成するシンプルな設計を提供する。また、幾つかの例において、ICパッケージ100は、基礎絶縁を達成し、他の例において、ICパッケージ100は、強化絶縁を達成する。また、上述のように、第1のダイ102及び第2のダイ104は、異なる接地電位を有する回路を埋め込む。第1のダイ102及び第2のダイ104の特定の電圧範囲及び/又はその他の動作パラメータに対して選択されたウェハ材料及び処理技法が用いられ得る。これに対し、第1のダイ102及び第2のダイ104の回路が、絶縁を提供する特定の技術に基づいて集積されている状況では、設計者は、その単一の特定のタイプの材料及び処理技法を用いることに限定され得る。
【0034】
図2は、パッケージングを完了するための状態におけるICパッケージ200の一例の詳細図を示す。ICパッケージ200は、
図1のICパッケージ100を実装するために用いられ得る。ICパッケージ200は、ガルバニック絶縁された第1のダイ202及び第2のダイ204を含む。
【0035】
第1のダイ202の第1の表面208が、第1の基板210に重なる。第1の基板210は、シリコンで形成され得る。第1の保護オーバーコート212が第1のダイ202の第2の表面214に付けられ、第2の表面214は、第1の表面208に対向する。幾つかの例において、第1のダイ202の表面214は、第1のダイ202のフェースと呼ばれる。
【0036】
第2のダイ204は、第1の表面220及び第2の表面222を含む。第2のダイ204の第2の表面222は、第2のダイ204の第1の表面220に対向する。第2のダイ204の第1の表面220は、第2のダイ204のフェースと呼ばれる。幾つかの例において、第2のダイ204は、第1のダイ202よりも小さいフットプリントを有する。第2の保護オーバーコート224が、第2のダイ204の第1の表面220に接着される。
【0037】
第1のダイ202及び第2のダイ204は埋め込み回路を含む。第1のダイ202及び第2のダイ204は、異なる材料及び/又は処理技法を用いて形成され得る。このように、第1のダイ202及び第2のダイ204を製造するための材料及び/又は処理技法は、第1のダイ202及び第2のダイ204の動作パラメータに基づいて個別に選択可能である。
【0038】
NCDA層226が、第1の保護オーバーコート212及び第2の保護オーバーコート224に接着される。言い換えると、NCDA層226は、第1の保護オーバーコート212と第2の保護オーバーコート224との間に挟まれている。幾つかの例において、NCDA層226は、エポキシを用いて実装される。
【0039】
幾つかの例において、第1のダイ202及び第2のダイ204の配置はフェースツーフェース構成と呼ばれる。第1のダイ202は第1の金属パッド230(例えば、コネクタ)を含み、第2のダイ204は第2の金属パッド232を含む。第1の金属パッド230及び第2の金属パッド232は、各々、40~200マイクロメートル(μm)の範囲の直径を有し得る。第1の金属パッド230及び第2の金属パッド232は、製造公差(例えば、±10μm)の範囲内で、合同であり整合されている。従って、1つの配向において、第1のダイ202の第2の表面214に垂直に延在する平面236等の平面は、第1の金属パッド230及び第2の金属パッド232と交差する。第1の金属パッド230は、キャパシタ240の第1のノードを形成し、第2の金属パッド232で、キャパシタ240の第2のノードを形成する。
【0040】
第1の保護オーバーコート212及び第2の保護オーバーコート224は、各々、材料のスタックで形成され得る。例えば、第1の保護オーバーコート212及び第2の保護オーバーコート224は、少なくとも約1μm(例えば、±0.7μm)の厚みの二酸化シリコン(SiO
2)の第1の層と、少なくとも約1μm(例えば、±0.7μm)の厚みの酸窒化シリコン(SiON)の第2の層と、少なくとも約10μm(例えば、±8μm)の厚みの二酸化シリコン(SiO
2)の第3の層とを用いて形成され得る。また、NCDA層226は、少なくとも約6μm(例えば、±4μm)の厚みを有し得る。第1の保護オーバーコート212、第2の保護オーバーコート224、及びNCDA層226の組み合わせが、
図1の誘電体層106を実装するために用いられ得る。このような状況において、第1の金属パッド230及び第2の金属パッド232は、約30μm(例えば、±22.8μm)の距離だけ離れている。
【0041】
第1のダイ202及び第2のダイ204は、ガルバニック絶縁され、キャパシタ240を介して容量結合されている。このように、第1のダイ202に埋め込まれた回路が、キャパシタ240を介して、第2のダイ204に埋め込まれた回路と通信し得、またその逆も同様である。第1のダイ202及び第2のダイ204はガルバニック絶縁されているので、幾つかの例において、第1のダイ202及び第2のダイ204は、異なる電位における接地を有する。高電圧応用例の一例において、第1のダイ202の接地は、第2のダイ204の接地との高い電圧差(例えば、約40V又はそれ以上の電圧差)を有する。実際、第1のダイ202がモータを駆動するための回路を含み、第2のダイ204が第1のダイ202の動作を制御する状況等の幾つかの例において、第1のダイ202の接地電圧は、第2のダイ204の接地電圧より、1kV又はそれ以上高くなり得る。
【0042】
幾つかの例において、第1の保護オーバーコート212に第1の凹部242がエッチングされる。第1の保護オーバーコート212における第1の凹部242は、第1のダイ202の第2の表面214上に配置された第3の金属パッド250を露出させる。第1の凹部242は、NCDA層226から離間されている。言い換えると、第1の凹部242が含まれる例では、第1のNCDA層226は、第1の凹部242から離間されている第1のダイ202に重なる第1の保護オーバーコート212の一部に付けられる。従って、第1のNCDA層226は、第1の凹部242に重なることもなく、覆ってもいない。第1のワイヤボンド252が第3の金属パッド250に結合される。また、第2の基板254(例えば、シリコンで形成されている)は、第2のダイ204の第2の表面222に接する。特に、第2の表面222は、第2のダイ204の絶縁層255に近接しており、第2の基板254は、第2のダイ204の絶縁層255に接する。裏面処理技法を用いて形成された第2の凹部256が、第2の基板254と第2のダイ204の絶縁層255にエッチングされ、第2のダイ204内の金属層の一部を露出させて、第4の金属パッド260を提供する。従って、幾つかの例において、凹部256を形成する、第2の基板254及び絶縁層255における開口は自己整合される。また、第2のダイ204の絶縁層255は、第4の金属パッド260を基板254から分離させる。第2のワイヤボンド262が、第4の金属パッド260に結合される。第1のワイヤボンド252及び第2のワイヤボンド262は、ICパッケージ200の他のダイ及び/又は外部リード等のICパッケージ200の他の構成要素に結合され得る。
【0043】
ICパッケージ200は、ガルバニック絶縁を達成するシンプルな設計を提供する。また、幾つかの例において、ICパッケージ200は、基礎絶縁を達成し、他の例において、ICパッケージ200は、強化絶縁を達成する。また、上述のように、幾つかの例において、第1のダイ202及び第2のダイ204は、異なる最大電圧を有する回路を埋め込む。従って、第1のダイ202及び第2のダイ204の特定の電圧範囲及び/又は他の動作パラメータのために選択されたウェハ材料及び処理を採用し得る。これに対し、第1のダイ202及び第2のダイ204の回路が単一の技術を用いて集積されている状況では、設計者は、単一のタイプの材料及び処理技法を用いることに限定され得る。
【0044】
図3は、パッケージングを完了するための状態におけるICパッケージ300の詳細図を示す。ICパッケージ300は、
図1のICパッケージ100を実装するために用いられ得る。ICパッケージ300は、ガルバニック絶縁された第1のダイ302及び第2のダイ304を含む。
【0045】
第1のダイ302の第1の表面308が、第1の基板310に重なる。第1の基板310はシリコンであり得る。第1の保護オーバーコート312が、第1のダイ302の第2の表面316に付けられ、第2の表面316は、第1の表面308に対向する。幾つかの例において、第1のダイ302の第2の表面316は、第1のダイ302のフェースと呼ばれる。
【0046】
第2のダイ304は、第1の表面320及び第2の表面322を含む。第2のダイ304の第2の表面322は、第2のダイ304の第1の表面320に対向する。第2のダイ304の第1の表面320は、第2のダイ304のフェースと呼ばれる。幾つかの例において、第2のダイ304は、第1のダイ302よりも小さいフットプリントを有する。第2の保護オーバーコート324が、第2のダイ304の第1の表面320に接着される。
【0047】
第1のダイ302及び第2のダイ304は、埋め込み回路を含む。第1のダイ302及び第2のダイ304は、異なる材料及び/又は処理技法を用いて形成され得る。このように、第1のダイ302及び第2のダイ304を製造するための材料及び/又は処理技法は、第1のダイ302及び第2のダイ304の動作パラメータに基づいて個別に選択可能である。
【0048】
スペーサプレート326が、第1の保護オーバーコート312と第2の保護オーバーコート324との間に挟まれている。スペーサプレート326は非導電性材料から形成される。幾つかの例において、スペーサプレート326は、溶融シリカ又は石英等の二酸化シリコン(SiO2)材料を用いて形成される。
【0049】
第1のNCDA層328が、第1の保護オーバーコート312及びスペーサプレート326に接着される。従って、第1のNCDA層328は、第1の保護オーバーコート312とスペーサプレート326との間に挟まれる。第2のNCDA層330が第2の保護オーバーコート324に接着される。従って、第2のNCDA層330は、第2の保護オーバーコート324とスペーサプレート326との間に挟まれる。幾つかの例において、第1のNCDA層328及び第2のNCDA層330は、エポキシを用いて形成される。
【0050】
幾つかの例において、第1のダイ302及び第2のダイ304の配置はフェースツーフェース構成と呼ばれる。第1のダイ302は第1の金属パッド332(例えば、コネクタ)を含み、第2のダイ304は第2の金属パッド334を含む。第1の金属パッド332及び第2の金属パッド334は、各々、約120μm(例えば、±80μm)の直径を有し得る。第2のダイ304は、第1の金属パッド332及び第2の金属パッド334が、合同であり、製造公差(例えば、±10μm)の範囲内で整合されるように、第1のダイ302に整合される。従って、1つの配向において、第1のダイ302の第2の表面316に垂直に延在する平面338等の平面が、第1の金属パッド332及び第2の金属パッド334と交差する。第1の金属パッド332は、キャパシタ340の第1のノードを形成し、第2の金属パッド334は、キャパシタ340の第2のノードを形成する。
図2のICパッケージ200と比べると、ICパッケージ300は、一層薄い第1の保護オーバーコート312及び一層薄い第2の保護オーバーコート324を有する。スペーサプレート326は、第1の保護オーバーコート312及び第2の保護オーバーコート324の低減された厚みを補償する。
【0051】
第1の保護オーバーコート312及び第2の保護オーバーコート324は、各々、材料のスタックから形成され得る。例えば、第1の保護オーバーコート312及び第2の保護オーバーコート324は、少なくとも約1μm(例えば、±0.7μm)の厚みの二酸化シリコン(SiO
2)の第1の層と、少なくとも約1μm(例えば、±0.7μm)の厚みの酸窒化シリコン(SiON)の第2の層とを用いて形成され得る。また、第1のNCDA層328及び第2のNCDA層330は、少なくとも約6μm(例えば、±4μm)の厚みを有する。スペーサプレート326は少なくとも約20μm(例えば、±10μm)の厚みを有する。第1の保護オーバーコート312、第2の保護オーバーコート324、第1のNCDA層328、第2のNCDA層330、及びスペーサプレート326の組み合わせが、
図1の誘電体層106を実装するために用いられ得る。このような状況において、第1の金属パッド332と第2の金属パッド334は、約36μm(例えば、±20.8μm)の距離だけ離されている。
【0052】
第1のダイ302及び第2のダイ304は、ガルバニック絶縁され、キャパシタ340を介して容量結合される。このように、第2のダイ304に埋め込まれた回路は、キャパシタ340を介して、第2のダイ304に埋め込まれた回路と通信し得、またその逆も同様である。第1のダイ302及び第2のダイ304はガルバニック絶縁されているので、第1のダイ302及び第2のダイ304は、異なる接地電位を有する。高電圧応用例の一例において、第1のダイ302の接地は、第2のダイ304の接地との高い電圧差(例えば、約40V又はそれ以上の電圧差)を有する。実際、第1のダイ302がモータを駆動するための回路を含み、第2のダイ304が第1のダイ302上の動作を制御する状況等の、幾つかの例において、第1のダイ302の接地電圧は、第2のダイ304の接地電圧より1kV又はそれ以上大きくなり得る。
【0053】
一例において、第1の凹部342が、第1の保護オーバーコート312にエッチングされる。第1の保護オーバーコート312における第1の凹部342は、第1のダイ302の第2の表面316上に配置された第3の金属パッド350を露出させる。第1の凹部342は、第1のNCDA層328から離間されている。言い換えると、第1の凹部342が含まれる例において、第1のNCDA層328は、第1の凹部342から離間された第1のダイ302に重なる第1の保護オーバーコート312の一部に付けられる。従って、第1のNCDA層342は、第1の凹部342に重なることもなく、第1の凹部342を覆ってもいない。第1のワイヤボンド352が、第3の金属パッド350に結合される。また、第2の基板354(例えば、シリコンを用いて形成されている)は第2のダイ304の第2の表面322に接する。特に、第2のダイ304は、第2のダイ304の第2の表面322に近接する絶縁層355を含む。従って、第2の基板354は、幾つかの例において、第2のダイ304の絶縁層355に接する。裏面処理技法を用いて第2の基板354及び第2のダイ304の絶縁層355にエッチングされた第2の凹部356が、第2のダイ304の金属層の一部を露出させて、第2のダイ304内に第4の金属パッド360を提供する。従って、幾つかの例において、第2の凹部356を形成する、第2のダイ304の第2の基板354及び絶縁層355に形成される開口が自己整合される。また、第2のダイ304の絶縁層355は、第4の金属パッド360を基板354から分離する。第2のワイヤボンド362が、第4の金属パッド360に結合される。第1のワイヤボンド352及び第2のワイヤボンド362は、ICパッケージ300の他のダイ及び/又は外部リード等のICパッケージ300の他の構成要素に結合される。
【0054】
ICパッケージ300は、ガルバニック絶縁を達成するシンプルな設計を提供する。また、幾つかの例において、ICパッケージ300は基礎絶縁を達成し、他の例において、ICパッケージ300は強化絶縁を達成する。また、上述のように、幾つかの例において、第1のダイ302及び第2のダイ304は、異なる最大電圧を有する回路を埋め込む。従って、第1のダイ302及び第2のダイ304の特定の電圧範囲及び/又はその他の動作特性に対して選択されたウェハ材料及び処理技法が採用され得る。これに対し、第1のダイ302及び第2のダイ304の回路が単一のダイ上に集積される状況では、設計者は、単一のタイプの材料及び処理技法を用いることに限定され得る。
【0055】
図4は、ICパッケージを形成するための方法400を図示する。方法400は、例えば、
図1のICパッケージ100及び/又は
図2のICパッケージ200を形成するために用いられ得る。従って、ICパッケージは、
図2の第1のダイ202及び第2のダイ204等の第1のダイ及び第2のダイを含む。方法400は、
図5~
図8を用いて説明される。
図5~
図8は、
図2のICパッケージ200の製造の段階を示す。また、
図2及び
図5~
図8は、同じ構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0056】
405において、保護オーバーコートが、それぞれ第1のダイウェハ及び第2のダイウェハと呼ばれ得る第1のダイ及び第2のダイを含むダイウェハに付けられる。より具体的には、
図5に示すように、第1の保護オーバーコート212及び第2の保護オーバーコート224が、それぞれ、
図5に示すように、第1のダイ202を含む第1のダイウェハ280、及び第2のダイ204を含む第2のダイウェハ282に付けられる。また、第1のダイ202は、
図5に示されるように、第1の基板210等の第1の基板に重なる。
【0057】
図4に戻って参照すると、410において、第1の凹部が、第1のダイウェハに付けられた第1の保護オーバーコートにパターニング及びエッチングされる。412において、第2のダイウェハの裏側がパターン化され、第2のダイウェハの裏側のパターンは、第2のダイウェハの表側のパターンに整合される。413において、第2の凹部が、第2の基板及び第2のダイウェハの裏側の絶縁層に、第2のダイに重なる領域において、エッチングされる。幾つかの例において、第2の基板及び絶縁層内の第2の凹部は、裏面処理技法を用いて形成される。
図6に図示されるように、第1の凹部242は、第1のダイ202の第3の金属パッド250を露出させ、第2の凹部256は、第2のダイ204の金属層の一部を露出させて第4の金属パッド260を提供する。
【0058】
図4に戻って参照すると、414において、第1のダイ及び第2のダイは、第1のダイウェハ及び第2のダイウェハから個片化される。幾つかの例において、第1のダイ及び第2のダイは、レーザ処理又は切断処理を用いて個片化され得る。415において、
図7のNCDA層226によって示されるように、NCDA層が第1のダイに付けられる。
図7に図示されるように、NCDA層226は、第1の凹部242から離間されている第1のダイ202の第1の保護オーバーコート212の一部に付けられる。
図4に戻って参照すると、420において、第1のダイの第1の金属パッド及び第2のダイ上の第2の金属パッドが整合され、第2のダイは、NCDA層に取り付けられ、425において、第2のダイはNCDA層に接着される。
図8に図示されるように、第2の金属パッド232は、第1の金属パッド230に整合され、その結果、平面236は、第1の金属パッド230及び第2の金属パッド232を介して延在してキャパシタを形成する。
図4に戻って参照すると、430において、ワイヤボンドが、第1の凹部及び第2の凹部によって露出された金属パッドに取り付けられて、
図2に示されるICパッケージ200を形成する。
【0059】
図9は、ICパッケージを形成するための方法1000を示す。方法1000は、例えば、
図1のICパッケージ100及び/又は
図3のICパッケージ300を形成するために用いられ得る。従って、ICパッケージは、
図2の第1のダイ302及び第2のダイ304等の第1のダイ及び第2のダイを含む。方法1000は、
図10~
図14を用いて説明される。
図10~
図14は、
図3のICパッケージ300の製造の段階を示す。また、
図3及び
図10~
図14は、同じ構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0060】
1005において、保護オーバーコートが、第1のダイウェハ及び第2のダイウェハと呼ばれ得る第1のダイ及び第2のダイを含むダイウェハに付けられる。より具体的には、
図10に示されるように、第1の保護オーバーコート312及び第2の保護オーバーコート324が、それぞれ、第1のダイ302を含む第1のダイウェハ380、及び第2のダイ304を含む第2のダイウェハ382に付けられる。また、
図10に示されるように、第1のダイは、第1の基板310に重なる。
図9に戻って参照すると、1010において、第1の凹部が、第1のダイを含む第1のウェハに付けられた第1の保護オーバーコートにエッチングされる。1012において、第2のダイウェハの裏側がパターン化され、第2のダイウェハの裏側のパターンが、第2のダイウェハ282の表側のパターンに整合される。1013において、第2の凹部が、第2の基板、及び第2のダイウェハの裏側の絶縁層内に、第2のダイに重なる領域において、エッチングされる。幾つかの例において、第2の基板及び絶縁層内の第2の凹部は、裏面処理技法を用いて形成される。
図11に示すように、第1の凹部342は、第1のダイ302の第3の金属パッド350を露出させ、第2の凹部356は、第2のダイ304の金属層を露出させて、第4の金属パッド360を提供する。
【0061】
図9に戻って参照すると、1014において、第1のダイ及び第2のダイは、それぞれ、第1のダイウェハ及び第2のダイウェハから個片化される。幾つかの例において、第1のダイ及び第2のダイは、レーザ処理及び切断処理を用いて個片化され得る。1015において、第1のNCDA層が第1のダイに付けられる。
図12は、第1のダイ302の第2の表面316に付けられた第1のNCDA層328を示す。
図12に示されるように、第1のNCDA層328は、第1の凹部342から離間されている第1のダイ302の第1の保護オーバーコート312の一部に付けられる。
【0062】
図9に戻って参照すると、1020において、スペーサプレートが第1のNCDA層上に取り付けられる。1025において、第2のNCDA層が、スペーサプレートに付けられる。
図13は、第1のNCDA層328上に取り付けられたスペーサプレート326及びスペーサプレート326上に付けられた第2のNCDA層330を示す。
図9に戻って参照すると、1030において、第1のダイの第1の金属パッド及び第2のダイの第2の金属パッドが整合される。1035において、第2のダイは、第2のNCDA層に取り付けられる。
図14に図示されるように、第2の金属パッド334は、第1の金属パッド332に整合され、その結果、平面338が、第1の金属パッド332及び第2の金属パッド334を介して延在してキャパシタを形成する。
図9に戻って参照すると、1040において、ワイヤボンドが、第1の凹部342及び第2の凹部356によって露出された金属パッドに取り付けられて、
図3に図示されるICパッケージ300を形成する。
【0063】
上述されたものは例である。もちろん、構成要素又は方法の全ての可能性のある組み合わせを説明するのは不可能であるが、当業者であれば、更に多くの組み合わせ及び置換が可能であることを理解するであろう。従って、本明細書は、添付の特許請求の範囲を含む本願の範囲内に入るそのような全ての変更、修正、及び変形例を包含する。
【国際調査報告】