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特表2022-536517ワイヤレス充電用送受信アンテナと、その製造装置および製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】ワイヤレス充電用送受信アンテナと、その製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20220809BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20220809BHJP
   H02J 50/27 20160101ALI20220809BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q7/00
H02J50/27
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573754
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 KR2020007735
(87)【国際公開番号】W WO2020251334
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0069837
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521542498
【氏名又は名称】パスコン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PASSCON CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】852, Pyeongcheon-ro, Bucheon-si, Gyeonggi-Do 14487 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒェジョン
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA03
5J046AB11
5J046PA06
(57)【要約】
本開示の一実施例によれば、アンテナ装置と、アンテナ装置の製造装置および製造方法が開示される。本開示の一実施例に係るアンテナ装置は、連結(connecting)PCBが取り付けられたアンテナ基板用シートと、前記連結PCBの複数の接続端子のいずれか一つから始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つで終わるアンテナパターンとを含み、前記アンテナパターンは、前記アンテナ基板用シートに埋め込まれた一線の機能をする複数のワイヤと、前記複数のワイヤが前記アンテナ基板用シート上で巻き取りが完了する点と前記連結PCBとを連結するブリッジと、を含んでも良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ基板用シートを装着するベースフレームと、
前記ベースフレームの中央上部に配置される中央フレームと、
前記中央フレームに結合され、前記アンテナ基板用シートに複数のワイヤを並列に同時に埋め込ませる、埋め込みヘッド構造体と、
前記中央フレームに結合され、前記複数のワイヤを含んで形成されたアンテナパターンを連結(connecting)PCBに溶接する溶接モジュール構造体と、
前記複数のワイヤの先端と前記連結PCBとを連結するブリッジを施工する銅箔接着構造体と、
を含むことを特徴とする、アンテナ製造装置。
【請求項2】
前記ブリッジは、銅箔(copper foil)又は少なくとも銅箔を含む複合体からなることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ製造装置。
【請求項3】
前記埋め込みヘッド構造体は、
前記複数のワイヤを繰り出す埋め込みヘッドモジュールと、
前記埋め込みヘッドモジュールの上部に結合され、超音波振動により所定のエネルギーを発生させて前記アンテナ基板用シートを融解させる超音波振動子部材と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ製造装置。
【請求項4】
前記埋め込みヘッド構造体は、上端部に前記複数のワイヤの各々を供給する複数のワイヤスプールが形成され、回転可能に構成されたワイヤ供給回転板部材をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のアンテナ製造装置。
【請求項5】
アンテナ基板用シート上に複数のワイヤを並列に同時に埋め込ませるステップと、
前記複数のワイヤの先端と連結PCBとを連結するブリッジを施工するステップと、
前記複数のワイヤの基端とブリッジの両端とを溶接するステップと、
を含むことを特徴とする、アンテナ装置の製造方法。
【請求項6】
前記埋め込むステップ、前記ブリッジを施工するステップ、前記溶接するステップのいずれか一つのステップの前に、
前記連結PCBを前記アンテナ基板用シートに取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のアンテナ装置の製造方法。
【請求項7】
前記埋め込むステップの前に、前記アンテナ基板用シートに1つ以上の開口を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のアンテナ装置の製造方法。
【請求項8】
前記連結PCBの複数の接続端子の少なくとも1つは、前記1つ以上の開口に位置することを特徴とする、請求項7に記載のアンテナ装置の製造方法。
【請求項9】
連結(connecting)PCBが取り付けられたアンテナ基板用シートと、
前記連結PCBの複数の接続端子のいずれか一つから始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つで終るアンテナパターンと、を含むアンテナ装置であって、
前記アンテナパターンは、前記アンテナ基板用シートに埋め込まれた一線の機能をする複数のワイヤと、前記複数のワイヤが前記アンテナ基板用シート上で巻き取りが完了する点と前記連結PCBとを連結するブリッジと、を含むことを特徴とする、アンテナ装置。
【請求項10】
前記ブリッジは、銅箔または、少なくとも銅箔を含む複合体からなることを特徴とする、請求項9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記アンテナ基板用シートに1つ以上の開口が形成され、前記連結PCBの複数の接続端子の少なくとも1つは、前記1つ以上の開口に位置することを特徴とする、請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記複数のワイヤの基端の位置と、ブリッジの両端の位置とは溶接されることを特徴とする、請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
連結(connecting)PCBが取り付けられたアンテナ基板用シートと、
前記連結PCBの複数の接続端子のいずれか一つから始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つで終わるアンテナパターンと、を含むアンテナ装置であって、
前記アンテナパターンは、前記アンテナ基板用シートに埋め込まれた一線の機能をする複数のワイヤからなり、前記複数のワイヤの基端は、前記連結PCBの端子1の位置で溶接され、前記複数のワイヤの前記アンテナ基板用シート上で巻き取りが完了する点は、前記連結PCBの端子2の位置で溶接されることを特徴とする、アンテナ装置。
【請求項14】
前記アンテナ基板用シートに1つ以上の開口が形成され、前記連結PCBの複数の接続端子の少なくとも1つは、前記1つ以上の開口に位置することを特徴とする、請求項13に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス充電用送受信アンテナと、その製造装置および製造方法に関するものであり、連結(connecting)PCBが取り付けられたアンテナ基板用シートと、前記連結PCBの複数の接続端子のいずれか一つから始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つで終るアンテナパターンを含むアンテナ装置であって、前記アンテナパターンは、前記アンテナ基板用シートに埋め込まれた一線の機能をする複数のワイヤと、前記複数のワイヤが前記アンテナ基板用シート上で巻き取りが完了する点と前記連結PCBとを連結するブリッジと、を含む、アンテナ装置と、そのアンテナ装置の製造装置および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、現代の電子機器は、ワイヤレス技術の進化により、電子機器のワイヤレス充電技術も発展しており、これを実現する送信モジュール(Tx)と受信モジュール(Rx)との間の通信の効率向上のために、様々な方式のアンテナが開発されて用いられている。特に、ワイヤレス技術の発達により近距離ワイヤレス通信アンテナの需要が急増しているが、このような近距離ワイヤレス通信用アンテナ及びワイヤレス充電用アンテナを形成する方法としては、大きくドライエッチング及びウエットエッチング方式と銅箔打ち抜きでアンテナを製作する方式、その他、銅線(copper wire)をアンテナコイルの導体として用いて基板に埋め込む(embedding)方式などがある。このうち、ウエットエッチング方式は、強酸性の化学物質によって、構成しようとするアンテナワイヤを除いた部分を腐食させ、アンテナパターンを形成する方式であるため、コストが高く、環境公害をもたらすことになり、別途の公害防止施設が必要となる。これに対し、ドライエッチングと銅箔打ち抜き方式は、形成されるアンテナの形状がウエットエッチング方式と類似するが、ウエットエッチングの欠点を補完した方式であって、機械的方式でアンテナパターンを形成するため、最近、よく使用されている。しかし、このようなドライエッチングであっても、銅箔打ち抜き方式であっても、製作過程でアンテナコイルを基板に取り付けるために、接着剤の使用が必須であるため、耐久性に問題を引き起こし、特にワイヤレス充電のように、送受信アンテナ間の効率を高める目的で、アンテナコイル(導体)の表面を拡大するために、複数層の銅箔アンテナを積み重ねる積層を形成しているが、このように複数層の銅箔アンテナを積み重ねるためには、各層が堅固に取り付けられるように、高効率の接着剤を使用する。このとき、送受信間の効率を阻害する誘電物質である接着剤による充填効率の損失、及び工程の追加、不良率の増加、接着剤の購入などによるコスト増加の欠点がある。なお、一線の銅線をアンテナコイルの導体として用いて基板に埋め込む(embedding)方式は、製作し易さ、及び層間に干渉する物質がないため、送受信間の効率を増大することができるという利点がある一方で、アンテナ導体の表面積を広くするためには、厚さの太いワイヤを用いることがあるが、この場合は、アンテナ装置の厚さ増加によって、電子機器の小型化に不適合である。
【0003】
従来のワイヤレス充電アンテナの製造方法の一例を、図1を参照してみると、回路基板を用意するステップ(S100)と、レーザのような切断機構を用いて銅箔シートを所定の形態に切断加工するステップ(S102)と、切断加工された銅箔シートの下部に接着剤を塗布した後、回路基板に取り付けるステップ(S103)とからなる。
【0004】
また、物理的/化学的な切断方式ではなく、打ち抜きツールを用いて銅箔を打ち抜いた後、下部に接着剤を塗布して基板に取り付ける方式も広く用いられる。
【0005】
しかし、上記のような従来のワイヤレス充電アンテナの製造方法は、ドライエッチングや打ち抜き方式の製造工程が主流となっており、このようなドライエッチングと打ち抜き方式の製造は、精巧に加工された銅箔シートアンテナコイルをベースフィルム上に堅固に取り付けるために、細かく精巧な工程を経なければならず、製造コストが大幅に増加し、また、各層間の接着剤塗布による接着剤の誘電特性の影響で電流損失が生じるのはもちろん、20~30ミクロン単位の薄いシートを切断して1つのアンテナコイルを形成する方式であるため、小さな力でも破損しやすくなり、アンテナコイルを保護するための別途の保護膜を形成しなければならないこと等、製造工程が非常に複雑であり、銅箔をはじめ、接着剤、ベースフィルム(base film)などあらゆる副資材も純度の高い素材を使用しなければならないため、製造コストもかなり高くなるという問題があった。
【0006】
また、上記のような従来の方法では、充電時、より高い電流を得るためには、より広いアンテナコイルの表面が必要となるが、銅箔シートをアンテナコイルとして使用する場合(エッチング、打ち抜き方式を含む)、2層または3層を積み重ねて、その表面の広さを改善することになる。このとき、各層間に形成されているアンテナパターンが正確に一致しなければ、アンテナパターン間の干渉を低減することができないため、積層工程は、非常に精密な作業となり、それにより工数が増加し、不良率も高くなる。また、ワイヤレス充電時の需要電力量が多くなるほど、より高い精巧性が求められる欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本開示は、上記のような従来技術の問題点を解決するためのものであって、アンテナの効率を向上させるとともに、アンテナの製造コストも低減することができるワイヤレス充電用アンテナの製造装置および製造方法と、この方法で製造されたアンテナ装置を提供することに目的がある。
【0008】
本開示のさらに別の目的は、製造工程上、ワイヤが重なる部分で厚さの薄い銅箔などにてブリッジ処理することによって、重なる部位の厚さ増加に伴う製造工程上のエラーを最小化でき、したがって、アンテナ製造の歩留まりも大幅に向上させることができる薄型構造のワイヤレス充電用アンテナ装置と、その製造装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様では、アンテナ基板用シートを取り付けるベースフレームと、前記ベースフレームの中央上部に配置される中央フレームと、前記中央フレームに結合され、前記アンテナ基板用シートに複数のワイヤを並列に同時に埋め込む、埋め込みヘッド構造体と、前記中央フレームに結合され、前記複数のワイヤを含んで形成されたアンテナパターンを連結(connecting)PCBに溶接する溶接モジュール構造体と、前記複数のワイヤの先端と前記連結PCBとを連結するブリッジを施工する銅箔接着構造を含む、アンテナ製造装置が提供される。
【0010】
一実施例では、前記ブリッジは、銅箔(copper foil)または、少なくとも銅箔を含む複合体であっても良い。
【0011】
一実施例では、前記埋め込みヘッド構造体は、前記複数のワイヤを繰り出す埋め込みヘッドモジュールと、前記埋め込みヘッドモジュールの上部に結合され、超音波振動により所定のエネルギーを発生させて前記アンテナ基板用シートを融解させる超音波振動子部材を含んでも良い。
【0012】
一実施例では、前記埋め込みヘッド構造体は、上端部に前記複数のワイヤの各々を供給する複数のワイヤスプールが形成され、回転可能に構成されたワイヤ供給回転板部材をさらに含んでも良い。
【0013】
本開示の別の態様では、アンテナ基板用シート上に複数のワイヤを並列に同時に埋め込むステップと、前記複数のワイヤの先端と連結PCBとを連結するブリッジを施工するステップと、前記複数のワイヤの基端と前記ブリッジの両端とを溶接するステップと、を含む、アンテナ装置の製造方法が提供される。
【0014】
一実施例では、前記埋め込むステップ、前記ブリッジを施工するステップ、前記溶接するステップのいずれか一つのステップの前に、前記連結PCBを前記アンテナ基板用シートに取り付けるステップをさらに含んでも良い。
【0015】
一実施例では、前記埋め込むステップの前に、前記アンテナ基板用シートに1つ以上の開口を形成するステップをさらに含んでも良い。
【0016】
一実施例では、前記連結PCBの複数の接続端子の少なくとも1つは、前記1つ以上の開口に位置してもよい。
【0017】
本開示のさらに別の態様では、一実施例では、連結(connecting)PCBが取り付けられたアンテナ基板用シートと、前記連結PCBの複数の接続端子のいずれか一つから始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つで終わるアンテナパターンとを含むアンテナ装置であって、前記アンテナパターンは、前記アンテナ基板用シートに埋め込まれた複数のワイヤと、前記複数のワイヤと前記連結PCBとを連結するブリッジと、を含む、アンテナ装置が提供される。
【0018】
一実施例では、前記アンテナ基板用シートに1つ以上の開口が形成され、前記連結PCBの複数の接続端子の少なくとも1つは、1つ以上の開口に位置してもよい。
【0019】
一実施例では、前記複数のワイヤの基端の位置と、ブリッジの両端の位置とは溶接されても良い。
【0020】
本開示のさらに別の態様では、連結(connecting)PCBが取り付けられたアンテナ基板用シートと、前記連結PCBの複数の接続端子のいずれか一つから始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つで終わるアンテナパターンとを含むアンテナ装置であって、前記アンテナパターンは、前記アンテナ基板用シートに埋め込まれた一線の機能をする複数のワイヤからなり、前記複数のワイヤの基端は、前記連結PCBの端子1の位置で溶接され、前記複数のワイヤの前記アンテナ基板用シート上で巻き取りが完了する点は、前記連結PCBの端子2の位置で溶接される、アンテナ装置が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本開示の一実施例によれば、回転可能な埋め込みヘッドモジュールと、この埋め込みヘッドモジュールに同期して回転連動するワイヤ供給モジュールとを備え、基板シート上に一線の機能をするように、複数のワイヤを並列に埋め込んだ後、ワイヤの先端部でワイヤがクロスオーバーとならないように、銅箔をブリッジするハイブリッド工程でワイヤレス充電アンテナを製造することにより、ワイヤレス充電用アンテナとしての充電効率を向上させるとともに、アンテナの製造コストも大幅に低減することができる効果がある。
【0022】
また、ワイヤが重なる部分で厚さの薄い銅箔にてブリッジ処理することによって、重なる部位の厚さを薄く処理することができ、本開示の一実施例によるアンテナは、薄型化された電子機器に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、従来のワイヤレス充電アンテナの製造方法の一例を説明する説明図である。
図2図2は、本開示の一実施例に係るワイヤレス充電用アンテナの製造装置を示す概略正面図である。
図3図3は、本開示の一実施例に係るワイヤレス充電用受信アンテナの製造装置を示す概略側面図である。
図4図4は、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体の部分拡大図である。
図5a図5aは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体の周辺部を示す概略説明図である。
図5b図5bは、本開示の一実施例に係る銅箔接着構造体および溶接モジュール構造体の周辺部を示す概略説明図である。
図6a図6aは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体のワイヤノズルを具体的に示す概略図である。
図6b図6bは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体のワイヤノズルを具体的に示す概略図である。
図6c図6cは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体のワイヤノズルを具体的に示す概略図である。
図6d図6dは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体のワイヤノズルを具体的に示す概略図である。
図7a図7aは、図6のワイヤノズルの断面を具体的に示す部分拡大図である。
図7b図7bは、図6のワイヤノズルの断面を具体的に示す部分拡大図である。
図8図8は、本開示の一実施例に係る溶接モジュール構造体を具体的に示す部分拡大図である。
図9図9は、本開示の一実施例に従ってアンテナ装置を製造する方法を説明するフローチャートである。
図10a図10aは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図10b図10bは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図10c図10cは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図10d図10dは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図10e図10eは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図10f図10fは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図10g図10gは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図である。
図11図11は、図10の製造工程で埋め込みヘッドモジュールにより複数のワイヤが同時に埋め込まれる工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示しつつ、詳細に説明する。しかし、これは本開示を特定の実施例に限定するわけではなく、本開示の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。本開示の説明において、関連する公知技術にかかる具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0025】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いられることがあるが、前記構成要素は、該用語に限定されてはならない。該用語は、一構成要素を他構成要素と区別する目的でのみ用いられる。
【0026】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられるものであって、本開示を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上、特に断りのない限り、複数の表現を含む。本明細書における「含む」又は「有する」などの用語は、本明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、若しくは、これらを組み合わせたものが存在することを指し示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、若しくは、これらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除するわけではないことを理解しなければならない。
【0027】
なお、本開示の説明において、関連する公知技術にかかる具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0028】
以下、本開示の実施例につき、関連図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図2は、本開示の一実施例に係るワイヤレス充電用アンテナの製造装置を示す概略正面図であり、図3は、本開示の一実施例に係るワイヤレス充電用受信アンテナの製造装置を示す概略側面図であり、図4は、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体の部分拡大図であり、図5aは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体の周辺部を示す概略説明図であり、図5bは、本開示の一実施例に係る銅箔接着構造体および溶接モジュール構造体の周辺部を示す概略説明図であり、図6aないし図6dは、本開示の一実施例に係る埋め込みヘッド構造体のワイヤノズルを具体的に示す概略図であり、図7aおよび図7bは、図6のワイヤノズルの断面を具体的に示す部分拡大図であり、図8は、本開示の一実施例に係る溶接モジュール構造体を具体的に示す部分拡大図であり、図9は、本開示の一実施例に従ってアンテナ装置を製造する方法を説明するフローチャートであり、図10aないし図10gは、本開示に係るワイヤレス充電用受信アンテナ装置の製造工程をより具体的に示す説明図であり、図11は、図10の製造工程で埋め込みヘッドモジュールにより複数のワイヤが同時に埋め込まれる工程を説明する説明図である。
【0030】
本開示に係るハイブリッド型のワイヤレス充電用受信アンテナの製造装置200は、図2及び図3に示すように、所定のサイズの箱状に形成され、ボディーの上端の天板1にアンテナ基板用シート2を装着し、ボディーの下端部に設けられた案内レール3に沿って前後に移動するベースフレーム部4と;前記ベースフレーム部4の中央部に、上方および幅方向に所定の間隔を置いて設けられ、ボディーの中段部の前後面にそれぞれネジ式で結合されるネジ棒5A、5Bが、第1移送板部材6及び第2移送板部材7の第1移送結合部材8及び第2移送結合部材9にそれぞれネジ式で締結されるように形成される中央フレーム部10と;第1移送板部材6に所定の間隔を置いて設置され、前後に移動するアンテナ基板用シート2上で上・下・左・右へ移動しつつ、一線の機能をするように複数のワイヤ11a~11n(例えば、3本、5本、7本など、図11に示す実施例では5本)を並列に同時に埋め込む1つ以上の埋め込みヘッド構造体12と;第2移送板部材7に所定の間隔を置いて設けられ、ベースフレーム部4に載置され、多重ワイヤの埋め込み工程が終了したアンテナ基板用シート2のワイヤ11a~11nの先端部から上・下・左・右へ移動しつつ、クロスオーバーとならないように、銅箔(copper foil)または、少なくとも銅箔を含む複合体を接着させ、ブリッジ13を施工する銅箔接着構造体14と;第2移送板部材7に所定の間隔を置いて設置され、ベースフレーム部4に載置され、銅箔によるブリッジ施工済みのアンテナ基板用シート2の個片(finger)PCBとも呼ばれる連結(connecting)PCB15を、上・下・左・右へ移動しつつ、レーザビームで溶接する溶接モジュール構造体16と;1個以上の埋め込みヘッド構造体12によって、アンテナ基板用シート2上に複数(例えば3本、5本、7本など)のワイヤ11a~11nを並列に同時に埋め込ませた後(図11に示した実施例では、5本のワイヤが埋め込まれる)、銅箔接着構造体14によって、多重ワイヤの埋め込み工程が終了したアンテナ基板用シート2に、銅箔などでブリッジ13が施工され、ブリッジ13施工済みのアンテナ基板用シート2の連結PCB15を溶接モジュール構造体16によって溶接するように設定されたプログラムの手順に従ってワイヤレス充電アンテナを製造する工程を総括的に制御する制御部17と、を含んで構成される(図3では、溶接モジュール構造体16が銅箔接着構造体14によって覆われているので、便宜上、図3の右上端に溶接モジュール構造体16を別に図示する)。
【0031】
銅箔を含む複合体としては、例えば、銅箔にFPCB(Flexible Printed Circuit Board)を接合した形態であってもよい。
【0032】
また、埋め込みヘッド構造体12には、図4に示すように、ボディーの下端部に所定の間隔をおいて引き込まれる複数のワイヤ11a~11nを制御部17の制御に応じて並列にアンテナ基板用シート2上に埋め込ませる360度回転可能な埋め込みヘッドモジュール18と、埋め込みヘッドモジュール18の上端部に結合され、制御部17の制御に応じて超音波振動により埋め込みヘッドモジュール18の最端部に所定のエネルギーを発生させ、アンテナ基板用シート2を瞬時に融解させる超音波振動子部材19と、超音波振動子部材19の上端部に軸受21a、21bを介して結合され、埋め込みヘッドモジュール18へ複数のワイヤ11a~11nをそれぞれ供給するワイヤスプール20a~20nが上端部に形成され、ボディーが円板状に構成され、且つ埋め込みヘッドモジュール18に連動して360度回転可能なワイヤ供給回転板部材22と、ワイヤ供給回転板部材22の中心に結合された軸受21a、21bを介して回転軸23が結合され、制御部17の制御下で埋め込みヘッドモジュール18及びワイヤ供給回転板部材22を設定した回転角度だけ回転させる埋め込み回転モータ24と、埋め込み回転モータ24の上端部に結合固定部材25を介して結合され、制御部17の制御下で空気圧によって結合固定部材25に固定された埋め込みヘッド構造体12のボディーを上下に移動させる埋め込み空気圧シリンダ26を含んで構成される。
【0033】
ここで結合固定部材25は、図4図5a、図5bに示すように、ボディーの上端部が埋め込み空気圧シリンダ26の空気圧ロッド27に結合される一方で、その反対側の下端部に埋め込み回転モータ24の上端部がねじ込みで結合され、埋め込みヘッド構造体12のボディー全体とともに移動可能に設置される。埋め込みヘッドモジュール18は、図6aないし図6dに示すように、ボディーの周縁にワイヤスプール20a~20eから供給されるワイヤが挿入される挿入孔28が複数個、例えば、5個が設けられおり、埋め込みヘッドモジュール18の最下端のワイヤノズル29の断面が図7a及び図7bのように、例えば、五角形の構造形態でホール30a~30nが形成される。このとき、ホール30aとホール30bとの間の距離Aは、ホールの直径Rよりも小さくなるように形成されることが好ましい。上記説明では、ホール30a~30nの形態は5個が五角形状に構成されると説明したが、ホール30a~30nの数や形態は、これに限定されず、多様に具現することができる。
【0034】
ベースフレーム部4と中央フレーム部10の一側には、埋め込みヘッドモジュール18、銅箔接着構造体14及び溶接モジュール構造体16の上・下・左・右の移動軌跡を検出したり、制御部17により設定された検出ポイントを検出して制御部17に送信する検出センサ31a~31nがそれぞれ設けられる。
【0035】
銅箔接着構造体14には、図2図3図5bに示すように、ボディーの下端に真空で物を吸着することができる真空吸着ノズル32が複数個設けられ、制御部17の機能制御に応じて多重ワイヤの埋め込み工程が終了したアンテナ基板用シート2のワイヤの先端部から上・下・左・右へ移動しつつ、ワイヤがクロスオーバーとならないように、銅箔などを接着させてブリッジ施工する360度回転可能な銅箔接着モジュール33と、銅箔接着モジュール33の上端部に結合固定部材25を介して結合され、制御部17の機能制御下で空気圧によって結合固定部材25に固定された銅箔接着モジュール33のボディーを上下に移動させる銅箔空気圧シリンダ34をさらに含んで構成される。
【0036】
本開示の一実施例によれば、溶接モジュール構造体16には、図3図5b及び図8に示すように、ブリッジ施工済みのアンテナ基板用シート2の連結PCB15を、上・下・左・右へ移動しつつ、レーザビームで溶接するレーザ溶接モジュール35と、レーザ溶接モジュール35の上端部に溶接結合固定部材25を介して結合され、制御部17の機能制御下で空気圧によって溶接結合固定部材25に固定されたレーザ溶接モジュール35のボディーを上下に移動させる溶接空気圧シリンダ36と、をさらに含んで構成される。
【0037】
本開示の一実施例によれば、ベースフレーム部4上には、アンテナ基板用シート2、連結PCB15、ブリッジ13を載置できる空間が形成されており、連結PCB15及びブリッジ13に接着剤を塗布する接着剤供給装置37が備えられても良い。
【0038】
なお、埋め込みヘッドモジュール18は、例えば、多重ワイヤ11a~11nを並列に連結してループパターンのアンテナを形成するためには、多重アンテナワイヤの捩れを防止することが好ましい。埋め込みヘッドモジュール18は、ヘッド内部に形成されたホール30a~30nにアンテナワイヤ11a~11nを挿入したまま、超音波振動子部材19から伝達される超音波振動をアンテナ基板用シート2に伝達しながら運動する。すなわち、アンテナ基板用シート2を上方から見て、x、y、z方向の運動および回転運動をする。
【0039】
本開示の一実施例によれば、レーザ溶接モジュール35は、図8に示すように、例えばレーザノズル38による溶接の際に、ワイヤ11a~11nとブリッジ13、及びワイヤ11a~11nと連結PCB15を、溶接ヘッド39で軽く押し当てた状態でレーザビーム41を照射するレーザノズル38を含んでも良い。このとき、レーザノズル38の下端にその上部が結合される溶接ヘッド39の下端部のサイズは、その直径がアンテナワイヤの1.5倍~2.5倍程度のサイズを有することが好ましい。また、溶接ヘッド39を押し当てる圧力は、約10kg~25kg/cm程度が好ましい。
【0040】
ここで、多重ワイヤ11a~11nは、エッチングや打ち抜かれた銅箔アンテナのように、薄いながらも表面積を広くするために、薄いコイルを並列に構成することが好ましい。
【0041】
なお、ベースフレーム部4は、ボディーの下端部に設けられた案内レール3と連動してベースフレーム部4を前後に移動させるピニオンギア部材40を含んでも良い。このとき、ベースフレーム部4は、ワイヤ11a~11n埋め込み工程が終了すると、中央フレーム部10を基準として反対側に移動してブリッジ13の施工と溶接作業を行うことができる。
【0042】
図9は、本開示の一実施例に従ってアンテナ装置を製造する方法を説明するフローチャートである。
【0043】
図9を参照すると、まず、アンテナ基板用シート2上に複数のワイヤ11a~11nを並列に同時に埋め込むステップS1と、複数のワイヤ11a~11nの先端(図10gにおける点「C」)と連結PCB(例えば、図10gにおける「端子1」)とを連結するブリッジ13を施工するステップS2と、複数のワイヤ11a~11nの基端(図10gにおける点「B」)とブリッジ13の両端(図10gにおける「端子2」及び点「C」)とを溶接するステップS3と、を含んでも良い。
【0044】
一実施例では、ステップS1、ステップS2、ステップS3のいずれか一つのステップの前に、連結PCB15をアンテナ基板用シート2に取り付けるステップをさらに含んでも良い。
【0045】
一実施例では、ステップS1の前に、アンテナ基板用シート2に1つ以上の開口(図10bないし図10gの「101」、「102」を参照)を形成するステップをさらに含んでも良い。図10gを参照すると、ブリッジ13がアンテナ基板用シート2の上部に位置するので、開口101、102は、必ずしも必要なものではないが、ブリッジ13をアンテナ基板用シート2の下部に配置する場合は、開口101、102の位置、すなわちブリッジ13の両端(図10gの「端子2」)、点「C」)を溶接して、ブリッジ13をアンテナ基板用シート2に取り付けることができる。
【0046】
別の実施例では、円形の開口101、102の代わりに1つの長方形の開口(図示せず)を形成し、連結PCB15をアンテナ基板用シート2の下部に配置し、且つ連結PCB15の端子1、2の両方ともが1つの長方形の開口に位置するように構成することができる。すなわち、端子2のみが開口101に位置するのではなく、本実施例では、1つの長方形の開口に端子1、2がすべて位置することになる。この場合、ブリッジ13はアンテナ基板用シート2の上部に配置することができる。
【0047】
本開示の一実施例によれば、ステップS1の前に、超音波によってワイヤ埋め込み(embedding)が可能な、例えば、PVC、PET、テスリンなどの素材でアンテナ基板用シート2を用意する。
【0048】
本開示の一実施例によれば、ブリッジ13をアンテナ基板用シート2の下部に配置する場合は、アンテナ基板用シート2にレーザまたは打ち抜き用ツール(図示せず)で開口(図10bにおける「101」、「102」を参照)を打ち抜き、且つ開口がワイヤ11a~11nの厚さと等しい直径を有するようにホールを打ち抜くホール打ち抜きステップ(図10bを参照)を経ることによって、図10Cに示すように、連結PCB15を取り付けることができる。
【0049】
そして、図10dと図11に示すように、例えば、5本のワイヤを並列にして点Aから始まり、a区間を形成した後、点A'に達すると、埋め込みヘッドモジュール18を駆動させ、アンテナワイヤ11a~11nを、連結PCB15の厚さよりも僅か上方に吊り上げて連結PCB15上を跨ぐように配設させ(このとき、アンテナワイヤ11a~11nは、連結PCB上は埋め込みせずに通過する)、再び点Bに達すると、点A'での高さにアンテナワイヤ11a~11nを吊り下げてアンテナを形成し、点Cに達すると、アンテナの形成を中止する方法で設けられる。
【0050】
この過程で、制御部17は、中央フレーム部10に形成されたネジ棒5A、5Bと螺合された第1移送板部材6の第1移送結合部材8を移動させ、第1移送板部材6に結合されている埋め込みヘッドモジュール18を左右へ移動させながら、埋め込みヘッドモジュール18の上端に結合された埋め込み空気圧シリンダ26を上下に移動させて、その下部で前後に移動するベースフレーム部4に載置されたアンテナ基板用シート2上に並列に多重のワイヤ11a~11nを形成する。このとき、埋め込みヘッドモジュール18が図11に示すように、例えば、5本のワイヤを形成するとともに、制御部17は、埋め込みヘッドモジュール18の上端に位置した超音波振動子部材19を駆動させて、超音波振動によって所定のエネルギーを発生させ、埋め込みヘッドモジュール18から繰り出されるワイヤ11a~11nを、アンテナ基板用シート2を瞬時に融解させながらアンテナ基板用シート2に埋め込む。
【0051】
ここで、埋め込みヘッドモジュール18の各々において、例えば、5本のワイヤ11a~11nを並列に同時に形成するアンテナ線は、埋め込みが完了すれば1線の機能をしつつ、アンテナ基板用シート2上に複数回、巻き取られる(図10gを参照)。
【0052】
なお、制御部17は、図10eに示すように、埋め込みヘッドモジュール18がワイヤ11a~11nの回転方向に沿って同じ角度で回転する。すなわち、制御部17は、埋め込み回転モータ24を駆動させ、埋め込みヘッドモジュール18をワイヤ11a~11nの回転方向に沿って360度回転させ、これと同時に、埋め込みヘッドモジュール18の上部に位置したワイヤ供給回転板部材22も、埋め込みヘッドモジュール18と同様に連動して、360度回転しながらワイヤスプール20a~20nでワイヤ11a~11nを繰り出す。したがって、埋め込みヘッドモジュール18とワイヤ供給回転板部材22とが同時に回転連動しながらアンテナワイヤ11a~11nを一周形成するため、アンテナワイヤ11a~11nが円形のようにアンテナ基板用シート2に埋め込まれても、ワイヤ11a~11nが重なったり、捩れたりすることがなくなる。そして、埋め込みヘッドモジュール18が回転しながらアンテナワイヤ11a~11nの埋め込みを完了した場合、制御部17は、埋め込みヘッドモジュール18の駆動を停止させ、埋め込みヘッドモジュール18の軸(図示せず)に取り付けられた切断刃(図示せず)が下がり、アンテナワイヤ11a~11nの先端を切断した後、埋め込みヘッドモジュール18を次の工程の開始位置に移動させる。
【0053】
また、制御部17は、図5bに示すように、中央フレーム部10に形成されたネジ棒5Bと螺合された第2移送板部材7の第2移送結合部材9を移動させ、第2移送板部材7に結合されている銅箔接着モジュール33を左右へ移動させながら、銅箔接着モジュール33の上端に結合された銅箔空気圧シリンダ34を上下に移動させ、銅箔接着モジュール33の下端に位置する真空吸着ノズル32によって、設定された位置まで移送されているブリッジ13を吸着した後、その下部で前後に移動するベースフレーム部4に載置されたアンテナ基板用シート2上へ移動した後、多重ワイヤの埋め込み工程が終了したアンテナ基板用シート2のワイヤの先端部でワイヤ11a~11nがクロスオーバーとならないように、図10fに示すようにブリッジ13を接着させる。
【0054】
ブリッジ13を施工する過程を具体的に説明すると、銅箔接着モジュール33は、図10fに示すように、点Cと連結PCB15の端子2とをブリッジ13を形成して連結する。このとき、ブリッジ13は、例えば、約10ないし40μmの薄い銅箔であり、且つ広さは、アンテナで生成した電流量が失われないように、十分な電流が導通できる広さで施工するのが良い。
【0055】
制御部17は、図5bに示すように、溶接モジュール構造体16を駆動し、ブリッジ施工済みのアンテナ基板用シートの連結用端子である連結PCB15を溶接してワイヤレス充電アンテナ100を完成する。すなわち、制御部17は、中央フレーム部10に形成されたネジ棒5A、5Bと螺合された第2移送板部材7の第2移送結合部材9を移動させ、第2移送板部材7に結合されているレーザ溶接モジュール35を左右へ移動させながら、レーザ溶接モジュール35の上端に結合された溶接空気圧シリンダ36を上下に移動させ、レーザ溶接モジュール35の下端に位置するブリッジ施工済みのアンテナ基板用シート2の連結用端子である連結PCB15を溶接してワイヤレス充電アンテナ100を完成する。すなわち、溶接工程は、図10gに示すように、連結PCB15の端子1(点B)、端子2、点Cにレーザーコンプレッション法で溶接してワイヤレス充電アンテナを完成する。
【0056】
本開示の一実施例によれば、打ち抜き(punching)工程は、完成したアンテナシートから製品仕様に合う打ち抜きモールド(図示せず)を使用することができる。
【0057】
本開示の一実施例によって製造されたアンテナ装置は、連結PCB15が取り付けられたアンテナ基板用シート2と、連結PCB15の複数の接続端子のいずれか一つ(端子1)から始まり、前記複数の接続端子の他のいずれか一つ(端子2)で終わるアンテナパターンを含むアンテナ装置100が提供される。アンテナパターンは、アンテナ基板用シート2に埋め込まれた1線の機能をする複数のワイヤ11a~11nと、複数のワイヤ11a~11nがアンテナ基板用シート2上で巻き取りが完了する点(例えば、図10gの「点C」)と、連結PCB15の端子2とを連結するブリッジ13と、を含んでも良い。
【0058】
本開示の一実施例によれば、アンテナ基板用シート2に1つ以上の開口101、102が形成され、連結PCB15の複数の接続端子の少なくとも1つ(端子2)は、1つ以上の開口に位置し、ブリッジ13は、アンテナ基板用シート2の下部に配置しても良い。
【0059】
本開示の一実施例によれば、複数のワイヤ11a~11nの基端の位置(Bまたは端子1)と、ブリッジ13の両端の位置(Cおよび端子2)とは溶接しても良い。
【0060】
別の実施例では、円形の開口101、102の代わりに1つの長方形の開口(図示せず)を形成し、連結PCB15をアンテナ基板用シート2の下部に配置し、且つ連結PCB15の端子1、2を含んだ全ての端子が1つの長方形の開口に位置するように構成しても良い。このとき、ブリッジ13は、アンテナ基板用シート2の上部に配置しても良い。
【0061】
さらに別の実施例では、ブリッジの工程を省略することもできる。すなわち、連結PCB15が取り付けられたアンテナ基板用シート2と、連結PCB15の複数の接続端子のいずれか一つ(端子1)から始まり、複数の接続端子の他のいずれか一つ(端子2)で終るアンテナパターンとを含むアンテナ装置であって、アンテナパターンは、アンテナ基板用シート2に埋め込まれた一線の機能をする複数のワイヤ11a~11nからなり、複数のワイヤ11a~11nの基端は、前記連結PCBの端子1の位置で溶接され、複数のワイヤ11a~11nのアンテナ基板用シート2上で巻き取りが完了する点は、連結PCB15の端子2の位置で溶接される、アンテナ装置(図示せず)を提供することができる。
【0062】
本実施例によれば、複数のワイヤ11a~11nが重なる部分でアンテナ装置の全体的な厚さがやや増加する問題があり得るが、ブリッジ工程の省略により時間とコストが低減される利点がある。
【0063】
本発明の様々な実施例について図示とともに説明してきたが、本発明は、上述した特定の実施例に限られるものではなく、これらの実施例は、添付の特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない範囲で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって様々に変形実施できることは言うまでもなく、このような変更実施例が本発明の技術的思想や範囲と別のものとして理解されてはならない。よって、本発明の技術的範囲は、ただ添付の特許請求の範囲のみによって定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図10g
図11
【国際調査報告】