(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】接合部改善のための機械学習
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20220809BHJP
G06N 3/02 20060101ALI20220809BHJP
B29D 30/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G06N20/00
G06N3/02
B29D30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501371
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 US2020041661
(87)【国際公開番号】W WO2021011397
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】ナップ、ケヴィン レイ
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャルジー、アニルバン カマル
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215AM23
4F215VA18
4F215VL06
4F215VP10
(57)【要約】
【解決手段】 接合改善のための機械学習のシステム及び方法。システムは、1つ以上のセンサから、1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信することができる。システムは、1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定することができる。システムは、1つ以上の値及び1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成することができる。システムは、機械学習モデルへの行列の入力を介して、接合部許容誤差メトリックの値を予測することができる。システムは、接合部許容誤差メトリックの値に基づいて、調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータ決定することができる。システムは、接合部許容誤差メトリックの値に応答して、1つの機器を調整するためのコマンドを提供することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを製造するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、メモリと、を備え、前記メモリが、命令を記憶するように構成され、前記命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行可能であり、前記1つ以上のプロセッサに、
タイヤ製造工場内の1つ以上のタイヤ製造機器の1つ以上のセンサから、前記1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定することと、
前記1つ以上の値及び前記1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成することと、
タイヤ製造性データを出力するように構築された機械学習モデルへの前記行列の入力を介して、前記タイヤの接合部許容誤差メトリックの値を予測することと、
前記接合部許容誤差メトリックの前記値に基づいて、前記タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定することと、
前記接合部許容誤差メトリックの前記値に応答して、前記タイヤ製造工場内の前記少なくとも1つの機器を調整するためのコマンドを提供することと、を行わせる、システム。
【請求項2】
前記タイヤの複数の接合部の各々と対になった、前記1つ以上のタイヤ製造機器の各々のための複数の機械学習モデルを構築するための1つ以上のプロセッサを有するモデル生成構成要素を更に備え、前記機械学習モデルが、前記複数の機械学習モデルのうちの1つに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記機械学習モデルが、複数の機械学習モデルのうちの第1の機械学習モデルであり、前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上のタイヤ製造機器の第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの前記第1の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第2の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第3の機械学習モデルを構築することと、
第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第4の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第5の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第6の機械学習モデルを構築することと、
第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第7の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第8の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第9の機械学習モデルを構築することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサが、前記タイヤの前に製造されたタイヤの接合部が所定の接合点から逸脱した度合いに基づいて前記機械学習モデルを訓練することを更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサが、以前の接合の結果、所定の期間数にわたる接合点の移動平均、前記接合点の所定の移動平均数の勾配に基づいて、前記機械学習モデルを訓練することを更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサが、
複数の機械学習モデルに基づいて、前記接合部許容誤差メトリックの前記値が、前記タイヤの複数の接合部のうちの第1の接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することを決定することと、
ポリシーに基づいて、前記タイヤの前記複数の接合部のうちの前記第1の接合部に対応する前記少なくとも1つの機器を選択することと、
前記第1の接合部の特性を調整して前記第1の接合部を前記許容誤差ウィンドウ内に収めるように、前記ポリシーに基づいて選択された前記少なくとも1つの機器に命じることと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上のタイヤ製造機器から、前記1つ以上の値の時系列を受信することと、
前記1つ以上の値の前記時系列に基づいて、複数の所定の期間にわたる移動平均を決定することであって、前記複数の所定の期間が、少なくとも2つの異なる所定の期間を含む、決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の勾配を決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の前記勾配に基づいて、前記行列を生成することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記機械学習モデルを介して予測された前記接合部許容誤差メトリックの前記値と関連付けられた信頼性スコアを識別することと、
前記信頼性スコアを閾値と比較することと、
前記信頼性スコアが前記閾値を満たすことに応答して、前記少なくとも1つの機器の前記パラメータを調整することを決定することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって加えられる圧力量を調整することと、
前記圧力量の前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記圧力量の前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たすと予測することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって使用される第1のパラメータを調整することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記タイヤの前記接合部が、前記調整に続いて前記許容誤差ウィンドウを満たさないという前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器の第2のパラメータ又は前記タイヤ製造工場の第2の機器のパラメータのうちの少なくとも1つを調整することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
タイヤを製造する方法であって、
タイヤ製造工場内の1つ以上のタイヤ製造機器の1つ以上のセンサから、1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の値及び前記1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、タイヤ製造性データを出力するように構築された機械学習モデルへの前記行列の入力を介して、前記タイヤの接合部許容誤差メトリックの値を予測することと、
前記接合部許容誤差メトリックの前記値に基づいて、前記1つ以上のプロセッサによって、前記タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記接合部許容誤差メトリックの前記値に応答して、前記タイヤ製造工場内の前記少なくとも1つの機器を調整するためのコマンドを提供することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記タイヤの複数の接合部の各々と対になった、前記1つ以上のタイヤ製造機器の各々のための複数の機械学習モデルを構築することを更に含み、前記機械学習モデルが、前記複数の機械学習モデルのうちの1つに対応している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習モデルが、複数の機械学習モデルのうちの第1の機械学習モデルであり、前記方法が、
前記1つ以上のタイヤ製造機器の第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの前記第1の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第2の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第3の機械学習モデルを構築することと、
第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第4の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第5の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第6の機械学習モデルを構築することと、
第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第7の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第8の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第9の機械学習モデルを構築することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記タイヤの前に製造されたタイヤの接合部が所定の接合点から逸脱した度合いに基づいて前記機械学習モデルを訓練することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
以前の接合の結果、所定の期間数にわたる接合点の移動平均、前記接合点の所定の移動平均数の勾配に基づいて、前記機械学習モデルを構築することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
複数の機械学習モデルに基づいて、前記接合部許容誤差メトリックの前記値が、前記タイヤの複数の接合部のうちの第1の接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することを決定することと、
ポリシーに基づいて、前記タイヤの前記複数の接合部のうちの前記第1の接合部に対応する前記少なくとも1つの機器を選択することと、
前記第1の接合部の特性を調整して前記第1の接合部を前記許容誤差ウィンドウ内に収めるように、前記ポリシーに基づいて選択された前記少なくとも1つの機器に命じることと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上のタイヤ製造機器から、前記1つ以上の値の時系列を受信することと、
前記1つ以上の値の前記時系列に基づいて、複数の所定の期間にわたる移動平均を決定することであって、前記複数の所定の期間が、少なくとも2つの異なる所定の期間を含む、決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の勾配を決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の前記勾配に基づいて、前記行列を生成することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記機械学習モデルを介して予測された前記接合部許容誤差メトリックの前記値と関連付けられた信頼性スコアを識別することと、
前記信頼性スコアを閾値と比較することと、
前記信頼性スコアが前記閾値を満たすことに応答して、前記少なくとも1つの機器の前記パラメータを調整することを決定することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって加えられる圧力量を調整することと、
前記圧力量の前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記圧力量の前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たすと予測することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって使用される第1のパラメータを調整することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記タイヤの前記接合部が、前記調整に続いて前記許容誤差ウィンドウを満たさないという前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器の第2のパラメータ又は前記タイヤ製造工場の第2の機器のパラメータのうちの少なくとも1つを調整することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年7月12日に出願された米国仮特許出願第62/873,303号の優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
製造工場は、機器及びプロセスを使用して製品又は商品を製造又は作製することができる。作製される製品又は商品の複雑さ、及び完成した製品又は商品の厳格な許容誤差又は品質要件のために、欠陥を生じさせず、又は資源を無駄にせずに製品又は商品を効率的に製造することは困難であり得る。
【0003】
この技術的な解決策は、機械学習を使用して接合部を改善するシステム及び方法を対象とする。例えば、タイヤ生産ラインには、タイヤを製造するための製造機器を含まれ得る。製造機器は、様々な接合部を使用してタイヤを組み立てることができる。接合部は、製造機器の少なくとも1つのパラメータ設定に起因して許容誤差外になる場合がある。許容誤差外の接合部により、製造機器の警報が鳴り、稼働時間が遅らされるか、又は許容誤差を超えた接合部が検出されない場合は、欠陥タイヤ若しくは仕様通りに作製されなかったタイヤとなる可能性がある。更に、接合部が各製造機器間で許容誤差外かどうかを検出すること、又はタイヤの接合部を組み立てる前に接合部が許容誤差外かどうかを適時に検出することは困難であり得る。
【0004】
この技術的な解決策のシステム及び方法により、機械学習を使用して接合部を改善することができる。技術的な解決策では、製造工場で製造された欠陥製品の数を減少させるか、又は許容誤差仕様若しくは他の品質仕様を満たす製品の生産速度を増加させることができる。技術的な解決策では、製造機器を停止することなく製造機器の動作パラメータを自動的に調整することによって、製造機器の非稼働時間を更に低減することができる。
【0005】
少なくとも1つの態様では、タイヤを製造するためなどの接合部予測及び改善のシステムを対象とする。システムは、データ処理システムを含むことができる。データ処理システムは、1つ以上のプロセッサ及びメモリを含むことができる。データ処理システムは、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、データリポジトリ、又は機械学習エンジンを含むことができる。データ処理システムは、タイヤ製造工場内の1つ以上のタイヤ製造機器の1つ以上のセンサから、1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信することができる。データ処理システムは、1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定することができる。データ処理システムは、1つ以上の値及び1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成することができる。データ処理システムは、タイヤ製造性データを出力するように構築された機械学習モデルへの行列の入力を介して、タイヤの接合部許容誤差メトリックの値を予測することができる。データ処理システムは、接合部許容誤差メトリックの値に基づいて、タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定することができる。データ処理システムは、接合部許容誤差メトリックの値に応答して、タイヤ製造工場内の少なくとも1つの機器を調整するためのコマンドを提供することができる。
【0006】
少なくとも1つの態様では、タイヤを製造するためなどの接合予測及び改善の方法を対象とする。本方法は、1つ以上のプロセッサ及びメモリを有するデータ処理システムによって実施することができる。本方法は、タイヤ製造工場内の1つ以上のタイヤ製造機器の1つ以上のセンサから、1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信するデータ処理システムを含むことができる。本方法は、1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定するデータ処理システムを含むことができる。本方法は、1つ以上の値及び1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成するデータ処理システムを含むことができる。本方法は、タイヤ製造性データを出力するように構築された機械学習モデルへの行列の入力を介して、タイヤの接合部許容誤差メトリックの値を予測するデータ処理システムを含むことができる。本方法は、接合部許容誤差メトリックの値に基づいて、タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定するデータ処理システムを含むことができる。本方法は、接合部許容誤差メトリックの値に応答して、タイヤ製造工場内の少なくとも1つの機器を調整するためのコマンドを提供するデータ処理システムを含むことができる。
【0007】
これら及び他の態様並びに実装形態は、以下で詳細に説明される。前述の情報及び次の詳細な説明は、様々な態様及び実装形態の例示的な例を含み、特許請求される態様及び実装態様の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供する。図面は、様々な態様及び実装形態の例示及び更なる理解を提供し、この明細書に組み込まれ、この明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、縮尺通りに図示されることを意図するものではない。様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。明確にするために、全ての構成要素が全ての図面でラベル付けされ得るわけではない。図面
【0009】
【
図1】
図1は、タイヤを製造するための自律接合予測及び調整の例示的なシステムを図示するブロック図を示す。
【0010】
【
図2】
図2は、一実施形態による、予測分析プロセスのための機械学習エンジンの例示的な動作図を示す。
【0011】
【
図3】
図3は、一実施形態による、機械学習エンジンのモデルを管理するための分析データ階層の例示的な動作図を示す。
【0012】
【
図4】
図4は、一実施形態による、中間点/中心線からの接合偏差の例示的な図を示す。
【0013】
【
図5】
図5は、一実施形態による、接合偏差のための勾配導関数の例示的な図を示す。
【0014】
【
図6】
図6は、一実装形態による、許容誤差外の接合部を予測し、製造機器のパラメータを決定するために機械学習エンジンによって使用されるニューラルネットワークの一例を示す。
【0015】
【
図7】
図7は、一実装形態による、タイヤを製造するための例示的な方法を図示するフロー図である。
【0016】
【
図8】
図8は、例えば、
図1~
図3に示すシステム、
図4~
図6に示す動作又は実施例、及び
図7に示す方法を含む、本明細書に記載及び図示されたシステム及び方法の要素を実装するために用いることができる、コンピュータシステムのアーキテクチャを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は、機械学習を使用して接合部を改善する方法、装置、及びシステムに関連する様々な概念及びこれらの実装形態のより詳細な説明である。上で導入され、以下でより詳細に説明される様々な概念は、いくつかの方法のいずれかで実施され得る。
【0018】
この技術的な解決策は、機械学習を使用して接合部を改善するシステム及び方法を対象とする。例えば、タイヤ生産ラインには、タイヤを製造するための製造機器を含めることができる。製造機器は、様々な接合部を使用してタイヤを組み立てることができる。接合部は、製造機器の少なくとも1つのパラメータ設定に起因して許容誤差外にある場合がある。許容誤差外の接合部により、製造機器の警報を鳴らして稼働時間を遅らせるか、又は許容誤差外の接合部が検出されない場合は、欠陥タイヤ若しくは仕様通りに作製されないタイヤとなる可能性がある。更に、接合部が各製造機器間で許容誤差外にあるかどうかを検出すること、又は接合部がタイヤの接合部を組み立てる前に許容誤差外にあるかどうかを適時に検出することは困難であり得る。
【0019】
この技術的な解決策のシステム及び方法により、機械学習を使用して接合部を改善することができる。技術的な解決策では、製造工場で製造された欠陥製品の数を減少させるか、又は許容誤差仕様を満たす製品の生産速度を増加させることができる。技術的な解決策では、製造機器を停止することなく製造機器の動作パラメータを自動的に調整することによって、製造機器の非稼働時間を更に低減することができる。
【0020】
例えば、技術的な解決策には、タイヤなどの製品の製造に対応する値を受信することができるデータ処理システム(又は1つ以上のプロセッサ)を含めることができる。これらの値は、製造ライン又は工場内の製造機器又は他のデバイスを介して感知、測定、検出、又は別様に識別することができる。これらの値は、製品の製造中など、リアルタイムで受信することができる。これらの値は、リアルタイムデータストリーム又はデータフィード(例えば、1Hz、2Hz、3Hz、5Hz、10Hzなどの所定の速度でサンプリングされた値のデータストリーム、又は接合部の改善を容易にする他の速度)で受信することができる。データ処理システムは、受信された値を前処理して、統計的メトリックなどのこれらの値に基づいてメトリックを決定することができる。データ処理システムは、受信された値及び生成された統計的メトリックに基づいて行列を生成又は構築することができる。例えば、データ処理システムでは、(例えば、データ値を削除又はフィルタリングするための任意の初期の前処理の後に)受信された値を含む行列、並びに受信された値に関連付けられた統計的メトリックを生成することができる。データ処理システムは、出力値を予測、決定、又は別様に識別するために、行列を機械学習モデルに入力することができる。出力値は、入力行列に基づいて1つ以上の値を有する出力行列を含むことができる。機械学習モデルの出力には、例えば、製造されている製品の態様又は特性が許容誤差内又は許容誤差外にあるかどうかに関する分類を含めることができる。出力は、製造されている製品(例えば、タイヤ)の態様又は特性(例えば、接合厚さ又は場所)が許容誤差外にある度合いを更に示すことができる。データ処理システムは、機械学習モデル(又は1つ以上の機器若しくは機器に関連する態様のために構築された1つ以上の機械学習モデル)を使用して、許容誤差メトリック又は他の出力値を予測することに応答して、許容誤差外にあると予測又は識別された製品の態様又は特性を改善するために、製品を製造している1つの機器の動作を調整、修正、又は別様に操作するかどうかを決定することができる。データ処理システムは、制御コマンド又は命令を生成し、命令を1つの機器に提供することができる。例えば、データ処理システムは、接合部が許容誤差範囲を満たしていないか、又は満たさないことを予測し、次いで加圧ローラを調整して、接合部を改善するために圧力を増加又は減少させることができる。したがって、接合部に欠陥があるかどうかを前もって予測することにより、データ処理システムは、接合部を改善するために機器を事前に調整することができ、それにより、製造機器によって生産された欠陥タイヤの可能性、及び数を低減することができる。
【0021】
したがって、技術的な解決策では、タイヤの組み立て前に許容誤差外の接合部を予測し、接合部の問題を自動的に解決することができる。この予測は、欠陥タイヤの数を低減するか、又は非稼働時間(「N.O.T.(non-operational time)」)を低減することによって、タイヤの生産性を向上させることができる。N.O.T.は、製造機器における接合部が許容誤差を超えた警報に起因する場合がある。製造システムは、少なくとも、製造機器、センサ、及びデータ処理システムを含むことができ、データ処理システムは機械学習エンジンを含むことができる。機械学習エンジンは、製造機器に関連付けられた履歴データ値を使用して訓練することができる。履歴データ値は、以前の許容誤差外の接合部組み立てからなど、接合部の組み立てに関連付けられた値を含むことができる。
【0022】
図1は、タイヤを製造するための自律接合予測及び調整の例示的なシステムを図示するブロック図を示す。システム100は、許容誤差外の接合予測及びパラメータ調整値に使用するための少なくとも1つのデータ処理システム110を含むことができる。パラメータは、特性と呼ぶことができる。データ処理システム110は、少なくとも1つのインターフェース112、少なくとも1つの入力生成器114、少なくとも1つのモデルマネージャ116、少なくとも1つの機器コントローラ118、少なくとも1つの機械学習エンジン120、及び少なくとも1つのデータリポジトリ128を含むことができる。データ処理システム110は、とりわけ、通信バス、回路、プロセッサ、通信インターフェースなどのハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含むことができる。データ処理システム110は、コンピュータ又はクラウド(例えば、遠隔デバイス又はシステム)上又はその中に存在することができる。例えば、
図1は、データ処理システム110が製造機器104に対して遠隔であり得るように、ネットワーク101を介してデータ処理システム110と通信する製造機器104を示す。
【0023】
データリポジトリ128は、センサデータ構造130、メトリックデータ構造132、モデルデータ構造134、収集されたデータ構造136、機器IDデータ構造138、コマンドデータ構造140、ポリシーデータ構造142、及び履歴データ構造144を含むか、又は記憶することができる。センサデータ構造124は、利用可能なセンサに関する情報、センサの識別情報、アドレス情報、インターネットプロトコル情報、一意の識別子、データ形式、センサと通信するために使用されるプロトコル、又はセンサタイプ若しくは識別子への情報タイプのマッピングを含むことができる。センサデータ構造124は、センサ108によって収集された情報を更に含むか、又は記憶することができる。センサデータ構造124は、タイムスタンプ、日付スタンプ、又は他の時間関連情報を使用してセンサデータを記憶することができる。センサデータ構造124は、機器ID138スタンプを使用してセンサデータを記憶して、このセンサデータを少なくとも1つの製造機器104に関連付けることができる。センサデータ構造124は、製造機器104から得られた様々なタイプの値に基づいてセンサデータを分類することができる。値のタイプは、少なくとも、例えば、温度データ、接合偏差データ、圧力データ、速度データ、厚さデータ、位置データ、向きデータ、又は負荷データを含むことができる。
【0024】
メトリックデータ構造132は、接合部の許容誤差を決定するために使用される様々なメトリックを含むか、記憶するか、又は維持することができる。メトリックとは、
図4及び
図5に示すような、データセット分析に関連する、少なくとも1つの接合偏差、接合部許容誤差、勾配導関数、勾配安定性、又は他の関数を導出するための1つ以上の関数を指すことができる。メトリックデータ構造132は、メトリックを製造機器104に対応するセンサデータと関連付けることができる。例えば、センサ108は、製造機器104に対応する位置又は向きデータタイプの値を提供することができる。この値は、センサデータ構造130に記憶することができる。センサ108の値は、データのコンパイルのための少なくとも1つのメトリックと関連付けられて、機械学習エンジン120の少なくとも1つの行列を生成することができる。
【0025】
メトリックデータ構造132は、センサデータ構造130からの少なくとも値若しくは値のタイプ、又はメトリックデータ構造132からのメトリックに基づいて、1つ以上の行列を更に含むか、又は記憶することができる。メトリックデータ構造132は、センサ108からの値を累積し、値を少なくとも1つのメトリックでコンパイルすることによって、生成された行列を記憶することができる。行列は、混同行列、精度行列、精密行列、感度行列、特異性行列、又は機械学習エンジン120が入力するのに適した他の関連行列を含むことができる。メトリックデータ構造132は、メトリックに関連付けられた値を再配置又は分類して、行列を機械学習エンジン120の入力として記憶することができる。メトリックデータ構造132は、データ処理システム110によって更新又は操作することができる。
【0026】
モデルデータ構造134は、機械学習エンジン120からの、又は機械学習エンジン120のための複数のモデルを含むか、維持するか、又は記憶することができる。モデルは、機械学習モデルと呼ぶことができる。モデルは、少なくとも、例えば、Deep Boltzmann Machineモデル、DeepBelief Networkモデル、畳み込みニューラルネットワーク(「Convolutional Neural Network、CNN」)モデル、又はStacked Auto-Encodersモデルを含むことができる。モデルデータ構造134は、機械学習エンジン120のための、又は機械学習エンジン120からのモデルを提供又は記憶することができる。モデルデータ構造134は、データ処理システム110によって更新又は操作することができる。
【0027】
収集されたデータ構造136は、機械学習エンジン120から生成された1つ以上の値を含むか、又は記憶することができる。値は、製造機器104に関連付けられたパラメータ値などの少なくとも1つの予測値を含むことができる。予測値は、一連の許容誤差内及び許容誤差外の接合部を示すことができる。例えば、収集されたデータ構造136は、機械学習エンジン120からの複数の予測値を記憶することができる。予測値は、製造機器104に関連付けられた複数の後続接合部の各々のためのパラメータを示すことができる。収集されたデータ構造136は、データ処理システム110によって更新又は操作することができる。
【0028】
機器IDデータ構造138は、製造機器104に関連付けられた情報を含むか、又は記憶することができる。情報は、複数の製造機器から製造機器104を識別するための名称、モデル、型式、製造日、ルーティング番号、又は他の識別子を含むことができる。機器IDデータ構造138は、各製造機器に対応する情報を、例えば、製造機器104のサブセットに分類するか、又はまとめることができる。機器IDデータ構造138は、製造機器104を置き換えるときなどに、データ処理システム110によって更新又は操作することができる。
【0029】
コマンドデータ構造140は、製造機器104に出力するためのコマンドを含むか、又は記憶することができる。コマンドは、命令、プログラム、スクリプト、又はコントロールなどの他の記述用語と呼ばれるか、又はこれらと互換的に使用することができる。データ処理システム110は、コマンドを製造機器104に提供することができる。コマンドは、例えば、製造機器104の動作を開始、休止、継続、又は停止することができる。コマンドは、例えば、操縦速度、向き、タイミング、圧力、位置合わせ、及び/又は製造機器104と互換性のある他の動作を構成するように更に提供することができる。コマンドデータ構造140は、データ処理システム110によって更新又は操作することができる。
【0030】
ポリシーデータ構造142は、製造機器104の各々に関連付けられた1つ以上のポリシーを含むか、又は記憶することができる。ポリシーは、接合部の許容誤差を決定するための閾値と呼ぶことができる。ポリシーは、例えば、許容誤差範囲を決定するための中間点、最小点、最大点、又は他の指標を含むことができる。最小点又は最大点は、接合部が許容誤差外になる点を超える点を識別することができる。各製造機器104の許容誤差範囲は、機器ID138からの少なくとも1つの情報に基づいて異なり得る。ポリシーデータ構造142は、データ処理システム110によって更新又は操作することができる。
【0031】
履歴データ構造144は、履歴センサ値に関する情報、ニューラルネットワークを訓練又は調節するために使用される訓練セット、ユーザ選好、タイヤ情報/レシピ、事前予測情報、又は事前のパラメータ調整情報などの履歴データを含むか、又は記憶することができる。ニューラルネットワークを調節するとは、履歴データを含む訓練データセットをニューラルネットワークに提供して処理する、機械学習のプロセスを指すか、又はこれを含むことができる。調節とは、ニューラルネットワークが精度を改善することを可能にするために、ニューラルネットワークの訓練又は処理を指すか、又はこれを含むことができる。ニューラルネットワークを調節することは、例えば、ニューラルネットワーク(例えば、入力層122、隠れ層124、出力層126など)のために所望される問題のタイプ又は目標に対して成功することが証明されたアーキテクチャを使用して、ニューラルネットワークを設計することを含むことができる。場合によっては、1つ以上のニューラルネットワークは、同じ又は同様のベースラインモデルで開始してもよいが、調節(又は訓練若しくは学習プロセス)中に、結果ニューラルネットワークは、各ニューラルネットワークを調節して、特定のタイプの入力を処理し、ベースラインモデルで、又は異なる目標若しくは目的のために調節あるいは訓練された異なるニューラルネットワークと比較してより高いレベルの精度及び信頼性を備えた特定のタイプの出力を生成することができるように、十分に異なる可能性がある。ニューラルネットワークを調節することは、各ネットワークの異なるパラメータを設定すること、各ニューラルネットワークの異なるパラメータを微調節すること、又は異なる重み(例えば、ハイパーパラメータ、若しくは学習率)、テンソルフローを割り当てることを含むことができる。したがって、ニューラルネットワークの調節又は訓練プロセス及び目標に基づいて、各ニューラルネットワークのための異なるパラメータを設定することにより、データ処理システムは、経路生成プロセス全体の性能を改善することができる。
【0032】
データ処理システム110の構成要素の各々は、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを使用して実装することができる。データ処理システム110の各構成要素は、メモリユニット(例えば、メインメモリ815又は記憶デバイス825)からフェッチされた命令に応答し、これらの命令を処理する論理回路(例えば、中央処理装置又はCPU)を含むことができる。データ処理システム110の各構成要素は、マイクロプロセッサ又はマルチコアプロセッサを含むか、又は使用することができる。マルチコアプロセッサは、単一の計算構成要素上に2つ以上の処理装置を含むことができる。データ処理システム110の各構成要素は、これらのプロセッサのいずれか、又は本明細書に記載されるように動作することができる任意の他のプロセッサに基づくことができる。各プロセッサは、命令レベル並列性、スレッドレベル並列性、異なるレベルのキャッシュなどを利用することができる。例えば、データ処理システム110は、ネットワーク101を介して通信するための少なくとも1つのプロセッサを有する計算デバイス又はサーバなどの少なくとも1つの論理デバイスを含むことができる。
【0033】
ネットワーク101は、インターネット、ローカル、ワイド、近距離通信、メトロ又は他のエリアネットワーク、並びに衛星ネットワーク、又は音声若しくはデータ携帯電話通信ネットワークなどの他のコンピュータネットワークなどのコンピュータネットワーク、並びにこれらの組み合わせを含むことができる。ネットワーク101は、機器間通信ネットワーク、例えば、機器間データ転送のためのデータ処理システム110及びその構成要素を含む構成要素のサブセットを含むか、又は構成することができる。ネットワーク101は、例えば、地点間ネットワーク、ブロードキャストネットワーク、電気通信ネットワーク、非同期転送モードネットワーク、同期光学ネットワーク、又は同期デジタル階層ネットワークを含むことができる。ネットワーク101は、赤外線チャネル又は衛星バンドなどの少なくとも1つの無線リンクを含むことができる。ネットワーク101のトポロジには、バス型、スター型、又はリング型ネットワークトポロジを含めることができる。ネットワーク101は、任意のプロトコル、又は高度な移動プロトコル、時間若しくはコード分割多重アクセスプロトコル、移動通信プロトコルのためのグローバルシステム、汎用パケット無線サービスプロトコル、又はUMTS(universal mobile telecommunication system)プロトコルを含む機器又は他のデバイス間で通信するためのプロトコルを使用する携帯電話又はデータネットワークを含むことができ、同じタイプのデータを異なるプロトコルを介して送信することができる。
【0034】
データ処理システム110の構成要素及び要素は、別個の構成要素、単一の構成要素、又はデータ処理システム110の一部であり得る。例えば、インターフェース112、入力生成器114、モデルマネージャ116、機器コントローラ118、機械学習エンジン120、又はデータリポジトリ128(及びデータ処理システム110の他の要素)は、例えば、停止コマンドを開始し、モーションコマンドを開始し、タイミングデータを送信又は受信するように構成された1つ以上のプロセッサなどのハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含むことができる。
【0035】
データ処理システム110は、製造機器104から遠隔であってもよい。データ処理システム110の構成要素は、データ処理システム110がネットワーク101を介していくつかの構成要素をフェッチすることができるように、クラウド内でホストすることができる。例えば、データリポジトリ128上に示すデータの一部は、コマンド140、ポリシー142、又は履歴データ144を維持するサーバのクラウドなどの遠隔サーバ上に存在することができ、予測を生成するか、又はニューラルネットワークを訓練するために履歴データ144を得た時点で、データ処理システム110によって(例えば、ネットワーク101を介して)アクセスすることができる。データ処理システム110の構成要素は、互いに接続又は通信可能に結合することができる。データ処理システム110の様々な構成要素間の接続は、有線若しくは無線、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。相対的なシステム又は構成要素は、他の製造機器104構成要素上でホストされ、構成要素間の通信又は調整を可能にすることができる。
【0036】
システム100は、1つ以上の製造機器104を含むか、これらとインターフェース接続するか、又は別様に通信することができる。製造機器104は、鋼、金属、ゴム、ABSプラスチック、アルミニウム、チタン、炭素繊維、又は機械装置を構築するための様々な他の材料などの様々な材料で構成することができる。製造機器104は、例えば、押出機、カレンダー(例えば、ゴム化合物を薄いシートに圧搾する複数の大径ロールのセット)、タイヤ作製機、又はロボットを含む、1つ以上のタイプの製品を製造するように構成された1つ以上のタイプの機械を含むことができる。製造機器104は、1つ以上のパラメータを使用してタイヤを製造するための複数の接合部を組み立てることができる。製造機器104は、タイヤを製造するための1つ以上の接合部を組み立てるための1つ以上の構成要素を含むことができる。構成要素は、例えば、第1の機器、第2の機器、及び第3の機器としてラベル付けすることができる。製造機器104の各構成要素は、1つ以上の接合部を含むことができる。接合部は、例えば、左接合部、中間接合部、又は右接合部としてラベル付けすることができる。製造機器104は、例えば、加圧ローラであってもよい。製造機器104は、ネットワーク101を介してデータ処理システム110に情報を通信又は提供することができる。データ処理システム110は、提供された情報に基づくことができる1つ以上の命令を製造機器104に提供することができる。
【0037】
システム100は、1つ以上のセンサ108を含むか、これらとインターフェース接続するか、又は別様に通信することができる。センサ108は、製造機器104に結合されるか、又はこれと関連付けることができる。センサ108は、データ処理システム110に情報を提供することができる。データ処理システム110は、センサデータ構造130内のセンサ108によって提供される情報を記憶することができる。データ処理システム110は、インターフェース112を介してセンサ108とインターフェース接続することができる。センサ108は、製造機器104の一部又は製造機器104から遠隔であり得る。データ処理システム110は、1つ以上の異なるタイプのセンサ108を含む第1の1つ以上のセンサからデータを収集することができる。第1の1つ以上のセンサは、例えば、温度センサ、近接センサ、圧力センサ、速度センサ、トルクセンサ、又は距離センサを含むことができる。データ処理システム110は、各接合部間の変位を測定するなどのために、向きデータ、圧力データ、負荷/重量データ、又は近接データなど、センサ108からの製造機器104情報を集合的に抽出することができる。
【0038】
開示されたシステム及び方法は、許容誤差外の接合部を低減することによってタイヤを製造するための改善された生産性を提供することができる。本開示は、時には、グラフィックプロットを介した予測に基づいてパラメータを調整することを指すことができるが、これは例示であって、決して限定することを意図するものではない。例えば、
図4~
図5では、一定期間にわたる接合部の予測又はデルタ差を示すことができる。接合部の少なくとも1つのパラメータは、データプロット400又はデータプロット500に表される値に基づいて調整することができる。
【0039】
データ処理システム110は、インターフェース112を含むことができる。インターフェース112は、情報を受信及び送信するように設計、構成、構築、又は操作することができる。インターフェース112は、ネットワークプロトコルなどの1つ以上のプロトコルを使用して情報を受信及び送信することができる。インターフェース112は、ハードウェアインターフェース、ソフトウェアインターフェース、有線インターフェース、又は無線インターフェースを含むことができる。インターフェース112は、1つの形式から別の形式へのデータの変換又はフォーマット化を容易にすることができる。例えば、インターフェース112は、ソフトウェア構成要素などの様々な構成要素間で通信するための定義を含むアプリケーションプログラミングインターフェースを含むことができる。インターフェース112は、1つ以上のセンサ108と通信して情報を収集又は受信するように設計、構築、又は操作することができる。インターフェース112は、1つ以上の機器コントローラ118と通信して、製造機器104を制御するためのコマンド又は命令を提供するように設計、構築、又は操作することができる。
【0040】
インターフェース112は、製造工場内の1つ以上の製造機器104の1つ以上のセンサ108によって感知、測定、又は検出された1つ以上の値を受信することができる。1つ以上の製造機器104の各機器は、対応する機器ID138に基づいて区別することができる。1つ以上のセンサ108から受信された被感知データは、1つ以上のセンサ108によって検出、取得、感知、収集、又は別様に識別されたデータを含むことができる。被感知データは、例えば、材料の速度、トルク、圧力、向き、温度、重量、密度、厚さ、長さ、色、硬度、又は他の特性など、1つ以上のセンサ108からのデータを含むことができる。例えば、速度データは、少なくとも1つの動作を実施する製造機器104に対応する動き情報を提供することができる。トルクデータは、例えば、材料を収集するために製造機器104を圧延するときに、製造機器104によって加えられる回転力を決定することができる。圧力データには、製造機器104上に貼り付けるために材料に加えられた圧力を含めることができ、例えば、材料は、100ポンド/平方インチ(psi)で加圧ローラ(例えば、製造機器104)上に適用することができる。向きデータには、例えば、タイヤなどの単一の物体に接合部を位置合わせして組み立てるために、製造機器104内の各接合部の向きを含めることができる。向きは、例えば、0度、10度、90度、180度などを含むことができる。温度データは、材料又は製造機器104の温度を示すことができる。
【0041】
データ処理システム110は、機械学習エンジン120の少なくとも1つの入力を生成するように設計、構築、又は操作された入力生成器114を含むことができる。入力生成器114は、データ処理システム110の他の構成要素と相互接続することができる。入力生成器114は、インターフェース112を介して1つ以上のセンサ108によって感知された1つ以上の値に基づいて、1つ以上のメトリックを決定又は選択することができる。入力生成器114は、データリポジトリ128のセンサデータ構造130からの値にアクセスすることができる。入力生成器114は、メトリックデータ構造132の複数のメトリックに更にアクセスすることができる。入力生成器114は、メトリックデータ構造132に記憶されたメトリックのリストから少なくとも1つのメトリックを決定することができる。メトリックは、センサ108によって感知された値をメトリックデータ構造132からの少なくとも1つのメトリックと関連付けるなどのように分類することができる。関数を示すメトリックは、少なくとも接合偏差及び勾配導関数を算出することができる。接合偏差は、例えば、中心点から逸脱したデータ点の測定値であり得る。中心点は、理想的な又は所望の接合部を決定するための点であり得る中間点であってもよい。中間点は、ポリシー142に基づいて、データ処理システム110によって決定又は構成することができる。
図4に示すように、y軸は、加圧ローラ設定のモデル規定後の接合部重複又はすき間の許容可能な品質許容誤差及び実際の測定値を示すことができる。測定値は、例えば、センチメートル、ミリメートル、インチなどを含む任意の単位であってもよい。x軸は、接合部が測定され、記録された日付及び時間を示すことができる。勾配導関数は、例えば、許容誤差外の接合部を予測するために許容誤差測定期間の間の移動平均勾配であり得る。例えば、入力生成器114は、複数の所定の期間にわたる移動平均の勾配(例えば、勾配導関数)を決定することができる。期間とは、複数の所定の期間にわたる移動平均を決定するための時系列を指すことができる。期間は、例えば、5、10、25、又は50期間に設定されて、勾配を生成するための設定期間内にデータセットをグループ化することができる。複数の所定の期間は、少なくとも2つの異なる所定の期間で構成することができる。決定された勾配を使用して、機械学習エンジン120のための少なくとも1つの行列を生成することができる。
【0042】
入力生成器114は、機械学習エンジン120のための少なくとも1つの行列を生成することができる。行列は、センサ108によって感知された1つ以上の値に基づくことができる。行列は、センサ108によって感知された値と関連付けられたメトリックデータ構造132から決定又は選択されたメトリックに更に基づくことができる。行列は、例えば、センサ108及び対応する選択されたメトリックからの値を含むか、又はこれらに基づいて、二次元(「two-dimensional、2D」)又は三次元(「three-dimensional、3D」)アレイであり得る。行列は、機械学習エンジン120のデータを処理するためにグループ化、分類、ラベル付け、又は別様に編成することができる。入力生成器114は、センサデータ構造130に記憶されたタイムスタンプに基づいて、行列内のデータを編成することができる。入力生成器114は、センサ値履歴、ニューラルネットワークを訓練又は調節するために使用される訓練セット、ユーザ選好、タイヤ情報/レシピ、事前予測情報、又は事前のパラメータ調整情報など、履歴データ構造144から追加情報を取得して、計算のために機械学習エンジン120に提供することができる。入力生成器114は、選択されたメトリックを使用してセンサ108の値に基づいて計算されたデータを更に含むことができる。計算されたデータは、例えば、機械学習エンジン120の少なくとも1つの前処理工程を促進することができる。入力生成器114は、生成された行列をメトリックデータ構造132に記憶することができる。更なる例では、データ処理システム110は、以前に生成された行列を履歴データ構造144に転送することができる。例えば、入力生成器114は、第1の接合部の第1の行列を生成し、メトリックデータ構造132に第1の行列を記憶することができる。データ処理システム110は、第2の接合部を製造する指示に基づいて、第1の行列をメトリックデータ構造132から履歴データ144に転送して、履歴データ144に記憶された第1の行列に部分的に基づくことができる第2の行列を生成することができる。
【0043】
データ処理システム110は、製造機器104の少なくとも1つのパラメータを調整するための少なくとも1つの値を予測するように設計、構築、又は操作されたモデルマネージャ116を含むことができる。予測値は、メトリックデータ構造132に記憶された接合部許容誤差メトリックに提供することができる。接合部許容誤差メトリックは、接合部と理想的な接合部との間の許容誤差の差を決定するためのメトリックとすることができる。接合部の許容誤差は、メトリックデータ構造132に記憶された、生成された行列と関連付けることができる。接合部の許容誤差は、信頼性スコアとして識別することができる。信頼性スコアは、機械学習エンジン120からの少なくとも1つのモデルによって予測された接合部許容誤差メトリックの値と関連付けることができる。行列は、センサ108の値及びメトリックデータ構造132から選択されたメトリックに対応することができる。例えば、行列は、前述の接合部の様々な情報から生成することができる。生成された行列は、理想的な接合部(例えば、理想的な許容誤差値)と比較するための接合部の許容誤差値を決定することができる。場合によっては、接合部の許容誤差は、履歴データ構造144に記憶された行列と関連付けることができる。例えば、モデルマネージャ116は、履歴データ構造144からの履歴行列を利用して、1つ以上の来るべき接合部許容誤差値の予測を提供することができる。履歴行列は、例えば、少なくとも1つの組み立てられた接合部に対応する、履歴的に収集された接合部許容誤差値を含むことができる。理想的な接合部とは、予想値であると決定されたタイヤの圧力、寸法、形状、重量、又は他の態様などの標準値を有する接合部を指すことができる。接合部許容誤差メトリックは、例えば、圧力、向き、又は負荷など、接合部と理想的な接合部との間の少なくとも1つのパラメータのデルタ差を決定することができる。接合部許容誤差メトリックにより、接合部が許容誤差内又は許容誤差外にあるかどうかを更に決定することができる。許容誤差内又は許容誤差外は、バイナリ判定とすることができる。接合部許容誤差メトリックは、接合部が許容誤差レベルを超える大きさを決定することができる。許容誤差レベルとは、例えば、接合部が許容誤差内又は許容誤差外にあるかどうかを判定するために、少なくとも1つのパラメータの境界値又は閾値を指すことができる。許容誤差レベルは、ポリシーデータ構造142からの少なくとも1つのポリシーに基づくことができる。
【0044】
モデルマネージャ116は、データ処理システム110の様々な他の構成要素と相互接続することができる。モデルマネージャ116は、機械学習エンジン120と通信して、機械学習エンジン120によって生成された1つ以上のモデルを管理することができる。生成されたモデルは、1つ以上の情報をデータリポジトリ128に提供又は記憶する入力生成器114に基づくことができる。入力生成器114によって提供された情報は、行列を生成するためになど、少なくともセンサデータ130又はメトリック132を含むことができる。機械学習エンジン120は、センサデータ構造130、メトリックデータ構造132、又は履歴データ構造144からなど、データリポジトリ128から少なくとも情報又は行列を受信することができる。機械学習エンジン120と通信するモデルマネージャ116は、機械学習エンジン120からの少なくとも1つの結果に基づいて、少なくとも1つのモデルを生成することができる。モデルは、様々な情報を提供する製造機器104に対応して、モデルの行列を生成することができる。この結果は、データリポジトリ128からの様々な情報を使用して、機械学習エンジン120によって実施される様々な機械学習技術に基づくことができる。生成されたモデルは、製造機器104のパラメータに調整するための1つ以上の値を示すか、又は提供することができる。例えば、モデルマネージャ116を使用するデータ処理システム110は、少なくとも1つのポリシーに基づいて閾値を満たす接合部許容誤差値(例えば、信頼性スコア)に応答して、少なくとも1つの製造機器104構成要素のパラメータを調整することを決定することができる。
【0045】
モデルマネージャ116は、機械学習エンジン120から1つ以上のデータを受信することができる。モデルマネージャ116は、例えば、モデル生成構成要素、又は1つ以上のモデルを構築するための生成器を含むことができる。モデルマネージャ116は、機械学習エンジン120のデータを使用して、製造機器104の各構成要素のための複数のモデルを構築することができる。製造機器104の各構成要素は、タイヤの複数の接合部のうちの1つと対にすることができる。例えば、構成要素は、左接合部、中間接合部、又は右接合部と対にすることができる。場合によっては、モデルマネージャ116は、モデルデータ構造134に記憶された複数のモデルのうちの1つに対応するモデルを生成することができる。モデルマネージャ116は、例えば、生成されたモデルを複数のモデルのうちの1つとマージするように決定することができる。モデルマネージャ116は、複数のモデルのうちの1つを生成されたモデルと置き換えるように更に決定することができる。モデルマネージャ116は、モデルデータ構造134内の既存のモデルをマージ又は置き換えることなく、生成されたモデルを記憶するように更に決定することができる。
【0046】
モデルマネージャ116は、モデルデータ構造134に1つ以上の生成されたモデルを記憶することができる。生成されたモデルからのパラメータの1つ以上の予測値は、収集されたデータ構造136に記憶することができる。予測値は、時間枠内の接合部の数に対応することができる。例えば、モデルは、製造機器104のパラメータを調整するために、来るべき20個の接合部の予測値を提供することができる。予測値は、例えば、対応する製造機器104のパラメータを調整するために、機器コントローラ118に提供することができる。モデルマネージャ116は、少なくとも1つの製造機器104構成要素又はモデルに関連付けられた接合部タイプに基づいて、生成されたモデルを分類又は編成することができる。例えば、製造機器104構成要素は、第1の機器、第2の機器、及び第3の機器とラベル付けされた3部を含むことができる。製造機器104構成要素の各々は、例えば、左接合部、中間接合部、及び右接合部とラベル付けされた3つの接合部を含むことができる。製造機器104構成要素の3つの構成要素及び各構成要素に関連付けられた3つの接合部は、一例として提供されており、この技術に限定されるものではない。したがって、更なる例では、システム100は、2個、5個、10個、又は15個の構成要素又は接合部などの様々な数の製造機器104構成要素及び接合部を含むことができる。
【0047】
モデルマネージャ116は、モデルデータ構造134に記憶された少なくとも1つのモデルをリフレッシュ、更新、又は別様に訓練することができる。モデルマネージャ116は、製造機器104に対応するセンサ108から追加の又は新しい値を受信することに応答して、モデルを訓練することができる。例えば、モデルマネージャ116は、第1の製造機器104構成要素と関連付けられた第1のタイプの第1の接合部のための第1のモデルを生成することができる。次いで、モデルマネージャ116は、第1の製造機器104構成要素と関連付けられた第1のタイプの第2の接合部のための行列を受信することができる。モデルマネージャ116は、第1のタイプの接合部及び第1の製造機器104構成要素に対応する既存のモデルをリフレッシュ、更新、又は別様に訓練するように決定することができる。更新されたモデルは、更新された予測に基づいて、予測値を追加又は調整することができる。
【0048】
モデルマネージャ116は、1つ以上の製造機器104のうちの第1の機器及びタイヤの第1の接合部のための、モデルデータ構造134に記憶された複数のモデルのうちの第1のモデルを構築することができる。1つ以上の製造機器104のうちの機器は、加圧ローラ構成要素と呼ぶことができる。モデルマネージャ116は、第1の機器及びタイヤの第2の接合部のための、複数のモデルのうちの第2のモデルを構築することができる。モデルマネージャ116は、第1の機器及びタイヤの第3の接合部のための、複数のモデルのうちの第3のモデルを構築することができる。第1の接合部、第2の接合部、及び第3の接合部は、それぞれ、左接合部、中間接合部、及び右接合部と呼ぶことができる。モデルマネージャ116は、第2の機器及びタイヤの第1の接合部のための、複数のモデルのうちの第4のモデルを構築することができる。モデルマネージャ116は、第2の機器及びタイヤの第2の接合部のための、複数のモデルのうちの第5のモデルを構築することができる。モデルマネージャ116は、第2の機器及びタイヤの第3の接合部のための、複数のモデルのうちの第6のモデルを構築することができる。モデルマネージャ116は、第3の機器及びタイヤの第1の接合部のための、複数のモデルのうちの第7のモデルを構築することができる。モデルマネージャ116は、第3の機器及びタイヤの第2の接合部のための、複数のモデルのうちの第8のモデルを構築することができる。モデルマネージャ116は、第3の機器及びタイヤの第3の接合部のための、複数のモデルのうちの第9のモデルを構築することができる。
【0049】
データ処理システム110は、ネットワーク101を介して製造機器104を構成、操縦、又は別様に命令するように設計、構築、又は操作された機器コントローラ118を含むことができる。機器コントローラ118は、動作を開始、休止、継続、又は停止するなど、1つ以上の動作を実施するように製造機器104に命令することができる。機器コントローラ118は、製造機器104と互換性のある操縦速度、向き、タイミング、圧力、位置合わせ、及び/又は他の動作などの、製造機器104の1つ以上のパラメータを構成することができる。
【0050】
機器コントローラ118は、データ処理システム110の他の構成要素と相互接続することができる。機器コントローラ118は、収集されたデータ136、機器ID138、又はコマンド140などの、データリポジトリ128内の様々なデータ構造にアクセスすることができる。収集されたデータ136は、機械学習エンジン120と通信するモデルマネージャ116によって生成されたモデルに基づいた1つ以上の予測値を含むことができる。機器ID138は、例えば、1つ以上の命令を提供するために製造機器104と関連付けられたルーティングIDを表すことができる。機器ID138は、命令を提供するための製造機器104構成要素を更に表すことができる。コマンド140は、製造機器104又は製造機器104構成要素に提供するための命令を含むことができる。
【0051】
データ処理システム110は、1つ以上のコマンド140を生成、識別、決定、又は製造機器104に割り当てるために、1つ以上の製造機器104に関連付けられた状態情報を処理するように設計、構築、及び操作された機械学習エンジン120を含むことができる。コマンドは、製造機器104構成要素に更に連結、提供、又は転送することができる。製造機器104構成要素は、標的構成要素と呼ぶことができる。データ処理システム110は、機械学習エンジン120に、標的構成要素の情報を入力することができる。機械学習エンジン120は、入力層122、1つ以上の隠れ層124、及び出力層126を有するニューラルネットワーク(例えば、
図6に示すニューラルネットワーク600)を含むか、又は利用することができる。
【0052】
機械学習エンジン120は、例えば、接合部をタイヤに製造する前の接合部が、所定の接合点から逸脱する度合いに基づいて、モデルデータ構造134に記憶された1つ以上のモデルを訓練することができる。偏差とは、接合部の許容誤差と接合部に対応する理想的な許容誤差値との間のデルタ差を指すことができる。許容誤差の度合いとは、製造又は組み立てプロセス中のタイヤの温度、圧力、向き、又は位置などの様々なパラメータを指すことができる。機械学習エンジン120は、以前の接合の少なくとも1つの結果に基づいて、1つ以上のモデルを更に訓練することができる。以前の接合の結果は、少なくとも1つの、所定の期間数にわたる接合点の移動平均を含むことができる。その結果は、接合点の所定の移動平均数の勾配導関数を更に含むことができる。その結果は、
図4及び
図5に見られるように、調整されたパラメータを伴うか又は伴わない製造機器104の1つ以上の構成要素からのものとすることができる。
【0053】
機械学習エンジン120は、ニューラルネットワーク、機械学習技術、又はベースモデルを含むことができる。例えば、機械学習エンジン120は、畳み込みニューラルネットワークを含むことができる。機械学習エンジン120は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク、深層畳み込みネットワーク、フィードフォワード型ニューラルネットワーク、深層フィードフォワード型ニューラルネットワーク、動径基底関数ニューラルネットワーク、コホネン自己組織化ニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、モジュール型ニューラルネットワーク、長期/短期記憶ニューラルネットワークなどを含む、任意のタイプのニューラルネットワークを含むことができる。
【0054】
機械学習エンジン120は、1つ以上のニューラルネットワークを維持、管理、記憶、更新、調節、又は構成することができる。機械学習エンジン120は、ニューラルネットワーク又は1つ以上の隠れ層124のための異なるパラメータ、重み、訓練セット、又は構成を使用して、ニューラルネットワークが入力のタイプ(又は中間入力)を効率的かつ正確に処理し、出力のタイプ(又は中間出力)を生成することを可能にすることができる。ニューラルネットワーク又はその各隠れ中間層を構成及び調節することにより、データ処理システム110は、ニューラルネットワークを使用しないか、又は製造機器104情報を処理するように訓練又は構成されたニューラルネットワークを使用しないことに対して、接合部許容誤差が予測される効率、信頼性、及び精度を改善することができる。
【0055】
例えば、機械学習エンジン120は、畳み込みニューラルネットワークとして構成することができるか、又はこれを含むことができる。畳み込みニューラルネットワークは、各々が異なる目的を果たすことができる、1つ以上の畳み込みセル(又はプーリング層)及びカーネルを含むことができる。入力層122は、入力データを処理することができる畳み込みカーネルを含むことができ、プーリング層は、例えば、最大などの非線形関数を使用してデータを単純化し、それにより、不必要な特徴を低減することができる。製造機器104情報は、漏斗を形成する畳み込み層に送られ、検出された特徴を圧縮することができる。第1の層は、第1の特性を検出することができ、第2の層は、第2の特性を検出することなどができる。
【0056】
畳み込みニューラルネットワークは、視覚画像を分析するように構成された深層フィードフォワード型人工ニューラルネットワークのタイプであり得る。畳み込みニューラルネットワークは、最小限の前処理を使用するように設計された多層パーセプトロンを含むことができる。畳み込みニューラルネットワークは、これらの共有重みアーキテクチャ及び変換不変特性に基づいて、シフト不変又は空間不変人工ニューラルネットワークを含むか、又はこのように呼ぶことができる。畳み込みニューラルネットワークは、他の分類アルゴリズムと比較して比較的少ない前処理を使用することができるため、畳み込みニューラルネットワークは、他の分類アルゴリズム用にマニュアル設計され得るフィルタを自動的に学習し、それにより、ニューラルネットワークを構成、確立、又は設定することに関連付けられた効率を改善し、それにより、他の分類技術に対して技術的利点を提供することができる。
【0057】
深層学習エンジンは、入力層122及び出力層126を有するように設計及び構築された畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを使用することができる。ニューラルネットワークは、畳み込み層、プーリング層、完全に接続された層、又は正規化層を含み得る、1つ以上の隠れ層124を有することができる。例えば、畳み込み層では、データ処理システム110は、畳み込み演算を入力に適用することができ、その結果を次の層に送る。畳み込みは、個々のニューロンの視覚刺激への応答をエミュレートすることができる。各畳み込みニューロンは、その受容野に対してのみデータを処理する。畳み込み演算を使用して、完全に接続されたフィードフォワード型ニューラルネットワークと比較して、ニューラルネットワークで使用されるニューロンの数を低減することができる。したがって、畳み込み演算は、自由パラメータの数を低減し、より少ないパラメータでネットワークを深くすることができるため、この問題に対する技術的な解決策をもたらすのである。少なくともこのようにして、畳み込みニューラルネットワークを備えた機械学習エンジン120は、逆行性伝播を使用することによって多くの層を有する従来の多層ニューラルネットワークを訓練する際の消失勾配又は爆発勾配問題を解決することができる。
【0058】
畳み込みニューラルネットワークで構成された機械学習エンジン120は、1つ以上のプーリング層を含むことができる。1つ以上のプーリング層は、ローカルプーリング層又はグローバルプーリング層を含むことができる。プーリング層は、1つの層のニューロンクラスタの出力を次の層の単一のニューロンに組み合わせることができる。例えば、最大プーリングは、前の層のニューロンのクラスタの各々から最大値を使用することができる。別の例は平均プーリングであり、これは、前の層のニューロンのクラスタの各々から平均値を使用することができる。
【0059】
畳み込みニューラルネットワークで構成された機械学習エンジン120は、接続された層を含むことができる。接続された層は、1つの層のニューロンを別の層のニューロンに接続することができる。畳み込みニューラルネットワークで構成された機械学習エンジン120は、畳み込み層の共有重みを用いて構成することができ、これは、層内の各受容野に使用されている同じフィルタを指すことができ、それにより、メモリフットプリントを低減し、ニューラルネットワークの性能を改善する。
【0060】
畳み込みニューラルネットワーク内の隠れ層124は、入力層122で受信された製造機器104情報に基づいて情報を検出するように調節又は構成されたフィルタを含むことができる。畳み込みニューラルネットワーク内の各層を介したデータ処理システム110の工程として、データ処理システム110は、第1の層からの入力を変換し、変形された入力を第2の層に出力することなどができる。畳み込みニューラルネットワークは、検出されている物体又は情報のタイプ、及び入力された製造機器104情報のタイプに基づいて、1つ以上の隠れ層124を含むことができる。
【0061】
データ処理システム110は、少なくともセンサデータ130、メトリック132、又は履歴データ144を使用して、機械学習エンジン120のニューラルネットワークを訓練することができる。ニューラルネットワークは、データ処理システム110の1つ以上のサーバ上で、又はデータ処理システム110から遠隔で訓練することができる。機械学習エンジン120のニューラルネットワークは、1つ以上のコマンド140を提供して標的構成要素を制御し、製造機器104の非稼働時間を低減するために、標的構成要素からのパラメータ及び許容誤差情報などの接合部情報を処理、分析、又は使用して、パラメータ調整のための1つ以上の値を予測するように訓練することができる。
【0062】
データ処理システム110は、機械学習エンジン120からの出力に基づいて、予測値(例えば、データリポジトリ128に記憶された収集されたデータ136)を製造機器104に割り当てることができる。データ処理システム110は、機械学習エンジン120を使用して、例えば、製造機器104を提供するために、機器コントローラ118のパラメータ値を調整することができる。データ処理システム110は、機械学習エンジン120の出力層126を介して、予測値を出力して、標的構成要素、又は製造機器104の1つ以上の他の構成要素に割り当てることができる。そうするために、データ処理システム110は、標的構成要素のための様々な接合部情報(例えば、圧力、向き、寸法、温度)を、ニューラルネットワークの入力層122に入力することができる。データ処理システム110は、(例えば、機械学習エンジン120を介して)この情報を分析して、予測値を標的構成要素に割り当てることができる。例えば、接合部の許容誤差が、少なくとも1つのポリシー142に基づいて、許容誤差レベル未満である場合、データ処理システム110は、機械学習エンジン120を使用して、許容誤差外の接合部を低減するために標的構成要素のパラメータを調整するための予測値を提供するように決定することができる。接合部許容誤差を修正するために標的構成要素を調整するためのパラメータ値は、接合部のタイプに関連付けられた標的構成要素の少なくとも1つの圧力、向き、位置合わせ、又は位置値を含むことができる。接合部のタイプは、左接合部、中間接合部、又は右接合部を含むことができる。しかしながら、接合部が少なくとも1つのポリシー142(例えば、理想的な接合部の中間点から低いデルタ差)に基づいて許容誤差範囲内にある場合、データ処理システム110は、機械学習エンジン120を使用して、パラメータの調整値を提供しないように決定することができる。代わりに、データ処理システム110は、モデル134をリフレッシュ、更新、又は訓練して、予測範囲を更に増加するように決定することができる。例えば、モデルは、20個の来るべき接合部のための許容誤差レベルを予測し、少なくとも1つの接合部情報でモデルを更新することによって、更新されたモデルは、25個、30個、又は40個の来るべき接合部のための許容誤差レベルを予測することができる。
【0063】
第2のニューラルネットワークは、機械学習エンジン120によって維持することができる。第2のニューラルネットワークは、
図6に示すニューラルネットワーク600の1つ以上の構成要素又は機能性を含むことができる。第2のニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワーク600と同じタイプのニューラルネットワークであり得る。第2のニューラルネットワークは、製造機器104のパラメータを調整するための予測値を生成することができる。例えば、製造機器104は、センサ108を使用して各構成要素の様々な情報を提供することができ、データ処理システム110は、複数の構成要素の各々の情報を機械学習エンジン120に入力して、複数の構成要素の各々に値を割り当て、複数の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素に1つ以上のコマンド140を指示して、許容誤差外の接合部を低減するためのパラメータを変更することができる。
【0064】
データ処理システム110が製造機器104の1つ以上の構成要素の更新された状態情報を受信すると、データ処理システム110は、履歴データ144及び更新されたパラメータ値、センサ108からの被感知値、又は任意の後続のパラメータ値に基づいて、製造機器104のための更新されたモデルを生成することができる。データ処理システム110は、更新された情報が、例えば、各接合部に関連付けられた製造機器104のセンサ108又は各構成要素から受信されたときに、製造機器104のためのモデルを継続的に更新又は再生することができる。したがって、データ処理システム110は、履歴データ144、電流受信センサ108情報、及びパラメータ値に基づいて、製造機器104のためのモデルを継続的又は定期的に更新することができる。
【0065】
図2は、一実施形態による、予測分析プロセスのための機械学習エンジンの例示的な動作図を示す。動作200は、
図1及び
図8に示す1つ以上のシステム、構成要素、又は機能によって実施することができる。例えば、動作は、データ処理システム、製造機器、センサ、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、機械学習エンジン、又はデータリポジトリによって実施することができる。ACT204において、データ処理システムは、訓練データを受信、識別、又は収集して、機械学習エンジンからの少なくとも1つのモデルを訓練することができる。訓練データは、少なくとも1つの遠隔サーバ、履歴データ、センサデータ、又は現在若しくは過去の接合部に関する様々な情報を含む他のデータベースからであり得る。訓練データは、例えば、生産データ、圧力パラメータデータ、タイヤ構築データ、又は接合データ履歴を含むことができる。訓練データは、子構成要素生産データ、及びロット追跡データを更に含むことができる。子構成要素生産データとは、製造機器の各構成要素を指すことができる。訓練データは、各子構成要素に対応することができる。例えば、訓練データは、製造機器の第1の機器の左接合部に対応することができ、異なる訓練データは、製造機器の第2の機器の右接合部に対応することができる。ロットトランスデータは、接合部を生産するための材料情報を含むことができる。ロット追跡データは、例えば、接合部を生産するための少なくとも1つの材料、構造、寸法、又はテクスチャを含むことができる。
【0066】
ACT208において、データ処理システムは、ACT204の訓練データを機械学習エンジンに送って訓練することができる。機械学習エンジンは、
図1でより詳細に説明されるように、訓練データを使用して1つ以上の機械学習技術を実施することができる。機械学習エンジンは、データ処理システムのインターフェースを介して1つ以上の訓練データを受信することができる。機械学習エンジンは、訓練データに基づいて少なくとも1つのモデルを生成又は更新することができる。モデルは、モデルデータ構造に記憶することができる。
【0067】
ACT212において、データ処理システムは、生成されたモデルを機械学習エンジンに送って、追加の機械学習技術を実施することができる。ACT216において、データ処理システムは、入力データを機械学習エンジンに送ることができる。入力データは、センサデータに基づいて、様々なセンサデータ及び選択されたメトリックを表すことができる。入力データは、例えば、現在の接合部又は過去に製造された接合部に対応する情報を更に表すことができる。センサデータ及び選択されたメトリックを使用して、機械学習エンジンに入力するための行列を生成することができる。
【0068】
ACT220において、データ処理システムは、入力データとモデルとの両方を機械学習エンジンに送ることができる。機械学習エンジンは、入力データ及びモデルをマージして、パラメータ調整値を予測するためのモデルを更新することができる。ACT224において、データ処理システムは、パラメータ調整値を予測することができる。パラメータ調整値は、ACT220からの更新されたモデルに基づくことができる。予測は、データリポジトリ内の収集されたデータに記憶することができる。データ処理システムは、予測値に基づいて、製造機器に少なくとも1つのコマンドを提供することができる。予測値は、例えば、現在の許容誤差外の接合部に対する、接合部の圧力、向き、又は位置合わせを含むことができる。
【0069】
ACT228において、データ処理システムは、接合部に対応する構成要素のパラメータへの調整に基づいて、接合部の決定又は評価を実施することができる。例えば、データ処理システムは、構成要素のパラメータの変更に続いて、接合部が許容誤差範囲内にあると決定することができる。許容誤差範囲とは、例えば、中間点からの少なくとも1つのデルタ差を指すことができる。許容誤差内の接合部に基づいて、データ処理システムは、製造機器のパラメータを更に調整することを決定することができる。更なる例では、データ処理システムは、パラメータ調整に基づいて、接合部が許容誤差外にあると決定することができる。データ処理システムは、再評価のためのモデルを訓練及び更新するように決定することができる。動作200は、例えば、ACT208、ACT212、ACT220、ACT224、及びACT228から順次、周期的に繰り返すことができる。ACT204の訓練データ及びACT216の入力データは、現在の接合又は接合履歴に対応する、1つ以上の情報を受信することに基づいてモデルを訓練するために、動作200のサイクルに提供することができる。
【0070】
図3は、一実施形態による、機械学習エンジンのモデルを管理するための分析データ階層の例示的な動作図を示す。動作300は、
図1及び
図8に示す1つ以上のシステム、構成要素、又は機能によって実施される。例えば、動作は、データ処理システム、製造機器、センサ、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、機械学習エンジン、又はデータリポジトリによって実施することができる。動作300では、パラメータ調整を予測するための様々なモデルの生成を実証することができる。動作300には、機械タイプ304、タイヤタイプ308、製造機器312、構成要素316、及び接合部320など、タイヤを製造するためのデータ階層の様々な構成要素を含めることができる。製造機器312とは、
図1の製造機器104を指すことができる。データ処理システムは、タイヤ製造機械と関連付けられた型式、モデル、又は他の機器IDに基づいて、機械タイプ304を決定することができる。
【0071】
データ処理システムは、少なくとも1つのロット追跡データを受信するために、機械タイプ304のタイヤタイプ308を決定することができる。タイヤタイプ308は、1つ以上のタイプの車両との適合性に基づくことができる。例えば、タイヤタイプ308は、セダン、ミニバン、トラック、SUV、又は他のタイプの車両のためのものであり得る。タイヤタイプ308は、材料の寸法及び厚さに基づく。データ処理システムは、1つ以上のパラメータを調整するための製造機器312を決定して、タイヤタイプ308を製作又は生産することができる。データ処理システムは、タイヤタイプ308の指示を少なくとも1つの製造機器312に送って、1つ以上の接合部320を使用してタイヤタイプ308の対応するタイヤを製作又は生産することができる。
【0072】
データ処理システムは、機器IDに基づいて、複数の製造機器312から各製造機器312を識別することができる。複数の製造機器312は、VMI Maxx又は他の関連するタイヤ作製機(「tire building machine、TBM」)などのタイヤ製造機のうちの1つであり得る。機械タイプ304は、様々な関連する動作能力及びパラメータを決定することができる。データ処理システムは、機器IDを更に使用して、複数の構成要素316の各構成要素を識別して1つ以上のパラメータを調整することができる。製造機器312は、複数の製造機器312の各々に対応する様々な構成要素316を含むことができる。製造機器の構成要素316は、例えば、少なくとも1つの第1の機器317、第2の機器318、及び第3の機器319を含むことができる。各構成要素とは、タイヤを製造するための製造機器312の一部を指すことができる。各構成要素は、タイヤを製造するための対応する接合部320を含むことができる。接合部320は、製造機器312の構成要素316を識別することと同様に、機器IDを使用して識別することができる。接合部は、左接合部322、中間接合部324、又は右接合部326などの様々な接合タイプを含むことができる。接合部320は、構成要素316の各々に対応することができ、例えば、第1の機器317は、第1の左接合部322、第1の中間接合部324、及び第1の右接合部326を含むことができ、第2の機器318は、第2の左接合部322、第2の中間接合部324、及び第2の右接合部326を含むことができ、第3の機器319もこれに続いて、第3の機器319に対応する接合部320を含むことができる。データ処理システムは、構成要素316の少なくとも1つの接合部320に対応する1つ以上の値を受信することができる。値は、少なくとも1つのメトリックと共に使用して、機械学習エンジンのための行列を生成することができる。機械学習エンジンは、製造機器の各構成要素の各接合部に対応するモデルを生成又は更新することができる。モデルは、例えば、パラメータ調整のための対応する接合タイプに基づいてモデルを編成、分類、グループ化、又は別様に配置するために、モデルマネージャ116に提供することができる。
【0073】
加えて、動作300では、本明細書に記載の工程を実施することができる。データ処理システムは、タイヤを製造するための機械タイプ304を識別して、1つ以上の製造機器312情報を収集することができる。データ処理システムは、製造するタイヤのタイヤタイプ308を更に識別することができる。データ処理システムは、タイヤタイプ308のタイヤを製造することに対応する、複数の製造機器312からの製造機器312のうちの少なくとも1つを選択することができる。データ処理システムは、情報収集のために、第1の機器317、第2の機器318、又は第3の機器319など、構成要素316のうちの1つを更に選択することができる。データ処理システムは、左接合部322、中間接合部324、又は右接合部326などの接合部320のうちの少なくとも1つに対応する少なくとも1つのパラメータを調整するために、選択された構成要素316から情報を収集することができる。データ処理システムは、モデルを更新、生成、又は管理するために、収集された情報をモデルマネージャ116に提供することができる。
【0074】
図4は、一実施形態による、中間点/中心線からの接合偏差の例示的な図を示す。
図4は、例えば、データ処理システム、製造機器、センサ、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、機械学習エンジン、又はデータリポジトリによることを含む、
図1、
図2、
図3、又は
図7に示す1つ以上のシステム、構成要素、又は機能によって生成され得るデータプロット400を示す。データプロット400は、中間点410、接合偏差415(例えば、データセット415)、及び許容誤差範囲外420を示す。中間点410とは、理想的な状態又はパラメータ下の接合部の予想値点などの理想的な点又は中心線を指すことができる。データプロット400の許容誤差範囲外420部分とは、接合部が1つ以上のポリシーを超えるように、接合部が許容誤差外と見なされる範囲を指すことができる。接合偏差415を考慮すると、データプロット400上の複数の点は、許容誤差外にあると指摘することができる。例えば、おおよその時間85、529、及び829において、所与の時間における接合は、許容誤差範囲を超えて(例えば、過ぎて)逸脱した。許容誤差範囲を通過する接合部は、許容誤差外と見なすことができる。データプロット400では、許容誤差内又は許容誤差外のバイナリを測定するのではなく、接合部が理想的な中間点から逸脱した度合いの測定値を実証する。偏差は、メトリックデータ構造に記憶された少なくとも1つのメトリックに基づくことができる。データプロット400は、1つ以上のモデルを生成するための複数の値及びメトリックに対する、機械学習エンジン分析のグラフ例であり得る。
【0075】
図5は、一実施形態による、接合偏差415のための勾配導関数の例示的な図を示す。
図5は、例えば、データ処理システム、製造機器、センサ、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、機械学習エンジン、又はデータリポジトリによることを含む、
図1、
図2、
図3、又は
図7に示す1つ以上のシステム、構成要素、又は機能によって生成され得るデータプロット500を示す。データプロット500は、データプロット400と同様の説明を含むことができる。データプロット400と同様のデータプロット500は、少なくとも1つの期間の移動平均に基づいて勾配を計算するために、勾配導関数などの少なくとも1つの勾配関数を実施することができる。例えば、データプロット500上の第1のデータセット425は、許容誤差外の接合部を予測するための20期間の移動平均を使用した勾配導関数を表すことができる。データプロット500上の第2のデータセット430は、許容誤差外の接合部を予測するための50期間の移動平均を使用した勾配導関数を表し得る。少なくとも移動平均関数及び対応する勾配を使用することにより、データ処理システムは、データプロット500の運動量の観察を提供して、少なくとも1つの時間、接合部、バッチ、又は以前のパラメータに基づいて許容誤差外にあり得る接合数を予測することができる。
【0076】
図6は、一実装態様による、許容誤差外の接合部を予測し、製造機器のパラメータを決定するために機械学習エンジンによって使用されるニューラルネットワークの一例を示す。
図6は、ネットワークに相互接続されたインターフェースを介して製造機器の1つ以上のパラメータを調整するために、機械学習エンジンによって使用されるニューラルネットワークの例示的な動作を示す。動作は、
図1、
図2、
図3、
図7、又は
図8に示す1つ以上のシステム、構成要素、又は機能によって実施することができる。例えば、動作は、データ処理システム、製造機器、センサ、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、機械学習エンジン、又はデータリポジトリによって、又はこれらを介して実施することができる。
【0077】
ACT610において、データ処理システムは、ニューラルネットワーク600の入力層122にある製造機器のセンサから様々な情報を入力することができる。センサ108からの様々な情報は、
図1で更に詳細に説明することができる。データ処理システムは、センサ108によって感知された情報に対応する、少なくとも1つの選択されたメトリックを更に入力することができる。データ処理システム110は、入力生成器114を使用して、センサ情報(例えば、1つ以上の値)及び選択されたメトリックに対応する行列を生成することができる。生成された行列は、機械学習エンジンを提供するためにデータをフィルタリングするためなど、メトリックを使用してセンサ情報を分類することができる。データ処理システムは、入力層122で行列を入力することができる。
【0078】
ACT610における入力に続いて、データ処理システムは、入力情報をニューラルネットワーク600の共有畳み込み層に送ることができる。入力層122は、入力として、少なくともセンサデータ、メトリック、又は履歴データを受信し、データを隠れ層124に出力するように訓練、構成、又は操作することができる。ニューラルネットワークは、第1の隠れ層624及び第2の隠れ層628などの複数の隠れ層を含むことができる。ニューラルネットワークは、第3の隠れ中間層(図示せず)及び第4の隠れ中間層(図示せず)を更に含むことができる。ニューラルネットワークは、出力層126を含むことができる。
【0079】
隠れ層124は、畳み込み層、プーリング層、完全に接続された層、又は重み付け層であり得る。層内の各ノードは、データに対してプロセス又は動作を実施することができる。各ノード又は層は、入力データを変形して、出力データ(例えば、後続の層に送ることができる中間出力、又はシステム内の別の構成要素に送る最終出力)を生成することができる。
【0080】
例えば、第1の入力層122は、製造機器情報データを受信し、データを処理してデータを第1の中間出力に変形し、第1の中間出力を第1の隠れ層624に転送することができる。第1の隠れ層624は、第1の中間出力を受信し、第1の中間出力を処理して、第1の中間出力を第2の中間出力に変形し、第2の中間出力を第2の隠れ層628に転送することができる。第2の隠れ層628は、第2の中間出力を受信し、第2の中間出力を処理して、第2の中間出力を第3の中間出力に変形し、第3の中間出力を第3の隠れ中間層(図示せず)に転送することができる。第3の隠れ中間層は、第3の中間出力を受信し、第3の中間出力を処理して、第3の中間出力を第4の中間出力に変形し、第4の中間出力を第4の隠れ中間層(図示せず)に転送することができる。第4の隠れ中間層は、第4の中間出力を受信し、第4の中間出力を処理して、第4の中間出力を第5の中間出力に変形し、第5の中間出力を出力層126に転送することができる。出力層126は、第5の中間出力を受信し、第5の中間出力を処理して、第5の中間出力を最終出力に変形し、最終出力を転送することができる。最終出力予測には、許容誤差内予測634及び許容誤差外予測638を含めることができる。出力予測(例えば、許容誤差内予測634、許容誤差外予測638など)は、例えば、入力に対応する接合部の圧力レベル、厚さレベル、位置、又は向きに対応することができる。例えば、最終出力は、許容誤差外予測638にパラメータ調整のための少なくとも1つの値を提供することができる。最終出力は、製造機器のパラメータ又は出力層126によって生成されたモデルを少なくとも維持するために、許容誤差内予測634を更に提供することができる。出力予測は、製造機器の構成要素に対応する少なくとも1つのモデルを生成又は更新するために使用することができる。したがって、ニューラルネットワーク600は、製造機器情報を受信し、1つ以上の隠れ層を有する畳み込みニューラルネットワークを使用して予測を出力するように構成、訓練、調節、又は操作することができる。
【0081】
図7は、一実装態様による、タイヤを製造するための例示的な方法を図示するフロー図を示す。方法700は、例えば、データ処理システム、製造機器、センサ、インターフェース、入力生成器、モデルマネージャ、機器コントローラ、機械学習エンジン、又はデータリポジトリによることを含む、
図1~
図6又は
図8に示す1つ以上のシステム、構成要素、又は機能によって実施することができる。ACT704において、データ処理システムは、センサデータを受信することができる。データ処理システムは、各製造機器構成要素の1つ以上のセンサによって感知されたデータを受信することができる。データ処理システムは、定期的に、継続的に、要求に応答して、事象又はトリガに応答して、センサデータを受信することができる。データ処理システムは、1つ以上のセンサからセンサデータを受信することができる。データ処理システムは、センサに関連付けられた特性又は測定の変更を検出し、次いで、変更を検出した特定のセンサから、更新された情報を要求することができる。データ処理システムは、全てのセンサからのデータを要求することができる。データ処理システムは、データ処理システムによって実施されている動作のタイプに基づいてセンサのサブセットからのデータを要求することができ、それにより、センサ計算資源利用、プロセッサ利用、メモリ利用、又はI/O利用を低減する。例えば、データ処理システムは、温度センサ、近接センサ、圧力センサ、速度センサ、トルクセンサ、又は距離センサへのアクセスを有し得る。データ処理システムは、例えば、各接合部の接合部許容誤差レベルを決定するために、圧力センサなどの単一のセンサを使用するように決定することができる。この例では、圧力情報は、少なくとも1つのパラメータ値を予測するための機械学習エンジンの入力を生成するために提供することができる。
【0082】
ACT708において、データ処理システムは、1つ以上のセンサからのデータが、モデル又は予測を生成するための機械学習エンジンへの入力に不十分であると決定することができる。いくつかの実施形態では、データ処理システムは、センサ108からインターフェース112によって受信されたデータが有効であるかどうかを判定する。例えば、収集されたセンサデータは、十分な解像度、粒度、又はサンプリングレートを有さない場合がある(例えば、サンプリングレートは、少なくとも1つのポリシーに基づく値未満であり得る)。収集されたセンサデータは、低い信号対ノイズ比(例えば、ポリシー上の値未満)を有し得る。収集されたセンサデータは、大量のアーチファクト又はノイズ(例えば、ポリシーに基づく値よりも大きい)を有し得る。ポリシーは、例えば、パラメータ調整値を予測するのに無効又は不正確なモデルの生成を防止するために、ノイズが特定の値を超えていることに基づいて、センサデータを受け入れないか、又は記憶しないように決定することができる。収集されたセンサデータは、誤った読み取り値(例えば、パラメータ値を予測するために設定された値よりも大きい範囲測定値)を有し得る。センサは、収集されたセンサデータの中で誤動作又は障害を示す場合がある。データ処理システムは、例えば、データ又はデータ充足性の少なくとも有効性を決定することに基づいて、ACT704に戻ることによって、第2のセンサデータを受信することができる。充足性とは、接合部の正確な描写のためにセンサ108によって得られたデータ量を指すことができる。第2の実施形態では、データ処理システムは、受信されたデータが有効であると決定することができる。センサ108からの有効データは、センサデータ構造に記憶することができる。
【0083】
ACT712において、データ処理システムは、製造機器構成要素に対応する少なくとも1つの新しい又は追加のセンサ情報の受信を決定することができる。データ処理システムは、センサ108によって受信されたデータのタイプ、例えば、温度データ、近接データ、圧力データ、又は距離データを決定することができる。データ処理システムは、入力生成器を使用して、センサデータの値又はタイプに基づいて、メトリックデータ構造に記憶された少なくとも1つのメトリックを選択することができる。メトリックは、製造機器構成要素に対応する、各接合部の許容誤差を決定するために使用されるデータを分類又は編成するための複数の関数を含むことができる。
【0084】
ACT716において、データ処理システムは、入力生成器114を利用して、機械学習エンジンに入力するための行列を生成することができる。行列は、ACT704及びACT712のように、収集されたセンサデータ及び決定されたメトリックに基づくことができる。行列は、
図1に記載されるように、混同行列、精度行列、精密行列、感度行列、特異性行列、又は機械学習エンジンに入力するための他の関連する行列を含むことができる。データ処理システムは、メトリックデータ構造内の行列を1つ以上のメトリックと共に記憶することができる。場合によっては、メトリックデータ構造に記憶された行列は、データリポジトリから除去されるか、又は少なくとも1つの履歴データ構造若しくは遠隔データリポジトリに転送することができる。行列は、例えば、データリポジトリ128内の1つ以上のメモリ空間を新たに割り当てるために除去又は転送される可能性がある。行列は、モデルを生成するために行列を受信する機械学習に基づいて、更に除去又は転送される可能性がある。
【0085】
ACT720において、データ処理システムは、接合部許容誤差メトリックの値を予測することができる。データ処理システムは、少なくとも1つのパラメータの値を予測して調整することができる。予測値は、収集されたデータ構造に記憶することができる。データ処理システムは、入力生成器から生成された行列を、入力層で機械学習エンジンに入力することができる。機械学習エンジンは、様々な機械学習技術を実施して、製造機器構成要素及び接合タイプに対応する少なくとも1つのモデルを生成又は更新することができる。モデルマネージャは、機械学習エンジンによって生成された複数のモデルを編成、分類、又は別様に管理して、モデルデータ構造に記憶することができる。モデルマネージャは、例えば、第1の機器、第2の機器、又は第3の機器の各々に対応する左タイプ、中間タイプ、又は右タイプとしてモデルを編成又は分類することができる。モデルデータ構造は、モデルマネージャによって維持、更新、又はアクセスすることができる。場合によっては、データ処理システムは、製造機器構成要素及び接合タイプに関連付けられた新しい又は追加の行列を機械学習エンジンに提供することができる。モデルマネージャは、関連する製造機器構成要素及び接合タイプを有するモデルの存在を決定することができる。モデルマネージャは、新しい又は追加の行列に基づいてモデルを更新するために、モデルを機械学習エンジンに提供することができる。
【0086】
場合によっては、機械学習エンジンは、モデルマネージャの新しいモデルを生成することができる。モデルマネージャは、モデルと関連付けられた重複製造機器構成要素又は接合タイプに基づいて、新しいモデルを既存のモデルとマージするか、既存のモデルを置き換えるか、又はモデルデータ構造に重複モデルを記憶するように決定することができる。接合部許容誤差メトリックは、
図1に記載されるように、接合部の許容誤差と各接合部の理想的な許容誤差との間で異なるデルタの指示を提供することができる。別の場合では、機械学習エンジンは、モデルを生成するための少なくとも1つの履歴データを更に使用することができる。履歴データはまた、製造機器構成要素又は接合タイプに対応するデータセットを含むことができる。
【0087】
ACT724において、データ処理システムは、接合部が許容誤差外にあるかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、データ処理システムは、接合偏差415が許容誤差範囲外420内にあるかどうかを判定する。接合部許容誤差及び許容誤差範囲外420は、機械学習エンジンから生成されたモデルによって決定することができる。データ処理システムは、接合部が、接合部許容誤差と、製造機器構成要素又は接合タイプに対応する、接合部の理想的な許容誤差との間の少なくとも1つのデルタ差に基づいて許容誤差外(例えば、許容誤差範囲外420)にあるかどうかを判定することができる。許容誤差範囲外420は、
図4及び
図5に示すように、許容誤差レベル範囲内の特定の値を超えるデルタに更に基づくことができる。許容誤差レベル範囲又は受け入れられた許容誤差は、ポリシーデータ構造に記憶された少なくとも1つのポリシーに基づくことができる。データ処理システムは、許容誤差外の接合部のためにACT728に進むか(例えば、接合偏差415が許容誤差範囲外420内にある場合)、又は許容誤差内の接合部のためにACT704に進むように決定することができる。
【0088】
ACT728において、データ処理システムは、タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定することができる。1つの機器とは、第1の機器、第2の機器、又は第3の機器などの製造機器構成要素を指すことができる。各機器は、様々なタイプの接合部、例えば、左接合部、中間接合部、又は右接合部を含むことができる。調整のためのパラメータは、接合部の少なくとも1つの圧力レベル、向き、又は位置を含むことができる。パラメータは、スパイス部許容誤差メトリックからの予測値に基づくことができる。
【0089】
ACT732において、データ処理システムは、接合部許容誤差メトリックからの予測値に基づいて、タイヤ製造工場内の少なくとも1つの機器を調整するための少なくとも1つのコマンドを提供することができる。データ処理システムは、機器コントローラ118を利用して、許容誤差外の接合部の決定に基づいてコマンドを製造機器構成要素に提供することができる。機器コントローラ118は、製造機器構成要素を決定して、機器IDに基づくコマンドを提供することができる。機器IDは、例えば、少なくともセンサ108又は製造機器104と関連付けられたルーティングアドレスを含むことができる。コマンドは、例えば、タイヤを製造するための接合部の圧力値、向き、又は位置を調整することを含むことができる。データ処理システムは、パラメータ調整に基づいて接合部の許容誤差を更に決定することができる。調整されたパラメータを有する接合部に対応する結果又は値は、履歴データ構造に提供することができる。
【0090】
ACT704に戻って参照すると、データ処理システムは、追加のセンサデータを受信するように決定することができる。追加のセンサデータを受信するための決定は、少なくともACT724又はACT732に基づくことができる。例えば、データ処理システムは、接合部許容誤差メトリックの予測値が許容誤差内にあると判定することができる。データ処理システムは、接合部の許容誤差予測に基づいて、コマンドを構成要素に提供しないことによって、製造機器構成要素のパラメータを維持することができる。代わりに、データ処理システムは、構成要素から新しい接合部を検出することに応答して、追加のセンサデータを待機することができる。追加の例では、ACT732のデータ処理システムは、少なくとも1つの製造機器構成要素に1つ以上のコマンドを提供して、構成要素の圧力、向き、位置合わせ、又は較正など、少なくとも1つのパラメータを変更する。データ処理システムは、これに応答して、調整されたパラメータを有する構成要素に対応するセンサ108の1つ以上の値を受信することができる。この値により、ACT708における有効性を確認することができる。
【0091】
ACT708に戻って参照すると、データ処理システムは、例えば、許容誤差範囲内にある接合部、又は許容誤差外の接合部に対応する1つ以上のパラメータへの調整に基づいて、ACT704のセンサデータの有効性を確認することができる。データ処理システムは、少なくとも、センサデータが有効であるという判定、又はパラメータに対する調整に続いて受信された1つ以上の値に基づいて、ACT716で行列を更新又は生成するように決定することができる。ACT704のセンサデータを受信及び検証することに応答して、生成又は更新された行列を使用して、既存のモデルを少なくとも生成又は更新するか、又はACT716に記載されるような追加モデルを提供することができる。データ処理システムは、例えば、タイヤの接合部が許容誤差レベル(例えば、許容誤差ウィンドウ)を満たすことを予測するために、更新されたモデルを使用することができる。データ処理システムは、少なくともACT704、ACT708、ACT712、ACT716、ACT720、ACT724、ACT728、及びACT732の間をループすることができる。データ処理システムは、タイヤ製造動作を休止、終了、又は開始するためなどの、データ処理システムのインターフェースを介して開始されたトリガに基づいてループを終結することができる。データ処理システムは、製造機器構成要素のパラメータに対する調整から許容誤差接合を予測することに応答して、ループを更に終結することができる。
【0092】
図7に概ね戻って参照すると、データ処理システムは、ACT716で更新された行列を受信することができる。データ処理システムは、更新された行列を機械学習エンジンの入力層に提供することができる。機械学習エンジンは、例えば、データリポジトリ内の既存のモデルの更新された情報を提供することができる。データ処理システムは、例えば、更新されたモデルに基づいて、ACT720のように、タイヤの接合部に対応する値を予測することができる。データ処理システムは、接合部の値(例えば、許容誤差)が、この場合、また一例として、ACT724で許容誤差レベル又はウィンドウを満たさないと決定することができる。データ処理システムは、ACT728において、調整のための製造機器のパラメータを決定することができる。したがって、データ処理システムは、ACT732において、製造機器構成要素の第2のパラメータ又は第2の構成要素若しくは第3の構成要素のパラメータのうちの少なくとも1つを調整することができる。この調整は、更新されたモデルに基づくことができ、タイヤの接合部がパラメータ調整に続く許容誤差ウィンドウを満たさないという予測に応答することができる。
【0093】
図8は、例示的な計算システム800のブロック図である。コンピュータシステム800(例えば、計算デバイス、コンピュータシステムなど)は、データ処理システム110、又はデータ処理システム110などのその構成要素を含むか、又はこれらを実装するために使用することができる。計算システム800は、情報を通信するための少なくとも1つのバス805又は他の通信構成要素、及び情報を処理するためにバス805に結合された少なくとも1つのプロセッサ810又は処理回路を含む。計算システム800はまた、情報を処理するためにバスに結合された1つ以上のプロセッサ810又は処理回路を含むことができる。計算システム800はまた、情報を記憶するためにバス805に結合されたランダムアクセスメモリ(「random access memory、RAM」)又は他の動的記憶デバイスなどの少なくとも1つのメインメモリ815、及びプロセッサ810によって実行される命令を含む。メインメモリ815は、データリポジトリ128とすることができるか、又はこれを含むことができる。メインメモリ815はまた、製造機器に関連する様々なパラメータ情報、又はプロセッサ810による命令の実行中に他の情報を記憶するために使用することができる。計算システム800は、プロセッサ810の静的情報及び命令を記憶するためにバス805に結合された少なくとも1つの読み取り専用メモリ(「read only memory、ROM」)820又は他の静的記憶デバイスを更に含み得る。ソリッドステートデバイス、磁気ディスク、又は光ディスクなどの記憶デバイス825をバス805に結合して、情報及び命令を持続的に記憶することができる。
【0094】
計算システム800は、製造機器のオペレータなどのユーザに情報を表示するために、バス805を介して、液晶表示装置又は動的行列表示装置などの表示装置835に結合され得る。キーボード又は音声インターフェースなどの入力デバイス830は、情報及びコマンドをプロセッサ810に通信するためのバス805に結合され得る。入力デバイス830は、タッチスクリーン表示装置835を含むことができる。入力デバイス830はまた、プロセッサ810に方向情報及びコマンド選択を通信し、表示装置835上のカーソル移動を制御するために、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御装置を含むことができる。表示装置835は、
図1のデータ処理システム110、センサ108、又は他の構成要素の一部とすることができる。
【0095】
本明細書に記載のプロセス、システム、及び方法は、プロセッサ810がメインメモリ815に含まれる命令の配置を実行することに応答して、計算システム800によって実装することができる。このような命令は、記憶デバイス825などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ815に読み込まれることができる。メインメモリ815に含まれる命令の配置の実行は、計算システム800に、本明細書に記載の例示的なプロセスを実施させる。また、多重処理配置における1つ以上のプロセッサを用いて、メインメモリ815に含まれる命令を実行することができる。ハード有線回路は、本明細書に記載のシステム及び方法と一緒にソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて使用することができる。本明細書に記載のシステム及び方法は、ハードウェア回路とソフトウェアとの任意の特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0096】
例示的な計算システムが
図8に記載されているが、この明細書に記載される動作を含む主題は、他のタイプのデジタル電子回路、又はこの明細書に開示される構造物及びそれらの構造等価物、若しくはそれらのうちの1つ以上の組み合わせを含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで実装することができる。
【0097】
本明細書の説明のいくつかは、システム構成要素(例えば、仲裁構成要素)の態様の構造的独立性を強調しており、また、製造機器104及びセンサ108は、これらのシステム構成要素の動作及び責任の1つのグループ化を示す。同様の全体的な動作を実行する他のグループ化は、この出願の範囲内にあると理解される。モジュールは、ハードウェアに、又は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータ命令として実装することができ、モジュールは、様々なハードウェア又はコンピュータベースの構成要素にわたって分散することができる。
【0098】
上述のシステムは、これらの構成要素のうちのいずれか又は各々の複数のものを提供することができ、これらの構成要素は、スタンドアロンシステム又は分散型システム内の複数のインスタンス化のいずれかに提供することができる。加えて、上記のシステム及び方法は、1つ以上の製造物品上又は1つ以上の製造物品内に具現化された1つ以上のコンピュータ可読プログラム又は実行可能命令として提供することができる。製造物品は、クラウドストレージ、ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリカード、PROM、RAM、ROM、又は磁気テープであり得る。一般に、コンピュータ可読プログラムは、LISP、PERL、C、C++、C#、PROLOGなどの任意のプログラミング言語、又はJAVAなどの任意のバイトコード言語で実装することができる。ソフトウェアプログラム又は実行可能命令は、オブジェクトコードとして1つ以上の製造物品上に、又は1つ以上の製造物品内に記憶することができる。
【0099】
例示的及び非限定的なモジュール実装要素は、本明細書で決定された任意の値を提供するセンサ、本明細書で決定された値の前駆体である任意の値を提供するセンサ、通信チップ、水晶振動子、通信リンク、ケーブル、ツイストペア配線、同軸配線、シールド配線、送信機、受信機、又は送受信機を含むデータリンク又はネットワークハードウェア、論理回路、配線接続された論理回路、モジュール仕様に従って構成された特定の非一時的な状態の再構成可能な論理回路、少なくとも1つの電気的、油圧式、又は空気圧アクチュエータ、ソレノイド、オプアンプ、アナログ制御要素(例えば、バネ、フィルタ、統合器、加算器、分割器、利得要素)、又はデジタル制御要素を含む任意のアクチュエータを含む。
【0100】
この明細書に記載される主題及び動作は、この明細書に開示される構造物及びそれらの構造等価物、若しくはそれらのうちの1つ以上の組み合わせを含む、デジタル電子回路、あるいはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで実装することができる。この明細書に記載される主題は、データ処理装置による実行のために1つ以上のコンピュータ記憶媒体上に符号化されるか、又はデータ処理装置の動作を制御するための、1つ以上のコンピュータプログラム、例えば、コンピュータプログラム命令の1つ以上の回路として実装することができる。代替的又は追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝播信号、例えば、データ処理装置による実行のための好適な受信器装置への送信のための情報を符号化するように生成される機械生成された電気的、光学的、又は電磁的信号で符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダム又はシリアルアクセスメモリアレイ若しくはデバイス、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせであり得るか、又はこれらに含まれ得る。コンピュータ記憶媒体は伝播信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝播信号に符号されたコンピュータプログラム命令のソース又は宛先であり得る。コンピュータ記憶媒体はまた、1つ以上の別個の構成要素又は媒体であり得るか、又はこれらに含まれ得る(例えば、複数のCD、ディスク、又は他の記憶デバイスがクラウドストレージを含む)。この明細書に記載される動作は、1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイス上に記憶されたデータ上のデータ処理装置によって実施されるか、又は他のソースから受信される動作として実施することができる。
【0101】
「計算デバイス」、「構成要素」、又は「データ処理装置」などの用語は、例としてプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、チップ上のシステム、又は複数のシステム、又は前述の組み合わせを含む、データを処理するための様々な装置、デバイス、及び機械を含む。装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ、field programmable gate array)又はASIC(特定用途向け集積回路、application specific integrated circuit)を含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。装置及び実行環境では、ウェブサービス、分散計算、及びグリッド計算インフラストラクチャなどの様々な異なる計算モデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0102】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリ、スクリプト、又はコードとしても知られる)は、コンパイル型言語又はインタプリタ型言語、宣言型言語又は手続き型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書き込むことができ、また、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクト、若しくは計算環境で使用するのに好適な他の単位として含まれる任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応することができる。コンピュータプログラムは、問題のプログラム専用の単一のファイル、又は複数の調整ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)内の他のプログラム若しくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置するか、若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0103】
この明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって行為を実施するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実施することができる。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することができ、装置はまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)として実装することができる。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに好適なデバイスは、例として半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスを含む、不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスク又は取り外し可能なディスク;光磁気ディスク、及びCD ROM;並びにDVD-ROMディスクを含むことができる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補われるか、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0104】
本明細書に記載の主題は、例えば、データサーバとしてバックエンド構成要素を含むか、又はミドルウェア構成要素、例えば、アプリケーションサーバを含むか、若しくはフロントエンド構成要素、例えば、グラフィカルユーザインターフェースを有するクライアントコンピュータ、あるいはユーザがこの明細書に記載される主題の実装と対話することができるウェブブラウザ、又は1つ以上のこのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、若しくはフロントエンド構成要素の組み合わせを含む計算システムで実装することができる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形式又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、及びピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)が挙げられる。
【0105】
動作は、特定の順序で図面に示されているが、このような動作は、図示の特定の順序で、又は順番に実施される必要はなく、例示された動作全てが、実施される必要はない。本明細書に記載の行為は、異なる順序で実施することができる。
【0106】
ここで、いくつかの例示的な実装形態を説明してきたが、上記は例示的なものであり、また限定されるものではなく、例として提示されていることは明らかである。特に、本明細書に提示される実施例の多くは、方法行為又はシステム要素の特定の組み合わせを含むが、それらの行為及びそれらの要素は、同じ目標を達成するために他の方法で組み合わせてもよい。1つの実装形態に関連して説明された行為、要素、及び特徴は、他の実装形態における同様の役割又は実装形態から除外されることを意図するものではない。
【0107】
本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明の目的のためであり、限定するものと見なされるべきではない。「含む(including)」「備える(comprising)」「有する(having)」「含む(containing)」「含む(involving)」「特徴がある(characterized by)」「特徴とする(characterized in that)」及びこれらの変形の使用は、この後に列挙される項目、これらの等価物、及び追加項目、並びにこの後に列挙される項目から成る代替実装形態を排他的に含むことを意味する。一実装形態では、本明細書に記載のシステム及び方法は、記載された要素、行為、又は構成要素のうちの1つ、1つよりも多くの各組み合わせ、又は全てから成る。
【0108】
単数形で言及される本明細書のシステム及び方法の実装形態又は要素若しくは行為に対するいかなる言及もまた、複数のこれらの要素を含む実装形態を含み、また、本明細書の任意の実装形態又は要素若しくは行為に対する任意の複数の言及もまた、単一の要素のみを含む実装形態を含み得る。単数形又は複数形の言及は、この開示されたシステム又は方法、それらの構成要素、行為、又は要素を単一又は複数の構成に限定することを意図するものではない。任意の情報、行為、又は要素に基づく任意の行為又は要素への言及は、行為又は要素が少なくとも部分的に、任意の情報、行為、又は要素に基づく実装形態を含み得る。
【0109】
本明細書に開示される任意の実装形態は、任意の他の実装形態又は実施形態と組み合わせることができ、「一実装形態(an implementation)」、「いくつかの実装形態(some implementations)」、「一実装形態(one implementation)」などへの言及は、必ずしも相互排他的ではなく、実装形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実装形態又は実施形態に含まれ得ることを示すことを意図している。本明細書で使用するこのような用語は、必ずしも全てが同じ実装形態を指すものではない。任意の実装形態は、本明細書に開示される態様及び実装形態と一致する任意の方法で、包括的に又は排他的に、任意の他の実装形態と組み合わせることができる。
【0110】
「又は」への言及は、「又は」を使用して記載される任意の用語が、記載された用語の単一、複数、及び全てのいずれかを示すことができるように、包括的であると解釈され得る。例えば、「「A」及び「B」のうちの少なくとも1つ」への言及は、「A」のみ、「B」のみ、並びに「A」及び「B」の両方を含むことができる。「備える(comprising)」又は他の開放的な専門用語と併せて使用されるこのような言及は、追加項目を含むことができる。
【0111】
図面、詳細な説明、又は任意の請求項における技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、これらの参照符号は、図面、詳細な説明、及び請求項の明瞭性を高めるために含まれている。したがって、参照符号もこれらの不在も、いかなる請求項要素の範囲に限定的な影響を及ぼすものではない。
【0112】
様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、及び割合、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、向きの変化などの記載された要素及び行為の修正は、本明細書に開示される主題の教示及び利点から実質的に逸脱することなく発生することができる。例えば、一体的に形成されたものとして示される要素は、複数の部品又は要素で構築することができ、要素の位置は、逆にするか、又はさもなければ変化させることができ、個別の要素又は位置の性質又は数を変更又は変化させることができる。また、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された要素及び動作の設計、動作状態、及び配置において、他の置換、修正、変更、及び省略を行うことができる。
【0113】
本明細書に記載のシステム及び方法は、その特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。したがって、本明細書に記載のシステム及び方法の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の当量の意味及び範囲内にある変更は、その中に包含される。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを製造するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、メモリと、を備え、前記メモリが、命令を記憶するように構成され、前記命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行可能であり、前記1つ以上のプロセッサに、
タイヤ製造工場内の1つ以上のタイヤ製造機器の1つ以上のセンサから、前記1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定することと、
前記1つ以上の値及び前記1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成することと、
タイヤ製造性データを出力するように構築された機械学習モデルへの前記行列の入力を介して、前記タイヤの接合部許容誤差メトリックの値を予測することと、
前記接合部許容誤差メトリックの前記値に基づいて、前記タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定することと、
前記接合部許容誤差メトリックの前記値に応答して、前記タイヤ製造工場内の前記少なくとも1つの機器を調整するためのコマンドを提供することと、を行わせる、システム。
【請求項2】
前記タイヤの複数の接合部の各々と対になった、前記1つ以上のタイヤ製造機器の各々のための複数の機械学習モデルを構築するための1つ以上のプロセッサを有するモデル生成構成要素を更に備え、前記機械学習モデルが、前記複数の機械学習モデルのうちの1つに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記機械学習モデルが、複数の機械学習モデルのうちの第1の機械学習モデルであり、前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上のタイヤ製造機器の第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの前記第1の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第2の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第3の機械学習モデルを構築することと、
第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第4の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第5の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第6の機械学習モデルを構築することと、
第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第7の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第8の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第9の機械学習モデルを構築することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記タイヤの前に製造されたタイヤの接合部が所定の接合点から逸脱した度合い、又は
以前の接合の結果、所定の期間数にわたる接合点の移動平均、前記接合点の所定の移動平均数の勾配に基づいて、前記機械学習モデルを訓練することを更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサが、
複数の機械学習モデルに基づいて、前記接合部許容誤差メトリックの前記値が、前記タイヤの複数の接合部のうちの第1の接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することを決定することと、
ポリシーに基づいて、前記タイヤの前記複数の接合部のうちの前記第1の接合部に対応する前記少なくとも1つの機器を選択することと、
前記第1の接合部の特性を調整して前記第1の接合部を前記許容誤差ウィンドウ内に収めるように、前記ポリシーに基づいて選択された前記少なくとも1つの機器に命じることと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上のタイヤ製造機器から、前記1つ以上の値の時系列を受信することと、
前記1つ以上の値の前記時系列に基づいて、複数の所定の期間にわたる移動平均を決定することであって、前記複数の所定の期間が、少なくとも2つの異なる所定の期間を含む、決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の勾配を決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の前記勾配に基づいて、前記行列を生成することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって加えられる圧力量を調整することと、
前記圧力量の前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記圧力量の前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たすと予測することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって使用される第1のパラメータを調整することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記タイヤの前記接合部が、前記調整に続いて前記許容誤差ウィンドウを満たさないという前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器の第2のパラメータ又は前記タイヤ製造工場の第2の機器のパラメータのうちの少なくとも1つを調整することと、を更に引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
タイヤを製造する方法であって、
タイヤ製造工場内の1つ以上のタイヤ製造機器の1つ以上のセンサから、1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上のタイヤ製造機器によるタイヤの製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の値に基づいて1つ以上のメトリックを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の値及び前記1つ以上のメトリックに基づいて行列を生成することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、タイヤ製造性データを出力するように構成された機械学習モデルへの前記行列の入力を介して、前記タイヤの接合部許容誤差メトリックの値を予測することと、
前記接合部許容誤差メトリックの前記値に基づいて、前記1つ以上のプロセッサによって、前記タイヤ製造工場内の調整すべき少なくとも1つの機器のパラメータを決定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記接合部許容誤差メトリックの前記値に応答して、前記タイヤ製造工場内の前記少なくとも1つの機器を調整するためのコマンドを提供することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記タイヤの複数の接合部の各々と対になった、前記1つ以上のタイヤ製造機器の各々のための複数の機械学習モデルを構築することを更に含み、前記機械学習モデルが、前記複数の機械学習モデルのうちの1つに対応している、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記機械学習モデルが、複数の機械学習モデルのうちの第1の機械学習モデルであり、前記方法が、
前記1つ以上のタイヤ製造機器の第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの前記第1の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第2の機械学習モデルを構築することと、
前記第1の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第3の機械学習モデルを構築することと、
第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第4の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第5の機械学習モデルを構築することと、
前記第2の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第6の機械学習モデルを構築することと、
第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第1の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第7の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第2の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第8の機械学習モデルを構築することと、
前記第3の加圧ローラ構成要素及び前記タイヤの前記第3の接合部のための、前記複数の機械学習モデルのうちの第9の機械学習モデルを構築することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
複数の機械学習モデルに基づいて、前記接合部許容誤差メトリックの前記値が、前記タイヤの複数の接合部のうちの第1の接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することを決定することと、
ポリシーに基づいて、前記タイヤの前記複数の接合部のうちの前記第1の接合部に対応する前記少なくとも1つの機器を選択することと、
前記第1の接合部の特性を調整して前記第1の接合部を前記許容誤差ウィンドウ内に収めるように、前記ポリシーに基づいて選択された前記少なくとも1つの機器に命じることと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のタイヤ製造機器から、前記1つ以上の値の時系列を受信することと、
前記1つ以上の値の前記時系列に基づいて、複数の所定の期間にわたる移動平均を決定することであって、前記複数の所定の期間が、少なくとも2つの異なる所定の期間を含む、決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の勾配を決定することと、
前記複数の所定の期間にわたる前記移動平均の前記勾配に基づいて、前記行列を生成することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを超えると予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって加えられる圧力量を調整することと、
前記圧力量の前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記圧力量の前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たすと予測することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記機械学習モデルの出力に基づいて、前記タイヤの接合部が許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器によって使用される第1のパラメータを調整することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて、前記1つ以上のタイヤ製造機器による前記タイヤの前記製造に対応する1つ以上の値を受信することと、
前記第1のパラメータの前記調整に続いて受信された前記1つ以上の値に基づいて、更新された行列を生成することと、
前記更新された行列の前記機械学習モデルへの入力を介して、前記タイヤの前記接合部が前記許容誤差ウィンドウを満たさないと予測することと、
前記タイヤの前記接合部が、前記調整に続いて前記許容誤差ウィンドウを満たさないという前記予測に応答して、前記少なくとも1つの機器の第2のパラメータ又は前記タイヤ製造工場の第2の機器のパラメータのうちの少なくとも1つを調整することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】