(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】傾斜レードーム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20220809BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20220809BHJP
【FI】
G01S7/03 246
G01S13/931
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502923
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 US2020043018
(87)【国際公開番号】W WO2021154331
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,アダム
(72)【発明者】
【氏名】マ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】マーケル,マシュー
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC11
5J070AD05
5J070AE01
5J070AF03
5J070AK40
(57)【要約】
例示的な実施形態は、レーダユニットを保護するための傾斜レードームに関する。例示的なレーダシステムは、放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットを含み得る。レーダユニットは、放射パターンに基づいてレーダ信号を送信し、レーダ信号を受信するように構成されている。さらに、レーダシステムは、放射パターンの送信方向に位置するレードームをさらに含む。詳細には、レードームは、レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射が、放射パターンの空白、および吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダシステムであって、
放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットであって、前記レーダユニットが、(i)前記放射パターンに基づいてレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている、レーダユニットと、
前記放射パターンの送信方向に位置するレードームであって、前記レードームが、前記レードームによって引き起こされる前記送信されたレーダ信号の反射が、(i)前記放射パターンの空白、および(ii)吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされている、レードームと、を備える、レーダシステム。
【請求項2】
前記レードームが、前記レードームと前記少なくとも1つのアンテナとの間に隙間が存在するように、前記レーダユニットに結合されている、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項3】
前記レードームが、前記少なくとも1つのアンテナを囲む、請求項2に記載のレーダシステム。
【請求項4】
前記角度の程度が、前記放射パターンの前記空白の位置に依存する、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項5】
前記放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む前記レーダユニットが、
線形アレイに配置された複数のアンテナを備える、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項6】
前記レーダシステムの環境から反射されたレーダ信号を受信するように構成された受信アレイをさらに備える、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項7】
前記吸収構成要素が、前記レーダユニットの上面に配置されている、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項8】
前記吸収構成要素が、破壊的干渉を引き起こすように構成された1つ以上の導波路を含む、請求項7に記載のレーダシステム。
【請求項9】
前記吸収成分は、放射パターンのヌルに対して配置された無線周波数(RF)吸収材料を含み、前記RF吸収材料は、送信されたレーダー信号の反射を吸収するように構成される、請求項7に記載のレーダーシステム。
【請求項10】
第2の放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む第2のレーダユニットであって、前記第2のレーダユニットが、(i)前記第2の放射パターンに基づいて第2のレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている、第2のレーダユニットと、
前記第2の放射パターンの送信方向に位置する第2のレードームであって、前記第2のレードームが、前記第2のレードームによって引き起こされる前記送信された第2のレーダ信号の反射が、(i)前記第2の放射パターンの空白、および(ii)第2の吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、前記少なくとも1つのアンテナの平面に対して第2の角度でアライメントされている、第2のレードームと、をさらに備える、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項11】
前記レーダユニットが、車両の第1の位置に結合され、前記第2のレーダユニットが、前記車両の第2の位置に結合されている。請求項10に記載のレーダシステム。
【請求項12】
処理ユニットであって、前記処理ユニットが、前記レーダユニットおよび前記第2のレーダユニットを使用して、ビームフォーミングプロセスを実行するように構成されている、処理ユニットをさらに含む、請求項11に記載のレーダシステム。
【請求項13】
前記処理ユニットが、前記レードームによって引き起こされる前記送信されたレーダ信号の反射を軽減するようにさらに構成されている、請求項12に記載のレーダシステム。
【請求項14】
レーダユニットであって、
放射パターンを有する複数のアンテナであって、前記複数のアンテナが、(i)前記放射パターンに基づいてレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている、複数のアンテナと、
前記放射パターンの送信方向に位置するレードームであって、前記レードームが、前記レードームによって引き起こされる前記送信されたレーダ信号の反射が、(i)前記放射パターンの空白、および(ii)吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、複数のアンテナの平面に対してある角度でアライメントされている、レードームと、を備える、レーダユニット。
【請求項15】
前記レードームが、1つ以上の偏光フィルタを含む、請求項14に記載のレーダユニット。
【請求項16】
前記角度の程度が、前記放射パターンの前記空白の位置に依存する、請求項14に記載のレーダユニット。
【請求項17】
前記吸収構成要素が、前記レーダユニットの上面に配置されている、請求項14に記載のレーダユニット。
【請求項18】
前記吸収構成要素が、導波路に結合されている、請求項14に記載のレーダユニット。
【請求項19】
レーダシステムを動作させる方法であって、
放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダーユニットを使用して、放射パターンに基づくレーダー信号を送信し、レーダーシステムは、放射パターンの送信方向に配置されたレドームを含み、レドームは整列されている。レドームによって引き起こされる送信レーダー信号の反射が、(i)放射パターンのヌルおよび(ii)吸収成分の少なくとも1つに向けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度で、
前記レーダユニットを使用して、前記レーダシステムの環境内の1つ以上の表面によって前記レーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することと、を含む、レーダシステムを動作させる方法。
【請求項20】
第2の放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む第2のレーダーユニットを使用して、第2の放射パターンに基づく第2のレーダー信号を送信し、レーダーシステムは、第2の放射パターンの送信方向に配置された第2のレドームを含む。第2のレドームは、第2のレドームによって引き起こされる送信された第2のレーダー信号の反射が(i)第2のヌルの少なくとも1つに向けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対して第2の角度で整列される。放射パターンおよび(ii)第2の吸収成分。
前記第2のレーダユニットを使用して、前記レーダシステムの前記環境内の1つ以上の表面によって前記レーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することと、を含む、請求項19に記載の前記レーダシステムを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月6日に出願された米国特許出願第16/532,655号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書により組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
無線検出および測距システム(「レーダシステム」)は、無線信号を放出し、戻ってくる反射信号を検出することにより、環境特徴物までの距離を能動的に推定するために使用され得る。電波反射性特徴物までの距離は、送信と受信との間の時間遅延に従って判定され得る。レーダシステムは、時変周波数ランプを有する信号など、時間とともに周波数が変化する信号を放出して、放出された信号と反射された信号との間の周波数の差を距離推定に関連付けることができる。一部のレーダシステムはまた、受信された反射された信号のドップラー周波数シフトに基づいて反射物体の相対運動を推定し得る。
【0003】
指向性アンテナもまた、信号の送信および/または受信のために使用されて、各距離推定をベアリングに関連付けることができる。より一般的には、指向性アンテナを使用して、放射エネルギーを対象の与えられた視野に集中させることもできる。測定された距離と方向情報とを組み合わせると、周囲の環境特徴をマッピングすることが可能になる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、概して、レーダシステム、およびレーダシステム内のレーダユニットを保護するように設計されたレードームの一定の態様に関する。
【0005】
したがって、第1の実施形態は、レーダシステムを説明する。レーダシステムは、放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットを備える。レーダユニットは、(i)放射パターンに基づいてレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている。レーダシステムは、放射パターンの送信方向に位置するレードームをさらに備える。レードームは、レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射が、(i)放射パターンの空白、および(ii)吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされる。
【0006】
第2の実施形態は、レーダユニットを説明する。レーダユニットは、放射パターンを有する複数のアンテナを備える。複数のアンテナは、(i)放射パターンに基づいてレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている。レーダユニットは、放射パターンの送信方向に位置するレードームをさらに含む。さらに、レードームは、レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射が、(i)放射パターンの空白、および(ii)吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられように、複数のアンテナの平面に対してある角度でアライメントされる。
【0007】
第3の実施形態は、レーダシステムを動作させる方法を説明する。方法は、放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットを使用して、放射パターンに基づくレーダ信号を送信することを含む。レーダシステムは、放射パターンの送信方向に位置するレードームを含む。レードームは、レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射が、(i)放射パターンの空白、および(ii)吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされる。方法は、レーダユニットを使用して、レーダシステムの環境内の1つ以上の表面によってレーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することをさらに含む。
【0008】
第4の実施形態は、第1、第2、および第3の実施形態の動作の各々を実行するための様々な手段を含むシステムを含み得る。
【0009】
これらのならびに他の実施形態、態様、利点、および代替物は、当業者には、添付の図面を適宜参照して、以下の詳細な説明を読み取ることにより明らかになるであろう。さらに、本明細書で提供されている本概要ならびに他の説明および図は、例としてのみ実施形態を説明することが意図されており、したがって、多数の変形が可能であることを理解されたい。例えば、構造要素およびプロセスステップは、特許請求される実施形態の範囲内に依然としてありながら、再配置、組み合わせ、分散、排除、または他の方法での変更がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つ以上の例示的な実施形態による、車両を例解する機能ブロック図である。
【
図2A】1つ以上の例示的な実施形態による、車両の側面図を例解する。
【
図2B】1つ以上の例示的な実施形態による、車両の上面図を例解する。
【
図2C】1つ以上の例示的な実施形態による、車両の正面図を例解する。
【
図2D】1つ以上の例示的な実施形態による、車両の背面図を例解する。
【
図2E】1つ以上の例示的な実施形態による、車両の追加の図を例解する。
【
図3】1つ以上の例示的な実施形態による、レーダセクタのレイアウト図を例解する。
【
図4A】1つ以上の例示的な実施形態による、レーダユニットの基本的なレードームを例解する。
【
図4B】1つ以上の例示的な実施形態による、レーダユニットの基本的なレードームの別の図を例解する。
【
図5A】1つ以上の例示的な実施形態による、レーダユニット用傾斜レードームを例解する。
【
図5B】1つ以上の例示的な実施形態による、レーダユニット用傾斜レードームの別の図を例解する。
【
図6】1つ以上の例示的な実施形態による、レーダシステムを動作させる方法を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図では、特に文脈で記載しない限り、同様の記号は、通常、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意味するものではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更も行うことができる。本明細書で概して説明され、かつ図に例解されている、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することができ、そのすべてが、本明細書において明示的に想定されていることが容易に理解されよう。
【0012】
レーダシステムは、1つ以上のアンテナを使用してレーダ信号を放射(すなわち、送信)して、環境の態様を測定する。環境内の表面に接触すると、放出されたレーダ信号は複数の方向に散乱し、一部は様々な表面に透過し、他は表面を離れレーダシステムの1つ以上の受信アンテナに戻る方向に反射する。1つ以上の受信アンテナによって受信されると、環境の二次元(2D)および/または三次元(3D)の測定値を生成するために、レーダ反射は処理され得る。具体的には、これらの測定値は、レーダシステムの近くの環境を占める近くの表面の位置、配向、および動きを伝達し得る。
【0013】
レーダシステムは、近くの物体および他の表面の距離および動きを測定できるため、車両のナビゲーションおよび安全性を支援するためにますます使用されている。特に、車両レーダシステムからの測定は、車両ナビゲーション中の全体的なパフォーマンスおよび安全性を向上させることができる。車両レーダシステムは、近くの車両の位置、配向、および動きを検出および識別できる。レーダ測定は、道路の境界および道路状況(例えば、滑らかな路面またはでこぼこした路面)、気象条件(例えば、濡れているまたは雪の道路)、交通標識および信号、ならびに歩行者などの車両の周辺環境の他の特徴に関する情報も明らかにし得る。いくつかの例では、レーダ測定は、ドライバーの車両制御を支援するために使用される。例えば、レーダ測定は、車両が別の車両または物体に近すぎる場合、警告を生成するために使用され得る。レーダ測定は、車両の自律的または半自律的なナビゲーション用の制御方策を開発するためにも使用できる。
【0014】
一部の車両レーダシステムは、車両の多様な外部位置にレーダユニットを取り付けることによって設置される。例えば、1つ以上のレーダユニットは、車両のドアミラー、バンパー、ルーフ、フロントグリル、ドア、トランク、またはサイドパネルなどの多様な位置で車両に結合され得る。レーダユニットを取り付け配置するために外部位置を使用することは、車両を再設計したり特別に製造したりすることを必要とせずに、標準的な車両へのレーダシステムの迅速な設置を可能にする。さらに、レーダユニットの配向および位置は、ユニットが車両の外部位置に結合されている場合、簡単に調整され得る。このことは、設置および較正プロセスを迅速化させ得る。車両の外部位置を使用することによって、レーダユニットは、車両の最適な位置および配向から測定値をキャプチャすることが可能であり得る。
【0015】
しかしながら、車両のこれらの外部位置で結合される場合、レーダユニットは、レーダシステムの性能を損傷および劣化させ得る道路の破片からの接触に、あいにく遭遇する場合がある。例えば、車両が経路をナビゲーションしている場合、車両および他の近くの車両によって、破片(例えば、岩、道路の一部)が蹴り上げられ、レーダユニットに向けられる場合がある。この破片は、レーダユニットに損傷を与え、車両レーダシステム全体のその後の性能に影響を与え得る。そのため、損傷したレーダユニットを修理または交換することは、費用がかかる可能性がある。さらに、自律的に動作する車両が損傷したレーダユニットを使用して動作することを許すことは安全であり得ない。
【0016】
さらに、気象条件が、車両の外部位置に結合された保護されていないレーダユニットに望ましくない影響を与える状況をもたらすこともある。雨、雹、みぞれ、雪、および他の気象条件が、あいにくレーダユニットと接触し、各ユニットの性能および状態に影響を与える可能性がある。さらに、道路に堆積した水たまりおよび雪は、近くの車両によって車両に向けられ、車両レーダシステムの性能を同様に劣化させ得る。したがって、気象要素への露出により、レーダユニットが劣化し、時間の経過とともに最適に動作しなくなる可能性がある。さらに、車両の外部位置に結合されたレーダユニットは、車両が駐車されて使用されていないときなど、歩行者からの望ましくない接触にもさらされる。
【0017】
これらの潜在的な問題およびレーダユニットを車両の外部に配置する場合に発生し得る他の問題を克服するために、レードームが使用され得る。レードームは、レーダユニットの構成要素を保護および隠蔽するように設計されたレーダユニット用の保護カバーである。レーダユニットのレードームは、内部構成要素を含むレーダユニットの一部または全体を保護し得る。例えば、レードームは、レードームとレーダユニットのアンテナとの間に隙間が存在するように、レーダユニットに結合するように構成され得る。このように、レードームはレーダユニットのアンテナを囲み、破片および気象要素などの望ましくない環境要因からの保護を提供し得る。
【0018】
理想的には、レードームは、レーダユニットによって送信および受信されるレーダ信号にいかなる影響も有さないであろう。しかしながら、実際には、レードームは、レーダユニットの性能に望ましくない影響を与える場合がある。
【0019】
レードームは、レーダユニットを保護できる素材でできているため、レードームは、自由空間の特性インピーダンスとは異なる特性インピーダンスを有し得る。このインピーダンスの違いは、たとえ最小の場合でも、やはりレーダユニットの性能に望ましくない影響を与える可能性がある。特に、レードームと空気との間のインピーダンスの不一致は、レーダユニットが動作しているときに、1つ以上の送信アンテナに向かって返ってくる送信信号のエネルギーのある割合の反射をもたらし、送信信号のエネルギーのすべてを意図したとおりに環境内に伝播させることができない場合がある。その結果、エネルギーがレーダユニットのアンテナの近くに捕らえられて干渉をもたらし、レーダユニットの受信機によって受信され、他の同様の手段による全体的なパフォーマンスを劣化させ得る。いくつかの事例では、レードームは、信号が環境内へ横切っていく前に、一部の送信信号がレードームとレーダユニットとの間に作成された空間で1回以上反射する原因となり得る。「リンギング」とも呼ばれる、これらの反射するレーダ信号は、広い視野を有するアンテナアレイのチャネルの位相安定性をさらに制限し得る、位置依存位相誤差を引き起こし得る。いくつかの例では、レーダユニットのレードームによって引き起こされるリンギングは、レーダユニットから離れる方向に伝播し、アンテナの実際の位置とは異なる位置によって送信されたように見える「リンギング」信号によって、レーダユニットのサイドローブ性能をやはり制限し得る。本明細書で提示される例示的な実施形態は、レーダユニットを保護するためにレードームを使用する場合に生じ得る望ましくない影響を低減するように設計され配置された傾斜レードームを含む。基本的なレードームと同様に、傾斜レードームは、レーダユニットの放射パターンの送信方向に位置し、レーダユニットを保護するのに役立つ。しかしながら、基本的なレードームとは異なり、傾斜レードームは、傾斜レードームによって引き起こされる送信信号の反射が1つ以上の所望される方向に向けられるように(例えば、放射パターンおよび吸収構成要素の空白に向かって)、レーダユニットのアンテナの平面に対してある角度で(平行でなく)アライメントされ得る。例えば、傾斜レードームは、アンテナに対して6度の傾斜でアライメントされ得る。例の間で他の角度が、可能である。このように、傾斜レードームは、従来のレードームと比較して、レーダユニットの性能への少ない影響により、レーダユニット構成要素を保護および隠蔽し得る。
【0020】
傾斜レードームは、レーダユニットの1つ以上のアンテナの放射パターンの空白に向かうような、特定の方向にレーダ信号を反射するように、レーダユニットに対してある角度に向け得る。空白は、レーダユニットが反射信号を十分に受信しないまたはまったく受信しない放射パターンの角度を表し得る。このように、傾斜レードームがレーダユニットのアンテナに対してアライメントされた角度の程度は、アンテナの放射パターンにおける空白の位置に依存し得る。レーダ信号をレーダユニットの空白に向けて反射することによって、反射エネルギーの影響が軽減され得る。いくつかの例では、アンテナアレイの放射パターンは、アンテナアレイのビームフォーマの結果であるので、消去または軽減の物理的兆候は、レーダシステムのビームフォーマ(例えば、処理ユニット)で発生し得る。
【0021】
いくつかの例では、レードームは、電磁エネルギーを、空白ではなく、アンテナの放射パターンの比較的低いゲイン部分に反射し得る。機能上、エネルギーが放射パターンの低ゲイン部分に向かって反射される場合、反射によって生成される干渉は、環境内の目標物体から受信した信号の反射と比較して小さい場合がある。したがって、本開示において「空白」という用語が使用される場合、それは真の空白を表し得る。いくつかの実施形態では、「空白」は、低いゲインを有する放射パターンの部分を表し得る。例えば、低いゲインは、放射パターンのメインローブを-30または-40dB下回るゲインを意味し得る。
【0022】
いくつかの例では、傾斜レードームは、レーダユニットから所望される性能を達成するために、アンテナの平面に対して異なる角度でアライメントされ得る。例えば、傾斜レードームは、傾斜レードームによって引き起こされるレーダ信号の反射を吸収構成要素に向かって横切る方向にすることを可能にする角度に向けられ得る。吸収構成要素は、破壊的干渉を引き起こすように構成された1つ以上の導波路を含み得る。いくつかの例では、吸収構成要素は、レーダユニットの放射パターンの空白に対して配置された高周波(RF)吸収材料を含み得る。このように、RF吸収材料は、傾斜レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射を吸収し得る。傾斜レードームの追加構成が、以下で説明される。
【0023】
以下の詳細な説明は、1つまたは複数のアンテナアレイを有する装置(例えば、レーダユニット)によって使用され得る。1つまたは複数のアンテナアレイは、単一入力単一出力単一入力、複数出力(SIMO)、複数入力単一出力(MISO)、複数入力複数出力(MIMO)、および/または合成開口レーダ(SAR)レーダアンテナアーキテクチャの形態を取り得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、例示のレーダアンテナアーキテクチャは、複数の「デュアルオープンエンド導波路」(DOEWG)アンテナを含み得る。「DOEWG」という用語は、本明細書では、水平導波路チャネルの短いセクションに加えて2つの部分に分離している垂直チャネルを指し得る。垂直チャネルの2つの部分の各々は、レーダユニットに入る電磁波の少なくとも一部を放射するように構成された出力ポートを含み得る。さらに、いくつかの例では、複数のDOEWGアンテナは、1つ以上のアンテナアレイに配置され得る。
【0025】
いくつかの例示のレーダシステムは、Wバンドの電磁波周波数(例えば、77ギガヘルツ(GHz))で動作するように構成され得る。Wバンドは、ミリメートルのオーダー(例えば、1mm、4mm)の電磁波に対応し得る。レーダシステムは、環境を高精度で測定するために、放射エネルギーをタイトなビームに集束させることができる1つ以上のアンテナを使用し得る。このようなアンテナは、コンパクト(典型的には、長方形のフォームファクタを備える)、効率的(すなわち、77GHzエネルギーのほとんどがアンテナ内で熱に失われない、または送信機の電子機器に反射して戻らない)、低コスト、かつ製造が容易(すなわち、これらのアンテナを備えたレーダシステムは大量生産が可能)であり得る。
【0026】
いくつかのレーダアーキテクチャの例は、コンピュータ数値制御(CNC)で機械加工され、アライメントされて連結された複数の金属層(例えば、アルミニウムプレート)が含まれ得る。例えば、金属層は、入力導波路チャネルの前半を含み得、ここで第1の導波路チャネルの前半は、電磁波(例えば、Wバンド波)を第1の導波路チャネルに受信するように構成され得る入力ポートを含む。金属層はまた、複数の波分割チャネルの前半を含み得る。複数の波分割チャネルは、入力導波路チャネルから分岐し、入力導波路チャネルから電磁波を受け取り、電磁波を電磁波の複数の部分に分割し(すなわち、電力分割器)、電磁波のそれぞれの部分を複数の波放射チャネルのそれぞれの波放射チャネルに伝搬するように構成され得るチャネルのネットワークを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、導波路アンテナ要素および/または導波路出力ポートは、形状が長方形であってもよい。代替の実施形態では、導波路アンテナ要素および/または導波路出力ポートは、形状が円形であり得る。他の形状も可能である。
【0027】
対応する偏波修正チャネルおよび導波路の形状および材料に基づいて、伝搬エネルギーの分布は、例えば、レーダユニット内の異なる場所で変化し得る。偏波修正チャネルおよび導波路の形状および材料は、電磁エネルギーの境界条件を画定し得る。境界条件は、偏波修正チャネルおよび導波路の端部での電磁エネルギーの既知の条件である。例えば、金属導波路では、偏波修正チャネルおよび導波路壁がほぼ完全に導電性である(つまり、導波路壁は完全な電気導体-PECとして近似できる)と仮定すると、境界条件は、壁の側面のいずれにも、接線方向に(つまり、導波路壁の平面内に)向けられた電界はないことを規定する。境界条件が判明したら、マクスウェルの方程式を使用して、電磁エネルギーが偏波修正チャネルおよび導波路をどのように伝播するかを決定できる。
【0028】
マクスウェルの方程式は、所与の偏波修正チャネルまたは導波路のいくつかの動作モードを画定することができる。各モードには、電磁エネルギーが偏波修正チャネルまたは導波路を介して伝播できる一つの特定の方法がある。さらに、各モードは、関連付けられたカットオフ周波数を有する。電磁エネルギーの周波数がカットオフ周波数より低い場合、偏波修正チャネルまたは導波路ではモードはサポートされない。(i)寸法および(ii)動作周波数の両方を適切に選択することにより、電磁エネルギーは、特定のモードで偏波修正チャネルおよび導波路を介して伝播することができる。偏波修正チャネルおよび/または導波路は、設計周波数でサポートされる伝播モードが1つだけになるように設計できる。
【0029】
導波路伝搬モードには、横電気(TE)モード、横磁気(TM)モード、横電磁(TEM)モード、およびハイブリッドモードの4つの主なタイプがある。TEモードでは、電磁エネルギーは、電磁エネルギーの伝搬の方向に電界を持たない。TMモードでは、電磁エネルギーは電磁エネルギーの伝播方向に磁場を持たない。TEMモードでは、電磁エネルギーは、電磁エネルギーの伝播方向に電界も磁界も持たない。ハイブリッドモードでは、電磁エネルギーは、電磁エネルギーの伝播方向に電界および磁場の両方の一部を有する。
【0030】
TE、TM、およびTEMモードは、さらに、幅方向および高さ方向など、伝播方向に直交する2つの方向に対応する2つの接尾番号を使用して指定できる。ゼロ以外の接尾番号は、それぞれの偏波修正チャネルまたは導波路の幅および高さに等しい電磁エネルギーのそれぞれの半波長の数を示す(例えば、矩形導波路を想定している)。ただし、接尾番号がゼロの場合は、その方向に関してフィールドの変化がないことを示す。例えば、TE10モードは、偏波修正チャネルまたは導波路の幅が半波長で、高さ方向に電界の変化がないことを示す。典型的には、接尾番号がゼロに等しい場合、それぞれの方向における導波路の寸法は、波長の半分未満である。別の例では、TE21モードは、導波路の幅が1波長(すなわち、2つの半波長)であり、高さが1/2波長であることを示す。
【0031】
導波路をTEモードで動作させる場合、接尾番号は、導波路のそれぞれの方向に沿った最大電界の数も示す。例えば、TE10モードは、導波路が幅方向に最大で電界を1つ、高さ方向に最大ゼロの電界を持つことを示す。別の例では、TE21モードは、導波路が幅方向に最大で2つの電界と、高さ方向に最大で1つの電界を持つことを示す。
【0032】
追加または代替として、種々の偏波を使用する種々のレーダユニットは、レーダシステムの動作中の干渉を防ぎ得る。例えば、レーダシステムは、SAR機能を介して自律車両の進行方向に垂直な方向に問い合わせる(すなわち、レーダ信号を送信および/または受信する)ように構成され得る。したがって、レーダシステムは、車両が通過する道端の物体に関する情報を決定できることもある。いくつかの例では、この情報は二次元でもよい(例えば、様々な物体の道端からの距離)。他の例では、この情報は三次元でもよい(例えば、検出された物体の様々な部分の点群)。したがって、車両は、例えば、道路を運転するときに道路の脇を「マッピング」できる場合がある。
【0033】
いくつかの例示は、MIMOアーキテクチャに構成されたアンテナアレイを有するレーダユニットを使用することを伴い得る。特に、フィルタは、MIMOアーキテクチャに配置されたアンテナアレイを有するレーダユニットによって、近接場測定を調整するように決定され得る。送信アンテナによって発信されたレーダ信号は互いに直交しており、1つまたは複数の対応する受信アンテナによって受信することができる。そのようにして、レーダシステムまたは関連する信号プロセッサは、3D整合フィルタとともに2D SAR画像形成を実施して、処理されたレーダ信号に基づいて形成された2D SARマップのピクセルの高さを推定することができる。
【0034】
2台の自律型車両が類似のレーダシステムを使用して環境について問い合わせる(例えば、上記のSAR手法を使用する)場合、それらの自律型車両が異なる偏波(例えば、直交偏波)を使用して問い合わせを行うことによって、干渉を避けるのに役立ち得る。さらに、単一の車両が、直交する偏波を有する2つのレーダユニットを動作させて、各レーダユニットが他のレーダユニットと干渉しないようにすることができる。
【0035】
さらに、レーダシステムの構成は例の間で異なり得る。例えば、いくつかのレーダシステムは、それぞれが1つ以上のアンテナアレイで構成されたレーダユニットから構成され得る。アンテナアレイは、信号を送信または受信する単一のアンテナとして共に機能し得る複数の接続されたアンテナのセットを含み得る。複数の放射素子(すなわち、アンテナ)を組み合わせることによって、アンテナアレイは、非アレイアンテナを使用するレーダユニットと比較した場合、レーダユニットの性能を向上させ得る。特に、レーダユニットが、1つ以上のアンテナアレイが装備している場合、より高いゲインおよびより狭いビームが、実現され得る。結果として、レーダユニットは、レーダユニットが、レーダユニットから異なる範囲(距離)に配置された標的領域などの、環境の特定の領域を測定することを可能にする構成のアンテナアレイを伴い設計され得る。
【0036】
アンテナアレイで構成されたレーダユニットは、全体的な構成が異なり得る。例えば、レーダユニット上のアレイの数、アレイの位置、アレイの配向、およびアンテナアレイのサイズは、例の間で変化し得る。さらに、レーダユニットのアレイ内の放射要素(アンテナ)の量、位置、アライメント、および配向も変化し得る。結果として、レーダユニットの構成は、多くの場合、レーダユニットに所望される性能に依存し得る。例えば、レーダユニットから遠い距離(例えば、レーダユニットの遠い範囲)を測定するように設計されたレーダユニットの構成は、レーダユニットの近くの領域を測定するために使用されるレーダユニットの構成(例えば、レーダユニットの近接場)と比較して異なり得る。
【0037】
さらに説明するために、いくつかの例では、レーダユニットは、同じ数の送信アンテナアレイおよび受信アンテナアレイ(例えば、送信アンテナの4つのアレイおよび受信アンテナの4つのアレイ)を含み得る。他の例では、レーダユニットは、受信アンテナアレイの数とは異なるある数の送信アンテナアレイを含み得る(例えば、6つの送信アンテナアレイおよび3つの受信アンテナアレイ)。さらに、一部のレーダユニットは、レーダ送信を制御できる寄生アレイを用いて動作し得る。他の例示のレーダユニットは、寄生アレイと比較した場合、より少ない全体的エネルギー損失を有し得る、エネルギー源に接続された放射要素を有する1つまたは複数の駆動アレイを含み得る。
【0038】
レーダユニット上のアンテナは、1つ以上の線形アンテナアレイに配置され得る(すなわち、アレイ内のアンテナは直線にアライメントされる)。例えば、レーダユニットは、特定の構成(例えば、レーダユニット上の平行配列)に配置された複数の線形アンテナアレイを含み得る。他の例では、アンテナはまた、平面アレイに配置され得る(すなわち、単一の平面上に複数の平行線で配置されたアンテナ)。さらに、一部のレーダユニットは、三次元アレイをもたらす複数の平面に配置されたアンテナを有し得る。
【0039】
レーダユニットはまた、複数のタイプのアレイ(例えば、ある部分に線形アレイおよび別の部分に平面アレイ)を含み得る。そのため、1つ以上のアンテナアレイで構成されたレーダユニットは、レーダシステムが周囲の環境を測定することを必要とし得る、レーダユニットの総数を減らすことができる。例えば、車両レーダシステムは、車両がナビゲートしている間、必要に応じて環境内の特定の領域を測定するために使用され得るアンテナアレイを備えたレーダユニットを含み得る。
【0040】
一部のレーダユニットは、異なる機能および動作特性を有し得る。例えば、あるレーダユニットは、長距離動作用に構成され得、別のレーダユニットは、短距離動作用に構成され得る。レーダシステムは、環境の種々の領域を測定するために、種々のレーダユニットの組み合わせを使用し得る。したがって、短距離レーダユニットの信号処理は、レーダユニットの近接場でのレーダ反射に対して最適化されることが所望され得る。
【0041】
ここで図を参照すると、
図1は、例示的な車両100を示す機能ブロック図である。車両100は、自律モードで完全にまたは部分的に動作することができる車両を表し得る。より具体的には、車両100は、コンピューティングシステム(例えば、車両制御システム)から制御命令を受信することを通して、人間の相互作用なしに(またはヒューマンインタラクションを低減して)自律モードで動作し得る。自律モードでの動作の一部として、車両100は、安全なナビゲーションを可能にするために、センサ(例えば、センサシステム104)を使用して、周囲環境の物体を検出し、できる限り識別し得る。いくつかの実装形態では、車両100はまた、ドライバー(または遠隔操作者)が車両100の動作を制御することを可能にするサブシステムを含み得る。
【0042】
図1に示すように、車両100は、推進システム102、センサシステム104、制御システム106、1つ以上の周辺機器108、電源110、コンピュータシステム112、データストレージ114、およびユーザインターフェース116などの様々なサブシステムを含み得る。車両100のサブシステムおよび構成要素は、様々な方法(例えば、有線または無線接続)で相互接続され得る。他の例では、車両100は、より多いまたはより少ないサブシステムを含み得る。加えて、本明細書に記載の車両100の機能は、実装形態範囲内で、さらなる機能的または物理的構成要素に分割するか、または組み合わせて、より少ない機能的もしくは物理的構成要素にすることができる。
【0043】
推進システム102は、車両100に動力付き運動を提供するように動作可能な1つ以上の構成要素を含み得、他の可能な構成要素の中でも特に、エンジン/モータ118、エネルギー源119、トランスミッション120、および車輪/タイヤ121を含み得る。例えば、エンジン/モータ118は、エネルギー源119を機械的エネルギーに変換するように構成され得、他の可能性のある選択肢の中でも、内燃エンジン、1つ以上の電気モータ、蒸気エンジン、またはスターリングエンジンのうちの1つまたは組み合わせに対応し得る。例えば、いくつかの実装形態では、推進システム102は、ガソリンエンジンおよび電気モータなどの複数のタイプのエンジンおよび/またはモータを含み得る。
【0044】
エネルギー源119は、完全にまたは部分的に、車両100の1つ以上のシステム(例えば、エンジン/モータ118)に動力を供給し得るエネルギー源を表す。例えば、エネルギー源119は、ガソリン、ディーゼル、他の石油ベースの燃料、プロパン、他の圧縮ガスベースの燃料、エタノール、ソーラパネル、電池、および/または他の電力源に対応することができる。いくつかの実装形態では、エネルギー源119は、燃料タンク、電池、コンデンサ、および/またはフライホイールの組み合わせを含み得る。
【0045】
トランスミッション120は、エンジン/モータ118からの機械動力を、車輪/タイヤ121および/または車両100の他の可能なシステムに伝達し得る。したがって、トランスミッション120は、他の可能な構成要素の中でも特に、ギアボックス、クラッチ、ディファレンシャル、および駆動シャフトを含み得る。駆動シャフトは、1つ以上の車輪/タイヤ121に接続する車軸を含み得る。
【0046】
車両100の車輪/タイヤ121は、例示的な実装形態内で様々な構成を有し得る。例えば、車両100は、他の可能な構成の中でも、一輪車、自転車/オートバイ、三輪車、または自動車/トラックの四輪車の形式で存在し得る。したがって、車輪/タイヤ121は、様々な方法で車両100に接続することができ、金属およびゴムなどの異なる材料で存在することができる。
【0047】
センサシステム104は、他の可能性のあるセンサの中でも、全地球測位システム(GPS)122、慣性測定ユニット(IMU)124、1つ以上のレーダユニット126、レーザ距離計/LIDARユニット128、カメラ130、ステアリングセンサ123、およびスロットル/ブレーキセンサ125などの様々なタイプのセンサを含み得る。いくつかの実装形態では、センサシステム104はまた、車両100の内部システムを監視するように構成されたセンサ(例えば、O2モニタ、燃料計、エンジンオイル温度、ブレーキの状態)を含み得る。
【0048】
GPS122は、地球に対する車両100の位置に関する情報を提供するように動作可能なトランシーバを含み得る。IMU124は、1つ以上の加速度計および/またはジャイロスコープを使用する構成を有し得、慣性加速度に基づいて車両100の位置および配向の変化を感知し得る。例えば、IMU124は、車両100が静止しているかまたは動いている間に車両100のピッチおよび偏揺れを検出することができる。
【0049】
レーダユニット126は、車両100のローカル環境内の物体の速さおよび前部方位を含めて、物体を感知するために無線信号(例えば、レーダ信号)を使用するように構成された1つ以上のシステムに相当し得る。したがって、レーダユニット126は、上述のようにレーダ信号を送信および受信するように構成された1つ以上のアンテナを備えた1つ以上のレーダユニットを含み得る。いくつかの実装形態では、レーダユニット126は、車両100の周囲環境の測定値を取得するように構成された搭載可能なレーダシステムに対応し得る。例えば、レーダユニット126は、車両の車体下部に結合するように構成された1つ以上のレーダユニットを含み得る。
【0050】
レーザ距離計/LIDAR128は、他のシステム構成要素の中でも特に、1つ以上のレーザ源、レーザスキャナ、および1つ以上の検出器を含み得、コヒーレントモード(例えば、ヘテロダイン検出を使用)または非コヒーレント検出モードで動作し得る。カメラ130は、車両100の環境の画像をキャプチャするように構成された1つ以上のデバイス(例えば、スチルカメラまたはビデオカメラ)を含み得る。
【0051】
ステアリングセンサ123は、車両100のステアリング角度を感知し得、これは、ステアリングホイールの角度を測定すること、またはステアリングホイールの角度を表す電気信号を測定することを含み得る。いくつかの実装形態では、ステアリングセンサ123は、車両100の前方軸に対する車輪の角度を検出するなど、車両100の車輪の角度を測定し得る。ステアリングセンサ123はまた、ステアリングホイールの角度、ステアリングホイールの角度を表す電気信号、および車両100の車輪の角度の組み合わせ(またはサブセット)を測定するように構成され得る。
【0052】
スロットル/ブレーキセンサ125は、車両100のスロットル位置またはブレーキ位置のいずれかの位置を検出し得る。例えば、スロットル/ブレーキセンサ125は、アクセルペダル(スロットル)およびブレーキペダルの両方の角度を測定し得、または、例えば、アクセルペダル(スロットル)の角度および/もしくはブレーキペダルの角度を表すことができる電気信号を測定し得る。スロットル/ブレーキセンサ125はまた、エンジン/モータ118(例えば、バタフライバルブまたはキャブレタ)にエネルギー源119の変調を提供する物理的機構の一部を含み得る、車両100のスロットルボディの角度を測定し得る。加えて、スロットル/ブレーキセンサ125は、車両100のロータにかかる1つ以上のブレーキパッドの圧力、またはアクセルペダル(スロットル)およびブレーキペダルの角度、アクセルペダル(スロットル)およびブレーキペダルの角度を表す電気信号、スロットルボディの角度、ならびに少なくとも1つのブレーキパッドが車両100のロータに加える圧力の組み合わせ(またはサブセット)、を測定し得る。他の実施形態では、スロットル/ブレーキセンサ125は、スロットルまたはブレーキペダルなどの車両のペダルに加えられた圧力を測定するように構成され得る。
【0053】
制御システム106は、ステアリングユニット132、スロットル134、ブレーキユニット136、センサフュージョンアルゴリズム138、コンピュータビジョンシステム140、ナビゲーション/経路探索システム142、および障害物回避システム144など、車両100をナビゲートするのを助けるように構成された構成要素を含み得る。より具体的には、ステアリングユニット132は、車両100の進行方向を調整するように動作可能であり得、スロットル134は、エンジン/モータ118の動作スピードを制御して、車両100の加速を制御し得る。ブレーキユニット136は、車両100を減速することができ、これは、摩擦を使用して車輪/タイヤ121を減速することを含み得る。実施態様によっては、ブレーキユニット136は、車両100のシステムまたはシステム(複数可)によるその後の使用のために、車輪/タイヤ121の運動エネルギーを電流に変換し得る。
【0054】
センサフュージョンアルゴリズム138は、カルマンフィルタ、ベイジアンネットワーク、またはセンサシステム104からのデータを処理することができる他のアルゴリズムを含み得る。いくつかの実装形態では、センサフュージョンアルゴリズム138は、個々の物体および/もしくは特徴の評価、特定の状況の評価、ならびに/または所与の状況内の潜在的な影響の評価など、入ってくるセンサデータに基づくアセスメントを提供し得る。
【0055】
コンピュータビジョンシステム140は、物体、環境物体(例えば、停止信号、道路の境界など)、および障害物を判定しようとする際に画像を処理し、分析するように動作可能なハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。したがって、コンピュータビジョンシステム140は、物体認識、Structure From Motion(SFM)、ビデオ追跡、および、例えば、物体を認識し、環境をマッピングし、物体を追跡し、物体のスピードを推定するためなどにコンピュータビジョンで使用される他のアルゴリズムを使用し得る。
【0056】
ナビゲーション/経路探索システム142は、車両100の運転経路を決定することができ、これは、動作中にナビゲーションを動的に調整することを含み得る。したがって、ナビゲーション/経路探索システム142は、他の情報源の中でもとりわけ、センサフュージョンアルゴリズム138、GPS122、および地図からのデータを使用して、車両100をナビゲートし得る。障害物回避システム144は、センサデータに基づいて障害となり得るものを評価し、車両100のシステムに障害となり得るものを回避させるかまたは別の方法で切り抜けさせ得る。
【0057】
図1に示されるように、車両100はまた、無線通信システム146、タッチスクリーン148、マイクロフォン150、および/またはスピーカ152などの周辺機器108を含み得る。周辺機器108は、ユーザがユーザインターフェース116と相互作用するための制御装置または他の要素を提供し得る。例えば、タッチスクリーン148は、車両100のユーザに情報を提供し得る。ユーザインターフェース116はまた、タッチスクリーン148を介してユーザからの入力を受け入れ得る。周辺機器108はまた、車両100が、他の車両のデバイスなどのデバイスと通信することを可能にし得る。
【0058】
無線通信システム146は、1つ以上のデバイスと直接または通信ネットワークを介して無線で通信し得る。例えば、無線通信システム146は、CDMA、EVDO、GSM/GPRSなどの3Gセルラ通信、またはWiMAXもしくはLTEなどの4Gセルラ通信を使用することができる。あるいは、無線通信システム146は、WiFiまたは他の可能な接続を使用して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信し得る。無線通信システム146はまた、例えば、赤外線リンク、Bluetooth、またはZigBeeを使用してデバイスと直接通信し得る。様々な車両通信システムなどの他の無線プロトコルが、本開示の文脈内で可能である。例えば、無線通信システム146は、車両および/または道路沿いの給油所間の公共および/または私的データ通信を含み得る1つ以上の専用狭域通信(DSRC)デバイスを含み得る。
【0059】
車両100は、構成要素に電力を供給するための電源110を含み得る。電源110は、いくつかの実装形態では、再充電可能なリチウムイオン電池または鉛蓄電池を含み得る。例えば、電源110は、電力を提供するように構成された1つ以上の電池を含み得る。車両100はまた、他のタイプの電源を使用してもよい。一実装形態例では、電源110およびエネルギー源119は、単一のエネルギー源に統合されてもよい。
【0060】
車両100は、本明細書に記載の動作などの動作を行うためのコンピュータシステム112も含み得る。したがって、コンピュータシステム112は、データストレージ114などの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令115を実行するように動作可能な少なくとも1つのプロセッサ113(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含むことができる)を含み得る。いくつかの実装形態では、コンピュータシステム112は、車両100の個々の構成要素またはサブシステムを分散して制御するように機能し得る複数のコンピューティングデバイスに相当し得る。
【0061】
いくつかの実装形態では、データストレージ114は、
図1に関連して上述したものを含めて、車両100の様々な機能を実行するためにプロセッサ113によって実行可能な命令115(例えば、プログラム論理)を含み得る。データストレージ114は、推進システム102、センサシステム104、制御システム106、および周辺機器108のうちの1つ以上にデータを送信する、それからデータを受信する、それと相互作用する、かつ/またはそれを制御するための命令を含む追加の命令も含み得る。
【0062】
命令115に加えて、データストレージ114は、他の情報の中でもとりわけ、道路地図、経路情報などのデータを格納し得る。そのような情報は、自律モード、半自律モード、および/または手動モードでの車両100の動作中に、車両100およびコンピュータシステム112によって使用され得る。
【0063】
車両100は、車両100のユーザに情報を提供するか、または車両100のユーザから入力を受信するためのユーザインターフェース116を含み得る。ユーザインターフェース116は、タッチスクリーン148上に表示され得るコンテンツおよび/もしくはインタラクティブ画像のレイアウトを制御することができるか、または制御を可能にし得る。さらに、ユーザインターフェース116は、無線通信システム146、タッチスクリーン148、マイクロフォン150、およびスピーカ152などの周辺機器108のセット内の1つ以上の入力/出力デバイスを含むことができる。
【0064】
コンピュータシステム112は、様々なサブシステム(例えば、推進システム102、センサシステム104、および制御システム106)ならびにユーザインターフェース116から受信した入力に基づいて、車両100の機能を制御し得る。例えば、コンピュータシステム112は、推進システム102および制御システム106によって生成された出力を推定するために、センサシステム104からの入力を利用し得る。実施形態に応じて、コンピュータシステム112は、車両100およびそのサブシステムの多くの態様を監視するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム112は、センサシステム104から受信した信号に基づいて、車両100の一部またはすべての機能を無効にし得る。
【0065】
車両100の構成要素は、それらのそれぞれのシステム内またはシステム外の他の構成要素と相互接続して機能するように構成され得る。例えば、例示的な実施形態では、カメラ130は、自律モードで動作している車両100の環境の状態に関する情報を表すことができる複数の画像をキャプチャすることができる。環境の状態には、車両が動作している道路のパラメータが含まれ得る。例えば、コンピュータビジョンシステム140は、道路の複数の画像に基づいて、傾斜(勾配)または他の特徴を認識することができ得る。加えて、GPS122とコンピュータビジョンシステム140によって認識された特徴との組み合わせは、特定の道路パラメータを判定するために、データストレージ114に格納された地図データとともに使用され得る。さらに、レーダユニット126はまた、車両の周囲についての情報を提供し得る。
【0066】
言い換えると、様々なセンサ(入力指標センサおよび出力指標センサと呼ぶことができる)とコンピュータシステム112との組み合わせが相互作用して、車両を制御するために提供される入力の指標または車両の周囲の指標を提供することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム112は、無線システム以外のシステムによって提供されるデータに基づいて、様々な物体に関する判定を行い得る。例えば、車両100は、車両の視野内の物体を感知するように構成されたレーザまたは他の光学センサを有し得る。コンピュータシステム112は、様々なセンサからの出力を使用して、車両の視野内の物体に関する情報を判断し得、様々な物体までの距離および方向の情報を判断し得る。コンピュータシステム112はまた、様々なセンサからの出力に基づいて、物体が望ましいか望ましくないかを判定し得る。
【0068】
図1は、車両100の様々な構成要素、すなわち、無線通信システム146、コンピュータシステム112、データストレージ114、およびユーザインターフェース116を車両100に統合されているものとして示しているが、これらの構成要素のうちの1つ以上は、車両100とは別個に装着または関連付けることができる。例えば、データストレージ114は、部分的または完全に、車両100とは別個に存在することができる。したがって、車両100は、別個にまたはともに位置し得るデバイス要素の形態で提供され得る。車両100を構成するデバイス要素は、有線および/または無線方式でともに通信可能に結合され得る。
【0069】
図2A、2B、2C、2D、および2Eは、車両100の物理的構成の種々の図を示している。様々な図が、車両100上の例示のセンサ位置202、204、206、208、210を描写するために含まれている。他の例では、センサは、車両100上で種々の位置を有し得る。車両100は
図2A~2Eではバンとして示されているが、車両100は、他の可能性のある例の中でも、トラック、乗用車、セミトレーラートラック、オートバイ、バス、シャトル、ゴルフカート、オフロード車両、ロボットデバイス、または農業用車両などの例内で他の構成を有し得る。
【0070】
上記のように、車両100は、センサ位置202~210などの様々な外部位置に結合されたセンサを含み得る。車両センサは、周囲の環境から情報をキャプチャしまたは他の操作(例えば、通信リンク、全体的なポジショニング情報の取得)を実行するように構成された各センサを含む、1つ以上のタイプのセンサを含む。例えば、センサ位置202~210は、他の可能性のあるタイプのセンサの中でも、1つ以上のカメラ、レーダ、LIDAR、距離計、無線デバイス(例えば、Bluetoothおよび/または802.11)、および音響センサの任意の組み合わせ用の場所としての役割を果たす。
【0071】
図2A~2Eに示されている例示的なセンサ位置202~210で結合される場合、永久的または非永久的ファスナーを含む、様々な機械的ファスナーが、使用され得る。例えば、ボルト、ねじ、クリップ、ラッチ、リベット、アンカー、および他のタイプのファスナーが使用され得る。いくつかの例では、センサは、接着剤を使用して車両に結合され得る。さらなる例では、センサは、車両構成要素(例えば、車両ミラーの部品)の一部として設計および構築され得る。
【0072】
いくつかの実装形態では、1つ以上のセンサは、1つ以上のセンサの配向を調整するように動作可能な可動マウントを使用して、センサ位置202~210に配置され得る。可動マウントは、車両100の周囲の複数の方向から情報を取得するように、センサを回転することができる回転プラットフォームを含み得る。例えば、センサ位置202に位置するセンサは、特定の範囲の角度および/または方位角内での回転および走査を可能にする可動マウントを使用し得る。したがって、車両100は、1つ以上のセンサが車両100の屋根の上に取り付けられることを可能にする機械的構造を含み得る。加えて、例の範囲内で他の装着場所も可能である。
【0073】
図3は、1つ以上の実施形態による、レーダセクタの例示的なレイアウトを示している。示されているように、各レーダセクタは、レーダユニットの走査範囲にほぼ等しい角度幅を有し得る。例えば、セクタは、車両100の周りの方位角平面を複数のセクタ(例えば、90度セクタ、120度セクタ)に分割し得る様々な異なる例では、走査は、送信側、受信側、またはその両方で実行され得る。例えば、送信側での走査は、所定の方向にレーダ信号を繰り返し送信することと、セクタ全体にわたってレーダ信号を受信することとを含み得る。別の例では、受信側での走査は、全セクタにわたってレーダ信号を送信することと、全セクタにわたってレーダ信号を受信することと、受信信号に対してデジタルビームフォーミングを実行することとを含み得る。他の例では、異なる形式の走査が、同様に使用され得る。
【0074】
例示的なレーダセクタは、車両100に対して軸302、304を使用してアライメントし得る。いくつかの例では、各レーダユニットは、1つのセクタを走査するように構成され得る。さらに、
図3の各例示的なレーダユニットは、約90度の走査角を有するので、各レーダユニットは、他のレーダユニットの走査角と重ならない可能性がある領域を走査する。他の例では、セクタが重なり得る。
【0075】
車両100の中心点によって画定されるレーダセクタを実現するために、各レーダユニットは、車両100の2つの軸に対して45度の角度で取り付けられ得る。各レーダユニットを車両100の2つの軸に対して45度の角度で取り付けることによって、レーダユニットの90度走査は、一方の車両軸からもう一方の車両軸まで走査し得る。例えば、センサ位置206の軸に45度の角度で取り付けられたレーダユニットは、左前部および右前部セクタを走査することが可能となり得る(垂直軸302から車両100の前部を通り、車両の側面を通る水平軸304まで)。右後方および左後方のセクタを走査するために、レーダユニットをセンサ位置204に取り付けることができる。
図3に示されているレーダユニットの配置は、単に1つの可能な例を示すためのものである。
【0076】
他の様々な例では、レーダユニットは、車両の上にまたは他の部分に沿って(または内部で)配置され得、かつ/または車両100の車体下部に結合され得る。さらに、セクタはまた、様々な実施形態では、別の仕方で画定され得る。例えば、セクタは、車両に対して45度の角度であってもよい。この例では、1つのレーダユニットが前方を向き、別のものが後方を向き、他の2つが車両の側面を向いている。
【0077】
いくつかの例では、車両100のすべてのレーダユニットは、同じ走査角度で構成され得る。車両の周りの方位角平面は、完全な360度に等しくてもよい。このため、各レーダユニットが同じ走査角度で構成されている場合、レーダユニットの走査角度は、約360を車両のレーダユニットの数で割った値に等しくなる。したがって、完全な方位角平面走査には、1つのレーダユニットを備えた車両100は、そのレーダユニットが完全な360度にわたって走査できる必要があり得る。
【0078】
車両100が2つのレーダユニットを有する場合、各々が約180度走査し得る。3つのレーダユニットの場合、各々が120度を走査するように構成される。4つのレーダユニットの場合、
図3に示すように、各々がおよそ90度走査し得る。5つのレーダユニットが車両100上に構成されてもよく、各々が72度を走査することができてもよい。さらに、6つのレーダユニットが車両100上に構成されてもよく、各々が約60度を走査することができてもよい。他の例も可能である。
【0079】
さらなる例では、レーダユニットの数は、レーダユニットの製造の容易さ、車両の配置、または他の基準など、多数の基準に基づいて選択され得る。例えば、いくつかのレーダユニットは、十分に小さい平面構造で構成されてもよい。平面レーダユニットは、車両の様々な位置に搭載可能であり得る。例えば、車両は、車両の頂部に取り付けられた専用のレーダハウジングを有し得る。レーダハウジングには、様々なレーダユニットが含まれている場合がある。他の実施形態では、レーダユニットを車両構造内に配置され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、レーダユニットを覆う物体(すなわち、レードーム)がレーダに対して少なくとも部分的に透過的である位置にレーダユニットを配置することが所望され得る。例えば、様々なプラスチック、ポリマー、および他の材料は、レーダ信号を通過させながら、車両構造の一部を形成し、かつレーダユニットを覆い得る。
【0081】
加えて、いくつかの実施形態では、レーダユニットは、異なるレーダユニットに対して異なる走査範囲で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、広い走査角度を有する特定のレーダユニットは、車両の適切な場所に配置できない場合がある。このため、より小さな走査角度を有するより小さなレーダユニットがその場所に配置され得る。しかしながら、他のレーダユニットは、より大きな走査角度を有することができる場合がある。したがって、レーダユニットの合計走査角度は、合計で360度(またはそれ以上)になり、完全な360度の方位角走査を提供し得る。例えば、車両は、各々が100度を超えて走査する3つのレーダユニット、および60度を超えて走査する4番目のレーダユニットを有してもよい。これにより、レーダユニットは方位角平面全体を走査することができるかもしれないが、走査セクタの角度サイズは等しくない場合がある。
【0082】
図4Aおよび4Bは、例示的な実施形態による、レーダユニット用の基本的なレードーム400を示している。基本的なレードーム402は、レーダユニット(すなわち、レーダユニット404)に保護を提供するが、レーダユニットの性能にも影響を与え得る例示のレードーム構成を表している。
【0083】
図4Aおよび4Bに示されるように、基本的なレードーム402は、基本的なレードーム402とレーダユニット404との間に隙間406が作成されるように、レーダユニット404に結合されている。より具体的には、基本的なレードーム402は、レーダユニット404のアンテナ508の平面と平行にアライメントされている。結果として、基本的なレードーム402は、レーダユニット404の性能に望ましくない影響を与え得る。特に、アンテナ508によって送信されるいくらかのレーダ信号(またはレーダ信号の一部)は、基本的なレードーム402で反射し、隙間406の内部に留まり得る。アンテナ508によって送信される他のレーダ信号(またはレーダ信号の一部)は、隙間406内でリンギングし得る(すなわち、レーダユニット404と基本的なレードーム402の内面との間で前後に跳ね返る)。そのため、隙間406に留まるレーダ信号およびリンギングするレーダ信号の反射からのエネルギーは、干渉を引き起こし、レーダユニット404の性能を劣化させ得る。したがって、基本的なレードーム402によって引き起こされるインピーダンスの差は、レーダユニット404の性能に悪影響を与え得る。
【0084】
図5Aおよび5Bは、1つ以上の例示的な実施形態による、レーダユニット用傾斜レードームを示している。
図4Aおよび4Bに示される基本的なレードーム402とは異なり、傾斜レードーム502は、レーダユニット500の性能に対する傾斜レードーム502による影響を低減し得る角度のある構成を備えた例示的なレードームを表している。レーダユニット500に対する配向(例えば、角度の程度)、および傾斜レードーム502の全体的な構成は、例の間で変化し得る。追加の構成は、以下で説明される。
【0085】
傾斜レードーム502は、レーダユニット500に保護を提供するために使用され得る。レーダユニット500は、近くの環境の態様を測定することができる任意のタイプのレーダユニットに相当し得る。例えば、レーダユニット500は、車両レーダシステムの一部であり得、導波路504およびアンテナ508を使用して、環境内へのレーダ信号を送信および受信し得る。そのため、傾斜レードーム502は、レーダユニット500のアンテナ508に関連付けられた放射パターンの送信方向に位置し得る。例の間で、傾斜レードーム502は、ガラス繊維、PTFEコーティングされた布、プラスチック、および他などの様々なタイプの材料から作製され得る。いくつかの例では、材料は、融合に依存し得る。例えば、誘電値が低く、熱膨張が低く、環境堅牢性が高い(例えば、車両が運転中に遭遇し得る環境条件でうまく機能する)非金属材料が使用され得る。
【0086】
傾斜レードーム502は、傾斜レードーム502によって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射が、アンテナ508に関連付けられた放射パターンの空白および/または1つ以上の吸収構成要素(例えば、吸収構成要素510、512)に向けられるように、レーダユニット500のアンテナ508の平面に対してある角度(例えば、6度)にアライメントされていることが示されている。表面を平行な表面(すなわち、レーダユニット404に対して基本的なレードーム402)ではなくアンテナ508に対してある角度にすることによって、傾斜レードーム502は、アンテナ508の性能への任意の影響を低減するように、レーダユニット500の構成要素の保護および隠蔽を提供し得る。いくつかの実施形態では、傾斜レードーム502の角度は、アンテナパターンに依存し、したがって、アンテナの設計に依存する。角度はまた、導波路504の構造的配置および/または特性に依存し得る。
【0087】
いくつかの例では、傾斜レードーム502は、レーダ信号を1つ以上の特定の方向に反射するために、レーダユニット500に対して傾斜され得る(例えば、アンテナ508の放射パターンの空白および吸収構成要素510、512に向かって)。空白は、レーダユニット500が反射信号を十分に受信しないか、またはまったく受信しない放射パターンの角度を表し得る。そのため、傾斜レードーム502によって反射されたレーダ信号をレーダユニット500の1つ以上の空白に向けることによって、傾斜レードーム502は、空間506でリンギングするレーダ信号から生じ得る任意の望ましくないエネルギーを低減または排除さえし得る。追加の例では、レーダユニット500に関連付けられたビームフォーマはまた、望ましくないエネルギーを消去し得るか、または消去に寄与し得る。別の例では、傾斜レードーム502は、レーダ信号がアンテナ508に戻るのではなく、むしろ吸収構成要素に反射されるように、アンテナ508の平面に対してさらに傾けられ得る。
【0088】
図5Aおよび5Bに示されているように、傾斜レードーム502は、エネルギーを、吸収構成要素510および吸収構成要素512などの1つ以上の吸収構成要素の方に向けるように構成され得る。吸収構成要素510は、レーダユニット500の表面に配置されて示されている。吸収構成要素512は、導波路514の一部として示されている。導波路514は、導波路504の一部または物理的に別個の導波路であり得る。いくつかの例では、傾斜レードーム502は、吸収構成要素510および512の一方または両方を含み得る。他の例では、傾斜レードーム502は、吸収構成要素の1つを含むか、または含まない場合がある。さらに、他の吸収構成要素が使用され得る。
【0089】
図6は、1つ以上の実施形態による、レーダシステムを動作させるための例示的な方法600のフローチャートである。方法600は、ブロック602および604のうちの1つ以上によって示されているような、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得、その各々は、他の可能なシステムの中でも、上記の図に示されたシステムのいずれかによって実行され得る。
【0090】
当業者は、本明細書で説明されているフローチャートが、本開示の一定の実装形態の機能および動作を説明することを理解するであろう。これに関して、フローチャートの各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能またはステップを実施するための1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含む、プログラムコードのモジュール、セグメント、または一部を表すことができる。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含むストレージデバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0091】
加えて、各ブロックは、プロセス内の具体的な論理機能を行うために配線された回路を表す場合がある。当業者であれば分かるように、関与する機能に応じて、機能が、ほぼ同時または逆の順序を含めて、図示したまたは説明したものとは異なる順序で実行され得る、代替の実装形態が、本出願の実装形態例の範囲内に含まれる。
【0092】
ブロック602は、放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットを使用して、放射パターンに基づくレーダ信号を送信することを含む。レーダシステムは、放射パターンの送信方向に位置するレードームを含む。さらに、レードームは、レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射が、放射パターンの空白および/または吸収構成要素に向けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされ得る。
【0093】
レードームは、レードームと少なくとも1つのアンテナとの間に隙間が存在するように、レーダユニットに結合され得る。そのため、レードームは少なくとも1つのアンテナを囲み得る。さらに、角度の程度は、放射パターンの空白の位置に依存し得る。このように、レードームは、レードームによって引き起こされた反射を、放射パターンの空白および/または吸収構成要素に向け得る。例えば、レーダユニットは、吸収構成要素がレーダユニットの上面に配置されるように構成され得る。
【0094】
いくつかの例では、吸収構成要素は導波路に結合されている。吸収構成要素は、破壊的干渉をもたらすように構成された1つ以上の導波路を含み得る。いくつかの例では、吸収構成要素は、導波路または別個の導波路に結合され得る。さらに、吸収構成要素は、放射パターンの空白に対して配置された高周波(RF)吸収材料を含む。RF吸収材料は、送信されたレーダ信号の反射を吸収するように構成され得る。
【0095】
いくつかの例では、レーダユニットは、線形アレイに配置された複数のアンテナを含み得る。例えば、アンテナは、合成開口レーダ(SAR)アレイ、多入力多出力(MIMO)送信アレイ、および受信機アレイのうちの1つ以上を含み得る。レーダユニットはまた、他の構成で配置されたアンテナを含み得る。
【0096】
ブロック604は、レーダユニットを使用して、レーダシステムの環境内の1つ以上の表面によってレーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することを含む。これらの反射は、レーダシステムが、レーダシステムに対する物体の位置および動きなどの、環境の態様を決定することを可能にし得る。いくつかの例では、レーダユニットは、車両の環境から反射されたレーダ信号を受信するように構成された受信アレイを含み得る。
【0097】
ブロック600のいくつかの例は、第2の放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む第2のレーダユニットを使用して、第2の放射パターンに基づく第2のレーダ信号を送信することをさらに含み得る。レーダシステムは、第2の放射パターンの送信方向に位置する第2のレードームを含み得る。詳細には、第2のレードームは、第2のレードームによって引き起こされる送信された第2のレーダ信号の反射が、第2の放射パターンの空白および第2の吸収構成要素のうちの少なくとも1つに向けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対して第2の角度でアライメントされる。方法は、第2のレーダユニットを使用して、レーダシステムの環境内の1つ以上の表面によってレーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することをさらに含み得る。
【0098】
いくつかの例では、レーダシステムは、吸収構成要素が送信されたレーダ信号の反射を吸収するように、レーダユニットに結合された吸収構成要素をさらに含み得る。例えば、吸収構成要素は、破壊的干渉を引き起こすように構成された1つ以上の導波路を含み得る。1つ以上の導波路は、レーダユニットの一部であり得る。他の例では、吸収構成要素は、放射パターンの空白に対して配置された高周波(RF)吸収材料を含み得る。RF吸収材料は、送信されたレーダ信号の反射を吸収するように構成され得る。
【0099】
いくつかの例では、レードームは、1つ以上の偏光フィルタを含み得る。1つ以上の偏光フィルタは、レードームの一部として構築され得、レーダ信号の偏光を操作するように構成され得る。
【0100】
いくつかの例では、レーダシステムは、第2の放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む第2のレーダユニットをさらに含み得、第2のレーダユニットは、(i)第2の放射パターンに基づいて第2のレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成される。レーダシステムはまた、第2の放射パターンの送信方向に位置する第2のレードームを含み得る。第2のレードームは、第2のレードームによって引き起こされる送信された第2のレーダ信号の反射が、第2の放射パターンの空白に向けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対して第2の角度でアライメントされる。そのため、レーダユニットは、車両の第1の位置に結合され得、第2のレーダユニットは、車両の第2の位置に結合され得る。
【0101】
いくつかの例では、レーダシステムはまた、処理ユニットを含み得る。処理ユニットは、1つ以上のレーダユニットを使用してビームフォーミングプロセスを実行するように構成され得る。処理ユニットはまた、ビームステアリングを実行するように構成され得る。そのため、処理ユニットは、レードームによって引き起こされる送信されたレーダ信号の反射を軽減するように構成され得る。
【0102】
上記の詳細な説明は、添付の図を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。本明細書では様々な態様および実施形態が開示されてきたが、他の態様および実施形態は明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例解を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0103】
本明細書において説明される配置は、例示のみを目的としていることを理解されたい。したがって、当業者であれば、他の配置および他の要素(例えば、機械、装置、インターフェース、機能、順序、および機能のグループ化、など)を代わりに使用することができ、いくつかの要素が所望の結果に応じて一括して省略され得ることを理解するであろう。さらに、説明される要素の多くは、個別のまたは分散した構成要素として、あるいは他の構成要素と併せて、任意の適切な組み合わせおよび場所で実装され得る機能エンティティである。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダシステムであって、
放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットであって、前記レーダユニットが、(i)前記放射パターンに基づいてレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている、レーダユニットと、
前記放射パターンの送信方向に位置するレードームであって、前記レードームが、前記レードームによって引き起こされる前記送信されたレーダ信号の反射が、吸収構成要素に方向付けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされており、前記角度の程度が、前記吸収構成要素の位置に依存する、レードームと、を備える、レーダシステム。
【請求項2】
前記レードームが、前記レードームと前記少なくとも1つのアンテナとの間に隙間が存在するように、前記レーダユニットに結合されている、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項3】
前記レードームが、前記少なくとも1つのアンテナを覆う、請求項2に記載のレーダシステム。
【請求項4】
前記放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む前記レーダユニットが、
線形アレイに配置された複数のアンテナを備える、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項5】
前記レーダシステムの環境から反射されたレーダ信号を受信するように構成された受信アレイをさらに備える、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項6】
前記吸収構成要素が、前記レーダユニットの上面に配置されている、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項7】
前記吸収構成要素が、破壊的干渉を引き起こすように構成された1つ以上の導波路を含む、請求項6に記載のレーダシステム。
【請求項8】
前記吸収構成要素が、前記放射パターンの空白に対して配置された高周波(RF)吸収材料を含み、前記RF吸収材料が、前記送信されたレーダ信号の前記反射を吸収するように構成されている、請求項6に記載のレーダシステム。
【請求項9】
第2の放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む第2のレーダユニットであって、前記第2のレーダユニットが、(i)前記第2の放射パターンに基づいて第2のレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている、第2のレーダユニットと、
前記第2の放射パターンの送信方向に位置する第2のレードームであって、前記第2のレードームが、前記第2のレードームによって引き起こされる前記送信された第2のレーダ信号の反射が、(i)前記第2の放射パターンの空白、および(ii)第2の吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、前記第2のレーダユニットの前記少なくとも1つのアンテナの平面に対して第2の角度でアライメントされている、第2のレードームと、をさらに備える、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項10】
前記レーダユニットが、車両の第1の位置に結合され、前記第2のレーダユニットが、前記車両の第2の位置に結合されている、請求項9に記載のレーダシステム。
【請求項11】
処理ユニットであって、前記処理ユニットが、前記レーダユニットおよび前記第2のレーダユニットを使用して、ビームフォーミングプロセスを実行するように構成されている、処理ユニットをさらに含む、請求項10に記載のレーダシステム。
【請求項12】
前記処理ユニットが、前記レードームによって引き起こされる前記送信されたレーダ信号の反射を軽減するようにさらに構成されている、請求項10に記載のレーダシステム。
【請求項13】
レーダユニットであって、
放射パターンを有する複数のアンテナであって、前記複数のアンテナが、(i)前記放射パターンに基づいてレーダ信号を送信することと、(ii)レーダ信号を受信することと、を行うように構成されている、複数のアンテナと、
前記放射パターンの送信方向に位置するレードームであって、前記レードームが、前記レードームによって引き起こされる前記送信されたレーダ信号の反射が、吸収構成要素に方向付けられるように、複数のアンテナの平面に対してある角度でアライメントされており、前記角度の程度が、前記吸収構成要素の位置に依存する、レードームと、を備える、レーダユニット。
【請求項14】
前記レードームが、1つ以上の偏光フィルタを含む、請求項13に記載のレーダユニット。
【請求項15】
前記吸収構成要素が、前記レーダユニットの上面に配置されている、請求項13に記載のレーダユニット。
【請求項16】
前記吸収構成要素が、導波路に結合されている、請求項13に記載のレーダユニット。
【請求項17】
レーダシステムを動作させる方法であって、
放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含むレーダユニットを使用して、前記放射パターンに基づくレーダ信号を送信することであって、前記レーダシステムが、前記放射パターンの送信方向に位置するレードームを含み、前記レードームが吸収構成要素に方向付けられるように、少なくとも1つのアンテナの平面に対してある角度でアライメントされており、前記角度の程度が、前記吸収構成要素の位置に依存する、送信することと、
前記レーダユニットを使用して、前記レーダシステムの環境内の1つ以上の表面によって前記レーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することと、を含む、レーダシステムを動作させる方法。
【請求項18】
第2の放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナを含む第2のレーダユニットを使用して、前記第2の放射パターンに基づく第2のレーダ信号を送信することであって、前記レーダシステムが、前記第2の放射パターンの送信方向に位置する第2のレードームを含み、前記第2のレードームが、前記第2のレードームによって引き起こされる前記送信された第2のレーダ信号の反射が(i)前記第2の放射パターンの空白、および(ii)第2の吸収構成要素のうちの少なくとも1つに方向付けられるように、前記第2のレーダユニットの前記少なくとも1つのアンテナの平面に対して第2の角度でアライメントされている、送信することと、
前記第2のレーダユニットを使用して、前記レーダシステムの前記環境内の1つ以上の表面によって前記レーダユニットに反射された1つ以上のレーダ信号を受信することと、を含む、請求項17に記載のレーダシステムを動作させる方法。
【国際調査報告】