(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(54)【発明の名称】ピラジン-2(1H)-オン系化合物のC結晶形とE結晶形及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 403/14 20060101AFI20220809BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220809BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220809BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
C07D403/14 CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61K31/497
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507752
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2020106896
(87)【国際公開番号】W WO2021023194
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】201910731661.4
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911059969.5
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520089004
【氏名又は名称】▲ザン▼州片仔▲ファン▼薬業股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHANGZHOU PIEN TZE HUANG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン、フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、チンミン
(72)【発明者】
【氏名】カオ、ロンホイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シーツォン
(72)【発明者】
【氏名】イン、ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】フー、チーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、ミャオロン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チエン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シューホイ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC34
4C063DD22
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC48
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZB26
4C086ZC01
4C086ZC41
(57)【要約】
ピラジン-2(1H)-オン系化合物の結晶形及びその製造方法であって、具体的には、式(II)で表される化合物及びその結晶形の製造方法に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物の塩酸塩。
【化1】
【請求項2】
構造は、式(III)で表される、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の塩酸塩。
【化2】
(式中、nは、0.6~2から選ばれる。)
【請求項3】
nは、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2から選ばれる、請求項2に記載の塩酸塩。
【請求項4】
nは、0.9、1及び1.1から選ばれる、請求項3に記載の塩酸塩。
【請求項5】
構造は、式(II)で表される、請求項4に記載の塩酸塩。
【化3】
【請求項6】
X線粉末回折スペクトルが、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項3~5のいずれか1項に記載の塩酸塩のC結晶形。
【請求項7】
X線粉末回折スペクトルが、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°、14.26±0.20°、20.86±0.20°、24.99±0.20°、26.21±0.20°、27.71±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項6に記載のC結晶形。
【請求項8】
X線粉末回折スペクトルが、5.24°、8.45°、9.08°、9.58°、10.45°、11.49°、13.23°、14.02°、14.26°、15.18°、15.60°、16.35°、18.15°、18.74°、19.52°、19.94°、20.86°、21.65°、21.97°、22.50°、23.28°、23.64°、24.16°、24.99°、26.21°、26.98°、27.71°、28.52°、29.07°、29.43°、30.37°、31.72°、32.30°、33.11°、34.79°、36.78°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項7に記載のC結晶形。
【請求項9】
XRPDパターンは、
図1に示されるとおりである、請求項8に記載のC結晶形。
【請求項10】
示差走査熱量曲線が、216.4℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有し、258.8℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項7~9のいずれか1項に記載のC結晶形。
【請求項11】
DSCスペクトルが、
図2に示されるとおりである、請求項10に記載のC結晶形。
【請求項12】
熱重量分析曲線が118.6℃±3.0℃において0.1380%の減量、205.5℃±3.0℃において6.7760%の減量、253.02℃±3.0℃において9.2750%の減量に達する、請求項7~9のいずれか1項に記載のC結晶形。
【請求項13】
TGAスペクトルは、
図3に示されるとおりである、請求項12に記載のC結晶形。
【請求項14】
X線粉末回折スペクトルが、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項3~5のいずれか1項に記載の塩酸塩のE結晶形。
【請求項15】
X線粉末回折スペクトルが、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°、15.75±0.20°、16.74±0.20°、18.54±0.20°、19.01±0.20°、20.78±0.20°、25.20±0.20°、26.65±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項14に記載のE結晶形。
【請求項16】
X線粉末回折スペクトルが、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°、15.75±0.20°、16.74±0.20°、18.54±0.20°、25.20±0.20°、26.65±0.20°、27.28±0.20°、27.94±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項14に記載のE結晶形。
【請求項17】
X線粉末回折スペクトルが、5.52°、9.05°、10.36°、11.09°、13.94°、14.66°、15.75°、16.74°、18.13°、18.54°、19.01°、20.78°、21.57°、21.98°、23.58°、24.46°、25.20°、25.44°、26.26°、26.65°、27.28°、27.51°、27.94°、28.94°、29.54°、31.19°、32.08°、33.24°、35.47°、36.23°、38.35°、39.34°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項15又は16に記載のE結晶形。
【請求項18】
XRPDスペクトルが、
図4に示されるとおりである、請求項17に記載のE結晶形。
【請求項19】
示差走査熱量曲線が、261.8℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項15~18のいずれか1項に記載のE結晶形。
【請求項20】
DSCスペクトルが、
図5に示されるとおりである、請求項19に記載のE結晶形。
【請求項21】
熱重量分析曲線が150.0℃±3.0℃において1.72%の減量、230.0℃±3.0℃において8.34%の減量、280.0℃±3.0℃において9.41%の減量に達する、請求項15~18のいずれか1項に記載のE結晶形。
【請求項22】
TGAスペクトルは、
図6に示されるとおりである、請求項21に記載のE結晶形。
【請求項23】
FGFR関連疾患を治療するための薬物の製造における、請求項1~5のいずれか1項に記載の塩酸塩、請求項6~13のいずれか1項に記載のC結晶形、請求項14~22のいずれか1項に記載のE結晶形の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は下記の優先権を主張する。
CN201910731661.4、2019年8月8日;
CN201911059969.5、2019年11月1日。
【0002】
本発明は、ピラジン-2(1H)-オン系化合物の結晶形及びその製造方法に関し、具体的には、式(II)で表される化合物及びその結晶形の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
繊維芽細胞成長因子受容体(FGFR)は、繊維芽細胞成長因子(FGF)シグナル伝達の受容体であり、そのファミリーは、4つのメンバー(FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4)からなり、細胞外免疫グロブリン(Ig)様ドメイン、疎水性膜貫通領域及びチロシンキナーゼ領域を含む細胞内部分からなる糖タンパク質である。繊維芽細胞成長因子(FGF)は、これらの受容体(FGFR)を通じて細胞増殖、細胞分化、細胞遊走及び血管新生などの多くの生理学的調節過程において重要な役割を果たしている。多くの証拠は、FGFシグナル経路異常(高発現、遺伝子増幅、遺伝子変異、染色体組み換えなど)を腫瘍細胞の増殖、遷移、侵入及び血管形成などの多くの病的過程と直接関連している。そのため、FGFRは、重要な治療ターゲットの1つとして広範な研究開発が注目されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、式(I)で表される化合物の塩酸塩を提供する。
【化1】
【0005】
本発明のいくつかの態様では、上記式(I)で表される化合物の塩酸塩の構造は、式(III)で示され、
【化2】
式中、nは、0.6~2から選ばれる。
【0006】
本発明のいくつかの態様では、上記nは、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2から選ばれる。
【0007】
本発明のいくつかの態様では、上記nは、0.9、1及び1.1から選ばれる。
【0008】
本発明のいくつかの態様では、上記式(III)で表される化合物の構造は、式(II)で示される。
【化3】
【0009】
本発明は、式(II)で表される化合物のC結晶形を提供し、そのX線粉末回折スペクトルは、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0010】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のX線粉末回折スペクトルは、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°、14.25±0.20°、20.86±0.20°、24.99±0.20°、26.21±0.20°、27.71±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0011】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のX線粉末回折スペクトルは、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°、14.26±0.20°、20.86±0.20°、24.99±0.20°、26.21±0.20°、27.71±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0012】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のX線粉末回折スペクトルは、5.24°、8.45°、9.08°、9.58°、10.45°、11.49°、13.23°、14.02°、14.26°、15.18°、15.60°、16.35°、18.15°、18.74°、19.52°、19.94°、20.86°、21.65°、21.97°、22.50°、23.28°、23.64°、24.16°、24.99°、26.21°、26.98°、27.71°、28.52°、29.07°、29.43°、30.37°、31.72°、32.30°、33.11°、34.79°、36.78°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0013】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のXRPDスペクトルは、
図1に示されるとおりである。
【0014】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のXRPDスペクトル解析データは、表1に示されるとおりである。
【表1】
【0015】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形の示差走査熱量曲線は、216.4℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有し、258.8℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有する。
【0016】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のDSCスペクトルは、
図2に示されるとおりである。
【0017】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形は、熱重量分析曲線が118.6℃±3.0℃において0.1380%の減量、205.5℃±3.0℃において6.7760%の減量、253.02℃±3.0℃において9.2750%の減量に達する。
【0018】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のC結晶形のTGAスペクトルは、
図3に示されるとおりである。
【0019】
本発明は、式(II)で表される化合物のE結晶形を提供し、そのX線粉末回折スペクトルは、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0020】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のX線粉末回折スペクトルは、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°、15.75±0.20°、16.74±0.20°、18.54±0.20°、19.01±0.20°、20.78±0.20°、25.20±0.20°、26.65±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0021】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のX線粉末回折スペクトルは、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°、15.75±0.20°、16.74±0.20°、18.54±0.20°、25.20±0.20°、26.65±0.20°、27.28±0.20°、27.94±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0022】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のX線粉末回折スペクトルは、5.52°、9.05°、10.36°、11.09°、13.94°、14.66°、15.75°、16.74°、18.13°、18.54°、19.01°、20.78°、21.57°、21.98°、23.58°、24.46°、25.20°、25.44°、26.26°、26.65°、27.28°、27.51°、27.94°、28.94°、29.54°、31.19°、32.08°、33.24°、35.47°、36.23°、38.35°、39.34°の2θ角において特徴回折ピークを有する。
【0023】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のXRPDスペクトルは、
図4に示されるとおりである。
【0024】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のXRPDスペクトル解析データは、表2に示されるとおりである。
【表2】
【0025】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形の示差走査熱量曲線は、261.8℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有する。
【0026】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のDSCスペクトルは、
図5に示されるとおりである。
【0027】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形は、熱重量分析曲線が150.0℃±3.0℃において1.72%の減量、230.0℃±3.0℃において8.34%の減量、280.0℃±3.0℃において9.41%の減量に達する。
【0028】
本発明のいくつかの態様では、上記式(II)で表される化合物のE結晶形のTGAスペクトルは、
図6に示されるとおりである。
【0029】
本発明は、FGFR関連疾患を治療するための薬物の製造における、上記式(III)で表される化合物、上記式(II)で表される化合物、上記C結晶形、上記E結晶形の使用をさらに提供する。
<発明の効果>
【0030】
式(II)で表される化合物のE結晶形は安定性が良く、薬になりやすく、式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩の実験例から分かるように、式(II)で表される化合物のE結晶形が野生型FGFRに対して良好な阻害活性を示し、かつFGFR2、3のFGFR1、4に対する選択性が高かった。式(II)で表される化合物のE結晶形のマウスの薬物動態指標は、良好であった。
【0031】
式(II)で表される化合物のC結晶形は安定性が良く、薬になりやすく、式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩の実験例から分かるように、式(II)で表される化合物のC結晶形が野生型FGFRに対して良好な阻害活性を示し、かつFGFR2、3のFGFR1、4に対する選択性が高かった。式(II)で表される化合物のC結晶形塩マウスの薬物動態指標は、良好であった。
【0032】
式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩は野生型FGFRに対して良好な阻害活性を示し、かつFGFR2、3はFGFR1、4に対する選択性が高かった。式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩マウスの薬物動態指標は、良好であった。
<定義と説明>
【0033】
他の説明がない限り、本明細書で使用される以下の用語及び語句は、以下の意味を有するように意図されている。ある特定の用語又は語句は、特に定義されていない場合に、「不確実」又は「不明瞭」であるものと理解されるべきではなく、通常の意味として理解されるべきである。本明細書で商品名が記載した場合、それに対応する商品やその有効成分を指すことが意図されている。
【0034】
本発明の化合物は、以下に列挙する具体的な実施形態、他の化学合成方法との組み合わせによって形成された実施形態、及び当業者に知られている等価代替方式を含む当業者に知られている様々な合成方法によって製造することができ、好適な実施形態は、本発明の実施例を含むが、それらに限らない。
【0035】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は、本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に合わねばならない適切な溶媒中で達成される。本発明の化合物を得るために、当業者が既存の実施形態からさらに、合成ステップ又は反応工程を修正又は選択する必要がある場合がある。
【0036】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は、本発明に対するいかなる限定を構成しない。
【0037】
本発明で使用される溶媒はいずれも市販されているものであり、さらなる精製を必要とせずに使用可能である。
【0038】
本明細で使用される略語は次のように定義される。eqは当量、等量を表し、PEは石油エステルを表し、DMSOはジメチルスルホキシドを表し、MeOHはメタノールを表し、TFAはトリフロロ酢酸を表す。
【0039】
本発明で使用される溶媒は市販されているものであってもよく、市販化合物は供給者のディレクトリ名を採用している。混合溶媒を反応液に加える時に、まず、各溶媒を混合し、次いで、反応液に加えるか、又は反応液に各単一溶媒を順次に加えて反応系にて混合してもよい。
【0040】
化合物は本分野の常規命名ルール又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを用いて命名され、供給者のディレクトリ名を採用している。
【0041】
本発明の粉末X線回折(X-ray powder diffractometer、XRPD)方法
約10~20mgの試料をXRPD検出に用いた。
詳細なXRPDパラメータは、以下のとおりである。
ライトパイプ:Cu,k2(λ=1.54056Å)
ライトパイプ電圧:40kV、ライトパイプ電流:40mA
発散スリット:0.60mm
検出器スリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
走査範囲:4-40deg
ステップ径:0.02deg
ステップ長:0.12秒
試料盤回転数:15rpm
【0042】
本発明の示差熱分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)方法
試料(0.5~1mg)をDSCアルミ鍋に置いて試験を行い、方法は25℃-300又は350℃、10℃/minであった。
【0043】
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)方法
試料(2~5mg)をTGA白金堝に置いて試験を行い、25mL/min N2条件下で、10℃/minの昇温速度で、試料を室温から300℃又は減量20%まで加熱した。
【0044】
本発明の動的水蒸気吸着分析(Dynamic Vapor Sorption、DVS)方法
機器型番:SMS DVS Advantage動的水蒸気吸着器、
試験条件:試料(10~15mg)をDVS試料盤に置いて試験を行った。
詳細なDVSパラメータは、以下のとおりである。
温度:25℃
平衡:dm/dt=0.01%/min(最短:10min、最長:180min)
乾燥:0%RHで120min乾燥
RH(%)試験段階:10%
RH(%)試験段階範囲:0%-90%-0%
【0045】
吸湿性評価分類は、以下のとおりである。
【表2-2】
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】式(II)で表される化合物のC結晶形のCu-Kα放射のXRPDスペクトルである。
【
図2】式(II)で表される化合物のC結晶形のDSCスペクトルである。
【
図3】式(II)で表される化合物のC結晶形のTGAスペクトルである。
【
図4】式(II)で表される化合物のE結晶形のCu-Kα放射のXRPDスペクトルである。
【
図5】式(II)で表される化合物のE結晶形のDSCスペクトルである。
【
図6】式(II)で表される化合物のE結晶形のTGAスペクトルである。
【
図7】式(II)で表される化合物のC結晶形のDVSスペクトルである。
【
図8】式(II)で表される化合物のE結晶形のDVSスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明に対していかなる不利な制限を意味しない。本明細書では、本発明について詳細に説明し、その具体的な実施形態も開示されているが、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に対して様々な変更及び改良を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【0048】
実施例1:式(I)で表される化合物及びそのトリフルオロ酢酸塩の製造
【化4】
ステップ1:化合物BB-1-3の合成
化合物BB-1-2(2.0g、11.49mmol、1eq)と化合物BB-1-1(2.6g、11.49mmol、1eq)とを水(6.0mL)とジオキサン(25.0mL)に溶解した後、[1,1’-ジ(ジフェニルホスフィン基)フェロセン]ジクロロパラジウム(841mg、1.15mmol、0.1eq)と炭酸カリウム(4.8g、34.48mmol、3eq)を加え、窒素ガス雰囲気下で、100℃まで加熱して16時間反応させた。得られた反応液を吸引ろ過スピン乾燥し、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-0:1)で精製して化合物BB-1-3を得た。
MS (ESI) m/z: 190.0 [M+H]
+。
ステップ2:化合物BB-1の合成
化合物BB-1-3(0.5g、2.64mmol、1eq)とピリジニル(209mg、2.64mmol、213.28μL、1eq)とをクロロフォルム(20.0mL)に加え、0℃まで冷却した後、臭素(422mg、2.64mmol、136.22μL、1eq)を加えた。室温28℃下で、18時間反応させた。反応物をチオ硫酸ナトリウム(1.0mL)でクエンチングした後、吸引ろ過し、ろ過液を濃縮し、粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-1:1)で精製して化合物BB-1を得た。MS(ESI)m/z: 267.9 [M+H]
+。
1H NMR (400 MHz,CD
3OD) δ: 8.12 (s,1 H) 7.90 (s,1 H) 3.86 (s,3 H) 2.43 (s,3 H)。
ステップ3:化合物2の合成
窒素雰囲気下で、化合物BB-2-1(2.0g、18.77mmol、2.17mL、1eq、HCl)をクロロベンゼン(15.0mL)に溶解し、25℃で化合物BB-2-2(8.3g、65.69mmol、5.8mL、3.5eq)を滴加し、混合物を90℃まで徐々に昇温し、16時間攪拌した。反応系に水(30.0mL)と酢酸エチル(30.0mL)を加え、静置分層しながら水相を酢酸エチル(20.0mL、20.0mL、20.0mL)で3回抽出した。有機相を合併し、塩化ナトリウム飽和溶液(30.0mL)で1回洗浄し、最後に有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-2:1)で分離精製し、化合物2を得た。MS (ESI) m/z: 178.7 [M+1]
+。
1H NMR (400MHz,CDCl
3) δ: 7.26 (s,1H),3.61 (s,3H)。
ステップ4:化合物4の合成
マイクロ波試験管にて、窒素雰囲気下で、化合物2(0.2g、1.12mmol、1eq)と化合物3(213mg、1.17mmol、1.05eq)をジオキサン(1.5mL)と水(1.5mL)との混合溶液に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(65mg、55.86μmol、0.05eq)、炭酸ナトリウム(130mg、1.23mmol、1.1eq)を加え、混合物を120℃で30分マイクロ波攪拌した。反応液を直接濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-0:1)(TLC検出 石油エステル:酢酸エチル=1:1)で分離し、化合物4を得た。MS (ESI) m/z: 281.0 [M+1]
+。
1H NMR (400MHz,CDCl
3) δ: 7.64 (d,2H),7.28 (s,1H),6.59 (t,1H),3.86 (s,6H),3.61 (s,3H)。
ステップ5:化合物0027-1の合成
窒素雰囲気下で、化合物4(250mg、890.61μmol、1eq)をアセトニトリル(20.0mL)とジクロロメタン(5.0mL)との混合溶媒に溶解し、スルホン酸塩化物(84mg、623.43μmol、62.33μL、0.7eq)のアセトニトリル(2.5mL)溶液を0℃で徐々に滴加し、混合物を0℃で10分攪拌した。反応液にメタノール(5.0mL)を加えてクエンチング反応し、減圧濃縮乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-1:1)(TLC検出 石油エステル:酢酸エチル=1:1)で分離し、化合物0027-1を得た。MS (ESI) m/z: 314.9 [M+H]
+。
ステップ6:式(I)で表される化合物の合成
三口フラスコにて、化合物0027-1(59mg、186.49μmol、1eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(52mg、205.14μmol、1.1eq)、酢酸パラジウム(5mg、20.51μmol、0.11eq)及び2-ジシクロヘキシルホスフィン-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(20mg、41.03μmol、0.22eq)、酢酸カリウム(60mg、615.42μmol、3.3eq)をジオキサン(4.0mL)溶液に加え、反応系における空気を窒素で置換し、窒素飽和下で、100℃まで昇温して30分還流撹拌し、25℃まで冷却し、化合物BB-1(50mg、186.49μmol、1eq)、[1,1’-ジ(ジフェニルホスフィン基)フェロセン]ジクロロパラジウムのジクロロメタン錯体化合物(15mg、18.65μmol、0.1eq)、炭酸カリウム(77mg、559.47μmol、3eq)、ジオキサン(4.0mL)及び水(2.0mL)を加え、反応系における空気を窒素で置換し、窒素飽和下で、100℃まで昇温して8時間還流撹拌した。反応液を直接濃縮した。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィ(カラム:Boston Green ODS 150×30mm 5μm、移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:30%-60%、8min)で分離精製し、式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た。MS (ESI) m/z: 468.2 [M+H]
+。
1H NMR (400MHz,CD
3OD) δ: 8.79 (s,1H),8.09 (m,2H),6.76 (m,2H),3.93 (s,3H),3.89 (s,3H),3.84 (s,3H),3.80 (s,3H),2.54 (s,3H)。この塩をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸ナトリウムを加えて洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ過液をスピン乾燥して式(I)で表される化合物を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl
3) δ: 8.51 (s,1H),8.15 (s,1H),6.71 (d,J=2.8Hz,1H),6.63 (d,J=2.8Hz,1H),6.43 (brs,2H),3.94 (s,3H),3.92 (s,3H),3.84 (s,3H),3.79 (s,3H),2.55 (s,3H)。
【0049】
実施例2:式(II)で表される化合物の製造
【化5】
式(I)で表される化合物(44.4g、94.89mmol、1eq)をテトラヒドラフラン(450mL)に溶解し、次いで、塩化水素(4M、94.89mL、4eq)の酢酸エチル溶液を滴加し、25℃で3hrs攪拌した。反応液をろ過して黄色固体を得、オイルポンプで乾燥させて式(II)で表される化合物を得た。
1H NMR (400MHz,DMSO-d
6) δ: 8.71 (s,1H),8.18 (s,2H),6.82 (d,J=2.8Hz,1H),6.75 (d,J=2.8Hz,1H) 3.91 (s,3H),3.81 (s,3H),3.80 (s,3H),3.71 (s,3H),2.44 (s,3H)。
【0050】
実施例3:式(II)で表される化合物のC結晶形の製造
式(II)で表される化合物400mgを秤取して40mLのガラス瓶に入れ、20mLの酢酸エチルを加え、懸濁液となるように攪拌した。上記試料を磁気加熱撹拌器(50℃)に置いて60時間(遮光)攪拌した。試料を急速遠心分離し、残留固形物を真空乾燥箱に入れ、45℃条件下で、一夜真空乾燥して残存溶媒を除去して固体1を得た。固体1約50mgを秤量して試料瓶に入れ、1mLのエタノール溶媒を加え、懸濁液を50℃条件下で、48hrs続けて攪拌した後、遠心後、残留固形物を真空乾燥箱に入れ、50℃条件下で、一夜真空乾燥して残存溶媒を除去して式(II)で表される化合物のC結晶形を得た。
【0051】
実施例4:式(II)で表される化合物のE結晶形の製造
エタノール6.6Lを10L三口ガラス瓶に入れ、攪拌を開始し、式(II)で表される化合物330gを三口ガラス瓶に入れ、45℃まで昇温し、48時間続けて攪拌した。ブフナー漏斗を用いて吸引ろ過し、ろ過ケーキをエタノール200mL×2で洗脱した。ろ過ケーキを収集し、真空乾燥箱にて50~55℃で14~20時間オーブン乾燥して式(II)で表される化合物のE結晶形を得た。
【0052】
実施例5:式(II)で表される化合物のC結晶形の吸湿性研究
実験材料:
SMS DVS Advantage動的水蒸気吸着器
実験方法:
式(II)で表される化合物のC結晶形10~15mgをDVS試料盤に置いて試験を行った。
実験結果:
式(II)で表される化合物のC結晶形のDVSスペクトルは、図に示されるとおりであり、△W=1.1%であった。
実験結論:
式(II)で表される化合物のC結晶形の25℃と80%RHでの吸湿重量増加は、1.1%であり、幾らか吸湿性が有った。
【0053】
実施例6:式(II)で表される化合物のE結晶形の吸湿性研究
実験材料:
SMS DVS Advantage動的水蒸気吸着器
実験方法:
式(II)で表される化合物のE結晶形10~15mgをDVS試料盤に置いて試験を行った。
実験結果:
式(II)で表される化合物のE結晶形のDVSスペクトルは、図に示されるとおりであり、△W=0.5%であった。
実験結論:
式(II)で表される化合物のE結晶形の25℃と80%RHでの吸湿重量増加は、0.5%であり、幾らか吸湿性が有った。
【0054】
実験例1:野生型キナーゼ体外阻害活性評価
33P同位体標識キナーゼ活性試験(Reaction Biology Corp)を用いてIC
50値を測定することで、被験化合物のヒトFGFR1、FGFR4に対する阻害能力を評価した。
緩衝液条件:20mM 4-(2-ヒドロキシエチル基)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(Hepes)(pH7.5)、10mM MgCl
2、1mM グリコール-ビス-(2-アミノエチルエーテル)テトラ酢酸(EGTA)、0.02%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij35)、0.02mg/mLウシ血清アルブミン(BSA)、0.1mMバナジン酸ナトリウム(Na
3VO
4)、2mMジチオスレイトール(DTT)、1%DMSO。
実験手順:室温下で、被験化合物をDMSOに溶解して10mM溶液に調製し、使用に備えた。基質を新たに調製した緩衝液に溶解し、その中に被測定キナーゼを加えて均一混合した。音響技法(Echo 550)を用いて、被験化合物を溶解したDMSO溶液を上記均一混合した反応液に加えた。反応液における化合物の濃度は、10μM、3.33μM、1.11μM、0.370μM、0.123μM、41.2nM、13.7nM、4.57nM、1.52nM、0.508nM、又は10μM、2.50μM、0.62μM、0.156μM、39.1nM、9.8nM、2.4nM、0.61nM、0.15nM、0.038nMであった。15分孵化した後、
33P-ATP(活性度0.01μCi/μL、相応な濃度を表3に示す)を加えて反応し始めた。FGFR1、FGFR4とその基質の供給者製品番号、ロット番号及び反応液における濃度についての情報を表3に示す。反応を室温下で120分行った後、反応液をP81イオン交換濾紙(Whatman#3698-915)上に滴下した。濾紙を0.75%リン酸溶液で繰り返し洗浄した後、濾紙上に残留したリン酸化基質の放射性を測定した。キナーゼ活性データは、被験化合物を含有するキナーゼ活性とブランク対照群(DMSOのみを含有する)のキナーゼ活性の比較で表示され、Prism4ソフトウェア(GraphPad)によりカーブフィッティングを行ってIC
50値を得た。実験結果は、表4に示されるとおりである。
【表3】
【表4】
結論:式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩は、野生型FGFRに対して、いずれも良好な阻害活性を示し、かつFGFR2、3は、FGFR1、4に対する選択性が比較的高かった。
【0055】
実験例2:化合物薬物動態評価
実験目的:マウス体内における化合物の薬物動態を評価する
実験材料:
CD-1マウス(雄性)、溶媒(0.5%(w/v)メチルセルロース0.5%(v/v)トゥイーン80水溶液)、化合物0027のトリフルオロ酢酸塩。
1、投与製剤の調製:
溶媒は、0.5%(w/v)メチルセルロース0.5%(v/v)トゥイーン80水溶液であり、以下の手順に従って調製した。
a.約50%体積の精製水を適切な容器に入れ、約60℃ないし70℃に加熱した。
b.水温が所定値の範囲に達した時、ヒータをオフにした。所要量のメチルセルロースを上記容器に徐々に加えて続けて攪拌した。
c.上澄み溶液と目視されるまで4℃で続けて攪拌した。
d.所要体積のトゥイーン80を上記溶液に加えた。トゥイーン80が均一に分散され、かつ上澄み溶液と目視されるまで続けて攪拌した。
e.上記溶液を適量の精製水で最終体積に定容した。
f.均一溶液が形成されるまで続けて攪拌した。
胃内投与製剤の調製:
a.適量の供試品を秤取してガラス瓶に入れた。
b.70%体積の溶媒(0.5%(w/v)メチルセルロース0.5%(v/v)トゥイーン80水溶液)を加えた。
c.均一と目視されるまで製剤を攪拌し、必要な場合、超音波ウォーターバスを行った。
d.残余体積の0.5%メチルセルロース+0.5%トゥイーン80を補充し、均一に攪拌した。
2、薬剤投与
第1、2群の動物は、それぞれ、5mg/mL、30mg/mLの化合物を単回胃内投与し、投与体積は10mL/kgであった。
薬剤投与の前に、動物の体重を秤量し、体重に基づいて投与体積を算出した。
3、試料採集と処理
伏静脈採血方式により、所定の時間(0.25、0.5、1、2、4、6、8、24h)で全血試料(30μL)を採集し、実際の採血時間を試験記録に記入した。採集時間点の許容可能な誤差は、投与1時間以内の時間点±1分であり、その他の時間点では理論時間±5%であった。
全ての血液試料を直ちにラベルが貼られたK2-EDTAを含有する商品化遠心管に移送した。血液試料を採集した後、4℃で、3200回転/分で10分遠心し、上清血漿を吸引し、迅速にドライアイスに置き、-20℃又はそれ以下の温度に維持し、LC-MS/MS分析に用いられた。薬物動態パラメータを算出した。実験結果を表5に示す。
【表5】
結論:式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩のマウス薬物動態指標は良好であった。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物の塩酸塩。
【化1】
【請求項2】
構造は、式(III)で表される、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の塩酸塩。
【化2】
(式中、nは、0.6~2から選ばれる。)
【請求項3】
nは、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2から選ばれる、請求項2に記載の塩酸塩。
【請求項4】
nは、0.9、1及び1.1から選ばれる、請求項3に記載の塩酸塩。
【請求項5】
構造は、式(II)で表される、請求項4に記載の塩酸塩。
【化3】
【請求項6】
X線粉末回折スペクトルが、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項3~5のいずれか1項に記載の塩酸塩のC結晶形。
【請求項7】
X線粉末回折スペクトルが、5.24±0.20°、9.58±0.20°、10.45±0.20°、14.26±0.20°、20.86±0.20°、24.99±0.20°、26.21±0.20°、27.71±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項6に記載のC結晶形。
【請求項8】
X線粉末回折スペクトルが、5.24°、8.45°、9.08°、9.58°、10.45°、11.49°、13.23°、14.02°、14.26°、15.18°、15.60°、16.35°、18.15°、18.74°、19.52°、19.94°、20.86°、21.65°、21.97°、22.50°、23.28°、23.64°、24.16°、24.99°、26.21°、26.98°、27.71°、28.52°、29.07°、29.43°、30.37°、31.72°、32.30°、33.11°、34.79°、36.78°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項7に記載のC結晶形。
【請求項9】
示差走査熱量曲線が、216.4℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有し、258.8℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項7
又は8に記載のC結晶形。
【請求項10】
熱重量分析曲線が118.6℃±3.0℃において0.1380%の減量、205.5℃±3.0℃において6.7760%の減量、253.02℃±3.0℃において9.2750%の減量に達する、請求項7
又は8に記載のC結晶形。
【請求項11】
X線粉末回折スペクトルが、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項3~5のいずれか1項に記載の塩酸塩のE結晶形。
【請求項12】
X線粉末回折スペクトルが、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°、15.75±0.20°、16.74±0.20°、18.54±0.20°、19.01±0.20°、20.78±0.20°、25.20±0.20°、26.65±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項
11に記載のE結晶形。
【請求項13】
X線粉末回折スペクトルが、9.05±0.20°、10.36±0.20°、14.66±0.20°、15.75±0.20°、16.74±0.20°、18.54±0.20°、25.20±0.20°、26.65±0.20°、27.28±0.20°、27.94±0.20°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項
11に記載のE結晶形。
【請求項14】
X線粉末回折スペクトルが、5.52°、9.05°、10.36°、11.09°、13.94°、14.66°、15.75°、16.74°、18.13°、18.54°、19.01°、20.78°、21.57°、21.98°、23.58°、24.46°、25.20°、25.44°、26.26°、26.65°、27.28°、27.51°、27.94°、28.94°、29.54°、31.19°、32.08°、33.24°、35.47°、36.23°、38.35°、39.34°の2θ角において特徴回折ピークを有する、請求項
12又は
13に記載のE結晶形。
【請求項15】
示差走査熱量曲線が、261.8℃±2.0℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項
12~
14のいずれか1項に記載のE結晶形。
【請求項16】
熱重量分析曲線が150.0℃±3.0℃において1.72%の減量、230.0℃±3.0℃において8.34%の減量、280.0℃±3.0℃において9.41%の減量に達する、請求項
12~
14のいずれか1項に記載のE結晶形。
【請求項17】
FGFR関連疾患を治療するための薬物の製造における、請求項1~5のいずれか1項に記載の塩酸塩、請求項6~
10のいずれか1項に記載のC結晶形、請求項
11~
16のいずれか1項に記載のE結晶形の使用。
【国際調査報告】