(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】液化ガス用の貯蔵設備
(51)【国際特許分類】
F17C 3/04 20060101AFI20220810BHJP
F17C 13/08 20060101ALI20220810BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20220810BHJP
B63B 27/24 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
F17C3/04 A
F17C13/08 302A
B63B25/16 103
B63B27/24 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021557191
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2020058416
(87)【国際公開番号】W WO2020193653
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デラノー セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シャポー カリム
(72)【発明者】
【氏名】ブーゴール ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】モンフォール ピエール
(72)【発明者】
【氏名】サルモン ルガヌール ギヨーム
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB04
3E172AB05
3E172BA06
3E172BD02
3E172CA10
3E172DA03
3E172DA13
3E172DA90
3E172EA03
3E172EB03
3E172EB10
(57)【要約】
本発明は、支持構造と、当該支持構造に配置された密閉断熱タンクと、を備えた液化ガス用の貯蔵設備に関するものであり、タンクは第1のタンク壁(1)と第2のタンク壁(101)とを少なくとも備えており、各タンク壁(1,101)はそれぞれ、少なくとも1つの密閉メンブレン(4,104)と少なくとも1つの断熱バリア(2,102)とを備えており、第1の支持壁(3)は縁部(100)に沿って第2の支持壁(103)との間にコーナ部を形成し、第1のタンク壁(1)の断熱バリア(2)は断熱固定ビーム(11)を備えており、断熱固定ビーム(11)の下面(12)が第1の支持壁(3)に対向して配置され、金属カバー部材は下面(12)複数の剪断ウェブ(14)によってから距離をおいて維持され、支持構造は第1の迫出し部(19)を有し、第1の迫出し部(19)は、断熱固定ビーム(11)における縁部(100)とは反対側の縁部に沿って配置され、縁部から離れていく長手方向における断熱固定ビーム(11)の運動を制限する迫出しを形成する。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造と、当該支持構造に配置された密閉断熱タンクと、を備えた液化ガス用の貯蔵設備であって、
前記密閉断熱タンクは、前記支持構造の第1の支持壁(3)に固定された第1のタンク壁(1)と、前記支持構造の第2の支持壁(103)に固定された第2のタンク壁(101)と、を少なくとも備えており、
前記各タンク壁(1,101)はそれぞれ、少なくとも1つの密閉メンブレン(4,104)と少なくとも1つの断熱バリア(2,102)とを備えており、
前記断熱バリア(2,102)は前記密閉メンブレン(4,104)と前記支持構造との間に配置されており、
前記第1の支持壁(3)は縁部(100)に沿って前記第2の支持壁(103)との間にコーナ部を形成し、
前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)は複数の金属プレートを有し、
前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)は、前記第1の支持壁(3)に係止され前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有する断熱固定ビーム(11)を備えており、
前記断熱固定ビーム(11)の上面(13)は、当該上面(13)と前記第1の支持壁(3)との間に配置された複数の剪断ウェブ(14)によって前記第1の支持壁(3)から距離をおいて維持され、
前記剪断ウェブ(14)は、前記縁部(100)に対して垂直な向きであり、
前記断熱固定ビーム(11)は、前記剪断ウェブ(14)間に配置された断熱詰め物を備えており、
前記断熱固定ビーム(11)はさらに、前記上面(13)を形成する平面部(16)を有する金属カバー部材(15)も備えており、
前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)の端縁は、前記金属カバー部材(15)の前記平面部(16)に溶接されており、
前記支持構造は、前記第1の支持壁(3)から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する迫出し部(19)を有し、
前記迫出し部(19)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有し、
前記迫出し部(19)は、前記断熱固定ビーム(11)における前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って配置され、前記第2のタンク壁(101)から離れていく方向における前記断熱固定ビーム(11)の運動を制限する迫出しを形成する
ことを特徴とする貯蔵設備。
【請求項2】
前記金属カバー部材(15)は、支持部(65)を有する平板状の金属プレート(63)を有し、
前記支持部(65)は、当該支持部(65)の一端が前記断熱バリア(2,102)における前記断熱固定ビーム(11,111)の隣の断熱パネル(7)に位置するように、前記密閉メンブレン(4,104)の方向と前記縁部(100)から離れていく方向とに前記剪断ウェブ(14)から突出している、
請求項1記載の貯蔵設備。
【請求項3】
前記平板状の金属プレート(63)における前記縁部(100)の方向の寸法は、2つの隣り合う前記剪断ウェブ(14)間の離隔距離と等しく、前記平板状の金属プレート(63)は、当該2つの隣り合う剪断ウェブ(14)間に延在するように配置されている、
請求項2記載の貯蔵設備。
【請求項4】
前記剪断ウェブ(14)は、ポリマー樹脂及び繊維(99)を含む複合材料から作製されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項5】
前記繊維(99)は、前記タンク壁の厚さの方向を基準として±45°の角度で配向している、
請求項4記載の貯蔵設備。
【請求項6】
前記断熱固定ビーム(11,111)は、第1角度鉄フランジ(68)と、前記第1角度鉄フランジ(68)に接続された第2角度鉄フランジ(69)と、を含む固定角度鉄部(67)を備えており、
前記第2角度鉄フランジ(69)は前記剪断ウェブ(14)のうち1つに固定されており、
前記第1角度鉄フランジ(68)は前記金属カバー部材(15)に溶接されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項7】
前記断熱固定ビーム(11,111)は、第1角度鉄フランジ(68)と、前記第1角度鉄フランジ(68)に接続された第2角度鉄フランジ(69)と、を含む固定角度鉄部(67)を備えており、
前記第2角度鉄フランジ(69)は前記剪断ウェブ(14)のうち1つに固定されており、
前記第1角度鉄フランジ(68)は少なくとも1つの固定開口(64)を有し、
前記金属カバー部材(15)の固定開口(64)と前記第1角度鉄フランジ(68)の前記固定開口(64)とを跨ぐ固定具(47)を用いて前記平板状の金属プレート(63)に前記第1角度鉄フランジ(68)を固定すべく、前記第1角度鉄フランジ(68)の前記固定開口(64)は前記金属カバー部材(15)の前記固定開口(64)と一致する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項8】
前記第2角度鉄フランジ(69)は、前記第1角度鉄フランジ(68)から遠位の一端にベベル部(82)を有する、
請求項6又は7記載の貯蔵設備。
【請求項9】
前記断熱固定ビーム(11,111)はクリート(83)を有し、
前記クリート(83)は、前記剪断ウェブ(14)における前記縁部(100)に対して垂直な面に固定され、前記金属カバー部材(15)に対して平行に延在し、
前記クリート(83)は本体部(84)と、前記本体部(84)の相反対側に設けられた上方延在部(85)及び下方延在部(86)と、を有し、
前記本体部(84)と、前記上方延在部(85)と、前記下方延在部(86)とは、前記剪断ウェブ(14)に固定されており、
前記クリート(83)は、当該クリート(83)の長さにわたって分布している係止スタッド(92)を用いて前記支持構造に固定されており、
前記係止スタッド(92)は、前記クリート(83)の前記本体部(84)の上面に挟持力を加える、
請求項1から8までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項10】
前記上方延在部(85)は、前記本体部(84)から離れていく方向に厚さが減少していくようにベベル加工されている、
請求項9記載の貯蔵設備。
【請求項11】
前記迫出し部(19)は迫出しバー(30)を有し、
前記迫出しバー(30)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)に対して平行に、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って連続して延在する、
請求項1から10までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項12】
前記迫出し部(19)は複数の迫出しラグ(32)を有し、
前記迫出しラグ(32)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って規則的な間隔をおいて配置されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項13】
前記断熱固定ビーム(11)は内側座屈防止部(22)を有し、
前記内側座屈防止部(22)は、前記縁部(100)から離れていく方向に前記剪断ウェブ(14)を延長すると共に、前記金属カバー部材(15)から前記第1の支持壁(3)を離す方向の寸法の一部にわたって延在し、
前記内側座屈防止部(22)は、少なくとも1つの固定手段(19,47)を用いて前記第1のタンク壁(1)に固定されており、
前記迫出し部(19)は、前記内側座屈防止部(22)を前記第1の支持壁(3)に固定するように構成されたフック形成装置を備えている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項14】
前記断熱固定ビーム(11)は外側座屈防止部(21)を有し、
前記外側座屈防止部(21)は前記縁部(100)の方向に前記剪断ウェブ(14)を延長すると共に、前記金属カバー部材(15)から前記第1の支持壁(3)を離す方向の寸法の一部にわたって延在し、
前記外側座屈防止部(21)は、固定手段(47)を用いて前記第1の支持壁(3)に固定されている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項15】
前記固定手段(47)は、前記外側座屈防止部(21)又は前記内側座屈防止部(22)を前記支持構造に固定するスタッドを備えており、
前記スタッドの第1端が前記支持構造に係止され、
前記スタッドにおける前記第1端とは反対側の第2端には、前記外側座屈防止部(21)又は前記内側座屈防止部(22)に支えられるナットが設けられている、
請求項13又は14記載の貯蔵設備。
【請求項16】
前記支持構造は、前記第1の支持壁(3)から前記密閉断熱タンクの内側の方向に突出する追加の迫出し部(20)を備えており、
前記追加の迫出し部(20)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有し、
前記追加の迫出し部(20)は、前記断熱固定ビーム(11)における前記縁部(100)の隣の縁部に沿って配置され、前記迫出し部(19)の方向とは逆方向における前記断熱固定ビーム(11)の運動を制限する迫出しを形成する、
請求項1から15までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項17】
前記追加の迫出し部(20)は追加の迫出しバー(31)を有し、
前記追加の迫出しバー(31)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)に対して平行に、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って連続して延在する、
請求項16記載の貯蔵設備。
【請求項18】
前記追加の迫出し部(20)は複数の追加の迫出しラグ(33)を有し、
前記追加の迫出しラグ(33)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って規則的な間隔をおいて配置されている、
請求項16記載の貯蔵設備。
【請求項19】
前記追加の迫出し部(20)は、前記外側座屈防止部(21)を前記第1の支持壁(3)に固定するように構成されたフック形成装置を備えており、前記フック形成装置は前記固定手段(47)を構成する、
請求項14を引用する請求項16から18までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項20】
前記外側座屈防止部(21)及び/又は前記内側座屈防止部(22)は、前記剪断ウェブ(14)を延長した部分(43)によって構成されている、
請求項13又は14記載の貯蔵設備。
【請求項21】
前記外側座屈防止部(21)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する第1の側方バー(44)を有し、
前記第1の側方バー(44)は、前記剪断ウェブ(14)の側面に押し付けられる壁を有し、
前記内側座屈防止部(22)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する第2の側方バー(45)を有し、
前記第2の側方バー(45)は、前記剪断ウェブ(14)の他の側面に押し付けられる壁を有し、
前記第1の側方バー(44)と前記第2の側方バー(45)とは前記剪断ウェブ(14)を抱え込む、
請求項13を引用する請求項14記載の貯蔵設備。
【請求項22】
前記断熱固定ビーム(11)の前記金属カバー部材(15)は、前記剪断ウェブ(14)に対して垂直かつ前記第1の支持壁(3)の方向に延在する第1の側方フランジ(17)を備えており、
前記密閉メンブレン(4,104)により加えられる剪断力を吸収するため、前記第1の側方フランジ(17)は前記迫出し部(19)との間に前記剪断ウェブ(14)を挟む、
請求項1から21までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項23】
前記断熱固定ビーム(11)の前記金属カバー部材(15)は第2の側方フランジ(18)を備えており、
前記第1の側方フランジ(17)と前記第2の側方フランジ(18)とが前記剪断ウェブ(14)を抱え込むと共に前記第1の側方フランジ(17)の方が前記第2の側方フランジ(18)より前記縁部(100)の近くに位置するように、前記第2の側方フランジ(18)は前記剪断ウェブ(14)に対して垂直かつ前記第1の支持壁(3)の方向に延在する、
請求項22記載の貯蔵設備。
【請求項24】
前記密閉断熱タンクは、第1の平坦部と、前記第1の平坦部との間にコーナ部を形成する第2の平坦部と、を有するコルゲートシール部(23)を備えており、
前記第1の平坦部は前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)に密閉するように溶接されると共に、前記第2の平坦部は前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)に密閉するように溶接されており、
前記コルゲートシール部(23)は、前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)と前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)とを密閉するように接続する、
請求項1から23までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項25】
前記密閉メンブレン(4,104)は、前記金属カバー部材(15)に溶接された金属係止ストリップ(88)を備えており、
前記金属プレート(87)のうち1つは前記金属係止ストリップ(88)の一部分に密閉するように溶接され、前記金属シール部(23)は前記金属係止ストリップ(88)の他の一部分に密閉するように溶接されている、
請求項24記載の貯蔵設備。
【請求項26】
前記断熱固定ビーム(11,111)の隣の前記二次断熱パネル(7)は、凹部(91)が設けられた上部プレート(90)を有し、
前記凹部(91)は前記縁部(100)の方向に延在すると共に、前記上部プレート(90)における前記縁部(100)から最近傍の端部に位置し、
前記密閉メンブレン(4,104)に対する平面状の支持面を得るため、前記凹部(91)内に前記金属カバー部材(15)の一端が配置されている、
請求項25記載の貯蔵設備。
【請求項27】
前記密閉断熱タンクはコーナ断熱ブロック(25)を備えており、
前記コーナ断熱ブロック(25)は、前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)と前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)とに沿って前記縁部(100)の位置に配置されており、
前記コーナ断熱ブロック(25)は、前記支持構造の前記縁部(100)の位置における前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)と前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)との連続性を保証するように構成されている、
請求項1から26までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項28】
前記コーナ断熱ブロック(25)は、前記第1の支持壁(3)に対向する第1の面(26)と、前記第2の支持壁(103)に対向する第2の面(27)と、前記コルゲートシール部(23)の前記第1の平坦部に対して支え面を提供するように構成された第3の面(28)と、前記コルゲートシール部(23)の前記第2の平坦部に対して支え面を提供するように構成された第4の面(29)と、を有する、
請求項24を引用する請求項27記載の貯蔵設備。
【請求項29】
前記断熱固定ビーム(11)は上部プレート(40)を備えており、
前記上部プレート(40)は、前記金属カバー部材(15)の下方に位置すると共に前記断熱固定ビーム(11)に沿って延在し、
前記各剪断ウェブ(14)は上縁部にそれぞれ2つの上部ほぞ部(36)を有し、
2つの前記上部ほぞ部(36)は、1つの上部ノッチ(37)を形成するように互いに離隔しており、
前記上部プレート(40)は、前記剪断ウェブ(14)に対して平行に延在する複数の溝(42)を有し、
前記上部プレート(40)の前記溝(42)は、当該上部プレート(40)の当該溝(42)に前記上部ほぞ部(36)を入れて前記剪断ウェブ(14)と前記上部プレート(40)とのほぞ継ぎ組立体を構成すべく前記上部ほぞ部(36)に対して相補的な形状を有する、
請求項1から28までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項30】
前記断熱固定ビーム(11)は下部プレート(41)を備えており、
前記下部プレート(41)は、前記第1の支持壁(3)上に位置すると共に前記断熱固定ビーム(11)に沿って延在し、
前記各剪断ウェブ(14)は下縁部にそれぞれ2つの下部ほぞ部(38)を有し、
2つの前記下部ほぞ部(38)は、1つの下部ノッチ(39)を形成するように互いに離隔しており、
前記下部プレート(41)は、前記剪断ウェブ(14)に対して平行に延在する複数の溝(42)を有し、
前記下部プレート(41)の前記溝(42)は、当該下部プレート(41)の当該溝(42)に前記下部ほぞ部(38)を入れて前記剪断ウェブ(14)と前記下部プレート(41)とのほぞ継ぎ組立体を構成すべく前記下部ほぞ部(38)に対して相補的な形状を有する、
請求項1から29までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項31】
前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)又は前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)は、下壁と、上壁と、前記上壁を前記下壁から距離を置いて維持する構造的な断熱詰め物とを含む複数の断熱パネル(7,107)を有し、
前記下壁は、前記第1の支持壁(3)又は前記第2の支持壁(103)の近傍に配置されており、
前記断熱詰め物は繊維強化ポリマー発泡体から成る、
請求項1から30までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項32】
前記断熱バリアは二次断熱バリア(2,102)であり、前記密閉メンブレンは二次密閉メンブレン(4,104)であり、
前記第1のタンク壁(1)及び前記第2のタンク壁(101)は、前記密閉断熱タンクの厚さの方向に外部から内部に向かって、前記二次密閉メンブレン(4,104)に設けられた一次断熱バリア(5,105)と、前記一次断熱バリア(5,105)に設けられた一次密閉メンブレン(6,106)と、をさらに備えている、
請求項1から31までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項33】
前記一次密閉メンブレン(6,106)は複数のコルゲート状の金属プレートを有し、
前記コルゲート状の金属プレートは繰り返しパターンで並べられて、互いに密閉するように溶接接合されている、
請求項32記載の貯蔵設備。
【請求項34】
前記第1のタンク壁(1)は、前記断熱固定ビーム(11)と前記第1の支持壁(3)との間に配置されたパテの帯状部(49)を有する、
請求項1から33までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項35】
前記密閉メンブレン(24)は、前記縁部(100)に対して垂直又は斜めな長手方向に平行である複数のストレーキを有し、
前記各ストレーキは、前記断熱バリアの上面に配置される平面状の中央部と、前記中央部より前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する2つの隆起縁部と、をそれぞれ有し、
前記ストレーキは繰り返しパターンで並べられて、前記隆起縁部の位置で密閉するように互いに溶接接合されている、
請求項1から34までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項36】
前記剪断ウェブ(14)は、前記縁部(100)に対して垂直な向きの中央部(51)と、前記中央部(51)に対して垂直に延在する2つの周部(52)と、を有し、
前記周部(52)は互いに平行であり、前記中央部(51)を抱え込む、
請求項1から35までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項37】
前記周部(52)は、前記第1の支持壁(3)に対して平行に延在する下部ソールプレート(252)及び上部ソールプレート(252)を有し、
全ての前記剪断ウェブ(14)の前記下部ソールプレート(252)が連続的又は不連続的な底壁を形成し、前記上部ソールプレート(252)が連続的又は不連続的なカバー壁を形成する、
請求項36記載の貯蔵設備。
【請求項38】
前記周部(52)は、前記第1の支持壁(3)に対して垂直に延在する前方ソールプレート(152)及び後方ソールプレート(152)を有し、
全ての前記剪断ウェブ(14)の前記前方ソールプレート(152)が、前記縁部(100)とは反対側を向いた連続的又は不連続的な前壁を形成し、全ての前記剪断ウェブ(14)の前記後方ソールプレート(152)が、前記縁部(100)の方を向いた連続的又は不連続的な後壁を形成する、
請求項36記載の貯蔵設備。
【請求項39】
前記断熱固定ビーム(11)は、前記第1の支持壁(3)に配置される平面部(54)と、2つの側方フランジ(55)と、を有する底部材(53)を備えており、
前記側方フランジ(55)は前記剪断ウェブ(14)を抱え込み、前記剪断ウェブ(14)に対して平行に前記金属カバー部材(15)の方向へ延在し、
前記側方フランジ(55)は係止手段によって、前記縁部(100)の方向における前記断熱固定ビーム(11)の両端に形成された2つの剪断ウェブ(14)である端部剪断ウェブ(56)の中央部(51)に固定されている、
請求項1から38までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項40】
前記底部材(53)は、前記側方フランジ(55)のうち1つに固定された少なくとも1つの支え部材(57)を備えており、
前記支え部材(57)は前記端部剪断ウェブ(56)のうち1つから突出しており、
前記係止手段はフック形成装置を備えており、
前記フック形成装置は前記支え部材(57)に配置され、前記断熱固定ビーム(11)を前記第1の支持壁(3)に固定するように構成されている、
請求項39記載の貯蔵設備。
【請求項41】
前記底部材(53)は金属又は複合材料から作製されている、
請求項39又は40記載の貯蔵設備。
【請求項42】
前記金属カバー部材(15)は2つの内側フランジ(58)を備えており、
前記内側フランジ(58)は前記金属カバー部材(15)の前記平面部(16)の端部において延在すると共に、前記第1の側方フランジ(17)と前記第2の側方フランジ(18)とに対して平行であり、
前記内側フランジ(58)は前記剪断ウェブ(14)の前記前方ソールプレート(152)と前記後方ソールプレート(152)との間に配置されており、
前記第1の側方フランジ(17)と前記第2の側方フランジ(18)とが前記剪断ウェブ(14)の前記前方ソールプレート(152)と前記後方ソールプレート(152)とを抱え込み、
前記第1の側方フランジ(17)は固定手段(60)を用いて前記内側フランジ(58)のうち一方に固定されると共に、前記第2の側方フランジ(18)は固定手段(60)を用いて前記内側フランジ(58)のうち他方に固定されている、
請求項23を引用する請求項39記載の貯蔵設備。
【請求項43】
前記断熱固定ビームは第1の断熱固定ビーム(11)であり、前記迫出し部は第1の迫出し部(19)であり、
前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)は、前記縁部(100)に対して垂直又は斜めな長手方向に対して平行である複数のストレーキ又は複数の金属プレートを有し、
前記各ストレーキは、前記断熱バリア(102)の上面に配置される平面状の中央部と、前記中央部より前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する2つの隆起縁部と、をそれぞれ有し、
前記ストレーキは繰り返しパターンで並べられて、前記隆起縁部の位置で密閉するように互いに溶接接合されており、
前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)は第2の断熱固定ビーム(111)を備えており、
前記第2の断熱固定ビーム(111)の上面(13)は、当該上面(13)と前記第2の支持壁(103)との間に配置された複数の剪断ウェブ(14)によって前記第2の支持壁(103)から距離をおいて維持され、
前記剪断ウェブ(14)は、前記縁部(100)に対して垂直な向きであり、
前記第2の断熱固定ビーム(111)は、前記剪断ウェブ(14)間に配置された断熱詰め物を備えており、
前記第2の断熱固定ビーム(111)はさらに、前記上面(13)を形成する平面部(16)を有する金属カバー部材(15)も備えており、
前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)の端縁は、前記金属カバー部材(15)の前記平面部(16)に溶接されており、
前記支持構造は、前記第2の支持壁(103)から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する第2の迫出し部(119)を有し、
前記第2の迫出し部(119)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有し、
前記第2の迫出し部(119)は、前記第2の断熱固定ビーム(111)における前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って配置され、前記第1のタンク壁(1)から離れていく方向における前記第2の断熱固定ビーム(111)の運動を制限する迫出しを形成する、
請求項1から42までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項44】
二重船殻(72)と、請求項1から43までのいずれか1項記載の貯蔵設備(71)とを備えた低温液体製品の輸送用の船舶(70)であって、
前記二重船殻の一部が前記貯蔵設備の前記支持構造となる
ことを特徴とする船舶(70)。
【請求項45】
低温液体製品用の移送システムであって、
請求項44記載の船舶(70)と、
前記船舶の前記二重船殻内に設置された前記密閉断熱タンク(71)を浮体式又は陸上貯蔵設備(77)に接続するように配置された断熱パイプ(73,79,76,81)と、
前記断熱パイプを介して前記浮体式若しくは陸上貯蔵設備から前記船舶の前記密閉断熱タンクへ又は前記密閉断熱タンクから前記浮体式若しくは陸上貯蔵設備への低温液体製品の流れを駆動するためのポンプと、
を備えていることを特徴とする移送システム。
【請求項46】
請求項44記載の船舶(70)の積込み又は揚げ荷を行う方法であって、
浮体式若しくは陸上貯蔵設備(77)から前記船舶の前記密閉断熱タンク(71)へ又は前記密閉断熱タンク(71)から浮体式若しくは陸上貯蔵設備(77)へ、断熱パイプ(73,79,76,81)を介して低温液体製品を送ることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉断熱メンブレンタンクの分野に関するものである。本発明は特に、液化ガスを低温で貯蔵及び/又は輸送するための密閉断熱タンクの分野に関し、例えば液化石油ガス(LPG)を-50℃~0℃等の温度で輸送するためのタンク又は液化天然ガス(LNG)を約-162℃かつ大気圧で輸送するためのタンク等に関するものである。かかるタンクは、陸上又は浮体構造物に設置することができる。浮体構造物の場合、タンクは、当該浮体構造物の推進用燃料として用いられる液化ガスの輸送用又は収容用とすることができる。
【背景技術】
【0002】
仏国特許出願公開第2549575号明細書に、船舶の支持構造に組み込まれる密閉断熱タンクが記載されており、この密閉断熱タンクは二次断熱バリアと、二次密閉メンブレンと、一次断熱バリアと、一次密閉メンブレンとを備えている。密閉メンブレンは、複数の金属プレートを互いに溶接したものにより構成されている。密閉メンブレンは接続リングを用いて、タンクのコーナ部において支持構造に固定される。よって、メンブレンと船舶の船殻との間で力の伝達を可能にし、これによりタンクの全体構造を硬くするため、各接続リングは支持構造に固定されると共に密閉メンブレンにも固定される。
【0003】
LNGの積込み時や荷揚げ時には、タンクの充填状態及び温度の変化がタンクのメンブレンに高い応力をかける。また、海上輸送時にも同様に、船舶の運動がタンクのバリアに大きな力をかける。タンクの密閉特性や断熱特性の劣化を防ぐため、少なくとも二次密閉メンブレンが接続構造を用いてコーナ部の位置で支持構造に係止されている。
【0004】
接続リングは特に、密閉メンブレンを構成する金属プレートの熱収縮、船殻の変形、及びタンクの充填状態に起因する引張力の吸収を可能にする。
【0005】
接続リングは、一部の金属プレートが第1のタンク壁の密閉メンブレンに接続され、他の金属プレートが第2のタンク壁の密閉メンブレンに接続されるように、複数の金属プレートを互いに組み立てたものから構成される。よって、仏国特許出願公開第2549575号明細書に記載の接続リングにより、密閉メンブレンにより形成される平面内での密閉メンブレンと支持構造との金属プレートを用いた接続が可能になる。
【0006】
従ってこの種の構造では、タンクのコーナ部の位置で二次断熱バリアをコーナリングの金属プレートが横切ることとなり、これにより密閉メンブレンと支持構造との間に熱橋現象が生じる。
【0007】
仏国特許出願公開第2798358号明細書にも、船舶の支持構造に組み込まれる密閉断熱タンクであって接続リングを備えた密閉断熱タンクが記載されている。同文献では、接続リングは複数の金属カプラにより構成されており、これにより密閉メンブレンを支持構造に固定することができる。仏国特許出願公開第2798358号明細書に記載のカプラも、同第2549575号明細書と同様に、密閉メンブレンにより形成された平面内における密閉メンブレンと支持構造との接続を可能にするものである。この接続を行うため、カプラも断熱バリアを横切る。上記と同様に、この接続カプラも、密閉メンブレンと支持構造との間に熱橋現象を発生させる。その上、カプラの取り付けは極めて複雑である。
【0008】
本発明は、従来技術のシステムにおいて直面する問題を解消することを目的とする。
【発明の概要】
【0009】
本発明の背景にある1つの思想は、断熱バリアの断熱性を改善するために支持構造への密閉メンブレンの固定を改良することである。
【0010】
本発明の背景にある他の1つの思想は、支持構造への密閉メンブレンの固定を簡素化することである。
【0011】
本発明は一実施形態では、支持構造と、当該支持構造に配置された密閉断熱タンクと、を備えた液化ガス用の貯蔵設備を提供し、前記密閉断熱タンクは、前記支持構造の第1の支持壁に固定された第1のタンク壁と、前記支持構造の第2の支持壁に固定された第2のタンク壁と、を少なくとも備えており、前記各タンク壁はそれぞれ、少なくとも1つの密閉メンブレンと少なくとも1つの断熱バリアとを備えており、前記断熱バリアは前記密閉メンブレンと前記支持構造との間に配置されており、前記第1の支持壁は縁部に沿って前記第2の支持壁との間にコーナ部を形成し、前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンは複数の金属プレートを有し、前記第1のタンク壁の前記断熱バリアは、前記第1の支持壁に係止された断熱固定ビームを備えており、前記断熱固定ビームの上面は、当該上面と前記第1の支持壁との間に配置された複数の剪断ウェブによって前記第1の支持壁から距離をおいて維持され、前記剪断ウェブは、前記縁部に対して垂直な向きであり、前記断熱固定ビームは、前記剪断ウェブ間に配置された断熱詰め物を備えており、前記断熱固定ビームはさらに、前記上面を形成する平面部を有する金属カバー部材も備えており、前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンの端縁は、前記金属カバー部材の前記平面部に溶接されており、前記支持構造は、前記第1の支持壁から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する迫出し部を有し、前記迫出し部は、前記縁部に対して平行に延在する長さを有し、前記迫出し部は、前記断熱固定ビームにおける前記縁部とは反対側の縁部に沿って配置され、前記第2のタンク壁から離れていく方向における前記断熱固定ビームの運動を制限する迫出しを形成する。
【0012】
上記構成により、金属カバー部材を用いて断熱バリアの断熱固定ビームにタンクの密閉メンブレンが直接固定され、従来技術とは対照的に、密閉メンブレンを支持構造に直接接続する金属部材が無いようにする。従って、断熱固定ビームを用いて密閉メンブレンを支持構造に固定することは、断熱バリアを横切る金属部材を回避して断熱バリアの断熱の改善を図れる簡単な手段である。さらに、剪断ウェブによって断熱固定ビームがより高強度となり、特に、海にうねりが生じることによる船舶の船殻の運動に応じた密閉メンブレンの伸縮や船舶のビームの伸びに起因する剪断力に対する耐性が高くなる。かかる剪断力は、金属カバー部材と第1の迫出し部とを利用して断熱固定ビームに伝達される。その上、上面によって密閉メンブレンの定着を保証することができる。
【0013】
複数の実施形態では、上述のような貯蔵設備は下記の構成のうち1つ又は複数を具備することができる。
【0014】
一実施形態では、前記タンクは、第1の平坦部と、前記第1の平坦部との間にコーナ部を形成する第2の平坦部と、を有する金属シール部を備えており、前記第1の平坦部は前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンに密閉するように溶接されると共に、前記第2の平坦部は前記第2のタンク壁の前記密閉メンブレンに密閉するように溶接されており、前記コルゲートシール部は、前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンと前記第2のタンク壁の前記密閉メンブレンとを密閉するように接続し、前記第1の平坦部は前記断熱固定ビームの金属カバー部材によって支持されている。
【0015】
一実施形態では、前記金属カバー部材は、支持部を有する平板状の金属プレートを有し、前記支持部は、当該支持部の一端が前記断熱バリアにおける前記断熱固定ビームの隣の断熱パネルに位置するように、前記密閉メンブレンの方向と前記縁部から離れていく方向とに前記剪断ウェブから突出している。
【0016】
一実施形態では、前記平板状の金属プレートにおける前記縁部の方向の寸法は、2つの隣り合う前記剪断ウェブ間の離隔距離と等しく、前記平板状の金属プレートは、当該2つの隣り合う剪断ウェブ間に延在するように配置されている。
【0017】
一実施形態では、前記剪断ウェブは、ポリマー樹脂及び繊維を含む複合材料から作製されている。
【0018】
一実施形態では、前記繊維の少なくとも一部は、前記タンク壁の厚さの方向を基準として±45°の角度で配向している。かかる構成により、良好な耐剪断性の累積を図ることができ、例えば、繊維が同一方向に配向されたタンク壁の厚さ方向における良好な耐牽引性を図ることができる。
【0019】
一実施形態では、前記断熱固定ビームは、第1角度鉄フランジと、前記第1角度鉄フランジに接続された第2角度鉄フランジと、を含む固定角度鉄部を備えており、前記第2角度鉄フランジは前記剪断ウェブのうち1つに固定されており、前記第1角度鉄フランジは前記金属カバー部材に溶接されている。
【0020】
一実施形態では、前記断熱固定ビームは、第1角度鉄フランジと、前記第1角度鉄フランジに接続された第2角度鉄フランジと、を含む固定角度鉄部を備えており、前記第2角度鉄フランジは前記剪断ウェブのうち1つに固定されており、前記第1角度鉄フランジは少なくとも1つの固定開口を有し、前記金属カバー部材の固定開口と前記第1角度鉄フランジの前記固定開口とを跨ぐ固定具を用いて前記平板状の金属プレートに前記第1角度鉄フランジを固定すべく、前記第1角度鉄フランジの前記固定開口は前記金属カバー部材の前記固定開口と一致する。
【0021】
一実施形態では、前記第2角度鉄フランジは前記剪断ウェブのうち1つに接着されている。
【0022】
一実施形態では、前記第2角度鉄フランジは前記第1角度鉄フランジから遠位の一端に、前記接着剤における応力を制限するためのベベル部を有する。
【0023】
一実施形態では、前記断熱固定ビームはクリートを有し、前記クリートは、前記剪断ウェブにおける前記縁部に対して垂直な面に固定され、前記金属カバー部材に対して平行に延在し、前記クリートは本体部と、前記本体部の相反対側に設けられた上方延在部及び下方延在部と、を有し、前記本体部と、前記上方延在部と、前記下方延在部とは、前記剪断ウェブに固定されており、前記上方延在部及び下方延在部によりクリート固定面積を拡大することができ、前記クリートは、当該クリートの長さにわたって分布している係止スタッドを用いて前記支持構造に固定されており、前記係止スタッドは、前記クリートの前記本体部の上面に挟持力を加える。
【0024】
一実施形態では、前記上方延在部及び下方延在部は剪断ウェブに接着されており、前記上方延在部及び下方延在部によりクリート接着面積を拡大することができる。
【0025】
一実施形態では、上記の固定部又は接着部における応力を制限するため、前記上方延在部は前記本体部から離れていく方向に厚さが減少していくようにベベル加工されている。
【0026】
一実施形態では、前記剪断ウェブは前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームに沿って規則的に分布している。
【0027】
一実施形態では、前記剪断ウェブのうち第1の剪断ウェブと、前記第1の剪断ウェブに直接隣接する第2の剪断ウェブと、の間の距離は、340mm未満である。
【0028】
一実施形態では、前記剪断ウェブの厚さは5~25mmである。
【0029】
一実施形態では、前記剪断ウェブは合板、木材、複合材料、又は、十分な剛性を有すると共に剛性に対する熱伝導率の比率が抑えられている他の任意の材料等の材料により作製されている。
【0030】
一実施形態では、前記断熱固定ビームは第1の断熱固定ビームであり、前記迫出し部は第1の迫出し部であり、前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンは、前記縁部に対して垂直又は斜めな長手方向に対して平行である複数のストレーキ又は複数の金属プレートを有し、前記各ストレーキは、前記断熱バリアの上面に押し付ける平面状の中央部と、前記中央部より前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する2つの隆起縁部と、をそれぞれ有し、前記ストレーキは繰り返しパターンで並べられて、前記隆起縁部の位置で密閉するように互いに溶接接合されており、前記第2のタンク壁の前記断熱バリアは第2の断熱固定ビームを備えており、前記第2の断熱固定ビームの上面は、当該上面と前記第2の支持壁との間に配置された複数の剪断ウェブによって前記第2の支持壁から距離をおいて保持され、前記剪断ウェブは、前記縁部に対して垂直な向きであり、前記第2の断熱固定ビームは、前記剪断ウェブ間に配置された断熱詰め物を備えており、前記第2の断熱固定ビームはさらに、前記上面を形成する平面部を有する金属カバー部材も備えており、前記第2のタンク壁の前記密閉メンブレンの端縁は、前記金属カバー部材の前記平面部に溶接されており、前記支持構造は、前記第2の支持壁から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する第2の迫出し部を有し、前記第2の迫出し部は、前記縁部に対して平行に延在する長さを有し、前記第2の迫出し部は、前記第2の断熱固定ビームにおける前記縁部とは反対側の縁部に沿って配置され、前記第1のタンク壁から離れていく方向における前記第2の断熱固定ビームの運動を制限する迫出しを形成する。
【0031】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は前記第1の断熱固定ビーム及び/又は前記第2の断熱固定ビームの前記金属カバー部材は、前記剪断ウェブに対して垂直かつ前記第1の支持壁又は前記第2の支持壁の方向に延在する第1の側方フランジを備えており、前記密閉メンブレンにより加えられる剪断力を吸収するため、前記第1の側方フランジは前記迫出し部又は第1の迫出し部及び/若しくは第2の迫出し部との間に前記剪断ウェブを挟む。
【0032】
上記構成により、第1の側方フランジは密閉メンブレンから到来した力の断熱固定ビームへの伝達の改善を図ることができ、特に、例えばLNG積込み時の冷却に起因する熱収縮の際又は船舶のビームの伸びの際の引張の断熱固定ビームへの伝達の改善を図ることができる。
【0033】
一実施形態では、前記縁部を形成する2つの壁の断熱固定ビームの金属カバー部材が実際に接合するため、前記断熱固定ビームの前記金属カバー部材は、当該断熱固定ビームの金属カバー部材の平面部に沿った第3の平面状のフランジであって前記縁部の方向に延在する第3の平面状のフランジを備えている。
【0034】
よって、2つの壁の断熱固定ビームの金属カバー部材は、コーナ部における密閉メンブレンの定着を保証する。
【0035】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームの前記金属カバー部材は第2の側方フランジを備えており、前記第1の側方フランジと前記第2の側方フランジとが前記剪断ウェブを抱え込むと共に前記第1の側方フランジの方が前記第2の側方フランジより前記縁部の近くに位置するように、前記第2の側方フランジは前記剪断ウェブに対して垂直かつ前記第1の支持壁又は第2の支持壁の方向に延在する。
【0036】
上記構成により、第2の側方フランジも第1の側方フランジと同様、密閉メンブレンから到来した力の断熱固定ビームへの伝達の改善を図ることができる。さらに、側方フランジは剪断ウェブを抱え込むことにより、力の吸収を妨げ得る剪断ウェブまわりでの金属カバー部材の回転を阻止することができる。
【0037】
一実施形態では、第1の側方フランジ及び/又は第2の側方フランジは金属カバー部材の平面部に接続され、好適には、第1の側方フランジ及び第2の側方フランジが平面部に両端部の位置で接続されている。
【0038】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームは外側座屈防止部を有し、前記外側座屈防止部は前記縁部の方向に前記剪断ウェブを延長すると共に、前記金属カバー部材から前記第1の支持壁又は第2の支持壁を離す方向の寸法の一部にわたって延在し、前記外側座屈防止部は、固定手段を用いて前記第1の支持壁及び/又は第2の支持壁に固定されている。
【0039】
一実施形態では、前記支持構造は、前記第1の支持壁から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する追加の迫出し部又は第1の追加の迫出し部を備えており、前記追加の迫出し部又は第1の追加の迫出し部は、前記縁部に対して平行に延在する長さを有し、前記追加の迫出し部又は第1の追加の迫出し部は、前記断熱固定ビーム又は第1の断熱固定ビームにおける前記縁部の隣の縁部に沿って配置され、前記迫出し部又は第1の迫出し部の方向とは逆方向における前記断熱固定ビーム又は第1の断熱固定ビームの運動を制限する迫出しを形成する。
【0040】
一実施形態では、前記支持構造は、前記第2の支持壁から前記密閉断熱タンクの内側の方向に突出する第2の追加の迫出し部を備えており、前記第2の追加の迫出し部は、前記縁部に対して平行に延在する長さを有し、前記第2の追加の迫出し部は、前記第2の断熱固定ビームにおける前記縁部の隣の縁部に沿って配置され、前記第2の迫出しバーの方向とは逆方向における前記第2の断熱固定ビームの運動を制限する迫出しを形成する。
【0041】
一実施形態では、前記密閉断熱タンクは、第1の平坦部と、前記第1の平坦部との間にコーナ部を形成する第2の平坦部と、を有するコルゲートシール部又は非コルゲートシール部を備えており、前記第1の平坦部は前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンに密閉するように溶接されると共に、前記第2の平坦部は前記第2のタンク壁の前記密閉メンブレンに密閉するように溶接されており、タンクのコーナ部の位置において連続する密閉メンブレンを形成するため、前記コルゲートシール部は、前記第1のタンク壁の前記密閉メンブレンと前記第2のタンク壁の前記密閉メンブレンとを密閉するように接続する。
【0042】
一実施形態では、前記密閉メンブレンは、前記金属カバー部材に溶接された金属係止ストリップを備えており、前記金属プレートのうち1つは前記金属係止ストリップの一部分に密閉するように溶接され、前記金属シール部は前記金属係止ストリップの他の一部分に密閉するように溶接されている。
【0043】
一実施形態では、前記断熱固定ビームの隣の前記二次断熱パネルは、凹部が設けられた上部プレートを有し、前記凹部は前記縁部の方向に延在すると共に、前記上部プレートの前記縁部の最近傍の端部に位置し、前記密閉メンブレンに対する平面状の支持面を得るため、前記凹部内に前記金属カバー部材の一端が配置されている。
【0044】
一実施形態では、前記密閉断熱タンクはコーナ断熱ブロックを備えており、前記コーナ断熱ブロックは、前記第1のタンク壁の前記断熱バリアと前記第2のタンク壁の前記断熱バリアとに沿って前記縁部の位置に配置されており、前記コーナ断熱ブロックは、前記支持構造の前記縁部の位置における前記第1のタンク壁の前記断熱バリアと前記第2のタンク壁の前記断熱バリアとの連続性を保証するように構成されている。
【0045】
一実施形態では、前記コーナ断熱ブロックは、前記第1の支持壁に対向する第1の面と、前記第2の支持壁に対向する第2の面と、前記コルゲートシール部の前記第1の平坦部に対して支え面を提供するように構成された第3の面と、前記コルゲートシール部の前記第2の平坦部に対して支え面を提供するように構成された第4の面と、を有する。
【0046】
一実施形態では、コルゲートシール部は金属コルゲートシール部である。
【0047】
一実施形態では、前記コルゲートシール部の少なくとも1つのコルゲーション又は各コルゲーションが、前記縁部に対して平行に延在する。
【0048】
一実施形態では、前記第1の断熱固定ビーム及び/又は前記第2の断熱固定ビームは前記コーナ断熱ブロックと並んでいる。
【0049】
一実施形態では、前記迫出し部又は第1の迫出し部及び/若しくは第2の迫出し部は迫出しバー又は第1の迫出しバー及び/若しくは第2の迫出しバーを有し、前記迫出しバー又は第1の迫出しバー及び/若しくは第2の迫出しバーは、前記断熱固定ビーム又は第1の断熱固定ビーム及び/若しくは第2の断熱固定ビームの前記縁部に対して平行に、前記断熱固定ビーム又は第1の断熱固定ビーム及び/若しくは第2の断熱固定ビームの前記縁部とは反対側の縁部に沿って連続して延在する。
【0050】
一実施形態では、前記追加の迫出し部又は第1の追加の迫出し部及び/若しくは第2の追加の迫出し部は追加の迫出しバー又は第1の追加の迫出しバー及び/若しくは第2の追加の迫出しバーを有し、前記追加の迫出しバー又は第1の追加の迫出しバー及び第2の追加の迫出しバーは、前記断熱固定ビームの前記縁部に対して平行に、前記第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームに沿って前記断熱固定ビームの前記縁部の隣の縁部に沿って連続して延在する。
【0051】
一実施形態では、前記迫出し部又は第1の迫出し部及び/若しくは第2の迫出し部は複数の迫出しラグ又は複数の第1の迫出しラグ及び/若しくは複数の第2の迫出しラグを有し、前記迫出しラグ又は第1の迫出しラグ又は第2の迫出しラグは、前記断熱固定ビーム又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームの縁部とは反対側の縁部に沿って規則的な間隔をおいて配置されている。
【0052】
一実施形態では、前記追加の迫出し部又は第1の迫出し部及び/若しくは第2の追加の迫出し部は複数の追加の迫出しラグ又は複数の第1の追加の迫出しラグ及び/若しくは複数の第2の追加の迫出しラグを有し、前記追加の迫出しラグ又は第1の追加の迫出しラグ及び/若しくは第2の追加の迫出しラグは、前記断熱固定ビーム又は第1の断熱固定ビーム又は第2の断熱固定ビームの前記縁部の隣の縁部に沿って規則的な間隔をおいて配置されている。
【0053】
一実施形態では、前記追加の迫出し部又は第1の追加の迫出し部及び/若しくは第2の追加の迫出し部は、前記外側座屈防止部を前記第1の支持壁に固定するように構成されたフック形成装置を備えており、前記フック形成装置は前記固定手段を構成する。
【0054】
一実施形態では、前記迫出しラグのうち1つ又は前記追加の迫出しラグのうち1つがフックの形態をとり、フック形成装置を形成する。
【0055】
一実施形態では、前記迫出しバーのうち1つ又は前記追加の迫出しバーのうち1つがフックの形態をとり、フック形成装置を形成する。
【0056】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームは内側座屈防止部を有し、前記内側座屈防止部は、前記縁部から離れていく方向に前記剪断ウェブを延長すると共に、前記金属カバー部材から前記第1の支持壁又は第2の支持壁を離す方向の寸法の一部にわたって延在し、前記内側座屈防止部は、固定手段を用いて前記第1の支持壁及び/又は第2の支持壁に固定されており、前記迫出し部又は第1の迫出し部は、前記内側座屈防止部を前記第1の支持壁に固定するように構成されたフック形成装置又は第1のフック形成装置を備えている。
【0057】
これにより、密閉メンブレンが外側座屈防止部と反対方向に断熱固定ビームに大きな力をかけた場合、内側座屈防止部によって断熱固定ビームの変形又は座屈も防止することができる。
【0058】
一実施形態では、前記固定手段は、前記外側座屈防止部又は前記内側座屈防止部を前記支持構造に固定するスタッドを備えており、前記スタッドの第1端が前記支持構造に係止され、前記スタッドにおける前記第1端とは反対側の第2端には、前記外側座屈防止部又は前記内側座屈防止部に直接的又は間接的に取り付けられるナットが設けられている。例えば、スタッドは外側座屈防止部若しくは内側座屈防止部を完全に横切ることができ、又は外側座屈防止部若しくは内側座屈防止部の隣に配置することができる。
【0059】
一実施形態では、固定手段は前記ナットと前記外側座屈防止部又は内側座屈防止部との間に配置された補強プレートを備えており、これにより、前記ナットの挟持力が補強プレートの表面に対応する表面に伝播するように構成されている。
【0060】
一実施形態では、前記外側座屈防止部及び/又は内側座屈防止部は、前記剪断ウェブを延長した部分によって形成されている。
【0061】
一実施形態では、前記外側座屈防止部は、前記縁部に対して平行に延在する第1の側方バーを有し、前記第1の側方バーは、前記剪断ウェブの側面に押し付けられる壁を有する。
【0062】
一実施形態では、前記内側座屈防止部は、前記縁部に対して平行に延在する第2の側方バーを有し、前記第2の側方バーは、前記剪断ウェブの他の側面に押し付けられる壁を有し、前記第1の側方バーと前記第2の側方バーとは前記剪断ウェブを抱え込む。
【0063】
一実施形態では、前記迫出しラグ若しくは前記第1の迫出しラグのうち少なくとも1つ及び/又は前記第2の迫出しラグのうち少なくとも1つが、前記第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームの下面に対して平行な平面内に延在する第1のラグ部分を有し、第1のラグ部分は前記内側座屈防止部と重なり合う。
【0064】
一実施形態では、前記迫出しラグ若しくは第1の迫出しラグのうち少なくとも1つ及び/又は前記第2の迫出しラグのうち少なくとも1つは、前記第1のラグ部分に対して直交すると共に前記剪断ウェブに対して直交する平面内に延在する第2のラグ部分を備えている。
【0065】
一実施形態では、前記追加の迫出しラグ若しくは前記第1の追加の迫出しラグのうち少なくとも1つ及び/又は前記第2の追加の迫出しラグのうち少なくとも1つは、前記第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームの下面に対して平行な平面内に延在する第2のラグ部分を有し、前記第1のラグ部分は前記外側座屈防止部と重なり合う。
【0066】
一実施形態では、前記追加の迫出しラグ若しくは前記第1の追加の迫出しラグのうち少なくとも1つ及び/又は前記第2の追加の迫出しラグのうち少なくとも1つは、前記第1のラグ部分に対して直交すると共に前記剪断ウェブに対して直交する平面内に延在する第2のラグ部分を備えている。
【0067】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は前記第1の断熱固定ビーム及び/又は前記第2の断熱固定ビームは上部プレートを備えており、前記上部プレートは、前記金属カバー部材の下方に位置すると共に前記断熱固定ビーム及び/又は前記第1の断熱固定ビーム及び/又は前記第2の断熱固定ビームに沿って延在し、前記各剪断ウェブは上縁部にそれぞれ2つの上部ほぞ部を有し、2つの前記上部ほぞ部は、1つの上部ノッチを形成するように互いに離隔しており、前記上部プレートは、前記剪断ウェブに対して平行に延在する複数の溝を有し、前記上部プレートの前記溝は、当該上部プレートの当該溝に前記上部ほぞ部を入れて前記剪断ウェブと前記上部プレートとのほぞ継ぎ組立体を構成すべく前記上部ほぞ部に対して相補的な形状を有する。
【0068】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームはN個の剪断ウェブを有し、ここでNは自然数の整数であり、Nは好適には3以上であり、好適には5以上である。
【0069】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームは下部プレートを備えており、前記下部プレートは、前記第1の支持壁上に位置すると共に前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームに沿って延在し、前記各剪断ウェブは下縁部にそれぞれ2つの下部ほぞ部を有し、2つの前記下部ほぞ部は、1つの下部ノッチを形成するように互いに離隔しており、前記下部プレートは、前記剪断ウェブに対して平行に延在する複数の溝を有し、前記下部プレートの前記溝は、当該溝に前記下部ほぞ部を入れて前記剪断ウェブと前記下部プレートとのほぞ継ぎ組立体を構成すべく前記下部ほぞ部に対して相補的な形状を有する。
【0070】
一実施形態では、前記上部プレート及び/又は下部プレートは2N個の溝を有し、これにより、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームの各上部ほぞ部及び/又は各下部ほぞ部がそれぞれ前記上部プレート及び/又は下部プレートの前記溝のうち1つに入れられるように構成されている。
【0071】
一実施形態では、前記第1のタンク壁の前記断熱バリア及び/又は前記第2のタンク壁の前記断熱バリアは、下壁と、上壁と、前記上壁を前記下壁から距離を置いて維持する構造的な断熱詰め物とを含む複数の断熱パネルを有し、前記下壁は、前記第1の支持壁及び/又は前記第2の支持壁の近傍に配置されており、前記断熱詰め物は繊維強化ポリマー発泡体から成る。
【0072】
一実施形態では、前記断熱バリアは二次断熱バリアであり、前記密閉メンブレンは二次密閉メンブレンであり、前記第1のタンク壁及び前記第2のタンク壁は、前記密閉断熱タンクの厚さの方向に外部から内部に向かって、前記二次密閉メンブレンに設けられた一次断熱バリアと、前記一次断熱バリアに設けられた一次密閉メンブレンと、をさらに備えている。
【0073】
一実施形態では、前記一次密閉メンブレンは複数のコルゲート状の金属プレートを有し、前記コルゲート状の金属プレートは繰り返しパターンで並べられて、互いに密閉するように溶接接合されている。
【0074】
一実施形態では、前記密閉メンブレン又は二次密閉メンブレンは鉄及びニッケルの合金により作製されており、当該合金は0.5×10-6~2×10-6K-1の熱膨張係数を有する。
【0075】
一実施形態では、前記一次密閉メンブレンはステンレス鋼により作製されている。
【0076】
一実施形態では、金属カバー部材はステンレス鋼又は高マンガン含有率の鉄ベースの合金により作製されている。
【0077】
一実施形態では、コルゲートシール部は二次密閉メンブレンと同一の材料により作製されており、好適には、0.5×10-6~2×10-6K-1の熱膨張係数を有する鉄及びニッケルの合金により作製されている。
【0078】
一実施形態では、前記断熱固定ビーム及び/又は第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームの断熱詰め物は、パーライト、ガラスウール、発泡体、又は他の任意の適切な断熱材料により作製されている。
【0079】
一実施形態では、一次断熱バリアは少なくとも1つの一次コーナ断熱パネルを備えており、当該一次コーナ断熱パネルは、カプラを用いて前記第1の断熱固定ビーム及び/又は第2の断熱固定ビームに固定されている。
【0080】
一実施形態では、前記第1のタンク壁及び/又は第2のタンク壁は、前記第1の断熱固定ビームと前記第1の支持壁との間又は前記第1の断熱固定ビームと前記第1の支持壁との間及び/若しくは前記第2の断熱固定ビームと前記第2の支持壁との間に配置されたパテの帯状部を有する。
【0081】
一実施形態では、前記パテの帯状部は前記支持構造に付着している。
【0082】
一実施形態では、前記密閉メンブレンは、前記縁部に対して垂直又は斜めな長手方向に平行である複数のストレーキを有し、前記各ストレーキは、前記断熱バリアの上面に配置される平面状の中央部と、前記中央部より前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する2つの隆起縁部と、をそれぞれ有し、前記ストレーキは繰り返しパターンで並べられて、前記隆起縁部の位置で密閉するように互いに溶接接合されている。
【0083】
一実施形態では、前記断熱固定ビームは下面すなわち前記第1の支持壁の方を向いた面を有し、前記下面は連続的に、例えば底壁の形態で作製することができ、又は不連続的に、例えば剪断ウェブの下縁部表面又は下部ソールプレートによって作製することができる。
【0084】
一実施形態では、前記剪断ウェブは、前記縁部に対して垂直な向きの中央部と、前記中央部に対して垂直に延在する2つの周部と、を有し、前記周部は互いに平行であり、前記中央部を抱え込む。
【0085】
一実施形態では、前記周部は、前記第1の支持壁に対して平行に延在する下部ソールプレート及び上部ソールプレートを有し、全ての前記剪断ウェブの前記下部ソールプレートが連続的又は不連続的な底壁を形成し、全ての前記剪断ウェブの前記上部ソールプレートが連続的又は不連続的なカバー壁を形成する。
【0086】
一実施形態では、前記周部は、前記第1の支持壁に対して垂直に延在する前方ソールプレート及び後方ソールプレートを有し、全ての前記剪断ウェブの前記前方ソールプレートが、前記縁部とは反対側を向いた連続的又は不連続的な前壁を形成し、全ての前記剪断ウェブの前記後方ソールプレートが、前記縁部の方を向いた連続的又は不連続的な後壁を形成する。
【0087】
一実施形態では、前記断熱固定ビームは、前記第1の支持壁に配置される平面部と、2つの側壁と、を有する底部材を備えており、前記側壁は前記剪断ウェブを抱え込み、前記剪断ウェブに対して平行に前記金属カバー部材の方向へ延在し、前記側方フランジは固定手段によって、前記縁部の方向における前記断熱固定ビームの両端に形成された2つの剪断ウェブである端部剪断ウェブの中央部に固定されている。
【0088】
一実施形態では、前記底部材は、前記側方フランジのうち1つに固定された少なくとも1つの支え部材を備えており、前記支え部材は前記端部剪断ウェブのうち1つから突出しており、前記係止手段はフック形成装置を備えており、前記フック形成装置は前記支え部材に配置され、前記断熱固定ビームを前記第1の支持壁に固定するように構成されている。
【0089】
一実施形態では、前記支え部材は前記底部材の側方フランジの一端に固定されている。
【0090】
一実施形態では、前記支え部材は、端部剪断ウェブを挟むように前記側方フランジのうち1つに固定されている。
【0091】
一実施形態では、前記底部材は金属又は複合材料から作製されている。
【0092】
一実施形態では、前記金属カバー部材は2つの内側フランジを備えており、前記内側フランジは前記平面部の端部において延在すると共に、前記第1の側方フランジと前記第2の側方フランジとに対して平行であり、前記内側フランジは前記剪断ウェブの前記周部間に配置されており、前記第1の側方フランジと前記第2の側方フランジとが前記剪断ウェブの前記周部を抱え込み、前記第1の側方フランジは固定手段を用いて前記内側フランジのうち一方に固定されると共に、前記第2の側方フランジは固定手段を用いて前記内側フランジのうち他方に固定されている。
【0093】
一実施形態では、1つの内側フランジは、前記縁部の方向に互いに離隔された複数のフランジ部分を含み、1つの剪断ウェブ又は1つの剪断ウェブの前記本体部は2つの隣り合うフランジ部分間に配置されている。
【0094】
上述のような貯蔵設備は、例えばLNG貯蔵用の陸上貯蔵設備、又は浮体式、沿岸若しくは深海貯蔵設備、とりわけメタンタンカー船、浮体式貯蔵再ガス化設備(FSRU)、浮体式生産貯蔵積出施設(FPSO)等とすることができる。かかる貯蔵設備は、いかなる種類の船舶においても燃料タンクとして用いることも可能である。
【0095】
一実施形態では、低温液体製品の輸送用の船舶が二重船殻と、上記の貯蔵設備と、を備えており、前記二重船殻の一部が前記貯蔵設備の前記支持構造となる。
【0096】
一実施形態では、本発明は低温液体製品用の移送システムも提供し、前記移送システムは上述の船舶と、前記船舶の前記二重船殻内に設置された前記密閉断熱タンクを浮体式又は陸上貯蔵設備に接続するように配置された断熱パイプと、前記断熱パイプを介して前記浮体式若しくは陸上貯蔵設備から前記船舶の前記密閉断熱タンクへ又は前記密閉断熱タンクから前記浮体式若しくは陸上貯蔵設備への低温液体製品の流れを駆動するためのポンプと、を備えている。
【0097】
一実施形態では、本発明はさらに、上述の船舶の積込み又は揚げ荷を行う方法も提供し、浮体式若しくは陸上貯蔵設備から前記船舶の前記密閉断熱タンクへ又は前記密閉断熱タンクから浮体式若しくは陸上貯蔵設備へ、断熱パイプを介して低温液体製品を送る。
【0098】
添付の図面を参照して非限定的な例示として提供されている以下の本発明の特定の実施形態の説明を読めば、本発明をより良好に理解することができると共に、本発明の他の目的、詳細、構成及び利点をより良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】第1の実施形態の2つのタンク壁により形成されたコーナ部の位置におけるタンクの断面図である。
【
図2】第2の実施形態の2つのタンク壁により形成されたコーナ部の位置におけるタンクの断面図である。
【
図3】第3の実施形態の2つのタンク壁により形成されたコーナ部の位置におけるタンクの断面図である。
【
図4】第1の実施形態の2つのタンク壁により形成されたコーナ部の斜視図であり、同図では第1の断熱固定ビーム及び第2の断熱固定ビームのみを示している。
【
図5】第4の実施形態の迫出し部が設けられた断熱固定ビームの概略的な正面図である。
【
図6】第4の実施形態の断熱固定ビームの概略的な斜視図である。
【
図7】第5の実施形態の2つのタンク壁により形成されたコーナ部の概略的な斜視図であり、同図では第1の断熱固定ビーム及び第2の断熱固定ビームのみを示している。
【
図8】第6の実施形態の断熱固定ビームの分解図である。
【
図9】第7の実施形態の断熱固定ビームの概略的な斜視図である。
【
図10】第8の実施形態の断熱固定ビームの斜視図であり、同図では金属カバー部材が剪断ウェブから離されている。
【
図11】第9の実施形態の断熱固定ビームの斜視図であり、同図では金属カバー部材が剪断ウェブから離されている。
【
図12】第10の実施形態の断熱固定ビームの分解図である。
【
図13】第10の実施形態の断熱固定ビームの斜視図である。
【
図14】第11の実施形態の断熱固定ビームの分解図である。
【
図15】第11の実施形態の断熱固定ビームの斜視図である。
【
図16】第5の実施形態の断熱固定ビームの分解図である。
【
図17】第5の実施形態の断熱固定ビームの斜視図である。
【
図18】第12の実施形態の2つのタンク壁により形成されたコーナ部の概略的な斜視図であり、特に第1の断熱固定ビーム及び第2の断熱固定ビームを示す図である。
【
図20】第12の実施形態の断熱固定ビームの斜視図である。
【
図21】第12の実施形態の断熱固定ビームの正面図である。
【
図22】液化ガス用の貯蔵設備を備えたメタンタンカー船と、当該貯蔵設備の積込み/揚げ荷を行うターミナルと、を概略的に示す抜粋図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
慣例により、地球の重力場との関係におけるタンク壁の方向に関係なく、「上」又は「上方」又は「上部」とはタンクの内部に近い位置を意味し、「下」又は「下方」又は「下部」とは支持構造に近い位置を意味する。
【0101】
図1では、例えば液化天然ガス(LNG)等の液化ガスの貯蔵用の密閉断熱タンクの2つのタンク壁1及び101の多層構造を示している。各タンク壁1,101は、厚さの方向にタンクの外部から内部に向かって順に、支持壁3,103に固定された二次断熱バリア2,102と、二次断熱バリア2,102に対して設けられた二次密閉メンブレン4,104と、二次密閉メンブレン4,104に対して設けられた一次断熱バリア5,105と、タンクに収容された液化天然ガスと接触する一次密閉メンブレン6,106と、を有する。
【0102】
支持構造は特に、船舶の船殻又は二重船殻によって構成することができる。支持構造は複数の支持壁3,103を備えており、これらの支持壁3,103はタンクの全体形状、通常は多角形を定める。これら2つの支持壁3及び103は縁部100の位置で、二面角を成すように連結しており、この二面角は種々の値をとり得る。同図では90°の角度が示されている。
【0103】
二次断熱バリア2,102は、コーナゾーンの外側に複数の二次断熱パネル7,107を有し、これらの二次断熱パネル7,107は、自明のリテーナ部品(不図示)を用いて支持壁3,103に固定されている。
【0104】
二次断熱パネル7,107は底板とカバー板と、場合によっては中間板とを有し、これらは例えば合板により作製されている。二次断熱パネル7,107は断熱ポリマー発泡体の一層又は複数層も備えており、これは底板とカバー板と、該当する場合には中間板との間に挟まれると共に、これらに接着されている。断熱ポリマー発泡体は特に、ポリウレタンベースの発泡体とすることができ、この発泡体はオプションとして繊維により強化されたものである。
【0105】
各二次密閉メンブレン4,104は、縁部が隆起した金属ストレーキの連続した一層を有する。これらのストレーキはその隆起縁部で、平行な溶接サポートに溶接され、これらの溶接サポートは、二次断熱パネル7,107のカバー板に形成された溝内に固定されている。ストレーキは例えば、膨張係数が典型的には1.2×10-6~2×10-6K-1である鉄とニッケルとの合金であるインバー(登録商標)により作製されたものである。膨張係数が典型的には7×10-6~9×10-6K-1のオーダである鉄とマンガンとの合金を用いることも可能である。
【0106】
一次断熱バリア5,105は複数の一次断熱パネル8,108を有し、これらの一次断熱パネル8,108は種々の自明の構造で作製することができる。
【0107】
一次密閉メンブレン6,106は種々の態様で作製することができる。
図1では一次密閉メンブレン6,106は、互いに垂直な2つのコルゲーション列を特徴とするプレートの連続した層を有する。第1のコルゲーション列9,109は縁部100に対して垂直に延在する。第2のコルゲーション列10,110は縁部100に対して平行に延在する。これら2つのコルゲーション列の間隔は規則的とすることができ、又は不規則で周期的な間隔とすることができる。
【0108】
以下、特に
図1及び
図2を参照して、2つのタンク壁1及び101間の接合部の位置におけるタンクの二次要素の構造について詳細に説明する。
【0109】
第1のタンク壁1の二次密閉メンブレン4は第1の断熱固定ビーム11を用いて、第2のタンク壁101の二次密閉メンブレン104は第2の断熱固定ビーム111を用いて、タンクのコーナ部の位置すなわち2つの支持壁3,103が連結する縁部100付近で、支持構造にそれぞれ固定されている。
【0110】
これにより、第1のタンク壁1の二次断熱バリア2は縁部100付近に第1の断熱固定ビーム11を備え、第2のタンク壁101の二次断熱バリア102は縁部100付近に第2の断熱固定ビーム111を備え、第1の断熱固定ビーム11及び第2の断熱固定ビーム111は二次断熱パネル7,107と連続する。
【0111】
第1の断熱固定ビーム11は第1の支持壁3に、第2の断熱固定ビーム111は第2の支持壁103にそれぞれ固定され、また、縁部100に対して平行な長さを有する。各断熱固定ビーム11,111は、支持壁3,103に対向する下面12と、上面13とを有し、上面13は複数の剪断ウェブ14によって下面12から距離をおいて保持されている。
【0112】
剪断ウェブ14は、上面と下面との間に位置する平板であり、その向きは縁部100に対して垂直にされている。各断熱固定ビーム11,111は、例えばガラスウール又はパーライト又は発泡体のブロック等の断熱詰め物を剪断ウェブ14間に有する。剪断ウェブ14は、
図4及び
図6において分かるように断熱固定ビーム11,111に沿った方向に規則的に分布している。
【0113】
各断熱固定ビーム11,111は、上面13の高さに上部プレート40も有し、これにより剪断ウェブ14の上部分を互いに固定することができる。また、各断熱固定ビーム11,111は下面12の高さに下部プレート41も有し、これにより剪断ウェブ14の下部分を互いに固定することができる。
【0114】
図1及び
図2において分かるように、断熱固定ビーム11,111は金属カバー部材15を備えており、金属カバー部材15は、上面13に対向する平面部16と、ウェブ14における縁部100の隣の縁部に当たって剪断ウェブ14に対して垂直に延在し、下面12の方向に延在する第1の側方フランジ17と、ウェブ14における縁部100とは反対側の縁部に当たって剪断ウェブ14に対して垂直に延在し、下面12の方向に延在する第2の側方フランジ18と、を備えている。金属カバー部材15の平面部16には、二次密閉メンブレン4,104の一端縁が溶接されている。
【0115】
第1の側方フランジ17及び第2の側方フランジ18は、平面部16の両端部の位置で平面部16に接続されている。これにより、金属カバー部材15は断熱固定ビーム11,111の3面に当たることとなり、これによって二次密閉メンブレン4,104から断熱固定ビーム11,111へ引張力/圧縮力が伝達される。
【0116】
支持構造は第1の迫出し部19を備えており、第1の迫出し部19は第1の支持壁3からタンクの内部に向かって突出すると共に、縁部100に対して平行に延在する長さを有する。第1の迫出し部19は第1の断熱固定ビーム11における縁部100とは反対側の縁部に沿って配置され、第1のタンク壁1の二次密閉メンブレン4のストレーキの長手方向における第1の断熱固定ビーム11の運動を制限する迫出しを形成するように構成されている。支持構造はまた第1の追加の迫出し部20も備えており、第1の追加の迫出し部20は第1の支持壁3からタンクの内部に向かって突出すると共に、縁部100に対して平行に延在する長さを有する。第1の追加の迫出し部は第1の断熱固定ビーム11における縁部100の隣の縁部に沿って配置され、第1の迫出し部19から離れていく方向における第1の断熱固定ビーム11の運動を制限する迫出しを形成するように構成されている。これにより、第1の迫出し部19及び追加の迫出し部20は、二次密閉メンブレン4のストレーキの長手方向における第1の断熱固定ビーム11の直線運動を阻止する。
【0117】
また、支持構造は、第2の支持壁103から突出する第2の迫出し部119及び第2の追加の迫出し部120を備えており、これらは、第2の密閉メンブレン104のストレーキの長手方向における第2の断熱固定ビーム111の直線運動を阻止する。
【0118】
図1に示されている第1の実施形態及び
図2に示されている第2の実施形態では、第1の迫出し部19は第1の迫出しバー30を有し、第1の迫出しバー30は縁部100に対して平行に、第1の断熱固定ビーム11における縁部100とは反対側の縁部に沿って連続的に延在し、第1の追加の迫出し部20は第1の追加の迫出しバー31を有し、第1の追加の迫出しバー31は縁部100に対して平行に、第1の断熱固定ビーム11における縁部100の隣の縁部に沿って連続的に延在する。第2の迫出し部119も同様に第2の迫出しバー130を有し、第2の迫出し部120は第2の追加の迫出しバー131を有する。
【0119】
さらに、第1の実施形態及び第2の実施形態に示されているように、断熱固定ビーム11,111はそれぞれ外側座屈防止部21を有し、この外側座屈防止部21は下面12を縁部100の方向に延長したものであり、下面12と上面13とを離隔する寸法の一部にわたって延在する。外側座屈防止部は固定手段47を用いて支持構造に固定されている。
【0120】
これにより、支持構造を省略した
図4において分かるように、外側座屈防止部21は剪断ウェブ14を延長した部分43によって、すなわち、金属カバー部材15の下方で本体部からはみ出したウェブ14の部分によって形成される。さらに、上述の延長部分43の下に下部プレート41を配置するため、下部プレート41を延長部分43と同一方向に延長することもできる。本実施形態では、固定手段47はスタッドにより構成されており、当該スタッドの第1端が支持構造に係止されると共に当該スタッドにおける第1端とは反対側の第2端にナットが取り付けられるように、スタッドは外側座屈防止部21を完全に横切る。固定手段47は、ナットと外側座屈防止部21との間に配置された補強プレートも備えており、これによりナットの挟持力が補強プレートの表面全部に行き渡って、断熱固定ビーム11,111が支持構造に固定される。
【0121】
図示されていない一実施形態では、断熱固定ビーム11,111は上述の延長部分43によって形成された内側座屈防止部22も備えることができ、内側座屈防止部22は、下面12を外側座屈防止部21から離れていく方向に延長したものであり、下面12と上面13とを離隔させる寸法の一部にわたって延在する。
【0122】
タンク壁1,101により形成された二面角の位置で二次密閉メンブレン4,104を接続するため、金属シール部23が固定されるようになっており、金属シール部23は第1の平坦部と、当該第1の平坦部との間に上述の二面角の角度に等しい角度を形成する第2の平坦部と、を有する。タンクのコーナ部の位置において連続した密閉メンブレンを形成するため、第1の平坦部は第1のタンク壁1の二次密閉メンブレン4に密閉するように溶接され、第2の平坦部は第2のタンク壁101の二次密閉メンブレン104に密閉するように溶接されている。
【0123】
図1に示されている実施形態では、第1のタンク壁1の固定手段47は第2のタンク壁101の二次密閉メンブレン104及び二次断熱バリア102と整列しないように、縁部100から側方にずれており、これにより、タンクの組立ての際に支持構造に外側座屈防止部21を固定しやすくなる。第2のタンク壁101の固定手段47についても同様のことが当てはまる。
【0124】
第1の座屈防止部21を固定するために上述のようにずらすことにより、断熱固定ビーム11,111がずれ、これにより二次密閉メンブレン4,104間の連結部23のサイズが増加する。
【0125】
よって、第1の実施形態ではタンクはコーナ断熱ブロック25を備えており、コーナ断熱ブロック25は、第1のタンク壁1の二次断熱バリア2と第2のタンク壁101の二次断熱バリア102とに沿って縁部100の位置に配置されている。コーナ断熱ブロック25は、第1の支持壁3に対向する第1の面26と、第2の支持壁103に対向する第2の面27と、金属シール部23の第1の平坦部に対して支え面となるように構成された第3の面28と、金属シール部23の第2の平坦部に対して支え面となるように構成された第4の面29と、を有する。よってコーナ断熱ブロック25は、側方のずれに応じてサイズを大きくすれば、金属シール部23が支持されない状態にならないようにこれを支持するために供される。
【0126】
図1に示されているように、固定手段47の固定を可能にするため、コーナ断熱ブロック25と断熱固定ビーム11,111との間にスペースが存在する。しかし固定後には、二次断熱バリア2,102の断熱特性が劣化しないように、上述のスペースには断熱詰め物48が詰められる。
【0127】
さらに、第1の実施形態の金属シール部23は、その第1の平坦部に外向きのコルゲーション24を設けると共に、第2の平坦部に外向きのコルゲーション24を設けて作製され、これらのコルゲーション24は、コーナ断熱ブロック25と断熱固定ビーム11,111との間のスペースの位置に設けられ、これによりコルゲート状の金属シール部23が形成される。コルゲーション24によって特に、二次密閉メンブレン4,104における引張力を吸収することができる。
【0128】
図5は第3の実施形態を示しており、第3の実施形態が
図1の第1の実施形態と相違する点は、金属シール部23の形状である。本実施形態では金属シール部23は、内部に向かって凹んだコルゲーション24を第1の平坦部と第2の平坦部とに有し、これによりコルゲート状の金属シール部23が形成される。
【0129】
図1は、二面角のコーナ部の位置における第1のタンク壁1の一次断熱バリア5と第2のタンク壁101の一次断熱バリア105との連結も示している。同図から分かるように、タンクは一次コーナ断熱ブロック50を備えており、一次コーナ断熱ブロック50はカプラ46によって第1の断熱固定ビーム11に固定されると共に、カプラ46によって第2の断熱固定ビーム111に固定されている。
【0130】
図2に示されている第2の実施形態が第1の実施形態に対して特に相違する点は、固定手段47が縁部100に対して側方にずれていないことである。これにより本実施形態では、第1の断熱固定ビーム11の外側座屈防止部21の固定手段47は第2のタンク壁101の二次密閉メンブレン104と整列している。第2の断熱固定ビーム111についても同様のことが当てはまる。上記構成により、第2の実施形態の金属シール部23は断熱固定ビーム11,111の金属カバー部材15によって十分に支持される。よって、第2の実施形態は二次断熱バリア2,102の連結部にコーナブロックを備えていない。これにより、本実施形態において縁部100の位置において断熱固定ビーム11,111間に配置されるのは、断熱詰め物48のみとなる。
【0131】
図5及び
図6は、断熱固定ビーム11,111及び迫出し部19,20,119,120の第4の実施形態を示す。
【0132】
図5において分かるように、本実施形態では各断熱固定ビーム11,111はそれぞれ外側座屈防止部21と内側座屈防止部22とを備えている。ここで、外側座屈防止部21は第1の側方バー44を有し、第1の側方バー44は縁部に対して平行に延在し、剪断ウェブ14の側面に対して固定された壁を有する。内側座屈防止部22も同様に第2の側方バー45を有し、これにより第1の側方バー44と第2の側方バー45とが剪断ウェブ14を抱え込むように構成される。
【0133】
さらに、第4の実施形態では、迫出し部19,119は複数の迫出しラグ32,132を有し、これらの迫出しラグ32,132は、各断熱固定ビーム11,111における縁部100とは反対側の縁部に沿った方向に規則的な間隔をおいて配置されている。追加の迫出し部20,120も同様に複数の追加の迫出しラグ33,133を有し、これらの追加の迫出しラグ33,133は、各断熱固定ビーム11,111における縁部100の隣の縁部に沿った方向に規則的な間隔をおいて配置されている。
【0134】
図5において分かるように、迫出しラグ32,132は、断熱固定ビーム11,111の下面12に対して平行な平面内に延在する第1のラグ部分34を有し、第1のラグ部分34は内側座屈防止部22と重なり合う。さらに、追加の迫出しラグ33,133は、断熱固定ビーム11,111の下面12に対して平行な平面内に延在する第1のラグ部分34を有し、この第1のラグ部分34は外側座屈防止部21と重なり合う。迫出しラグ32,132及び追加の迫出しラグは、第1のラグ部分34に対して直交すると共に剪断ウェブ14に対して直交する平面内に延在する第2のラグ部分35を有する。第2のラグ部分35は支持壁3,103に固定されている。これにより迫出しラグはフック形成係止装置を構成し、このフック形成係止装置により断熱固定ビーム11,111を支持構造に固定することができる。
【0135】
図6は、第4の実施形態の上部プレート40と下部プレート41と剪断ウェブ14とを組み立てた状態を示す。
【0136】
同図において分かるように、剪断ウェブ14は上縁部に2つの上部ほぞ部36を有し、これらの上部ほぞ部36は、上部ノッチ37を形成するように互いに離隔している。上部プレート40は自己の一部として、剪断ウェブ14に対して平行に延在する複数の溝42を有し、上部プレート40の溝42は、当該溝42に上部ほぞ部36を入れて剪断ウェブ14と上部プレート40とのほぞ継ぎ組立体を構成すべく上部ほぞ部36に対して相補的な形状を有する。よって、上部プレート40は、上部ノッチ37に入れられた剪断ウェブ14を跨ぐこととなる。
【0137】
また、剪断ウェブ14はその下縁部にも同様に2つの下部ほぞ部38を有し、これらの下部ほぞ部38は下部ノッチ39を形成するように互いに離隔している。下部プレート41は自己の一部として、剪断ウェブ14に対して平行に延在する複数の溝42を有し、下部プレート41の溝42は、当該溝42に下部ほぞ部38を入れて剪断ウェブ14と下部プレート41とのほぞ継ぎ組立体を構成すべく下部ほぞ部38に対して相補的な形状を有する。よって、下部プレート41は、下部ノッチ39に入れられた剪断ウェブ14を跨ぐこととなる。
【0138】
上部プレート40と下部プレート41と剪断ウェブ14との上述の組立体により、断熱固定ビーム11,111における剪断力の伝達の改善を図ることができる。
【0139】
図7に示されている第5の実施形態が第1の実施形態に対して特に相違する点は、断熱固定ビーム11,111のまさに構造である。本実施形態では、金属カバー部材への剪断ウェブの固定は異なっている。その上、本実施形態では断熱固定ビーム11,111は底部材53を備えている。
図16及び
図17を参照して本実施形態を詳細に説明する。
【0140】
図示されていない一実施形態では、金属カバー部材15は平面状の追加のフランジを有することができ、この平面状の追加のフランジは金属カバー部材15の平面部16に沿って形成されており、縁部100の方向に延在する。よって、第1の断熱固定ビーム11の平面状の追加のフランジは、両端のうち一端が第2のタンク壁101の密閉メンブレン104に沿って又は当該密閉メンブレン104付近に配置されるように延在することができる。第2の断熱固定ビーム111の平面状の追加のフランジも同様に、両端のうち一端が第1のタンク壁1の密閉メンブレン4に沿って又は当該密閉メンブレン104付近に配置されるように延在することができる。よって、追加のフランジは特に、タンクの縁部の位置における密閉メンブレンに対する定着面の機能を有し、特にシール部23を定着させる機能を有する。
【0141】
以下では、縁部の方向における断熱固定ビーム11,111の両端に形成された2つの剪断ウェブ14を「端部剪断ウェブ56」という。
【0142】
図8は、断熱固定ビーム11,111の第6の実施形態を示す。本実施形態の金属カバー部材15が第1の実施形態の金属カバー部材と類似する点は、平面部16と、平面部16の第1端に配置された第1の側方フランジ17と、平面部16の第2端に配置された第2の側方フランジ18と、を有することであり、金属カバー部材15はここでは1つのピースとして形成されている。
【0143】
図8において分かるように、剪断ウェブ14,56は、第1の実施形態と同様、縁部に対して垂直な向きの中央部51を有する。しかし本実施形態では、剪断ウェブ14,56は2つのソールプレート52も有し、これらのソールプレート52は中央部51に対して垂直に延在する。下部及び上部ソールプレート252は互いに平行であり、中央部51を抱え込む。端部剪断ウェブ56の中央部51は下部分に、断熱固定ビーム11,111の外部に向かって突出する段部61を有する。この段部61により、フック形成係止装置を用いて、当該段部61を覆いつつ断熱固定ビーム11,111を支持構造に固定することができる。
【0144】
図8の第6の実施形態では、ソールプレート52は第1の支持壁3に対して平行に延在して、下部及び上部ソールプレート252を形成する。これにより、剪断ウェブ14,56の下側の両面に配置された下部ソールプレート252が、金属カバー部材15に対して平行な1つの連続する底壁を形成する。図示されていない実施形態では、その表面は不連続とすることができる。両面に配置された上部ソールプレート252も同様に、1つの連続したカバー壁を形成する。
【0145】
図9は、断熱固定ビーム11,111の第7の実施形態を示す。本実施形態は第6の実施形態と非常に似ている。本実施形態では、断熱固定ビーム11,111は剪断ウェブ14,56を備えており、これらの剪断ウェブ14,56は2つずつで1つのピースに形成されることにより、剪断ウェブ14,56の方向に延在する剪断チューブを形成する。これらの剪断チューブは互いに固定されることにより断熱固定ビーム11,111を構成する。
【0146】
図10は断熱固定ビーム11,111の第8の実施形態を示す。断熱固定ビーム11,111の構造は第6の実施形態の構造と似ている。本実施形態では、ソールプレート52の向きのみが異なる。ソールプレート52は第1の支持壁3に対して垂直に延在することにより前方及び後方ソールプレート152となる。これにより、剪断ウェブ14,56における縁部100とは反対側に両側に配置された前方ソールプレート152は、金属カバー部材15に対して垂直な1つの連続した前壁となる。後方ソールプレート152も同様に、1つの連続した後壁となる。図示されていない一実施形態では、これらの壁は不連続な壁とすることができる。
【0147】
図11は、断熱固定ビーム11,111の第9の実施形態を示す。本実施形態が第8の実施形態と相違する点は、剪断ウェブ14,56の数である。本実施形態では、断熱固定ビーム11,111は2つの端部剪断ウェブ56のみを備えており、これにより箱状の断熱固定ビーム11,111が構成される。
【0148】
図12及び
図13は、断熱固定ビーム11,111の第10の実施形態を示す。本実施形態では、剪断ウェブ14,56は第8の実施形態と同様に形成されているが、第10の実施形態がこれまでの実施形態と相違する点は、底部材53が存在することと、金属カバー部材15の構造が異なること、である。金属カバー部材15は2つの内側フランジ58を備えており、これらは平面部16の両端から第1の側方フランジ17と第2の側方フランジ18とに対して平行に延在する。これらの内側フランジ58は剪断ウェブ14の前方ソールプレート152と後方ソールプレート152との間に配置されるので、各内側フランジ58が各ソールプレート52の内面に当たることとなる。
【0149】
さらに、内側フランジ58は複数のフランジ部分59を含み、これらのフランジ部分59は縁部100の方向において互いに離隔されて、2つの隣り合うフランジ部分59間に1つの剪断ウェブ14,56が配置される。本実施形態では、第1の側方フランジ17及び第2の側方フランジ18は、例えばナット-ボルト型等の固定手段60を用いて前方及び後方ソールプレート52を介してプレートを内側フランジ58に固定したものにより形成されている。図中の実施形態では、各側方フランジ17,18を構成するプレートはそれぞれ、2つの隣り合うソールプレート52の連結部の位置において内側フランジ58の各フランジ部分59に固定されている。
【0150】
図12及び
図13の第10の実施形態では、底部材53は金属底部材53であり、これは、断熱固定ビーム11,111の下面12となる平面部54を有する。底部材53はまた2つの側方フランジ55も備えており、これらは剪断ウェブ14,56に対して平行に金属カバー部材15に向かって延在する。ここでは、側方フランジ55は端部剪断ウェブ56の中央部51の内面に当たる。さらに、側方フランジ55は例えばナット-ボルト型等の複数の固定手段60を用いて、端部剪断ウェブ56の中央部51に固定されている。ここでは、各側方フランジ55はそれぞれ、互いに離隔した2つの側方フランジ部分55によって構成されている。
【0151】
底部材53は、側方フランジ55に固定された支え部材57も備えており、各支え部材57はそれぞれ、両端部剪断ウェブ56の本体部51のうち1つから断熱固定ビーム11,111の外部に向かって突出する。支え部材57は上部支え面を有し、この上部支え面により、フック形成係止装置を用いて断熱固定ビーム11,111を支持構造に固定できると共に上部支え面を覆う。
【0152】
本実施形態では、支え部材57は穴の開いた厚いプレート57であり、各プレート57にはそれぞれ、1つの側方フランジ55を固定するために供される1つの固定手段60が通される。この厚いプレート57は、端部剪断ウェブ56の中央部51の外面に固定される。
【0153】
図14及び
図15は、断熱固定ビーム11,111の第11の実施形態を示す。本実施形態は第2の実施形態に非常に似ており、本実施形態が第2の実施形態と相違する点は、底部材53の特定の構成のみである。本実施形態では、底部材53は複合材料により作製されている。各側方フランジ55はそれぞれ平面部54の一端に配置され、剪断ウェブ14,56の方向における底部材53の全寸法にわたって延在する。ここでは側方フランジ55は、端部剪断ウェブ56の中央部51の外面に当たる。本実施形態では支え部材57は、断熱固定ビーム11,111の外部に向かって突出させるように側方フランジ55に対して直交する方向に側方フランジ55を延長させた側方フランジ延長部である。上記のように、支え部材は、断熱固定ビーム11,111を支持構造に固定するための上部支え面を有する。
【0154】
図10~15の実施形態では、端部剪断ウェブ56の前方及び後方ソールプレート152は、中央部51よりも断熱固定ビーム11,111の外部に向かって突出していない。つまり、端部剪断ウェブ56のソールプレート52は、中央部51から隣の剪断ウェブ14に向かう方向にしか延在していない。
【0155】
図16及び
図17は、
図7に示した断熱固定ビーム11,111の第5の実施形態の細部図である。第5の実施形態は
図14及び
図15の第11の実施形態と似ており、第5の実施形態が第11の実施形態と相違する点は、端部剪断ウェブ56の前方及び後方ソールプレート152のみである。
図10~15の実施形態とは対照的に、端部剪断ウェブ56のソールプレート52は縁部100の方向に中央部51を完全に跨ぐ。これにより本実施形態では、支え部材57は端部剪断ウェブ56の中央部51から突出するが、当該端部剪断ウェブ56のソールプレート52ほどの距離には突出しない。この分離により、係止装置をより収容しやすくなる。
【0156】
一部の実施形態では、
図1において分かるように、支持構造の凹凸をならすため、支持構造と断熱固定ビーム11,111との間にパテの帯状部49が設けられている。さらに、あらゆる組立遊びを補償するため、迫出し部19,119と断熱固定ビーム11,111との間や追加の迫出し部20,120と断熱固定ビーム11,111との間にも、パテの帯状部49を設けることもできる。
【0157】
図18~21は、断熱固定ビーム11,111の第12の実施形態を示す。第12の実施形態が、
図7に示されている第5の実施形態に対して特に相違する点は、断熱固定ビーム11,111のまさに構造そのものである。本実施形態では、金属カバー部材15への剪断ウェブ14の固定は異なる。さらに、金属カバー部材15と、支持構造に固定するための部材の設計も異なる。
【0158】
図18は特に、貯蔵設備の他の部材への断熱固定ビーム11,111の組み付けを示していている。
【0159】
図20において分かるように、特に、各断熱固定ビーム11,111はそれぞれ複数の剪断ウェブ14と、剪断ウェブ14間に設けられた断熱詰め物62と、2つの隣り合う剪断ウェブ14間において下部プレート12の高さに設けられた下部プレート41と、剪断ウェブ14の上面の高さにおいて2つの隣り合う剪断ウェブ14をそれぞれ接続する複数の金属カバー部材15と、を備えている。
【0160】
金属カバー部材15は平板状の金属プレート63を有し、金属プレート63には、これを完全に貫通する固定開口64が設けられている。固定開口64は、金属カバー部材15を1つの剪断ウェブ14に固定する例えばナット-ボルト型等の固定具47を通せるように構成されている。平板状の金属プレート63の縁部100の方向における寸法は、2つの隣り合う剪断ウェブ14に沿って配置して固定するため、当該2つの隣り合う剪断ウェブ14間の間隔に等しくなっている。平板状の金属プレート63は支持部65を有し、
図19及び
図21において分かるように、支持部65は、当該支持部65の端部が隣の断熱パネル7に位置するように、二次密閉メンブレン4の方向であって縁部100から離れていく方向に剪断ウェブ14から突出している。支持部65により、断熱固定ビーム11,111と当該断熱固定ビーム11,111の隣の二次断熱パネル7との間に、二次密閉メンブレン4を支えることができる。支持部65の端部は、例えばナット-ボルト型等の固定具47を通せるように構成された固定開口64も有し、これにより金属カバー部材15を隣の二次断熱パネル7に固定することができる。しかし、金属カバー部材15を隣の二次断熱パネル7に固定する構成はオプションである。というのも、金属カバー部材15の支持部65を単に隣の二次断熱パネル7に載せることも可能であるからである。
【0161】
さらに、金属カバー部材15はリム66を有することもでき、
図18に示されているように、リム66は平板状の金属プレート63に接続され、剪断ウェブ14における縁部100から近い一面に向かって支持構造の方向に延在する。
【0162】
本実施形態では、剪断ウェブ14は繊維強化複合材料により作製されており、繊維99は
図20に略示されているように±45°に配向されている。断熱固定ビーム11,111は固定角度鉄部67を備えており、固定角度鉄部67は第1角度鉄フランジ68と、当該第1角度鉄フランジ68に接続された第2角度鉄フランジ69とを有し、これらは直角鉄部を構成する。第2角度鉄フランジ69は1つの剪断ウェブ14の上部分に接着されている。固定具47を用いて第1角度鉄フランジ68を平板状の金属プレート63に固定するため、第1角度鉄フランジ68にはその一部として、金属カバー部材15の開口64と一致する固定開口64が設けられている。これにより、2つの隣り合う剪断ウェブ14と、金属カバー部材15と、下部プレート41とが平行六面体の箱を構成し、この箱の内部に角度鉄部67が2つの上部コーナ部の位置に配置される。接着剤における応力を抑えるため、
図21において分かるように、第2角度鉄フランジ69は第1角度鉄フランジ68から遠位の端部にベベル部82を有する。
【0163】
図示されていない他の一実施形態では、平板状の金属プレート63は第1角度鉄フランジ68に溶接されることによりこれに固定され、これにより、平板状の金属プレート63及び第1角度鉄フランジ68は、互いに固定するための固定開口64を有する必要がなくなる。しかし他の一実施形態では、溶接を行う場合にも、平板状の金属プレート63及び第1角度鉄フランジ68は引き続き、固定を行うための固定開口64をさらに有する。
【0164】
断熱固定ビーム11,111は、各剪断ウェブ14における固定角度鉄部67の位置とは反対側の片面にクリート83を備えており、クリート83は迫出し部19,119から追加の迫出し部20,120に向かう方向に延在する。クリート83は本体部84と、当該本体部84の両側に設けられた上方延在部85及び下方延在部86と、を有する。本体部84と上方延在部85と下方延在部86とは剪断ウェブ14に接着され、上方延在部85及び下方延在部86によりクリート83の接着面積を拡大することができる。上方延在部85は、接着剤における応力を抑えるため、本体部84から離れていく方向に厚さを減少させるようにベベル加工されている。
【0165】
クリート83により、当該クリート83の長さにわたって分布する係止スタッド92を用いて断熱固定ビーム11,111を支持構造に固定することができ、係止スタッド92の数は例えば、
図18に示されているように2つである。クリート83を定位置に固定して剪断ウェブ14を支持構造に固定するため、係止スタッド92には例えば、クリート83の本体部84の上面に当たるクランププレートが設けられる。
【0166】
二次密閉メンブレン4のストレーキの長手方向における断熱固定ビーム11,111の運動を制限するため、断熱固定ビーム11,111は迫出し部19,119と追加の迫出し部20,120との間に配置される。各迫出し部19,119はそれぞれ迫出しバー30,130を有し、迫出しバー30,130は縁部100に対して平行に、断熱固定ビーム11,111における縁部100とは反対側の縁部に沿って連続的に延在する。各追加の迫出し部20,120はそれぞれ追加の迫出しバー31,131を有し、追加の迫出しバー31,131は縁部100に対して平行に、断熱固定ビーム11,111における縁部100とは反対側の縁部に沿って連続的に延在する。
【0167】
図示されていない他の一実施形態では、迫出し部19,119はU字形の迫出し部材を有し、迫出し部材は、縁部100に対して平行に、断熱固定ビーム11,111における縁部100とは反対側の縁部に沿って延在する中央部と、中央部に接続されて縁部100に対して垂直に縁部100に向かって延在し、係止スタッド92のうち1つに固定される第1の分岐部と、中央部における第1の分岐部とは反対側に接続されて縁部100に対して垂直に縁部100に向かって延在し、係止スタッド92のうち1つに固定される第2の分岐部と、を有する。これにより、迫出し部材は係止スタッド92に固定されることにより、縁部100の方向において両側で断熱固定ビーム11,111を抱え込む。
【0168】
図18を再度参照すると、第1の実施形態と同様に、タンク壁1,101によって形成された二面角の位置において二次密閉メンブレン4,104を接続するため、第1の平坦部と第2の平坦部とを有する金属シール部23が固定されるようになっており、第1の平坦部と第2の平坦部とは、上記の二面角の角度に等しいコーナ部を形成する。さらに、金属シール部23はその第1の平坦部と第2の平坦部とに、内側に向かって凹んだコルゲーション24を有し、これによりコルゲート状の金属シール部23を形成する。これらのコルゲーション24は、金属シール部23のうち断熱固定ビーム11,111によって支えられていない部分に設けられ、金属シール部23のこの部分は、
図18に示されているように、金属シール部23に対して相補的な形状の表面を有するコーナ断熱ブロック25によって支えられる。
【0169】
しかし、第1の実施形態とは対照的に、金属シール部23は、二次密閉メンブレン4,104の端部金属ストレーキ87に直接には接続されていない。この第12の実施形態では、二次密閉メンブレン4,104は金属係止ストリップ88を有し、金属係止ストリップ88は金属カバー部材15の支持部65に溶接される。その後、端部金属ストレーキ87が金属係止ストリップ88の一部に密閉するように溶接され、金属シール部23が金属係止ストリップ88の他の一部に密閉するように溶接される。このシール部は、ストリップ88の一部を覆うための遠位部分89を有することができる。
【0170】
図示されていない他の一実施形態では、金属シール部23を金属カバー部材15に密閉するように直接溶接すると共に、端部金属ストレーキ87を金属係止ストリップ88の一部に密閉するように溶接する。このようにして、本実施形態では金属シール部23に遠位部分89を設ける必要がなくなる。図示されていない他の一実施形態では、金属シール部23及び端部金属ストレーキ87を金属カバー部材15に密閉するように直接溶接し、これにより金属カバー部材15の一部が二次密閉メンブレン4の延長部として機能するように構成する。よって、本実施形態では金属係止ストリップ88を設ける必要がなくなる。
【0171】
断熱固定ビーム11,111の隣の二次断熱パネル7は特に、上部プレート90と、断熱発泡体のブロックと、下部プレートと、を備えている。上部プレート90は凹部91を有し、凹部91は縁部100の方向に延在すると共に、上部プレート90における縁部100から最も近い縁部に配置されている。凹部91は、金属カバー部材15の厚さに金属係止ストリップ88の厚さを加算したものに等しい上部プレート90の厚さにわたって形成される。このようにして凹部91により、金属シール部23及び端部ストレーキ87との接続部の位置において二次密閉メンブレン4,104の良好な平坦性を維持することができる。よって、支持部65の端部が二次断熱パネル7の凹部91に入れられる。
【0172】
図18には、二面角のコーナ部の位置における第1のタンク壁1の一次断熱バリア5と第2のタンク壁101の一次断熱バリア105との連結も示されている。同図において分かるように、タンクは一次コーナ断熱ブロック50を備えており、一次コーナ断熱ブロック50は2つのカプラ46によって第1の断熱固定ビーム11に固定されると共に、2つのカプラ46によって第2の断熱固定ビーム111に固定されている。
図20において分かるように、金属カバー部材15は、剪断ウェブ14間の平板状の金属プレート63の中央部に配置された固定開口64も有し、これによりカプラ46が一次コーナブロック50を断熱固定ビーム11,111に固定できるように構成されている。
【0173】
図22を参照すると、メタンタンカー船70の抜粋図が、当該船の二重船殻72内に取り付けられた全体形状が角柱形の密閉断熱タンク71を示している。タンク71の壁は、当該タンクに収容されたLNGと接触する一次密閉バリアと、一次密閉バリアと船舶の二重船殻72との間に配置された二次密閉バリアと、2つの断熱バリアと、を含み、これら2つの各断熱バリアは、一次密閉バリアと二次密閉バリアとの間と、二次密閉バリアと二重船殻72との間とに配置される。
【0174】
自明のように、LNG貨物をタンク71から又はタンク71へ移送するため、船舶の上甲板に配置された荷役パイプ73を、適切な接続部品を用いて、海上又は港湾ターミナルに接続することができる。
【0175】
図22は一例の海上ターミナルを示しており、海上ターミナルは荷役ステーション75と、海中パイプ76と、陸上設備77と、を備えている。荷役ステーション75は、可動アーム74と、当該可動アーム74を支持するタワー78とを備えた定置の沖合設備である。可動アーム74は、荷役パイプ73に接続可能な断熱性のフレキシブルチューブ79の束を持つ。方向調整可能な上記の可動アーム74は、全てのメタンタンカー積込みゲージに適合している。タワー78内部には、不図示の接続パイプが延設されている。荷役ステーション75は、メタンタンカー70と陸上設備77との間の荷役を可能にするものである。陸上設備77は、液化ガス貯蔵タンク80と、海中パイプ76を介して荷役ステーション75に接続される接続パイプ81と、を備えている。海中パイプ76は、例えば5km等の長距離にわたって荷役ステーション75と陸上設備77との間で液化ガスの移送を行えるようにするものであり、これにより、荷役作業を行っている間、メタンタンカー船70を沿岸から遠距離に留めることができる。
【0176】
液化ガスを移送するために必要な圧力を発生させるためには、船舶70に搭載されたポンプ及び/又は陸上設備77に設置されたポンプ及び/又は荷役ステーション75に設置されたポンプが使用される。
【0177】
複数の特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されないことが明らかであり、また、技術的な均等態様や上記の手段の組み合わせが本発明の範囲に属するものである場合には、本発明はこれらも含むことが明らかである。
【0178】
動詞「含む」又は「備える」及びこれらの活用形を用いた場合、これらは、請求項に記載された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。
【0179】
特許請求の範囲において、括弧書きの符号は全て、請求項を限定するものと解してはならない。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造と、当該支持構造に配置された密閉断熱タンクと、を備えた液化ガス用の貯蔵設備であって、
前記密閉断熱タンクは、前記支持構造の第1の支持壁(3)に固定された第1のタンク壁(1)と、前記支持構造の第2の支持壁(103)に固定された第2のタンク壁(101)と、を少なくとも備えており、
前記各タンク壁(1,101)はそれぞれ、少なくとも1つの密閉メンブレン(4,104)と少なくとも1つの断熱バリア(2,102)とを備えており、
前記断熱バリア(2,102)は前記密閉メンブレン(4,104)と前記支持構造との間に配置されており、
前記第1の支持壁(3)は縁部(100)に沿って前記第2の支持壁(103)との間にコーナ部を形成し、
前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)は複数の金属プレート
(87)を有し、
前記密閉メンブレン(24)は、前記縁部(100)に対して垂直又は斜めな長手方向に平行である複数のストレーキを有し、
前記各ストレーキは、前記断熱バリアの上面に配置される平面状の中央部と、前記中央部より前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する2つの隆起縁部と、をそれぞれ有し、
前記ストレーキは繰り返しパターンで並べられて、前記隆起縁部の位置で密閉するように互いに溶接接合されており、
前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)は、前記第1の支持壁(3)に係止され前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有する断熱固定ビーム(11)を備えており、
前記密閉断熱タンクはコーナ断熱ブロック(25)を備えており、
前記コーナ断熱ブロック(25)は、前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)と前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)とに沿って前記縁部(100)の位置に配置されており、
前記コーナ断熱ブロック(25)は、前記支持構造の前記縁部(100)の位置における前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)と前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)との連続性を保証するように構成されており、
前記断熱固定ビーム(11)は前記コーナ断熱ブロック(25)と並んでおり、
前記断熱固定ビーム(11)の上面(13)は、当該上面(13)と前記第1の支持壁(3)との間に配置された複数の剪断ウェブ(14)によって前記第1の支持壁(3)から距離をおいて維持され、
前記剪断ウェブ(14)は、前記縁部(100)に対して垂直な向きであり、
前記断熱固定ビーム(11)は、前記剪断ウェブ(14)間に配置された断熱詰め物を備えており、
前記断熱固定ビーム(11)はさらに、前記上面(13)を形成する平面部(16)を有する金属カバー部材(15)も備えており、
前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)の端縁は、前記金属カバー部材(15)の前記平面部(16)に溶接されており、
前記支持構造は、前記第1の支持壁(3)から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する迫出し部(19)を有し、
前記迫出し部(19)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有し、
前記迫出し部(19)は、前記断熱固定ビーム(11)における前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って配置され、前記第2のタンク壁(101)から離れていく方向における前記断熱固定ビーム(11)の運動を制限する迫出しを形成する
ことを特徴とする貯蔵設備。
【請求項2】
前記金属カバー部材(15)は、支持部(65)を有する平板状の金属プレート(63)を有し、
前記支持部(65)は、当該支持部(65)の一端が前記断熱バリア(2,102)における前記断熱固定ビーム(11,111)の隣の断熱パネル(7)に位置するように、前記密閉メンブレン(4,104)の方向と前記縁部(100)から離れていく方向とに前記剪断ウェブ(14)から突出している、
請求項1記載の貯蔵設備。
【請求項3】
前記平板状の金属プレート(63)における前記縁部(100)の方向の寸法は、2つの隣り合う前記剪断ウェブ(14)間の離隔距離と等しく、前記平板状の金属プレート(63)は、当該2つの隣り合う剪断ウェブ(14)間に延在するように配置されている、
請求項2記載の貯蔵設備。
【請求項4】
前記剪断ウェブ(14)は、ポリマー樹脂及び繊維(99)を含む複合材料から作製されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項5】
前記繊維(99)は、前記タンク壁の厚さの方向を基準として±45°の角度で配向している、
請求項4記載の貯蔵設備。
【請求項6】
前記断熱固定ビーム(11,111)は、第1角度鉄フランジ(68)と、前記第1角度鉄フランジ(68)に接続された第2角度鉄フランジ(69)と、を含む固定角度鉄部(67)を備えており、
前記第2角度鉄フランジ(69)は前記剪断ウェブ(14)のうち1つに固定されており、
前記第1角度鉄フランジ(68)は前記金属カバー部材(15)に溶接されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項7】
前記断熱固定ビーム(11,111)は、第1角度鉄フランジ(68)と、前記第1角度鉄フランジ(68)に接続された第2角度鉄フランジ(69)と、を含む固定角度鉄部(67)を備えており、
前記第2角度鉄フランジ(69)は前記剪断ウェブ(14)のうち1つに固定されており、
前記第1角度鉄フランジ(68)は少なくとも1つの固定開口(64)を有し、
前記金属カバー部材(15)の固定開口(64)と前記第1角度鉄フランジ(68)の前記固定開口(64)とを跨ぐ固定具(47)を用いて前記平板状の金属プレート(63)に前記第1角度鉄フランジ(68)を固定すべく、前記第1角度鉄フランジ(68)の前記固定開口(64)は前記金属カバー部材(15)の前記固定開口(64)と一致する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項8】
前記第2角度鉄フランジ(69)は、前記第1角度鉄フランジ(68)から遠位の一端にベベル部(82)を有する、
請求項6又は7記載の貯蔵設備。
【請求項9】
前記断熱固定ビーム(11,111)はクリート(83)を有し、
前記クリート(83)は、前記剪断ウェブ(14)における前記縁部(100)に対して垂直な面に固定され、前記金属カバー部材(15)に対して平行に延在し、
前記クリート(83)は本体部(84)と、前記本体部(84)の相反対側に設けられた上方延在部(85)及び下方延在部(86)と、を有し、
前記本体部(84)と、前記上方延在部(85)と、前記下方延在部(86)とは、前記剪断ウェブ(14)に固定されており、
前記クリート(83)は、当該クリート(83)の長さにわたって分布している係止スタッド(92)を用いて前記支持構造に固定されており、
前記係止スタッド(92)は、前記クリート(83)の前記本体部(84)の上面に挟持力を加える、
請求項1から8までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項10】
前記上方延在部(85)は、前記本体部(84)から離れていく方向に厚さが減少していくようにベベル加工されている、
請求項9記載の貯蔵設備。
【請求項11】
前記迫出し部(19)は迫出しバー(30)を有し、
前記迫出しバー(30)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)に対して平行に、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って連続して延在する、
請求項1から10までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項12】
前記迫出し部(19)は複数の迫出しラグ(32)を有し、
前記迫出しラグ(32)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って規則的な間隔をおいて配置されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項13】
前記断熱固定ビーム(11)は内側座屈防止部(22)を有し、
前記内側座屈防止部(22)は、前記縁部(100)から離れていく方向に前記剪断ウェブ(14)を延長すると共に、前記金属カバー部材(15)から前記第1の支持壁(3)を離す方向の寸法の一部にわたって延在し、
前記内側座屈防止部(22)は、少なくとも1つの固定手段(19,47)を用いて前記第1のタンク壁(1)に固定されており、
前記迫出し部(19)は、前記内側座屈防止部(22)を前記第1の支持壁(3)に固定するように構成されたフック形成装置を備えている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項14】
前記断熱固定ビーム(11)は外側座屈防止部(21)を有し、
前記外側座屈防止部(21)は前記縁部(100)の方向に前記剪断ウェブ(14)を延長すると共に、前記金属カバー部材(15)から前記第1の支持壁(3)を離す方向の寸法の一部にわたって延在し、
前記外側座屈防止部(21)は、固定手段(47)を用いて前記第1の支持壁(3)に固定されている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項15】
前記固定手段(47)は、前記外側座屈防止部(21)又は前記内側座屈防止部(22)を前記支持構造に固定するスタッドを備えており、
前記スタッドの第1端が前記支持構造に係止され、
前記スタッドにおける前記第1端とは反対側の第2端には、前記外側座屈防止部(21)又は前記内側座屈防止部(22)に支えられるナットが設けられている、
請求項13又は14記載の貯蔵設備。
【請求項16】
前記支持構造は、前記第1の支持壁(3)から前記密閉断熱タンクの内側の方向に突出する追加の迫出し部(20)を備えており、
前記追加の迫出し部(20)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有し、
前記追加の迫出し部(20)は、前記断熱固定ビーム(11)における前記縁部(100)の隣の縁部に沿って配置され、前記迫出し部(19)の方向とは逆方向における前記断熱固定ビーム(11)の運動を制限する迫出しを形成する、
請求項1から15までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項17】
前記追加の迫出し部(20)は追加の迫出しバー(31)を有し、
前記追加の迫出しバー(31)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)に対して平行に、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って連続して延在する、
請求項16記載の貯蔵設備。
【請求項18】
前記追加の迫出し部(20)は複数の追加の迫出しラグ(33)を有し、
前記追加の迫出しラグ(33)は、前記断熱固定ビーム(11)の前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って規則的な間隔をおいて配置されている、
請求項16記載の貯蔵設備。
【請求項19】
前記追加の迫出し部(20)は、前記外側座屈防止部(21)を前記第1の支持壁(3)に固定するように構成されたフック形成装置を備えており、前記フック形成装置は前記固定手段(47)を構成する、
請求項14を引用する請求項16から18までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項20】
前記外側座屈防止部(21)及び/又は前記内側座屈防止部(22)は、前記剪断ウェブ(14)を延長した部分(43)によって構成されている、
請求項13又は14記載の貯蔵設備。
【請求項21】
前記外側座屈防止部(21)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する第1の側方バー(44)を有し、
前記第1の側方バー(44)は、前記剪断ウェブ(14)の側面に押し付けられる壁を有し、
前記内側座屈防止部(22)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する第2の側方バー(45)を有し、
前記第2の側方バー(45)は、前記剪断ウェブ(14)の他の側面に押し付けられる壁を有し、
前記第1の側方バー(44)と前記第2の側方バー(45)とは前記剪断ウェブ(14)を抱え込む、
請求項13を引用する請求項14記載の貯蔵設備。
【請求項22】
前記断熱固定ビーム(11)の前記金属カバー部材(15)は、前記剪断ウェブ(14)に対して垂直かつ前記第1の支持壁(3)の方向に延在する第1の側方フランジ(17)を備えており、
前記密閉メンブレン(4,104)により加えられる剪断力を吸収するため、前記第1の側方フランジ(17)は前記迫出し部(19)との間に前記剪断ウェブ(14)を挟む、
請求項1から21までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項23】
前記断熱固定ビーム(11)の前記金属カバー部材(15)は第2の側方フランジ(18)を備えており、
前記第1の側方フランジ(17)と前記第2の側方フランジ(18)とが前記剪断ウェブ(14)を抱え込むと共に前記第1の側方フランジ(17)の方が前記第2の側方フランジ(18)より前記縁部(100)の近くに位置するように、前記第2の側方フランジ(18)は前記剪断ウェブ(14)に対して垂直かつ前記第1の支持壁(3)の方向に延在する、
請求項22記載の貯蔵設備。
【請求項24】
前記密閉断熱タンクは、第1の平坦部と、前記第1の平坦部との間にコーナ部を形成する第2の平坦部と、を有するコルゲートシール部(23)を備えており、
前記第1の平坦部は前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)に密閉するように溶接されると共に、前記第2の平坦部は前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)に密閉するように溶接されており、
前記コルゲートシール部(23)は、前記第1のタンク壁(1)の前記密閉メンブレン(4)と前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)とを密閉するように接続する、
請求項1から23までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項25】
前記密閉メンブレン(4,104)は、前記金属カバー部材(15)に溶接された金属係止ストリップ(88)を備えており、
前記金属プレート(87)のうち1つは前記金属係止ストリップ(88)の一部分に密閉するように溶接され、前記金属シール部(23)は前記金属係止ストリップ(88)の他の一部分に密閉するように溶接されている、
請求項24記載の貯蔵設備。
【請求項26】
前記断熱固定ビーム(11,111)の隣の前記二次断熱パネル(7)は、凹部(91)が設けられた上部プレート(90)を有し、
前記凹部(91)は前記縁部(100)の方向に延在すると共に、前記上部プレート(90)における前記縁部(100)から最近傍の端部に位置し、
前記密閉メンブレン(4,104)に対する平面状の支持面を得るため、前記凹部(91)内に前記金属カバー部材(15)の一端が配置されている、
請求項25記載の貯蔵設備。
【請求項27】
前記コーナ断熱ブロック(25)は、前記第1の支持壁(3)に対向する第1の面(26)と、前記第2の支持壁(103)に対向する第2の面(27)と、前記コルゲートシール部(23)の前記第1の平坦部に対して支え面を提供するように構成された第3の面(28)と、前記コルゲートシール部(23)の前記第2の平坦部に対して支え面を提供するように構成された第4の面(29)と、を有する、
請求項24
記載の貯蔵設備。
【請求項28】
前記断熱固定ビーム(11)は上部プレート(40)を備えており、
前記上部プレート(40)は、前記金属カバー部材(15)の下方に位置すると共に前記断熱固定ビーム(11)に沿って延在し、
前記各剪断ウェブ(14)は上縁部にそれぞれ2つの上部ほぞ部(36)を有し、
2つの前記上部ほぞ部(36)は、1つの上部ノッチ(37)を形成するように互いに離隔しており、
前記上部プレート(40)は、前記剪断ウェブ(14)に対して平行に延在する複数の溝(42)を有し、
前記上部プレート(40)の前記溝(42)は、当該上部プレート(40)の当該溝(42)に前記上部ほぞ部(36)を入れて前記剪断ウェブ(14)と前記上部プレート(40)とのほぞ継ぎ組立体を構成すべく前記上部ほぞ部(36)に対して相補的な形状を有する、
請求項1から
27までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項29】
前記断熱固定ビーム(11)は下部プレート(41)を備えており、
前記下部プレート(41)は、前記第1の支持壁(3)上に位置すると共に前記断熱固定ビーム(11)に沿って延在し、
前記各剪断ウェブ(14)は下縁部にそれぞれ2つの下部ほぞ部(38)を有し、
2つの前記下部ほぞ部(38)は、1つの下部ノッチ(39)を形成するように互いに離隔しており、
前記下部プレート(41)は、前記剪断ウェブ(14)に対して平行に延在する複数の溝(42)を有し、
前記下部プレート(41)の前記溝(42)は、当該下部プレート(41)の当該溝(42)に前記下部ほぞ部(38)を入れて前記剪断ウェブ(14)と前記下部プレート(41)とのほぞ継ぎ組立体を構成すべく前記下部ほぞ部(38)に対して相補的な形状を有する、
請求項1から
28までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項30】
前記第1のタンク壁(1)の前記断熱バリア(2)又は前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)は、下壁と、上壁と、前記上壁を前記下壁から距離を置いて維持する構造的な断熱詰め物とを含む複数の断熱パネル(7,107)を有し、
前記下壁は、前記第1の支持壁(3)又は前記第2の支持壁(103)の近傍に配置されており、
前記断熱詰め物は繊維強化ポリマー発泡体から成る、
請求項1から
29までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項31】
前記断熱バリアは二次断熱バリア(2,102)であり、前記密閉メンブレンは二次密閉メンブレン(4,104)であり、
前記第1のタンク壁(1)及び前記第2のタンク壁(101)は、前記密閉断熱タンクの厚さの方向に外部から内部に向かって、前記二次密閉メンブレン(4,104)に設けられた一次断熱バリア(5,105)と、前記一次断熱バリア(5,105)に設けられた一次密閉メンブレン(6,106)と、をさらに備えている、
請求項1から
30までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項32】
前記一次密閉メンブレン(6,106)は複数のコルゲート状の金属プレートを有し、
前記コルゲート状の金属プレートは繰り返しパターンで並べられて、互いに密閉するように溶接接合されている、
請求項
31記載の貯蔵設備。
【請求項33】
前記第1のタンク壁(1)は、前記断熱固定ビーム(11)と前記第1の支持壁(3)との間に配置されたパテの帯状部(49)を有する、
請求項1から
32までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項34】
前記剪断ウェブ(14)は、前記縁部(100)に対して垂直な向きの中央部(51)と、前記中央部(51)に対して垂直に延在する2つの周部(52)と、を有し、
前記周部(52)は互いに平行であり、前記中央部(51)を抱え込む、
請求項1から
33までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項35】
前記周部(52)は、前記第1の支持壁(3)に対して平行に延在する下部ソールプレート(252)及び上部ソールプレート(252)を有し、
全ての前記剪断ウェブ(14)の前記下部ソールプレート(252)が連続的又は不連続的な底壁を形成し、前記上部ソールプレート(252)が連続的又は不連続的なカバー壁を形成する、
請求項
34記載の貯蔵設備。
【請求項36】
前記周部(52)は、前記第1の支持壁(3)に対して垂直に延在する前方ソールプレート(152)及び後方ソールプレート(152)を有し、
全ての前記剪断ウェブ(14)の前記前方ソールプレート(152)が、前記縁部(100)とは反対側を向いた連続的又は不連続的な前壁を形成し、全ての前記剪断ウェブ(14)の前記後方ソールプレート(152)が、前記縁部(100)の方を向いた連続的又は不連続的な後壁を形成する、
請求項
34記載の貯蔵設備。
【請求項37】
前記断熱固定ビーム(11)は、前記第1の支持壁(3)に配置される平面部(54)と、2つの側方フランジ(55)と、を有する底部材(53)を備えており、
前記側方フランジ(55)は前記剪断ウェブ(14)を抱え込み、前記剪断ウェブ(14)に対して平行に前記金属カバー部材(15)の方向へ延在し、
前記側方フランジ(55)は係止手段によって、前記縁部(100)の方向における前記断熱固定ビーム(11)の両端に形成された2つの剪断ウェブ(14)である端部剪断ウェブ(56)の中央部(51)に固定されている、
請求項1から
36までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項38】
前記底部材(53)は、前記側方フランジ(55)のうち1つに固定された少なくとも1つの支え部材(57)を備えており、
前記支え部材(57)は前記端部剪断ウェブ(56)のうち1つから突出しており、
前記係止手段はフック形成装置を備えており、
前記フック形成装置は前記支え部材(57)に配置され、前記断熱固定ビーム(11)を前記第1の支持壁(3)に固定するように構成されている、
請求項
37記載の貯蔵設備。
【請求項39】
前記底部材(53)は金属又は複合材料から作製されている、
請求項
37又は
38記載の貯蔵設備。
【請求項40】
前記金属カバー部材(15)は2つの内側フランジ(58)を備えており、
前記内側フランジ(58)は前記金属カバー部材(15)の前記平面部(16)の端部において延在すると共に、前記第1の側方フランジ(17)と前記第2の側方フランジ(18)とに対して平行であり、
前記内側フランジ(58)は前記剪断ウェブ(14)の前記前方ソールプレート(152)と前記後方ソールプレート(152)との間に配置されており、
前記第1の側方フランジ(17)と前記第2の側方フランジ(18)とが前記剪断ウェブ(14)の前記前方ソールプレート(152)と前記後方ソールプレート(152)とを抱え込み、
前記第1の側方フランジ(17)は固定手段(60)を用いて前記内側フランジ(58)のうち一方に固定されると共に、前記第2の側方フランジ(18)は固定手段(60)を用いて前記内側フランジ(58)のうち他方に固定されている、
請求項23を引用する請求項
37記載の貯蔵設備。
【請求項41】
前記断熱固定ビームは第1の断熱固定ビーム(11)であり、前記迫出し部は第1の迫出し部(19)であり、
前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)は、前記縁部(100)に対して垂直又は斜めな長手方向に対して平行である複数のストレーキ又は複数の金属プレートを有し、
前記各ストレーキは、前記断熱バリア(102)の上面に配置される平面状の中央部と、前記中央部より前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する2つの隆起縁部と、をそれぞれ有し、
前記ストレーキは繰り返しパターンで並べられて、前記隆起縁部の位置で密閉するように互いに溶接接合されており、
前記第2のタンク壁(101)の前記断熱バリア(102)は第2の断熱固定ビーム(111)を備えており、
前記第2の断熱固定ビーム(111)の上面(13)は、当該上面(13)と前記第2の支持壁(103)との間に配置された複数の剪断ウェブ(14)によって前記第2の支持壁(103)から距離をおいて維持され、
前記剪断ウェブ(14)は、前記縁部(100)に対して垂直な向きであり、
前記第2の断熱固定ビーム(111)は、前記剪断ウェブ(14)間に配置された断熱詰め物を備えており、
前記第2の断熱固定ビーム(111)はさらに、前記上面(13)を形成する平面部(16)を有する金属カバー部材(15)も備えており、
前記第2のタンク壁(101)の前記密閉メンブレン(104)の端縁は、前記金属カバー部材(15)の前記平面部(16)に溶接されており、
前記支持構造は、前記第2の支持壁(103)から前記密閉断熱タンクの内部に向かって突出する第2の迫出し部(119)を有し、
前記第2の迫出し部(119)は、前記縁部(100)に対して平行に延在する長さを有し、
前記第2の迫出し部(119)は、前記第2の断熱固定ビーム(111)における前記縁部(100)とは反対側の縁部に沿って配置され、前記第1のタンク壁(1)から離れていく方向における前記第2の断熱固定ビーム(111)の運動を制限する迫出しを形成する、
請求項1から
40までのいずれか1項記載の貯蔵設備。
【請求項42】
二重船殻(72)と、請求項1から
41までのいずれか1項記載の貯蔵設備(71)とを備えた低温液体製品の輸送用の船舶(70)であって、
前記二重船殻の一部が前記貯蔵設備の前記支持構造となる
ことを特徴とする船舶(70)。
【請求項43】
低温液体製品用の移送システムであって、
請求項
42記載の船舶(70)と、
前記船舶の前記二重船殻内に設置された前記密閉断熱タンク(71)を浮体式又は陸上貯蔵設備(77)に接続するように配置された断熱パイプ(73,79,76,81)と、
前記断熱パイプを介して前記浮体式若しくは陸上貯蔵設備から前記船舶の前記密閉断熱タンクへ又は前記密閉断熱タンクから前記浮体式若しくは陸上貯蔵設備への低温液体製品の流れを駆動するためのポンプと、
を備えていることを特徴とする移送システム。
【請求項44】
請求項
42記載の船舶(70)の積込み又は揚げ荷を行う方法であって、
浮体式若しくは陸上貯蔵設備(77)から前記船舶の前記密閉断熱タンク(71)へ又は前記密閉断熱タンク(71)から浮体式若しくは陸上貯蔵設備(77)へ、断熱パイプ(73,79,76,81)を介して低温液体製品を送ることを特徴とする方法。
【国際調査報告】