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特表2022-536653老化関連分泌表現型を修整する方法および組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】老化関連分泌表現型を修整する方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/194 20060101AFI20220810BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20220810BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20220810BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220810BHJP
   A61K 31/07 20060101ALI20220810BHJP
   A61K 31/593 20060101ALI20220810BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220810BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220810BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220810BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220810BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220810BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20220810BHJP
【FI】
A61K31/194
A61P17/14
A61P21/00
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61K31/07
A61K31/593
A61K47/26
A61K47/44
A61K47/12
A61K47/02
A61P3/00
A61P43/00
C12N15/09 Z ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573215
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020036974
(87)【国際公開番号】W WO2020252005
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/859,623
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521456531
【氏名又は名称】バック インスティチュート フォー リサーチ オン エージング
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ケネディ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】リスゴー,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】シャーミルザーディ,アザール
(72)【発明者】
【氏名】ワイリー,クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076BB01
4C076BB31
4C076CC18
4C076CC21
4C076DD29
4C076DD41
4C076DD67
4C076EE53
4C076EE55
4C076FF31
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA14
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA12
4C086NA14
4C086ZA92
4C086ZA94
4C086ZB21
4C086ZC41
4C086ZC52
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA10
4C206DA36
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA72
4C206MA83
4C206NA12
4C206NA14
4C206ZA92
4C206ZA94
4C206ZB21
4C206ZC41
4C206ZC52
(57)【要約】
老化関連分泌表現型(SASP)およびその関連疾患を修整するための方法および組成物であって、アルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む方法および組成物を本明細書に開示する。
【選択図】図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
老化細胞の老化関連分泌表現型(SASP)を修整する方法であって、それを必要とする対象にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む組成物を投与することを含む方法であり、ここで該対象においてSASPを遅らせるために該AKGを治療有効量で投与する方法。
【請求項2】
老化細胞の老化関連分泌表現型(SASP)を修整する方法であって、それを必要とする対象にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む組成物を投与することを含む方法であり、ここで該対象においてSASPを減らすために該AKGを治療有効量で投与する方法。
【請求項3】
対象の毛を再生する方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項4】
対象において運動耐久力を増進する方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項5】
対象において運動効率および/または代謝を増加させる方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項6】
対象において歩行を改善する方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項7】
対象において運動を改善する方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項8】
対象において平衡を改善する方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項9】
対象においてサルコペニアを治療する方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項10】
対象においてコラーゲン合成を増加させる方法であって、該対象にAKGを含む治療有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法であって、ここでSASPを修整することが少なくとも1種類のSASP因子の分泌を変更させることを含む、方法。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法であって、ここでSASPを修整することが少なくとも1種類のSASP因子の分泌を低下させることを含む、方法。
【請求項13】
請求項11または12のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該SASP因子が、インターロイキン(IL)、ケモカイン、炎症性因子、増殖因子、プロテアーゼ、細胞外マトリックス構成成分、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項14】
請求項11または12のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該SASP因子が、IL-1β、IL-3、IL-6、IL-7、MIP-1β、TNF-α、CCL2、MMP3、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項15】
請求項11または12のいずれか1項に記載の方法であって、ここで少なくとも1種類の老化マーカーがp16INK4aを含む、方法。
【請求項16】
請求項11または12のいずれか1項に記載の方法であって、ここで少なくとも1種類の老化マーカーがp21WAF1を含む、方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の方法であって、ここでSASPを修整することが老化細胞形成に影響を与えない、方法。
【請求項18】
請求項1~15のいずれか1項に記載の方法であって、ここでSASPを修整することが老化細胞の数に影響を与えない、方法。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が老化細胞を死滅させない、方法。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物を1日2回投与する、方法。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物を少なくとも3ヶ月間、対象に投与する、方法。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が経口投与剤形で製剤化される、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、ここで該経口投与剤形が徐放性の投与剤形である、方法。
【請求項24】
請求項1~21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が局所投与剤形に製剤化される、方法。
【請求項25】
請求項1~21のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が毛(髪)ケア製品に処方される、方法。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか1項に記載の方法であって、ここで対照試料における血漿AKGレベルと比較して、該対象の血漿AKGレベルが少なくとも6倍低下しており、ここで該対照試料が、該対象よりも少なくとも2歳若いコントロール対象から取得する血清試料である、方法。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が該対象のDNAメチル化プロファイルを修整する、方法。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が本質的にAKGから成る、方法。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該AKGがα-ケトグルタル酸の塩である、方法。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該AKGがAKGのカルシウム塩(Ca-AKG)である、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、ここで該治療有効量のCa-AKGが少なくとも350mgであり、かつ2000mg以下である、方法。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物がビタミンAをさらに含む、方法。
【請求項33】
請求項1~32のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物がビタミンD3をさらに含む、方法。
【請求項34】
請求項1~33のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が甘味料をさらに含む、方法。
【請求項35】
請求項34に記載の組成物であって、ここで該甘味料がイソマルトである、組成物。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物がワックスをさらに含む、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の組成物であって、ここで該ワックスがカルナバワックスおよび/またはコメヌカロウである、組成物。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が第1の滑沢剤をさらに含む、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の組成物であって、ここで該第1の滑沢剤がステアリン酸である、組成物。
【請求項40】
請求項1~39のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が第2の滑沢剤を含む、方法。
【請求項41】
請求項40に記載の組成物であって、ここで該第2の滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、組成物。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が流動促進剤を含む、方法。
【請求項43】
請求項42に記載の組成物であって、ここで該流動促進がシリカである、組成物。
【請求項44】
請求項1~43のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該アルファ-ケトグルタル酸カルシウムがアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物である、方法。
【請求項45】
請求項1~44のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が500mgのアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物、450mcgのパルミチン酸レチニルを含み、さらにイソマルト、植物ロウ(カルナバワックスおよび/またはコメヌカロウ)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびシリカを含む、方法。
【請求項46】
請求項1~44のいずれか1項に記載の方法であって、ここで該組成物が500mgのアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物、12.5 mcg(500IU)のコレカルシフェロールを含み、さらにイソマルト、植物ロウ(カルナバワックスおよび/またはコメヌカロウ)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびシリカを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
細胞老化は、癌を防ぐために作動する非可逆的な細胞周期停止のメカニズムであると見なされているが、現在では、発生、組織修復、老化および加齢関連障害などの複雑な生物学的過程に役割を担うことも分かっている。加齢による自然の衰えおよび老化関連疾病を薬理学的に治療および予防することは、医学界に課せられた難しい課題であるが、その難しさというのは、部分的にはかかる目的の薬理学的物質に要求される厳格な特性によるものである。老化患者集団であるが故に、生体可用性であって、無毒かつ長期副作用がないという非常に高い要求を薬理学的治療に求めるのである。予防するためには、可能性として老化関連障害リスクはあっても症状が皆無か軽度である患者を処置する必要であり、そのため現在の健康を損なわない薬剤が必要となる。加齢関連疾患患者の治療は、現在の健康状態を悪化させないように、非毒性であることの要求が高いのである。さらに、老化関連障害の治療または予防は一般に、長年にわたる薬理学的物質による治療を必要とする可能性が高く、そのため臓器系における蓄積毒性または長期有害効果のない物質を必要とするのである。
【0002】
したがって、非毒性物質およびそのような物質の組み合わせであって、加齢関連障害が出現する、または深刻になる前に対象への投与に好適な、あるいは長期投与に好適な物質および物質の組み合わせを発見する必要がある。
【0003】
食物果物および野菜中に存在する一次および二次代謝産物は、老化関連疾病治療の基準を満たす化学的に多彩な薬局方である。積年にわたって人間の食事に利用されているため、これら化合物の多くは毒性が非常に低く薬物動力学的パラメーターもよく理解されている。そのため、これらの食物源からの化合物スクリーニングは、老化および老化関連病態の治療に大きな可能性を与えるものである。
【発明の概要】
【0004】
本明細書中に開示するものは、いくつかの実施態様では、それを必要とする対象において老化細胞の老化関連分泌表現型(SASP)を修整する方法であるが、ここで該方法は、アルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む組成物を対象に投与することを含む方法である。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を低下させることを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を遅延させることを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは、老化細胞を死滅させること、または死滅を誘導することを含むものではない。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは、老化細胞のアポトーシスを誘導することを含むものではない。
【0005】
本明細書中に開示するものは、いくつかの実施態様においては、対象の加齢関連病態または加齢関連表現型を治療する方法であって、老化関連分泌表現型(SASP)修整物質を老化細胞の死滅を誘導することのない量で対象に投与することを含む方法である。いくつかの実施態様においては、該量は老化細胞のアポトーシスを誘導するものではない。いくつかの実施態様においては、該SASP修整剤は、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を修整する。いくつかの実施態様においては、分泌を修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を低下させることを含む。いくつかの実施態様においては、分泌を修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を遅延させることを含む。
【0006】
いくつかの実施態様においては、該SASP因子は、インターロイキン(IL)、ケモカイン、炎症性因子、増殖因子、プロテアーゼ、細胞外マトリックス構成成分、またはそれらの組み合わせを含む。
【0007】
いくつかの実施態様においては、該組成物はさらに加齢関連病態または加齢関連表現型を遅延させる、あるいは無効にする。いくつかの実施態様においては、該加齢関連病態または表現型は、骨粗しょう症、肥満、2型糖尿病、黄斑変性、または自己免疫疾患を含む。いくつかの実施態様においては、該加齢関連病態または表現型は、サルコペニアを含む。いくつかの実施態様においては、該加齢関連病態または表現型は、認知障害を含む。いくつかの実施態様においては、該加齢関連病態または表現型は、幹細胞生成の減少を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はさらに成人の幹細胞機能を向上させる。いくつかの実施態様においては、該加齢関連病態または表現型は、炎症の亢進を含む。いくつかの実施態様においては、該加齢関連病態または表現型は、加齢関連後成的変化(age-related epigenetic changes)を含む。いくつかの実施態様においては、後成的変化はDNAメチル化プロファイルの変更を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はコラーゲン合成を誘導または促進する。いくつかの実施態様においては、該組成物はフレイルを治療し、フレイルの発症を遅らせ、またはフレイルの進行を遅らせる。いくつかの実施態様においては、該組成物は健康寿命を延長し、および/または有病率を圧縮し、および/または健康の維持を支援する。いくつかの実施態様においては、該組成物は毛密度を維持する、毛の色素形成を維持する、および/または毛再生を誘導または促進する。いくつかの実施態様においては、該組成物はSASPを修整する。いくつかの実施態様においては、該組成物は歩行および/または平衡および/または運動を改善する。いくつかの実施態様においては、該組成物は運動耐久力を改善し、および/または運動効率および代謝を増加させる。
【0008】
いくつかの実施態様においては、該SASP修整剤を対象に投与する前に、該対象から生物学的試料を採取する。いくつかの実施態様においては、対照生物学的試料および試験生物学試料に老化刺激を加えてから該SASP修整剤を試験生物学試料に添加し、対照生物学的試料および試験生物学試料における老化細胞数を測定して老化細胞の死滅を評価する。いくつかの実施態様においては、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類の老化マーカーはp16INK4aを含む。いくつかの実施態様においては、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類の老化マーカーはp21WAF1を含む。
【0009】
いくつかの実施態様においては、該対象を血漿AKGレベルに関して予備スクリーニングする。いくつかの実施態様においては、該対象の血漿AKGレベルは低下している。
【0010】
いくつかの実施態様においては、該対象をDNAメチル化プロファイルに関して予備スクリーニングする。いくつかの実施態様においては、該組成物は該対象のDNAメチル化プロファイルを修整する。いくつかの実施態様においては、該対象の修整DNAメチル化プロファイルは、該対象よりも若い第2のコントロール対象とほぼ同一である。
【0011】
いくつかの実施態様においては、該SASP修整剤はアルファ-ケトグルタル酸を含む。いくつかの実施態様においては、該AKGはAKGの塩である。いくつかの実施態様においては、該塩はAKGのカルシウム塩(Ca-AKG)である。
【0012】
いくつかの実施態様においては、該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。いくつかの実施態様においては、該組成物中のAKGは本質的にAKGの塩から成る。いくつかの実施態様においては、該組成物中のAKGは本質的にAKGのカルシウム塩(Ca-AKG)から成る。
【0013】
いくつかの実施態様においては、治療有効量のCa-AKGとなるように該組成物を対象に投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物は少なくとも250mgのCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物は少なくとも350mgのCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物は少なくとも500mgのCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも1000mgである。いくつかの実施態様においては、該組成物は約350mgから約750mgのCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物は約500mgから約750mgのCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物は約500mgから約600mgのCa-AKGを含む。
【0014】
いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAをさらに含む。いくつかの実施態様においては、ビタミンAの量は100mcg~3000mcgである。いくつかの実施態様においては、ビタミンAの量は200mcg~1000mcgである。いくつかの実施態様においては、ビタミンAの量は約250mcgである。いくつかの実施態様においては、ビタミンAの量は約450mcgである。いくつかの実施態様においては、ビタミンAの量は約650mcgである。いくつかの実施態様においては、該ビタミンAはレチニル・パルミテートである。いくつかの実施態様においては、該ビタミンはビタミンDである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDの量は50IU~3000IUである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDの量は200IU~2000IUである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDの量は約250IUである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDの量は約500IUである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDの量は約750IUである。いくつかの実施態様においては、該ビタミンDはコレカルシフェロールである。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンD3をさらに含む。いくつかの実施態様においては、該組成物は約12.5mcg(500IU)のビタミンD3を含む。
【0015】
いくつかの実施態様においては、該組成物は1日2回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物は1日3回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物は週1回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物は月1回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物は対象に少なくとも3ヶ月間投与する。
【0016】
いくつかの実施態様においては、該対象は哺乳動物である。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物はヒトである。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物はイヌである。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物はネコである。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物は家畜である。いくつかの実施態様においては、該対象はオスである。いくつかの実施態様においては、該対象はメスである。
【0017】
いくつかの実施態様においては、該組成物は、付着防止剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、香味剤、抗酸化剤、甘味剤、流動促進剤、滑沢剤、防腐剤、防腐剤、吸着剤、界面活性剤、媒体、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施態様においては、該組成物はさらに甘味料を含む。いくつかの実施態様においては、該甘味料はイソマルトである。いくつかの実施態様においては、該組成物はさらにワックスを含む。いくつかの実施態様においては、該ワックスはカルナバワックスおよび/またはコメヌカロウである。いくつかの実施態様においては、該組成物はさらに1種類以上の賦形剤を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はさらに第1の滑沢剤を含む。いくつかの実施態様においては、該第1の滑沢剤はステアリン酸である。いくつかの実施態様においては、該組成物は第2の滑沢剤を含む。いくつかの実施態様においては、該第2の滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施態様においては、該組成物は流動促進剤を含む。いくつかの実施態様においては、該流動促進剤はシリカである。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケトグルタル酸カルシウムはアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物である。
【0019】
本明細書中に開示するのは、いくつかの実施態様においては、500~550mg、または525mgのアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物、イソマルト、植物ロウ(カルナバワックスおよび/またはコメヌカロウ)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびシリカを含む組成物である。
【0020】
本明細書中に開示するのは、いくつかの実施態様においては、500~550mgのアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物;任意選択的に450mcgのレチニル・パルミテートを含む組成物であって;イソマルト、植物ロウ(カルナバワックスおよび/またはコメヌカロウ)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびシリカをさらに含む組成物である。
【0021】
本明細書中に開示するのは、いくつかの実施態様においては、500~550mgのアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物;任意選択的に12.5mcg(500IU)のコレカルシフェロールを含む組成物であって;イソマルト、植物ロウ(カルナバワックスおよび/またはコメヌカロウ)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびシリカをさらに含む組成物である。
【0022】
本発明の新規性および非自明性の特質は、付属の特許請求項に説明される。本発明の原理を利用する具体的な実施態様については詳細な説明に後述するが、この詳細な説明および付属の図面(ならびに本明細書中の「図」(figureおよびFIG.))を参照することにより、本発明の特徴および有益性は、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1A図1Cは、AKGが生存期間を延ばし死亡率を低下させることを示す。月齢18ヶ月から開始の食餌においてAKGを給餌したコホート1およびコホート2マウスを、対照マウスと比較し、処置後生存率をそれぞれグラフ化したプロットである。矢印は処置開始を表している。図1Aは、オスおよびメスの混合集団(コホート1、n=90)および(コホート2、n=94)についての生存率曲線を示す。図1Bは、メスの集団(コホート1、n=45)および(コホート2、n=46)についての生存率曲線を示す。図1Cは、オスの集団(コホート1、n=45)および(コホート2、n=48)についての生存率曲線を示す。ログランク検定、ボンフェローニ法を用いて生存率曲線を比較した(P<0.05および**P<0.01)。コホート1に関する生存期間最大延長は、フィッシャーの正確確率検定を用いて算出した(メスに関しては、P<0.05)。
図2図2A図2Eは、オスの動物においてAKGが体重を維持することを示す(コホート2)。図2Aは、対照マウス(n=6)およびAKG給餌マウス(n=5)の生存期間内の異なる時点で、連続する3日間の餌消費について測定したものを示している;19、23および28月齢の矢印は餌消費を測定した月齢を示している。データは平均値±測定の標準誤差であり、有意な変化はない(両側t検定)。図2Bおよび図2Dは、オスおよびメスの長期間にわたる体重変化を示す;n=試験における各時点での全生存動物数、データは平均値±測定の標準誤差である。時間および処置(AKG)を含む独立変数がオスおよびメスの体重に影響を与える場合には、2元配置分散分析による確認を実施する。この比較では、処置と時間の両方がオスの体重に有意な影響を与えることを示しており(図2B)(***p<0.0001および***p<0.001)、またメスの体重にも有意な影響を与えることを示している(図2D)(***p<0.001)。図2Cおよび図2Eは、オスおよびメスの身体組成を示す;n=試験における全生存動物数、データは平均値±測定の標準誤差である。
図3図3A図3Dは、AKG処置が健康寿命を延長し加齢関連フレイルを軽減することを示している。食餌において月齢18ヶ月に開始したAKG給餌のマウス(ピンク)を対照マウス(青)と比較したときの、生存期間内の総FIスコアを、オス(図3A)およびメス(図3B)についてそれぞれグラフ化したものである。各点は、表示の特定月齢における1動物の総スコアである。データは各群の平均値±測定の標準誤差である。N=測定の各時点での全生存動物数、P<0.05、**P<0.01(スチューデントt検定)。オス(図3C)およびメス(図3D)それぞれのフレイル表現型の比較。データは各群の平均値±測定の標準誤差である;n=測定の各時点での全生存動物数。P<0.05、**P<0.01、P<0.001、****P<0.0001(スチューデントのt検定)。
図4図4A図4Dは、AKG処置がメスのマウスにおいて加齢に関連する体毛退色を予防することを示している。(図4A図4C)処置9ヶ月後の各処置群におけるマウスの体毛色指数変化についての総評価。対照(n=15)およびAKG(n=18)、データは平均値±測定の標準誤差である。****P<0.0001および**P<0.01(両側t検定)。(図4B図4D)各点は単一マウスに対応し、連結線は各マウスのベースラインスコアを9ヶ月間処置後のスコアと結んだものである。対照マウスは、老化によって体毛における灰色が増加した。AKG群のマウスでは、ベースライン(月齢18ヶ月)において体毛がより灰色であったが、AKG処置によって第1のコホートでは体毛退色が反転し、第2コホートのマウスではAKG処置が体毛退色を防止した。
図5図5A図5Bは、AKG処置が老齢マウスにおいて運動を改善したことを示すものである(コホート2)。(a、b)この動物の中間寿命時における自発運動および歩行運動を評価した(28ヶ月齢)。メスの対照マウス(n=5)およびAKGマウス(n=6)。データは平均値±測定の標準誤差である;P値=0.014、**P値=0.00097(両側t検定)。
図6図6A図6Lは、心臓機能および運動機能に関する各種試験の結果を示している。心臓血管系および運動機能を評価するためにトレッドミル疲労試験を実施した;オス(図6Iおよび図6J)およびメス(図6Kおよび図6L);月齢=29ヶ月齢。N=試験の時点での総生存動物数。心臓機能および運動機能のいずれにも有意な低下は認められなかった(両側t検定)。
図7図7A図7Bは、AKG処置による有病率の圧縮を示している。動物が老齢になり死期に近づく(生存期間のパーセンテージがより高くなる)につれて、複数の老化表現型を示し多疾患併存リスクが最大になる;FIはフレイル指標(Fraity Index)であり、31種類の表現型に関する総スコアを罹患スコアと見なす。マウスの総フレイルスコアを生存期間のパーセンテージとして、メス(図7A)およびオス(図7B)についてそれぞれグラフ化した。AKG処置は、両方の性で生存期間内の老化表現型発現を遅延させ、生涯日数のうち罹患リスクをより少ない日数へと圧縮した。各点は単一動物における総スコアである。線は各群の平均値±測定の標準誤差である。N=各時点での全生存動物数。**P<0.01(2元配置分散分析)。
図8図8A図8Bは、老齢マウスにおいてAKGが炎症を低減することを示している。図8Aは、若い動物(月齢=18ヶ月、n=11)、対照の老齢動物およびAKG給餌動物(29ヶ月齢、n=5)における、血漿の30種類の炎症性サイトカインおよびケモカインのヒートマップである。老齢の対照に比較して、AKG処置群では全てのサイトカインが一般に減少傾向を示している。図8Bは、若いマウスと比較した老齢動物におけるIL-3、IL-7、TNF-aおよびMIB-1B値の増加の実例を示す;若いマウスと比較して、AKG処置動物ではサイトカイン値が増加しない。データは各群の平均値±測定の標準誤差である。P<0.05および**P<0.01(スチューデントのt検定)。
図9図9A図9Dは、AKGが老化成長停止を阻害することなく炎症反応促進性SASPを低下させることを示している。図9Aは、30ヶ月齢マウスの表記組織についてのqRT-PCR分析を示している。(図9B図9D)電離放射線(IR)を用いて線維芽細胞IMR-90に老化を誘導した。同時に、細胞をPBS(対照)または1mMのAKGでも処理した;細胞は無照射の模擬(モック:0Gy)または照射細胞(10Gy)であった。全てのアッセイは照射10日後に実施した。(図9B)老化関連βガラクトシダーゼ活性(左側のパネル)またはEdU取り込み(右側のパネル)に関して細胞を染色した。(図9C)馴化培地中のIL-6レベルをELISAによって測定し、細胞数で規格化した。図9Dは、老化関連分泌表現型(SASP)遺伝子の発現を示すqRT-PCR分析を示しており、アクチンで規格化してある。各点は独立した単一の実験に相当する。データは平均値±測定の標準誤差である;p<0.05、**p<0.01および***p<0.001(両側t検定)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
特段の定義を示していない限り、本明細書中に記載の技術用語および科学用語はいずれも、本発明が属する当該技術分野の当業者に共通に理解される意味と同一の意味を有するものである。本明細書中に記載のものに類似の、または同等の方法および材料は、本発明を実施する、あるいは試験する際に用いることのできるものであるが、好適な方法および材料については後述する。さらに、そのような材料、方法、および例については、具体例を示す目的のみで提示されるものであり、本発明を限定する意図は全くない。
用語
【0025】
特定の実施態様においては、疾病または障害に関連して用いられる用語「予防する」または「予防すること」は、統計的標本で、非処置の対照試料と比較して処置試料において障害または病態の発症率を低下させる化合物、あるいは非処置の対照試料と比較して障害または病態の発症を遅延させる、または1種類以上の症状の重症度を軽減する化合物を意味するものであってもよい。
【0026】
本明細書中に記載の用語「治療する(処置する)」、「治療すること(処置すること)」または「治療(処置)」は、疾病または病態の症状を軽減する、減弱する、または改善すること、症状の根本原因を改善すること、疾病または病態を抑えること、例えば、疾病または病態の進展を止めること、疾病または病態を和らげること、疾病または病態を退行させること、疾病または病態の原因となる状態を和らげること、または予防的および/または治療的に、のいずれかで疾病または病態の症状を止めることを含むものであってもよい。
【0027】
特定の実施態様においては、疾病または障害に関連して用いられる用語「遅らせる(遅延させる)」または「遅らせること(遅延させること)は、統計的標本で、非処置の対照試料と比較して処置試料において障害または病態の発症を遅らせる、または遅延させる化合物、あるいは非処置の対照試料と比較してて障害または病態の発症を遅延させる、または1種類以上の症状の重症度を軽減する化合物を意味するものであってもよい。
【0028】
本明細書中に記載の「α-ケトグルタル酸(α-ketoglutarate)」またはアルファ-ケトグルタル酸またはAKGは、α-ケトグルタル酸(α-ketoglutaric acid)、α-ケトグルタル酸の塩、上記のα-ケトグルタル酸の誘導体(例えば、MacKenzieら((2007)Mol Cell Biol 27(9):3282-3289)が記載の誘導体)、上記のα-ケトグルタル酸の類似体(例えば、ホスホン酸塩類似体(例えば、Bunikらの(2005)Biochemistry 44(31):10552-61)に列挙されるもの)、α-ケトグルタル酸のエステル(例えば、α-ケトグルタル酸ジメチルおよびα-ケトグルタル酸オクチル)、および各種の種特異的類似体、例えば、ヒトα-ケトグルタル酸、ブタα-ケトグルタル酸、マウスα-ケトグルタル酸、ウシα-ケトグルタル酸などを含む。
【0029】
本明細書中に記載の「対象」は哺乳動物を意味するものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物はヒトである。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物はネコである。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物はイヌである。いくつかの実施態様においては、該哺乳動物は家畜である。いくつかの実施態様においては、家畜はウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ニワトリ、およびウマ科の動物から成る群から選択される。いくつかの実施態様においては、該対象はオスである。いくつかの実施態様においては、該対象はメスである。いくつかの実施態様においては、ヒトは、少なくとも18歳、少なくとも20歳、少なくとも25歳、少なくとも30歳、少なくとも35歳、少なくとも40歳、少なくとも45歳、少なくとも50歳、少なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、少なくとも75歳、または少なくとも80歳である。
【0030】
組成物
本明細書中に記載されるものは、寿命関連、健康寿命関連、および老化関連疾病を治療する方法および組成物である。本明細書中でさらに開示されるものは、いくつかの局面においては、疾患の発症または進行を遅らせる、加齢関連表現型を無効にする、健康寿命を延長する、有病率を圧縮する、および老化細胞の老化関連分泌表現型(SASP)を修整する方法および組成物である。いくつかの実施態様においては、フレイルを治療する、健康を維持する、および毛を再生する方法および組成物である。いくつかの実施態様においては、歩行および平衡を改善する方法および組成物である。いくつかの実施態様においては、運動を改善する方法および組成物である。いくつかの実施態様においては、運動耐久力を改善する方法および組成物である。いくつかの実施態様においては、運動効率および代謝を改善する方法および組成物である。
【0031】
本開示は、特定の局面において、FDAの承認なしに人間の飲食に供することの可能な、あるいは一般に安全と認められる(generally recognized as safe:GRAS)2種類以上の化合物(個々に「活性物質」と称する)を含む組成物を提供する。いくつかの実施態様においては、単一の組成物が2種類以上の活性物質を含む。いくつかの実施態様においては、単一の組成物が3種類以上の活性物質を含む。いくつかの実施態様においては、単一の組成物が4種類以上の活性物質を含む。
【0032】
活性物質
アルファ-ケトグルタル酸
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はAKGを含む。アルファ-ケトグルタル酸またはα-ケトグルタル酸(化学式1)は、2-オキソペンタン二酸、2-ケトグルタル酸、2-オキソグルタル酸およびオキソグルタル酸としても知られる。生理的pHにおいては、α-ケトグルタル酸は、化学式2に示すような1種類以上の脱プロトン化体として存在する。Α-ケトグルタル酸は、真核生物のクレブス回路における一中間体であり、このような生物中でイソクエン酸(クレブス回路の過程で)またはL-グルタミン酸から(アラニンアミノ基転移酵素を介して)生合成される。α-ケトグルタル酸およびその対応する塩はいずれも市販されており、これらは発酵培養による調製(例えば、米国特許第2,776,926号を参照のこと)、あるいは密接に関連する化合物から化学合成することによる調製のいずれかによるものである。
【化1】

【化2】
【0033】
クレブス回路を介するエネルギー生成における役割に合致して、α-ケトグルタル酸は細胞バイオエナジェティックスの重要な制御因子であり、ATP合成酵素のβサブユニットの阻害因子およびキナーゼmTORの間接的阻害因子として働き、その結果、部分的にミトコンドリア電子伝達系を阻害する。
【0034】
いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸(α-ketoglutarate)は遊離酸(α-ketoglutaric acid)として提供される。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸は一塩または二塩として提供される。他の実施態様においては、α-ケトグルタル酸はモノナトリウム塩、ジナトリウム塩、モノカリウム塩、またはジカリウム塩として提供される。さらなる実施態様においては、α-ケトグルタル酸は、米国FDAのオレンジブックに記載のその他の陽イオンとの一価または二価の塩として提供される。そのような陽イオンとしては、カルシウム、ジオラミン、リチウム、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、トロメタミン、および亜鉛が挙げられる。さらなる実施態様においては、α-ケトグルタル酸の塩は、無水塩、半水和物、一水和物、二水和物として提供される。
【0035】
本明細書中にさらに開示されるものは、特定の局面においては、α-ケトグルタル酸塩を含む組成物である。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸はカルシウム塩(Ca-AKG)として提供される。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム水和物であり得る。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム一水和物であり得る。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム半水化物であり得る。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム無水物であり得る。
【0036】
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のメチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のジメチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のエチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のジエチルエステルである。
【0037】
いくつかの実施態様においては、AKGまたはCa-AKGを魚油と組み合わせる。いくつかの実施態様においては、AKGまたはCa-AKGを、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、またはL-バリンの1種類以上を含む必須アミノ酸と共に製剤化する。いくつかの実施態様においては、CaAKGまたはAKGをノルジヒドログアヤレト酸と組み合わせる。
【0038】
ビタミンA
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はビタミンAを本明細書中に開示の1種類以上の活性物質(例えば、AKGまたはCa-AKG、ビタミンD)と組み合わせて含む。本明細書中に開示されるビタミンAはレチノイン酸(RA)、パルミチン酸レチニル(RP)、または酢酸レチニルとして提供することもできる。
【0039】
ビタミンAは動物において必須の有機栄養素であり、細胞内において様々な化学形態に変換される。これらの形態としては、レチノールエステル(化学式3)、レチノール(化学式4)、レチナール(化学式5)、およびレチノイン酸(化学式6)が挙げられる。レチナールとして、ビタミンAは眼のロドプシン形成に必須である。レチノイン酸として、ビタミンAは上皮細胞および免疫細胞に対するホルモン様増殖因子として重要な役割を担う。加齢関連徴候に関しては、ビタミンAはレチノイン酸の形態でAMPKを活性化し、細胞のグルコース取り込みを刺激し(例えば、Yunら、J Biol Chem283:33969-33974(2008)を参照のこと)、抗糖尿病薬として作用することが、現在の研究で明らかになっている。
【0040】
ビタミンAは様々なプロビタミンAの形態で植物にも存在するが、それらは動物においてレチノールに変換される。そのような形態としては、アルファ-カロテン(化学式7)、ベータ-カロテン(化学式8)、およびガンマ-カロテン(化学式9)が挙げられる。ビタミンAが多様な形態であるため、ビタミンAの栄養量は国際単位(IU)でその化学的形態を特定することなく定義されている。例えば、1IUは、0.3mgのレチノールに生物学的等価であるが、ベータ-カロテンでは生物学的等価値が0.6mgである。異なる形態のビタミンAに関する国際単位等価性の情報は、当該技術分野において公知である。
【0041】
いくつかの実施態様においては、ビタミンAは、レチノールエステル、レチノール、レチナール、レチノイン酸、または上記のような薬学的に許容可能な陽イオンを有するレチノイン酸塩として提供される。他の実施態様においては、ビタミンAは、化学式7~9に示すアルファ-カロテン、ベータ-カロテン、またはガンマ-カロテンの形態で提供される。
【化3】


【化4】

【化5】

【化6】

【化7】


【化8】

【化9】

【0042】
ビタミンD
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はビタミンDを本明細書中に開示の1種類以上の活性物質(AKGまたはCa-AKG、ビタミンA)と組み合わせて含む。
【0043】
ビタミンDは様々な形態に変換することができる。いくつかの実施態様においては、ビタミンDはビタミンDまたはエルゴカルシフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDはビタミンDまたはコレカルシフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDはビタミンDまたは22-ジヒドロエルゴカルシフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDはビタミンDまたはシトカルシフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンDはビタミンDまたはエルゴカルシフェロールとルミステロールとの1:1混合物である。
【0044】
ビタミンE
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はビタミンEを本明細書中に開示の1種類以上の活性物質(AKGまたはCa-AKG、ビタミンA)と組み合わせて含む。
【0045】
ビタミンEは様々な形態に変換することができる。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはトコフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはアルファ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはベータ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはガンマ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはデルタ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはトコトリエノールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはアルファ-トコトリエノールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはベータ-トコトリエノールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはガンマ-トコトリエノールである。いくつかの実施態様においては、ビタミンEはデルタ-トコトリエノールである。
【0046】
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)+の生化学合成前駆物質
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はNAD+またはNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質を含む。いくつかの実施態様においては、該生化学合成前駆物質としては、ナイアシン、ニコチンアミド、ニコチンアミドリボシド(NR)、またはニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該組成物はナイアシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はニコチンアミドを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はNRを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はNMNを含む。いくつかの実施態様においては、NAD+の生化学合成前駆物質はNMNではない。いくつかの実施態様においては、該組成物はNMNを含まない。
【0047】
いくつかの実施態様においては、NAD+の生化学合成前駆物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびナイアシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびニコチンアミドを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびNRを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびNMNを含む。
【0048】
いくつかの実施態様においては、NAD+の生化学合成前駆物質をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびナイアシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびニコチンアミドを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびNRを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびNMNを含む。
【0049】
いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGと共にNAD+またはNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGと共にNAD+またはNADHを含む。
【0050】
いくつかの実施態様においては、NAD+の生化学合成前駆物質をAKGおよびプテロスチルベンと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、ナイアシン、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、ニコチンアミド、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、NR、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、NMN、およびプテロスチルベンを含む。
【0051】
いくつかの実施態様においては、NAD+の生化学合成前駆物質をCaAKGおよびプテロスチルベンと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、ナイアシン、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、ニコチンアミド、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、NR、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、NMN、およびプテロスチルベンを含む。
【0052】
いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびプテロスチルベンと共にNAD+またはNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびプテロスチルベンと共にNAD+またはNADHを含む。
【0053】
ミトコンドリアを標的とする化合物
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物としては、アルファ-リポ酸、L-カルニチン、補酵素Q10(CoQ10(ユビキノン)、ビタミンE、ビタミンC(アスコルビン酸)、パントテン酸(ビタミンB5)、またはアスタキサンチンが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該ビタミンEは酢酸アルファ-トコフェロールである。
【0054】
いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物はアルファ-リポ酸である。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物はL-カルニチンである。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物は補酵素Q10(CoQ10(ユビキノン)である。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物はビタミンEである。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物はビタミンCである。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物はパントテン酸である。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物はアスタキサンチンである。
【0055】
いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびアルファ-リポ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-カルニチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび補酵素Q10を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびビタミンCを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびパントテン酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびアスタキサンチンを含む。
【0056】
いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする該化合物をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびアルファ-リポ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-カルニチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび補酵素Q10を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびビタミンCを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびパントテン酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびアスタキサンチンを含む。
【0057】
分枝鎖アミノ酸
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸としては、L-ロイシン、L-イソロイシン、またはL-バリンが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸はL-ロイシンである。いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸はL-イソロイシンである。いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸はL-バリンである。
【0058】
いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-ロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-イソロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-バリンを含む。
【0059】
いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-ロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-イソロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-バリンを含む。
【0060】
アルファ-ケト酸
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸としては、3-メチル-2-オキソ酪酸、3-メチル-2-オキソ吉草酸、または4-メチル-2-オキソ吉草酸(α-ケトイソカプロン酸)が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸は3-メチル-2-オキソ酪酸である。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸は3-メチル-2-オキソ吉草酸である。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸は4-メチル-2-オキソ吉草酸である。本明細書中に記載のアルファ-ケト酸がAKGの類似体であることは、理解されるであろう。
【0061】
いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび3-メチル-2-オキソ酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび3-メチル-2-オキソ吉草酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび4-メチル-2-オキソ吉草酸(α-ケトイソカプロン酸)を含む。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび3-メチル-2-オキソ酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび3-メチル-2-オキソ吉草酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび4-メチル-2-オキソ吉草酸(α-ケトイソカプロン酸)を含む。
【0062】
ベータ-ヒドロキシ酸
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該ベータ-ヒドロキシ酸はベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチル酪酸である。いくつかの実施態様においては、該ベータ-ヒドロキシ酸をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチル酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該ベータ-ヒドロキシ酸をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチル酪酸を含む。
【0063】
チロシンキナーゼ阻害剤
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤としては、ピセアタンノール、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ゲニステイン、クルクミン、カルノソール、ウルソール酸、ダイゼイン、ルテオリン、クェルセチン、または老化細胞除去物質が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はピセアタンノールである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はエルロチニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はゲフィチニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はソラフェニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はスニチニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はゲニステインである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はクルクミンである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はカルノソールである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はウルソール酸である。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はダイゼインである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はルテオリンである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はクェルセチンである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤は老化細胞除去物質である。
【0064】
いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびピセアタンノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびエルロチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびゲフィチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびソラフェニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびスニチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびゲニステインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびクルクミンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびカルノソールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびウルソール酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびダイゼインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびルテオリンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび老化細胞除去物質を含む。
【0065】
いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびピセアタンノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびエルロチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびゲフィチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびソラフェニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびスニチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびゲニステインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびクルクミンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびカルノソールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびウルソール酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびダイゼインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびルテオリンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび老化細胞除去物質を含む。
【0066】
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物は老化細胞除去物質を含む。老化細胞除去物質は、老化細胞に選択的にアポトーシスを誘導するが、非老化細胞では誘導しない物質である。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質はクェルセチンである。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質はダサチニブである。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質はアルテミシニンである。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質はフィセチンである。
【0067】
いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はクェルセチンおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はクェルセチンおよびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブおよびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブおよびクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブ、クェルセチン、およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブ、クェルセチン、およびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルテミシニンおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルテミシニンおよびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はフィセチンおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はフィセチンおよびCaAKGを含む。
【0068】
その他の活性物質
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸およびCaAKGを含む。
【0069】
いくつかの実施態様においては、本明細書中に開示の組成物はアルファ-ケト酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-ケト酪酸およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-ケト酪酸およびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸、アルファ-ケト酪酸、およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸、アルファ-ケト酪酸、およびCaAKGを含む。
【0070】
いくつかの実施態様においては、該組成物はエルゴチオネインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はエルゴチオネイン、およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はエルゴチオネイン、およびCaAKGを含む。
【0071】
使用法
フレイル
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせる方法を提供する。用語「フレイル」は、複数の生理系が減退しているために、ストレス要因の抑制またはストレス要因への耐性が低下する生物学的症候群を意味する。フレイルに罹患している対象は、1種類以上の生理系にストレスを与える事象に対する健康転帰不良を改善できる可能性を有している。ヒトでは、フレイルは、非特異的症状、転倒、せん妄、変動性認知機能障害(fluctuating disability)、またはそれらの組み合わせとして現れることが多い。非特異的症状としては、極度の疲労、原因不明の体重減少、および頻発する感染症が挙げられる。転倒としては、基礎疾患の急性症状による転倒(hot falls:姿勢バランスを安定性保持閾値以下に低下させる軽症疾患)または非急性の原因による可能性の高い転倒(spontaneous falls:視力、平衡、および筋力の減退によって、活力のある姿勢システムが低下している)が挙げられる。せん妄は、変動性混乱(fluctuating confusion)および意識障害の急速な発現を意味する。変動性認知機能障害(fluctuating disability)は、患者における自立的機能の能力が日々不安定であることを意味する。
【0072】
フレイルに関する各種の臨床的スコア付けおよび評価システムは当業者には公知であり、フレイルに対する治療効果の評価に適している。いくつかの実施態様においては、70項目のCSHAフレイル指標を用いてヒトのフレイルを評価する(例えば、Theouら、Age Ageing42:614-619(2013)を参照のこと)。この指標の利用の仕方に関する簡単な説明を下に示す。
【0073】
現在の疾病の有無および/または重症度、日々の生活における能力および臨床検査および神経学的検査における身体的徴候を含む項目(下記の表1の項目を参照のこと)を評価する。各障害を二段階または三段階に分け、区間0~1にマップする(すなわち各項目はスコア0、0.33、0.50、0.67または1.0を有している)が、これはこの障害の発生頻度および重症度を表している。各人について70次元のベクトルを作成すると、1個人が5つの障害を有する場合のスコアは5/70=0.071となるであろう。
【表1】
【0074】
CSHAフレイル指標の利用に関するより詳しい内容(例えば、個々の尺度についてのスコア計算)については、当該技術分野の他の文献、例えば、Searleら、「フレイル指標を作成する標準的手順(A standard procedure for creating a frailty index)」BMC Geriatrics 8:24(2008)にも説明がある。ヒトにおけるCSHAフレイル指標の利用例については、前フレイル状態にある個体の選択であって、治療目的およびフレイルの薬理学的治療の評価目的での選択を実施例4で説明する。
【0075】
他の実施態様においては、マウスなどの非ヒト動物においてフレイルを評価する。マウスに認められるフレイルの徴候は、ヒトの徴候の多くのものに対応するが、そのような徴候としては、代謝に関する症状(例えば、体温、体重)、皮膚(外皮)に関する症状(例えば、脱毛症、体毛の退色、皮膚炎、ヒゲの消失、毛繕い)、身体的/筋骨格に関する症状(例えば、腫瘍、腹部の膨張、脊柱後彎症、尾部硬直、歩行障害、振戦、前肢の握力低下、身体状態/筋肉疲労/肥満)、前庭蝸牛/聴覚に関する症状(例えば、前庭障害、難聴)、眼/鼻に関する症状(例えば、白内障、角膜混濁、眼脂、小眼球症、失明、威嚇瞬目反応の増加、鼻汁)、消化器/尿生殖器に関する症状(例えば、不正咬合、直腸脱、膣脱/子宮脱/陰茎脱、下痢)、呼吸器に関する症状(例えば、呼吸速度または深度の異常)、および不快感に関する症状(例えば、マウス渋面スケールの増加、立毛)が挙げられる。
【0076】
いくつかの実施態様においては、例えば、Whiteheadら、J Gerontol A Biol Sci Med Sci 69:621-632(2014)に記載のような、上記に列挙の31種類の表現型の例を含む31項目の臨床フレイル指標に基づき、マウスのフレイルを評価する。2~3カ月毎にほぼ同時に臨床検査を実施し、体重および腹部赤外線放射による体表温度の測定後、臨床検査を実施して31種類のフレイル表現型を評価する。個々の障害の重症度をスケール化して、無徴候を0、軽度の障害を0.5、および重度の障害を1とする。体重(g)および体表温度(℃)に関する障害を変位値0~1のスコアにするが、これは若年成獣の参照値(0.25、0.5、0.75、および1.0)の標準偏差値に基づき、平均値からのスコア偏位がどれくらいの標準偏差になるか(1は>3SD)にしたがってスコア化するものである。各パラメーターに関するスコアの和によって最終的に31項目のフレイル指標が得られるので、標準的な統計技法にしたがってこれを個々のマウス間で比較してフレイルを評価することができる。
【0077】
いくつかの実施態様においては、例えば、Whiteheadら、J Gerontol A Biol Sci Med Sci 69:621-632(2014)およびParksら、J Gerontol A Biol Sci Med Sci.67:217-227(2012)に記載のように、8項目の機能フレイル指標に簡素化してマウスのフレイルを評価する。この方法では、マウス対象のオープンフィールド行動に基づいて7種類の行動パラメーターを評価する;すなわち、
(1)10分間に移動した総距離;
(2)不活動期と不活動期の間の活動期において移動した最大距離;
(3)移動に要する総時間(秒);
(4)総時間に対する移動時間の割合(%);
(5)移動の単位距離当たりの方向変換(蛇行とよぶ)(度/cm;0°~180°);
(6)10分間の移動速度の平均値(cm/s);
および
(7)後肢立の頻度(発生回数/10分間)。
8番目の非活動的パラメーターは体重であり、付加的に評価する。オープンフィールド評価を毎日午前10時から正午の間に実施する。マウスの体重を量り、自動追跡ビデオソフトウエアを用いて野外競技場での活動を10分間記録する。アナログ・デジタル変換でビデオをデジタル化し、ビデオ追跡解析ソフトウエアで分析して、8項目フレイル指標の作成に用いるパラメーター値を取得する。これらのパラメーターに関する平均値および標準偏差を算出して、平均値からのスコア偏位がどれくらいの標準偏差になるか(1は>3SD)にしたがって変位値0~1のスコア(0.25、0.5、0.75、および1.0)に割り振る。パラメーターを足して8で割り、該マウス対象について0~1のフレイル指標スコアを得る。スコア値が高いほど、マウスの脆弱度は増すのである。
【0078】
いくつかの実施態様においては、本開示は、本明細書中に開示の組成物を用いて、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせる方法を提供する。いくつかの局面においては、フレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせる該組成物は、2種類以上の活性物質を含む。
【0079】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0080】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0081】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0082】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0083】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0084】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0085】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0086】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0087】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0088】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0089】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてフレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせるための該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0090】
健康寿命
一局面においては、本開示は本明細書中に開示の該活性物質またはその組成物を用いて健康寿命を延ばす処置の方法を提供する。健康寿命は、1種類以上の選択した健康尺度を一個体が満たす期間を指す。健康寿命の増加は、上記のような尺度に準拠して対照集団における健康期間と比較したときの、健康期間の延長を意味する。健康寿命を評価するために選択した健康尺度であって、ヒト集団において評価される健康尺度の例として挙げられるものは以下である:エナジェティックス/代謝などの1種類以上の加齢関連表現型(例えば、インスリン上昇、インスリン抵抗性、空腹時血糖上昇(+糖負荷試験)、Hb A1c上昇、アディポネクチン、DEXA/腹部脂肪蓄積増加、IGF-I増加、T3低下、低密度リポ蛋白質上昇、高密度リポ蛋白質低下、中性脂肪上昇)、骨格筋機能(例えば、握力低下、可動性低下)、心肺機能(例えば、最大酸素摂取量低下、血圧上昇、脈波伝搬速度低下、内膜中膜複合体厚、左心室拡張機能低下、左心室拡張期圧増加)、炎症および免疫機能(例えば、リンパ球数低下、リンパ球/骨髄球の比の低下、CRP上昇、IL-6上昇、TNF-α上昇)、感覚機能(例えば、視力低下、神経伝導速度の低下)、認知(例えば、MMSE/AMTS/GPACなどの認知機能試験におけるスコアの低下、fMRIにおける活動低下)、細胞老化(例えば、白髪化)、および病理(例えば、加齢関連組織肥大または形成不全を評価する腎組織、心臓組織、肺組織、乳房組織、または前立腺組織評価)。
【0091】
寿命延長または健康寿命介入の評価に利用する非ヒト動物の例としては、線虫(C. elegans)、ショウジョウバエ(D. melanogaster)、およびマウス(M. musculus)が挙げられる。寿命または健康寿命介入を評価するためのショウジョウバエまたはマウスの利用に関しては、例えば、Bauerら、Proc Natl Acad Sci U S A.101:12980-5(2004)およびSelmanら、FASEB J 22:807-18(2008)に記載がある。
【0092】
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に開示の組成物を用いて健康寿命を延ばす方法を提供する。いくつかの局面においては、該組成物は本明細書中に記載の2種類以上の活性物質を含む。
【0093】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0094】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0095】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0096】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0097】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0098】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0099】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0100】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0101】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0102】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0103】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康寿命を延ばす該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0104】
有病率の圧縮
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて有病率を圧縮する方法を提供する。老化徴候および慢性疾患症状が最初に出現する年齢の上昇が平均寿命より速ければ、有病率の圧縮が起こる。有病率のマーカー(例えば、最初の心臓発作、肺気腫による最初の呼吸困難、変形性関節症による最初の身体的障害、特定度合いの最初の記憶障害)の発現する平均年齢の上昇が同年齢の平均寿命より速ければ、該マーカーと生存期間の終わりとの間の期間が短くなる。これによって生涯のうち健康でいられる年月が著しく増え、健康管理の末期コストが劇的に減るのである。
【0105】
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて有病率を圧縮する方法を提供する。いくつかの局面においては、該組成物は本明細書中に記載の2種類以上の活性物質を含む。
【0106】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0107】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0108】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0109】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0110】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0111】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0112】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0113】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0114】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0115】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0116】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において有病率を圧縮する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0117】
健康維持を支援する方法
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて健康維持を支援する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは、健康的な代謝の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康的な代謝の維持を支援することは健康的な体温の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康的な代謝の維持を支援することは健康的な体重の維持を支援することを含む。
【0118】
いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康的な筋骨格系の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康的な筋骨格系の維持を支援することは握力の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康的な筋骨格系の維持を支援することは正常な脊椎湾曲の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康的な筋骨格系の維持を支援することは正常な歩行の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康的な筋骨格系の維持を支援することは正常な筋量の維持を支援することを含む。
【0119】
いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な聴覚系の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な視覚系の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは正常視力の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な消化器系の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な尿生殖路の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な呼吸器系の維持を支援することを含む。
【0120】
いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な心臓血管系の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康な体重の維持を支援することを含む。
【0121】
いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは健康的な老化関連分泌表現型(SASP)の維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することはSASP因子の健康的な分泌レベルの維持を支援することを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することはSASP因子の健康的な分泌レベルの維持を支援することを含むが、ここでSASP因子は、インターロイキン(IL)、ケモカイン、炎症性因子、増殖因子、プロテアーゼ、細胞外マトリックス構成成分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様においては、健康維持を支援することは、IL-1β、IL-3、IL-6、IL-7、MIP-1β、TNF-α、CCL2、MMP3、またはそれらの組み合わせを含むSASP因子の健康的分泌レベルの維持を支援することを含む。
【0122】
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に開示の組成物を用いて健康を維持する方法を提供する。いくつかの局面においては、該組成物は本明細書に記載の2種類以上の活性物質を含む。
【0123】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0124】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0125】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0126】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0127】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0128】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0129】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0130】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0131】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0132】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0133】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において健康の維持を支援する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0134】
毛密度の維持
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて毛密度を維持する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、脱毛症を有する対象において毛密度が維持される。いくつかの実施態様においては、毛密度を維持することは健康な頭皮を維持することを含む。いくつかの実施態様においては、毛密度を維持することは健康な毛包を維持することを含む。いくつかの実施態様においては、毛密度を維持することは健康な毛幹を維持することを含む。いくつかの実施態様においては、毛密度を維持することは健康な毛球を維持することを含む。
【0135】
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に開示の組成物を用いる毛密度を維持する方法を提供する。いくつかの局面においては、該組成物は本明細書中に記載の2種類以上の活性物質を含む。
【0136】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0137】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0138】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0139】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0140】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0141】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0142】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0143】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0144】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0145】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0146】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛密度を維持する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0147】
毛色素形成の維持
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて毛色素形成を維持する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、毛色素形成を維持することは正常レベルのメラニンを維持することを含む。いくつかの実施態様においては、ビタミンB12のレベルが低い対象において毛色素形成が維持される。いくつかの実施態様においては、毛色素形成を維持することはメラニン細胞の正常な幹細胞レベルを維持することを含む。
【0148】
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に開示の組成物を用いて毛色素形成を維持する方法を提供する。いくつかの局面においては、該組成物は本明細書中に記載の2種類以上の活性物質を含む。
【0149】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0150】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0151】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0152】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0153】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0154】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0155】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0156】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0157】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0158】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0159】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛色素形成を維持する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0160】
毛再生
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いてそれを必要とする対象において毛を再生させる方法を提供する。いくつかの実施態様においては、該対象は脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は男性型または女性型の脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は円形脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は休止期脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は成長期脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は全頭脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は汎発性脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象はひげの円形脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象はムチン沈着性脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は牽引性脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は瘢痕性脱毛症を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は抜毛癖を有する。
【0161】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0162】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0163】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0164】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0165】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0166】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0167】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0168】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0169】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0170】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0171】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において毛を再生させる該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0172】
歩行、運動および平衡
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象において正常歩行不全を低減する、および/または歩行を改善する方法を提供する。歩行機能不全および/または運動機能障害を含む疾病、またはそれらによって特徴づけられる疾病の具体例としては、外傷、椎間板変性疾患(脊椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなど)、変形性関節症(膝関節変形性関節症、股関節変形性関節症など)、運動失調、筋失調症(頸部ジストニア、舞踏病、機能運動障害、ハンチントン病、多系統萎縮症、間代性筋けいれん、パーキンソン病、進行性核上まひ、脚不穏症症候群、遅発性ジスキネジー、振戦、ウィルソン病など)が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。平衡機能障害を含む、またはそれらによって特徴づけられる疾病の具体例としては、目まい、良性発作性頭位目まい症(BPPV)、メニエール病、片頭痛、聴神経腫、前庭神経炎、ラムゼイ・ハント症候群、頭部外傷、乗り物酔い、耳感染、内耳障害、血行不足、特定薬物による副作用、脳内化学物質不均衡、低血圧、高血圧などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いてそれを必要とする対象において運動障害を低減する、および/または運動を改善する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いてそれを必要とする対象において平衡障害を低減する、および/または平衡を改善する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、該対象は運動障害または舞踏病を有する。いくつかの実施態様においては、該対象は神経疾患または神経変性疾患を有する。
【0173】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0174】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0175】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0176】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0177】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0178】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0179】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0180】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0181】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0182】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0183】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において歩行、運動および/または平衡障害を低減する、および/または歩行、運動および/または平衡を改善する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0184】
運動耐久力
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する方法を提供する。
【0185】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0186】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0187】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0188】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0189】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0190】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0191】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0192】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0193】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0194】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0195】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象において運動耐久力、運動効率、および/または代謝の低下を抑える、および/またはそれらを改善する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0196】
サルコペニア
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する方法を提供する。
【0197】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0198】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0199】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0200】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0201】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0202】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0203】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0204】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0205】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0206】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0207】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてサルコペニアを治療する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0208】
コラーゲン合成
いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる方法を提供する。
【0209】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0210】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0211】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0212】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0213】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0214】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0215】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0216】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0217】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0218】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0219】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてコラーゲン合成を誘導する、促進する、または増加させる該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0220】
老化関連分泌表現型(SASP)の修整
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて老化関連分泌表現型(SASP)を修整する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示の方法はそれを必要とする対象において老化細胞のSASPを修整する。「老化細胞」は、典型的には複製する細胞種に由来すると考えられるが、老化の結果、または細胞状態に変化を起こす他の事象の結果として、もはや複製できなくなっていると一般的には考えられる。老化細胞の核は、老化関連ヘテロクロマチン病巣および老化を強化するクロマチン変化を伴うDNAセグメントによって特徴付けられることが多い。これは代謝的には依然として活性ではあるが、一般的に老化関連分泌表現型(SASP)を示す。SASPとしては、炎症性サイトカイン、増殖因子、およびプロテアーゼの組み合わせを含み得る。特定の理論に縛られずとも、老化細胞が分泌するこのようなSASPは加齢関連疾患の発症および進行の一因となり得るものである。
【0221】
一局面においては、本開示は本明細書中に記載の活性物質またはその組成物を用いて老化関連分泌表現型(SASP)を修整する方法を提供する。いくつかの局面においては、該組成物は本明細書中に記載の2種類以上の活性物質を含む。
【0222】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はアルファ-ケトグルタル酸(AKG)を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物は本質的にアルファ-ケトグルタル酸(AKG)から成る。
【0223】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質およびCa-AKGを含む。
【0224】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、AKGおよびプテロスチルベンを含む。
【0225】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はα-ケトグルタル酸の塩を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物は本質的にα-ケトグルタル酸の塩から成る。
【0226】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はα-ケトグルタル酸のエステルを含む。
【0227】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。
【0228】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含む。
【0229】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物は分枝鎖アミノ酸を含む。
【0230】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はアルファ-ケト酸を含む。いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含む。
【0231】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
【0232】
いくつかの実施態様においては、それを必要とする対象においてSASPを修整する該組成物は老化細胞除去物質を含む。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該老化細胞除去物質をCaAKGと組み合わせる。
【0233】
いくつかの実施態様においては、本明細書中で開示の該方法はそれを必要とする対象において老化細胞のSASPを修整する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整は損傷した細胞において成されるものではない。いくつかの実施態様においては、SASPの修整は増殖中の細胞において成されるものではない。いくつかの実施態様においては、該方法はAKGを含む組成物を該対象に投与することを含み、それによってAKGはSASPを遅延させる。いくつかの実施態様においては、該方法は本質的にAKGから成る組成物を該対象に投与することを含み、それによってAKGはSASPを遅延させる。いくつかの実施態様においては、該方法はAKGを含む組成物を該対象に投与することを含み、それによってAKGはSASPを低減する。いくつかの実施態様においては、該方法は本質的にAKGから成る組成物を該対象に投与することを含み、それによってAKGはSASPを低減する。
【0234】
いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも1ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも2ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも3ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも4ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも5ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも6ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも7ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも8ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも9ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも10ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも11ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも12ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも18ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも24ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも30ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、SASPの修整が対象への該組成物の投与後少なくとも36ヶ月遅延する。いくつかの実施態様においては、該組成物は治療前のSASP値に対して相対的にSASPを低下させる。いくつかの実施態様においては、SASPは治療前のSASP値に対して相対的に少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、33%、40%、45%、50%、66%、75%、または100%減少する。
【0235】
いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは少なくとも1種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは少なくとも2種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは少なくとも3種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは少なくとも4種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、SASPを修整することは少なくとも5種類のSASP因子の分泌を修整することを含む。いくつかの実施態様においては、分泌を修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を低下させることを含む。いくつかの実施態様においては、分泌を修整することは、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類のSASP因子の分泌を遅延させることを含む。
【0236】
いくつかの実施態様においては、該SASP因子は、インターロイキン(IL)、ケモカイン、炎症性因子、増殖因子、プロテアーゼ、細胞外マトリックス構成成分、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様においては、該SASP因子は、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IP-10、KC、LIX、GRO-α、GRO-β、GRO-γ、MCP-2、MCP-4、MIP-1α、MIP-1β、MIP-2、MIP-3α、HCC-4、エオタキシン-3、TNF-α、GM-CSE、MIF、アンフィレグリン、エピレグリン、ヘレグリン、EGF、FGF、HGF、KGF、VEGF、アンギオゲニン、SCF、SDF-1、PIGF、IGFBP-2、IGFBP-3、IGFBP-4、IGFBP-6、IGFBP-7、MMP-1、MMP-3、MMP-10、MMP-12、MMP-13、MMP-14、TIMP-1、TIMP-2、PAI-1、PAI-2、tPA、uPA、カテプシンB、ICAM-1、ICAM-3、OPG、sTNFRI、TRAIL-R3、Fas、sTNFRII、Fas、uPAR、SGP130、EGF-R、PGE-2、酸化窒素、ファイブロネクチン、エオタキシン、G-CSF、GM-CSF、M-CSF、IFNγ、MIG、RANTES、CCL2、CXCL1、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様においては、該SASP因子は、エオタキシン、G-CSF、GM-CSF、IFNγ、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IP-10、KC、LIX、M-CSF、MIG、MIP-1α、MIP-1β、MIP-2、RANTES、TNF-α、VEGF、CCL2、CXCL1、MMP-3、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様においては、該SASP因子は、IL-1β、IL-3、IL-6、IL-7、MIP-1β、TNF-α、CCL2、MMP3、またはそれらの組み合わせを含む。
【0237】
いくつかの実施態様においては、SASPの修整は老化細胞の形成に影響を与えない。いくつかの実施態様においては、SASPの修整は老化細胞の数に影響を与えない。いくつかの実施態様においては、SASPの修整は老化細胞を死滅させることを含まない。いくつかの実施態様においては、SASPの修整は老化細胞のアポトーシス誘導を含まない。いくつかの実施態様においては、対象に該組成物を投与する前に、該対象から生物学的試料を採取する。いくつかの実施態様においては、該生物学的試料は、血液、血漿、唾液、尿、組織、および脳脊髄液から成る群から選択される。いくつかの実施態様においては、該生物学的試料を分割して、対照生物学的試料および試験生物学試料とするが、ここで該生物学的試料を分割後に、該組成物を試験生物学的試料に加える。
【0238】
いくつかの実施態様においては、該組成物の添加前に、該対照生物学的試料および該試験生物学試料に老化刺激を加えて、該対照生物学的試料および該試験生物学試料における老化細胞の形成を評価する。いくつかの実施態様においては、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類の老化マーカーを用いて、老化細胞の形成、数、それを死滅させること、および/またはそのアポトーシスを評価する。いくつかの実施態様においては、該老化バイオマーカーはSASPの一部を成す分子である。いくつかの実施態様においては、SASPの一部を成す分子としては、GM-CSF、GROα、GROα、β、γ、IGFBP-7、IL-1α、IL-6、IL-7、IL-8、MCP-1、MCP-2、MIP-1α、MMP-1、MMP-10、MMP-3、アンフィレグリン、ENA-78、エオタキシン-3、GCP-2、GITR、HGF、ICAM-1、IGFBP-2、IGFBP-4、IGFBP-5、IGFBP-6、IL-13、IL-1β、MCP-4、MIF、MIP-3α、MMP-12、MMP-13、MMP-14、NAP2、オンコスタチンM、オステオプロテゲリン、PIGF、RANTES、sgp130、TIMP-2、TRAIL-R3、Acrp30、アンギオゲニン、Axl、bFGF、BLC、BTC、CTACK、EGF-R、Fas、FGF-7、G-CSF、GDNF、HCC-4、I-309、IFN-γ、IGFBP-1、IGFBP-3、IL-1 R1、IL-11、IL-15、IL-2R-α、IL-6 R、I-TAC、レプチン、LIF、MMP-2、MSP-a、PAI-1、PAI-2、PDGF-BB、SCF、SDF-1、sTNF RI、sTNF RII、トロンボポエチン、TIMP-1、tPA、uPA、uPAR、VEGF、MCP-3、IGF-1、TGF-β3、MIP-1-delta、IL-4、FGF-7、PDGF-BB、IL-16、BMP-4、MDC、MCP-4、IL-10、TIMP-1、Fit-3リガンド、ICAM-1、Axl、CNTF、INF-γ、EGF、BMP-6が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該老化バイオマーカーは、老化関連β-ガラクトシダーゼ、mmp-3、IL-6、p21、p16、およびp53から成る群から選択される。いくつかの実施態様においては、該老化バイオマーカーは老化関連β-ガラクトシダーゼである。いくつかの実施態様においては、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類の老化マーカーはp16INK4aを含む。いくつかの実施態様においては、該老化バイオマーカーは老化関連p16INK4aである。いくつかの実施態様においては、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、または少なくとも5種類の老化マーカーはp21WAF1を含む。いくつかの実施態様においては、該老化バイオマーカーは老化関連p21WAF1である。いくつかの実施態様においては、老化細胞の形成は、老化関連ヘテロクロマチン病巣(senescence associated heterochromatin foci:SAHF)または老化を強化するクロマチン変化を伴うDNAセグメント(DNA segments with chromatin alteration reinforcing senescence:DNA-SCARS)である。いくつかの実施態様においては、対照生物学的試料に比較して試験生物学試料では、老化バイオマーカーが低下し、このことは試験生物学試料において老化細胞の形成が低下していることを示すものである。
【0239】
いくつかの実施態様においては、該SASP修整剤の量は、少なくとも5mg/kg、少なくとも10mg/kg、少なくとも15mg/kg、少なくとも16mg/kg、少なくとも16.1mg/kg、少なくとも16.2mg/kg、少なくとも16.2mg/kg、少なくとも16.4mg/kg、少なくとも16.5mg/kg、少なくとも16.6mg/kg、少なくとも16.7mg/kg、少なくとも16.8mg/kg、少なくとも16.9mg/kg、少なくとも17mg/kg、少なくとも18mg/kg、少なくとも19mg/kg、少なくとも20mg/kg、少なくとも21mg/kg、少なくとも22mg/kg、少なくとも23mg/kg、少なくとも24mg/kg、少なくとも25mg/kg、少なくとも28mg/kg、少なくとも30mg/kg、または少なくとも33mg/kgである。
【0240】
いくつかの実施態様においては、該老化刺激は、化学療法処置、放射線照射、酸化ストレス、および老化から成る群から選択される。
【0241】
いくつかの実施態様においては、該対象を血漿AKGレベルに関して予備スクリーニングする。いくつかの実施態様においては、該対象は血漿AKGレベルが低下している。いくつかの実施態様においては、該対象では血漿AKGレベルが、対照試料における血漿AKGレベルと比較して少なくとも6倍低下している。いくつかの実施態様においては、該対象では血漿AKGレベルが、対照試料における血漿AKGレベルと比較して少なくとも7倍低下している。いくつかの実施態様においては、該対象では血漿AKGレベルが、対照試料における血漿AKGレベルと比較して少なくとも8倍低下している。いくつかの実施態様においては、該対象では血漿AKGレベルが、対照試料における血漿AKGレベルと比較して少なくとも9倍低下している。いくつかの実施態様においては、該対象では血漿AKGレベルが、対照試料における血漿AKGレベルと比較して少なくとも10倍低下している。いくつかの実施態様においては、該対照試料は、該対象よりも少なくとも2歳、少なくとも3歳、少なくとも4歳、少なくとも5歳、少なくとも8歳、または少なくとも10歳若いコントロール対象の血清試料である。
【0242】
いくつかの実施態様においては、該対象をDNAメチル化プロファイルに関して予備スクリーニングする。いくつかの実施態様においては、該対象のDNAメチル化プロファイルは、コントロール対象のDNAメチル化プロファイルにほぼ等しい。いくつかの実施態様においては、該コントロール対象はプラセボを投与した対象である。いくつかの実施態様においては、該コントロール対象の年齢は少なくとも該対象の年齢と同一である。いくつかの実施態様においては、該組成物は該対象のDNAメチル化プロファイルを修整する。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも2歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも3歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも4歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも5歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも6歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも7歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも8歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも9歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。いくつかの実施態様においては、対象において修整したDNAメチル化プロファイルは、該対象よりも少なくとも10歳若い第2のコントロール対象とほぼ同じである。
【0243】
いくつかの実施態様においては、該組成物はさらに加齢関連表現型を遅延させる、あるいは無効にする。いくつかの実施態様においては、該加齢関連表現型は、サルコペニア、認知障害、または加齢関連後成的変化(epigenetic changes)を含む。いくつかの実施態様においては、後成的変化は DNAメチル化プロファイルにおける変化を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はさらにコラーゲン合成を誘導する、あるいは促進する。
【0244】
本明細書中の説明にあるように、該組成物および方法は疾病および病態の治療に有用であり、そのような治療としては、対象において、フレイルを治療する、フレイルの発症を遅らせる、またはフレイルの進行を遅らせる、健康寿命を延長する、有病率を圧縮する、健康維持を支援する、毛密度を維持する、毛色素形成を維持する、毛を再生させる、SASPを修整する、歩行および平衡を改善する、運動耐久力を増進する、運動効率および代謝を増加させる、サルコペニアを治療する、およびコラーゲン合成を増加させることなどが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。これら組成物および方法の他の実施態様を以下に説明する。
【0245】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はAKGおよびナイアシンを含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびニコチンアミドを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびNRを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびNMNを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCa-AKGおよびナイアシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCa-AKGおよびニコチンアミドを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCa-AKGおよびNRを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCa-AKGおよびNMNを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はNAD+またはNADHおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGと共にNAD+またはNADHを含む。
【0246】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はAKG、ナイアシン、およびプテロスチルベンを含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、ニコチンアミド、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、NR、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKG、NMN、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はNAD+の生化学合成前駆物質、CaAKGおよびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、ナイアシン、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、ニコチンアミド、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、NR、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKG、NMN、およびプテロスチルベンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびプテロスチルベンと共にNAD+またはNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびプテロスチルベンと共にNAD+またはNADHを含む。
【0247】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、α-ケトグルタル酸はカルシウム塩(Ca-AKG)として提供されてもよい。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム水和物であってもよい。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム一水和物であってもよい。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム半水和物であってもよい。いくつかの実施態様においては、α-ケトグルタル酸カルシウムはα-ケトグルタル酸カルシウム無水物であってもよい。
【0248】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のメチルエステルであってもよい。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のジメチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のエチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該α-ケトグルタル酸のエステルはα-ケトグルタル酸のジエチルエステルである。
【0249】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はビタミンAを本明細書中に開示の1種類以上の活性物質(例えば、AKGまたはCa-AKG、ビタミンD、NR)と組み合わせて含んでもよい。本明細書中に開示のビタミンAは、レチノイン酸(RA)、パルミチン酸レチニル(RP)、または酢酸レチニルとして提供することもできる。本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物は、レチノールエステル、レチノール、レチナール、レチノイン酸、または上記のような薬学的に許容可能な陽イオンを有するレチノイン酸塩を含んでもよい。
【0250】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はビタミンAおよびAKGを含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAおよびNRを含む。
【0251】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物は化学式8~10に示すアルファ-、ベータ-、またはガンマ-カロテンの形態を含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はレチノールエステルを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はレチノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はレチノイン酸を含む。
【0252】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はビタミンDを本明細書中に開示の1種類以上の活性物質(AKGまたはCa-AKG、ビタミンA、NR)と組み合わせて含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDまたはエルゴカルシフェロール、ビタミンDまたはコレカルシフェロール、ビタミンDまたは22-ジヒドロエルゴカルシフェロール、ビタミンDまたはシトカルシフェロール、およびビタミンD、またはエルゴカルシフェロールとルミステロールの1:1混合物を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンDおよびNRを含む。
【0253】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はビタミンEを本明細書中に開示の1種類以上の活性物質(AKGまたはCa-AKG、ビタミンA、NR)と組み合わせて含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はトコフェロール、アルファ-トコフェロール、ベータ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、およびデルタ-トコフェロールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はトコトリエノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-トコトリエノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はベータ-トコトリエノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はガンマ-トコトリエノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はデルタ-トコトリエノールを含む。
【0254】
いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびCa-AKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEおよびNRを含む。
【0255】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はミトコンドリアを標的とする化合物を含むものであってもよい。いくつかの実施態様において、ミトコンドリアを標的とする化合物としては、アルファ-リポ酸、L-カルニチン、補酵素Q10(CoQ10(ユビキノン)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、ビタミンE、ビタミンC(アスコルビン酸)、パントテン酸(ビタミンB5)、またはアスタキサンチンが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該NADHはマイクロカプセル化したNADHである。いくつかの実施態様においては、該ビタミンEは酢酸アルファ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-リポ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はL-カルニチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物は補酵素Q10(CoQ10(ユビキノン)を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンCを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はパントテン酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアスタキサンチンを含む。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする化合物をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびアルファ-リポ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-カルニチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび補酵素Q10を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびビタミンCを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびパントテン酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびアスタキサンチンを含む。いくつかの実施態様においては、ミトコンドリアを標的とする化合物をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびアルファ-リポ酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-カルニチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび補酵素Q10を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびNADHを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびビタミンEを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびビタミンCを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびパントテン酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびアスタキサンチンを含む。
【0256】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はL-ロイシン、L-イソロイシン、またはL-バリンを含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はL-ロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はL-イソロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はL-バリンを含む。いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸はAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-ロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-イソロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびL-バリンを含む。いくつかの実施態様においては、該分枝鎖アミノ酸はCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-ロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-イソロイシンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびL-バリンを含む。
【0257】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はアルファ-ケト酸を含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸としては、3-メチル-2-オキソ酪酸、3-メチル-2-オキソ吉草酸、または4-メチル-2-オキソ吉草酸(α-ケトイソカプロン酸)が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸は3-メチル-2-オキソ酪酸である。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸は3-メチル-2-オキソ吉草酸である。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸は4-メチル-2-オキソ吉草酸である。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび3-メチル-2-オキソ酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび3-メチル-2-オキソ吉草酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび4-メチル-2-オキソ吉草酸(α-ケトイソカプロン酸)を含む。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケト酸をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび3-メチル-2-オキソ酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび3-メチル-2-オキソ吉草酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび4-メチル-2-オキソ吉草酸(α-ケトイソカプロン酸)を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-ケト酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-ケト酪酸およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルファ-ケト酪酸およびCaAKGを含む。
【0258】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はベータ-ヒドロキシ酸を含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該ベータ-ヒドロキシ酸はベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチル酪酸である。いくつかの実施態様においては、該ベータ-ヒドロキシ酸をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチル酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該ベータ-ヒドロキシ酸をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチル酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸およびCaAKGを含む。
【0259】
いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸、アルファ-ケト酪酸、およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はD-ベータ-ヒドロキシ酪酸、アルファ-ケト酪酸、およびCaAKGを含む。
【0260】
本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物はチロシンキナーゼ阻害剤を含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤としては、ピセアタンノール、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ゲニステイン、クルクミン、カルノソール、ウルソール酸、ダイゼイン、ルテオリン、クェルセチン、または老化細胞除去物質が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はピセアタンノールである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はエルロチニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はゲフィチニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はソラフェニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はスニチニブである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はゲニステインである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はクルクミンである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はカルノソールである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はウルソール酸である。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はダイゼインである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はルテオリンである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤はクェルセチンである。いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤は老化細胞除去物質である。
【0261】
いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤をAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびピセアタンノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびエルロチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびゲフィチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびソラフェニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびスニチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびゲニステインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびクルクミンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびカルノソールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびウルソール酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびダイゼインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびルテオリンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよびクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はAKGおよび老化細胞除去物質を含む。
【0262】
いくつかの実施態様においては、該チロシンキナーゼ阻害剤をCaAKGと組み合わせる。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびピセアタンノールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびエルロチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびゲフィチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびソラフェニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびスニチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびゲニステインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびクルクミンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびカルノソールを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびウルソール酸を含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびダイゼインを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびルテオリンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよび老化細胞除去物質を含む。本明細書中に記載の実施態様のそれぞれにおいては、該組成物は老化細胞除去物質を含むものであってもよい。いくつかの実施態様においては、該組成物はクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルテミシニンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はフィセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はクェルセチンおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はクェルセチンおよびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブおよびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブおよびクェルセチンを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブ、クェルセチン、およびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はダサチニブ、クェルセチン、およびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルテミシニンおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はアルテミシニンおよびCaAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はフィセチンおよびAKGを含む。いくつかの実施態様においては、該組成物はフィセチンおよびCaAKGを含む。
【0263】
投与量および投与経路
いくつかの実施態様においては、アルファ-ケトグルタル酸カルシウムの量は50mgから5000mgである。いくつかの実施態様においては、アルファ-ケトグルタル酸カルシウムの量は100mgから2000mgである。いくつかの実施態様においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも350mgであり、かつ2000mg以下である。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約400mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約450mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約500mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約550mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約600mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約650mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約700mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約800mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約900mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1000mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1100mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1200mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1300mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1400mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1500mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1600mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1700mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1800mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約1900mgから約2000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1900mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1800mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は350mgから約1700mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1600mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1500mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1400mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1300mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1200mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1100mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約1000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約900mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約800mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約700mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約650mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約600mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約550mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約500mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約450mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は約350mgから約400mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約350mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約400mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約450mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約500mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約550mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約600mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約650mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約700mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約750mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約800mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約900mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1000mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1100mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1200mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1300mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1400mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1500mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1600mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1700mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1800mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約1900mgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約2000mgである。
【0264】
上述の実施態様および例において、Ca-AKGは同一治療有効量のCa-AKG水和物で代替してもよいことは理解されるであろう。実例を挙げるならば、いくつかの実施態様においては、Ca-AKG水和物の量は50mgから5000mg、100mgから2000mg、または本明細書中に記載の他の用量範囲あるいは特定用量である。いくつかの実施態様においては、該治療有効量はCa-AKG一水和物である。いくつかの実施態様においては、該治療有効量はCa-AKG半水和物である。いくつかの実施態様においては、該治療有効量はCa-AKG無水物である。
【0265】
いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約5mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約10mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約15mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.1mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.2mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.3mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.4bmg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.5mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.6mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.7mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.8mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約16.9mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約17mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約18mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約19mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約20mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約21mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約22mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約23mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約24mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約25mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約28mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約30mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約33mg/kgである。いくつかの例においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも約35mg/kgである。いくつかの実施態様においては、Ca-AKGの治療有効量は少なくとも16.6mg/kgである。
【0266】
いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンAをさらに含んでいてもよい。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約100mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約150mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約200mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約250mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約300mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約350mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約400mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約410mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約420mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約430mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約440mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約450mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約460mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約470mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約480mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約490mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約500mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約550mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約600mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約650mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約700mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約750mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約800mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約850mcgのビタミンAを含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約900mcgのビタミンAを含む。
【0267】
いくつかの実施態様においては、該組成物はビタミンD3をさらに含んでいてもよい。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約8.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約9mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約9.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約10mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約10.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約11mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約11.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.1mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.2mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.3mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.4mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.6mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.7mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.8mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約12.9mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約13mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約13.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約14mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約14.5mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約15mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約20mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約25mcgのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約300IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約350IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約400IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約450IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約460IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約470IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約480IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約490IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約500IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約510IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約520IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約530IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約540IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約550IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約600IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約650IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約700IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約750IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約800IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約850IUのビタミンD3を含む。いくつかの例においては、該組成物は少なくとも約900IUのビタミンD3を含む。
【0268】
いくつかの実施態様においては、該組成物はCaAKGおよびビタミンAを含む。いくつかの実施態様においては、CaAKGおよびビタミンAを含む該組成物をオスの対象に投与する。いくつかの実施態様においては、CaAKGおよびビタミンAを含む該組成物を男性の対象に投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物はCa-AKGおよびビタミンD3を含む。いくつかの実施態様においては、CaAKGおよびビタミンD3を含む該組成物をメスの対象に投与する。いくつかの実施態様においては、CaAKGおよびビタミンD3を含む該組成物を女性の対象に投与する。
【0269】
本明細書中に開示の該組成物は多様な経路で投与することができる。いくつかの実施態様においては、該組成物を経口投与用に製剤化する。いくつかの実施態様においては、該組成物を舌下投与用に製剤化する。他の実施態様においては、該組成物を注射用に製剤化する。いくつかの実施態様においては、該組成物を局所投与用に製剤化する。
【0270】
いくつかの実施態様においては、本明細書中に記載の化合物を経口投与剤形に製剤化する。本発明の2種類以上の化合物を、例えば薬学的に許容可能な担体または賦形剤と組み合わせて製剤化する。多様な実施態様において、本発明の化合物には、例示としてのみ挙げるが、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸薬、糖衣錠、カプセル剤、液剤、美容液、ゲル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤、乳化剤などが含まれる。
【0271】
経口投与剤形
特定の実施態様においては、1種類以上の固体賦形剤を本明細書中に記載の化合物のうち1種類以上と混合して、得られた混合物を任意選択的にすりつぶし、錠剤、丸薬、または糖衣錠コアを作製するために必要に応じて好適な助剤を添加した後、顆粒混合物を処理することにより、該活性物質を含む経口投与用の調製物を得る。好適な賦形剤は特に、乳糖、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類などの増量剤;例えば、トウモロコシでんぷん、小麦でんぷん、米でんぷん、ジャガイモでんぷん、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩などのセルロース調製物;または、ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどのその他の物質である。特定の実施態様においては、任意選択的に崩壊剤を添加してもよい。崩壊剤には、例示としてのみ挙げるが、例えば架橋されたクロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)が含まれる。
【0272】
一つの実施態様においては、糖衣錠コア、丸薬、および錠剤などの剤形は、1種類以上の好適なコーティング剤を含むものとして提供される。特定の実施態様においては、剤形のコーティングに濃縮糖溶液を用いる。該糖溶液は任意選択的に他の成分を含んでいてもよく、そのような成分としては、例示としてのみ挙げるが、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合液が挙げられる。染料および/または色素もまた識別目的で任意選択的にコーティング剤に添加してもよい。さらに、活性化合物用量の異なる組み合わせを識別するために、染料および/または色素を任意選択的に利用してもよい。
【0273】
特定の実施態様においては、治療有効量の、本明細書中に記載の該活性物質を他の固形経口剤形に製剤化する。固形経口剤形としては、ゼラチン製の押し込み型カプセル剤(push fit capsule)、ならびにゼラチン製およびの可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)製の密閉型軟カプセル剤が挙げられる。特定の実施態様においては、押し込み型カプセル剤は、1種類以上の増量剤を含む混和物中に該活性成分を含む。増量剤としては、例示としてのみ挙げるが、例えば、乳糖、結合剤(でんぷんなど)、および/または滑沢剤(タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)および、任意選択的に安定化剤が挙げられる。他の実施態様においては、軟カプセルは好適な液体に溶解または懸濁されている1種類以上の活性化合物を含む。好適な液体としては、例示としてのみ挙げるが、例えば、1種類以上の脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールが含まれる。さらに、安定化剤を任意選択的に加えてもよい。いくつかの実施態様においては、AKGまたはCa-AKGを軟ゲルカプセルに製剤化する。
【0274】
いくつかの実施態様においては、AKGまたはCaAKGを、Patel、RRとPatel、JKの「経口制御放出剤の送達システムに関する新規技術(Novel Technologies of Oral Controlled Release Drug Delivery System)」Systematic Reviews in Pharmacy、July-December 2010、Vol.1(2)、128-132に記載のように、被覆ビーズに製剤化する。
【0275】
いくつかの実施態様においては、AKGを魚油と共にゲルカプセルに製剤化する。いくつかの実施態様においては、AKGまたはCaAKGを下記のアミノ酸のうち1種類以上を含むアミノ酸サプリメントに製剤化する:L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、L-バリン。いくつかの実施態様においては、AKGまたはCaAKGをグルタミン酸源として加える。
【0276】
他の実施態様においては、本明細書中に記載の活性物質を経口液体剤形に製剤化する。経口用液体調製物の例としては、好適な媒体中に1種類以上の活性物質を含む溶液、乳剤、セラム、溶液、シロップまたは懸濁液が挙げられる。シロップは高濃度の糖またはその他の甘味剤を含む透明で粘稠な経口液剤であり、活性物質が薬学的に許容可能な媒体中に溶解している。懸濁液は薬学的に許容可能な媒体に懸濁した微細粒子から成るが、その粒子は難溶性である。経口乳剤は、他の非混和性媒体の連続相に乳化剤の助けを借りて液滴として分散している活性物質の液体形態を含むものである(例えば、炭水化物、ゼラチン、高分子量アルコール類、湿潤剤、コロイド粘土など)。
【0277】
いくつかの実施態様においては、活性物質をゲルなどの半固体経口剤形に製剤化する。ゲルまたはゼリー様の製剤は、他の経口剤形を服用することが困難なお年寄りまたは嚥下障害患者に特に適している。水に活性物質を加え、低い臨界濃度(例えば、0.5~2.5%)のゲル化剤を加えて加熱してから冷却することによって、ゲルの形成が起こる。好適なゲル化剤の例としては、寒天、ゼラチン、カラギーナン、カゼイン酸ナトリウム、グリセロゼラチン、絹フィブロイン、ジェランガム、KELCOGEL、キシログルカン、ジェラン、およびペクチンが挙げられる。
【0278】
いくつかの実施態様においては、該1種類以上の活性物質を食品として調製する。いくつかの実施態様においては、該食品は経口投与用飲料である。好適な飲物の非限定的な例としては、フルーツジュース、フルーツドリンク、人工風味の飲料、人工甘味料入り飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、液体乳製品、シェイク、スムージー、またはカフェイン含有飲料が挙げられる。いくつかの実施態様においては、該1種類以上の活性物質は経口投与用飲料を構成するための粉末である。
【0279】
いくつかの実施態様においては、該食品は経口投与用の固形食品である。固形食品の好適な例としては、棒状食品、棒状軽食品、ゼリービーンズ、スポーツゲル、グミ、スポーツチューズ、クッキー、ブラウニー、マフィン、クラッカー、棒状アイスクリーム、または棒状冷凍ヨーグルトが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0280】
いくつかの実施態様においては、該食品はスポーツ飲料である。いくつかの実施態様においては、該スポーツ飲料は該活性物質およびスポーツ飲料成分を含むが、そのような成分としては、濾過水、臭素化植物油、異性化糖、クエン酸、果汁、塩、クエン酸ナトリウム、リン酸一カリウム、ウッドロジンのグリセロールエステル、および人工着色料が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0281】
いくつかの実施態様においては、該食品はスムージーである。いくつかの実施態様においては、該スムージーは該活性物質およびスムージー成分を含むが、そのような成分としては、ミルク(牛乳、豆乳、またはアーモンドミルク)、ヨーグルト、ナッツバター(ピーナッツバター、アーモンドバターまたはサンフラワーシードバター)、蜂蜜、および氷が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。いくつかの実施態様においては、該スムージーは冷凍した混合液果類を含む。
【0282】
いくつかの実施態様においては、該食品は棒状食品である。いくつかの実施態様においては、該棒状食品は該活性物質および棒状食品成分を含むが、そのような成分としては、玄米シロップ、押しオート麦、大豆蛋白質分離物、甘蔗シロップ、いり豆、米粉、乾燥甘蔗シロップ、無糖チョコレート、大豆粉、エンバク繊維、高オレイン酸ひまわり油、ココアバター、大麦麦芽エキス、海塩、天然香味料、大豆レシチン、およびシナモンが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0283】
いくつかの実施態様においては、該食品はゼリービーンズである。いくつかの実施態様においては、該ゼリービーンズは該活性物質およびゼリービーンズ成分を含むが、そのような成分としては、甘蔗シロップ、タピオカシロップ、クエン酸、濃縮還元リンゴ果汁、濃縮還元ライム果汁、ラズベリーピュレの果汁、濃縮還元梨果汁、天然香味料、チアミン塩酸塩、リボフラビン、ナイアシンアミド、アスコルビン酸、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、製菓用砂糖シロップ、着色用野菜汁および着色用果汁、クルクミン、蜜ロウ、カルナバワックス、および塩が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0284】
いくつかの実施態様においては、該食品はスポーツゲルである。いくつかの実施態様においては、該スポーツゲルは該活性物質およびスポーツゲル成分を含むが、そのような成分としては、マルトデキストリン、水、果糖、ロイシン、海塩、クエン酸、天然香味料、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、バリン、緑茶(葉)エキス、ジェランガム、イソロイシン、ひまわり油、安息香酸ナトリウム、およびソルビン酸カリウムが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0285】
いくつかの実施態様においては、該食品はグミである。いくつかの実施態様においては、該グミは該活性物質およびグミ成分を含むが、そのような成分としては、甘蔗シロップ、ブドウ糖、水、かんきつペクチン、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、天然香味料(苺)、および天然着色料(濃縮黒ニンジン)が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0286】
いくつかの実施態様においては、該食品はスポーツチューズである。いくつかの実施態様においては、該スポーツチューズは該活性物質およびスポーツチューズ成分を含むが、そのような成分としては、玄米シロップ、濃縮サトウキビジュース、乾燥玄米シロップ、ペクチン、クエン酸、濃縮黒ニンジン着色物、天然香味料、ひまわり油、およびカルナバワックスが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0287】
動物飼料
特定の実施態様においては、非ヒト動物に適切な栄養を提供する好適なペットフード調製物を含み得る食餌に、該活性物質が含まれる。例えば、本発明用途の典型的な犬用食餌は、粗蛋白質を約18~40%、脂肪を約4~30%、および総食物繊維を約4~20%含んでいてもよい。しかし、これらの栄養素またはその他の栄養素には特段の構成比または割合(%)が要求されるものではない。基本構成成分を配合する動物飼料の詳細な調製例に関しては、他の文献、例えば、米国特許第4,045,585号、第20100303968号、および第3,875,304号に説明がある。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.025%w/wから少なくとも約10%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.025%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.05%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.075%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.1%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.3%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.5%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約0.8%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約1%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約2%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約3%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約4%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約5%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約6%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約7%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約8%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約9%w/wである。いくつかの実施態様においては、動物飼料中のCa-AKGの治療有効量は少なくとも約10%w/wである。
【0288】
異なる放出形態
本明細書中に記載の該活性物質のいずれかを含む組成物は、持続放出または徐放(持続放出型あるいは制御放出型などともよばれる)に製剤化してもよい。このような組成物は一般的に、例えば、経口、経直腸、皮内、または皮下植込み、あるいは所望の標的部位で植え込みによって投与するのであってもよい。持続放出製剤は、担体マトリックス内に分散させた該化合物を含むのであってもよく、および/または放出速度制御膜で囲まれたリザーバー内に含まれるのであってもよい。そのような製剤に利用する賦形剤は生体適合性であり、また生体内分解性であってもよい;好ましくは、該製剤はその活性成分放出速度が比較的一定である。徐放性製剤に含まれる物質の量は、植込み部位、放出速度および予想される放出持続時間、ならびに治療または予防する病態、疾病、または障害の性質によって異なる。
【0289】
いくつかの実施態様においては、AKGまたはCa-AKGを徐放性錠剤として製剤化する。
【0290】
注射可能製剤
さらに別の実施態様においては、本明細書中に記載の該活性物質を非経口性の注射用に製剤化し、そのようなものとしてはボーラス注射または持続注入に好適な製剤が挙げられる。特定の実施態様においては、注射用製剤は単位投与剤形(例えば、アンプル入りのもの)または複数回投与用の容器入りの製剤として提供される。該注射用製剤には、任意選択的に防腐剤を添加してもよい。さらに別の実施態様においては、油性または水性媒体の滅菌懸濁液、溶液または乳液として非経口注射に好適な形態で該組成物を製剤化する。非経口注射用製剤は、任意選択的に懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤化剤を含んでいてもよい。特定の実施態様においては、非経口投与用の製剤としては、該活性化合物の水溶性形態である水性溶液が挙げられる。さらなる実施態様においては、該活性物質の懸濁液は適当な注射用油性懸濁液として調製する。本明細書中に記載の該組成物の利用に好適な親油性溶媒または媒体には、例示としてのみ挙げるが、例えば、ごま油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルなどの合成脂肪酸エステル、またはトリグリセリド、またはリポソームが含まれる。特定のいくつかの実施態様においては、注射用水性懸濁液は懸濁液の粘度を増加させる物質(カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど)を含む。該懸濁液は、好適な安定化剤、または高濃度溶液の調製を可能にするために該化合物の溶解度を増加させる好適な物質を任意選択的に含んでいてもよい。あるいは、他の実施態様においては、該活性成分は、使用前に好適な媒体、例えば、発熱物質不含の滅菌水で構成する粉末形態である。
【0291】
局所製剤
さらに別の実施態様においては、該活性物質を局所投与する。本明細書中に記載の該化合物を局所投与可能な多様な組成物(溶液、懸濁液、ローション、ゲル、フォーム、セラム、ペースト、薬用スティック、芳香性軟膏、クリームまたは軟膏など)に製剤化する。そのような組成物は、溶解剤、安定化剤、等張化促進剤、緩衝剤および防腐剤を任意選択的に含んでいてもよい。
【0292】
本明細書中に開示の組成物は局所塗布の乳剤として製剤化することができる。乳剤は1種類の液体中に分散する第2の液体を含む。該乳剤は水中油型乳剤であっても油中水型乳剤であってもよい。油相および水相のいずれか1方または両方が、1種類以上の界面活性剤、乳化剤、乳化安定剤、緩衝剤、およびその他の賦形剤を含んでいてもよい。該油相は他の薬学的に承認されている油性賦形剤を含むものであってもよい。好適な界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。局所塗布用組成物は、少なくとも1種類の好適な懸濁化剤、抗酸化剤、キレート剤、皮膚軟化剤、または保湿剤をさらに含むものであってもよい。
【0293】
特定の実施態様においては、該活性物質を含む該組成物を、包帯または経皮貼布を用いる局所投与用に、あるいは粉末/タルクまたはその他の個体、液体、スプレー、エアロゾル、軟膏、フォーム、クリーム、ゲル、またはペーストとして製剤化する。これは、局所に投与する、または治療部位に近接の皮膚あるいは治療部位内の皮膚に直接、例えば、皮内または皮下に注射する制御放出製剤または徐放性製剤の形態であることが好ましい。該活性組成物をイオン導入によって送達することもできる。真菌およびその他の微生物の増殖を防止するために防腐剤を用いることもできる。好適な防腐剤としては、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、チメロサール、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0294】
毛髪ケア製品
いくつかの実施態様においては、本発明の該活性物質を毛髪ケア製品中に処方する。いくつかの実施態様においては、毛髪ケア製品中の活性物質はアルファ-ケトグルタル酸の塩を含む。2種類上の該化合物を投与するために有用な毛髪ケア製品の例としては、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、またはモイスチャーが挙げられる。いくつかの実施態様においては、該アルファ-ケトグルタル酸をシャンプー中に処方する。シャンプーは、毛幹および頭皮から表面油脂、汚れ、および皮膚垢を除去するために特に選択される界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)およびその他の添加剤を含む調製物である。液体シャンプー形態の例としては、40%ラウリル硫酸ナトリウム、2~4%塩化ナトリウム(所望の粘度に調節)、2種類上の有効量の該化合物、防腐剤、および任意選択の香料または着色料を含む水溶液が挙げられる。コンディショナーまたはモイスチャーは、水の存在下で毛に付着する調整物質または保湿物質を含む調製物である。コンディショナーに用いる好適な調整物質または保湿物質を含む調製物の例としては、四級化界面活性剤、陽イオン性ポリマー、シリコーン化合物(例えば、ポリジメチルシロキサン、シクロメチコン)、皮膚軟化剤、および保湿剤が挙げられる。ヘヤースプレーの一例としては、低濃度の保湿剤(例えば、グリセロール)、コンディショナー、およびヘアスタイリングポリマー(例えば、PVP K-30)と共に希釈剤として緩衝性水およびエタノールがほぼ50:50の混合物を含むものが挙げられる。
【0295】
いくつかの実施態様においては、AKGを男性用毛髪ケア製品中に処方する。いくつかの実施態様においては、男性用AKG毛髪ケア製品は毛髪再生用途である。いくつかの実施態様においては、該AKGはAKGのエステルである。いくつかの実施態様においては、該AKGのエステルはAKGのメチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該AKGのエステルはAKGのジメチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該エステルはAKGのエチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該エステルはAKGのジエチルエステルである。いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品はビタミンA化合物をさらに含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンA化合物が、レチノールエステル、レチノール、レチナール、レチノイン酸、およびレチノイン酸の塩から成る群から選択される。いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品はビタミンE化合物をさらに含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンE化合物はアルファ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品はジヒドロケルセチン-グルコシドをさらに含む。いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品は1種類以上の賦形剤をさらに含む。
【0296】
いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品はフォームの形態である。いくつかの実施態様においては、該フォームはミノキシジルを含むように処方される。いくつかの実施態様においては、ミノキシジルは5%w/wで該フォーム中に処方される。いくつかの実施態様においては、該フォームは付加的成分を含み、そのような成分としては、ブタン、ブチル化ヒドロキシトルエン、セチルアルコール、クエン酸、グリセリン、イソブテン、乳酸、ポリソルベート60、プロパン、精製水、SDアルコール40-B、ステアリルアルコールが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0297】
いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品はシャンプーの形態である。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはミノキシジルを含む。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはビオチンを含む。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはケトコナゾールを含む。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはアルガン油を含む。いくつかの実施態様においては、該アルガン油はトコフェロール類、フェノール類、カロテン類、スクアレン、および脂肪酸類を含む。いくつかの実施態様においては、該脂肪酸類は80%不飽和脂肪酸類である。いくつかの実施態様においては、該フェノール類は、コーヒー酸、オレウロペイン、バニリン酸、チロソール、カテコール、レゾルシノール、(-)-エピカテキン、および(+)-カテキンを含む。
【0298】
いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品を、マトリカイン、アピゲニン、およびオレアノール酸を含む処方物と組み合わせて用いる。
【0299】
いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品を、ブチレングリコール、水、デキストラン、アセチルテトラペプチド-3、およびアカツメクサ(クローバー)の花のエキスを含む処方物と組み合わせて用いる。
【0300】
いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品を、加水分解野菜蛋白質PG-プロピルシラントリオールおよび水を含む処方物と組み合わせて用いる。いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品を、ジヒドロケルセチン-グルコシド、没食子酸エピガロカテキン-グルコシド、グリシン、塩化亜鉛、メタ重亜硫酸、グリセリン、および水を含む処方物と組み合わせて用いる。いくつかの実施態様においては、ジヒドロケルセチン-グルコシドをおおよそ0.005%で処方する。いくつかの実施態様においては、没食子酸エピガロカテキン-グルコシドをおおよそ0.0009%で処方する。いくつかの実施態様においては、グリシンをおおよそ0.005%で処方する。いくつかの実施態様においては、塩化亜鉛をおおよそ0.002%で処方する。いくつかの実施態様においては、メタ重亜硫酸をおおよそ0.015%で処方する。いくつかの実施態様においては、グリセリンをおおよそ50%で処方する。
【0301】
いくつかの実施態様においては、該男性用AKG毛髪ケア製品を毛髪再生錠剤と組み合わせて用いる。いくつかの実施態様においては、該毛髪再生錠剤はAminoMar海洋性蛋白質複合体(aminomar marine complex)、ビタミンC、亜鉛、およびトクサ茎エキスを含む。
【0302】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDを女性用毛髪ケア製品に処方する。いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品は毛髪再生用途である。いくつかの実施態様においては、該ビタミンDはビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンDはビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンDはビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンDはビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンDはビタミンDを含む。いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品はビタミンA化合物をさらに含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンA化合物は、レチノールエステル、レチノール、レチナール、レチノイン酸、およびレチノイン酸の塩から成る群から選択される。いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品はビタミンE化合物をさらに含む。いくつかの実施態様においては、該ビタミンE化合物はアルファ-トコフェロールである。いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品はジヒドロケルセチン-グルコシドをさらに含む。いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品は1種類以上の賦形剤をさらに含む。
【0303】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品はフォームの形態である。いくつかの実施態様においては、該フォームはミノキシジルを含むように処方される。いくつかの実施態様においては、ミノキシジルは5%w/wで該フォーム中に処方される。いくつかの実施態様においては、該フォームは付加的成分を含み、そのような成分としては、ブタン、ブチル化ヒドロキシトルエン、セチルアルコール、クエン酸、グリセリン、イソブテン、乳酸、ポリソルベート60、プロパン、精製水、SDアルコール40-B、ステアリルアルコールが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0304】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品はシャンプーの形態である。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはミノキシジルを含む。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはビオチンを含む。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはケトコナゾールを含む。いくつかの実施態様においては、該シャンプーはアルガン油を含む。いくつかの実施態様においては、該アルガン油はトコフェロール類、フェノール類、カロテン類、スクアレン、および脂肪酸類を含む。いくつかの実施態様においては、該脂肪酸類は80%不飽和脂肪酸類である。いくつかの実施態様においては、該フェノール類は、コーヒー酸、オレウロペイン、バニリン酸、チロソール、カテコール、レゾルシノール、(-)-エピカテキン、および(+)-カテキンを含む。
【0305】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品を、マトリカイン、アピゲニン、およびオレアノール酸を含む処方物と組み合わせて用いる。
【0306】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品を、ブチレングリコール、水、デキストラン、アセチルテトラペプチド-3、およびアカツメクサ(クローバー)の花のエキスを含む処方物と組み合わせて用いる。
【0307】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品を、加水分解野菜蛋白質PG-プロピルシラントリオールおよび水を含む処方物と組み合わせて用いる。
【0308】
いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品を、ジヒドロケルセチン-グルコシド、没食子酸エピガロカテキン-グルコシド、グリシン、塩化亜鉛、メタ重亜硫酸、グリセリン、および水を含む処方物と組み合わせて用いる。いくつかの実施態様においては、ジヒドロケルセチン-グルコシドをおおよそ0.005%で処方する。いくつかの実施態様においては、没食子酸エピガロカテキン-グルコシドをおおよそ0.0009%で処方する。いくつかの実施態様においては、グリシンをおおよそ0.005%で処方する。いくつかの実施態様においては、塩化亜鉛をおおよそ0.002%で処方する。いくつかの実施態様においては、メタ重亜硫酸をおおよそ0.015%で処方する。いくつかの実施態様においては、グリセリンをおおよそ50%で処方する。いくつかの実施態様においては、AKGおよびビタミンDの該女性用毛髪ケア製品を毛髪再生錠剤と組み合わせて用いる。いくつかの実施態様においては、該毛髪再生錠剤はAminoMar海洋性蛋白質複合体(aminomar marine complex)、ビタミンC、ビオチン、および鉄を含む。
【0309】
投与プロトコルおよびスケジュール
いくつかの実施態様においては、該活性物質の1種類以上を個別に投与する。いくつかの実施態様においては、個別に投与される該活性物質を独立の投与形態単位で投与する(例えば、丸薬、糖衣錠、錠剤)。いくつかの実施態様においては、個別に投与される該活性物質を異なる投与経路で投与する。特定の実施態様においては、該活性物質の2種類以上を個別に投与する。特定の実施態様においては、該活性物質のうち3種類を個別に投与する。特定の実施態様においては、個別に投与される該活性物質を同時には投与しない。
【0310】
特定の実施態様においては、同時には投与しない該活性物質を、特定の時間範囲内に投与する。特定の実施態様においては、該特定の時間範囲は48、36、24、12、または6時間である。いくつかの実施態様においては、該活性物質のうち1種類以上、2種類以上、または3種類を特定の時間範囲内に投与する。
【0311】
いくつかの実施態様においては、治療に用いる該活性物質またはその組成物を特定の治療期間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を長期治療期間投与する、すなわち患者の疾病または病態の症状を軽減する、あるいは抑制または抑えるために患者の生涯を通じてなど、長期間にわたって投与する。治療期間に、治療に利用する該活性物質またはその組成物を特定の計画日程にしたがって投与する。
【0312】
さらなる実施態様においては、該活性物質またはその組成物を1日1回、2回、3回、または4回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物を1日1回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物を1日2回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物を1日3回投与する。いくつかの実施態様においては、該組成物を1日4回投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を朝夕に投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を週に1回、2回、3回、または4回投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を月に1回、2回、3回、または4回投与する。
【0313】
いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも2ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも3ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも4ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも5ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも6ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも7ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも8ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも9ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも10ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも12ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも14ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも16ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質またはその組成物を少なくとも18ヶ月間投与する。いくつかの実施態様においては、該活性物質または組成物を少なくとも1年に3ヶ月服用する。いくつかの実施態様においては、該活性物質または組成物を少なくとも6ヶ月毎に1ヶ月間服用する。
【0314】
実施例
実施例1:フレイル、生存期間および健康寿命に対するAKGの効果
動物飼育場所および食餌
マウスは全て12時間毎の明暗サイクルおよび20~22℃で飼育した。処置を開始する月齢18ヶ月以前はマウスをマウス通常飼料(Teklad照射滅菌18%蛋白質飼料-2918)で維持した。AKG処置動物には生涯にわたって2918飼料に2%(w/w)AKGを加えたものを与え、一方、対照群は標準の2918飼料で維持した。2918飼料の生産工程で純粋な2-オキソグルタル酸カルシウムを均一に混合した。健康寿命および生存期間に関する試験の終了時点は、基本的には自然死である。C57BL6/Jマウスの独立した2つのコホートは月齢約14ヶ月であった。マウスは全て12時間毎の明暗サイクルおよび20~22℃で飼育した。実験前の準備段階では、マウスが必要月齢に達するまでマウス通常飼料(Teklad照射滅菌通常18%蛋白質飼料-2918)で維持した。マウスは群(ケージ当たり最大で5匹)で飼育したが、攻撃的なオスのマウスは喧嘩を避けるために隔離した。生存期間および健康寿命に関する実験は全て月齢約18ヶ月で開始した。動物はまず基準化し、後に群に分けた。AKG処置群には、アルファ-ケトグルタル酸カルシウムを添加した飼料(2%w/w、2918)を与えた。2918飼料の生産工程で、照射およびペレット化前に純粋なアルファ-ケトグルタル酸カルシウムを均一に混合した。マウスは毎日検査し、非致死性の病態であるときには獣医スタッフの指示にしたがって投薬した。
【0315】
月齢18ヶ月の時点で、AKG(2%(w/w))飼料または標準飼料を被検マウスに与える。この試験は2つのコホート(n=全部で182匹の動物)および1つの解剖群(n=12)から成る。コホート1のマウスは、フレイル指標の評価および生存期間について試験する。コホート2のマウスは、同一月齢で食餌を開始して、生存率試験、代謝試験および補完的に老化試験の追試を行う。マウスは自然死まで観察する。
【表2】
【0316】
生存率
健康寿命および生存期間に関する試験の終了時点は、基本的には自然死、または毎日の検査でマウスの死亡が確認されたとき、または安楽死(さらに48時間生存できる可能性がないと見なされ、かつ苦痛が強いマウスについて)の時点である。安楽死の基準は、AAALAC指針に準拠し動物の状態を考慮した場合にのみ獣医の独立した判定に基づくものであった。重度の昏睡状態、急速な体重減少(2週間で>20%)、重度の腹部膨張および疼痛徴候(渋面)を伴う身体状態、刺激に対しても動くことができない、重度の潰瘍または出血性腫瘍、呼吸速度異常を伴う重度の体温低下。死亡が確認された、あるいは安楽死させた動物は、病理スコアを得るために死体解剖を行った。この集団(n=180匹の動物:動物数90匹の2コホート)には、侵襲的な測定は実施しなかった。解剖群は月齢14ヶ月のものを購入し、翌週に基準化し群に分けた。これらのマウス(n=12)には、Teklad-2918飼料または2%(w/w)AKGを添加した2918飼料のいずれかを与えた。3ヶ月間の処置後に、動物を屠殺して組織を回収した。試験期間中の食物摂取および体重に関する測定は、2週間毎および2ヶ月毎に行った。
【0317】
老化指標(フレイル指標)
評価が主観的性質を有することから、測定は全て完全盲検で実施した。これらの評価は加齢関連の健康悪化を示すものであり、動物の筋骨格系、前庭蝸牛/聴覚系、視覚系および嗅覚系、消化器系、泌尿生殖器系、呼吸器系、不快徴候、体重および体表温度に関する評価を含む。フレイル徴候が認められないときは0とし、その動物は健康な表現型である。中等度の表現型および重度の表現型のスコアをそれぞれ0.5および1とする。体温低下および体重減少は試験の標準偏差を用いてスコア化した(表2)。体温および体重を除き、表現型は全て。Whitehead、J.C.らが以前に記載している方法でスコア化した。体温および体重のスコアに関して:簡単に説明すると、体重および体温に関しては、新規のスケーリングスコアを利用した;本発明者ら独自の基準値データセット(月齢18ヶ月の時点でマウスの処置開始前に取得したデータ)を用いて性別特異的に平均値および標準偏差(STDEV)を算出した。1STDEV以内の温度低下または体重減少(図3Bおよび図3D)のスコアを(0)とし、減少が1STDEVよりも大きく、かつ2STDEVよりも少ないときのスコアを(0.5)とし、減少が2STDEVよりも大きい場合のスコアを(1)とする。
【表3】
【0318】
統計分析
健康寿命に関する全データを抽出するためにパイソン・ソフトウエアを用い、R分析ソフトウエアに互換性のファイルを作成した。R、グラフバッド7およびOASIS2ソフトウエアを用いてデータを解析した。カプランマイヤー曲線を解析するためにログランク(マンテル-コックス)検定を用い、最長生存期間分析(生存率90%における)にはフィッシャーの直接確率検定を実施した。対照群とAKG処置群間の各時点でのスコアリング分析には両側スチューデントt検定を用いた。有病率曲線間の分析にはボンフェローニの事後検定補正付き二元分散分析(ANOVA)を用いた。死亡率グラフの曲線下領域(AUC)は、月齢18ヶ月時点を基準化して測定した。AUCの変化を用いて有病率圧縮の割合(%)を算出した。
【0319】
炎症性サイトカインおよびケモカイン
若年(18ヶ月齢)、老齢対照およびAKG食餌(29ヶ月齢)動物の内頚静脈から血液試料を採取した。多重ビーズアレイ技術(MD31)を用いて、これらの試料を血清中可溶性サイトカインおよびケモカインに関して測定した。
【0320】
代謝データ
間接的な熱量測定を用いて代謝測定を行った。Promethion代謝ケージシステム(Sable Systems International)を用いた。本システムは、哺乳類小動物用のO測定(消費)およびCO測定(生産)ガス分析装置GA-3を備えている。エネルギー消費、食物摂取、水分消費、体重、身体活動および任意運動(volunteer exercise)を連続する4日間(96時間)にわたり同時に記録した。マウスは個々に代謝ケージに収容し、記録開始前に1日間環境に慣らした。データは、Sable System Expedata-Pデータ解析ソフトウエアを用いて解析した。続いて、間接的熱量測定を用いた実験の分析に無料のウェブツールであるCalRソフトウエアを利用し、生データを解析して複数のプロットを生成し、統計解析を行った。定量核磁気共鳴装置(EchoMRI-2012、Echo Medical Systems)を用いて全身体成分分析を実施した。
【0321】
経胸壁心エコー法
心エコープローブ(MS-400)を有する高解像度(32~55MHz)マイクロ超音波システムVisualsonics Vevo 2100を用い、経胸壁心エコー法による心エコー診断を実施した。個々のマウスを温熱パッド(37℃)上に置き、測定時に動物を麻痺状態(心抑制副作用は最小化する)にするために軽度鎮静処置(0.5%イソフラン+酸素)を行った。ドップラー2D画像化Mモード心エコーを実施して、心臓形態、収縮機能、および心筋パフォーマンスインデックス(myocardial performance index:MPI)の平均基準値を評価した。
【0322】
トレッドミル疲労試験
マウスが老齢(28ヶ月齢)であるため、初期速度および加速に関しては試験に合わせて調整した。実際の実験前に3日間連続で、全マウスを5m/分の速度で10分間訓練して環境に馴化させた。実験当日は、5m/分の速度で3分間マウスをウオームアップさせた後、速度を1.5m/分-2で加速した。動物に活動を維持させるため、断続気流による刺激を与えた。マウスが疲労した時点で(呼吸が荒い、猫背および10回の断続気流(エアーパフ)を与えても動物がトレッドミルに乗るそぶりを示さないなどの疲労徴候)、最大速度および距離を記録した。
【0323】
ウエスタン
1晩マウスに断食させて、翌日の朝に解剖して組織を採取し、直ちに液体窒素で凍結した;採取組織は、心臓、肺、腎臓、脂肪組織(メスの内臓脂肪、精巣上体および子宮に沿って丁寧に)および皮膚(背部皮膚、頭部と尾部間の脊柱上)である。氷上にてOmni THホモジナイザー(Omni International)を用い、放射性免疫沈降法(RIPA)緩衝液(300mMのNaCl、1.0%NP-40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、50mMトリス(pH8.0)、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)およびホスファターゼ阻害剤2、3(Sigma))中で組織をホモジナイズした。試料を13,200rpm、4℃で10分間遠心分離した。界面活性剤適合性(DC)蛋白質アッセイ(Bio-Rad)を用いて、上清の蛋白質含量を測定した。同一量の蛋白質をSDS-PAGE(4%~12%Bis-Tris勾配ゲル、Invitrogen)によって分離し、ニトロセルロース膜に転写して蛋白質/リン蛋白質特異抗体と共にインキュベートした。リン酸化rsS6S240/244(5364)、AktS473(4058)、S6(2217)、Akt(4691)、およびグリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH;2118)に対する抗体を用いた。アマシャム高感度化学発光(ECL)検出システム(GE Healthcare)を用いて蛋白質バンドを検出し、ImageJソフトウエアによって定量した。
【0324】
RT-PCR
インビボ試験のために解剖群と記載した12匹の動物から組織を採取した。組織に1mlのInvitrogen TRIzolTM試薬を加え、高速振盪(Tissuelyser Qiagen;20Hrtzで、6分間)と組み合わせて金属ビーズを用いてホモジナイズした。皮膚試料はホモジナイズ工程前にピストル型クラッシャーを用いて液体窒素中で砕いた。ホモジナイズした組織から、クロロフォルム抽出およびエタノール沈殿によりRNAを抽出した。RNAの質および量を評価し、記載の方法でcDNA合成を行った。Rocheのユニバーサルプローブライブラリー(Universal Probe Library)システム(Indianapolis、IN、USA)を用いたリアルタイム定量PCRにより遺伝子発現を定量した。プライマーセット(0.1μM)は以下である:
(1)p16 F:5’-AACTCTTTCGGTCGTACCCC-3’およびR:5’- TCCTCGCAGTTCGAATCTG-3’、ならびに特注設計のプローブ:5’-/56-FAM/AGG TGA TGA/ZEN/TGATGGGCAACGTTCAC/3IABkFQ-3’。
(2) p21 R:5’-TTTGCTCCTGTGCGGAAC-3’およびF:5’- TTGCCAGCAGAATAAAAGGTG-3’、ならびにプローブ#9。
転写産物のレベルを、内部標準としてのベータ-グルクロニダーゼ(GUSB)で規格化した。
【0325】
結果
生後540日にCaAKGを含む食餌を開始するまで、C57Bl/6マウスには標準飼料を与えた。月齢18ヶ月の時点でマウスにAKG入りの飼料および標準試料を与えた。試験は2つのコホート(n=全182匹の動物)および単一の解剖群(n=12)から成る。コホート1のマウスは、全フレイル指標および生存期間について試験した。コホート2のマウスは、同一月齢で食餌を開始して、生存率試験、代謝試験および補完的に老化試験の追試を行った。これら2つのコホートはそれぞれが45匹のメスおよび45匹のオスのマウスから成り(全体で180匹の動物)、これらマウスについて評価を実施した。2%CaAKG(w/w)を含む食餌が、独立した2つのコホートの老齢マウスの生存率を増加させることを本明細書で報告する(図2A、P=0.032、P=0.022)。第1のコホートでは、生存期間の中央値および生存(90%死亡率における月齢)が、処置開始からそれぞれ9.7%および20%延長した。メスのマウスでは、CaAKGを含む食餌の開始から生存が19.4%改善した(図2B、P=0.02、および表3)。オスでは生存に関する改善は有意ではなかったが(図2C、P=0.18およびP=0.15)、9.4%の延長が認められた(図2Cおよび表3)。これらの所見は第2のコホートのマウスでも再現され、一部のマウスはまだ生きているが、生存期間の中央値はメスでは9.6%延長し、オスでは10.4%延長した(P=0.037、P=0.15)。
【表4】
【0326】
健康寿命を評価するために、臨床的に関連するフレイル指標に基づく測定を用いた。フレイル指標(FI)は31の表現型から成り加齢関連の健康悪化の指標であるが、それぞれの表現型を重症度に基づいてスケール0、0.5または1にスコア化するのである。体重および体表温度を測定して同様のスコアスケールに変換する(表2)。スコア化はいずれも盲検で実施した。
【0327】
これら31の測定基準はヒトのフレイル指標と多くの共通する性質を有しており、マウスおよびヒトにおいて老化の進行が類似しているとの報告がなされている。おおよそ8週間毎に測定を繰り返し、オスおよびメスの群でそれぞれ8セットおよび7セットのデータを取得した。基準値に関する臨床評価を得るために、18ヶ月の時点で処置を開始する直前にデータのセットを取得した(図4A図4D)。31種類のフレイル表現型の総和である総フレイルスコアは、健康転帰不良の可能性が増加した状態を示すのであるが、これは有病率に匹敵する。メスおよびオスの動物の両方において、CaAKGは複数種類の老化表現型の発生率および重症度を減少させ有病率の増加を遅らせる(図4A図4B)。オスの動物は11ヶ月間のCaAKG補給後に有意な健康改善を示し始め、これが月齢33ヶ月の最後の測定時まで続く(P<0.01、P<0.05、図4A)。メスでは9ヶ月間の処置後に有意な改善を示し、また処置後11ヶ月においても改善を示している(P<0.001、P<0.05、図4B)。
【0328】
いずれの老化表現型が最も影響を受けるのかを判定するために、個々のフレイル指標を異なる時点で比較した(図4Cおよび図4D)。CaAKG処置はオスにおいて複数の老化表現型の重症度を有意に低下させた;そのような表現型としては、握力の低下、歩行障害、平衡低下(前庭障害)、渋面(疼痛評価)、威嚇瞬目反応の低下、難聴、眼脂、体毛状態の不良、体調不良、尾部硬直および呼吸速度の異常が挙げられる(図4C)。メスでは、立毛、渋面、脱毛症、体毛退色、体毛状態の不良、握力低下、歩行障害、直腸脱および体重減少が有意に減少した(図4D)。
【0329】
両方の性で、健康改善は動物の中間寿命付近において最も顕著であった。CaAKGによって影響を受けるフレイル尺度の中では、メスの体毛色における加齢関連変化に対する予防が特に顕著であった。第1のコホートでは、CaAKG処置によって加齢依存性の体毛退色が反転したようであるが、第2のコホートのメスではCaAKG処置によって体毛退色が予防されただけで、反転効果は認められなかった(図5A図5D)。中間寿命に近いCaAkG処置のメスおよびオスにおいて、歩行改善は代謝ケージにおける運動の活動性増加と整合する(図6A図6B)。CaAKG処置群では、酸素消費のレベル、二酸化炭素産出およびエネルギー消費が有意に低かった。二酸化炭素産出の低下は生存期間の後期まで継続した(非提示)。加齢関連の過度の体重減少については老齢のヒトでも老齢のげっ歯類でも報告されており、これは有病率と関連性がある。第2のコホートのマウスのデータは、両方の性において加齢関連体重減少を裏付けるものであるが、オスのマウスにおいてはAKGによって体重がより維持されやすいことを、本発明者らは観察している(P値<0.001、図3B図3D)。全ての表現型が改善したわけではない。心機能および運動機能を試験する目的で、トレッドミル疲労試験および心エコーを実施した。CaAKG処置によって有意な有害変化は認められなかった(図8A図8L)。
【0330】
加齢関連表現型が出現する年齢は、哺乳動物ではばらつきが大きい可能性があるので、フレイルに関するデータセットを単に時系列の関数としてプロットするだけでなく、10%以内のスコアをひとまとめにする(例えば、動物の生存期間に関する60%~70%のスコアをまとめて65%としてプロットする)ことによって各マウスの生存期間に比例したプロットも行う(図9A図9B)。これによって、動物の生物学的年齢に関する評価をさらに調整する。
【0331】
図に示されるように、動物の生存期間において健康転帰不良となり易い、または健康転帰不良となる傾向のある期間(フレイル曲線下領域として判定され、メスでは52%減少およびオスでは40%減少と算出された:図9A図9B、P<0.01)の割合が、AKG処置によって減少するのである。生存中に健康でいられる期間についてのこの改善は、生存期間の増加に比例するものではなく、それよりもはるかに大きい改善である。加齢関連疾病は慢性炎症を伴うものであり、これは一般に加齢関連の機能低下に関連している。メス老齢マウス(29ヶ月齢)の血清中の30種類の炎症性サイトカインのレベルを測定した。非処置マウスでは、ほとんどのサイトカインでレベル増加が認められたが、CaAKG食餌の動物ではこういった変化があまりなかった(図10A)。データは、有意な変化がIL-3、IL-7、TNFαおよびMIP-1βに特異的にあることを示している(図10B)。
【0332】
実施例2:SASP表現型に対するAKGの効果
細胞培養
ATCCから胎児肺線維芽細胞IMR-90を取得して、3%Oおよび5%COの雰囲気下37℃で培養した。ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に10%ウシ胎仔血清およびストレプトマイシン/ペニシリンを添加して用いた。実験期間中、培地は2日ごとに交換した。損傷誘発性老化はイオン化放射(IR)によって誘発し、0または10Gyのいずれかの線量で細胞に照射した。同時に、細胞をPBS(対照)または1mMのAKGで10日間処理し、2日毎に培地を交換した。アッセイは全て照射10日後に実施した。
【0333】
EdU(5-エチニル-2´-デオキシウリジン)染色増殖キット(iFluor488)ab219801を用いて、細胞増殖を検出した。記載の老化関連3-gal(SA-3-gal)マーカーに関して細胞を染色した。非老化細胞(細胞集団の倍加継代が35回未満である)をPBSで洗浄し0.2%血清を含むDMEMで4日間インキュベートすることによって細胞を休止させた。SA-3-gal陽性細胞が80%超で、かつEdU陽性細胞が4%以下である培養物を老化と見なした。
【0334】
ELISA
細胞をPBSで3回洗浄し、ペニシリン/ストレプトマイシンを含む血清不含のDMEM中で24時間インキュベートすることによって馴化培地を調製した。馴化培地を除いて細胞をトリプシン処理して細胞を計数した。次に、馴化培地を遠心分離して細胞デブリを除去し、上清をELISAに用いた。R&Dのキットおよび方法(#D06050)を用いてIL-6のELISAを行った。得られたデータを細胞数で規格化した。
【0335】
RT PCR
細胞培養実験では、ISOLATE II RNAミニキット(Bioline #BIO-52073)を用いてRNAを単離した。RNAの質および量を、分光光度計NanoDropTM 1000(Thermo Scientific)による測定で評価した。ランダムプライマーおよびiScript RT試薬を用いて製造元のプロトコルSuperscript II(Invitrogen、Carlsbad、USA)にしたがい、500ngのRNAから全cDNAを合成した。Rocheのユニバーサルプローブライブラリー(Universal Probe Library)システム(Indianapolis、IN、USA)を用いて、cDNAにより遺伝子発現を判定した。値はいずれもベータ-アクチンに対して規格化した。
【0336】
結果
老化細胞は老齢マウスの複数種類の組織に蓄積する。これらの細胞は老化関連分泌表現型(SASP)を獲得することによって、加齢関連慢性炎症の一因となるのであるが、これを取り除くことによって生存期間が延長することがある。一部の組織では老化マーカーのレベルが減少する傾向が見られたが、老化マーカーに関する有意な変化は認められなかった(図11A)。NaAKGが初代線維芽細胞に効果を与える可能性を探るために、細胞培養試験を行った。老化形成に関しては何らの変化も認められなかったが図10A図10Bのインビボ所見とは整合的であり、様々な炎症性サイトカインにおいて有意な低下が検出されたが、このことは、AKGがSASPを修整することは可能で、老化細胞形成には影響を与えずに炎症を軽減することを示唆している(図11B)。具体的には、IL-1b、IL-6、CCL2およびMMP3の減少が認められたが、β-galおよびp21に関しては全く変化しなかった(図11C図11D)。
【0337】
実施例3:経口製剤の例
錠剤などの経口製剤は患者の治療または臨床データ取得のために用いるのであってもよい。錠剤は、活性成分を8~12時間かけて放出する徐放性錠剤であってもよい。本実施例においては、製品としての錠剤は0.500インチ径で0.290インチ厚である。該製剤はビタミンA(パルミチン酸レチニルとして)、ビタミンD3、カルシウム(アルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物の形態で)、アルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物、イソマルト、植物ロウ(カルナバワックスおよび/またはコメヌカロウ)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよびシリカを含むものであってもよい。
【0338】
男性および女性に異なる製剤を用いるのでもよい。例えば、男性に対し、製剤は以下を含むものであってもよい:ビタミンAを450mcg、カルシウムを95mgおよびアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物を500mg。女性用の製剤は以下を含むものであってもよい:ビタミンD3を12.5mcg、カルシウムを95mgおよびアルファ-ケトグルタル酸カルシウム一水和物を500mg。
【0339】
実施例4:患者の実験または臨床試験の例
本試験は、栄養補助サプリメント製品であるレジュバント(Rejuvant)に関する安全性データおよびバイオマーカーデータを取得するための非盲検無作為試験である。後掲の表中の概要にもあるが、本試験は4群から成るものであってもよい。群1~4を性別によって分け、各群に性別特異的な治験薬剤を投与する。群1および3は、性別特異的治験薬剤を市販の1人分の分量の錠剤で1日当たり2錠摂取する。群2および4は、1日当たり3錠の性別特異的治験薬錠剤を摂取する;これらの群は推奨用量よりも多い量に関するデータを提供する。全ての群が該治験薬剤を6カ月から9カ月摂取する。参加者を4回の時点で評価する:試験開始時、3カ月時、6カ月時および9カ月の時点である。各来訪時には、生命兆候(身長、体重、血圧、脈拍)評価を行い、血液化学検査、ヘモグロビンA1C、C反応性蛋白質および尿酸について測定する。さらに、各来訪時には、代謝分析用の血液試料を採取する。来訪1および来訪4の回では、DNAメチル化分析用に唾液試料を採取する。
【0340】
担当医の診察、血液化学検査、ヘモグロビンA1C値、C反応性蛋白質値および尿酸値およびアンケートによって、治験薬剤の安全性評価が可能となる。これらのデータを用いて、試験の経過に沿って参加者の代謝における変化を評価する。該血液化学検査および代謝のデータを用い、公表されている1種類以上のアルゴリズムによって参加者の生物学的年齢を算出する。唾液のDNAメチル化分析では、DNAメチル化(CpGジヌクレオチドのシトシンがメチル化される)の度合いを判定する。DNAメチル化の度合いは老化に相関し、参加者の生物学的年齢のもう一つの尺度として利用される。
試験対象患者基準:
・ 男性45~65歳
・ 女性45~65歳
試験除外基準:
・ 出産可能年齢の女性
・ 妊娠女性
・ 授乳女性
・ 糖尿病
・ 鬱血性心疾患
・ 前年に心筋梗塞
・ 癌治療中
・ 病的肥満
【表5】
【0341】
主要転帰尺度
主要転帰尺度を用いて、治療組成物の経口投与に関する安全性を立証する。有害事象(AE)、身体所見(PE)、生命徴候(VS)、実験室安全試験、尿検査および12誘導心電図(ECG)により、単一および複数回用量の本明細書中に記載の組成物を、安全性および認容性について評価する。治験参加中に判定する経過結果としては、身長、体重、血圧、脈拍、完全血球算定、包括的代謝パネル、脂肪パネルおよびヘモグロビンA1C、C反応性蛋白質および尿酸などの血液検査項目が挙げられる。
【0342】
完全血球算定は、WBC(白血球数)、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数/L、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、RBC(赤血球数)、RDW-CV(赤血球分布幅)、MPV(平均血小板容積)、好中球数、好中球%、リンパ球数、リンパ球%、単球数、単球%、好酸球数、好酸球%、好塩基球数、好塩基球%を含むものであってもよい。
【0343】
包括的代謝パネルは、ナトリウム、カリウム、塩素、二酸化炭素(CO)、尿素窒素(BUN)、クレアチニン、グルコース、カルシウム、AST(アスパラギン酸アミノ酸転移酵素)、ALT(アラニンアミノ酸転移酵素)、Alk Phos(アルカリホスファターゼ)、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、アルブミン、総蛋白、アニオンギャップ、糸球体ろ過率(eGFR)、MDRD式による推定値の測定を含むものであってもよい。
【0344】
脂肪パネルは、総コレステロール、LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール、HDL(高比重リポ蛋白)コレステロール、トリグリセリドを含むものであってもよい。
【0345】
副次転帰尺度
副次転帰については、Rejuvant製品の経口投与が記載の投与量で起こす変化であって、血液化学検査、代謝物およびDNAメチル化量における変化を観察する。副次転帰尺度は、代謝スクリーニング(血液試料による)、DNAメチル化アッセイ(唾液試料による)を含むものであってもよい。
アンケートの例
(1)今日の体調はいかがですか?
(2)毎日の活動はどのような感じですか?
(3)ご自分の身体の活動エネルギーはどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(4)ご自分の心臓血管の持久力はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(5)ご自分の集中力はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(6)ご自分の記憶力はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(7)ご自分の睡眠の質はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(8)ご自分の毛髪の若々しさはどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(9)軽度の運動も含めて、1週間に何分くらい運動しますか?
(10)この製品に関する情報で、貴方が伝えたいと思うことは何か他にありますか?
【0346】
臨床試験の流れに関する一例を説明する。
【表6】
【0347】
実施例5:患者実験または臨床試験の例
本試験は、栄養補助サプリメント製品であるレジュバント(Rejuvant)に関する安全性データおよびバイオマーカーデータを取得するための、プラセボを対照とした無作為試験である。後掲の表中の概要にもあるが、本試験は4群から成るものであってもよい。群1~4を性別によって分け、各群に性別特異的な治験薬剤またはプラセボを投与する。群1および3は、性別特異的治験薬剤を市販の1人分の分量の錠剤で1日当たり2錠摂取する。群2および4は、1日当たり2錠のプラセボを摂取する。全ての群が該治験薬剤を6カ月から9カ月摂取する。参加者を4回の時点で評価する:試験開始時、3カ月時、6カ月時および9カ月の時点である。各来訪時には、生命兆候(身長、体重、血圧、脈拍)評価を行い、血液化学検査、ヘモグロビンA1C、C反応性蛋白質および尿酸について測定する。さらに、各来訪時には、代謝分析用の血液試料を採取する。来訪1および来訪4の回では、DNAメチル化分析用に唾液試料を採取する。
【0348】
担当医の診察、血液化学検査、ヘモグロビンA1C値、C反応性蛋白質値および尿酸値およびアンケートによって、治験薬剤の安全性評価が可能となる。これらのデータを用いて、試験の経過に沿って参加者の代謝における変化を評価する。該血液化学検査および代謝のデータを用いて、公表されている1種類以上のアルゴリズムによって参加者の生物学的年齢を算出する。唾液のDNAメチル化分析では、DNAメチル化(CpGジヌクレオチドのシトシンがメチル化される)の度合いを判定する。DNAメチル化の度合いは老化に相関し、参加者の生物学的年齢のもう一つの尺度として利用される。
試験対象患者基準:
・ 男性45~65歳
・ 女性45~65歳
試験除外基準:
・ 出産可能年齢の女性
・ 妊娠女性
・ 授乳女性
・ 糖尿病
・ 鬱血性心疾患
・ 前年に心筋梗塞
・ 癌治療中
・ 病的肥満
臨床試験における患者群
【表7】
【0349】
主要転帰尺度
主要転帰尺度を用いて、治療組成物の経口投与に関する安全性を立証する。有害事象(AE)、身体所見(PE)、生命徴候(VS)、実験室安全試験、尿検査および12誘導心電図(ECG)により、単一および複数回用量の本明細書中に記載の組成物を、安全性および認容性について評価する。治験参加中に判定する経過結果としては、身長、体重、血圧、脈拍、完全血球算定、包括的代謝パネル、脂肪パネルおよびヘモグロビンA1C、C反応性蛋白質および尿酸などの血液検査項目が挙げられる。
【0350】
完全血球算定は、WBC(白血球数)、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数/L、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、RBC(赤血球数)、RDW-CV(赤血球分布幅)、MPV(平均血小板容積)、好中球数、好中球%、リンパ球数、リンパ球%、単球数、単球%、好酸球数、好酸球%、好塩基球数、好塩基球%を含むものであってもよい。
【0351】
包括的代謝パネルは、ナトリウム、カリウム、塩素、二酸化炭素(CO)、尿素窒素(BUN)、クレアチニン、グルコース、カルシウム、AST(アスパラギン酸アミノ酸転移酵素)、ALT(アラニンアミノ酸転移酵素)、Alk Phos(アルカリホスファターゼ)、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、アルブミン、総蛋白、アニオンギャップ、糸球体ろ過率(eGFR)、MDRD式による推定値の測定を含むものであってもよい。
【0352】
脂肪パネルは、総コレステロール、LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール、HDL(高比重リポ蛋白)コレステロール、トリグリセリドを含むものであってもよい。
【0353】
副次転帰尺度
副次転帰については、Rejuvant製品の経口投与が記載の投与量で起こす変化であって、血液化学検査、代謝物およびDNAメチル化量における変化を観察する。副次転帰尺度は、代謝スクリーニング(血液試料による)、DNAメチル化アッセイ(唾液試料による)を含むものであってもよい。
アンケートの例
(1)今日の体調はいかがですか?
(2)毎日の活動はどのような感じですか?
(3)ご自分の身体の活動エネルギーはどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(4)ご自分の心臓血管の持久力はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(5)ご自分の集中力はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(6)ご自分の記憶力はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(7)ご自分の睡眠の質はどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(8)ご自分の毛髪の若々しさはどれくらいだと感じていらっしゃいますか?
(9)軽度の運動も含めて、1週間に何分くらい運動しますか?
(10)この製品に関する情報で、貴方が伝えたいと思うことは何か他にありますか?
【0354】
本明細書では本発明の好ましい実施態様を提示し説明しているが、そのような実施態様が例示の目的のみで提供されることは当業者にとって明白であろう。本明細書中に説明されている具体的実施例によって本発明を限定することは意図していない。本発明は上述の明細書を参照することによって説明されるのであるが、本明細書における実施態様の説明および例示は、限定するためであると理解されるべきものではない。当業者にとっては、本発明から逸脱することなく様々な変形、変更、代替が可能であろう。さらに、本発明はいかなる局面においても本明細書中に記載の特定の表現、構成あるいは相対的比率に限定されるものではなく、それらは多様な条件および変数に依存するものであることは、理解されるであろう。本明細書中に記載の本発明の実施態様に対して各種の代替が存在し、それらを本発明の実施に利用し得ることは、理解されるであろう。したがって、そのような代替、変更、変形または等価であるものは、いかなるものであっても本発明の範囲内にあると理解される。以下に記載の特許発明の請求項が本発明の範囲を特定し、それら請求項の範囲内にある方法および構造ならびにそれに等価であるものも本発明の範囲に含まれるものとする。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
【手続補正書】
【提出日】2022-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2022536653000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2022536653000001.app
【国際調査報告】