(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】RNAによる線維芽細胞治療活性の増強
(51)【国際特許分類】
A61K 35/33 20150101AFI20220810BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220810BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220810BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220810BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20220810BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20220810BHJP
A61K 35/35 20150101ALI20220810BHJP
A61K 35/36 20150101ALI20220810BHJP
A61K 35/50 20150101ALI20220810BHJP
A61K 35/14 20150101ALI20220810BHJP
A61K 35/28 20150101ALI20220810BHJP
A61K 35/51 20150101ALI20220810BHJP
C12N 15/117 20100101ALN20220810BHJP
C12N 5/071 20100101ALN20220810BHJP
【FI】
A61K35/33
A61P29/00
A61P25/00
A61P35/00
A61P17/02
A61K31/713
A61K35/35
A61K35/36
A61K35/50
A61K35/14 Z
A61K35/28
A61K35/51
C12N15/117 Z
C12N5/071
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573328
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020037467
(87)【国際公開番号】W WO2020252287
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516071686
【氏名又は名称】フィジーン、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】FIGENE, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オヒーロン、ピート
(72)【発明者】
【氏名】イチム、トーマス
【テーマコード(参考)】
4B065
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
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4C086AA01
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4C087ZB11
4C087ZB26
(57)【要約】
本開示の実施形態は、線維芽細胞の治療活性を増強するRNAの能力に関連する方法及び組成物を包含する。いくつかの実施形態において、二本鎖RNAの投与は、治療特性を誘導するために、及び/又は前記線維芽細胞に対する治療特性を増大させるために、十分な濃度で、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ(I:C))又はその誘導体を提供することによって行われる。一実施形態では、増強された治療活性は、線維芽細胞移動活性の増大;血管新生に対する有効性;免疫調節に対する有効性;分化能力;1つ以上の栄養因子の産生;及び/又はアポトーシスに抵抗する能力を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線維芽細胞集団の1つ以上の治療特性を増強する方法であって、線維芽細胞集団の1つ以上の治療特性を増強するのに十分な有効量の外因性RNAで線維芽細胞集団を治療する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記RNAは、二本鎖RNAである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二本鎖RNAは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ(I:C))である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記二本鎖RNAは、ポリリジン及びカルボキシメチルセルロース(Poly ICLC)で安定化されたポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項1、2、又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記線維芽細胞集団の前記治療特性は、1つ以上の血管新生因子の産生を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記線維芽細胞集団の前記治療特性は、1つ以上の再生因子の産生を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記線維芽細胞集団の前記治療特性は、1つ以上の損傷関連シグナルに対する遊走活性を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記線維芽細胞集団の前記治療特性は、アポトーシスの減少を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
線維芽細胞集団は、a)脂肪;b)皮膚;c)胎盤;d)毛包;e)ケロイド;f)骨髄;g)末梢血;h)臍帯;i)包皮;j)これらの組合せからなる組織の基から選択される供給源に由来する、請求項1~8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
線維芽細胞集団を産生する工程をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記産生工程は、前記線維芽細胞集団においてインターフェロン応答を誘導することができる少なくとも1つのリガンドとの接触を介して、toll様受容体3の活性化を誘導することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、治療有効量の線維芽細胞集団を、医学的状態を有するか、又は医学的状態を有する危険性がある個体に送達する工程を包含する、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
処理された線維芽細胞集団は、未処理の線維芽細胞集団と比較して、1つ以上のサイトカインの増強された産生を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
サイトカインは、HGFである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
有効量の外因性RNAに曝露された有効量の線維芽細胞を個体に提供する工程を包含する、個体における1つ以上の医学的状態を処置する方法。
【請求項16】
前記RNAは、二本鎖RNAである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記二本鎖RNAは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ(I:C))である、請求項15又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記二本鎖RNAは、ポリリジン及びカルボキシメチルセルロース(Poly ICLC)で安定化されたポリイノシン-ポリシチジル酸である、請求項15、16、又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記医学的状態は、1つ以上の炎症状態、1つ以上の神経変性状態、癌、損傷、又はそれらの組み合わせである、請求項15~18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/860,252号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
開示の技術分野は、少なくとも細胞生物学、分子生物学、細胞治療、及び医学の分野を含む。
【背景技術】
【0003】
線維芽細胞は、紡錘型の形態を有する結合組織の主な細胞型を構成し、その古典的機能は、組織の構造的完全性の維持を担う細胞外マトリックスを産生すると歴史的に信じられてきた。線維芽細胞は、創傷治癒の増殖期においても重要な役割を果たしており、その結果、細胞外マトリックスが沈着する[1,2]。創傷治癒の間、瘢痕組織は増殖にわたる線維芽細胞によって形成される。胚や、ある種の両生類では、現在精力的な研究が行われている過程により、損傷後に瘢痕のない治癒が起こる[3,4]。加齢に伴い、皮膚、肺、肝臓、腎臓及び心臓の線維症など、多くの種類の組織及び器官が徐々に線維症を起こす。瘢痕組織形成の過程は、線維芽細胞の過剰増殖によって引き起こされるほか、これらの細胞が増殖中に異常に大量の細胞外マトリックス及びコラーゲンを産生し、それによって正常な臓器構造(実質)が置換され、機能障害及び瘢痕形成に至り、持続性の線維化をさらに誘発する可能性がある。
【0004】
本開示は、細胞治療のための治療組成物を提供する当技術分野において長い間感じられてきた必要性に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、線維芽細胞移植有効性を増強するための方法及び組成物を含む。より具体的には、具体的な実施形態において、本発明は移植後に増強された治療活性を有する線維芽細胞を生成する手段がある。具体的な実施形態において、本発明は、線維芽細胞の治療活性を増加させる一方法として、有効量のRNAへの曝露を利用する手段に関する。
【0006】
本開示は、線維芽細胞の治療活性を増強する、RNAの以前に知られていない能力に基づく、物質の組成物、治療プロトコール、及び使用方法を提供する。いくつかの実施形態において、二本鎖RNAの投与は、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ(I:C))又はその機能的に活性な誘導体を、1つ以上の治療特性を誘導するため、及び/又は線維芽細胞に対する治療特性を増大させるために十分な濃度で提供することによって行われる。一実施形態では、増強された治療活性が線維芽細胞遊走活性の増大を含む。他の実施形態において、治療活性は、a)血管新生;b)免疫調節;c)分化能力;d)栄養因子の生産;e)アポトーシスに抵抗する能力;f)移動活性;及びg)それらの組み合わせを含む群から選択される。
【0007】
本発明の一実施形態に関して論じられた任意の限定は、本開示の任意の他の実施形態に適用され得ることが特に企図される。さらに、本発明の任意の組成物は、本開示の任意の方法において使用されてもよく、本開示の任意の方法は、本発明の任意の組成物を生成又は利用するために使用されてもよい。実施例に記載された実施形態の態様はまた、異なる実施例の他の場所、又は図面の概要、詳細な説明、特許請求の範囲、及び簡潔な説明などのアプリケーションの他の場所で説明された実施形態の文脈で実装され得る実施形態である。
【0008】
上記は、以下の詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示の特徴及び技術的利点をかなり広く概説した。本明細書の特許請求の範囲の主題を形成する追加の特徴及び利点を以下に説明する。開示された概念及び特定の実施形態は、本設計の同じ目的を実行するために、他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。また、そのような同等の構成は、添付の特許請求の範囲に記載される精神及び範囲から逸脱しないことが当業者によって理解されるべきである。本明細書に開示される設計の特徴であると考えられる新規な特徴は、さらなる目的及び利点とともに、動作の構成及び方法の両方に関して、添付の図面と関連して考慮される場合、以下の説明からより良く理解される。しかしながら、各図は、例示及び説明の目的のためだけに提供され、本開示の限定の定義として意図されないことが明確に理解されるべきである。本発明のさらなる目的、特徴、態様、及び利点は以下の説明に部分的に記載され、部分的には説明から明らかになるか、又は本発明の実施によって学習され得る。本開示の様々な実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分に詳細に説明され、他の実施形態が利用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最もよく定義される。
【発明の詳細な説明】
【0009】
本開示の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本開示の特徴及び利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面(また、本明細書中の「図」及び「図」)を参照することによって得られる:
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、細胞移動アッセイの例を提供する。三角形はtp Poly I:Cを、「X」はCpBを、四角形は、スクランブルRNAを示す;そして
【0011】
【
図2】
図2は、ポリ(I:C)への暴露後の線維芽細胞からのHGF産生を示す。左から右への棒は対照、低分子量ポリ(I:C)、及び高分子量ポリ(I:C)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の様々な実施形態が本明細書で示され、説明されたが、そのような実施形態は例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換が当業者に想起され得る。本明細書に記載された開示の実施形態に対する様々な代替形態を使用することができることを理解されたい。
【0013】
本明細書では、「又は」および「及び/又は」という用語は、複数の構成要素を互いに組み合わせて、または排他的に記述するために利用される。例えば、「x、y、及び/又はz」は、「x」のみ、「y」のみ、「z」のみ、「x、y、及びz」、「(x及びy)又はz」、「x又は(y及びz)」、又は「x又はy又はz」を指すことができる。x、y、又はzは、実施形態から具体的に除外されてもよいことが具体的に企図されている。
【0014】
本出願を通して、用語「約」は、値が、値を決定するために使用されるデバイス又は方法についての誤差の標準偏差を含むことを示すために、細胞及び分子生物学の分野におけるその単純かつ通常の意味に従って使用される。
【0015】
「含む」、「含む」、又は「を特徴とする」と同義語である用語「含む」は、包括的又は限定的であり、追加の、非記載の要素又は方法ステップを排除しない。「からなる」という語句は、特定されていない要素、ステップ、又は成分を排除する。「から本質的になる」という語句は、記載された主題の範囲を、特定された材料又はステップ及びその基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。「からなる」という語句は、用語「からなる」又は「本質的にからなる」の文脈で実施することもできると考えられる。
【0016】
長年の特許法条約に従い、「a」及び「an」という語は特許請求の範囲を含む、本明細書中で使用される場合、「1つ又は複数の」ことを意味し、開示の一部の実施形態は、開示の1つ又は複数の要素、方法ステップ、及び/又は方法からなるか、又は本質的になることができる。本明細書に記載の任意の方法又は組成物は本明細書に記載の任意の他の方法又は組成物に関して実施することができ、異なる実施形態を組み合わせることができることが企図される。
【0017】
本明細書全体にわたって、文脈がそわないことを必要とする場合を除いて、用語「含む」、「含む」、「構成する」とは規定されたステップ又は要素群の包含を意味するが、他のステップ又は要素又は要素群の排除を意味しないと理解されるであろう。ステップ又は要素又は要素群の除外を意味するわけではない。「構成する」とは、以下の「からなる」ことを意味する。従って、「からなる」とは列挙された要素が必要又は必須であることを示し、他の要素が存在する可能性があることを示す。「からなる」とは表現後に列挙された任意の要素を含み、他の要素が存在する可能性があることを意味する。「本質的に構成する」とは、列挙された要素は必須又は必須であるが、その他の要素は任意であり、列挙された要素の活性又は作用に影響を与えるか否かに応じて存在してもしなくてもよいことを示している。
【0018】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「特定の実施形態」、「追加の実施形態」、又は「さらなる実施形態」、又はそれらの組み合わせへの言及は、実施形態に関連して記載された特定の機能、構成、又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを手段する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における前述の語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0019】
本明細書で使用される用語「外因性」は、線維芽細胞の外側に由来するRNAを指す。
【0020】
用語「対象」は、本明細書中で使用される場合、用語「患者」又は「個体」と交換可能に使用され得、一般に、細胞療法、特に線維芽細胞療法を利用する医学的状態を処置又は予防する必要性を有する個体をいう。対象は、哺乳動物、例えば、ヒト、実験動物(例えば、霊長類、ラット、マウス、ウサギ)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、七面鳥、及びニワトリ)、家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、及びげっ歯類)、ウマ、ならびにトランスジェニック非ヒト動物を含む、方法又は材料の対象である任意の生物又は動物対象であり得る。対象は、例えば、1つ以上の感染症、1つ以上の遺伝子障害、1つ以上の癌、1つ以上の慢性医学的状態、1つ以上の損傷、又はそれらの任意の組み合わせなどの疾患(医学的状態と呼ばれ得る)を有するか、又は有することが疑われる患者であり得る。この疾患は病原性であることもあれば、そわないこともある。被験者は、抗生物質治療を受けているか、又は受けている可能性がある。被験者は無症候性のことがある。対象は、健康な個体であってもよい。本明細書で使用される「対象」又は「個人」は、医療施設に収容されてもされなくてもよく、医療施設の外来患者として治療されてもよい。個体は、インターネットを介して1つ以上の医療組成物を受けていてもよい。個体は、ヒト又は非ヒト動物の任意の年齢及び任意の性別を含み得、したがって、成人及び幼児(すなわち、子供)ならびに乳児の両方を含み、子宮内個体を含む。この用語は医学的治療の必要性を意味するものではない。したがって、臨床的なものであれ基礎科学の研究を支持するものであれ、個人は自発的にあるいは非自発的に実験の一部となることがある。
【0021】
本開示の実施形態は、a)任意選択で線維芽細胞集団を選択するステップと、b)線維芽細胞の1つ又は複数の治療特性を増強するのに十分なRNA濃度で線維芽細胞集団を治療するステップとを含む、線維芽細胞集団の1つ又は複数の治療活性を増強する方法を含む。RNAは、ポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ(I:C))である二本鎖RNA等の二本鎖RNAであってもなくてもよい。二本鎖RNAは、ポリリジン及びカルボキシメチルセルロース(Poly ICLC)で安定化されたポリイノシン-ポリシチジル酸であってもよい。特定の場合において、線維芽細胞の治療活性は、1つ以上の血管新生因子の産生を含む。線維芽細胞の治療活性は、1つ以上の再生因子の産生を含み得る。線維芽細胞の治療活性は、損傷関連シグナルに対する遊走活性を含み得る。線維芽細胞の治療活性は、アポトーシスの減少を含み得る。線維芽細胞の治療活性は、これらのいずれかを組み合わせて含むことができる。
【0022】
線維芽細胞は、a)脂肪組織;b)皮膚組織;c)胎盤組織;d)毛包;e)ケロイド組織;f)骨髄;g)末梢血;h)臍帯;i)包皮;及びj)これらの組合せからなる群より選択される供給源に由来してもよい。
【0023】
細胞の薬学的調製物は、本明細書に包含される線維芽細胞のいずれかを含み得る。調製物はまた、ポリ(I:C)などのRNAを含んでも含まなくてもよい。
【0024】
線維芽細胞を産生する方法は、本明細書に包含される。特定の実施形態において、任意の方法は、例えば、線維芽細胞においてインターフェロン応答を誘導し得るリガンドとの接触を介して、toll様受容体3の活性化を誘導する工程を例含まなくてもよい。この方法は、治療有効量の細胞を、医学的状態を有する危険性がある個体、又は細胞が治療的である医学的状態を有する個体(例えば、少なくとも1つの症状の重篤度を除去又は減少する)に送達する工程をさらに包含し得る。
【0025】
本開示は、線維芽細胞の治療活性を増強するためのRNA分子の使用の、以前に未知であり、逆説的な特性を開示する。1つの実施形態において、RNA分子は、1つ以上のインターフェロンの産生を誘導し得る線維芽細胞内部の分子経路を活性化するために、配列非特異的及び/又は配列半特異的様式で利用される。1つの実施形態において、本開示は、1つ以上のインターフェロンの産生が損傷の領域に向かって、例えば、損傷に関連し得るSDF-1勾配に向かって移動する線維芽細胞の増強された能力に関連することを提供する。他の実施形態では、本開示が治療活性を増強するために、治療活性を増強するために、PKR経路の1つ以上のアクチベーター(toll様受容体3を含む)を用いた線維芽細胞の刺激を追加的又は代替的に提供し、治療活性は、移動の増強、サイトカインの増強された産生、及び/又は新しい血管の産生(血管新生、動脈形成及び/又は血管新生)を刺激する能力の上昇を含む。
【0026】
一実施形態において、本開示は、線維芽細胞の治療特性を刺激及び/又は増強するための二本鎖RNAの供給源としてのポリ(I:C)の使用を提供する。理論に束縛されるものではないが、特定の実施形態におけるポリ(I:C)は、ウイルスRNAを模倣し、先天性免疫応答の既知の刺激物質であるToll様受容体3(TLR3)リガンドの特性を有する。Poly(I:C)が線維芽細胞と接触すると、インターフェロンα及び/又はβのような抗ウイルスタンパク質の発現が誘導される。本開示の目的のために、ポリ(I:C)は、イノシン酸及びシチジル酸ナトリウム塩の反平行ポリヌクレオチド鎖からなる合成二本鎖RNAである。鎖は、イノシン塩基とシトシン塩基との間に形成される水素結合によって非共有結合で結合される。ポリ(I:C)の平均鎖長は、300~6,000塩基対の範囲であり、約180,000~3,600,000ダルトンに相当する。分子式は(C10H10N4NaO7P)x.(C9H1)1NaN3O7P)x.である。いくつかの実施形態において、ポリ(I:C)が水溶液中で不安定な分子であることを考慮すると、有効な線維芽細胞増強効果を達成するために、ポリ(I:C)は、使用の直前に再溶解され、いくつかの状況において、複数のインビトロ投与が必要とされ得る。いくつかの実施形態において、ポリ(I:C)は線維芽細胞活性化を維持するために、組織培養における滞留時間を延長し得る1つ又はいくつかの生体接着性ポリマーと共に処方され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示がポリイノシン-ポリシチジル酸(ポリ(I:C))の微粒子と、デンプン、アルギン酸塩、ブラノース又はDPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)から選択されるキャリアポリマーとを使用して活性化している線維芽細胞の組成物に関する。マイクロ粒子とは、平均粒径が0.1μm~100μmの粒子をいう。特定の場合において、担体ポリマーは、トウモロコシ、ジャガイモ又はキャッサバから得られるようなデンプンである。他の実施形態において、ナノ粒子は、インビトロで線維芽細胞へのポリ(I:C)の送達のために利用され得る。いくつかの実施形態では、ポリ(I:C)とデンプンとの混合が行われ、本開示による比Poly(I:C)/デンプンは1/200(w/w)~1/0.1(w/w)、特に1/100(w/w)~1/1(w/w)、さらにより好ましくは1/100(w/w)~1/5(w/w)の範囲であり、一方、比Poly(I:C)/デンプンは1/12~1/9(w/w)の間で利用される。
【0028】
線維芽細胞は、培養線維芽細胞であってもよく、培養線維芽細胞を参照する場合、老化(複製老化又は細胞老化)という用語は、有限細胞培養に起因する特性、すなわち、有限数の集団倍加を超えて増殖することができないこと(時にヘイフリック限界と呼ばれる)を意味する。異なる細胞型のインビトロ寿命は様々であるが、最大寿命は、典型的には100個体群倍加未満である(これは培養物中のすべての細胞が老化し、したがって、培養物を分裂不能にするための倍加の数である)。老化は、時系列時間に依存せず、むしろ、培養が受けた細胞分裂又は集団倍加の数によって測定される。従って、必須増殖因子を除去することによって静止状態にされた細胞は増殖因子が再導入された場合に増殖及び分裂を再開することができ、その後、連続的に増殖させた同等の細胞と同数の倍加を行う。本明細書中で使用される場合、用語「増殖培地」は、一般に、臍由来細胞の培養に十分な培地をいう。特に、本明細書中の開示の細胞の培養のための1つの特定の培地は、ダルベッコの改変必須培地(本明細書中でDMEMとも略される)を含む。特に、DMEM-低グルコース(ここではDMEM-LGでもある)(Invitrogen、Carlsbad、CA)が考えられる。DMEM低グルコースは15%(v/v)ウシ胎仔血清(例えば、規定ウシ胎仔血清、Hyclone、Logan Utah)、抗生物質/抗真菌薬(例えば、ペニシリン(100単位/ミリリットル)、ストレプトマイシン(100ミリグラム/ミリリットル)、及びアンホテリシンB(0.25マイクログラム/ミリリットル)、(Invitrogen、Carlsbad、CA)、ならびに0.001%(v/v)2-メルカプトエタノール(Sigma、St.Louis Mo)を補充され得る。いくつかの場合において、異なる増殖培地が使用されるか、又は異なる補充物が提供され、そしてこれらは、通常、増殖培地への補充物として本文中に示される。
【0029】
線維芽細胞は、標準的な増殖条件で培養することができる。また、本発明に関連して、本明細書で使用される用語「標準増殖条件」は、5%のCO2を含む標準大気中で37℃で細胞を培養することを指す。相対湿度を約100%に維持する。前述の条件は培養に有益であるが、このような条件は細胞を培養するために、当業者が利用可能な選択肢、例えば、体温、CO2、相対湿度、酸素、増殖培地などを変化させることによって変化させることができることを理解されたい。
【0030】
本開示の1つの実施形態において、RNAで処理された線維芽細胞は、1つ以上の炎症状態を処置するために利用される。このような場合、用語「炎症状態」は、例えば、(1)急性心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、出血性ショック、圧迫損傷、多臓器不全、血液量減少ショック、腸管虚血、脊髄損傷、外傷性脳損傷などの虚血再灌流による組織損傷;(2)炎症性疾患(熱傷、エンドトキシン血症および敗血症性ショック、成人呼吸窮迫症候群、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、重症喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、膜性腎炎、膵炎;(3)移植拒絶、例えば、超急性異種移植片拒絶;(4)再発性胎児喪失及び子癇前症等の妊娠関連疾患、及び(5)薬物アレルギー、IL-2誘発血管漏出症候群、X線造影剤アレルギーなどの薬物有害反応。重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、インスリン依存性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、クローン病などの自己免疫疾患に伴う補体媒介性炎症。抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎等も本明細書に記載される方法で治療することができる。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態において、RNAで処理された線維芽細胞は、1つ以上の神経変性状態を処置するために使用される。「神経変性状態」(又は障害)は、中枢又は末梢神経系の急性及び慢性状態、障害又は疾患を包含する。神経変性状態は加齢に関連しているかもしれないし、傷害又は外傷に起因するかもしれないし、特定の疾患又は障害に関連しているかもしれない。急性神経変性状態には、例えば、脳卒中、局所性又はびまん性脳外傷、びまん性脳損傷、脊髄損傷又は末梢神経外傷、例えば、物理的又は化学的熱傷、深部切断又は四肢切断に起因する神経細胞死又は脳血管不全を含む障害に関連する状態が含まれるが、これらに限定されない。急性神経変性疾患の例は以下のとおりである:塞栓性閉塞及び血栓性閉塞を含む脳虚血又は梗塞、急性虚血後の再潅流、周産期低酸素性虚血性損傷、心停止、並びにあらゆる種類の頭蓋内出血(硬膜外、硬膜下、クモ膜下及び脳内など)、並びに頭蓋内及び椎骨内病変(挫傷、貫通、剪断、圧迫及び裂傷など)、並びにむち打ち症及び揺さぶられっ子症候群。慢性神経変性状態には、アルツハイマー病、ピック病、びまん性レビー小体病、進行性核上性麻痺(シャイ・ドレーガー症候群)、神経変性を伴う慢性てんかん状態、筋萎縮性側索硬化症を含む運動ニューロン疾患、皮質基底変性、グアムのALS-パーキンソン認知症複合、ハンチントン病、シヌクレイノパシー(多系統萎縮症を含む)、原発性進行性失語、線条体黒質変性症、Machado-Joseph病/脊髄小脳失調症3型及びオリーブ橋小脳変性症、ギレス・デ・ラ・トゥレット病、球麻痺、脊髄及び脊髄球の筋萎縮症(ケネディー病)、原発性側索硬化症、ウェルドニッヒ-ホフマン病、クーゲルベルグ-ウェランダー病、サンドホフ病、家族性痙性疾患、痙性不全対麻痺、進行性多巣性白質脳症、家族性自律神経障害(リー-デイ症候群)、プリオン病(限定するわけではないが、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロースラー・シャインカー病、クル病及び致死性家族性不眠症を含む)、脱髄疾患及び多発性硬化症を含む障害ならびに白質ジストロフィーなどの遺伝性疾患が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
本開示の任意の方法において使用するための線維芽細胞は、任意の哺乳動物起源(例えば、ヒト、ラット、霊長類、ブタなど)であり得る。本開示の一実施形態では、線維芽細胞は、ヒト臍由来である。臍由来細胞は、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、他の表現型の細胞に分化する可能性を有する。ヒト臍帯組織から臍帯組織線維芽細胞を誘導する方法が意図される。この細胞は、培養において自己複製及び増殖が可能であり、他の表現型の細胞に分化する可能性を有する。この方法は(a)ヒト臍組織を得る工程;(b)実質的に全ての血液を除去して、実質的に血液を含まない臍組織を得る工程;(c)機械的又は酵素的処理によって組織を解離する工程、又はその両方の工程;(d)組織を培養培地中に再懸濁する工程;及び(e)培養において自己再生及び増殖が可能であり、他の表現型の細胞に分化する能力を有するヒト臍由来細胞の増殖を可能にする増殖条件を提供する工程;の1つ以上の工程を包含する。組織は、膣から、又は他の経路(例えば、外科的帝王切開)を介して送達されるかどうかにかかわらず、任意の完了した妊娠、出産、又は出産期間未満から得ることができる。組織バンクから組織を得ることもまた、本発明の範囲内であると考えられる。
【0033】
組織は、当該技術分野で公知の任意の手段によって実質的に血流を含まないようにされる。例えば、血液は、吸引又は排出による大量の血液除去の前又は後に、洗浄、リンス、及び希釈等によって物理的に除去することができる。血球を実質的に含まない組織を得る他の手段には、酵素的又は化学的処理が含まれ得る。臍組織の解離は機械的破壊を含む当技術分野で公知の種々の技術のいずれかによって達成することができ、例えば、組織をはさみで無菌的に切断することができ、又は外科用メスを用いて切断することができ、又はそわなければ、ヒト組織からの無傷又は生存細胞の回収に適合する任意の様式で、そのような組織を細かく、ブレンド、粉砕、又はホモジナイズすることができる。
【0034】
1つの実施形態において、単離手順はまた、酵素消化プロセスを利用する。多くの酵素が培養物中での増殖を容易にするために、複雑な組織マトリックスから個々の細胞を単離するために有用であることが、当該分野で公知である。上記のように、組織からの細胞単離に使用するための広範囲の消化酵素は、当業者に利用可能である。弱消化酵素(例えば、デオキシリボヌクレアーゼ及び中性プロテアーゼ、ディスパーゼ)から強消化酵素(例えば、パパイン及びトリプシン)までの範囲で、このような酵素は商業的に入手可能である。本明細書に適合する酵素の非網羅的なリストには、粘液溶解酵素活性、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、又はエラスターゼなど)、及びデオキシリボヌクレアーゼが含まれる。現在考えられているのは、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ及び粘液溶解活性から選択される酵素活性である。例えば、コラゲナーゼは、組織から種々の細胞を単離するために有用であることが知られている。デオキシリボヌクレアーゼは一本鎖DNAを消化することができ、単離中の細胞凝集を最小限にすることができる。酵素は、単独で、又は組み合わせて使用することができる。セリンプロテアーゼは使用される他の酵素を分解し得るので、好ましくは他の酵素の使用に続いて、配列で使用される。セリンプロテアーゼとの接触の温度及び時間をモニターしなければならない。セリンプロテアーゼは、血清中のα2ミクログロブリンで阻害され得、従って、消化のために使用される培地は無血清であり得る。EDTA及びDNaseが一般に使用され、収率又は効率を改善することができる。特定の方法は例えば、コラゲナーゼ及びディスパーゼ、又はコラゲナーゼ、ディスパーゼ、及びヒアルロニダーゼによる酵素処理を含み、このような方法が提供され、特定の好ましい実施形態において、コラゲナーゼ及び中性プロテアーゼディスパーゼの混合物が、解離工程において使用される。特定の方法は、Clostridium histolyticum由来の少なくとも1つのコラゲナーゼ、ならびにプロテアーゼ活性、ディスパーゼ及びサーモリシンのいずれかの存在下での消化を使用する方法を含む。さらにより好ましいのは、コラゲナーゼ及びディスパーゼ酵素活性の両方による消化を用いる方法である。コラゲナーゼ及びディスパーゼ活性に加えてヒアルロニダーゼ活性による消化を含む方法も好ましい。当業者は、種々の組織供給源から細胞を単離するための多くのこのような酵素処理が当該分野で公知であることを理解する。例えば、LIBERASE BLENDZYME(Roche)シリーズのコラゲナーゼ及び中性プロテアーゼの酵素組み合わせは、非常に有用であり、本方法において使用され得る。他の酵素源が知られており、当業者はまた、そのような酵素をその天然源から直接得ることができる。当業者はまた、本発明の細胞を単離する際のそれらの有用性について、新規の、又は追加の酵素又は酵素の組み合わせを評価するために十分に装備されている。特定の酵素処理は、0.5、1、1.5、又は2時間以上の長さであり得る。他の特定の実施形態では、組織が解離工程の酵素処理中に37℃でインキュベートされる。消化物を希釈することはまた、細胞が粘性消化物内に捕捉され得るので、細胞の収率を改善し得る。
【0035】
酵素活性の使用は、いくつかの実施形態において利用されるが、本明細書中に提供されるような単離方法には必要とされない。機械的分離のみに基づく方法は上記のように、臍から本細胞を単離するのに成功し得る。
【0036】
細胞は、組織が本明細書中で上記したような任意の培養培地に解離された後、再懸濁され得る。細胞は、遠心分離工程の後に再懸濁されて、組織又は他の破片から細胞を分離し得る。再懸濁は、再懸濁の機械的方法、又は単に細胞への培養培地の添加を含み得る。
【0037】
増殖条件を提供することは、培養培地、サプリメント、大気条件、及び細胞の相対湿度に関して広範囲の選択肢を可能にする。特定の温度は37℃であるが、温度は他の培養条件及び細胞又は培養物の所望の使用に応じて、約35℃~39℃の範囲であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、現在考慮されるのは、増殖培地と共に提供される補足血清において利用可能であることを除いて、外因性増殖因子を必要としない細胞を提供する方法である。特定の増殖因子の非存在下で増殖することができる臍細胞を誘導する方法もまた、本明細書中に提供される。この方法は上記の方法と同様であるが、これらは細胞が最終的に再懸濁され、そして増殖される培養培地中に、特定の増殖因子(このために、細胞は必要とされない)が存在しないことを必要とする。この意味で、この方法は、特定の増殖因子の非存在下で分裂することができる細胞に対して選択的である。特定の細胞は、いくつかの実施形態において、血清を添加しない化学的に規定された増殖培地中で増殖及び増殖することができる。このような場合、細胞は、細胞を支持及び維持するために培地に添加され得る特定の増殖因子を必要とし得る。特定の実施形態において、無血清培地上での増殖のために添加される因子は、FGF、EGF、IGF、及びPDGFのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、2つ、3つ、又は4つ全ての因子が無血清培地又は化学的に規定された培地に添加される。他の実施形態において、LIFは、細胞の増殖を支持又は改善するために無血清培地に添加される。
【0039】
また、細胞が、それらの雰囲気中で約5%~約20%の酸素の存在下で膨張し得る方法も提供される。L-バリンを必要とする細胞を得るための方法は、細胞をL-バリンの存在下で培養することを必要とする。細胞が得られた後、L-バリンの必要性を試験し、L-異性体を欠くD-バリン含有培地上で増殖させることによって確認することができる。
【0040】
老化状態に達する前に、細胞が少なくとも25、30、35、又は40回の倍加を受けることができる方法が提供される。1014以上の細胞に達するように倍加することができる細胞を誘導するための方法が提供される。好ましくは、少なくとも約1014、1015、1016、又は1017以上のセルを、文化において約103から約106セル/cm2までシードしたときに生成するのに十分に倍増できるセルを導出する方法である。好ましくは、これらの細胞数が80、70、又は60日以内に産生される。一実施形態では、臍帯組織線維芽細胞を単離し、増殖させ、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、CD141、PDGFr-α、又はHLA-A、B、Cを含む群から選択される1つ以上のマーカーを有する。さらに、細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、又はHLA-DR、DP、DQの1つ又は複数を産生しない。
【0041】
いくつかの実施形態では、線維芽細胞をドナーから収集し、各供与に関する情報を記録する。いくつかの特定の実施形態において、記録された情報は、細胞の型、それらの起源の組織、それらの収集の日付、及びドナーの同一性からなる群より選択される少なくともいくつかのデータを含む。他の特定の実施形態では、記録された情報が種々の特性評価アッセイから得られた結果を含む。例としては、HLAタイピング、特定のマーカーの存在の決定、特定のSNP対立遺伝子の決定及び/又は幹細胞ユニット上での有核細胞数の実施が挙げられる。いくつかの実施形態では、収集された細胞が少なくとも1つの基準に従って選別される。いくつかの特定の実施形態において、それらは、それらの型、それらの起源の組織、それらの収集の日付、及びドナー同一性に従って分類される。得られた情報に基づいて、特定の線維芽細胞集団を利用することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、収集された線維芽細胞は、細胞を生存可能かつ機能的に維持するために適切な条件下で保存される。いくつかの特定の実施形態において、線維芽細胞は、凍結保存条件下で保存される。他の実施形態では、前記線維芽細胞が同種使用のためにバンクに保存される。いくつかの実施形態では、保存された幹細胞が同種移植に使用される。他の実施形態において、貯蔵された線維芽細胞は例えば、研究及び薬学的適用のための良好な生存率及び他の所望の特徴を有する細胞株の確立のために使用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、バンクなどの保管場所に保管された線維芽細胞が単位で配置される。これらの実施形態によれば、バンクへの各供与(線維芽細胞の各沈着)は、複数のユニットに分割される。いくつかの典型的な実施形態では、ユニットは、単一の供与において単一のドナーから収集された同じタイプの線維芽細胞の集団を含む。いくつかの例示的な実施形態では、ユニットは、1つ又は複数の特異的マーカーを発現する線維芽細胞を含む。いくつかの実施形態では、単位は、試料中に存在する有核細胞の数によってさらに定義される。要求に応じて、1つ又は複数のユニットは、それを必要とするサブジェクトに割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、ユニットの一部が必要なレシピエントに割り当てられる。いくつかの典型的な実施形態では、割り当てられるべきユニットの数が各ユニット内の有核細胞の数及び治療されるべき医学的状態に依存する。いくつかの実施形態では個体への割り当てに利用可能な線維芽細胞の量、又は単位の数はなされる供与の量に依存する。
【0044】
いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、それらの収集後にさらなる処理に供され得る。いくつかの特定の実施形態において、収集された線維芽細胞は、培養、増殖及び/又は増殖され得る。さらなる特定の実施形態において、収集された線維芽細胞は、治療レベルを達成するために処理される。いくつかの実施形態では、特定の病的状態を治療するために、線維芽細胞の最適な組み合わせを細胞のリザーバから選択することができる。
【0045】
別の局面によれば、本開示は、線維芽細胞バンキングの方法を提供し、この方法は、個体の生涯にわたって個体から複数の寄付を定期的に収集する工程を包含する。いくつかの実施形態では、この方法は、2つ以上の供給源から線維芽細胞を収集する工程を包含する。いくつかの実施形態では、この方法は、2つ以上の型の線維芽細胞を収集する工程を包含する。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態において、ドナー細胞は、増強された治療特性を有するように調節される。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態において、線維芽細胞は、増強された神経調節特性及び神経保護特性を有するようにトランスフェクトされる。トランスフェクションは、ウイルスベクター又は非ウイルスベクターを含む任意の型のベクターの使用によって達成され得る。ウイルスベクターには、例として、レンチウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、又はアデノ関連ウイルスベクターが含まれる。一実施形態では、レンチウイルスベクターが利用され、レンチウイルス媒介形質移入を行うための手段は当技術分野で周知であり、以下の参考文献[5~11]で論じられる。レンチウイルスを用いた繊維芽細胞への遺伝子のトランスフェクションの具体例としては、幹細胞のホーミング、特に造血幹細胞のホーミングを促進するためのSDF-1のトランスフェクション[12]、動物モデルでパーキンソン病を治療するためのGDNF[13]、脳損傷モデルで再骨髄化を促進するためのHGF[14]などが挙げられる。aktによる病的な心臓リモデリングと心筋細胞死からの保護[15]、TRAILによる腫瘍細胞のアポトーシス誘導[16-19]、PGE-1合成酵素による心臓保護[20]、NUR77による遊走促進[21]、BDNFによる高血圧に伴う眼神経損傷の軽減[22]、HIF-1αによる骨形成の促進[23]、ドミナントネガティブCCL2による肺線維症の軽減[24]。腫瘍の進行を抑えるインターフェロンβ[25]、免疫抑制作用を高めるHLA-G[26]、肝細胞系に沿った分化を誘導するhTERT[27]、シトシンデアミナーゼ[28]、老化を抑えるOCT-4[29,30]、TGFの発現と原虫作用を抑えるBAMBI[31]、放射線防護のためのHO-1[32]、抗腫瘍作用を誘導するLIGHT[33]。miR-126による血管新生の促進[34,35]、bcl-2による髄核細胞の生成誘導[36]、テロメラーゼによる神経発生の誘導[37]、CXCR4による造血回復の促進[38]と不要な免疫力の低下[39]、wnt11による再生性サイトカインの産生促進[40]、HGFアンタゴニストであるNK4による癌の抑制[41]等が含まれる。
【実施例】
【0048】
以下の実施例は、本発明の好ましい具体例を示すために含める。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技術を表し、したがって、本発明の実施のための好ましい形態を構成すると考えることができることを当業者は理解されたい。しかしながら、当業者であれば、本発明の開示を考慮して、開示されかつ同様の結果を得られる特定の実施例において、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であることは理解できるであろう。
【0049】
〔実施例1〕
間質細胞由来因子1(stromal cell-derived factor 1:sdf-1)に対する移行性の向上
細胞は、2時間の正常酸素状態下で、指示されたケモカイン(SDF-1)に対する化学走性を評価した(
図1)。移行した細胞を下部移行室の区画から回収し、カウントした。Transwellシステム(孔径3mm、Corning Costar,3415)の上部チャンバーに2.5×106/mLで細胞を播種した。10%FBS RPMI 1640培地のみ、又は組換えヒトCXCL12(100ng/mL) (Peprotech,300-28A)、又はCCL19 (0.3 μg/mL)、又はCCL21(0.6μg/mL)を補充した培地を下部コンパートメントに加えた。正常酸素状態のもと、37℃で2時間、細胞を遊走させた。下部コンパートメントに移動した細胞を回収し、カウントした。
〔実施例2〕
線維芽細胞からの線維芽細胞肝細胞増殖因子(HGF)生産の増強
ポリ(I:C)で
【0050】
繊維芽細胞を実施例1のように培養し、InvivoGen(登録商標)(San Diego,CA)からの対照、低分子量又は高分子量ポリ(I:C)で処理した。細胞を48時間培養し、HGF濃度をELISAを用いて評価した。HGF産生の実質的な刺激は、高分子量及び低分子量ポリ(I:C)の両方で認められた(
図2)。HGFは、幹細胞治療効果を媒介するサイトカインの一例である。
【0051】
したがって、いくつかの実施形態では、線維芽細胞がHGFなどのサイトカインに曝露されなかった線維芽細胞と比較した場合、有効量のポリ(I:C)への曝露後に、HGFなどの1つ又は複数のサイトカインの産生を増強する。HGFの治療特性としては、肝再生促進、腎尿細管上皮細胞増殖促進、ケラチノサイト増殖促進、血管新生促進、癌細胞増殖抑制、造血促進、傷害後の腎機能回復促進、ケラチノサイトの増殖促進、血管新生の促進、血管新生の促進、癌細胞増殖の抑制、造血作用の促進、B細胞の活性化、気管支上皮細胞の成長促進、2型肺胞上皮細胞の活性化、上皮細胞のアポトーシスの抑制、肺の治癒の促進、肺線維症の軽減、膵臓の再生促進、神経細胞の生存促進、軸索の成長促進、筋衛星細胞の活性化、腸管上皮細胞の再構成の促進、心筋梗塞後の回復促進、心筋症の抑制、自己免疫性心筋炎の抑制、内皮細胞傷害の軽減、移植片対宿主病の軽減、脳卒中の縮小と回復の促進、神経細胞死の抑制、脳の低灌流を増加させ、神経変性疾患の進行を抑制し、より多くのオリゴデンドロサイトを生成すること、膵島移植の効果向上、聴覚障害の回復、神経細胞移動の促進[116]、炎症性腸疾患の抑制、虚血に伴う学習機能障害の減弱、シナプス可塑性の増強、失明の防止、インターロイキン1受容体拮抗薬の産生を促進等が含まれる
【0052】
(参考文献)
本明細書において言及される全ての刊行物は、本発明が関係する当業者のレベルを示す。全ての刊行物は、あたかも各個々の刊行物が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
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本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される設計の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び変更を本明細書で行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者であれば、本開示から容易に理解するように、本明細書で説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか又は後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップを、本開示に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲はその範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。
【国際調査報告】