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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】負荷時タップ切換器
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/04 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
H01F29/04 502B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573498
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2020064552
(87)【国際公開番号】W WO2020249391
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102019115970.9
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヴレーデ・ジルケ
(72)【発明者】
【氏名】ザクセンハウザー・アンドレアス
(57)【要約】
本発明は、タップ変圧器2の複数の巻線タップN,…,N,…,N間で停電させずに切り換えるための負荷時タップ切換器1に関する。負荷時タップ切換器1は、1つの選択器3と1つの負荷時切換開閉器4とを有する。負荷時切換開閉器4は、第1負荷分岐部5.1と第2負荷分岐部5.2とから構成される。各負荷分岐部5.1,5.2は、少なくとも1つの真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2を有する。各真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2は、可動接触子11と固定接触子12とが接触し合わない開状態31と、可動接触子11と固定接触子12とが少なくとも1つの接触点13で接触し合う閉状態との間で入れ替わり得る。各真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2は、接触点13を始点としてそれぞれ1つの確定された球面領域14を有する。負荷時切換開閉器4の通電している部品が、確定された領域14の外側に配置されているように、真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2が、ハウジング29内に配置されているように、負荷時切換開閉器4は形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タップ変圧器(2)の複数の巻線タップ(N,…,N,…,N)間で停電させずに切り換えるための負荷時タップ切換器(1)であって、当該負荷時タップ切換器(1)は、
-選択された巻線タップ(N)に無電流状態で予め選択するための1つの選択器(3)と、
-先行する巻線タップ(NJ-1)から予め選択された巻線タップ(N)に実際に負荷時に切り換え開閉するための1つの負荷時切換開閉器(4)と、
-第1負荷分岐部(5.1)内の少なくとも1つの真空バルブ(6.1,6.2)及び第2負荷分岐部(5.2)内の少なくとも1つの真空バルブ(7.1,7.2)と、
を有し、
前記負荷時切換開閉器(4)は、前記第1負荷分岐部(5.1)と前記第2負荷分岐部(5.2)と有し、
-各真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)は、それぞれ1つの可動接触子(11)とそれぞれ1つの固定接触子(12)とを有し、
-各真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)は、前記可動接触子(11)と前記固定接触子(12)とが接触し合わない開状態(31)と、前記可動接触子(11)と前記固定接触子(12)とが少なくとも1つの接触点(13)で接触し合う閉状態とを取る当該負荷時タップ切換器において、
-球面領域(14)が、各真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)の前記固定接触子(12)と前記可動接触子(11)との前記接触点(13)によって確定されていて、
-前記負荷時切換開閉器(4)の通電している部品が、当該確定された領域(14)の外側に配置されているように、前記負荷時切換開閉器(4)の複数の前記真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)が配置されていることを特徴とする負荷時タップ切換器。
【請求項2】
-前記接触点(13)を中心とした前記球面領域(14)は、少なくとも80mmの半径を有し、最大で200mmの半径を有する請求項1に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項3】
-前記負荷時切換開閉器(4)の通電している部品は、前記第1負荷分岐部(5.1)の第1通電部材(10.1)又は前記第2負荷分岐部(5.2)の第2通電部材(10.2)又は通電要素(17)又は第1機械式開閉接触子(18.1)又は第2機械式開閉接触子(18.2)であり、当該部品は、各真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)の前記球面領域(14)の外側に配置されている請求項1に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項4】
-前記負荷時切換開閉器(4)の前記第2負荷分岐部(5.2)は、第1真空バルブ(7.1)と第2真空バルブ(7.2)とを含み、
-少なくとも第2通電部材(10.2)と前記第2負荷分岐部(5.2)の前記第2真空バルブ(7.2)と第4通電部材(10,4)とが、前記第2負荷分岐部(5.2)の前記第1真空バルブ(7.1)の当該確定された領域(14)の外側に配置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項5】
-前記負荷時切換開閉器(4)の前記第1負荷分岐部(5.1)は、第1真空バルブ(6.1)と第2真空バルブ(6.2)とを含み、
-少なくとも前記第1負荷分岐部(5.1)の前記第2真空バルブ(6.2)と第3通電部材(10.3)と第4通電部材(10.4)とが、前記第2負荷分岐部(5.2)の前記第2真空バルブ(7.2)の当該確定された領域(14)の外側に配置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項6】
-前記第1負荷分岐部(5.1)は、前記第1負荷分岐部(5.1)の前記第1真空バルブ(6.1)と前記第2真空バルブ(6.2)とから構成される直列回路を介してそれぞれ1つの巻線タップ(N)を接地導電部材(8)に電気接続し、
-前記第2負荷分岐部(5.2)は、前記第1真空バルブ(7.1)と前記第2真空バルブ(7.2)とから構成される直列回路を介してそれぞれ1つの巻線タップ(NJ+1)を接地導電部材(8)に電気接続する請求項4又は5に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項7】
-前記第1機械式開閉接触子(18.1)は、前記第1負荷分岐部(5.1)の前記第2真空バルブ(6.2)と接地導電部材(8)との間に配置されていて、
-前記第2機械式開閉接触子(18.2)は、前記第2負荷分岐部(5.2)の前記第2真空バルブ(7.2)と接地導電部材(8)との間に配置されている請求項3に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項8】
-前記機械式開閉接触子(18.1,18.2)は、断路器として形成されている請求項7に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項9】
-前記第1負荷分岐部(5.1)内では、前記第1真空バルブ(6.1)と前記第2真空バルブ(6.2)とが、第1通電部材(10.1)を介して互いに電気接続されていて、前記第2真空バルブ(6.2)と前記第1機械式開閉接触子(18.1)とが、第3通電部材(10.3)を介して互いに電気接続されていて、
-前記第2負荷分岐部(5.2)内では、前記第1真空バルブ(7.1)と前記第2真空バルブ(7.2)とが、第2通電部材(10.2)を介して互いに電気接続されていて、前記第2真空バルブ(7.2)と前記第1機械式開閉接触子(18.2)とが、第4通電部材(10.4)を介して互いに導電接続されている請求項1~8のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項10】
-複数の前記通電部材(10.1,10.2,10.3,10.4)はそれぞれ、通電要素(17)を介して前記真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)に通電接続されている請求項9に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項11】
-定常運転中に持続通電の少なくとも一部を引き受け、接地導電部材(8)に直接に通電接続しているそれぞれ1つの固定主接触子(19.1,19.2)が、それぞれの負荷分岐部(5.1,5.2)に対して並列にさらに設けられている請求項1~10のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項12】
-複数の前記真空バルブ(6.1,6.2,7.1,7.2)は、切換軸(20)の周りに円形に周設されている請求項1~11にいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器。
【請求項13】
-第1機械式開閉接触子(18.1)と第2機械式開閉接触子(18.2)とが、前記切換軸(20)の軸線(21)に対して鏡像状に配置されている請求項1~12のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タップ変圧器の複数の巻線タップ間で停電させずに切り換えるための負荷時タップ切換器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、公知の負荷時タップ切換器は、変圧器のそれぞれの巻線タップを切り換えなければならない巻線タップに無電流状態で選択するための1つの選択器と、先行する巻線タップから選択された新しい巻線タップに実際に負荷時に切り換え開閉するための1つの負荷時切換開閉器(4)とから構成される。当該切り換えは、異なる複数のスイッチを機械式に操作することによって実行される。負荷の増大と共に、すなわち電流及び電圧のさらなる増大と共に、操作機構に対する要求も高まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故に、本発明の課題は、より大きい通電時及び電圧印加時でも増大した機械負荷及び電気負荷に耐える、改良された負荷時タップ切換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項1に記載の負荷時タップ切換器によって解決される。別の実施の形態は、従属請求項に記載されている。
【0005】
当該改良された技術思想によれば、タップ変圧器の複数の巻線タップ間で停電させずに切り換えるための負荷時タップ切換器が提唱される。この負荷時タップ切換器は、切り換えなければならない巻線タップに無電流状態で予め選択するための1つの選択器と、先行する巻線タップから予め選択された巻線タップに実際に負荷時に切り換え開閉するための1つの負荷時切換開閉器とを有する。この負荷時切換開閉器は、第1負荷分岐部及び第2負荷分岐部を有し、少なくとも1つの真空バルブをこの第1負荷分岐部内とこの第2負荷分岐部内とに有する。各真空バルブは、1つの可動接触子と1つの固定接触子とを有し、当該可動接触子と当該固定接触子とが接触し合わない開状態と、当該可動接触子と当該固定接触子とが少なくとも1つの接触点で接触し合う閉状態とを取り得る。各真空バルブは、当該接触点によって確定された球面領域を有する。当該負荷時切換開閉器の通電している部品が、当該確定された領域の外側に存在するように、当該負荷時切換開閉器の複数の当該真空バルブが、ハウジング内に配置されている。好適な少なくとも1つの実施の形態によれば、当該閉状態から当該開状態へのこれらの真空バルブの操作時に、当該負荷時切換開閉器の、この時点に通電している部品が、当該確定された領域の外側に配置されているように、当該負荷時タップ切換器が構成されている。
【0006】
この配置は、増大した電流及び電圧にもかかわらず、より確実な機能を維持しつつ負荷時タップ切換器のコンパクトな構造を可能にする。
【0007】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該接触点を中心とした当該球面領域は、少なくとも80mmの半径を有し、最大で200mmの半径を有する。
【0008】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該負荷時切換開閉器の通電している部品は、当該第1負荷分岐部の第1通電部材であり、及び/又は第2負荷分岐部の第2通電部材であり、及び/又は当該第1負荷分岐部の第3通電部材であり、及び/又は当該第2負荷分岐部の第4通電部材であり、及び/又は通電要素であり、及び/又は第1機械式開閉接触子であり、及び/又は第2機械式開閉接触子であり、ブリッジ抵抗であり、及び/又は当該閉状態にある当該真空バルブである。当該部品は、各真空バルブの当該球面領域の外側に配置されている。
【0009】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該負荷時切換開閉器の当該第1負荷分岐部は、第1真空バルブと第2真空バルブとを含む。
【0010】
少なくとも1つの実施の形態によれば、少なくとも当該第1通電部材と当該第2通電部材と当該第1負荷分岐部の当該第2真空バルブと第3通電部材と当該第1機械式開閉接触子とが、当該第1負荷分岐部の当該第1真空バルブの当該確定された領域の外側に配置されている。
【0011】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該負荷時切換開閉器の当該第2負荷分岐部は、第1真空バルブと第2真空バルブとを含む。
【0012】
少なくとも1つの実施の形態によれば、少なくとも当該第1通電部材と当該第2通電部材と当該第2負荷分岐部の当該第2真空バルブと第4通電部材と当該第2機械式開閉接触子とが、当該第2負荷分岐部の当該第1真空バルブの当該確定された領域の外側に配置されている。
【0013】
少なくとも1つの実施の形態によれば、少なくとも当該第2負荷分岐部の当該第2真空バルブと当該第3通電部材と当該第4通電部材と当該機械式開閉要素とが、当該第1負荷分岐部の当該第2真空バルブの当該確定された領域の外側に配置されている。
【0014】
少なくとも1つの実施の形態によれば、少なくとも当該第1負荷分岐部の当該第2真空バルブと当該第3通電部材と当該第4通電部材と当該機械式開閉要素とが、当該第2負荷分岐部の当該第2真空バルブの当該確定された領域の外側に配置されている。
【0015】
少なくとも1つの実施の形態によれば、第1巻線タップが、当該第1負荷分岐部にわたる第1真空バルブと第2真空バルブとから構成される直列回路を介して接地導電部材に電気接続されていて、第2巻線タップが、当該第2負荷分岐部にわたる第1真空バルブと第2真空バルブとから構成される直列回路を介して当該接地導電部材に電気接続されている。
【0016】
少なくとも1つの実施の形態によれば、それぞれ1つのブリッジ抵抗が、当該第1負荷分岐部の及び第2負荷分岐部の第1真空バルブに対して並列に配置されている。
【0017】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該ブリッジ抵抗は、当該第1負荷分岐部の第2真空バルブの確定された領域の外側に配置されていて、当該第2負荷分岐部の第2真空バルブの確定された領域の外側に配置されている。
【0018】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該第1機械式開閉接触子は、当該第1負荷分岐部の第2真空バルブと当該接地導電部材との間に配置されていて、当該第2機械式開閉接触子は、当該第2負荷分岐部の第2真空バルブと当該接地導電部材との間に配置されている。
【0019】
少なくとも1つの実施の形態によれば、これらの機械式開閉接触子は、これらの真空バルブの確定された領域の外側に配置されている。
【0020】
少なくとも1つの実施の形態によれば、これらの機械式開閉接触子は、断路器として形成されている。
【0021】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該第1負荷分岐部内では、当該第1真空バルブと当該第2真空バルブとが、第1通電部材を介して互いに電気接続されていて、当該第2真空バルブと当該第1機械式開閉要素とが、第3通電部材を介して互いに電気接続されていて、当該第2負荷分岐部内では、当該第1真空バルブと当該第2真空バルブとが、第2通電部材を介して互いに電気接続されていて、当該第2真空バルブと当該第1機械式開閉接触要素とが、第4通電部材を介して互いに電気接続されている。
【0022】
少なくとも1つの実施の形態によれば、これらの通電部材はそれぞれ、通電要素を介して当該真空バルブに通電接続されている。
【0023】
少なくとも1つの実施の形態によれば、これらの通電部材はそれぞれ、第1端部と第2端部とを有する。この場合、当該第1端部は、当該通電要素を介して当該真空バルブの可動接触子に電気接続されていて、当該第2端部は、当該通電要素を介して当該真空バルブの固定接触子に電気接続されている。
【0024】
少なくとも1つの実施の形態によれば、それぞれ1つの固定主接触子が、各負荷分岐部に対して並列にさらに設けられている。当該固定主接触子は、定常運転中に持続通電の少なくとも一部を引き受け、当該接地導電部材に直接に導電接続している。
【0025】
少なくとも1つの実施の形態によれば、複数の真空バルブが、切換軸の周りに円形に周設されている。
【0026】
少なくとも1つの実施の形態によれば、当該第1機械式開閉接触子と当該第2機械式開閉接触子とが、軸線に対して鏡像状に配置されている。この場合、当該軸線は、当該切換軸上に存在する。
【0027】
少なくとも1つの実施の形態によれば、それぞれ2つの真空バルブが、当該軸線に対して鏡像状に配置されている。
【0028】
以下に、本発明を代表的な実施の形態に基づいて図面を参照して詳しく説明する。機能的に同じか又は同じ効果を呈する構成要素は、同じ符号を付記され得る。同じ構成要素又は同じ機能を有する構成要素は、場合によっては最初に出現する図に関してだけで説明されている。当該説明は、その後に続く図で必ずしも繰り返される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】改良された技術思想による負荷時タップ切換器を有するタップ変圧器の概略図である。
図2】タップ変圧器の巻線タップの概略図である。
図3】改良された技術思想による負荷時タップ切換器の代表的な実施の形態の概略図である。
図4a図3による負荷時タップ切換器の代表的な切換シーケンスを示す。
図4b図3による負荷時タップ切換器の代表的な切換シーケンスを示す。
図4c図3による負荷時タップ切換器の代表的な切換シーケンスを示す。
図4d図3による負荷時タップ切換器の代表的な切換シーケンスを示す。
図4e図3による負荷時タップ切換器の代表的な切換シーケンスを示す。
図4f図3による負荷時タップ切換器の代表的な切換シーケンスを示す。
図5】改良された技術思想による負荷時切換開閉器の代表的な実施の形態を示す。
図6】別のアングルから見た図5による代表的な実施の形態を示す。
図7】別のアングルから見た図5による代表的な実施の形態を示す。
図8】別のアングルから見た図5による代表的な実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
これらの図は、本発明の実施の形態だけを示すが、当該図示された実施の形態に限定するものではない。
【0031】
図1は、選択器3と負荷時切換開閉器4とを有する負荷時タップ切換器1を備えるタップ変圧器2の概略図である。負荷時タップ切換器1は、電動機22によって駆動される。
【0032】
図2は、異なる複数の巻線タップN,…,N,…,Nを有するタップ変圧器2(図1参照)の調整巻線25を概略的に示す。巻線タップN,…,N,…,Nは、負荷時タップ切換器1によって接続又は遮断される。当該遮断又は接続は、例えば選択器3、負荷時切換開閉器4等のような任意の手段によって実行され得る。負荷時タップ切換器1は、電動機22によって操作される。
【0033】
図3は、負荷時タップ切換器1の代表的な実施の形態の概略図である。改良された技術思想によれば、負荷時タップ切換器1は、タップ変圧器2の巻線タップN,…,N,…,Nにそれぞれ接続され得る少なくとも1つの第1固定接触子23.1と1つの第2固定接触子23.2とを有する選択器3を含む。これらの固定接触子の総数は、タップ変圧器2の巻線タップN,…,N,…,Nの数に依存する。さらに、負荷時タップ切換器1は、調整巻線25の個々の固定接触子23.1,23,2にそれぞれ接触し得る第1選択器可動接触子24.1と第2選択器可動接触子24.2とを有する。さらに、負荷時タップ切換器1は、第1負荷分岐部5.1と第2負荷分岐部5.2とを有する負荷時切換開閉器4を含む。この代表的な実施の形態によれば、第1負荷分岐部5.1は、第1真空バルブ6.1と第2真空バルブ6.2とから構成される直列回路を介して第1固定接触子23.1を接地導電部材8に接続し、第2負荷分岐部5.2は、第1真空バルブ7.1と第2真空バルブ7.2とから構成される直列回路を介して第2固定接触子23.2を接地導電部材8に接続する。ブリッジ抵抗9.1又は9.2が、それぞれの第1真空バルブ6.1又は7.1に対して並列に接続されている。第1機械式開閉要素18.1が、第2真空バルブ6.2と接地導電部材8との間に配置されていて、第2機械式開閉要素18.2が、第2真空バルブ7.2と接地導電部材8との間に配置されている。第1通電部材10.1が、第1真空バルブ6.1と第2真空バルブ6.2とを互いに導電接続し、第2通電部材10.2が、第1真空バルブ7.1と第2真空バルブ7.2とを互いに導電接続する。さらに、第3通電部材10.3が、第2真空バルブ6.2を第1機械式開閉要素18.1に接続し、第4通電部材10.4が、第2真空バルブ7.2を第2機械式開閉要素18.2に接続する。さらに、追加の固定主接触子19.1,19.2が、それぞれの負荷分岐部5.1,5.2に対して並列に配置されている。図2は、定常状態にある負荷時タップ切換器1を示す。当該定常状態では、負荷電流の少なくとも一部が、固定主接触子19.1を経由することで、当該巻線タップから第1固定接触子23.1を介して接地導電部材8へ通電する。特に、当該負荷電流の少なくとも一部は、負荷分岐部5.1を経由する負荷電流量よりも大きい。
【0034】
図4a~4eには、改良された技術思想による負荷時タップ切換器1の代表的な切換シーケンスが示されている。この場合、第2固定接触子23.2から第1固定接触子23.1又はタップ変圧器2の対応する巻線タップN,…,N,…,Nに切り換えられる。
【0035】
ステップaでは(図4a参照)、固定主接触子10.2が閉じられるか又は閉じられているままである。負荷時タップ切換器1は、定常状態にある。当該定常状態では、負荷電流の少なくとも一部が、固定主接触子19.2を経由することで、対応する巻線タップNJ+1から第2固定接触子23.2を介して接地導電部材8へ通電する。特に、当該負荷電流の少なくとも一部は、負荷分岐部5.2を経由する負荷電流量よりも大きい。
【0036】
ステップbでは(図4b参照)、固定主接触子19.2が開かれ、第1機械式開閉接触子18.1が閉じられる。このとき、当該電流は、第2負荷分岐部5.2の第1真空バルブ7.1と第2通電部材10.2と第2負荷分岐部5.2の第2真空バルブ7.2と第4通電部材10.4と第2機械式開閉接触子18.2とを介して接地導電部材8へ通電する。
【0037】
ステップcでは(図4c参照)、第2負荷分岐部5.2の第1真空バルブ7.1が開かれる。当該開く工程中に、第2真空バルブ7.2と第4通電部材10.4と第2機械式開閉接触子18.2とが通電していて、且つ真空バルブ7.1の確定された領域14(例えば、図6-8参照)の空間的に外側に配置されている。このとき、当該電流は、ブリッジ抵抗9.2と第2真空バルブ7.2と第4通電部材10.4と第2機械式開閉接触子18.2とを介して固定接触子23.2から接地導電部材8へ通電する。
【0038】
ステップdでは(図4d)、第1負荷分岐部5.1の第2真空バルブ6.2が閉じられる。このとき、当該負荷電流は、第1負荷分岐部5.1と第2負荷分岐部5.2とに分岐する。さらに、循環電流が重畳する。
【0039】
ステップeでは(図4e参照)、第2負荷分岐部5.2の第2真空バルブ7.2が開かれる。当該開く工程中に、第1負荷分岐部5.1の第2真空バルブ6.2と第1負荷分岐部5.1の第1機械式開閉要素18.1と第2負荷分岐部5.2の第2機械式開閉要素18.2と第1負荷分岐部5.1又は第2負荷分岐部5.2のブリッジ抵抗9.1又は9.2に対する接続通電部材27とが通電していて、且つ第2負荷分岐部5.2の真空バルブ7.2の確定された領域14(例えば、図6-8参照)の空間的に外側に配置されている。このとき、当該電流は、ブリッジ抵抗9.1と第1負荷分岐部5.1の第2真空バルブ6.2と第3通電部材10.3と第1機械式開閉接触子18.1とを介して固定接触子23.2から接地導電部材8へ通電する。
【0040】
ステップfでは(図4f参照)、第1負荷分岐部5.1の第1真空バルブ6.1が閉じられる。このとき、当該電流は、第1真空バルブ6.1と第1通電部材10.1と第2真空バルブ6.2と第3通電部材10.3と第1機械式開閉接触子18.1とを介して接地導電部材8へ通電する。
【0041】
ステップgでは(図3参照)、第1負荷分岐部5.1内の固定主接触子19.1が閉じられ、第2負荷分岐部5.2内の第2機械式開閉接触子18.2が開かれる。図3に示され且つ説明されているように、負荷時タップ切換器1は、再び定常状態にある。
【0042】
図5及び6はそれぞれ、改良された技術思想による負荷時切換開閉器4の代表的な実施の形態を示す。この場合、分かりやすくするため、負荷時切換開閉器4は、2つの異なる視点から投影されている。4つの真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2がそれぞれ、切換軸20の周りに円形に周設されていて、1つの可動接触子11と1つの固定接触子12とを有する。真空バルブ6.1と真空バルブ6.2とは、第1通電部材10.1を介して互いに導電接続されていて、真空バルブ7.1と真空バルブ7.2とは、第2通電部材10.2を介して互いに導電接続されている。当該導電接続は、例えばボルト及び/又は撚り線として形成されている通電要素17によって実現されている。この場合、第1通電部材10.1の第1端部が、通電要素17を介して真空バルブ6.1の可動接触子11に電気接続されていて、その第2端部が、通電要素17を介して真空バルブ6.2の固定接触子12に電気接続されている。第2通電部材10.2の第1端部が、通電要素17を介して真空バルブ7.1の可動接触子11に電気接続されていて、その第2端部が、通電要素17を介して真空バルブ7.2の固定接触子12に電気接続されている。それぞれの真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2の可動接触子11と固定接触子12とは、これらの真空バルブの閉じられている状態では少なくとも1つの点13で接触している。それぞれの真空バルブ6.1,6.2,7.1,7.2が、それぞれの接触点13によって(を始点として)それぞれ1つの球面領域14を確定する。分かりやすくするため、接触子11及び12並びにこれらの接触点の接触点13は、図4及び図5では少数の真空バルブだけに描かれていて、符号を付されている。
【0043】
図7及び8はそれぞれ、負荷時切換開閉器の代表的な実施の形態の平面図である。負荷時切換開閉器4は、真空バルブ6.1,6.2,7.1及び7.2が配置されているハウジング29を有する。ハウジング29は、ほぼ円柱形であり、ガラス繊維補強プラスチックから形成されている。真空バルブ6.1及び6.2は、真空バルブ7.1及び7.2に対して鏡像状にハウジング29内に配置されている。例えば、真空バルブ7.2が、真空バルブ6.1に対向して配置されていて、真空バルブ7.1は、真空バルブ6.2に対向して配置されている。これにより、最大間隔が、真空バルブ6.1と真空バルブ7.1との間に生成され、そして真空バルブ6.2と真空バルブ7.2との間に生成される。第1負荷分岐部5.1の真空バルブ6.1と真空バルブ6.2との間と、第2負荷分岐部5.2の真空バルブ7.1と真空バルブ7.2との間とに、同様に鏡像のように互いに左右対称に、それぞれ1つの第1機械式開閉接触子18.1又は第2機械式開閉接触子18.2が配置されている。図7には、第2通電部材10.2と第2負荷分岐部5.2の第2真空バルブ7.2とが、第2負荷分岐部5.2の第1真空バルブ7.1の確定された領域14の外側に配置されていることが示されている。さらに、図8には、第1負荷分岐部5.1の第2真空バルブ6.2が、第2負荷分岐部5.2の第2真空バルブ7.2の確定された領域14の外側に配置されていることが示されている。
【符号の説明】
【0044】
1 負荷時タップ切換器
2 タップ変圧器
3 選択器
4 負荷時切換開閉器
5.1 第1負荷分岐部
5.2 第2負荷分岐部
6.1 第1負荷分岐部の第1真空バルブ
6.2 第1負荷分岐部の第2真空バルブ
7.1 第2負荷分岐部の第1真空バルブ
7.2 第2負荷分岐部の第2真空バルブ
8 接地導電部材
9.1,9.2 ブリッジ抵抗
10.1 第1通電部材
10.2 第2通電部材
11 可動接触子
12 固定接触子
13 中心点/接触点
14 確定された領域、球面領域
15.1,15.2 第1端部
16.1,16.2 第2端部
17 通電要素
18.1 第1機械式開閉接触子
18.2 第2機械式開閉接触子
19.1,19.2 固定主接触子
20 切換軸
21 軸線
22 電動機
23.1,23.2 選択器固定接触子
24.1,24.2 選択器可動接触子
25 調整巻線
27 接続通電部材
29 ハウジング
(N,…,N,…,N) 巻線タップ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】