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特表2022-536705透過スイッチプレートを有する熱処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】透過スイッチプレートを有する熱処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20220810BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20220810BHJP
   H01L 21/268 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
H01L21/26 J
H01L21/265 602B
H01L21/268 J
H01L21/268 T
H01L21/26 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573499
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 US2020037148
(87)【国際公開番号】W WO2020252112
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/861,116
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マトソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】47131 Bayside Parkway, Fremont, CA 94538, USA
(71)【出願人】
【識別番号】520111187
【氏名又は名称】ベイジン イータウン セミコンダクター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing E-Town Semiconductor Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Building, No. 28 Jinghai Er Rd., Economic and Technical Development Zone, 100176 Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エックス. ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ブレーメンスドルファー
(57)【要約】
被加工物を処理するための装置、システムおよび方法を提供する。一実施例では、システムは処理チャンバを含む。システムは、処理チャンバ内で被加工物を支持するように構成された被加工物支持体を含む。システムは、被加工物に向かって光を放出するように構成された熱源を含む。システムは、被加工物と熱源との間に配置されたシャッタを含む。シャッタは、半透明状態および不透明状態で構成可能なエレクトロクロミック材料を含む。エレクトロクロミック材料が不透明状態で構成されている場合には、シャッタが当該シャッタを通した光の透過を低減し、エレクトロクロミック材料が半透明状態で構成されている場合には、光が少なくとも部分的にシャッタを通過する。システムは、熱処理プロセス中にシャッタを通した光の透過を低減すべくシャッタを制御するように構成されたコントローラを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で被加工物を支持するように構成された被加工物支持体と、
前記被加工物に向かって光を放出するように構成された熱源と、
前記被加工物と前記熱源との間に配置されたシャッタであって、半透明状態と不透明状態とに構成可能なエレクトロクロミック材料を含み、前記エレクトロクロミック材料が不透明状態に構成されている場合には当該シャッタを通した光の透過を低減し、前記エレクトロクロミック材料が半透明状態に構成されている場合には光が少なくとも部分的に当該シャッタを通して通過するようにする、シャッタと、
熱処理プロセス中に前記シャッタを通した光の透過を低減すべく前記シャッタを制御するように構成されたコントローラと、
を備える、熱処理システム。
【請求項2】
前記熱処理プロセスは、スパイクアニールプロセスである、請求項1記載の熱処理システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記スパイクアニールプロセスに関連するピーク幅を低減すべく前記スパイクアニールプロセス中に前記シャッタの動作状態を制御するように構成されている、請求項2記載の熱処理システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記スパイクアニールプロセスが約0.8秒以下の50k温度ピーク幅を有するように前記シャッタの動作状態を制御すべく構成されている、請求項3記載の熱処理システム。
【請求項5】
前記シャッタが前記不透明状態にある場合、前記シャッタは反射性を有するように構成されている、請求項1記載の熱処理システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記熱処理プロセス中に前記シャッタを通した光の透過を低減すべく、少なくとも部分的に熱源作動信号に基づいて、前記シャッタの動作状態を制御するように構成されている、請求項1記載の熱処理システム。
【請求項7】
前記熱源作動信号は、前記熱処理プロセス中に光を放出するための前記熱源の作動を規定する、請求項6記載の熱処理システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記熱処理プロセス中、前記熱源の作動から所定の時間インターバルが経過した後に、前記シャッタの動作状態を前記半透明状態から前記不透明状態へ変化させるように構成されている、請求項6記載の熱処理システム。
【請求項9】
前記時間インターバルは、約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲にある、請求項8記載の熱処理システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記熱処理プロセス中、前記シャッタを通した光の透過を低減すべく、少なくとも部分的に温度設定値に基づいて、前記シャッタの動作状態を制御するように構成されている、請求項1記載の熱処理システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記温度設定値に達した前記被加工物の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記シャッタの動作状態を前記半透明状態から前記不透明状態へ変化させるように構成されている、請求項10記載の熱処理システム。
【請求項12】
前記被加工物の温度を表すデータが、1つもしくは複数のパイロメータにより取得される、請求項11記載の熱処理システム。
【請求項13】
前記温度設定値は、前記熱処理プロセスに関連する加熱プロファイルのピーク温度の約20%以内である、請求項10記載の熱処理システム。
【請求項14】
前記熱源は、ランプ熱源である、請求項1記載の熱処理システム。
【請求項15】
熱源および該熱源と熱処理システムの処理チャンバ内に配置された被加工物との間に配置されたシャッタを備えた熱処理システムの動作を制御する方法であって、該方法が、
スパイクアニールプロセスのために、前記熱源を作動させるステップであって、光を放出させ、前記被加工物を加熱するために前記熱源を作動させるステップと、
スパイクアニールプロセス中、前記熱源を作動させた後の時間インターバルの経過を判定するステップと、
前記時間インターバルの満了時に、前記シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させて、前記スパイクアニールプロセス中に前記熱源からの光の前記シャッタを通した透過を低減すべく、前記シャッタを制御するステップと、
を含み、
前記シャッタは、前記半透明状態または前記不透明状態で構成可能なエレクトロクロミック材料を含み、前記エレクトロクロミック材料が前記不透明状態で構成されている場合には、前記シャッタが当該シャッタを通した光の透過を低減し、前記エレクトロクロミック材料が前記半透明状態で構成されている場合には、光が少なくとも部分的に前記シャッタを通過する、
方法。
【請求項16】
前記シャッタの前記動作状態を変化させるように前記シャッタを制御するステップは、前記スパイクアニールプロセスが約0.8秒以下の50k温度ピーク幅を有するように、前記シャッタの動作状態を変化させて前記スパイクアニールプロセスに関連するピーク幅を低減すべく、前記シャッタを制御するステップを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記シャッタが前記不透明状態にある場合、前記シャッタは反射性を有するように構成されている、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記時間インターバルは、約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲にある、請求項15記載の方法。
【請求項19】
熱源および該熱源と熱処理システムの処理チャンバ内に配置された被加工物との間に配置されたシャッタを備えた熱処理システムの動作を制御する方法であって、該方法が、
スパイクアニールプロセス中の前記被加工物の温度を表すデータを取得するステップと、
温度設定値を表すデータにアクセスするステップと、
前記スパイクアニールプロセス中に前記温度設定値に達した前記被加工物の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させるように前記シャッタを制御するステップと、
を含み、
前記シャッタは、前記半透明状態または前記不透明状態で構成可能なエレクトロクロミック材料を含み、前記エレクトロクロミック材料が前記不透明状態で構成されている場合には、前記シャッタが前記熱源から放出された光の当該シャッタを通した透過を低減し、
前記エレクトロクロミック材料が前記半透明状態で構成されている場合には、光が少なくとも部分的に前記シャッタを通過する、
方法。
【請求項20】
前記温度設定値は、前記スパイクアニールプロセスに関連する加熱プロファイルのピーク温度の約20%以内である、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2019年6月13日付にて出願された“Thermal Processing System with Transmission Switch Plate”なる名称の米国仮特許出願第62/861116号の優先権の利益を主張し、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、概して熱処理システムに関する。
【0003】
技術分野
熱処理システムは、半導体ウェハのような被加工物を収容するように構成された処理チャンバを有することができる。熱処理システムはさらに、被加工物を加熱するように構成された熱源(例えば熱ランプ)を含むことができる。幾つかの熱処理システムは、被加工物にスパイクアニールプロセス(spike anneal process)を実施するために使用可能である。
【0004】
概要
本開示の実施形態の態様および利点は、部分的に以下の説明に示されており、または説明からもしくは実施形態の実施を通して教説を得ることができる。
【0005】
本開示の例示的な一態様は、熱処理システムに関する。システムは、処理チャンバを含む。システムは、処理チャンバ内で被加工物を支持するように構成された被加工物支持体を含む。システムは、被加工物に向かって光を放出するように構成された熱源を含む。システムは、被加工物と熱源との間に配置されたシャッタを含む。シャッタは、半透明状態および不透明状態で構成可能なエレクトロクロミック材料を含む。エレクトロクロミック材料が不透明状態で構成されている場合には、シャッタが当該シャッタを通した光の透過を低減し、エレクトロクロミック材料が半透明状態で構成されている場合には、光が少なくとも部分的にシャッタを通過する。システムは、熱処理プロセス中にシャッタを通した光の透過を低減すべくシャッタを制御するように構成されたコントローラを含む。
【0006】
本開示の他の例示的な態様は、半導体基板を熱処理するためのシステム、方法、装置およびプロセスに関する。
【0007】
様々な実施形態の上述したおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することによりさらによく理解されるであろう。本明細書に組み込まれてその一部を成す添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、詳細な説明と共に、関連する動作方式を説明するために用いられる。
【0008】
当業者のための実施形態の詳細な説明を、添付の図を参照しつつ、本明細書において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の例示的な実施形態による熱処理システムを示す図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による熱処理システムのシャッタを示す平面図である。
図3】本開示の例示的な実施形態による熱処理システムのシャッタを示す断面図である。
図4】本開示の例示的な実施形態による熱処理システムの例示的な温度時間プロファイルを示す図である。
図5】本開示の例示的な実施形態による熱処理システムの例示的な温度時間プロファイルを示す図である。
図6】本開示の例示的な実施形態による例示的な方法を示すフローチャートである。
図7】本開示の例示的な実施形態による例示的な方法を示すフローチャートである。
【0010】
詳細な説明
以下では、複数の実施形態が詳細に参照され、そのうちの1つもしくは複数の実施例が図面に示されている。各実施例は実施形態の説明のために提示するものであり、本開示を限定するものではない。実際には、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、実施形態に対して様々な修正および変更を行えることは、当業者には明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部分として図示または説明されている特徴を、別の実施形態と共に使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。したがって、本開示の態様がそのような修正および変更をカバーすることが意図されている。
【0011】
本開示の例示的な態様は、熱処理システムならびにスパイクアニールプロセスなどの熱処理プロセス中に温度プロファイルをより厳密に制御するための関連する方法に関する。スパイクアニールプロセスは、被加工物を数秒以下の時間スケールで高温へと加熱するサーマルプロセスでありうる。例えばシリコンウェハのような被加工物におけるドーパントを活性化するために、スパイクアニールプロセスを使用することができる。
【0012】
高温では、ドーパント原子は高速で被加工物内に拡散することができ、その大部分は、ドーパントを活性化するために必要なピークアニール温度で生じる。半導体装置製造における性能要求の増大および装置サイズの低減に伴って、ドーパントの活性化に作用すると同時にドーパントの拡散を制限する温度条件が被加工物に与えられるよう、スパイクアニール加熱プロファイルを可能な限り正確に厳密に制御することが所望されることがある。
【0013】
本開示の態様によれば、電気的に制御可能な光学特性(例えば透過率、反射率など)を含むシャッタは、被加工物(例えば半導体材料またはウェハ)と、被加工物に向かって光を放出するように構成された1つもしくは複数の熱源(例えばランプ熱源、レーザー、または任意の他の適切な光源)との間に配置することができる。幾つかの実施形態では、シャッタは、半透明状態および不透明状態で構成可能なエレクトロクロミック材料を含むことができる。エレクトロクロミック材料が不透明状態に構成されている場合、シャッタは当該シャッタを通した光の透過を低減できる。不透明状態の一例として、熱源からの光の大部分がシャッタの表面から反射される反射状態が挙げられうる。エレクトロクロミック材料が半透明状態で構成されている場合には、光がシャッタを少なくとも部分的に通過できる。
【0014】
幾つかの実施形態では、エレクトロクロミック材料は、シャッタに供給される電気信号に基づいて液晶が反射性(例えば部分的な反射性または完全な反射性)または透過性(例えば部分的な透過性または完全な透過性)のいずれかを有するようにアライメントされる液晶反射鏡を含むことができる。シャッタが不透明状態にある場合、液晶反射鏡は、反射性を有するようにアライメント可能である。シャッタが透光状態にある場合には、液晶反射鏡は透過性を有するようにアライメント可能である。幾つかの実施形態では、エレクトロクロミック材料は、シャッタを不透明状態および半透明状態で制御できるように、金属酸化物(例えば酸化タングステンWO)または他の任意の適切な材料を含みうる。
【0015】
幾つかの実施形態では、制御可能なシャッタを、熱処理プロセス(例えばスパイクアニールプロセス)に関連するピーク幅を低減するために熱処理システムにおいて使用することができる。ピーク幅は、被加工物が基準温度以上となりうる時間インターバルを表すことができ、当該基準温度は、温度時間プロファイル(例えばスパイクアニール加熱プロファイル)のピーク温度(Tpeak)から所定の温度値(例えば50Kなど)を減算することによって取得することができる。例えば、50度の温度(50K)のピーク幅は、被加工物の表面の温度が(Tpeak-50K)を上回る時間インターバルとして定義される。本開示の例示的な態様による熱処理を使用して取得される低減されたピーク幅により、熱処理につき、過度のドーパント拡散などの望ましくないプロセスをさらに低減しながら、比較的高い温度で効果的なアニーリングサイクルを達成することが可能となりうる。
【0016】
幾つかの実施形態では、熱処理システムは、熱処理プロセスに関連するピーク幅を低減するために、サーマルプロセス中にシャッタの動作状態(例えば半透明状態または不透明状態)を制御するコントローラを含むことができる。例えば、コントローラは、熱処理プロセスが約0.8秒以下の50k温度ピーク幅を有するように、シャッタの動作状態を制御することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、コントローラ(例えばコンピュータ、マイクロコントローラ、他の制御装置など)は、1つもしくは複数のプロセッサおよび1つもしくは複数のメモリ装置を含むことができる。1つもしくは複数のメモリ装置は、コンピュータ可読命令を記憶することができ、このコンピュータ可読命令は、1つもしくは複数のプロセッサによって実行される際に、1つもしくは複数のプロセッサに、サーマルプロセス中のシャッタの動作状態を制御するような動作または後述するような他の適切な動作を実行させるためのものである。
【0018】
本開示の例示的な態様によれば、コントローラは、熱源作動信号に少なくとも部分的に基づいて、熱処理プロセス中にシャッタを通した光の透過を低減すべく、シャッタの動作状態を制御することができる。熱源作動信号は、熱処理プロセス中に光を放出するための1つもしくは複数の熱源の作動を規定することができる。例えば、コントローラは、熱源をオンにして被加工物を加熱する光を放出させるための熱源作動信号を生成し、次いで、熱源の作動時点に基づいて決定される時点で、シャッタの動作状態が半透明状態または不透明状態となるように制御することができる。
【0019】
例えば、幾つかの実施形態において、コントローラは、熱処理プロセス中に(1つもしくは複数の)熱源が作動されてから時間インターバルが経過した後、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させるように構成可能である。例えば、第1の期間(例えば被加工物が基準温度に維持される期間)の後、コントローラは、熱源を作動させて被加工物を加熱する光を放出させるための熱源作動信号を生成することができる。熱源の作動後、コントローラは、有効期限、例えば約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲内の時間インターバルなどの時間インターバルの経過を判定することができる。コントローラは、時間インターバルの満了時に、シャッタを制御し、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態に変更し、熱源からの光のシャッタを通した透過を低減することができる。したがって、スパイクアニールプロセス中のピーク幅を低減することができ、これにより、熱処理プロセスは、望ましくないドーパント拡散をさらに低減しながら、比較的高い温度で効果的なアニーリングサイクルを達成することができる。
【0020】
本開示の例示的な態様によれば、コントローラは、温度設定値に少なくとも部分的に基づいて、熱処理プロセス中にシャッタを通した光の透過を低減すべく、シャッタの動作状態を制御することができる。温度設定値は、熱処理プロセスに関連する温度時間プロファイル(例えば加熱プロファイル)の所定の温度点を表すことができる。例えば、温度設定値は、熱処理プロセスに関連する加熱プロファイル(例えばスパイクアニール加熱プロファイル)のピーク温度の約20%以内であってよい。
【0021】
幾つかの実施形態において、コントローラは、温度設定値に達した被加工物の温度に少なくとも部分的に基づいて、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させることができる。例えば、熱処理プロセス(例えばスパイクアニールプロセス)中、コントローラは、(例えばパイロメータからの信号に基づいて)被加工物の温度を表すデータを取得することができる。コントローラは、温度設定値を表すデータにアクセスすることができる。コントローラは、(例えばスパイクアニールプロセスの一部として)被加工物の温度を上昇させるために被加工物を加熱する光を放出すべく、熱源を制御することができる。コントローラは、被加工物の温度が温度設定値未満である場合に、シャッタの動作状態を半透明状態に制御することができる。コントローラは、被加工物の温度が上昇して温度設定値に達したときに、シャッタを制御して、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させ、熱源からの光のシャッタを通した透過を低減することができる。
【0022】
幾つかの実施形態では、コントローラは、被加工物の温度が上昇して温度設定値に達したときに対応する時点から始まる期間にわたって、シャッタの動作状態を不透明状態に制御することができる。当該期間は、約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲内など、予め定めることができる。代替的にかつ/または付加的に、当該期間は、温度設定値に戻る被加工物の温度に対応する時点で終了することができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、熱処理システムは、被加工物の温度を表すデータを取得するために1つもしくは複数のパイロメータ(pyrometers)を含むことができる。幾つかの実施形態では、シャッタの動作を温度測定と同期させることができる。例えば、コントローラは、熱源の背景放射を低減するために温度測定期間中に光が遮断されるように、シャッタを不透明状態に制御することができる。パイロメータは、温度測定期間中の被加工物の温度を表すデータを取得することができる。
【0024】
本開示の例示的な一態様は、熱処理システムの動作を制御するための方法に関する。方法は、スパイクアニールプロセスのために熱源を作動させて光を放出させ、被加工物を加熱することを含むことができる。方法は、スパイクアニールプロセス中、熱源を作動させた後の時間インターバルの経過を判定することを含むことができる。方法は、時間インターバルの満了時に、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させて、スパイクアニールプロセス中に熱源からの光のシャッタを通した透過を低減すべく、シャッタを制御することを含むことができる。
【0025】
本開示の別の例示的な態様は、熱処理システムの動作を制御するための方法に関する。方法は、スパイクアニール加熱プロセス中に被加工物の温度を表すデータを取得することを含むことができる。方法は、温度設定値を表すデータにアクセスすることを含むことができる。方法は、スパイクアニール加熱プロセス中に温度設定値に達した被加工物の温度に少なくとも部分的に基づいて、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させるようにシャッタを制御することを含むことができる。
【0026】
本開示の態様は、例示および説明の目的で、「被加工物」「ウェハ」または半導体ウェハを参照しながら説明される。当業者は、本明細書において提供している開示を使用して、本開示の例示的な態様が任意の半導体基板または他の適切な基板に関連して使用可能であることを理解するであろう。さらに、数値と併せて「約」なる用語を使用する場合には、記載している数値の10パーセント(10%)以内を指すことが意図されている。
【0027】
ここで、図面を参照すると、図1は、本開示の例示的な実施形態による熱処理システム100を示している。図示のように、熱処理システム100は、処理チャンバ105を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、処理チャンバ105は、熱処理システム100の石英窓107によって少なくとも部分的に画定することができる。幾つかの実施形態では、石英窓107に水酸化物OHをドープすることができる。処理チャンバ105を画定する1つもしくは複数の面は、任意の適切な材料から形成可能であることを理解されたい。例えば、幾つかの実施形態では、処理チャンバ105を画定する1つもしくは複数の面を石英から形成することができる。
【0028】
図示のように、熱処理システム100は、処理チャンバ105への選択的なアクセスを可能にするために、開放位置(図1)と閉鎖位置(図示せず)との間で運動可能なドア110を含むことができる。例えば、ドア110を開放位置へ運動させて、被加工物120が処理チャンバ105内に配置されるようにすることができる。幾つかの実施形態では、被加工物120は、石英窓107の支持ピン130,132によって少なくとも部分的に支持可能である。このようにして、石英窓170に当たる放出光と関連する熱は、支持ピン130,132を介して被加工物120へ伝達されうる。さらに、石英窓107の支持ピン130,132に被加工物120が配置されると、ドア110を閉鎖位置へ運動させることができる。幾つかの実施形態では、ドア110が閉鎖位置にあるとき、処理チャンバ105を外部環境から密閉することができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、処理チャンバ105を画定する1つもしくは複数の面が、ガス入口ポート140を画定することができる。このようにして、ガス源から供給されたプロセスガスが、ガス入口ポート140を介して処理チャンバ105内に流れ込むことができる。幾つかの実施形態では、プロセスガスは、被加工物120と反応しない不活性ガスを含むことができる。代替的に、プロセスガスは、被加工物120と反応して被加工物120の表面の材料層を堆積させる反応性ガスを含んでもよい。例えば、幾つかの実施形態では、プロセスガスは、アンモニウムNHガスを含むことができる。しかし、プロセスガスは、任意の適切な反応性ガスを含みうることが理解されるべきである。例えば、代替的な実施形態では、反応性ガスは、Hガスを含むことができる。
【0030】
熱処理システム100は、処理チャンバ105の外部に配置された1つもしくは複数の熱源150を含むことができる。1つもしくは複数の熱源150は、熱処理プロセス、例えば急速熱処理またはスパイクアニールプロセスなどの間に被加工物120に向かって光を放出するように構成可能である。1つもしくは複数の熱源150から放出された光は、被加工物120の温度を上昇させることができる。幾つかの実施形態では、1つもしくは複数の熱源150は、予め定められた時間量以内(例えば2秒未満)で、被加工物120の温度を約500℃超へ高めることができる。
【0031】
1つもしくは複数の熱源150は、光を放出するように構成された任意の適切な種類の熱源を含みうることが理解されるべきである。例えば、幾つかの実施形態では、1つもしくは複数の熱源150は、1つもしくは複数のヒートランプ(例えばリニアランプ)を含むことができる。代替的な実施形態では、1つもしくは複数の熱源150は、被加工物120上にレーザービームを放出するように構成された1つもしくは複数のレーザーを含むことができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、熱処理システム100は、1つもしくは複数の熱源150から放出された光が処理チャンバ105へまたは処理チャンバ105に向かって配向されるように配置されたリフレクタ152を含むことができる。より具体的には、リフレクタ152は、1つもしくは複数の熱源150から放出された光を、石英窓107を通過させて処理チャンバ105に入射させることができるように、石英窓107へまたは石英窓107に向かって配向することができる。石英窓107を介して処理チャンバ105へ入射する光の少なくとも一部が、被加工物120上へ放出可能となることが理解されるべきである。このようにして、1つもしくは複数の熱源150から放出された光は、上述したように、急速熱処理プロセス(例えばスパイクアニール処理)などの熱処理プロセス中、被加工物120の温度を上昇させることができる。以下でより詳細に説明するように、熱処理システム100は、被加工物120に関連する温度プロファイルを表すデータを取得するように構成された1つもしくは複数のパイロメータを含むことができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、熱処理システム100は、被加工物120の反射率を求めるように構成された装置を含むことができる。図示のように、装置は、送信器182および受信器184を含むことができる。送信器182は、被加工物120から反射する信号186を発するように構成することができる。反射された信号188は、装置の受信器184により受信することができる。熱処理システム100のコントローラ190は、信号186と反射信号188との1つもしくは複数のパラメータ(例えば位相、振幅)の差に少なくとも部分的に基づいて当該反射率を求めるように構成できることが理解されるべきである。
【0034】
本開示の例示的な態様によれば、図示のように、被加工物120と1つもしくは複数の熱源150との間にシャッタ200を配置することができる。より具体的には、シャッタ200は、石英窓107と1つもしくは複数の熱源150との間に配置することができる。このようにして、シャッタ200を処理チャンバ105の外部に配置することができる。ただし、他の実施形態において、シャッタ200は処理チャンバ105内に配置することもできる。
【0035】
シャッタ200は、半透明状態および不透明状態で構成可能なエレクトロクロミック材料を含むことができる。エレクトロクロミック材料が不透明状態に構成されている場合、シャッタは、熱源150から放出された光に関連する波長の光の当該シャッタを通した透過を低減することができ、エレクトロクロミック材料が半透明状態に構成されている場合、熱源150から放出される光に関連する波長の光は、少なくとも部分的にシャッタを通過することができる。幾つかの実施形態では、エレクトロクロミック材料は、液晶がシャッタ200に供給される電気信号に基づいて反射性(例えば、部分的な反射性または完全な反射性)を有するかまたは透過性(例えば、部分的な透過性または完全な透過性)を有するかのいずれかにアライメントされる液晶反射鏡を含むことができる。シャッタ200が不透明状態にある場合には、液晶反射鏡は反射性を有するようにアライメント可能である。シャッタが半透明状態にある場合には、液晶反射鏡は透過性を有するようにアライメント可能である。幾つかの実施形態では、エレクトロクロミック材料は、金属酸化物(例えば酸化タングステンWO)または他の任意の適切な材料を含むことができ、これにより、シャッタを不透明状態と半透明状態との間で制御することができる。
【0036】
本開示の例示的な態様によれば、コントローラ190は、熱処理プロセスに関連するピーク幅を低減するために、サーマルプロセス中、シャッタ200の動作状態(例えば半透明状態または不透明状態)を制御することができる。例えば、コントローラ190は、熱処理プロセスが約0.8秒以下の50k温度ピーク幅を有するように、シャッタ200の動作状態を制御することができる。
【0037】
幾つかの実施形態によれば、コントローラ190(例えばコンピュータ、マイクロコントローラ、他の制御装置など)は、1つもしくは複数のプロセッサおよび1つもしくは複数のメモリ装置を含むことができる。1つもしくは複数のメモリ装置は、1つもしくは複数のプロセッサによって実行される際に、1つもしくは複数のプロセッサに、熱源150のオン/オフ、サーマルプロセス中のシャッタ200の動作状態の制御、または以下に説明するような他の適切な動作などの動作を実行させるためのコンピュータ可読命令を記憶することができる。
【0038】
本開示の例示的な態様によれば、コントローラ190は、熱処理プロセス中にシャッタ200を通した光の透過を低減するために、少なくとも部分的に熱源作動信号に基づいてシャッタ200の動作状態を制御することができる。熱源作動信号は、1つもしくは複数の熱源150の、熱処理プロセス中に光を放出するための作動を規定することができる。例えば、コントローラ190は、被加工物を加熱する光を放出する熱源150をターンオンするための熱源作動信号を生成することができ、次いで、コントローラ190は、シャッタ200の動作状態を半透明状態または不透明状態になるように制御することができる。
【0039】
幾つかの実施形態において、コントローラ190は、熱処理プロセス中に熱源150が作動されてから時間インターバルが経過した後、シャッタ200の動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させることができる。例えば、コントローラ190は、被加工物120を加熱する光を放出する熱源150を作動させるための熱源作動信号を生成することができる。熱源を作動させた後、コントローラは、約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲内にある時間インターバルの経過を判定することができる。時間インターバルの満了時に、コントローラ190は、シャッタ200を制御してシャッタ200の動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させ、熱源150からの光のシャッタ200を通した透過を低減することができる。
【0040】
本開示の例示的な態様によれば、コントローラ190は、熱処理プロセス中にシャッタ200を通した光の透過を低減するために、少なくとも部分的に温度設定値に基づいてシャッタ200の動作状態を制御することができる。例えば、温度設定値は、熱処理プロセスに関連する加熱プロファイル(例えばスパイクアニール加熱プロファイル)のピーク温度の約20%以内であってよい。
【0041】
幾つかの実施形態において、コントローラ190は、温度設定値に達した被加工物120の温度に少なくとも部分的に基づいて、シャッタ200の動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させることができる。例えば、熱処理プロセス(例えばスパイクアニールプロセス)中、コントローラ190は、被加工物120の温度を表すデータを取得することができる。コントローラ190は、温度設定値を表すデータにアクセスすることができる。コントローラ190は、被加工物120の温度が温度設定値未満である場合に、シャッタ200の動作状態を半透明状態に制御することができる。コントローラ190は、被加工物120の温度が上昇して温度設定値に達すると、シャッタ200を制御して、シャッタ200の動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させ、熱源150からの光のシャッタ200を通した透過を低減することができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、コントローラ190は、被加工物120の温度が上昇して達した温度設定値に対応する時点から始まる期間にわたって、シャッタ200の動作状態を不透明状態になるように制御することができる。当該期間は、約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲内など、予め定めることができる。代替的にかつ/または付加的に、当該期間は、被加工物120の温度が低下して達する温度設定値に対応する時点で終了することができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、シャッタ200の動作を温度測定と同期させることができる。例えば、コントローラ190は、熱源150の背景放射を低減するために、温度測定期間中に光が遮断される不透明状態となるようにシャッタ200を制御することができる。パイロメータ180は、温度測定期間中の被加工物120の温度を表すデータを取得することができる。
【0044】
図2は、本開示の例示的な実施形態による熱処理システム100のシャッタ200の上面図210を示している。図2に見られるように、シャッタ200の上面図210は、シャッタ200が1×1ピクセルを有することを示している。シャッタ200は、熱源150の分布のサイズにほぼ相当するサイズを有することができる。
【0045】
図3は、本開示の例示的な実施形態による熱処理システム100のシャッタ200の側面図220を示している。図3に見られるように、シャッタ200は、複数の層を有することができる。シャッタ200は、複数の高温ガラスプレート222およびガラスプレート222間の複数のスペーサ224を含むことができる。シャッタ200の厚さ226は、約3mm以下(例えば2.84mm)であってよい。ガラスプレート222の厚さは、約1mm~約2mmの範囲とすることができる。ガラスプレートは、エレクトロクロミック材料製であってよい。
【0046】
図4は、本開示の例示的な実施形態による熱処理システム100の例示的な温度時間プロファイル300を示している。図4に見られるように、第1の期間310に続いて、スパイクアニールプロセス320が行われる。加熱プロファイル330(実線の曲線)は、従来のスパイクアニールによって形成可能である。従来のスパイクアニールでは、1つもしくは複数の熱源が光を放出することができ、シャッタなしで被加工物を加熱する。加熱プロファイル340(破線の曲線)は、シャッタ200によって光透過率を低減することができる熱処理システム100によって形成可能である。従来のスパイクアニールは、熱処理システム100の加熱プロファイル340の50Kピーク幅342よりも大きい、加熱プロファイル330の50度の温度(例えば50K)のピーク幅322を有しうる。
【0047】
図5は、本開示の例示的な実施形態による熱処理システム100の例示的な温度時間プロファイル400を示している。図5に見られるように、被加工物120の温度が上昇して達する第1の温度設定値422は、熱処理システム100の加熱プロファイル340のピーク温度の約20%以内である。被加工物120の温度が低下して達する第2の温度設定値424も、加熱プロファイル340のピーク温度の約20%以内である。被加工物120の温度が第1の温度設定値422を例えば第1の期間410中に下回ると、シャッタ200を半透明状態に制御することができる。被加工物120の温度が上昇して第1の温度設定値422に達すると、シャッタ200は、第1の温度設定値422に対応する時点から第2の温度設定値424に対応する時点までの期間420にわたり、半透明状態から不透明状態へ変化させることができる。見て取れるように、シャッタの制御は、この方法で、スパイクアニールプロセスに関連する50kピーク幅を低減することができる。
【0048】
図6は、本開示の例示的な実施形態による、例示的な方法(600)のフローチャートを示している。方法(600)を、実施例として、図1の熱処理システム100を参照しながら説明する。方法(600)は、任意の適切なプラズマ処理装置において実施可能である。図6は、例示および説明の目的で、特定の順序で実施されるステップを示している。当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明するあらゆる方法の種々のステップが種々の手法で省略、拡張、同時実施、再配置および/または変更可能であることを理解するであろう。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、種々のステップ(図示せず)を実施することができる。
【0049】
(610)において、方法は、スパイクアニールプロセスのために被加工物を加熱すべく、熱源を作動させて光を放出することを含みうる。例えば、熱処理システム100は、被加工物120を加熱する光を放出する熱源150を作動させるための熱源作動信号を生成するコントローラ190を含むことができる。
【0050】
(620)において、方法は、スパイクアニールプロセス中に熱源を作動させた後の時間インターバルの経過を判定することを含んでいてよい。例えば、熱処理システム100のコントローラ190は時間インターバルの経過を判定することができ、例えば、当該時間インターバルは約5ミリ秒~約100ミリ秒の範囲内である。
【0051】
(630)において、方法は、時間インターバルの満了時に、シャッタを制御してシャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させ、スパイクアニールプロセス中に熱源からの光のシャッタを通した透過を低減することを含むことができる。例えば、熱処理システム100のコントローラ190は、熱源150からの光の透過を低減するために、シャッタ200の動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させることができる。
【0052】
図7は、本開示の例示的な実施形態による、例示的な方法(700)のフローチャートを示している。方法(700)を、実施例として、図1の熱処理システム100を参照しながら説明する。方法(700)は、任意の適切なプラズマ処理装置において実施可能である。図7は、例示および説明の目的で、特定の順序で実施されるステップを示している。当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されるあらゆる方法の種々のステップが種々の手法で省略、拡張、同時実施、再配置、および/または変更可能であることを理解するであろう。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、種々のステップ(図示せず)を実施することができる。
【0053】
(710)において、方法は、スパイクアニールプロセス中の被加工物の温度を表すデータを取得することを含むことができる。例えば、熱処理システム100は、被加工物120の温度を表すデータを取得するために1つもしくは複数のパイロメータ180を含むことができる。
【0054】
(720)において、方法は、温度設定値を表すデータにアクセスすることを含むことができる。例えば、熱処理システム100のコントローラ190は、温度設定値を表すデータにアクセスすることができる。温度設定値は、スパイクアニール加熱プロファイルに関連する加熱プロファイルのピーク温度の約20%以内であってよい。
【0055】
(730)において、方法は、スパイクアニール加熱プロセス中に温度設定値に達した被加工物の温度に少なくとも部分的に基づいて、シャッタの動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させるようにシャッタを制御することを含むことができる。例えば、被加工物120の温度が温度設定値未満である場合、コントローラ190は、シャッタ200の動作状態を半透明状態に制御することができる。被加工物の温度が上昇して温度設定値に達すると、コントローラ190は、シャッタ200の動作状態を半透明状態から不透明状態へ変化させ、熱源150からの光のシャッタ200を通した透過を低減するように、シャッタ200を制御することができる。
【0056】
本発明の主題をその特定の例示的な実施形態に関して詳細に説明したが、当業者は、上述したことを理解したうえで、このような実施形態の代替形態、変形形態および等価形態を容易に成しうることが理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく例示であり、本開示は、当業者に容易に明らかであるように、本発明の主題に対するそのような修正、変形および/または追加を包含することを排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】