(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】大腿骨頭の関節形成システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/36 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
A61F2/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573757
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 US2020037238
(87)【国際公開番号】W WO2020252166
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521542731
【氏名又は名称】ガバメント オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ アズ リプレゼンティッド バイ ザ デパートメント オブ ヴェテランズ アフェアーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】クオ アルフレッド
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC13
4C097DD08
4C097DD10
4C097EE01
4C097EE13
4C097FF05
(57)【要約】
大腿骨頭の関節形成システムは、第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板を具備する大腿骨補綴物を具備できる。アダプタは、取付板の第2の側面から延伸可能である。インプラント体は、取付板の第1の側面から延伸可能である。インプラント体は、取付板からわずか90mmの距離で延伸可能である。大腿骨頭の関節形成システムは、略球面を有し、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備する、大腿骨頭置換器具をさらに具備できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨頭の関節形成システムであって、
大腿骨補綴物であって、
第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、
前記取付板の前記第1の側面から延びるインプラント体であって、前記インプラント体は、前記取付板から90mmを超えない距離で延びる、インプラント体と、を具備する、大腿骨補綴物と、
略球面を有する大腿骨頭置換器具と、を具備し、
前記大腿骨補綴物と前記大腿骨頭の1つは、アダプタを具備し、前記大腿骨補綴物と前記大腿骨頭の他の1つは、前記アダプタを受ける相補的な形状である凹部を構成する、大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項2】
前記大腿骨補綴物は、前記取付板の第2の側面から延びる前記アダプタを具備する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項3】
前記取付板と前記インプラント体は、前記凹部を構成するために協動し、前記アダプタは、前記大腿骨頭置換器具の前記略球状部分から遠位に延びる、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項4】
前記インプラント体は、少なくとも1つの半径方向に延びるスプラインを具備する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項5】
前記インプラント体は、複数の半径方向に延びるスプラインを具備する、請求項4に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項6】
前記インプラント体は、略半円筒面を構成する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項7】
取付金具をさらに具備し、前記取付板は、前記取付金具を受けるように構成された少なくとも1つの開口部を構成する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項8】
前記取付金具は、少なくとも1つのねじを具備する、請求項7に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのねじは、頭部及び本体を具備し、前記少なくとも1つのねじの前記頭部は、第1のねじ山を構成し、前記少なくとも1つのねじの前記本体は、第2のねじ山を構成し、前記取付板は、前記少なくとも1つのねじの前記頭部の前記第1のねじ山を相補的に受けるために構成されるねじ穴を構成する、請求項8に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項10】
前記大腿骨補綴物は、多孔質又は配向金属を具備する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項11】
前記多孔質又は配向金属は、コバルトクロム、チタン、及びタンタルから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属である、請求項10に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項12】
前記大腿骨補綴物は、被覆物を含む、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項13】
前記被覆物は、ヒドロキシアパタイト、酸化チタン、窒化チタン、酸化ジルコニウム、及び熱分解炭素から成る群より選ばれた被覆物である、請求項12に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項14】
前記被覆物は、骨の内部成長又は表面成長を促進するように構成される、請求項12に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項15】
前記インプラント体の少なくとも一部分の直径は、約10mm~約18mmの範囲である、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項16】
前記インプラント体は、可変外径を有する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項17】
前記アダプタは、モールステーパを有する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項18】
前記大腿骨頭置換器具は、前記大腿骨補綴物から角度的にオフセットされる、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項19】
前記インプラント体は、遠位端を有し、前記インプラント体の前記遠位端は、前記取付板に略平行に延びる表面を構成する、請求項1に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【請求項20】
方法であって、
作製部位を大腿骨内に形成するステップ、及び
前記インプラント体が、前記作製部位内に受けられるように、請求項1~19のいずれか1項に記載の大腿骨頭の関節形成システムを埋め込むステップ、を含み、
前記作製部位は、前記大腿骨の前記小転子の遠位に、30mmを超えない距離で延びる、方法。
【請求項21】
前記取付板は、前記大腿骨の主要な半径方向寸法以上である主要寸法を有し、前記取付板は、前記大腿骨の切断近位端で皮質骨に当接する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
キットであって、
大腿骨補綴物であって、
第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、
前記取付板の前記第2の側面から延びるアダプタと、
前記取付板の前記第1の側面から延びるインプラント体であって、前記インプラント体は、前記取付板から90mmを超えない距離で延びる、インプラント体と、を具備する、大腿骨補綴物と、
複数の大腿骨頭置換器具であって、各大腿骨頭置換器具は、略球面を有し、前記大腿骨補綴物の前記アダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備し、前記複数の大腿骨頭置換器具の各大腿骨頭置換器具は、前記複数の大腿骨頭置換器具の他のすべての大腿骨頭置換器具と大きさ又は材料が異なる、複数の大腿骨頭置換器具と、を具備する、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月12日出願の、米国仮特許出願第62/860,549号に対する優先権及びその利点を主張し、その記載内容を、完全な形で本明細書に引用することで組み込む。
【0002】
開示された発明は、股関節インプラント、より詳しくは、大腿骨頭置換器具を、対象の大腿骨に固定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の股関節インプラントは、約5~6インチの大腿骨に挿入される。このような従来の股関節インプラントを使用するには、所望でないかもしれないが、患者の骨をかなりの量切除する必要がある。このようなかなりの量の骨の切除を必要としない、股関節インプラントシステムへのニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、様々な態様において、大腿骨頭の関節形成システムを記載する。大腿骨頭の関節形成システムは、大腿骨補綴物を具備できる。大腿骨補綴物は、第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第2の側面から延びるアダプタと、取付板の第1の側面から延びるインプラント体と、を具備可能である。インプラント体は、90mmを超えない距離で、取付板から延伸可能である。大腿骨頭置換器具は、略球面を有し得、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備可能である。
【0005】
大腿骨頭の関節形成システムは、大腿骨補綴物を具備可能である。大腿骨補綴物は、第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第2の側面から延びるアダプタと、取付板の第1の側面から延びるインプラント体と、を具備可能で、インプラント体の遠位端は、取付板に略平行である平面を有する。大腿骨頭置換器具は、略球面を有し得、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備可能である。
【0006】
大腿骨頭の関節形成システムは、大腿骨補綴物を具備可能である。大腿骨補綴物は、第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板を具備可能である。インプラント体は、取付板の第1の側面から延伸可能である。インプラント体は、90mmを超えない距離で、取付板から延伸可能である。取付板とインプラント体は、凹部を構成するために協動可能である。大腿骨頭置換器具は、略球状部分と、略球状部分から遠位に延びるアダプタとを有する。アダプタは、大腿骨補綴物の凹部内に相補的に受けるように構成可能である。
【0007】
インプラント体は、少なくとも1つの半径方向に延びるスプラインを具備可能である。
【0008】
インプラント体は、複数の半径方向に延びるスプラインを具備可能である。
【0009】
インプラント体は、略円筒部分を具備可能である。
【0010】
インプラント体は、半円筒面を構成可能である。
【0011】
インプラント体は、取付金具を具備可能である。取付板は、取付金具を受けるように構成された少なくとも1つの開口部を構成可能である。
【0012】
取付金具は、少なくとも1つのねじを具備可能である。
【0013】
大腿骨補綴物は、多孔質又は配向金属を具備可能である。
【0014】
多孔質又は配向金属は、コバルトクロム、チタン、及びタンタルから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属であり得る。
【0015】
大腿骨補綴物は、被覆物を含み得る。
【0016】
被覆物は、ヒドロキシアパタイト、酸化チタン、窒化チタン、酸化ジルコニウム、及び熱分解炭素から成る群より選ばれたものであり得る。
【0017】
被覆物は、骨の内部成長又は表面成長を促進するように構成可能である。
【0018】
インプラント体の少なくとも一部分の直径は、約10mm~約18mmの範囲であり得る。
【0019】
インプラント体は、可変外径を有する場合がある。
【0020】
アダプタは、モールステーパを有し得る。
【0021】
大腿骨頭置換器具は、大腿骨補綴物から角度的にオフセットされ得る。
【0022】
方法は、作製部位を大腿骨内に形成すること、及びインプラント体が、作製部位内に受けられるように、大腿骨頭の関節形成システムを埋め込むことであって、作製部位は、大腿骨の小転子の遠位に30mmを超えない距離で延びる、埋め込むこと、を含み得る。
【0023】
取付板は、大腿骨の主要な半径方向寸法以上である主要寸法を有し得る。取付板は、大腿骨の切断近位端で皮質骨に当接可能である。
【0024】
キットは、第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第2の側面から延びるアダプタと、取付板の第1の側面から延びるインプラント体と、を具備し、インプラント体は、取付板から90mmを超えない距離で延びる、大腿骨補綴物を具備し得る。該キットは、複数の大腿骨頭置換器具であって、各大腿骨頭置換器具は、略球面を有し、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備し、複数の大腿骨頭置換の各大腿骨頭置換器具は、複数の大腿骨頭置換器具の他のすべての大腿骨頭置換器具と大きさ又は材料が異なる、複数の大腿骨頭置換器具をさらに具備できる。
【0025】
本発明の追加的な利点は、後続する説明で部分的に記載され、該説明から部分的に明らかであり、又は本発明の慣行により理解され得る。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲で特記された要素及び組み合わせにより、実現・達成される。上述の概要及び以下の詳細な説明の両方が、例示や説明のみを目的として、請求項記載の通り、本発明を限定するものではないことは理解されるものとする。
【0026】
本発明の好ましい実施形態のこれら及び他の特徴は、以下の添付図面に記載される詳細な説明で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本明細書開示の実施形態に係る、大腿骨頭の関節形成システムの大腿骨補綴物の側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の大腿骨補綴物であって、1つの典型的な実施形態用の寸法を備えた側面図である。
【
図4】
図4は、
図3の大腿骨補綴物であって、1つの典型的な実施形態用の寸法を備えた正面図である。
【
図6】
図6は、
図5の大腿骨補綴物であって、1つの典型的な実施形態用の寸法を備えた背面図である。
【
図7】
図7は、
図1の大腿骨補綴物に使用するための大腿骨頭の関節形成システムの大腿骨頭置換器具の側面図である。
【
図8】
図8は、大腿骨頭の関節形成システムの別の実施形態の側面図である。
【
図9】
図9は、大腿骨内に設置された大腿骨頭の関節形成システムの部分切欠図である。
【
図10】
図10は、本明細書開示の実施形態に係る、典型的な大腿骨補綴物の後部斜視図である。
【
図15】
図15は、本明細書開示の実施形態に係る、典型的な大腿骨補綴物の斜視図である。
【
図17】
図17は、大腿骨補綴物に使用するための固定ねじの側面図である。
【0028】
図面に表記される任意の寸法又は他の測定値が、例示的にすぎず、他の寸法及び測定値も想定されることは理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、本発明のすべてではないが、いくつかの実施形態を示す、添付図面に準拠して、以下により十分に記載される。実際、本発明は、多くの異なる形式で例示され得、本明細書記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満たすように、提供される。参照番号が同一であれば、一貫して同一の要素を指す。本発明が、変更され得るものとして、記載される特定の方法やプロトコルに限定されないことは理解されるものとする。さらに、本明細書で使用する専門用語が、特定の実施形態のみの記載目的であり、本発明の範囲を限定する意図を有しないことも理解されるものとする。
【0030】
本明細書記載の本発明の多くの変形例及び他の実施形態は、上述の説明及び関連図面に提示された記載事項の利益を有する、本発明が関連する当業者が着想するであろう。したがって、本発明が、開示される特定の実施形態に限定されず、変形例及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることは理解されるものとする。特定の用語は、本明細書で使用されるものの、包括的・記述的な意味のみとして、かつ限定目的で使用するものではない。
【0031】
本明細書で使用する単数形の冠詞「a」、「an」、及び「the」は、文脈からそれ以外であると明らかな指定がなければ、複数の指示物を含む。例えば、用語「(1つの)ねじ」を使用すれば、このようなねじの1つ以上等を指し得る。
【0032】
本明細書で使用するすべての技術・科学用語は、それ以外であると明らかな指定がなければ、本発明が属する当業者に一般的に理解される場合と同一の意味を有する。
【0033】
本明細書で使用する用語「オプションの」又は「オプションとして」は、次に記載される事象又は状況が、発生し得る又はし得ない、また、説明が、該事象又は状況の発生の有無両方の事例を含むことを意味する。
【0034】
本明細書で使用する通り、用語「~の少なくとも1つ」は、「~の1つ以上」と同義であると意図される。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、及び各々の組み合わせを明白に含む。
【0035】
本明細書で使用する語句「又は」は、特定のリストの任意の1つの部分を意味し、さらに、該リストの複数の部分の任意の組み合わせを含む。
【0036】
範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値まで、として、本明細書に表示され得る。このような範囲が表示される場合、別の態様は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行語「約」を使用して、数値が近似値として表示される場合、特定の値が別の態様を形成することは理解されるであろう。該範囲の各々の端点が、他の端点に対する、かつ他の端点に依存しない両方において、意味があることはさらに理解されるであろう。オプションとして、いくつかの態様において、数値が、先行語「約」を使うことで近似される場合、特記される数値の最大15%、最大10%、最大5%、又は最大1%(上下いずれかの)以内の数値が、これらの態様の範囲内に含まれ得ることは想定される。同様に、いくつかの態様において、数値又は特性が先行語「ほぼ」、「略」を使うことで近似される場合、特記される数値又は特性の最大15%、最大10%、最大5%、又は最大1%(上下いずれかの)以内の数値が、これらの態様の範囲内に含まれ得ることは想定される。
【0037】
本明細書で使用する用語「患者」は、インプラントを本明細書でさらに開示されるように受けるヒト又は動物を指し得る。典型的な態様において、患者は、インプラントを本明細書で開示されるように受ける必要があると判断されたヒトであり得る。
【0038】
それ以外と明示的に記載されなければ、本明細書記載の任意の方法が、そのステップを特定の順序で実行せざるを得ないと、意図的に解釈することは全くないと理解されるであろう。したがって、方法クレームが、そのステップが後続する順序を実際に列挙しない、又は該ステップが特定の順序に限定される請求項又は説明にそれ以外と特記されない場合、順序をいかなる点において推察することは全く意図するものではない。これは、ステップ又は作用フローの配列に関する論理の問題、文法構成又は句読法に由来する明白な意味及び本明細書記載の態様の数又は種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示ベースに適用される。
【0039】
以下の説明は、特定の詳細を与えることで、十分に理解させる。しかし、機器、システム、及び該機器を使用する関連方法が、これらの特定な詳細を利用することなく、実行・使用可能であることを、当業者は理解するであろう。実際に、機器、システム、及び関連方法は、例示された機器、システム、関連方法を変更することで実行可能で、業界で従来より使用される他の任意の機器及び手法とともに、使用可能である。
【0040】
本明細書では、様々な態様において、
図1に準拠して、大腿骨頭の関節形成システムの大腿骨補綴物100が開示される。大腿骨補綴物100は、第1の側面112及び対向する第2の側面114を有する取付板110を具備可能である。取付板110は、平らな又は略平らな側面と、第1の側面の表面に垂直な(第1の軸302に沿って測定される)第1の寸法で、約3~約7mm(例:約5mm)の厚さ502を有し得る。取付板110は、(第2の軸304に沿って測定される)第2の寸法で、約25~約40mm(例:約34mm)延伸可能で、長さ504は、(第3の軸306に沿って測定される)第3の寸法で、約16~約25mm(例:約22mm)延伸可能である。大腿骨補綴物の取付板110は、取付板が、大腿骨内に埋め込まれる場合、大腿骨の半径方向外壁に当接するように、患者の大腿骨の主要な半径方向寸法よりも大きい主要寸法を有し得る。1対の上部隅は、(オプションとして、約2mmの)半径r1を構成可能で、取付板110の底部は、(オプションとして、11mm又は第3の軸306に沿って測定される取付板の幅の約半分の半径を有する)連続する弓形側面を構成可能である。
【0041】
取付板110は、大腿骨補綴物を患者に取り付けるための取付金具を受けることができる、1つ以上の貫通孔120(例:図示の通り1対で)を構成可能である。孔122は、それぞれの直径d5(オプションとして、約4mm~約10mmの範囲、又はより好ましくは、約7mmの直径)を有し得る。いくつかの態様において、孔122は、取付板のそれぞれの側端から、距離526(例:1~4mmの少なくとも1mm、又はより好ましくは、約2mm)分の間隔をあけて配置可能である。1対の貫通孔120は、オプションとして、その中に取付ねじの雄ねじを受けるための雌ねじ122を構成可能である(
図15及び
図16も参照)。いくつかのオプションの態様において、大腿骨補綴物が、第1及び第3の寸法(軸302、306を含む)で延伸し、大腿骨補綴物100と交差する平面に関して対称であるように、1対の貫通孔120を、第3の軸306に沿って心出し可能である。本明細書記載の実施形態がねじによる取付用の特徴を含むものの、さらなる実施形態においては、針金、縫合線、又はケーブル等の他の取付手段が使用可能である。
【0042】
インプラント体130は、取付板110の第1の側面112から延伸可能である。インプラント体130は、1対の貫通孔120の下部に(すなわち、それから(第2の軸304に沿って)第2の寸法でオフセットされる)配置可能である。インプラント体130は、取付板の第1の側面112の面に垂直に延びる、第1の円筒又は略円筒状突起部132を具備可能である。第1の略円筒状突起部132は、第1の軸134に沿って取付板の第1の側面112から、90未満で20mmを超える、またオプションとして、75未満で30mmを超える、又は35~60mmの間で(例:約40mm又は約45mm)延伸可能である。第1の略円筒状突起部132は、オプションとして、約10~約18mmの間(例:約14mm)の直径d1を有し得る。第1の略円筒状突起部132の遠位端(すなわち、取付板110から最遠端)は、約3mm~約8mmの範囲、又はより好ましくは、約5mmである第1の寸法302で長さ512を延伸する弓形端部136を有し得る。第1の略円筒状突起部132の遠位端は、オプションとして、取付板に略平行である平面138を有する。第1の略円筒状突起部132は、取付板110に底部から、例えば、約2mmの間隔をあけて配置可能である。第1の略円筒状突起部132の第1の軸134は、オプションとして、取付板の底部から、距離530(例:オプションとして、約7mm~約12mm、又は約9mm)分の間隔をあけて配置可能である。いくつかのオプションの態様において、第1の略円筒状突起部132は、取付板の下端部から、距離506(例:オプションとして、約1mm~約4mm、又は約2mm)分の間隔をあけて配置可能である。
【0043】
インプラント体130は、第1の軸134に平行である第2の軸152に沿って延びる第2の円筒又は略円筒状突起部150をさらに具備し得る。第2の軸152は、オプションとして、第1の軸134の垂直方向真上であり得る。第2の略円筒部分150は、取付板110の第1の側面112から約10~約40mm(例:約10mm~約20mm、又は約15mm)の長さ508で延伸可能である。したがって、第2の略円筒部分150は、取付板に対向する第1の略円筒部分130の端部から、長さ516(例:約25mm~約35mm、又は約30mm)である取付板110に対向する端部を有し得る。第1及び第2の軸134、152は、第2の略円筒状突起部150が第1の略円筒状突起部132に重なるように、第1及び第2の略円筒部分のそれぞれの半径の合計未満の間隔をあけて配置可能である。したがって、第1の軸134に垂直な断面において、重なり合う第1及び第2の略円筒状突起部132、150は、八の字形状を有し得る。第2の軸152は、オプションとして、第1の略円筒状突起部132の上端部に沿って延伸可能である。第2の軸152は、取付板の上部から、距離532(例:オプションとして、約15mm~約20mm、又は約18mm)分の間隔をあけて配置可能で、取付板の底部から、距離534(例:オプションとして、約13mm~約18mm、又は約16mm)分の間隔をあけて配置可能である。すなわち、第2の軸152は、第1の軸から、第1の略円筒状突起部132の半径分間隔をあけて配置可能である。第2の略円筒状突起部150は、約5~約9mm(例:約7mm)の半径r3を有し得る。第1及び第2の略円筒状突起部132、150は、インプラント体130が回転するのを防ぐように、矩形断面を提供するために協動可能である。さらに、第1及び第2の略円筒状突起部の組み合わされた断面形状(例:八の字形状)は、外科医が容易に作製する骨作製部位と協動可能である。さらなる実施形態において、インプラント体130は、略円筒側面、楕円側面、多角形側面(例:正方形又は長方形側面)、又は矩形側面を含む、インプラント体の長手方向寸法に垂直な平面において、他の様々な断面側面を有し得る。
【0044】
インプラント体130は、オプションとして、取付板から、90mmを超えない、又は75mmを超えない、又は60mmを超えない、又は50mmを超えない、又は45mmを超えない距離分、延伸可能である。本明細書でさらに開示される通り、インプラント体130の最小長さが、インプラント体を収容するために切除せざるを得ない対象の生来の骨の量を低減可能であることは想定される。
【0045】
アダプタ160は、取付板110第2の側面114から延伸可能で、また、それに垂直又は略垂直に配向可能である。アダプタ160は、オプションとして、第2の軸152と同一線上にある中心軸161を有し得る。したがって、アダプタ160は、第1の略円筒状突起部132の軸134から軸方向上方に(すなわち、その上方に)オフセットされ得る。このように、何人かの患者にとって、アダプタ160に取り付けられた大腿骨頭は、患者の正常な解剖的構造を最も正確に再現可能である。さらなる実施形態において、アダプタは、軸152からオフセットされた軸を有し得る。アダプタ160は、オプションとして、このようないくつかの実施形態において、軸134と軸方向にアラインされ得る。アダプタ160は、首部分164を介して、取付板110に設置する切頭円錐部分162を具備可能である。首部分は、約3mm~約7mm、又は約5mmの長さ514を有し得る。切頭円錐部分162は、(取付板110から遠ざかる)近位端166から遠位端168まで、テーパ加工可能である。切頭円錐部分162は、オプションとして、モールステーパを有し得る。近位端166は、オプションとして、約12~約16mm(例:約14mm)の直径d2を有し得、遠位端168は、オプションとして、約10mm~約14mm(例:約12mm)の直径d3を有し得る。切頭円錐部分162は、近位端166から遠位端168まで、約10~約18mm(例:約14mm)の長さ510を軸方向に延伸可能である。いくつかの態様において、アダプタの中心軸は、取付板の上部から、長さ520(オプションとして、約15mm~約20mm、又は約18mm)分の間隔をあけて配置可能であり、取付板の底部から、長さ522(オプションとして、約13mm~約18mm、又は16mm)分の間隔をあけて配置可能である。アダプタの最半径方向表面は、(オプションとして、約3mm~約6mm、又は約4mmの)距離524分、第3の寸法306の取付板のそれぞれ対向する側端から間隔をあけて配置可能である。オプションとして、切頭円錐部分の円周表面の少なくとも一部分は、配向性を具備可能である。該配向性は、アダプタ160と大腿骨頭置換器具との間の摩擦接触を改善可能である。いくつかのオプションの態様において、0.5mmのピッチを有するらせん形溝は、該配向性を構成可能である。
【0046】
アダプタ160の首部分164は、弓形側面内の軸に沿って変化する断面を有し得る。首部分164は、その軸に沿った中間点で、最小直径d4を有し得、いくつかの実施形態において、約12mmであり得る。首部分164の対向する端部は各々、約14mmの直径d2を有し得る。したがって、最小直径は、首部分154の最大直径未満の約2mmであり得る。首部分の狭窄直径は、大腿骨補綴物を埋め込み・取外す間に、大腿骨補綴物を把持するための位置を提供可能である。
【0047】
アダプタ160は、インプラント体130に平行に延びるよう図示されているものの、さらなる実施形態において、インプラント体130に対して様々な角度で延伸可能で、大腿骨の長手方向寸法に対して大腿骨頭の内反/外反角度を変更する。
【0048】
図7を参照すると、アダプタ160は、大腿骨頭置換器具200を受けることができる。大腿骨頭置換器具200は、患者の骨盤の寛骨臼又は人工寛骨臼と協動する形状を有し得る。いくつかの実施形態において、大腿骨頭置換器具200は、天然大腿骨頭の形状を有し得る。大腿骨頭置換器具200は、略球状側面を有し得る。大腿骨頭置換器具200は、凹部210を構成可能である。凹部210は、大腿骨補綴物100(
図1)のアダプタ160(
図1)に相補的な形状を有し得る。例えば、凹部210は、切頭円錐側面を有し得る。補綴物200は、オプションとして、当業者に公知の従来の構成要素であり得る。
【0049】
大腿骨補綴物100は、大腿骨頭置換器具200に結合可能で、大腿骨頭の関節形成システム250を生成する。いくつかの実施形態において、大腿骨補綴物100と大腿骨頭置換器具200は、常に結合可能な一方、さらなる実施形態において、その1組は、非永久手段を介して結合可能である。アダプタ160と大腿骨頭置換器具200は、それぞれの構成要素が互いに摩擦接触するように、締まりばめ(例:モールステーパによる)を有し得る。上述の通り、アダプタ160と大腿骨頭置換器具200の少なくとも1つは、オプションとして、それぞれの構成要素間の接触を改善するために、配向性(すなわち、表面配向性)を有し得る。
【0050】
図8を参照すると、さらなる実施形態において、大腿骨頭置換器具200’は、略球状部分202’と、略球状部分202’から遠位に延びるアダプタ160’と、を具備可能である。大腿骨補綴物100’は、凹部210’を具備可能で、それ以外では、大腿骨補綴物100(
図1)と同一の形状と寸法を有し得る。アダプタ160’と凹部210’は、切頭円錐突起部として示されているものの、アダプタ160(
図1)と凹部210(
図7)にそれぞれ類似の側面、又は当業者に公知の他の任意のアダプタ側面を有し得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、大腿骨補綴物は、少なくとも1つの半径方向に延びるスプライン180又は、図示の通り、複数の半径方向に延びるスプライン180を具備可能である。半径方向に延びるスプライン180は、大腿骨補綴物が、その延伸軸周りに回転するのを防止するのに加えて、骨がそれに対して成長可能な表面を提供可能である。
【0052】
大腿骨補綴物100及び/又は大腿骨頭置換器具200は、例えば、多孔質、被膜チタン、セラミックス、タンタル、コバルトクロム合金、又は他の様々な多孔質金属等の当業者に公知の様々な材料を具備可能である。該材料は、骨の内部成長又は表面成長を可能にするため、多孔質又は配向化され得る。該材料は、破砕が生じることなく、患者の体重に耐える程度に十分な強度があり得る。
【0053】
大腿骨補綴物100及び/又は大腿骨頭置換器具200は、被覆物を含み得る。該被覆物は、以下のヒドロキシアパタイト、酸化チタン、窒化チタン、酸化ジルコニウム、及び熱分解炭素の1つ以上を具備可能である。さらなる実施形態において、被覆物は、金、セラミックス、高分子(例:超高分子量ポリエチレン)、ダイヤモンド様炭素(DLC)被覆物、酸化ジルコニウム、窒化チタン又は当業者に公知の他の様々な被覆物を含み得る。被覆物は、オプションとして、低摩擦であり得、オプションとして、疎水性があり得る。
【0054】
図10~14を参照すると、いくつかの態様において、補綴物100のインプラント体130は、(第2の軸304に沿って)第2の寸法で延伸側面を有し得る。すなわち、第2の軸304に垂直な断面において、インプラント体130は、第2の軸304に沿って測定された主要寸法と第3の軸306に沿って測定された副寸法を有し得る。例えば、インプラント体130は、第2の軸304に沿って間隔をあけて配置され、平面192を介して接続される2つの半円筒面190を構成可能である。この又は別の非軸対称側面は、大腿骨に対するインプラント体の回転を抑制可能である。いくつかの態様において、インプラント体は、第2の軸304に沿って測定された18~25mm(例:約21mm)の主要寸法と第3の軸306に沿って測定された12~18mm(例:約14mm)の副寸法を有し得る。
【0055】
いくつかのオプションの態様において、インプラント体の中心線194(すなわち、第1の寸法に垂直な平面内の断面の重心を通過して延びる線(第1の軸302))は、アダプタ160の中心軸161と同一線上であり得る。さらなるオプションの態様において、
図15及び16に示す通り、中心線194は、アダプタ160の中心軸161からオフセット(オプションとして、(第2の軸304に対する)第2の寸法で中心軸161からオフセット)され得る。
【0056】
いくつかのオプションの態様において、インプラント体130の遠位端は、オプションとして、取付板に平行又は略平行である平面138を有し得る。さらなる態様において、インプラント体の遠位端が、円形の矩形表面139又は取付板に平行に延びる他の非平面を構成可能であることは想定される。例えば、インプラント体130は、第2の寸法304に沿って互いに対して間隔をあけて配置される(また、第1及び第2の軸を含む平面において測定される)第1及び第2の半径141(オプションとして、球面)を構成可能である。
【0057】
いくつかの態様において、インプラント体の中心線194は、インプラント体の全長に沿って、取付板110に垂直に延伸可能である。例えば、インプラント体と交差し、第1の軸302に垂直である任意の平面内で、該平面内のインプラント体の部分の(オプションとして、質量の中心に対応し得る)中心点は、中心線194により交差される。さらなる態様において、機器が、第2の寸法304に垂直で、インプラント体と交差する(したがって、中心線194を含む)平面に関して対称であり得ることは想定される。オプションとして、またさらなる態様において、インプラント体が、(a)第2の寸法304に垂直で、インプラント体と交差する第1の平面と(b)第3の寸法306に垂直で、インプラント体と交差する第2の平面の両方に関して対称であり得ることは想定される。上述の構成が、角度付き又は非対称のインプラント体(例えば、インプラント体を、生来の骨内にさらに深く前位縫合させるために必要な場合)を提供するニーズを回避することで、インプラント体を収容するために患者から切除される骨の量を最小限にする一方、バランスを有利に与え、力伝達特性を提供可能であることは想定される。
【0058】
図10~14を参照すると、いくつかの態様において、首部分164が、補綴物の強度を増加するために、(
図1に示す狭窄直径ではなく)一定の直径を有し得ることはさらに想定される。
【0059】
図17~22を参照すると、固定ねじ240は、第1のねじ山(又は複数のねじ山)242を構成する頭部241と第2のねじ山(又は複数のねじ山)244を構成する本体243を有し得る。オプションとして、ねじの頭部は、テーパを構成可能である。したがって、孔120(
図16)は、対応するテーパを構成可能である。固定ねじは、ねじの挿入中に骨をタッピングするための1つ以上の(例:オプションとして、3つの円周方向に等間隔で配置された)セルフタッピング機構246を具備可能である。固定ねじは、ねじの取外し中に骨をタッピングするための1つ以上の(例:オプションとして、3つの円周方向に等間隔で配置された)セルフタッピング機構247を具備可能である。図に記載の寸法(mm単位)が、オプションの態様であることは、理解されるべきである。
【0060】
補綴物が、骨の内部成長及び/又は表面成長及び/又はセメント固定と追加的に又はそれに代わるものとして、大腿骨に固定可能であることはさらに想定される。
【0061】
キットは、大腿骨補綴物100と複数の大腿骨頭置換器具200を具備可能である。大腿骨頭置換器具200の各々は、他の置換器具と大きさ又は材料の少なくとも1つが異なり得る。
【0062】
図9を参照すると、医療従事者(例:整形外科医)は、作製部位を大腿骨400内に形成可能である。例えば、医療従事者は、患者の天然大腿骨頭の部分を切除可能である。外科医は、オプションとして、大腿骨頭を切除するための最適な位置及び角度を特定する、患者固有の切断ガイドを使用可能である。1つの実施形態によれば、切断ガイドは、切断のこぎりをガイドするためのスロットを構成するフレームを具備可能である。切断ガイドは、ピン又はねじを使用して、大腿骨に一時的に固定可能で、次に、切断後に大腿骨から取外し可能である。外科医は、第1及び第2の円筒部分132、150を受けるために、1対の重複孔を穿孔/リーマーで孔を広げることができる。さらなる態様において、重複孔は、(例:
図10~14に示す実施形態に対して)インプラント体130を受けるための開口部を提供するように、さらに孔をあけることができる。作製部位は、股関節置換用の従来の大腿骨頭の作製部位よりも、大腿骨の首部に沿って(生来の大腿骨頭に向けて)さらに近位に位置決め可能である。作製部位は、オプションとして、大腿骨400の小転子402の遠位に(すなわち、患者の足方向の大腿骨骨幹軸の縦軸に沿って小転子を過ぎて)わずか30mm延伸可能である。医療従事者は、その後、インプラント体が、作製部位内に受けられるように、大腿骨補綴物を埋め込み可能である。大腿骨補綴物は、取付板が、大腿骨の上端に当接するように、挿入可能である。医療従事者は、ねじ又は他の固定具を受けるために、患者の骨内に穿孔可能である。ねじ240又は他の固定具は、大腿骨補綴物を所定位置に固定するために使用可能である。外科医は、オプションとして、ねじ240を受けるために、大腿骨内に穿孔可能である。大腿骨頭置換器具は、その後、大腿骨補綴物に取り付け可能である。
【0063】
従来のインプラントと比較すると、本明細書開示の実施形態は、切除を要する骨量が少ない股関節インプラントを可能にする。すなわち、切除可能な骨の部分を削減できるため、大腿骨補綴物が延伸可能な大腿骨頚部の部分が残る。開示された実施形態は、手術中の出血を抑制可能で、前方アプローチ手術の場合は特に、手術用に可能な挿入が容易になる。開示された実施形態は、従来のインプラントよりも少ない切開部分に関連し得、必要に応じて、再手術を容易に行うことができる。
【0064】
典型的な態様
記載の生産物、システム、及び方法やそれらの変形例を鑑みて、以下本明細書には、本発明のある種のより具体的に記載された態様が記載される。しかしながら、これらの具体的に列挙された態様は、本明細書記載の異なる又はより一般的な事項を含む任意の異なる請求項に任意の限定的な影響を及ぼすと解釈されるべきではなく、又「特定の」態様は、本明細書で文字通りに使用する語句の固有の意味以外で、何らかの方法で限定される。
【0065】
態様1:第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第2の側面から延びるアダプタと、取付板の第1の側面から延びるインプラント体と、を具備し、インプラント体は、取付板から90mmを超えない距離で延びる、大腿骨補綴物と、略球面を有し、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備する、大腿骨頭置換器具と、を具備する、大腿骨頭の関節形成システム。
【0066】
態様2:第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第2の側面から延びるアダプタと、取付板の第1の側面から延びるインプラント体であって、インプラント体は、遠位端を有し、インプラント体の遠位端は、取付板に略平行に延びる表面を構成する、インプラント体と、を具備する、大腿骨補綴物と、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備する大腿骨頭置換器具と、を具備する、大腿骨頭の関節形成システム。
【0067】
態様3:第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第1の側面から延びるインプラント体と、を具備し、インプラント体は、取付板から90mmを超えない距離で延伸し、取付板及びインプラント体が、凹部を構成するために協動する、大腿骨補綴物と、略球状部分と該略球状部分から遠位に延びるアダプタを有し、アダプタが大腿骨補綴物の凹部内に相補的に受けるように構成される、大腿骨頭置換器具と、を具備する、大腿骨頭の関節形成システム。
【0068】
態様4:インプラント体は、少なくとも1つの半径方向に延びるスプラインを具備する、態様1~3に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0069】
態様5:インプラント体は、複数の半径方向に延びるスプラインを具備する、態様4に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0070】
態様6:インプラント体は、略半円筒面を構成する、態様1~3のいずれかに記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0071】
態様7:取付金具をさらに具備し、取付板は、取付金具を受けるように構成された少なくとも1つの開口部を構成する、態様1~3のいずれかに記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0072】
態様8:取付金具は、少なくとも1つのねじを具備する、態様7に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0073】
態様9:大腿骨補綴物は、多孔質又は配向金属を具備する、態様1~3のいずれかに記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0074】
態様10:多孔質又は配向金属は、コバルトクロム、チタン、及びタンタルから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属である、態様9に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0075】
態様11:大腿骨補綴物は、被覆物を含む、態様1~3のいずれかに記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0076】
態様12:被覆物は、ヒドロキシアパタイト、酸化チタン、窒化チタン、酸化ジルコニウム、及び熱分解炭素から成る群より選ばれたものである、態様11に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0077】
態様13:被覆物は、骨の内部成長又は表面成長を促進するように構成される、態様11に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0078】
態様14:インプラント体の少なくとも一部分の直径は、約10mm~約18mmの範囲である、態様1~3のいずれかに記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0079】
態様15:インプラント体は、可変外径を有する、態様1~3のいずれかに記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0080】
態様16:アダプタは、モールステーパを有する、態様1又は2に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0081】
態様17:大腿骨頭置換器具は、大腿骨補綴物から角度的にオフセットされる、態様1又は2に記載の大腿骨頭の関節形成システム。
【0082】
態様18:作製部位を大腿骨内に形成すること、及びインプラント体が、作製部位内に受けられるように、態様1~17のいずれか1つに記載の大腿骨頭の関節形成システムを埋め込むことであって、作製部位は、大腿骨の小転子の遠位に30mmを超えない距離で延びる、埋め込むこと、を含み得る、方法。
【0083】
態様19:取付板は、大腿骨の主要な半径方向寸法以上である主要寸法を有し、取付板は、大腿骨の切断近位端で皮質骨に当接する、態様18に記載の方法。
【0084】
態様20:第1の側面及び対向する第2の側面を有する取付板と、取付板の第2の側面から延びるアダプタと、取付板の第1の側面から延びるインプラント体と、を具備し、インプラント体は、取付板から90mmを超えない距離で延びる、大腿骨補綴物と、複数の大腿骨頭置換器具であって、各大腿骨頭置換器具は、略球面を有し、大腿骨補綴物のアダプタを相補的に受ける形状である凹部を具備し、複数の大腿骨頭置換器具の各大腿骨頭置換器具は、複数の大腿骨頭置換器具の他のすべての大腿骨頭置換器具と大きさ又は材料が異なる、複数の大腿骨頭置換器具と、を具備する、キット。
【0085】
上述の発明が、理解を明瞭にする目的で、例示及び例証によりある程度詳細に記載されたものの、特定の変更や修正は、添付の特許請求の範囲内で実行され得る。
【国際調査報告】