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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】パルスタンパク質乳化剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 23/30 20220101AFI20220810BHJP
   A23L 29/10 20160101ALI20220810BHJP
   A23D 7/005 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
C09K23/30
A23L29/10
A23D7/005
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574166
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 US2020035039
(87)【国際公開番号】W WO2020256908
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/863,147
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】グエン、クエン
(72)【発明者】
【氏名】ロア、ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ピーチョン
【テーマコード(参考)】
4B026
4B035
【Fターム(参考)】
4B026DG05
4B026DK10
4B026DL04
4B026DL05
4B026DX04
4B035LC16
4B035LE03
4B035LG12
4B035LG15
4B035LG21
4B035LG33
4B035LG54
4B035LK13
(57)【要約】
【解決手段】 本明細書は、パルスタンパク質を含み、約5°~約60°ブリックスを有する植物系乳化剤を開示する。植物系乳化剤及びデンプンを含む乳化剤組成物も開示される。植物系乳化剤を含む食用組成物も開示される。また、植物系乳化剤と、油分が多い油と水のエマルジョンとを有する食用組成物も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物系乳化剤であって、水及びパルスタンパク質を含み、前記パルスタンパク質が、任意選択的にエンドウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、又はそれらの混合物であり、前記乳化剤が、少なくとも5°、又は少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有する、植物系乳化剤。
【請求項2】
約5%~約20%(w/w)、又は約10%~約20%、又は約13%~約20%、又は約13%~約17%(w/w)の総固形分を有し、任意選択的に、約1重量%~約10重量%、又は約3重量%~約7重量%、又は約4重量%~約6重量%の総可溶性固形分を有する、請求項1に記載の植物系乳化剤。
【請求項3】
約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°ブリックスを有する、請求項1又は2に記載の植物系乳化剤。
【請求項4】
サポニンを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【請求項5】
粉砕又は未粉砕パルスを水に浸漬して液相及び固相を形成することと、前記固相から前記液相を分離することと、前記液相を保持することと、任意選択的に、液相から液体を除去して、少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有する溶液を得ることと、を含むプロセスから得られる、請求項1~4のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【請求項6】
0.05%未満、又は約0.01%未満、又は本質的に0%のデンプンを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【請求項7】
乳化剤組成物であって、請求項1~6のいずれか一項に記載の植物系乳化剤と、任意選択的に抑制若しくは熱抑制デンプンであり、任意選択的にトウモロコシデンプン、タピオカデンプン、エンドウデンプン、低アミローストウモロコシデンプン又は低アミロースタピオカデンプン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、変性又は未変性のデンプンと、を含む、乳化剤組成物。
【請求項8】
約0.05重量%~約60重量%、又は約0.5重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約2.5重量%、又は約0.5重量%~約2.0重量%、又は約0.5重量%~約1.5重量%、又は約0.5重量%~約1.25重量%、又は約0.5重量%~約1重量%、又は約0.75重量%~約1.2重量%のデンプン分を有する、請求項7に記載の乳化剤組成物。
【請求項9】
前記デンプンが、前記植物系乳化剤における前記タンパク質と異なる植物源からのものである、請求項7又は8に記載の乳化剤組成物。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか一項に記載の植物系乳化剤又は請求項7~9のいずれか一項に記載の乳化剤組成物と、第2の食用成分と、任意選択的に、約0.5%~約5%、又は約0.5%~約2.5%、又は約0.5%~約2%、又は約0.5%~約1.5%、又は約0.5%~約1.25%、又は約0.5%~約1%、又は約0.75%~約1.2からなる群から選択される量のデンプン分と、を含む食用組成物。
【請求項11】
油と水のエマルジョンを更に含み、任意選択的に、使用される前記油が、前記組成物の(a)約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約71重量%~約80重量%、又は約73重量%~80重量%、又は約75重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%、又は73重量%~約75重量%、及び
(b)約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%、又は約27重量%~約33重量%、からなる群から選択される量である、請求項10に記載の食用組成物。
【請求項12】
前記植物系乳化剤が、前記組成物の約1重量%~約20重量%、又は1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約3重量%~約5重量%、又は約15重量%~約20重量%の量で使用される、請求項10又は11に記載の食用組成物。
【請求項13】
5未満又は約3~約5のpHを有する、請求項10~12のいずれか一項に記載の食用組成物。
【請求項14】
4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月の保存後に、約1,000~約50,000cP、又は約15,000~約30,000cP、又は約15,000~約25,000の粘度を有する、請求項10~13のいずれか一項に記載の食用組成物。
【請求項15】
(a)約5%~約10%、又は約8%~約10%、又は約8%~約12%、又は約8%~約15%の液滴が、約20~約22マイクロメートルである液滴サイズ分布、又は
(b)約15~約25マイクロメートル、又は約17~約22マイクロメートル、又は約20~約22マイクロメートルの平均液滴サイズ、
のうちの1つ以上からなる群によって説明される液滴を有し、
及び任意選択的に、前記液滴サイズの説明が、4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月のうちの1つ以上の保存後に得られる、請求項10~13のいずれか一項に記載の食用組成物。
【請求項16】
植物系乳化剤を作製する方法であって、(a)パルス材料を水に浸漬して固相及び液相を得ることと、(b)前記固相を前記液相から分離することと、(c)前記液相を保持することと、を含み、任意選択的に、前記液相が約5°、又は約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°ブリックスを有する、方法。
【請求項17】
前記ブリックスを維持しながら、保持された前記液相を加熱することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記液相が、パルスタンパク質単離物を回収するプロセスの一部として得られる、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
保持された前記液相を濃縮して、少なくとも5°、又は少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有する液体を得ることを更に含む、請求項16又は18に記載の方法。
【請求項20】
前述の請求項のいずれか一項に記載の食用組成物を作製する方法であって、前記食用組成物が油と水のエマルジョンと、植物系乳化剤と、を含み、前記方法が、前述の請求項のいずれか一項に記載の前記植物系乳化剤の少なくとも一部を濃縮植物系乳化剤と置き換えることを含み、前記濃縮植物系乳化剤が前記植物系乳化剤に対してブリックスを上昇させている、方法。
【請求項21】
前記濃縮植物系乳化剤が、前記植物系乳化剤の約1%~約100%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約33%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約67%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は約100%の量で前記植物系乳化剤と置き換わっている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記濃縮植物系乳化剤が、前記希釈植物系乳化剤のブリックスにほぼ等しい、又は前記希釈植物系乳化剤のブリックスよりも約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%低いブリックスを有するように、前記濃縮植物系乳化剤が、前記植物系乳化剤と置き換わっている、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記濃縮植物系乳化剤を含む前記食用組成物の水分が、前記希釈植物系乳化剤を含む前記食用組成物の水分とほぼ等しくなるように、前記濃縮植物系乳化剤が、前記希釈植物系乳化剤と置き換わっている、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記濃縮植物系乳化剤を含む前記食用組成物の油分が、前記希釈植物系乳化剤を含む前記食用組成物の油分とほぼ等しくなるように、前記濃縮植物系乳化剤が、前記希釈植物系乳化剤と置き換わっている、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記濃縮植物系エマルジョンを含む前記組成物が、前記植物系エマルジョンを含む食用組成物とは異なり、前記差異が、(a)前記濃縮植物系エマルジョンを含む前記組成物が、増大した粘度を有する、(b)前記濃縮植物系エマルジョンを含む前記組成物が、平均粒径を減少させる、(c)それらの混合、からなる群から選択される、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月18日出願の米国特許仮出願第62/863147号の優先権を主張するものであり、出願の全体を本明細書に組み込む。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、乳化組成物、より具体的には、植物タンパク質を使用する乳化組成物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エマルジョンは、ある液体の液滴を別の液体中に微細に分散させたものである。2つの液体は、可溶性でも混和性でもない。一般的なエマルジョンは、水中油型エマルジョン及び油中水型エマルジョンである。多くの食用組成物、例えば、ソース又はマヨネーズは、エマルジョンである。水中油型エマルジョンでは、親水性及び親油性領域を有する乳化剤を使用して、2つの液体間の界面が安定化される。食用組成物の一般的な乳化剤には、モノグリセリド、ジグリセリド、卵タンパク質、及びオクテニル-コハク酸変性デンプン(OSA-デンプン)などの変性デンプンが含まれる。そのような乳化剤は、用途によっては、表示が明確でない、又は動物源であることが好ましくない場合がある。
【0004】
本出願に記載される技術は、便宜上、植物系乳化剤と呼ばれる植物タンパク質系乳化剤に関する。任意の実施形態では、植物系乳化剤に有用な植物タンパク質は、パルスから得られる。本明細書では、「パルス」という用語は、マメ科植物の種子を指す。様々な実施形態では、開示される植物系乳化剤は、水溶液、混合物、又は分散液である。様々な実施形態では、開示される植物系乳化剤は、高又は低固形分を有する。様々な実施形態では、開示された植物系乳化剤は、熱抑制デンプンなどの安定剤と混合することができる。本出願に記載の植物系乳化剤は、油と水のエマルジョンなどのエマルジョンを含む食用組成物に使用されてもよい。
【0005】
本明細書に開示される技術は、植物系乳化剤である組成物に関する。任意の実施形態では、植物系乳化剤は、パルスタンパク質及び水を含み、パルスタンパク質及び水から本質的になるか、又はパルスタンパク質及び水からなる。開示された植物系乳化剤において有用なパルスタンパク質の供給源としては、未粉砕パルス、パルス粉末、パルスタンパク質濃縮物、パルスタンパク質単離物、及びそれらの混合物が挙げられる。開示された植物系乳化剤に有用なパルスタンパク質の供給源には、エンドウ、ヒラマメ、豆類、例えば、それだけに限らないが、ソラマメ、ルピナス、小豆、黒豆、大豆、アナサジ豆、ヒヨコマメ、インゲンマメ、ライマメ、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0006】
本明細書に開示される任意の実施形態では、植物系乳化剤は、ヒヨコマメ全体又は粉砕ヒヨコマメ(ヒヨコマメ粉末、ヒヨコマメタンパク質濃縮物、及びヒヨコマメ単離物を含む)からのタンパク質を含む。
【0007】
本明細書に開示される任意の実施形態では、植物系乳化剤は、エンドウ全体又は粉砕エンドウ(エンドウ粉末、エンドウタンパク質濃縮物、及びエンドウ単離物を含む)からのタンパク質を含む。
【0008】
任意の実施形態では、植物系乳化剤は、少なくとも約5°ブリックスの測定可能な固形分を有する。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、植物系乳化剤は、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°の比較的低い固形分(本明細書では希釈植物系乳化剤と称する場合がある)を有する。任意の実施形態では、希釈植物系乳化剤は、約6°~約8°ブリックスの固形分を有する。
【0009】
本明細書に記載のいくつかの他の実施形態では、植物系乳化剤は、少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50、又は約30°~約40°の比較的高い固形分(これは、本明細書では濃縮植物系乳化剤と称する場合がある)を有する。本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤は、約35°~約40°ブリックスの固形分を有する。本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤は、約36°~約38°ブリックスを有する。
【0010】
本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤は、約5%~約20%(w/w)、又は約10%~約20%、又は約13%~約20%、又は約13%~約17%(w/w)の1つ又は2つの総固形分を有する。
【0011】
本明細書に記載の任意の実施形態では、植物系乳化剤は、未粉砕パルス、パルス粉末、パルスタンパク質濃縮物、又はパルスタンパク質単離物を水中に浸漬し、液相を固相から分離し、液相を保持することによって得られる。液相は、植物系乳化剤として使用され、植物タンパク質(グロブリン及びアルブミンを含む)及び植物サポニンのうちの1つ以上を含んでもよい。特定の実施形態では、液相は、植物系乳化剤の成分の含有量又は構造を変更するために更に処理されてもよい。例えば、更なる処理は、加熱を含んでもよい。更なる実施形態では、処理は、例えば、イオン交換クロマトグラフィ、透析、精密濾過、限外濾過、逆浸透、及びそれらの組み合わせによる濾過を含んでもよい。
【0012】
別の態様では、本技術は、エマルジョン(本明細書では便宜上「乳化剤組成物」と称する)に有用な組成物に関する。実施形態では、乳化剤組成物は、植物系乳化剤及び添加デンプン(本明細書では乳化剤組成物と称する)を含む。記載された乳化剤組成物に有用な添加デンプンは、限定されないが、パルス、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米、及びこれらの混合物、並びにこれらの植物の高アミロース及び低アミロース変種を含む任意の供給源に由来してもよい。添加デンプンは、天然及び変性デンプンを含んでもよい。記載される乳化剤組成物の任意の実施形態では、デンプンは不溶性であるが、プロセス耐性を高めるように改質されている。例えば、デンプンは、例えば、(POCl、STMP、STPP、及びそれらの混合物からの)リン酸結合又はアジピン酸架橋を含む抑制デンプン(膨潤に強いデンプン)であってもよい。デンプンはまた、熱抑制(例えば、WO第95/04082号に記載されている)及び熱アニーリングなどの物理的プロセスを使用して抑制されてもよい。記載される乳化剤組成物の任意の実施形態では、添加されるデンプンは、タンパク質と同じ又は異なる植物源からのものであってもよい。いずれかの実施形態において、本明細書に記載の乳化剤組成物は、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、エンドウデンプン(エンドウ、トウモロコシ、及びタピオカの高アミロース及び低アミロース変種を含む)、及びそれらの混合物からなる群から選択される添加デンプン成分に加えて、ヒヨコマメタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、及びそれらの混合物からなる群から選択される植物タンパク質成分を含む。
【0013】
任意の実施形態では、乳化剤組成物は、パルスタンパク質及びデンプンを含む、又はパルスタンパク質及びデンプンから本質的になる、又はパルスタンパク質及びデンプンからなる。任意の実施形態では、本明細書に記載の乳化剤組成物は、植物系乳化剤、又は希釈植物系乳化剤、及び添加デンプンを含み、約1%~約60%の固形分を有し、スラリー、分散液、又は懸濁液として存在してもよい。本明細書に記載の任意の実施形態では、乳化剤組成物は、植物系乳化剤、又は希釈植物系乳化剤、及び添加デンプンを含み、60%超、例えば、約60%~99%の固形分を有し、粉末若しくはケークとして存在してもよい。実施形態では、記載される乳化剤組成物は、約0.05~約60%(w/w)又は約0.1~約60%、又は約0.5~約60%、又は約0.5~約50%、又は約0.5~約40%、又は約0.5~約30%、又は約0.5~約20%、又は約0.5~約10%のデンプン分(添加されるか否かにかかわらず)を有する。
【0014】
任意の実施形態では、本明細書に記載の乳化剤組成物は、植物系乳化剤又は希釈植物系乳化剤と、約0.5%~約5%、又は約0.5%~約2.5%、又は約0.5%~約2%、又は約0.5%~約1.5%、又は約0.5%~約1.25%、又は約0.5%~約1%の量で添加されるデンプンと、を含む。任意の実施形態では、本明細書に記載の乳化剤組成物は、植物系乳化剤、又は希釈植物系乳化剤、及び約0.75%~約1.2%の量で添加されるデンプンを含む。
【0015】
本明細書に開示される技術はまた、植物系乳化剤を作製する方法に関する。任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤は、パルスの少なくとも一部、例えば、パルス全体若しくは分割パルス、又は粉砕パルス、又はパルスタンパク質濃縮物若しくはパルスタンパク質単離物(これらは、本明細書においてまとめて「パルス材料」と称する)を浸漬することを含むプロセスによって得られる。
【0016】
任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤は、パルス材料内の可溶性及び/又は微細材料成分の少なくとも一部が水に溶解又は分散するために十分な時間、パルス材料を浸漬することを含むプロセスによって得られる。例えば、パルス材料は、少なくとも約10分間浸漬されてもよい。パルス材料は、任意の温度で水に浸漬されてもよい。本明細書に記載の任意の実施形態では、パルス材料は、パルス材料内のデンプンのゼラチン化温度未満の温度、例えば、約20~60℃で浸漬される。任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤を作製するための方法は、パルス材料を浸漬して、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°の溶液を得ることを含む。任意の実施形態では、希釈植物タンパク質ベースの乳化剤は、約6°~約8°ブリックスの固形分を有する。
【0017】
任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤は、パルス材料を浸漬して固相及び水相を得ることと、水相を固相から分離することと、を含むプロセスによって得られる。実施形態では、溶解パルスタンパク質を含む当該水相は、任意の好適な手段、例えば、限定されないが遠心デカンテーションを用いて、残りの固体から分離されてもよい。水相は、植物系乳化剤として使用されてもよい、又は、例えば、塩を除去するため、若しくは懸濁液中の可溶性又は分散した微細材料の様々な部分を除去するために更に処理されてもよい。任意の実施形態では、植物系乳化剤は、パルスタンパク質単離物を回収するためのプロセスの一部として得られてもよい。
【0018】
植物種子又は塊茎のデンプン及び他の成分から植物タンパク質を単離するための方法は、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれるUS第4,144,087号に記載されている。例示的な方法では、プロセスは、粉砕パルス種子を使用して、水性スラリーを用いてタンパク質から、特にデンプン及び繊維を分離する。プロセスは、プロセスに応じて、分散液、懸濁液、又は溶液であり得るタンパク質に富む水性系を提供する。タンパク質に富む材料(便宜上、沈降物と称する)は、例えば、限定されないが(水性系の特定の状態に応じて)凝集、沈殿、又は沈降を利用して、水性流から回収されてもよい。全てのタンパク質が沈降物中で回収されるわけではなく、一部のタンパク質は水性系内に残る(便宜上、上澄みと称する)。上澄みは、沈降物から分離されて、本明細書に記載の植物系乳化剤を得ることができる。
【0019】
任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤を作製する方法は、タンパク質単離物回収プロセス、又はパルス物質を浸漬して上澄みを得るプロセスなどの任意の方法で得られた上澄みを更に処理することと、上澄みを濃縮しない工程で上澄みを加熱することと、任意選択的に上澄みを濾過することと、任意選択的に上澄みを濃縮することと、を含む。
【0020】
任意の実施形態では、希釈植物系乳化剤を作製する方法は、パルス材料から得られた上澄みを加熱して、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°ブリックスを有する希釈植物系乳化剤を得ることを含む。
【0021】
任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤を作製する方法は、希釈溶液又は分散液の固形分を増加させるのに有用な任意の方法を使用して上澄みを濃縮することを含む。様々な実施形態では、パルスタンパク質抽出物は、技術分野で既知のプロセスを使用して濃縮することができる。いくつかの実施形態では、濃縮工程は、蒸発工程、濾過工程、又はその2つの組み合わせである。いくつかの実施形態では、濃縮工程は、限外濾過、ナノ濾過、順浸透、又は逆浸透濾過のうちの1つ以上を使用する。
【0022】
任意の実施形態では、本明細書に記載の植物系乳化剤を作製する方法は、上澄みを濃縮して、少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°ブリックスを有する植物系乳化剤を得ることを含む。本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物タンパク質乳化剤は、約35°~約40°ブリックスの固形分を有する。本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物タンパク質乳化剤は、約36°~約38°ブリックスを有する。
【0023】
本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤は、5%~約20%(w/w)、又は約10%~約20%、又は約13%~約20%、又は約13%~約17%(w/w)の固形分を有する。本明細書に記載の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤は、約1重量%~約10重量%、又は約3重量%~約7重量%、又は約4重量%~約6重量%の可溶性固形分を含む。
【0024】
実施形態では、植物系乳化剤は、添加デンプンを含まない、又は0.05%未満のデンプン(w/w)、又は0.01%未満、又は本質的に0%のデンプンを含む。
【0025】
別の態様では、本明細書は、食用組成物中のパルスタンパク質抽出物、及びパルスタンパク質抽出物を含む食用組成物の使用を開示する。他の実施形態では、パルスタンパク質抽出物は、食用組成物中の乳化剤として使用される。様々な実施形態では、パルスタンパク質抽出物を含む食用組成物は、エマルジョンである。実施形態では、食用組成物は、パルスタンパク質抽出物及びデンプンを含む。いくつかの実施形態では、パルスタンパク質抽出物及びデンプンを含む混合物が、食用組成物に長期安定粘度を提供するために使用される。様々な実施形態では、食用組成物は、パルスタンパク質抽出物及び抑制デンプン又は熱抑制デンプンを含む。様々な実施形態では、食用組成物は、パルスタンパク質抽出物と、プロピレンオキシド及びオキシ塩化リン、又は無水酢酸及びアジピン酸無水物で変性されたデンプンなどの抑制安定化デンプンと、を含む。
【0026】
本明細書に開示される技術はまた、植物系乳化剤を含む食用組成物に関する。特定の実施形態では、上記組成物は、任意の量で、又は組成物の1~99重量%の量で植物系乳化剤を含む。様々な実施形態では、食用組成物は、植物系乳化剤及び1つ以上の他の食用成分を含む。様々な実施形態では、食用組成物は、植物系乳化剤、液体水性成分、及び液体脂質成分を含む食用エマルジョンである。様々な実施形態では、食用組成物は、植物系乳化剤及び任意選択的に第4の食用成分を含む水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンである。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の食用組成物は、油と水のエマルジョン、デンプン、及び植物系乳化剤又は希釈植物系乳化剤のいずれかを含む。実施形態では、食用組成物は、組成物の15重量%~20重量%の量で希釈パルスタンパク質抽出物を含む。実施形態では、食用組成物は、組成物の約0.5重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約2.5重量%、又は約0.5重量%~約2重量%、又は約0.5重量%~約1.5重量%、又は約0.5重量%~約1.25重量%、又は約0.5重量%~約1重量%、又は約0.75重量%~約1.2重量%の量で、デンプン、又は抑制デンプン、又は熱抑制デンプンを更に含む。実施形態では、食用組成物は、組成物の約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約71重量%~約80重量%、又は約73重量%~80重量%、又は約75重量%~約80重量%の油分を有する。実施形態では、食用組成物は、組成物の約70重量%~約75重量%の油分を有する。実施形態では、食用エマルジョンは、組成物の約73重量%~約75重量%の油分を有する。更に他の実施形態では、食用組成物は、約5未満、又は約3~約5の油分を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の食用組成物は、油と水のエマルジョンと、組成物の約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約3重量%~約5重量%の量で、植物系乳化剤又は濃縮植物系乳化剤と、を含む。実施形態では、食用組成物は、組成物の約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約71重量%~約80重量%、又は約73重量%~80重量%、又は約75重量%~約80重量%の油分を有する。実施形態では、食用組成物は、組成物の約70重量%~約75重量%の油分を有する。実施形態では、食用エマルジョンは、組成物の73重量%~約75重量%の油分を有する。更に他の実施形態では、食用組成物は、約5未満、又は約3~約5の油分を有する。実施形態では、食用エマルジョンは、添加デンプンを含まない、又は0.05%未満(w/w)、又は0.01%未満、又は本質的に0%のデンプンを含む。
【0029】
任意の実施形態では、食用組成物は、ソース、又はドレッシング、又はマヨネーズ、又はアイスクリーム(ハードバック若しくはソフトバック)又はアイスクリーム様デザート(氷結ヨーグルト、氷結カスタード)又はその他の氷結エマルジョンなどの氷結組成物、菓子、焼き物、果物フィリング若しくは果物プレップを含む食用組成物の充填物である。
【0030】
任意の実施形態では、4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月の保存後に、約1,000~約50,000cP、又は約15,000~約30,000cP、又は約15,000~約25,000の粘度を有する油と水のエマルジョンである。
【0031】
実施形態では、本明細書に記載の食用組成物は、組成物の約70重量%~約80重量%又は約70重量%~約75重量%の油を有し、20~22マイクロメートルのサイズの粒子の約5%~約10%、又は約8%~約10%、又は約8%~約12%、又は約8%~約15%の液滴サイズ分布を有し、任意選択的に、4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月の保存後の油と水のエマルジョンである。実施形態では、本明細書に記載の食用組成物は、4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月の保存後、約15~約25マイクロメートル、又は約17~約22マイクロメートル、又は約20~約22マイクロメートルの平均液滴サイズを有する水及び油のエマルジョンである。
【0032】
本技術はまた、油と水のエマルジョンを含む食用組成物を改善するための濃縮植物系乳化剤の使用に関する。そのような改善は、希釈植物系乳化剤を濃縮植物系乳化剤と置き換えることによって得ることができる。様々な実施形態では、希釈植物系乳化剤を濃縮植物系乳化剤と置き換えた食用エマルジョンは、粘度が増加し、粘度安定性が向上し、及び/又は平均液滴サイズが減少する。エマルジョンの全体の水分が維持されても、そのような改善は全て達成される。
【0033】
実施形態では、本明細書に記載の食用組成物は、油と水のエマルジョンと、濃縮植物系エマルジョンと、を含み、希釈植物系エマルジョンを使用する同じ食用組成物よりも10,000cP~30,000cP、又は少なくとも10,000cP、又は少なくとも15,000cP、又は少なくとも20,000cP、又は少なくとも25,000cP、又は少なくとも30,000cP高い粘度を有する。前述の粘度の増加は、4℃で1、30、及び90日の保存後に観察される。
【0034】
他の実施形態では、油と水のエマルジョンと濃縮植物系エマルジョンとを含む本明細書に記載の食用組成物は、希釈植物系エマルジョンを使用する同じ食用組成物よりも少なくとも約2マイクロメートル又は少なくとも約5マイクロメートル小さい平均液滴サイズを有する。前述の平均液滴サイズの減少は、4℃で1、30、及び90日の保存後に観察される。
【0035】
前述の粘度の増加及び平均粒径の減少は、等しい油分、等しい水分、及び等しい乳化剤固形分(ブリックスで測定)の食用組成物で達成可能である。例えば、例示的な試験では、実施形態は、追加の水を含まず、約75%(w/w)の油と約7°~約8°ブリックスの約18%(w/w)の希釈植物系乳化剤とを含んでもよい。代替の例示的な試験では、実施形態は、約75%の油(w/w)と、約38°~約39°ブリックスの約3.75%(w/w)の濃縮植物系乳化剤と、14.25%の水と、を含んでもよい。例示的な実施形態を比較する際、濃縮植物系乳化剤は、希釈植物系乳化剤よりもブリックスが5倍高くなるまで濃縮されるが、濃縮植物系乳化剤は、希釈植物系乳化剤より約5分の1の量で使用される。特定の実施形態では、濃縮植物系乳化剤を使用する食用組成物は、濃縮植物系乳化剤を使用する食用組成物の水分が、希釈植物系乳化剤を使用する食用組成物の水分に等しくなるように、水を添加している。
【0036】
いずれかの実施形態では、本明細書は、油と水のエマルジョンを含む食用組成物を作製するための方法を開示しており、本方法は、希釈植物系乳化剤の少なくとも一部を濃縮植物系乳化剤と置き換えることを含む。本方法の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤の約1%~約100%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約33%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約67%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約90%と置き換わっている。任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤の少なくとも約95%と置き換わっている。任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤の約100%と置き換わっている。
【0037】
本明細書に記載の食用組成物を作製するための方法の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤のブリックスにほぼ等しい、又は希釈植物系乳化剤のブリックスよりも約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%低いブリックスを有するように、濃縮植物系乳化剤が、植物系乳化剤と置き換わっている。
【0038】
本明細書に記載の食用組成物を作製するための方法の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤を含む食用組成物の水分が、希釈植物系乳化剤を含む食用組成物の水分とほぼ等しくなるように、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤と置き換わっている。
【0039】
本明細書に記載の食用組成物を作製するための方法の任意の実施形態では、濃縮植物系乳化剤を含む食用組成物の油分が、希釈植物系乳化剤を含む食用組成物の油分とほぼ等しくなるように、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤と置き換わっている。
【0040】
本明細書で使用される「パルス粉末」は、未粉砕パルス中と本質的に同じ比率の構成成分を有することを意味する。そのような成分としては、限定されないが、タンパク質、繊維、及びデンプンが挙げられる。比較の目的で、特定のパーセンテージに拘束されることを意図するものではないが、パルス粉末は一般に、50%未満のタンパク質を有する。
【0041】
本明細書で使用される場合、「パルスタンパク質濃縮物」は、パルス粉末と比較してタンパク質を増加させ、デンプン及び粉末を減少させるパルス材料を意味する。パルスタンパク質濃縮物は、空気分級プロセスを使用して作製することができる。比較の目的で、特定のパーセンテージに拘束されることを意図するものではないが、パルスタンパク質濃縮物は、一般に、約50重量%~約70重量%のタンパク質を有する。
【0042】
本明細書で使用される「パルスタンパク質単離物」は、パルス粉末と比較して、デンプンをほとんど含まず、実質的にタンパク質であるパルスを意味する。パルスタンパク質単離物は、ハイドロサイクロン又は等電沈殿を使用するスラリー系にあり得る。比較の目的で、特定のパーセンテージに拘束されることを意図するものではないが、パルスタンパク質単離物は、一般に、約70重量%超のタンパク質を有する。
【0043】
本明細書で使用される「高アミロース」は、約50重量%超の見かけのアミロース含有量を意味する。
【0044】
本明細書で使用される「低アミロース」は、3重量%未満又は本質的に0重量%の見かけのアミロース含有量を意味する。
【0045】
本明細書における数字を修飾する「約」の使用は、列挙された数±10%を含むことを意味する。請求項における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0046】
数を修飾する「本質的に」の使用、例えば、本質的に0は、具体的に列挙された量未満の最小量の汚染物質を含むことを意味する。汚染物質の量は、測定可能であってもよく、測定可能でなくてもよい。
【0047】
本明細書における不定冠詞「a」又は定冠詞「the」の記述は、文脈が別様に明確に規定しない限り、1つ以上を意味することを意味する。
【0048】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、方法の変更、均等物での置換、及びその他の種類の改変を実施することができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0049】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示として見なされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0050】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(1つ又は複数)、限定(1つ又は複数)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0051】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0052】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々の部材を含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0053】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許出願、交付済み特許、及び他の文書(例えば、ジャーナル、記事、及び/又は教科書)は、それぞれの個々の刊行物、特許出願、発行特許、又は他の文書が、その全体が引用することで本明細書の一部をなすことが具体的、かつ個別に示されているかのように、引用することで本明細書の一部をなす。引用することで組み込まれた本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲内で除外される。
【0054】
本技術は、例示を目的とする以下の態様で更に説明され、特許請求の範囲の全範囲及びそれらの等価物を限定することを意図するものではない。
【0055】
第1の態様では、本技術は、植物系乳化剤であって、水及びパルスタンパク質、及び少なくとも5°、又は少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有し、パルスタンパク質が、任意選択的に、エンドウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、又はそれらの混合物である、植物系乳化剤に関する。
【0056】
第2の態様では、本技術は、約5%~約20%(w/w)、又は約10%~約20%、又は約13%~約20%、又は約13%~約17%(w/w)の総固形分を有し、任意選択的に、約1重量%~約10重量%、又は約3重量%~約7重量%、又は約4重量%~約6重量%の可溶性固形分を有する、第1の態様の植物系乳化剤に関する。
【0057】
第3の態様では、本技術は、約5°~約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°ブリックスを有する、第1又は第2の態様の植物系乳化剤に関する。
【0058】
第4の態様では、本技術は、サポニンを更に含む、第1~3の態様のいずれか1つの植物系乳化剤に関する。
【0059】
第5の態様では、本技術は、粉砕又は未粉砕パルスを水に浸漬して液相及び固相を形成することと、固相から液相を分離することと、液相を保持することと、を含むプロセスから得られる、第1~4の態様のいずれか1つの植物系乳化剤に関する。
【0060】
第6の態様では、本技術は、0.05%未満、又は約0.01%未満、又は本質的に0%のデンプンを有する第1~5の態様のいずれか1つの植物系乳化剤に関する。
【0061】
第7の態様では、本技術は、乳化剤組成物であって、第1~6の態様のいずれか1つの植物系乳化剤と、任意選択的に抑制若しくは熱抑制デンプンであり、任意選択的にトウモロコシデンプン、タピオカデンプン、エンドウデンプン、低アミローストウモロコシデンプン又は低アミロースタピオカデンプン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、変性又は未変性デンプンと、を含む、乳化剤組成物に関する。
【0062】
第8の態様では、本技術は、約0.05重量%~約60重量%、又は約0.5重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約2.5重量%、又は約0.5重量%~約2重量%、又は約0.5重量%~約1.5重量%、又は約0.5重量%~約1.25重量%、又は約0.5重量%~約1重量%、又は約0.75重量%~約1.2重量%のデンプン分を有する、第7の態様の乳化剤組成物に関する。
【0063】
第9の態様では、本技術は、デンプンが、植物系乳化剤中のタンパク質と異なる植物源からのものである、第7又は8の態様の乳化剤組成物に関する。
【0064】
第10の態様では、本技術は、第1~6の態様のいずれか1つの植物系乳化剤又は第7~9の態様のいずれか1つの乳化剤組成物、第2の食用成分、及び任意選択的に、約0.5%~約5%、又は約0.5%~約2.5%、又は約0.5%~約2%、又は約0.5%~約1.5%、又は約0.5%~約1.25%、又は約0.5%~約1%、又は約0.75%~約1.2%の量のデンプン分を含む食用組成物に関する。
【0065】
第11の態様では、本技術は、油と水のエマルジョンを更に含み、任意選択的に、油が、組成物の(a)約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約71重量%~約80重量%、又は約73重量%~約80重量%、又は75重量%~約80重量%、又は70重量%~約75重量%、又は70重量%~約75重量%、又は約73重量%~約75重量%、及び(b)約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%、又は約27重量%~約33重量%、からなる群から選択された量で使用される、第10の態様の食用組成物に関する。
【0066】
第12の態様では、本技術は、植物系乳化剤が、組成物の約1重量%~約20重量%、又は1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約3重量%~約5重量%、又は約15重量%~約20重量%の量で使用される、第10又は第11の態様の食用組成物に関する。
【0067】
第13の態様では、本技術は、5未満又は約3~約5のpHを有する第10~12の態様の食用組成物に関する。
【0068】
第14の態様では、本技術は、4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月の保存後に、約1,000~約50,000cP、又は約15,000~約30,000cP、又は約15,000~約25,000cPの粘度を有する、第10~13のいずれか1つの態様の食用組成物に関する。
【0069】
第15の態様では、本技術は、(a)約5%~約10%、又は約8%~約10%、又は約8%~約12%、又は約8%~約15%の液滴が、約20~約22マイクロメートルである液滴サイズ分布、又は(b)約15~約25マイクロメートル、又は約17~約22マイクロメートル、又は約20~約22マイクロメートルの平均液滴サイズ、のうちの1つ以上からなる群によって説明される液滴を有し、任意選択的に、液滴サイズの説明が、4℃で、1日、1ヶ月、又は3ヶ月のうちの1つ以上の保存後に得られる、第10~13のいずれか1つの態様の食用組成物に関する。
【0070】
第16の態様では、本技術は、パルスタンパク質抽出物を作製する方法であって、(a)パルス材料を水に浸漬して固相及び液相を得ることと、(b)固相を液相から分離することと、(c)液相を保持することと、を含み、任意選択的に、液相が約5°、又は約10°、又は約5°~約9°、又は約5°~約8°、又は約5°~約7°、又は約6°~約8°、又は約6°~約9°、又は約6°~約8°ブリックスを有する、方法に関する。
【0071】
第17の態様では、本技術は、ブリックスを維持しながら保持された液相を加熱することを更に含む、第16の態様の方法に関する。
【0072】
第18の態様では、本技術は、液相が、パルスタンパク質単離物を回収するプロセスの一部として得られる、第16又は第17の態様の方法に関する。
【0073】
第19の態様では、本技術は、保持された液相を濃縮して、少なくとも5°、又は少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有する液体を得ることを更に含む、第16~18のいずれか1つの態様の方法に関する。
【0074】
第20の態様では、本技術は、前述の態様のいずれか1つの食用組成物を作製する方法であって、食用組成物が油と水のエマルジョンと、植物系乳化剤と、を含み、本方法が、前述の態様のいずれか1つに記載の植物系乳化剤の少なくとも一部を濃縮植物系乳化剤と置き換えることを含み、濃縮植物系乳化剤が植物系乳化剤よりもブリックスを上昇させている、方法に関する。
【0075】
第21の態様では、本技術は、濃縮植物系乳化剤が、植物系乳化剤の約1%~約100%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約33%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約67%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は約100%、植物系乳化剤と置き換わっている、第20の態様の方法に関する。
【0076】
第22の態様では、本技術は、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤のブリックスにほぼ等しい、又は希釈植物系乳化剤のブリックスよりも約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%低いブリックスを有するように、濃縮植物系乳化剤が、植物系乳化剤と置き換わっている、第20又は第21の態様の方法に関する。
【0077】
第23の態様では、本技術は、濃縮植物系乳化剤を含む食用組成物の水分が、希釈植物系乳化剤を含む食用組成物の水分とほぼ等しくなるように、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤と置き換わっている、第20~22の態様のいずれか1つの方法に関する。
【0078】
第24の態様では、本技術は、濃縮植物系乳化剤を含む食用組成物の油分が、希釈植物系乳化剤を含む食用組成物の油分とほぼ等しくなるように、濃縮植物系乳化剤が、希釈植物系乳化剤と置き換わっている、第20~23の態様のいずれか1つの方法に関する。
【0079】
第25の態様では、本技術は、濃縮植物系エマルジョンを含む組成物が、植物系エマルジョンを含む食用組成物とは異なり、その差異が、(a)濃縮植物系エマルジョンを含む組成物が、増大した粘度を有する、(b)濃縮植物系エマルジョンを含む組成物が、平均粒径を減少させる、(c)それらの混合、からなる群から選択される、第20~24の態様のいずれか1つの方法に関する。
【0080】
この技術は、例示を目的とする以下の実施例によって更に説明され、特許請求の範囲又はそれらの等価物の全範囲を限定することを意図するものではない。
配合物
【0081】
以下は、低脂肪エマルジョンの式である。
【表1】
【0082】
高脂肪エマルジョンのための追加の配合物を、以下の表2及び4で提供する。
手順
【0083】
出願人は、希釈及び濃縮植物系乳化剤の両方を使用して、油と水のエマルジョンを含む食用組成物の粘度及び粘度の安定性を評価した。希釈植物系乳化剤を使用する油分の多い(約70%超)組成物は、抑制デンプンからの追加の安定化が必要であることが観察された。濃縮植物系乳化剤を使用する組成物は、同等の液体分を有するにもかかわらず、デンプン安定剤の使用を必要としなかったことが更に観察された。上記の観察は、以下の手順に従って行った。
【0084】
粘度は、20RPMで30秒間、TスピンドルCを使用して上向きに移動するBrookfield DV2T w/ヘリオパスを使用して測定した。
【0085】
液滴サイズは、Beckman Coulter製LS13320SWレーザーベースの粒子サイズ分析装置を使用して測定した。
【0086】
ブリックスは、屈折計を使用して測定した。
【0087】
総固形分は、最初の1グラムの溶液試料の重量と、130℃で4時間乾燥した後の試料の重量を比較することによって測定される。固形分パーセントは、残留物重量/試料重量×100である。
【0088】
エマルジョンは、全ての成分を最初にドライブレンドすることによって作製した。水及び酢を、従来の台所スタンドミキサー混合ボウルで合わせた。乾燥混合物を水及び酢の混合物に添加し、均質になるまで混合した。中速度で混合しながら油をゆっくりと添加した。次いで、高剪断均質化のために、塊をScott Turbonミキサーに移した。(30ヘルツ、2分間)。
実施例1-希釈植物系乳化剤を使用する食用組成物
【0089】
油と水のエマルジョン、希釈植物系乳化剤、及びデンプンを含む食用組成物を、表2に報告される式を使用して作製した。全ての組成物は、約7°~約8°ブリックスを有する希釈植物系エマルジョンを使用した。
【表2】
【0090】
試料の粘度は、4℃で24時間保存した後に測定した。結果を表3に報告する。
【表3】
実施例2-濃縮植物系乳化剤を使用した食用エマルジョン
【0091】
希釈又は濃縮植物系乳化剤に加えて油と水のエマルジョンを含む食用組成物を、表4に報告される式を使用して作製した。希釈植物系乳化剤は7°~8°ブリックスを有した。
【表4】
【0092】
試料6(卵黄乳化剤)は、4℃で1、30、及び90日間保管した後、20,000~25,000cPの粘度を有することが観察された。試料7は、4℃で1、30、及び90日間保管した後、10,000~15,000cPの粘度を有することが観察された。試料8は、4℃で1、30、及び90日間保管した後、25,000~35,000cPの粘度を有することが観察された。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物系乳化剤であって、水及びパルスタンパク質を含み、前記パルスタンパク質が、任意選択的にエンドウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、又はそれらの混合物であり、前記乳化剤が、少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有する、植物系乳化剤。
【請求項2】
約10%~約20%、又は約13%~約20%、又は約13%~約17%(w/w)の総固形分を有する、請求項1に記載の植物系乳化剤。
【請求項3】
サポニンを更に含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【請求項4】
粉砕又は未粉砕パルスを水に浸漬して液相及び固相を形成することと、前記固相から前記液相を分離することと、前記液相を保持することと、任意選択的に、液相から液体を除去して、少なくとも約30°、又は少なくとも約35°、又は約30°~約60°、又は約30°~約50°、又は約30°~約40°、又は約35°~約40°、又は約36°~約38°ブリックスを有する溶液を得ることと、を含むプロセスから得られる、請求項1~3のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【請求項5】
0.05%未満、又は約0.01%未満、又は本質的に0%のデンプンを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【請求項6】
乳化剤組成物であって、請求項1~6のいずれかに記載の植物系乳化剤と、抑制デンプン又は熱抑制デンプンと、を含む、乳化剤組成物。
【請求項7】
約0.5%~約5%、又は約0.5%~約2.5%、又は約0.5%~約2.0%、又は約0.5%~約1.5%、又は約0.5%~約1.25%、又は約0.5%~約1%、又は約0.75%~約1.2%のデンプン分を有する、請求項6に記載の乳化剤組成物。
【請求項8】
前記デンプンが、前記植物系乳化剤における前記タンパク質と異なる植物源からのものである、請求項6又は7に記載の乳化剤組成物。
【請求項9】
食用組成物であって、
水及びパルスタンパク質を含む植物系乳化剤であって、前記乳化剤が、少なくとも約30°ブリックスを有する、植物系乳化剤と、
約0.5%~約5%の量のデンプン分と、を有し、前記デンプンが抑制デンプン又は熱抑制デンプンであり、
前記食用組成物が、(a)約65重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%、又は約71重量%~約80重量%、又は約73重量%~80重量%、又は約75重量%~約80重量%、又は約70重量%~約75重量%、又は73重量%~約75重量%、及び(b)20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%、又は約27重量%~約33重量%、からなる群から選択された範囲の油分を有する水中油エマルジョンである、食用組成物。
【請求項10】
前記植物系乳化剤が、約1%~約5%、又は約1%~約3%、又は約3%の量で使用される、請求項9に記載の食用組成物。
【請求項11】
約15~約25マイクロメートル、又は約17~約22マイクロメートル、又は約20~約22マイクロメートルの液滴サイズを有する、請求項9~10のいずれか一項に記載の食用組成物。
【請求項12】
食用組成物を作製する方法であって、前記食用組成物が植物系乳化剤を含む油と水のエマルジョンであり、前記方法が、前記植物系乳化剤の少なくとも一部を、約30°ブリックスを有する濃縮植物系乳化剤と置き換えることを含み、前記濃縮植物系乳化剤が前記植物系乳化剤に対してブリックスを上昇させており、前記濃縮植物系乳化剤を含む前記食用組成物の水分が、前記希釈植物系乳化剤を含む前記食用組成物の水分にほぼ等しい、方法。
【請求項13】
前記濃縮植物系乳化剤が、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約67%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は約100%の量で前記植物系乳化剤と置き換わっている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記濃縮植物系乳化剤を含む前記食用組成物の油分が、前記希釈植物系乳化剤を含む前記食用組成物の油分とほぼ等しくなるように、前記濃縮植物系乳化剤が、前記希釈植物系乳化剤と置き換わっている、請求項12~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記濃縮植物系エマルジョンを含む前記組成物が、前記植物系エマルジョンを含む食用組成物とは異なり、前記差異が、(a)前記濃縮植物系エマルジョンを含む前記組成物が、増大した粘度を有する、(b)前記濃縮植物系エマルジョンを含む前記組成物が、平均粒径を減少させる、(c)それらの混合、からなる群から選択される、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。

【国際調査報告】