(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(54)【発明の名称】ミストスプレーヤー装置
(51)【国際特許分類】
B05B 7/00 20060101AFI20220810BHJP
A01M 7/00 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
B05B7/00
A01M7/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574774
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2020037912
(87)【国際公開番号】W WO2020257186
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503403135
【氏名又は名称】オーエムエス・インヴェストメンツ・インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】レッカー,デレク・ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】マーリット,マシュー・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ボーン,ジョン・ヒューバート・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ロスカップ,マーク・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ニコリア,ジェフリー・デビッド
【テーマコード(参考)】
2B121
4F033
【Fターム(参考)】
2B121CB02
2B121CB23
2B121CB28
2B121CB42
2B121CB47
2B121CB62
2B121CB66
4F033QA05
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QD02
4F033QD15
4F033QD16
4F033QE06
4F033QE14
4F033QF01X
4F033QF06Y
4F033QF08X
(57)【要約】
噴霧器装置(10)が、空気入口(34)および空気出口(36)を有する可搬式の噴霧器ボディ(12)と、空気入口(34)を通して空気を吸い込むようにおよび空気出口(36)から空気を押し出すように構成されるファン(32)と、リザーバ出口(50)を有する、液体を収容するように構成されるリザーバ(46)と、空気出口(36)に隣接するようにまたは空気出口(36)の下流に配置される液体出口(60)と、リザーバ(46)と流体連通しているポンプ(54)とを含む。ポンプ(54)が、リザーバ(46)から液体出口(60)の外へ液体を移動させるように動作可能であり、その結果、液体出口(60)から外に出る液体が、空気出口(36)から外に出る空気の中に入り、それによりミストを形成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧器装置であって、
a.空気入口および空気出口を有する可搬式の噴霧器ボディと、
b.前記空気入口を通して空気を吸い込むようにおよび前記空気出口から空気を押し出すように構成されるファンと、
c.リザーバ出口を有する、液体を収容するように構成されるリザーバと、
d.前記空気出口に隣接するようにまたは前記空気出口の下流に配置される液体出口と、
e.前記リザーバと流体連通しているポンプであって、前記ポンプが前記リザーバから前記液体出口の外へ前記液体を移動させるように動作可能であり、その結果、前記液体出口から外に出る前記液体が、前記空気出口から外に出る空気の中に入り、それによりミストを形成する、ポンプと
を備える噴霧器装置。
【請求項2】
前記空気出口の長手方向軸が地面と平行である場合の前記ミストの第1の流量が、前記空気出口の前記長手方向軸が地面に対して最大約90度の上向きの角度である場合の第2の流量に実質的に等しい、請求項1に記載の噴霧器装置。
【請求項3】
前記空気出口の前記長手方向軸が地面と平行である場合の前記ミストの前記第1の流量が、前記空気出口の前記長手方向軸が地面に対して最大約90度の下向きの角度である場合の第3の流量に実質的に等しい、請求項2に記載の噴霧器装置。
【請求項4】
前記液体出口が前記空気出口に対して実質的に垂直であり、前記液体出口が、前記空気出口から外に出る空気に対して実質的に垂直である向きで前記液体を計量分配するように構築される、請求項1から3のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項5】
前記液体出口が前記空気出口と同軸でない、請求項1から3のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項6】
前記ポンプが容積式ポンプである、請求項1から5のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項7】
前記ファンに動作可能に結合されるモータをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項8】
前記ポンプおよび前記モータに結合されるバッテリーをさらに備える、請求項7に記載の噴霧器装置。
【請求項9】
前記ファンを制御するように動作可能に構成されるスイッチをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項10】
前記スイッチが前記ポンプを制御するように動作可能に構成される、請求項9に記載の噴霧器装置。
【請求項11】
前記液体をさらに備え、前記リザーバ内にある前記液体が加圧されない、請求項1から10のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項12】
前記ファンの出口と前記空気出口との間に延在する空気経路をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項13】
前記リザーバおよび前記ポンプと流体連通している第1の液体経路をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項14】
前記ポンプおよび前記液体出口と流体連通している第2の液体経路をさらに備える、請求項13に記載の噴霧器装置。
【請求項15】
前記ミストが粒子を含み、前記粒子の40%以上が100pmより大きい、請求項1から14のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項16】
前記噴霧器装置が、より小さい粒子を噴霧の中心の方に集めるようなおよびより大きい粒子を噴霧の外側縁部の方に集めるような粒子サイズ分布を有する噴霧を発生させるように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【請求項17】
噴霧器装置であって、
a.空気入口および空気出口を有する可搬式の噴霧器ボディと、
b.前記空気入口を通して空気を吸い込むようにおよび前記空気出口から空気を押し出すように構成されるファンと、
c.前記ファンに動作可能に結合されるモータと、
d.リザーバ出口を有する、液体を収容するように構成されるリザーバと、
e.前記空気出口に隣接するようにまたは前記空気出口の下流に配置される液体出口と、
f.前記リザーバと流体連通している容積式ポンプであって、前記容積式ポンプが、前記リザーバから前記液体出口の外へ前記液体を移動させるように動作可能であり、その結果、前記液体出口から外に出る前記液体が、前記空気出口から外に出る空気の中に入り、それによりミストを形成する、容積式ポンプと
を備え、
前記液体出口が前記空気出口に対して実質的に垂直であり、前記液体出口が、前記空気出口から外に出る空気に対して実質的に垂直の向きで前記液体を計量分配するように構築される
噴霧器装置。
【請求項18】
前記液体をさらに備え、前記リザーバ内にある前記液体が加圧されない、請求項17に記載の噴霧器装置。
【請求項19】
前記ミストが粒子を含み、前記粒子の40%以上が100pmより大きい、請求項17または18に記載の噴霧器装置。
【請求項20】
前記噴霧器装置が、より小さい粒子を噴霧の中心の方に集めるようなおよびより大きい粒子を噴霧の外側縁部の方に集めるような粒子サイズ分布を有する噴霧を発生させるように構成される、請求項17から19のいずれか一項に記載の噴霧器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2020年2月21日に出願した米国仮特許出願第62/979,760号、および2019年6月17日に出願した米国仮特許出願第62/862,339号の優先権の利益(priority benefit)を主張するものである。
【0002】
[0002]本技術の実施形態は、概して、噴霧装置技術に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ミスト(mist)噴霧デバイスでは、殺虫剤などの液体が概して50ミクロンから200ミクロンの範囲の微細液滴サイズに変換され得る。同様に、フォグ(fog)噴霧デバイスが50ミクロン未満のより小さい液滴サイズを発生させる。殺虫剤を使用する場合、より小さい粒子が昆虫により容易に吸収され、それにより有効性が向上する。フォグ発生デバイスは液体の加熱を必要とするが、これは液体またはデバイスからの潜在的な火傷の危険を作り出す。また、フォグの微細粒子サイズは、吸入の潜在的な危険および屋外で使用する場合の風ドリフトの潜在的な危険を作り出す。ミストサイズの粒子は、熱なしで、かつ吸入および風ドリフトの危険を低減して、発生することができる。低温フォガーは、霧状微粒子を作り出すために移動する液体ジェットに加圧空気を通過させる形で、動作することができる。改善された噴霧器に対しての需要が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]実施形態で、噴霧器装置が、空気入口および空気出口を有する可搬式の噴霧器ボディと、空気入口を通して空気を吸い込むようにおよび空気出口から空気を押し出すように構成されるファンと、リザーバ出口を有する、液体を収容するように構成されるリザーバと、空気出口に隣接するようにまたは空気出口の下流に配置される液体出口と、リザーバと流体連通しているポンプとを含む。ポンプがリザーバから液体出口の外へ液体を移動させるように動作可能であり、その結果、液体出口から外に出る液体が、空気出口から外に出る空気の中に入り、それによりミストを形成する。
【0005】
[0005]別の実施形態で、噴霧器装置が、空気入口および空気出口を有する可搬式の噴霧器ボディと、空気入口を通して空気を吸い込むようにおよび空気出口から空気を押し出すように構成されるファンと、ファンに動作可能に結合されるモータと、リザーバ出口を有する、液体を収容するように構成されるリザーバとを含む。噴霧器が、空気出口に隣接するようにまたは空気出口の下流に配置される液体出口と、リザーバと流体連通している容積式ポンプとをさらに含む。容積式ポンプが、リザーバから液体出口の外へ液体を移動させるように動作可能であり、その結果、液体出口から外に出る液体が、空気出口から外に出る空気の中に入り、それによりミストを形成する。液体出口が空気出口に対して実質的に垂直であり、液体出口が、空気出口から外に出る空気に対して実質的に垂直の向きで液体を計量分配するように構築される。
【0006】
[0006]以下の図と併せたいくつかの例示の実施形態の詳細な説明から本開示がより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]1つまたは複数の実施形態による噴霧器装置を示す上面等角図である。
【
図2】[0008]
図1の噴霧器装置を示す底面等角図である。
【
図3】[0009]
図1の噴霧器装置を示す正面図である。
【
図4】[0010]
図1の噴霧器装置を示す背面図である。
【
図5】[0011]
図1の噴霧器装置を示す側面図である。
【
図5】[0012]
図1の噴霧器装置を示す分解図である。
【
図6】[0013]
図1の線B-Bに沿う噴霧器装置を示す断面図である。
【
図7】[0014]
図1の噴霧器装置を示す断面図である。
【
図8A】[0015]ハウジングの一部分が取り外された状態の、
図1の噴霧器装置を示す立面図である。
【
図8B】[0016]
図7の噴霧器装置を示す拡大図である。
【
図8C】[0017]
図1の噴霧器装置のポンプ、液体出口、および空気ノズルを示す断面図である。
【
図9】[0018]1つまたは複数の実施形態による噴霧器装置のノズルから0.61m(2フィート)離れて噴霧されるミストの粒子サイズの分布を示すチャートである。
【
図10】[0019]ノズルのロケーションを基準とした1つまたは複数の実施形態による噴霧器装置によって発生するミストの平均粒子サイズを示すチャートである。
【
図11】[0020]従来のデバイスによって発生するミストの平均粒子サイズの分布に対して、
図10の平均粒子サイズの分布を比較するチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0021]次いで、本明細書で開示される装置、システム、方法、ならびにプロセスの構造、機能、および使用の原理を全面的に理解するのを可能にするために、本開示の種々の非限定の実施形態を説明する。これらの非限定の実施形態の1つまたは複数の例が添付図面に示される。本明細書で具体的に説明されるおよび添付図面に示されるシステムおよび方法が非限定の実施形態であることを当業者であれば理解するであろう。1つの非限定の実施形態に関連して示されるかまたは説明される特徴が、他の非限定の実施形態の特徴に組み合わされ得る。このような修正形態および変形形態は本開示の範囲に含まれることを意図される。
【0009】
[0022]本明細書を通して、「種々の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの例示の実施形態」、「1つの例示の実施形態」、または「実施形態」に言及することは、任意の実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または性質が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、「種々の実施形態で」、「いくつかの実施形態で」、「一実施形態で」、「いくつかの例示の実施形態」、「1つの例示の実施形態」、または「実施形態で」というフレーズが複数の箇所で現れることは、必ずしも同じ実施形態を意味するわけではない。さらに、これらの特定の特徴、構造、または性質は1つまたは複数の実施形態において任意の適切な形で組み合わされ得る。
【0010】
[0023]本明細書で考察される例は単に例であり、本明細書で説明される装置、デバイス、システム、および方法の説明を支援するために提供されるものである。図面に示されるかまたは以下で考察される特徴または構成要素は、具体的に必須であると指定されない限り、これらの装置、デバイス、システム、または方法のうちの任意のものの任意特定の実装形態のために必須であると解釈されるべきではない。読むのを容易にするためおよび明瞭さのために、特定の構成要素、モジュール、または方法が、特定の図に関連付けられて、単独で説明され得る。構成要素の組合せまたは下位の組合せの具体的な説明の任意の欠如は、任意の組合せまたは下位の組合せが可能ではないことを示すものとして理解されるべきではない。また、説明される任意の方法において、この方法が流れ図と共に説明されるか否かにかかわらず、特に明記しない限り、また文脈により求められない限り、方法を実行する際に実施されるステップの明示のまたは暗示的な任意の順序は、提示される順序でこれらのステップを実施しなければならないことを暗に意味しているわけではなく、これらのステップを異なる順序で実施してもまたは並行して実施してもよいことを暗に意味していることを理解されたい。
【0011】
[0024]本明細書では、噴霧器装置の例示の実施形態を説明する。いくつかの実施形態で、噴霧器装置が可搬式である。本明細書で使用される「可搬式」という用語は、特には通常のバージョンよりも軽量で小型のバーションであることを理由として、容易に持ち運ばれ得るかまたは移動させられ得ること、および持ち運びまたは移動が可能となる場所に関して制限されないことを意味する。例えば、AC電源に対しての結線接続(例えば、ACコンセントにプラグ接続されるAC電源コード)を必要とするデバイスは可搬式とはならない。
【0012】
[0025]
図1~4を参照すると、典型例の噴霧器装置10が示される。例えば、噴霧器装置10が噴霧器ボディ12を含む。いくつかの実施形態で、噴霧器ボディ12が、噴霧器ボディ12を形成するように一体に接続され得る第1のハウジング14および第2のハウジング16を含むことができる。噴霧器装置10がハンドル18をさらに含むことができる。いくつかの実施形態で、噴霧器ボディ12が、例えば
図1および
図3に示されるように、ハンドルを含むことができる。ハンドル18が任意の形態をとるように構築され得る。いくつかの実施形態で、ハンドル18が、操作者の手に適合するようにまたはより快適に適合するように人間工学的形状または湾曲形状を有するように構築される。噴霧器ボディ12が、ボディに沿う任意の位置に配置される入口および出口をさらに含むことができる。いくつかの実施形態で、噴霧器ボディ12が、
図1~3に示されるように、前側または前方側にある入口20と、噴霧器ボディ12の底部側にある出口22とを含むことができる。加えて、噴霧器ボディ12がアパーチャ24をさらに含むことができる。アパーチャ24が同様に噴霧器ボディに沿う任意の場所に配置され得る。いくつかの実施形態で、アパーチャ24が例えば
図3に示されるように噴霧器ボディの上側に配置される。アパーチャ24が、後でさらに考察するように、タンクの一部分がアパーチャ24を通って延在するのを可能にする。いくつかの実施形態で、第1のハウジング14および第2のハウジング16が、これらの2つのハウジングを組み合わせるおよび/または互いに接続するときにハンドル18、入口20、出口22、およびアパーチャ24を形成することになるように、構築され得る(例えば、
図4を参照されたい)。第1のハウジングおよび/または第2のハウジング16が通気孔26をさらに含むことができる。通気孔26が、内部構成要素(例えば、モータ)を冷却するために空気が噴霧器ボディ12の中まで流れるのを可能にすることができる。
【0013】
[0026]噴霧器装置10が、噴霧器ボディ12の外側に配置されるか、部分的に噴霧器ボディ12の中に配置されるか、または噴霧器ボディ12の中に完全に配置されるモータ28を含むことができる。
図1~4の実施形態に示されるように、モータ28が1つまたは複数のバッテリー30とファン32との間に配置され、ファン32がファン入口34およびファン出口36を画定する。モータ28が1つまたは複数のバッテリー30に電気的に接続され、ファン32に機械的に接続され、その結果、ファン32を駆動するために1つまたは複数のバッテリー30から電力を引き入れる。噴霧器装置が、入口20とファン入口34との間にある第1の空気経路38(例えば、空気流れA)、およびファン出口36から空気ノズルまでの第2の空気経路40(例えば、空気流れB)を含むことができる。
【0014】
[0027]噴霧器装置10が、出口22の上流で、第2の空気経路40内に配置される空気ノズル42を含むことができる。いくつかの実施形態で、空気ノズル42が出口22の中および/または出口22に配置され得る。いくつかの実施形態で、例えば
図3および
図4に示されるように、空気ノズル42が空気ノズル42内に配置される羽根44を含むことができる。羽根44が、空気流れが出口22から外に出る前に空気経路40においておよび/または空気経路40内で空気流れを撹拌するように構築され得る。羽根の数および形状は多様であってよい。いくつかの実施形態で、羽根44が湾曲形状を有するように、および/または、例えば図に示されるように螺旋のデザインとなるように第2の空気経路40内の空気流れを基準として角度を付けられるように構築される。この螺旋デザインが、空気流れが空気ノズル42から外に出て出口22を通過して出口22から外に出るときに第2の空気経路40内で空気流れの渦流れを作り出すことができる。他の実施形態で、空気ノズル42が羽根を含まなくてよい。空気ノズル42が噴霧器ボディ12から取り外し可能であってよい。空気ノズル42のサイズおよび形状が多様であってよい。いくつかの実施形態で、多様なサイズを有する複数の空気ノズル42が同じ噴霧器ボディ12に取り付けられるように構成され得る。
【0015】
[0028]噴霧器装置10が、噴霧器ボディ12の外側に配置されるか、部分的に噴霧器ボディ12の中に配置されるか、または噴霧器ボディ12の中に完全に配置されるタンク46を含むことができる。
図1~3に示されるように、タンク46などのリザーバが噴霧器ボディ12内に配置される。いくつかの実施形態で、タンク46が噴霧器ボディ12に隣接して配置され得、および/または噴霧器ボディ12に接続され得る(例えば、バックパックの中などで、噴霧器ボディ12とは別個に持ち運ばれるために)。タンク46がタンク入口48およびタンク出口50を含むことができ、それによりタンク46の中に液体を充填することおよびこの液体をタンク46から計量分配することが可能となる。実施形態で、単一の開口部がタンク46の入口および出口として機能することができる。いくつかの実施形態で、タンク46が非加圧液体を収容するように構築される。タンク46内に収容され得る例示の液体には、限定しないが、農薬および殺虫剤などの有害生物防除製品、除草剤、および消毒殺菌剤(例えば、過酸化水素、第4級アンモニウム、クエン酸など)が含まれる。示されるように、噴霧器装置10が、タンク入口48に着脱自在に接続されるように構築されるタンクキャップ52を含むことができる。タンク46の一部分がアパーチャ24を通って延在することができる。いくつかの実施形態で、噴霧器装置10が、例えばタンク46などの、1つまたは複数のタンクを含むことができる。2つ以上のタンクを備える実施形態では、タンクが同じ液体または異なる液体を収容することができる。タンクが異なる液体を収容する場合、後で説明されるように、液体がポンプに入る前に組み合わされ得る。
【0016】
[0029]示されるように、いくつかの実施形態で、噴霧器装置10が、ポンプ54、第1の液体経路56、第2の液体経路58、および液体出口60を含むことができる。ポンプ54、第1の液体経路56、および/または第2の液体経路58が、噴霧器ボディ12の外側に配置され得るか、部分的に噴霧器ボディ12の中に配置され得るか、または噴霧器ボディ12の中に完全に配置され得る。ポンプ54がポンプ入口62およびポンプ出口64を含むことができ、それによりポンプ54が、ポンプ54の中へまたはポンプ54の外へ液体を吸引することが可能となる。ポンプ54が任意の種類のポンプであってよい。いくつかの実施形態で、ポンプ54が容積式ポンプである。このような例示の実施形態では、第1の液体経路56がポンプ入口62をタンク出口50に接続する。さらに、実施形態で、タンク46の中の液体が加圧液体ではない(例えば、ポンプ54が容積式ポンプである場合)。第2の液体経路58がポンプ出口64を液体出口60に接続することができる。液体出口60が、液体ノズル66などの、1つまたは複数のノズルを備えることができる。示される実施形態では、液体出口60が、空気ノズル42、第2の空気経路40、ならびに/あるいはこれらの空気ノズルおよび/または第2の空気経路40から外に出る空気流れに対して垂直となるようにまたは実質的に垂直となるように配置され得る。この構成では、液体出口60により、液体出口60から外に出る液体が、垂直方向でまたは実質的に垂直方向で、空気ノズル42から外に出る空気流れの中に入る。言い換えると、このような実施形態では、液体出口60から外に出る液体ストリームの長手方向軸が、空気ノズル42から外に出る空気ストリームの長手方向軸に平行ではない。種々の他の実施形態で、液体出口60が、空気ノズル42、第2の空気経路40、ならびに/あるいはこれらの空気ノズルおよび/または第2の空気経路40から外に出る空気流れに対して垂直となるようにはまたは実質的に垂直となるようには配置されない。例えば、液体出口60が、空気ノズル42、第2の空気経路40、ならびに/あるいはこれらの空気ノズルおよび/または第2の空気経路40から外に出る空気流れに対して鋭角または鈍角に配置され得る。液体出口60が、空気ノズル42、第2の空気経路40、ならびに/あるいはこれらの空気ノズルおよび/または第2の空気経路40から外に出る空気流れの方に向かうように、またはこれらから離れるように、液体出口60から外に出る液体を誘導することができる。さらに、液体出口60が、空気ノズル42、第2の空気経路40、ならびに/あるいはこれらの空気ノズルおよび/または第2の空気経路40から外に出る空気流れに平行または実質的に平行に配置され得る。
【0017】
[0030]噴霧器装置10が、例えばAC電源コンセントに接続可能であるACコードなどの結線接続を介して、AC電源などの電源に接続可能であってよく、それにより噴霧器装置に電力を提供する。いくつかの実施形態で、噴霧器装置10が、例えば1つまたは複数のバッテリー30などの、DC電源に接続可能であってよい。DC電源が噴霧器装置10から分離されて配置され得、結線接続を利用して噴霧器装置10に接続され得、その結果、噴霧器装置10が移動させられ得るようになるが、DC電源が静止状態を維持するようになる。いくつかの実施形態で、DC電源が噴霧器装置10に永久的にまたは着脱自在に接続され得る。例えば、1つまたは複数のバッテリー30が、噴霧器ボディ12の外側に配置され得るか、部分的に噴霧器ボディ12の中に配置され得るか、または噴霧器ボディ12の中に完全に配置され得る。これらの実施形態のうちのいくつかの実施形態で、1つまたは複数のバッテリー30が噴霧器ボディ12内に配置されて噴霧器ボディ12に接続され得る。いくつかの実施形態で、1つまたは複数のバッテリー30が充電式バッテリーであるが、他の実施形態では、1つまたは複数のバッテリー30が使い捨て可能である。いくつかの実施形態で、例えば1つまたは複数のバッテリー30などの電源がポンプ54に接続され、その結果、電源がポンプ54を駆動するかまたは動作させるためにポンプ54に電力を提供する。
【0018】
[0031]噴霧器装置10が、噴霧器ボディ12の外側に配置されるかまたは噴霧器ボディ12の中に部分的に配置されるスイッチ68を含むことができる。示されるように、スイッチ68がハンドル18に沿って配置され得る。いくつかの実施形態で、スイッチ68が2位置リニアスイッチである。スイッチ68が、例えば1つまたは複数のバッテリー30などの、電源に電気的に接続され得る。いくつかの実施形態で、スイッチ68が、
図5に示されるように、印刷回路基板70、スイッチカバー72、および/またはスイッチロック74を含むことができる。
【0019】
[0032]いくつかの実施形態で、噴霧器装置10が、
図1~5を参照して後で説明するように動作することができる。操作者がスイッチ68を作動させることができ、したがって、バッテリー30によりモータ28およびポンプ54のうちの1つまたは複数に電力を提供することにより噴霧器装置10を作動させることができる。スイッチ68が作動されると、モータ28が回転し始めて空気速度を上げる。例えば3秒から5秒などの一定時間後、ポンプ54が作動して空気ストリームの中に液体を圧送する。
【0020】
[0033]モータ28により、ファン32が、入口20の中へ空気を吸引するようになり、第1の空気経路38(例えば、空気流れA)を通過させるように空気を吸引するようになり、および/またはファン入口34の中へ空気を吸引するようになる。ファン32が空気をファン出口36から外に出して第2の空気経路40の中へ入れ、さらには第2の空気経路40(例えば、空気流れB)を通過させる。さらにファン32が、空気流れBを空気ノズル42の中に入れ、空気ノズル42を通過させ、空気ノズル42の外へ出す。
【0021】
[0034]同時にまたはほぼ同時に、ファン32が噴霧器装置10の中へ空気を吸引し、スイッチ68が作動することによりバッテリー30がポンプ54に電力を提供する。実施形態で、スイッチ68がモータ28専用であってよく、噴霧器装置が、ポンプ54に提供される電力を制御するための第2のスイッチを含むことができる。こうすることで、操作者が、ポンプ54を作動させる前に噴霧器装置10を送風機として使用することを選択することができる。ポンプ54が、タンク46から、タンク出口50を通して、第1の液体経路56の中まで、液体を吸引する。液体が第1の液体経路56を通ってポンプ入口62の中まで流れる(例えば、液体流れC)。示されないが、噴霧器装置が、タンク46から外へ圧送される液体の量を制御するためのダイヤルを含むことができる。ポンプ54が液体をポンプ出口64から外に出して第2の液体経路58の中へ入れ、さらに第2の液体経路58を通過させる(例えば、液体流れD)。さらにポンプ54が、液体流れDを、液体ノズル66を通過させて液体ノズル66の外へ出す。空気流れBに対してまたは空気流れBの有意な一部分に対して垂直であるかまたは実質的に垂直である方向においてノズル66から外に出るこの液体流れが、
図3および
図4では、液体流れEとして示される。空気流れBが空気ノズル42から外に出るとき(つまり、空気ノズル42の下流で、空気ノズル42の出口が出口22に一致する)、液体流れEが空気流れBに入り、および/または空気流れBと混ざる。液体流れEが空気ノズル42から外に出る空気流れBと混ざるとき、これらの2つの流れが、液体および空気を含む新しい混合流体流れFを作り出す。ファン32が流体流れFを噴霧器ボディ12から外に出して出口22を通過させて出口22から外に出す。言い換えると、噴霧器装置10が流体流れFを計量分配することができる(つまり、噴霧することができる)。空気ノズル42から延在する外側スカートまたはシュラウドが流体流れFの特性に影響しない。言い換えると、外側スカートがミストの形成あるいはミストの速度または方向に影響しない。むしろ、外側スカートは事故の場合(例えば、噴霧器装置10が落下する場合)に液体ノズル66を保護するように機能する。空気ノズル42の出口における空気流れボリュームが、約6.5kl/分(230CFM)~約6.8kl/分(240CFM)の範囲内であってよいかまたは約6.65kl/分(235CFM)であってよい。空気ノズル42の出口における空気流れ速度が約346km/h(215mph)~約362.1km/h(225mph)の範囲内であってよいかまたは約350.8km/h(218mph)であってよい。噴霧器装置10がDCモータ28を含む場合、消費電力が約160W~約190Wまたは約162W~約189Wの範囲内であってよい。
【0022】
[0035]本明細書で説明されて示される実施形態のうちのいくつかの実施形態の構成により、噴霧器装置(例えば、噴霧器装置10)が、計量分配の損益および/または性能の損益なしで、地面を基準として多様な角度(つまり、水平以外の角度、すなわち地球の地面レベルに平行ではない角度)で流体流れFを計量分配することができる。例えば、噴霧器装置10が、地球の地面レベルを基準とした水平方向の上方および下方において、プラスまたはマイナス90度を最大として、プラスまたはマイナス30度で流体流れFを計量分配することができ(例えば、地球の地面レベルに平行な仮想平面の上方および下方においてプラスまたはマイナス30度で)、ここでは、噴霧器装置10から計量分配される流体流れFの流量の損益が最小となり、および/またはこの損益がゼロとなる。ミストのこの比較的一定の流れは(例えば、流体流れF)、ポンプ54およびファン32によって提供される一定の圧力および流れによって実現され得る。ポンプ54およびファン32の圧力および速度は噴霧器装置10の傾斜の影響を受けない。
【0023】
[0036]加えて、本明細書で説明されて示される実施形態のうちのいくつかの実施形態の構成により、噴霧器装置(例えば、噴霧器装置10)が流体流れFを計量分配することができ、ここでは、流体流れFが一定の流体特性および/または一定の流体流れ特性を有することができる。例えば、流体流れFが、後述の表1のAC+8.89cm(3.5インチ)、AC噴霧中心、およびAC-8.89cm(3.5インチ)で示される3つの表記(また、これらはすべて赤色で示される)によって示される粒子サイズ分布を有することができる。AC噴霧中心の曲線が、累積分布に対しての、出口22から61cm(24インチ)の直線距離における流体流れFの中心(つまり、出口22から、出口22から61cm(24インチ)のポイントまで延在する中心線)で測定される粒子サイズを表す。AC+8.89cm(3.5インチ)の曲線が、累積分布に対しての、出口22から61cm(24インチ)の直線距離における流体流れFの中心の上方8.89cm(3.5インチ)において測定される粒子サイズを表す。AC-8.89cm(3.5インチ)の曲線が、累積分布に対しての、出口22から61cm(24インチ)の直線距離における流体流れFの中心の下方8.89cm(3.5インチ)において測定される粒子サイズを表す。
【0024】
[0037]限定することではなく単に比較することを目的として、従来の噴霧器装置の場合のその噴霧における、累積分布に対しての粒子サイズ分布を、この噴霧器装置の出口から61cm(24インチ)の直線距離において測定した。累積分布に対してのこの噴霧器装置の噴霧の粒子サイズ分布が、後述の表1のBF+8.89cm(3.5インチ)、BF噴霧中心、およびBF-8.89cm(3.5インチ)で示される3つの表記(また、これらはすべて緑色で示される)によって示される。BF噴霧中心の曲線が、累積分布に対しての、出口から61cm(24インチ)の直線距離における噴霧の中心(つまり、出口から、出口から61cm(24インチ)のポイントまで延在する中心線)で測定される粒子サイズを表す。BF+8.89cm(3.5インチ)の曲線が、累積分布に対しての、出口から61cm(24インチ)の直線距離における噴霧の中心の上方8.89cm(3.5インチ)において測定される粒子サイズを表す。BF-8.89cm(3.5インチ)の曲線が、累積分布に対しての、出口から61cm(24インチ)の直線距離における噴霧の中心の下方8.89cm(3.5インチ)において測定される粒子サイズを表す。
【0025】
[0038]
図9に示される累積分布に対しての粒子サイズ分布が粒子サイズ分析器(HELOS/KF)を使用して測定され得る。縦軸が全粒子のパーセンテージとして累積分布を表す。例えば、チャート上の赤色実線を見ると、約100pmでは60%の指標を横断している。これは、粒子の60%が100pmより小さく、対して粒子の40%が100μmより大きいことを意味する。約300pmで赤色線が100%に到達する。これはすべての粒子が300pm以上であることを意味する。
【0026】
[0039]
図10および
図11に関して、1つまたは複数の実施形態による噴霧器装置がミストを発生させることができ、ここでは、最小の粒子サイズが噴霧のちょうど中心に向かって集まる。
図10に示されるように、粒子サイズ(第10パーセンタイルおよび第50パーセンタイルのサイズが示される)は、噴霧の外側部分と比較すると噴霧の中心に向かって有意に小さくなっている。
図11が、従来のデバイスと比較して、本明細書で説明される噴霧器装置によって発生する粒子サイズ分布を示す。全般的に見ると、1つまたは複数の実施形態による噴霧器装置は全体としてより小さい粒子を作り出しており、同時に噴霧の中心において、より明確な最小値も作り出している。
【0027】
[0040]実施形態および例の上記の記述は例示および説明のために提示されたものである。上記の記述は包括的であることを意図されず、また説明される形態のみに限定されることを意図されない。上記の教示に照らして多数の修正形態が可能である。これらの修正形態のうちの一部の修正形態を考察してきたが、当業者であれば他の修正形態も理解するであろう。企図される特定の使用に適するような種々の実施形態の原理を最良に例示するために、これらの実施形態を選択して説明した。もちろん、範囲は本明細書に記載される例のみに限定されず、当業者により任意の数の用途および等価のデバイスにおいて採用され得る。したがって、むしろ、添付の特許請求の範囲により本発明の範囲が定義されることが意図される。
【誤訳訂正書】
【提出日】2022-03-03
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】図面
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】図面
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】図面
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【誤訳訂正4】
【訂正対象書類名】図面
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【国際調査報告】