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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-19
(54)【発明の名称】複合材料車両構成要素構成物
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20220812BHJP
   B62D 29/04 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B60J5/10 R
B62D29/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573964
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020037167
(87)【国際公開番号】W WO2020252124
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/859,796
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518153036
【氏名又は名称】テイジン オートモーティブ テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォラン ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】プラウマン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン-ギブ エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ダーハム パトリック
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203BB77
3D203CA09
(57)【要約】
車両構成要素構成物およびそれを作成するプロセスが、複合サンドウィッチ・パネル材料から形成されるフレームと、そのフレーム内の透明樹脂から形成される窓とを含む。フレームの複合サンドウィッチ・パネル材料は、複数の細孔を画定するオープン・エリア・コアと、第1の接着層によってオープン・エリア・コアの第1の面に接着される高光沢表面シートと、第2の接着層によってオープン・エリア・コアの第2の面に接着される構造性表面材と、を含む。フレームは、フレームの外部側表面から、それの反対側に対置されたフレームの内部側表面へ延びる貫通開口を画定する。窓が、フレームの貫通開口内に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両構成要素構成物であって、
複合サンドウィッチ・パネル材料から形成されるフレームであって、複数の細孔を画定するオープン・エリア・コアと、第1の接着層によって前記オープン・エリア・コアの第1の面に接着された高光沢表面シートと、第2の接着層によって前記オープン・エリア・コアの第2の面に接着された構造性表面材とを包含し、前記フレームが、前記フレームの外部側表面から、反対側に対置される前記フレームの内部側表面まで延びる貫通開口を画定するフレームと、
前記フレームの前記貫通開口内に形成される窓であって、透明樹脂から形成される窓と、
を包含する、車両構成要素構成物。
【請求項2】
前記フレームの前記外部側表面は、前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートによって画定され、前記反対側に対置される前記フレームの内部側表面は、前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記構造性表面材によって画定される、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項3】
前記車両構成要素構成物は、車両の車体部分である、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項4】
さらに、前記フレームの前記内部側表面に位置決めされるロック・メカニズムと、前記フレームの前記外部側表面に位置決めされるハンドルと、前記フレームの前記内部側表面に取り付けられる複数のヒンジと、前記フレームの前記外部側表面に回動可能にマウントされるワイパ・ブレードであって、前記窓と係合するべく構成されるワイパ・ブレードと、前記フレームの前記内部側表面に位置決めされるローラ・システムであって、車両の外部側表面に位置決めされるレール内を滑るべく構成されるローラ・システムと、前記構造性表面材に取り付けられる装飾層のうちの少なくとも1つを包含する、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項5】
前記透明樹脂は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)である、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項6】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記オープン・エリア・コアは、配列である、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項7】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記オープン・エリア・コアは、セルロース類、熱可塑性物質、熱硬化性物質、金属、または発泡体のうちの少なくとも1つから形成される、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項8】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートは、シート・モールディング・コンパウンド(SMC)、熱可塑性シート、ジシクロペンタジエン(DCPD)、またはオーバモールド・ポリウレタン(PU)、のうちのいずれか1つから形成される、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項9】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートは、フィラーを包含する、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項10】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートは、着色剤を包含する、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項11】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートは、0.5から3.5mmまでの厚さを有する、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項12】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料は、0.01-1:1の、前記オープン・エリア・コアの厚さに対する前記高光沢表面シートの厚さの比を有する、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項13】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料は、前記高光沢表面シートと前記オープン・エリア・コアの間の中間に布地を有する、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項14】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記第1の接着層は、前記オープン・エリア・コアの内部容積と接触する、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項15】
前記構造性表面材は、繊維マットから形成される、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項16】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記第1の接着層および前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記第2の接着層は、それぞれ独立に、ポリウレタンまたはポリウレタンプレポリマ、湿気硬化接着剤、反応性ホットメルト接着剤、またはポリウレタン樹脂である、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項17】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料は、前記オープン・エリア・コアの前記細孔内に充填材を有し、前記充填材は、消音発泡材、難燃材、または相変化材料のうちの少なくとも1つである、請求項1乃至8のいずれかに記載の車両構成要素構成物。
【請求項18】
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートおよび前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記構造性表面材は、互いに接合されて、耐湿シールを画定する縁部を形成する、請求項1に記載の車両構成要素構成物。
【請求項19】
さらに、前記縁部の前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記高光沢表面シートと前記構造性表面材の間に配置されるガスケットを包含する、請求項18に記載の車両構成要素構成物。
【請求項20】
請求項1乃至8のいずれかに記載の前記車両構成要素構成物を形成するためのプロセスであって、
前記複合サンドウィッチ・パネル材料のシートを型の中に置くことと、
前記複合サンドウィッチ・パネル材料の前記シートを、あらかじめ決定済みの前記フレームの形状に切断することと、
前記型の中に前記透明樹脂を射出して前記フレームの前記貫通開口内に前記窓を形成することと、
を包含するプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、参照によりこれに援用される2019年6月11日に出願された米国特許仮出願第62/859,796号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、複合材料に関し、特に、複合オープン・エリア・コア・サンドウィッチ構造体および透明樹脂で形成された窓で形成される車両ドアまたは車体の構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
バンおよびスポーツ・ユーティリティ・ビークル等の軽量かつ酷使に耐えるオールテレーン多目的車両の人気が、仕事用および個人用両方の用途においてますます高まってきた。これらの車両には、通常、開閉して車両のトランク空間または荷室の露出および閉じ込めを行う跳ね上げゲートまたはリア・ハッチ・ドアが装備されている。それに加えて、いくつかのその種の車両は、レール上をスライドして開閉し、車両の搭乗者室の部分の露出および閉じ込めを行うスライド式サイド・ドアを含む。通常の跳ね上げゲート、ドア、および車体パネルはまた、車両の構造体構成要素も形成し、それぞれ、後方または側方の衝突衝撃におけるエネルギの吸収、および耐衝撃性を提供する。通常の跳ね上げゲート、ドア、および車体パネルは、車両の構造部品の要件である高い強度を提供するために、アルミニウムまたは鋼から形成される。それに加えて、通常の跳ね上げゲート、ドア、および車体パネルは、しばしば窓を含み、運転者は、それを通して見ることができる。その種の窓は、ガラスから、たとえば、間に薄いビニル層を伴った2つのガラスの層で形成される合わせガラス等から形成される。窓は別個に形成され、その後、跳ね上げゲート、ドア、または車体パネルを形成するフレーム構造に取り付けられる。
【0004】
自動車、輸送、および物流を基礎に置く産業における重量軽減は、より燃料効率のよい車両を作るための主要な焦点である。車両における重量軽減を達成するために、典型的な金属製の構造ならびに表面の車体構成要素およびパネルに代わる軽量の複合材料が導入された。複合材料は、有意に異なる物理的または化学的特性を伴い、組み合わされたときに個別の構成要素とは異なる特徴を伴う材料を生み出す、2つまたはそれより多くの構成材料から作られる材料である。個別の構成要素は、完成構造内において別々に区別可能なまま残る。複合材料は、多くの理由から選ばれることがある。一般的な例には、伝統的な材料と比較したとき、より強く、より軽いか、またはより高価でない材料が含まれる。
【0005】
サンドウィッチ構造の複合材料は、2つの薄いが硬い表皮層を、軽量だが厚いコアに取り付けることによって加工された複合材料の特定のクラスである。コア材料は、通常、強度の低い材料であるが、より増した厚みが全体的に低い密度とともに高い曲げ剛性を伴ったサンドウィッチ複合材を提供する。サンドウィッチ構造体は、以前から開発されており、強度および軽量化を提供するが、品質の高い光沢表面の獲得が車両の外部側において可能になることが、表面の最外側層が熱硬化性樹脂であるか、またはそれが熱可塑性であるかによらず、解決するべき課題として残されている。これらの努力の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6に見られる。従来的には、たとえば、跳ね上げゲート、ドア、および車体パネル等の車両の表面に高い光沢が必要とされる設定においては、その種のサンドウィッチ構造体を使用しないか、または高光沢の最外側層を提供する追加の外側層に頼るかのいずれかが行われている。その種の最外側層は、構造体の製造後または塗型を通じて適用することが可能であり、そのいずれもが、製造のコストならびに複雑性の追加を招く。
【0006】
サンドウィッチ構造体に伴うさらに別の従来的な問題は、縁部が効果的でなく、湿気または湿分の浸透を許してしまい、それがコア内に入り込み、しばしば完成車両表面の要件に調和しないことである。温度が極端になると、この入り込んだ湿分が構造の耐用年数を短縮する可能性がある一方、それらの重量も増加する。これらの湿分の浸透の問題は、特に、コアが紙等のセルロース系材料から形成される場合に著しい。したがって、その種の複合サンドウィッチ構造体は、跳ね上げゲートおよびドアの形成にとって、車両のその種のエリアが風雨にさらされることを考えれば不適切であるとされてきた。
【0007】
また、跳ね上げゲート、ドア、および車体パネルが軽量の複合材料から形成される場合であってさえ、ガラス窓部分が重く、それによってその種の構成要素の重量を軽減できる程度が制限される。それに加えて、窓が、跳ね上げゲート、ドア、または車体パネルの構造とは別々に形成され、したがって、完全な跳ね上げゲート、ドア、または車体パネルを形成するために、別個の接合または取り付け工程を必要とし、結果として製造スループットの低下、コストの追加、およびツーリングの追加を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,087,500号明細書
【特許文献2】米国特許第4,803,108号明細書
【特許文献3】米国特許第8,091,286号明細書
【特許文献4】米国特許第4,369,608号明細書
【特許文献5】米国特許第3,553,054号明細書
【特許文献6】国際公開第2018/202473号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、製造スループットの向上およびコストの削減とともに能率化された製造プロセスによって形成される窓部分を有する軽量の複合材料から形成された、軽量、高強度の車両構成要素構成物を求める必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、製造スループットの向上およびコストの削減とともに能率化された製造プロセスによって形成される窓部分を有する軽量の複合材料から形成された、軽量、高強度の車両構成要素構成物を提供する。実施態様によれば、独創性に富む車両構成要素構成物が、複合サンドウィッチ・パネル材料から形成されるフレームと、そのフレーム内の透明樹脂から形成される窓とを含む。フレームの複合サンドウィッチ・パネル材料は、複数の細孔を画定するオープン・エリア・コアと、第1の接着層によってオープン・エリア・コアの第1の面に接着される高光沢表面シートと、第2の接着層によってオープン・エリア・コアの第2の面に接着される構造性表面材と、を含む。フレームは、フレームの外部側表面から、それの反対側に対置されたフレームの内部側表面へ延びる貫通開口を画定する。窓が、フレームの貫通開口内に形成される。実施態様によれば、車両構成要素構成物は、車両のテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドアである。
【0011】
また本発明は、上に述べた独創性に富む車両構成要素構成物を形成するためのプロセスも提供する。プロセスは、複合サンドウィッチ・パネル材料のシートを型の中に置くことと、複合サンドウィッチ・パネル材料のシートを、あらかじめ決定済みのフレームの形状に切断することと、型の中に透明樹脂を射出してフレームの貫通開口内に窓を形成することとを含む。
【0012】
以下、次に挙げる図面に関して本発明をさらに詳細に説明するが、これらは、本発明の特定の側面を示すことが意図されたものであって、本発明の実施を限定するとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】独創性に富む車両構成要素構成物のいくつかの実施態様を特徴とする車両の後方斜視図である。
図2】本発明の実施態様に従った跳ね上げゲートまたはテールゲートを伴い、それが開かれた位置にある図1の車両の後方斜視図である。
図3】本発明の実施態様に従った独創性に富む車両構成要素構成物の斜視図である。
図4】独創性に富む構成要素構成物の実施態様の形成に使用される複合サンドウィッチ・パネル材料の部分破断斜視図である。
図5】六角形の細孔を二等分するラインに沿って切断した図4の複合サンドウィッチ・パネル材料の部分破断拡大側面図である。
図6A】複合サンドウィッチ・パネル材料の縁部の断面図である。
図6B】複合サンドウィッチ・パネル材料の縁部の断面図である。
図6C】複合サンドウィッチ・パネル材料の縁部の断面図である。
図6D】複合サンドウィッチ・パネル材料の縁部の断面図である。
図7】独創性に富む構成要素構成物の実施態様の形成に使用されるコンジットを含む複合サンドウィッチ・パネル材料の部分破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、製造スループットの向上およびコストの削減とともに能率化された製造プロセスによって形成される、軽量の複合オープン・エリア・コア・サンドウィッチ構造体から形成された軽量、高強度の跳ね上げゲート、ドア、または車体パネル構成物としての有用性を有する。複合サンドウィッチ構造体の使用は、強度を失うことなく、鋼またはアルミニウム等の伝統的な材料に置き換わることを可能にする。それに加えて、本発明は、中に同時に形成される透明窓部分を有する跳ね上げゲート、ドア、または車体パネル構成物としての有用性を有し、跳ね上げゲート、ドア、または車体パネル構成物の重量をさらに軽減する一方、製造サイクル時間ならびにスループットも改善する。
【0015】
実施態様によれば、跳ね上げゲート、ドア、または車体パネル構成物が、参照によってこれにその内容が援用される2018年12月3日に出願された同時係属の米国特許仮出願第62/774,600号に詳細が述べられているとおりのサンドウィッチ複合構造体から形成される。その中に記述されているとおり、サンドウィッチ複合構造体の実施態様は、塗布時は粘稠な接着剤または糊を用いてオープン・エリア・コアに接着される高光沢表面シートおよび構造性表面材を提供する。塗布時の接着剤の粘性は、オープン・エリア・コアの内部容積と接触して、より大きな接着表面積を作り出すことを可能にするが、それにもかかわらず接着剤が硬化するか、または硬くなる前にオープン・エリア・コア内に画定された細孔内に過剰に流れることはなく、それによってサンドウィッチ複合構造体の構成要素の間においてより大きな接着接触面積を提供する。その結果として、サンドウィッチ複合構造体の構成要素の層間剥離の低減をはじめ、高光沢表面シートへの接合ラインのリードスルーが排除されることが観察される。認識されるとおり、追加の最外側層に頼ることなく高光沢外部側表面を提供することは、複合サンドウィッチ・パネル構造体の反対側の表面の張力特性をバランスさせて構造体の反りに関連付けされる許容度の喪失を回避することが要求される。本発明の実施態様は、耐水および防水の複合サンドウィッチ・パネル構造体としての有用性も有する。
【0016】
次に、以下の実施態様を参照して本発明を説明する。これらの説明によって明らかになるとおり、本発明は、異なる形式で具体化することが可能であり、ここに示されている実施態様に限定されるとして解釈されるべきでない。むしろこれらの実施態様は、この開示がこの分野の当業者に対して本発明の範囲が徹底かつ完璧に、かつ完全に伝えられるように提供される。たとえば、1つの実施態様に関して図解されている特徴をほかの実施態様に組み入れることが可能であり、また、特定の実施態様に関して図解されている特徴は、その実施態様から削除できることがある。それに加えて、この分野の当業者には、この開示に照らせば、ここに提案されている実施態様に対する本発明から逸脱しない多数の変形および追加が明らかである。したがって、以下の明細は、本発明のいくつかの特定の実施態様を例証することが意図されており、すべての並べ替え、組み合わせ、およびそれらの変形を網羅的に記してはいない。
【0017】
理解されるものとするが、値の範囲が提供されている場合においては、その範囲が、範囲の端点の値だけでなく、範囲内に明示的に含まれ、かつその範囲の最下位の数字によって変動することから、範囲の中間の値も包含することが意図されている。例として述べれば、1から4までと述べられている範囲は、1-2、1-3、2-4、3-4、および1-4を含むことが意図されている。
【0018】
別段の定義がない限り、この中に使用されているすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。この中で、本発明の説明に使用されている用語は、特定の実施態様の説明だけを目的とし、本発明を限定することは意図されていない。
【0019】
別段に示さない限り、次に示すとおりにこの中では次の用語が明示的に、または文脈によって使用される。
【0020】
本発明の説明および付随する特許請求の範囲の中で使用されるとき、単複を明示しない形式の「ある」および「前記」等は、複数形式も含むことが、文脈が明確にそうでないことを示さない限り意図されている。
【0021】
また、この中で使用されるときの「および/または」は、関連するリストされた項目のうちの1つまたは複数のあらゆる可能性のある組み合わせをはじめ、代替(「または」)において解釈されるときには組み合わせの不在を言い、かつそれらをカバーする。
【0022】
この中で使用されるときの用語「高光沢表面」は、部品表面に対して垂直に約24-28インチ離れた観察者が、良好に照明されたエリア内を+/-90度で約3秒間にわたって目視検査するときに知覚可能な最小限の表面瑕疵を有する表面を言う。言い換えると、用語「高光沢表面」は、塗装可能かつ「クラスA」車体部品として許容される表面を言う。これは、一般にASTM D523によって測定されている。自動車産業において、クラスA表面は、車両を機能させる(たとえば、フードまたはデッキリッドを開く)ことなく消費者が見ることが可能な表面であり、クラスA表面仕上げは、概して、塗装済み外側パネル、特に鏡像の明瞭性(DOI)および部品の光沢レベルを言う。認識されるであろうが、表面層は、高光沢を与える塗装コーティングを受ける前に、研磨、トリミング、および下塗り塗装が施されることがあり、それにもかかわらず、高光沢仕上げが達成されるように、寸法精度および下塗りおよび塗装に対する接着均一性を保持しなければならない。
【0023】
図1および2は、独創性に富む車両構成要素構成物52、52’、52”、52’”、52””のいくつかの実施態様を特徴とする車両50の後方斜視図である。実施態様によれば、独創性に富む車両構成要素構成物は、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52;スライド・ドア52’;車体パネル52”、52””;またはルーフ・パネル52’”、たとえば、ムーン・ルーフを有するそれである。図の明瞭性のために、独創性に富む車両構成要素構成物の実施態様の特徴に関する参照番号は、特に示されていない限り、概して、車両構成要素構成物52に関して示されている;しかしながら、説明され、かつ参照されている特徴が、独創性に富む車両構成要素構成物52、52’、52”、52’”、52””の実施態様のすべての中に存在し得ることは理解されるであろう。実施態様によれば、独創性に富む車両構成要素構成物は、複合サンドウィッチ・パネル材料10から形成されるフレーム54および窓56を含む。フレーム54は、外部側表面58およびその反対側に対置された内部側表面60を有する。フレーム54は、それの中に、フレーム54の外部側表面58からフレーム54の内部側表面60へ延びる貫通開口62を画定する。窓56が、フレーム54の貫通開口62内に形成される。窓56は、透明樹脂またはガラス等の透明材料から形成される。
【0024】
実施態様によれば、窓56が、射出成形によって形成される。その種の実施態様においては、窓56を形成する透明樹脂が、好ましくはフレーム54の形状の形成に使用される型と同じ型の中に射出される。したがって、全体の車両構成要素構成物は、単一の型または製造装置から単一のユニットとして形成され得る。このことは、製造のための時間およびコストに有意の節約を提供する。
【0025】
実施態様によれば、窓56の透明樹脂が、高い耐衝撃性および靱性を有するアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の熱可塑性樹脂である。それに加えて、樹脂によって形成された窓56は、典型的なガラス窓より重量において有意により軽く、それによって車両構成要素構成物の重量を有意に軽減する。実施態様によれば、ABS樹脂が、15乃至35%のアクリロニトリル、5乃至30%のブタジエン、および40乃至60%のスチレンを含む。ABSから形成される構成要素は、高い耐衝撃性および靱性を有し、そのことがABS樹脂を、車両の窓の形成のために特に良好に適したものにしている。透明樹脂は、耐衝撃性、靱性、および耐熱性を向上させるべく調整が可能である。たとえば、スチレンと、またアクリロニトリルとの関係でポリブタジエンの割合を増加することによっても耐衝撃性を増幅することが可能であるが、これは、そのほかの性質に変化を生じさせる。耐衝撃性は、より低い温度において急速に低下しない。透明樹脂は、さらに、最終製品に向けて材料が処理される条件を修正することによって調整することが可能である。たとえば、高温での成形は、製品の光沢および耐熱性を向上させ、もっとも高い耐衝撃性および強度は、低温における成形によって獲得される。繊維(通常はガラス繊維)および添加物を樹脂ペレット内に混合して、最終製品を強くし、最高動作温度を80℃(176°F)まで高めることが可能である。実施態様によれば、窓56に色合いが付けられて車両内にUV保護が提供されるように透明樹脂に粒子が追加される。実施態様によれば、紫外線の有害な効果に耐える窓56の能力を増加するべく透明樹脂に添加物が提供される。
【0026】
実施態様によれば、窓56がガラスから形成される。その種の実施態様においては、ガラス窓56の周りにフレーム54が成形されるような方法でガラス窓56を位置決めできる。それに代わるものとしては、ガラス窓56が、フレーム54内に形成された貫通開口62を取り囲むリップに接合される。
【0027】
実施態様によれば、ガラスまたは透明樹脂のいずれかから形成される窓56が、窓56内に成形される窓用デフロスタ・エレメントを含む。実施態様によれば、窓用デフロスタ・エレメントは、窓56上に形成される霜、くもり、または氷がワイヤの加熱によって除去可能となるように電気的に加熱されるべく構成された複数のワイヤである。実施態様によれば、窓56のウィンドウ・デフロスタ・エレメントが、窓56の外側に位置決めされるコネクタを含む。このコネクタは、対応する、フレーム54上に位置決めされるコネクタと接続されるべく構成される。
【0028】
上で触れたとおり、フレーム54は、複合サンドウィッチ・パネル材料10から形成される。複合サンドウィッチ・パネル材料10は、面17および17’で終端する細孔24の秩序配列を画定する壁26を伴うオープン・エリア・コア12と、第1の接着層20によってオープン・エリア・コア12の第1の面17に接着される高光沢表面シート14と、第2の接着層22によってオープン・エリア・コア12の第2の面17’に接着される構造性表面材16とを含む。高光沢表面シート14は、車体外部側表面として適している高光沢仕上げを有する。実施態様によれば、フレーム54の外部側表面58は、複合サンドウィッチ・パネル材料10の高光沢表面シート14によって画定され、反対側に対置されたフレーム54の内部側表面60は、複合サンドウィッチ・パネル材料10の構造性表面材16によって画定される。したがって、フレーム54が、構造部品として、かつ同時に装飾部品として形成され、完全な車両構成要素に必要とされる高光沢パネルがフレーム54とは別に追加されることはない。
【0029】
図4に示されているとおり、表面シート14の一部が切り落とされて接着層20、布地(存在する場合)、およびオープン・エリア・コア12が見える。表面シート14は、第1の接着層20によってオープン・エリア・コア12の第1の側に接着されている。実施態様によれば、表面シート14は、外向きに面する高光沢表面15を提供する。図5は、本発明の実施態様に従った独創性に富む車両構成要素構成物52の形成に使用される複合サンドウィッチ・パネル材料10の拡大断面図である。図5は、複合サンドウィッチ・パネル材料10を構成する多様な層のさらなる詳細を示している。いくつかの実施態様においては、布地19が、オープン・エリア・コア12の面17と表面シート14の間の中間に存在し、その場合は、布地19が接着層20の中に埋め込まれる。構造性表面材16は、反対側のオープン・エリア・コア12の第2の側に、第2の接着層22によって接着される。いくつかの実施態様においては、布地19’が、オープン・エリア・コア12の面17’と構造性表面材16の間の中間に存在し、その場合は、布地19’が接着層22の中に埋め込まれる。
【0030】
実施態様によれば、オープン・エリア・コア12が、オープン・エリア・コア12の全体的な密度が減じられるように複数の細孔24を画定する軽量の材料から形成される。オープン・エリア・コア12は、多様な材料から形成され、それには、段ボール、板紙、紙料等のセルロース類;ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテル、スルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、およびこれらのうちのいずれか1つのブロック共重合体であって、これらのうちの少なくとも1つが共重合体の主要な重量を構成するものといった、重合体または共重合体の立体規則性によらない熱可塑性物質;ポリエステル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリウレア/ポリウレタン、エポキシ、ビニルエステル等の熱硬化性物質;アルミニウム、マグネシウム、これらのうちの任意の1つの合金であってこれらの金属のうちの少なくとも1つが合金の主要な重量を構成するものといった金属;ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、オアエアロゲル(oraerogel)から形成される発泡体であって、それが開放型セルであるか、または閉鎖型セルであるかによらない発泡体が含まれる。オープン・エリア・コア(たとえば、12)の特定の実施態様において細孔24を画定する壁26の上縁部は、六角形、円形、菱形、三角形、平行四辺形、および直角四辺形、ハニカム状、ダイアモンド形、正方形、三角形、平行四辺形、円形、またはこれらの組み合わせ等の多様な形状の配列を形成する。いくつかの実施態様においては、面17と17’の間の最大限の直線範囲に対する壁26の厚さの比が、0.01-10:1の間である。この種の実施態様における壁厚は、0.1mmから100mmの範囲となる。
【0031】
接着層20、22は、熱可塑性または硬化可能な配合のポリウレタンまたはポリウレタンプレポリマ接着剤のうちのいずれかから形成され、これらは、糊、湿分硬化接着剤、反応性ホットメルト接着剤、またはポリウレタン樹脂の形式とすることができる。図5に示されているとおり、表面シート14とオープン・エリア・コア12の間および構造性表面材16とオープン・エリア・コア12の間の接着層20、22に印加される圧縮力に起因して、接着層20、22は、面17および壁26との接触時に、オープン・エリア・コア12の細孔24を部分的に満たすような初期粘性を有するべく設計されている。この接着層20、22の粘性は、接着剤が最終強度に達する前にオープン・エリア・コア内に画定されている細孔内に接着剤が過剰に流れ込まないことを保証する。したがって、表面シートおよび構造性表面材とオープン・エリア・コアの間における接着のための接着表面積は、その面における壁の表面積より少なくとも5%は大きい。この接着表面積の増加は、複合サンドウィッチ10の構成要素の層間剥離を低減し、驚くことに、接合ラインのリードスルーを呈さない、より薄い表面シートの使用を可能にする。接着表面積のカバレッジを、表面積の10乃至50パーセント増加する結果として、比較的高価な高光沢表面シートの厚さを、接合ラインのリードスルーを防止しつつもなお、1.5mmから1.3と0.8mmの間まで減じることが可能になる。
【0032】
複合サンドウィッチ・パネル10の高光沢表面シート14は、シート・モールディング・コンパウンド(SMC)、熱可塑性物質、ジシクロペンタジエン(DCPD)、オーバモールド・ポリウレタン(PU)、またはこれらの組み合わせから形成される。実施態様によれば、表面シート14は、高光沢表面15を有する高光沢表面シートである。表面シート14は、高光沢表面シート14を補強するか、かつ/またはその重量を減少させる働きのあるフィラー材料30を含むことが可能である。フィラー材料30は、ガラス繊維、カーボン繊維、天然繊維、中空もしくは中実ガラス微小球、またはこれらの組み合わせのいずれかである。繊維は、方向性または無方向性であり得る。SMCが高光沢表面を形成するいくつかの独創性に富む実施態様においては、TCA(R)およびTCA(R)ULTRA-LITE TMの商標名の下にContinental Structural Plastics, Inc.(コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス・インク)によって販売されている樹脂パッケージがここで使用される。それの例示的な配合は、米国特許第7,700,670号;国際公開第2017/184761号;および米国特許第7,524,547号に詳細がある。認識されるであろうが、高光沢シートは、寸法精度を保持する添加物をごく一般的に含む。その種の添加物は、ごく一般的に、ガラス繊維;カーボン繊維;炭酸カルシウム、タルク、およびカーボン・ブラック等の無機粒子フィラー;ガラス微小球;カーボン・ナノチューブ;グラフェン;低収縮添加物;湿分除去剤;およびこれらの組み合わせを含む。本発明における高光沢表面シートの代表的な厚さは、縁部を顧慮せずに、0.5から5ミリメートル(mm)までの範囲内である。
【0033】
実施態様によれば、複合サンドウィッチ・パネル10の高光沢表面シート14を形成するシート・モールディング・コンパウンド(SMC)、熱可塑性物質、ジシクロペンタジエン(DCPD)、オーバモールド・ポリウレタン(PU)、またはこれらの組み合わせに着色剤が添加される。したがって、その種の複合サンドウィッチ・パネル10から形成されるフレーム54の外部側表面58に、車両外部側の色が提供され、それによって下塗りおよび塗装等の追加の構成要素仕上げプロセスが排除される。
【0034】
この分野の当業者によって理解されるとおり、高光沢表面シートは、比較的高密度の構成要素であり、かつ使用される材料と、クラスA車体部品に適した、知覚可能な表面瑕疵を最小限に維持するために必要とされる形成プロセスを考えると製造が高価な部分となる傾向がある。したがって、複合サンドウィッチ・パネル材料10のコストおよび重量を減ずるために、高光沢表面シート14の厚さを減じ、可能な限り薄くすることが望ましい。これもまた理解されるであろうが、高光沢表面シート14の厚さを減少させると、高光沢表面シート14が、オープン・エリア・コア12の上の面17の限られた部分によって支持されるときに変形する傾向がある。第1の接着層20の大きな接触表面積が有利であるという結論に至る一方、いくつかの独創性に富む実施態様においては、布地19が第1の接着層20内に埋め込まれる。
【0035】
構造性表面材16が、第2の接着層22によってオープン・エリア・コア12の第2の側に接着される。構造性表面材16は、無方向性、単方向性の、不織繊維もしくは織られた繊維を有する繊維マット、熱可塑性シート、またはSMCから形成される。構造性表面材16は、堅牢かつ耐久性のある表面を提供する。いくつかの実施態様においては、構造性表面材16が、表面シート14の裏側を終端し、オープン・エリア・コア12をカプセル化する。
【0036】
特定の実施態様によれば、複合サンドウィッチ・パネル材料10が消音、難燃性能、断熱、またはこれらの組み合わせを、オープン・エリア・コア12の細孔24内に音および/または熱吸収材料を配置することによって提供する。実施態様によれば、オープン・エリア・コア12の細孔24に、少なくとも部分的に充填材49が充填される。充填材は、例証として述べれば、発泡ペレット、難燃材、または相変化材料を含む。これにおいて効果のある相変化材料は、ワックスまたは無機塩水和物を含む。
【0037】
表面シート14および構造性表面材16は、複合サンドウィッチ・パネル材料10の縁部33A-33Dに沿って互いに接合され、図6A-6Dのそれぞれに示されているとおり、シールを形成する。複合サンドウィッチ・パネル・アッセンブリ10のすべての縁部がシールされる特定の実施態様においては、オープン・エリア・コア12が、完全に閉じ込められて、複合サンドウィッチ・パネル・アッセンブリ10の内部に湿分が入り込むことが防止される。複合サンドウィッチ・パネル・アッセンブリ10から形成された独創性に富む車両構成要素構成物52の構成要素が日光、雪、湿気、および雨を含む自然の要素にさらされることを前提とし、部品内の湿分の凍結融解サイクルが複合サンドウィッチ・パネル材料10の膨張および潜在的な障害を生じさせ、車両構成要素構成物52の損傷を招くことを考えると、複合サンドウィッチ・パネル材料10の内部への湿分の入り込みを防止することは重要である。それに加えて、オープン・エリア・コア12が、紙等の親水性材料から形成される実施態様においては、複合サンドウィッチ・パネル・アッセンブリ10内の湿分が、オープン・エリア・コア12を破壊し、部品を役立たなくする。
【0038】
図6A-6Dは、この開示に従って、表面シート14と構造性表面材16が互いに接合されてシールされた縁部33A-33Dを形成する方法の多様な実施態様をそれぞれ示している。いくつかの独創性に富む実施態様においては、表面シート14と構造性表面材16の間の33Cにエラストマ・ガスケット34が配置されて、縁部33Cの耐水性をより高くする。認識されるであろうが、ガスケットは、そのほかの縁部の接合33A、33B、および33Dにも容易に含められる。ガスケット35は、より広い範囲の使用条件にわたる縁部のシールの維持を強化する。
【0039】
この分野の当業者によって理解されるとおり、表面シート14と構造性表面材16の間に縁部のシールを形成することは、表面シート14と構造性表面材16のうちの少なくとも1つに、複合サンドウィッチ10の縁部周りに巻き付けるに充分な材料があることが要求される。実施態様によれば、表面シート14と構造性表面材16のうちの少なくとも1つが、複合サンドウィッチ10の最終的な縁部周りに材料を巻き付けることが可能となるように、最終的な複合部品の寸法より大きい寸法で提供される。特定の実施態様によれば、表面シート14と構造性表面材16のうちの少なくとも1つが、シート材料の平面から概ね垂直に延びる縁部を有するように、あらかじめ形作られる。
【0040】
実施態様によれば、縁部のシールが形成された後は、複合サンドウィッチから余分な材料が切り取られる。図6Aに示されているとおり、表面シート14によって形成されたディボット35Aに対してナイフまたはルータを押し付けることによって、複合サンドウィッチ・アッセンブリ10から構造性表面材16の余分な材料がトリミングされる。図6Bにおいては、表面シート14のショルダ35Bに対するツール係合のために、余分な材料の除去によって縁部33Bが形成される。図6Cにおいては、表面シート14のショルダ35Cに対するツール係合のために、余分な材料の除去によって縁部33Cが形成される。また、図6Dに示されているとおり、表面シート14と構造性表面材16のうちの1つまたは両方の余分な材料も、ショルダ35Dに対するツールの圧力を用いてトリミングされる。
【0041】
複合サンドウィッチ・パネル材料10の表面シート14および構造性表面材16が互いに接合されてシールされた縁部33A-33Dを形成し、それによって表面シート14および構造性表面材16の内方のオープン・エリア・コア12が保護されることを前提として、実施態様に従った独創性に富む車両構成要素構成物52、52’、52”、52’”、52””のフレーム54が、仕上げのために塗料の中に浸漬される。実施態様によれば、荷電されたコーティング内にフレーム54が浸漬され、それがフレーム54に惹きつけられてフレームが均一にコーティングされる電着がフレーム54に施される。
【0042】
再度図1-3を参照するが、独創性に富む車両構成要素の実施態様は、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52;スライド・ドア52’;車体パネル52”、52””;またはルーフ・パネル52’”、たとえば、ムーン・ルーフを有するそれを含む。実施態様によれば、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52、またはスライド・ドア52’が、ロック・メカニズム64を含む。ロック・メカニズム64は、複合サンドウィッチ・パネル材料10の構造性表面材16によって画定されるフレーム54の内部側表面60上に位置決めされる。実施態様によれば、フレーム54が形作られ、ロック・メカニズム64の形状およびそれの望ましい場所に対応するフレームの内部側表面60への開口部の切り取りを含めることができるフレーム54の形成の後に、ロック・メカニズムがフレーム54に取り付けられる。ロック・メカニズム64は、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52、またはスライド・ドア52’を車両フレームに関して閉じられた位置に保持するために互いに協働するべく構成されたラッチおよびキャッチを含むことができる。
【0043】
図7に示されているとおり、独創性に富むテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52;スライド・ドア52’;車体パネル52”、52””;またはルーフ・パネル52’”の実施態様は、各車両構成要素のフレーム54の複合サンドウィッチ・パネル材料10内に埋め込まれるコンジット・システム120を含む。図7に示されているとおり、コンジット・システム120は、独創性に富むテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52;スライド・ドア52’;車体パネル52”、52””;またはルーフ・パネル52’”のフレーム54を形成する複合サンドウィッチ・パネル・アッセンブリ10のオープン・エリア・コア12内に埋め込まれる。実施態様によれば、コンジット・システム120は、車両構成要素のフレーム54が形成される前に複合サンドウィッチ10のオープン・エリア・コア12内に成形される配管またはワイヤを包含する。実施態様によれば、コンジット・システム120は、電気配線、換気ダクト、または加熱エレメントを含む。したがって、独創性に富むテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52;スライド・ドア52’;車体パネル52”、52””;またはルーフ・パネル52’”の実施態様には、スピーカ、ライト、車両内の雰囲気を調節するためのエア・ベント、車両構成要素またはそこに形成された窓の上にある氷または雪を除去するためのデフロスタ・エレメント等の特徴を含めることが可能である。多様な車両構成要素のコンジット・システム120は、互いに整列させて、独創性に富むテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52;スライド・ドア52’;車体パネル52”、52””;またはルーフ・パネル52’”のそれぞれの電気配線、換気ダクト、および/または加熱エレメントが、車両の類似する電気配線、換気ダクト、および/または加熱エレメントに接続されて機能するように、車両全体を通じて単一の接続されたコンジット・システムを形成するべく構成される。
【0044】
実施態様によれば、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52、またはスライド・ドア52’は、ハンドル66を含む。ハンドル66は、複合サンドウィッチ・パネル材料10の高光沢表面シート14によって画定されるフレーム54の外部側表面58に位置決めされる。実施態様によれば、フレーム54が形作られ、ハンドル66の形状およびそれの望ましい場所に対応するフレームの外部側表面58への取り付け孔の穿孔を含めることができるフレーム54の形成の後に、ハンドル66が取り付けられる。
【0045】
実施態様によれば、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52が、車両フレームにテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52を移動可能に取り付ける複数のヒンジ68を含む。実施態様によれば、ヒンジ68は、複合構成物のフレーム58の内部側表面60に取り付けられる。実施態様によれば、フレームが、ヒンジ68の形状およびそれの望ましい場所に対応する複数の切り抜き70を含む。その種の切り抜き70は、フレーム54の材料から切り抜き70を切り抜くこと、またはフレーム54の形成時に成形によってフレーム内に切り抜き70を形成することのいずれかによってフレーム54内に形成される。実施態様によれば、切り抜き70が、図3に示されているとおり、フレーム54の上側または上縁部に沿って位置決めされる。その種の場合においては、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52が、図2に示されているとおり、ヒンジ68周りに回動して上向きに開位置まで移動する。実施態様によれば、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52が、ヒンジ68周りに回動して上向きに開位置まで移動するように、フレーム54の側縁部に沿ってヒンジが位置決めされる。
【0046】
実施態様によれば、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52が、フレーム54の外部側表面60に回動可能にマウントされるワイパ・ブレード72を含む。ワイパ・ブレード72は、窓56に係合して窓56の表面から液体、ごみ、および泥を払拭するべく構成される。実施態様によれば、ワイパ・ブレード72は、フレーム54が形成された後にフレーム54に取り付けられる。したがって、ワイパ・ブレード72の取り付けには、フレーム54の外部側表面58への取り付け孔の穿孔、およびファスナを用いたそれへのワイパ・ブレード72の取り付けを含めることができる。
【0047】
図2に示されているとおり、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52の実施態様は、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52と車体の間に取り付けられるべく構成された安全ケーブル51を含む。実施態様によれば、安全ケーブル51は、安全ケーブル51の第1の端部においてテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52に埋め込まれ、安全ケーブル51の反対側の端部において車体のフレームに取り付けられる。したがって、安全ケーブル51は、ヒンジ68とは別のポイントにおいて車体にテールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52を接続する。したがって、衝突またはヒンジ68の障害の場合に、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア52が車体に接続されたまま残される。実施態様によれば、スライド・ドア52’等の車両構成要素構成物が、フレーム54の内部側表面60に位置決めされたローラ・システム(図示せず)を含む。ローラ・システムは、車両50の車体パネル52”の外部側表面58に位置決めされるか、または形成されたレール74内を滑るべく構成される。
【0048】
この明細書内に述べられている特許文献および出版物は、本発明が属する分野の当業者のレベルを示す。これらの文献および出版物は、あたかも、それぞれ個別の文献または出版物が参照によって明確に、かつ個別にこの中に援用されているかのように、それと同程度で参照によりこれに援用される。
【0049】
以上の説明は、本発明の特定の実施態様の例証であり、それの実施を限定することは意図されていない。以下の特許請求の範囲は、すべてのその均等も含めて、本発明の範囲を定義することが意図されている。
【符号の説明】
【0050】
10 複合サンドウィッチ、複合サンドウィッチ・パネル、複合サンドウィッチ・パネル材料、複合サンドウィッチ・アッセンブリ、複合サンドウィッチ・パネル・アッセンブリ
12 オープン・エリア・コア
14 高光沢表面シート、表面シート
15 高光沢表面
16 構造表皮
17 第1の面
17’ 第2の面
19、19’ 布地
20 第1の接着層
22 第2の接着層
24 細孔
26 壁
30 フィラー材料
33A、33B、33C、33D 縁部
34 エラストマ・ガスケット
35 ガスケット
35A ディボット
35B、35C、35D ショルダ
49 充填材
50 車両
51 安全ケーブル
52 車両構成要素構成物、テールゲート、跳ね上げゲート、またはハッチ・ドア
52’ スライド・ドア
52”、52”” 車体パネル
52、52’、52”、52’”、52”” 車両構成要素構成物
54 フレーム
56 窓
58 外部側表面
60 内部側表面
62 貫通開口
64 ロック・メカニズム
66 ハンドル
68 ヒンジ
70 切り抜き
72 ワイパ・ブレード
74 レール
120 コンジット・システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
【国際調査報告】