(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-19
(54)【発明の名称】照明付きカニューレ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505621
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2020047487
(87)【国際公開番号】W WO2021041245
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518411372
【氏名又は名称】リバウンド セラピュティクス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】REBOUND THERAPEUTICS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】13900 Alton Parkway,Suite 120,Irvine,CA 92618,USA
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【氏名又は名称】丸山 重輝
(74)【代理人】
【識別番号】100213551
【氏名又は名称】丸山 智貴
(72)【発明者】
【氏名】ツカシマ ロス
(72)【発明者】
【氏名】フラー ドナルド ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット ジャック エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF42
4C160FF45
4C160MM22
(57)【要約】
近接装着されたカメラと近接装着された光源を有するカニューレ。光源は、カニューレの遠位端にあるワークスペースに向けて、遠位方向にビーム軸を有している。光源は集束レンズと結合しており、光源のビーム角を小さくし、カニューレ管内のグレアを低減させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
術野(surgical field)にアクセスするためのカニューレシステムであって、
近位端および遠位端を有するカニューレ管(6)、ならびに近位端から遠位端まで延びる内腔(9)を含むカニューレ(4);および前記カニューレ管(6)の近位端に固定された照明アセンブリ(10)を備え、
前記照明アセンブリ(10)は、光源(12)および集束レンズ(16)を備え、前記光源(12)は、第1のビーム軸(12B)および第1のビーム角(α)を有し、前記第1のビーム軸(12B)は前記集束レンズ(16)の光軸(11)と整列しており、
前記照明アセンブリ(10)は、出力ビーム角(β)および出力ビーム軸を有し、前記出力ビーム軸は、前記カニューレ管(6)の遠位端に向けられ、前記出力ビーム角(β)は、前記第1のビーム角(α)よりも小さい、
ことを特徴とするカニューレシステム。
【請求項2】
前記カニューレ管(6)の近位端にカメラアセンブリ(5)が固定されており、
該カメラアセンブリ(5)の一部が前記内腔(9)に張り出している、請求項1に記載のカニューレシステム。
【請求項3】
前記照明アセンブリ(10)は、前記光源(12)と反対側の前記集束レンズ(16)の側に配置されたプリズム(13)をさらに備え、前記集束レンズ(16)の光軸が前記プリズム(13)と整列し、出力ビーム軸が前記プリズム(13)の視軸に対応し、出力ビーム軸が前記集束レンズの光軸に対して斜めである、請求項1に記載のカニューレシステム。
【請求項4】
前記照明アセンブリ(10)は、前記光源と反対側の前記集束レンズの側に配置されたプリズム(13)をさらに備え、前記集束レンズの光軸が前記プリズムと整列し、出力ビーム軸が前記プリズムの視軸に対応し、出力ビーム軸が前記集束レンズの光軸に対して斜めである、請求項2に記載のカニューレシステム。
【請求項5】
前記出力ビーム角は、20°以下であり、好ましくは5°以下である、請求項1に記載のカニューレシステム。
【請求項6】
前記出力ビーム角は、20°以下であり、好ましくは5°以下である、請求項2に記載のカニューレシステム。
【請求項7】
前記出力ビーム角は20°以下であり、好ましくは5°以下である請求項3に記載のカニューレシステム。
【請求項8】
前記出力ビーム角は20°以下であり、好ましくは5°以下である、請求項4に記載のカニューレシステム。
【請求項9】
前記照明アセンブリは、前記集束レンズの光軸に対応する出力ビーム軸を有し、前記出力ビーム軸は、前記カニューレチューブの遠位端の方向に向けられる、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項10】
前記カメラアセンブリは、カニューレチューブの近位端に配置される最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項11】
前記照明アセンブリは、前記カニューレチューブの近位端に配置される最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項12】
前記照明アセンブリは、前記カニューレチューブの近位端に配置される最遠位光学面を有し;そして
前記ライトアセンブリは、前記カニューレチューブの近位端に配置されている最遠位光学面を有する、
請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項13】
前記カメラアセンブリは、前記カニューレチューブの近位端に近接して配置された最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項14】
前記照明アセンブリは、前記カニューレ管の近位端に近接して配置された最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項15】
前記カメラアセンブリは、カニューレ管の近位端に近接して配置された最遠位光学面を有し;そして
前記照明アセンブリは、前記カニューレ管の近位端に近接して配置される最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項16】
前記集束レンズは、GRINレンズである、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項17】
前記集束レンズは、凸レンズである、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項18】
前記照明アセンブリは、プリズムをさらに備え、前記集光レンズの光軸が前記プリズムと交差するように配置され、前記プリズムは、前記集光レンズからの光を前記カニューレ管の内腔に反射させる、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項19】
前記照明アセンブリは、プリズムをさらに備え、前記集束レンズの光軸は、前記カニューレ管の長軸に対して垂直であり、前記プリズムは、前記集束レンズからの光を前記内腔に反射する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載する発明は、腫瘍の治療のための低侵襲手術の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脳卒中は一般的な死因であり、神経系に障害をもたらす。米国では、毎年約70万人の患者が脳卒中に罹患している。そのうち、出血性脳卒中は年間脳卒中患者の20%を占めている。
出血性脳卒中は、脳の血管が破裂して脳組織に出血し、脳内に血腫(血の塊)ができることが原因である。長期的な脳損傷を抑制・防止するためには、血腫を速やかに除去することが必要である。
【0003】
血餅(血液が凝固したもの)とその周辺の術野を明確に可視化・画像化することで、血餅の除去を容易にする。
米国特許第10,172,525号において、我々は、カニューレ内腔および内腔の中および下の組織を見ることができるカメラを、カニューレの近位端に取り付けたシステムを開示している。
そのシステムでは、照明は、カニューレの遠位端に取り付けられたLEDによって、またはカニューレの近位端から遠位端に延びる光ファイバーを通して提供される。
【発明の概要】
【0004】
以下に記載される装置および方法は、近位に取り付けられたカメラを有するカニューレを含むカニューレシステムを使用して、体内の疾患組織の可視化の改善手法を提供し、カニューレの近位端に取り付けられた光源によって照明が提供される。
カニューレシステムは、カニューレ管の近位端に取り付けられたカメラアセンブリを有するカニューレ管を含み、カニューレ管の遠位端の近くの手術ワークスペースのビューを得るために、視軸がカニューレの遠位端の方に向けられたものである。
グレア(まぶしさ)を最小限に抑えながら十分な照明を提供するために、カニューレシステムは、LEDの出力を狭いビーム角に集中させるための追加レンズと組み合わせた広いビーム角を持つ強力なパッケージ型LEDを含む。
LED、基板/チップ、および一次レンズからなる市販のパッケージ型LEDには、狭い集束レンズからなる二次光学部品が取り付けられ、アセンブリ全体のビーム角を小さくしている。
二次光学部品は、カニューレの遠位端にあるワークスペースにカニューレを通して伝送するためにLEDからの光を狭いビーム角に集束するように構成されたGRINレンズで構成されてもよい。
例えば、9mmの内径を有する13cmの長さのカニューレの場合、レンズは、約3.5°の出力ビーム角を提供するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】脳に血餅があり外科的手術が必要な患者で、カニューレが脳に挿入され、カニューレの遠位端が血餅に近接した状態を示している。
【
図2】カニューレチューブに透過する光のビーム角を狭くするように構成されたLEDと集光レンズを備えたカニューレシステムを示している。
【
図3】カニューレチューブに透過する光のビーム角を狭くするように構成されたLEDと集光レンズを備えたカニューレシステムを示している。
【
図4】カニューレチューブに透過する光のビーム角を狭くするように構成されたLEDと集光レンズを備えたカニューレシステムを示している。
【
図6】プリズムのない照明アセンブリを示し、この場合、光軸はカニューレチューブの長さと一致する。
【
図7】プリズムのない照明アセンブリを示し、この場合、光軸はカニューレチューブの長さと一致する。
【
図8】プリズムのない照明アセンブリを示し、この場合、光軸はカニューレチューブの長さと一致する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1、
図2および
図3は、低侵襲手術において便利に使用され得るカニューレシステムを示している。
図1は、外科的介入を必要とする脳3内の疾患組織2を有する患者1の疾患組織2内に、挿入されたカニューレ4を備え、カニューレ4の遠位端が疾患組織2に近接している状態を示している。
疾患組織2は、脳の神経膠腫または神経膠芽腫、脊椎の上衣腫、または他の疾患組織であってもよい。
【0007】
カメラ5は、カニューレの近位周縁部に取り付けられ、カメラの一部がカニューレの周縁部から張り出して、カニューレの内腔の上に配置され、脳および脳内の任意の疾患組織などのカニューレの遠位端における標的組織を含むカニューレの内腔の遠位端のビデオまたは静止画像を得るために動作可能である。
図1、
図2及び
図3の両方に示すように、カニューレは、患者の体内への挿入に適合した遠位端6dを有するカニューレ管6からなる。
カメラアセンブリ5は、カニューレの近位端6pに固定されている。カメラアセンブリは、カニューレ管の内腔9に張り出した、撮像センサ7と、プリズム、反射器、または他のミラー構造または光学要素8とを含む。
好ましくは、脳内で使用するために、プリズム、反射器またはミラーなどのカメラアセンブリの一部は、カニューレ管6の内腔9によって規定され、カニューレの近位端を越えて近位に延びる円筒形の空間内に延び、カニューレの近位端から間隔を空けて、円筒形の空間内にわずかに延びるだけである。
カメラアセンブリ5の最遠位光学面は、それがプリズム8の遠位面であろうと、プリズムなしで使用される、カニューレの遠位端に向けられた視軸を有する対物レンズであろうと、カニューレ管9の近位端に位置し、好ましくはカニューレ管9の近位端から近位に配置される。
【0008】
図2および
図3に示すように、カニューレは、また、出力ビーム軸11を有する1つまたは複数の照明アセンブリ10を含む
照明アセンブリ10は、光源12及び関連する光学系(もしあれば)を含み、図示されたものでは、出力軸14(この実施形態では照明アセンブリの出力ビーム軸11と一致している)を有するプリズム13、及びレンズ15、16を含み、この構成では、光源12からの光を管腔内に向け、カニューレ管6の遠位端でのワークスペースを狙い、標的組織に向けるために使用されてもよい。
図1はまた、光源を操作し、カメラ5によって捕捉されたビデオ画像データを取得し、表示画面18に表示するために、制御システム17により、対応するビデオ画像データを生成/変換するような動作がなされる。
カメラアセンブリ5及び照明アセンブリは、カニューレ管6の近位端の上に固定された、この実施形態ではカニューレ管6よりも大きな直径のリングからなる取付部材19に、カニューレ管6の近位端に近接して、支持及び保持されてもよい。
【0009】
図2、
図3、
図4、
図5は、照明アセンブリ10の構造を示している。
これらの照明アセンブリ10は、光源12と、プリズム13と、光源12とプリズム13の間に配置されたレンズ16とを含む。
光源12は、ビーム軸12B、及び広いビーム角αを有している。
これは、レンズなしのLED、又はLEDからの光を広いビーム角に集中させるように構成されたレンズを有するパッケージされたLEDの結果であってよい。
パッケージ化されたLEDは、典型的には、基板、発光ダイオード自体、及び発光ダイオードを覆うレンズからなる形態で提供される。
白色光LEDの場合、パッケージ型LEDは蛍光体(ダイオードからの一部の青色光を赤色および緑色光に変換し、白色光を発するパッケージを製造するため)を含んでいることもある。
パッケージ型LEDの典型的なビーム角は、30°から180°の範囲内である。
図1~
図4のカニューレシステムで使用される場合、この広いビーム角は、カメラアセンブリで得られる画像を不明瞭にする過度のグレア(まぶしさ)となる。
このグレア(まぶしさ)を低減するために、レンズ15は、凸レンズまたは勾配指数レンズ(GRINレンズ)またはコリメータレンズの形態で提供される集束レンズであり、パッケージ化されたLEDからの光をより狭いビーム角に集束するように機能する。
LEDとレンズの組み合わせとしては、(1)CREE(登録商標) XQEAWT led、(2)Edmunds Optics社製のGRINレンズ(#64-520)が適している。
GRINレンズは、所定の集光力に対して断面(光軸に垂直な断面)が小さく、カニューレ管の近位端への照明アセンブリの配置が容易であるため、好ましい。
プリズム13は、好ましくは直角プリズムであるが、GRINレンズの光軸(この例では長軸)16L、出力ビーム軸11およびカニューレ管6の中心軸6Lの間の異なる角度に対応するために、異なる形式のプリズムが使用されてもよい。
照明アセンブリ全体は、プリズム13の視軸に対応する出力ビーム軸を有し、出力ビーム軸11は、(
図2、3、4に示す例では)集束(フォーカス)レンズの光軸16Lに対して角度を有している。
直角プリズムの場合、集光レンズの光軸は、プリズムの視軸に対して垂直であってもよい。
照明アセンブリの最遠位光学面は、それがプリズム13の遠位面であろうと、集束レンズの遠位面(
図6及び7に示すように、プリズムなしで使用される、集束レンズ光軸がカニューレの遠位端に向けられる)であろうと、カニューレ管6の近位端に位置し、好ましくはカニューレ管6の近位端の近位に配置される。
【0010】
照明アセンブリは、パッケージされたLEDとレンズの間にエアギャップ20を、そしてレンズとプリズムの間にエアギャップ21を設けて構成することができる。
CREE(登録商標) XQEAWT ledとEdmunds #64-520 GRINレンズを使用したこの組み合わせでは、照明アセンブリ10のビーム軸10Bを中心とした結果としてのビーム角βは約3.5°になる。
【0011】
図6及び
図7は、プリズムのない照明アセンブリ10を示し、この場合、(集束レンズの)光軸16Lは、カニューレ管6の長さと一致する。
この実施形態の他の特徴は、カニューレ4及びカニューレ管6、カメラアセンブリ5及びプリズム8を含む、
図2~
図4の特徴と同様である。
LED12は、ビーム軸12Bがカニューレ内腔9の遠位に向けられ、カニューレ管6の遠位端に向かって配置され、レンズ16は、その光軸16LがLEDビーム軸12Bと整列され、また遠位に向けられ、カニューレ内腔9とカニューレ管6の遠位端に向かって配置される。
このような構成では、プリズムは不要である。本実施形態における全体照明アセンブリは、フォーカスレンズの光軸に対応する出力ビーム軸を有し、この出力ビーム軸は、カニューレ管の遠位端の方に向けられる。
【0012】
図7の上面図では、光源、および対応するレンズ16とLED光源12の位置が、カメラアセンブリ5とカメラプリズム8と共に示されている。
光源12とカメラプリズム8は、カニューレ管6の内腔9に限定的に張り出し、カニューレ管6の遠位端における作業空間の照明と視覚化を可能にしながら、カニューレ管6を通して作業空間への工具の通過も可能にしている。
図8は、光源12を有する照明アセンブリ10と、GRINレンズ16に光を透過するそのビーム角αとの関係を示し、GRINレンズから出る光は、照明アセンブリビーム軸11に沿って狭いビーム角βを有している。
【0013】
出力ビーム角は、カニューレの寸法によって、若干大きくても小さくてもよい。
例えば、内径16mm、長さ7cmの比較的短い、幅広のカニューレの場合、約10~15°、より好ましくは約13°の狭いビーム角で、眩しさを抑えた良好な照明が得られる。
内径9mm、長さ14cmのカニューレの場合、約3~5°、より好ましくは約3.7°の狭いビーム角が、眩しさを抑えた良好な照明を提供する。
より一般的には、約20°未満の出力ビーム角を提供する光源及び集束レンズの構成は、最小限のグレア(眩しさ)を伴う良好な照明を提供するために使用される。
【0014】
図では、GRINレンズのビーム軸(レンズを出る光の中心)がGRINレンズの光軸と一致している。
ビーム軸は、GRINレンズの縦方向の中心に対して、LEDをその中心から外して配置することで変更できる。
これにより、
図6及び
図7のGRINレンズの出力ビーム軸は、光軸に平行から外れることになる。このように、LEDのビーム軸がGRINレンズの光軸からずれるようにLEDを配置すると、GRINレンズの出力ビーム軸が光軸に対して軸となるようにすることができる。
従って、出力ビーム軸は、カニューレの遠位開口部の中心に向けられ、カニューレ管の中心軸(又は他の特徴)と交差するようにしてもよい。この際、照明アセンブリ出力は、カニューレ管の円周の近くに留まる。
【0015】
照明アセンブリおよびカニューレの構成は、照明アセンブリの最遠位光学表面のカニューレ内腔、または内腔上の空間への侵入を最小にし、照明アセンブリがカニューレ管の近位端に配置されてカニューレの遠位端で、外科領域を照明する間、外科医はカニューレを通して外科ツールを渡すことができるようにする。
そして、カメラがカニューレの近位端の上に配置されている間、外科医がカニューレを通して外科用具を通過させ得るように、カメラはまた、カニューレ内腔、または内腔の上の空間への侵入を最小限にして配置された最遠位光学面を有する。
狭い出力ビームを提供する照明アセンブリの利点は、カメラと1つ以上の照明アセンブリをカニューレの端部に提供し、なおかつカニューレに外科用チューブを通過させることを可能にし、カニューレシステムは、カメラが近位端に配置されていない1つ以上の照明アセンブリで構成し、別の場所に設けられたカメラまたは顕微鏡と共に使用するカニューレのグレア(眩しさ)を最小限にした照明を提供することができる。
【0016】
装置および方法の好ましい実施形態は、それらが開発された環境を参照して説明されてきたが、それらは単に本発明の原理を説明するものである。
様々な実施形態の要素は、そのような他の種と組み合わせてそれらの要素の利点を得るために、他の種のそれぞれに組み込んでもよく、様々な有益な特徴は、実施形態単独で、または互いに組み合わせて採用されてもよい。
本発明の精神及び添付の請求項の範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び構成を考案することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
術野(surgical field)にアクセスするためのカニューレシステムであって、
近位端および遠位端を有するカニューレ管(6)、ならびに近位端から遠位端まで延びる内腔(9)を含むカニューレ(4);および前記カニューレ管(6)の近位端に固定された照明アセンブリ(10)を備え、
前記照明アセンブリ(10)は、光源(12)および集束レンズ(16)を備え、前記光源(12)は、第1のビーム軸(12B)および第1のビーム角(α)を有し、前記第1のビーム軸(12B)は前記集束レンズ(16)の光軸
(16L)と整列しており、
前記照明アセンブリ(10)は、出力ビーム角(β)および出力ビーム軸
(11)を有し、前記出力ビーム軸(11)は、前記カニューレ管(6)の遠位端に向けられ、前記出力ビーム角(β)は、前記第1のビーム角(α)よりも小さい、
ことを特徴とするカニューレシステム。
【請求項2】
前記カニューレ管(6)の近位端にカメラアセンブリ(5)が固定されており、
該カメラアセンブリ(5)の一部が前記内腔(9)に張り出している、請求項1に記載のカニューレシステム。
【請求項3】
前記照明アセンブリ(10)は、前記光源(12)と反対側の前記集束レンズ(16)の側に配置されたプリズム(13)をさらに備え、前記集束レンズ(16)の光軸
(16L)が前記プリズム(13)と整列し、出力ビーム軸
(11)が前記プリズム(13)の視軸に対応し、出力ビーム軸
(11)が前記集束レンズ
(16)の光軸
(16L)に対して斜めである、請求項1に記載のカニューレシステム。
【請求項4】
前記照明アセンブリ(10)は、前記光源
(12)と反対側の前記集束レンズ
(16)の側に配置されたプリズム(13)をさらに備え、前記集束レンズ
(16)の光軸
(16L)が前記プリズム
(13)と整列し、出力ビーム軸
(11)が前記プリズム
(13)の視軸に対応し、出力ビーム軸
(11)が前記集束レンズ
(16)の光軸
(16L)に対して斜めである、請求項2に記載のカニューレシステム。
【請求項5】
前記出力ビーム角
(β)は、20°以下であり、好ましくは5°以下である、請求項1に記載のカニューレシステム。
【請求項6】
前記出力ビーム角
(β)は、20°以下であり、好ましくは5°以下である、請求項2に記載のカニューレシステム。
【請求項7】
前記出力ビーム角
(β)は20°以下であり、好ましくは5°以下である請求項3に記載のカニューレシステム。
【請求項8】
前記出力ビーム角
(β)は20°以下であり、好ましくは5°以下である、請求項4に記載のカニューレシステム。
【請求項9】
前記照明アセンブリ
(10)は、前記集束レンズ
(16)の光軸
(16L)に対応する出力ビーム軸
(11)を有し、前記出力ビーム軸
(11)は、前記カニューレ
管(6)の遠位端の方向に向けられる、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項10】
前記カメラアセンブリ
(5)は、カニューレ
管(6)の近位端に配置される最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項11】
前記照明アセンブリ
(10)は、前記カニューレ
管(6)の近位端に配置される最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項12】
前記
カメラアセンブリ
(5)は、前記カニューレ
管(6)の近位端に配置される最遠位光学面を有し;そして
前記
照明アセンブリ
(10)は、前記カニューレ
管(6)の近位端に配置されている最遠位光学面を有する、
請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項13】
前記カメラアセンブリ
(5)は、前記カニューレ
管(6)の近位端に近接して配置された最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項14】
前記照明アセンブリ
(10)は、前記カニューレ管
(6)の近位端に近接して配置された最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項15】
前記カメラアセンブリ
(5)は、カニューレ管
(6)の近位端に近接して配置された最遠位光学面を有し;そして
前記照明アセンブリ
(10)は、前記カニューレ管
(6)の近位端に近接して配置される最遠位光学面を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項16】
前記集束レンズ
(16)は、GRINレンズである、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項17】
前記集束レンズ
(16)は、凸レンズである、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項18】
前記照明アセンブリ
(10)は、プリズム
(13)をさらに備え、前記
集束レンズ(16)の光軸
(16L)が前記プリズム(13)と交差するように配置され、前記プリズム
(13)は、前記
集束レンズ(16)からの光を前記カニューレ管
(6)の内腔
(9)に反射させる、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【請求項19】
前記照明アセンブリ
(10)は、プリズム
(13)をさらに備え、前記集束レンズ
(16)の光軸
(16L)は、前記カニューレ管
(6)の長軸に対して垂直であり、前記プリズム
(13)は、前記集束レンズ
(16)からの光を前記内腔
(9)に反射する、請求項1~8のいずれかに記載のカニューレシステム。
【国際調査報告】