(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-19
(54)【発明の名称】異相プロピレン共重合体
(51)【国際特許分類】
C08L 23/12 20060101AFI20220812BHJP
C08L 23/16 20060101ALI20220812BHJP
C08F 297/08 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
C08L23/12
C08L23/16
C08F297/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515052
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2020074185
(87)【国際公開番号】W WO2021052737
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513076604
【氏名又は名称】バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】ピエモンテージ、ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ミニョーニャ、アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】リゴリ、ダリオ
(72)【発明者】
【氏名】モリーニ、ジャンピエロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターレ、ジャンニ
【テーマコード(参考)】
4J002
4J026
【Fターム(参考)】
4J002BB021
4J002BB152
4J026HA04
4J026HA27
4J026HA35
4J026HA39
4J026HA48
4J026HB03
4J026HB04
4J026HB20
4J026HB35
4J026HB39
4J026HB42
4J026HB45
4J026HB48
4J026HE01
(57)【要約】
【解決手段】以下(百分率は総計A+Bに基づく)を含むポリプロピレン組成物:
A)60から90重量%までの、90%重量を超えるプロピレン単位を含む25℃のキシレンに不溶性の画分、および
B)10から40重量%までの、30.0重量%から50.0重量%までのエチレン誘導単位の平均含有量を含有するプロピレンとエチレンとの共重合体を含む25℃のキシレンに可溶性の画分であって、前記画分は、溶出された画分のエチレン含有量を決定するGPC分別および連続的IR分析(GPC-IR分析)を行った場合、平均よりも高いMwを有する画分に対してエチレンの含量がMwとともに上昇することを示すという事実を特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下(百分率は総計A+Bに基づく)を含むポリプロピレン組成物:
A)60から90重量%までの、80%重量を超えるプロピレン単位を含む25℃のキシレンに不溶性の画分、および
B)10から40重量%までの、30.0重量%から55.0重量%までのエチレン誘導単位の平均含有量を有するプロピレンとエチレンとの共重合体を含む25℃のキシレンに可溶性の画分[ここで、前記25℃のキシレンに可溶性の画分は、溶出された共重合体画分の分子量の対数(Log M)および関連するエチレン含有量を決定するGPC分別および連続的IR分析(GPC-IR分析)を行った場合、以下を表すプロットを示すことを特徴とする:
- 所与のエチレン含有量C
2 M ̄w(%重量として表される)に関連する4.7から5.7までの範囲の平均分子量の対数(LogM ̄w)、および
- C
2 M ̄wよりも高いエチレン含量と関連付けられたLog M ̄wよりも高い分子量のログ(Log M)を有する少なくとも溶出された共重合体分画。
【請求項2】
成分B)が、13重量%から37重量%までの範囲である、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項3】
成分B)が、17から32%重量までの範囲である、請求項2に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項4】
成分B)が、32.0重量%から48.0重量%までのエチレン誘導単位を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項5】
MFR L(条件L、すなわち230℃および荷重2.16kgでの、ISO 1133に準じたメルトフローレート)が、5から100g/10分までの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項6】
MFR Lが、7から70g/10’までの範囲である、請求項5に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項7】
25℃のキシレンに可溶性の画分の固有粘度が、1.0から4.0dl/gまでの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項8】
25℃のキシレンに可溶性の画分の固有粘度が、1.3から3.5dl/gまでの範囲である、請求項7に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項9】
25℃のキシレンに可溶性の画分の平均分子量の対数(LogM ̄w)が、5から5.6までの範囲である、請求項8に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項10】
25℃のキシレンに可溶性の画分の固有粘度が、1.8から3.0dl/gまでの範囲である、請求項8に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項11】
25℃のキシレンに可溶性の画分の平均分子量の対数(LogM ̄w)が、5.2から5.5までの範囲である、請求項10に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項12】
23℃でのシャルピーが、10KJ/m
2より高い、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項13】
23℃でのシャルピーが25から70KJ/m
2までの範囲であり、MFR Lが5.0から20.0g/10分未満の範囲であり、画分(B)の量が25から35%までの範囲あり、そのエチレン含有量が35から45%重量までの範囲である、請求項5に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項14】
23℃でのシャルピーが25から70KJ/m
2までの範囲であり、MFR Lが20.0から50.0g/10分未満の範囲であり、画分(B)の量が20から25%までの範囲あり、そのエチレン含有量が35から40%重量までの範囲である、請求項6に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項15】
Log M ̄wより高い分子量の対数(Log M)を有する溶出された共重合体画分のうち、C
2 M ̄wより低い関連するエチレン含有量を有する画分が存在しない、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高い耐衝撃性を有する異相プロピレン共重合体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
異相プロピレン共重合体組成物は、剛性、衝撃強度、および加工性のような特性を兼備するゆえに、薄肉容器、家庭用品、および自動車部品などの様々な適用において使用されるプラスチック材である。異相プロピレン共重合体組成物は、25℃のキシレンに不溶性である比較的高結晶化度のプロピレンポリマー画分と、25℃のキシレンに可溶性である比較的低結晶化度の共重合体画分とを含みうる。比較的高結晶化度の画分は、プロピレンホモポリマー、または比較的少量のオレフィンコモノマーを有するプロピレンランダム共重合体であり得、高いアイソタクチシティを特徴とする。比較的低結晶化度の画分は、プロピレン共重合体、特に、15から75%重量までの範囲のエチレン含有量を有するプロピレン-エチレン共重合体でありうる。この2画分の具体的な特性および量によって、組成物全体の特性の全般的プロファイルおよびその適用性が決定される。
【0003】
一例として、低結晶化度の画分の含有量を増加させることは、組成物の耐衝撃性特性を改善しうる一方で、剛性を悪化させる恐れがある。さらに、低結晶化度の画分の含有量を増加させることまたはある特定の特性を改変することは、プラント加工性の問題を伴う恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低結晶化度画分の含有量の変化させることに因らず衝撃と剛性バランスとの間のバランスが改善された異相プロピレン共重合体を生成する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
出願人は、低結晶化度の画分に、分子量およびエチレン含有量分布に関してある特定の特徴を与えると、前記必要性を満たす異相プロピレン共重合体組成物を得ることが可能でありうることを発見した。
【0006】
したがって、本開示の対象は、以下(百分率は総計A+Bに基づく)を含むポリプロピレン組成物である:
A)60から90重量%までの、80%重量を超えるプロピレン単位を含む25℃のキシレンに不溶性の画分、および
B)10から40重量%までの、30.0重量%から55.0重量%までのエチレン誘導単位の平均含有量を含有するプロピレンとエチレンとの共重合体を含む25℃のキシレンに可溶性の画分[ここで、前記25℃のキシレンに可溶性の画分は、溶出された共重合体画分の分子量の対数(Log M)および関連するエチレン含有量を決定するGPC分別および連続的IR分析(GPC-IR分析)を行った場合、以下を表すプロットを示すことを特徴とする:
- 所与のエチレン含有量C2 M ̄w(%重量として表される)に関連する4.7から5.7までの範囲の平均分子量の対数(LogM ̄w)、および
- C2 M ̄wよりも高いエチレン含量と関連付けられたLog M ̄wよりも高い分子量のログ(Log M)を有する少なくとも溶出された共重合体分画。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施例1および2ならびに比較例C5の組成物のXS画分についてのGPC-IRのプロットである。
【
図2】
図2は、実施例3ならびに比較例C6の組成物のXS画分についてのGPC-IRのプロットである。
【
図3】
図3は、実施例4ならびに比較例C7の組成物のXS画分についてのGPC-IRのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましくは、ポリプロピレン組成物(A+B)はまた、単独でまたはその他の1つもしくは複数と同時に存在しうる以下の特徴が与えられる:
(i)5.0から100g/10分までの、好ましくは7から70g/10分までの、より好ましくは10から50g/10分までのMFR L(条件L、すなわち230℃および荷重2.16kgでの、ISO 1133に準じたメルトフローレート);特に好ましいのは、5.0から20.0g/10分未満および20.0から50.0g/10’までの部分範囲である。
ii)1.2から4.0dl/gの間、より好ましくは1.5から3.5dl/gの間、特に1.8から3.0dl/gの間に含まれる、25℃のキシレンに可溶性の画分の固有粘度。
iii)13.0から37.0重量%までの、好ましくは17から32%重量までの範囲の、キシレン可溶性画分(成分B);
iv)32.0から48.0重量%までの、好ましくは35から45%重量までの範囲の、成分Bにおけるエチレン誘導単位の平均含有量;
v)25℃のキシレンに可溶性の画分B)の平均分子量の対数(LogM ̄w)が、5.0から5.6までの、好ましくは5.2から5.5までの範囲である;
vi)Log M ̄wより高い分子量の対数(Log M)を有する溶出された共重合体画分のうち、C2 M ̄wより低い関連するエチレン含有量を有する画分が存在しない;より好ましくは、Log M ̄wより高い分子量の対数(Log M)を有する溶出された共重合体画分はすべて、C2 M ̄wより高い関連するエチレン含有量を有する;
vii)C2 M ̄wの値が、好ましくは32から60%重量まで、好ましくは35から55%重量までの範囲である。
.
【0009】
本開示では、「共重合体」という用語は、エチレンおよびプロピレンのみを含有するポリマーを意味する。
【0010】
驚くべきことに、上記の特徴から、また、以下の例の詳細において示されるように、成分(B)の共重合体画分は、ポリプロピレン鎖内で、いわゆる「逆の」エチレン分布を示す。不均一ZN触媒の典型的な分布によると、エチレンコモノマーは、比較例で示されるように、平均重量より低い分子量を有するこれらの共重合体画分内でより高い量で存在するため、これは驚くべきことである。
【0011】
本開示のポリプロピレン組成物はまた、物理的機械的特性の興味深いバランスも示しうる。特に、衝撃特性に関して、該ポリプロピレン組成物は、概して10KJ/m2より高くかつ70KJ/m2までの、23℃でのシャルピー値を示す。特に、組成物が5.0から20.0g/10分未満までの範囲のMFR L、20から25%までの範囲の成分(B)の含有量、および35から40%重量までの範囲の成分(B)のエチレン含有量を示す場合、25より高く70KJ/m2までの範囲の、23℃でのシャルピー値が得られうる。同じ範囲の23℃でのシャルピー値は、20.0から50.0までの範囲のMFR L、25%から35%までの成分(B)の含有量、および35から45%重量までの範囲の成分(B)のエチレン含有量でも得られうる。
0℃でのシャルピー値は、5から15KJ/mm2までの範囲である。
【0012】
好ましくは、曲げ弾性率は、700から1300N/mm2の間に含まれ、好ましくは850から1200N/mm2の間に含まれ;特に好ましいのは、850N/mm2より高い引張弾性率の値と15KJ/mm2以上の23℃でのシャルピー値とを兼ね備える組成物である。
【0013】
上記の機械的特性を考慮すると、本開示の組成物は、様々な適用分野における使用、特に射出成形品の調製における使用に好適である。
【0014】
本明細書に開示されるポリオレフィン組成物は、第1段階においてプロピレンを単独でまたは少量のエチレンと混合して重合させ、次いで、第2段階においてプロピレンをより高い量のエチレンと重合させることを含み、両段階とも触媒の存在下で行われるプロセスによって調製され得、以下のものの間での反応の生成物を含む:
a)Ti、Mg、Cl、および、一方が1,3ジエーテル(DE)から選択され他方がジカルバメート(DC)から選択される少なくとも2つの電子供与体化合物を含み、前記電子供与体化合物が、4.5:1から20:1までの範囲のモル比DE:DCで存在することを特徴とする、固体触媒成分;
b)アルキルアルミニウム化合物および、
c)次の一般式を有する外部電子供与体化合物:
(R7)a(R8)bSi(OR9)c、式中、a及びbは0~2の整数であり、cは1~4の整数であり、合計(a+b+c)は4であり;R7、R8、及びR9は、任意選択でヘテロ原子を含む1~18個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリールラジカルである。
【0015】
好ましくは、DE:DCモル比は、5:1から15:1までの、より好ましくは7:1から10:1までの範囲である。
【0016】
好ましくは、供与体DE+DCの総量とTi原子の総量との間のモル比、(DE+DC):Ti比は、0.3:1から1:1までの、より好ましくは0.4:1から1:1までの範囲である。
【0017】
好ましくは、固体触媒成分は、少なくとも0.30cm3/gの1μm以下の半径を有する細孔に関して、水銀法によって決定される多孔度が与えられる。より好ましくは、多孔度は、0.35cm3/gより高く、特に0.40cm3/gより高い。
【0018】
好ましいジカルバメートは、式(I)に属するものである:
【化1】
(I)
(式中、R
1およびR
2は、独立して、水素およびC
1~C
15炭化水素基から選択され、ハロゲン、P、S、N、O、およびSiから選択されるヘテロ原子を任意選択で含有し、一体となって1つまたは複数の環を形成することができ、Aは、二価の架橋基である)。
式(I)のジカルバメート構造は、WO2014048861に記載されおてり、その関連部分は参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
上記の1,3-ジエーテル(DE)のうち、特に好ましいのは、式(II)の化合である。
【化2】
(II)
【0020】
ここで、RI及びRIIは同一であるか、または異なり、水素または直鎖状もしくは分岐状のC1~C18炭化水素基であり、一つ以上の環構造を形成することもでき、RIII基は互いに同一であるか、または異なり、水素またはC1~C18炭化水素基であり;RIV基は互いに同一であるか、または異なり、これらが水素になれないということを除き、RIIIと同様な意味を有し;RI~RIV基のそれぞれはハロゲン、N、O、S及びSiから選択されたヘテロ原子を含むことができる。
【0021】
固体触媒成分(a)はさらに、固体触媒成分(a)の総重量に対して0.5~40%、より好ましくは1から35までの、特に2から25%重量までの、きわめて特定の実施形態では2から20%重量までの範囲の量でBi原子を含有しうる。
【0022】
固体成分(a)の粒子は、実質的に球形の形態及び5~150μm、好ましくは20~100μm、より好ましくは30~90μm範囲の平均直径を有し得る。実質的に球状の形態を有する粒子としては、より大きい軸とより小さい軸との間の比が1.5以下、好ましくは1.3未満のものを意味する。
【0023】
Mgの量は、好ましくは、8~30重量%、より好ましくは10~25重量%の範囲であり得る。
【0024】
Tiの量は、0.5~7重量%、より好ましくは0.7~5重量%の範囲であり得る。
【0025】
存在する場合、Bi原子は、好ましくは、Bi-炭素結合を有さない1つまたは複製のBi化合物に由来する。具体的には、Bi化合物は、Biハロゲン化物、Bi炭酸塩、Biカルボン酸塩、Biナ硝酸塩、Bi酸化物、Bi硫酸塩、Bi硫化物から選択されうる。Biが原子価3+を有する化合物が好ましい。Biハロゲン化物中では、Bi三塩化物およびBi三臭化物が好ましい。最も好ましいBi化合物は、BiCl3、Bi酸化物、Bi炭酸塩およびBiデカノエートである。
【0026】
固体触媒成分の製造は、いくつかの方法に従って実行され得る。
【0027】
一方法によれば、固体触媒成分は、式Ti(OR)q-yXy(ここで、qはチタンの原子価であり、yは1~qの数である)のチタン化合物、好ましくはTiCl4を式MgCl2・pROH(ここで、pは0.1~6、好ましくは2~3.5の数であり、Rは1~18個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルである)の付加物に由来する塩化マグネシウムと反応させることにより製造され得る。付加物は、アルコール及び塩化マグネシウムを混合し、付加物の溶融温度(100~130℃)で攪拌条件下で作動させることによって適切に球状に製造されてもよい。次いで、付加物を、上記付加物と混和されない不活性炭化水素と混合することによってエマルジョンを生成させ、これを迅速に急冷させて上記付加物を球形粒子状に固化させる。この手順に従って製造された球形付加物の例が、米国特許第4,399,054号及び米国特許第4,469,648号に記載されている。このようにして得られた付加物は、Ti化合物と直接反応させるか、またはアルコールのモル数が3未満、好ましくは0.1~2.5である付加物を得るために、事前に(80~130℃)熱制御された脱アルコール化させることができる。Ti化合物との反応は、冷たいTiCl4中に(脱アルコール化されたまたはそのような)付加物を懸濁させることにより実行されることができ;次いで、混合物を80~130℃まで加熱し、その温度で0.5~2時間保持させる。TiCl4を用いた処理は、1回以上実行され得る。電子供与体化合物は、TiCl4による処理の間に所望の比率で加えることができる。
【0028】
本開示において使用されうる触媒を作製する好ましい方法では、Ti化合物を用いる反応は、(脱アルコール化されたまたはそのような)付加物を、概して0℃の冷たいTiCl4中に懸濁することによって実行されうる。好ましくは、付加物は、20から100g/lまでの、好ましくは30から90g/lまでの範囲の濃度を有するような量で使用される。好ましい一実施形態によれば、1,3-ジエーテルおよびジカルバメートは、反応のこの段階の開始時に、好ましくは混合物の温度が-10℃~20℃の範囲であるときに系に加えられる。好ましい一実施形態では、1,3ジエーテルは最初に加えられる。電子供与体は、触媒上に固定されている状態でのそれぞれの効率を考慮して、最終触媒において所望のDE:DCモル比を満たすような量で使用される。一実施形態では、Mg/ジエーテルモル比は、3:1から10:1までの、好ましくは4:1から9:1までの範囲であってもよく、一方、Mg/ジカルバメートモル比は、25:1から200:1までの、好ましくは30:1から180:1までの範囲であってもよい。次いで、90から130℃までの範囲の温度に達するまで徐々に昇温し、この温度を0.5~3時間保った。
【0029】
反応時間が終了した後、撹拌を止め、スラリーを沈降させ、液相を除去する。TiCl4による処理の第2段階が実施されるが、好ましくは70から110℃までの範囲の温度で実行される。反応時間が終了した後、撹拌を止め、スラリーを沈降させ、液相を除去する。必ずしも必要ではないが、上記と同じ条件下かつ電子供与体の非存在下で、チタン化合物を用いて、好ましくはTiCl4を用いて、追加の反応段階を実施することが可能である。このようにして得られた固体は、次いで、穏和な条件下で、液体炭化水素で洗浄され、次いで、乾燥されうる。
【0030】
アルキル-Al化合物(ii)は、好ましくは、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム化合物から選択される。アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライドまたはアルキルアルミニウムセスキクロライド、例えば、AlEt2ClおよびAl2Et3Cl3を、可能には、上記で引用されたトリアルキルアルミニウムとの混合物として使用することができる。Al/Ti比は、1よりも高く、好ましくは50~2000の範囲であり得る。
【0031】
外部電子供与体化合物は、(R7)a(R8)bSi(OR9)cの一般式を有するケイ素化合物であり、式中、a及びbは0~2の整数であり、cは1~4の整数であり、合計(a+b+c)は4であり;R7、R8、及びR9は、任意選択でヘテロ原子を含む1~18個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリールラジカルである。
【0032】
aが1であり、bが1であり、cが2であり、R7およびR8のうちの少なくとも1つが任意選択的にヘテロ原子を含有する3~10個の炭素原子を有する分岐型アルキル、シクロアルキルまたはアリール基から選択され、R9がC1-C10アルキル基、特にメチルである。このような好ましいケイ素化合物の例は、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン(C供与体)、ジフェニルジメトキシシラン、メチル-t-ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)、ジイソプロピルジメトキシシラン、(2-エチルピペリジニル)t-ブチルジメトキシシラン、(2-エチルピペリジニル)テキシルジメトキシシラン、(3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル)(2-エチルピペリジニル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル)ジメトキシシランである。さらに、aが0であり、cが3であり、R8が任意選択的にヘテロ原子を含有する分岐状アルキルまたはシクロアルキル基であり、R9がメチルであるケイ素化合物も好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシランおよびテキシルトリメトキシシランである。
【0033】
外部電子供与体化合物(c)は、0.1~200、好ましくは1~100、より好ましくは3~50の有機アルミニウム化合物と上記外部電子供与体化合物(iii)との間のモル比を提供する量で使用される。
【0034】
重合プロセスは、1つもしくは複数の流動式もしくは機械攪拌式床反応器内で操作する気相、希釈剤として不活性炭化水素溶媒を使用するスラリー重合、または反応媒体として液体モノマー(例えばプロピレン)を使用するバルク重合において実行されうる。
【0035】
好ましくは、本開示のポリプロピレン組成物は、成分A)を第1段階において得、次いで、成分B)を第2段階において成分A)の存在下で得るという、2つ以上の段階での逐次重合プロセスによって得られうる。各段階は、1つもしくは複数の流動式もしくは機械攪拌式床反応器内で操作する気相、または反応媒体として液体モノマー(例えばプロピレン)を使用するバルク重合におけるものでありうる。また、一方の段階、好ましくは成分(A)が調製される段階が、液体モノマー中で実行され、他方の段階、好ましくは成分(B)が調製される段階が、気相内で実行される、ハイブリッドプロセスも好ましい。
【0036】
重合は、一般に、20~120℃、好ましくは40~80℃の温度で実行される。重合が気相で実行される場合、一般に、作動圧力は0.5~5MPa、好ましくは1~4MPaである。バルク重合で、作動圧力は、1~8MPa、好ましくは1.5~5MPaの範囲であってもよい。水素を、分子量調節剤として使用することができる。
【0037】
本開示において使用されるべき異相共重合体組成物はまた、抗酸化剤、光安定化剤、熱安定化剤、成核剤、着色剤、およびフィラーなどの添加剤も含有しうる。
【0038】
本開示の異相共重合体組成物から作られる最終用途目的物は、射出成形、熱成形、および押出成形を含む技術によって得ることが可能であるが、これらだけに限定されない。
【0039】
以下の実施例は、本開示を例示するために与えるものであり、本開示そのものを限定するものではない。
特性決定
X.I.およびX.Sの決定
【0040】
ポリマー約2.5グラムとo-キシレン250mlを冷却器および還流凝縮器が装備された丸底フラスコ中に置いて窒素下で保持した。得られた混合物を135℃まで加熱し、約60分間攪拌下に維持した。最終溶液を連続的に攪拌しながら25℃まで冷却し、不溶性ポリマーを濾過した。濾過物を140℃で窒素流内で蒸発させて一定の重量に達するようにした。前記キシレン可溶性画分の含有量は、元の2.5グラムに対する百分率として表され、X.I.%は、100%に対する差分によって算出される。
固有粘度(I.V.)
【0041】
試料を、135℃のテトラヒドロナフタリンに溶解し、次いで、毛管粘度計中に注ぐ。粘度計(ウベローデタイプ)の管は、円柱状のガラス製ジャケットによって囲まれており;この装備が、自動調温された液体を循環させることにより温度制御を可能としている。メニスカスの下方への通過時間を、光電素子によって計測する。
【0042】
上部ランプの前をメニスカスが通過すると、水晶発振器を有する計測器が始動する。メニスカスが下部ランプを通過すると、計測器は停止し、流出時間が示される:純粋溶媒の流動時間が同じ実験条件(同じ粘度計および同じ温度)で既知であるという条件で、この流出時間を、ハギンスの式によって固有粘度の値に変換する(Huggins、M.L.、J.Am.Chem.Soc.、1942、64、2716)。1種類の単一ポリマー溶液を使用して、[η]を決定する。
メルトフローレート
【0043】
ポリマーのメルトフローレートMFR Lは、ISO 1133(230℃、2.16Kg)に従って決定した。
曲げ弾性率
【0044】
曲げ弾性率は、ISO 178およびISO 1873-2に準じて測定する。
シャルピー
【0045】
ISO 179-1eAおよびISO 1873-2に準じたシャルピー衝撃試験
プロピレン/エチレンコポリマーの
13
C NMR
【0046】
異相共重合体の13C NMRスペクトル、ならびにそれらのXIおよびXS画分の13C NMRスペクトルは、クライオプロープを備えたBruker AV-600分光計で、120℃でのフーリエ変換モードで、160.91MHzで操作して取得した。
【0047】
Sββ炭素(「Monomer Sequence Distribution in Ethylene-Propylene Rubber Measured by 13C NMR.3.Use of Reaction Probability Mode」C.J.Carman,R.A.Harrington and C.E.Wilkes,Macromolecules,1977,10,536による命名法)のピークを29.9ppmの内部基準として使用した。試料を1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2に120℃において8%(wt/v)濃度で溶解させた。各々のスペクトルを90°パルス、パルス間15秒の遅延及び1H-13Cカップリングを除去するためのCPDで取得した。512個の過渡信号(transient)を9000Hzのスペクトルウィンドウを使用して32Kデータ点に保存した。
【0048】
スペクトルの割り当て、トライアド分布及び組成物の評価を次の方程式を使用してカクゴ(Kakugo)(「Carbon-13 NMR determination of monomer sequence distribution in ethylene-propylene copolymers prepared with δ-titanium trichloride- diethylaluminum chloride」M.Kakugo,Y.Naito,K.Mizunuma and T.Miyatake,Macromolecules,1982,15,1150)によって行った:
PPP = 100 Tββ / S PPE = 100 Tβδ / S EPE = 100 Tδδ / S
PEP = 100 Sββ / S PEE = 100 Sβδ / S EEE = 100 (0.25 Sγδ + 0.5 Sδδ) / S
S = Tββ + Tβδ + Tδδ + Sββ + Sβδ + 0.25 Sγδ + 0.5 Sδδ
【0049】
エチレン含量のモルパーセントは、下記方程式を使用して評価した:
E% mol = 100 × [PEP+PEE+EEE]
【0050】
エチレン含量の重量百分率は以下の式を利用して評価された:
E %wt = 100 × MWE × E% mol / (MWE × E% mol + MWP × P% mol)
前記式において、P%モルは、プロピレン含量のモル比であり、MWE及びMWPは、それぞれエチレン及びプロピレンの分子量である。
ゲル浸透クロマトグラフィー-IR
【0051】
ゲル浸透クロマトグラフィー分析は、異相共重合体のXS画分について、GPC-IR機(PolymerChar)を用いて、150℃の1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)中で行った。溶液濃度は、1.5 mg/mL(150℃において)であり、分解を防止するために0.3g/Lの2,6-ジタールブチル-p-クレゾールを添加した。4つのPLgel Olexis混合床のカラムセット(Polymer Laboratories)およびIR5赤外線検出器(PolymerChar)を使用した。カラムの寸法は、300×7.5mmであり、その粒径は、13μmであった。移動相流量を1.0mL/分で維持させた。カラム分別の後、IR5赤外線検出器を使用して、溶液中のポリマー画分の量および組成の両方を連続的に測定した。データの取得および処理は、GPC-ONEソフトウエア(PolymerChar提供)を使用して行った。GPC計算のため、PolymerChar(266~1220000g/mol範囲のピーク分子量)によって提供される12個のポリスチレン(PS)標準試料を使用して汎用較正曲線を得た。実験データを補間し、関連する較正曲線を得るために3次多項式フィットを使用した。データの取得および処理は、GPC-ONEソフトウエア(PolymerChar提供)を使用して行った。
【0052】
マーク-フウィンクの関係式([η]=KMa)を使用して、ポリスチレンについてはKPS=1.21×10-4、α=0.706dL/gを使用して、分子量(M)分布および関連する平均分子量を決定し、一方、エチレン-プロピレン共重合体については、平均d値KCOPO(下記で説明するように、共重合体組成物に依存する)およびα=0.725(共重合体組成物に非依存である)を適用した。
【0053】
KCOPO値は、以下の関係式を使用して、分子量の全範囲における一定の試料組成を推定するものであり、純粋なポリエチレンポリマーのK値(KPE=4.06×10-4dL/g)と純粋なポリプロピレンポリマーのK値(KPP=1.90×10-4dL/g)との一次結合を使用して算出した:
KCOPO = XPKPP + XEKPE
(式中、KCOPOは、算出された共重合体の定数であり、XPおよびXEは、共重合体のプロピレン重量分率およびエチレン重量分率である(XP+XE=1))。
【0054】
最後に、分子量分布に沿った共重合体組成を、IR5赤外線検出器によって炭素原子1000個毎のメチル基として測定した。この値はまた、4つの試料:ポリプロピレンおよびポリエチレンホモポリマー試料、ならびに2つのエチレン/プロピレン共重合体試料(上記の方法を使用して13C-NMRによって前もって決定された5および50%重量のエチレン含有量を有する)を用いてIR5赤外線検出器を較正することによって、エチレン%重量に変換した。各試料について、エチレン組成物C2 M ̄w(%重量)の値を、分布曲線エチレン対LogM(M=M ̄wとする)から決定した。エチレン分布曲線とMW分布曲線との組合せから、XS画分の平均エチレン含有量も得た(C2%重量)。
実施例
MgCl
2
・(EtOH)
m
付加物の製造のための一般的な手順。
【0055】
米国特許第4,399,054号の実施例2に記載されている方法に従うが、10,000rpmの代わりに3,000rpmで作動して、初期量の微細球形MgCl2・2.8C2H5OHを製造した。このようにして得られた60μmの平均粒径を有する付加物を、次いで、30から130℃まで昇温し、Mgのmol当たりのモルアルコール含有量が2.0となるまで、窒素気流中で操作して、熱的脱アルコール化した。
触媒触媒成分の調製手順
【0056】
窒素でパージした1000ml四つ口丸フラスコ中に、0℃で、500mlのTiCl4を導入した。撹拌しながら、(上記のように調製した)微小球状のMgCl2・2.0C2H5OH付加物30グラムを加えた。次いで、表1に報告したMg/DEおよびMg/DCモル比となるような量の、9,9-ビス(メトキシメチル)フルオレンと、続いて5-(tert-ブチル)-3-メチル-1,2-フェニレンビス(ジエチルカルバマート)とを装入した。
【0057】
100℃まで昇温し、60分間この値を保った。前記60分の後、攪拌を止め、液体を吸い上げ、TiCl
4による処理を110℃で30分間、繰り返した。該30分の後、攪拌を止め、液体を吸い上げ、TiCl
4による処理を110℃で15分間、繰り返した。沈降および液相の吸い上げ後、固体を、90℃の無水ヘプタンで4回(6×100ml)および室温のヘキサンで2回、洗浄した。このようにして得られた固体触媒成分の特性決定を、表1に報告する。
【表1】
実施例1~4および比較例5~7
【0058】
攪拌機、圧力ゲージ、温度計、触媒供給システム、単量体供給ラインおよび温度調節ジャケットが備えられた4リットルスチールオートクレーブを70℃で1時間窒素流でパージングした。次いで、プロピレン流下、30℃で、75mlの無水ヘキサン、0.76gのAlEt3、76mgのジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)、および約7~14mgの固体触媒成分を含有する懸濁液を装入した。オートクレーブを閉じ、次いで、ある量の水素を加えた(表2に報告した値)。最後に、1.2kgの液体プロピレンを、連続的に攪拌しながら2分で供給した。10~11分で70℃まで昇温し、この温度で、表2に報告した時間、重合を行った。この重合工程の終了時に、非反応のプロピレンを除去した:排気の間、内部温度は、(ジャケット温度を70℃に設定することによって)55~65℃に保った。
【0059】
次いで、気相反応のための手順を開始した:オートクレーブの中身を、報告した温度(表2)まで温め、同時に、エチレン、プロピレン、および水素を供給した(表2に報告した量)。この工程は、約10分で終了した。共重合は、圧力を昇温終了時に測定した値で一定に保つために(値は表2に示す)、50%重量に等しいwt/wt比のエチレンおよびプロピレン混合物を供給することによって実施した。エチレン消費量もまた、表2に報告する。
【0060】
重合は、目標の共重合体スプリット(異相組成物全体に対する第2の工程において生成された共重合体の量)が得られた時点で止めた。このスプリット値は、気相重合の間に供給したモノマーの量(実験に基づく)を使用して、また、液相重合において生成されたホモポリマーの量(個々のホモポリマー実験において決定された触媒活性、およびオートクレーブに加えた固体触媒成分の量から推定された)から算出した。
【0061】
最後に、オートクレーブを30℃まで冷ましながら、モノマーを排気した。モノマーの排気が完了した後、ポリマーを回収し、真空下のオーブン内で、80℃で一晩、乾燥させた。ホモポリマー実験の特性決定データおよび最終共重合体の特性決定データを、表3に報告する。
【表2】
【表3】
【0062】
類似したメルトインデックスMFR「L」およびXS含有量を有する表2の組成物の比較から、本開示の組成物は、比較組成物より良好な衝撃特性(シャルピー)を有するという結果が得られる。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下(百分率は総計A+Bに基づく)を含むポリプロピレン組成物:
A)60から90重量%までの、80%重量を超えるプロピレン単位を含む25℃のキシレンに不溶性の画分、および
B)10から40重量%までの、30.0重量%から55.0重量%までのエチレン誘導単位の平均含有量を有するプロピレンとエチレンとの共重合体を含む25℃のキシレンに可溶性の画分[ここで、前記25℃のキシレンに可溶性の画分は、溶出された共重合体画分の分子量の対数(Log M)および関連するエチレン含有量を決定するGPC分別および連続的IR分析(GPC-IR分析)を行った場合、以下を表すプロットを示すことを特徴とする:
- 所与のエチレン含有量C
2 M ̄w(%重量として表される)に関連する4.7から5.7までの範囲の平均分子量の対数(LogM ̄w)、および
- C
2 M ̄wよりも高いエチレン含量と関連付けられたLog M ̄wよりも高い分子量のログ(Log M)を有する少なくとも溶出された共重合体分画。
【請求項2】
成分B)が、17から32%重量までの範囲である、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項3】
成分B)が、32.0重量%から48.0重量%までのエチレン誘導単位を含有する、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項4】
MFR L(条件L、すなわち230℃および荷重2.16kgでの、ISO 1133に準じたメルトフローレート)が、5から100g/10分までの範囲である、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項5】
25℃のキシレンに可溶性の画分の固有粘度が、1.0から4.0dl/gまでの範囲である、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項6】
25℃のキシレンに可溶性の画分の平均分子量の対数(LogM ̄w)が、5から5.6までの範囲である、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【請求項7】
Log M ̄wより高い分子量の対数(Log M)を有する溶出された共重合体画分のうち、C
2 M ̄wより低い関連するエチレン含有量を有する画分が存在しない、請求項1に記載のポリプロピレン組成物。
【国際調査報告】