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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(54)【発明の名称】折り畳み可能な表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021514576
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(85)【翻訳文提出日】2021-03-16
(86)【国際出願番号】 CN2020098016
(87)【国際公開番号】W WO2021232533
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】202010427172.2
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】韓 文
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA17
5G435BB00
5G435EE04
5G435EE13
5G435EE14
5G435GG42
5G435HH18
(57)【要約】
本開示によれば、前枠、底枠アセンブリ、表示パネル及び支持板を含む折り畳み可能な表示装置が提供される。支持板は、複数の開孔が設けられる折り曲げ領域を含む。開孔は、第1長軸及び第1短軸を含み、第1長軸の方向における両側内壁間の距離が第1長軸の方向に沿って開孔の両端から中間に向かって漸次減少する。これにより、延伸性能及び変形復元能力が向上し、折り畳み可能な表示装置における膜層の分離リスクが低減される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な表示装置を折り畳み状態及び展開状態にする前枠及び底枠アセンブリを含む折り畳み可能な表示装置であって、
前記前枠と前記底枠アセンブリとの間に設けられる表示パネルと、
前記表示パネルと前記底枠アセンブリとの間に設けられる支持板と、をさらに含み、
前記支持板は、仮想の折り曲げ軸線を含む折り曲げ領域であって複数の開孔が設けられる折り曲げ領域と、前記折り曲げ領域の両側に位置する非折り曲げ領域とを含み、
前記開孔は、前記折り曲げ軸線と重なり合い又は平行する仮想の第1長軸と、前記折り曲げ軸線と垂直する仮想の第1短軸と、を含み、前記第1長軸方向における両側内壁間の距離が前記第1長軸の方向に沿って前記開孔の両端から中間に向かって漸次減少する、
折り畳み可能な表示装置。
【請求項2】
前記開孔は、前記折り曲げ領域内にアレイに配列され、
隣接する二列の前記開孔は、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、交錯して配列される、
請求項1に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項3】
前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、隣接する二列の開孔のうちの一方列の前記開孔間の隙間と、他方列の前記開孔の第1短軸とが対応する、
請求項2に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項4】
前記支持板には、離間して配列される複数の折り曲げ開口がさらに設けられ、
前記折り曲げ開口は、前記折り曲げ領域の対向する両側境界が前記折り曲げ軸線方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域内に延伸するように形成される、
請求項2に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項5】
前記折り曲げ開口は、同一列に位置する前記開孔の第1長軸の方向と重なり合う仮想の第2長軸と、仮想の第2短軸と、を含み、前記第2長軸の方向における両側内壁間の距離が前記第2長軸の方向に沿って前記折り曲げ開口の両端から中間に向かって漸次減少する、
請求項4に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項6】
前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、同一側に位置する隣接する前記折り曲げ開口間には、奇数列の前記開孔が間隔を置いて形成され、
前記折り曲げ開口に隣接する一列の開孔において両端に位置する前記開孔と前記折り曲げ領域の両側境界との距離は、前記第2短軸と前記折り曲げ領域の境界との間の距離よりも大きい、
請求項5に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、パネル折り曲げ領域を含み、前記表示パネルにおける前記支持板の前記折り曲げ領域の正投影領域は、前記パネル折り曲げ領域を覆う、
請求項6に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項8】
隣接する前記折り曲げ開口間には、一列の前記開孔が間隔を置いて形成され、前記折り曲げ軸線と垂直する方向において、前記折り曲げ領域の幅はWであり、前記パネル折り曲げ領域の幅はWdであり、Wd≦W=nW1+2W2であり、
ただし、前記折り曲げ軸線と垂直する方向において、nは、前記支持板側の前記折り曲げ開口の数であり、W1は、前記折り曲げ開口の第1端と隣接する前記折り曲げ開口の第1端との距離であり、W2は、展開状態における前記開孔の両側内壁間の最大距離である、
請求項7に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項9】
前記支持板は、前記折り曲げ軸線方向に沿った長さがLであり、L=NL2+2L1であり、
ただし、前記折り曲げ軸線方向に沿って、Nは、前記折り曲げ開口の隣接する一列の開孔における前記開孔の数であり、L2は、前記開孔の第1端と同一列の隣接する前記開孔の第1端との距離であり、L1は、前記開孔の第1端と前記折り曲げ領域の境界との距離である、
請求項8に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項10】
前記折り曲げ領域は、第1折り曲げ領域と、前記第1折り曲げ領域と前記非折り曲げ領域との間に位置する第2折り曲げ領域と、を含み、
前記折り曲げ軸線は、前記第1折り曲げ領域内に位置し、前記第1折り曲げ領域及び前記第2折り曲げ領域における前記開孔の面積及び/又は密度が異なる、
請求項2に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項11】
前記第1折り曲げ領域における前記開孔の面積は、前記第2折り曲げ領域における前記開孔の面積よりも大きく、
前記第1折り曲げ領域における前記開孔の密度は、前記第2折り曲げ領域における前記開孔の密度よりも小さい、
請求項10に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項12】
前記第1折り曲げ領域における各前記開孔の面積及び密度は、いずれも等しく、
前記第2折り曲げ領域における各前記開孔の面積及び密度は、いずれも等しい、
請求項11に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項13】
前記折り曲げ軸線から前記非折り曲げ領域方向に沿って、前記開孔は、寸法が漸次減少し、密度が漸次増加する、
請求項11に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項14】
前記第1折り曲げ領域内に位置する前記開孔は、開口が前記表示パネルから離間する側又は前記表示パネルに近接する側を向く盲孔である、
請求項10に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項15】
前記表示パネルと前記支持板との間には、前記支持板を覆うとともに、前記開孔を充填する弾性層が設けられる、
請求項1に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項16】
折り畳み可能な表示装置を折り畳み状態及び展開状態にする前枠及び底枠アセンブリを含む折り畳み可能な表示装置であって、
前記前枠と前記底枠アセンブリとの間に設けられる表示パネルと、
前記表示パネルと前記底枠アセンブリとの間に設けられる支持板と、をさらに含み、
前記支持板は、仮想の折り曲げ軸線を含む折り曲げ領域であってアレイに配列される複数の開孔が設けられる折り曲げ領域と、前記折り曲げ領域の両側に位置する非折り曲げ領域とを含み、前記開孔は、前記折り曲げ軸線と重なり合い又は平行する仮想の第1長軸と、前記折り曲げ軸線と垂直の仮想の第1短軸と、を含み、前記第1長軸の方向における両側内壁間の距離が、前記第1長軸の方向に沿って前記開孔の両端から中間に向かって漸次減少し、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、隣接する二列の前記開孔が交錯して配列されるとともに、隣接する二列の開孔のうちの一方列の前記開孔間の隙間と、他方列の前記開孔の第1短軸とが対応する、
折り畳み可能な表示装置。
【請求項17】
前記支持板には、離間して配列される複数の折り曲げ開口が設けられ、
前記折り曲げ開口は、前記折り曲げ領域の対向する両側境界が前記折り曲げ軸線方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域内に延伸するように形成される、
請求項16に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項18】
前記折り曲げ開口は、同一列に位置する前記開孔の第1長軸の方向と重なり合う仮想の第2長軸と、仮想の第2短軸と、を含み、前記第2長軸の方向における両側内壁間の距離が前記第2長軸の方向に沿って前記折り曲げ開口の両端から中間に向かって漸次減少する、
請求項17に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項19】
前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、同一側に位置する隣接する前記折り曲げ開口間には、奇数列の前記開孔が間隔を置いて形成され、
前記折り曲げ開口に隣接する一列の開孔において両端に位置する前記開孔と前記折り曲げ領域の両側境界との距離は、前記第2短軸と前記折り曲げ領域の境界との間の距離よりも大きい、
請求項18に記載の折り畳み可能な表示装置。
【請求項20】
折り畳み可能な表示装置を折り畳み状態及び展開状態にする前枠及び底枠アセンブリを含む折り畳み可能な表示装置であって、
前記前枠と前記底枠アセンブリとの間に設けられる表示パネルと、
前記表示パネルと前記底枠アセンブリとの間に設けられる支持板と、をさらに含み、
前記支持板は、仮想の折り曲げ軸線を含む折り曲げ領域であってアレイに配列される複数の開孔が設けられる折り曲げ領域と、前記折り曲げ領域の両側に位置する非折り曲げ領域とを含み、前記折り曲げ領域の対向する両側境界には、前記折り曲げ軸線方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域内に延伸するように離間して配列される複数の折り曲げ開口が形成され、前記開孔は、前記折り曲げ軸線と重なり合い又は平行する仮想の第1長軸と、前記折り曲げ軸線と垂直の仮想の第1短軸と、を含み、前記第1長軸の方向における両側内壁間の距離が、前記第1長軸の方向に沿って前記開孔の両端から中間に向かって漸次減少し、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、隣接する二列の前記開孔が交錯して配列されるとともに、隣接する二列の開孔のうちの一方列の前記開孔間の隙間と、他方列の前記開孔の第1短軸とが対応し、前記折り曲げ開口は、同一列に位置する前記開孔の第1長軸の方向と重なり合う仮想の第2長軸と、仮想の第2短軸と、を含み、前記第2長軸の方向における両側内壁間の距離が前記第2長軸の方向に沿って前記折り曲げ開口の両端から中間に向かって漸次減少する、
折り畳み可能な表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に折り畳み可能な表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、表示パネルに対する消費者のニーズはますます多様化し、個性化する。折り畳み可能な表示装置は、折り曲げ可能で携帯に便利であるなどの利点を有し、消費者に人気がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の折り畳み可能な表示装置の繰り返し折り畳みや展開によるうねり(waviness)や折り目の問題を緩和するためには、表示パネルの裏側に、全面的に覆う金属片と表示パネルの非折り曲げ領域のみを覆う支持板とをそれぞれ貼り付ける必要があり、これでは組立の難易度や生産コストが増大するだけでなく、支持板が全面的に覆っていないため、表示パネルの折り曲げ領域に段差が発生し、表示装置の平坦性が低下する。
【0004】
以上により、従来の折り畳み可能な表示装置は、平坦性が悪く、組立が困難であるなどの問題が存在する。したがって、この欠点を改善するために折り畳み可能な表示装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例によれば、従来の折り畳み可能な表示装置の平坦性が悪く、組立が困難である問題を解決するための折り畳み可能な表示装置が提供される。
【0006】
本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置を折り畳み状態及び展開状態にする前枠及び底枠アセンブリを含む折り畳み可能な表示装置であって、
前記前枠と前記底枠アセンブリとの間に設けられる表示パネルと、
前記表示パネルと前記底枠アセンブリとの間に設けられる支持板と、をさらに含み、
前記支持板は、仮想の折り曲げ軸線を含む折り曲げ領域であって複数の開孔が設けられる折り曲げ領域と、前記折り曲げ領域の両側に位置する非折り曲げ領域とを含み、
前記開孔は、前記折り曲げ軸線と重なり合い又は平行する仮想の第1長軸と、前記折り曲げ軸線と垂直の仮想の第1短軸と、を含み、前記第1長軸方向における両側内壁間の距離が前記第1長軸の方向に沿って前記開孔の両端から中間に向かって漸次減少する、
折り畳み可能な表示装置が提供される。
【0007】
本開示の一実施例によれば、前記開孔は、前記折り曲げ領域内にアレイに配列され、
隣接する二列の前記開孔は、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、交錯して配列される。
【0008】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、隣接する二列の開孔のうちの一方列の前記開孔間の隙間と、他方列の前記開孔の第1短軸とが対応する。
【0009】
本開示の一実施例によれば、前記支持板には、離間して配列される複数の折り曲げ開口がさらに設けられ、
前記折り曲げ開口は、前記折り曲げ領域の対向する両側境界が前記折り曲げ軸線方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域内に延伸するように形成される。
【0010】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ開口は、同一列に位置する前記開孔の第1長軸の方向と重なり合う仮想の第2長軸と、仮想の第2短軸と、を含み、前記第2長軸の方向における両側内壁間の距離が前記第2長軸の方向に沿って前記折り曲げ開口の両端から中間に向かって漸次減少する。
【0011】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、同一側に位置する隣接する前記折り曲げ開口間には、奇数列の前記開孔が間隔を置いて形成され、
前記折り曲げ開口に隣接する一列の開孔において両端に位置する前記開孔と前記折り曲げ領域の両側境界との距離は、前記第2短軸と前記折り曲げ領域の境界との間の距離よりも大きい。
【0012】
本開示の一実施例によれば、前記表示パネルは、パネル折り曲げ領域を含み、前記表示パネルにおける前記支持板の前記折り曲げ領域の正投影領域は、前記パネル折り曲げ領域を覆う。
【0013】
本開示の一実施例によれば、隣接する前記折り曲げ開口間には、一列の前記開孔が間隔を置いて形成され、前記折り曲げ軸線と垂直する方向において、前記折り曲げ領域の幅はWであり、前記パネル折り曲げ領域の幅はWdであり、Wd≦W=nW1+2W2であり、
ただし、前記折り曲げ軸線と垂直する方向において、nは、前記支持板側の前記折り曲げ開口の数であり、W1は、前記折り曲げ開口の第1端と隣接する前記折り曲げ開口の第1端との距離であり、W2は、展開状態における前記開孔の両側内壁間の最大距離である。
【0014】
本開示の一実施例によれば、前記支持板は、前記折り曲げ軸線方向に沿った長さがLであり、L=NL2+2L1であり、
ただし、前記折り曲げ軸線方向に沿って、Nは、前記折り曲げ開口の隣接する一列の開孔における前記開孔の数であり、L2は、前記開孔の第1端と同一列の隣接する前記開孔の第1端との距離であり、L1は、前記開孔の第1端と前記折り曲げ領域の境界との距離である。
【0015】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ領域は、第1折り曲げ領域と、前記第1折り曲げ領域と前記非折り曲げ領域との間に位置する第2折り曲げ領域と、を含み、
前記折り曲げ軸線は、前記第1折り曲げ領域内に位置し、前記第1折り曲げ領域及び前記第2折り曲げ領域における前記開孔の面積及び/又は密度が異なる。
【0016】
本開示の一実施例によれば、前記第1折り曲げ領域における前記開孔の面積は、前記第2折り曲げ領域における前記開孔の面積よりも大きく、
前記第1折り曲げ領域における前記開孔の密度は、前記第2折り曲げ領域における前記開孔の密度よりも小さい。
【0017】
本開示の一実施例によれば、前記第1折り曲げ領域における各前記開孔の面積及び密度は、いずれも等しく、
前記第2折り曲げ領域における各前記開孔の面積及び密度は、いずれも等しい。
【0018】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ軸線から前記非折り曲げ領域方向に沿って、前記開孔は、寸法が漸次減少し、密度が漸次増加する。
【0019】
本開示の一実施例によれば、前記第1折り曲げ領域内に位置する前記開孔は、開口が前記表示パネルから離間する側又は前記表示パネルに近接する側を向く盲孔である。
【0020】
本開示の一実施例によれば、前記表示パネルと前記支持板との間には、前記支持板を覆うとともに、前記開孔を充填する弾性層が設けられる。
【0021】
本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置を折り畳み状態及び展開状態にする前枠及び底枠アセンブリを含む折り畳み可能な表示装置であって、
前記前枠と前記底枠アセンブリとの間に設けられる表示パネルと、
前記表示パネルと前記底枠アセンブリとの間に設けられる支持板と、をさらに含み、
前記支持板は、仮想の折り曲げ軸線を含む折り曲げ領域であってアレイに配列される複数の開孔が設けられる折り曲げ領域と、前記折り曲げ領域の両側に位置する非折り曲げ領域とを含み、前記開孔は、前記折り曲げ軸線と重なり合い又は平行する仮想の第1長軸と、前記折り曲げ軸線と垂直の仮想の第1短軸と、を含み、前記第1長軸の方向における両側内壁間の距離が、前記第1長軸の方向に沿って前記開孔の両端から中間に向かって漸次減少し、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、隣接する二列の前記開孔が交錯して配列されるとともに、隣接する二列の開孔のうちの一方列の前記開孔間の隙間と、他方列の前記開孔の第1短軸とが対応する、
折り畳み可能な表示装置がさらに提供される。
【0022】
本開示の一実施例によれば、前記支持板には、離間して配列される複数の折り曲げ開口がさらに設けられ、
前記折り曲げ開口は、前記折り曲げ領域の対向する両側境界が前記折り曲げ軸線方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域内に延伸するように形成される。
【0023】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ開口は、同一列に位置する前記開孔の第1長軸の方向と重なり合う仮想の第2長軸と、仮想の第2短軸と、を含み、前記第2長軸の方向における両側内壁間の距離が前記第2長軸の方向に沿って前記折り曲げ開口の両端から中間に向かって漸次減少する。
【0024】
本開示の一実施例によれば、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、同一側に位置する隣接する前記折り曲げ開口間には、奇数列の前記開孔が間隔を置いて形成され、
前記折り曲げ開口に隣接する一列の開孔において両端に位置する前記開孔と前記折り曲げ領域の両側境界との距離は、前記第2短軸と前記折り曲げ領域の境界との間の距離よりも大きい。
【0025】
本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置を折り畳み状態及び展開状態にする前枠及び底枠アセンブリを含む折り畳み可能な表示装置であって、
前記前枠と前記底枠アセンブリとの間に設けられる表示パネルと、
前記表示パネルと前記底枠アセンブリとの間に設けられる支持板と、をさらに含み、
前記支持板は、仮想の折り曲げ軸線を含む折り曲げ領域であってアレイに配列される複数の開孔が設けられる折り曲げ領域と、前記折り曲げ領域の両側に位置する非折り曲げ領域とを含み、前記折り曲げ領域の対向する両側境界には、前記折り曲げ軸線方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域内に延伸するように離間して配列される複数の折り曲げ開口が形成され、前記開孔は、前記折り曲げ軸線と重なり合い又は平行する仮想の第1長軸と、前記折り曲げ軸線と垂直の仮想の第1短軸と、を含み、前記第1長軸の方向における両側内壁間の距離が、前記第1長軸の方向に沿って前記開孔の両端から中間に向かって漸次減少し、前記折り曲げ軸線と垂直する方向に沿って、隣接する二列の前記開孔が交錯して配列されるとともに、隣接する二列の開孔のうちの一方列の前記開孔間の隙間と、他方列の前記開孔の第1短軸とが対応し、前記折り曲げ開口は、同一列に位置する前記開孔の第1長軸の方向と重なり合う仮想の第2長軸と、仮想の第2短軸と、を含み、前記第2長軸の方向における両側内壁間の距離が前記第2長軸の方向に沿って前記折り曲げ開口の両端から中間に向かって漸次減少する、
折り畳み可能な表示装置がさらに提供される。
【発明の効果】
【0026】
本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置が提供される。支持板の折り曲げ領域に第1長軸方向における両側内壁間の開孔距離が第1長軸方向に沿って開孔の両端から中間に漸次減少する複数の開孔を設けることにより、折り畳み可能な表示装置の折り曲げ過程において、開孔の中間距離が短い部分が引っ張られて広くなりやすく、良好な延伸性能及び変形復元能力を有するため、支持板は、折り曲げ過程における表示パネルの長さの変化に同期して引っ張られて延長及び復元することができ、それにより、支持板と表示パネルとの間の応力及び相対転位量が小さくなり、表示パネルにおける膜層分離のリスクが低減されると同時に、一体化された支持板は、表示装置の平坦性を向上させるために表示パネルの各部分に良好な支持を提供することができるため、表示パネルと前枠及び底枠アセンブリとの組立や組み合わせに便利であり、組立の難易度が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下は、実施例又は従来技術の説明において必要とされる図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明の図面は、開示されるいくつかの実施例に過ぎない。当業者にとって、創造的な作業なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
図1】本開示の実施例に係る折り畳み可能な表示装置の全体構造を示す概略図である。
図2】本開示の実施例に係る支持板の構造を示す概略図である。
図3図2における詳細部分Aを示す概略図である。
図4図2における詳細部分Bを示す概略図である。
図5】本開示の実施例に係る支持板の折り曲げ領域の構造を示す概略図である。
図6】本開示の実施例に係る別の支持板の構造を示す概略図である。
図7】本開示の実施例に係る表示パネルの折り畳み状態を示す概略図である。
図8】本開示の実施例に係る支持板と表示パネルとの密着を示す概略図である。
図9】本開示の実施例に係る表示パネルの被覆フィルム及びフレキシブル回路基板の折り曲げを示す概略図である
図10】本開示の実施例に係る表示パネルの膜層構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の各実施例の説明は、本発明の実施可能な特定の実施例を例示するための図面を参照する。本発明に言及される方向用語、例えば、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」などは、図面を参照する方向のみである。したがって、使用される方向用語は、本発明を説明及び理解するために使用され、本発明を制限するものではない。図において、構造が類似するユニットは、同じ符号で示される。
【0030】
以下は、図面及び具体的な実施例を参照しながら、本開示についてさらに説明する。
【0031】
本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置が提供される。以下は、図1図10を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、図1は、本開示の実施例に係る折り畳み可能な表示装置の全体構造を示す概略図である。折り畳み可能な表示装置100は、それを折り畳み状態及び展開状態にすることができる前枠1及び底枠アセンブリ2を含み、表示パネル3及び支持板4をさらに含む。前枠1は、表示パネル3及び底枠アセンブリ2を覆うためのものである。底枠アセンブリ2は、前枠1、表示パネル3及び支持板4を担持するためのものである。表示パネル3は、前枠1と底枠アセンブリ2との間に設けられる。支持板4は、表示パネル3と底枠アセンブリ2との間に設けられるとともに、表示パネル3の表示面から離間する側に位置する。
【0033】
図2に示すように、本開示の実施例に係る支持板の構造を示す概略図である。支持板4は、仮想の折り曲げ軸線410を含む折り曲げ領域41と、折り曲げ領域41の両側に位置する非折り曲げ領域42とを含み、折り曲げ軸線410に沿って展開又は折り畳むことができる。
【0034】
図3に示すように、図3は、図2における詳細部分Aを示す概略図である。折り曲げ領域41には、仮想の第1長軸a1と第1短軸b1とを含む複数の開孔43が形成される。折り曲げ軸線410に位置する開孔43の第1長軸a1は、折り曲げ軸線410と重なり合い、他の部分の開孔43の第1長軸a1の方向は、折り曲げ軸線410の方向と平行し、第1短軸b1の方向は、折り曲げ軸線410の方向と垂直する。支持板4における開孔43の正投影図案は、第1長軸a1及び第1短軸b1に対してそれぞれ対称的であってもよい。
【0035】
開孔43は、第1長軸a1の方向における両側壁間の距離が第1長軸a1の方向に沿って、開孔43の両端から中間(すなわち、第1短軸b1が位置する位置)に向かって漸次減少し、図3に示すように、開孔の両端側壁間の距離が大きく、中間の距離が細い「ドッグボーン」形状を形成する。開孔43は、支持板4が折り曲げによって引っ張られる過程において、両側の引張応力の影響を受けて中間の細い部分が引っ張られて広くなるため、支持板4は優れた延伸性能を有することになる。折り畳み可能な表示装置の折り曲げ過程において、支持板4は、表示パネル3の長さの変化に同期して引っ張られて延長することができ、表示パネル3の長さが変化する空間を与え、折り曲げ時の支持板4の応力を分散して小さくすることができ、それにより、表示パネル3に対する押圧応力がそれに応じて低減されるとともに、支持板4と表示パネル3との間の相対ずれ量が小さくなり、支持板4と表示パネル3及び表示パネル3における膜層とが分離するリスクが低減される。
【0036】
具体的には、図3に示すように、開孔43は、折り曲げ領域41の全域に一定の密度で配列され、不連続な格子構造を形成するとともに、任意の隣接する二列の開孔43同士が交錯して配列され、一方では、折り曲げ領域41における開孔43の配列密度を大きくすることができ、他方では、交錯して配列される開孔43は、隣接する未開孔部分の材料強度による影響を受けて、折り曲げ作用力が消失した後、開孔43の中間が引っ張られて延長した部分が原状に迅速に復元することができるため、支持板4は、良好な変形復元能力を有し、繰り返しの折り畳みや展開による表示パネルのうねりや折り目が小さくなり、表示パネル3が展開状態に復元された後の平坦性が保証される。
【0037】
折り曲げ軸線410方向に沿って、隣接する二列の開孔のうちの一方列の開孔43間の隙間と、他方列の開孔の第1短軸b1とが対応することが好ましい。これにより、開孔43が設けられる密度が最大になるとともに、開孔43の中間部分を未開孔材料が最も多い部分に対応させることにより、開孔43に十分な引っ張り変形空間を与えつつ開孔43の両端の距離が大きい部分の肉厚に影響を与えず、それにより、支持板4の折り曲げ領域の十分な強度が保証される条件下で、支持板4の延伸率が10%以上到達できるように支持板4の延伸性能及び変形復元能力が向上する。
【0038】
もちろん、いくつかの実施例において、開孔43の配列方式の変形構造として、隣接する二列の開孔43同士は平行に並設されてもよい。これにより、支持板の延伸性能を向上させ、折り曲げ領域41の応力を分散して小さくする技術的効果も同様に実現することができるが、ここでは限定されない。
【0039】
第1長軸a1に対応する開孔43の両側壁の支持板4における正投影図案の形状は、円弧状であることが好ましい。円弧の曲率又は弧度Rは、支持板4の折り畳み状態における延伸長さ、開孔43の変形量及び開孔43の数に基づいて算出することができる。もちろん、第1長軸a1に対応する開孔43の両側壁の支持板4における正投影図案の形状は、円弧状に限定されるものではなく、いくつかの実施例において、他の任意の曲線であってもよいが、ここでは特に限定されない。
【0040】
本開示の実施例に係る開孔43は、貫通孔又は盲孔を含むがこれらに限定されない。これにより、支持板4は、折り曲げられる際に応力を分散して低減させることができる。
【0041】
図4に示すように、図4は、図2における詳細部分Bを示す概略図である。前記支持板4には、離間して配列される複数の折り曲げ開口44がさらに設けられ、前記折り曲げ開口44は、前記折り曲げ領域41の対向する両側境界が前記折り曲げ軸線410方向に沿ってそれぞれ前記折り曲げ領域41内に延伸するように形成される。折り曲げ開口44の開口方向は、開孔43の第1長軸a1の方向と同じ又は逆である。
【0042】
具体的には、前記折り曲げ開口44は、同一列に位置する前記開孔43の第1長軸a1の方向と重なり合う仮想の第2長軸a2と、第2長軸a2と垂直する仮想の第2短軸b2と、を含む。折り曲げ開口44は、第2長軸a2の方向における両側内壁間の距離が第2長軸a2の方向に沿って前記折り曲げ開口44の両端から中間(すなわち、第2短軸箇所)に向かって漸次減少し、すなわち、折り曲げ開口44の前記折り曲げ領域41の境界から離間する一端から前記第2短軸b2箇所まで、折り曲げ開口44の両側内壁間の距離が漸次減少し、前記第2短軸b2箇所から前記折り曲げ開口44の折り曲げ領域41の境界に位置する開口箇所まで、両側内壁の距離が漸次増加することにより、支持板4の延伸性能を向上させ、折り曲げ過程において折り曲げ領域41の両側により表示パネル3に発生する押圧応力を小さくしつつ、折り曲げ過程において支持板4の折り曲げ領域41の両側境界が変形して両側から折り曲げ領域41の内側に凹むように変形することによる内縮量を小さくすることができる。それにより、支持板4の折り曲げ領域41の両側境界における表示パネル3に対する支持効果が向上するとともに、両側の内縮量に起因する折り曲げ領域41の両側境界における対応する表示パネル3が支持板4により支持されないことによる折り目が解消される。
【0043】
さらに、図5に示すように、前記折り曲げ軸線410と垂直する方向に沿って、折り曲げ領域41の同一側に位置する隣接する前記折り曲げ開口44間には、一列の前記開孔43が間隔を置いて形成され、前記折り曲げ開口44に隣接する一列の開孔において両端に位置する前記開孔43と折り曲げ領域41の両側境界との距離L1は、第2短軸b2と折り曲げ領域41の境界との間の距離L3よりも大きいため、折り曲げ開口44の第2短軸b2から境界開口箇所までの部分の両側に開孔43が設けられておらず、これにより折り曲げ領域41の両側境界における折り曲げ開口44の周囲に開孔43が設けられていない部分の面積が大きくなり、これにより支持板4の折り曲げ領域41の両側境界の強度が大きくなるとともに、支持板4の耐折り曲げ性能が向上し、折り曲げ過程において折り曲げ領域41の両側境界が集中応力により破断する状況の発生が防止される。もちろん、いくつかの実施例において、同一側に位置する隣接する前記折り曲げ開口間には、三列又は五列などの奇数列の前記開孔が間隔を置いて形成されてもよく、同様に良好な耐折り曲げ性能が得られるが、ここでは限定されない。
【0044】
本開示の実施例において、表示パネル3は、パネル折り曲げ領域と、前記パネル折り曲げ領域の両側に位置するパネル非折り曲げ領域とを含む。展開状態において、支持板4の折り曲げ領域41の表示パネル3における正投影領域は、パネル折り曲げ領域を覆い、折り曲げ軸線410と垂直する方向における支持板4の折り曲げ領域41の幅は、折り曲げ軸線と垂直する方向におけるパネル折り曲げ領域の幅よりも大きく、パネル折り曲げ領域を超えた部分の支持板4の折り曲げ領域41は、折り曲げ過程において引っ張られて延長し、表示パネル3のパネル折り曲げ領域とパネル非折り曲げ領域との境界部分に応力解放及び歪み転位運動のための十分な空間を提供することができ、表示パネル3の膜層分離のリスクが低減される。
【0045】
十分な応力解放空間を保証するために、展開状態において、折り曲げ領域41は、折り曲げ軸線410と垂直する方向における任意の一方側の幅がパネル折り曲げ領域の同じ側よりも少なくとも1mm超える。
【0046】
具体的には、図5に示すように、図5は、本開示の実施例に係る支持板の折り曲げ領域の構造を示す概略図である。展開状態において、折り曲げ軸線410と垂直する方向に沿って、隣接する折り曲げ開口44間には、一列の開孔43が間隔を置いて形成され、支持板4の一方側に折り曲げ開口44が設けられる数はnであり、折り曲げ開口44の第1端と隣接する折り曲げ開口の第1端との距離はW1であり、第1長軸a1の方向における両側内壁間における開孔43の最大距離はW2であり、折り曲げ領域41の幅はWであり、表示パネル3のパネル折り曲げ領域の幅Wd≦W=nW1+2W2である。
【0047】
折り曲げ軸線410の方向に沿って、折り曲げ開口44に隣接する一列の開孔における開孔43の数はNであり、開孔43の第1端と折り曲げ領域41の境界との距離はL1であり、開孔43の第1端と同一列の隣接する開孔の第1端との距離はL2であり、ここで、折り曲げ軸線410方向に沿った支持板4の長さL=NL2+2L1である。
【0048】
本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置がさらに提供される。前記折り畳み可能な表示装置と上記実施例に係る折り畳み可能な表示装置とは、構造がほぼ同じであり、相違点は、図6に示すように、図6は、本開示の実施例に係る別の支持板の構造を示す概略図である。支持板4の折り曲げ領域41は、第1折り曲げ領域411と、第1折り曲げ領域411と非折り曲げ領域42との間に位置する第2折り曲げ領域412とを含む。折り曲げ軸線410は、第1折り曲げ領域411内に位置し、第1折り曲げ領域411には第1開孔431が含まれ、第2折り曲げ領域412には第2開孔432が含まれ、前記第1開孔431の寸法及び密度と前記第2開孔432の寸法及び密度とは異なる。
【0049】
図7に示すように、図7は、本開示の実施例に係る表示パネルの折り畳み状態を示す概略図である。表示パネル3のパネル折り曲げ領域は、第1パネル折り曲げ領域31と、前記第1パネル折り曲げ領域31とパネル非折り曲げ領域33との間に位置する第2パネル折り曲げ領域32とを含む。第2パネル折り曲げ領域32は、第1パネル折り曲げ領域31とパネル非折り曲げ領域33との折り曲げ遷移領域にある。表示パネル3が折り畳み状態に折り曲げられる場合、両側のパネル非折り曲げ領域33は、表示面が対向するように平行に設けられ、パネル折り曲げ領域は水滴状に形成され、第1パネル折り曲げ領域31は、内側に凹むように折り曲げられ、第2パネル折り曲げ領域32は、対向する側の第2パネル折り曲げ領域32に突出するように折り曲げられ、傾きが第1パネル折り曲げ領域31の傾きよりも大きく、それにより第2パネル折り曲げ領域32が受ける応力は第1パネル折り曲げ領域が受ける応力よりも大きくなるため、第2パネル折り曲げ領域32は、相対転位量が第1パネル折り曲げ領域31の相対転位量よりも大きくなり、第1パネル折り曲げ領域31よりも膜層分離が発生するリスクが高くなる。
【0050】
第1折り曲げ領域411における第1開孔431の寸法は、第2折り曲げ領域412における第2開孔432の寸法よりも大きいものでなければならず、第1折り曲げ領域411における第1開孔431の密度は、第2折り曲げ領域412における第2開孔432の密度よりも小さいものでなければならないことが好ましい。開孔寸法を小さくするとともに、開孔密度を増加させることにより、支持板は、第2折り曲げ領域412の延伸性能及び変形復元能力が第1折り曲げ領域411よりも大きくなり、第2折り曲げ領域412の折り曲げ時の応力を分散して小さくすることにより、第2表示パネル折り曲げ領域32が受ける応力がそれに応じて低減され、表示パネル3の各部分が受ける力が均衡され、膜層分離が発生するリスクが低減される。
【0051】
さらに、折り曲げ領域41における開孔43の寸法及び密度は、多段式の変化を示し、すなわち、第1折り曲げ領域411における各第1開孔431の寸法及び密度がいずれも等しく、第2折り曲げ領域412における各第2開孔432の寸法及び密度がいずれも等しい。これにより、第2折り曲げ領域412の折り曲げ時の応力を分散して低減させることができ、表示パネル3における各部分が受ける力が均衡され、膜層分離が発生するリスクが低減される。また、折り曲げ領域41における開孔43の寸法及び密度の多段式変化は、本開示の実施例に係る三段式の変化に限定されるものではなく、他の実施例において、より少ない又はより多い段式の変化を含んでもよく、いずれも上記技術的効果を実現することができるが、ここでは限定されない。
【0052】
もちろん、いくつかの実施例において、折り曲げ領域41における開孔43の寸法及び密度は、漸次式の変化を示してもよく、すなわち、折り曲げ軸線410から非折り曲げ領域42までに沿って、又は折り曲げ軸線から第1折り曲げ領域411と第2折り曲げ領域412との境界までに沿って、又は第1折り曲げ領域411と第2折り曲げ領域412との境界から非折り曲げ領域42に沿って、開孔43は、寸法が漸次減少(又は増加)し、密度が漸次増加(又は減少)しても、同様に上記実施例と同じ技術的効果を実現することができるが、ここでは特に限定されない。
【0053】
折り曲げ領域41における開孔43の寸法及び密度の設定方式の変形構造として、第1折り曲げ領域411及び第2折り曲げ領域412は、開孔の寸法及び密度の一方のみを変化させるとともに、他方を一定に保持することができる。これにより、支持板4の折り曲げ性能及び変形復元能力を増加させ、支持板4の折り曲げ領域41の応力を分散して小さくする効果を同様に実現することができる。
【0054】
さらに、第2折り曲げ領域412内に位置する第2開孔432は貫通孔であり、第1折り曲げ領域411内に位置する第1開孔431は、開口が表示パネル3から離間する側又は表示パネル3に近接する側を向く盲孔である。
【0055】
盲孔は、開口が表示パネル3から離間する側を向くことが好ましく、支持板4の第1折り曲げ領域411の未開孔部分が平坦に保持されることにより、貫通孔と盲孔とが組み合わされた状態で、支持板4の十分な延伸性能及び変形復元能力を満たすことができるとともに、支持板4の平坦な部分が第1パネル折り曲げ領域31を支持することができ、表示パネル3の繰り返し折り畳みや展開によるうねりや折り目が小さくなるとともに、表示パネル3の平坦性が向上する。もちろん、いくつかの実施例において、盲孔の開口の向きは、表示パネル3に近接する側であってもよく、支持板4の延伸性能及び変形復元能力を向上させる効果を同様に実現することができるが、ここでは限定されない。
【0056】
本開示の実施例において、図8に示すように、表示パネル3と支持板4との間は、フレキシブル折り畳み可能な光学接着剤層5の全面を介して接着される。図9に示すように、表示パネル3は、支持板4の表示パネル3から離間する側に折り曲げ可能な被覆フィルム35及びフレキシブル回路基板36を含み、これにより、表示パネル3の折り曲げに影響を与えないだけでなく、折り畳み可能な表示装置100の画面占有率を向上させることができる。
【0057】
具体的には、図10に示すように、図10は、本開示の実施例に係る表示パネルの膜層構造を示す概略図である。表示パネル3は、積層されたバックプレート311、タッチ表示機器層312、偏光板313及びパッケージカバー314をさらに含み、バックプレート311とタッチ表示機器層312との間は、感圧接着剤層315を介して接着され、パッケージカバー314と偏光板313との間は、光学接着剤層316を介して接着される。
【0058】
表示パネル3と支持板4との間には、支持板4の全面を覆うように支持板4と折り畳み可能な光学接着剤層5との間に設けられる弾性層6が設けられることが好ましい。本好適実施例において、弾性層6の材料はシリコーン樹脂であり、シリコーン樹脂は硬化前に液状であり、かつ流動性がよく、支持板4の表面にシリコーン樹脂をシルク印刷する際に、シリコーン樹脂材料は開孔43内に充填することができ、硬化後に支持板の開孔43と一体化された格子構造を形成することができる。シリコーン樹脂材料自体は、良好な弾性及び延伸性能を有し、支持板4及び表示パネル3の折り曲げ過程において、弾性層6は、隣接するフレキシブル折り畳み可能な光学接着剤層5に追従して同期して移動可能であるため、支持板4と表示パネル3との間の相対転位量が少なくなり、表示パネル3と隣接する膜層との間の膜層分離のリスクが低減される。それと同時に、弾性層6は、開孔43内に充填され、開孔43に良好な変形復元能力をさらに提供することができるため、表示パネル3が折り畳まれた後に速やかに展開状態に復元することができ、それにより折り畳みによる折り目やうねりが効果的に除去される。
【0059】
任意に、他の実施例において、弾性層6は、良好な延伸性能及び変形復元能力を同様に具備し、弾性層6と同じ技術的効果を実現することができる発泡ゴム層で置換されてもよい。
【0060】
本開示の実施例において、支持板4の材料は、ステンレス鋼材料(SUS)であり、それ自体が高い靭性及び塑性を有し、支持板4の折り曲げ領域41に良好な延伸性能を提供するだけでなく、支持板自体の良好な強度は、表示パネル3の各部分に対していずれも良好な支持能力を提供することができ、表示パネル3の展開状態における平坦性が向上し、フレキシブルな表示パネル3と前枠及び底枠アセンブリとの組立や組み合わせの難易度が低減され、フレキシブル組立の装置を交換する必要もなく、投入コストが低減される。
【0061】
また、支持板4の良好な強度及び延伸性能を保証するために、支持板4の厚さの値は0.02mm~1mmの間にあるべきであり、厚さが薄すぎると支持板4の支持強度が不十分となり、厚すぎると支持板4の延伸性能や変形復元能力が悪化し、具体的な数値は実際のニーズに応じて選択することができるが、ここでは限定されない。
【0062】
特に、いくつかの実施例において、表示パネル3における既存のバックプレート311の代わりに支持板4を使用することができ、これにより、表示パネル3の厚さを薄くするとともに、各膜層間の応力を小さくし、それにより、各膜層間の相対転位量が小さくなり、膜層分離のリスクが低減され、表示パネル3の耐折り曲げ性能が向上し、バックプレート311のコストを節約するとともに対応するプロセスを削減することができる。
【0063】
もちろん、他の実施例において、支持板4の材料は、Al、Mg又は液体金属などの性質が同一又は類似である材料であってもよく、上記ステンレス鋼材料と同じ技術的効果を実現することができ、ここでは特に限定されない。
【0064】
本開示の実施例の有益な効果は以下のとおりである。本開示の実施例によれば、折り畳み可能な表示装置が提供される。支持板の折り曲げ領域に第1長軸方向における両側内壁間の開孔距離が第1長軸方向に沿って開孔の両端から中間に漸次減少する複数の開孔を設けることにより、折り畳み可能な表示装置の折り曲げ過程において、開孔の中間距離が短い部分が引っ張られて広くなりやすく、良好な延伸性能及び変形復元能力を有するため、支持板は、折り曲げ過程における表示パネルの長さの変化に同期して引っ張られて延長及び復元することができ、それにより、支持板と表示パネルとの間の応力及び相対転位量が小さくなり、表示パネルにおける膜層分離のリスクが低減されると同時に、一体化された支持板は、表示装置の平坦性を向上させるために表示パネルの各部分に良好な支持を提供することができるため、表示パネルと前枠及び底枠アセンブリとの組立や組み合わせに便利であり、組立の難易度が低減される。
【0065】
上記は、本発明の好適実施形態のみであり、なお、当業者は、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び修正を行うこともできるが、これらの改善及び修正も、本発明の保護範囲とみなすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】