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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(54)【発明の名称】研削装置付き紙ロール用切断機
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/12 20060101AFI20220815BHJP
   B26D 3/16 20060101ALI20220815BHJP
   B24B 3/46 20060101ALI20220815BHJP
   B24B 3/36 20060101ALI20220815BHJP
   B24B 49/18 20060101ALI20220815BHJP
   B26D 1/18 20060101ALI20220815BHJP
   A47K 10/16 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
B26D7/12
B26D3/16 E
B24B3/46
B24B3/36 A
B24B49/18
B26D1/18
A47K10/16 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573352
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 IT2020050132
(87)【国際公開番号】W WO2020250255
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102019000008490
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】グアリーニ、チロ
(72)【発明者】
【氏名】ベッティ、ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】カタリーニ、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーニ、ジョヴァッキーノ
【テーマコード(参考)】
2D135
3C027
3C034
3C158
【Fターム(参考)】
2D135AA00
2D135AA21
2D135AB02
2D135AB06
2D135AB13
2D135AD26
3C027RR01
3C027RR03
3C027RR08
3C034AA11
3C034BB51
3C034BB56
3C034BB92
3C034CA12
3C034CA18
3C034CB13
3C034DD07
3C158AA02
3C158AA12
3C158AA13
3C158AA18
3C158AB06
3C158AC02
3C158BA04
3C158CA01
3C158CB03
3C158DB01
(57)【要約】
切断ユニット(CU)と、2つの研削砥石(3)を備えた少なくとも1つの研削ユニットと、前記研削砥石を位置決めするための装置と、を備える、紙材料のログを横方向に切断するための切断機。当該装置は、一次キャリッジ(40,41;400)と、2つの二次キャリッジ(42,43)とを備えている。一次キャリッジは、刃の平面(P2)から所定の距離を置いて配置され、二次キャリッジの走行の制御面を形成する表面(ST)を有する。研削砥石(3)の位置決めの第1工程では、二次キャリッジは研削砥石の研削側部を表面(ST)に接触させる。第2工程では、二次キャリッジは研削砥石の研削側部を平面(P2)に運ぶ。第3工程では、一次アクチュエータは、研削砥石の研削側部が刃に接触するまで一次キャリッジ(40,41;400)を移動させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材料ログを横方向に切断するための切断機であって、
-より短い長さのロールを得るために、横方向に切断されるログをその上で移動させる構造体(SC)と;
-前記構造体(SC)の所定位置に配置され、かつ、所定速度で自軸(x-x)を中心として回転する刃(2)の回転を決定するように構成された各回転アクチュエータ(20)に着脱自在に連結可能な刃(2)用支持板(1)を備える切断ユニット(CU)であって、前記支持板(1)は、前記刃(2)の回転軸(x-x)に平行な軸の周りを所定の角速度で回転するように前記支持板(1)を引く更なるアクチュエータに順に拘束され、前記刃(2)は、前記回転軸(x-x)に直交して位置する平面(P2)に沿って前記切断ユニット(CU)内の所定位置に配置される、切断ユニット(CU)と;
-前記平面(P2)に関して反対側で前記刃(2)を研削するように適切に配置され、かつ研削側部(31)を備えた2つの研削砥石(3)を有する少なくとも1つの研削ユニットと;
-各研削ユニットに配置された前記刃(2)に関して前記研削砥石(3)を位置決めするための位置決め装置であって、当該位置決め装置によって、各研削砥石(3)は、最初の非作動位置から始まる前記刃(2)の研削工程において前記刃(2)と接触する位置に配置される、位置決め装置と;
を含み、
-前記位置決め装置は、1つ以上の一次アクチュエータ(M0,M1)によって前記刃(2)に関して放射状に一次移動方向(PD)に沿って移動可能な一次キャリッジ(40,41;400)と、それぞれが研削砥石(3)を支持し、前記一次キャリッジ(40,41;400)によって支持され、2つの二次アクチュエータ(M2,M3)によって前記刃(2)の回転軸に並行する二次移動方向(SD)に沿って移動可能な2つの二次キャリッジ(42,43)と、を備え;
-前記一次キャリッジ(40,41;400)は、前記刃(2)の前記平面(P2)から所定の距離(d)に配置された表面(ST)を備え、前記表面(ST)は前記二次移動方向(SD)に沿った前記二次キャリッジ(42、43)の走行の制御面であり;
-前記研削砥石(3)を位置決めする第1の工程において、前記二次アクチュエータ(M2,M3)は、前記研削砥石(3)の研削側部を前記表面(ST)と接触させるように前記二次キャリッジを移動させ;
-前記研削砥石(3)を位置決めする第2の工程において、前記二次アクチュエータ(M2,M3)は、前記研削砥石(3)の研削側部が、前記距離(d)に等しい距離の走行を有し、前記表面(ST)との接触の走行に対して反対方向に向けられた前記平面(P2)に対応するように、前記二次キャリッジを移動させ;
-前記研削砥石(3)を位置決めする第3の工程において、前記1つ以上の一次アクチュエータ(M0,M1)は、前記研削砥石(3)の研削側部の前記刃(2)との接触まで前記一次移動方向(PD)に沿って前記一次キャリッジ(40,41;400)を移動させることを特徴とする切断機。
【請求項2】
前記一次キャリッジは、2つの独立したユニット(40,41)からなることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項3】
前記一次キャリッジは、単一ユニット(400)からなることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項4】
前記一次キャリッジは、前記一次移動方向(PD)に沿ってそのガイドされたスライドを可能にする直線ガイド部材(LG)によって、前記支持板(1)の内側部(F1)に拘束されることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項5】
前記ユニットの各々が、前記支持板(1)の内側部(F1)に平行な第1の側部(4P)と、前記第1の側部(4P)に直交しかつ前記第1の側部(4P)の下にある第2の側部(4H)と、を有する本体からなり、
前記第1の側部(4P)は、それぞれのガイド部材(LG)に沿ってスライドし、
前記第2の側部(4H)は、前記支持板(1)の内側部(F1)に直交し、かつ前記刃(2)の上方にブラケットを画定するように外側(E)に向けられており;
前記二次キャリッジ(42,43)の各々は、対応するスライドガイド部材(G2,G3)によって拘束される、前記一次キャリッジのそれぞれの前記ブラケット(4H)に平行な第1のアーム(PA)と、前記第1のアーム(PA)に直交し、かつその自由端でそれぞれの研削砥石(3)の軸(30)を支持する第2のアーム(SA)と、を有し、
当該第2のアームは、前記ブラケット(4H)に形成された孔(BL)を通過しており、その結果、それぞれ前記軸(30)を有する前記研削砥石(3)が前記ブラケット(4H)の下にあり、前記第2のアーム(SA)は前記二次移動方向(SD)に従って前記孔(BL)内で自由に移動し、各二次キャリッジ(42,43)の第1のアーム(PA)には接続ロッド(B2,B3)が接続されており、次いで当該接続ロッド(B2,B3)は対応する電気モータ(M2,M3)に従動し、各モータ(M2,M3)は、前記本体のそれぞれが、前記支持板(1)に平行な前記本体の側部(4P)から所定の間隔をおいて有する表面(SM)によって支持されており、各接続ロッドは、前記接続ロッド及び前記第1のアームの両方に垂直なピン(PN)によって前記第1のアーム(PA)に接続されていることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の切断機。
【請求項6】
前記研削砥石の位置決め装置は、前記研削砥石(3)の摩耗を検出するための機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項7】
前記研削砥石(3)の研削側部(31)と前記制御面(ST)との間の接触が、電気モータからなる前記二次アクチュエータ(42,43)上のトルク変動の検出によって検出されることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【請求項8】
前記研削砥石(3)の研削側部(31)と前記刃(2)との間の接触が、前記刃(2)の減速を検出することによって検出されることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断機に関し、より詳細には、紙材料のログを横方向に切断するための切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパー、台所用紙、及び同様の用途のための紙のロールは一般に「ログ」と呼ばれるより長いロールを横方向に切断することによって得られ、そして「巻き返し機」と呼ばれる機械によって製造されることが知られている。この機械においては、1つまたは複数の重なり合う紙プライからなる紙材料のウェブの所定量がそれ自体の周りに、または「コア」と呼ばれる厚紙管の周りに巻き付けられる。一般に、巻き返し機によって生成されたログは緩衝貯蔵所に搬送され、そこから、前述の横方向切断を実行する「切断機」と呼ばれる機械に搬送される。一般に、前記切断機はログのためのガイドチャネルが画定されたプラットフォームと、前記ガイドチャネルの下流に、ログから得られなければならないロールの長さに応じてプログラムされた順序でログの横方向切断を決定するように適切に操作され移動される円板状刃を含む切断ユニットと、を有する。前記刃は、通常、刃自体の切断外形を復元するために周期的に介在する研削砥石と関連している。定期的に、切削機械の刃は、直径及び切削能力の両方を漸進的に減少させる摩耗のために交換されなければならない。摩耗した刃を新しい刃に交換する場合はいつでも研削砥石の位置を刃に対して調整する必要がある。
【0003】
特許文献1は、紙材料のログを横方向切断するための機械について記載しており、当該機械は、切断されるログの送り経路と、ログを切断するための周期的な動きを受けながらその軸の周りを回転することができるように保持されそして前記送り経路に沿ってログを前進させることができる交換可能な円板状刃を有する切断ユニットと、前記円板状刃を研削しなければならない場合に円板状刃に介在するように構成され制御される2つの研削砥石を備えた研削ユニットとを備える。前記研削砥石は、支持システム上に取り付けられており、当該支持システムはその回転軸に実質的に平行な方向に各研削砥石を移動させるように構成された刃に対する研削砥石の制御された接近機構を含んでいる。前記機構は、各研削砥石の支持スライドを前記刃に対して公称位置に移動させ、そして前記公称位置に保持されたそれぞれの支持スライドに対して研削砥石を移動させることによって制御された態様で前記研削砥石を前記刃に接近させるように作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 3194128 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、機械的に簡単でかつ2つの研削砥石の独立した位置調整をも可能にするプログラム可能なシステムにより、時々交換される刃に対する研削砥石の位置決めが自動化され、そしてこの位置決めが刃の径とは実質的に無関係であるようにしたログ切断機を提案することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、切断の最も正確な実施を常に得るために、刃に対する研削砥石の位置決めシステムが研削砥石の磨耗の程度を検出する機構を統合したログを切断する機械を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば、請求項1に示された特徴を有する機械を製造するという考えを採用することによって達成された。本発明の他の特徴は、従属請求項の主題である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手動で実行される位置決めよりも少ない時間で、より大きな操作上の安全性で、研削砥石を自動的に位置決めすることができる。何故なら、この操作は、作業者が刃を収容する機械の領域への接近を必要としないからである。さらに、本発明に係る機械において研削砥石を位置決めする装置は、比較的単純な構造を有し、研削砥石の所望の位置を認識するための有効な機構を一体化している。さらなる利点は研削されるべき刃に接近したときに、研削砥石の位置を独立に制御可能である点に結びついている。
【0009】
本発明のこれら及びさらなる利点及び特徴は以下の説明及び添付の図面(例として提供されるが、限定的な意味で考慮されるべきではない)によって、各当業者にとってより明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による切断ユニットを有する紙材料のログを横方向に切断するための切断機の切断ステーションの概略垂直断面図である。
図2】本発明による切断機のための切断ユニットの概略正面図である。
図3図2の切断ユニットの概略側面図である。
図4図2及び図3に示した切断ユニットの概略斜視図である。
図5A図2のW-W線による断面図である。
図5B】刃の研削位置における研削砥石を備えた切断ユニットを示す図5Aと同様の図面である。
図6】本発明による切断機のための切断ユニットのさらなる斜視図であり、上記切断ユニットの他の部分をより良く強調するために、刃は図示されていない。
図7】本発明による切断機のための切断ユニットの概略垂直断面図であり、刃は図示されていない。
図8】刃(2)の平面(P2)に対する研削砥石の可能な方向を示す図面である。
図9】本発明による切断ユニットの断面斜視図である。
図10】本発明による切断ユニットの正面図であり、一次キャリッジは単一要素で構成されている。
図11】刃の平面(P2)に対する表面(ST)の位置を示す図である。
図12】本発明のさらなる実施形態を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
その本質的な構造に鑑み、添付図面の図1図11を参照して、本発明による切断ユニットが適用可能な切断機は、以下を含むタイプのものである:
-より短い長さのロールを得るために、横方向に切断されるログをその上で移動させる構造体(SC);
-前記構造体(SC)の所定位置に配置され、かつ、所定速度で自軸(x-x)を中心として回転する刃(2)の回転を決定するように構成された各回転アクチュエータ(20)に着脱自在に連結可能な刃(2)用支持板(1)を備える切断ユニット(CU)、
ここで、前記支持板(1)は順に、前記刃(2)の回転軸(x-x)に平行な軸を中心とした所定の角速度を有する回転に前記支持板(1)を引きずり込む更なるアクチュエータに拘束される;
-研削側部(31)を備えた2つの研削砥石(3)を有する研削ユニット;
-前記刃(2)に関して前記研削砥石(3)を位置決めするための装置。
【0012】
図1は、本発明に係る切断ユニットを搭載可能な切断機(CM)の主要要素を模式的に示したものであり、当該図面は、ログの経路に対する切断ユニットの位置を示すだけのものであることが理解される。また、前記切断機は、ログ自体に対して横方向に作用する刃を備える切断ユニットによって、より短い長さのロールを得るために、紙材のログの横方向切断を提供する任意の好適な方法で作製され得ることが理解される。
【0013】
図1の例では、それ自体公知の構造体系に従って、アクチュエータ(20)はベルト(21)によって前記刃(2)に接続され、当該ベルトは前記刃の中央ピン(22)を軸(23)の自由端に配置されたプーリを介して前記アクチュエータ(20)の軸(23)に接続する。さらに、前記支持板(1)は、前記刃(2)の回転を制御するアクチュエータの軸(23)に平行な軸(B1)を有する対応する回転アクチュエータ(A1)によって、前記刃(2)の回転軸に平行な軸の周りを回転する。前記アクチュエータ(20)は、例えば電気モータであり、上記構造体(SC)の上方に位置するボックス状ボデイ部材(BB)に固着し、当該ボックス状ボデイ部材内には前記ベルト(21)及び前記軸(23)及び(B1)が配置されている。前記ボックス状ボデイ部材(BB)は、対応するアクチュエータ(BA)に接続されており、当該アクチュエータは、前記ボデイ部材(BB)の上側に配置されたナットネジブッシュに作用するネジ(VA)を介して、その垂直位置、即ち、下側にある構造体(SC)に対するその位置決めを制御する。その結果、前記ボックス状ボデイ部材(BB)の位置を制御することにより、前記刃(2)を所望の高さに位置決めすることができる。例えば、電気モータからなる前記アクチュエータ(A1)も、前記ボックス状ボデイ部材(BB)に固着されている。
【0014】
実際には、前記刃(2)は前記支持板(1)の回転軸に平行なそれぞれの軸(x-x)の周りを回転する。
【0015】
添付図面の図2図8を参照すると、本発明による切断ユニット(CU)は、上側部(10)、下側部(11)、前側部(F1)及び後側部(R1)を有する支持板(1)を備える。前記支持板(1)の下側部(11)には、円形刃(2)の中央ピン(22)が取り付けられており、この円形刃は必要な時に交換できるように、上記ピンに取り外し可能に取り付けられている。前記刃(2)は、前記支持板(1)に平行に配向され、そして前記支持板(1)の前側部(F1)から所定の距離に配置される。前記支持板(1)上には、前記刃(2)を研削するように設計された2つの研削砥石(3)と、前記刃(2)に対して前記研削砥石(3)を位置決めするための装置とが設置されている。各研削砥石(3)はそれぞれの支持シャフト(30)上に設けられ、当該支持シャフトの軸(A30)は前記支持板(1)の前側部(F1)に対して、その結果として、前記刃(2)の対応する表面に対して所定の値の傾きを有する。図9において、研削砥石(3)を支持する前記軸(30)、前記それぞれの軸(A30)、前記刃(2)の表面(A2)及び前記刃の平面(P2-P2)に対する研削位置におけるこの研削砥石(3)の傾きが特に図示されている。
【0016】
本発明によれば、研削砥石(3)のための前述の位置決め装置は以下を含む:
-一次移動方向(PD)に従って支持板(1)に平行に移動可能な一次キャリッジ(4);
-前記一次キャリッジ(4)に連結され、かつ前記一次移動方向(PD)に直交する二次移動方向(SD)に従って個別に移動可能な2つの二次キャリッジ(42、43)であって、各二次キャリッジ(42、43)は、対応する研削砥石(3)の軸(30)を支持するための座部を有する;
- 前記二次移動方向(SD)に沿った各二次キャリッジ(42、43)のストロークを制限するのに適した制御表面(ST)。
【0017】
実際には前記一次移動方向(PD)が前記刃(2)の前記平面(P2)に平行な方向、即ち、前記刃に関して半径方向であり、一方、前記二次移動方向(SD)は前記刃(2)の回転軸(x-x)に平行な方向である。
【0018】
前記一次キャリッジ(4)は2つの独立したユニット(40,41)から成ることが可能であり、当該各ユニットには、対応する二次キャリッジ(42,43)が取り付けられている。あるいは、一次キャリッジが単一ユニット(400)から構成することも可能であり、当該単一ユニットには両方の二次キャリッジ(42,43)が接続されている。
【0019】
図2-9に示す実施形態を参照すると、前記一次キャリジ(4)は2つの独立したユニットから構成されており、各ユニットは、前記一次移動方向(PD)に沿ってガイドする直線ガイド部材(LG)によって前記支持板(1)の内側部(F1)に接続された本体(40,41)から構成されている。前記一次移動方向(PD)に沿った各本体(40,41)の摺動は、対応する電気モータ(M0,M1)によって制御される。各モータ(M0,M1)は、前記支持板(1)の内側部(F1)に固定され、そして各本体(40,41)に形成された対応するネジ付きブッシュ(MV)と係合するネジ付き軸(TS)を駆動する。従って、各本体(40,41)は、それぞれのモータ(M0,M1)によって前記一次移動方向(PD)に沿って独立して移動することができる。
【0020】
前記本体(40,41)の各々は、前記支持板(1)の内側部(F1)に平行な第1の側部(4P)と、第1の側部(4P)に直交しかつその下に位置する第2の側部(4H)とを有する。第1の側部(4P)は、それぞれのガイド部材(LG)に沿ってスライドする。第2の側部(4H)は、片持ち梁構造を構成し、その機能は以下に示される。実際には、横から見た前記本体(40,41)の各々は、前記支持板(1)の前記内側部(F1)に平行な部分(4P)と、前記支持板(1)の前記内側部(F1)に直交しかつ前記刃(2)の上方にブラケットを画定するように外側(E)に向けられた側部(4H)とを備えた構造を有する。上述の例においては、前記本体(40,41)の移動、即ち、前記一次キャリッジ(4)を構成する2つのユニットの移動は、前記本体(40,41)を前記支持板(1)の内側部(F1)に拘束する前記ガイド部材(LG)の存在によりガイドされる移動である。参照符号「PT」は、各本体(40,41)の前記側部(4P)上に互いに所定の距離で配置され、かつ前記ガイド部材(LG)上をスライドするように意図された2つのパッドを示す。
【0021】
前記二次キャリッジ(42,43)の各々は、対応するスライドガイド部材(G2,G3)によって連結される、それぞれの一次キャリッジのブラケット(4H)に平行な第1のアーム(PA)と、第1のアーム(PA)に直交し、その自由端でそれぞれの研削砥石(3)の軸(30)を支持する第2のアーム(SA)と、を有する。第2のアーム(SA)は前記ブラケット(4H)に形成された孔(BL)を貫通して、前記相対軸(30)と共に前記研削砥石(3)が前記ブラケット(4H)の下方になるように、前記第2のアーム(SA)が前記二次移動方向(SD)に従って孔(BL)内を自由に移動するようになっている。各二次キャリッジ(42,43)の第1のアーム(PA)には接続ロッド(B2,B3)が接続され、この接続ロッドは、順番に、対応する電気モータ(M2,M3)に接続される。各モータ(M2,M3)は、各一次キャリッジ(40,41)がその側部(4P)から前記支持板(1)に平行な所定の距離を有している表面(SM)によって支持されている。各接続ロッドは、当該接続ロッドと前記第1のアームの両方に直交するピン(PN)によって前記第1のアーム(PA)に接続される。従って、各モータ(M2,M3)は、二次移動方向(SD)に従って各二次キャリッジ(42,43)を移動させることができる。この移動はガイドされた移動である。何故なら、それぞれの二次キャリッジが実際には前記方向(SD)に従って配向されたそれぞれのガイド部材(G2,G3)によって前記一次キャリッジに接続されているからである。
【0022】
これにより、各研削砥石(3)は、一次移動方向(PD)及び二次移動方向(SD)の両方に従って移動できるように、前記切断ユニット(CU)によって支持される。実際、前記一次キャリッジ(4)の本体(40,41)は前記モータ(M0,M1)によって前記方向(PD)に従って移動することができ、前記二次キャリッジ(42,43)は、前記モータ(M2、M3)によって前記方向(SD)に従って前記一次キャリッジ上を移動することができる。
【0023】
前記研削砥石(3)は、それぞれの研削面(31)が前記刃(2)の前記平面(P2)に対面するように配向されている。
【0024】
また、前記切断ユニットは、以下にさらに説明するように、二次キャリッジ(42,43)のための端部止めとして作用する当接面(ST)を有する。
【0025】
例えば、前記当接面は、前記一次キャリッジの水平部(4H)に固定された側部と、下方に、即ち、前記刃(2)に向かって突出する側部(ST)とを有する前記支持板によって規定される。下方に突出する前記側部(ST)は前記当接面を規定する。前記表面(ST)は、前記刃(2)の設置平面(P2)に関して所定の位置にある。より詳細には、前記表面(ST)は、その位置が既知である前記刃(2)の前記平面(P2)から所定の距離(d)に位置している。例えば、前記表面(ST)は前記平面(P2)から0.5mmの距離にある。図11は、前記距離「d」を表した図である。前記研削砥石(3)は前記平面(P2)に対して反対側にあるので、前記方向(SD)に従う研削砥石の移動は反対であることは言うまでもない。
【0026】
上述の装置の1つの可能な動作の形態は、以下の通りである。
【0027】
新しい刃が前記切断ユニット(CU)に装着されると、前記研削砥石の位置を調整する第1の段階において、前記二次キャリッジ(42,43)は、所定の初期位置を起点として、前記モータ(M2,M3)によって前記方向(SD)に沿って移動され、そして各研削砥石(3)はそれぞれの表面(31)を前記表面(ST)に接触させる。前記モータ(M2,M3)は、前記研削砥石(3)が前記表面(ST)に接触したときにトルク変動を検出し、この段階では、前記研削砥石の動きを停止し、従って、前記方向(SD)に沿った前記研削砥石の位置は前記表面(ST)との接触によって規定される。この時点で、各二次キャリッジ(42,43)のストロークが検出され、即ち、各二次キャリッジ(42,43)の走行が、初期位置から始まって、前記表面(ST)と前記研削砥石(3)との接触位置まで検出される。この検出により、各研削砥石の研削側(31)の摩耗の程度を推定することが可能となる。何故なら、各研削砥石(3)の摩耗が増大すると、前記表面(ST)に向かう各二次キャリッジ(42,43)の走行が増大するからである。前記検出は、前記二次キャリッジ(42,43)を駆動する各モータ(M2,M3)に関連付けられたエンコーダによって実行される。続いて、各研削砥石(3)は、前記表面(ST)との接触を決定した方向と反対方向に移動され、それらを前述の距離(d)に等しい距離値だけ走行させる。このようにして、各研削砥石(3)の表面(31)は、表面自体の摩耗の状態にかかわらず、前記平面(P2)に対応した状態となる。次いで、前記一次キャリッジを前記方向(PD)に沿って移動させ、前記研削砥石(3)がその軸(x-x)を中心に回転させられる刃(2)に接触するまで移動させる。この接触は前記刃(2)を介して検出され、前記刃(2)は実際には接触自体の結果として減速する。通常、前記刃を作動させる前記モータ(20)は、ログの横方向切断処理中に、前記軸(x-x)を中心とした前記刃の一定の回転速度を保証する制御機能を備えたシステムによって制御される。前記研削砥石の位置決め装置が作動中の場合、上記のように、前記研削砥石がまず前記方向(SD)に沿って移動し、次に上述したように前記方向(PD)に沿って移動し、前述のモータ制御機能(20)は一時的に無効化される。前記研削砥石(3)と前記刃(2)との接触は、前記刃を減速させ、この状態は前記研削砥石と前記刃との接触の指標として採用する。この状態が発生すると、前記方向(PD)への前記一次キャリッジの走行が中断される。実際には、前記研削砥石(3)が前記刃(2)に接触すると、前記一次キャリッジの走行が中断される。従って、前記研削砥石(3)は、刃自体の摩耗状態にかかわらず、常に前記刃(2)上に正しく配置される。
【0028】
前述したように、前記一次キャリッジは2つの独立したユニットの代わりに、単一のユニット(400)から構成することが可能である。この場合、図10に示すように、前記単体ユニット(400)を扱うためのモータ(M0)は1個のみとなる。
【0029】
前述したことに関連して、本発明によるログの横方向切断のための切断機は、
-より短い長さのロールを得るために、横方向に切断されるログをその上で移動させる構造体(SC);
-前記構造体(SC)の所定位置に配置され、所定速度で自軸(x-x)を中心として回転する刃(2)の回転を決定するように構成された各回転アクチュエータ(20)に着脱自在に連結可能な刃(2)用支持板(1)を備える切断ユニット(CU)、
ここで、前記支持板(1)は前記刃(2)の回転軸(x-x)に平行な軸を中心とした所定の角速度を有する回転に前記支持板(1)を引きずり込む更なるアクチュエータに順に拘束され、前記刃(2)は前記回転軸(x-x)に直交して位置する平面(P2)に沿って前記切断ユニット(CU)内の所定の位置に配置される;
-前記平面(P2)に関して反対側で前記刃(2)を研削するように適切に配置され、かつ研削側部(31)を備えた2つの研削砥石(3)を有する少なくとも1つの研削ユニット;
-各研削ユニットに配置された前記刃(2)に関して前記研削砥石(3)を位置決めする装置であって、当該位置決め装置によって、各研削砥石(3)は最初の非作動位置から始まる前記刃(2)の研削工程において前記刃(2)と接触する位置に配置される位置決め装置;
を含む切断機であって、
-前記位置決め装置は、1つ以上の一次アクチュエータ(M0,M1)によって前記刃(2)に関して放射状に一次方向(PD)に沿って移動可能な一次キャリッジ(40,41;400)と、それぞれが研削砥石(3)を支持し、一次キャリッジ(40,41;400)によって支持され、2つの二次アクチュエータ(M2,M3)によって前記刃(2)の回転軸に並行する二次方向(SD)に沿って移動可能な2つの二次キャリッジ(42、43)と、を備え;
-前記一次キャリッジ(40,41;400)は前記刃(2)の前記平面(P2)から所定の距離(d)に配置された表面(ST)を備え、前記表面(ST)は二次方向(SD)に沿った二次キャリッジ(42,43)の走行の制御面であり;
-前記研削砥石(3)を位置決めする第1の工程において、前記二次アクチュエータ(M2、M3)は、前記研削砥石(3)の研削側部を前記表面(ST)と接触させるように二次キャリッジを移動させ;
-前記研削砥石(3)を位置決めする第2の工程において、前記二次アクチュエータ(M2、M3)は、前記距離(d)に等しい距離の走行を有しかつ前記表面(ST)との接触の走行に対して反対方向に向けられた前記平面(P2)に前記研削砥石(3)の研削側部が対応するように、前記二次キャリッジを移動させ;
-前記研削砥石(3)を位置決めする第3の工程において、前記1つ以上の一次アクチュエータ(M0,M1)は、一次キャリッジ(40,41;400)を前記研削砥石(3)の研削側部と前記刃(2)との接触まで前記一次方向(PD)に沿って移動させる。
【0030】
以上のように、研削砥石の位置決め装置は、研削砥石の磨耗状態を検出する機構をその内部に一体化するように構成することが可能である。この可能性から、研削砥石の摩耗の程度の推定を有しているという利点が導かれ、従って、摩耗の程度の推定値が予め設定された限度よりも大きい場合に、研削砥石の変更を準備する必要性を機械の使用者に知らせることが可能となる。この目的のために、研削砥石の摩耗状態を検出するための機構は、使用者に警告する音響及び/又は視覚表示器に関連付けることができる。研削砥石の摩耗検出機構を一体化することによるさらなる利点は、このようにして刃が常に正しく研削されるという事実に結びつけられる。何故なら、これにより、過度に摩耗した研削砥石の長期間の使用を避けることができ、従って、ログの正しい横方向切断を常に確保することができるからである。同一の位置決め装置に一体化された研削砥石の摩耗の程度を検出する機構を設けることによってもたらされる別の利点は、研削砥石の交換が操作者の経験ともはや密接に結びつかなくなるので、特に専門家でない操作者でさえも機械の使用が容易になるという事実にある。また、研削砥石の摩耗度合いの検出により、使用状況に応じた各研削砥石の実使用実績を記録するとともに、研削砥石交換の予測プログラムとしても統計的に利用できる値のデータベースを形成できるという事実がある。
【0031】
図12に示す例を参照して、前記切断機には、上述した種類の2つの研削ユニットを装備することもできる。この場合、2つの研削ユニットは、前記刃(2)に対して異なる位置に配置され、それぞれ刃の異なる領域に作用する。これは大径の円形刃、または半径に沿って異なる形状の斜面を有する円形刃の場合に有用であり、その結果、各研削ユニットは前記刃の対応する領域に作用することができる。図12の例では、各研削ユニットが上述したものと同一であるので、説明は省略されている。
【0032】
しかしながら、実際には、実施の詳細は、記載され図示された個々の要素に関して、それによって、採用された解決策の概念を放棄することはなく、そしてそれ故に、以下の特許請求の範囲に従って本特許によって付与される保護の範囲内に留まる態様で均等の方法で変更することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】