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特表2022-536905ブレーキパッドに組み込まれたフォトニックセンサを使用して、車両のブレーキシステムのブレーキ力を検出および測定するための方法とシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(54)【発明の名称】ブレーキパッドに組み込まれたフォトニックセンサを使用して、車両のブレーキシステムのブレーキ力を検出および測定するための方法とシステム
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/28 20060101AFI20220815BHJP
   G01L 1/24 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
G01L5/28 Z
G01L1/24 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573538
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 IB2020055447
(87)【国際公開番号】W WO2020250146
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102019000008874
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】カモッツィ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】マエストリーニ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】カジーニ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ナンニピエリ,ティツィアーノ
(72)【発明者】
【氏名】ボノーモ,サルヴァトーレ
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA01
2F051AB03
2F051BA07
(57)【要約】
ブレーキパッドに組み込まれたフォトニックセンサを使用して、車両のブレーキシステムのブレーキ力を検出および測定するための方法とシステム。ブレーキシステムのブレーキパッド10で行われる検出によって、車両の摩擦ブレーキシステムの作動に由来するクランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを検出および測定するための方法が説明されている。この方法は、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2をケーシング9にカプセル化し、ブレーキパッド10のベースプレートまたはプラットフォーム11に付着する摩擦に敏感な摩擦材料Mのそれぞれの部分に前述のケーシング9を組み込むステップを含む。接線基準方向xに受けるケーシング9のせん断ひずみSt-effが、ブレーキパッド10に作用する接線方向の力Ftを表し、法線基準方向yに受けるケーシング9の法線方向の力Fn-effがブレーキパッド10に作用する法線方向の力Fnを表す。この方法は、光ファイバひずみセンサ2によって、第1の位置でケーシング9に作用する法線方向の力Fn-effと接線方向のひずみSt-effの両方に基づいて(第1の空間方向w1に沿ってケーシングの第1の位置に存在する)第1のひずみS1を検出し、光ファイバひずみセンサ2によって、第2の位置でケーシング9に作用する法線方向の力Fn-effと接線方向のひずみSt-effの両方に基づいて(第2の空間方向w2に沿ってケーシングの第2の位置に存在する)第2のひずみを検出する。この方法は、光ファイバひずみセンサ2によって、第1の検出されたひずみS1を表す第1のフォトニック信号L1、および第2の検出されたひずみS2を表す第2のフォトニック信号L2を生成するステップと、光ファイバひずみセンサ2に光学的に接続された光読取/質問ユニットユニット4によって、第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2を受信するステップを含む。この方法は、最終的に、第1の受信光信号L1および第2の受信光信号L2に基づいて、光読取/質問ユニットユニット4により、第1のひずみS1の値および第2のひずみS2の値をそれぞれ決定し、第1のひずみS1および第2のひずみS2の決定された値に基づいてクランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTの測定値を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキシステムのブレーキパッド(10)で行われる検出によって、車両の摩擦ブレーキシステムの作動に由来するクランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)を検出および測定するための方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)をケーシング(9)にカプセル化し、前記ケーシング(9)を、前記ブレーキパッド(10)のベースプレートまたはプラットフォーム(11)に付着する摩擦材料(M)のそれぞれの部分に組み込むステップであって、
前記摩擦材料(M)の前記部分は摩擦に敏感であり、その結果、ケーシング(9)が接線基準方向(x)に受ける接線ひずみ(St-eff)が、前記ブレーキパッド(10)に作用する接線方向の力(Ft)を表し、ケーシング(9)が法線基準方向(y)に受ける法線方向の力(Fn-eff)が、前記ブレーキパッド(10)に作用する法線方向の力(Fn)を表すステップと、
前記少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)によって、事前定義された第1の空間方向(w1)に沿って前記ケーシング(9)の第1の位置に存在し、前記ケーシング(9)に作用する前記法線方向の力(Fn-eff)と前記接線方向のひずみ(St-eff)に依存する第1のひずみを検出するステップと、
前記少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)によって、事前定義された第2の空間方向(w2)に沿って前記ケーシング(9)の第2の位置に存在し、前記ケーシング(9)に作用する前記法制方向の力(Fn-eff)と前記接線方向のひずみ(St-eff)に依存する第2のひずみ(S2)を検出するステップと、
光ファイバひずみセンサ(2)によって、検出された前記第1のひずみ(S1)を表す第1のフォトニック信号(L1)と、検出された前記第2のひずみ(S2)を表す第2のフォトニック信号(L2)を生成するステップと、
前記光ファイバひずみセンサ(2)に光学的に接続された光読取/質問ユニット(4)によって、前記第1のフォトニック信号(L1)および前記第2のフォトニック信号(L2)を受信するステップと、
前記第1の受信フォトニック信号(L1)および前記第2の受信フォトニック信号(L2)に基づいて、光読取/質問ユニット(4)によって、前記第1のひずみ(S1)の値および前記第2のひずみ(S2)の値を決定するステップと、
決定された前記第1のひずみ(S1)の値および決定された前記第2のひずみ(S2)の値に基づいて、前記クランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)の測定値を決定するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記光ファイバひずみセンサ(2)は、ファイバブラッググレーティングタイプのセンサで、
前記第1の空間方向(w1)および前記第2の空間方向(w2)は、接線基準方向(x)及び法線基準方向(y)とは異なる方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の空間方向(w1)および前記第2の空間方向(w2)は、前記法線基準方向(y)に対して対称である、
または、前記第1の空間方向(w1)および前記第2の空間方向(w2)は、正の接線基準方向(x)に対して相補角を形成し、
または、前記第1の空間方向(w1)によって、前記接線基準方向(x)の前記正の方向とで形成される角度(β)は、前記第2の空間方向(w2)によって、前記負の接線方向(x)とで形成される角度(β)に等しく、
ま形成される角度(β)は、負の接線基準方向と第2の空間方向(w2)によって形成される角度(β)に等しい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光ファイバひずみセンサ(2)は、複屈折ファイバに配置されたファイバブラッググレーティング型センサで
前記所定の第1の空間方向(w1)は、接線基準方向(x)と一致し、前記第2の空間方向(w2)は、接線基準方向(x)に垂直な方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光ファイバひずみセンサ(2)は、
前記第1の空間方向(w1)と整列するように配置された光ファイバの第1の部分内の前記第1の位置に配置された第1のファイバブラッググレーティングを含む第1のセンサ素子(21)と、
前記第2の空間方向(w2)と整列するように配置された光ファイバの第2の部分内の前記第2の位置に配置された第2のファイバブラッググレーティングを含む第2のセンサ素子(22)を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1のセンサ素子(21)および前記第2のセンサ素子(22)は、単一の光ファイバ(25)に含まれる。
または、前記第1のセンサ素子(21)および前記第2のセンサ素子(22)は、2つの異なるそれぞれの光ファイバ(25、26)に含まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記決定するステップは、
前記光読取/質問ユニットユニット(4)によって、前記第1のフォトニック信号(L1)を表す第1の電気信号(E1)および前記第2のフォトニック信号(L2)を表す第2の電気信号(E2)を生成すること、
前記第1の電気信号(E1)および前記第2の電気信号(E2)を制御ユニット(20)に送ること、
前記第1の電気信号(E1)と前記第2の電気信号(E2)に基づいて、1つまたは複数のソフトウェアプログラムによって実行される1つまたは複数のアルゴリズムを用いて、制御ユニット(20)のプロセッサによってクランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)を計算する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記計算のステップは、前記第1のひずみ(S1)の決定された値と前記第2のひずみ(S2)の決定された値との間の差によって与えられる微分ひずみ(ΔS)に基づいて、前記基準方向(x、y)に関する前記センサの配置に関する幾何学パラメータと、前記パッドおよび前記パッドにおける前記センサの位置に関連する幾何学パラメータ、および前記ケーシングと前記摩擦材料が作られた材料の摩擦係数を示すパラメータに依存する比例係数を使って、前記ブレーキトルク(BT)の測定値を計算することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記計算のステップは、前記ブレーキパッドに組み込まれた摩擦材料(M)の部分に作用する法線方向の力または圧力に基づいて、ブレーキパッド(10)に作用するクランプ力(CF)または前記法線方向の圧力を計算することを含み、
前記摩擦材料の部分に作用する前記法線方向の力または圧力は、配置に関連する幾何学的パラメータに依存する比例係数を通じて、前記基準方向(x、y)に関する前記センサの前記配置に関する幾何学パレメータと前記摩擦材料のヤング率に依存する比例係数を通じて、検出された前記第1のひずみ(S1)および/または検出された第2のひずみ(S2)に基づいて計算される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記光ファイバ温度センサ(5)を前記ケーシング(9)の前記第1の位置および前記第2の位置の近くの第3の位置にカプセル化するステップと、
前記光ファイバ温度センサ(5)を用いて、前記第3の位置(T)に存在する温度を検出し、検出された前記温度を表す第3のフォトニック信号(LT)を生成するステップと、
前記光ファイバひずみセンサ(5)に光学的に接続された前記光読取/質問ユニット(4)によって、検出された前記第3のフォトニック信号(LT)を受信するステップと、
受信された前記第3のフォトニック信号(LT)に基づいて、前記光読取/質問ユニット(4)によって温度値(T)を決定するステップと、
前記クランプ力および/またはブレーキトルク(CF/BT)の測定値を決定するステップは、前記第1のひずみ(S1)の値と前記第2のひずみ(S2)の値と、求めた前記温度値(T)の値に基づいて、前記クランプ力および/またはブレーキトルク(CF/BT)の測定値を決定するステップを含み、
前記光ファイバ温度センサ(5)は、ファイバブラッググレーティングタイプの光ファイバ温度センサで、第3のセンサ要素(23)を含み、
前記第3のセンサ要素は、前記ひずみセンサの前記第1および/または第2のブラッググレーティングを含む光ファイバ(25,26)の、前記第1の位置と前記第2の位置とは異なる第3の位置に得られた、第3のファイバブラッググレーティングを含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記クランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)の測定値を決定するステップは、
決定された前記温度値に基づいて、熱変動によるひずみ値を計算するステップと、
前記第1のひずみの前記測定値から熱変化によるひずみ値を差し引いて、機械的影響のみに依存する第1の有効ひずみ値を取得するステップと、
前記第2のひずみの測定値から熱変化によるひずみ値を差し引いて、機械的影響のみに依存する第2の有効ひずみ値を取得するステップと、
前記第1の有効ひずみ値および前記第2の有効ひずみ値に基づいて、前記ブレーキ力および/またはブレーキトルクの測定値を決定するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光ファイバひずみセンサ(2)および/または前記光ファイバ温度センサ(5)は、接続光インターフェース(3)によって前記光読取/質問ユニットに接続され、
前記前記第1のフォトニック信号(L1)は、前記第1のセンサ要素(21)によって反射または送信された第1の光スペクトルを含み、
前記第1の光スペクトルは、前記光接続インターフェース(3)によって前記光読取/質問ユニットユニット(4)に到達する、および/または
前記第2のフォトニック信号(L2)は、前記第2のセンサ要素(22)によって反射または送信される第2の光スペクトルを含み、
前記第2の光スペクトルは、前記光接続インターフェース(3)によって前記光読取/質問ユニットユニット(4)に到達する、および/または
前記第3のフォトニック信号(LT)は、前記第3のセンサ要素(23)によって反射または送信された第3の光スペクトルを含み、
前記第3の光スペクトルは、前記接続光インターフェース(3)によって前記光読取/質問ユニットユニット(4)に到達し、
前記光読取/質問ユニット(4)は、前記接続光インターフェース(3)を介して、光活性放射(OA)又はそれぞれの光活性放射(OA1、OA2、OAT)を送信することにより、または前記第1のセンサ要素(21)および/または前記第2のセンサ要素(22)および/または前記第3のセンサ要素(23)のそれぞれを活性化するように構成される、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記複数のセンサ要素(21、22)が同じファイバに作られる場合、それぞれのファイバブラッググレーティングのそれぞれは、それぞれの異なる中心動作波長(λ1、λ2)に関連付けられ、
前記方法はさらに、
前記光読取/質問ユニット要素(4)によって、長分割多重(WDM)伝送技術を使って、前記接続光インターフェース(3)を介して、それぞれの動作波長(λ1、λ2)で、それぞれの光活性放射(OA1、OA2)を複数のセンサ要素(21、22)に送信するステップと、
前記接続光インターフェース(3)を介して受信し、波長分割多重(WDM)技術を使用して逆多重化することにより、前記複数のセンサ要素(21、22)のそれぞれによって反射または送信されたそれぞれの光スペクトルを区別するステップを含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記複数のセンサ要素が同じファイバに作られ、前記センサによって放出される前記フォトニック信号が送信された光スペクトルを含む場合、前記接続光インターフェース(3)は、波長多重化された第1の光活性放射(OA1)および/または第2の光活性放射(OA2)および/または第3の光活性放射(OAT)に共有される入力接続光ファイバ(32)と、波長多重化された第1のフォトニック信号(L1)および/または第2のフォトニック信号(L2)および/または第3フォトニック信号(LT)に共有される出力接続光ファイバ(33)を含み、
前記複数のセンサ要素が同じファイバに作られ、前記センサによって放出される前記フォトニック信号が反射光スペクトルを含む場合、前記接続光インターフェース(3)は、波長多重化された第1の光活性放射(OA1)および/または第2の光活性放射(OA2)および/または第3の光活性放射(OAT)と、波長多重化された第1のフォトニック信号(L1)および/または第2のフォトニック信号(L2)および/または第3フォトニック信号(LT)を形成する反射スペクトルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ケーシング(9)は、
ポリマーまたは鉱物材料で作られ、前記ブレーキパッド(10)とは異なり、
所定の形状および寸法を有し、前記ブレーキパッド(10)に固定および/またはそれに組み込むことができ、
前記ケーシング(9)は、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)と光ファイバ温度センサ(5)、および光接続インターフェース(3)の少なくとも一部を収容するように構成され、
前記カプセル化のステップは、
前記ケーシング(9)内に少なくとも1つの前記光ファイバひずみセンサ(2)を埋め込むこと、
前記ケーシング(9)を、前記ブレーキパッド(10)に組み込み、および/またはブレーキパッドの製造中に、前記摩擦材料(M)の前記部分の所定位置で、ブレーキパッド(10)に固定することを含む、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記ケーシング(9)に前記少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)を埋め込むステップは、
前記光ファイバセンサ(2、5)を含む1つまたは複数の光ファイバ(25、26)、および/または、前記光インターフェース(3)の1つまたは複数の接続ファイバ(3)を、接着剤(7)によって、前記ケーシング(9)の所与の位置(71)に、前記光ファイバを正しい位置に向けて配線するように組み込むステップと、
接着剤(7)によって、前記ケーシング(9)の特定のケーシング部分(71)の内側で、キャピラリ接続チューブ(73)内に、前記光インターフェース(3)の一つ又は複数の接続ファイバを接着剤によって組み込むステップであって、前記キャピラリ接続チューブ(73)は前記ケーシング(9)から出て、コレクタ(74)に向けてキャピラリチューブ又はフレーム構造(75)によって前記ブレーキパッド上に配線され、前記コレクタ(74)は、前記ブレーキパッドに固定され、前記ブレーキキャリパの外で前記光読取/質問ユニット要素(4)に接続可能な前記光接続インターフェース(30)の保護出力チューブに接続可能である、ステップを含み、
前記ケーシング(9)の適切な部分(71)の内側に接着剤(7)によって固定された、前記少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)を含む前記ケーシング(9)と前記キャピラリ接続管(73)が、検出要素(90)を形成する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ケーシング(9)は、鉱物および/またはプラスチックおよび/またはポリマー材料および/または樹脂化合物で作られ、
前記カプセル化するステップは、
接着剤を用いた組み立てまたはケーシング(9)との一体成形のいずれかによって、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)を組み込むステップと、
前記ブレーキパッドの製造中に、ベースプラットフォーム(11)と前記ケーシング(9)の間の形状結合又は機械結合によって、前記パッド(12)の前記摩擦材料の内側で、前記ブレーキパッドの前記ベースプラットフォーム又はプレート(11)の事前定義された位置に、前記ケーシング(9)、前記コレクタ(74)、キャピラリチューブ又はフレーム構造(75)を含む前記検出要素(90)を、前記ブレーキパッド(10)に固定する及び/又は前記ブレーキパッド(10)に組み込み、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)が前記摩擦材料(M)の所望の部分に完全に組み込まれるようにするステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法のステップは、ディスクブレーキキャリパの一方または両方のパッド(10)で実行され、
各パッド(10)は、それに関連するおよび/またはそれに結合されるそれぞれの光読取/質問ユニット(4)を含む、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記方法のステップは、ディスクブレーキキャリパの両方のパッド(10)で実行され、
前記受信するステップと前記生成するステップは、前記ブレーキキャリパに関連し、一つ光学インターフェース(3)又は2つの異なる光インターフェース(3)によって前記両方のパッド(10)に動作上接続された単一の光読取/質問ユニット(4)により実行される、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記方法のステップは、車両のブレーキシステムの複数のディスクブレーキキャリパの両方のパッド(10)で実行され、
前記受信するステップと前記生成するステップは、車両のブレーキシステムの前記複数のディスクブレーキキャリパのすべてのブレーキキャリパのパッドに動作可能に接続された1つまたは複数の光読取/質問ユニット(4)によって実行される、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
測定された前記第1ひずみ(S1)と前記第2ひずみ(S2)の時間変化に基づいて、前記クランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)のリアルタイムの動的測定値を取得するステップ、および/または
前記光ファイバセンサ(2、5)の誤動作の可能性を検出するステップ、および/または
前記光ファイバセンサ(2、5)による検出に基づいて、パッド摩耗レベル(10)を推定するステップ、および/または
前記光ファイバセンサ(2、5)による検出に基づいて、ブレーキ摩擦によって放出された粒子レベルを推定するステップ、および/または
ブレーキイベント時、前記ブレーキキャリパの両方のパッドの光ファイバセンサ(21、22)によって実行された測定に基づいて、ブレーキ圧力を測定し、ブレーキの有効摩擦係数を計算し、前記ブレーキキャリパの実際のクランプ力を計算するステップ、
ブレーキングイベント時、1つまたは複数のブレーキキャリパのパッド上の光ファイバセンサ(2、5)によって行われた測定に基づいて、1つまたは複数のブレーキキャリパのパッドのブレーキ圧力間の不均衡の可能性を測定するステップ、
ブレーキイベント時、1つまたは複数のブレーキキャリパにおける前記1つまたは複数のパッド上の前記光ファイバセンサ(2、5)によって実行される検出に基づいて、1つまたは複数のブレーキキャリパパッドの誤動作を検出するステップ、の一つ又は複数を含む、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
車両用摩擦ブレーキシステムのブレーキキャリパ用センサ付ブレーキパッド(10)であって、前記ブレーキパッド(10)は、
ブレーキイベント時、ブレーキキャリパによって摩擦ブレーキディスクに接触させられたときにブレーキ摩擦を発生するように構成された材料で作られたブレーキパッド(1)と、
前記ブレーキパッド(10)のベースプレートまたはプラットフォーム(11)に付着する前記ブレーキパッド(10)の前記摩擦材料(M)の一部に組み込まれた、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)を含むケーシング(9)であって、前記摩擦材料(M)の前記一部は摩擦に敏感で、基準接線方向(x)に関して前記ケーシング(9)が受ける接線せん断ひずみ(St-eff)は前記ブレーキパッド(10)に作用する接線方向の力(Ft)を表し、法線方向(y)に関して前記ケーシング(9)が受ける法線方向力(Fn-eff)は前記ブレーキパッド(10)に作用する法線方向の位置から(Fn)を表すとともに、前記ブレーキディスクに加わるクランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)を表す、ケーシング(9)とを含み、
前記少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)は、
事前定義された第1の空間方向(w1)に沿ってケーシング(9)の第1の位置に存在する第1のひずみ(S1)を検出し、前記第1のひずみ(S1)は、前記ケーシング(9)に作用する前記法線方向の力(Fn-eff)と前記接線方向の力(St-eff)の両方に依存し、
事前定義された前記第2の空間方向(w2)に沿って前記ケーシング(9)の第2の位置に存在する第2のひずみ(S2)を検出し、前記第2のひずみ(S2)は、前記ケーシング(9)に作用する前記法線方向の力(Fn-eff)と前記接線方向の力(St-eff)の両方に依存し、
検出された前記第1のひずみ(S1)を表す第1のフォトニック信号(L1)と、検出された第2のひずみ(S2)を表す第2のフォトニック信号(L2)を生成し、
前記ブレーキパッドはさらに、前記光ファイバひずみセンサ(2)に接続され、前記第1のフォトニック信号(L1)および第2のフォトニック信号(L2)を送信するために光読取/質問ユニット(4)に接続されるように構成された接続光インターフェース(3)を含む、ブレーキパッド。
【請求項23】
前記光ファイバひずみセンサ(2)は、ファイバブラッググレーティングタイプのセンサであり、
前記第1の空間方向(w1)および前記第2の空間方向(w2)は、前記接線基準方向(x)および前記法線基準方向(y)とは異なる方向である、請求項22に記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項24】
前記第1の空間方向(w1)と前記第2の空間方向(w2)が、前記法線基準方向(y)に対して対称である、または
前記第1の空間方向(w1)と前記第2の空間方向(w2)が、正の接線基準方向(x)に対して相補角を形成する、または
前記接線基準方向(x)の正の方向と前記第1の空間方向(w1)によって形成される角度(β)は、前記接線基準方向(x)の負の方向と前記第2の空間方向(w2)によって形成される角度(β)に等しい、請求項23に記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項25】
前記光ファイバひずみセンサ(2)が、複屈折ファイバに配置されたファイバブラッググレーティングタイプのセンサで、
前記第1の空間方向(w1)は前記接線基準方向(x)と一致し、
前記第2の空間方向(w2)は前記接線基準方向(x)に垂直な方向である、
請求項22に記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項26】
前記光ファイバひずみセンサ(2)は、
前記第1の空間方向(w1)と整列するように配置された光ファイバの第1の部分内の前記第1の位置に配置された第1のファイバブラッググレーティングを含む第1のセンサ素子(21)と、
前記第2の空間方向(w2)と整列するように配置された光ファイバの第2の部分内の前記第2の位置に配置された第2のファイバブラッググレーティングを含む第2のセンサ素子(22)とを含む、請求項22から25のいずれかに記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項27】
前記第1のセンサ要素(21)および前記第2のセンサ要素(22)が単一の光ファイバに含まれる、または
前記第1のセンサ素子(21)および前記第2のセンサ素子(22)は、2つの異なるそれぞれの光ファイバに含まれる、請求項26に記載のセンサ付きパッド。
【請求項28】
前記第1の位置および前記第2の位置の近くの第3の位置で、前記ケーシング(9)にカプセル化された少なくとも1つの光ファイバ温度センサ(5)を含み、
前記少なくとも1つの光ファイバ温度センサ(5)は、前記第3の位置に存在する温度を検出し、検出された前記温度を表す第3のフォトニック信号(LT)を生成するように構成され、
前記光接続インターフェース(3)は、光ファイバひずみセンサ(5)にさらに接続され、前記光読取/質問ユニットユニット(4)に接続されて前記第3のフォトニック信号(LT)を送信するように構成されている、請求項22から27のいずれかに記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項29】
前記光ファイバ温度センサ(5)が、ファイバブラッググレーティングタイプの光ファイバ温度センサであり、第1のセンサ要素(21)および前記第2のセンサ要素(22)を含む前記光ファイバ(25)で得られる第3のファイバブラッググレーティングを含む第3のセンサ素子(23)を含む、または。
前記光ファイバ温度センサ(5)は、ファイバブラッググレーティングタイプの光ファイバ温度センサであり、前記第1の位置または前記第2の位置とは異なる第3の位置であって前記ケーシングの外側で前記摩擦材料の中又は前記光ファイバのストレッチに配置されたファイバブラッググレーティングタイプの前記第1のひずみセンサまたは前記第2のひずみセンサを含む光ファイバ(25,26)の一つで作られた第3のファイバブラッググレーティングを含む第3のセンサ素子(23)を含む、請求項28に記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項30】
前記第3のファイバブラッググレーティング(23)が、前記ケーシング(9)のキャビティまたはキャピラリチューブ(71)に挿入され、カプセル化されている前記材料の熱膨張および変形現象から隔離されている、請求項29に記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項31】
前記接続光インターフェース(3)が
1つ又は複数の接続光ファイバであって、それぞれがセンサ要素(21、22、23)のための光活性放射(OA1、OA2、OAT)を運び、それぞれの第1のフォトニック信号(L1)および/または第2のフォトニック信号(L2)および/または第3のフォトニック信号(LT)を形成する反射光スペクトルを運ぶように構成された1つ又は複数の接続光ファイバ、および/または
波長多重化された第1の光活性放射(OA1)および/または第2の光活性放射(OA2)および/または第3の光活性放射(OAT)によって共有される入力接続光ファイバ(32)と、波長多重化された前記第1のフォトニック信号(L1)および/または前記第2のフォトニック信号(L2)および/または前記第3のフォトニック信号(LT)を構成する送信された光スペクトルを共有する出力接続光ファイバ(33)であって、複数のセンサ要素が同じファイバに作られ、前記センサによって放出される前記フォトニック信号は送信された光スペクトルを含む、前記入力接続光ファイバ(32)及び前記出力接続光ファイバ(33)、および/または
波長多重化された前記第1の光活性放射(OA1)および/または前記第2の光活性放射(OA2)および/または前記第3の光活性放射(OAT)によって共有された接続光ファイバ(35)により、また、波長多重化された前記第1のフォトニック信号(L1)および/または前記第2のフォトニック信号(L2)および/または前記第3のフォトニック信号(LT)を形成する反射スペクトルによって共有され、複数のセンサ要素が同じファイバに作られ、前記センサによって放出されるフォトニック信号は反射された反射光スペクトルを含む、請求項22から30のいずれかに記載のセンサ付きパッド。
【請求項32】
前記ブレーキパッドの前記摩擦材料(12)内に前記ブレーキパッドのベースプラットフォームまたはプレート(11)を含み、
さらに少なくとも1つの検出要素(90)を含み、
前記少なくとも1つの検出要素は、
前記ブレーキパッド(10)とは異なるポリマーまたは鉱物材料で作られたケーシング(9)であって、前記ブレーキパッド内に固定および/または組み込まれたケーシングであって、前記ケーシングは、前記ケーシング(9)の適当な部分(71)内に接着剤(7)で固定された少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)と、前記光ファイバ温度センサ(5)と、前記接続光インターフェース(3)の少なくとも一部を収容を収容するように構成された、ケーシングと、
前記ケーシング(9)から出て、前記光インターフェース(3)の1つまたは複数の接続ファイバを囲むように構成された、少なくとも1つのキャピラリ接続チューブ(73)とを含み、
前記センサ付きパッド(10)は、前記ブレーキキャリパの外側で前記読取/質問ユニットユニット(4)に接続可能な前記光接続インターフェース(30)の保護出力チューブに接続できる、前記ブレーキパッドに固定されたコレクタ(74)を含み、
前記センサ付きパッド(10)は、前記少なくとも1つのキャピラリ接続チューブ(73)を前記コレクタ(74)に配線して接続するように構成されたキャピラリチューブまたはフレーム構造(75)をさらに含む、請求項22から30のいずれかに記載のセンサ付きパッド。
【請求項33】
前記ケーシング(9)が、有機材料および/またはプラスチック材料および/またはポリマー材料および/または樹脂化合物で作られ、接着剤又は一体成形によって少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)を組み込み、
前記検出要素(90)は、前記ベースプラットフォーム(11)と前記ケーシング(9)との間に形状結合又は機械結合(6)によって、前記ブレーキパッドの前記摩擦材料の前記プラットフォーム又はプレート(11)に、前記コレクタ(74)および前記フレーム(75)と共に、前記ブレーキパッド(10)に固定され、および/または前記ブレーキパッド(10)に組み込まれ、これにより、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)が前記摩擦材料の所望位置に完全に組み込まれている、請求項32に記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項34】
複数の検出要素(90)を含み、
前記複数の検出要素のそれぞれが、ケーシング(9)および前記ケーシングの中に組み込まれた少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ(2)を含む、請求項22から33のいずれかに記載のセンサ付きパッド(10)。
【請求項35】
請求項22から34のいずれかに記載の少なくとも1つのセンサ付きパッド(10)を備えた、車両用ディスクブレーキシステム用のブレーキキャリパ。
【請求項36】
ブレーキシステムの少なくとも1つのセンサ付きブレーキパッド(10)で実行される検出によって、車両の摩擦ブレーキシステムの作動に由来するクランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステム(100)であって、
請求項22から34のいずれかに記載の少なくとも1つのセンサ付きパッド(10)と、
少なくとも1つの第1のフォトニック信号(L1)および少なくとも1つの第2のフォトニック信号(L2)を受信するために、少なくとも1つのセンサ付きパッド(10)の光接続インターフェース(3)に光学的に接続された光読取/質問ユニット(4)であって、
前記光読取/質問ユニット(4)は、受信された第1のフォトニック信号(L1)と第2のフォトニック信号(L2)に基づいて、第1の検出ひずみ(S1)および第2の検出ひずみ(S2)を表す1つまたは複数の電気信号(E1、E2)を生成するように構成された、光読取/質問ユニット(4)と、
前記1つまたは複数の電気信号(E1、E2)を受信するために前記光読取/質問ユニット(4)に接続された、センサ付きパッドの外部にある遠隔制御ユニット(20)であって、
前記遠隔制御ユニット(20)は、1つまたは複数の電気信号(E1、E2)を処理して、前記クランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)の測定値を取得し供給するように構成されている、システム(100)。
【請求項37】
前記光読取/質問ユニット(4)が、前記第1の光活性放射(OA1)および/または前記第2の光活性放射(OA2)および/または前記第3の光活性放射(OAT)を送信することによって前記センサ付きパッド(10)に組み込まれた前記センサ要素(21、22、23)に含まれる各ファイバブラッググレーティングを活性化するように構成される、請求項36に記載のシステム(100)。
【請求項38】
複数のセンサ要素(21、22)が同じファイバ内に作られている場合、それぞれのファイバブラッググレーティングのそれぞれが異なる中心動作波長(λ1、λ2)に関連付けられ、
前記光読取/質問ユニット(4)は、前記光接続インターフェース(3)を介して、前記光活性放射(OA1、OA2)を、波長分割多重(WDM)伝送技術によって、それぞれの動作波長(λ1、λ2)で前記複数のセンサ要素(21、22)に送信するように構成され、
前記光読取/質問ユニット(4)は、前記接続光インターフェース(3)を介して受信し、複数のセンサ要素(21、22)のそれぞれによって反射または送信されたそれぞれの光スペクトルを、波長分割多重(WDM)技術を使用した逆多重化によって区別するようにさらに構成された、請求項37に記載のシステム(100)。
【請求項39】
前記光学的読取/質問ユニットユニット(4)が、
前記第1の光活性放射(OA1)および/または前記第2の光活性放射(OA2)および/または温度センサが存在する場合は前記第3の光活性放射(OAT)を送信するように構成された広帯域光放射源(40)と、
受信する波長および/または複数の波長を選択するように構成され、さらにこれらの少なくとも1つの前記第1のフォトニック信号(L1)および/または少なくとも1つの前記第2のフォトニックのそれぞれを受信して少なくとも1つの前記第1の電気信号(E1)および/または前記第2の電気信号(E2)に変換する、および/または前記第3のフォトニック信号(LT)を受信して前記第3の電気信号(ET)に変換するように構成された光電子分光計受信機(41)を含む、請求項36から38のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項40】
前記光学的読取/質問ユニットユニット(4)が、
前記第1の光活性放射(OA1)および/または前記第2の光活性放射(OA2)および/または前記第3の光活性放射(OAT)を送信するように構成された調整可能な光放射源(42)と、
前記第1のフォトニック信号(L1)を受信し、それを前記第1の電気信号(E1)に変換し、前記第2のフォトニック信号(L2)を受信し、それを前記第2の電気信号に変換する、および/または前記第3のフォトニック信号(LT)を受信し、それを前記第3の電気信号(ET)に変換するように構成されたフォトダイオード光電子受信機(43)を含む、請求項36から38のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項41】
前記光読取/質問ユニットユニット(4)は、PIC(フォトニック集積回路)技術を実装する単一の集積フォトニック回路によって作られ、
前記単一の集積フォトニック回路は、
前記第1の光活性放射(OA1)および/または前記第2の光活性放射(OA2)および/または前記第3の光活性放射(OAT)を送信するように構成された広帯域光放射源(40)と、
それぞれのフォトニック信号を選択するために、照会されたファイバブラッググレーティングの波長に調整できる少なくとも1つの光波長フィルタリング要素(44)と、
前記第1のフォトニック信号(L1)および前記第2のフォトニック信号(L2)から選択されたフォトニック信号を受信し、それを前記第1の電気信号(E1)または第2の電気信号(E2)に変換する、および/または、選択された場合、前記第3のフォトニック信号(LT)を受信し、それを前記第3の電気信号(ET)に変換するフォトダイオード光電子受信機を含む、請求項36から38のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項42】
前記センサ付パッドは、請求項25に係るセンサ付きパッドで、複屈折ファイバ(fb)に配置されたファイバブラッググレーティングタイプのセンサ(2)を含み、
前記読取/質問ユニット(4)は、
前記第1の光活性放射(OA1)および/または前記第2の光活性放射(OA2)および/または前記第3の光活性放射(OAT)を送信するように構成された調整可能な光放射源(42)と、
異なる第1および第2複屈折偏光を持つ2つのコンポーネントで構成され、複屈折ファイバブラッググレーティングによって反射または透過されたフォトニック信号を受信し、第1の偏光を有する成分に対応する第1光ビーム(L1a)と第2の偏光を有する成分に対応する第2の光ビーム(L1b)を生成するように構成された偏光ビームスプリッタ(45)と、
第1の光ダイオード(L1a)を受信し、対応する第1の電気信号(E1a)を生成するように構成された第1のフォトダイオード光電子受信機(43a)と、
第2の光ビーム(L1b)を受信し、対応する第2の電気信号(E1b)を生成するように構成された第2の光ダイオード光電子受信機(43b)を含む、請求項36から38のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項43】
前記光読取/質問ユニット(4)が、センサ付きパッド(10)に統合および/または収容されている、請求項36から42のいずれかに記載のシステム。
【請求項44】
1つまたは複数のブレーキキャリパ(200、300)に属する複数のセンサ付きパッド(101、102、103、104)と、前記複数のセンサ付きパッドの各センサ付きパッドに動作可能に接続されている単一の光読取/質問ユニット(4)を含む、請求項36から43のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項45】
前記遠隔制御ユニット(20)が、前記決定された第1のひずみ(S1)および第2のひずみ(S2)に基づいて、および/または前記決定された第1のひずみ(S1)、第2のひずみ(S2)及び温度に基づいて、クランプ力(CF)および/またはブレーキトルク(BT)を計算するように適合されたアルゴリズムを実行するように構成された、1つまたは複数のソフトウェアプログラムが格納されている少なくとも1つのプロセッサを含む、請求項36から44のいずれかに記載のシステム(100)。
【請求項46】
請求項35に記載の複数のブレーキパッドを含む、及び又は、
請求項35から45のいずれかに係る、前記ディスクブレーキシステムの作動に由来するブレーキ力及び/又はブレーキトルクを検出し測定するためのシステム(100)を含む、車両用のディスクブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキパッドに組み込まれたフォトニックセンサ(すなわち、光ファイバセンサ)によって車両ブレーキシステムのクランプ力および/またはブレーキ力を検出および測定するための方法およびシステムに関する。
【0002】
本発明はさらに、前述の方法を実施することを可能にするために装備されたセンサ付きブレーキパッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ブレーキシステムを制御、監視、および作動させるために、電子制御ディスクブレーキシステムでは、ブレーキ動作中にブレーキシステムのブレーキキャリパによって適用されるクランプ力の値またはブレーキトルクの値(およびできれば両方)をリアルタイムで可能な限り正確に知ることが非常に役立つ。
【0004】
しかし、ブレーキシステムのブレーキキャリパによって加えられるクランプ力および/またはブレーキトルクを直接、正確に、そして確実に測定することは困難である。
【0005】
クランプ力および/またはブレーキトルクの間接的であるが潜在的に効果的な測定のオプションは、ブレーキングイベント時のブレーキキャリパによって生じる、ブレーキキャリパに属するブレーキパッド内で作用する力または他の関連する量を測定することである。
【0006】
この目的のために、ブレーキパッド自体でそのような情報を検出および提供することができる、力センサおよび/または他の力関連量(例えば、ひずみ)の他のセンサを組み込むことができることが望ましい。
【0007】
しかしながら、既知の技術によって利用可能にされた力および/またはひずみセンサは、それらが十分に小型化およびコンパクトでないか、またはそれらが作動のために外部に容易に接続できないために、または、読み取り、または温度変化に敏感すぎるか、高温で動作するのに十分な堅牢性がないため、さらに、ブレーキパッドなどのかなりの温度変動にさらされる環境での動作には不適切であるために、ブレーキパッドの本体に組み込むのに適していない。
【0008】
前述の欠点の少なくともいくつかは、例えば、圧電または圧電抵抗現象に基づく既知の力および/またはひずみセンサに当てはまる。
【0009】
これを考慮すると、他の量の検出に基づいて、またはブレーキパッドまたはキャリパ自体の外部で行われた力の検出に基づいて、クランプ力および/またはブレーキトルクの値を間接的に推定および/または計算することを試みることが可能である。しかしながら、これは、そのような推定または計算が必要な精度要件を完全に満たさないという事実に由来するさらなる欠点を引き起こす。
【0010】
センサ技術の技術分野は幅広いソリューションを提供するが、既知のソリューションは、(十分にコンパクトでない、複雑すぎて侵襲的である、または温度に対して十分に堅牢であるために)実用的な観点からブレーキパッドに簡単に組み込むことができないセンサ、または、十分な精度でクランプ力および/またはブレーキトルクの値を取得することができない間接的な測定値を提供するセンサ、を提供するものである。
【0011】
したがって、力センサまたはクランプ力および/またはブレーキトルクに関連する他の量(例えば、ひずみ)のセンサであって、コンパクトで、小型化され、作動/読み取りが容易であり、ブレーキパッドの本体に実際に組み込まれるのに適しており、性能にまったく影響を与えることなく、同時にすべての環境および動作条件において、ブレーキキャリパによって加えられるクランプ力および/またはブレーキトルク(および/または両方)を、ブレーキ動作中のすべての環境および動作条件において、高精度、高信頼性、リアルタイムに決定できる、センサが必要とされる。
【0012】
上記のように、そのような要件は、従来技術から現在利用可能な解決策によって完全には満たされていない。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、ブレーキシステムのブレーキパッドで実行される検出によって、車両ごとの摩擦ブレーキシステムの作動から生じるクランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための方法を提供することである。これにより、先行技術を参照して記載された前述の不利な点を少なくとも部分的に改善し、当該技術分野で特に感じられる前述の要件を満たすことが可能になる。
【0014】
この目的および他の目的は、請求項1に記載のクランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための方法によって達成される。
【0015】
そのような方法のいくつかの好ましい実施形態は、従属請求項2-21の主題である。
【0016】
本発明のさらなる目的は、請求項1-21に係るクランプ力および/またはブレーキングトルクを検出および測定するための前述の方法を実行することを可能にするように装備された、車両ブレーキシステムのブレーキキャリパ用のセンサ付きブレーキパッドを提供することである。
【0017】
これらおよび他の目的は、請求項22に記載のセンサ付きブレーキパッドによって達成される。
【0018】
そのようなパッドのいくつかの好ましい実施形態は、従属請求項23から34の主題である。
【0019】
本発明のさらなる目的は、前述のセンサ付きパッドのうちの少なくとも1つを含むブレーキシステム用のブレーキキャリパを提供することである。
【0020】
これらおよび他の目的は、請求項35に記載のブレーキキャリパによって達成される。
【0021】
本発明のさらなる目的は、前述のセンサー付きパッドの少なくとも1つを使用して、ブレーキシステムの少なくとも1つのブレーキパッドで実行される検出によって、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定することを提供することである。 。
【0022】
この目的および他の目的は、請求項36に記載のクランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステムによって達成される。
【0023】
そのようなシステムのいくつかの好ましい実施形態は、従属請求項37から45の主題である。
【0024】
本発明のさらなる目的は、前述のセンサ付きブレーキパッドの少なくとも1つを使用するか、または前述のシステムを使用してクランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するブレーキシステムを提供することである。
【0025】
これら及びよび他の目的は、請求項46に記載のブレーキシステムによって達成される。
【0026】
本発明による方法およびシステムのさらなる特徴および利点は、添付の図を参照して、非限定的な例として与えられる、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施形態による、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための方法およびシステムのいくつかの構造的および機能的側面を簡略化して示す。
図2図2は、本発明の実施形態による、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための方法およびシステムのいくつかの構造的および機能的側面を簡略化して示す。
図3図3は、機能ブロック図によって、本発明による、センサ付きブレーキパッドのそれぞれの異なる実施形態と、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステムを示す。
図4図4は、機能ブロック図によって、本発明による、センサ付きブレーキパッドのそれぞれの異なる実施形態と、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステムを示す。
図5図5は、機能ブロック図によって、本発明による、センサ付きブレーキパッドのそれぞれの異なる実施形態と、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステムを示す。
図6図6は、機能ブロック図によって、本発明による、センサ付きブレーキパッドのそれぞれの異なる実施形態と、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステムを示す。
図7A図7Aは、本発明の特定の実施形態による、センサ付きパッドに組み込まれるように適合されたセンサを含む予め形成されたケーシングのそれぞれの実施形態の詳細である。
図7B】7Bは、本発明の特定の実施形態による、センサ付きパッドに組み込まれるように適合されたセンサを含む予め形成されたケーシングのそれぞれの実施形態の詳細である。
図8A図8Aは、本発明の特定の実施形態による、センサ付きパッドに組み込まれるように適合されたセンサを含む予め形成されたケーシングのそれぞれの実施形態の詳細である。
図8B図8Bは、本発明の特定の実施形態による、センサ付きパッドに組み込まれるように適合されたセンサを含む予め形成されたケーシングのそれぞれの実施形態の詳細である。
図9図9は、本発明の実施形態によるセンサ付きブレーキパッドの側面図である。
図10図10は、センサ付きブレーキパッドのそれぞれのさらなる実施形態を示し、特に、異なる実施形態によるブレーキパッド内のセンサの可能な位置を示す。
図11図11は、センサ付きブレーキパッドのそれぞれのさらなる実施形態を示し、特に、異なる実施形態によるブレーキパッド内のセンサの可能な位置を示す。
図12図12は、センサ付きブレーキパッドのそれぞれのさらなる実施形態を示し、特に、異なる実施形態によるブレーキパッド内のセンサの可能な位置を示す。
図13図13は、センサ付きブレーキパッドのそれぞれのさらなる実施形態を示し、特に、異なる実施形態によるブレーキパッド内のセンサの可能な位置を示す。
図14図14は、センサ付きブレーキパッドのそれぞれのさらなる実施形態を示し、特に、異なる実施形態によるブレーキパッド内のセンサの可能な位置を示す。
図15図15は、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための前述のシステムに含まれる光読取/質問ユニットのそれぞれの実施形態の機能ブロック図である。
図16図16は、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための前述のシステムに含まれる光読取/質問ユニットのそれぞれの実施形態の機能ブロック図である。
図17図17は、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための前述のシステムに含まれる光読取/質問ユニットのそれぞれの実施形態の機能ブロック図である。
図18図18は、クランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するための前述のシステムに含まれる光読取/質問ユニットのそれぞれの実施形態の機能ブロック図である。
図19図19は、ブレーキシステムの複数のブレーキキャリパに属する複数のセンサ付きブレーキパッドを含む、本発明によるブレーキシステムの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図1から19を参照して、ブレーキシステム10のブレーキパッドで行われる検出により、車両の摩擦ブレーキシステムの作動に由来するクランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを検出および測定する方法を説明する。
【0029】
特に図1から3を参照すると、この方法は、最初に、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2をケーシング9にカプセル化するステップと、ブレーキパッド10のベースプレートまたはプラットフォーム11に付着する摩擦材料のそれぞれの部分に前述のケーシング9を組み込むステップを含む。
【0030】
摩擦材料Mのそのような部分は摩擦に敏感であり、その結果、ケーシング9が接線方向xで受ける剪断ひずみ(すなわち、接線ひずみ)St-effは、ブレーキパッドに作用する接線方向の力Ftを表し、図10に示されるように、ケーシング9が法線方向yで受ける法線方向の力Fn-effは、ブレーキパッド10に作用する法線方向の力Fnを表す。
【0031】
接線方向および法線方向(x、y)は、ブレーキパッドに作用する力の作用方向を指す。
【0032】
次に、この方法は、前述の少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2によって、事前定義された第1の空間方向w1に沿ってケーシング9の第1の位置に存在する第1のひずみS1を検出し、さらに、前述の少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2によって、事前定義された第2の空間方向w2に沿ってケーシング9の第2の位置に存在する第2のひずみS2を検出する。
【0033】
少なくとも1つの光ファイバひずみセンサは、前述の第1のひずみS1がケーシング9に作用する法線方向の力Fn-effおよび接線ひずみSt-effの両方に依存し、前述の第2のひずみS2がケーシング9に作用する法線方向の力Fnと接線方向のひずみSt-effの両方に依存するように構成される。
【0034】
上述のように、この方法は二重検出を提供し、そのそれぞれは、それぞれの位置で作用する法線方向の力と接線方向の力の成分の両方を表すひずみ情報を含む(それらの力は、最終的には、ブレーキキャリパによって加えられるクランプ力および/またはブレーキトルクに依存する。)。
【0035】
次に、この方法は、光ファイバひずみセンサ2によって、第1の検出されたひずみS1を表す第1のフォトニック信号L1、および第2の検出されたひずみS2を表す第2のフォトニック信号L2を生成するステップを含む。次に、前述の光ファイバひずみセンサ2に光学的に接続された光読取/質問ユニットユニット4によって、前述の第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2を受信する。
【0036】
この方法は、最終的に、前述の第1の受信光信号L1および第2の受信光信号L2に基づいて、光読取/質問ユニットユニット4により、第1のひずみS1の値および第2のひずみS2の値をそれぞれ決定し、第1のひずみS1および第2のひずみS2の決定された値に基づいて、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTの測定値を決定する。
【0037】
この方法の一実施形態によれば、前述の光ファイバひずみセンサ2は、ファイバブラッググレーティングタイプのセンサであり、前述の所定の第1の空間方向w1および第2の空間方向w2は、前記接線方向xおよび法線方向y方向とは異なる方向である。
【0038】
可能な実施形態によれば、第1の空間方向w1および第2の空間方向w2は、法線基準方向yに関して対称である、すなわち、それらは、正の接線基準方向xに関して相補的な角度を形成する。
【0039】
別の実施形態(図2および3に示され、特に右上の図3に示されている参照システム)によれば、第1の空間方向w1と接線基準方向xの正の方向によって形成される角度βは、負の接線基準方向xを持つ第2の空間方向w2によって形成される角度βに等しい。
【0040】
この方法の別の実施形態によれば、前述の光ファイバひずみセンサ2は、複屈折ファイバに配置されたファイバブラッググレーティングタイプのセンサである。
【0041】
この場合、事前定義された第1の空間方向w1は、接線基準方向xと一致し、前述の第2の空間方向w2は、接線基準方向xに垂直な方向である。
【0042】
この方法の実施形態(例えば、図2から6に示されている)によれば、光ファイバひずみセンサ2は、第1のセンサ要素21および第2のセンサ要素22を含む。
【0043】
第1のセンサ素子21は、前述の第1の空間方向w1と整列するように配置された光ファイバの第1の部分内に、前述の第1の位置に配置された第1のファイバブラッググレーティングを備える。
【0044】
第2のセンサ素子22は、第2の空間方向w2と整列するように配置された光ファイバの第2の部分内に、前述の第2の位置に配置された第2のファイバブラッググレーティングを備える。
【0045】
実施形態(図5および6に示されている)によれば、前述の第1のセンサ要素21および第2のセンサ素子22は、単一の光ファイバ25に含まれている。
【0046】
別の実施形態(図3および4に示されている)によれば、前述の第1のセンサ要素21および第2のセンサ要素22は、2つの異なるそれぞれの光ファイバ25に含まれている。
【0047】
この方法の一実施形態によれば、決定するステップは、光読取/質問ユニットユニット4によって、第1のフォトニック信号L1を表す第1の電気信号E1および第2のフォトニック信号L2を表す第2の電気信号E2を生成し、次に、前述の第1の電気信号E1および第2の電気信号E2を制御ユニット20に送信し、最後に、前述の第1の電気信号E1および第2の電気信号E2に基づいて、1つまたは複数のソフトウェアプログラムによって実行される1つまたは複数のアルゴリズムによって、制御ユニット20のプロセッサによって、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを計算する。
【0048】
この方法の実施形態によれば、前述の計算ステップは、第1のひずみS1と第2のひずみS2の決定値との差によって与えられる微分ひずみΔSに基づいて、基準方向x、yに関するセンサの配置に関連する幾何学的パラメータ、パッドおよびパッド内のセンサの位置に関連する幾何学的パラメータ、およびケーシングと摩擦材が作られている材料の摩擦係数を表すパラメータに依存する比例係数を用いて、ブレーキトルクBTを計算することを含む。
【0049】
例えば、前述の計算ステップは、微分値ΔSとブレーキトルクBTとの間の以下の比率(数式1)に基づくことができる。
【0050】
【数1】
【0051】
ここで、
β:センサ方向との角度w1、w2;
ν:ケーシング材料のポアソン比;
geom:パッドの形状に依存する定数;
r:センサ位置の有効半径;
HM:ケーシング材料のヤング率;
FM 摩擦材料のヤング率;
【0052】
この方法の一実施形態によれば、計算のステップは、ブレーキパッドに組み込まれているケーシングに作用する法線方向の力または圧力(例えば、Fn-eff)に基づいて、クランプ力CF、すなわちブレーキパッドに作用する法線方向の力を計算することを含む。
【0053】
ケーシングに作用する前述の法線方向の力または圧力Fn-effは、検出された第1ひずみS1および/または検出された第2ひずみS2に基づき、基準方向x、yに関する配置に関する幾何学的パラメータと摩擦材料のヤング率に依存する比例係数を用いて、計算される。
例えば、前述の計算ステップは、計算されたひずみ(S1およびS2)の平均とクランプトルクCFとの間の以下の関係(数式2)に基づくことができる。
【0054】
【数2】
ここで、
β:センサw1、w2の方向角;
A:パッド相当面積;
ν:ケーシング材料のポアソン係数;
HM:ケーシング材料のヤング率;
(ν、β):システムの特性係数
である。
【0055】
一実施形態(例えば、図4から6に示される)によれば、この方法は、前述の第1および第2の位置の近くに配置された第3の位置で、光ファイバ温度センサ5をケーシング9にカプセル化し、次に、光ファイバ温度センサ5によって、第3の位置Tに存在する温度を検出し、検出された温度を表す第3のフォトニック信号LTを生成し、次に、前記光ファイバひずみセンサ5に光学的に接続された光読取/質問ユニットユニット4によって、前述の検出された第3のフォトニック信号LTを受信し、そして、光読取/質問ユニットユニット4によって、第3の受信フォトニック信号LTに基づいて、温度値Tを決定するステップを含む。
【0056】
この場合、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTの測定値を決定するステップは、第1のひずみS1と第2のひずみS2、及び決定された温度値Tに基づいて、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTの測定値を決定することを含む。
【0057】
実施形態によれば、光ファイバ温度センサ5は、ファイバブラッググレーティング光ファイバ温度センサである。
【0058】
好ましい実施形態によれば、前述の光ファイバひずみセンサと温度センサは相互に統合されている。より具体的には、(図5、6、および7Aに示されるように)2つのFBGひずみセンサが同じ光ファイバ25に含まれる場合、前述の温度センサも同じ光ファイバ25に含まれる。
【0059】
例えば、光ファイバ温度センサは、第1のセンサ素子21および第2のセンサ素子22を含む光ファイバで得られる第3のファイバブラッググレーティングを含む第3のセンサ素子23を備える。光ファイバ内のそのような第3のブラッググレーティングは、それが配置される材料の熱膨張および変形によって影響されないように、適当なキャビティおよび/またはキャピラリチューブ71内のケーシング内に組み立てられる。
【0060】
別の実施形態によれば、2つのひずみセンサFBGが2つの異なる光ファイバで構成されている場合、温度センサは、第1の位置又は第2の位置とは異なる第3の位置にあって、ケーシングの外側で摩擦材料の中に配置されるか、またはケーシングに含まれるファイバストレッチに配置された第3の位置に(図4参照)、ひずみセンサの第1又は第2のファイバブラッググレーティングを含む2つのファイバの一方に作られた第3のファイバブラッググレーティングを含む。いずれの場合も、そのような第3のファイバブラッググレーティングは、それがカプセル化されている材料の起こり得る熱膨張および変形現象からそれを隔離するために、ケーシングのキャビティまたはキャピラリチューブ71に挿入される。
【0061】
別の実施形態(図には示されていない)によれば、光ファイバ温度センサは、第1の光センサ要素21および第2のセンサ要素22を含む光ファイバに加えて、専用光ファイバで作られた第3のファイバブラッググレーティングを含む第3のセンサ要素23を含む。専用光ファイバ内のそのような第3のブラッググレーティングは、それが配置される材料の熱膨張および変形によって影響されないように、適当なキャビティおよび/またはキャピラリチューブ71内のケーシング内に組み立てられる。
【0062】
前述のファイバブラッググレーティング光学センサ(以下、「FBGセンサ」とも呼ぶ)は、以下に示すタイプのセンサである。
【0063】
FBGセンサは、ひずみや温度などのさまざまな物理的パラメータを測定するための非常に感度が高く、用途の広い光学デバイスであることが知られている。最も単純な形式では、FBGセンサは、光ファイバのコアに刻まれた屈折率の空間的に周期的な変調によって得られる(これは、たとえば、感光性の現象またはフェムトセカンド光パルスを使用して取得できる。)。
【0064】
FBGセンサは、λ=2neffΛとして定義されるいわゆる「ブラッグ波長」λで入射光を反射する共振条件の存在を利用する。ここで、neffは光ファイバの基本モードの実効屈折率であり、Λはグレーティングの空間ピッチ(周期性)である。
【0065】
FBGセンサの動作原理は、ひずみや温度などの外部の影響によって引き起こされる実効屈折率またはグレーティングピッチの変化が、数式3から導出できる動作波長(ブラッグ波長)のそれぞれのシフトΔλをもたらすという特性に基づいている。
【0066】
【数3】
【0067】
ここで、
Δλ=λ-λ:基準ブラッグ波長λに対するブラッグ波長の変化;
k:スケール係数;
α:熱光学係数である。
【0068】
ブラッグ波長シフトは、感度値が約1.2pm/μεの縦ひずみεと、1550nmの範囲のシリコンファイバに対する感度値約11pm/℃の温度変化に直線的に依存する。
【0069】
上記のように、ケーシングに組み込まれたFBGセンサ(2)の動作条件下での温度変化に関して、FBGセンサによって得られたひずみの結果を補正することが適切である。このような補償は、前述の数式1を次の数式4のように展開することによって行うことができる。
【0070】
【数4】
【0071】
ここで、ε=ε+εには2つの寄与が含まれる。1つは純粋な機械的ひずみによるもので、もう1つは熱膨張εによって引き起こされる寄与である(αSPは材料の熱膨張係数である)。λとTで基準ブラッグ波長と基準温度を示し、λとTで波長と温度のリアルタイム値を数式5で表すことができる。
【数5】
【0072】
この数式5から、純粋な機械的影響εが数式6で得られる。
【0073】
【数6】
【0074】
リアルタイムの温度値(εの補正値を取得するために上記の式に入力する)は、FBGひずみセンサ2の近くに配置された緩いチューブに封入されている追加のFBGセンサ(つまり、温度センサ5)を介して取得される。
【0075】
特に、この方法の実施形態によれば、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTの測定値を決定するステップは、決定された温度に基づいて、熱変動によるひずみ値を計算し、機械的効果のみに依存する第1の有効ひずみ値を得るために、第1のひずみの全体的な測定値から熱変動によるひずみ値を差し引き、機械的効果のみに依存する第2の有効ひずみ値を取得するために、第2ひずみの全体的な測定値から熱変動によるひずみ値を差し引き、第1の有効ひずみおよび第2の有効ひずみ値に基づいて、ブレーキ力および/またはブレーキトルクの測定値を決定する。
【0076】
FBGセンサは「パッシブ」センサである。つまり、電力を供給する必要はなく、光ファイバ内で適切な波長(ブラッグ波長など)で光活性放射を、センサのグレーティングが含まれている光ファイバ部分に送ることにより、照明によって活性化される。これに応答して、FBGセンサは、光(つまりフォトニック)信号を反射または送信する。これは、入射放射線だけでなく、グレーティング自体が受けるひずみの実装にも依存する。そのようなフォトニック信号は、以下に示される方法の異なる実施形態において、送信された光信号(すなわち、光スペクトル)または反射された光信号(すなわち、光スペクトル)であり得る。
【0077】
この方法の一実施形態によれば、光ファイバひずみセンサ2および/または光ファイバ温度センサ5は、接続光インターフェース3によって光読取/質問ユニットユニット4に接続されている。
【0078】
実施形態によれば、ファイバブラッググレーティングタイプのセンサが得られる各ファイバと、光読取/質問ユニットユニットへのそれぞれの接続光ファイバとの間の各接続は、ファイバスプライスまたは取り外し可能なフォトニック接続要素(光コネクタ)によって行われる。
【0079】
実施形態によれば、前述の第1のフォトニック信号L1は、第1のセンサ要素21によって反射または送信される第1の光スペクトルを含み、これは、接続光インターフェース3によって光読取/質問ユニットユニット4に到達する。
【0080】
実施形態によれば、前述の第2のフォトニック信号L2は、第2のセンサ要素22によって反射または送信された第2の光スペクトルを含み、これは、前記接続光インターフェース3によって光読取/質問ユニットユニット4に到達する。
【0081】
実施形態によれば、前述の第3のフォトニックLT信号は、第3のセンサ要素23によって反射または送信される第3の光スペクトルを含み、これは、光接続インターフェース3によって光読取/質問ユニットユニット4に到達する。(実施形態では、光接続インターフェースは、光ファイバ温度センサがある光ファイバと同じ光ファイバであり、一方または両方のFBG光ファイバひずみセンサとともに確認でき、外側に伸びて光インターフェースを形成をする。または、別の実施形態では、センサを含む前述の光ファイバに接続された光ファイバである。)。
【0082】
この方法の一実施形態によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、接続光インターフェース3を介して、光活性放射OAまたはそれぞれの光活性放射OA1、OA2、OAT)を送ることによって、第1のセンサ要素21および/または第2のセンサ要素22および/または第3のセンサ要素23を活性化するように構成されている。
【0083】
複数のセンサ要素21、22が同じファイバに作られ、それぞれのファイバブラッググレーティングのそれぞれがそれぞれの異なる中心動作波長(λ1、λ2)に関連付けられている場合に適用可能な一実施形態(例えば、図5および6に示される)によれば、光読取/質問ユニット要素4によって、接続光インターフェース3を介して、それぞれの光活性放射OA1、OA2を、中央動作波長λ1、λ2で、波長分割多重(WDM)伝送技術を使用して、複数のセンサ要素21、22に送信するさらなるステップを含む。その方法はまた、接続光インターフェース3を介して受信し、波長分割多重(WDM)を使用する逆多重化によって複数のセンサ要素21、22のそれぞれによって反射または送信されるそれぞれの光スペクトルを区別する第1のステップを含む。この方法の実施形態(例えば、図3に示されている。)によれば、複数のセンサ要素が同じ光ファイバに作られ、センサによって放出されるフォトニック信号が透過光スペクトルを含む場合、接続光インターフェース3は、波長多重化される第1のOA1および/または第2のOA2光活性放射によって共有される入力接続光ファイバ32と、波長多重化される第1のフォトニック信号L1および/または第2のフォトニック信号L2および/または第3フォトニック信号を形成する透過光スペクトルによって共有される出力接続光ファイバ33を含む。
【0084】
複数のセンサ素子21、22、および23が同じ光ファイバ25で作られている場合に適用可能で、それぞれのファイバブラッググレーティングのそれぞれはがそれぞれ異なる中心動作波長(λ1、λ2、λT)に関連付けられている一実施形態(例えば、図5および6に示されている)によれば、この方法は、光読取/質問ユニット要素4によって、波長分割多重(WDM)伝送技術により、接続光インターフェース3を介して、それぞれの光活性放射OA1、OA2、OATを複数の複数に送信するさらなるステップを含む。この方法は、接続光インターフェース3を介して受信し、波長分割多重(WDM)技術を使用する逆多重化によって複数のセンサ要素21、22、23のそれぞれによって反射または送信されたそれぞれの光スペクトルを区別するさらなるステップを含む。
【0085】
複数のセンサ要素が同じファイバで作られ、センサによって放出されるフォトニック信号が反射光スペクトルを含む場合に適用可能な方法(例えば図6に示される方法)の実施によれば、接続光インターフェース3は、波長多重化された第1の光活性放射OA1および/または第2の光活性放射OA2および第3のOAT光活性放射によって、また、波長多重化された第1のフォトニック信号L1、第2のフォトニック信号L2および第3のLTフォトニック信号を形成する反射スペクトルによって共有される。
【0086】
この方法の別の実施形態(図には示されていない)によれば、接続光インターフェース3は、第1の光活性放射OA1、第2の光活性放射OA2、および/または第3のOAT光活性放射の間のそれぞれの光活性放射と、第1のフォトニック信号L1および/または第2のフォトニック信号L2および/または第3のフォトニック信号LTの間のフォトニック信号を形成する反射光スペクトルに専用の一つ又は複数の接続光ファイバ(31,34)を備える。
【0087】
実施形態の特定の変形例によれば、ファイバブラッググレーティングが得られるファイバと、光読取/質問ユニットユニットへのそれぞれの接続光ファイバとの間の各接続は、ファイバスプライスまたは取り外し可能なフォトニック接続要素によって行われる。
【0088】
この方法の実施によれば、ケーシング9は、ポリマーまたは鉱物材料でできており、ブレーキパッド10とは異なり、そこに固定および/または組み込むことができ、所定の形状および寸法を有し、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2および光ファイバ温度センサ5、ならびに光接続インターフェース3の少なくとも一部を収容するように適合されている。
【0089】
この場合、カプセル化のステップは、ブレーキパッドの製造中に、摩擦材料Mの前述の部分に固定され事前定義された位置に、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2をケーシング9に埋め込むこと、さらに、前記ケーシング9をブレーキパッド10に組み込むこと、および/またはそれをブレーキパッド10に固定することを含む。
【0090】
実施形態によれば、ケーシング9に少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2を埋め込むステップは、接着剤7によって、光ファイバセンサ2,5を含む1つまたは複数の光ファイバ25、26を、光ファイバを正しい位置に配向し配線するように構成されたケーシング9の所与の部分71に組み込むことを含む。
【0091】
次に、この方法は、接着剤7を用いて、ケーシング9から出てコレクタ74に向けてブレーキパッド上に配線されるように構成されたキャピラリ接続チューブ73内の光インターフェース3の一つ又は複数の接続ファイバをケーシング9の特定のケーシング部分71内に埋め込むステップを含む。コレクタ74は、ブレーキパッドに固定され、ブレーキキャリパの外側で読取/質問ユニットユニット4に接続可能な光接続インターフェース30の保護出力チューブに接続可能である。
【0092】
図7Aおよび8A(および図7Bおよび8Bのそれぞれの拡大された詳細)は、接着剤7によってケーシング9内に、また、ケーシング9およびキャピラリ接続チューブ73内に、ひずみセンサ2を組み込む2つの可能な実施形態を示す。
【0093】
前述の実施形態では、適切な部分71の内側に接着剤7によって固定された前述の少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2を含むケーシング9およびキャピラリ接続チューブ73は、検出要素90を形成する(図9に示される)。
【0094】
図10から13において、検出要素90、コレクタ74、およびフレーム75が、センサ付きブレーキパッドのいくつかの例に示されている。図11から13は、それぞれ1つ、2つ、および3つの検出要素90(それぞれがそれぞれのフレーム75を有する)を組み込んだブレーキパッドの実施形態を示す。
【0095】
図14は、複屈折ファイバfbを備えた実施形態における検出要素90の組み込みの構造的態様を示している。
【0096】
異なる可能な実施形態によれば、ケーシング9は、鉱物および/またはプラスチックおよび/またはポリマー材料および/または樹脂化合物でできている。
【0097】
可能な実施形態によれば、ケーシング(またはハウジング)9は、実質的に平行六面体の形状を有し、寸法は数十ミリメートル、または数ミリメートルである。
【0098】
特定の実施例によれば、ケーシング9は、20mmのベース幅、12mmのベース高さ、および4mmの厚さ以上の寸法を有する。
【0099】
実施形態によれば、カプセル化の前述のステップは、接着剤との組み立てまたはケーシング9の直接一体成形のいずれかによって、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2を組み込むことを含む。
【0100】
実施形態(例えば図9に示される)によれば、この方法は、ブレーキパッドの製造中に、ベースプラットフォーム11とケーシング9の間で、ブレーキパッド12の摩擦材料の内側に、形状結合又は機械的連結によって、ブレーキパッドのベースプラットフォーム(又はプレート)11の固定された予め決められた位置に、ブレーキパッド10への固定および/またはブレーキパッド10への組み込みに、前述のコレクタ74および前述のフレーム75とともに、前述の検出要素90を組み込むことを提供する。その結果、少なくとも一つの光ファイバひずみセンサ2が、摩擦材料の所望位置に完全に組み込まれる。
【0101】
一実施形態によれば、方法のステップは、ディスクブレーキキャリパの一方または両方のパッド10で実行され、各パッド10は、それに関連付けられ、および/またはそれにバインドされたそれぞれの光読取/質問ユニットユニット4を備える。
【0102】
別の実施形態によれば、この方法のステップは、ディスクブレーキキャリパの両方のパッド10で実行され、受信および生成の前述のステップは、ブレーキキャリパに関連付けられ且つ単一の光インターフェース3または2つの別個の光インターフェース3によって両パッドに動作連結された単一の光読取/質問ユニットユニット4によって、動作上実行される。
【0103】
別の実施形態(例えば図19に示される)によれば、この方法のステップは、車両ブレーキシステムの複数のディスクブレーキキャリパの両方のブレーキパッドで実行される。また、前述の受信および生成のステップは、車両ブレーキシステムの前述の複数のディスクブレーキキャリパのすべてのブレーキキャリパのブレーキパッドに動作可能に接続された、1つまたは複数の光読取/質問ユニットユニット4によって実行される。
【0104】
異なる実施形態によれば、この方法は、以下に列挙されたさらなるステップのうちの1つまたは複数を含む。
・測定された第1のひずみS1および第2のひずみS2の時間変化に基づいて、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTのリアルタイムの傾向を動的測に測定すること、および/または
・光ファイバセンサ2,5の故障を検出すること、;および/または
・光ファイバセンサ2、5によって行われた検出に基づいて、パッド摩耗レベル10をすいてすること、および/または
・光ファイバセンサ2、5によって行われた検出に基づいて、ブレーキ摩擦によって放出される異物のレベルを推定すること、および/または
・ブレーキイベント時、ブレーキキャリパの両パッド上の光ファイバセンサ21,22によって行われる測定に基づいて、ブレーキ圧力を測定し、ブレーキの有効摩擦係数を計算し、ブレーキキャリパの実際のクランプ力を計算すること、および/または
・ブレーキイベント時、光ファイバセンサ2,5によって一つ又は複数のブレーキキャリパのパッド上で行われた測定に基づいて、ブレーキキャリパまたは1つまたは複数のブレーキキャリパのパッドのブレーキ圧力の不均衡を測定すること、および/または
・ブレーキイベント時、光ファイバセンサ2、5によって1つまたは複数のブレーキキャリパの1つまたは複数のパッド上で行われた検出に基づいて、1つまたは複数のブレーキキャリパパッドの誤動作を検出すること。
【0105】
次に、図1から19を再度参照して、本発明による車両ブレーキシステムの摩擦ブレーキキャリパ用のセンサ付きブレーキパッド10(またはセンサ付きパッド10)について説明する。
【0106】
そのようなセンサ付きパッド10(例えば、図3または図10に示される)は、ブレーキイベント時にブレーキキャリパによって摩擦ブレーキディスクと接触したときにブレーキ摩擦を生成するように適合された材料で作られたブレーキパッド1を備える。さらに、パッド10は、ブレーキパッド10のベースプレートまたはプラットフォーム11に接着するブレーキパッド10の摩擦材料Mの一部に組み込まれた、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2を含むケーシング9と、接続光インターフェースとを備える。
【0107】
摩擦材料Mの部分は摩擦に敏感であるため、ケーシング9が接線基準方向x(すなわち、接線方向)から受ける剪断ひずみSt-effは、センサ付ブレーキパッド10に作用する接線方向の力Ftを表す。ケーシング9が法線基準方向yから受ける法線方向の力Fn-effは、センサ付ブレーキパッド10に作用する法線方向の力Fnを表し、ブレーキディスクに加わるクランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBtを表す。
【0108】
少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2は、以下の動作を実行するように構成される。事前定義された第1の空間方向w1に沿ってケーシング9の第1の位置に存在する第1のひずみS1を検出すること。ここで、そのような第1のひずみS1は、ケーシング9に作用する法線方向の力Fn-effと接線方向の力St-effに依存する。また、事前定義された第2の空間方向w2に沿ってケーシング9の第2の位置に存在する第2のひずみS2を検出すること。ここで、そのような第2のひずみS2は、ケーシング9に作用する法線方向の力Fn-effと接線方向の力St-effに依存する。さらに、第1の検出されたひずみS1を表す第1のフォトニック信号L1、および第2の検出されたひずみS2を表す第2のフォトニック信号L2を生成すること。
【0109】
光接続インターフェース3は、光ファイバひずみセンサ2に接続され、光読取/質問ユニットユニット4に接続されて、前述の第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2を送信するように構成されている。
【0110】
センサ付きパッド10の実施形態によれば、光ファイバひずみセンサ2は、ファイバブラッググレーティングタイプのセンサであり、前述の所定の第1の空間方向w1および第2の空間方向w2は、前述の接線基準方向xおよび法線基準方向yとは異なる方向である。
【0111】
センサ付きパッド10の実施形態によれば、第1の空間方向w1および第2の空間方向w2は、法線基準方向yに関して対称である。
【0112】
センサ付きパッド10の別の実施形態によれば、第1の空間方向w1および第2の空間方向w2は、基準方向xの正の向きに対して相補的な角度を形成する。
【0113】
センサ付きパッド10の別の実施形態によれば、接線基準方向xの正の方向と第1の空間方向w1によって形成される角度βは、負の接線基準方向xと第2の空間方向w2によって形成される角度βに等しい。
【0114】
センサ付きパッド10の別の実施形態によれば、前述の光ファイバひずみセンサ2は、複屈折ファイバに配置されたファイバブラッググレーティングタイプのセンサである。
【0115】
この場合、事前定義された第1の空間方向w1は、接線基準方向xと一致し、前述の第2の空間方向w2は、接線基準方向xに垂直な方向である。
【0116】
センサ付きパッド10(例えば、図3から6に示されている)の実施形態によれば、光ファイバひずみセンサ2は、前述の第1の空間方向w1と整列するように配置された光ファイバの第1の部分の前記第1の位置に配置された第1のファイバブラッググレーティングを含む第1のセンサ要素21と、前記第2の空間方向w2と整列するように配置された光ファイバの第2の部分内の前記第2の位置に配置された第2のファイバブラッググレーティングを備える第2のセンサ素子22を含む。
【0117】
実施形態によれば、第1のセンサ要素21および第2のセンサ要素22は、単一の光ファイバ25に含まれる。
【0118】
別の実施形態によれば、第1のセンサ要素21および第2のセンサ要素22は、2つの異なるそれぞれの光ファイバ25、26に含まれる。
【0119】
他の可能な実施形態によれば、光ファイバひずみセンサ(すなわち、ひずみセンサセンブリ)に含まれるセンサ要素は、2つより多い任意の数のセンサ要素を含む。
【0120】
一実施形態(例えば、図4から6に示される)によれば、センサ付きパッド10は、前述の第1の位置および第2の位置に近い第3の位置でケーシング9にカプセル化された少なくとも1つの光ファイバ温度センサ5をさらに備える。
【0121】
少なくとも1つの光ファイバ温度センサ5は、第3の位置に存在する温度を検出し、検出された温度を表す第3のフォトニック信号LTを生成するように構成される。
【0122】
このような場合、接続光インターフェース3は、光ファイバひずみセンサ5にさらに接続され、光読取/質問ユニットユニット4に接続されて、第3のフォトニック信号LTも送信するように構成されている。
【0123】
実施形態によると、光ファイバ温度センサはファイバブラッググレーティング光ファイバ温度センサである。
【0124】
実施例によれば、前述の光ファイバひずみセンサと温度センサは相互に統合されている。
【0125】
実施形態によれば、光ファイバ温度センサ5は、ファイバブラッググレーティングタイプの光ファイバ温度センサであり、前述の第1のセンサ要素21と第2のセンサ要素22を含む光ファイバ25に得られた第3のファイバブラッググレーチングをからなる第3のセンサ要素23を含む。専用光ファイバ内のそのような第3のブラッググレーティングは、それが配置される材料の熱膨張および変形によって影響されないように、ケーシング内で適切なキャビティおよび/またはキャピラリチューブ71に組み立てられる。
【0126】
別の実施形態によれば、光ファイバ温度センサ5は、ファイバブラッググレーティングタイプの光ファイバ温度センサであり、ファイバブラッググレーティングタイプの第1または第2ひずみセンサを含む光ファイバ(25,26)の一方であって、第1の位置又は第2の位置とは異なり、ケーシングの外側でケーシング内の摩擦材料又はファイバ部分に配置された第3の位置に得られ、第3のファイバブラッググレーティングからなる第3のセンサ素子23を含む。いずれの場合も、この第3のファイバブラッググレーティングは、ケーシングのキャビティたはキャピラリチューブ71に挿入され、それがカプセル化されている材料の起こり得る熱膨張および変形現象から隔離される。
【0127】
一実施形態によれば、センサ付きパッド10は、パッドの外部の遠隔制御ユニット20に接続することができる光読取/質問ユニットユニット4をさらに備える。
【0128】
光読取/質問ユニット4は、光インターフェースに光学的に接続されて、前述の第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2を受信し、第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2を表し、検出された第1のひずみS1および第2のひずみS2を示す少なくとも一つ又は複数の電気信号E1、E2を生成するように構成される。前述の1つまたは複数の電気信号E1、E2は、遠隔制御ユニット20に送信されるように構成されている。
【0129】
センサ付きパッド10の実施形態(例えば、図3に示されている)によれば、接続光インターフェース3は、1つまたは複数の接続光ファイバ31を含み、それぞれが、それぞれを対象としたそれぞれの光活性放射OA1、OA2をセンサ素子21、22に送り、第1のフォトニック信号L1および/または第2のフォトニック信号L2の間でそれぞれのフォトニック信号を形成するそれぞれの光反射スペクトルを送るように構成されている。
【0130】
センサ付きパッド10の別の実施形態(例えば、図4に示されている)によれば、接続する光ファイバ31の1つは、(光放射および、温度センサ23も含む同じ光ファイバ25に含まれるひずみセンサFBGによって反射されるフォトニック信号に加えて)温度センサ23のそれぞれの光活性放射OATを運び、第3のフォトニック信号LTを形成するそれぞれの光反射スペクトルを運ぶようにさらに構成される。
【0131】
センサ付きパッド10の別の実施形態(例えば図5に示されている)によれば、オプションの接続インターフェース3は、波長多重化される第1のOA1および/または第2のOA2光活性放射によって共有される入力接続光ファイバ32と、波長多重化された第1のフォトニック信号(L1)および/または第2のフォトニック信号(L2)を形成する送信光スペクトルによって共有される出力接続光ファイバ33を含み、複数のセンサ要素は同じファイバで得られ、センサによって放出されるフォトニック信号は送信された光スペクトルを含む。
【0132】
センサ付きパッド10の別の実施形態(例えば、図6に示されている)によれば、複数のセンサ要素が同じファイバで得られ、センサによって放出されるフォトニック信号が送信された光スペクトルを含む場合、光接続インターフェース3は、波長多重化された第1の光活性放射OA1および/または第2の光活性放射OA2および/または第3の光活性放射OATによって、また、波長多重化された第1のフォトニック信号L1および/または第2のフォトニック信号L2および/または第3のフォトニック信号LTを形成する反射スペクトルによって共有される接続光ファイバを含む。
【0133】
別の実施形態(図には示されていない)では、第3の光活性放射OATは、専用接続光ファイバ34を介して温度センサ5に送信され、第3のフォトニック信号LTは、光反射スペクトルLTを含み、これは同じ専用接続光ファイバ34を介して光読取/質問ユニットユニット4に送信される。
【0134】
実施形態によれば、ファイバブラッググレーティングタイプのセンサが得られるファイバと、光読取/質問ユニットユニットへの接続光ファイバとの間の各接続は、取り外し可能なファイバスプライスまたはフォトニック接続要素によって行われる。
【0135】
一実施形態(例えば、図10から13に示される)によれば、センサ付きブレーキパッド10は、ブレーキパッドの摩擦材料12内に、ブレーキパッドのベースプラットフォーム(またはプレート)11を備える。
【0136】
センサパッド10は、少なくとも1つの検出要素90をさらに含み、これは少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2(適切な空洞71内に接着剤7によって固定される)と、少なくとも1つのキャピラリ接続チューブ73を含むケーシングを有する。
【0137】
ケーシング9は、鉱物および/またはプラスチックおよび/またはポリマー材料および/または樹脂化合物で作られ、ブレーキパッド10とは異なり、ブレーキパッド10内に固定および/またはそれに組み込むことができる。ケーシング9は、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2、光ファイバ温度センサ5、ならびに接続光インターフェース3の少なくとも一部を収容する(また動作条件下で収容する)ように構成される。
【0138】
ケーシング9から出る少なくとも1つのキャピラリ接続チューブ73は、光インターフェース3の1つまたは複数の接続ファイバを囲むように構成される。
【0139】
この場合、センサ付きパッド10は、ブレーキパッドに固定され、ブレーキキャリパの外部にある接続光インターフェース30の保護出力チューブに接続可能であり、読取/質問ユニットユニット4に接続可能なコレクタ74をさらに備える。 1つのキャピラリ接続管73は、コレクタ74に向かって配線され、それに接続される。
【0140】
実施形態によれば、ケーシング9は、接着剤7によってセンサ付きパッド10に固定され、これは、光ファイバセンサ2、5を含む1つまたは複数の光ファイバ25、26を、光ファイバを正しい位置に配線するように構成されたケーシング9の所定位置71に固定する。そのような固定構造7は、ケーシング9の2つの実施形態(図7Aおよび8Aに示されている)で使用される。
【0141】
より具体的な実施形態によれば、前述のケーシング9は、鉱物および/またはプラスチックおよび/またはポリマー材料および/または樹脂化合物でできており、そこには少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2が接着剤又は一体成形によって組み立てることにより埋め込まれている。
【0142】
そのような場合、前述の検出要素90は、ベースプレート11とケーシング9との形状結合又は機械結合によって、ブレーキパッドの摩擦材料12において、ベースプレート又はプレート11の固定された予め定義された位置で、ブレーキパッド10に固定されるおよび/又はブレーキパッド10に組み込まれる。これにより、少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2が摩擦材料Mの所望の部分に完全に組み込まれる。
【0143】
図7Aおよび8A(および図7Bおよび8Bのそれぞれの拡大された詳細)は、接着剤7によってケーシング9内に、またケーシング9内の特定のキャビティ71の内側でキャピラリ接続チューブ73の内側に、ひずみセンサ2を組み込む2つの実施形態を示す。
【0144】
一実施形態によれば、センサ付きパッド10は複数の検出要素90を含む。検出要素は、摩擦材料Mの一部に固定され、ケーシング9,それに組み込まれたそれぞれの少なくとも1つの光ファイバひずみセンサ2、接着剤7、およびケーシング9の適切なキャビティ71を含む。
【0145】
図11、12、13は、それぞれ1つ、2つ、および3つの検出要素90を含む、センサ付きパッド10の3つの異なる実施形態を示している。
【0146】
前述の特徴により、センサ付きパッド10は、検出要素90を配置する位置の選択に関して大きな柔軟性を有することを特徴とする。実際、光ファイバひずみセンサ2を含む検出要素90の数および位置に関して、多くの異なる実施形態が可能である。
【0147】
次に、車両のディスクブレーキシステム用のブレーキキャリパについて説明する。そのようなブレーキキャリパは、上記の実施形態のいずれか1つに係る1つまたは2つのセンサ付きブレーキパッド10を備える。
【0148】
図1から6および15-19を参照して、車両用摩擦ブレーキシステムの作動に由来するクランプ力および/またはブレーキトルクをブレーキシステムの少なくとも1つのセンサ付きブレーキパッド10によって検出および測定するためのシステム100について、以下で実行される検出によって説明する。
【0149】
ブレーキ力および/またはブレーキトルク100を検出および測定するためのそのようなシステムは、上記の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つのセンサ付きパッド10を備え、さらに、光読取/質問ユニットユニット4および遠隔制御ユニット20を備える。
【0150】
光読取/質問ユニットユニット4は、少なくとも1つのセンサ付きパッド10の光接続インターフェース3に光学的に接続されて、前述の少なくとも1つの第1のフォトニック信号L1および少なくとも1つの第2のフォトニック信号L2を受信する。
【0151】
光読取/質問ユニット4は、前述の受信した第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2に基づいて、第1に検出されたひずみS1および第2に検出されたひずみS2を表す1つまたは複数の電気信号E1、E2を生成するように構成される。
【0152】
センサ付きパッドの外部にあるリモートコントロールユニット20は、光読取/質問ユニットユニット4に接続されて、1つまたは複数の電気信号E1、E2を受信し、そのような1つまたは複数の電気信号E1、E2を処理して、クランプ力CFの測定値および/またはブレーキトルクBTの測定値を提供する。
【0153】
システム100の実施形態によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、第1の光学活性化放射線OA1および/または第2の光活性放射OA2および/または第3の光活性放射OATを送信することによって、センサ付パッド10に組み込まれたセンサ要素21、22、23に含まれる各ファイバブラッググレーティングを活性化するようにさらに構成される。
【0154】
システム100の異なる実施形態は、方法を説明しながら上で説明され、図4から6に示されているひずみセンサ(および可能な追加の温度センサ)の異なる配置に対応する。
【0155】
特に、システム100(図5および6に示されている)の実施形態は、複数のセンサ要素21、22、および23が同じ光ファイバで作られ、それぞれのファイバブラッググレーティングがそれぞれの異なる中心動作波長λ1、λ2、λTに関連付けられていることが言及されている。
【0156】
この場合、光読取/質問ユニット要素4は、接続光インターフェース3を介して、それぞれの動作波長λ1、λ2を中心とする複数のセンサ要素21、22、23にそれぞれの光活性放射OA1、OA2、OATを波長分割多重(WDM)伝送技術によって送信するようにさらに構成される。
【0157】
さらに、光読取/質問ユニット4は、光接続インターフェース3を介して、多重化センサ要素21、22、23のそれぞれによって反射または送信されたそれぞれの光スペクトルを、波長分割多重(WDM)技術を使用した逆多重化によって受信するように構成される。
【0158】
光読取/質問ユニット4についてのさらなる詳細は、以下に提供される。
【0159】
システム100(図15に示されている)の実施形態によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、広帯域光放射源40、光サーキュレータ46、および光電子分光計受信機41を備える。
【0160】
広帯域光放射源40は、前述の第1の光活性放射OA1、および/または、第2の光活性放射OA2、および/または、温度センサが存在する場合は第3の光活性放射OATを送信するように構成される。
【0161】
放出された光放射は、ファイバブラッググレーティング(FBG)センサを含む光ファイバを(光サーキュレータ46の入力ポートおよび貫通ポートを介して)照射し、それぞれの再帰反射フォトニック信号(L1、L2、L3)を生成するFBGセンサによる応答を引き起こす。これらの信号は、光サーキュレータ46の出力ポートを介して分光計41への光電子受信機に結合される。
【0162】
光電子分光計受信機41は、受信する波長および/または複数の波長を選択するように構成され、さらに、前述の少なくとも1つの第1のフォトニック信号L1および/または少なくとも1つの第2のフォトニック信号L2のそれぞれを受信してそれをそれぞれの少なくとも1つの第1の電気信号E1および/または第2の電気信号E2に変換する、および/または前述の第3の光子信号LTを受信してそれを前述の第3の電気信号ETに変換するように構成される。
【0163】
システム100の別の実施形態(図16に示されている)によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、調整可能な光放射源42、光サーキュレータ46、およびフォトダイオード光電子受信機43を備える。
【0164】
調整可能な光放射源42は、所与のタイミングで、前述の第1の光活性放射OA1および/または第2の光活性放射OA2および/または第3の光活性放射OATのうちの所望の光放射(図13の例ではOA1)を送信するように構成される。各放射線はそれぞれの所望の波長にある。
【0165】
放出された光放射は、ファイバブラッググレーティング(FBG)センサを含む光ファイバを(光サーキュレータ46の入力ポートおよび貫通ポートを介して)照射し、波長(例えば、λ1)に敏感なFBGセンサによる応答を決定し、再帰反射フォトニック信号(例えば、L1)を生成する。この信号は、光サーキュレータ46の出力ポートを介してフォトダイオード受信機43に結合される。
【0166】
フォトダイオード光電子受信機43は、前述の再帰反射フォトニック信号を受信し、それを対応する電気信号に変換するように構成される。例えば、その後、フォトダイオード光電子受信機43は、前述の第1のフォトニック信号L1を受信し、それを第1の電気信号E1に変換し、次に第2のフォトニック信号L2を受信し、それを第2の電気信号E2に変換し、次に第3のフォトニック信号LTを受信し、それを第3の電気信号ETに変換する。
【0167】
システム100の別の実施形態(図17に示されている)によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、PIC(フォトニック集積回路)技術を使用する単一のフォトニック集積回路によって全体が作られている。この場合、そのような単一の集積フォトニック回路は、広帯域光放射源40、少なくとも1つの波長光フィルタリング要素44、および光電子フォトダイオード受信機43のブロックを含む。
【0168】
広帯域光放射源40は、第1の光活性放射OA1および/または第2の光活性放射OA2および/または第3の光活性放射OATを送信するように構成される。
【0169】
光サーキュレータ46の入力ポートおよびスルーポートを介して放出された光放射(図17の例では光放射OA1、OA2、OATを含む)は、FBGセンサを含む光ファイバを照射する。それぞれのセンサは、るそれぞれのフォトニック信号L1、L2、LTを反射する。信号L1、L2、LTの合計によって与えられるフォトニック信号WDMは、それぞれそれ自体の異なる波長で、光サーキュレータ46の出力ポートを介して、フィルタ光学素子44の入力に伝達される。
【0170】
フォトダイオード光電子受信機43は、選択された光フィルタリング素子44を介して、前述の第1のフォトニック信号L1および第2のフォトニック信号L2を受信し、それらを前記第1の電気信号E1または第2の電気信号E2に変換する、および/または、選択された場合は前記第3の光子信号LTを受信してそれを前記第3の電気信号ETに変換するように構成される。
【0171】
システム100のさらなる実施形態(例えば図18に示される)によれば、センサ付パッド10は、複屈折ファイバfbに配置されたファイバブラッググレーティングセンサ2を含む。光読取/質問ユニットユニット4は、調整可能な光放射源42、偏光ビームスプリッタ45、第1の光電子フォトダイオード受信機43a、および第2の光電子フォトダイオード受信機43bを含む。
【0172】
調整可能な光放射源42は、所定のタイミングで、第1の光活性放射OA1および/または第2の光活性放射OA2および/または第3の光活性放射OATを送信するように構成される。
【0173】
光サーキュレータ46の入力ポートおよびスルーポートによって、放出された光放射(図18の例では光放射OA1を含む)は、FBGセンサを含む複屈折光ファイバを照射する。センサは、それぞれのフォトニック信号を反射する。複屈折ファイバブラッググレーティングによって反射または透過されるフォトニック信号は、異なる第1および第2の複屈折偏光を有する2つの成分で構成される(実際、図18の例では、2つのフォトニック信号-第1の2つのフォトニック信号L1a、L1b-が得られる。)。
【0174】
全体として、フォトニック信号WDM(信号L1aとL1bの合計によって図15に示されている)は、光サーキュレータ46の出力ポートを介して偏光ビームスプリッタ45の入力に伝達される。
【0175】
偏光ビームスプリッタ45は、それぞれ異なる第1および第2の複屈折偏光を有する2つの成分から構成される、複屈折ファイバブラッグ格子によって反射または透過される前述のフォトニック信号を受信し、第1の偏光を有する要素に対応する第1の光ビームL1と、第2の偏光を有する要素に対応する第2の光ビームL1bを生成する。
【0176】
第1のフォトダイオード光電子受信機43aは、第1の光ビームL1aを受信し、対応する第1の電気信号E1aを生成するように構成される。
【0177】
第2のフォトダイオード光電子受信機43bは、第2の光ビームL1bを受信し、対応する第2の電気信号E1bを生成するように構成される。
【0178】
複屈折性光ファイバセンサによって生成されたフォトニック信号の受信および処理の詳細に関して、複屈折性光ファイバセンサによって生成されたフォトニック信号を受信および処理するための既知の技術(例えば、Singh P.、Julich F.、Roths J.高複屈折光ファイバに刻印されたファイバブラッググレーティングのひずみ感度の依存性」- Optical Sensing and Detection II、2012 - doi10.1117.922733)を使用できる。
【0179】
システムの実施形態(センサ付パッドを説明する際に既に述べた)によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、センサ付パッド10に統合および/または収容される。この場合、電気信号Eは、センサ付パッドから出力され、遠隔制御ユニットに向けられる。
【0180】
システムの別の好ましい実施形態(異なる変形例では、図3から6に示されている)によれば、光読取/質問ユニットユニット4は、センサ付きパッド10の外部にある。この場合、フォトニック信号Lは、(すでに上で説明した方法に従って)ファイバ上のセンサ付きパッドから放出され、光学的読取/質問ユニットユニット4に向けられる。
【0181】
図19を参照して、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを検出および測定するためのシステム100のさらなる実施形態がここで説明される。
【0182】
このような場合、システム100は、車両のブレーキシステムの1つまたは複数のブレーキキャリパ200、300に属する複数のセンサ付きパッド101、102、103、104と、単一の光学式読取/質問ユニットユニット4とを備える。読取/質問ユニットユニット4は、前述の複数のセンサ付きパッドの各センサ付きパッド101、102、103、104に動作可能に接続されている。
【0183】
光読取/質問ユニット4は、光活性放射のそれぞれのペア(OA11、OA12; OA21、OA22; OA31、OA32; OA41からOA42)をセンサブレーキパッド101~104の光ファイバひずみセンサのそれぞれに送信し、そして、選択された構成に従って、これらの光ファイバひずみセンサのそれぞれから、反射または送信されたフォトニック信号のそれぞれのペア(L11、L12;L21、L22;L31、L32;L41、L42)を受信する。光読取/質問ユニット4はまた、複数のセンサ付きブレーキパッド101から104から受信したフォトニック信号(L11、L12; L21、L22; L31、L32; L41、L42)に基づいて、複数のそれぞれの電気信号(E11、E12; E21、E22; E31、E32; E41、E42)を生成するように構成される。)。
【0184】
図19に示される例では、光読取/質問ユニットユニット4に接続された2つのブレーキキャリパが存在する。他の実施例では、そのような数は2つ(例えば、4つ)とは異なる場合がある。
【0185】
さらに、各センサ付きパッドが複数の検出要素を含む他の可能な実施形態では、検出要素のそれぞれは、光読取/質問ユニットユニット4によって照らされ、それぞれの対のフォトニック信号を提供する。この場合、光読取/質問ユニットユニットによって受信され、電気信号に変換されるフォトニック信号の数は2xNxKである。ここで、Nは各センサ付きパッドの検出要素の数、Kは光読取/質問ユニット4に接続されたセンサ付きパッドの数である。
【0186】
さらに、他の可能な実施形態では、センサ付パッドはまた、温度センサ5から得られたそれぞれの第3のフォトニック信号LTを、それぞれの電気信号ETを生成する光読取/質問ユニットユニット4に送信する。
【0187】
様々な可能性のある場合に光読取/質問ユニットユニットによって生成された前述のすべての電気信号は、受け取った複数の電気信号に基づいてクランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを決定することができるリモートコントロールユニット20に送られる。
【0188】
システム100の一実施形態によれば、遠隔制御ユニット20は、少なくとも1つのプロセッサを含み、その中に1つまたは複数のソフトウェアプログラムが格納され、決定された第1のひずみS1および第2のひずみS2に基づいて、および/または決定された第1のひずみS1、第2のひずみS2および温度に基づいて、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを計算するように構成されたアルゴリズムを実行するように構成される。
【0189】
より具体的な実施形態によれば、計算のステップは、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTと、ブレーキパッドに組み込まれているそれぞれの位置にあるひずみセンサFBGによって検出されたひずみとの間の事前定義された非線形比によって、クランプ力CFおよび/またはブレーキトルクBTを計算することを含む(以上で何度も説明したように、ひずみは、法線力とそれらを生成する力の接線成分の両方の代表値によって検出される)。
【0190】
そのような所定の非線形比は、例えば、制御ユニット20のプロセッサによってアクセス可能であるように格納されたコンピュータ化されたモデルまたはルックアップテーブルによって表される。
【0191】
前述の所定の非線形比は、例えば、少なくとも1つのひずみセンサ2がブレーキキャリパ10に組み込まれた後、ブレーキキャリパ10を使用する前に実行される実験および/または特性評価および/または較正によって決定される。
【0192】
実装例によれば、テストおよび/または特性評価および/または較正の前述のステップは、機能的および/または構造的シミュレーション、例えば、有限要素法(FEM)に基づく計算、を含み得る。
【0193】
上記の計算と精緻化により、パッドの1つまたは複数のポイントでのひずみ測定値とクランプ力および/またはブレーキトルクとの間の非線形比を定義することが可能になり、ひずみ測定値に基づいて、クランプ力および/またはブレーキトルクを推定することが可能になる。
【0194】
次に、本発明に含まれる車両用のディスクブレーキシステムについて説明する。
【0195】
一実施形態によれば、ブレーキシステムは、摩擦ブレーキを備えたブレーキシステムを含み、これは、上記の実施形態の1つによる複数のブレーキパッドを含む。
【0196】
別の実施形態によれば、ブレーキシステムは、摩擦ブレーキを備えたブレーキシステムを含み、さらに、上記の実施形態による、ブレーキシステムの実施形態から生じるクランプ力および/またはブレーキトルクを検出および測定するためのシステム100を含む。
【0197】
本発明の目的は、それらの機能的および構造的特徴により、方法、センサ付きブレーキパッド、および上述したシステムによって完全に達成される。
【0198】
実際、ここで説明する技術ソリューションは、摩擦ブレーキキャリパのブレーキパッドに簡単かつ効果的に統合および/または固定および/または組み込むことができる1つまたは複数のフォトニックセンサを提供し、ブレーキの作動またはブレーキディスク上のブレーキキャリパのクランプ力によって生成されるトルクの結果であるクランプ力の間接的で正確かつ信頼性の高い測定を実現する。
【0199】
光ファイバセンサは、ファイバブラッググレーティング(FBG)テクノロジーに基づくいくつかのひずみセンサ要素で構成されている。
【0200】
センサ要素は、少なくとも2つの異なる位置でひずみを検出することができ、それぞれの位置で作用する法線方向の力および接線方向の力の成分の両方を表すそれぞれのひずみを検出するように構成および/または配置される。
【0201】
次に、各検出位置で局所的に作用する法線方向の力と接線方向の力は密接に関連しており、したがって、クランプ力とブレーキトルクによってブレーキパッドに作用する力を忠実に表している。
【0202】
さらに、少なくとも2つの明確に定義された位置での法線ひずみと接線ひずみの同時検出により、そのような量を効果的に定義することができる。
【0203】
有利には、本発明による技術的解決策は、(上に示されるように)クランプ力およびブレーキトルクの両方を検出および/または決定することを可能にする。
【0204】
有利には、同じくFBG技術において、少なくとも1つの温度センサがさらに提供され、これにより、さらに正確な、温度補償された推定値を得ることができる。
【0205】
有利なことに、いくつかの実施形態では、ひずみセンサは、所望の位置でブレーキパッドに固定および/または組み込まれ得るポリマーまたは鉱物材料ケーシングに組み込まれる。
【0206】
有利には、光ファイバセンサ要素を含む1つまたは複数の繊維は、接着剤によって正確な配向で前述のケーシングに取り付けることができる。
【0207】
前述の機能により、ブレーキパッドの目的のポイントでのひずみセンサの正しい位置と向きが保証される。
【0208】
前述の機能により、ブレーキパッドの目的のポイントでのひずみセンサの正しい位置と向きが保証される。
【0209】
有利なことに、ブレーキパッド上のいくつかの位置でひずみを検出する可能性は、間接的ではあるが、クランプ力および/またはブレーキトルクをより正確に決定するのに役立つ。
【0210】
前述の特徴のおかげで、センサ付きパッドは、センサを配置する数および位置の選択に関して大きな柔軟性を特徴とする。
【0211】
このシステムは、前述のセンサ付きブレーキパッドで構成されている。ブレーキパッドは、読取/質問ユニットユニットに光学的に接続された光ファイバセンサを含む。読取/質問ユニットユニットは、ブレーキパッドから離れていてもよいし、ブレーキパッドに一体化されていてもよく、WDM技術に基づいてひずみ情報の光と電気との間の変換を行う。
【0212】
読取/質問ユニットユニットは、さまざまな電気光学技術に基づいて作成できる。
【0213】
有利なことに、そのような読み取り/照会ユニットは、シリコンベースのフォトニック技術(例えば、PIC:フォトニクス集積回路)によって達成することができ、それは、センサ付きブレーキキャリパまたは電子制御ユニットにそれを統合することによってもそのようなユニットを作ることを可能にする。
【0214】
したがって、システムの制御ユニットは、クランプ力および/またはブレーキトルクを非常に正確に、温度補償を使用して、広い動作範囲にわたって決定することができる。
【0215】
さらに、有利なことに、複数のセンサ付きパッド(それぞれが2つ以上のセンサを含む)を単一の読取/質問ユニットユニットに接続して、多数の貴重な信号を提供し、それに基づいて、必要に応じて、クランプ力および/又はブレーキトルクを正確に決定できる。
【0216】
当業者は、上記の実施形態に多くの変更および適合を行うことができるか、または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、偶発的なニーズを満たすために機能的に同等である他の要素に置き換えることができる。 1つの可能な実施形態に属するものとして上記に記載されたすべての特徴は、他の記載された実施形態から独立して実施され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】