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特表2022-536943スリムな保護ベルトドライブカバーを採用するベルト駆動ペダルサイクル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(54)【発明の名称】スリムな保護ベルトドライブカバーを採用するベルト駆動ペダルサイクル
(51)【国際特許分類】
   B62J 13/00 20060101AFI20220815BHJP
   B62M 9/02 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
B62J13/00 Z
B62M9/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575209
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 GB2020051447
(87)【国際公開番号】W WO2020254790
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】1908657.8
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518032111
【氏名又は名称】カーボン キネティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ソープ リチャード
(57)【要約】
動力入力スプロケットをチェーンラインに沿って被駆動スプロケットに接続するベルトドライブと、外側保護ベルトドライブカバープレートであって、外側カバープレートが、ベルトドライブの外面を超えて延在しないように、少なくともその長さの大部分に沿ってベルトドライブの側面輪郭と実質的に一致するフットプリントを有する、外側保護ベルトドライブカバープレートと、前後調整によって、外側保護ベルトドライブカバープレートを、チェーンラインと平行に、かつ間隔を提供するためにベルトドライブの側端から横方向に離してサイクルに取り付けるための固定具と、を含む、ペダル駆動式サイクル。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダル駆動式サイクルであって、
動力入力スプロケットをチェーンラインに沿って被駆動スプロケットに接続するベルトドライブと、
外側保護ベルトドライブカバープレートであって、前記外側保護ベルトドライブカバープレートが、前記ベルトドライブの外面を超えて延在しないように、少なくともその長さの大部分に沿って前記ベルトドライブの側面輪郭と実質的に一致するフットプリントを有する、外側保護ベルトドライブカバープレートと、
前記外側保護ベルトドライブカバープレートを、前記チェーンラインと平行に、かつ前後調整によって、間隔を提供するために前記ベルトドライブの側端から横方向に離して前記サイクルに取り付けるための固定具と、を含む、ペダル駆動サイクル。
【請求項2】
前記間隔が、10mm以下である、請求項1に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項3】
前記間隔が、8mm以下である、請求項2に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項4】
前記間隔が、5mm以下である、請求項2または請求項3に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項5】
前記間隔が、約2mmである、請求項2~4のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項6】
前記前後調整が、前記入力スプロケットおよび前記被駆動スプロケットの一方または両方に対する、請求項1~5のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項7】
前記外側保護ベルトドライブカバープレートの前記フットプリントと実質的に一致する第2のフットプリントを有する内側保護ベルトドライブカバープレートをさらに含み、前記内側保護ベルトドライブカバープレートが、前記外側の保護ベルトドライバーカバープレートと実質的に整列し、第2の間隔を提供するために前記ベルトドライブの内端から横方向に離れている、請求項1~6のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項8】
前記内側保護ベルトドライブカバープレートが、前記サイクルのフレームの構造的部分ではない、請求項7に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項9】
前記内側保護ベルトドライブカバープレートが、前記サイクルのフレームの構造的部分である、請求項7に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項10】
前記第2の間隔が、10mm以下である、請求項7~9のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項11】
前記第2の間隔が、8mm以下である、請求項10に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項12】
前記第2の間隔が、5mm以下である、請求項10または請求項11に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項13】
前記第2の間隔が、約2mmである、請求項10~12のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項14】
前記外側保護ベルトドライブカバープレートが、前記サイクルのフレームの構造的部分ではない、請求項1~13のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項15】
前記外側保護ベルトドライブカバープレートが、サイクルのフレームの構造的部分である、請求項1~13のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【請求項16】
前記外側保護ベルトドライブカバープレートの前記フットプリントが、前記ベルトドライブの全長に沿った前記ベルトドライブの側面輪郭と実質的に一致する、請求項1~15のいずれか1項に記載のペダル駆動サイクル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ペダル駆動式サイクル、例えば自転車の大部分は、金属製の連結されたローラー形チェーンを採用して、乗り手が入力した動力を、ペダルクランクを介して後輪に伝達する。ローラーチェーンの利点は、よく知られており、非常に効率的で、耐久性があり、コンパクトで、比較的低コストであることが含まれる。連結されたローラー形チェーンの他の利点は、それらがスプロケット間の広範囲の張力にわたって効率的に動作できるだけでなく、横方向の柔軟性も高いため、よく理解されているマルチスピードディレイラーギアシステムと組み合わせて使用できることである。しかしながら、自転車のローラーチェーンには、効率的に作動させるために、また腐食および錆を防止するための油潤滑が必要になるなど、ある特定の欠点がある。時間の経過とともに、使用状況および雨などの気象条件によって潤滑が低下し、その時点で、チェーンに潤滑剤を塗らないと、チェーンは、錆びたり腐食したりして、きしみさえするほどより大きなノイズを生じさせる傾向があるであろう。油潤滑は、乗り手の衣服、居住空間、および皮膚を損なう可能性のある汚れを集める可能性がある。連結されたローラー形チェーンの別の問題は、乗り手の衣服が、被駆動および駆動スプロケットの歯とチェーンとの間の境界面に挟まれたり、引き込まれたりする傾向があることである。
【0002】
油が付いたチェーンが乗り手の衣服、居住空間、および皮膚を損なうという欠点に対処し、ならびに雨または汚れがチェーンに溜まらないように防止し、かつ乗り手の衣服がチェーンとスプロケットとの間に挟まれるのを防止するために、設計者は、チェーンドライブ全体を覆い、囲むためのいわゆるチェーンカバーを採用している。これらの保護チェーンカバーは、100年近く使用されており、よく知られている。保護チェーンカバーの設計者が考慮しなければならない重要な属性は、通常の操作中にチェーンが、カチャカチャまたはガタガタした音などの受け入れられるノイズを引き起こすであろう、保護チェーンカバーに接触しないように、カバーの内側とチェーンとの間に十分な間隔を提供することである。チェーンの幅および高さは、それが、保護チェーンカバーの最小サイズおよび形状を決定するため、非常に重要である。実用上および商業上の重要な利点として最も一般的に受け入れられており、望ましいのは、保護チェーンカバーが、側面から見たときに外側のチェーンの周囲から突き出ないように、できるだけ小さくコンパクトに設計されていることである。保護チェーンカバーは、交換またはサービスのためにチェーンへのアクセスを可能にする必要があり、したがって、通常、自転車の上部から見たときにチェーンのほぼ中心線上で結合する内側と外側の半分で構成されている。2つの保護チェーンの半分の接合部はまた、一般に、水を遮断し、油を保持するように重なるであろう。この重なりには、保護チェーンカバーの壁部分の厚さが本質的に2倍になるという欠点があるため、側面から見たとき、保護チェーンカバーは、チェーンドライブの外周を超えてさらに大きくする必要がある。いくつかの保護チェーンカバーは、乗り手の衣服がチェーンとスプロケットに挟まれるのを防止することにのみ焦点を当てているため、駆動スプロケットおよびペダルクランクアセンブリに対するチェーンの領域のみをカバーする。これらのカバーはまた、一般に、単一の外側保護チェーンカバーのみで構成されている。
【0003】
従来の金属製の連結されたローラー形チェーンの代わりに非金属製の歯付きベルトドライブを採用することにより、自転車ローラーチェーンの欠点に対処するために過去50年にわたって多くの試みがあった。歯付きベルトドライブは、自動車のエンジンタイミングアプリケーション、医療分野、ならびに食品加工業界で成功裏に使用されている。歯付きベルトドライブの重要な利点は、いかなる潤滑剤をも必要としないため、乗り手の衣服、皮膚、または居住空間を損なうことがないことである。歯付きベルトドライブの別の利点は、金属製のローラーチェーンよりもノイズが少ないことである。歯付きベルトドライブは、1つの連続した無端ループで作製され、連結がなく、ナイロン、カーボン、またはアラミドなどの動力を伝達するための高強度繊維が埋め込まれたゴムなどの複数の種類の材料で作製される。これは、歯付きベルトドライブが特定の長さで製造されており、駆動されるベルトスプロケットの結合に適合するときにベルトの張力を調整するためのメカニズムが必要であることを意味する。ベルトドライブの柔軟性、重量、および動力伝達能力は、過去10年間で劇的に向上し、歯付きベルトドライブは、現在、自転車に連結されたローラーチェーンの効率に近づくことができるようになり、ペダル操作可能なサイクルがますますベルトドライブに装着されるようになっている。
【0004】
しかしながら、自転車などのペダル操作サイクルの分野に関して、ベルトドライブには、連結されたローラーチェーンと比較した場合にある特定の欠点がある。効率的に動作するために、ベルトドライブは、張力および整列の狭い許容範囲内で動作する必要があり、そのため、すべての自転車フレームには、ベルトがその寿命にわたって摩耗するにつれて、ベルトの張力を調整するメカニズムが必要である。調整メカニズムは、よく知られ、理解されており、通常、いわゆる偏心ボトムブラケット式、またはいわゆる水平スロット後部ドロップアウト式である。ベルト張力を調整するこれらの2つの方法は、最も広く使用されており、張力は、ペダル入力駆動スプロケットの軸と後輪被駆動スプロケットの軸との間の距離を長くしたり短くしたりするだけで変化する。他のあまり一般的ではない種類のベルト駆動張力調整は、自動車のタイミングベルトアプリケーションに見られるような、よく知られている、いわゆるアイドラープーリーシステムである。一般的に、ベルトの張力は、何百マイルもの使用量にわたって時折調整される。
【0005】
連結されたローラー形チェーンと比較したベルトドライブの別の欠点は、それらの幅が広いことである。これは、ベルトドライブと後輪、フレームとギア構成要素との間に十分な間隔を有し、また、人間工学的かつ効率的で快適なペダルクランク操作のために位置付けられるために、自転車の重大ないわゆる「チェーンライン」を慎重に検討する必要があるという点で、設計者にとって問題となる場合がある。
【0006】
ベルトドライブは、横方向に準拠しておらず、長さが固定されており、効率的に動作するには正確な張力が必要であるため、マルチスピードディレイラーギアシステムには好適ではない。したがって、すべてのベルト駆動ペダルサイクルは、ドイツ製のPinion(商標)ブランドの自転車ギアボックスなど、よく理解されているマルチスピード後内部ハブギアシステムまたは前部ペダルクランクに配置された内部ギアシステムを採用する。これらの内部ギアシステムは、一定の固定されたいわゆる「チェーンライン」で動作する。
【0007】
ベルトドライブも、連結されたローラーチェーンと同じ問題を抱えており、乗り手の衣服がベルトとスプロケットとの間に挟まれる可能性がある。ベルトドライブの人気が高まっている一方で、設計者は、保護ベルトカバーを追加することによってこの重要な欠点に広く対処していない。これの主な理由は、連結されたローラーチェーンと比較してベルトの幅が広いため、連結されたローラーチェーン自転車で使用される従来のデザインの種類の保護ベルトドライブカバーが大きくなりすぎてかさばり、商業的に魅力的ではないためである。重なる接合部でカバーを結合する必要があると、カバーのサイズがさらに大きくなり、カバー内に水が閉じ込められるという欠点がある。さらに、結合された密閉カバーは、開放カバーよりも多くのノイズを共振させる可能性がある。さらに、重大なベルト張力を維持および調整するための受け入れられた成功事例は、よく知られている偏心ボトムブラケット調整または水平スロット後部ドロップアウト調整によるものであり、それは、前部駆動ペダルクランクスプロケットの軸および後部被駆動ホイールスプロケットの軸の距離を変化させるため、スプロケットの可能な最大中心距離を考慮し、さらにベルトと保護ベルトカバーの内側との間に適切な間隔を提供するために、さらに多くの間隔を保護ベルトカバーに設計しなければならない。これは、従来の保護チェーンカバーよりもさらに大きな保護ベルトカバーをもたらし、視覚的にかさばり、魅力がなく、望ましくないコストが追加され、望ましくない重量が追加されるという、一般に乗り手にとって望ましくないものとして受け入れられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
乗り手が彼らの衣服をベルトとスプロケットとの間に挟まれないように保護するというこの問題に対する斬新で独創的な解決策は、コンパクトで、視覚的に魅力的であり、軽量で、ベルトドライブの張力を調整するときに必要なスプロケットの中心距離の変化に対応する手段を提供するスリムな保護ベルトドライブカバーである。例示的な実施形態は、保護ベルト駆動カバーがベルトの外側の歯のない外周面輪郭(profile、プロファイル)を実質的に超えて延在しないように、側面から見たときにベルトの外側の歯のない外周面に従って整列するように外側輪郭(profile、プロファイル)がかなり類似している形状の内側および外側保護ベルト駆動カバーを含む。上から見たとき、内側および外側の保護ベルトドライブカバーは、ベルトの側面に従って密接に整列し、各々、ベルトの側面とカバーとの間に最大10mmの名目上一貫した隙間を有するように、配置される。カバーの配置は、外側および内側カバーが一緒に結合されず、ベルトの歯のない外側の外周面の周りにベルトを囲まないようになっているため、ベルトは正しいベルト張力に調整されるとき、スプロケットの中心距離の変化を制約または制限しない。ベルトの外周の歯のない表面と密接に整列する、内側および外側カバーのユニークで斬新な位置により、保護カバーは、乗り手の衣服がベルトとスプロケットとの間に挟まれるのを防止する大幅な改善を提供する。保護カバーは、ベルトドライブ全体を囲まないため、それは、従来の保護チェーンカバーの設計よりも軽量で低コストであり、また、コンパクトで、スリムで、視覚的に魅力的である。保護カバーのスリムでコンパクトな性質は、従来の完全に囲まれた保護チェーンカバーの設計よりも空気力学的である。カバーの2つに分割されている性質により、カバーを1つ取り外すだけで、ベルトドライブに簡単にアクセスできる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、ペダル駆動式サイクルが存在し、動力入力スプロケットをチェーンラインに沿って被駆動スプロケットに接続するベルトドライブと、外側保護ベルトドライブカバープレートであって、外側カバープレートが、ベルトドライブの外面を超えて延在しないように、少なくともその長さ(its length of travel、その走行長さ又は移動長さ)の大部分に沿ってベルトドライブの側面輪郭(profile、プロファイル)と実質的に一致するフットプリント(footprint、専有面積)を有する、外側保護ベルトドライブカバープレートと、外側カバープレートの前後調整によって、外側保護ベルトドライブカバープレートを、チェーンラインと平行に、かつ間隔を提供するためにベルトドライブの側端から横方向に離してサイクルに取り付けるための固定具と、を含む。
【0010】
間隔は、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、さらにより好ましくは5mm以下、最も好ましくは約2mmである。
【0011】
好ましくは、前後調整は、入力スプロケットと被駆動スプロケットの一方または両方に対して相対的である。
【0012】
好ましくは、ベルト駆動サイクルは、外側保護ベルトドライブカバープレートのフットプリントと実質的に一致する第2のフットプリントを有する内側保護ベルトドライブカバープレートをさらに含み、内側保護ベルト駆動カバープレートは、外側保護ベルト駆動カバープレートと実質的に整列し、第2の間隔を提供するためにベルトドライブの内端から横方向に、好ましくは5mm以下で離れている。
【0013】
第2の間隔は、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、さらにより好ましくは5mm以下、最も好ましくは約2mmである。
【0014】
好ましくは、外側保護ベルトドライブカバープレートのフットプリントは、ベルトドライブの全長に沿ったベルトドライブの側面輪郭(profile、プロファイル)と実質的に一致する。
【0015】
任意選択で、内側および外側保護ベルトドライブカバープレートは、サイクルのフレームの構造的部分ではない。
【0016】
あるいは、内側および/または外側保護ベルトドライブカバープレートは、サイクルのフレームの構造的部分であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここで、添付の図面を参照して本発明の例を詳細に説明する。
図1】ドライブベルトカバーを含むベルト駆動自転車の右側面図である。
図2図1の自転車のベルトドライブシステムの右側斜視図である。
図3図2のベルトドライブシステムの上面図である。
図4図2のベルトドライブシステムの右側面図である。
図5図2のベルトドライブシステムの右側断面図である。
図6図2のベルトドライブシステムの右側透視断面図である。
図7図2のベルトドライブシステムの垂直断面図である。
図8】内側カバーのないベルトドライブシステムの代替の実施形態の左側斜視図である。
図9図8のベルトドライブシステムの垂直断面図である。
図10】部分的な外側カバーを含むベルトドライブシステムの代替実施形態の右側斜視図である。
図11】構造カバーを含む代替ベルトドライブシステムの左側斜視図である。
図12図11のベルトドライブシステムの右側斜視図である。
図13図11のベルトドライブシステムの垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ベルト駆動ペダルサイクル1およびスリムな保護ベルトドライブカバー2を含む第1の実施形態を示す。
【0019】
図2の斜視図に示されるように、図示された実施形態は、後部ハブホイールアセンブリ4、ペダルクランクアセンブリ5、内側ベルトカバー6、外側ベルトカバー8、およびベルトドライブ7を装着した自転車フレーム3を含み、そのため、ペダルクランクアセンブリ5を介して回転可能に入力された動力は、ベルトドライブ7を介して後部ハブホイールアセンブリ4に伝達可能である。内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8は、プラスチック、金属、または複合材料などの材料から作製することができ、例えば、射出成形、成形、または他の圧力式の成形プロセスによって製造することができる。内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8は、図2に示される実施形態における自転車フレーム3の構造的完全性にとって必須ではない。
【0020】
図3に示されるように、図示される実施形態は、後輪スプロケット軸9を中心に回転可能な後部ハブホイールアセンブリ4、ペダルクランクスプロケット軸10を中心に回転可能なペダルクランクアセンブリ5、内側ベルトカバー6、外側ベルトカバー8、および実質的に長手方向に整列し、チェーンライン平面11と平行であるベルトドライブ7を装着した自転車フレーム3を含む。図3は、示されるように見たときに、ベルトドライブ7と内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8との間に最大10mmの名目上の間隔ギャップが存在するような内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8の横方向の位置決めを示す。
【0021】
図4は、外側ベルトカバー8を取り外した右側面図である。自転車フレーム3には、示されるように内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8を堅固に取り付けるための複数のベルトカバー取付け固定具14が装着されている。ペダルクランクアセンブリ5に堅固に取り付けられているのは、乗り手入力からペダルクランクアセンブリ5への動力を後部被駆動スプロケット12に伝達するために、内側の歯付きベルト表面24を介してベルトドライブ7に係合する前部駆動スプロケット13である。ベルトドライブ7は、外側の歯のないベルト外周面23および内側の歯付きベルト表面24を含む。内側ベルトカバー6の形状は、内側ベルトカバー6が外側の歯のないベルト外周面23内に含有され、内側ベルトカバー6が外側の歯のないベルト外周面23から大幅に突出しないように、外側の歯のないベルト外周面23と実質的に整列するように示されている。
【0022】
図5は、図4と同様であるが、外側ベルトカバー8を含む右側の断面図である。見てわかるように、外側ベルトカバー8の形状は、外側ベルトカバー8が外側の歯のないベルト外周面23内に含有され、外側ベルトカバー8が外側の歯のないベルト外周面23から大幅に突出しないように、内側ベルトカバー6と同様に、外側の歯のないベルト外周面23と実質的に整列するように示されている。
【0023】
図6は、後輪スプロケット軸9を中心に回転可能な後部ハブホイールアセンブリ4、ペダルクランクスプロケット軸10を中心に回転可能なペダルクランクアセンブリ5を装着した自転車フレーム3を含む右側透視断面図を示す。自転車フレーム3に取り付けられているのは、後輪スプロケット軸9とペダルクランクスプロケット軸10との間の距離を変えることによってベルトドライブ7の張力を調整する目的のための偏心ボトムブラケットアセンブリ29である。偏心ボトムブラケットアセンブリ29の性質および自転車フレーム3へのその固定配置はよく知られており、水平後部フレームドロップアウトまたはアイドラープラー配置などのベルトドライブ7を調整するための他の手段が企図されている。ペダルクランクアセンブリ5に適合するのは、前部駆動スプロケット13であり、後部ハブホイールアセンブリに適合するのは、後部被駆動スプロケット12である。外側ベルトカバー8には、内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8がカバー取付け固定具14によって自転車フレーム3に堅固に取り付けることができるように、カバー取付けねじ16を受けるための外側ベルトカバー取付け具19が装着されている。カバー取付け固定具14は、後輪スプロケット軸9とペダルクランクスプロケット軸10との間の距離が変化するにつれて、外側の歯のないベルト外周面23の位置の変化に合わせるために、外側ベルトカバー8および内側ベルトカバー6の位置が調整できるように、ベルトカバー取付け固定具14と外側ベルトカバー固定具19との間に隙間を空けて形成されている。
【0024】
図7は、カバー取付け固定具14を通る実施形態の垂直断面を示す。示されるように、ベルトドライブ7および外側の歯のないベルト外周面23に対して外側ベルトカバー8および内側ベルトカバー6の位置を変更できるようにするために、外側ベルトカバー取付け具19とカバー取付け固定具14との間に隙間がある。外側ベルトカバー取付け具19は、内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8がカバー取付け固定具14に堅固に留めることができるように、カバー取付けねじ16を受けるように形成されている。内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8を、例えば、フランジ、ねじ、クリップ、および他の留め具で自転車フレーム3に固定するためのいくつかのよく知られた取付け配置があることに留意されたい。図7に示されるように、内側ベルトカバー6および外側ベルトカバー8は、それらが上部の外側の歯のないベルト外周面25の上に、または下部の外側の歯のないベルト外周面26の下に実質的に突出しないように、かつほぼ整列するように、そして、ベルトドライブ7と外側ベルトカバー8との間、またベルトドライブ7と内側ベルトカバー6との間に最大10mmの名目上一貫した等しい隙間が存在するように、形成および配置されている。
【0025】
図8は、ベルトカバー取付け固定具14に取り付けられた外側ベルトカバー8のみを有する自転車フレーム3を含む代替の単一の外側ベルトカバーの実施形態を示す。自転車フレーム3はまた、後輪スプロケット軸9とペダルクランクスプロケット軸10との間の距離を変更することによってベルトドライブ7の張力を調整するための偏心ボトムブラケットアセンブリ29を介して取り付けられたペダルクランクアセンブリ5を装着して示される。ペダルクランクアセンブリ5には、乗り手入力からペダルクランクアセンブリ5への動力を後部被駆動スプロケット12に伝達し、後部ハブホイールアセンブリ4との直接接続を介して伝達するために、内側の歯付きベルト表面24を介してベルトドライブ7に係合する前部駆動スプロケット13が装着されている。示される代替の実施形態は、単一の外側ベルトカバー8のみを使用するが、それでも前部駆動スプロケット13と内側の歯付きベルト表面24との間に乗り手の衣服が挟まれるのを合理的な程度、防止することを考えると、重量およびコストが低減されるという利点を有する。
【0026】
図9は、カバー取付け固定具14を通る図8の代替の単一の外側ベルトカバーの実施形態の垂直断面を示す。示されるように、ベルトドライブ7および外側の歯のないベルト外周面23に対して外側ベルトカバー8の位置を変更できるようにするために、外側ベルトカバー取付け具19とカバー取付け固定具14との間に隙間がある。外側ベルトカバー取付け具19は、外側ベルトカバー8が自転車フレーム3に堅固に留めることができるように、カバー取付けワッシャ28およびカバー取付けねじ16を受けるように形成されている。該外側ベルトカバー8を自転車フレーム3に固定するためのいくつかのよく知られた取付け配置があることに留意されたい。図9に示すことができるように、外側ベルトカバー8は、外側ベルトカバー8が上部の外側の歯のないベルト外周面25の上に、または下部の外側の歯のないベルト外周面26の下に実質的に突出しないように、かつほぼ整列するように、そして、ベルトドライブ7と外側ベルトカバー8との間に最大10mmの名目上一貫した等しい隙間が存在うるように、形成および配置されている。
【0027】
図10は、部分的な外側ベルトカバーを含む別の代替の実施形態を示す。図10に示されるように、図示された実施形態は、後部ハブホイールアセンブリ4、ペダルクランクアセンブリ5、部分的な内側ベルトカバー27、およびベルトドライブ7を装着した自転車フレーム3を含み、そのため、ペダルクランクアセンブリ5を介して回転可能に入力された動力は、ベルトドライブ7および後部被駆動スプロケット12を介して後部ハブホイールアセンブリ4に伝達可能である。図10に見られるように、部分的な外側ベルトカバー27は、上部の外側の歯のないベルト外周面25のかなりの部分と整列し、乗り手の衣服が内側の歯付きベルト表面24によって挟まれるのを合理的に防止すると同時に、軽量で低コストであるという利点を有する。
【0028】
図11は、構造取付けねじ16を用いて外側構造ベルトカバー21に堅固に嵌合された内側構造ベルトカバー20を含む代替の構造カバー実施形態の左側斜視図を示す。内側構造ベルトカバー20は、自転車フレーム3に堅固に接続されており、偏心ボトムブラケット29に適合するペダルクランクアセンブリ5を受ける。後部ハブホイールアセンブリ4の懸架ばねを提供するために、多くのよく理解されている代替の取り付け配置によって、内側構造ベルトカバー20を自転車フレーム3に回転可能に取り付けることができることに留意されたい。後部ハブホイールアセンブリ4は、後輪スプロケット軸9を中心に回転可能であり、自転車側に取り付けられたハブギア車軸およびナット固定配置のよく知られ、理解された手段によって内部構造ベルトカバー20に取り付けられる。偏心ボトムブラケットアセンブリ29は、後輪スプロケット軸9とペダルクランクスプロケット軸10との間の距離を変更することにより、ベルトドライブ7の張力を調整する目的を有する。偏心ボトムブラケットアセンブリ29の性質および自転車フレーム3へのその固定配置はよく知られており、水平後部フレームドロップアウトまたはアイドラープラー配置などのベルトドライブ7を調整するための他の手段が企図されている。
【0029】
図12は、構造取付けねじ16を用いて外側構造ベルトカバー21に堅固に嵌合された内側構造ベルトカバー20を含む図11の実施形態を示す。内側構造ベルトカバー20は、偏心ボトムブラケット29に適合するペダルクランクアセンブリ5を受ける。後部ハブホイールアセンブリ4は、後輪スプロケット軸9を中心に回転可能であり、標準の深溝玉軸受式である後部ハブ軸受22によって内側構造ベルトカバー20に取り付けられ、後部ハブホイールアセンブリ4は、自転車車軸およびナット固定のよく知られ、理解された手段によって外側構造ベルトカバー21に堅固に固定される。適合するペダルクランクアセンブリ5は、前部駆動スプロケット13であり、後輪ハブホイールアセンブリに適合するのは、後部被駆動スプロケット12である。内側構造ベルトカバー20および外側構造カバー21の構造の性質は、理想的には、圧力成形、鋳造、射出成形、鍛造、または成形プロセスを通じて軽量合金または複合材料から作製され、後部ハブホイールアセンブリ4を十分に支持することができるような方法で、よく理解された技術を使用して設計される。内側構造ベルトカバー20および外側構造ベルトカバー21は、図12に示される実施形態における自転車フレーム3の構造的完全性の本質的な部分を形成する。偏心ボトムブラケットアセンブリ29は、後輪スプロケット軸9とペダルクランクスプロケット軸10との間の距離を変更することにより、ベルトドライブ7の張力を調整する目的を有する。偏心ボトムブラケットアセンブリ29の性質および自転車フレーム3へのその固定配置はよく知られており、水平後部フレームドロップアウトまたはアイドラープラー配置などのベルトドライブ7を調整するための他の手段が企図されている。
【0030】
図13は、構造取付けねじ16を通る図11および12の代替の構造カバーの実施形態の垂直断面を示す。示されるように、構造的内側ベルトカバー20および構造的外側ベルトカバー21は、それらが上部の外側の歯のないベルト外周面25の上に、または下部の外側の歯のないベルト外周面26の下に実質的に突出しないように、かつほぼ整列するように、そして、ベルトドライブ7と構造的内側ベルトカバー20および構造的外側ベルトカバー21とベルトドライブ7との間に最大10mmの名目上一貫した等しい隙間が存在するように、形成および配置されている。
図1
図2
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図5
図6
図7
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図11
図12
図13
【国際調査報告】