(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(54)【発明の名称】電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20220815BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20220815BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20220815BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M10/052
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576067
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020038375
(87)【国際公開番号】W WO2020257414
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500287732
【氏名又は名称】シオン・パワー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ミロバー,ダニエル ジー
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H028BB04
5H028BB10
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC22
5H028HH05
5H028HH09
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AK04
5H029AK05
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029CJ03
5H029CJ16
5H029HJ04
5H029HJ07
5H029HJ12
5H029HJ15
(57)【要約】
電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイスが広くに説明されている。いくつかの場合では、前記方法は、力が印加されていない場合に、電気化学デバイスの面に対して凸状である少なくとも一部を有する固体表面を介して前記電気化学デバイスに力を印加することを含む。特定の実施形態は、電気化学セルに力を印加するためのシステムおよびデバイスに関連し、いくつかのシステムおよびデバイスは、例えば、特定の形状(例えば、力が印加されていない場合の凸形状)および/または独創的な結合を有する固体物品を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体表面を介して電気化学デバイスの面に力を印加すること
を含んで成り、
前記固体表面の少なくとも一部は、印加する力がない場合に、前記電気化学デバイスの前記面に対して凸状であり、
前記固体表面がより凸状にならないように、前記印加することにより前記固体表面が変形する、方法。
【請求項2】
固体物品の固体表面が変形するように電気化学デバイスに近接する前記固体物品に力を印加することを含んで成り、
前記印加することは、前記固体表面に対向する外面と接触する表面部を含んで成る結合を介して実行され、
前記変形することにより、前記外面の輪郭と、前記外面の前記輪郭と接触する前記の表面部の輪郭との間の相対的な回転運動を生じさせる、方法。
【請求項3】
第1固体物品の固体表面が変形するように電気化学デバイスに近接する前記第1固体物品に力を印加することを含んで成り、
前記印加することは結合を介して実行され、
前記結合は、前記固体表面に対向する外面と接触する表面部と、前記結合の前記表面部とつなぎ合わせるファスナとを含んで成り、
前記力が印されたときに、前記外面と前記結合の前記表面部と平坦であるが、それ以外は同じ条件である場合に、前記ファスナが経験するであろう曲げモーメントに比べ小さい曲げモーメントを経験するように、前記外面の輪郭は、前記結合の前記表面部の輪郭とつなぎ合う、方法。
【請求項4】
固体表面を介して電気化学デバイスに力を印加することを含んで成り、
平坦であるがそれ以外の条件が同じ前記固体表面を使用して達成される前記電気活物質の利用に対して、電気化学デバイスに印加された前記力がサイクル中に前記電気化学デバイスにおける電気活物質のより均一な利用を引き起こすように、前記固体表面は成形される、方法。
【請求項5】
前記固体表面の少なくとも一部が、前記電気化学デバイスの面に対して凸状であり、
前記固体表面が凸状とならないように、前記印加することが前記固体表面に変形をもたらす、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記印加することは、前記固体表面に対向する外面と接触する表面部を含んで成り、
前記変形することは、前記外縁の輪郭と、前記外面の前記輪郭と結合する前記結合の前記表面部の前記輪郭との間の相対的な回転運動を引き起こす、請求項1および3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記印加することは、結合を介して実行され、
前記結合は、前記表面に対向する外面と接触する表面部と、前記結合の前記表面部とつなぎ合わせるファスナとを含んで成り、
前記結合の前記表面部の輪郭とつなぎ合わせる前記外面の輪郭部は、前記力が印加されたときに、前記外面および前記固体表面が平坦であるがそれ以外の条件が同じである場合に、前記ファスナが経験する曲げモーメントよりも小さい曲げモーメントを経験する、請求項1~2および4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
平坦であるがそれ以外の条件が同じ前記固体表面を使用して達成される電気活物質の利用に比べ、前記電気化学デバイスに前記力が印加することが、サイクル中の前記電気化学デバイス内の電気活物質のより均一な利用を引き起こすように、前記固体表面が成形される、請求項1~3および5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記印加することが、前記印加される力がない場合の前記固体表面の平坦度に対して、前記固体表面の平坦度が増加させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記固体表面の平坦度の公差は、前記力が印加されていない場合と比較して、少なくとも1.5分の1に減少する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記固体表面の平坦度の公差は、前記力が印加されていない場合と比較して、最大10分の1に減少する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の前記活性表面への前記印加された力の成分は少なくとも49ニュートン/cm
2の圧力を規定する、請求項1~11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の前記活性表面への前記印加された力の成分は250ニュートン/cm
2以下の圧力を規定する、請求項1~12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記電気化学デバイスの前記面は第1面であり、前記固体表面は第1固体物品の一部であり、第2固体表面の第2表面の少なくとも一部であり、前記電気化学デバイスは第2面を含んで成り、前記第2面前記電気化学デバイスの前記第2面に近接する第2固体物品の第2固体表面の少なくとも一部は、印加された力が除去されたときの前記第2固体物品の前記第2固体表面の凸部よりも小さい凸部を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記結合の前記表面部の前記輪郭の少なくとも一部は、前記外面の前記輪郭と補完的である、請求項2および請求項6~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記結合の前記表面部の前記輪郭は凸部を有し、前記外面の前記輪郭は、前記結合の前記表面部の前記輪郭の前記凸部と接触する凹凸を有する、請求項2および6~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ファスナは、前記第1固体物品から前記第2固体物品へのスパニングを含んで成る、請求項3および7~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記凹部は、2つの軸に沿った凹部である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記凹部は、単一の軸に沿った凹部である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
前記電気化学デバイスは、アノード活性物質としてリチウム金属および/またはリチウム金属合金を含んで成る、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記力を印加するステップ中に前記電気化学デバイスを充電することおよび/または
放電することを含んで成る、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記固体物品は、第1固体平板であるか、または第1固体平板を含んで成る、請求項2~3および6~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第2固体物品は、第2固体平板であるか、または第2固体平板を含んで成る、請求項14~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記固体表面に対向する前記外面は、前記固体物品の一部である、請求項2~3および5~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記遠位固体物品は、前記固体表面に対向する前記固体物品の一面に隣接する、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記外面は、前記遠位固体物品の一部である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記固体物品および/または前記遠位固体物品は、金属、金属合金、複合材、またはそれらの組み合わせを含んで成る、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記固体物品は、ポリマー材を含んで成る、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記遠位固体物品は、固体平板を含んで成る、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記固体表面は、前記遠位固体物品の最大横方向幾何学的領域より小さい幾何学的領域を有する、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
第1面と、該第1面に対向する第2面とを含む電気化学デバイスと、
前記電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスと、
を含んで成り、
前記デバイスは、
前記第1面に近接し、
力が印加されていない場合に前記電気化学デバイスの前記第1面に対して凸状である
固体表面を含む、システム。
【請求項32】
印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記固体表面は、より凸状にならない、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記固体表面が、印加された力がない場合、第1平坦度を有し、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記固体表面は、前記第1平坦度よりも大きい第2平坦度を有する、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項34】
前記固体表面が固体物品の一部である、請求項31~33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記固体物品が固体平板であるか、または固体平板である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記固体表面が第1固体表面であり、
前記デバイスが、
前記電気化学デバイスの第2面に近接し、および、
力が印加されていない場合、前記電気化学デバイスの前記第2面に対して凸状である
第2固体表面をさらに含んで成る、請求項31~35のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項37】
印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第2固体表面はより凸状にならない、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2固体表面は、印加された力がない場合、第1平坦度を有し、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記固体表面は、前記第1平坦度よりも大きい第2平坦度を有する、請求項36または37に記載のシステム。
【請求項39】
前記固体表面の第2平坦度の公差は、前記固体表面の第1平坦度の公差より少なくとも1.5倍小さい、請求項33~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記固体表面の第2平坦度の公差は、前記固体表面の第1平坦度の公差よりも最大10倍小さくなる、請求項33~39のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項41】
前記電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直に印加された力の成分は、1平方センチメートルあたり少なくとも4.9ニュートンの圧力を規定する、請求項32~40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
前記電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直に印加された力の成分は、1平方センチメートルあたり250ニュートン以下の圧力を規定する、請求項32~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1固体表面は第1固体物品の一部であり、前記第2固体表面は第2固体物品の一部である、請求項36~42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記第2固体物品は、第2固体平板であるか、または第2固体平板を含んで成る、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記固体物品は、金属、金属合金、複合材料、またはそれらの組み合わせを含んで成る、請求項34~43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1固体物品および/または前記第2固体物品は、金属、金属合金、複合材料、またはそれらの組み合わせを含んで成る、請求項43または44に記載の方法。
【請求項47】
金属、金属合金、または複合材料はアルミニウムを含んで成る、請求項45または46に記載のシステム。
【請求項48】
前記デバイスは、前記第1固体物品を前記第2固体物品に接続する結合を含んで成り、前記結合は、前記第1固体物品の前記固体表面に対向する輪郭表面に接合される輪郭を有する表面部を含んで成る、請求項43~47のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項49】
前記デバイスは、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、第1前記固体物品が変形するように構成され、前記第1固体物品の変形は、前記固体表面に対向する輪郭面と前記結合の前記表面部の輪郭との間に相対的な回転運動を引き起こす、請求項43~48のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項50】
前記結合の前記表面部の前記輪郭の少なくとも一部は、前記固体表面に対向する前記輪郭表面と相補的である、請求項48または49に記載のシステム。
【請求項51】
前記結合の前記表面部の前記輪郭は凸部を有し、前記固体物品に対向する前記輪郭面は前記結合の前記表面部の前記輪郭の凸部と接触する凹部を有する、請求項48~50のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項52】
前記凹部は少なくとも2つの軸に沿っている凹部である、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記凹部は単一の軸に沿っている凹部である、請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
前記結合は、前記結合の前記表面部と接触するファスナをさらに含んで成り、
前記固体表面に対向する前記輪郭面は、
印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記ファスナが、前記第1固体物品の前記外面および前記結合の前記表面部が平坦であるが下にありそれ以外は同じ条件である場合、前記ファスナが経験するであろう曲げモーメントよりも小さい曲げモーメントを経験するように、
前記ファスナの前記表面部の前記輪郭と接触する、請求項48~53のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項55】
前記ファスナは、前記第1固体物品から前記第2固体物品までに及ぶロッドを含んで成る、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記電気化学デバイスは、アノード活物質として金属リチウムおよび/または金属リチウム合金を含んで成る、請求項31~55のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項57】
前記固体表面に対向する前記輪郭面は、前記第1固体物品の一部である、請求項48~56のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項58】
遠位固体物品は、前記固体表面に対向する前記第1固体物品の面に隣接している、請求項31~57のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項59】
前記輪郭面は、前記遠位固形物品の一部である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第1固体物品および/または前記遠位固体物品は、金属、金属合金、複合材料、またはそれらの組み合わせを含んで成る、請求項58または59に記載のシステム。
【請求項61】
固体物品はポリマー材料を含んで成る、請求項31~60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記遠位固体物品は固体平板を含んで成る、請求項58~61のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項63】
前記固体表面は、前記遠位固体物品の最大横方向幾何学的領域よりも小さい幾何学的領域を有する、請求項58~62のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項64】
第1固体物品、
第2固体物品、および
前記第1固体物品を前記第2固体物品に接合させる結合
を含んで成り、
前記結合は、前記第1固体物品の輪郭面と接触する輪郭を有する表面部を含んで成る、デバイス。
【請求項65】
電気化学デバイスに力を印加するように構成され、
第1固体表面を含んで成る第1固体物品、
第2固体表面を含んで成る第2固体物品を含んでなり、
前記第1固体表面は、印加された力がない場合、前記第2固体表面に対して凸状である第1形状を有し、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第1固体表面は、前記第2固体表面に関して前記第1形状よりもより凸状でない第2形状を有する、デバイス。
【請求項66】
電気化学デバイスに力を印加するように構成され、
第1固体表面を含んで成る第1固体物品、
第2固体表面を含んで成る第2固体物品を含んでなり、
印加された力がない下で、前記第1固体表面は前記第2固体表面に実質的に平行ではなく、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第1固体物品および/または前記第2固体物品は、第1固体表面が第2表面と実質的に平行になるように変形する、デバイス。
【請求項67】
前記第1固体物品は第1固体表面を含んで成り、第1形状を有する該第1固体表面は、印加された力がない下で、前記第2固体表面に対して凸状でなく、少なくとも1つの大きさの印加された力の元で、前記第1固体表面は、前記第2固体表面に関する前記第1形状よりも凸状ではない第2形状を有する、請求項64または66に記載のデバイス。
【請求項68】
第1固体表面を含んで成る第3固体物品をさらに含んで成り、
第1形状を有する前記第1固体表面が、印加された力がない場合、前記第2固体表面に対して凸状であり、少なくとも1つの大きさの力の下で、前記第1固体表面は前記第2固体表面に関する第1形状よりも凸状ではない第2形状を有し、前記第1固体物品は前記第1固体表面に対向する前記第3固体物品の面に隣接する、請求項64に記載のデバイス。
【請求項69】
前記第1固体表面は、印加された力がない下で、第1ファスナを有し、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記固体表面は第1平坦度よりも大きな第2平坦度を有する第2形状を有する、請求項65または67に記載のデバイス。
【請求項70】
前記第2固体物品は第2固体表面を含んでなり、該第2固体表面は、印加された力がない場合は、前記第1固体表面に対して凸状である第1形状を有し、前記第2固体表面は、前記第1固体表面に関する前記第1形状よりも凸状でない第2形状を有する、請求項64~69のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項71】
第2固体表面を含んで成る第4固体物品をさらに含んで成り、第1形状を有する該第2固体表面は、印加された力がない場合、前記第1固体表面に対して凸状であり、印加された力の少なくとも1つの大きさの下では、前記第2固体表面は前記第1固体表面に対して前記第1形状よりも凸状でない第2形状を有し、前記固体物品は前記第2固体表面に対向する前記第4固体物品の面に隣接する、請求項64、68および70のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項72】
前記第2固体物品は第2固体表面を含んで成り、前記第2固体表面は、力が印加されていない場合に、第1平坦度を有する表面を有し、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第2固体表面は、前記第1平坦度よりも大きい第2平坦度を有する第2形状を有する、請求項64~71のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項73】
前記固体表面の前記第2平坦度の公差は、前記固体表面の第1平坦度の公差よりも1.5倍小さい、請求項69~72のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項74】
前記第2固体表面の第2平坦度の公差は、前記固体表面の前記第1平坦度の公差よりも最大10倍小さい、請求項69~73のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項75】
前記電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直に前記印加された力の成分は、1平方センチメートルあたり少なくとも49ニュートンの圧力を規定する、請求項65および66~74のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項76】
前記電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直に前記印加された力の成分は、1平方センチメートルあたり250ニュートン以下の圧力を規定する、請求項65および66~75のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項77】
前記第1固体物品および/または前記第2固体物品が金属、金属合金、複合材料またはそれらの組み合わせを含んで成る、請求項64~76のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項78】
前記金属、前記金属合金、または前記複合材料はアルミニウムを含んで成る、請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記第1固体物品を前記第2固体物品に接合する結合をさらに含んで成り、該結合は前記第1固体表面に対向する輪郭面と接触する輪郭を有する表面を含んで成る、請求項65~78のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項80】
前記デバイスは、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第1固体物品が変形するように構成されており、前記第1固体物品の前記変形は、前記第1固体物品の前記第1固体表面と対向する前記輪郭面と前記結合の前記表面部の前記輪郭との間の相対的な回転運動を引き起こす、請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記デバイスは、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第1固体物品が変形するように構成され、前記第1物品の前記変形は、前記第1固体物品の前記輪郭面と前記結合の前記表面部との間の相対的な回転運動を引き起こす、請求項64、67~68および70~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記結合の前記表面部の前記輪郭の少なくとも一部は、前記第1固体物品の前記第1固体表面と対向する前記輪郭面と補完的である、請求項79または80に記載のデバイス。
【請求項83】
前記結合の前記表面部の前記輪郭の少なくとも一部が前記第1固体物品の前記輪郭面と補完的である、請求項64、67~68、70~77および81のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項84】
前記結合の前記表面部の前記輪郭は凸状であり、前記第1固体物品の前記第1固体表面に対向する前記輪郭面は、前記結合の前記表面部の前記輪郭の前記凸部と接触する凹部を有する、請求項79~80および82のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項85】
前記結合の前記表面部の前記輪郭は凸部を有し、前記第1固体物品の前記輪郭面は前記結合の前記表面部の前記輪郭の凸部と接触する凹部を有する、請求項64、67~68、70~77、81および83のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項86】
前記凹部は少なくとも2つの軸に沿っている凹部である、請求項84または85に記載のデバイス。
【請求項87】
前記凹部は単一の軸に沿っている凹部である、請求項84または85に記載のデバイス。
【請求項88】
前記結合は前記結合の前記表面部と接触するファスナをさらに含んで成り、前記第1固体物品の第1固体表面に対向する前記輪郭面は、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第1固体物品の前記第1固体表面に対向する前記外面および前記結合の前記表面部が平坦であるが、それ以外は同一の条件下である場合に前記ファスナが経験するであろう曲げモーメントよりも小さい曲げモーメントを前記ファスナが経験するように前記結合の前記表面部の前記輪郭と接触する、請求項79~80、82および84~87のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項89】
前記結合は前記結合の前記表面部と接触するファスナをさらに含んで成り、前記第1固体物品の前記輪郭面は、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、前記第1固体物品の前記外面および前記結合の前記表面部が平坦であるが、それ以外は同一の条件下である場合に前記ファスナが経験するであろう曲げモーメントよりも小さい曲げモーメントを前記ファスナが経験するようにするように前記結合の前記表面部の前記輪郭と接触する、請求項64、67~68、70~77、81および83~87のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項90】
前記ファスナは、前記第1固体物品から前記第2固体物品までに及ぶロッドを含んで成る、請求項88または89に記載のデバイス。
【請求項91】
前記第1固体物品は第1固体表面を含んで成り、前記第2固体物品は第2固体表面を含んで成り、印加された力がない場合に、前記第1固体表面は、第2固体表面と実質的に平行ではなく、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で前記第1固体表面および/または前記第2固体物品は前記第1固体表面が前記第2表面に実質的に平行となるように変形する、請求項64~65および67~90のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項92】
前記第1固体物品は、第2固体平板であるか、または第2固体平板を含んで成る、請求項64~91のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項93】
前記第2固体物品は、第2固体平板であるか、または第2固体平板を含んで成る、請求項64~92のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項94】
前記固体表面に対向する前記輪郭面は、前記第1固体物品の一部である、請求項79~93のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項95】
遠位固体物品は、前記固体表面に対向する前記第1固体表面の面に隣接する、請求項65~93のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項96】
前記輪郭面は、前記遠位固体物品の一部である、請求項95に記載のデバイス。
【請求項97】
前記第1固体物品および/または前記遠位固体物品は、金属、金属合金、複合材料またはこれらの組み合わせを含んで成る、請求項95または96に記載のデバイス。
【請求項98】
前記第1固体物品は、ポリマー材料を含んで成る、請求項64~97のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項99】
前記遠位固体物品は固体平板を含んで成る、請求項95~98のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項100】
前記第1固体表面は、前記遠位固体物品の最大横方向幾何学的領域よりも小さい幾何学的領域を有する、請求項95~99のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項101】
請求項64~100のいずれか1項に記載のデバイス、ならびに
前記第1固体物品と前記第2固体物品との間の電気化学デバイス
を含んで成る、システム。
【請求項102】
請求項31~63および101のいずれか1項に記載のシステムに対して実行される、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年6月21日に出願された「電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイス」と題する米国仮出願第62/864,831号に基づく優先権を米国特許法第119条(e)の下で主張する。上記仮出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイスが広く記載されている。
【背景技術】
【0003】
背景技術
電気化学セルは、通常、電気化学反応に関与して電流を生じる電極活物質を含んで成る電極を含む。電気化学セルの少なくとも一部に力を印加(または適用;apply)すると(例えば、セルのサイクリング中に)、電気化学セルの性能を改善することができる。本開示の特定の実施形態は、電気化学セルに力を印加することに関連する独創的な方法、システム、およびデバイスを対象とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概要
電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイスが広く記載されている。いくつかの場合では、方法は、印加された力がない場合に、電気化学デバイスの面(または側面;side)に対して凸状である少なくとも一部を有する固体表面を介して電気化学デバイスに力を印加することを含む。特定の実施形態は、電気化学セルに力を印加するためのシステムおよびデバイスに関連し、いくつかのシステムおよびデバイスは、例えば、特定の形状(例えば、力が印加されていない場合の凸形状)および/または独創的な結合(またはカップリング;coupling)を有する固体物品を使用する。本発明の主題は、いくつかの場合では、相互に関連する製品、特定の問題に対する代替の解決策、ならびに/または1または複数のシステムおよび/もしくは物品の複数の異なる使用を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、方法が記載されている。いくつかの実施形態では、方法は、固体表面を介して電気化学デバイスの面に力を印加することを含んで成る。いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合、固体表面の少なくとも一部は、電気化学デバイスの面に対して凸状である。いくつかの実施形態では、固体表面がより凸状にならないように、印加により固体表面を変形する。
【0006】
いくつかの実施形態では、この方法は、固体物品の固体表面が変形するように、電気化学デバイスに近接する固体物品に力を印加することを含んで成る。いくつかの実施形態では、印加することは、固体表面に対向する(またはの反対側のまたはの反対側にある;opposite to)外面と接触している表面部を含んで成る結合を介して実行される。いくつかの実施形態では、変形することは、外面の輪郭と、外面の輪郭とつなぎ合わせる(;または連結する;interface with)結合の表面部の輪郭との間に相対的な回転運動を引き起こす。
【0007】
いくつかの実施形態では、この方法は、第1固体物品の固体表面が変形するように、電気化学デバイスに近接する第1固体物品に力を印加することを含んで成る。いくつかの実施形態では、印加は、結合を介して実行され、結合は、固体表面に対向する外面と接触する表面部と、結合の表面部とつなぎ合わせるファスナ(または締付具または留め具;fastener)とを含む。いくつかの実施形態では、外面の輪郭は、力が印加されたと場合に、ファスナが経験するであろう曲げモーメントよりも小さい曲げモーメントを経験するように、結合の表面部の輪郭とつなぎ合わせる結合の外面と表面部は平坦であるが、それ以外は同じ条件であった。
【0008】
いくつかの実施形態では、この方法は、固体表面を介して電気化学デバイスに力を印加することを含む。いくつかの実施形態では、固体表面は、電気化学セルに印加された力が、平坦な固体を使用して達成される電極活物質の利用と比較して、サイクリング中に電気化学デバイス内の電極活物質のより均一な利用を引き起こすように形作られる表面であるが、それ以外は同じ条件下である。
【0009】
別の態様では、システムが提供される。いくつかの実施形態では、システムは、第1面と第1面に対向する第2面とを含む電気化学デバイスを含む。いくつかの実施形態では、システムは、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスを含む。いくつかの場合では、デバイスは、電気化学デバイスの第1面に近接し、すなわち、力が印加されていない場合、電気化学セルの第1面に対して凸状である固体表面を含む。
【0010】
別の態様では、デバイスが提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、第1固体物品、第2固体物品、および第1固体物品を第2固体物品に接続する結合を含む。いくつかの実施形態では、結合は、第1固体物品の輪郭のある表面とつなぎ合わせる輪郭を有する表面部を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、デバイスは、第1固体表面を含む第1固体物品と、第2固体表面を含む第2固体物品とを含んで成る。いくつかの実施形態では、第1固体表面は、力が印加されていない場合に、第2固体表面に対して凸状である第1形状を有する。いくつかの実施形態では、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、第1固体表面は、第2固体表面に対して第1形状よりも凸状でない第2形状を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、デバイスは、第1固体表面を含む第1固体物品と、第2固体表面を含む第2固体物品とを含んで成る。いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合、第1固体表面は、第2固体表面と実質的に平行ではない。いくつかの実施形態では、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、第1固体物品および/または第2固体物品は、第1固体表面が第2表面に実質的に平行になるように変形する。
【0013】
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付の図と併せて検討した場合、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書および参照により組み込まれる文書に矛盾するおよび/または一貫性のない開示が含まれる場合、本明細書が優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面の簡単な説明
本発明の非限定的な実施形態は、例示として、概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図されていない添付の図を参照して説明される。図では、図示されている各同一またはほぼ同一の構成要素は、通常、単一の数字で表されている。明確にするために、すべての構成要素がすべての図でラベル付けされているわけではなく、また、当業者が本発明を理解できるようにするために図解が必要でない場合、本発明の各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。
【
図1A】
図1Aは、特定の実施形態による、力が印加されていない場合の例示的な電気化学デバイスおよび固体表面の正面図の概略図を示す。
【
図1B】
図1Bは、特定の実施形態による、例示的な電気化学デバイスおよび力が印加された固体表面の正面図の概略図を示す。
【
図1C】
図1Cは、例示的な固体表面の正面図の概略図を示し、
図1Cの例示的な固体表面は、特定の実施形態によれば、例示的な固体表面である。
【
図1D】
図1Dは、例示的な固体表面の正面図の概略図を示し、
図1Dは、
図1Cの固体表面よりも凸状が少なく、平坦度が高い。
【
図2】
図2は、特定の実施形態に係る電気化学デバイスの概略断面図を示す。
【
図3】
図3は、特定の実施形態に係る電気化学デバイスに力を印加されるための例示的なデバイスの正面図の概略図を示す。
【
図4A】
図4Aは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスと、力が印加されていない状態で電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスとを含む例示的なシステムの正面図の概略図を示す。
【
図4B】
図4Bは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスと、力が印加された状態で電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスとを含む例示的なシステムの正面図の概略図を示す。
【
図5A】
図5Aは、特定の実施形態に係る例示的な電気化学デバイス、固体表面を含む固体物品、および力が印加されていない場合の遠位固体物品の正面図の概略図を示す。
【
図5B】
図5Bは、特定の実施形態に係る力が印加された、例示的な電気化学デバイス、固体表面を含む固体物品、および遠位固体物品の正面図の概略図を示す。
【
図5C】
図5Cは、特定の実施形態に係る例示的な電気化学デバイス、固体表面を含む固体物品、および力が印加されていない場合の固体表面の面積よりも大きい最大横方向幾何学的面積を有する遠位固体物品の正面図の概略図を示す。
【
図5D】
図5Dは、特定の実施形態に係る例示的な電気化学デバイス、固体表面を含む固体物品、および力が印加された状態で、固体表面の面積よりも大きい最大横方向幾何学的面積を有する遠位固体物品の正面図の概略図を示す。
【
図6】
図6は、特定の実施形態に係る電気化学デバイスおよび電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスを含む例示的なシステムの側面図の概略図を示す。
【
図7】
図7は、特定の実施形態に係る電気化学デバイスおよび電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスを含む例示的なシステムの側面図の概略図を示す。
【
図8】
図8は、特定の実施形態に係る電気化学デバイスに力を印加するための例示的なデバイスの正面図の概略図を示す。
【
図9A】
図9Aは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスおよび電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスを含む例示的なシステムの分解図を示す。
【
図9B】
図9Bは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスと、力が印加されていない状態で電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスとを含む例示的なシステムの側面図を示す。
【
図9C】
図9Cは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスと、力が印加された状態で電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスとを含む例示的なシステムの図の側面図を示す。
【
図9D】
図9Dは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスおよび電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスを含む例示的なシステムの上面図を示す。
【
図9E】
図9Eは、特定の実施形態に係る電気化学デバイスおよび電気化学デバイスに力を印加するためのデバイスを含む例示的なシステムの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイスが広く説明されている。特定の方法、システム、およびデバイスは、電気化学によって生じる圧力が生じるように形状が選択された固体表面を介して、電気化学デバイス(例えば、電池または電池のスタック)の面に力を印加することに関し、デバイスは、その形状を欠く物体を介して力が印加される場合と比較して、電気化学デバイスの性能を改善する(例えば、充電中および/または放電中)。いくつかの非限定的な場合において、方法は、印加された力がない場合に、電気化学デバイスの面に対して凸状である少なくとも部分を有する固体表面を介して電気化学デバイスに力を印加することを含む。例えば、力は、1または複数の固体物品を含むデバイスを使用して印加され得、その表面の少なくとも一部は、印加された力を所望の方法で分配するように選択された形状(例えば、凸形状)を有する。
【0016】
固体表面を構成する構成要素に力を印加すると、固体表面が変形する可能性がある。いくつかの場合では、力が印加されていないときの固体表面の形状は、固体表面が変形したときに、電気化学デバイスが所望の圧力分布を経験するようなものである。例えば、いくつかの場合では、均一な圧力分布、または所望の勾配を有する圧力分布が達成される。そのような所望の圧力分布は、いくつかの場合では、電気化学デバイスの性能の改善につながる可能性がある。力によって引き起こされる変形に対しても望ましい性能を可能にする形状を有する固体表面を使用して、比較的軽量であるが変形しやすいコンポーネント(例えば、アルミニウム板)を使用して力を印加することができ、これはエネルギー密度の改善につながる可能性がある。
【0017】
特定の実施形態はまた、1または複数の固体物品を含むデバイスに力を印加するために使用することができる結合を含むデバイスに向けられている。いくつかの場合では、結合は、固体物品が荷重下で変形するときでさえ、結合が比較的小さなトルク、曲げ、または変形に関連し得る他の機械的悪影響を受けるように、固体物品とつなぎ合わせる表面部を含む。結合が固体物品と有利につなぎ合わせることができる1つの方法は、固体に対向する外面の輪郭(例えば、凹状の輪郭)とつなぎ合わせる輪郭(例えば、凸状ファスナ輪郭)を有する表面部を有する結合を配置することによることが発見された。例えば、結合が固体物品と有利につなぎ合得る1つの方法は、固体物品の外面の輪郭(例えば、凹状固体物品の輪郭)とつなぎ合わせる輪郭(例えば、凸状ファスナ輪郭)を有する表面部を有する結合を配置することによることが発見された。
【0018】
いくつかの場合では、電気化学デバイスに力を印加すると、充電および/または放電中にその電気化学デバイスの性能が向上する可能性がある。例えば、いくつかの場合では、電気化学デバイスの電極の活性表面に垂直な成分で異方性力を印加することにより、電流密度を改善しながら問題(電極の表面粗面化など)を減らすことができる。その一例が、リチウム金属またはリチウム金属合金をアノード活物質として使用する場合である。そのような力を電気化学デバイスに印加することができる1つの方法は、1または複数の固体物品を使用することによるものである。例えば、電気化学デバイスと固体物品を互いに近接して配置することができ、固体物品を電気化学デバイスに押し付けることができる。システム全体の高いエネルギー密度を維持するために、比較的低い質量密度を有する材料(例えば、アルミニウムのような軽金属)を含む固体物品を使用することが望ましい場合がある。しかしながら、そのような材料を含む固体物品が電気化学デバイスに力を印加するために使用される場合、それらは変形する可能性があることが観察されている。いくつかの場合では、そのような変形により、電気化学デバイスに不均一な応力が発生し、望ましくない圧力分布が発生し、電極活物質(リチウムなど)の不均一な利用などの問題が発生する可能性がある。電気化学デバイス(例えば、固体物品の表面)に力を印加するために使用される表面の形状の賢明な選択は、そのような変形に関連する問題を低減または排除できることが発見された。例えば、力が印加されていない状態で電気化学デバイスに対して凸形状を有する表面は、力の所望の分布が印加(適用)されるように、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で変形し得る。対照的に、凸形状を欠く他の点では同一の表面は、固体表面が変形するときに、電気化学デバイスの特定の領域で経験される力の不均一すぎる原因となる可能性がある。例えば、固体物品の端部に近接する結合を介して力が印加される特定の場合において、凸状の形状がないことにより、固体物品の端部の近くに比較的大きな力が印加され、固体物体の真ん中近くに比較的小さな力が印加され可能性がある。これらの洞察に向けられた特定の実施形態を以下に説明する。
【0019】
いくつかの態様では、電気化学デバイスに力を印加するための方法およびデバイスが説明されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、この方法は、電気化学デバイスの面に力を印加さることを含む。
図1Aは、例示的な電気化学デバイス200の側面図の概略図を示し、特定の方法は、電気化学デバイス200の面205に力を印加することを含む。上記のように、いくつかの場合では、電気化学デバイスの面に力を印加されると、電気化学デバイスの性能を向上させることができる(例えば、サイクリング中)。例えば、力の適印加することは、電気化学デバイスの電極表面の不規則性または粗面化を低減し(例えば、リチウム金属またはリチウム合金含有アノードが使用される場合)、それによって性能を改善し得る。
【0021】
印加される力は、いくつかの場合では、電気化学デバイスのアノードの活性表面に垂直な異方性成分を含み得る。例示的な電気化学デバイス200の概略断面図を示す
図2に示されるように、力は、矢印381の方向に電気化学デバイス200の面に印加され得る。矢印382は、電極230の活性表面231(ならびに電極240の活性表面241)に垂直である力381の成分を示している。曲面(例えば、活性面)、例えば、凹部または凸部の場合、印加される力は、点で曲面に接する平板に垂直な成分を有する異方性力を含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、「圧力リグ」または格納構造)は、以下でより詳細に説明されるように、電気化学デバイスに力を印加されるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、力が印加される電気化学デバイスは、少なくとも1つのアノードを含む。再び
図2を参照すると、電気化学デバイス200は、特定の実施形態によれば、アノード230を含む。いくつかの場合では、アノードはアノード活物質を含む。本明細書で使用される場合、「アノード活物質」は、アノードに関連する任意の電気化学的に活性な種を指す。いくつかの実施形態では、アノードは、アノード活物質としてリチウム金属および/またはリチウム金属合金を含む。例えば、再び
図2を参照すると、アノード230は、いくつかの実施形態において、アノード活物質としてリチウム金属および/またはリチウム金属合金を含む。アノードは、特定の実施形態によれば、電気化学デバイスの充電および/または放電プロセスの少なくとも一部またはすべての間の電極活物質としてのリチウム金属および/またはリチウム金属合金を含むことができる(例えば、バッテリー)。特定の場合において、アノードは、蒸着されたリチウム(例えば、蒸着されたリチウム膜)であるか、またはそれを含む。追加の適切なアノード活物質は、以下でより詳細に説明される。本明細書に記載の特定の実施形態は、リチウム金属含有アノードなどの特定のアノードを含む電気化学デバイスの改善された性能(例えば、充電中のリチウム堆積の均一性)を可能にし得るシステム、デバイス、および方法に向けられ得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスはカソードを含む。いくつかの場合では、カソードはカソード活物質を含む。本明細書で使用される場合、「カソード活物質」は、カソードに関連する任意の電気化学的に活性な種を指す。特定の場合において、カソード活物質は、リチウムインターカレーション化合物(例えば、金属酸化物リチウムインターカレーション化合物)であり得るか、またはそれを含み得る。1つの非限定的な例として、いくつかの実施形態では、
図2のカソード240は、以下のように構成される。
図2は、ニッケル-コバルト-マンガンリチウムインターカレーション化合物を含む。適切なカソード材料は、以下でより詳細に説明されている。
【0024】
本明細書で使用する場合、「カソード」は、電極活物質が充電中に酸化され、放電中に還元される電極を指し、「アノード」は、電極活物質が充電中に還元され、放電中に酸化される電極を指す。
【0025】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスは、アノードとカソードとの間にセパレータを含む。
図2は、アノード230とカソード240との間の例示的なセパレータ250を示している。いくつかの場合では、セパレータは多孔質セパレータである。セパレータは、アノードおよびカソードを互いに分離または絶縁し、短絡を防ぎ、アノードとカソードの間のイオンの輸送を可能にする、固体の非導電性または絶縁性の材料であり得る。いくつかの実施形態では、セパレータは多孔性であり、電解質に対して透過性であり得る。
【0026】
いくつかの実施形態は、固体表面を介して電気化学デバイスの面に力を印加することを含む。例えば、
図1Bを参照すると、特定の実施形態は、固体表面115を介して電気化学デバイス200の面205に力50を印加することを含む。固体表面は、電気化学デバイスが存在するデバイス(例えば、電気化学デバイス)の一部(例えば、格納構造)であり得る。固体表面を介して電気化学デバイスの面に力を印加することは、電気化学デバイスの一部に対して固体表面を押し付ける(または押し付けさせる)ことを含み得、これは、以下に記載されるように、様々な方法で達成され得る。いくつかの場合では、力が印加されている間、固体表面が電気化学デバイスと直接接触していてもよいが、ある場合には、1または複数の介在成分(例えば、発泡体層または電子部品などの固体層)があり得ることを理解されたい。力が印加されている間、固体表面と電気化学デバイスの面の間にある。例えば、
図1Bに示されるように、介在する構成要素(例えば、層)は、固体表面115と電気化学デバイス200の面205との間にあり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、固体表面の少なくとも一部は、力が印加されていない状態で、電気化学デバイスの面に対して凸状である。例えば、
図1Aは、特定の実施形態によれば、力が印加される前に、その少なくとも一部が電気化学デバイス200の面205に対して凸状である固体表面115を示している。当業者によって理解されるように、「力が印加されていない状態で」与えられる形状を有する固体表面は、その表面を含んで成る物体からすべての外力が除去されたときに、常に特定の形状をとる表面である。したがって、力が印加されていないときに凸形状を有する表面は、その表面を含んで成る物体からすべての外力が除去されると常に凸形状をとる表面である。一般に、第1表面が第2表面から離れて湾曲し、第1表面が内部サブ部分および内部サブ部分を取り囲む外部サブ部分を有し、外部を有する場合、第1表面は第2表面に対して凸状である。サブ部は、内部のサブ部よりも第2表面から離れている(別の言い方をすれば、第2表面に対して凸状の表面は、第2表面の観点から見たときに凸状に見える)。非限定的な例として、
図1の固体表面115は、特定の実施形態によれば、
図1Aは、内部サブ部分115aが外部サブ部分115bよりも電気化学セル200の面205に近くなるように、電気化学デバイス200の面205から離れて湾曲している。第2表面に対して凸状である表面の一部は、第1表面を含んで成る物体の大部分から第2表面に向かって「外向きに膨らむ」(特定の実施形態によれば、固体表面115は、固体物品110の大部分から電気化学デバイス200の面205に向かって外向きに膨らむ)。
【0028】
他の表面に対して凸状である表面の部分は、その部分の外部の幾何学的表面を指すことを理解されたい。物体の外部幾何学的表面とは、物体の最大断面寸法と実質的に同じスケールで分析されたときに、物体の外側の境界を定義する表面を指す。一般に、物体の外部幾何学的表面には、多孔質物体内の細孔によって定義される表面などの内部表面は含まれない。
【0029】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスは、電気化学デバイスと、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスとを含むシステムの一部である。
図3は、電気化学デバイスに力を印加するように構成された例示的なデバイス100の正面図の概略図を示している。
図4Aは、特定の実施形態に係るデバイス100および電気化学デバイス200を含む例示的なシステム300を示している。いくつかの実施形態では、電気化学デバイスに力を印加されるように構成されたデバイスは、電気化学デバイスの面に近接する固体表面を含む。いくつかの場合では、電気化学デバイスの面に近接する固体表面は、電気化学デバイスの1cm以内、5mm以内、1mm以内、0.5mm以内、100μm以内、50μm以内、10μm以内、またはそれ未満である。いくつかの場合では、電気化学デバイスの面に印加される力は、デバイスのその固体表面を介して印加される。例えば、再び
図3を参照すると、デバイス100は、特定の実施形態に係る固体表面115を備える。再び
図4Aを参照すると、いくつかの場合では、力は、デバイス100の第1固体表面115を介して電気化学デバイス200に印加され得る。
【0030】
上記のように、いくつかの場合では、電気化学デバイスの面に力が印加される固体表面の少なくとも一部は、力が印加されていないときに電気化学デバイスのその面に対して凸状である。したがって、いくつかの場合では、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスの固体表面は、力が印加されていないときに電気化学デバイスの面に対して凸状である。例えば、
図4Aでは、デバイス100の第1固体表面115は、電気化学デバイス200の面205に対して凸状である。
【0031】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に力を印加すると、固体表面が変形して、固体表面がより凸状にならないようにする。特定の実施形態によれば、例えば、
図1A~1Bを参照すると、固体表面115を介して電気化学デバイス200の面205に力50を印加すると、固体表面115が変形し、固体表面115は、力50が印加されていない場合よりも凸状にならない(
図1Bに示す)。表面が凸状にならなくなるということは、一般に、表面がより平坦になるように、凸状表面の曲率が減少することを意味する。電気化学デバイスの面に印加された力の存在下で表面がより凸状にならないようにすることは、特定の実施形態では、電気化学デバイスの面全体に所望の圧力分布をもたらすことができ、いくつかの場合では、性能および耐久性を改善し得る。電気化学デバイスの、例えば、力が印加される固体表面は、力が印加される前は比較的凸状の形状を有し得、力が印加された後は比較的凸状でない(例えば、より平坦な)形状を有し得る。凸部の変化は、力の印加中に電気化学デバイス全体に所望の圧力分布を確立する可能性がある。
【0032】
電気化学デバイスと、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスとを含んで成るシステムに向けられたいくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に近接する力を印加するように構成されたデバイスの凸状の固体表面は、印加された力の少なくとも1つの大きさの下では、凸状でなくなる。例えば、再び
図4A~4Bを参照すると、固体表面115は、力が印加されていない場合(例えば、
図4Aに示されるように、デバイス100への負荷がない場合)、電気化学デバイス200の面205に対して凸状であるが、力50下にある。(
図4Bに示されるように)、特定の実施形態によれば、デバイス100の固体表面115は、より凸状ではなくなる。
【0033】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に力を印加すると、力が印加されていない場合に、固体表面の平坦度が固体表面の平坦度に比べて増加する。例えば、
図1A~1Bを再度参照すると、固体表面115を介して電気化学デバイス200の面205に力50を印加すると(
図1Bに示すように)、力50が印加されていない場合(
図1Aに示すように)、固体表面115の平坦度が固体表面115の平坦度に比べて増加する。換言すると、本明細書に記載のデバイス(例えば、デバイス100)は、印加された力がない場合に第1平坦度を有し、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、固体表面が第2の大きさを有する固体表面を含み得る。第1平坦度よりも大きい平坦度、そのような例の1つが
図4Aおよび
図4Bに示されている。ここで、デバイス100は、力が印加されていない場合(
図4Aに示されている)、および印加されている力50の下で
図4Aに示される第1平坦度を有する固体表面115を含む。
図4Bは、第1平坦度よりも大きい第2平坦度を有する。固体表面の平坦度は、表面が変形するように表面を圧縮する力のために力を印加すると増加する可能性がある。
【0034】
いくつかの場合では、力を印加すると、力を印加しない場合よりも、固体表面の平坦度の許容公差が小さくなる(たとえば、「きつく」)。平坦度の公差は、ASME Y14.5-2009規格に準拠して、表面の公差域を定義する2つの平行な平板間の距離を決定することによって測定できる。公差域は、表面の3次元プロファイルを決定し(たとえば、座標測定機(CMM)、ビジョンまたはX線システム、ハイトゲージ、またはその他の適切な方法を使用し)、次に表面全体を含む最小の公差域を決定することによって決定できる。一例として、
図1Cを参照すると、固体表面115の平坦度公差は、平板31および平板31に平行な平板32(平板31および32は点線で表される)によって定義される公差域30を決定することによって決定することができる。
図1Cにおいて、公差域30は、固体表面115全体を含む最小の域である。公差域が決定されると、公差域を定義する平行平板間の距離が平坦度公差となる。例えば、
図1Cでは、固体表面115の平板度公差は、平板31と平板32との間の距離122である。ASME Y14.5~2009規格の下では、平坦度公差が第1表面は、第2表面の平板度公差よりも小さくなっている。例えば、
図1C~1Dを参照すると、
図1Dは、
図1の固体表面115よりも小さい平坦度公差を有する。
図1Cの距離124は、
図1Cの距離124であるためである。
図1Dは、
図1の距離122よりも小さい。
図1Cの固体表面115は、
図1Dは、
図1の固体表面115よりも平坦である(平坦度公差が小さい)場合がある。固体表面115の変形を引き起こす力の印加に少なくとも部分的に起因する。
【0035】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に力を印加すると、力が印加されていない場合の固体表面の平坦度と比較して、固体表面の平坦度が増加する。例えば、固体表面は、固体物品の一部であり得、固体表面は、力が印加されていない場合、第1平坦度を有する第1形状を有し得、力の少なくとも1つの大きさの下で、固体表面は、固体表面であり得る。第2平坦度を有する第2形状を有し得るが、第2平坦度は第1平坦度よりも大きい。換言すると、いくつかの実施形態では、固体表面(例えば、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスの一部である固体表面)は、力が印加されていない場合、第1平坦度公差を有し、印加された力の少なくとも1つの大きさである場合、固体表面は、第1平坦度公差よりも小さい第2平坦度公差を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に力を印加すると、力が印加されていない場合の固体表面の平坦度と比較して、固体表面の平坦度が比較的大きく増加する。換言すれば、いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に力を印加すると、固体表面の平坦度公差が比較的大きく減少する。固体表面の平坦度が比較的大きく増加すると、いくつかの場合では、比較的低い物体を使用しながら、電極活物質の比較的均一な利用および/またはサイクリング中の電気化学デバイス全体の比較的均一な圧力分布につながる可能性がある。力を印加するための比較的質量または質量密度の物体(例えば、力を受けて変形する比較的軽い固体物品)を使用している間、固体表面の平坦度が比較的大きく増加すると、いくつかの場合では、電極活物質の比較的均一な利用および/またはサイクリング中の電気化学デバイス全体の比較的均一な圧力分布につながる可能性がある。いくつかの実施形態では、力の印加中に、固体表面の平坦度の公差は、力が印加されていない場合の固体表面の平坦度公差と比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、またはそれを超えて減少する。いくつかの場合では、力を印加している間、固体表面の平坦度の許容公差が最大8分の1、最大10倍以上減少する。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの場合では、力を印加している間、固体表面の平坦度の許容公差が少なくとも1.5倍から最大10倍に増加する。
【0037】
いくつかの実施形態では、固体表面を介して力を印加している間、固体表面の平坦度公差の絶対的な変化は比較的大きい。平坦度公差のこのような変化は、(例えば、固体表面がより平坦になるように)固体表面の比較的大きな変形を示す。いくつかの実施形態では、力の印加中に、固体表面の平坦度公差は、印加された力がない場合に、固体表面の平坦度公差に対して、少なくとも0.1mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、または少なくとも5mm変化する。特定の実施形態では、平坦度公差は、力が印加されていない場合の固体表面の平坦度公差に対して、力が印加される前から力が印加された後まで、最大1cm、最大2cm、最大5cm、またはそれを超えて変化する。
【0038】
いくつかの実施形態では、固体表面は固体物品の一部である。例えば、再度
図1A~1B、
図3、および
図4A~4Bを参照すると、固体表面115は、特定の実施形態によれば、固体物品110の一部である。いくつかの場合では、実施形態は、電気化学デバイスの面に力が印加される固体表面を含む固体物品を含むデバイスに向けられる。例えば、
図3および4A~4Bは、特定の実施形態に係る固体物品110を含むデバイス100の正面図を示し、固体物品110は、固体表面115を含む。いくつかの場合では、電気化学デバイスの面に力を印加することは、固体物品の固体表面を介して電気化学デバイスに力が印加されるように、固体物品に荷重を印加することを含み得る。例えば、
図4Aを参照すると、電気化学デバイス200の面205に力を印加することは、固体物品110に荷重を印加することを含み得、その結果、固体物品110、したがって固体表面115は、結果として生じる力が固体表面115を介して電気化学の面205に印加されるときに、荷重の下で変形する。
【0039】
いくつかの実施形態では、固体物品(例えば、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスの一部である)は、任意の適切な固体材料を含む。いくつかの実施形態では、固体物品は、金属、金属合金、複合材料、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含む。いくつかの場合では、固体物品が含まれる、または含む金属は遷移金属である。例えば、いくつかの実施形態では、固体物品は、Ti、Cl、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、固体物品は、非遷移金属であるか、またはそれを含む。例えば、いくつかの実施形態では、固体物品は、Al、Zn、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含む。固体物品があり得る、または含むことができる例示的な金属合金には、アルミニウムの合金、鉄の合金(例えば、ステンレス鋼)、またはそれらの組み合わせが含まれる。固体物品が含むことができる、または含むことができる例示的な複合材料には、強化ポリマー、金属、またはセラミック材料(例えば、繊維強化複合材料)、炭素含有複合材料、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、複合材料は、炭素繊維材料であるか、またはそれを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、固体表面(例えば、凸部)を含む固体物品は、ポリマー材料(例えば、有機ポリマー材料)を含む。いくつかのそのような実施形態では、固体物品は、25重量パーセント(wt%)以上、50wt%以上、75wt%まで、90wt%以上、95wt%以上、99wt%以上、または100wt%までの量のポリマー材料(例えば、有機ポリマー材料)を含む。適切なポリマー材料の例には、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド樹脂、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。ポリマー材料を含む固体物品は、製造するのに比較的安価であり得、他のタイプの材料と比較して比較的容易に変形し得る。
【0041】
固体物品は、様々な適切な弾性率のいずれかを有し得る。固体物品の弾性率は、その形状を適切に保持できるように十分に高くてもよい。いくつかの実施形態では、固体物品は、10MPA以上、50MPA以上、100MPA以上、200MPA以上、500MPa以上、1GPa以上、2GPa以上、5GPa以上、10GPa以上、20GPa以上、50GPa以上、100GPa以上、200GPa以上、またはそれ以上の弾性率を有する。いくつかの実施形態では、固体表面を含む固体物品は、800GPa以下、760GPa以下、500GPa以下、400GPa以下、300GPa以下、250GPa以下、200GPa以下、150GPa以下、100GPa以下、75GPa以下、以下50GPaまで、25GPa以下、10GPa以下、5GPa以下、またはそれ以下の弾性率を有する。これらの範囲の組み合わせが可能である(例えば、10MPa以上800GPa以下、1GPa以上250GPa以下)。弾性率の低い材料は、弾性率の高い材料よりも、与えられた荷重の下で変形する傾向がある。
【0042】
いくつかの場合では、固体物品は、比較的低い質量密度を有する材料であるか、またはそれを含む。例えば、いくつかの実施形態では、固体物品は、アルミニウムを含む金属、金属合金、または複合材料であるか、またはそれを含む。いくつかの場合では、アルミニウムが固形物中に比較的大量に存在する。例えば、いくつかの実施形態では、アルミニウムは、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも95%または100%の重量パーセントで存在する。比較的低い質量密度を有することは、力を印加するように構成されたデバイスおよび電気化学デバイスが比較的高いエネルギー密度(例えば、重量エネルギー)を有することが望ましいいくつかの(必ずしもすべてではない)場合に有用であり得る。本明細書に記載の方法およびデバイスの使用(例えば、力が印加されていないときに凸状である固体表面の使用を含む)は、いくつかの場合では、使用中に電気化学デバイスに比較的大きな力を印加することを可能にすることができる。本明細書に記載の方法およびデバイスの使用(例えば、力が印加されていない場合に凸状である固体表面の使用を含む)は、いくつかの場合、電極活物質の利用の比較的不均一な分布(例えば、比較的不均一な圧力分布による)などの有害な結果を引き起こさない比較的低い質量密度を有する固体物品を使用しながら、比較的大きな力を電気化学デバイスに印加することを可能にすることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、固体物品は、固体平板であるか、または固体平板を含む。例えば、
図1Aを参照すると、いくつかの実施形態では、固体物品110は、固体平板である。固体平板の表面は必ずしも平坦である必要はないことを理解されたい。例えば、固体平板の面の1つは、力が電気化学デバイスに印加される固体表面を含み得、その表面は、力が印加されない場合に湾曲(例えば、凸状)され得る。いくつかの実施形態では、力がない場合、固体プレートの表面は平坦ではない。いくつかの場合では、少なくとも1つの大きさの力が印加されても、固体平板の表面が平坦にならないことがある。
【0044】
いくつかの場合では、固体物品は固体平板ではない。例えば、いくつかの場合では、電気化学デバイスを収容するように構成された格納構造の固体表面および他の構成要素は、単一構造の一部である。例えば、単一の格納構造は、いくつかの場合では、内面を含み、その少なくとも一部は、電気化学デバイスの面に対して凸状であり、力が印加されない場合、1つの電気化学デバイスが格納構造内に収容される。
【0045】
固体表面を含む固体物品は、他の固体物品と接触することができる。いくつかの実施形態では、遠位固体物品は、固体表面に対向する固体物品の面に隣接している。
図1および2
図5A~5Bは、そのような一実施形態の概略正面図を示す。
図5Aにおいて、固体物品110は、力が印加される前に、その少なくとも一部が電気化学デバイス200の面205に対して凸状である固体表面115を含む。この実施形態では、固体物品110は、遠位固体物品113に隣接している。遠位固体物品113は、固体表面115に対向する固体物品110の面116に隣接している。
【0046】
本開示の文脈において、いくつかの場合では、複数の固体物品(例えば、成形された固体表面および隣接する遠位固体物品を含む固体物品)を介した力の印加が、より容易でより安価な製造および固体表面を構成する単一の固体物品を介した力の印加と比較した設計におけるより大きな柔軟性を促進することが観察された。例えば、固体表面(例えば、輪郭を描かれた固体表面)および遠位固体物品を含む固体物品は、独立して設計および製造され得、製造上の制約が少なくなる。さらに、いくつかの実施形態では、固体表面を含む固体は比較的小さくてもよく、力が印加される固体材料の大部分は、固体表面を欠く遠位の固体物品であり得る。遠位の固形物は、単純な、規則的な形状の輪郭のない物体の形をとることができる。結果として、比較的少量の材料(固体表面を構成する固体物品)のみを成形する必要があり得る(例えば、固体表面の少なくとも一部が凸状になるように)。これにより、単一の固体製品の場合よりも安価な製造につながる可能性がある。遠位固体物品は、固体平板(例えば、平板)であり得る。
【0047】
図5A~5Bは、特定の実施形態に係る、複数の固体物品を介した電気化学デバイスの面への力の印加を示す。いくつかの実施形態では、固体物品110の固体表面115を介して電気化学デバイス200の面205に力50を印加すると、(
図5Aに示されるように)印加された力50の固体表面115は、存在しない場合よりも(
図5Bに示されるように)凸状が少なくなるように変形する。固体物品を介して力を印加すると、遠位固体物品が荷重に耐えることができ、一方、固体表面を構成する固体物品は、電気化学デバイスが経験する結果として生じる圧力分布に影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、固体物品の固体表面は変形する(例えば、凸状が少なくなり、平坦になる)が、遠位の固体物品も変形する(例えば、曲がる)。例えば、
図Bを参照すると、力50の印加は、固体物品110の固体表面115の変形を引き起こし(それをより凸状にしない)、一方、遠位固体物品113もまた曲げを受ける。
【0048】
いくつかの実施形態では、固体表面(例えば、固体物品110)および遠位固体物品(例えば、遠位固体物品113)を含む固体物品は、互いに(例えば、溶接、接着剤、ファスナを介して)取り付けられる。当業者は、互いに接着している2つの別個の固体物品(この場合、体積が互いに重ならない2つの識別可能な領域がある)と従来の複合物品(2つの材料)は、それらのドメインが重なるように混ざり合っている。いくつかの実施形態では、固体表面および遠位固体物品を含む固体物品は、(例えば、本明細書に記載のデバイスが1または複数の結合を介して組み立てられる場合)取り付けられていないが、印加された力によってともに保持される。
【0049】
固体表面および遠位固体物品を含む固体物品は、固体物品の文脈において上記の材料のいずれかから独立して作製され得る。例えば、固体物品および/または遠位固体物品は、金属(例えば、アルミニウム)、金属合金(例えば、ステンレス鋼)、複合材料(例えば、炭素繊維)、ポリマー材料、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、固体物品および遠位固体物品は、同じ材料または材料の組み合わせでできており、他の実施形態では、固体物品および遠位固体物品は、異なる材料または材料の組み合わせでできている。
【0050】
いくつかの実施形態では、固体表面を含む固体物品は、比較的低い弾性率(例えば、75GPa以下および/または10MPAと低い)を有し、遠位固体物品は、比較的高い弾性率(例えば、100GPa以上および/または最大800GPa)を有する。そのような実施形態の一例は、固体物品がポリマー材料を含み、遠位固体物品が炭素繊維を含む複合材料(例えば、炭素繊維固体平板)を含む場合である。
【0051】
いくつかの実施形態では、力が電気化学セルに印加される固体表面は、遠位固体物品の最大横方向幾何学的領域よりも小さい幾何学的領域を有する。例えば、
図5C~5Dは、電気化学デバイス200の面205に力が印加される固体表面115を含む固体物品110の概略正面図を示す。固体物品は、固体表面115を含む。遠位固体物品113は、固体物品110の面116に隣接している。それは固体表面115の反対である。遠位固体物品113は、特定の実施形態によれば、最大横方向寸法127に平行な平板内の断面に対応する最大横方向幾何学的領域を有する。いくつかの実施形態では、
図5C~5Dにおいて、固体表面115は、最大横方向寸法127に平行な平板内の断面に対応する最大横方向幾何学的領域よりも小さい幾何学的領域を有する。いくつかの実施形態では、固体を介して電気化学デバイス200の面205に力50を印加する。固体物品110の表面115は、固体表面115が、(
図5Cに示される)力50が印加されていない場合よりも(
図5Dに示されるように)凸状が少なくなるように変形させる。
【0052】
固体表面は、遠位固形物の最大横方向の幾何学的領域の面積の90%以下(または75%以下、50%以下、25%以下)の幾何学的面積を有し得る。いくつかの実施形態では、固体表面(例えば、凸部)は、力を印加する電気化学デバイスの面の面積以上の面積を有する。特定のそのような例では、固体表面は、力を印加する電気化学デバイスの面の面積以上であるが、遠位固体物品の最大横方向の幾何学的面積よりも小さい面積を有する。
【0053】
固体物品は、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、固体物品の厚さは、固体物品がシステムのエネルギー密度を許容できないほど低くするほど大きくはないが、固体物品が印加された負荷に(例えば、電気化学デバイスに力を印加している間)耐えることができるほど十分に厚いように厚さが十分に薄いように選択され得る。いくつかの実施形態では、固体物品は、1mm以上、5mm以上、5mm以上、1cm以上、またはそれ以上の最大厚さを有する。いくつかの場合では、固形物の最大厚さが5cm以下、2cm以下、またはそれ以下である。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、固体物品は、1mm以上5cm以下の最大厚さである。
【0054】
固体物品は、任意の適切なアスペクト比を有し得る。いくつかの場合では、アスペクト比が比較的大きい固体物品は、比較的少量の材料を含みながら、比較的大量の電気化学デバイスに力を印加されるのに有用であり得、これは、システムの比較的高いエネルギー密度に寄与することができる。いくつかの場合では、固体物品のアスペクト比が比較的高いことは、少なくとも部分的に、固体物品が荷重下で変形する程度に寄与する。いくつかの実施形態では、固体物品の最大厚さに対する固体物品の横方向の寸法の比率が比較的大きい。例えば、再び
図1Aを参照すると、いくつかの実施形態では、固体物品110は、横方向の寸法127および最大の厚さ123を有し、厚さ123に対する横方向の寸法127の比は比較的大きい。いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合の物体の最大厚さに対する固体物品の少なくとも1つの横方向の寸法の比は、1以上、2以上、5以上、10以上、50以上、100以上であり、またはそれを超える。いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合の物体の最大厚さに対する固体物品の少なくとも1つの横方向の寸法の比は、1000以下、500以下、200以下である。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合の物体の最大厚さに対する固体物品の少なくとも1つの横方向の寸法の比は、少なくとも1であり、1000以下である。
【0055】
いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合の物体の最大厚さに対する固体物品のすべての横方向の寸法の比は、1以上、2以上、5以上、10以上、50以上、100以上であり、またはそれを超える。いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合の物体の最大厚さに対する固体物品のすべての横方向の寸法の比は、1000以下、500以下、200以下である。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、力が印加されていない場合の物体の最大厚さに対する固体物品のすべての横方向の寸法の比は、少なくとも1であり、1000以下である。
【0056】
上記のように固体表面を介して電気化学デバイスの面に力が印加されるいくつかの実施形態では、第2固体表面が電気化学デバイスの第2面に近接している。いくつかの場合では、力が印加されていない場合に、第2表面も電気化学デバイスの第2面に対して凸状であるが、第2表面がより凸状にならない少なくとも1つの大きさの印加された力がある。
【0057】
固体表面を介して電気化学デバイスの面に力が印加される特定の場合において、電気化学デバイスの面は第1面であり、固体表面は第1固体物品の一部であり、電気化学デバイスは第2固体を含み、第2固体物品の第2固体表面の少なくとも一部は、電気化学デバイスの第2面に近接している。例えば、
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態では、第1固体物品110の一部である第1固体表面115を含むデバイス100は、電気化学デバイス200の第1面205に力を印加するように構成される。ある場合には、第2固体物品は、第1固体物品と同じ組成を有し、他の場合には、第2固体物品は、第1固体物品とは異なる組成を有する。第2固体物品は、力が印加されていない場合は第1固体物品と同じ形状を有することができ、または力が印加されていない場合は異なる形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第2固体物品は、固体プレートであるか、または固体プレートを含む。例えば、
図3を参照すると、特定の実施形態では、第2固体物品120は、固体プレートである。いくつかの実施形態では、第2固体物品は、他の固体物品と接触して作られる。いくつかの実施形態では、第2遠位固体物品は、第2固体表面(例えば、凸部)に対向する第2固体物品の面に隣接している。いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの第2面に近接する第2固体物品の第2固体表面は、印加された力が除去されたときの第2固体物品の第2固体表面の凸部よりも小さい凸部を有する。いくつかの実施形態では、デバイスは、電気化学デバイスの第2面に対して、印加されていない場合に電気化学デバイスの第2面に対して凸状である、電気化学デバイスの第2面に近接する第2固体表面を含む(例えば、第2固体物品の一部として)。電気化学デバイスに力を印加する場合に、第2固体物品が変形して、第2固体表面がより凸状にならないようにする。再び
図4Aおよび4Bを参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、電気化学デバイス200の第2面205に近接する第2固体物品120の第2固体表面125は、力が印加されていない場合(
図4Aに示されるように)、力50が印加されると(
図4Bに示されるように)、第2固体物品120の第2固体表面125は、より凸状ではなくなる。
【0058】
電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスが、第1固体表面を含む第1固体物品と、第2固体表面を含む第2固体物品とを含む特定の場合において、第1固体物品は、印加された力は、第2固体表面に対して凸状である。例えば、
図3を参照すると、特定の実施形態によれば、デバイス100は、第1固体表面115を含む第1固体物品110を含み、デバイス100はまた、第2固体表面125を含む第2固体物品120を含む。いくつかの実施形態では、第1固体物品110は、力が印加されていない状態で、第2固体物品120の第2表面125に対して凸状である第1形状を有する。例えば、
図3において第1固体物品110は、力が印加されていない状態で、第1固体表面115が第2固体物品120から離れる方向に湾曲するような形状を有する。いくつかの実施形態では、印加された力の少なくとも1つの大きさの下で、第1固体表面は、第2固体表面に対して第1形状よりも凸状でない第2形状を有する。特定の実施形態に係る電気化学デバイス200をデバイス100内に含めると、
図4Aに示すように、システム300が得られ得る。いくつかの実施形態では、
図4Bに示されるように、第1固体物品110は、力50が印加された場合、第2形状を有し、第1固体物品110のその第2形状は、力50が印加されていない場合よりも、第2固体物品120の第2固体表面125に対してより凸状ではない(例えば、第1固体表面115はより凸状ではない)。
【0059】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスは、第1固体表面を含む第1固体物品と、第2固体表面を含む第2固体物品とを含み、第1固体表面は、力が印加されていない場合、第2固体表面と実質的に平行ではない。第1固体表面は、例えば、第1固体表面に接する平板が第2固体表面に接するすべての平板に実質的に平行でない場合、第2固体表面に実質的に平行ではない。いくつかの実施形態では、例えば、2つの平板によって定義される最大角度が10°以下、5°以下、2°以下、または1°以下である場合、2つの表面は実質的に平行であり得る。いくつかの場合では、少なくとも1つの大きさの力の下で、第1固体物品および/または第2固体物品は、第1固体表面が第2表面と実質的に平行になるように変形する。
【0060】
第1固体表面が第2固体表面に実質的に平行でないデバイスのそのような例示的なケースの1つは、上記で説明し、
図1の特定の実施形態に従って図示したように、第1固体表面が第2固体物品に対して凸状である場合である。しかしながら、第1固体物品の第1固体表面および/または第2固体物品の第2表面は、必ずしも凸状である必要はない(または、例えば、電気化学デバイスの面に関して凸状の部分を含む)ことを理解されたい。(存在する場合)力が印加されていない場合でも、例えば、いくつかの実施形態では、第1固体物品の厚さは、第1固体表面が第2固体表面(例えば、くさび状の第1固体物品)に対して傾斜するように線形に変化する。少なくとも1つの大きさの力を印加すると、傾斜した第1固体表面は、第2固体表面と実質的に平行になるように変形する可能性がある。いくつかの場合では、第1固体物品および第1固体表面(および/または第2固体物品および第2固体表面)の形状は、電気化学デバイスに力が印加されたときに電極の比較的均一な利用が行われるように選択される。活物質はサイクリング中に達成され、いくつかの場合では、選択された形状は、存在する場合の電気化学デバイスの面および/またはデバイスの他の固体物品に対して凸状である形状ではない。
【0061】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に印加される力の大きさは比較的大きい。電気化学デバイスの面に比較的大きな力を印加されると、いくつかの場合では、電気化学デバイスの性能を比較的大きく改善することができる(例えば、電流密度の改善、サイクリング中のリチウム含有アノードの表面粗さの減少など)。いくつかの場合では、印加された力は、電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直な成分を有する。いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直な印加された力の成分は、少なくとも49、少なくとも78、少なくとも98、少なくとも117.6、少なくとも147、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、または少なくとも250ニュートン/平方センチメートルの圧力を規定する。いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直な印加された力の成分は、250ニュートン/平方センチメートル以下、225ニュートン/平方センチメートル以下、196ニュートン/平方センチメートル以下、147ニュートン/平方センチメートル以下、117.6ニュートン/平方センチメートル以下、または98ニュートン/平方センチメートル以下の圧力を規定する。いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの少なくとも1つの電極の活性表面に垂直な印加された力の成分は、1平方センチメートルあたり、49~147ニュートン/平方センチメートル、49~117.6ニュートン/平方センチメートル、68.6~98ニュートン/平方センチメートル、78~108ニュートン/平方センチメートル、49~250ニュートン/平方センチメートル、80~250ニュートン/平方センチメートル、90~250ニュートン/平方センチメートル、または100~250ニュートン/平方センチメートルの圧力を規定する。力または圧力は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、固体表面を介してセルに外部から印加され得る。力および圧力は、一般に、ここではそれぞれニュートンと単位面積あたりのニュートンの単位で説明されるが、力および圧力は、それぞれキログラム力(kgf)とキログラム力/単位面積の単位で表すこともできる。当技術分野の通常のスキルの1つは、キログラム力ベースの単位に精通しており、1キログラム力が9.8ニュートンに相当することを理解するであろう。本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムの使用は、いくつかの場合では、比較的軽い(しかしおそらく変形可能な)物体(例えば、比較的軽量の固体物品)を介した力を印加している間、電極活物質の利用の比較的均一な分布を維持しながら、電気化学デバイスに比較的大きな力を印加する能力を提供し得る。
【0062】
電気化学デバイスの面に力を印加すること(例えば、力が印加されていないときに電気化学デバイスの面に対して凸状である、および/または力が印加されるとより平坦になる固体表面を介して)を行うことができる。さまざまな方法で。例えば、いくつかの実施形態では、電気化学デバイスは、
図4Aに示されるように、2つの固体物品(例えば、第1固体表面を含む第1固体物品と第2固体表面を含む第2固体物品)の間に配置される。電気化学デバイスの端部(または端部に近い領域)に圧力を印可することによって力を印加するために、物体(例えば、小ネジ、ナット、ばねなど)を使用することができる。例えば、小ネジの場合、電気化学デバイスは、ネジを回転させるときにプレート間で圧縮され得る。別の例として、いくつかの実施形態では、1または複数のくさびは、力を印加するように構成されたデバイス(例えば、固体物品を含むセルを取り囲む、別の格納構造などの格納構造)と固定面(例えば、卓上、内面)との間で変位され得る。力は、格納構造(例えば、格納構造の固体物品の間)と隣接する固定面との間で、くさびに力を印加することによって(例えば、小ネジを回すことによって)くさびを駆動することによって印加することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、力は、圧縮ばねを使用して印加され得る。例えば、
図4Aを参照すると、電気化学デバイス200は、第1固体物品110と任意の格納構造350の隣接する壁との間に配置された1または複数の圧縮ばねを備えた任意の密閉格納構造350に配置されて、電気化学に対して矢印50の方向の成分を有する力を生成し得る。いくつかの実施形態では、力は、ばねが格納構造の外面と別の表面(例えば、卓上、別の格納構造の内面、隣接するセル)との間に位置するように、格納構造の外側に1または複数の圧縮ばねを配置することによって印加され得る。力は、とりわけ皿ばね座金、小ネジ、空気圧デバイス、および/またはおもりを含むが、これらに限定されない他の要素(格納構造の内側または外側のいずれか)を使用して印加することができる。
【0064】
いくつかの実施形態は、固体表面を介して力を印加するための結合の使用に向けられており、結合と接触する物体(例えば、固体物品)が、例えば、いくつかの実施形態は、電気化学デバイスに近接する固体物品に力を印加することを含み、その結果、固体物品の固体表面が変形し、力の印加は、結合を介して実行される。したがって、いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に力を印加するように構成されたデバイスは、第1固体物品を第2固体物品に接続する結合を含む。例えば、
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス100は、結合130を含む。ここで
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態では、電気化学デバイス200の面205に力を印加することは、結合130を使用して第1固体物品110に力を印加することによって実行される。いくつかの場合では、デバイスは、複数の結合、少なくとも2つの結合、少なくとも4つの結合、および/または最大8つ以上の結合を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、結合は、固体物品の固体表面に対向する外面と接触している表面部を含む。いくつかの実施形態では、結合は、固体物品の外面と接触する表面部を含む。例えば、
図3を参照すると、結合130は、第1固体物品110の外面111と接触する表面部132を備える。表面部は、例えば、ワッシャーまたは圧縮バー/ロッドであり得るか、またはその一部であり得る。いくつかの場合では、固体物品に力を印加すること(例えば、固体物品が変形するように)は、結合の表面部を固体物品の外面と接触させて外面に圧力を印可することによって固体物品の(例えば、結合に連結されたナットまたは小ネジを締めることによって)行われる。いくつかの実施形態では、固体物品は第1固体物品であり、第1固体物品の外面と接触している結合の表面部は第1表面部であり、結合は、第2固体物品の外面である。
【0066】
上に示したように、外面は固形物自体の一部である可能性がある。いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭は、固体物品の外面の輪郭とつなぎ合う。例えば、
図3を参照すると、第1固体物品110の外面111は、特定の実施形態によれば、結合130の表面部132の輪郭133に結合される輪郭112を備える。いくつかの場合では、表面の輪郭が表面からの湾曲した突起である場合もあれば、表面の輪郭が表面の湾曲したくぼみである場合もある。いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭は、固体物品の外部部分の輪郭とつなぎ合う。遠位固体物品が固体表面に対向する固体物品の面に隣接するいくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭は、遠位固体物品の外側部分表面の輪郭と対向する。いくつかの場合では、結合の表面部の輪郭が、それが接触している固体物品の外面の輪郭と直接接触していることを理解されたい。しかしながら、特定の場合において、1つ以上の介在する層または物質は、結合の表面部の輪郭と固体物品の外面の輪郭との間にあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、潤滑剤(例えば、固体潤滑剤、液体潤滑剤)は、結合の表面部の輪郭と、それが接触している固体物品の外面の輪郭との間にある。
【0067】
いくつかの実施形態では、輪郭を有し、固体表面に対向する外面は、固体表面を含む固体物品の一部であるが、いくつかの実施形態では、外面は、遠位固体物品(例えば、固体プレート)の一部である。結合および固体物品の外面の構成およびインターフェースを説明する上記および以下の説明は、外面が代わりに遠位固体物品の一部である実施形態にも印加可能である。
【0068】
いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭の少なくとも一部は、固体表面に対向する外面の輪郭と相補的である。上記のように、外面は固体物品の一部であり得る。例えば、
図3を参照すると、結合130の表面部132の輪郭133の少なくとも一部は、固体物品110の外面111の輪郭112と相補的である。第1輪郭および第2輪郭は、完全に幾何学的に相補的である必要はないことを理解されたい。
【0069】
いくつかの実施形態では、結合を使用して固体物品に力を印加することによって固体物品の固体表面を変形させると、固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭との表面部の輪郭との間に相対的な回転運動が生じる。固体表面に対向する外面の輪郭とつなぎ合う結合および輪郭間のそのような相対的な回転は、
図4Bに見ることができる。
図4Bにおいて、結合130を介した力50の印加によって引き起こされる固体物品110の変形は、二重矢印によって示されるように、第1固体物品110の外面111の輪郭112と結合130の表面部132の輪郭133との間の相対的な回転運動を引き起こす。輪郭間に相対的な回転運動を持たせることで、いくつかの場合では、結合の表面部の輪郭と固体物品の外面の輪郭との間に相対的な回転運動がない場合に、結合の変形、トルク、および/または曲げによって発生する可能性のある結合の変形、トルク、および/または曲げを回避することにより、電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスの性能を向上させることができる。力の印加中に第1固体物品および第2固体物品にまたがる結合の変形または曲げを制限することにより、いくつかの場合では、電気化学デバイス上で所望の圧力分布を達成することが可能になり、および/または電気化学デバイスのサイクル中の電極活物質の比較的均一な利用、例えば、いくつかの場合では、結合の表面部の輪郭と固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭との間の相対的な回転運動は、力を印加している間に固体の物品が変形したとしても、結合の張力を電気化学デバイスの面に垂直な方向に維持することを助けることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、結合は、結合の表面部とつなぎ合うファスナを含む。
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、結合130は、表面部132とつなぎ合うファスナ134ではなく、結合の固体部を含む。いくつかの実施形態では、結合の表面部と締結具との間の相対運動が可能である。例えば、再び
図3を参照すると、ファスナ134は、結合130の表面部132の穴またはボイドを通って移動することができ、表面部132の位置は、ファスナ134に対して(例えば、ファスナ134の一部が穴または表面のボイドを通ってスライドすることによって)調整可能であり得る。例えば、表面部132は、
図4Bよりも
図4Bに示されているファスナ344の中心により近い。いくつかの場合では、力を印加すること(例えば、第1固体物品、第2固体物品、電気デバイス)は、(例えば、締め付けることによって)結合の表面部と結合のファスナとの間に相対運動を引き起こすことを含む。ファスナと結合の表面部との間をつなぎ合うナット、またはファスナが小ネジで構成されている場合は、小ネジを回す。いくつかの場合では、結合は単一のファスナで構成される。しかしながら、特定の実施形態では、結合は2つ以上のファスナを含む。例えば、いくつかの場合では、結合は、少なくとも2つのファスナ、少なくとも4つのファスナ、および/または最大8つのファスナ、またはそれ以上を含む。結合が複数のファスナで構成されている場合、各ファスナは結合の同じ表面部に結合される。
【0071】
結合は、さまざまな適切なファスナのいずれかを含むことができる。例示的なファスナには、ロッド(例えば、ねじ山付きロッド、インターロック機能を備えたロッド)、ボルト、ねじ(例えば、小ねじ)、釘、リベット、ネクタイ、クリップ(例えば、サイドクリップ、サークリップ)、バンド、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ファスナは、第1固体物品から第2固体物品までに及ぶ。例えば、
図3を参照すると、特定の実施形態によれば、ファスナ134は、第1固体物品110から第2固体物品120までに及ぶ。いくつかの実施形態では、ファスナはロッドを含む。いくつかの場合では、ロッド(例えば、ねじ付きロッド)は、第1固体物品から第2固体物品までに及ぶ。いくつかの場合では、ボルト、ねじ、タイなどの他のタイプのファスナが、第1固体ソリッド物品から第2固体物品までを形成する。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭は、力が印加された場合にファスナは、結合の外面と表面部が平坦であるが、それ以外は同じ条件下であるとファスナが経験するであろう曲げモーメントよりも小さい曲げモーメントを経験するように、結合の表面部の輪郭と接触する。例えば、
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、結合130の表面部132の輪郭133は、力50が印加されると、ファスナ344が曲げモーメントを経験するように、第1固体物品110の(固体表面115に対向する)外面111の輪郭112とつなぎ合う。これは、外面111と表面部132が平坦である場合(たとえば、平坦なインターフェースを有する場合)にファスナ134が経験するよりも小さい。特定の非限定的な例として、ファスナ134がロッドを含む場合、結合130の表面部132の輪郭133は、力50が印加されたときにロッド134が第1固体物品110の外面111の輪郭112とつなぎ合う。外面111および表面部132が平坦である(例えば、平坦なインターフェースを有する)場合に経験するロッド134よりも小さい曲げモーメントを経験する。
【0073】
第1固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭が結合の表面部の輪郭とつなぎ合わせることができる1つの方法は、結合の表面部の外面が力の印加下で平坦である場合にファスナがより小さい曲げモーメントを経験するように上記のように、結合の表面部と固体物品の固体表面に対向する外面との間に相対的な回転運動が生じるように輪郭をつなぎ合わせることによる。結合の表面部の外面が平坦である場合、その変形により、表面部と外面との間の平坦なインターフェースのために結合の表面部がトルクを経験する(そして、その結果、そのインターフェースでの相対的な回転運動の欠如となる)。結合の表面部にかかるトルクにより、ファスナに曲げモーメントが発生する可能性があり、これは望ましくない場合がある。したがって、結合の表面部の輪郭を、固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭に特定のインターフェースをとることにより、いくつかの場合では、(例えば、結合の表面部の輪郭と第1固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭との間の相対的な回転運動による)ファスナが変形するときに経験する曲げモーメントが小さくなる可能性がある。ファスナが経験する曲げモーメントの比較は、結合の表面部の輪郭が上記の方法で固体物品の固体表面に対向する表面の輪郭と接触するデバイスに同じ荷重を印加することによって実行できる。他の点では同一のデバイスであるが、第1固体物品の固体表面に対向する外面と結合の表面部が平坦であり、ひずみゲージを使用して各ファスナが経験する曲げモーメントを測定する。2つのデバイスのそれぞれに同じ力を印加すると、ファスナがたわみを経験する程度(たとえば、力が印加されていないときにファスナがその形状から逸脱する程度)を調べて、2つについて比較することができる場合、ファスナの曲げ/たわみは、ファスナの端面(ファスナヘッドの外面など)の平行度の変化を測定することで判断できる。ファスナに曲げモーメントが発生すると、ファスナの2つの端面の平行度が低くなる。2つの表面の平行度は、ASME Y14.52009で説明されている方法を使用して説明および定量化できる。
【0074】
いくつかの場合では、本明細書に記載の結合を使用すると、固体表面を介して電気化学デバイスの面に力が印加されたときに、電気化学デバイスの面に垂直な方向に結合の張力を維持する簡単な方法が提供される。いくつかの場合では、力を印加されている間に固体表面(例えば、固体物品の固体表面)が変形しても、結合は電気化学デバイスの面に垂直な方向に張力を維持する。電気化学デバイスの面に力を印加している間、結合に張力を維持すると、いくつかの場合では、電気化学デバイス全体での電極活物質の均一な利用により電気化学デバイスが受ける結果として生じる圧力をより適切に制御できる可能性がある。
【0075】
いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭は凸状を有する。例えば、
図3に示される例示的な実施形態に示されるように、表面部132の輪郭133は、以下のように構成される。輪郭133が表面部132の大部分から離れて湾曲するので、
図3では凸部を有する。特定の実施形態では、第1固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭は、結合の表面部を有する。例えば、
図3に示される例示的な実施形態を再び参照すると、輪郭112が第1固体物品110の大部分に湾曲するため、結合130の表面部132の輪郭133は凸部を有し、第1固体物品110の固体表面115に対向する外面112の輪郭112は凹部を有する。結合の表面部の輪郭が凸状を有し得、固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭が表面部の凸状とつなぎ合う凹部を有し得る1つの非限定的な方法は、以下を有することによる。結合の表面部は円筒形または疑似円筒形であり、一方、固体物品の固体表面に対向する外面は、円筒形または疑似円筒形のくぼみを有する。例えば、いくつかの場合では、
図3は、円筒形または疑似円筒形としての表面部132の正面図を示し、輪郭112は、円筒形または疑似円筒形とつなぎ合う円筒形または疑似円筒形を有する第1固体物品110のくぼみを規定する。特定の実施形態では、第1固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭は、凹部を有し、その少なくとも一部は、結合の表面部の輪郭の凸部と相補的である。
【0076】
いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭は凹部を有する。例えば、
図8を参照すると、デバイス400は、特定の実施形態によれば、第1固体物品410を第2固体物品420に接続する結合430を含み、結合430は、表面部432を含む。いくつかの場合では、輪郭433は、表面部432の大部分に湾曲するので、表面部432は、凹部を有する輪郭433を含む。いくつかの実施形態では、固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭は、結合の表面部の凹部とつなぎ合う。再び
図8を参照すると、第1固体物品510の固体表面115に対向する外面411の輪郭412は、結合430の表面部432の凹部とつなぎ合う凸部を有する。特定の場合では、第1固体物品の変形(例えば、電気化学デバイスの面に力を印加している間)は、凹部を有する結合の表面部の輪郭と凸部を有する固体物品の外面に対向する輪郭との間に相対的な回転運動を引き起こす。特定の実施形態では、第1固体物品の固体表面に対向する外面の輪郭は凸部を有し、その少なくとも一部は、結合の表面部の輪郭の凹部と相補的である。
【0077】
いくつかの実施形態では、凹部は単一の軸に沿って凹部である。例えば、固体物品の外面の輪郭が凹部を有する場合、その凹部は単一の軸に沿って凹部である。例えば、いくつかの実施形態では、外面の輪郭は、円筒形または疑似円筒形を有する固体物品の外側のくぼみを規定し、その円筒形または疑似円筒形は、円筒の長軸に沿って凹状であるか、または疑似円筒形である。遠位固体物品が使用されるいくつかの実施形態では、外面の輪郭は、円筒形または疑似円筒形を有する遠位固体物品の外部のくぼみを規定し、その円筒形または疑似円筒形は、円柱または疑似円柱の長軸に沿っている凹状である。いくつかのそのような場合、単一の軸に沿って凹部である凹部とつなぎ合う結合の表面部は、外面の凹部に結合する円筒形または疑似円筒形を有する。
図6は、特定の実施形態に係るシステム300aがデバイス100aを含み、デバイス100aが結合130の表面部132aを含む、そのような1つの場合の側面概略図を示す。
図6は、特定の実施形態による、表面部132aが円筒形または疑似円筒形を有する、表面部132aの側面図を示す。
図9Aは、単一軸に沿って凹状である凹部を有する輪郭を有する中実物品の外面とともに、円筒形または疑似円筒形である表面部との結合を有するデバイスの1つの非限定的な図を示す。
【0078】
いくつかの実施形態では、凹部は2つの軸に沿って凹状である。例えば、固体物品の外面の輪郭が凹部を有する場合、その凹部は2つの軸に沿って凹部である。1つの非限定的な例として、外面の輪郭は、球形または疑似球形を有する固体物品の外側のくぼみを規定し得る。遠位固体物品が使用されるいくつかの実施形態では、外面の輪郭は、球形または疑似球形を有する遠位固体物品の外部のくぼみを規定し得る。いくつかのそのような場合、2つの軸に沿って凹部である凹部と接触する結合の表面部は、外面の凹部と接触する球形または疑似球形を有する。
図7は、特定の実施形態に係るシステム300bがデバイス100bを含み、デバイス100bが結合130の表面部132bを含む、そのような1つの場合の側面概略図を示す。
図7は、特定の実施形態に係る、表面部132bが球形または疑似球形を有する、表面部132bの側面図を示す。凹部が2つの軸に沿って凹状であるいくつかの場合、デバイスは、電気化学デバイスに力を印加されるように構成されたデバイスの同じ端部に近接する複数の結合を含む。例えば、システム300bの側面図である
図7は、それぞれがデバイス100bの同じ端部に近接している、結合130および結合135の両方を含むデバイス100bを示している。
【0079】
第1物体の輪郭と第2物体の輪郭とがつなぎ合う得る1つの非限定的な方法は、各輪郭に比較的類似した曲率半径を持たせることによるものである。2つのつなぎ合う輪郭に対して比較的類似した曲率半径を有することにより、輪郭を効果的にともに適合させ、輪郭間で滑らかな相対的な回転を生じさせることができる。いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭の凸部は、第1固体物品の固体表面に対向する表面の輪郭の凹部の曲率半径に比較的類似する曲率半径を有する。例えば、いくつかの実施形態では、結合の表面部の輪郭の凸部は、第1固体物品の固体表面に対向する表面の輪郭の凹部の曲率半径の20%以内、10%以内、5%以内、1%以内、またはそれ未満の曲率半径を有する。
【0080】
いくつかの実施形態では、結合は、表面部とファスナとの間の平坦なインターフェースを含む。例えば、結合130の概略側面図を示す
図6を参照すると、結合130は、表面部132aとファスナ134との間に平坦なインターフェース136を備える。結合の表面部とファスナとの間に平坦なインターフェースを有することにより、いくつかの場合では、結合の表面部に印加された力は、電気化学デバイスの面に垂直な方向に効果的に分散される。いくつかの場合では、結合の表面部とファスナとの間の平坦なインターフェースにより、結合を介して電気化学デバイスに力を印加している間、表面部とファスーに比較的低いトルクがかかる。その結果、(例えば、ファスナの張力を維持することにより、電気化学デバイスに目的の圧力分布を発生させることにより)デバイスの性能が向上する。結合を介して力を印加することができる1つの非限定的な方法は、ファスナおよび結合の表面部とつなぎ合うナットを締めることによる(例えば、結合の表面部に対して第1固体物品の遠位にあるファスナの部分の周りのナットを締めることによる)。いくつかのそのような場合、ナットが結合の表面部とファスナとの間の平坦なインターフェースに力を印加するようにナットを締めると、電気化学デバイスの面に垂直な方向に力が効果的に伝播する(比較的低いトルクまたは結合にトルクが適用されていない)。
【0081】
図2、3A、3B、4A、4B、6、7、および8は、特定の実施形態による、表面部およびロッドを含む結合を含むデバイス、上記の固体表面を介して(例えば、ばね機構またはくさびを介して)は、本明細書に記載の結合に加えて、またはその代替として使用することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法の電気化学デバイスは、力の印加中にサイクルされる。電気化学デバイス(例えば、電池などの電気化学セル)のサイクリングは、充電イベント(例えば、電気化学デバイスの電気化学セルに電圧を印加することによる外部電源または充電器での充電)および放電イベント(例えば、アノード活物質と電気を生成するカソード活物質との間の電気化学反応)を含んで成り得る。特定の場合において、本明細書に記載の実施形態に従って電気化学デバイスの面に力を印加しながら電気化学デバイスをサイクルさせると、力が印加させられるが他の点では同一の電気化学デバイスの性能と比較して、電気化学デバイスの性能が改善される。本明細書に記載されている実施形態によらない。
【0083】
上記のように、電気化学デバイスが改善された性能を示すことができる1つの方法(例えば、サイクリング中)は、望ましい利用分布を有することによるものである。例えば、いくつかの場合では、電気化学デバイスがサイクルされるとき、少なくとも1つの電極の電極活物質の利用に関して均一な分布が存在する。例えば、いくつかの実施形態では、電気化学デバイスのサイクリング中のアノード活物質(例えば、リチウム)の利用の均一な分布があり、これは、記載された方法、システム、およびデバイスの使用によって少なくとも部分的に引き起こされる。いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの面に(例えば、固体表面を介して)力を印加するように構成されたデバイスは、電気化学デバイスがサイクリング中に電気化学デバイス内の電極活物質の比較的均一な利用を経験するように選択される。いくつかの実施形態は、固体表面を介して電気化学デバイスに力を印加することを含み、固体表面は、電気化学セルに印加される力が、平坦な固体表面を使用して達成されるが、それ以外は同一の条件下で達成される電極活物質に比べ、サイクリング中の電気化学デバイスにおける電極活物質のより均一な利用を引き起こすように形作られる。1つの非限定的な例として、
図1A~1Bを参照して、力50が印加されていない場合は平坦ではない、固体物品110の固体表面115を介して電気化学デバイス200の面205に力50を印加する(
図1A~1Bに示す)。
図1Aは、特定の実施形態によれば、電気化学デバイス200のサイクル中に、電極活物質の代わりに平坦な固体表面を使用して達成されるであろう電極活物質の利用と比較して、電極活物質(例えば、リチウム金属および/またはリチウム金属合金)のより均一な利用を引き起こす。電気化学デバイスにおける電極活物質の利用の均一性の違いは、例えば、電気化学デバイスをサイクルさせた後に電気化学デバイスをスライスして開き、利用を視覚的に調べることによって決定することができる。
【0084】
本開示の方法、システム、およびデバイスが電極活物質のより均一な利用をもたらし得る1つの非限定的な方法は、面に力を印加する間に電気化学デバイス全体に比較的均一な圧力分布を引き起こすことによるものである。例えば、本明細書に記載の方法およびデバイスとは対照的に、力が印加されていない状態で平坦である固体表面を介して力が印加される場合、固体表面は、そのような力の印加により変形する可能性がある。電気化学デバイスは、電気化学デバイスの中央よりも端に近い領域でより大きな圧力を受ける。いくつかの場合では、そのような不均一な圧力分布は、電気化学デバイスのサイクル中に電極活物質の不均一な利用をもたらす可能性があり、それは、いくつかの場合では、電気化学デバイスの耐久性を低下させる可能性がある。
【0085】
本明細書に記載の固体表面(例えば、固体表面115)を介して電気化学デバイスの面に力を印加することは、電極の利用の達成すべき活物質の比較的均一な分布のために、必ずしも比較的均一な圧力分布をもたらす必要はないことを理解されたい。例えば、いくつかの場合では、電気化学デバイスは、サイクリング中の特定の領域(例えば、電極端子に近接する領域)においてより高い電流密度を有し得、その結果、力が印加されない場合、電極活物質の不均一な利用は、発生する(端末の近くでより多くの使用率が発生する)。いくつかの場合では、力が印加される固体表面の形状は、力が印加されていない場合に発生する可能性のある電流密度のそのような違いを少なくとも部分的に補償するように選択される。例えば、いくつかの場合では、電気化学デバイスのアノード端子とカソード端子の両方が、電気化学デバイスの同じ端に近接して配置され得る。いくつかのそのような場合、固体表面は、力が印加されたときに電気化学デバイスの面に力が印加されるように、力が印加されていないときに、固体表面が電気化学デバイスのその端部からのみ湾曲または傾斜するように成形され得る。その固体表面を介して、印加された力(および結果として生じる圧力)を受けたときの電流密度の増加が、端子から遠い領域よりも端子の近くで少なくなるように、固体表面が変形する。いくつかのそのような場合、比較的均一な電流密度分布、およびその結果として、サイクリング中の電極活物質(例えば、リチウム金属)の比較的均一な利用が生じる可能性がある。
【0086】
本明細書に記載のシステムおよびデバイスは、様々な従来の技術のいずれかを使用して製造および組み立てることができる。例えば、電気化学デバイスに力が印加される結合および固体表面(および任意選択でその固体表面を含む固体物品)は、機械加工、フライス盤、成形、積層造形(例えば、3D印刷)、またはその他の適切な手法、いくつかの場合では、ファスナなどの部品を商業的に購入することができる。上記のように、いくつかの実施形態では、遠位の固体物品は、固体表面に対向する固体物品の面に隣接している。固体物品および遠位固体物品は、互いに独立して製造することができる。例えば、固体表面を含む固体物品は、3D印刷プロセスを介して製造され得(例えば、ポリマー材料または複合材料(例えば、炭素繊維強化材料)を含む輪郭のある部品を作成するため)、一方、遠位固体は、物品(例えば、中実板)は、機械加工によって得られるか、または商業ベンダから購入することさえある。
【0087】
図9A~9Eは、特定の実施形態に係る電気化学デバイス(セル)および電気化学デバイスに力を印加するように構成されたデバイスを含む例示的なシステムのコンピュータ生成の図である。
図9Aは、2つのアルミニウム板と、2つのアルミニウム板の間の次の部品とを順番に含む圧力デバイスを含む、1つのそのような非限定システムの分解された3次元図を示す:第1発泡(フォーム)シート、電気化学セル、第2発泡シート、任意の圧力センサ(Tekscanセンサ)。いくつかの実施形態によれば、力が印加されていない場合、2つのアルミニウム板のそれぞれは、2つのアルミニウム板の間の電気化学セルに対して凸状である表面を有する。
図9Aのシステムは、2つのアルミニウム板を結合する結合を含み、各結合は、特定の実施形態によれば、表面部としての圧縮ロッド(コンプレッション・ロッド)と、シムおよびナットを備えたファスナとを含む。
【0088】
図9Bは、
図9Aに示されるシステムの組み立てられたバージョンの側面図を示す。特定の実施形態によれば、圧力が印加されていない場合の
図9A~
図9Bに示されるように、2つのアルミニウム板のそれぞれは、力が印加されていない状態で、電気化学セルに対して凸状である表面を有する。
図9Cは、
図8と同じシステムの側面図を示している。しかしながら、
図9Bに示される凸部がそのようにアルミニウム板を変形させるのに十分な大きさの力が印加させられるように結合が締められた状態で、特定の実施形態によれば、
図9Bはより凸状ではなくなる。上記のように、いくつかの場合では、そのような変形は、電気化学デバイスによって経験される所望の圧力分布をもたらす。
図9Dおよび
図9D。
図9Eは、いくつかの実施形態に係るシステムの上面図および別の側面図をそれぞれ示している。
【0089】
特定の実施形態によれば、様々なアノード活物質が、本明細書に記載の電気化学デバイス(例えば、電気化学セルを含む)のアノードと共に使用するのに適している。いくつかの実施形態では、アノード活物質は、リチウム箔のようなリチウム(例えば、リチウム金属)、導電性基板または非導電性基板(例えば、離型層)上に堆積されたリチウム、およびリチウム合金(例えば、リチウム-アルミニウム合金およびリチウム-スズ合金)を含んで成る。リチウムは、1つのフィルムとして、または複数のフィルムとして、任意で分離して含めることができる。本明細書に記載の態様で使用するのに適したリチウム合金には、リチウムおよびアルミニウム、マグネシウム、ケイ素(シリコン)、インジウム、および/またはスズの合金が含まれ得る。いくつかの実施形態では、アノード活物質は、電気化学デバイスの充電および/または放電プロセスの少なくとも一部の間、またはすべての間、リチウム(例えば、リチウム金属および/またはリチウム金属合金)を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、アノード活物質は、少なくとも50wt%のリチウムを含む。いくつかの場合では、アノード活物質は、少なくとも75wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、または少なくとも99wt%のリチウムを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、アノードは、放電中にリチウムイオンが放出され、充電中にリチウムイオンがその中に組み込まれる(例えば、挿入される)電極である。いくつかの実施形態では、アノード活物質は、リチウムインターカレーション化合物(例えば、格子部位および/または格子間部位にリチウムイオンを可逆的に挿入することができる化合物)である。いくつかの実施形態では、アノード活物質は炭素を含む。特定の場合において、アノード活物質は、グラファイト材料(例えば、グラファイト)であるか、またはそれを含む。グラファイト材料とは、一般に、グラフェンの複数の層(つまり、六角形の格子に共有結合した炭素原子を含む層)を含む材料を指す。隣接するグラフェン層は通常、ファンデルワールス力を介して互いに引き付けられるが、いくつかの場合では1または複数のシート間に共有結合が存在することもある。いくつかの場合では、炭素を含むアノード活物質は、コークス(例えば、石油コークス)であるか、またはそれを含む。特定の実施形態では、アノード活物質は、シリコン、リチウム、および/またはそれらの組み合わせの任意の合金を含む。特定の実施形態では、アノード活物質は、チタン酸リチウム(Li4Ti5012、「LTO」とも呼ばれる)、スズ-コバルト酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0092】
特定の実施形態によれば、様々なカソード活物質が、本明細書に記載の電気化学セルのカソードと共に使用するのに適している。いくつかの実施形態では、カソード活物質は、リチウムインターカレーション化合物(例えば、格子部位および/または格子間部位にリチウムイオンを可逆的に挿入することができる化合物)を含む。いくつかの場合では、カソード活物質は層状酸化物を含む。層状酸化物とは、一般に、ラメラ構造(例えば、互いに積み重ねられた複数のシートまたは層)を有する酸化物を指す。適切な層状酸化物の非限定的な例には、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、およびリチウムマンガン酸化物(LiMnO2)が含まれる。いくつかの実施形態では、層状酸化物は、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNixMnyCozO2、「NMC」または「NCM」とも呼ばれる)である。いくつかのそのような実施形態では、x、y、およびzの合計は1である。例えば、適切なNMC化合物の非限定的な例は、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2である。いくつかの実施形態では、層状酸化物は、式(Li2MnO3)x(LiMO2)(1-x)を有し得、ここで、Mは、Ni、Mn、およびCoの1つ以上である。例えば、層状酸化物は、(Li2MnO3)0.25(LiNi0.3Co0.15Mn0.55O2)0.75。いくつかの実施形態では、層状酸化物は、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNixCoyAlzO2、「NCA」とも呼ばれる)である。いくつかのそのような実施形態では、x、y、およびzの合計は1である。例えば、適切なNCA化合物の非限定的な例は、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2である。特定の実施形態では、カソード活物質は、遷移金属ポリアニオンオキシド(例えば、遷移金属、酸素、および/または絶対値が1より大きい電荷を有するアニオンを含む化合物)である。適切な遷移金属ポリアニオン酸化物の非限定的な例は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4、「LFP」とも呼ばれる)である。適切な遷移金属ポリアニオンオキシドの別の非限定的な例は、リチウムマンガン鉄ホスフェート(LiMnxFe1-xPO4、「LMFP」とも呼ばれる)である。適切なLMFP化合物の非限定的な例は、LiMn0.8Fe0.2PO4である。いくつかの実施形態では、カソード活物質はスピネルである(例えば、構造AB2O4を有する化合物であり、ここで、Aは、Li、Mg、Fe、Mn、Zn、Cu、Ni、Ti、またはSiであり得、Bは、Al、Fe、Cr、Mn、またはVであり得る。適切なスピネルの非限定的な例は、化学式LiMxMn2-xO4を有するリチウムマンガン酸化物であり、ここで、Mは、Co、Mg、Cr、Ni、Fe、Ti、およびZnの1または複数である。いくつかの実施形態では、xは0に等しく、スピネルはリチウムマンガン酸化物(LiMn2O4、「LMO」とも呼ばれる)であり得る。別の非限定的な例は、リチウムマンガンニッケル酸化物(LiNixMn2-xO4、「LMNO」とも呼ばれる)である。適切なLMNO化合物の非限定的な例は、LiNi0.5Mn1.5O4である。いくつかの場合では、第2電極の電気活性材料は、Li1.14Mn0.42Ni0.25Co0.29O2(「HC-MNC」)、炭酸リチウム(Li2CO3)、炭化リチウム(例えば、Li2C2、Li4C、Li6C2、Li8C3、Li6C3、Li4C3、Li4C5)、酸化バナジウム(例えば、V2O5、V2O3、V6O13)、および/またはリン酸バナジウム(例えば、Li3V2(PO4)3のようなリン酸バナジウムリチウム)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、カソード活物質は、変換化合物を含む。例えば、カソードは、リチウム変換カソードであり得る。変換化合物を含むカソードは、比較的大きな比容量を有し得ることが認識されている。特定の理論に拘束されることを望まないが、遷移金属ごとに複数の電子移動が起こる変換反応を通じて化合物のすべての可能な酸化状態を利用することによって、比較的大きな比容量を達成することができる(例えば、インターカレーション化合物における0.1~1電子移動)。適切な変換化合物には、遷移金属酸化物(例えば、Co3O4)、遷移金属水素化物、遷移金属硫化物、遷移金属窒化物、および遷移金属フッ化物(例えば、CuF2、FeF2、FeF3)が含まれるが、これらに限定されない。遷移金属とは、一般に、原子が部分的に満たされたd副殻(例えば、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Rf、Db、Sg、Bh、Hs)を有する元素を指す)。
【0093】
いくつかの場合では、カソード活物質に1または複数のドーパントをドープして、カソード活物質の電気的特性(例えば、電気伝導率)を変えることができる。適切なドーパントの非限定的な例には、アルミニウム、ニオブ、銀、およびジルコニウムが含まれる。
【0094】
いくつかの実施形態において、カソード活物質は、酸化物を含む表面コーティングによって改変され得る。表面酸化物コーティング材料の非限定的な例には、MgO、Al2O3、SiO2、TiO2、ZnO2、SnO2、およびZrO2が含まれる。いくつかの実施形態では、そのようなコーティングは、カソード活物質と電解質との間の直接接触を防ぎ、それによって副反応を抑制し得る。
【0095】
特定の実施形態では、カソード活物質は硫黄を含む。いくつかの実施形態では、カソード活物質は、電気活性硫黄含有材料を含む。本明細書で使用される「電気活性硫黄含有材料」は、任意の形態の元素硫黄を含む電極活性材料を指し、電気化学的活性は、硫黄原子または部分の酸化または還元を伴う。一例として、電気活性硫黄含有材料は、元素硫黄(例えば、S8)を含み得る。いくつかの実施形態では、電気活性硫黄含有材料は、元素硫黄と硫黄含有ポリマーとの混合物を含む。したがって、適切な電気活性硫黄含有材料には、有機または無機であり得る元素硫黄、硫化物または多硫化物(例えば、アルカリ金属の)、および硫黄原子および炭素原子を含む有機材料が含まれ得るが、これらに限定されない。ポリマーではない可能性がある。適切な有機材料には、ヘテロ原子、導電性ポリマーセグメント、複合材料、および導電性ポリマーをさらに含むものが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、電極(例えば、カソード)内の電気活性硫黄含有材料は、少なくとも40wt%の硫黄を含む。いくつかの場合では、電気活性硫黄含有材料は、少なくとも50wt%、少なくとも75wt%、または少なくとも90重wt%の硫黄を含む。
【0096】
硫黄含有ポリマーの例には、以下に記載されているものが含まれる:Skotheimらの米国特許第5,601,947号および第5,690,702号;Skotheimらの米国特許第5,529,860号および第6,117,590号;2001年3月13日に発行されたGorkovenkoらの米国特許第6,201,100号、およびPCT公開第WO 99/33130号、これらのそれぞれは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。多硫化物結合を含む他の適切な電気活性硫黄含有材料は、Skotheimらの米国特許第5,441,831号;Perichaudらの米国特許第4,664,991号、およびNaoiらの米国特許第5,723,230号、5,783,330号、5,792,575号および5,882,819号に記載されており、これらのそれぞれは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。電気活性硫黄含有材料のさらに別の例には、例えば、Armandらの米国特許第4,739,018号De Jongheらの米国特許第4,833,048号および第4,917,974号;Viscoらの米国特許第5,162,175号および第5,516,598号ならびに大山らの米国特許第5,324,599号に記載されているようなジスルフィド基を含むものが含まれ、これらのそれぞれは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
1または複数の電極は、Mikhaylikらの米国特許第9,034,421号および米国特許出願公開第2013/0316072号に記載されているように、導電性添加剤、結合剤などの追加の添加剤をさらに含み得、これらのそれぞれは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、電気化学デバイスは、2つの電極部分(例えば、アノード部およびカソード部)の間にセパレータをさらに含み得る。セパレータは、アノードおよびカソードを互いに分離または絶縁し、短絡を防止し、アノードとカソードとの間のイオンの輸送を可能にする、固体の非導電性または絶縁性の材料であり得る。いくつかの実施形態において、多孔質分離器は、電解質に対して透過性であり得る。
【0099】
セパレータの細孔は、部分的または実質的に電解質で満たされ得る。セパレータは、セルの製造中にアノードおよびカソードとインターリーブされる多孔性の自立フィルムとして供給され得る。あるいは、多孔質セパレータ層は、例えば、CarlsonらのPCT公開番号WO99/33125およびBagleyらの米国特許第5,194,341号に記載されているように、電極の1つの表面に直接適用することができる。
【0100】
様々なセパレータ材料が当技術分野で知られている。適切な固体多孔質セパレータ材料の例には、例えば、ポリエチレン(例えば、Tonen Chemical Corp製のSETELA(商標))およびポリプロピレン、ガラス繊維濾紙、およびセラミック材料などのポリオレフィンが含まれるが、これらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、セパレータはミクロポーラスポリエチレンフィルムを含む。本発明での使用に適したセパレータおよびセパレータ材料のさらなる例は、自立フィルムとして、または共通の譲受人のカールソンらによる米国特許第6,153,337号および第6,306,545号に記載されているように、ミクロポーラスキセロゲル層、例えば、ミクロポーラス疑似ベーマイト層を含むものである。固体電解質およびゲル電解質は、それらの電解質機能に加えて、セパレータとしても機能する可能性がある。
【0101】
上記のように、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、1または複数の力が、電気化学デバイスの一部に印加される。異方性力が印加される電気化学デバイス(例えば、電気化学セル)およびそのような力を印加する方法は、例えば、「電気化学セルへの力の適用」と題され、2010年2月11日、に出願され、2015年8月11日に発行された米国特許第9,105,938号に記載され、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
本明細書に記載の実施形態では、電気化学デバイス(例えば、充電式電池)は、充電および金属の反応の際に、アノードの表面上に金属(例えば、リチウム金属または他の活物質)の堆積を含む充電/放電サイクルを受けることができ、金属が放電時にアノード表面から拡散する。金属がアノードに堆積する均一性は、セルの性能に影響を与える可能性がある。例えば、リチウム金属がアノードから除去および/またはアノード上に再堆積されるとき、それは、いくつかの場合では、不均一な表面をもたらす可能性がある。例えば、再堆積すると、それは不均一に堆積し、粗い表面を形成する可能性がある。粗い表面は、望ましくない化学反応に利用できるリチウム金属の量を増やす可能性があり、その結果、サイクル寿命が短くなり、および/またはセルの性能が低下する可能性がある。電気化学デバイスへの力の印加は、本明細書に記載の特定の実施形態に従って、そのような挙動を低減し、セルのサイクリング寿命および/または性能を改善することが見出された。
【0103】
いくつかの実施形態では、アノードの活性表面に垂直な成分を有する異方性力が、電気化学デバイスの充電および/または放電中の少なくとも1つの期間中に印加される。いくつかの実施形態では、力は、持続時間および/または頻度が変化し得る1つの期間にわたって、または複数の期間にわたって連続的に印加され得る。異方性力は、いくつかの場合では、1または複数の所定の位置に印加され得、任意で、アノードの活性表面上に分散され得る。いくつかの実施形態では、異方性力は、アノードの1または複数の活性表面に均一に印加される。
【0104】
「異方性力(anisotropic force)」は、当技術分野ではその通常の意味を与えられており、すべての方向で等しくない力を意味する。すべての方向に等しい力は、例えば、物体の内部ガス圧など、流体または材料内の流体または材料の内圧である。すべての方向で等しくない力の例には、重力を介してテーブル上の物体によって印加されるテーブル上の力のように、特定の方向に向けられた力が含まれる。異方性力の別の例には、物体の周囲に配置されたバンドによって印加される特定の力が含まれる。例えば、輪ゴムやターンバックルは、それが巻き付けられている物体の周囲に力を印加することができる。ただし、バンドは、バンドと接触していない物体の外面のどの部分にも直接力を印加することはできない。さらに、バンドが第1軸に沿って第2軸よりも大きく拡張される場合、バンドは、第2軸に実質的に平行に印加される力よりも実質的に第1軸に平行な方向に大きな力を印加することができる。
【0105】
表面、例えばアノードの活性表面に「垂直な成分(component normal)」を有する力は、当業者によって理解されるであろうその通常の意味を与えられ、例えば、少なくともパーツは、表面に実質的に垂直な方向に作用する。当業者は、特にこの文書の明細書に適用されているように、これらの用語の他の例を理解できる。
【0106】
いくつかの実施形態では、力の大きさが電気化学デバイスの断面を定義する平板内のすべての方向で実質的に等しくなるように、異方性力を印加できるが、面外方向の力の大きさは面内の力の大きさに実質的に等しくない。
【0107】
印加される力の大きさは、いくつかの実施形態では、電気化学デバイスの性能を高めるのに十分な大きさである。アノード活性表面と異方性力は、いくつかの場合では、異方性力がアノード活性表面の表面形態に影響を及ぼして、充電および放電によるアノード活性表面積の増加を阻害するように、そして、異方性の力であるが、それ以外は本質的に同じ条件下では、アノードの活性表面積は、充電と放電のサイクルによって大幅に増加する。この文脈における「本質的に同一の条件」とは、力の印加および/または大きさ以外は類似または同一の条件を意味する。例えば、そうでなければ同一の条件は、同一であるが、対象のセルに異方性力を印加するように構築されていない(例えば、ブラケットまたは他の接続によって)セルを意味する場合がある。
【0108】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、アノードの表面は、外部から印加される(いくつかの実施形態では、一軸)圧力を印加することにより、サイクリング中に増強することができる(例えば、リチウムの場合、リチウムの苔状または粗い表面の発達(development)を低減または排除することができる)。いくつかの実施形態では、外部から印加される圧力は、アノードを形成する材料の降伏応力よりも大きくなるように選択することができる。例えば、リチウムを含むアノードの場合、セルは、少なくとも8kgf/cm2、少なくとも9kgf/cm2、少なくとも10kgf/cm2、20kgf/cm2、少なくとも30kgf/cm2、少なくとも40kgf/cm2、または少なくとも50kgf/cm2の圧力を規定する成分を有する外部から印加される異方性力の下にあり得る。これは、リチウムの降伏応力が約7~8kgf/cm2であるためである。したがって、この値を超える圧力(たとえば、一軸圧力)では、苔状のLi、または任意の表面粗さが減少または抑制される可能性がある。リチウムの表面粗さは、リチウムを押し付けている表面を模倣している可能性がある。したがって、少なくとも8kgf/cm2、少なくとも9kgf/cm2、少なくとも10kgf/cm2、少なくとも20kgf/cm2、少なくとも30kgf/cm2、少なくとも40kgf/cm2、または少なくとも外圧50kgf/cm2の場合、プレス面が滑らかな場合、サイクルによりリチウム面が滑らかになる場合がある。本明細書に記載されるように、プレス面は、アノードとカソードとの間に配置される適切な材料を選択することによって変更することができる。
【0109】
いくつかの場合では、セルに印加される1または複数の力に、アノード活性表面に垂直ではない成分が含まれる。例えば、
図2では、力384は、電極230の活性表面231に垂直ではない。一組の実施形態では、アノード活性表面に垂直な方向に印加されたすべての異方性力の成分の合計は、ある方向の成分の合計よりも大きい。これは、アノード活性表面に対して非垂直である。いくつかの実施形態では、アノード活性表面に垂直な方向に印加されたすべての異方性力の成分の合計は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも35%、少なくとも50%である。アノード活性表面に平行な方向の成分の合計よりも少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%大きい。
【0110】
いくつかの場合では、電気化学デバイスは、電気化学デバイスの面に力を印加するように構成されたデバイスに挿入される前に事前に圧縮され得、デバイスに挿入されると、膨張して正味の力を生成し得る。電気化学デバイス(デバイスの固体表面に接触するため)。そのような配置は、例えば、電気化学デバイスが比較的高い圧力変動に耐えることができる場合に有利である可能性がある。そのような実施形態では、力を印加するように構成されたデバイスは、比較的高い強度(例えば、少なくとも100MPa、少なくとも200MPa、少なくとも500MPa、または少なくとも1GPa)を有し得る。さらに、デバイスは、比較的高い弾性率(例えば、少なくとも10GPa、少なくとも25GPa、少なくとも50GPa、または少なくとも100GPa)を有し得る。上記のように、デバイスまたはその構成要素(例えば、固体物品、結合など)は、例えば、アルミニウム、チタン、または任意の他の適切な材料を含み得る。
【0111】
以下の出願は、すべての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:「充電式リチウム/水、リチウム/空気電池」と題され、2006年4月6日に出願番号11/400,781として出願され、2007年9月27日に公開された米国特許公開番号US2007/0221265;「電池の膨潤抑制」と題され、2007年7月31日に出願番号11/888,339として出願され、2009年2月5日に公開された米国特許公開第US2009/0035646;「電解質の分離」と題され、2010年2月2日に出願番号12/312,674として出願され、2010年5月17日に公開され、2013年12月31日に米国特許番号8,617,748として特許を取得した米国特許公開番号US2010/0129699;「電池電極用プライマー」と題され、2010年7月30日に出願番号12/682,011として出願され、2010年11月18日に公開され、2014年10月28日に米国特許番号8,871,387として特許を取得した米国特許公開番号US2010/0291442;「エネルギー貯蔵デバイスの充電および/または放電保護用回路」と題され、2008年2月8日に出願番号12/069,335として出願され、2009年8月31日に公開され、2012年9月11日に米国特許第8,264,205号として特許を取得した米国特許公開番号US2009/0200986;「充電式リチウム電池を含む、水性および非水性の両方の電気化学セル」と題され、2006年4月6日に出願番号11/400,025として出願され、2010年8月10日に米国特許番号7,771,870として特許を取得し、2007年9月27日に公開された米国特許公開番号US2007/0224502;「リチウム合金/硫黄電池」と題され、2007年6月22日に出願番号11/821,576として出願され、2008年12月25日に公開された米国特許公開第US2008/0318128;「新規複合カソード、新規複合カソードを含む電気化学セル、およびその製造方法」と題され、2001年2月27日に出願番号09/795,915として出願され、2002年5月9日に公開され、2011年5月10日に米国特許番号7,939,198として特許を取得した米国特許公開番号US2002/0055040;「リチウム硫黄充電式電池残量ゲージのシステムおよび方法」」と題され、2005年4月20日に出願番号11/111,262として出願され、2006年10月26日に公開され、2010年3月30日に米国特許番号7,688,075として特許を取得した米国特許公開番号US2006/0238203;「重合性モノマーおよび非重合性キャリア溶媒/塩混合物/溶液の共フラッシュ蒸発方法」と題され、2007年3月23日に出願番号11/728,197として出願され、2008年8月7日に公開され、2011年12月27日に米国特許第8,084,102号として特許を取得し、米国特許公開番号US2008/0187663;「リチウム電池および関連する方法のための電解質添加剤」と題され、2010年9月23日に出願番号12/679,371として出願され、2011年1月13日に公開された米国特許公開第US2011/0006738;「硫黄と炭素を含む多孔質材料とを含んで成る電極の形成方法」と題され、2010年9月23日に出願番号12/811,576として出願され、2011年1月13日に公開され、2015年5月19日に米国特許番号9,034,421として特許を取得した米国特許公開番号US2011/0008531;「電気化学セルにおける力の印加」と題され、2009年8月4日に出願番号12/535,328として出願され、2010年2月11日に公開され、2015年8月11日に米国特許番号9,105,938として特許を取得した米国特許公開番号US2010/0035128;「電気化学セルのアノードの保護」と題され、2008年7月25日に出願番号12/180,379として出願され、2011年7月15日に公開された米国特許公開第US2011/0165471;「電気化学セル」と題され、2006年6月13日に出願番号11/452,445として出願され、2006年10月5日に公開され、2013年4月9日に米国特許番号8,415,054として特許を取得した米国特許公開番号US2006/0222954;「リチウム電池用カソード」と題され、2010年3月19日に出願番号12/727,862として出願され、2010年9月23日に公開された米国特許公開番号US2010/0239914;「ハーメチックサンプルホルダー、ならびに制御された雰囲気環境下での微量分析の実施方法」と題され、2009年5月22日に出願番号12/471,095として出願され、2010年11月25日に公開され、2012年1月3日に米国特許番号8,087,309として特許を取得した米国特許公開番号US2010/0294049;「硫黄を含む多孔質構造を含んで成る電気化学セル」と題され、2010年8月24日に出願番号12/862,581として出願され、2011年3月31日に公開された米国特許公開第US2011/00765560;「電気化学セルの放出システム」と題され、2010年8月24日に出願番号12/862,513として出願され、2011年3月24日に公開された米国特許公開第US2011/0068001;「電気化学セル用の電気的に非導電性の材料」と題され、2011年8月24日に出願番号13/216,559として出願され、2012年3月1日に公開された米国特許公開第US2012/0048729;「電気化学セル」と題され、2010年8月24日に出願番号12/862,528として出願され、2011年7月21日に公開された米国特許公開第US2011/0177398;「硫黄を含む多孔質構造を含んで成る電気化学セル」と題され、2010年8月24日に出願番号12/862,563として出願され、2011年3月24日に公開された米国特許公開第US2011/0070494;「硫黄を含む多孔質構造を含んで成る電気化学セル」と題され、2010年8月24日に出願番号12/862,551として出願され、2011年3月24日に公開された米国特許公開第US2011/0070491;「硫黄を含む多孔質構造」と題され、2010年8月24日に出願番号12/862,576として出願され、2011年3月10日に公開され、2015年4月14日に米国特許第9,005,009号として特許を取得した米国特許公開第US2011/0059361;「低電解質電気化学セル」と題され、2011年9月22日に出願番号13/240,113として出願され、2012年3月22日に公開された米国特許公開第US2012/0070746;「エネルギー貯蔵デバイス用の多孔質構造」と題され、2011年2月23日に出願番号13/033,419として出願され、2011年8月25日に公開された米国特許公開第US2011/0206992;「電極のめっき技術」と題され、2012年6月15日に出願番号13/524,662として出願され、2013年1月17日に公開され、2017年1月17日に米国特許第9,548,492号として特許を取得した米国特許公開第2013/0017441号;「電気化学セル」と題され、2013年2月14日に出願番号13/766,862として出願され、2013年8月29日に公開され、2015年7月7日に米国特許番号9,077,041として特許を取得した米国特許公開番号US2013/0224601;「多孔質支持構造を含む電極、およびその製造方法」と題され、2013年3月8日に出願番号13/789,783として出願され、2013年9月26日に公開され、2015年12月15日に米国特許番号9,214,678として特許を取得した米国特許公開番号US2013/0252103;「電極構造およびその製造方法」と題され、2012年10月4日に出願番号13/644,933として出願され、2013年4月18日に公開され、2015年1月20日に米国特許番号8.936,870として特許を取得した米国特許公開番号US2013/0095380;「電極活性表面の前処理」と題され、2013年11月1日に出願番号14/069,698として出願され、2014年5月8日に公開され、2015年4月14日に米国特許番号9,005,311として特許を取得した米国特許公開番号US2014/0123477;「電気化学セル」と題され、2014年1月8日に出願番号14/150,156として出願され、2014年7月10日に公開され、2017年1月31日に米国特許番号9,559,348として特許を取得した米国特許公開番号US2014/0193723;「フィブリル材料」とだいされ、2014年3月5日に出願番号14/197,782として出願され、2014年9月11日に公開され、2016年11月6日に米国特許番号9,490,478として特許を取得した米国特許公開番号US2014/0255780;「電極の保護構造」と題され、2013年3月15日に出願番号13/833,377として出願され、2014年9月18日に公開された米国特許公開番号US2014/0272594;「保護された電極構造および方法」と題され、2014年3月13日に出願番号14/209,274として出願され、2014年9月18日に公開された米国特許公開第US2014/0272597;「電気化学セルでの電極の不動態化」と題され、2014年1月8日に出願番号14/150,196として出願され、2014年7月10日に公開され、2016年12月27日に米国特許番号9,531,009として特許を取得した米国特許公開番号US2014/0193713;「保護された電極構造」と題され、2014年3月13日に出願番号14/209,396として出願され、2014年9月18日に公開された米国特許公開第US2014/0272565;「充電式リチウム電池を含む電気化学セルの電極保護のためのセラミック/ポリマーマトリックス」と題され、2014年7月3日に出願番号14/323,269として出願され、2015年1月8日に公開された米国特許公開番号US2015/0010804;「電気化学セルにおける自己修復電極保護」と題され、2014年8月8日に出願番号14/455,230として出願され、2015年2月12日に公開された米国特許公開第US2015/044517;「電解質阻害イオン伝導体を使用した電極保護」と題され、2014年2月19日に出願番号14/184,037として出願され、2015年8月20日に公開された米国特許公開第US2015/0236322;「リチウムイオン電気化学セルおよび関連する電極と方法の保護層」と題され、2015年9月9日に出願番号14/848,659として出願され、2016年3月10日に公開された米国特許公開第US2016/0072132。
【0112】
ある部分(例えば、層、構造、領域)が別の部分に「上(on)」、「隣接(adjacent)」、「上(above)」、「上(over )」、「上に(overlying)」、または「支持(supported)」されている場合、それは直接である可能性があることを理解されたい。その部分に、または介在部分(例えば、層、構造、領域)も存在し得る。同様に、ある部分が別の部分の「下(below)」または「下(underneath)」にある場合、それはその部分の真下にあることができ、または介在部分(例えば、層、構造、領域)も存在し得る。別の部分に「直接(directly on)」、「直接隣接(directly adjacent)」、「すぐに隣接(immediately adjacent)」、「直接接触(in direct contact with)」、または「直接支持(directly supported by)」されている部分は、介在部分が存在しないことを意味する。また、ある部分が別の部分「の上にあり(on)」、「の上にあり(above)」、「に隣接し(adjacent)」、「の上にあり(over)」、「の上の上にあり(overlying)」、「に接触する(in contact with)」、「の下にあり(below)」、または「に支えられている(supported by)」と呼ばれる場合には、部分の全体または部分の一部をカバーすることができることも理解されたい。
【0113】
2019年6月21日に出願され、「電気化学デバイスに力を印加するための方法、システム、およびデバイス」と題された米国仮出願第62/864,831号は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明することを意図しているが、本発明の全範囲を例示するものではない。
【実施例】
【0115】
実施例1
この実施例は、従来のデバイス圧力デバイスと比較して、特定の実施形態による圧力デバイスを使用して力を印加しときに電気化学セルが経験する圧力の変化を説明する。この例では、電気化学セルを圧力デバイスの2つのプレートの間に配置する2つの実験を実行しました。最初の実験では、電気化学セルを比較デバイス1の2枚のアルミニウムプレートの間に配置した。電気化学セルに面する比較デバイス1の2つのプレートの表面は、両方とも電気化学セルに対して平坦であった。電気化学セルと平板の1つの間に圧力マッピングセンサーを配置した。比較デバイス1の2つのプレートは、圧力マッピングセンサーで測定されるように、電気化学セルに所望の全圧が印加されるまで一緒にクランプされた。電気化学セルの面全体で測定された圧力の範囲が記録された。
【0116】
第2実験では、電気化学セルを、本発明のデバイス1の2つの輪郭のあるアルミニウムプレートの間に配置した。デバイス1は、
図9A~9Eに示されるものと同じ設計を有していた。電気化学セルに面するデバイス1の2つのプレートの表面は、力が印加されていない前に、電気化学セルに対して両方とも凸状であった。圧力マッピングセンサーは、電気化学セルと輪郭のあるプレートの1つの間に配置されました。デバイス1の2つの輪郭のあるプレートは、圧力マッピングセンサーで測定されるように、所望の全圧が電気化学セルに印加されるまで、
図9A~9Eに示されるように、円筒形の圧縮ロッドおよびファスナを含む結合で一緒にクランプされた。電気化学セルの面全体で測定された圧力の範囲が記録された。表1は、比較デバイス1とデバイス1を含む実験から記録された圧力測定値を示している。
【0117】
【0118】
表1の結果は、電気化学デバイスに圧力を印可するために輪郭板を含む本発明の圧力デバイスを使用は、比較デバイス1の平板を使用し場合に経験した圧力の変動と比較して、電気化学セルの面全体で電気化学デバイスが経験する圧力の変動を小さくした。両方の実験で同様の全圧(12.5~12.6kg/cm2)が発生したが、比較デバイス1で記録された最小圧力と最大圧力の差(6.8kg/cm2)は、本発明のデバイス1で記録された最小圧力と最大圧力の差(2.0kg/cm2)の3倍以上であった。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書に記載および図示されているが、当業者は、機能を実行し、および/または結果および/または1または複数を取得するための様々な他の手段および/または構造を容易に想定する。本明細書に記載の利点、およびそのような変形および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。本発明の教示が使用される/使用される。当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に相当する多くの同等物を認識し、または通常の実験のみを使用して確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は単なる例として提示されており、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、本発明は、具体的に記載および特許請求される以外の方法で実施できることを理解されたい。本発明は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、および/または方法のそれぞれを対象とする。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法の2つ以上の任意の組み合わせが、本発明の範囲内に含まれる。発明。
【0120】
本明細書および特許請求の範囲で本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に反対に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0121】
本明細書および特許請求の範囲で本明細書で使用される「および/または」という句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外の他の要素が、明確に反対に示されない限り、具体的に識別される要素に関連するかどうかにかかわらず、任意選択で存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態ではBなしのA(任意選択で他の要素を含む)、別の実施形態ではAなしのB(任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態ではAおよびBの両方(任意選択で他の要素を含む)等を指すことができる。
【0122】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的であると解釈されるものとし、つまり、要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが、複数の要素またはヨウ素のリストおよび任意で追加のリストされていない項目を含むと解釈される。「の1つのみ」または「正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合は「からなる」など、反対に明確に示される用語のみが、数またはリストの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「どちらか」、「の1つ」、「の1つだけ」、または「正確に1つ」のような排他性の用語が前についている場合のみ、排他的な代替案(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)を示すものとして解釈されるものとする。「本質的にからなる」は、クレームで使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0123】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1または複数の要素のリストに関連する「少なくとも1つ」という句は、要素のリスト内の任意の1または複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的にリストされたすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、要素の組み合わせを除外する必要はない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定された要素に関連するかどうかにかかわらず、任意に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、任意で2つ以上のAを含み、Bが存在しない(および任意でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、少なくとも1つ、任意で2つ以上のBを含み、Aが存在しない(および任意でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意で2つ以上のAを含み、少なくとも1つ、任意で2つ以上のBを含む(および任意で他の要素を含む)等を指すことができる。
【0124】
特許請求の範囲および上記の明細書において、「含んで成る(comprising)」、「含む(including)」、「運ぶ(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」などのすべての移行句は、オープンエンドであると理解される。つまり、これに限定されないが、含まれることを意味する。米国特許庁特許審査手続マニュアルのセクション2111.03に記載されているように、「からなる」および「本質的にからなる」移行句のみが、それぞれクローズドまたはセミクローズド移行フレーズであるものとする。
【国際調査報告】