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特表2022-537014多結晶シリコンを製造及び分類するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-23
(54)【発明の名称】多結晶シリコンを製造及び分類するための方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/035 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
C01B33/035
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568013
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2019085569
(87)【国際公開番号】W WO2021121558
(87)【国際公開日】2021-06-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns-Seidel-Platz 4, D-81737 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュレック,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベンツァイス,マルクス
【テーマコード(参考)】
4G072
【Fターム(参考)】
4G072AA01
4G072BB01
4G072BB12
4G072GG03
4G072HH04
4G072HH07
4G072HH09
4G072JJ01
4G072MM21
4G072NN14
4G072RR01
4G072RR28
4G072UU01
4G072UU02
(57)【要約】
本発明は、多結晶シリコンを製造及び分類するための方法であって、以下のステップ
- 水素に加えてシラン及び/又は少なくとも1つのハロシランを含む反応ガスを気相堆積リアクターの反応空間に導入することによって多結晶シリコンロッドを製造するステップ、
- リアクターからシリコンロッドを引き出すステップ、
- 任意選択でシリコンロッドを粉砕してシリコンチャンクを得るステップ、
- シリコンロッドの少なくとも1つの部分領域の、又は少なくとも1つのシリコンチャンクの2次元及び/又は3次元画像を少なくとも1つ生成し、生成された画像ごとに少なくとも1つの分析領域を選択するステップ、
- 分析領域ごとに少なくとも2つの表面構造インデックスを画像処理方法によって生成するステップ、
- 表面構造インデックスを結合させてモホロジーインデックスを形成するステップ
を含み、
反応空間は、ケイ素が上に堆積して多結晶シリコンロッドを形成する少なくとも1つの加熱フィラメントロッドを含み、
各表面構造インデックスは、異なる画像処理方法を使用して生成される
方法を提供する。
シリコンロッド又はシリコンチャンクは、モホロジーインデックスに応じて分類され、様々なさらなる処理ステップに送られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶シリコンを製造及び分類するための方法であって、
- 水素に加えてシラン及び/又は少なくとも1つのハロシランを含む反応ガスを気相堆積リアクターの反応空間に導入することによって多結晶シリコンロッドを製造するステップ、
- リアクターからシリコンロッドを引き出すステップ、
- 任意選択でシリコンロッドを粉砕してシリコンチャンクを得るステップ、
- シリコンロッドの少なくとも1つの部分領域の、又は少なくとも1つのシリコンチャンクの2次元及び/又は3次元画像を少なくとも1つ生成し、生成された画像ごとに少なくとも1つの分析領域を選択するステップ、
- 分析領域ごとに少なくとも2つの表面構造インデックスを画像処理方法によって生成するステップ、
- 表面構造インデックスを結合させてモホロジーインデックスを形成するステップ
を含み、
反応空間は、ケイ素が上に堆積して多結晶シリコンロッドを形成する少なくとも1つの加熱フィラメントロッドを含み、
各表面構造インデックスは、異なる画像処理方法を使用して生成され、
シリコンロッド又はシリコンチャンクが、モホロジーインデックスに応じて分類され、異なるさらなる処理ステップに送られる、方法。
【請求項2】
2次元画像が、ドーム状照明具の下で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、特に好ましくは少なくとも4つの2次元画像が、それぞれ異なる視野角から生成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、特に好ましくは少なくとも4つの2次元画像が、それぞれ異なる照明の下で生成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
3次元画像が、光源としてレーザを使用して生成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
3次元画像の生成のために、チャンクの表面上のレーザポイント及び/又はレーザラインの散乱が評価されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
3次元画像が、レーザ三角測量及び/又はストライプ光投影によって生成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シリコンロッド又はシリコンチャンクが、コンベヤベルトによって2次元又は3次元画像の生成に送られることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
画像処理方法としてグレーレベル共起行列の決定によって第1の表面構造インデックスが生成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
画像処理方法としてランクフィルタ、特にメディアンフィルタを使用して第2の表面構造インデックスが生成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
凸包絡に対する窪みの識別の画像処理方法によって第3の表面構造インデックスが生成されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
線形結合によって表面構造インデックスが結合されてモホロジーインデックスを形成することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
さらなる処理ステップが、粉砕、パッケージング、選別、品質保証のためのサンプリング、及びこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコンを製造及び分類するための方法であって、多結晶シリコンが、2次元及び/又は3次元画像に基づいて決定されるモホロジー(morphology)インデックスに応じて分類され、様々な処理ステップに送られる、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多結晶シリコン(ポリシリコン)は、たとえばるつぼ引き上げ(チョクラルスキーすなわちCZ法)による、又はゾーンメルティング(フロートゾーン法)による単結晶(single-crystal)(単結晶(monocrystalline))シリコンの製造における原料としての役割を果たす。単結晶シリコンは、半導体産業において電子部品(チップ)の製造に使用される。
【0003】
ポリシリコンは、たとえばブロックキャスティング法による多結晶シリコンの製造にも必要とされる。ブロックの形態で得られる多結晶シリコンは、太陽電池の製造に使用されうる。
【0004】
ポリシリコンは、化学蒸着法であるシーメンス法によって得られうる。これは、電流を直接流すことによってベル型リアクター(シーメンスリアクター)内の支持体を加熱すること、並びにケイ素含有成分及び水素を含む反応ガスを導入することを含む。ケイ素含有成分は、一般的に、モノシラン(SiH)又は一般組成SiH4-n(n=0、1、2、3、X=Cl、Br、I)のハロシランである。これは、典型的には、クロロシラン又はクロロシラン混合物であり、通常トリクロロシラン(SiHCl、TCS)である。主に、SiH又はTCSが水素との混合物として使用される。典型的なシーメンスリアクターの構造は、たとえばEP2077252A2又はEP2444373A1に記載されている。リアクターの底部(底板)は、一般的に、支持体を受ける電極が提供される。支持体は、通例、シリコン製フィラメントロッド(細いロッド)である。典型的には、2本のフィラメントロッドがブリッジ(シリコン製)を介して接続され、電極を介して回路を形成するロッドペアを形成する。堆積中のフィラメントロッドの表面温度は、典型的には1000℃を超える。これらの温度において、反応ガスのケイ素含有成分は分解し、蒸気相からケイ素元素がポリシリコンとして堆積する。フィラメントロッド及びブリッジの直径は、結果として増大する。所定のロッド径に達した後、堆積は停止され、得られたポリシリコンロッドが引き出される。ブリッジの除去後、おおよそ円筒形のシリコンロッドが得られる。
【0005】
ポリシリコン、又はより正確にはポリシリコンロッド及びそれらから製造されるチャンクのモホロジーは、一般的に、さらなる処理における性能に強い影響を与える。ポリシリコンロッドのモホロジーは、基本的に堆積プロセスのパラメータ(たとえば、ロッド温度、シラン及び/又はクロロシラン濃度、比流量)によって決定される。パラメータに応じて、穴及び溝までを含む明瞭な界面が形成されうる。一般的に、これらはロッド内部に均質に分布しない。さらに、たとえばEP2662335A1に記載されているように、パラメータの変動の結果として、様々な(通常、同心性の)形態学的領域を有するポリシリコンロッドを形成することができる。モホロジーのロッド温度への依存性は、たとえばUS2012/0322175A1に提示されている。
【0006】
ポリシリコンのモホロジーは、密で滑らかなものから非常に多孔質で亀裂の入ったものまで多岐にわたる。密なポリシリコンは、クラック、細孔、ジョイント、及び亀裂を実質的に含まない。この種のポリシリコンの見かけの密度は、ケイ素の真密度と同等であると考えられうるか、又は少なくともこれに対応する非常に近い値である。ケイ素の真密度は、2.329g/cmである。
【0007】
多孔質で亀裂の入ったモホロジー、すなわち、非常に顕著なモホロジーは、特にポリシリコンの結晶化挙動に悪影響を及ぼす。これは、単結晶シリコンを製造するためのCZ法で特に明らかである。ここで、亀裂の入った多孔質ポリシリコンを使用すると、経済的に許容できない収量がもたらされる。CZ法において、特に密なポリシリコンは、一般的に、顕著により高い収量をもたらす。しかし、密なポリシリコンの製造は、より遅い堆積プロセスを必要とするため、通常、より高い費用がかかる。また、全ての用途に非常に密なポリシリコンを使用することが必要とされるわけではない。たとえば、ブロックキャスティング法で多結晶シリコンを製造するとき、モホロジーに対する要件は大幅に少ない。
【0008】
従って、ポリシリコンは、純度及びチャンクの大きさにしたがうだけでなく、そのモホロジーにしたがって区別され、分類される。たとえば空隙率(porosity)(閉鎖空隙率と開放空隙率の合計)、比表面積、粗さ、光沢及び色など、「モホロジー」という用語には、様々なパラメータが含まれうるため、モホロジーを再現性よく決定することは、大きな課題である。WO2014/173596A1で提案されているような、堆積後のポリシリコンロッド又はチャンクの人による視覚的評価、すなわち品質の個人的な印象を形成することは、再現性及び正確性がないという欠点があるだけでなく、低いスループットという欠点がある。通常、ポリシリコンロッド全体、又は最低でも大きなロッド区域を、品質の個人的な印象に基づいて分類することしかできない。また、通常のオペレーションでは、ランダムなサンプルに基づくモニタリングしか行われ得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2077252号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2444373号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2662335号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/0322175号明細書
【特許文献5】国際公開第2014/173596号
【特許文献6】欧州特許第2984033号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Handbuch der Bildverarbeitung 2018、49ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8
【非特許文献2】Handbuch der Bildverarbeitung 2018、51ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8
【非特許文献3】Handbuch der Bildverarbeitung 2018、60ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8
【非特許文献4】Handbuch der Bildverarbeitung 2018、263-68ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、特にその後のポリシリコンの処理をより効果的にするために、堆積後にポリシリコンのモホロジーを決定するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、ポリシリコンを製造及び分類するための方法であって、以下のステップ:
- 水素に加えてシラン及び/又は少なくとも1つのハロシランを含む反応ガスを気相堆積リアクターの反応空間に導入することによって少なくとも1つの多結晶シリコンロッドを製造するステップ、
- リアクターからシリコンロッドを引き出すステップ、
- 任意選択でシリコンロッドを粉砕してシリコンチャンクを得るステップ、
- シリコンロッドの少なくとも1つの部分領域の、又は少なくとも1つのシリコンチャンクの2次元(2D)及び/又は3次元(3D)画像を少なくとも1つ生成し、生成された画像ごとに少なくとも1つの分析領域を選択するステップ、
- 分析領域ごとに少なくとも2つの表面構造インデックスを画像処理方法によって生成するステップ、
- 表面構造インデックスを結合させてモホロジーインデックスを形成するステップ
を含み、
反応空間は、ケイ素が上に堆積して多結晶シリコンロッドを形成する少なくとも1つの加熱フィラメントロッドを含み、
各表面構造インデックスは、異なる画像処理方法を使用して生成される、方法によって達成される。
【0013】
シリコンロッド又はシリコンチャンクは、モホロジーインデックスに応じて分類され、異なる処理ステップに送られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】堆積後のモホロジーの決定のための配置を示す図である。
図2】ポリシリコンチャンクのセグメント化を示す図である。
図3】GLCMに基づく表面構造インデックスの決定を模式的に示す図である。
図4】様々なタイプのポリシリコンについて、GLCMベースの表面構造インデックスの分布をグラフで示す図である。
図5】窪みの識別に基づく表面構造インデックスの決定を模式的に示す図である。
図6】様々なタイプのポリシリコンについて、GLCMベースの表面構造インデックスの分布をグラフで示す図である。
図7】様々なタイプのポリシリコンについて、モホロジーインデックスの分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
冒頭で説明したように、堆積パラメータに応じて、様々なモホロジーを有するポリシリコンが形成され得、ここで界面によって互いに分離される異なるモホロジーの領域は、同一のポリシリコンロッド内にも、特にその断面積の半径方向に生じうる。ここで、モホロジーは、穴、細孔及び溝の頻度及び配置の結果生じるポリシリコン中の亀裂の程度を特に意味すると理解される。モホロジーは、ポリシリコンの空隙率であるとも理解されうる。
【0016】
堆積中、細孔及び溝の形成は、ポップコーンに似た表面構造から明らかである。プロファイルにおいて、いわゆるポップコーン表面は、隆起(山)と溝(谷)の蓄積である。
【0017】
一般的に、気相堆積リアクター中に配置されるフィラメントロッド/シリコンロッドの数は、本発明による方法の実行に重要ではない。気相堆積リアクターは、好ましくは、序論及びたとえばEP2662335A1に記載されるシーメンスリアクターである。フィラメントロッドは、好ましくはシリコン製ブリッジを介して接続されてロッドペアを形成するシリコン製の細い2本のロッドの1本であり、ロッドペアの2つの自由端は、リアクターの底部の電極に接続される。一般的に、2本(1対のロッドペア)よりさらに多くのフィラメントロッドがリアクターの空間に配置される。リアクター中のフィラメントロッド(シリコンロッド)の数の典型的な例は、24本(12対)、36本(18対)、48本(24対)、54本(27対)、72本(36対)、又は96本(48対)である。堆積中の全時間で、シリコンロッドは、常に円筒状に非常に近い形状であると表現されうる。これは、フィラメントロッドが円筒状の設計であるか、又はたとえば正方形の設計であるかに特に拘わらない。
【0018】
堆積の完了後、一般的には冷却時間の後、少なくとも1本のシリコンロッドがリアクターから引き出される。シリコンロッドペアが含まれる場合、ブリッジは、通常、引き出しの後に除去される。通常、電極に接続されていたシリコンロッドの領域も除去される。たとえばEP2984033B1に記載されるような装置が引き出しに使用されうる。
【0019】
粉砕を行う場合、粉砕は、たとえばハンマー又は空気圧チゼルによって手動で行われてもよい。粉砕に続き、ふるい分け、スクリーニング、空気圧による選別、及び/又は自由落下による選別を行うことができる。
【0020】
2D及び/又は3D画像の生成のために、好ましくは、シリコンチャンクは、互いに隣り合って配置されるよう分離される。分離は、特に好ましくは、シリコンチャンクが互いに触れないよう行われ、理想的には、たとえばシリコンチャンクの断片の大きさの平均に対応する互いからの間隔を互いに有する。
【0021】
2D及び/又は3D画像は、好ましくは、シリコンロッド全体、ブリッジ、及び一般的に除去されている電極に接続されていた領域に対して生成される。しかし、シリコンロッドは、複数の円筒状のセグメントにも分けられて存在しうる。画像が生成される部分領域は、シリコンロッドの外側面に隣接し、破面(おおよそ断面エリア)であってもよい。特に、外側面及び破面の両方の画像が生成される。
【0022】
特に好ましくは、反応空間に存在する全てのシリコンロッドの2D及び/又は3D画像が生成される。
【0023】
適切な照明具を有する1つ以上のカメラが2D画像を記録するために使用されうる。カメラは、たとえばモノクロ又はカラーカメラでありうる。カメラは、好ましくはデジタルカメラである。エリアスキャンカメラ(ピクセルの配列の形態のセンサ)及び(記録されるオブジェクト又はカメラの進行に対応する)ラインスキャンセンサの両方が使用されうる。
【0024】
一般的に、カメラのセンサシステムは、様々な光のスペクトル範囲をカバーし得る。典型的には、可視光領域用のカメラが使用される。紫外線(UV)及び/又は赤外線(IR)範囲用のカメラも使用されうる。シリコンロッド又はチャンクのX線記録が生成されてもよい。可視光領域のカメラに関し、純粋なグレースケール値の記録、又はカラー情報(RGBカメラ)の記録が可能である。さらに、フィルタリングを備える特殊な照明具が使用されてもよい。たとえば、青色の光の照明が行われ、通過帯域においてこの光の色に正確に設定されたフィルタリングが行われてもよい。このようにして、外部からの光の影響を避けることができる。
【0025】
原理上は、1つ以上のカメラが使用されうる。複数の画像を相互に関連付ける場合、一般的に、少なくとも画像が連続して生成される場合において、記録されるオブジェクトが静止していることが保証されなければならない。複数のカメラを使用するとき、好ましくは、画像は同時に記録される。それが不可能である場合、通常、ソフトウェアを使用して撮影間のオブジェクトの動きが補正されうる。
【0026】
原理上は、照明具には、様々な源及びそれらの源の様々な構成が使用されうる。様々な構成の例は、反射光、暗視野、明視野、若しくは透過光、又はこれらの組合せである。これらの方法は、たとえばHandbuch der Bildverarbeitung 2018(画像処理ハンドブック2018)、49ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8に記載される。
【0027】
白色光、赤色又は青色光、UV光、IR励起など、様々なスペクトル範囲の源が一般的に使用されうる。好ましくは、源は、できるだけ小さい明るさの経時的変化(ドリフト)を有する。LED照明具が理想的に使用されうる。短期的な強度を増大させるために、様々なスペクトル範囲の源を閃かせることができる。この場合、強度を調整するためにたとえばフラッシュコントローラが使用されうる。
【0028】
2D画像は、好ましくは、ドーム状照明具の下で生成される。ドーム状照明具は、全方向からオブジェクトに均等に入射する拡散光であると理解される(Handbuch der Bildverarbeitung 2018、51ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8)。これは、均質な照明を可能にする。ここで、異なる方向又は視野角からオブジェクトを照らすために、ドームの個々のセグメントのみをアクティブ化することが好ましい場合がある。
【0029】
好ましくは、少なくとも2つ、特に好ましくは、少なくとも3つ、とりわけ少なくとも4つの2D画像が、それぞれ異なる視野角から生成される。個々の画像は、好ましくは同時に、すなわち2つ、3つ、又は4つのカメラを使用して生成される。
【0030】
本方法のさらなる実施形態によれば、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、特に好ましくは少なくとも4つの2D画像が、それぞれ異なる照明の下で生成される。これは、たとえば、各画像に対し、ドーム状照明具の異なるセグメントをアクティブ化することによって保証されうる。このようにして、表面構造とテクスチャの分離が実現されうる(陰影からの形状(Shape from Shading)、Handbuch der Bildverarbeitung 2018、60ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8参照)。
【0031】
一方で3D画像は、固定されたグリッド(x及びy方向)上に高さ(z方向)を各ピクセルの値として記録する画像を意味すると一般的に理解される。しかし一方で、3D画像は、3Dのポイントクラウド、すなわち方向のうちの1つに固定されたグリッドのない、x値、y値、及びz値を有する点の集合を意味するとも一般的に理解される。
【0032】
3次元画像は、好ましくは、光源としてレーザを使用して生成される。
【0033】
好ましくは、3次元画像の生成のために、チャンク(複数可)チャンクの表面上のレーザポイント及び/又はレーザラインの散乱が評価される。
【0034】
3D画像は、好ましくは、レーザ三角測量(レーザ光切断法)、ストライプ投影、プレノプティックカメラ(ライトフィールドカメラ)、及び/又はTOF(飛行時間)カメラによって生成される。これらの方法は、Handbuch der Bildverarbeitung 2018、263-68ページ、ISBN:978-3-9820109-0-8に記載されている。
【0035】
レーザ三角測量において、通常、レーザ線はオブジェクトに投影され、オブジェクトに対して既定の角度にあるエリアスキャンカメラを使用して画像が記録される。カメラに近いオブジェクトの領域は、画像のより高い位置で画像化される。次いで、アルゴリズムは、画像から高さのプロファイルを決定する。オブジェクト又はセンサシステム(レーザ及びカメラ)を移動させることにより、オブジェクト全体の3D表面を記録することが可能になる。一般的に、レーザ及びカメラは、互いに対して自由に配置されることができ、規定の測定オブジェクトと組み合わされたソフトウェアを介して較正することができる。既に予め較正されている一体型センサも一般的に利用可能である。
【0036】
オブジェクトへパターン(たとえば、ストライプパターン及び位相の変化)を投影し、1つ以上のカメラによってそれを記録することで、3D情報を再構築することができる。
【0037】
シリコンロッド及び/又はシリコンチャンクの3D記録は、(コンピュータ)ステレオビジョンによっても生成されうる。一般的に、様々な視野角からオブジェクトを記録する複数のカメラを使用する。次いで、画像を互いに関連付けて3D画像を構築するために、ソフトウェア(たとえば、MVTecが提供するHALCON)が使用されうる。
【0038】
好ましくは、シリコンロッド又はシリコンチャンクは、コンベヤベルトによって2D及び/又は3D画像の生成に送られる。この場合のコンベヤベルトは、一定の進行速度を特に有する。特に好ましくは、画像は、異なる位置に配置される2つ以上のカメラを特に使用し、走行するベルトで連続して記録される。たとえば、シリコンロッドの画像は、連続して又はその長手方向軸に沿った様々な位置で生成されうる。しかし、必要に応じ、画像を生成するためにコンベヤベルトを停止させることもできる。
【0039】
好ましい実施形態によれば、コンベヤベルト上にドーム状照明具が配置される。
【0040】
また、2D及び/又は3D画像は、シリコンチャンクの自由落下中にも生成されうる。たとえば、ドーム状照明具に、開口が提供され、それを通してチャンクが落下し、取り囲むカメラによってチャンクが撮影されてもよい。この変形例において、ラインスキャンカメラが好適に使用されうる。
【0041】
また、ドーム状照明具を用いて決定されるモホロジーインデックスに応じてチャンクを選別する空気圧選別設備がコンベヤベルトの下流に配置されうる。
【0042】
2D及び/又は3D画像を生成した後、通常、これらの画像は画像処理をうける。画像処理は、特に、プロセスコントロールステーションのシステムに好ましくは一体化されるソフトウェアを使用して実行される。一般的に、生成された画像ごとに少なくとも1つの分析領域がソフトウェアによって選択される。
【0043】
分析領域(複数可)に基づき、様々な画像処理方法を用いて表面構造インデックスが生成される。好ましくは、分析領域ごとに2つ、特に3つの異なる表面構造インデックスが生成される。
【0044】
特に分析領域を決定するための画像処理は、以下のステップを含むことができる:
- 画像フィルタを使用して画像又は分析領域を処理する、たとえば、ブラーリング、又は方向微分を形成するステップ。
- 特定の情報を引き出す(たとえば、陰影から形状を引き出す、すなわち、構造とテクスチャを分離)ために、様々な画像を組み合わせるステップ。
- 画像又は分析領域の部分領域をセグメント化するステップであり、たとえば背景からのシリコンチャンクの単離、固定閾値若しくは動的閾値を使用する2値化、又は凸包絡を見つける方法である、ステップ。
- 分析領域についてインデックス(たとえば、グレーレベル共起行列(GLCM値又はヒストグラム値)を計算するステップ。
【0045】
第1の表面構造インデックスは、好ましくは、画像処理方法としてグレーレベル共起行列(GLCM)を決定することによって生成される。グレーレベル共起行列は、特定の方向における個々のグレースケールピクセルの隣接関係を記述する。隣接関係の個々の確率(グレーレベル共起行列の内容)を結合することにより、エネルギー、コントラスト、均質性、エントロピーなどのインデックスが計算されうる。この第1の表面構造インデックスに基づき、特に表面のテクスチャ(粗さ)に関する結論を出すことができる。
【0046】
第2の表面構造インデックスは、好ましくは、画像処理方法としてランクフィルタ、特にメディアンフィルタを使用して生成される。ここで、ランクフィルタは、たとえば局所的な暗点を探すために使用される。メディアンフィルタは、環境のベースグレースケール値を作成し、これに対して暗点が評価される。従って、これは絶対的グレースケール値ではなく、ポリシリコンの表面に穴又はクラックが識別されるかを決定する、環境に対する相対的グレースケール値である。
【0047】
第3の表面構造インデックスは、好ましくは、凸包絡に対する窪みを識別する画像処理方法によって生成される。まず、ポリシリコンにおける窪みの周りの領域が、たとえばグレースケール値の勾配(エッジのドロップオフ、窪みの急峻さ)を評価することによって判断される。分析領域内の全ての窪みについて平均化を行い、次いでこれによって穴及び溝の平均的な急峻さの決定が行われる。窪み(たとえば、穴又は溝)の寸法、すなわち、幅、長さ、深さ、体積、体積に対する内部表面積なども使用されうる。
【0048】
第4の表面構造インデックスも、(散乱によって引き起こされる)レーザラインの幅の決定による画像処理方法によって生成されうる。これは、レーザラインによって構造化された照明及びエリアスキャンカメラによる記録を含む。通常、分析領域のシリコン表面の各点におけるレーザラインの幅が決定され、シリコン表面の粗さに相関する値が生成される。表面構造インデックスの計算に関し、特に分析領域の散らばり(scatter)に対する平均値が計算される。平滑な表面上においては、レーザラインはやや細かく狭く形成されるが、粗いポップコーン表面上では、レーザラインはやや広く現れる。また、窪みでは様々な側面からの反射があるため、レーザライン幅も広くなる。この方法は、理想的には、従来のレーザ光切断法と組み合わせられうる。実際の高さ(3D情報)に加え、たとえば、それぞれの点における強度とラインの散乱(散らばり)が決定されうる。
【0049】
次いで、分析領域について得られる表面構造インデックスは、互いに結合され(演算によって結合され)て、シリコンチャンク又はシリコンロッドに対する(全体的な)モホロジー数を形成する。分析領域についてのモホロジーマップ(ヒートマップ)も作成されてもよい。
【0050】
一般的に、表面構造インデックスの結合には様々な方法が使用されうる。
【0051】
好ましくは、得られる表面構造インデックスは、線形結合によって結合されてモホロジーインデックスを形成する。
【0052】
使用される可能性のある、さらなる方法は、決定木の形成、サポートベクターマシン(SVM) 回帰、又は(ディープ)ニューラルネットワークである。
【0053】
モホロジーインデックスは、特に無次元インデックスであり、その値は、亀裂/細孔が多いほど、従ってポリシリコンのモホロジーが特徴的であるほど、大きくなる。
【0054】
分類にモホロジーインデックスを使用することは、品質保証及び生産性の最大化に大きな可能性をもたらす。特に、異なるタイプのポリシリコン(たとえば、電子半導体用途用又は太陽発電用途用のポリシリコン)が識別され、モホロジーインデックスに基づき、適切なさらなる処理ステップにターゲット化して送られることができる。
【0055】
たとえば、非常に密なポリシリコンロッドは、CZ法に適切なものとして分類され、対応する粉砕装置に割り当てられうる。
【0056】
全体として堆積をより効果的にするために、堆積後のモホロジーの持続的な監視が用いられてプロセスレジームを適合させることもできる。
【0057】
さらなる処理ステップは、粉砕、パッケージング、選別(たとえば、空気圧による選別又は自由落下による選別)、品質保証のためのサンプリング、及びこれらの組合せからなる群から選択されうる。
【0058】
図1は、その進行方向が2本の矢印で示されるコンベヤベルト12を含む配置10を示す。コンベヤベルト12上には、モホロジーに基づいて分類されるポリシリコンチャンク20が離れて位置する。複数のカメラ18及び光源16を備えるドーム状照明具14は、コンベヤベルト12の上に配置される。カメラ18及び光源16は、ソフトウェアと連結し、それぞれ個別に制御されうる。たとえば、光源16を用いて結果として均質な光の状態が生成されることができる。しかし、特定の方向からの光の入射も作られうる。次に、モホロジーの決定のために、1つ又は複数のチャンク20がドーム状照明具14の下に移動され、選択された撮像セットアップに従ってチャンク20の2D画像が生成される。好ましくは、画像は連続して、すなわちコンベヤベルト12を停止させることなく生成される。ソフトウェアを用い、生成された画像から表面構造インデックスが決定され、次いで結合されてモホロジーインデックスを形成し、モホロジーインデックスは、次いで分類に使用される。例として、コンベヤベルト12の端部に選別設備が配置されうる。原理上は、コンベヤベルト12上のドーム状照明具14の下で、シリコンロッドをその長手方向軸に沿って移動させることもできる。
【0059】

気相堆積リアクター中で3つの異なる品質タイプのポリシリコンロッドを製造した。
【0060】
タイプ1は、特に半導体の製造に適する、非常に密なポリシリコンである。これらは、一般的に、ロッドの表面と内部の間でモホロジーの違いがほとんどない。
【0061】
タイプ2は、中程度の稠密さを有し、費用が最適化されたロバストな半導体用途、及び単結晶シリコンを使用する、要求の厳しい太陽発電用途に特に使用される。
【0062】
タイプ3は、ポップコーンの割合が多い。タイプ3は、比較的亀裂の入った表面と、高い空隙率を有する。タイプ3は、太陽発電用途用の多結晶シリコンの製造に特に使用される。
【0063】
各タイプのロッドをそれぞれ粉砕し、図1に図示されるドーム状照明具を使用し、各チャンクのモホロジーインデックスを決定した。粉砕後、まずチャンクをコンベヤベルト上で分離し、ドーム状照明具の下を一定の速度(進行速度)で移動させた。ドーム状照明具は、異なる位置に6個のエリアスキャンカメラを装備していた。複数の視野角から2D画像を同時に生成した。チャンクごとに合計で6枚の画像を記録した。以下に説明される評価において、明瞭性を目的として、チャンクごとに1つの(コンベヤベルト表面に対して直角な視野角で上から見た)画像についてのみ、評価、すなわち、モホロジーインデックスの決定を行った。合計で4103個のチャンクのタイプ1、9871個のタイプ2、及び6918個のタイプ3のポリシリコンを試験した。
【0064】
各画像について、分析領域をセグメント化により規定した。図2は、タイプ3ポリシリコンチャンクに基づいて分析領域を生成するためのセグメント化の例を示す。セグメント化された領域、すなわち分析領域は、図2の右側に図示される。
【0065】
チャンクのセグメント化は、以下のステップによって実行される:
(1)鋭いエッジを平滑化するために画像領域全体にフィルタ(ブラー)を適用する。
(2)輝度(brightness)差を計算するためにさらなるフィルタ(ソーベルフィルタ、方向非依存)を適用する。
(3)既定の閾値よりも大きな輝度差を有する領域を識別することにより外側から内側へチャンクをセグメント化する。これは、関連領域(図2の右側参照)のみが分析領域として残るまで、輝度差が小さ過ぎる領域を外側から順に繰り返し削除することを含む。
【0066】
この分析領域から、グレーレベル共起行列(GLCM値)の決定によって第1の表面構造インデックスが生成され、窪みの識別及び評価によって第2の表面構造インデックスが生成される。
【0067】
GLCM値の計算のためのスキームは、図3に図示される。
【0068】
GLCM(グレーレベル共起行列)は、グレースケール値の組合せを数えることによって決定される。GLCMにおいて、分析領域中の各ピクセルについて成分が作られ、ここでiは、そのピクセル自体のグレースケール値であり、jは、近接するピクセルのグレースケール値である。典型的な2D画像中のピクセルは、隣接するピクセルを8個有するので、全方向に対するGLCMを決定し、それらの平均値をとることが一般的である。直接隣接する値を使用せず、nピクセル離れて隣接する値を使用することも可能である。本例においては直接隣接する値を使用した。次いで、行列成分の合計による除算が通常行われる。そうして得られる値は、特定のグレースケール値の組合せの確率pに対応する。
【0069】
コントラストの検討(式(I)):この目的で、高いコントラスト(すなわち、大きなグレースケール値の差)に高い重みが提供される。式(I)の|i-j|という項は、値が主対角線から可能な限り離れているときに大きくなる。これらは、iとjが最も大きく異なる、すなわち、グレースケール値が最も大きく異なる値である。
【0070】
均質性の検討(式(II)):ここでは1+|i-j|という項による除算がある。従って、主対角線に近い値がより重く重み付けされる。その結果、このインデックスにおいて、非常に類似するグレースケール値範囲を有する領域は、より高い値が与えられる。従って、原理上は、2つの表面構造インデックスは、式(I)及び(II)から得られる。
【0071】
図4に示される、3つの異なるタイプのポリシリコンのGLCMインデックスのグラフによる評価から、均質性及びコントラストについて得られる値は反対であることがわかる。個々のポリシリコンタイプのインデックスの分布をヒストグラムで図示する。X軸の値は、それぞれのインデックスの値に対応する。密度は、特定の値の発生に対する相対的な頻度に関係する。
【0072】
窪みの識別と評価に基づく第2の表面構造インデックスの生成が図5に模式的に示され、一方で面積当たりの穴の数が、他方で穴の大きさが、穴のエッジにおけるグレースケール値の勾配の平均として決定されている。周囲に対する窪みを表示するためメディアンフィルタが使用される。これにより、既定された閾値よりも小さい値、及びピクセルで既定された最小の大きさを有する領域を続いて見つけ出し、マークを付けることが可能となる(異なる大きさの長方形参照)。
【0073】
第2の表面構造インデックスの評価を図6に図示する。ここで、分析領域における穴の領域が数えられ、ピクセル面積に対して出力される。タイプ1(非常に密)に関し、穴は非常にわずかしか存在せず、すなわち、インデックスは0に近い値を有する。タイプ2にはやや多くの穴が存在する。タイプ3(亀裂を有する)は、明確な穴の分布を有する(図6下参照)。穴の評価のため、穴の大きさを穴のエッジにおける平均的な勾配(グレースケール値のドロップオフ)とみなし、この値をスケーリングした。タイプ1については、存在する穴の深さがあまり深くなく、顕著ものでなく、その結果暗く見えないため、この値はより低くなる。タイプ2及びタイプ3については、穴領域がより強く顕著であり(より急勾配であるため、より暗い)、その結果、インデックスの値は大きくなる。
【0074】
関連するポリシリコンチャンクが、たとえば選別(すなわち分類)をうけるための基準として使用されうるモホロジーインデックスを得るため、決定された表面構造インデックスは、最終ステップにおいて互いに結合される(演算によって結合される)。この結合は、以下の式を使用する線形結合によって行われる。
【0075】
【数1】
ここで、
j,i=j番目のチャンクのi番目のインデックス
=i番目のインデックスの勾配
=i番目のインデックスのベース値
=j番目のチャンクのモホロジー値
【0076】
線形結合の結果を、ヒストグラムを用いて図7に示す。結果として得られる分布は著しく異なるため、異なる3つのタイプのポリシリコンは互いに区別可能である。複数のインデックスを結合することで、方法はよりロバストになり、個々の異常値に依存しなくなる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶シリコンを製造及び分類するための方法であって、
- 水素に加えてシラン及び/又は少なくとも1つのハロシランを含む反応ガスを気相堆積リアクターの反応空間に導入することによって多結晶シリコンロッドを製造するステップ、
- リアクターからシリコンロッドを引き出すステップ、
- 任意選択でシリコンロッドを粉砕してシリコンチャンクを得るステップ、
- シリコンロッドの少なくとも1つの部分領域の、又は少なくとも1つのシリコンチャンクの2次元及び/又は3次元画像を少なくとも1つ生成し、生成された画像ごとに少なくとも1つの分析領域を選択するステップ、
- 分析領域ごとに少なくとも2つの表面構造インデックスを画像処理方法によって生成するステップ、
- 表面構造インデックスを結合させてモホロジーインデックスを形成するステップ
を含み、
反応空間は、ケイ素が上に堆積して多結晶シリコンロッドを形成する少なくとも1つの加熱フィラメントロッドを含み、
各表面構造インデックスは、異なる画像処理方法を使用して生成され、
画像処理方法が、グレーレベル共起行列の決定、ランクフィルタの使用、凸包絡に対する窪みの識別、及びレーザライン幅の決定からなる群から選択され、シリコンロッド又はシリコンチャンクが、モホロジーインデックスに応じて分類され、異なるさらなる処理ステップに送られる、方法。
【請求項2】
2次元画像が、ドーム状照明の下で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、特に好ましくは少なくとも4つの2次元画像が、それぞれ異なる視野角から生成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、特に好ましくは少なくとも4つの2次元画像が、それぞれ異なる照明の下で生成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
3次元画像が、光源としてレーザを使用して生成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
3次元画像の生成のために、チャンクの表面上のレーザポイント及び/又はレーザラインの散乱が評価されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
3次元画像が、レーザ三角測量及び/又はストライプ光投影によって生成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シリコンロッド又はシリコンチャンクが、コンベヤベルトによって2次元又は3次元画像の生成に送られることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ランクフィルタがメディアンフィルタであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
線形結合、サポートベクターマシン、回帰、又は人工ニューラルネットワークによって表面構造インデックスが結合されてモホロジーインデックスを形成することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
さらなる処理ステップが、粉砕、パッケージング、選別、品質保証のためのサンプリング、及びこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】