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特表2022-537020機械又はロボット用の安全スイッチ要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-23
(54)【発明の名称】機械又はロボット用の安全スイッチ要素
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20220816BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20220816BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
H01H13/14 A
B25J19/06
G05B9/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571921
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 AT2020060222
(87)【国際公開番号】W WO2020243761
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】102019114973.8
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504320868
【氏名又は名称】ケバ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート シニンガー
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト レーナー
【テーマコード(参考)】
3C707
5G206
5H209
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707JU14
3C707KS33
3C707KS38
3C707LS04
3C707MS29
3C707MT01
3C707MT08
5G206AS36L
5G206GS16
5H209AA06
5H209AA07
5H209DD06
5H209GG05
5H209HH04
(57)【要約】
本発明は、機械(4)又はロボット(5)で、手動制御プロセス又はプログラミングプロセスのための、機械制御又はロボット制御のプログラミング要素及び/又は操作要素(18)と組み合わせて使用するための安全スイッチ要素(1)、動作手順又は運転ステータスをプログラミング及び/又は制御するためのプログラミング要素及び/又は操作要素(18)を備えた、安全スイッチ要素(1)を含む、ロボット(5)又は他の機械(4)のための操作装置(3)、特に手持ち式の操作装置(11)、並びに、緊急停止切換手段(19)と有効化スイッチ(20)とを含む安全スイッチ要素(1)で機械(4)又はロボット(5)を安全な運転ステータスに移行させるための方法に関し、緊急停止切換手段(19)は、緊急停止切換ステータスの非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)を交互に取り得ることを可能にし、有効化スイッチ(20)は、休止ステータス(R)や許可ステータス(Z)など少なくとも2つの有効化スイッチ・切換ステータスを交互に取り得ることを可能にし、有効化スイッチ(20)は緊急停止切換手段(19)に荷重支持的に支持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(4)又はロボット(5)で、手動制御プロセス又はプログラミングプロセスのための、機械又はロボット制御のプログラミング要素及び/又は操作要素(18)と組み合わせて使用するための安全スイッチ要素(1)であって、
緊急停止切換手段(19)であって、緊急停止切換ステータスの非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)とを交互に取り得ることを可能にする緊急停止切換手段(19)と、
有効化スイッチ(20)であって、休止ステータス(R)及び許可ステータス(Z)など、少なくとも2つの有効化スイッチ・切換ステータスを交互に取り得ることを可能にする有効化スイッチ(20)と、を備えた安全スイッチ要素(1)において、
前記有効化スイッチ(20)は、前記緊急停止切換手段(19)に荷重支持的に支持されている、ことを特徴とする安全スイッチ要素(1)。
【請求項2】
前記緊急停止切換手段(19)は中空室(23)を画定する環状側壁(22)を含み、前記中空室(23)は前記有効化スイッチ(20)を受容する、ことを特徴とする請求項1に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項3】
前記有効化スイッチ(20)は、緊急停止切換手段(19)内に同心円状に受容されていることを特徴とする、請求項2に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項4】
前記有効化スイッチ(20)は、前記緊急停止切換手段(19)の荷重支持領域(33)で荷重支持的に支持されていることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項5】
前記荷重支持領域(33)は、前記緊急停止切換手段(19)の環状側壁(22)の内周面(35)に設けた少なくとも1つの段差部(34)として形成され、該段差部(34)で前記有効化スイッチ(20)が少なくとも部分的に荷重支持的に支持されていることを特徴とする、請求項4に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項6】
前記有効化スイッチ(20)の有効化スイッチ操作部(26)に第1の操作力(45)を加えることにより前記許可ステータス(Z)を取り得ることができ、前記有効化スイッチ操作部(26)に第2の操作力(46)を加えることによって前記緊急停止切換手段(19)の前記動作ステータス(A)を取り得ることができ、前記第1の操作力(45)は第2の操作力(46)と比較して小さいことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項7】
前記緊急停止切換手段(19)の環状側壁(22)の上部壁領域(24)に環状の操作保護鍔部(25)が形成されていて、前記有効化スイッチ(20)の有効化スイッチ操作部(26)から少なくとも部分的に突出していることを特徴とする、請求項1~6の何れか何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項8】
前記操作保護鍔部(25)は少なくとも1つの凹部(27)を有しており、前記操作保護鍔部(25)が前記凹部(27)の領域で前記有効化スイッチ操作部(26)の表面(28)と少なくとも部分的にほぼ同一平面上にあるように設計されていることを特徴とする、請求項7に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項9】
前記緊急停止切換手段(19)は前記有効化スイッチ(20)に対する駆動部材(36)を含んでおり、前記動作ステータス(A)が示されている場合、前記有効化スイッチ(20)を前記許可ステータス(Z)に操作するのを前記駆動部材(36)がブロックすることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項10】
前記緊急停止切換手段(19)は、緊急停止ロック位置を取り得るための緊急停止ロック装置(40)を含み、前記動作ステータス(A)では前記緊急停止ロック位置を取り続けることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項11】
前記緊急停止切換手段(19)は、少なくとも1つの開放接点(42)をアクティブ化するように形成され、前記開放接点(42)は前記動作ステータス(A)を取り得るために少なくとも1つの緊急停止安全回路(30)を開くように形成され、前記有効化スイッチ(20)は少なくとも1つの閉鎖接点(43)を作動させるように形成され、前記閉鎖接点(43)は前記許可ステータス(Z)を取り得るために少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路(31)を閉じるように形成されていることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項12】
少なくとも1つの閉鎖接点(43)を備えた少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路(31)は、前記緊急停止切換手段(19)に荷重支持的に支持されていることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項13】
前記緊急停止切換ステータス及び/又は前記有効化スイッチ・切換ステータスからシステムステータス(52)を決定するように構成された評価ロジック部(32)が設けられていることを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項14】
前記緊急停止切換手段(19)の前記動作ステータス(A)から出発して非動作ステータス(I)がアクティブ化され、前記許可ステータス(Z)はアクティブになると、前記評価ロジック部(32)はシステムエラーステータス(Fs)を決定する、ことを特徴とする、請求項13に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項15】
第1の操作力及び/又は第2の操作力(45、46)による前記有効化スイッチ(20)の操作時間を決定するように構成された測定装置(41)が設けられていることを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項16】
前記緊急停止切換手段(19)が照明ユニットでバックライトされるように設計されており、該照明ユニットは前記緊急停止切換手段(19)を有色にバックライトするように形成されていることを特徴とする、請求項1~15の何れか一項に記載の安全スイッチ要素(1)。
【請求項17】
動作手順又は運転ステータスをプログラミング及び/又は制御するためのプログラミング要素及び/又は操作要素(18)を備えた、ロボット(5)又は他の機械(4)のための操作装置(3)、特に手持ち式の操作装置(11)において、
請求項1~16の一項以上に記載の安全スイッチ要素(1)を含むことを特徴とする、操作装置(3)。
【請求項18】
機械(4)又はロボット(5)を安全な運転ステータスに移行させるための方法であって、
請求項1~16の一項以上に記載の安全スイッチ要素(1)を用意する方法ステップと、
有効化スイッチ(20)を操作して緊急停止切換手段(19)を動作ステータス(A)に調節する方法ステップと、を含む方法。
【請求項19】
有効化スイッチ操作部(26)に第2の操作力(46)を加えることによって前記緊急停止切換手段(19)の前記動作ステータス(A)を取り得ることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記動作ステータス(A)が示されると、前記有効化スイッチ(20)を許可ステータス(Z)に操作するのを駆動部材(36)がブロックすることを特徴とする、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記緊急停止切換手段(19)を操作した後では前記動作ステータス(A)を取り続け、前記緊急停止切換手段(19)は緊急停止ロック位置にロックされ続けることを特徴とする、請求項18~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記緊急停止切換手段(19)を操作すると、少なくとも1つの緊急停止安全回路(30)が前記動作ステータス(A)を取り得るために開くことを特徴とする、請求項18~21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
有効化スイッチ操作部(26)に第2の操作力(46)を加えることによって、少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路(31)が前記動作ステータス(A)を取り得るために開くことを特徴とする、請求項18~22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記動作ステータス(A)において、前記有効化スイッチ(20)は休止ステータス(R)に留まり、及び/又は前記許可ステータス(Z)が取り消されることを特徴とする、請求項18~23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
緊急停止切換ステータス及び/又は有効化スイッチ・切換ステータスが評価ロジック部(32)によって決定されることを特徴とする、請求項18~24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記緊急停止切換手段(19)の前記動作ステータス(A)から出発して非動作ステータス(I)がアクティブ化され、前記許可ステータス(Z)はアクティブになると、前記評価ロジック部(32)はシステムエラーステータス(Fs)を決定する、ことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1の操作力及び/又は第2の操作力(46)による有効化スイッチ(20)の操作時間が、測定装置(41)によって決定されることを特徴とする、請求項18~26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記緊急停止切換手段(19)は照明ユニットで有色にバックライトされ、前記緊急停止切換手段(19)は利用可能であることをオペレータ(12)に通知されることを特徴とする、請求項18~27の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全スイッチ要素、動作手順又は運転ステータスをプログラミング及び/又は制御するためのプログラミング要素及び/又は操作要素を備えた、安全スイッチ要素を含む、ロボット又は他の機械のための操作装置、特に手持ち式操作装置、並びに、安全スイッチ要素で機械又はロボットを安全な運転ステータスに移行させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業的な慣行では、1台以上の完全自動制御及び/又は半自動制御された機械を用いて生産手順又は製造プロセスを実施するのが通例であり、これらの機械は一部多数のシステムコンポーネントからなる大規模なシステムに組み合わせることができる。これらのプロセスは、例えば関与する質量、エネルギー、力、温度、放射、物質などが、基本的に人々の健康や生命さえも危険にさらす可能性のある手順又は動作を含んでいることがよくある。これは、特に異常又は不適切な例外的状況又はエラーが発生した場合に適用するものである。
【0003】
したがって、オペレータが危険な状況にできるだけ迅速に対処して危険な状況を明確に終わらせることを可能にするために、手動操作可能な安全スイッチ要素を、システムコンポーネント又は機械又は機械部品の、周囲又は領域で容易に接近できて見える場所に配置することが合理的であり、よく知られており又は規定されてもいる。このような安全スイッチ要素を手動で操作すると、システム又はシステムコンポーネント又は機械を安全なステータスにもたらすことができる。それぞれのシステム又はシステムコンポーネントの、タイプ又は構成に応じて、安全なステータス又は運転ステータスへの移行は、例えば駆動装置又はアクチュエータのスイッチを切る、エネルギー供給を遮断する、ブレーキ装置を作動させる、又は同様の措置によって実現できる。
【0004】
このような安全スイッチ要素には、例えば既知のキノコ型の緊急停止スイッチ又は非常停止スイッチが含まれる。このような安全スイッチ要素を明確かつ疑いなく識別できるようにするために、関連規格で特定の色のマーキングが提案され、又は多くの場合規定されている。それによって、例えば緊急停止スイッチは、システム又はシステムコンポーネントを操作するために特別に訓練されていない人々にとっても、相応に色分けされた緊急停止スイッチとその効果は明確に認識でき、又はよく知られている。
【0005】
工業生産においてプロセスと手順は、システムの電気的及び/又は油圧的に制御可能なコンポーネントに効果的に作用できる機能的な電子制御装置によって大部分が自動化されているが、特定の手順又はタスクには人間のオペレータによる手動操作又は制御が、合理的であり、又は必要である。その例として、例えば調整や工具の交換、誤動作又はエラーの除去、ロボットのプログラミング、ロボットパスの学習や最適化が含まれ、これは当業者にはロボットのティーチングとしても知られている。
【0006】
人間のオペレータによる制御コマンドの入力は、関連する位置で機械に組み込まれている固定した操作装置で行うのが標準である。
【0007】
さらに、今日では人間のオペレータによる制御コマンドの手動入力を必要とする手順又はタスクには、しばしば移動式又は可搬式の操作装置が使用される。このような移動式手持ち式操作装置により、オペレータはシステム又は機械の領域である程度の移動性を得ることができる。この場合の利点は、手動操作中にオペレータが機械の領域で適当又は好都合な観察位置を取ることができることである。
【0008】
基本的に、そのようなデータ、信号及び制御コマンドを提供又は伝送するための移動式手持ち式操作装置は、有線又は無線通信接続を介して、電気的に制御可能なシステム及び/又はシステムコンポーネントの1台以上の機能的な制御装置に接続することができる。そのような信号技術的及びデータ技術的に連結された手持ち式操作装置での制御コマンドの入力は、相応の通信接続を介して制御装置に伝送することができ、次に制御装置は伝送又は提供された制御コマンドを直ちにアクチュエータ、駆動装置、加熱手段又は冷却手段、又はその他の電気的及び/又は油圧的に制御可能な機械コンポーネントに対する相応の制御信号に変換する。これに関連して安全性の観点から、手持ち式操作装置にも少なくとも1つの安全スイッチ要素が、例えば緊急停止スイッチ又は非常停止スイッチの方式で設けられていると非常に有利である。
【0009】
特許文献1には、手動運転又は手動操作で機械制御の本来の制御要素と組み合わせて使用する、電気制御式機械のための安全スイッチ装置が開示されている。この安全スイッチ装置は、オペレータが所望のスイッチ機能に応じて保持フレームに対して相対的に調節できる少なくとも1つの操作装置を備え、操作装置は少なくとも1つの電気的スイッチ要素の切換ステータスを変更するように形成されており、安全停止装置は、調節可能な操作要素に十分高い操作力が作用している間だけ取り得る少なくとも1つのスイッチ位置を有する。
【0010】
特許文献2には、機械又はロボットで手動制御プロセス又はプログラミングプロセスのために、機械制御又はロボット制御の通常のプログラミング要素及び/又は操作要素と組み合わせて使用する安全スイッチ装置が記載されている。安全スイッチ装置は、少なくとも2つ、特に3つの切換ステータス、即ち休止ステータス、許可ステータス及び/又は非常時ステータスを交互に取ることを可能にし、力センサ又は圧力センサが配置されていて、オペレータは安全スイッチ装置を操作する(切り替える)ために力を加えることができる。力センサ又は圧力センサは、力センサ又は圧力センサによって記録された負荷値に依存してそれぞれ取られる切換ステータスを決定するために、電子評価装置と接続されている。
【0011】
従来技術には、追加の操作機能を有する別の緊急停止スイッチもある。
【0012】
特許文献3には、操作シャフトに取り付けた回転グリップを備えた回転スイッチが記載されている。回転グリップの上側を形成する少なくとも1つのグリップ部はばね力に対して軸方向に移動可能であり、その際に緊急停止スイッチ装置のスイッチプランジャと係合する。
【0013】
特許文献4には、ロボットの移動式安全基本制御装置が開示されている。この装置は、手持ち式ハウジング、ハウジングに配置された緊急停止切換手段、及び移動式安全基本制御装置をロボットのロボット制御と制御技術的に接続するための通信装置を有し、さらにハウジングと接続されたホルダを有し、このホルダは移動式安全基本制御装置を端末制御装置とマルチタッチスクリーンを有する移動式端末装置で支持するように形成されており、このマルチタッチスクリーンは入力を、マルチタッチスクリーンを介して端末装置制御に伝送するように形成されており、移動式安全基本制御装置は符号化装置を有し、この符号化装置はホルダによって移動式端末装置に支持された移動式安全制御装置のある状態で、移動式安全基本制御装置を識別する少なくとも1つの識別コードを、自動的にマルチタッチスクリーンを介して端末装置制御に伝送するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第03/012809(A1)号
【特許文献2】独国特許出願公開第10023199(A1)号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19724567(A1)号明細書
【特許文献4】国際公開第2017/198580(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、先行技術の短所を克服して、複数の機能を統合する改善された安全スイッチ要素を提供し、オペレータの使いやすさと安全性を高めると同時に安全スイッチ要素の配置に必要なスペースを減らすことであった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題は、特許請求の範囲に記載された装置と方法によって解決される。
【0017】
本発明は、機械又はロボットで、手動制御プロセス又はプログラミングプロセスのための、機械制御又はロボット制御のプログラミング要素及び/又は操作要素と組み合わせて使用するための、緊急停止切換手段と有効化スイッチとを含む安全スイッチ要素に関し、緊急停止切換手段は、緊急停止切換ステータスの非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)を交互に取ることを可能にし、有効化スイッチは、休止ステータス(R)や許可ステータス(Z)など少なくとも2つの有効化スイッチ・切換ステータスを交互に取ることを可能にし、有効化スイッチは緊急停止切換手段に荷重支持的に支持されている。
【0018】
緊急停止切換装置と有効化スイッチを組み合わせた安全スイッチ要素で有利なのは、機械、ロボット、固定式又は移動式操作装置、特に手持ち式操作装置、又は工業設備のその他の部分にスイッチ要素を配置又は位置決めするために、必要なスペースが2つのスイッチ要素を別々に配置する場合よりも大幅に少ない点である。この場合、同時に迅速で簡単なアクセスが保証される。
【0019】
さらに、緊急停止切換手段と有効化スイッチを組み合わせることにより、切換ソケットなどの特定の部材を緊急停止切換手段と有効化スイッチによって共通に使用でき、安全スイッチ接点などの電気機械コンポーネントを節約することができるため、コスト効率の高い製造が可能となる。
【0020】
緊急停止切換手段を形成することにより、オペレータの手のひらで簡単に操作することもできる。緊急停止切換手段が動作すると、緊急停止動作ステータス(A)で機械的ロックが行われる。
【0021】
有効化スイッチは、許可ステータス(Z)から休止ステータス(R)に自動的に復元するように設計されている。このような復元は、例えばばね力を用いて実現することができる。
【0022】
複数の機能が1つのスイッチ要素に統合されて、オペレータが有効化スイッチと緊急停止切換手段を交替する必要がないことも有利である。これにより、例えば有効化スイッチでプログラミング操作を実行する過程で安全上重要な状況が発生した場合に、オペレータは緊急停止切換手段を掴みなおす必要がないため、安全性が著しく向上する。ここで、「掴みなおす」とは別々に配置された2つのスイッチ要素を交互に使用することを意味し、その場合には有効化スイッチと緊急停止切換手段を1つの安全スイッチ要素にまとめられていない。
【0023】
オペレータは、有効化スイッチに高められた操作力を加えることによっても、緊急停止切換手段の動作ステータス(A)を迅速かつ安全にもたらすことができる。
【0024】
また、別の利点は、緊急停止切換手段の操作領域を特定の力、即ち第2の操作力で操作すると、緊急停止動作ステータス(A)がアクティブになり、その際に有効化スイッチは触れられず休止ステータス(R)に留まっている。緊急停止動作ステータス(A)がアクティブになったときに、有効化スイッチが既に許可ステータス(Z)にある場合、許可ステータス(Z)は後段に接続された評価ロジック部によって解消される。評価ロジック部は、電気的、機械的及び/又は電気機械的評価ロジック部であってよい。
【0025】
評価ロジック部は安全スイッチ要素の全体ステータス又はシステムステータスを反映しており、システム休止ステータス(Rs)、システム許可ステータス(Zs)、システム非常時ステータス(Ps)、システム緊急停止動作ステータス(As)、及びシステムエラーステータス(Fs)を含む。システム休止ステータス(Rs)では、緊急停止切換手段は非動作ステータス(I)にある。
【0026】
有効化スイッチ又はシステムは、任意選択の第3の有効化スイッチ・切換ステータス、即ちシステム非常時ステータス(Ps)を取り得るようにも形成されている。非常時ステータス(Ps)は当業者には「パニック」又は「押し込み(durchgedruckt)」としても知られている。
【0027】
別の可能性は、有効化スイッチを第2の操作力で操作することによって緊急停止動作ステータス(A)がアクティブになり、有効化スイッチを第1の操作力で操作する過程で許可ステータス(Z)又はシステム許可ステータス(Zs)がアクティブになるが、緊急停止動作ステータス(A)がアクティブになった後では許可ステータス(Z)又はシステム許可ステータス(Zs)はもはや取られないか解消され、システム緊急停止動作ステータス(As)又はシステム非常時ステータス(Ps)が取られ得る。
【0028】
代替例は、測定装置又はタイマーを含む評価ロジック部を後段に接続することであり、第1の操作力が有効化スイッチ上に留まる滞留時間を測定し、滞留時間が例えば0.5秒より短いと、許可ステータス(Z)をアクティブ化するがシステム許可ステータス(Zs)を取らず、第1の操作力が有効化スイッチ上に留まる滞留時間が0.5秒より長いと、許可ステータス(Z)又はシステム許可ステータス(Zs)を取り得る。
【0029】
このようにして、安全上重要な状況を防止又はほぼ妨害できる。
【0030】
緊急停止切換ステータスの非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)は、当業者には緊急停止正常ステータスと緊急停止動作ステータスとしても知られている。有効化スイッチ・切換ステータスの休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)は、当業者には「接触」ステータス及び「非接触」ステータスとしても知られている。
【0031】
動作ステータス(A)又はシステム緊急停止動作ステータス(As)が存在すると、安全上重要な状況を防ぐために、機械及び/又はロボットは遅滞なく停止ステータスに置かれる。
【0032】
さらに、緊急停止切換手段が、有効化スイッチを受容している中空室を画定する環状側壁を含むと、好都合であろう。
【0033】
この場合、環状側壁は、緊急停止スイッチの操作部として機能する。オペレータの手の1本以上の指が中空室に達すると、有効化スイッチを操作することが可能になる。
【0034】
緊急停止切換手段を、環状側壁を備えて形成することにより、やはりオペレータの手のひらで緊急停止切換手段を容易に操作することが可能になる。緊急停止切換手段を手のひらで叩くか操作すると、環状側壁によって有効化スイッチの操作が妨害される。
【0035】
側壁の形状は、実質的に中空円筒形の側壁又は楕円形の側壁であることができる。ただし、安全スイッチ要素の幾何学的形状又は形状はこれに限定されていない。安全スイッチ要素に対して、方形又はその他の幾何学的形状も考えられる。
【0036】
有利には、これにより安全スイッチ要素のコンパクトな構造が実現され、それによって機械、ロボット、操作装置、又はシステムのその他の部分へ設置又は配置するのに必要なスペースが最小限に抑えられる。同時にこれにより、安全スイッチ要素にとって好ましい配置位置を選択することにより、オペレータのアクセスしやすさを向上させることができる。加えて、本発明の構成によって、緊急停止切換手段の操作の過程で有効化スイッチを意図せず操作することを防止又は妨害することができる。
【0037】
さらに、有効化スイッチが緊急停止切換手段内に同心円状に受容されるようにすることができる。
【0038】
これによってさらにコンパクトな構造を実現できる。有効化スイッチと緊急停止切換手段は、同心円状の配置において共通の中心点を有する。
【0039】
ここでも1つのスイッチ要素に複数の機能が統合されることは有利であり、オペレータは有効化スイッチと緊急停止切換手段の交替を行う必要がない。
【0040】
さらに、有効化スイッチは緊急停止切換手段の荷重支持領域で荷重支持的に支持されているようにすることができる。
【0041】
緊急停止スイッチは、さらに操作領域を含んでいる。緊急停止スイッチを操作領域で操作することにより緊急停止スイッチの直接操作と動作ステータス(A)のアクティブ化が行われる。
【0042】
緊急停止切換手段は、有効化スイッチによって荷重支持領域を介して直接操作されるが、有効化スイッチを緊急停止切換手段又は荷重支持領域上に荷重支持することによって操作力が間接的に伝達されて、動作ステータス(A)のアクティブ化が行われる。
【0043】
荷重支持領域は、例えば緊急停止切換手段の環状側壁によって形成される中空室内の床面であることができる。
【0044】
加えて、有効化スイッチ安全回路と閉鎖接点も、少なくとも部分的に荷重支持領域で荷重支持的に支持することができる。
【0045】
荷重支持領域が緊急停止切換手段の側壁の内周面に設けた少なくとも1つの段差部として形成されており、この段差部で有効化スイッチが少なくとも部分的に荷重支持的に支持されている特徴も有利である。
【0046】
段差部は、内周面に沿った環状段差部、又は内周面に沿って配置された複数の個々の段差部であることができる。
【0047】
1つ以上の段差部が荷重支持領域を形成し、これは有効化スイッチ又は有効化スイッチ操作部を用いて間接的に操作又は押圧することができる。有効化スイッチ又は有効化スイッチ操作部の荷重支持により操作力が間接的に伝達され、それによって動作ステータス(A)のアクティブ化を行うことができる。
【0048】
変形例によれば、有効化スイッチの有効化スイッチ操作部に第1の操作力を加えることにより許可ステータスを取り得ることができ、有効化スイッチ操作部に第2の操作力を加えることによって緊急停止切換手段の動作ステータスを取り得ることができ、第1の操作力は第2の操作力と比較して小さい。
【0049】
この場合、本発明による安全スイッチ要素の本質的な利点は、第2の操作力が作用すると、操作領域で緊急停止切換手段を操作することにより、緊急停止切換手段の動作ステータス(A)を直接アクティブ化することができるか、又は、有効化スイッチ又は有効化スイッチ操作部に第2の操作力を加えることによって間接的にアクティブ化できることである。有効化スイッチは、緊急停止切換手段に荷重支持的に支持されており、それにより第2の操作力で間接的にアクティブ化すると、荷重支持によって許可ステータス(Z)を短時間アクティブ化した後、緊急停止動作ステータス(A)がアクティブになる。システム許可ステータス(Zs)の短時間のアクティブ化は、評価ロジック部を用いて無視できる。
【0050】
さらに、緊急停止切換手段の側壁の上部壁領域に環状操作保護鍔部が形成されていて、有効化スイッチの有効化スイッチ操作部から少なくとも部分的に突出している。
【0051】
ここで、上部壁領域は、切換ソケットとは反対側を向いている壁領域である。
【0052】
有利には、操作保護鍔部によって、オペレータが緊急停止切換手段を叩いたときに、有効化スイッチ又は有効化スイッチ操作部が操作されるのを防ぐことができる。これにより動作ステータス(A)をもたらす過程で許可ステータス(Z)のアクティブ化を防ぐことができ、安全上重要な状況を防止することができる。
【0053】
さらに、操作保護鍔部が少なくとも1つの凹部を有しており、操作保護鍔部はこの凹部の領域で有効化スイッチ操作部の表面と少なくとも部分的にほぼ同一平面上にあるように設計されているようにすることができる。
【0054】
これにより有利には安全スイッチ要素の改善された人間工学を達成することができ、凹部によって有効化スイッチの簡便な操作が達成される。オペレータの手の1本以上の指を枠の凹みを通って安全スイッチ要素の中空室に差し入れて、有効化スイッチを休止ステータス(R)から許可ステータス(Z)に操作することができる。オペレータの安全にとって重大な状況が発生したら、操作力を有効化スイッチに加えることができ、それにより緊急停止動作ステータス(A)がアクティブになり、ロボット、機械、又は工業設備の他の部分が安全なステータスに移行する。
【0055】
さらに、緊急停止切換手段は有効化スイッチに対する駆動部材を含んでおり、動作ステータス(A)が存在すると、駆動部材は有効化スイッチを許可ステータス(Z)に操作するのをブロックし、このブロックは緊急停止非動作ステータス(I)で再び解消することができる。
【0056】
これにより、緊急停止切換手段が緊急停止動作ステータス(A)にあるとき、動作許可ステータス(Z)のアクティブ化を機械的に防止することができる。有利には、有効化スイッチをロックすることにより、緊急停止動作ステータス(A)中に許可ステータスを取り得ることが防がれ、それによって安全上重要な状況を防止することができる。駆動部材は、1つ以上の係止突起として設計でき、又はばね付勢を含むことができる。緊急停止切換手段が非動作ステータス(I)に移行すると、有効化スイッチのロックが解除される。
【0057】
特別の特徴により、緊急停止切換手段は、緊急停止ロック位置を取り得るための緊急停止ロック装置を含んでおり、動作ステータス(A)では緊急停止ロック位置を取り続ける。
【0058】
ロック装置は、安全上重要な状況を防ぐために、オペレータの高度に意図的な操作行為によってのみ解除できる機械的なロック機能であることができる。解除するために、緊急停止切換手段の回転動作、強い反力、又は緊急停止切換手段の押圧動作と回転動作の組み合わせを設けることができる。
【0059】
さらに、電気的及び/又は論理的システム緊急停止動作ステータスのロックが設けられており、緊急停止切換手段(19)の動作ステータス(A)で有効化スイッチ(20)のすべての切換ステータス((Z)、休止ステータス(R))がシステムステータスの変化を招かないと有利であろう。
【0060】
この場合、例えば許可ステータス(Z)を取り得ることの機械的阻止を設けることができ、又はシステム許可ステータス(Zs)を取り得ることの阻止は評価ロジック部によって行われる。
【0061】
さらに、阻止は設定された機械運転モードに依存することができ、これは通常評価ロジック部を用いて考慮されなければならない。
【0062】
緊急停止切換手段がロック位置にある間、有効化スイッチは操作できないか、又は有効化スイッチの操作が許可ステータス(Z)を引き起こさないことが有利である。
【0063】
基本的に有効化スイッチを操作可能であろうが、応答を引き起こすことはない。これは評価ロジック部を介して評価できる。このようにすることによって有利には安全上重要な状況を防ぐことができる。
【0064】
有利な変形例によれば、緊急停止切換手段は、少なくとも1つの開放接点を作動させるように形成されており、この開放接点は動作ステータス(A)を取り得るために少なくとも1つの緊急停止安全回路を開くように形成されていて、及び有効化スイッチは少なくとも1つの閉鎖接点を作動させるように形成されており、この閉鎖接点は許可ステータス(Z)を取り得るために少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路を閉じるように形成されているようにすることができる。
【0065】
有利には、冗長性によって安全性を強化するために、開放接点及び閉鎖接点は複数あり、安全回路(緊急停止安全回路、有効化スイッチ安全回路)は、2回路以上で設計されている。少なくとも1つの開放接点又は少なくとも1つの閉鎖接点は、それぞれの安全回路のこの回路に作用する。緊急停止動作ステータス(A)をアクティブにするには、少なくとも1つの緊急停止回路が開いていなければならない。2回路安全回路で許可ステータス(Z)をアクティブにするには、すべての確認回路が同時に閉じていなければならず、多数の回路の安全回路では、大部分が同時に閉じていなければならない。このようにしてシングルフェイルセーフやエラー検出などの安全技術上の措置を実現できる。
【0066】
特に、緊急停止安全回路及び/又は有効化スイッチ安全回路の少なくとも一部が切換ソケットに受容されていると有利であろう。
【0067】
このようにして、機能的に不可欠なすべての部材が1つのアセンブリに統合されていることによって、安全スイッチ要素のさらにコンパクトで費用効果の高い構造を実現することができる。加えてこれにより、安全スイッチ要素の迅速かつ簡単な組立て又は再位置決めが可能になる。
【0068】
少なくとも1つの閉鎖接点を備えた少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路が、緊急停止切換手段に荷重支持的に支持されている特徴も有利である。
【0069】
有効化スイッチ安全回路は、少なくとも1つの閉鎖接点によって操作可能である。有利には、緊急停止安全回路に加えて、評価ロジック部又は評価電子機器とのインターフェースが切換ソケットに設けられている。
【0070】
さらに、緊急停止切換ステータス及び/又は有効化スイッチ・切換ステータスからシステムステータスを決定するように構成された評価ロジック部が設けられているようにすることができる。
【0071】
それに続いて切換ステータスに関する情報を、インターフェースを介して伝達して、例えば機械又はロボットを安全なステータス又はストップステータスに移行させ、あるいは特定の操作行為の結果として操作装置で追加の視覚化を可能にすることができる。さらに、オペレータの操作行為の過程で荷重支持領域又は操作領域がオペレータによって操作されたかどうかを、評価ロジック部によって評価することができる。緊急停止切換手段の操作領域を第2の操作力で操作すると、それに続いてシステム緊急停止動作ステータス(As)をアクティブにすることができる。緊急停止切換手段の荷重支持領域が第2の操作力で操作することは、有効化スイッチを介して間接的に操作することであり、それに続いてシステム非常時ステータス(Ps)及び/又はシステム緊急停止動作ステータス(As)をアクティブ化することができる。
【0072】
評価ロジック部を用いて使用して、オペレータが有効化スイッチを押し続けた時間を決定することもできる。第1の操作力を越えてすぐに第2の操作力を加えることによってシステム緊急停止動作ステータス(As)をアクティブにできる。第1の操作力が既に比較的長い時間存在している場合、第2の操作力が存在するとシステム非常時ステータス(Ps)をアクティブ化することができる。これに対する論理的評価は、独自の安全性評価ロジック部又は機械やロボットの安全制御によって実行できる。
【0073】
評価ロジック部を用いてアクティブ化されたシステム非常時ステータス(Ps)と、緊急停止動作ステータス(A)又はシステム緊急停止動作ステータス(As)は、以下の理由で区別できる。
1.緊急停止切換手段の操作領域のみが触れられたため、システム緊急停止動作ステータス(As)は緊急停止切換手段のみに触れることによってアクティブ化される。
2.有効化スイッチ操作部を迅速に、例えば0.5秒以内にシステム許可ステータス(Zs)を越えて緊急停止動作ステータス(A)に押し込むことにより、許可ステータス(Z)をアクティブ化することなくシステム緊急停止動作ステータス(As)がアクティブ化される。
3.システム非常時ステータス(Ps)がアクティブ化されたのは、その前に有効化スイッチが比較的長い時間(例えば0.5秒以上)許可ステータス(Z)で保持され、システムがシステム許可ステータス(Zs)に変わった後で、スイッチが第2の操作力によって緊急停止動作ステータス(A)に操作され、それによってシステムがシステム非常時ステータス(Ps)に変わったからである。
【0074】
この情報に基づき、機械において様々なストップ機能をトリガできる。
【0075】
安全専門家にはストップカテゴリ0、1、2が知られている。ストップカテゴリ0又はSSOストップでは、駆動エネルギーは即座に除去され、これは必要に応じて機械式ブレーキの作動と組み合わせることができる。ストップカテゴリ1又はSS1ストップでは、機械の迅速で調整されたシャットダウンが行われ、これは必要に応じて機械式ブレーキの作動と組み合わせ、それに続いて駆動エネルギーを除去することができる。ストップカテゴリ2では、機械の迅速で調整されたシャットダウンが行われ、駆動エネルギーは取り除かれず停止のみを監視すればよい。
【0076】
システム緊急停止動作ステータス(As)とシステム非常時ステータス(Ps)の両ステータスについては、ストップカテゴリ0とストップカテゴリ1の間で選択できる。
【0077】
さらに、評価ロジック部がシステムエラーステータス(Fs)を取り得ることを可能にするようにすることができ、緊急停止切換手段(19)の動作ステータスから出発して非動作ステータス(I)がアクティブでありながら許可ステータス(Z)がアクティブである場合に、システムエラーステータス(Fs)を取り得ることができる。
【0078】
評価ロジック部の助けを借りて、緊急停止動作ステータスを非動作化するのと同時に許可ステータス(Z)が存在すると、有効化スイッチが許可ステータス(Z)から休止ステータス(R)に移行するまでシステムエラーステータス(Fs)を出力できる。システムは、許可ステータス(Z)が休止ステータス(R)に移行するまでシステム緊急停止動作ステータス(As)に留まり他のステータスを取り得ることができない。
【0079】
第1の操作力及び/又は第2の操作力による有効化スイッチの操作時間を決定するように構成された測定装置が設けられているようにすることができる特徴も有利である。
【0080】
システム非常時ステータス(Ps)の存在を検出するために、有効化スイッチの操作時間を測定するための測定装置が設けられていることが有利である。ここでオペレータの手の指の滞留時間の測定も考えられる。
【0081】
さらに、評価ロジック部を用いてシステム緊急停止動作ステータス(As)とシステム非常時ステータス(Ps)を区別できる。
【0082】
第2の操作力を加える位置(荷重支持領域又は操作領域)及び/又は第1の操作力で有効化スイッチを操作する時間が検出されることが有利である。
【0083】
さらに、評価ロジック部がステータス制御装置と連結されているか、ステータス制御装置内に包含されており、ステータス制御装置は、システムがシステム緊急停止動作ステータス(As)にある緊急停止切換手段の動作ステータス(A)で、有効化スイッチの可能なすべての切換ステータス((Z)、休止ステータス(R))がシステム緊急停止動作ステータス(As)の変化を招かないように構成されていると好都合である。
【0084】
評価ロジック部の助けを借りて、有利には緊急停止ロック位置又は緊急停止動作ステータス(A)が存在すると、有効化スイッチが許可ステータス(Z)又はシステム許可ステータス(Zs)に移行するのが妨げられる。システムがシステム緊急停止動作ステータス(As)にある限り、システム許可ステータス(Zs)を取り得ることも妨げられる。
【0085】
さらに、緊急停止切換手段が照明ユニットでバックライトされるように設計されており、この照明ユニットは緊急停止切換手段を有色にバックライトするように形成されていると好都合であろう。
【0086】
この場合に有利には、安全スイッチ要素又は緊急停止切換手段が利用可能であることを色の変化によって利用者に通知できることが有利である。照明ユニットによってバックライトされると、切換手段は例えば赤・黄色で表示され、バックライトされないと、切換手段は例えば灰・黄色で表示される。色分けにより利用者は、緊急停止が利用可能であるか、続いて緊急停止スイッチを操作してシステムを実際にシャットダウンできるかどうかを判別できる。
【0087】
本発明はさらに、動作手順又は運転ステータスをプログラミング及び/又は制御するためのプログラミング要素及び/又は操作要素を備えた、ロボット又は他の機械のための手持ち式操作装置に関し、この操作装置は本発明による安全スイッチ要素を含んでいる。
【0088】
機械、ロボット、又はその他の設備部分を制御、操作又はプログラミングするための工業設備では、様々な操作装置が広範に使用されている。オペレータにとって非常に快適であると同時に高いレベルの安全性を達成するために、操作装置に本発明による安全スイッチ要素が配置されることが有利である。
【0089】
操作装置は、固定式又は移動式操作装置であってよい。
【0090】
この場合、緊急停止切換手段と有効化スイッチを組み合わせることにより、必要なスペースはスイッチ要素を個別に又は分離して配置するよりもはるかに少なくなることも有利である。さらに、複数の操作要素とスイッチ要素の配置がよりコンパクトになるため、オペレータにとって非常に見通しが良い。
【0091】
本発明はまた、機械又はロボットを、本発明による安全スイッチを用いて安全な運転ステータスに移行させる方法に関し、有効化スイッチを操作して緊急停止切換手段を動作ステータスに調節する。
【0092】
ここで有利には、オペレータは機械又はロボットでプログラミング又は設定の行為を行っている間に、許可ステータス(Z)を保持したまま掴みなおすことなく、有効化スイッチを第2の操作力で操作することによって、緊急停止動作ステータス(A)を迅速かつ容易にもたらすことができる。
【0093】
さらに、有効化スイッチ操作部に第2の操作力を加えることによって緊急停止切換手段の動作ステータス(A)を取り得るようにすることができる。
【0094】
この場合にオペレータは別個の緊急停止切換手段を掴みなおす必要はなく、オペレータが第1の操作力に加えて、より高い第2の操作力を有効化スイッチ操作部に加えることにより、可能な安全上重要な状況に迅速かつ容易に対応できる。
【0095】
また、緊急停止動作ステータス(A)をアクティブ化することにより、機械又はロボットを安全な運転ステータスに移行させることができる。このステータスは緊急停止ステータス又は緊急ストップステータスとも呼ばれ、機械又はロボットは即座に止まり、この位置に留まる。機械又はロボットのタイプに応じて、機械式ブレーキをかけ、及び/又は機械のエネルギー供給を遮断することができる。このモードは、緊急停止動作ステータス(A)を非アクティブ化するか、緊急停止切換手段が動作ステータス(A)から非動作ステータス(I)に移行することによってのみ終了できる。
【0096】
基本的に、機械又はロボットで「手動運転モード」と「自動モード」を区別し、又は切り替えることができる。このために、運転選択スイッチを設けることができる。
【0097】
自動モードは、機械が継続的にループ内で指定されたプログラム手順を実行することを意味する。このモードでは、オペレータは機械の動作を操作することはできない。さらに、オペレータは緊急時に緊急停止スイッチを操作して、緊急停止動作ステータス(A)をアクティブ化することによってロボットを安全な運転ステータスに移行させることができる。
【0098】
手動運転モードでは、オペレータは有効化スイッチを許可ステータス(Z)にアクティブに保持することによって、ロボット又は機械の危険な動作を誘発することがある。許可ステータス(Z)が休止ステータス(R)、緊急停止動作ステータス(A)、システム緊急停止動作ステータス(As)又はシステム非常時ステータス(Ps)に変わると、誘発された動作はすぐに停止する。
【0099】
さらに、動作ステータス(A)が存在すると、有効化スイッチを許可ステータス(Z)に操作するのを駆動部材がブロックするようにすることができる。
【0100】
駆動部材を介して有効化スイッチを移動させることができ、それにより有効化スイッチを許可ステータス(Z)に操作する可能性がなくなり、安全上重要な状況を未然に防ぐことができる。
【0101】
特別の特徴によれば、緊急停止切換手段を操作した後では動作ステータス(A)のままであり、緊急停止切換手段は緊急停止ロック位置にロックされたままであることが可能である。
【0102】
これによりすべての安全上重要なロボット操作又は機械操作がストップされ、正常運転は専ら緊急停止切換手段の復元を意図的に実行することによって行うことができる。したがって緊急停止動作ステータス(A)は、安全上重要な状況又はオペレータにとって危険なステータスが取り除かれるまで維持することができる。
【0103】
緊急停止切換手段が動作ステータス(A)にある間、システムがシステム緊急停止動作ステータス(As)を取り続け、有効化スイッチのすべての切換ステータス(許可ステータス(Z)、休止ステータス(R))がシステム緊急停止動作ステータス(As)の変化を招かないようにされた特徴も有利である。
【0104】
この方策により、緊急停止動作ステータス(A)中に有効化スイッチの意図しない又は安全上重要な操作、又はシステム許可ステータス(Zs)を取り得ることを防止又は妨害できる。
【0105】
有利な変形例によれば、緊急停止切換手段を操作すると、少なくとも1つの緊急停止安全回路が動作ステータス(A)を取り得るために開くようにすることができる。
【0106】
有利には、安全回路は多数の回路で設計されており、緊急停止動作ステータス(A)をもたらすために、すべての回路の1つを1つ以上の開放接点によって開く必要がある。
【0107】
特に、有効化スイッチ操作部に第2の操作力を加えることにより、少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路が動作ステータス(A)を取り得るために開くと有利であろう。
【0108】
この場合、オペレータは、有効化スイッチ操作部を操作する過程で、緊急停止動作ステータス(A)を迅速かつ簡単にアクティブ化できる。
【0109】
さらに、動作ステータス(A)において有効化スイッチは休止ステータス(R)に留まり、及び/又は許可ステータス(Z)又はシステム許可ステータス(Zs)が解消されるようにすることができる。
【0110】
このようにして、緊急停止動作ステータス(A)では有効化スイッチの操作が可能でないか、有効化スイッチの操作が無視されるか、又は有効化スイッチの操作が効果を持たないため、安全上重要な状況が引き続き防がれる。特に、緊急停止動作ステータス(A)中の許可ステータス(Z)の同時アクティブ化は防止又は無視される。
【0111】
さらに、緊急停止切換ステータス及び/又は有効化スイッチ・切換ステータスが評価ロジック部によって決定される緊急停止切換ステータス及び/又は有効化スイッチ・切換ステータスが評価ロジック部によって決定されるようにすることができる。
【0112】
評価ロジック部を用いて、アクティブ化された緊急停止動作ステータス(A)と、システム非常時ステータス(Ps)と、システム緊急停止動作ステータス(As)を、以下の理由で区別できる。
1.緊急停止切換手段の操作領域のみが触れられたため、システム緊急停止動作ステータス(As)は緊急停止切換手段のみに触れることによってアクティブ化される。
2.有効化スイッチ操作部を迅速に、例えば0.5秒以内に許可ステータス(Zs)を越えて緊急停止動作ステータス(A)に押し込むことにより、許可ステータス(Z)をアクティブ化することなくシステム緊急停止動作ステータス(As)が間接的にアクティブ化される。この場合、システムがシステム許可ステータス(Zs)はアクティブ化されず、直ちにシステム緊急停止動作ステータス(As)がアクティブ化される。
3.システム非常時ステータス(Ps)がアクティブ化されたのは、その前に有効化スイッチが比較的長い時間(例えば0.5秒以上)許可ステータス(Z)に保持され、それによってシステムがシステム許可ステータス(Zs)に変わった後で、システムがシステム非常時ステータス(Ps)に変わったからである。
【0113】
この情報に基づき、機械において再び様々なストップ機能をトリガできる。
【0114】
安全専門家にはストップカテゴリ0、1、2が知られている。ストップカテゴリ0又はSSOストップでは、駆動エネルギーは即座に取り除かれ、これは必要に応じて機械式ブレーキの作動と組み合わせることができる。ストップカテゴリ1又はSS1ストップでは、機械の迅速で調整されたシャットダウンが行われ、これは必要に応じて機械式ブレーキの作動と組み合わせ、それに続いて駆動エネルギーを除去することができる。ストップカテゴリ2では、機械の迅速で調整されたシャットダウンが行われ、駆動エネルギーは除去されず停止のみを監視すればよい。
【0115】
システム緊急停止動作ステータス(As)とシステム非常時ステータス(Ps)の両ステータスについては、ストップカテゴリ0とストップカテゴリ1の間で選択できる。
【0116】
評価ロジック部によって決定された切換ステータスは、それに続いてインターフェースを介して、操作装置などの工業設備の別のコンポーネントに伝送することができる。これにより、切換ステータスを、例えばディスプレイ上の出力の形でさらに視覚化又は表示することが考えられる。
【0117】
さらに、緊急停止切換手段(19)の動作ステータス(A)から出発して非動作ステータス(I)がアクティブ化され、このとき許可ステータス(Z)がアクティブである場合に、評価ロジック部がシステムエラーステータスを決定すると、好都合であろう。
【0118】
評価ロジック部の助けを借りて、緊急停止動作ステータスを非アクティブ化するのと同時に許可ステータス(Z)が存在すると、有効化スイッチが許可ステータス(Z)から休止ステータス(R)に移行するまでシステムエラーステータス(Fs)を出力できる。さらに、システムはシステムエラーステータス(Fs)が存在するとシステム緊急停止動作ステータス(As)を取り得ることができ、これは有効化スイッチが許可ステータス(Z)から休止ステータス(R)に移行するまで維持される。システムエラーステータス(Fs)は、エラーステータスの視覚化又は表現によって、例えばディスプレイ上の出力の形でさらに視覚化又は表示できる。
【0119】
第1の操作力及び/又は第2の操作力による有効化スイッチの操作持続時間が、測定装置によって決定されるようにすることができる特徴も有利である。
【0120】
有効化スイッチの操作時間から導き出されて、システム緊急停止動作ステータス(As)又はシステム非常時ステータス(Ps)のどちらが存在するか区別できる。システム非常時ステータス(Ps)では、さらに機械又はロボットがシステム緊急停止動作ステータス(As)から逸脱して安全なステータスに移行することも考えられる。
【0121】
変形例によれば、評価ロジック部と連結されたステータス制御装置によって、システムがシステム緊急停止動作ステータス(As)にある緊急停止切換手段の動作ステータス(A)で、有効化スイッチの可能なすべての切換ステータス(許可ステータス(Z)、休止ステータス(R))がシステム緊急停止動作ステータス(As)の変化を招かないことが可能である。
【0122】
評価ロジック部の助けを借りて、有利には緊急停止ロック位置又は緊急停止動作ステータス(A)が存在すると、有効化スイッチが許可ステータス(Z)又はシステム許可ステータス(Zs)に移行するのが妨げられる。この場合、システムがシステム緊急停止動作ステータス(As)にある限り、システム許可ステータス(Zs)を取り得ることも妨げられる。
【0123】
特別の特徴によれば、緊急停止切換手段が照明ユニットで有色にバックライトされて、緊急停止切換手段は利用可能であることがオペレータに通知されることが可能である。
【0124】
この場合に有利には、安全スイッチ要素又は緊急停止切換手段が利用可能であることを色の変化によって利用者に通知できることが有利である。照明ユニットによってバックライトされると、切換手段は例えば赤・黄色で表示され、バックライトされないと、切換手段は例えば灰・黄色で表示される。色分けにより利用者は、緊急停止が利用可能であるか、続いて緊急停止スイッチを操作してシステムを実際にシャットダウンできるかどうかを判別できる。
【0125】
本発明をより良く理解するために、以下の図面に基づいて詳細に説明する。
【0126】
図は、それぞれ著しく簡略化された模式的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1図1は、操作装置によって操作又は影響することができる工業設備の例示的な実施形態を示す。
図2図2は安全スイッチ要素を備えた操作装置の可能な実施形態を示す。
図3図3は安全スイッチ要素を備えた操作装置の別の可能な実施形態を示す。
図4a図4aは安全スイッチ要素の可能な実施形態の平面図である。
図4b図4bは安全スイッチ要素の可能な実施形態の側面図である。
図5a図5aは安全スイッチ要素の別の可能な実施形態の平面図である。
図5b図5bは安全スイッチ要素の別の可能な実施形態の側面図である。
図6a図6aは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素の可能な実施形態を示す。
図6b図6bは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素の可能な実施形態を示す。
図6c図6cは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素の可能な実施形態を示す。
図7a図7aは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素の別の可能な実施形態を示す。
図7b図7bは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素の別の可能な実施形態を示す。
図7c図7cは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素の別の可能な実施形態を示す。
図8a図8aは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図8b図8bは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図8c図8cは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図9a図9aは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図9b図9bは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図9c図9cは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図10a図10aは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図10b図10bは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図10c図10cは異なる切換ステータスにおける安全スイッチ要素のさらに別の可能な実施形態を示す。
図11図11は安全スイッチ要素の別の可能な実施形態を示す。
図12a図12aは図11による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図12b図12bは図11による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図12c図12cは図11による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図12d図12dは図11による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図12e図12eは図11による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図13図13は安全スイッチ要素の別の可能な実施形態を示す。
図14a図14aは図13による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図14b図14bは図13による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図14c図14cは図13による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図14d図14dは図13による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
図14e図14eは図13による安全スイッチ要素を異なる切換ステータスで示す。
【発明を実施するための形態】
【0128】
最初に確認しておくと、記載された種々の実施形態において同じ部材には同じ参照符号又は同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号又は同じ部材名称を有する同じ部材に準用できるものとする。説明中に選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明及び表示された図を基準としており、これらの説明内容は位置が変化した場合には新しい位置に準用されるものとする。
【0129】
図1は、工業設備2における安全スイッチ要素1の配置の例示的な実施形態を示しており、工業設備2は操作装置3によって操作され、又は影響を受ける。
【0130】
工業設備2は、対象物又は工作物の自動、半自動及び/又は手動の処理又は加工のために構成されている。同様に、工業設備2は、他の技術プロセスを自動化して実行又は監視できるように構成することができる。
【0131】
工業設備2は、加工機械、搬送又は輸送装置及び/又はロボット5、又はその他のマニピュレータなど1台以上の電気的に制御される機械4を含むことができる。
【0132】
工業設備2は、様々な機械的コンポーネントに加えて、さらに少なくとも1台の電気的又は電子的又は油圧制御装置6を有しており、これは設備部分、例えば機械4及び/又はロボット5のための中央制御装置7、又は相互に接続又はネットワーク化された複数の分散制御装置8、9、10を含む。分散制御装置8、9、10は好ましくは、制御される設備部分に直接割り当てられるか、又はその近傍に配置されている。
【0133】
電気機械システム2の制御装置6には、移動式手持ち式操作装置11など少なくとも1台の操作装置3が接続できる。この場合、手持ち式操作装置11は好ましくは、システム2の権限のあるオペレータ12が難なく持ち運ぶことができるようにコンパクトで軽量に構成されている。
【0134】
手持ち式操作装置11を制御装置6又は工業設備2の制御装置7、8、9、10の少なくとも1つに必要に応じて又は一時的に接続するために、手持ち式操作装置11は少なくとも1つのインターフェース13を有する。このインターフェース13は、通常手持ち式操作装置11の制御装置14に形成されている。この制御装置14は、好ましくは手持ち式操作装置11のハウジング15内に受容されており、したがって外部からの直接アクセスから保護されている。
【0135】
インターフェース13は、ケーブル16を介して有線接続を確立するように、及び/又は制御装置6又はシステム2の制御装置7、8、9、10の1つとの無線作用接続を確立するように形成することができる。したがってこの手持ち式操作装置11に設けた少なくとも1つの無線及び/又は有線インターフェース13を介して、手持ち式操作装置11は、データ技術的又は信号技術的に制御装置6又は個々の制御装置7、8、9、10に必要に応じて接続できる。このために、制御装置6又は工業設備2の制御装置7、8、9、10の少なくとも1つに、これらに対応する少なくとも1つのインターフェース17が形成されている。
【0136】
移動式手持ち式操作装置11は、機械4、ロボット5、又は一般的な技術プロセスの他の工業設備部分の運転機能又は運転モードに、少なくとも影響を与えるように機能する。さらに、手持ち式操作装置11は、プロセスデータを視覚化し、及び/又は工業設備の運転モードを観察するように構成することができる。そのようなプロセスへの影響又はプロセスの視覚化は、移動式手持ち式操作装置11がインターフェース13を介して、それぞれのシステム2又はそれぞれの設備部分の対応するインターフェース17とデータ技術上又は信号技術上適切に作用接続している場合にのみ可能である。
【0137】
代替として又は上記の用途の少なくとも1つと組み合わせて、手持ち式操作装置11を使用して、アクチュエータ又はセンサを備えた機械4又はロボット5の手順、特に動作手順又は制御手順をプログラムするために用いることもできる。手持ち式操作装置11のそのようなプログラミングモードでは、例えば機械4又はロボット5のいわゆる「ティーチング」を行うことができる。この場合、メモリに格納された制御手順又は動作手順は、それ以降は機械4又はロボット5によって自動的に又は自動化されて行うことができる。
【0138】
手持ち式操作装置11にはさらに、機械4又はロボット5で、手動制御プロセス又はプログラミングプロセスのための、機械制御又はロボット制御のプログラミング要素及び/又は操作要素18と組み合わせて使用するための安全スイッチ要素1が設けられている。
【0139】
図1に示される実施形態によれば、安全スイッチ要素1は、制御装置6、ロボット5及び機械4にも設けられていて、安全に関連する又は安全上重要なコマンドを直接入力でき、又は機械4、ロボット5、又はその他の設備部分を安全なステータスに移行させることができるようになっている。
【0140】
安全スイッチ要素1はそれぞれ緊急停止切換手段19と有効化スイッチ20を含んでおり、緊急停止切換手段19は、緊急停止切換ステータスの非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)を交互に取り得ることを可能にし、有効化スイッチ20は、休止ステータス(R)や許可ステータス(Z)など少なくとも2つの有効化スイッチ・切換ステータスを交互に取り得ることを可能にする。
【0141】
手持ち式操作装置11、制御装置6、ロボット5又は機械4などの操作装置3は、しばしば操作要素18、緊急停止切換手段19又は有効化スイッチ20を配置するためのスペースが限られているので、安全スイッチ要素1は複合スイッチ要素として設計されている。この場合、有効化スイッチ20は、緊急停止切換手段19に荷重支持的に支持されている。
【0142】
したがって安全スイッチ要素1により、必要な場合に緊急停止切換手段19を操作すると、これと機能的に接続されている機械4、ロボット5又は技術的プロセスの少なくとも一部の即時ストップ又は緊急停止を導入することができる。この緊急停止切換手段19は、何よりも工業設備2内部の安全上重要な又は危険な状況を回避し又は瞬間的に是正するために設けられている。本発明による安全スイッチ要素1は、必要な場合に迅速に到達して操作できるように、システムの他の部分でも良く見えて容易に接近できるように配置されている。
【0143】
安全スイッチ要素1は、制御装置6の一般的に知られているため詳述しない安全回路に統合されており、この回路は本質的に、緊急停止動作ステータス(A)が存在するとシステム2の少なくとも関連する安全上重要な部分のスイッチが切られ、又はエネルギー供給が遮断されるようにする。このために、手持ち式操作装置11の安全スイッチ要素1は、インターフェース13を介して、又は場合によっては独自のインターフェースを介して、制御装置6又は工業設備2の安全回路に統合可能であり、又は少なくとも作用的にこれと接続可能である。
【0144】
安全スイッチ要素1内に設けられた、又は緊急停止切換手段19に荷重支持的に支持された有効化スイッチ20を用いて、有効化スイッチ20が所定の通りに操作されると、その他の安全上重要な動作又は機能を実行することができる。したがって有効化スイッチ20によって、安全上重要な又は危険な機能、特に動作機能が意図せず又は意思せず実行されることを回避することができる。特に有効化スイッチ20を意図的に所定の方法で操作した場合のみ、相応の制御コマンドが操作要素18及び/又はその他の動作制御装置からインターフェース13を介して工業設備2の制御装置6に送られ、又は適切に操作した場合のみその実行又は実施が制御装置6を介して解放される。有効化スイッチ20は、オペレータ12の手の1本以上の指によって操作することができる。有効化スイッチ20は、このボタンが押されている間だけ機能が実行されるので、「ホールド・ツゥ・ラン」ボタンと呼ぶこともできる。
【0145】
図2は、安全スイッチ要素1を備えた操作装置3の可能な実施形態を示しており、前出の図1と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰返しを避けるために、それぞれ先行の図における詳細な説明を参照する。
【0146】
図2に示された操作装置3は、技術プロセス又は工業設備2の動作手順又は機能手順に影響を与えるための手持ち式操作装置11である。このために、手持ち式操作装置11には少なくとも1つの操作要素18が形成されている。しかしまた、この少なくとも1つの操作要素18は、手持ち式操作装置11自体の内部手順又は運転ステータスに影響を与え、変更し、又は設定することができるようにするために利用することもできる。したがって操作要素18は少なくとも工業設備2又は設備部分を操作するために、そして好ましくは手持ち式操作装置11の運転機能に影響を与えるためにも設けられている。
【0147】
制御コマンドを入力するため、運転機能を選択するため、又は手持ち式操作装置11の機能メニューをナビゲートするための一般的な操作要素18に加えて、緊急停止切換手段19と有効化スイッチ20を備えた、迅速かつ確実にアクセス可能な少なくとも1つの安全スイッチ要素1が形成されている。
【0148】
緊急停止切換手段19は、緊急停止切換ステータスの非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)を交互に取り得ることを可能にし、有効化スイッチ20は、休止ステータス(R)や許可ステータス(Z)など少なくとも2つの有効化スイッチ・切換ステータスを交互に取り得ることを可能にする。これらの切換ステータスは、手持ち式操作装置11に接続された工業設備2に提供されることができる。
【0149】
特に、緊急停止切換手段19を操作すると、手持ち式操作装置11に信号技術的又はデータ技術的に接続された工業設備2、又は少なくとも1つの安全上重要な設備部分が安全なステータスに置かれる。システム2、機械4、ロボット5又はそれに類するものの安全な運転ステータスは、例えば、生物又は対象物に対する潜在的に危険なプロセス、特に特定の動作プロセスが効果的に防止されるときに与えられる。多くの場合、これはシステム又はそれぞれの設備部分のアクチュエータ又は駆動ユニットへのエネルギー供給を中断することによって行われる。
【0150】
手持ち式操作装置11の安全スイッチ要素1は、機能的に正常な運転ステータスの間は工業設備の安全回路に統合されるか、又はそれに接続されている。
【0151】
手持ち式操作装置11又は工業設備のその他の箇所に配置され、安全回路に接続された緊急停止切換手段19を手動で操作することにより、それぞれの機械4又は対応する機械部分は瞬間的に安全なステータスに移行する。この安全な運転ステータスは、システムのすべての緊急停止切換手段19又は設備部分が意図的に再び操作されないステータスに戻されるまで維持される。操作されないステータスへの移行は、一般にアクティブになった安全スイッチ要素1の緊急停止切換手段19を手動で所定の通りに回転させ及び/又は引っ張ることによって行われる。したがって緊急停止動作ステータス(A)は、手動で復元されるまで維持されなければならない。
【0152】
図3には、操作装置3の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1及び図2と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1及び2の詳細な説明を参照する。
【0153】
図3に示された操作装置3は、安全スイッチ要素1を備えたいわゆる有効化部材21である。有効化スイッチ20を操作することにより、本質的に有効化スイッチ・切換ステータスである休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)を取り得ることができる。許可ステータス(Z)では、例えば設備部分はアクティブに移動又は運動し、又はティーチング操作が実行される。
【0154】
工業設備2のオペレータ12による操作行為の過程で、安全上重要な状況を来したら、システム2は迅速に安全なステータスに移行されなければならない。このためにオペレータ12は、安全スイッチ要素1に設けた緊急停止切換手段19又は有効化スイッチ20をより高い第2の操作力で操作することができ、両方の操作行為によって緊急停止動作ステータス(A)がもたらされる。
【0155】
図4には、安全スイッチ要素1の可能な実施形態が示されており、前出の図1図3と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1図3の詳細な説明を参照する。
【0156】
図4aは、安全スイッチ要素1の平面図を示し、図4bは、安全スイッチ要素1の側面図を示す。
【0157】
安全スイッチ要素1の緊急停止切換手段19は、図4aに見られるように、有効化スイッチ20が受容されている中空室23を画定する中空円筒形の環状側壁22を含む。ここでは有効化スイッチ20は、緊急停止切換手段19の側壁22の内部に同心円状に配置されている。
【0158】
図4bからさらに、緊急停止切換手段19の側壁22の上部壁領域24に環状操作保護鍔部25が形成されているのが見えるが、これは有効化スイッチ20の有効化スイッチ操作部26から少なくとも部分的に突出している。
【0159】
これにより、緊急停止切換手段19を叩くか強く押したときに有効化スイッチ20の意図しない操作が行われることが防がれる。
【0160】
操作保護鍔部25は、2つの互いに向き合う側にそれぞれ1つの凹部27を有しており、この凹部27の領域で操作保護鍔部25は、少なくとも部分的に有効化スイッチ操作部26の表面28と同一平面上にあるように設計されている。したがってオペレータ12による有効化スイッチ20の意図的な操作が可能になる。有効化スイッチ20の簡便な操作のために、指を簡単に通し、又は指を凹部27に挿入することが可能である。
【0161】
さらに切換ソケット29内には、少なくとも1つの緊急停止安全回路30、少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路31、及び評価ロジック部32及び/又は緊急停止切換ステータス又は有効化スイッチ・切換ステータススイッチを決定するように構成された評価ロジック部32とのインターフェースがある。評価ロジック部32はさらに、システムステータスであるシステム緊急停止動作ステータス(As)、システム許可ステータス(Zs)、システム非常時ステータス(Ps)、及びシステム休止ステータス(Rs)を決定するように構成されている。
【0162】
評価ロジック部32は、切換ソケット29内に受容されている。さらに、接点のステータス50、51は、評価ロジック部32とのインターフェースを介して制御装置6に伝送することができる。これらのステータスの論理的評価は、外部で、例えば工業設備の制御装置6、又は機械4又はロボット5の制御装置9、10で行われる。
【0163】
図5は、安全スイッチ要素1の別の可能な実施形態を示しており、前出の図1図4と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1から4の詳細な説明を参照する。
【0164】
図5aは、安全スイッチ要素1の平面図を示し、図5bは、安全スイッチ要素1の側面図を示す。
【0165】
安全スイッチ要素1の緊急停止切換手段19は、図5aに見られるように、有効化スイッチ20が受容されている中空室23を画定する、実質的に楕円形の環状側壁22を含む。ここでも有効化スイッチ20は、19によって緊急停止スイッチの側壁22の内部に同心円状に配置されている。
【0166】
さらに図5bから、緊急停止切換手段19の側壁22の上部壁領域24内に環状操作保護鍔部25が形成されているのが見えるが、これは有効化スイッチ20の有効化スイッチ操作部26から少なくとも部分的に突出している。
【0167】
これにより、緊急停止切換手段19を叩くか強く押したときに有効化スイッチ20の位置しない操作が行われるのを防ぐことができる。オペレータ12による有効化スイッチ20の意図的な操作を実行するために、1本以上の指を中空室23内に入れることによって、手の1本以上の指で有効化スイッチ操作部26を操作することができる。
【0168】
図6には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1図5と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1図5における詳細な説明を参照する。図6a~図6cには、安全スイッチ要素1の異なる切換ステータスが示されている。
【0169】
有効化スイッチ20は、安全スイッチ要素1の緊急停止切換手段19の荷重支持領域33で荷重支持的に支持されている。荷重支持領域33は、緊急停止切換手段19の側壁22の内周面35に設けた段差部34として形成されている。
【0170】
図6に示されている緊急停止切換手段19の非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)のスイッチ接点ステータスは、それぞれ緊急停止切換手段19の下端を基準にしている。休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)のスイッチ接点ステータスも、それぞれ有効化スイッチ20の下端を基準にしている。
【0171】
図6aの表現によれば、緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ(20)は休止ステータス(R)にある。緊急停止切換手段19は、さらに有効化スイッチ20に対する駆動部材36を含んでおり、緊急停止切換手段19の操作領域37を操作経路38に沿って操作方向39に操作すると、有効化スイッチ20は操作経路38に沿って操作方向39に移動する。これにより有効化スイッチ20は受動的に操作される。駆動部材は、例えばロック装置として形成することができ、これは許可ステータス(Z)のための第1の操作力45によって、又は緊急停止切換手段19の動作ステータス(A)のための第2の操作力46によって克服できる。
【0172】
さらに、緊急停止切換手段19は、緊急停止ロック位置を取り得るための少なくとも1つの緊急停止ロック装置40を含み、緊急停止ロック位置は、動作ステータス(A)に留まっている。この場合、緊急停止切換手段19は、切換ソケット29にロックされており、ロック解除はオペレータ12の意図的な行為によってのみ実行することができる。ここで、ロック解除行為は、緊急停止切換手段19を回して緊急停止切換手段19を操作方向39とは逆方向に引っ張ること、又は緊急停止切換手段19を押しながら回すことであってよい。
【0173】
有効化スイッチ20の操作時間を決定するために、評価ロジック部32内に測定装置41を設けることができる。このとき同時に有効化スイッチ操作部26に第2の操作力46が加えられる場合は、システム許可ステータス(Zs)ではなく直ちにシステム緊急停止動作ステータス(AS)を取り得る。
【0174】
図6bの表現によれば、緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ20は許可ステータス(Z)にある。許可ステータス(Z)は、有効化スイッチ20の有効化スイッチ操作部26に第1の操作力45を加えることによって取り得ることができる。
【0175】
図6cの表現によれば、緊急停止切換手段19は動作ステータス(A)にあり、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)にある。緊急停止切換手段19の動作ステータス(A)は、有効化スイッチ操作部26に第2の操作力46を加えることによって取り得ることができ、第1の操作力45は第2の操作力46よりも小さい。
【0176】
この代替として、動作ステータス(A)は、緊急停止切換手段19の操作領域37を操作することによってアクティブ化することもでき、第2の操作力46はこの場合も克服される。
【0177】
図7には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1から図6と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される、不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1から図6の詳細な説明を参照する。
【0178】
図7a、図7b及び図7cには、安全スイッチ要素1が異なる切換ステータスで示されている。
【0179】
図7に示された緊急停止切換手段19の非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)は、それぞれ緊急停止切換手段19の上端に関係している。休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)も、それぞれ有効化スイッチ20の上端に関係している。
【0180】
緊急停止切換手段19は、2つの強制開放接点42を操作するように形成されており、これらの接点は動作ステータス(A)を取り得るために2つの緊急停止安全回路30を開くように構成されている。有効化スイッチ20は、2つの閉鎖接点43を操作するように形成されており、これらの接点は許可ステータス(Z)を取り得るために2つの有効化スイッチ安全回路31を閉じるように構成されている。
【0181】
有効化スイッチ20の有効化スイッチ操作部26に第1の操作力45を加えることによって許可ステータス(Z)を取り得ることができ、その際に少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路31が閉鎖接点43によって閉じられる。有効化スイッチ操作部26に第2の操作力46を加えることによって、又は有効化スイッチ操作領域37に第2の操作力46を加えることによって、緊急停止切換手段19の動作ステータス(A)を取り得ることができる。第1の操作力45は、第2の操作力46よりも小さい。
【0182】
図7a~図7cに示された実施形態では、緊急停止安全回路30と有効化スイッチ安全回路31は2回路で設計されているが、詳細に図示されない多数の回路の実施形態も考えられる。
【0183】
図7aによる表現では、緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ(20)は休止ステータス(R)にある。
【0184】
図7bでは、緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ20は許可ステータス(Z)にある。
【0185】
図7cの表現によれば、緊急停止切換手段19は、動作ステータス(A)にあり、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)にある。
【0186】
潜在的に危険なプログラミングタスク又はティーチングタスクを行う際に、最初に機械4又はロボット5はいわゆる「手動運転モード」に移行される。この「手動運転モード」では、機械4又はロボット5の危険な又は潜在的に危険な手順又は動作の開放は、有効化スイッチ20を第1の操作力45で操作することによって行われる。予期しなかった危険な状況が発生したら、有効化スイッチ操作部26に第2の操作力46が加えられる。有効化スイッチ20が緊急停止切換手段19に荷重支持的に支持されていることによって、荷重支持領域33を操作することにより、緊急停止切換手段19の同時操作が行われる。その際に緊急停止動作ステータス(A)がもたらされる。
【0187】
この代替として、第2の有効化スイッチ操作領域37を操作することによって緊急停止動作ステータス(A)をももたらすこともできる。操作領域37を操作経路38に沿って操作方向39に操作すると、安全スイッチ要素1の有効化スイッチ20は操作経路38に沿って操作方向39に移動する。このために詳細に図示されない駆動部材36を設けることができ、この駆動部材36は緊急停止切換手段19を緊急停止動作ステータスに操作している間は、有効化スイッチ20を許可ステータス(Z)に操作するのをブロックするように形成することもできる。
【0188】
したがって、動作ステータス(A)は2通りの方式でもたらすことができる。動作ステータス(A)では、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)に留まっている。
【0189】
加えて、緊急停止切換ステータス及び/又はシステム有効化スイッチ・切換ステータスが評価ロジック部32によって決定されるようにすることができる。この場合、詳細に図示されない測定装置41を設けることができ、それによって第1の操作力45による有効化スイッチ20の操作時間が決定される。これに加えて又はこれに代えて、オペレータ12の手の指が有効化スイッチ操作部26上にどれだけ長く留まっているか測定することができる。
【0190】
有効化スイッチ20が、所定の時間より長く第1の操作力45で負荷されると、機械4又はロボット5は所定の時間はシステム許可ステータス(Zs)にある。このとき有効化スイッチ20が第2の操作力46で負荷されると、機械4又はロボット5はシステム非常時ステータス(Ps)に変わることができ、又はそれに代えてシステム緊急停止動作ステータス(As)に変わることもできる。有効化スイッチ20に即座に第2の操作力46を加えると、場合によって起こり得るシステム許可ステータス(Zs)は取られず、直ちにシステム緊急停止動作ステータス(As)が取られる。システム緊急停止動作ステータス(As)とシステム非常時ステータス(Ps)を区別することにより、機械4又はロボット5を別の安全な運転ステータスに移行させることができる。この場合、システム緊急停止動作ステータス(As)とシステム非常時ステータス(Zs)では、標準的に同じストップカテゴリ、即ち0と1が許容される。
【0191】
図8には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1図7と同一の部材には同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1図7における詳細な説明を参照する。
【0192】
図8a、図8b及び図8cには、安全スイッチ要素1が、異なる有効化スイッチステータスで示されている。ここでは、緊急停止切換手段19は、特定のステータス又は特定の運転モードを通知するために、詳細に図示されない照明ユニットによって選択的に照明又はバックライトされるように形成することができる。
【0193】
図8に示されている緊急停止切換手段19の非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)は、それぞれ緊急停止切換手段19の上端を基準としている。休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)も同様に、それぞれ有効化スイッチ20の上端を基準としている。
【0194】
図9には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1図8と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1図8の詳細な説明を参照する。
【0195】
図9a、図9b及び図9cには、安全スイッチ要素1が異なる切換ステータスで示されており、切換ソケット29内には評価ロジック部32又は評価ロジック部32とのインターフェースが設けられている。評価ロジック部32と連結した詳細に図示されない安全制御モジュール又は評価モジュール49又は安全バスシステムを介して、先に操作領域37が第1の操作力45で比較的長い時間にわたり操作された後で、有効化スイッチ操作領域37を第2の操作力46で操作することによってシステム非常時ステータス(Ps)をもたらそうとしているのか、あるいは荷重支持領域に第2の操作力46が加えられて、システム緊急停止動作ステータス(As)をもたらそうとしているのかの評価を行うことができる。
【0196】
図9に示されている緊急停止切換手段19の非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)は、それぞれ緊急停止切換手段19の上端に関係している。休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)も同様に、それぞれ有効化スイッチ20の上端に関係している。
【0197】
図10には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1図9と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1図9の詳細な説明を参照する。
【0198】
図10a、図10b及び図10cでは、安全スイッチ要素1は異なる切換ステータスで示され、接点42、43の代わりに光電子センサ(Lichtschranken)44が設けられている。これにより電気機械式の開放接点42又は閉鎖接点43は、摩耗のないマイクロ光電子センサ44又は安全指向自己テスト(パルス)を備えた光フォーク(Lichtgabeln)に置き換えることができる。この場合、スイッチ位置及びそれに付随する切換ステータスの認識は、設けられた光電子センサ44を介して行われる。
【0199】
図10に示されている緊急停止切換手段19の非動作ステータス(I)と動作ステータス(A)は、それぞれ緊急停止切換手段19の上端に関係している。休止ステータス(R)と許可ステータス(Z)も同様に、それぞれ有効化スイッチ20の上端に関係している。
【0200】
図11には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1図10と同一の部材には同じ参照符号又は部説明を参照する。
【0201】
安全スイッチ要素1は、荷重支持領域33に少なくとも1つの閉鎖接点43を備えた有効化スイッチ安全回路31の少なくとも一部を有する。少なくとも1つの開放接点42を備えた緊急停止安全回路30の少なくとも一部は、切換ソケット29内に受容されている。さらに、切換ソケット29には接点要素のための取付けベース47が設けられており、これは安全スイッチ要素1の操作過程で反力を発揮するように形成されている。
【0202】
安全スイッチ要素1は、少なくとも1つの緊急停止安全回路30と少なくとも1つの有効化スイッチ安全回路31を介して、制御装置6又は制御装置8、9、10、14の評価モジュール49と作用的に接続されている。評価モジュール49は、評価ロジック部32を含んでいる。評価モジュール49には、緊急停止安全回路30、有効化スイッチ安全回路31、開放接点42又は閉鎖接点43のステータス50、51が伝送され又は読み出され、論理的評価によってシステムステータス52を決定できる。この場合、システムステータス52は、安全スイッチ要素1の全体状態を反映し、システム休止ステータス(Rs)、システム許可ステータス(Zs)、システム非常時ステータス(Ps)、システム緊急停止動作ステータス(As)、及びシステムエラーステータス(Fs)を含んでおり、これは機械においてシステム緊急停止動作ステータス(As)を維持している。システム休止ステータス(Rs)では、緊急停止切換手段19は、非動作ステータス(I)にある。
【0203】
評価モジュール49又は評価ロジック部32において、「手動運転モード」と「自動モード」を区別し、又は切り替えることができる。このために評価モジュール49に運転選択スイッチ55を設けることができ、又は評価ロジック部32に運転選択スイッチ55を連結できる。「手動運転モード」では、システムはシステム許可ステータス(Zs)、緊急停止動作ステータス(As)、システムエラーステータス(Fs)、システム休止ステータス(Rs)、又はシステム非常時ステータス(Ps)のシステムステータスを取り得ることができる。「自動モード」では、システムはシステム緊急停止動作ステータス(As)のみを取り得ることができる。
【0204】
図12では、図11による安全スイッチ要素1が異なる切換ステータスで示されており、前出の図1図11と同一の部材には同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1から11の詳細な説明を参照する。
【0205】
図12aでは、安全スイッチ要素1は操作されていないステータスにあって、緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)にある。システム休止ステータス(Rs)は、評価モジュール49を介して決定される。強制開放接点42はこのステータスで閉じており、閉鎖接点43はこのステータスで開いている。
【0206】
安全スイッチ要素1と連結された工業設備2、機械4又はロボット5は、動作解放を伴わない「手動運転モード」にある。
【0207】
図12bには、有効化スイッチ20又は有効化スイッチ操作部26に第1の操作力45を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ20は許可ステータス(Z)に移行する。このとき評価モジュール49又は評価ロジック部32を介してシステム許可ステータス(Zs)が決定される。このステータスでは閉鎖接点43は閉じており、強制開放接点42もこのステータスで閉じている。
【0208】
安全スイッチ要素1と連結された工業設備2、機械4又はロボット5は、動作解放を伴う「手動運転モード」にあり、そのためこのステータスでは危険な又は潜在的に危険な操作、例えばプログラミング操作又はティーチング操作を導入又は確認できる。
【0209】
図12cには、有効化スイッチ20又は有効化スイッチ操作部26に第2の操作力46を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は、緊急停止動作ステータス(A)に移行する。このとき評価モジュール49又は評価ロジック部32を介して、システム非常時ステータス(Ps)とシステム緊急停止動作ステータス(As)を区別することができる。ただし、これらのシステムステータスでは設備安全コンセプトに応じて同じストップカテゴリが存在しなければならないため、この区別は関係しない。強制開放接点42のうち少なくとも1つは開いており、閉鎖接点43はこのステータスではシステムステータス52に影響を及ぼさない。
【0210】
安全スイッチ要素1と連結された工業設備2、機械4又はロボット5で、すべてのアクティブな機能は、システム非常時ステータス(Ps)か、又はシステム緊急停止動作ステータス(As)のより安全なシステムステータス52に移行する。
【0211】
図12dには、緊急停止切換手段19の操作領域37に第1の操作力45を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)に留まり、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)に留まっている。システム休止ステータス(Rs)は、評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して決定される。強制開放接点42はこのステータスですべて閉じており、閉鎖接点43はこのステータスで開いている。
【0212】
安全スイッチ要素1と連結された工業設備2、機械4又はロボット5は、動作解放を伴わない「手動運転モード」にある。
【0213】
図12eには、緊急停止切換手段19の操作領域37に第2の操作力46を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は、動作ステータス(A)に移行する。システム緊急停止動作ステータス(As)は、評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して決定される。このステータスでは強制開放接点42の少なくとも1つが開いており、有効化スイッチ20の切換ステータスはシステムステータスのために考慮されない。
【0214】
安全スイッチ要素1と連結された工業設備2、機械4又はロボット5では、システム緊急停止動作ステータス(As)に移行されるため、すべてのアクティブな機能は安全なステータスに移行し、すべての危険な機械操作はストップされる。
【0215】
図13には、安全スイッチ要素1の別の、場合によってはそれ自体独自の実施形態が示されており、前出の図1図12と同一の部材にはここでも同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1から12の詳細な説明を参照する。
【0216】
安全スイッチ要素1は、荷重支持領域33に開口部53を有しており、これを通って有効化スイッチ20の操作部54が切換ソケット29内に突入している。切換ソケット29内には、少なくとも1つの閉鎖接点43を備えた少なくとも1つの第1の有効化スイッチ安全回路31と、少なくとも1つの強制開放接点42を備えた緊急停止安全回路30が受容されている。さらに切換ソケット29には、接点要素のための取付けベース47が設けられており、安全スイッチ要素1を操作する過程で反力を発揮するように形成されている。取付けベース47と有効化スイッチ安全回路31又は少なくとも1つの閉鎖接点43との間に復元要素48が設けられており、復元要素48は例えば戻しばねであってよい。有効化スイッチ20が許可ステータス(Z)又は緊急停止動作ステータス(A)に移行すると、このステータスはオペレータ12が有効化スイッチ操作部26を離せば復元要素48によって自動的に休止ステータス(R)に戻すことができる。したがって有効化スイッチ20は、オペレータ12によって力が加えられない限り、常に休止ステータス(R)にある。
【0217】
図14には、図13による安全スイッチ要素1が異なる切換ステータスで示され、前出の図1図13と同一の部材には同じ参照符号又は部材名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、前出の図1図13の詳細な説明を参照する。
【0218】
図14aでは、安全スイッチ要素1は操作されていないステータスにあり、緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)にある。有効化スイッチ20は、復元要素48によって休止ステータス(R)に保持される。システム休止ステータス(Rs)は、評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して決定される。強制開放接点42はこのステータスで閉じられており、閉鎖接点43はこのステータスで開いている。システムは、動作解放を伴わない「手動運転モード」にある。
【0219】
図14bには、有効化スイッチ20又は有効化スイッチ操作部26に第1の操作力45を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)にあり、有効化スイッチ20は許可ステータス(Z)に移行する。復元要素48は、第1の操作力45で許可ステータス(Z)に入るように操作される。システム許可ステータス(Zs)は、評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して決定される。強制開放接点42はこのステータスで閉じられており、閉鎖接点43はこのステータスで閉じられている。
【0220】
オペレータ12が有効化スイッチ20又は有効化スイッチ操作部26を離すと、復元要素48を介して休止ステータス(R)への自動復元が行われる。
【0221】
図14cには、有効化スイッチ20又は有効化スイッチ操作部26に第2の操作力46を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は、第2の操作力46で復元要素48を介して緊急停止動作ステータス(A)に移行する。このとき評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して、システム非常時ステータス(Ps)か、又はシステム緊急停止動作ステータス(As)か区別できる。この区別を通して、例えば異なるストップカテゴリを適用できる。このステータスでは強制開放接点42の少なくとも1つが開いている。閉鎖接点43のステータスは、このシステムステータス52には関係しない。
【0222】
オペレータ12が有効化スイッチ20又は有効化スイッチ操作部26を離すと、復元要素48を介して休止ステータス(R)への自動復元が行われる。
【0223】
図14dには、緊急停止切換手段19の操作領域37に第1の操作力45を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は非動作ステータス(I)に留まり、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)に留まっている。このとき有効化スイッチ20は、復元要素48を介して休止ステータス(R)に保持される。システム休止ステータス(Rs)は、評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して決定される。このステータスではすべての強制開放接点42が閉じられており、閉鎖接点43はこのステータスで閉じられている。
【0224】
図14eには、緊急停止切換手段19の操作領域37に第2の操作力46を加えるところが示されている。緊急停止切換手段19は動作ステータス(A)に移行し、有効化スイッチ20は休止ステータス(R)に留まっている。有効化スイッチ20は、復元要素48を介して休止ステータス(R)に保持される。システム緊急停止動作ステータス(As)は、評価モジュール49又は評価ロジック部32を通して決定される。このステータスでは、強制開放接点42の少なくとも1つが開いている。
【0225】
以上の実施形態は可能な変形例を示すものであり、この箇所で注記すると、本発明は特別に図示された本発明の実施態様に制限されておらず、むしろ個々の実施態様を互いに種々組み合わせることが可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
【0226】
保護の範囲は請求項によって規定されている。しかしながら請求項を解釈するために詳細な説明と図面が援用される。図示及び説明された種々の実施例に基づく個別特徴又は特徴の組合せは、それ自体で独自の発明による解決をなすことができる。独自の発明による解決の根底にある課題は、詳細な説明から読み取ることができる。
【0227】
本発明の説明において値の範囲に関するすべての指示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1~10という指示には、下限1を起点として上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7又は3.2~8.1又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0228】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、部材は一部縮尺通りではなく、及び/又は拡大及び/又は縮小して表現された。
【符号の説明】
【0229】
1 安全スイッチ要素
2 工業設備
3 操作装置
4 機械
5 ロボット
6 制御装置
7 中央制御装置
8 制御装置
9 制御装置
10 制御装置
11 手持ち式操作装置
12 オペレータ
13 インターフェース
14 制御装置
15 ハウジング
16 ケーブル
17 インターフェース
18 操作要素
19 緊急停止切換手段
20 有効化スイッチ
21 有効化部材
22 側壁
23 中空室
24 上部壁領域
25 操作保護鍔部
26 有効化スイッチ操作部
27 凹部
28 表面
29 切換ソケット
30 緊急停止安全回路
31 有効化スイッチ安全回路
32 評価ロジック部
33 荷重支持領域
34 段差部
35 内周面
36 駆動部材
37 操作領域
38 操作経路
39 操作方向
40 緊急停止ロック装置
41 測定装置
42 開放接点
43 閉鎖接点
44 光電子センサ
45 第1の操作力
46 第2の操作力
47 取付けベース
48 復元要素
49 評価モジュール
50 開放接点ステータス
51 閉鎖接点ステータス
52 システムステータス
53 開口部
54 操作部
55 運転選択スイッチ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c
図11
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
図13
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
【国際調査報告】