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特表2022-537049ベンペド酸の製造方法及びその組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ベンペド酸の製造方法及びその組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 51/09 20060101AFI20220816BHJP
   C07C 27/02 20060101ALI20220816BHJP
   C07C 59/285 20060101ALI20220816BHJP
   C07C 67/343 20060101ALI20220816BHJP
   C07C 69/33 20060101ALI20220816BHJP
   C07C 67/307 20060101ALI20220816BHJP
   C07C 51/43 20060101ALI20220816BHJP
   C07C 51/47 20060101ALI20220816BHJP
   A61K 31/20 20060101ALI20220816BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
C07C51/09
C07C27/02
C07C59/285
C07C67/343
C07C69/33
C07C67/307
C07C51/43
C07C51/47
A61K31/20
A61P3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575993
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 US2020038622
(87)【国際公開番号】W WO2020257571
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/864,873
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516281436
【氏名又は名称】エスペリオン・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Esperion Therapeutics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コップ,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】アブデルナセール,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】シマラスティ,クリストファー エム.
(72)【発明者】
【氏名】レーン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】バークマン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アミン,ラシドゥル
(72)【発明者】
【氏名】カッパー,アーサー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゴパル,ダモダラゴウンダー
(72)【発明者】
【氏名】セリグ,フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA04
4C206DA36
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZC33
4H006AA02
4H006AC24
4H006AC30
4H006AC41
4H006AC46
4H006AD15
4H006AD17
4H006BB11
4H006BB16
4H006BB25
4H006BB31
4H006BC10
4H006BC31
4H006BM10
4H006BM72
4H006BM74
4H006BN10
4H006BR10
4H006BS10
4H006KA31
4H006KC12
(57)【要約】
(a)イソ酪酸エチルを、第1の塩基の存在下で置換5-クロロペンタンと接触させて、式(I)の化合物を形成し、前記置換5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタン及び1-ヨード-5-クロロペンタンからなる群から選択され、(b)式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させて、式(II)の化合物を形成し、(c)第2の塩基の存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成し、第1の中間体を酸と接触させて式(IV)の化合物を形成し、(d)式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成し、第2の中間体を加水分解塩基と接触させて式(V)の化合物を形成することを含む、式(V)の化合物の製造方法。
(式中、[M]は、Li、Na及びKからなる群から選択され、[X]は、Br及びIからなる群から選択される。)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(V)の化合物の製造方法であって、
(a)イソ酪酸エチルを、第1の塩基の存在下で置換5-クロロペンタンと接触させて、式(I)の化合物を形成し、
前記置換5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタン及び1-ヨード-5-クロロペンタンからなる群から選択され、
(b)式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させて、式(II)の化合物を形成し、
(式中、[M]は、Li、Na及びKからなる群から選択され、[X]は、Br及びIからなる群から選択される。)
(c)第2の塩基の存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成し、第1の中間体を酸と接触させて式(IV)の化合物を形成し、
(d)式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成し、第2の中間体を加水分解塩基と接触させて式(V)の化合物を形成することを含む、式(V)の化合物の製造方法。
【請求項2】
工程(a)において、第1の塩基が、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムアミドおよびリチウムテトラメチルピペリジドからなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(a)において、イソ酪酸エチルと置換5-クロロペンタンとの接触を、約-20℃から約0℃の範囲の温度で行う請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)において、式(I)の化合物を形成した後に、約1重量%未満の置換された5-クロロペンタンが残存する請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(a)において、イソ酪酸エチルと置換5-クロロペンタンとのモル比が約1.1:1から約1.21:1である請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)において、式(I)の化合物と式[M][X]の塩との接触を、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン及びテトラヒドロフランからなる1つ以上の溶剤中で行う請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程(b)において、溶媒が約3重量%未満の水を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることを、約78℃から約82℃の範囲の温度で行う請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることを、式(I)の化合物を、式(I)の化合物のモル量を基準にして約1.1モル当量の式[M][X]の塩と接触させる請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程(b)において、式[M][X]の塩がヨウ化ナトリウムである請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程(c)において、第二塩基が、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、およびナトリウムtert-ペントキシドから選択される請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程(c)において、式(II)の化合物を第2の塩基の存在下でトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成することを、約-20℃から約10℃の範囲の温度で行う請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程(c)において、式(II)の化合物とトルエンスルホニルメチルイソシアニドのモル比が約1.9:1である請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程(c)において、式(II)の化合物とトルエンスルホニルメチルイソシアニドとの接触を、ジメチルアセトアミド中で行う請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程(c)において、第1の中間体を酸と接触させることを、約-10℃から約35℃の範囲の温度で行う請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工程(c)において、酸が塩酸である請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
工程(d)において、還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ホウ素セリウム、水素化ホウ素亜鉛および水素化ジイソブチルアルミニウムからなる群から選択される請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
工程(d)において、式(IV)の化合物を還元剤と接触させることを、式(IV)の化合物のモル量を基準にして約0.35モル当量の還元剤と接触させる請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
工程(d)において、加水分解性塩基が水酸化ナトリウムである請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
工程(d)において、第2の中間体を加水分解性塩基と接触させて式(V)の化合物を形成することを溶液中で行い、この方法を、式(V)の化合物を含む溶液のpHを約3から約7の間に調節することをさらに含む請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
工程(d)において、式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成することおよび第2の中間体を加水分解性塩基と接触させて式(V)の化合物を形成することを、単一の反応容器中で行う請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
(e)式(V)の化合物を精製して、精製された量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することをさらに含む請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
工程(e)において、式(V)の化合物を精製することが、溶媒中の式(V)の化合物をシリカゲルを通して濾過することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
工程(e)において、式(V)の化合物を精製することが、式(V)の化合物を結晶化することを含む請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
工程(e)において、式(V)の化合物を精製することが、溶媒から式(V)の化合物を結晶化することを含み、前記溶媒が酢酸エチルを含む請求項22から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
工程(e)において、式(V)の化合物を精製することが、溶媒の混合物から式(V)の化合物を結晶化することを含み、前記溶媒の混合物が酢酸エチル及び水を含む請求項22から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
工程(e)において、式(V)の化合物を精製することが、式(V)の化合物を結晶化させて式(V)の化合物の結晶形を提供することを含み、この方法がさらに式(V)の化合物の結晶形を再結晶させることを含む請求項22から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
式(V)の化合物を結晶化すること及び式(V)の化合物の結晶形態を再結晶化することを、酢酸エチル及び水を含む混合溶媒中で式(V)の化合物を結晶化すること、並びに酢酸エチル及び水を含む混合溶媒中で式(V)の化合物の結晶形態を再結晶化することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
式(V)の化合物を木炭と接触させ、次いで木炭を濾過することによって式(V)の化合物を精製することをさらに含む請求項22から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
式(V)の化合物の精製量が、製薬材料の総重量に対して99.0重量%より多い請求項22から29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
式(V)の化合物の製造方法であって、
(a)1-ブロモ-5-クロロペンタンを、約-20℃から約0℃の範囲の温度で、リチウムジイソプロピルアミドの存在下で約1.1モル当量のイソ酪酸エチルと接触させて、式(I)の化合物を形成し、
(b)式(I)の化合物を、約78℃から約82℃の範囲の温度で、2-ブタノン中の約1.1モル当量のヨウ化ナトリウムと接触させて、式(IIa)の化合物を形成し、
(c)式(IIa)の化合物を、ジメチルアセトアミド中のナトリウムtert-ペントキシドの存在下、約-20℃から約10℃の範囲の温度で、トルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成し、該第1の中間体を約-10℃から約35℃の範囲の温度で酸に接触させて式(IV)の化合物を形成し、
(d)式(IV)の化合物を約0.35モル当量の水素化ホウ素ナトリウムと接触させて第2の中間体を形成し、第2の中間体を溶液中で水酸化ナトリウムと接触させて式(V)の化合物を形成することを含む式(V)の化合物の製造方法。
【請求項32】
工程(c)において、式(IIa)の化合物のトルエンスルホニルメチルイソシアニドとナトリウムtert-ペントキシドのモル比を約1.9:1:2.1とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
(f)式(V)の化合物を含む溶液のpHを約5から約6に調整し、
(g)メチルtert-ブチルエーテルを用いて溶液から式(V)の化合物を抽出し、式(V)の化合物を含むメチルtert-ブチルエーテル溶液を提供し、
(h)メチルtert-ブチルエーテル溶液のメチルtert-ブチルエーテルを酢酸エチルと交換し、式(V)の化合物を含む酢酸エチル溶液を提供し、
(i)式(V)の化合物を含む酢酸エチル溶液をシリカゲルを介して濾過し、
(j)酢酸エチル及び水を用いて式(V)の化合物を結晶化させ、式(V)の化合物の結晶形を提供し、
(k)酢酸エチルおよび水を用いて式(V)の化合物の結晶形を再結晶化し、精製された量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することをさらに含む請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
工程(g)において、メチルtert-ブチルエーテルを用いて溶液から式(V)の化合物を抽出することを、約50℃以下の温度で行う請求項33に記載の方法。
【請求項35】
工程(j)において、酢酸エチルおよび水を用いて式(V)の化合物を結晶化することを、約50℃から約-5℃の温度範囲で行う請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
工程(k)において、酢酸エチルおよび水を用いて式(V)の化合物の結晶形態を再結晶化することを、約70℃から約5℃の温度範囲で行う請求項33から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
(l)結晶形態の式(V)の化合物をアセトニトリルに溶解し、それによって溶液を形成し、
(m)該溶液を木炭と接触させ、
(n)該木炭を濾過して、式(V)の化合物を含む精製溶液を提供し、
(o)該精製溶液から式(V)の化合物を結晶化させて、精製された量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することをさらに含む請求項33から36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
式(V)の化合物の精製量が、製薬材料の総重量に対して99.0重量%より多い請求項33から37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩の結晶形を含む製薬材料であって、
前記製薬材料は、製薬材料の総重量を基準にして99.0重量%より多い量の式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む製薬材料。
【請求項40】
式(V)の化合物の結晶形が、以下の回折角(2θ):10.3±0.2、10.4±0.2、17.9±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2及び20.7±0.2にピークを含む粉末回折パターンを示す請求項39の製薬材料。
【請求項41】
式(V)の化合物の結晶形が、回折角2θで表される5.2、10.3、10.4、11.8、13.7、15.5、15.6、17.3、17.6、17.9、18.8、19.5、19.7、20.4、20.7、21.1、22.0、22.6、23.1、23.6、23.9、24.7、25.8、26.3、27.5、29.2、30.2、30.8、31.3、31.9、32.9、34.4、35.1、36.2、37.2、37.9のX線粉末回折パターンによって特徴付けられる請求項39に記載の製薬材料。
【請求項42】
式(V)の化合物の結晶形が単斜晶系で存在し、P21/c空間群を有する請求項39から41のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項43】
式(V)の化合物の結晶形が、以下の結晶学的ユニットセルパラメータによって特徴付けられる請求項42に記載の製薬材料。

【請求項44】
式(V)の化合物の結晶形が、図4に示すものと実質的に同じ粉末X線回折パターンによって特徴付けられる請求項39から43のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項45】
式(V)の化合物の結晶形が、約90℃から約94℃の範囲の示差走査熱量測定によって決定される融点オンセットを有する請求項39から44のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項46】
式(V)の化合物の結晶形が、約92℃の示差走査熱量測定により決定される融点オンセットを有する請求項45に記載の製薬材料。
【請求項47】
式(V)の化合物の結晶形が、図5に示されるのと実質的に同じ示差走査熱量曲線を有する請求項39から46のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項48】
製薬材料が、該製薬材料の総重量に基づいて99.5重量%より多い量の式(V)の化合物を含む請求項39から47のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項49】
製薬材料が、製薬材料の総重量に基づいて99.7重量%より多い量の式(V)の化合物を含む請求項39から48のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項50】
製薬材料が、製薬材料の総重量を基準にして99.9重量%より多い量の式(V)の化合物を含む請求項39から49のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項51】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)アッセイによって決定されるように、製薬材料が、製薬材料の総重量を基準にして約98重量%から約102重量%の量の式(V)の化合物を含む請求項39から50のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項52】
HPLCアッセイが、Waters XBridge BEH C18カラム(4.6 mm i.d. x 150 mm, 2.5 μm)を用い、温度約40℃、水/アセトニトリル(約50:50)中の約0.05%リン酸からなる移動相を約1.2 mL/分の流速で等速溶出し、215nmで検出し、式(V)の化合物の保持時間が約4.6分である請求項51に記載の製薬材料。
【請求項53】
式(VI)の化合物またはその薬学的に許容される塩をさらに含む請求項39から52のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項54】
製薬材料が、製薬材料の総重量に基づいて約0.15重量%以下の量で、式(IX)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む請求項53に記載の製薬材料。
【請求項55】
式(VII)の化合物またはその薬学的に許容される塩をさらに含む請求項40から54のいずれか一項に記載の製薬材料。
【請求項56】
製薬材料が、製薬材料の総重量に基づいて約0.15重量%以下の量で、式(VII)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む請求項55に記載の製薬材料。
【請求項57】
0.2重量%以下の未知の不純物をさらに含む請求項39から56のいずれか1項に記載の製薬材料。
【請求項58】
請求項39から57のいずれか1項に記載の製薬材料及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬製剤。
【請求項59】
本明細書に記載の疾患または状態を治療する方法であって、請求項39から57のいずれか1項に記載の製薬材料または請求項58に記載の医薬製剤の治療上有効な量を患者に投与することを含む方法。
【請求項60】
疾患または状態が原発性高脂血症である請求項59に記載の方法。
【請求項61】
それを必要とする患者における原発性高脂血症の治療方法であって、請求項39から57のいずれか1項に記載の製薬材料または請求項58に記載の医薬製剤の治療上有効な量を患者に投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年6月21日に出願された米国特許出願第62/864,873号の利益及び優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
所望の収率及び純度で薬学的に活性な化合物を製造するための堅牢で費用効果が高く効率的な製造方法の開発は、依然として大きな課題である。ベンペド酸(8-ヒドロキシ-2,2,14,14テトラメチルペンタデカン二酸)は、肝障害及び心血管疾患を含む多種多様な疾患の治療に開発されている化合物である。したがって、ベンペド酸(8-ヒドロキシ-2,2,14,14テトラメチルペンタデカン二酸)を合成するためのプロセスが望ましく、それにより、生成物は、市販の薬物製品の製造のために規制機関によって必要とされる純度及び不純物プロファイルを有する。
【発明の概要】
【0003】
本発明者らは、高純度のベンペド酸を効率的に製造する方法、および医薬品原薬として使用するのに適した高純度で安定な形態のベンペド酸を見出した。
一態様において、本発明は、式(V)の化合物又はその薬学的に許容される塩を製造する方法を提供する。
式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、高純度とすることができる。したがって、特定の実施形態において、本発明は、式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む製薬材料を製造する方法を提供する。ここで製薬材料は、製薬材料の総重量を基準にして99.0重量%を超える量の式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する。
【0004】
本発明の様々な実施形態において、本方法は、一般に、以下を含む。
(a)イソ酪酸エチルを、第1の塩基の存在下で置換5-クロロペンタンと接触させて、式(I)の化合物を形成する。
該置換5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタン及び1-ヨード-5-クロロペンタンからなる群から選択される。
(b)式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させて、式(II)の化合物を形成する。
式中、[M]は、Li、Na及びKからなる群から選択され、[X]は、Br及びIからなる群から選択される。
(c)第2の塩基の存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成し、第1の中間体を酸と接触させて式(IV)の化合物を形成する。
(d)式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成し、及び第2の中間体を加水分解塩基と接触させて式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩を形成する。
【0005】
本発明の特定の実施形態では、本方法は以下を含む。
(a)1-ブロモ-5-クロロペンタンを、約-20℃から約0℃の範囲の温度で、リチウムジイソプロピルアミドの存在下で約1から約1.21モル当量のイソ酪酸エチルと接触させて、式(I)の化合物を形成する。
(b)式(I)の化合物を、約78℃から約82℃の範囲の温度で、2-ブタノン中の約1.1モル当量のヨウ化ナトリウムと接触させて、式(IIa)の化合物を形成する。
(c)式(IIa)の化合物を、ジメチルアセトアミド中のナトリウムtert-ペントキシドの存在下、約-20℃から約10℃の範囲の温度で、トルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて中間体を形成し、該中間体を約-10℃から約35℃の範囲の温度で酸に接触させて式(IV)の化合物を形成する。
(d)式(IV)の化合物を約0.35モル当量の水素化ホウ素ナトリウムと接触させて第2の中間体を形成し、第2の中間体を溶液中で水酸化ナトリウムと接触させて式(V)の化合物を形成する。
【0006】
本発明の特定の実施形態において、本方法は、さらに以下を含む。
(e)式(V)の化合物を精製して、精製された量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供する。
本発明の特定の実施形態では、式(V)の化合物を精製することは、以下を含む。
(f)式(V)の化合物を含む溶液のpHを約6に調整し、
(g)メチルtert-ブチルエーテルを用いて溶液から式(V)の化合物を抽出し、式(V)の化合物を含むメチルtert-ブチルエーテル溶液を提供し、
(h)メチルtert-ブチルエーテル溶液のメチルtert-ブチルエーテルを酢酸エチルと交換し、式(V)の化合物を含む酢酸エチル溶液を提供し、
(i)式(V)の化合物を含む酢酸エチル溶液をシリカゲルを介して濾過し、
(j)酢酸エチル及び水を用いて式(V)の化合物を結晶化させ、式(V)の化合物の結晶形を提供し、及び
(k)酢酸エチルおよび水を用いて式(V)の化合物の結晶形を再結晶化し、精製された量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供する。
【0007】
別の態様では、本発明は、高純度もしくは精製されたベムペド酸またはその薬学的に許容される塩を提供する。 例えば、本明細書に記載されるのは、式(V)の化合物を含む製薬材料またはその薬学的に許容される塩である。
製薬材料は、製薬材料の総重量を基準にして99.0重量%より多い量の式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0008】
様々な実施形態において、製薬材料は、式(V)の化合物の結晶形又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量を基準にして99.0重量%より多い量の式(V)の化合物を含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の製薬材料などの高純度ベムペド酸又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物又は製剤を提供する。例えば、医薬組成物は、本発明の製薬材料(例えば、製薬材料の総重量に基づいて99.0重量%より多い量の式(V)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む製薬材料)および医薬的に許容される賦形剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療上有効な量の本発明の製薬材料および薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、式(V)の化合物の結晶形またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0009】
精製されたベンペド酸またはその薬学的に許容される塩、ベンペド酸またはその薬学的に許容される塩の結晶形、本発明の製薬材料(例えば、製薬材料の総重量を基準にして99.0重量%を超える量で式(V)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む製薬材料)または本発明の医薬組成物は、本書に記載される種々の状態および疾患の治療に使用することができる。例えば、治療方法は、アデノシン三リン酸クエン酸リアーゼ(ACL)の阻害、コレステロール合成の阻害および/または脂肪酸生合成の抑制を含むことができる。いくつかの実施形態では、症状又は疾患は、原発性高脂血症などの高脂血症であり得、この方法は、原発性高脂血症などの高脂血症を治療することを含む。いくつかの実施形態において、疾患は、心血管疾患であり得、この方法は、心血管疾患を治療することを含む。様々な実施形態において、治療方法は、低密度脂質コレステロール(LDL-C)、非高密度脂質コレステロール(非HDL-C)、血清総コレステロール(TC)、アポリポ蛋白B(apoB)及び/又は高感度C反応性蛋白(hsCRP)を改善又は低下することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に記載のベンペド酸(すなわち、式(V)の化合物)を合成するための本発明の例示的な反応スキームであり、この反応スキームは、製薬材料の総重量に基づいて、99.0重量%を超える量の式(V)の化合物を含む製薬材料の合成を含む。
図2】式(V)の化合物の例示的なH-NMRスペクトルである。
図3】式(V)の化合物の例示的な13C-NMRスペクトルである。
図4】実施例1に更に記載される結晶形態の式(V)の化合物のX線粉末回折パターンである。
図5】実施例1に更に記載される結晶形態の式(V)の化合物の示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)曲線の重ね合わせである。
図6】結晶形態の式(V)の化合物の水収着等温線である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
現在、ベンペド酸(その薬学的に許容される塩を含む)は、高純度および/またはバルク量で製造することができることが見出だされている。様々な実施形態において、ベンペド酸の結晶形態又はその薬学的に許容される塩が提供される。
本明細書に記載のベンペド酸の製造方法は、合成プロセス中の除去困難な不純物の形成の制御により、一部、高レベルまたは量のベンペド酸またはその薬学的に許容される塩を含む製薬材料を提供することが可能である。
さらに、高純度の結晶形のベンペド酸またはその薬学的に許容される塩を有する製薬材料が提供され、例えば、製薬材料が結晶形のベンペド酸またはその薬学的に許容される塩からなり、製薬材料が、製薬材料の総重量を基準として99.0重量%を超える量のベンペド酸またはその薬学的に許容される塩からなる場合、その製薬材料は、ベンペド酸またはその薬学的な塩の高純度の結晶形のベンペド酸を提供することができる。
【0012】
I.定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語及び語句を以下に定義する。
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される略語は、化学及び生物学の分野における従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学分野で知られている化学原子価の標準規則に従って構築される。
【0013】
本明細書を通して、組成物及びキットが特定の成分を有する、含む(including)又は含む(comprising)ものとして記載される場合、又はプロセス及び方法が特定の工程を有する、含む(including)、又は含む(comprising)ものとして記載される場合、さらに、列挙される成分から本質的になる、又はそれからなる本発明の組成物及びキットがあり、列挙される処理工程から本質的になる、又はそれからなる本発明のプロセス及び方法があることが企図される。
要素又は成分が列挙される要素又は成分のリストに含まれる及び/又は列挙される要素又は成分のリストから選択されると言われる本出願では、要素又は成分は列挙される要素又は成分のいずれか1つであり得るか、又は要素又は成分は列挙される要素又は成分の2つ以上からなる群から選択され得ることを理解されたい。
【0014】
さらに、本明細書に記載の組成物又は方法の要素及び/又は特徴は、本明細書において明示的であろうと暗黙的であろうと、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。例えば、特定の化合物に言及する場合、その化合物は、文脈から特に理解されない限り、本発明の組成物及び/又は本発明の方法の様々な実施形態において使用することができる。換言すれば、本出願内では、明確かつ簡潔な用途の記述及び描画を可能にする方法で実施形態を説明及び図示してきたが、本教示及び本発明から逸脱することなく、実施形態を様々に組み合わせたり分離したりすることができることが意図され、理解されるであろう。例えば、本明細書に記載及び図示されるすべての特徴は、本明細書に記載及び図示される発明(複数可)のすべての態様に適用可能であり得ることが理解されよう。
【0015】
冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、文脈が不適切でない限り、冠詞の文法的対象の1つ以上(すなわち、少なくとも1まで)を指すために本開示で使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
「及び/又は」という用語は、本開示では、特に指示しない限り、「及び」又は「又は」のいずれかを意味するために使用される。
「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、文脈及び使用から特に理解されない限り、この表現の後に列挙される対象のそれぞれ、及び列挙される対象の2つ以上の様々な組み合わせを個別に含むことを理解されたい。3つ以上の列挙された対象に関連する「及び/又は」という表現は、文脈から特に理解されない限り、同じ意味を有すると理解されたい。
「含む(include)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、又は「含有する(containing)」という用語の使用は、その文法上の等価物を含めて、一般に、制限のない非限定的なものとして理解されるべきであり、例えば、特に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り、列挙されていない更なる要素又は工程を除外しない。
【0016】
「約」という用語の使用が定量的値の前である場合、本発明は、特に明記しない限り、特定の定量的値自体も含む。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特に指示がない限り、又は文脈から推測されない限り、公称値から±10%の変動を指す。
【0017】
例えばポリマーの絶対値ではなく分子量が提供される場合、その分子量は、特に明記されない限り、又は文脈から理解されない限り、平均分子量であると理解されるべきである。
本発明が動作可能なままである限り、工程の順序又は特定の動作を実行するための順序は重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上の工程又は動作が同時に行われてもよい。
【0018】
本明細書の様々な箇所で、変数又はパラメータは、グループ又は範囲で開示されている。説明は、このようなグループ及び範囲のメンバーのありとあらゆる個々の部分的組合せを含むことが特に意図される。例えば、0~40の範囲の整数は、具体的には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、及び40を個別に開示することを意図しており、1~20の範囲の整数は、具体的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20を個別に開示することを意図している。
【0019】
本明細書におけるありとあらゆる例、又は例示的な言語、例えば「等(such as)」又は「含む(including)」の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図しており、特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な特許請求の範囲に記載されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
一般的な事項として、パーセンテージを特定する組成物は、特に明記しない限り重量基準である。さらに、変数が定義を伴わない場合、変数の以前の定義が制御する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る塩」は、本発明の化合物中に存在し得る酸性基又は塩基性基の任意の塩を指し、その塩は薬学的投与に適合している。例えば、ベンペド酸のカルボン酸基の一方又は両方を薬学的に許容され得る塩に変換することができる。
当業者に知られているように、化合物の「塩」は、無機又は有機の酸及び塩基から誘導され得る。酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。シュウ酸等の他の酸は、それ自体は薬学的に許容され得ないが、本明細書に記載の化合物及びそれらの薬学的に許容され得る酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製に使用することができる。
塩基の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム及びカルシウム)水酸化物、アンモニア、及びWがC1~4アルキルである式NW の化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩等が挙げられるが、コレラに限定されない。塩の他の例としては、Na、K、Ca2+、NH 、及びNW (WはC1~4アルキル基であり得る)等の適切なカチオンと配合された本発明の化合物のアニオン等が挙げられる。
【0022】
治療用途の場合、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容され得ると考えられる。しかしながら、薬学的に許容され得ない酸及び塩基の塩は、例えば、薬学的に許容され得る化合物の調製又は精製においても使用され得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」又は「医薬製剤」は、活性剤と、不活性又は活性の担体との組み合わせを指し、組成物をin vivo又はex vivoでの診断又は治療の用途に特に適したものにする。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る」及び「薬理学的に許容され得る」という語句は、必要に応じて動物又はヒトに投与した場合に有害、アレルギー又は他の不都合な反応を引き起こさない化合物、分子実体、組成物、材料、及び/又は剤形を指す。ヒト投与の場合、調製物は、FDA Office of Biologics基準によって要求される無菌性、発熱原性、並びに一般的な安全性及び純度の基準を満たすべきである。「薬学的に許容され得る」及び「薬理学的に許容され得る」は、連邦政府もしくは州政府の規制機関又は米国以外の国の対応する機関によって承認された又は承認され得ること、又は動物、より詳しくはヒトにおける使用のために米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されていることを意味し得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「担体」は、ベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩等の医薬品を1つの臓器又は身体の一部から別の臓器又は身体の一部に運搬又は輸送することに関与する、液体又は固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料等の材料、組成物又はビヒクルを指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る賦形剤」は、対象への活性剤の投与及び/又は被験体による吸収を補助し、患者に有意な有害毒性作用を引き起こさずに本発明の組成物に含めることができる物質を指す。薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水(リン酸緩衝生理食塩水等)、エマルジョン(例えば、油/水又は水/油エマルジョン等)、乳酸加リンゲル、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香味剤、塩溶液(例えばリンゲル溶液)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物(ラクトース、アミロース又はデンプン等)、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及び着色剤等が挙げられる。そのような調製物は、滅菌し、必要に応じて、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝剤、着色剤、及び/又は本発明の化合物と有害に反応しない芳香族物質等の補助剤と混合することができる。賦形剤の例については、Martin,Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Mack Publ.Co.,Easton,PA(1975)を参照されたい。
【0025】
本明細書で使用される場合、「治療すること」又は「治療」は、症状、疾患、障害等の好転又はその症候の改善をもたらす任意の効果、例えば、軽減、減少、調節、改善又は排除を含む。治療することは、障害を治癒すること、好転させること、又は少なくとも部分的に改善することであり得る。特定の実施形態では、治療することは、疾患を治癒させることである。
本明細書で使用される場合、1つ以上の症候(複数可)(及びこの句の文法的等価物)の「減少する」又は「減少」は、症候(複数可)の重症度又は頻度の減少、又は症候(複数可)の排除を意味する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「有効量」又は「治療有効量」は、有益な又は所望の結果をもたらすのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量を指す。有効量は、1回以上の投与、塗布又は投与量で投与することができ、特定の製剤又は投与経路に限定されることを意図しない。本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、症状、疾患、障害等の好転又はその症候の改善をもたらす任意の効果、例えば、軽減、減少、調節、改善又は排除を含む。
【0027】
本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」は交換可能に使用され、本発明の方法及び組成物によって治療される生物を指す。かかる生物は、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、又は非ヒト霊長類、例えばサル、チンパンジー、ヒヒ及びアカゲザル)であり、より好ましくはヒトである。
【0028】
本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」、「症状」又は「疾病」は、文脈から他のことが十分に作用しないか又は理解されない限り、交換可能に使用することができ、本明細書で提供される化合物、製薬材料、医薬組成物又は方法で治療することができる患者又は対象の状態又は健康状態を指す。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される化合物及び方法は、例えば、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の投与による、疾患、障害もしくは症状、又は疾病の1つ以上の症候の軽減又は排除を含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「投与する」は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、頭蓋内、鼻腔内もしくは皮下投与、又は徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの埋め込みを意味する。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、又は経皮)を含む任意の経路によるものである。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内及び頭蓋内が含まれる。他の送達様式としては、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチ等の使用が挙げられるが、これらに限定されない。「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物を、1つ以上の追加の治療(例えば、抗癌剤、化学療法剤、又は神経変性疾患の治療)の投与と同時に、投与直前に、又は投与直後に投与することを意味する。本発明の化合物は、単独で投与することができ、又は患者に同時投与することができる。同時投与は、化合物を個別に又は組み合わせて(2つ以上の化合物又は薬剤)同時又は逐次投与することを含むことを意味する。したがって、調製物は、必要に応じて、(例えば、代謝分解を低下させるために)他の活性物質と組み合わせることもできる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「肝障害」は、一般に、肝臓に影響を及ぼす疾患、障害、及び/又は症状を指し、例えば、肝細胞への脂肪の単純な蓄積(脂肪症)、大滴性脂肪変性、門脈周囲及び小葉の炎症(脂肪性肝炎)、肝硬変、線維症、肝臓癌、及び肝不全を包含する広範囲の重症度を有し得る。
本明細書で使用される場合、「脂肪肝」とも呼ばれる「脂肪肝疾患」(「FLD」)は、肝細胞における異常な脂肪蓄積によって引き起こされる肝損傷につながる疾患を指す。FLDは、過剰なアルコール摂取及び代謝障害(インスリン抵抗性、肥満及び高血圧に関連するもの等)を含む多くの原因から生じ得る。
本明細書で使用される場合、「非アルコール性脂肪性肝疾患」(「NAFLD」)は、過剰なアルコール摂取の病歴がない個体における肝細胞への脂肪の蓄積に起因する一連の障害を指す。最も軽度の形態では、NAFLDは肝脂肪症を指す。
本明細書で使用される場合、「薬物誘発性肝疾患」又は「毒性肝損傷」は、活性剤が肝臓の損傷を引き起こした疾患又は症状を指す。
本明細書で使用される場合、「アルコール性肝障害」とも呼ばれる「アルコール性肝疾患」は、アルコール摂取によって少なくとも部分的に引き起こされる、肝細胞への脂肪蓄積によって引き起こされる疾患を指す。例としては、アルコール性単純脂肪肝、アルコール性脂肪性肝炎(「ASH(alcoholic steatohepatitis)」)、アルコール性肝線維症、アルコール性肝硬変、アルコール性脂肪性肝疾患等の疾患が挙げられるが、これらに限定されない。アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis)は、アルコール性脂肪性肝炎(alcoholic fatty hepatitis)とも呼ばれ、アルコール性肝線維症を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「妊娠中の脂肪肝」は、妊娠中に起こり得、生命を脅かす可能性がある急性脂肪肝症状を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「脂質代謝を変化させる」とは、脂質代謝の少なくとも1つの態様において観察可能な(測定可能な)変化を指し、これには、総血中脂質含有量、血中HDLコレステロール、血中LDLコレステロール、血中VLDLコレステロール、血中トリグリセリド、血中Lp(a)、血中apo A-I、血中apo E及び血中非エステル化脂肪酸が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「グルコース代謝を変化させる」とは、グルコース代謝の少なくとも1つの態様における観察可能な(測定可能な)変化を指し、これには、総血中グルコース含有量、血中インスリン、血中インスリン対血中グルコース比、インスリン感受性、及び酸素消費量を含むが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される場合、「精製されたベンペド酸」は、固体として単離された場合、製薬材料が、製薬材料の総重量に基づいて少なくとも95重量%の8-ヒドロキシ-2,2,14,14テトラメチルペンタデカン二酸を含有することを意味する。特定の実施形態では、精製されたベンペド酸は、固体として単離された場合、製薬材料が、製薬材料の総重量に基づいて、少なくとも99.0重量%の8-ヒドロキシ-2,2,14,14テトラメチルペンタデカン二酸を含有することを意味する。さらに、精製されたベンペド酸は、特に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り、その薬学的に許容され得る塩を含むことができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「実質的に完了した」反応は、反応が約80重量%を超える所望の生成物を含有することを意味する。特定の実施形態では、実質的に完全な反応は、約90重量%を超える所望の生成物を含有する。特定の実施形態では、実質的に完全な反応は、約95重量%を超える所望の生成物を含有する。特定の実施形態では、実質的に完全な反応は、約97重量%を超える所望の生成物を含有する。
特に明記しない限り、本明細書に記載のすべてのX線粉末回折(XRPD)パターンは、Cu Kα放射線源を使用して測定されたXRPDパターンに対応し、結晶形態のベンペド酸は、周囲温度でXRPDによって分析される。
【0035】
II.結晶形態のベンペド酸
A.結晶性ベンペド酸
一態様では、本発明は、8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカン二酸の結晶形態を提供し、これは本明細書では「ベンペド酸」及び/又は式(V)の化合物としても知られ、言及される。
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、以下の回折角(2θ):10.3±0.2、10.4±0.2、17.9±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、及び20.7±0.2のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、以下の回折角(2θ):10.3±0.2、10.4±0.2、17.6±0.2、17.9±0.2、18.8±0.2、19.5±0.2、19.7±0.2、20.4±0.2、20.7±0.2及び22.6±0.2のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
【0036】
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、表1に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d(オングストローム)及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表1】
【0037】
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、図4に示すのと実質的に同じX線粉末回折パターンを特徴とする。
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、単斜晶系で存在し、P2/c空間群を有する。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、表2に示す結晶学的単位胞パラメータを特徴とする。
【0038】
【表2】
【0039】
式(V)の化合物の結晶形態は、融点開始温度によっても特徴決定することができる。したがって、特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、約82℃~約94℃の範囲の示差走査熱量測定によって決定される融点開始を有する。特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、約90℃~約94℃の範囲の示差走査熱量測定によって決定される融点開始を有する。特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、約92℃の示差走査熱量測定によって決定される融点開始を有する。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、図5に示すのと実質的に同じ示差走査熱量測定曲線を有する。
【0040】
結晶形態の式(V)の化合物はまた、温度の関数としてのその質量増加/質量減少に従って特性決定することもできる。したがって、特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、約200℃に加熱すると、熱重量分析によって決定される場合、約0.1%~約0.7%の質量減少を示す。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、約200℃に加熱すると、熱重量分析によって決定される場合、約0.7%以下の質量減少を示す。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、図5に示すのと実質的に同じ熱重量分析曲線を有する。
結晶形態の式(V)の化合物はまた、その水収着特性によって特性決定することができる。したがって、特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、動的水蒸気吸着によって決定される場合、相対湿度80%及び温度25℃で約0.01%~約0.05%の質量変化を示す。特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、動的水蒸気吸着によって決定される場合、相対湿度80%及び温度25℃で約0.03%の質量変化を示す。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態は、25℃で測定した場合、図6に示すのと実質的に同じ水収着等温線を有する。
本明細書におけるベンペド酸又は精製ベンペド酸への言及は、特に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り、結晶形態のベンペド酸を含むことを理解されたい。
【0041】
B.結晶塩形態のベンペド酸
さらに、種々の結晶塩形態のベンペド酸を調製することができることが見い出された。特に、以下の対イオンは、ベンペド酸の結晶塩形態を生成した。アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム(2つの結晶形態)、リジン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、ベタイン、トロメタミン及びイソニコチンアミド。
【0042】
(i)結晶性ベタイン塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性ベタイン塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ベタイン塩は、以下の回折角(2θ):6.2±0.2°、13.5±0.2°、17.5±0.2°、19.3±0.2°及び25.6±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ベタイン塩は、以下の回折角(2θ):6.2±0.2°、13.5±0.2°、16.1±0.2°、17.5±0.2°、19.3±0.2°、19.9±0.2、25.6±0.2°及び27.2±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ベタイン塩は、表3に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【0043】
【表3】
【0044】
(ii)ベンペド酸の結晶性カルシウム塩形態
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性カルシウム塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カルシウム塩は、以下の回折角(2θ):4.9±0.2、6.4±0.2、9.1±0.2、14.8±0.2、19.7±0.2及び37.1±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カルシウム塩は、表4に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表4】
【0045】
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カルシウム塩は、以下の回折角(2θ):6.0±0.2°、6.8±0.2°、8.5±0.2°及び9.8±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カルシウム塩は、以下の回折角(2θ):6.0±0.2°、6.8±0.2°、8.5±0.2°、9.8±0.2°、17.1±0.2°及び19.0±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カルシウム塩は、表5に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表5】
【0046】
(iii)結晶性ジエチルアミン塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性ジエチルアミン塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ジエチルアミン塩は、以下の回折角(2θ):9.6±0.2°、14.1±0.2°、及び19.8±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ジエチルアミン塩は、以下の回折角(2θ):9.6±0.2°、14.1±0.2°、17.8±0.2°、19.8±0.2°、22.6±0.2°、及び38.7±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ジエチルアミン塩は、表6に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表6】
【0047】
(iv)結晶性エチレンジアミン塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性エチレンジアミン塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性エチレンジアミン塩は、以下の回折角(2θ):6.8±0.2°、10.8±0.2°、16.2±0.2°、18.3±0.2°及び18.8±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ジエチルアミン塩は、以下の回折角(2θ):6.8±0.2°、7.7±0.2°、10.8±0.2°、13.9±0.2°、15.2±0.2°、16.2±0.2°、18.3±0.2°、18.8±0.2°、21.4±0.2°及び22.3±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性エチレンジアミン塩は、表7に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表7】
【0048】
(v)結晶性イソニコチンアミド塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性イソニコチンアミド塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性イソニコチンアミド塩は、以下の回折角(2θ):4.4±0.2°、18.8±0.2°、20.1±0.2°及び24.5±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性イソニコチンアミド塩は、以下の回折角(2θ):4.4±0.2°、14.5±0.2°、18.8±0.2°、20.1±0.2°、24.5±0.2°、26.2±0.2°及び29.5±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性イソニコチンアミド塩は、表8に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表8】
【0049】
(vi)結晶性カリウム塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性カリウム塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カリウム塩は、以下の回折角(2θ):5.7±0.2°、7.3±0.2°、9.6±0.2°及び22.1±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カリウム塩は、以下の回折角(2θ):5.7±0.2°、7.3±0.2°、9.6±0.2°、16.0±0.2°、22.1±0.2°及び23.0±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性カリウム塩は、表9に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表9】
【0050】
(vii)結晶性リジン塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性リジン塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性リジン塩は、以下の回折角(2θ):4.2±0.2°、10.2±0.2°、19.1±0.2°、19.7±0.2°及び21.9±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性リジン塩は、以下の回折角(2θ):4.2±0.2°、10.2±0.2°、13.5±0.2°、14.2±0.2°、16.0±0.2°、19.1±0.2°、19.7±0.2°及び21.9±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性リジン塩は、表10に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表10】
【0051】
(viii)ベンペド酸の結晶性ナトリウム塩形態
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性ナトリウム塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ナトリウム塩は、以下の回折角(2θ):6.1±0.2°、14.2±0.2°、18.3±0.2°及び24.5±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ナトリウム塩は、以下の回折角(2θ):6.1±0.2°、13.4±0.2°、14.2±0.2°、16.6±0.2°、18.3±0.2°、19.1±0.2°及び24.5±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ナトリウム塩は、表11に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表11】
【0052】
(ix)結晶性アンモニウム塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性アンモニウム塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性アンモニウム塩は、以下の回折角(2θ):6.9±0.2°、7.1±0.2°、14.3±0.2°、16.0±0.2°及び21.4±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性アンモニウム塩は、以下の回折角(2θ):6.9±0.2°、7.1±0.2°、9.3±0.2°、14.3±0.2°、16.0±0.2°、18.2±0.2°、19.2±0.2°、21.4±0.2°及び22.3±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性アンモニウム塩は、表12に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表12】
【0053】
(x)結晶性ピペラジン塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性ピペラジン塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ピペラジン塩は、以下の回折角(2θ):6.7±0.2°、8.7±0.2°、10.7±0.2°、15.7±0.2°及び16.0±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ピペラジン塩は、以下の回折角(2θ):6.7±0.2°、8.7±0.2°、10.7±0.2°、15.7±0.2°、16.0±0.2°、19.4±0.2°、20.1±0.2°及び21.4±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性ピペラジン塩は、表13に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表13】
【0054】
(xi)結晶性トロメタミン塩形態のベンペド酸
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶塩形態は、ベンペド酸の結晶性トロメタミン塩である。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性トロメタミン塩は、以下の回折角(2θ):6.6±0.2°、18.2±0.2°、18.6±0.2°及び19.8±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性トロメタミン塩は、以下の回折角(2θ):6.6±0.2°、13.6±0.2°、18.2±0.2°、18.6±0.2°、19.8±0.2°及び26.5±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸の結晶性トロメタミン塩は、表14に示すように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表14】
【0055】
C.ベンペド酸の共結晶形態
さらに、特定の共結晶形態のベンペド酸を調製できることを見い出した。特に、以下のコフォーマは、ベンペド酸との共結晶を生成した:パルミチン酸及びアスパルテーム(2つの結晶形態)。
(i)ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶
特定の実施形態では、ベンペド酸の共結晶形態は、ベンペド酸とアスパルテームの共結晶形態である。特定の実施形態では、ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶形態は、以下の回折角(2θ):7.6±0.2°、8.6±0.2°、17.3±0.2°、18.4±0.2°及び25.1±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶形態は、以下の回折角(2θ):7.6±0.2°、8.6±0.2°、14.4±0.2°、17.3±0.2°、18.4±0.2°、25.1±0.2°、25.2±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶形態は、表15に示されるように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表15】
【0056】
特定の実施形態では、ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶形態は、以下の回折角(2θ):4.4±0.2°、6.8±0.2°、10.6±0.2°、13.2±0.2°及び18.4±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶形態は、以下の回折角(2θ):4.4±0.2°、5.6±0.2°、6.8±0.2°、10.6±0.2°、12.3±0.2°、13.2±0.2°、13.6±0.2°、16.2±0.2°、17.6±0.2°及び18.4±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸とアスパルテームとの共結晶形態は、表16に示されるように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表16】
【0057】
(ii)ベンペド酸とパルミチン酸との共結晶
特定の実施形態では、ベンペド酸の共結晶形態は、ベンペド酸とパルミチン酸との共結晶形態である。特定の実施形態では、ベンペド酸とパルミチン酸との共結晶形態は、以下の回折角(2θ):4.3±0.2°、6.3±0.2°、8.5±0.2°、及び17.0±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。特定の実施形態では、ベンペド酸とパルミチン酸との共結晶形態は、以下の回折角(2θ):4.3±0.2°、6.3±0.2°、8.5±0.2°、10.5±0.2°、17.0±0.2°及び25.5±0.2°のピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とし得る。
特定の実施形態では、ベンペド酸とパルミチン酸との共結晶形態は、表17に示されるように、回折角2θ、任意に面間距離d、及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)に関して表されるX線粉末回折パターンを特徴とする。
【表17】
【0058】
III.精製されたベンペド酸を含むベンペド酸の調製方法
本明細書に記載されるように、一態様では、本発明は、式(V)の化合物である8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチレンペンタデカン酸を調製する方法を提供し、該方法は、その薬学的に許容され得る塩を作製することを含む。
【0059】
本発明の方法は、ベンペド酸を調製することを含むことを理解されたい。特定の実施形態では、ベンペド酸を調製する方法は、精製されたベンペド酸をもたらし、これらも、製薬材料、すなわち、或る量のベンペド酸もしくは或る量の式(V)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を含む製薬材料に関して本明細書に記載され得る。これらの用語及び語句は、特に明記されない限り、又は文脈から理解されない限り、本明細書では交換可能に使用することができる。
したがって、様々な実施形態において、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む製薬材料を製造するための方法が提供される。
【0060】
様々な実施形態において、本方法は一般に以下を含む。
(a)イソ酪酸エチルを、第1の塩基の存在下で置換5-クロロペンタンと接触させて、式(I)の化合物を形成する。
置換された5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタンおよび1-ヨード-5-クロロペンタンからなる群から選択されるものであり、置換された5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタンからなる群から選択される。
(b)式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させて、式(II)の化合物を形成する。
[M]はLi、NaおよびKからなる群から選択され、[X]はBrおよびIからなる群から選択される。
(c)式(II)の化合物を、第2の塩基の存在下でトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成し、第1の中間体を酸と接触させて式(IV)の化合物を形成する。
(d)式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成し、第2の中間体を加水分解性塩基と接触させて式(V)の化合物を形成する。
本発明の特定の実施形態において、本方法は、さらに以下を含む。
(e)式(V)の化合物を精製して、精製された量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供する。
【0061】
式(I)の化合物の合成-工程(a)
様々な実施形態において、式(I)の化合物の合成は、一般に、第1の塩基の存在下で、イソ酪酸エチルを置換5-クロロペンタンと接触させることを含む。
特定の実施形態では、工程(a)において、第1の塩基の存在下でイソ酪酸エチルと置換5-クロロペンタンとを接触させることは、約-30℃~約10℃、約-25℃~約10℃、約-20℃~約10℃、約-18℃~約10℃、約-15℃~約10℃、約-10℃~約10℃、約-5℃~約10℃、約0℃~約10℃、約5℃~約10℃、約-30℃~約5℃、約-30℃~約0℃、約-30℃~約-5℃、約-30℃~約-10℃、約-30℃~約-15℃、約-30℃~約-18℃、約-30℃~約-20℃、約-30℃~約-25℃、約-25℃~約5℃、約-25℃~約0℃、約-25℃~約-5℃、約-25℃~約-10℃、約-25℃~約-15℃、約-25℃~約-18℃、約-25℃~約-20℃、約-20℃~約5℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約-5℃、約-20℃~約-10℃、約-20℃~約-15℃、約-20℃~約-18℃、約-18℃~約5℃、約-18℃~約0℃、約-18℃~約-5℃、約-18℃~約-10℃、約-18℃~約-15℃、約-15℃~約5℃、約-15℃~約0℃、約-15℃~約-5℃、約-15℃~約-10℃、約-10℃~約5℃、約-10℃~約0℃、約-10℃~約-5℃、約-5℃~約5℃、又は約-5℃~約0℃の範囲の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(a)において、第1の塩基の存在下でのイソ酪酸エチルを置換5-クロロペンタンと接触させることは、約-20℃~約0℃の範囲の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(a)において、第1の塩基の存在下でのイソ酪酸エチルを置換5-クロロペンタンと接触させることは、約-18℃~約-5℃の範囲の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(a)において、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%又は約1.5重量%未満の置換5-クロロペンタンが、式(I)の化合物を形成した後に残る。いくつかの実施形態では、工程(a)において、式(I)の化合物を形成した後に、約1重量%未満の置換5-クロロペンタンが残る。
特定の実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル対置換5-クロロペンタンのモル比は、約1:1、約1.01:1、約1.02:1、約1.03:1、約1.04:1、約1.05:1、約1.06:1、約1.07:1、約1.08:1、約1.09:1、約1.1:1、約1.11:1、約1.12:1、約1.13:1、約1.14:1、約1.15:1、約1.16:1、約1.17:1、約1.18:1、約1.19:1、約1.2:1、又は約1.21:1であり、これらの比の各々の間の範囲を含む。いくつかの実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル対置換5-クロロペンタンのモル比は約1.1:1である。いくつかの実施形態では、イソ酪酸エチル対置換5-クロロペンタンのモル比は、約1.1:1~約1.21:1である。
【0062】
特定の実施形態では、工程(a)において、置換5-クロロペンタンを、約1モル当量、約1.01モル当量、約1.02モル当量、約1.03モル当量、約1.04モル当量、約1.05モル当量、約1.06モル当量、約1.07モル当量、約1.08モル当量、約1.09モル当量、約1.1モル当量、約1.11モル当量、約1.12モル当量、約1.13モル当量、約1.14モル当量、約1.15モル当量、約1.16モル当量、約1.17モル当量、約1.18モル当量、約1.19モル当量、約1.2モル当量、又は約1.21モル当量の量で存在するイソ酪酸エチルと接触させる。いくつかの実施形態では、工程(a)において、置換5-クロロペンタンを約1.1モル当量のイソ酪酸エチルと接触させる。
特定の実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することによって、イソ酪酸エチルと置換5-クロロペンタンとを接触させることが行われる。いくつかの実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することは、約10℃未満、約5℃未満、約0℃未満、約-5℃未満、約-10℃未満、約-15℃未満、約-20℃未満、約-25℃未満、又は約-30℃未満の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することは、約10℃、約5℃、約0℃、約-5℃、約-7℃、約-10℃、約-12℃、約-14℃、約-16℃、約-18℃、約-20℃、約-22℃、約-24℃、約-26℃、約-28℃又は約-30℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することは、約-5℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することは、約-12℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することは、約-18℃の温度で行われる。
【0063】
特定の実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加する時間は、約5分、約10分、約15分、約20分、約30分、約40分、約50分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、又は約12時間である。
特定の実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加する時間は、約10分~約60分、約20分~約60分、約30分~約60分、約40分~約60分、約50分~約60分、約10分~約50分、約10分~約40分、約10分~約30分、約10分~約20分、約20分~約50分、約20分~約40分、約20分~約30分、約30分~約50分、約30分~約40分、or約40分~約50分である。
【0064】
特定の実施形態では、工程(a)において、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加する時間は、約1時間~約12時間、約2時間~約12時間、約3時間~約12時間、約4時間~約12時間、約5時間~約12時間、約6時間~約12時間、約7時間~約12時間、約8時間~約12時間、約9時間~約12時間、約10時間~約12時間、約11時間~約12時間、約1時間~約11時間、約1時間~約10時間、約1時間~約9時間、約1時間~約8時間、約1時間~約7時間、約1時間~約6時間、約1時間~約5時間、約1時間~約4時間、約1時間~約3時間、約1時間~約2時間、約2時間~約11時間、約2時間~約10時間、約2時間~約9時間、約2時間~約8時間、約2時間~約7時間、約2時間~約6時間、約2時間~約5時間、約2時間~約4時間、約2時間~約3時間、約3時間~約11時間、約3時間~約10時間、約3時間~約9時間、約3時間~約8時間、約3時間~約7時間、約3時間~約6時間、約3時間~約5時間、約3時間~約4時間、約4時間~約11時間、約4時間~約10時間、約4時間~約9時間、約4時間~約8時間、約4時間~約7時間、約4時間~約6時間、約4時間~約5時間、約5時間~約11時間、約5時間~約10時間、約5時間~約9時間、約5時間~約8時間、約5時間~約7時間、約5時間~約6時間、約6時間~約11時間、約6時間~約10時間、約6時間~約9時間、約6時間~約8時間、約6時間~約7時間、約7時間~約11時間、約7時間~約10時間、約7時間~約9時間、約7時間~約8時間、約8時間~約11時間、約8時間~約10時間、約8時間~約9時間、約9時間~約11時間、約9時間~約10時間、又は約10時間~約11時間である。
いくつかの実施形態では、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンを反応器に添加することは同時に行われる。いくつかの実施形態では、イソ酪酸エチルを反応器に添加することは、置換5-クロロペンタンを反応器に添加する前に行われる。いくつかの実施形態では、イソ酪酸エチルを反応器に添加することは、置換5-クロロペンタンを反応器に添加した後に行われる。
【0065】
特定の実施形態では、第1の塩基の存在下でイソ酪酸エチルを置換5-クロロペンタンと接触させると、反応混合物が形成される。特定の実施形態では、工程(a)において、反応の最後に、該方法は、反応混合物を酸でクエンチすることを含む。いくつかの実施形態では、酸は塩酸である。
特定の実施形態では、イソ酪酸エチル及び置換5-クロロペンタンは、式(I)の化合物の製造に使用される出発物質である。特定の実施形態では、置換5-クロロペンタンの純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)で測定される場合、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、又は99.9%以上である。いくつかの実施形態では、置換5-クロロペンタンの純度は、GCで測定される場合、99%以上である。
特定の実施形態では、イソ酪酸エチルの純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)で測定される場合、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、又は99.9%以上である。いくつかの実施形態では、イソ酪酸エチルの純度は、GCで測定される場合、99.5%以上である。
【0066】
特定の実施形態では、イソ酪酸エチル中に存在するエタノールの濃度は、GCによって測定される場合、0.05%以下、0.06%以下、0.07%以下、0.08%以下、0.09%以下、0.1%以下、0.11%以下、0.12%以下、0.13%以下、0.14%以下又は0.15%以下である。いくつかの実施形態では、イソ酪酸エチル中に存在するエタノールの濃度は、GCで測定される場合、0.1%以下である。
【0067】
特定の実施形態では、置換5-クロロペンタンは、1-ヨード-5-クロロペンタンである。特定の実施形態では、置換5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタンである。
【0068】
特定の実施形態では、1-ヨード-5-クロロペンタン又は1-ブロモ-5-クロロペンタンの純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定される場合、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、又は99.9%以上である。
特定の実施形態では、工程(a)において、第1の塩基は、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムアミド及びリチウムテトラメチルピペリジドからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、工程(a)において、第1の塩基は、リチウムジイソプロピルアミドである。
特定の実施形態では、工程(a)の完了時に残存する未反応の置換5-クロロペンタンの量は、GCによって測定される場合、0.05%以下、0.06%以下、0.07%以下、0.08%以下、0.09%以下、0.1%以下、0.11%以下、0.12%以下、0.12%以下、0.13%以下、0.14%以下、0.15%以下、0.16%以下、0.17%以下、0.18%以下、0.19%以下又は0.2%以下である。いくつかの実施形態では、工程(a)の完了時に残存する未反応の置換5-クロロペンタンの量は、GCによって測定される場合、0.21%以下、0.22%以下、0.23%以下、0.24%以下、0.25%以下、0.25%以下、0.26%以下、0.27%以下、0.28%以下、0.29%以下、0.3%以下、0.31%以下、0.32%以下、0.33%以下、0.34%以下、0.35%以下、0.36%以下、0.37%以下、0.38%以下、0.39%以下、又は0.4%以下である。
【0069】
リチウムジイソプロピルアミド(式(I)の化合物を製造するための第1の塩基)の合成
様々な実施形態において、式(I)の化合物を製造するために使用される塩基であるリチウムジイソプロピルアミドの合成は、一般に、ジイソプロピルアミンをブチルリチウムと接触させることを含む。
【0070】
特定の実施形態では、ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.04、約1:1.05、約1:1.06、約1:1.07、約1:1.08、約1:1.09、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.4、約1:1.5又は約1:1.6である。いくつかの実施形態では、ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.07である。いくつかの実施形態では、ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.5である。
特定の実施形態では、ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.04~約1:1.1、約1:1.05~約1:1.1、約1:1.06~約1:1.1、約1:1.07~約1:1.1、約1:1.08~約1:1.1、約1:1.09~約1:1、約1:1.04~約1:1.09、約1:1.04~約1:1.08、約1:1.04~約1:1.07、約1:1.04~約1:1.06、約1:1.04~約1:1.05、約1:1.05~約1:1.09、約1:1.05~約1:1.08、約1:1.05~約1:1.07、約1:1.05~約1:1.06、約1:1.06~約1:1.09、約1:1.06~約1:1.08、約1:1.06~約1:1.07、約1:1.07~約1:1.09、約1:1.07~約1:1.08、又は約1:1.08~約1:1.09である。いくつかの実施形態では、ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.06~約1:1.07である。
【0071】
特定の実施形態では、ジイソプロピルアミンとブチルリチウムとの接触は、0℃以下、-5℃以下、-10℃以下、-15℃以下又は-20℃以下の温度で行われる。いくつかの実施形態では、ジイソプロピルアミンとブチルリチウムとの接触は、-5℃以下の温度で行われる。
特定の実施形態では、ジイソプロピルアミンとブチルリチウムとの接触は、テトラヒドロフラン(THF)中で行われる。
特定の実施形態では、リチウムジイソプロピルアミドは、工程(a)の前に、例えば、イソ酪酸エチルを1-ブロモ-5-クロロペンタンと接触させる前に調製される。
特定の実施形態では、リチウムジイソプロピルアミドは、例えば、イソ酪酸エチルを1-ブロモ-5-クロロペンタンと接触させながら、工程(a)の間にin situで調製される。いくつかの実施形態では、リチウムジイソプロピルアミドが工程(a)の間にその場で調製される場合、置換5-クロロペンタン対イソ酪酸エチル対ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.1:1.2:1.26、約1:1.1:1.15:1.75、約1:1.1:1.24:1.3、約1:1.1:1.2:1.29、約1:1.1:1.2:1.28、又は約1:1~1.25:1.15~1.2:1.25~1.75である。いくつかの実施形態では、リチウムジイソプロピルアミドが工程(a)の間にその場で調製される場合、置換5-クロロペンタン対イソ酪酸エチル対ブチルリチウム対ジイソプロピルアミンのモル比は、約1:1.1:1.2:1.28である。
いくつかの実施形態では、置換5-クロロペンタンは、1-ブロモ-5-クロロペンタンである。
【0072】
式(II)の化合物の合成-工程(b)
様々な実施形態において、式(II)の化合物(式中、XはBr又はIである)の合成は、一般に、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることを含む。
【0073】
特定の実施形態では、工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることは、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、THF及び3-ペンタノンの1つ以上を含む溶媒中で行われ、式中、Mは、Li、Na及びKからなる群から選択され、Xは、Br及びIからなる群から選択される。
特定の実施形態では、工程(b)において、溶媒は、約3.5重量%未満の水、約3重量%未満の水、約2.5重量%未満の水、約2重量%未満の水、約1.5重量%未満の水、約1重量%未満の水、又は約0.5重量%未満の水を含む。いくつかの実施形態では、工程(b)において、溶媒は、約3重量%未満の水を含む。
特定の実施形態では、工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることは、式(I)の化合物を、式(I)の化合物のモル量に基づいて、約1モル当量、約1.05モル当量、約1.1モル当量、約1.15モル当量、約1.2モル当量、又は約1.25モル当量の式[M][X]の塩と接触させることを含む。特定の実施形態では、工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることは、式(I)の化合物を、式(I)の化合物のモル量に基づいて約1.1モル当量の式[M][X]の塩と接触させることを含む。
【0074】
特定の実施形態では、工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることは、約75℃~約85℃、約76℃~約85℃、約77℃~約85℃、約78℃~約85℃、約79℃~約85℃、約80℃~約85℃、約81℃~約85℃、約82℃~約85℃、約83℃~約85℃、約84℃~約85℃、約75℃~約84℃、約75℃~約83℃、約75℃~約82℃、約75℃~約81℃、約75℃~約80℃、約75℃~約79℃、約75℃~約78℃、約75℃~約77℃、約75℃~約76℃、約76℃~約84℃、約76℃~約83℃、約76℃~約82℃、約76℃~約81℃、約76℃~約80℃、約76℃~約79℃、約76℃~約78℃、約76℃~約77℃、約77℃~約84℃、約77℃~約83℃、約77℃~約82℃、約77℃~約81℃、約77℃~約80℃、約77℃~約79℃、約77℃~約78℃、約78℃~約84℃、約78℃~約83℃、約78℃~約82℃、約78℃~約81℃、約78℃~約80℃、約78℃~約79℃、約79℃~約84℃、約79℃~約83℃、約79℃~約82℃、約79℃~約81℃、約79℃~約80℃、約80℃~約84℃、約80℃~約83℃、約80℃~約82℃、約80℃~約81℃、約81℃~約84℃、約81℃~約83℃、約81℃~約82℃、約82℃~約84℃、約82℃~約83℃、又は約83℃~約84℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(b)において、式(I)の化合物を式[M][X]の塩と接触させることは、約78℃~約82℃の範囲の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(b)において、式[M][X]の塩は、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)、臭化カリウム(KBr)、ヨウ化カリウム(KI)、臭化ナトリウム(NaBr)及びヨウ化ナトリウム(NaI)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、工程(b)において、式[M][X]の塩はヨウ化ナトリウムである。
【0075】
式(IV)の化合物の合成-工程(c)
様々な実施形態において、式(IV)の化合物の合成は、一般に、式(II)の化合物を第2の塩基の存在下でトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成すること、及び第1の中間体を酸と接触させることを含む。
【0076】
第1の中間体の合成
様々な実施形態において、第1の中間体の合成は、一般に、式(II)の化合物を第2の塩基の存在下でトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させることを含む。
【0077】
特定の実施形態では、工程(c)において、第2の塩基は、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド及びナトリウムtert-ペントキシドから選択される。いくつかの実施形態では、工程(c)において、第2の塩基はナトリウムtert-ペントキシドである。
特定の実施形態では、工程(c)において、ナトリウムtert-ペントキシドの存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成することは、約-20℃~約10℃、約-10℃~約10℃、約0℃~約10℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約-10℃、又は約-10℃~約0℃の範囲の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(c)において、ナトリウムtert-ペントキシドの存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成することは、約-20℃~約10℃の範囲の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(c)において、ナトリウムtert-ペントキシドの存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成することは、約-15℃~約0℃の範囲の温度で行われる。
【0078】
特定の実施形態では、工程(c)において、第2の塩基の存在下で式(II)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成することは、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃又は約0℃の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニドのモル比は、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2:1、約2.1:1、又は約2.2:1である。特定の実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニドのモル比は約1.9:1である。
いくつかの実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニド対第2の塩基のモル比は、約1.9:1.0:2.1である。いくつかの実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニド対第2の塩基のモル比は、約1.9:1.0:2.2である。
いくつかの実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニド対ナトリウムtert-ペントキシドのモル比は約1.9:1.0:2.1である。いくつかの実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニド対ナトリウムtert-ペントキシドのモル比は約1.9:1.0:2.2である。
特定の実施形態では、工程(c)において、式(II)の化合物とトルエンスルホニルメチルイソシアニドを接触させることは、ジメチルアセトアミドを含む溶媒又はジメチルアセトアミドである溶媒中で行われる。
【0079】
式(IV)の化合物の合成
様々な実施形態において、式(IV)の化合物の合成は、一般に、第1の中間体を酸と接触させることを含む。
【0080】
特定の実施形態では、工程(c)において、第1の中間体を酸と接触させることは、約-15℃~約35℃、約-10℃~約35℃、約-5℃~約35℃、約0℃~約35℃、約5℃~約35℃、約10℃~約35℃、約15℃~約35℃、約20℃~約35℃、約25℃~約35℃、約30℃~約35℃、約-15℃~約30℃、約-15℃~約25℃、約-15℃~約20℃、約-15℃~約15℃、約-15℃~約10℃、約-15℃~約5℃、約-15℃~約0℃、約-15℃~約-5℃、約-15℃~約-10℃、約-10℃~約30℃、約-10℃~約25℃、約-10℃~約20℃、約-10℃~約15℃、約-10℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-10℃~約10℃、約-10℃~約-5℃、約-5℃~約30℃、約-5℃~約25℃、約-5℃~約20℃、約-5℃~約15℃、約-5℃~約10℃、約-5℃~約5℃、約-5℃~約0℃、約0℃~約30℃、約0℃~約25℃、約0℃~約20℃、約0℃~約15℃、約0℃~約10℃、約0℃~約5℃、約5℃~約30℃、約5℃~約25℃、約5℃~約20℃、約5℃~約15℃、約5℃~約10℃、約10℃~約30℃、約10℃~約25℃、約10℃~約20℃、約10℃~約15℃、約15℃~約30℃、約15℃~約25℃、約15℃~約20℃、約20℃~約30℃、約20℃~約25℃、or約25℃~約30℃で行われる。いくつかの実施形態では、工程(c)において、第1の中間体を酸と接触させることは、約-10℃~約35℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(c)において、第1の中間体を酸と接触させることは、約-15℃~約25℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(c)において、第1の中間体を酸と接触させることは、約10℃~約25℃の範囲の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(c)において、酸は塩酸である。
【0081】
式(V)の化合物の合成-工程(d)
様々な実施形態において、式(V)の化合物の合成は、一般に、式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成すること、及び第2の中間体を加水分解性塩基と接触させることを含む。
【0082】
第2の中間体の合成
様々な実施形態において、第2の中間体の合成は、一般に、式(IV)の化合物を還元剤と接触させることを含む。
【0083】
特定の実施形態では、工程(d)において、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素セリウム、水素化ホウ素亜鉛及び水素化ジイソブチルアルミニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。
特定の実施形態では、工程(d)において、式(IV)の化合物を還元剤と接触させることは、式(IV)の化合物を、式(IV)の化合物のモル量に基づいて、約0.25モル当量、約0.3モル当量、約0.35モル当量、約0.4モル当量、約0.45、約0.5モル当量、約0.6モル当量、約0.7モル当量、約0.8モル当量、約0.9モル当量、約1.0モル当量、約1.1モル当量、約1.2モル当量、約1.3モル当量、約1.4モル当量、又は約1.5モル当量の還元剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、工程(d)において、式(IV)の化合物を還元剤と接触させることは、式(IV)の化合物を、式(IV)の化合物のモル量に基づいて約0.35モル当量の還元剤と接触させることを含む。
【0084】
特定の実施形態では、工程(c)において、式(IV)の化合物を還元剤と接触させることは、約5℃~約30℃、約10℃~約30℃、約15℃~約30℃、約20℃~約30℃、約25℃~約30℃、約5℃~約25℃、約5℃~約20℃、約5℃~約15℃、約5℃~約10℃、約10℃~約25℃、約10℃~約20℃、約10℃~約15℃、約15℃~約25℃、約15℃~約20℃、又は約20℃~約25℃の範囲の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(c)において、式(IV)の化合物と還元剤との接触は、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃又は約30℃の温度で行われる。
【0085】
式(V)の化合物の合成
様々な実施形態において、式(V)の化合物の合成は、一般に、第2の中間体を加水分解性塩基と接触させることを含む。
【0086】
特定の実施形態では、工程(d)において、加水分解性塩基の濃度は、約20%重量/重量、約25%重量/重量、約30%重量/重量、約35%重量/重量、約40%重量/重量、約45%重量/重量、約50%重量/重量、約55%重量/重量又は約60%重量/重量である。いくつかの実施形態では、工程(d)において、加水分解性塩基の濃度は約50%重量/重量である。
特定の実施形態では、工程(d)において、第2の中間体を加水分解塩基と接触させて式(V)の化合物を形成することは、溶液中で行われる。いくつかの実施形態では、工程(d)において、本方法は、式(V)の化合物を含む溶液のpHを約3~約7に調整することを更に含む。
【0087】
特定の実施形態では、工程(d)において、第2の中間体と加水分解性塩基を接触させることは、約30℃~約60℃、約35℃~約60℃、約40℃~約60℃、約45℃~約60℃、約50℃~約60℃、約55℃~約60℃、約30℃~約55℃、約30℃~約50℃、約30℃~約45℃、約30℃~約40℃、約30℃~約35℃、約35℃~約55℃、約35℃~約50℃、約35℃~約45℃、約35℃~約40℃、約40℃~約55℃、約40℃~約50℃、約40℃~約45℃、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、又は約50℃~約60℃の範囲の温度で行われる。
【0088】
特定の実施形態では、工程(d)において、第2の中間体と加水分解性塩基を接触させることは、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃又は約60℃の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(d)において、第2の中間体と加水分解性塩基を接触させることは、約50℃の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(d)において、加水分解塩基は水酸化ナトリウムである。
特定の実施形態では、工程(d)において、式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成させること、及び第2の中間体を加水分解塩基と接触させて式(V)の化合物を形成させることは、単一の反応容器内で行われる。
【0089】
本態様のいくつかの実施形態では、方法は、以下:
(a)第1の塩基の存在下でイソ酪酸エチルを1-ブロモ-5-クロロペンタンと接触させて式(I)の化合物を形成すること、
(b)式(I)の化合物をヨウ化ナトリウムと接触させて、式(IIa)の化合物を形成させること、
(c)第2の塩基の存在下で式(IIa)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて第1の中間体を形成し、第1の中間体を酸と接触させて式(IV)の化合物を形成させること、
及び
(d)式(IV)の化合物を還元剤と接触させて第2の中間体を形成すること、及び第2の中間体を加水分解塩基と接触させて式(V)の化合物を形成させることを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、該方法は、以下:
(e)式(V)の化合物を精製して、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することを含む。
【0090】
上記のようないくつかの実施形態では、以前に記載されたのと同じ条件(例えば、温度)の量、比、当量、時間、純度、及び他のパラメータ又は変数が等しく適用可能であり得;例えば、「置換-5-クロロペンタン」を「1-ブロモ-5-クロロペンタン」に置き換える場合、「式[M][X]の塩」を「ヨウ化ナトリウム」に置き換え;「M」を「Na」に置き換え;「X」を「I」に置き換え;「式(IIa)の化合物」を「式IIの化合物」に置き換える。
【0091】
さらに、特定の実施形態では、1-ブロモ-5-クロロペンタン中の1,5-ジクロロペンタンの濃度は、GCによって測定した場合に、0.1%以下、0.2%以下、0.3%以下、0.4%以下、0.5%以下、0.6%以下、0.7%以下、0.8%以下、0.9%以下又は1%以下である。いくつかの実施形態では、1-ブロモ-5-クロロペンタン中の1,5-ジクロロペンタンの濃度は、GCで測定して0.5%以下である。
【0092】
特定の実施形態では、1-ブロモ-5-クロロペンタン中の1,5-ジブロモペンタンの濃度は、GCによって測定した場合、0.05%以下、0.1%以下、0.15%以下、0.2%以下、0.25%以下、0.3%以下、0.35%以下、0.4%以下、0.45%以下、0.5%以下、0.6%以下、0.7%以下、0.8%以下、0.9%以下又は1.0%以下である。いくつかの実施形態では、1-ブロモ-5-クロロペンタン中の1,5-ジブロモペンタンの濃度は、GCで測定して0.2%以下である。いくつかの実施形態では、1-ブロモ-5-クロロペンタン中の1,5-ジブロモペンタンの濃度は、GCで測定して1.0%以下である。
【0093】
特定の実施形態では、工程(a)の完了時に残存する未反応の1-ブロモ-5-クロロペンタンの量は、GCによって測定される場合、0.05%以下、0.06%以下、0.07%以下、0.08%以下、0.09%以下、0.1%以下、0.11%以下、0.12%以下、0.12%以下、0.13%以下、0.14%以下、0.15%以下、0.16%以下、0.17%以下、0.18%以下、0.19%以下又は0.2%以下である。いくつかの実施形態では、工程(a)の完了時に残存する未反応の1-ブロモ-5-クロロペンタンの量は、GCによって測定される場合、0.21%以下、0.22%以下、0.23%以下、0.24%以下、0.25%以下、0.25%以下、0.26%以下、0.27%以下、0.28%以下、0.29%以下、0.3%以下、0.31%以下、0.32%以下、0.33%以下、0.34%以下、0.35%以下、0.36%以下、0.37%以下、0.38%以下、0.39%以下、又は0.4%以下である。
【0094】
特定の実施形態では、式(V)の化合物を調製する方法は、以下:
(a)リチウムジイソプロピルアミドの存在下、約-20℃~約0℃の範囲の温度で1-ブロモ-5-クロロペンタンを約1.1モル当量のイソ酪酸エチルと接触させて、式(I)の化合物を形成させること、
(b)約78℃~約82℃の範囲の温度で、式(I)の化合物を2-ブタノン中の約1.1モル当量のヨウ化ナトリウムと接触させて、式(IIa)の化合物を形成させること、
(c)ジメチルアセトアミド中、ナトリウムtert-ペントキシドの存在下、約-20℃~約10℃の範囲の温度で、式(IIa)の化合物をトルエンスルホニルメチルイソシアニドと接触させて、第1の中間体を形成させ、約-10℃~約35℃の範囲の温度で、第1の中間体を酸と接触させて、式(IV)の化合物を形成させること、
及び
(d)式(IV)の化合物を約0.35モル当量の水素化ホウ素ナトリウムと接触させて第2の中間体を形成させること、及び第2の中間体を溶液中の水酸化ナトリウムと接触させて式(V)の化合物を形成させることを含む。
本発明の特定の実施形態では、該方法は:
(e)式(V)の化合物を精製して、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することを含む。
【0095】
上記の特定の実施形態では、以前に記載されたのと同じ条件(例えば、温度)の量、比、当量、時間、純度、及び他のパラメータ又は変数が等しく適用可能であり得、例えば、「第1の塩基」を「リチウムジイソプロピルアミド」に置き換える場合、「第2の塩基」を「ナトリウムtert-ペントキシド」に置き換え、「還元剤」を「水素化ホウ素ナトリウム」に置き換え、「加水分解性塩基」を「水酸化ナトリウム」に置き換える。
【0096】
さらに、特定の実施形態では、工程(a)において、リチウムジイソプロピルアミドの存在下でイソ酪酸エチルを1-ブロモ-5-クロロペンタンと接触させることは、約-20℃~約0℃、約-15℃~約0℃、約-10℃~約0℃、約-5℃~約0℃、約-20℃~約-5℃、約-20℃~約-10℃、約-20℃~約-15℃、約-15℃~約-5℃、約-15℃~約-10℃、又は約-10℃~約-5℃の範囲の温度で行われる。
特定の実施形態では、工程(b)において、式(I)の化合物とヨウ化ナトリウムを接触させることは、約78℃~約82℃、約78℃~約80℃、又は約80℃~約82℃の範囲の温度で行われる。
【0097】
特定の実施形態では、工程(c)において、式(IIa)の化合物対トルエンスルホニルメチルイソシアニド対ナトリウムtert-ペントキシドのモル比は約1.9:1:2.1である。
【0098】
式(V)の化合物の精製-工程(e)
本発明の様々な実施形態は、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を製造する方法を含み、
すなわち、該方法は、式(V)の化合物を精製することを含み得る。
様々な実施形態において、式(V)の化合物を精製することは、シリカゲルを通して溶媒中で式(V)の化合物を濾過することを含む。いくつかの実施形態では、溶媒は酢酸エチルを含む。いくつかの実施形態では、溶媒は酢酸エチルである。
特定の実施形態では、式(V)の化合物を精製することは、式(V)の化合物を結晶化させて、結晶形態の式(V)の化合物を提供することを含む。
特定の実施形態では、式(V)の化合物を精製することは、式(V)の化合物を木炭と接触させ、次いで木炭を濾過することを含む。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物を木炭と接触させることは、式(V)の化合物を、アセトニトリル及び活性炭(例えば、5%(重量/重量)活性炭)を含む溶液と接触させることを含む。
【0099】
特定の実施形態では、式(V)の化合物を精製することは、結晶形態の式(V)の化合物を再結晶化させて、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することを含む。
様々な実施形態において、式(V)の化合物を精製することは、以下:
(f)式(V)の化合物を含む溶液のpHを約5~約6に調整すること;
(g)メチルtert-ブチルエーテルを使用して溶液から式(V)の化合物を抽出し、式(V)の化合物を含むメチルtert-ブチルエーテル溶液を提供すること;
(h)メチルtert-ブチルエーテル溶液のメチルtert-ブチルエーテルを酢酸エチルと交換して、式(V)の化合物を含む酢酸エチル溶液を提供すること;
(i)式(V)の化合物を含む酢酸エチル溶液をシリカゲルを通して濾過すること;
(j)酢酸エチル及び水を使用して式(V)の化合物を結晶化させて、結晶形態の式(V)の化合物を提供すること;及び
(k)酢酸エチル及び水を使用して結晶形態の式(V)の化合物を再結晶化させて、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供すること、を含む。
【0100】
特定の実施形態では、工程(g)において、メチルtert-ブチルエーテルを使用して溶液から式(V)の化合物を抽出することは、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、又は約55℃以下の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(g)において、メチルtert-ブチルエーテルを使用して溶液から式(V)の化合物を抽出することは、約15℃以下の温度で行われる。特定の実施形態では、工程(g)において、メチルtert-ブチルエーテルを使用して溶液から式(V)の化合物を抽出することは、約50℃以下の温度で行われる。
【0101】
特定の実施形態では、工程(j)において、、酢酸エチル及び水を使用して式(V)の化合物を結晶化させることは、約60℃~約-10℃、約55℃~約-10℃、約50℃~約-10℃、約45℃~約-10℃、約40℃~約-10℃、約35℃~約-10℃、約30℃~約-10℃、約25℃~約-10℃、約20℃~約-10℃、約15℃~約-10℃、約10℃~約-10℃、約5℃~約-10℃、約0℃~約-10℃、約-5℃~約-10℃、約60℃~約-5℃、約55℃~約-5℃、約50℃~約-5℃、約45℃~約-5℃、約40℃~約-5℃、約35℃~約-5℃、約30℃~約-5℃、約25℃~約-5℃、約20℃~約-5℃、約15℃~約-5℃、約10℃~約-5℃、約5℃~約-5℃、約0℃~約-5℃、約60℃~約0℃、約55℃~約0℃、約50℃~約0℃、約45℃~約0℃、約40℃~約0℃、約35℃~約0℃、約30℃~約0℃、約25℃~約0℃、約20℃~約0℃、約15℃~約0℃、約10℃~約0℃、約5℃~約0℃、約60℃~約5℃、約55℃~約5℃、約50℃~約5℃、約45℃~約5℃、約40℃~約5℃、約35℃~約5℃、約30℃~約5℃、約25℃~約5℃、約20℃~約5℃、約15℃~約5℃、約10℃~約5℃、約60℃~約10℃、約55℃~約10℃、約50℃~約10℃、約45℃~約10℃、約40℃~約10℃、約35℃~約10℃、約30℃~約10℃、約25℃~約10℃、約20℃~約10℃、約15℃~約10℃、約60℃~約15℃、約55℃~約15℃、約50℃~約15℃、約45℃~約15℃、約40℃~約15℃、約35℃~約15℃、約30℃~約15℃、約25℃~約15℃、約20℃~約15℃、約60℃~約20℃、約55℃~約20℃、約50℃~約20℃、約45℃~約20℃、約40℃~約20℃、約35℃~約20℃、約30℃~約20℃、約25℃~約20℃、約60℃~約25℃、約55℃~約25℃、約50℃~約25℃、約45℃~約25℃、約40℃~約25℃、約35℃~約25℃、約30℃~約25℃、約60℃~約30℃、約55℃~約30℃、約50℃~約30℃、約45℃~約30℃、約60℃~約35℃、約55℃~約35℃、約50℃~約35℃、約45℃~約35℃、約40℃~約35℃、約60℃~約40℃、約55℃~約40℃、約50℃~約40℃、約45℃~約40℃、約60℃~約45℃、約55℃~約45℃、約50℃~約45℃、約60℃~約50℃、約55℃~約50℃、又は約60℃~約55℃の温度範囲にわたって行われる。特定の実施形態では、工程(j)において、酢酸エチル及び水を使用して式(V)の化合物を結晶化させることは、約50℃~約-5℃の温度範囲にわたって行われる。
【0102】
特定の実施形態では、工程(k)において、酢酸エチル及び水を使用して結晶形態の式(V)の化合物を再結晶化させることは、約70℃~約5℃、約65℃~約5℃、約60℃~約5℃、約55℃~約5℃、約50℃~約5℃、約45℃~約5℃、約40℃~約5℃、約35℃~約5℃、約30℃~約5℃、約25℃~約5℃、約20℃~約5℃、約15℃~約5℃、約10℃~約5℃、約70℃~約10℃、約65℃~約10℃、約60℃~約10℃、約55℃~約10℃、約50℃~約10℃、約45℃~約10℃、約40℃~約10℃、約35℃~約10℃、約30℃~約10℃、約25℃~約10℃、約20℃~約10℃、約15℃~約10℃、約70℃~約15℃、約65℃~約15℃、約60℃~約15℃、約55℃~約15℃、約50℃~約15℃、約45℃~約15℃、約40℃~約15℃、約35℃~約15℃、約30℃~約15℃、約25℃~約15℃、約20℃~約15℃、約70℃~約20℃、約65℃~約20℃、約60℃~約20℃、約55℃~約20℃、約50℃~約20℃、約45℃~約20℃、約40℃~約20℃、約35℃~約20℃、約30℃~約20℃、約25℃~約20℃、約70℃~約25℃、約65℃~約25℃、約60℃~約25℃、約55℃~約25℃、約50℃~約25℃、約45℃~約25℃、約40℃~約25℃、約35℃~約25℃、約30℃~約25℃、約70℃~約30℃、約65℃~約30℃、約60℃~約30℃、約55℃~約30℃、約50℃~約30℃、約45℃~約30℃、約40℃~約30℃、約35℃~約30℃、約70℃~約35℃、約65℃~約35℃、約60℃~約35℃、約55℃~約35℃、約50℃~約35℃、約45℃~約35℃、約40℃~約35℃、約70℃~約40℃、約65℃~約40℃、約60℃~約40℃、約55℃~約40℃、約50℃~約40℃、約45℃~約40℃、約70℃~約45℃、約65℃~約45℃、約60℃~約45℃、約55℃~約45℃、約50℃~約45℃、約70℃~約50℃、約65℃~約50℃、約60℃~約50℃、約55℃~約50℃、約70℃~約55℃、約65℃~約55℃、約60℃~約55℃、約70℃~約60℃、約65℃~約60℃、又は約70℃~約65℃の温度範囲にわたって行われる。特定の実施形態では、工程(k)において、酢酸エチル及び水を使用して式(V)の化合物の結晶形態を再結晶化させることは、約70℃~約5℃の温度範囲にわたって行われる。
【0103】
特定の実施形態では、式(V)の化合物を精製することは、以下:
(l)結晶形態の式(V)の化合物をアセトニトリルに溶解し、それによって溶液を形成すること;
(m)該溶液を木炭と接触させること;
(n)該木炭を濾過して、式(V)の化合物を含む精製溶液を得ること;及び
(o)該精製溶液から式(V)の化合物を結晶化させて、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供すること、を含む。
様々な実施形態において、上記の工程(l)~(o)は、工程(f)~(k)を行った後又は行わずに実施することができることを理解されたい。
【0104】
式(V)の化合物の結晶化
様々な実施形態において、式(V)の化合物を精製することは、溶媒又は溶媒の混合物、例えば酢酸エチル及び水から式(V)の化合物を結晶化することを含む。
【0105】
特定の実施形態では、酢酸エチル及び水を含む溶媒の混合物中の水の濃度は、約0.5%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)、約0.9%(重量/重量)、約1.05%(重量/重量)、約1.2%(重量/重量)、約1.35%(重量/重量)、約1.4%(重量/重量)又は約1.5%(重量/重量)である。いくつかの実施形態では、酢酸エチル及び水を含む溶媒の混合物中の水の濃度は、約1.05%(重量/重量)である。
【0106】
特定の実施形態では、酢酸エチルと水とを含む溶媒の混合物中の水の濃度は、約0.5%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約1.4%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約1.2%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約1.05%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約0.9%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約0.75%(重量/重量)、約0.5%(重量/重量)~約0.6%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約1.4%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約1.2%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約1.05%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約0.9%(重量/重量)、約0.6%(重量/重量)~約0.75%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)~約1.4%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)~約1.2%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)~約1.05%(重量/重量)、約0.75%(重量/重量)~約0.9%(重量/重量)、約0.9%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約0.9%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)、約0.9%(重量/重量)~約1.2%(重量/重量)、約0.9%(重量/重量)~約1.05%(重量/重量)、約1.05%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約1.05%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)、約1.05%(重量/重量)~約1.2%(重量/重量)、約1.2%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約1.2%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)、約1.2%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)、又は約1.35%(重量/重量)~約1.5%(重量/重量)である。いくつかの実施形態では、酢酸エチル及び水を含む溶媒の混合物中の水の濃度は、約0.6%(重量/重量)~約1.4%(重量/重量)である。いくつかの実施形態では、酢酸エチル及び水を含む溶媒の混合物中の水の濃度は、約0.75%(重量/重量)~約1.35%(重量/重量)である。
【0107】
様々な実施形態において、式(V)の化合物、酢酸エチル及び水を含む混合物から式(V)の化合物を結晶化することは、
(1)該混合物を第1の温度(T)から第2の温度(T)に冷却することであって、Tが約40℃~約60℃であり、Tが約15℃~約30℃であり、該混合物を約10℃/時間~約20℃/時間の速度でTからTに冷却すること;
(2)該混合物をTで少なくとも3時間保持すること;
(3)該混合物をTから第3の温度(T)まで冷却することあって、Tが約-5℃~約10℃であり、該混合物を約5℃/時間~約15℃/時間の速度でTからTまで冷却すること;及び
(4)該混合物をTで少なくとも3時間保持すること;
それにより、式(V)の化合物の結晶形態を生成する。
【0108】
特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは、約40℃~約60℃、約45℃~約60℃、約50℃~約60℃、約55℃~約60℃、約40℃~約55℃、約40℃~約50℃、約40℃~約45℃、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、又は約50℃~約55℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは約40℃~約60℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは約45℃~約55℃である。
【0109】
特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは約50℃である。
特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは、約15℃~約30℃、約20℃~約30℃、約25℃~約30℃、約15℃~約25℃、約15℃~約20℃、又は約20℃~約25℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(i)において、Tは約15℃~約30℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは約20℃~約25℃である。
【0110】
特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、又は約30℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(1)において、Tは約22℃である。
特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、混合物を、約10℃/時間~約20℃/時間、約12℃/時間~約20℃/時間、約14℃/時間~約20℃/時間、約16℃/時間~約20℃/時間、約18℃/時間~約20℃/時間、約10℃/時間~約18℃/時間、約10℃/時間~約16℃/時間、約10℃/時間~約14℃/時間、約10℃/時間~約12℃/時間、約12℃/時間~約18℃/時間、約12℃/時間~約16℃/時間、約12℃/時間~約14℃/時間、約14℃/時間~約18℃/時間、約14℃/時間~約16℃/時間、又は約16℃/時間~約18℃/時間の速度でT~Tまで冷却する。いくつかの実施形態では、混合物は、約10℃/時間~約20℃/時間の速度でTからTに冷却される。いくつかの実施形態では、混合物は、約10℃/時間~約12℃/時間の速度でTからTに冷却される。
特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、混合物を、約10℃/時間、約11℃/時間、約12℃/時間、約13℃/時間、約14℃/時間、約15℃/時間、約16℃/時間、約17℃/時間、約18℃/時間、約19℃/時間、又は約20℃/時間の速度でTからTに冷却する。特定の実施形態では、結晶化工程(1)において、混合物を、約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。
【0111】
特定の実施形態では、結晶化工程(2)において、混合物を、Tで少なくとも3時間、少なくとも3.5時間、少なくとも4時間、少なくとも4.5時間、少なくとも5時間、少なくとも5.5時間、少なくとも6時間、少なくとも6.5時間、少なくとも7時間、少なくとも7.5時間、少なくとも8時間、少なくとも8.5時間、少なくとも9時間、少なくとも9.5時間、又は少なくとも10時間保持する。いくつかの実施形態では、結晶工程(2)において、混合物をTで少なくとも6時間保持する。
特定の実施形態では、結晶工程(2)において、混合物を、Tで3時間以下、3.5時間以下、4時間以下、4.5時間以下、5時間以下、5.5時間以下、6時間以下、6.5時間以下、7時間以下、7.5時間以下、8時間以下、8.5時間以下、9時間以下、9.5時間以下、10時間以下、10.5時間以下、11時間以下、11.5時間以下、12時間以下、16時間以下、20時間以下又は24時間以下保持する。いくつかの実施形態では、結晶化工程(2)において、混合物をTで6時間以下保持する。
【0112】
特定の実施形態では、結晶化工程(3)において、Tは、約-5℃~約10℃、約0℃~約10℃、約5℃~約10℃、約-5℃~約5℃、約-5℃~約0℃、又は約0℃~約5℃である。いくつかの実施形態では、Tは、約-5℃~約10℃である。いくつかの実施形態では、Tは、約-5℃~約5℃である。
特定の実施形態では、結晶化工程(3)において、Tは、約-5℃、約0℃、約5℃、又は約10℃である。いくつかの実施形態では、結晶化工程(3)において、Tは約0℃である。
特定の実施形態では、結晶化工程(3)において、混合物を、約5℃/時間~約15℃/時間、約7℃/時間~約15℃/時間、約9℃/時間~約15℃/時間、約11℃/時間~約15℃/時間、約13℃/時間~約15℃/時間、約5℃/時間~約13℃/時間、約5℃/時間~約11℃/時間、約5℃/時間~約9℃/時間、約5℃/時間~約7℃/時間、約7℃/時間~約13℃/時間、約7℃/時間~約11℃/時間、約7℃/時間~約9℃/時間、約9℃/時間~約13℃/時間、約9℃/時間~約11℃/時間、又は約11℃/時間~約13℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、結晶化工程(3)において、混合物を約5℃/時間~約15℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、結晶化工程(3)において、混合物を約7℃/時間~約13℃/時間の速度でTからTに冷却する。
特定の実施形態では、結晶化工程(3)において、混合物を、約5℃/時間、約6℃/時間、約7℃/時間、約8℃/時間、約9℃/時間、約10℃/時間、約11℃/時間、約12℃/時間、約13℃/時間、約14℃/時間、又は約15℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、結晶化工程(3)において、混合物を約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。
【0113】
特定の実施形態では、結晶化工程(4)において、混合物を、Tで少なくとも3時間、少なくとも3.5時間、少なくとも4時間、少なくとも4.5時間、少なくとも5時間、少なくとも5.5時間、少なくとも6時間、少なくとも6.5時間、少なくとも7時間、少なくとも7.5時間、少なくとも8時間、少なくとも8.5時間、少なくとも9時間、少なくとも9.5時間、又は少なくとも10時間保持する。いくつかの実施形態では、結晶工程(4)において、混合物をTで少なくとも6時間保持する。
特定の実施形態では、結晶工程(4)において、混合物を、Tで3時間以下、3.5時間以下、4時間以下、4.5時間以下、5時間以下、5.5時間以下、6時間以下、6.5時間以下、7時間以下、7.5時間以下、8時間以下、8.5時間以下、9時間以下、9.5時間以下、10時間以下、10.5時間以下、11時間以下、11.5時間以下、12時間以下、16時間以下、20時間以下又は24時間以下保持する。いくつかの実施形態では、結晶化工程(4)において、混合物をTで10時間以下保持する。
【0114】
特定の実施形態では、式(V)の化合物、酢酸エチル及び水を含む混合物から式(V)の化合物を結晶化することは、式(V)の化合物の結晶化を促進するために、結晶化工程(1)の前に、結晶化工程(1)の間に、結晶化工程(2)の間に、結晶化工程(3)の間に、結晶化工程(4)の間に、又はそれらの任意の組み合わせにおいて、該混合物を或る量の結晶形態の式(V)の化合物でシーディングすることを更に含む。
【0115】
特定の実施形態では、混合物に添加されるシードの量は、工程(c)で製造される式(IV)の化合物の1キログラム当たりのシードの重量に基づいて、約0.001kg/kg、約0.0012kg/kg、約0.0014kg/kg、約0.0016kg/kg、約0.0018kg/kg又は約0.002kg/kgである。いくつかの実施形態では、混合物に添加されるシードの量は、工程(c)で製造される式(IV)の化合物の1キログラム当たりのシードの重量に基づいて、約0.0014kg/kgである。
【0116】
特定の実施形態では、混合物にシードとして添加される結晶形態の式(V)の化合物は、例えばX線粉末回折パターン又はピーク(複数可)、及び/又は結晶形態のベンペド酸の他の特徴的な特性によって本明細書において特性決定される結晶形態の式(V)の化合物であり得る。
特定の実施形態では、式(V)の化合物、酢酸エチル及び水を含む混合物から式(V)の化合物を結晶化することは、式(V)の化合物の濾過を含む。
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過を、約-20℃~約5℃、約-15℃~約5℃、約-10℃~約5℃、約-5℃~約5℃、約0℃~約5℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約-5℃、約-20℃~約-10℃、約-20℃~約-15℃、約-15℃~約5℃、約-15℃~約0℃、約-15℃~約-5℃、約-15℃~約-10℃、約-10℃~約5℃、約-10℃~約0℃、約-10℃~約-5℃、約-5℃~約5℃、約-5℃~約0℃、又は約0℃~約5℃の温度で行う。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過を、約-20℃~約-5℃の温度で行う。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過を、約-5℃~約5℃の温度で行う。
【0117】
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過を、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃、約0℃又は約5℃の温度で行う。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過を、約-10℃、約-5℃又は約0℃の温度で行う。
特定の実施形態では、濾過は洗浄を更に含む。特定の実施形態では、洗浄は、式(V)の化合物の結晶形態を溶媒で洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、洗浄は、式(V)の化合物の結晶形態を酢酸エチルで洗浄することを含む。
特定の実施形態では、溶媒、例えば酢酸エチルの温度は、約-20℃~約10℃、約-10℃~約10℃、約0℃~約10℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約-10℃、又は約-10℃~約0℃である。いくつかの実施形態では、溶媒の温度は、約-10℃~約10℃である。
特定の実施形態では、溶媒、例えば酢酸エチルの温度は、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃、約0℃、約5℃、又は約10℃である。いくつかの実施形態では、溶媒の温度は約0℃である。
【0118】
様々な実施形態において、式(V)の化合物、酢酸エチル及び水を含む混合物から式(V)の化合物を結晶化することは、
(1)該混合物を第1の温度(T)から第2の温度(T)に冷却することであって、Tが約50℃であり、Tが約22℃であり、該混合物を約11℃/時間の速度でTからTに冷却すること;
(2)式(V)の化合物をTで少なくとも6時間保持すること;
(3)式(V)の化合物をTから第3の温度(T)に冷却することあって、Tが約0℃であり、混合物を約11℃/時間の速度でTからTに冷却すること;並びに
(4)式(V)の化合物をTで少なくとも6時間保持すること、を含み、
それにより、式(V)の化合物の結晶形態を生成する。
【0119】
本明細書に記載の式(V)の化合物を結晶化するための条件(例えば、温度)、時間、シーディング、量、化合物、並びに他のパラメータ及び/又は変数は、特に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り(例えば、条件又はパラメータは、すぐ上で説明した結晶化プロセスにおける値又は範囲外にある)、直ちに上述した結晶化プロセスに等しく適用可能であり得ることを理解されたい。
【0120】
特定の実施形態では、本明細書に記載の結晶化方法のいずれかによって生成される結晶形態の式(V)の化合物は、例えばX線粉末回折パターン又はピーク(複数可)、及び/又は結晶形態のベンペド酸の他の特徴的な特性によって本明細書において特性決定される結晶形態の式(V)の化合物であり得る。
【0121】
特定の実施形態では、本明細書に記載の結晶化方法のいずれかによって生成される式(V)の化合物の結晶形態の純度は、重量基準で、式(V)の化合物の結晶形態の総重量の約85%超、約90%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超、約99.1%超、約99.2%超、約99.3%超、約99.4%超、約99.5%超、約99.6%超、約99.7%超、約99.8%超、約99.85%超、約99.9%超、約99.95%超、又は約99.98%超である。
【0122】
式(V)の化合物の結晶形態の再結晶化
様々な実施形態において、工程(e)において、式(V)の化合物の精製は、結晶形態の式(V)の化合物の1回以上の再結晶化を含み、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供する。
【0123】
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の1回以上の再結晶化は、以下:
(1)式(V)の結晶性化合物を1つ以上の溶媒に溶解し、それによって混合物を形成すること;
(2)該混合物を第1の温度(T)から第2の温度(T)に冷却することであって、Tが約40℃~約65℃であり、Tが約20℃~約40℃であり、該混合物を約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTに冷却すること;
(3)該混合物をTで少なくとも0.5時間保持すること;
(4)該混合物をTから第3の温度(T)まで加熱することあって、Tが約30℃~約50℃であり、該混合物を約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTまで加熱すること;
(5)該混合物をTで少なくとも0.5時間保持すること;
(6)該混合物をTから第4の温度(T)まで冷却することであって、Tが約25℃~約40℃であり、該混合物が約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTまで冷却すること;
(7)該混合物をTで少なくとも0.5時間保持すること;
(8)該混合物をTから第5の温度(T)まで冷却することであって、Tが約-10℃~約10℃であり、該混合物をTからTまで約3℃/時間~約11℃/時間の速度で冷却すること;及び
(9)該混合物をTで少なくとも0.5時間保持すること、を含み、
それによって、精製量の結晶形態の式(V)の化合物を含む製薬材料を製造する。
【0124】
特定の実施形態では、再結晶化工程(1)において、1つ以上の溶媒は、酢酸エチル及び水を含む。特定の実施形態では、1つ以上の溶媒は、酢酸エチル及び水である。
【0125】
特定の実施形態では、再結晶化工程(1)において、混合物中の酢酸エチルの量は、式(V)の結晶性化合物の1キログラム当たりの酢酸エチルの重量に基づいて、約2.5kg/kg~約3.3kg/kg、約2.7kg/kg~約3.3kg/kg、約2.9kg/kg~約3.3kg/kg、約3.1kg/kg~約3.3kg/kg、約2.5kg/kg~約3.1kg/kg、約2.5kg/kg~約2.9kg/kg、約2.5kg/kg~約2.7kg/kg、約2.7kg/kg~約3.1kg/kg、約2.7kg/kg~約2.9kg/kg、又は約2.9kg/kg~約3.1kg/kgである。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(1)において、混合物中の酢酸エチルの量は、式(V)の結晶性化合物1キログラム当たりの酢酸エチルの重量に基づいて、約2.5kg/kg~約3.3kg/kgである。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(1)において、混合物中の酢酸エチルの量は、式(V)の結晶性化合物1キログラム当たりの酢酸エチルの重量に基づいて、約2.7kg/kg~約3.1kg/kgである。
【0126】
特定の実施形態では、再結晶化工程(1)において、混合物中の酢酸エチルの量は、式(V)の結晶性化合物のキログラム当たりの酢酸エチルの重量に基づいて、約2.5kg/kg、約2.7kg/kg、約2.9kg/kg、約3.1kg/kg、又は約3.3kg/kgである。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(1)において、混合物中の酢酸エチルの量は、式(V)の結晶性化合物1キログラム当たりの酢酸エチルの重量に基づいて、約2.9kg/kgである。
【0127】
特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは、約40℃~約65℃、約45℃~約65℃、約50℃~約65℃、約55℃~約65℃、約60℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃~約55℃、約40℃~約50℃、約40℃~約45℃、約45℃~約60℃、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約60℃、約50℃~約55℃、又は約55℃~約60℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは約40℃~約65℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは約50℃~約60℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、又は約65℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは約55℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは、約20℃~約40℃、約25℃~約40℃、約30℃~約40℃、約35℃~約40℃、約20℃~約35℃、約20℃~約30℃、約20℃~約25℃、約25℃~約35℃、約25℃~約30℃、又は約30℃~約40℃である。特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは約25℃~約35℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、又は約40℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、Tは約30℃である。
【0128】
特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、混合物を、約3℃/時間~約11℃/時間、約5℃/時間~約11℃/時間、約7℃/時間~約11℃/時間、約9℃/時間~約11℃/時間、約3℃/時間~約9℃/時間、約3℃/時間~約7℃/時間、約3℃/時間~約5℃/時間、約5℃/時間~約9℃/時間、約5℃/時間~約7℃/時間、又は約7℃/時間~約9℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、混合物を約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTに冷却する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(2)において、混合物を、約3℃/時間、約4℃/時間、約5℃/時間、約6℃/時間、約7℃/時間、約8℃/時間、約9℃/時間、約10℃/時間、又は約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(2)において、混合物を約5℃/時間、約6℃/時間又は約7℃/時間の速度でTからTに冷却する。
【0129】
特定の実施形態では、再結晶化工程(3)において、混合物を、Tで少なくとも1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、少なくとも7時間、少なくとも7.5時間、少なくとも8時間、少なくとも8.5時間、少なくとも9時間、少なくとも9.5時間、又は少なくとも10時間保持する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(3)において、混合物をTで少なくとも2時間保持する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(3)において、混合物を、Tで1時間以下、1.5時間以下、2時間以下、2.5時間以下、3時間以下、3.5時間以下、4時間以下、4.5時間以下、5時間以下、5.5時間以下、6時間以下、6.5時間以下、7時間以下、7.5時間以下、8時間以下、8.5時間以下、9時間以下、9.5時間以下、10時間以下、10.5時間以下、11時間以下、11.5時間以下、12時間以下、16時間以下、20時間以下又は24時間以下保持する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(3)において、混合物をTで2時間以下保持する。
【0130】
特定の実施形態では、再結晶化工程(4)において、Tは、約30℃~約50℃、約35℃~約50℃、約40℃~約50℃、約45℃~約50℃、約30℃~約45℃、約30℃~約40℃、約30℃~約35℃、約35℃~約45℃、約35℃~約40℃、又は約40℃~約45℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(4)において、Tは約30℃~約50℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(4)において、Tは約35℃~約45℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(4)において、Tは、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、又は約50℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(4)において、Tは約40℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(4)において、混合物を、約3℃/時間~約11℃/時間、約5℃/時間~約11℃/時間、約7℃/時間~約11℃/時間、約9℃/時間~約11℃/時間、約3℃/時間~約9℃/時間、約3℃/時間~約7℃/時間、約3℃/時間~約5℃/時間、約5℃/時間~約9℃/時間、約5℃/時間~約7℃/時間、又は約7℃/時間~約9℃/時間の速度でTからTに加熱する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(4)において、混合物を約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTに加熱する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(4)において、混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTに加熱する。
【0131】
特定の実施形態では、再結晶化工程(4)において、混合物を、約3℃/時間、約4℃/時間、約5℃/時間、約6℃/時間、約7℃/時間、約8℃/時間、約9℃/時間、約10℃/時間、又は約11℃/時間の速度でTからTに加熱する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(4)において、混合物を約5℃/時間、約6℃/時間又は約7℃/時間の速度でTからTに加熱する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(5)において、混合物を、Tで少なくとも1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、少なくとも7時間、少なくとも7.5時間、少なくとも8時間、少なくとも8.5時間、少なくとも9時間、少なくとも9.5時間、又は少なくとも10時間保持する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(5)において、混合物をTで少なくとも1時間保持する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(5)において、混合物を、Tで1時間以下、1.5時間以下、2時間以下、2.5時間以下、3時間以下、3.5時間以下、4時間以下、4.5時間以下、5時間以下、5.5時間以下、6時間以下、6.5時間以下、7時間以下、7.5時間以下、8時間以下、8.5時間以下、9時間以下、9.5時間以下、10時間以下、10.5時間以下、11時間以下、11.5時間以下、12時間以下、16時間以下、20時間以下又は24時間以下保持する。
【0132】
特定の実施形態では、再結晶化工程(6)において、Tは、約25℃~約40℃、約30℃~約40℃、約35℃~約40℃、約25℃~約35℃、約25℃~約30℃、又は約30℃~約35℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(6)において、Tは約25℃~約40℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(6)において、Tは約30℃~約40℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(6)において、Tは、約25℃、約30℃、約35℃、又は約40℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(6)において、Tは約35℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(6)において、混合物を、約3℃/時間~約11℃/時間、約5℃/時間~約11℃/時間、約7℃/時間~約11℃/時間、約9℃/時間~約11℃/時間、約3℃/時間~約9℃/時間、約3℃/時間~約7℃/時間、約3℃/時間~約5℃/時間、約5℃/時間~約9℃/時間、約5℃/時間~約7℃/時間、又は約7℃/時間~約9℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(6)において、混合物を約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(6)において、混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTに冷却する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(6)において、混合物を、約3℃/時間、約4℃/時間、約5℃/時間、約6℃/時間、約7℃/時間、約8℃/時間、約9℃/時間、約10℃/時間、又は約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(6)において、混合物を約5℃/時間、約6℃/時間又は約7℃/時間の速度でTからTに冷却する。
【0133】
特定の実施形態では、再結晶化工程(7)において、混合物を、Tで少なくとも1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、少なくとも7時間、少なくとも7.5時間、少なくとも8時間、少なくとも8.5時間、少なくとも9時間、少なくとも9.5時間、又は少なくとも10時間保持する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(7)において、混合物をTで少なくとも2時間保持する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(7)において、混合物を、Tで1時間以下、1.5時間以下、2時間以下、2.5時間以下、3時間以下、3.5時間以下、4時間以下、4.5時間以下、5時間以下、5.5時間以下、6時間以下、6.5時間以下、7時間以下、7.5時間以下、8時間以下、8.5時間以下、9時間以下、9.5時間以下、10時間以下、10.5時間以下、11時間以下、11.5時間以下、12時間以下、16時間以下、20時間以下又は24時間以下保持する。
【0134】
特定の実施形態では、再結晶化工程(8)において、Tは、約-10℃~約10℃、約-5℃~約10℃、約0℃~約10℃、約5℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-10℃~約0℃、約-10℃~約-5℃、約-5℃~約5℃、約-5℃~約0℃、又は約0℃~約5℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(8)において、Tは約-10℃~約10℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(8)において、Tは約0℃~約10℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(8)において、Tは、約-10℃、約-5℃、約0℃、約5℃、又は約10℃である。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(8)において、Tは約5℃である。
特定の実施形態では、再結晶化工程(8)において、混合物を、約3℃/時間~約11℃/時間、約5℃/時間~約11℃/時間、約7℃/時間~約11℃/時間、約9℃/時間~約11℃/時間、約3℃/時間~約9℃/時間、約3℃/時間~約7℃/時間、約3℃/時間~約5℃/時間、約5℃/時間~約9℃/時間、約5℃/時間~約7℃/時間、又は約7℃/時間~約9℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(8)において、混合物を約3℃/時間~約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(8)において、混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTに冷却する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(8)において、混合物を、約3℃/時間、約4℃/時間、約5℃/時間、約6℃/時間、約7℃/時間、約8℃/時間、約9℃/時間、約10℃/時間、又は約11℃/時間の速度でTからTに冷却する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(8)において、混合物を約5℃/時間、約6℃/時間又は約7℃/時間の速度でTからTに冷却する。
【0135】
特定の実施形態では、再結晶化工程(9)において、混合物を、Tで少なくとも1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、少なくとも7時間、少なくとも7.5時間、少なくとも8時間、少なくとも8.5時間、少なくとも9時間、少なくとも9.5時間、又は少なくとも10時間保持する。いくつかの実施形態では、再結晶化工程(9)において、混合物をTで少なくとも4時間保持する。
特定の実施形態では、再結晶化工程(9)において、混合物を、Tで1時間以下、1.5時間以下、2時間以下、2.5時間以下、3時間以下、3.5時間以下、4時間以下、4.5時間以下、5時間以下、5.5時間以下、6時間以下、6.5時間以下、7時間以下、7.5時間以下、8時間以下、8.5時間以下、9時間以下、9.5時間以下、10時間以下、10.5時間以下、11時間以下、11.5時間以下、12時間以下、16時間以下、20時間以下又は24時間以下保持する。
【0136】
特定の実施形態では、式(V)の化合物を再結晶化することは、式(V)の化合物の結晶化を促進するために、再結晶化工程(2)の前に、再結晶化工程(2)の間に、再結晶化工程(3)の間に、再結晶化工程(4)の間に、再結晶化工程(5)の間に、再結晶化工程(6)の間に、再結晶化工程(7)の間に、再結晶化工程(8)の間に、再結晶化工程(9)の間に、又はそれらの任意の組み合わせにおいて、該混合物を或る量の式(V)の結晶形態の化合物でシーディングすることを更に含む。
本明細書に記載の式(V)の化合物を結晶化するための条件(例えば、温度)、時間、シーディング、量、化合物、並びに他のパラメータ及び/又は変数は、特に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り、又は以下に記載されるように、式(V)の化合物の再結晶化に等しく適用可能であり得ることを理解されたい。
【0137】
例えば、特定の実施形態では、式(V)の化合物の再結晶化は、式(V)の化合物の結晶形態の濾過を含む。特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過は、約-20℃~約15℃、約-15℃~約15℃、約-10℃~約15℃、約-5℃~約15℃、約0℃~約15℃、約5℃~約15℃、約10℃~約15℃、約-20℃~約10℃、約-20℃~約5℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約-5℃、約-20℃~約-10℃、約-20℃~約-15℃、約-15℃~約10℃、約-15℃~約5℃、約-15℃~約0℃、約-15℃~約-5℃、約-15℃~約-10℃、約-10℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-10℃~約0℃、約-10℃~約-5℃、約-5℃~約10℃、約-5℃~約5℃、約-5℃~約0℃、約0℃~約10℃、約0℃~約5℃、or約5℃~約10℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過は、約0℃~約15℃の温度で行われる。
【0138】
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過は、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃、約0℃、約5℃、約10℃又は約15℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の濾過は、約0℃、約5℃、約10℃又は約15℃の温度で行われる。
特定の実施形態では、濾過は洗浄を更に含む。特定の実施形態では、洗浄は、式(V)の化合物の結晶形態を溶媒で洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、洗浄は、式(V)の化合物の結晶形態をアセトニトリルで洗浄することを含む。
【0139】
特定の実施形態では、式(V)の化合物を再結晶化することは、遠心分離によって混合物から式(V)の化合物の結晶形態を単離することを含む。
【0140】
特定の実施形態では、遠心分離による式(V)の化合物の結晶形態の単離は、洗浄を更に含む。特定の実施形態では、洗浄は、式(V)の化合物の結晶形態を溶媒で洗浄することを含む。いくつかの実施形態では、洗浄は、式(V)の化合物の結晶形態をアセトニトリルで洗浄することを含む。
特定の実施形態では、溶媒、例えばアセトニトリルの温度は、約-20℃~約30℃、約-10℃~約30℃、約0℃~約30℃、約10℃~約30℃、約-20℃~約20℃、約-20℃~約10℃、約-20℃~約0℃、約-20℃~約-10℃、約-10℃~約20℃、約-10℃~約10℃、約-10℃~約0℃、約0℃~約20℃、約0℃~約10℃、又は約10℃~約20℃である。いくつかの実施形態では、溶媒の温度は、約10℃~約30℃である。
【0141】
特定の実施形態では、溶媒、例えばアセトニトリルの温度は、約-20℃、約-10℃、約0℃、約10℃、約20℃、又は約30℃である。いくつかの実施形態では、溶媒の温度は約20℃である。
特定の実施形態では、式(V)の化合物を再結晶化することは、乾燥を含む。
特定の実施形態では、乾燥は、結晶形態の式(V)の化合物を約85℃未満、約75℃未満、約65℃未満、約55℃未満、約45℃未満、約35℃未満、又は約25℃未満の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、乾燥工程は、式(V)の化合物の結晶形態を約85℃未満の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、乾燥工程は、式(V)の化合物の結晶形態を約45℃未満の温度に加熱することを含む。
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の1回以上の再結晶化は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回の再結晶化を含む。
【0142】
特定の実施形態では、式(V)の化合物の結晶形態の1回以上の再結晶化は、以下:
(1)式(V)の結晶性化合物を、酢酸エチル及び水を含む1つ以上の溶媒に溶解し、それによって混合物を形成すること;
(2)該混合物を第1の温度(T)から第2の温度(T)に冷却することであって、Tが約55℃であり、Tが約30℃であり、該混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTに冷却すること;
(3)式(V)の化合物をTで少なくとも2時間保持すること;
(4)該混合物をTから第3の温度(T)まで加熱することであって、Tが約40℃であり、該混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTまで加熱すること;
(5)該混合物をTで少なくとも1時間保持すること;
(6)該混合物をTから第4の温度(T)まで冷却することであって、Tが約35℃であり、該混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTまで冷却すること;
(7)該混合物をTで少なくとも2時間保持すること;
(8)該混合物をTから第5の温度(T)まで冷却することであって、Tが約5℃であり、該混合物を約5℃/時間~約7℃/時間の速度でTからTまで冷却すること;
(9)該混合物をTで少なくとも4時間保持すること、を含み、
それによって、精製量の結晶形態の式(V)の化合物を含む製薬材料を製造する。
【0143】
本明細書に記載の式(V)の化合物を結晶化及び/又は再結晶化するための条件(例えば、温度)、時間、シーディング、量、化合物、並びに他のパラメータ及び/又は変数は、特に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り(例えば、条件又はパラメータは、すぐ上で説明した再結晶化プロセスにおける値又は範囲外にある)、直ちに上述した再結晶化プロセスに等しく適用可能であり得ることを理解されたい。
【0144】
特定の実施形態では、本明細書に記載の結晶化方法のいずれかによって生成される製薬材料中の結晶形態の式(V)の化合物は、例えばX線粉末回折パターン又はピーク(複数可)、及び/又は結晶形態のベンペド酸の他の特徴的な特性によって本明細書において特性決定される結晶形態の式(V)の化合物であり得る。
様々な実施形態において、製薬材料中の精製量の式(V)の化合物は、重量基準で、製薬材料の総重量の99.0%超、約99.1%超、約99.2%超、約99.3%超、約99.4%超、約99.5%超、約99.6%超、約99.7%超、約99.8%超、約99.85%超、約99.9%超、約99.95%超、又は約99.98%超である。いくつかの実施形態では、製薬材料中の精製量の式(V)の化合物は、製薬材料の総重量の99.0重量%超である。いくつかの実施形態では、製薬材料中の精製量の式(V)の化合物は、製薬材料の総重量の約99.5重量%超である。いくつかの実施形態では、製薬材料中の精製量の式(V)の化合物は、製薬材料の総重量の約99.7重量%超である。いくつかの実施形態では、製薬材料中の精製量の式(V)の化合物は、製薬材料の総重量の約99.85重量%超である。
【0145】
特定の実施形態では、式(V)の再結晶化化合物を提供する結晶形態の式(V)の化合物を再結晶化した後、該方法は、式(V)の再結晶化化合物を木炭と接触させること、及び木炭を濾過して、精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を提供することを含む。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物を木炭と接触させることは、式(V)の化合物を、アセトニトリル及び活性炭(例えば、5%(重量/重量)活性炭)を含む溶液と接触させることを含む。
【0146】
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法を使用して、ベンペド酸のバッチを調製することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法を、製薬材料のバッチを調製するために使用することができ、製薬材料は、精製量の式(V)の化合物を含む。特定の実施形態では、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、製薬材料の総重量の99.0重量%を超える。
特定の実施形態では、バッチは、約1kg、2kg、3kg、4kg、5kg、10kg、20kg、30kg、40kg、50kg、60kg、70kg、80kg、90kg、100kg、200kg、300kg、400kg、500kg、600kg、700kg、800kg、900kg、又は1000kgの量である。
【0147】
IV.ベンペド酸の高純度組成物
本明細書に記載されるように、一態様では、本発明は、ベンペド酸、例えば結晶形態のベンペド酸、又はその薬学的に許容され得る塩を含む製薬材料を提供する。
様々な実施形態において、製薬材料は、一般に、式(V)の化合物:
又はその薬学的に許容され得る塩であって、該製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、99.0重量%を超える量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料中の式(V)の化合物の量は、重量基準で、製薬材料の総重量の約99.1%超、約99.2%超、約99.3%超、約99.4%超、約99.5%超、約99.6%超、約99.7%超、約99.8%超、約99.85%超、約99.9%超、約99.95%超、又は約99.98%超である。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、99.5重量%を超える量の式(V)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、99.7重量%を超える量の式(V)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、99.9重量%を超える量の式(V)の化合物を含む。
【0148】
特定の実施形態では、製薬材料は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)アッセイによって決定される場合、製薬材料(無水無溶媒系)の総重量に基づいて、約98%~約102重量%の量の式(V)の化合物を含む。
特定の実施形態では、HPLCアッセイは、以下の1つ以上を含む:
(i)Waters XBridge BEH C18カラム(内径4.6mm×150mm、2.5μm);
(ii)約40℃のカラム温度;
(iii)水/アセトニトリル(約50:50)中約0.05%のリン酸を含む移動相;
(iv)定組成溶離;
(v)約1.2mL/分の流速;
(vi)周囲温度の試料温度;
(vii)215nmで検出;及び
(viii)式(V)の化合物の保持時間は約4.6分である。
いくつかの実施形態では、HPLCアッセイは、上記のそれぞれ、すなわち(i)~(viii)を含む。
特定の実施形態では、結晶形態の式(V)の化合物は、例えばX線粉末回折パターン又はピーク(複数可)、及び/又は結晶形態のベンペド酸の他の特徴的な特性によって本明細書において特性決定される結晶形態の式(V)の化合物であり得る。
【0149】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、式(VI)の化合物:
又はその薬学的に許容され得る塩を含み得る。式(VI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、本明細書では「ジオール不純物」とも呼ばれる。
特定の実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%又は約0.0001%未満である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約1.25重量%未満である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.15重量%未満である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.1重量%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%、又は約0.0001%以下の式(VI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.125重量%以下の量の式(VI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.15重量%以下の量の式(VI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.1重量%以下の量の式(VI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。
特定の実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で、約0.0001%~約0.15%、約0.001%~約0.15%、約0.01%~約0.15%、約0.025%~約0.15%、約0.05%~約0.15%、約0.075%~約0.15%、約0.1%~約0.15%、約0.125%~約0.15%、約0.01%~約0.125%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.075%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.025%、約0.025%~約0.125%、約0.025%~約0.1%、約0.025%~約0.075%、約0.025%~約0.05%、約0.05%~約0.125%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.075%、約0.075%~約0.125%、約0.075%~約0.1%、又は約0.1%~約0.125%である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.01%~約0.15重量%である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のジオール不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.01%~約0.1重量%である。
【0150】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、式(VII)の化合物:
又はその薬学的に許容され得る塩を含み得る。式(VII)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、本明細書では「ケトン不純物」とも呼ばれる。
特定の実施形態では、製薬材料中のケトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%又は約0.0001%未満である。特定の実施形態では、製薬材料中のケトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.15重量%未満である。特定の実施形態では、製薬材料中のケトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.05重量%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%、又は約0.0001%以下の式(VII)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.15重量%以下の量の式(VII)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。いくつかの実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.05重量%以下の量の式(VII)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。
特定の実施形態では、製薬材料中のケトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.15%、約0.001%~約0.15%、約0.01%~約0.15%、約0.025%~約0.15%、約0.05%~約0.15%、約0.075%~約0.15%、約0.1%~約0.15%、約0.125%~約0.15%、約0.01%~約0.125%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.075%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.025%、約0.025%~約0.125%、約0.025%~約0.1%、約0.025%~約0.075%、約0.025%~約0.05%、約0.05%~約0.125%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.075%、約0.075%~約0.125%、約0.075%~約0.1%、又は約0.1%~約0.125%である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のケトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.01%~約0.15重量%である。いくつかの実施形態では、製薬材料中のケトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.01%~約0.05重量%である。
【0151】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、式(VIII)の化合物:
又はその薬学的に許容され得る塩を含み得る。式(VIII)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、本明細書では「アセトン不純物」とも呼ばれる。
特定の実施形態では、製薬材料中のアセトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%又は約0.0001%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%、又は約0.0001%以下の式(VIII)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。
特定の実施形態では、製薬材料中のアセトン不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.15%、約0.001%~約0.15%、約0.01%~約0.15%、約0.025%~約0.15%、約0.05%~約0.15%、約0.075%~約0.15%、約0.1%~約0.15%、約0.125%~約0.15%、約0.01%~約0.125%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.075%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.025%、約0.025%~約0.125%、約0.025%~約0.1%、約0.025%~約0.075%、約0.025%~約0.05%、約0.05%~約0.125%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.075%、約0.075%~約0.125%、約0.075%~約0.1%、又は約0.1%~約0.125%である。
【0152】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、式(IX)の化合物:
又はその薬学的に許容され得る塩を含み得る。式(IX)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、本明細書では「二量体不純物」とも呼ばれる。
特定の実施形態では、製薬材料中の二量体不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%又は約0.0001%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%、又は約0.0001%以下の式(IX)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。
特定の実施形態では、製薬材料中の二量体不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.15%、約0.005%~約0.15%、約0.01%~約0.15%、約0.025%~約0.15%、約0.05%~約0.15%、約0.075%~約0.15%、約0.1%~約0.15%、約0.125%~約0.15%、約0.01%~約0.125%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.075%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.025%、約0.025%~約0.125%、約0.025%~約0.1%、約0.025%~約0.075%、約0.025%~約0.05%、約0.05%~約0.125%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.075%、約0.075%~約0.125%、約0.075%~約0.1%、又は約0.1%~約0.125%である。
【0153】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、式(X)の化合物:
又はその薬学的に許容され得る塩を含み得る。式(X)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、本明細書では「モノエチルエステル不純物」とも呼ばれる。
特定の実施形態では、製薬材料中のモノエチルエステル不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%又は約0.0001%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%、又は約0.0001%以下の式(X)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。
特定の実施形態では、製薬材料中のモノエチルエステル不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.15%、約0.0005%~約0.15%、約0.01%~約0.15%、約0.025%~約0.15%、約0.05%~約0.15%、約0.075%~約0.15%、約0.1%~約0.15%、約0.125%~約0.15%、約0.01%~約0.125%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.075%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.025%、約0.025%~約0.125%、約0.025%~約0.1%、約0.025%~約0.075%、約0.025%~約0.05%、約0.05%~約0.125%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.075%、約0.075%~約0.125%、約0.075%~約0.1%、又は約0.1%~約0.125%である。
【0154】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、式(XI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含むことができる。
式(XI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、本明細書では「ジエチルエステル不純物」とも呼ばれる。
特定の実施形態では、製薬材料中のジエチルエステル不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%又は約0.0001%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.15%、約0.125%、約0.1%、約0.075%、約0.05%、約0.025%、約0.01%、約0.001%、又は約0.0001%以下の式(XI)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む。
特定の実施形態では、製薬材料中のジエチルエステル不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.15%、約0.0005%~約0.15%、約0.01%~約0.15%、約0.025%~約0.15%、約0.05%~約0.15%、約0.075%~約0.15%、約0.1%~約0.15%、約0.125%~約0.15%、約0.01%~約0.125%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.075%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.025%、約0.025%~約0.125%、約0.025%~約0.1%、約0.025%~約0.075%、約0.025%~約0.05%、約0.05%~約0.125%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.075%、約0.075%~約0.125%、約0.075%~約0.1%、又は約0.1%~約0.125%である。
【0155】
特定の実施形態では、本明細書に記載される製薬材料は、HPLCによって決定される場合、相対保持時間(RRT)が約1.04~約1.05の不純物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される製薬材料は、HPLCによって決定される場合、相対保持時間(RRT)が約1.06~約1.08の不純物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される製薬材料は、HPLCによって決定される場合、相対保持時間(RRT)が約1.18~約1.20の不純物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される製薬材料は、HPLCによって決定される場合、相対保持時間(RRT)が約1.36の不純物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、HPLCによって決定される場合、RRTが約1.43の不純物を含むことができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、HPLCによって決定される場合、RRTが約1.86の不純物を含むことができる。特定の実施形態では、本明細書に記載される製薬材料は、HPLCによって決定される場合、RRTが約1.36の第1の不純物及びRRTが約1.86の第2の不純物を含むことができる。特定の実施形態では、不純物のRRTは、ベンペド酸の保持時間に基づき、ここで、ベンペド酸のRRTは、約1.00である。
特定の実施形態では、本明細書に記載の製薬材料は、1つ以上の特定されていない不純物(例えば、化学構造を決定することはできないが、RRTが既知である製薬材料中の不純物)を含むことができる。
【0156】
特定の実施形態では、製薬材料は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)アッセイによって決定される場合、本明細書に記載の1つ以上の不純物含む。
特定の実施形態では、HPLCアッセイは、以下の1つ以上を含む:
(i)Waters XBridge BEH C18カラム(内径4.6mm×150mm、2.5μm);
(ii)約40℃のカラム温度;
(iii)水中に約0.05%のギ酸を含む第1の移動相;
(iv)アセトニトリル中約0.05%ギ酸を含む第2の移動相;
(v)約1.2mL/分の流速;
(vi)周囲温度の試料温度;及び
(vii)式(V)の化合物の保持時間は約15.2分である。
いくつかの実施形態では、HPLCアッセイは、上記のそれぞれ、すなわち(i)~(vii)を含む。
【0157】
特定の実施形態では、製薬材料中の1つ以上の特定されていない不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、又は約0.1%未満である。いくつかの実施形態では、製薬材料中の1つ以上の特定されていない不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、約0.05重量%未満である。
特定の実施形態では、製薬材料中の1つ以上の特定されていない不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.1%、約0.0005%~約0.1%、約0.001%~約0.1%、約0.005%~約0.1%、約0.01%~約0.1%、約0.05%~約0.1%、約0.0001%~約0.05%、約0.0001%~約0.01%、約0.0001%~約0.005%、約0.0001%~約0.001%、約0.0001%~約0.0005%、約0.0005%~約0.05%、約0.0005%~約0.01%、約0.0005%~約0.005%、約0.0005%~約0.001%、約0.001%~約0.05%、約0.001%~約0.01%、約0.001%~約0.005%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.01%、又は約0.01%~約0.05%である。特定の実施形態では、製薬材料中の1つ以上の特定されていない不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で約0.0001%~約0.1%である。特定の実施形態では、製薬材料中の1つ以上の特定されていない不純物の量は、製薬材料の総重量に基づいて、重量基準で、約0.05%~約0.1%である。
【0158】
V.医薬組成物
別の態様では、本明細書に記載及び/又は本明細書で作製されるベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物であって、いずれかの製薬材料と並んで不純物を含む医薬組成物が本明細書で提供される。様々な実施形態において、医薬組成物は、一般に、本明細書に記載の製薬材料と、薬学的に許容され得る賦形剤とを含む。例えば、製薬材料は、99.0%を超える式(V)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を含むことができる。
【0159】
特定の実施形態では、医薬組成物は、固体又は液体剤形として投与するために特別に製剤化されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、経口剤形として投与するために製剤化される。経口剤形の例としては、限定されないが、液剤、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、エマルジョン、ロゼンジ、溶液、懸濁剤、ボーラス剤、粉末剤、エリキシル剤若しくはロップ剤、トローチ剤、うがい薬、顆粒剤、又は舌に塗布するためのペースト剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、非経口投与に適した剤形として製剤化される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、皮下、筋肉内、静脈内又は硬膜外注射によって投与される。非経口投与に適した剤形の例としては、滅菌溶液もしくは懸濁液、又は徐放性製剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、局所適用に適した剤形として製剤化される。局所投与に適した剤形の例としては、限定されないが、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、吸入剤、又は皮膚に塗布される制御放出パッチもしくはスプレーが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、膣内又は直腸内投与に適した剤形として製剤化される。膣内又は直腸内投与に適した剤形の例としては、ペッサリー、クリーム又はフォームが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、舌下、眼、経皮または経鼻投与に適した剤形として製剤化される。
【0160】
特定の実施形態では、経口投与に使用される本明細書に記載の固体剤形は、製薬材料を1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤と混合することによって調製される。医薬賦形剤は、充填剤又は増量剤、甘味剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、保存剤、香料、香味剤、酸化防止剤、溶液遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、潤滑剤、着色剤、及び制御放出剤からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、固体剤形がカプセル剤、錠剤又は丸剤である場合、本明細書に記載の医薬組成物は緩衝剤も含み得る。いくつかの実施形態では、固体剤形がゼラチンカプセルである場合、医薬組成物は、ラクトース、乳糖、高分子量ポリエチレングリコール及びそれらの組合せから選択される1つ以上の賦形剤を更に含み得る。
【0161】
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、及びポリマー担体からなる群から選択される1つ以上の賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、抗菌剤、抗真菌剤、又はそれらの組合せを含む。抗菌剤及び抗真菌剤の例としては、パラベン、クロロブタノール、フェノール及びソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は等張剤を含む。
特定の実施形態では、本発明の剤形は、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の徐放又は制御放出を提供するように製剤化され得る。例えば、ベンペド酸の持続放出製剤を開示しているPCT/US2019/018356を参照されたい。いくつかの実施形態では、本発明の剤形は、急速放出のために製剤化され得る。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物の液体剤形は、次の1つ以上を含む:不活性希釈剤、可溶化剤及び乳化剤。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物の経口懸濁剤は、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物を含む1つ以上の懸濁化剤を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物の軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、1つ以上の賦形剤を含み、1つ以上の賦形剤は、動物脂肪、植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、酸化亜鉛、又はそれらの混合物を含むことができる。
【0163】
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物の粉末及びスプレーは、1つ以上の賦形剤を含み、1つ以上の賦形剤は、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ポリアミド粉末、又はそれらの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明のスプレーは、慣用的な噴射剤を含むことができ、慣用的な噴射剤は、1種以上のクロロフルオロ炭化水素及び揮発性非置換炭化水素を含む。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物の経皮パッチは、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の身体への制御された送達を提供する。いくつかの実施形態では、眼科用製剤、眼軟膏、粉末、溶液等も本発明の範囲内に含まれる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、単位剤形で投与されてもよく、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製されてもよい。単一剤形中に存在する式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の量は、治療されている患者及び/又は特定の投与様式に応じて変化し得る。
【0164】
特定の実施形態では、単一剤形を生成するために薬学的に許容され得る担体と組み合わせることができる式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の量は、一般に、治療効果を生じる式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の量である。
様々な実施形態において、ベンペド酸もしくはその薬学的に許容され得る塩、又は本発明の製薬材料は、固定用量製剤(例えば、米国特許出願公開第2018/0338922号及び国際公開第2018/218147号を参照されたい)として調製することができる。
【0165】
VI.治療及び投与の方法
様々な実施形態において、製薬材料及び/又は医薬組成物を含む、本明細書に記載及び/又は本明細書で作製されるベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩は、様々な疾患及び障害の治療又は予防に使用され得る。疾患又は障害を治療する方法は、一般に、それを必要とする患者に、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む治療有効量の製薬材料を投与して、疾患又は障害を治療することを含む。
【0166】
疾患及び障害の例としては、心血管疾患、心房細動、血液凝固、冠動脈心疾患、高凝固状態、虚血、心筋梗塞、ミオパシー、筋炎、肺塞栓症、脳卒中、末梢血管疾患、脂質異常症、異リポタンパク血症、グルコース代謝の障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム障害(例えば、症候群X)、ガラクトース血症、HIV感染症、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、敗血症、血栓性障害、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、癌、炎症(例えば、肝臓の炎症)、炎症性筋疾患(例えば、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎及び線維性炎)、インポテンス、胃腸疾患、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、炎症性障害(例えば、喘息、血管炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、川崎病、ウェゲナー肉芽腫症(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)及び自己免疫性慢性肝炎)、関節炎(例えば、関節リウマチ、若年性関節リウマチ及び変形性関節症)、骨粗鬆症、軟部組織リウマチ(例えば腱炎)、滑液包炎、自己免疫疾患(例えば、全身性ループス及びエリテマトーデス)、強皮症、強直性脊椎炎、痛風、偽痛風、非インスリン依存性糖尿病、糖尿病(例えば、2型)、多嚢胞性卵巣疾患、高脂血症(例えば、原発性高脂血症、家族性高コレステロール血症(FH)、高コレステロール血症Frederickson IIa型、高コレステロール血症Frederickson IIb型、家族性複合型高脂血症(FCH))、リポタンパク質リパーゼ欠損症(例えば、高トリグリセリド血症、低アルファリポタンパク血症及び高コレステロール血症)、糖尿病に関連するリポタンパク質異常、肥満に関連するリポタンパク質異常、及びアルツハイマー病に関連するリポタンパク質異常が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、上記方法は、原発性高脂血症等の高脂血症を治療及び/又は予防することを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、心血管疾患を治療及び/又は予防することを含む。
【0167】
特定の実施形態では、製薬材料及び/又は医薬組成物を含む、本明細書において記載及び/又は作製されるベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩は、高レベルの低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高レベルのアポリポタンパク質B(apoB)、高レベルのリポタンパク質(a)(Lp(a))、高レベルの超低密度リポタンパク質(VLDL)、高レベルの非高密度脂質コレステロール(非HDL-C)、高レベルの総血清コレステロール(TC)、高レベルの高感度c反応性タンパク質(hsCRP)、高レベルのフィブリノーゲン、高レベルのインスリン、高レベルのグルコース、及び低レベルの高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)の1つ以上の治療又は予防に使用され得る。換言すれば、本発明の方法は、LDL-Cを低下させること、apoBを低下させること、Lp(a)を低下させること、VLDLを低下させること、非HDL-Cを低下させること、TCを低下させること、及び/又はhsCRPを低下させることを含み得る。本発明の方法は、アデノシン三リン酸クエン酸リアーゼ(ACL)を阻害すること、コレステロール合成を阻害すること、及び/又は脂肪酸生合成を抑制することを含み得る。いくつかの実施形態では、精製量の本発明の式(V)の化合物若しくはその薬学的に許容され得る塩、医薬組成物又は製薬材料は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症又は確立されたアテローム硬化性心血管疾患を有する成人においてLDL-Cを低下させるための食事療法及び最大限に忍容されるスタチン療法の補助剤として使用され得る。いくつかの実施形態では、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、本発明の医薬組成物又は製薬材料は、体重増加を増すことなく、非インスリン依存性糖尿病の治療のために使用され得る。
【0168】
特定の実施形態では、製薬材料及び/又は医薬組成物を含む本明細書において記載及び/又は作製されるベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩は、加齢、アルツハイマー病、癌、心血管疾患、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、グルコース代謝障害、脂質異常症、異リポタンパク血症、胆汁産生の亢進、高血圧、インポテンス、炎症、インスリン抵抗性、胆汁中の脂質除去、C反応性タンパク質の調節、肥満、胆汁中のオキシステロール除去、膵炎(pancreatitis)、膵臓炎(pancreatitius)、パーキンソン病、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、胆汁中のリン脂質除去、腎疾患、横紋筋融解症、敗血症、睡眠時無呼吸、症候群X、及び血栓性障害を含むがこれらに限定されない様々な疾患及び症状の治療又は予防に使用され得る。
【0169】
特定の実施形態では、脂肪性肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝(fatty liver)、脂肪肝(liver steatosis)、肝硬変、肝線維症、及び妊娠中の急性脂肪肝からなる群から選択される肝障害を治療する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、障害は脂肪性肝炎である。いくつかの実施形態では、脂肪性肝炎は非アルコール性脂肪性肝炎である。いくつかの実施形態では、脂肪性肝炎は非アルコール性脂肪性肝疾患である。いくつかの実施形態では、障害は、アルコール性肝疾患である。いくつかの実施形態では、障害は脂肪肝である。いくつかの実施形態では、障害は、脂肪肝、肝硬変又は肝線維症である。いくつかの実施形態では、障害は、妊娠中の急性脂肪肝である。いくつかの実施形態では、患者は成人である。
【0170】
特定の実施形態では、本発明は、老化、アルツハイマー病、癌、心血管疾患、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖代謝障害、異脂肪血症、異リポタンパク血症、胆汁産生の亢進、脂質逆輸送の亢進、高血圧、インポテンス、炎症、インシュリン抵抗性、胆汁中の脂質排除、C反応性タンパク質の調節、肥満、胆汁中のオキシステロール除去、膵炎(pancreatitis)、膵臓炎(pancreatitius)、パーキンソン病、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体関連障害、胆汁中のリン脂質除去、腎疾患、敗血症、メタボリックシンドローム障害(例えば、症候群X)、又は血栓性障害を治療又は予防する方法を提供する。
【0171】
特定の実施形態では、障害は、リポジストロフィー、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症及び糖原病からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、患者は成人である。
特定の実施形態では、障害は、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルスによる感染症、α1-アンチトリプシン欠損症、バッセン-コルンツヴァイク症候群、低ベータリポタンパク質血症、セリアック病、ウィルソン病、及びウェーバー-クリスチャン症候群からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、障害は、B型肝炎である。いくつかの実施形態では、障害は、C型肝炎である。いくつかの実施形態では、障害は、ヒト免疫不全ウイルスによる感染である。いくつかの実施形態では、障害はアルファ1-アンチトリプシン欠損症である。いくつかの実施形態では、障害は、バッセン-コルンツヴァイク症候群である。いくつかの実施形態では、障害は低ベータリポタンパク質血症である。いくつかの実施形態では、障害はセリアック病又はウィルソン病である。いくつかの実施形態では、障害はウェーバー-クリスチャン症候群である。いくつかの実施形態では、患者は成人である。
特定の実施形態では、症状は、毒性肝損傷、完全非経口栄養、重度の外科的体重減少、環境毒性、栄養不良及び飢餓からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、症状は、毒性肝損傷である。いくつかの実施形態では、症状は、完全非経口栄養又は重度の外科的体重減少である。いくつかの実施形態では、症状は環境毒性である。いくつかの実施形態では、症状は栄養不良又は飢餓である。いくつかの実施形態では、患者は成人である。
【0172】
特定の実施形態では、薬物の効果を延長するために、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、皮下もしくは筋肉内注射によって、又は薬物を油性ビヒクルに溶解もしくは懸濁することによって投与される。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物中の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の実際の投与量レベルは、患者に有毒であることなく、特定の患者、組成物、及び投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効な量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を得るように変化し得る。
【0173】
特定の実施形態では、選択された投与量レベルは、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄又は代謝の速度、吸収の速度及び程度、治療の期間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、症状、全身健康状態及び以前の病歴、並びに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存する。
特定の実施形態では、当業者である医師又は獣医は、必要に応じて医薬組成物の有効量を容易に決定及び処方することができる。
【0174】
特定の実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の適切な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量に相当する量である。ある特定の実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、約0.01mg/kg~約200mg/kgで投与される。特定の実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩が別の治療薬と同時投与される場合、有効量は、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩が単独で使用される場合よりも少なくなり得る。
【0175】
特定の実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩の有効1日用量は、2、3、4、5、6又はそれを超えるサブ用量として投与され得る。特定の実施形態では、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれを超えるサブ用量は、任意に単位剤形で、1日を通して適切な間隔で別々に投与される。いくつかの実施形態では、投与は1日あたり1回の投与である。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、1日間、5日間、10日間、20日間、30日間、1週間、2週間、3週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、1年、2年、3年、4年、又は5年にわたって患者に投与される。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、患者の寿命の期間にわたって患者に投与される。
【0176】
VII.併用療法
様々な実施形態において、本発明の製薬材料及び医薬組成物を含む、本明細書に記載の及び/又は本明細書で作製されるベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩は、併用療法の一部であり得る。特定の実施形態では、併用療法は、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、第2の治療薬とを含む。特定の実施形態では、併用療法は、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む製薬材料と、第2の治療薬とを含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、ロバスタチン、チアゾリジンジオンもしくはフィブラート、胆汁酸結合樹脂、ナイアシン、抗肥満薬、ホルモン、抗ウイルス薬(例えば、患者において肝疾患を引き起こす根底にあるC型肝炎感染を治療するため)、抗癌剤(例えば、肝細胞癌又は肝疾患もしくは脂肪肝を引き起こす他の癌を治療するため)、抗酸化剤、インスリン抵抗性を低下させる医薬、又は脂質代謝を改善する医薬(例えば、高脂血症の治療)、チロホスチン、スルホニルウレア系薬物、ビグアナイド、α-グルコシダーゼ阻害剤、アポリポタンパク質A-Iアゴニスト、アポリポタンパク質E、心血管薬物、HDL上昇薬、HDLエンハンサー、又はアポリポタンパク質A-I、アポリポタンパク質A-IV及び/もしくはアポリポタンパク質遺伝子の調節因子を含む群から選択される。いくつかの実施形態では、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、重量基準で、製薬材料の総重量の99.0%を超える。
【0178】
様々な実施形態において、第2の治療薬は、スタチン及び/又はエゼチミブであり得る。例えば、米国特許出願公開第2018/0078518号(ベンペド酸とスタチンとの組合せ)、第2018/0064671号及び第2018/0338922号(ベンペド酸とエゼチミブとの組合せ)、国際公開第2018/218147号(ベンペド酸とエゼチミブとの組合せ);及び国際公開第2018/148417号(ベンペド酸とエゼチミブ及びスタチンの組合せ)を参照されたい。
【0179】
特定の実施形態では、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、第2の治療薬とを含む本発明の製薬材料又は医薬組成物を投与することは、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、第2の治療薬との共作用から有益な効果を提供することを意図している。いくつかの実施形態では、併用療法の有益な効果は、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、第2の治療薬との組合せから生じる薬物動態学的又は薬力学的共作用を含み得る。
【0180】
VIII.キット
様々な実施形態において、本発明は、本明細書に記載の症状、疾患又は障害を治療するためのキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、i)例えば本明細書に記載の症状、疾患又は障害を治療するための説明書、及びii)式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩(例えば、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む製薬材料)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、症状、疾患又は障害を治療するのに有効量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含有する1つ以上の単位剤形を含み得る。
【0181】
本明細書の記載は、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を製造する方法、式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、例えば、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を使用する方法、精製量の式(V)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む組成物並びにキットを含む、本発明の複数の態様及び実施形態を含む。本特許出願は、本明細書に記載の態様及び実施形態のすべての組合せ及び置換を具体的に含む。特に、製薬材料、医薬組成物、障害又は症状を治療する方法、及びキットは、本明細書に記載の方法によって作製されるように、ベンペド酸又はその薬学的に許容され得る塩を含む及び/又は使用することができることを理解されたい。
【実施例
【0182】
本明細書に記載の発明をより完全に理解することができるように、以下の実施例を記載する。本出願に記載される合成及び分析のプロトコルは、本明細書で提供される化合物、医薬組成物、及び方法を説明するために提供され、決してそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0183】
実施例1:精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を調製するための製造プロセス
この実施例では、精製されたベンペド酸の合成は図1を参照する。
工程1-式(I)の化合物の調製
リチウムジイソプロピルアミド(LDA)の調製
反応容器にジイソプロピルアミン(317±3kg、1.1当量)及びテトラヒドロフラン(THF、2,102±105L)を投入し、次いで、混合物を-10℃以下に冷却した。次いで、温度を-10℃以下に維持しながら、n-ブチルリチウム(n-BuLi、757±8kg、1.2当量)を1時間以上かけて投入した。投入ラインをTHFですすいだ。添加は発熱性であった。最後に、次いで、バッチを撹拌しながら-10℃以下に冷却した。
【0184】
アルキル化反応
イソ酪酸エチル(317±3kg、1.1当量)を-10℃以下(図1)で1時間以上かけて反応器に添加した。温度を-10℃以下に維持しながらバッチを撹拌した。1-ブロモ-5-クロロペンタン(460±5kg、1.00当量)を-10℃以下で1時間以上かけて投入した。ラインをTHFですすいだ。添加は発熱性であった。次いで、反応混合物を-10℃以下で10時間以上撹拌した。反応のこの段階は、ガスクロマトグラフィー(1-ブロモ-5-クロロペンタン:<3%面積)を使用して完了していることを確認した。次いで、反応混合物を0±5℃に加温し、変換が完了するまでこの温度を維持した。反応を、ガスクロマトグラフィー(1-ブロモ-5-クロロペンタン:<0.5%面積)を使用して完了していることを確認した。
【0185】
クエンチ及び相分離
温度を30℃以下に維持しながら、9%塩酸溶液(HCl、1337±50kg)を反応混合物に1時間以上かけて添加して、反応をクエンチした。投与後、反応混合物を30℃以下で15分間以上撹拌した。水層のpHを測定した(範囲:pH6~10)。撹拌機を停止し、層を30分間以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。
蒸留及びTHFの除去
溶媒を減圧下、40℃以下で約950Lの所望の体積まで蒸留によって除去した。
【0186】
式(I)の化合物の濃度は、ガスクロマトグラフィー(GC)(式(I)の濃度範囲の標的化合物:57~62重量%)を用いて測定した。必要に応じて、式(I)の化合物の濃度を目標範囲内に調整するために、THFを添加するか、又は蒸留によって更に除去した。
次いで、バッチを30℃以下に冷却し、式(I)の粗化合物の濃縮物をドラミングした(drummed)。式(I)の化合物を得るためのプロセスを同一の様式で繰り返して、第2のバッチを得た。
【0187】
工程2-式(II)の化合物の調製
追加の水性洗浄
式(I)の化合物の2つの個々のバッチ(THF中57~62%重量/重量溶液)を容器に投入した。撹拌しながら、5%HCl(1,767±79kg)を25℃以下で投入した。添加は発熱性であった。混合物を15分間以上撹拌した。撹拌を停止し、相を30分間以上静置させた。下部水相を除去し、式(I)/THFの化合物を反応器内に残した。
【0188】
ヨウ化物交換反応
撹拌しながら、メチルエチルケトン(MEK、4,384±227L)及びヨウ化ナトリウム(NaI、831±9kg、1.16当量)を投入した(図1)。バッチを加熱還流(75~80℃)した。およそ30時間後、GCを使用して反応完了を測定した(式(I)の化合物<1.0%面積)。反応が完了していない場合、更に時間をかけ(予想反応時間:25~35時間)、必要に応じてNaIを再投入した。次いで、混合物を約20℃に冷却した。
【0189】
溶媒交換及び水性ワークアップ
留出物がそれ以上回収されなくなるまで、バッチを60℃以下で真空蒸留によって濃縮した。次いで、混合物を20±5℃に冷却し、n-ヘプタン(3,624±187L)を投入した。次いで、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(NaHSO、2,121±104kg)を添加し、混合物を60分以上撹拌した。撹拌を停止し、相を60分以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。水(1980±102L)を添加し、混合物を60分以上撹拌した。相を60分以上静置させ、下側の水相を廃棄のために除去した。必要に応じて、任意の2回目の水洗を行った。
【0190】
最終濃度
留出物がそれ以上回収されなくなるまで、バッチを50℃以下で真空蒸留を用いて濃縮した。次いで、バッチを20℃に冷却し、式(II)の化合物をドラミングし、アッセイ分析のためにサンプリングした。予想収率範囲は80~120%(重量/重量%)であった。
【0191】
工程3-式(IV)の化合物の調製
ナトリウムt-ペントキシド/DMAcの調製
以下の式(IV)の中間体/化合物の配列は、94.9%重量/重量のアッセイで、700kgの式(II)の化合物/n-ヘプタンの投入量に基づいており、これは665kgの含有されている式(II)の化合物の投入量を表した。
N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、1,476±37kg)及びナトリウムt-ペントキシド(271±3kg、2.10当量)の溶液を容器内で調製し、固体のほぼすべてが溶解するまで混合物を約30分間撹拌した。
【0192】
第1の中間体の調製
式(II)の化合物(700kg、1当量)、DMAc(1,272±27kg)及びTosMIC(219±1kg)を容器(図1参照)に入れた。混合物を-5℃以下に冷却し、十分に撹拌した。この溶液に、ナトリウムt-ペントキシド/DMAc混合物を-5℃以下で約1時間かけて添加した。移送ラインをDMAc(181±9kg)ですすいだ。反応は強く発熱した。反応混合物を-5℃以下で30分間以上撹拌した。紫外線検出を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC-UV)(モノアルキル化TosMIC≦1%面積及び式(II)の化合物≦1.4%面積)を用いて、変換が完了したことを確認した。以下の指示に基づいて、反応の完了を確実にするために、必要に応じて式(II)の化合物、TosMIC及びナトリウムt-ペントキシドの任意のキッカーチャージ(kicker charge)を使用した(表18):
【表18】
【0193】
クエンチ及び相分離
n-ヘプタン(2,407±120L)及び水(3,061±153L)を別の反応器に投入した。第1の中間体反応混合物を、0℃~40℃(目標20℃)の温度制御下でn-ヘプタン/水混合物に移した。反応は強い発熱性であった。移送ラインをn-ヘプタン(470±24L)ですすいだ。次いで、混合物を1時間以上撹拌した。撹拌を停止し、混合物を1時間以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。5%塩化ナトリウム水溶液(NaCl、3,106±147kg)を投入し、混合物を約20℃(範囲:0℃~40℃)で1時間以上撹拌した。撹拌機を停止し、混合物を60分間以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。n-ヘプタン中の第1の中間体の残りの溶液を別の容器に移した。
【0194】
式(IV)の化合物の反応
酢酸イソプロピル(IPAc、451±23L)をn-ヘプタン中の第1の中間体の溶液に添加し、混合物を-10±10℃に冷却した。温度を≦25℃に維持しながら、濃HCl(115±2kg)を添加した。反応物は発熱性であり、反応混合物を必要に応じて20±5℃に加温した。加温期間中、混合物を30分間以上撹拌した。HPLC-UV(中間体≦2%面積)を用いて反応転化を測定した。
【0195】
クエンチ及び相分離
別の容器中で、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液(50%重量/重量、175±2kg)を水(1927±96L)と合わせた。得られたNaOH水溶液を反応混合物に約20℃(範囲:10℃~40℃)で添加した。ラインを水ですすいだ。混合物を3時間以上撹拌した。中和終点はpH9~12である。撹拌を停止し、相を60分以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。NaCl(55±3kg)、水(1,572±79L)及び50%水酸化ナトリウム(4.6±0.2kg)を含有する希釈水溶液を別の容器で調製し、式(IV)の化合物の生成物の混合物に充填した。水によるすすぎ(128±6L)を適用し、混合物を60分間以上撹拌した。撹拌を停止し、相を60分間以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。
【0196】
濃縮
混合物を、留出物がそれ以上回収されなくなるまで80℃以下で真空下で濃縮した。GC(式(IV)の化合物≧75%面積)を使用して蒸留を監視した。バッチを約20℃に冷却し、第2のバッチが調製されるまで式(IV)の化合物の濃縮物を保持した。式(IV)の化合物を調製するためのプロセスを同一の様式で繰り返して、n-ヘプタン中の式(IV)の化合物の第2のバッチを得た。次いで、最終蒸留及び包装のため、第2のバッチ(n-ヘプタン中)を第1のバッチと組み合わせた。生成物を秤量し、アッセイのためにサンプリングした。予想収率範囲は80~120%重量/重量であった。
【0197】
工程4-式(V)の化合物(粗ベンペド酸)の調製
反応1(ケトン還元)
式(IV)の化合物(545±5kg)及びエタノール(EtOH、1090±55kg)を容器に投入した。バッチを35℃以下に維持しながら、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、40%NaOH中12重量%、155±2kg、0.35当量)を約2~3時間にわたって投入した(図1)。添加は発熱性であった。投入ラインを水(155±8kg)ですすいだ。25±10℃で1時間以上保持した後、HPLC-UV(式(IV)の化合物≦0.5%面積)を使用して転化を測定した。
【0198】
反応2(鹸化)
NaOH水溶液(50%重量/重量、435±4kg)を50℃以下で容器に投入した。添加は発熱性であった。投入ラインを水(155±8kg)ですすぎ、反応混合物を50±5℃まで6時間以上加温した。鹸化を、HPLC-UV(式(V)の化合物モノエステル≦0.5%面積)を使用して測定した。水(1873±94kg)を反応混合物に投入した。バッチ容量が目標レベル(約2184L)に達するまで、EtOH及び水を真空下及び50℃以下で蒸留した。混合物を別の反応器に移し、移送ラインを水(273±14kg)ですすいだ。
【0199】
pH調整、相分離及び抽出
メチルtert-ブチルエーテル(MTBE、1628±81kg)を添加し、バッチを10~15℃に冷却した。濃HCl(647±6kg)を10~20℃でゆっくり添加し(添加は発熱性であった)、バッチを1時間以上撹拌した。サンプルをpH分析のために採取し、必要に応じてHCl又はNaOHでpHを調整した(目標pH範囲:5~6)。水素ガスの形成を観察した。撹拌を停止し、相を10~20℃で60分間以上静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。バッチを別の容器に移し、MTBEで前方にすすいだ。HPLC-UV(式(V)の化合物:17%~20%重量)を使用して、MTBE中の式(V)の化合物の濃度を測定した。
【0200】
工程5-式(V)の化合物の精製/結晶形態の式(V)の化合物の調製
シリカゲル調製
シリカゲルプラグの直径×高さの比は、1×1~1×3まで変化した。シリカゲル(60±2kg)をフィルターに投入し、酢酸エチル(EtOAc)で湿らせ、これを反応器に投入し、次いでフィルターに排出した。シリカゲル床を、EtOAc(1,173±59kg)を50±5℃で再循環させることによって予熱した。過剰なEtOAcを、式(V)バッチの化合物の濾過の直前に除去した。
【0201】
酢酸エチルへの溶媒交換
MTBE中の式(V)の化合物を反応器に投入した。バッチを真空下、50℃以下で初期容量の30%~35%まで濃縮した。EtOAc(2,002±100kg)を投入し、バッチを再び初期容量の30%~35%まで濃縮した。EtOAc(1601±80kg)を投入し、蒸留を繰り返した。EtOAc(1601±80kg)を投入し、バッチをサンプリングした。溶媒交換をGC(MTBE 0.1%重量以下)によって測定した。追加のEtOAc投入及び蒸留を必要に応じて行った。
【0202】
シリカゲル濾過
溶媒交換が完了したら、バッチを50±5℃に加温した。次いで、バッチを予熱シリカゲルプラグを通して別の反応器に濾過した。ライン及びシリカゲルをすすぐため、EtOAc(964±20kg)を反応器に投入し、50℃に加温し、次いで、加温EtOAcの一部をシリカゲルプラグに移した。シリカゲルフィルタ上での保持による生成物の損失を、HPLC(溶離液中の0.5%重量以下の式(V)の化合物)を使用して測定した。必要に応じて、EtOAcによる更なる洗浄を行った。EtOAc中の式(V)の精製化合物を、50以下で真空下で蒸留によっておよそ1700Lの最終容量まで部分的に濃縮した。
【0203】
結晶化
EtOAc中の式(V)の濃縮化合物の温度を約50±5℃に調整した。水(24±1kg)を投入し、ラインをEtOAc(74±10kg)ですすぎ、溶液を50±5℃で1時間以上維持した。次いで、溶液を14℃/時間の冷却速度を用いてゆっくりと撹拌しながら22±5℃に冷却し、次いで、この温度で2時間以上保持して結晶化を開始した。スラリー形成が確認されたら、溶液を約20~25℃で6時間以上撹拌した。次いで、バッチを11℃/時間の冷却速度を用いて0±5℃に冷却し、次いで、この温度で6時間以上撹拌した。
【0204】
単離及び乾燥
式(V)の化合物の粗結晶形態を0±5℃での遠心分離によって単離し、次いで、0±5℃で冷却したEtOAcで洗浄した。ウェットケーキを真空下で45℃以下で乾燥させた。乾燥は、乾燥減量(LOD)によってモニターした(LOD≦0.5%)。
任意のin situ濾過
反応器内(in situ)濾過を用いて設計された容器については、スラリーを0±5℃で1時間以上静置させた。バッチを濾過し、ウェットケーキを反応器内に残した。EtOAc(1,064±53kg)を別の容器に投入し、0±5℃に冷却し、デカントフィルターを通して、湿ったケーキを含有する反応器に戻した。バッチを1時間以上撹拌し、次いで1時間以上静置させた。濾過を繰り返した。スラリー洗浄及び濾過プロセスを同一の様式で3回繰り返した。
【0205】
工程6-精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料の調製
再結晶化(酢酸エチル/水)
in situ濾過に続いて、工程5で生成された結晶形態の式(V)の化合物の量は、工程4で式(IV)の化合物(充填量-545kg)が式(V)の化合物に100%変換されたという仮定に基づいて推定された(図1)。
反応器内で、容量が1433Lのマーク(約619kgのEtOAc)に達するまでEtOAcを結晶形態の式(V)の化合物のウェットケーキに投入し、次いで、全ての固体が溶解するまで懸濁液を55~60℃に加熱した。透明な溶液に水(16±1kg)を添加し、バッチを55~70℃で1時間以上撹拌した。温度を55±5℃に調整し、次いで、バッチをポリッシュ濾過によって別の反応器に移した。反応器、フィルター及びラインをEtOAc(162±12kg)ですすいだ。温度を55±5℃に調整した。次いで、熱溶液を1時間以上かけて30±5℃まで冷却し、2時間以上撹拌した。次いで、バッチを1時間以上かけて40±5℃まで加熱し、次いで40±5℃で1時間以上維持した。次いで、バッチを1時間以上かけて35±5℃まで冷却し、次いで35±5℃で2時間以上維持した。次いで、バッチを5時間以上かけて5±5℃まで冷却し、次いで5±5℃で4時間以上維持した。得られた固体を遠心分離によって単離した。洗浄溶媒はアセトニトリル(ACN)であり、使用のために20±10℃で保存した。
【0206】
式(V)の化合物の単離、乾燥、化合物同定及びIPC試験
精製した式(V)の化合物の固体を遠心分離によって回収し、次いで、20±10℃でアセトニトリル(2×2kg/kgの式(V)の化合物)で洗浄して、すべての残留母液を除去した。ウェットケーキを45℃以下で真空中で乾燥させた。収量:324.2kg(84.9%)精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料。
【0207】
式(V)の精製化合物を、式(V)の精製化合物のCDCl中10mg/mL及び50mg/mL溶液を調製することによって、H-及び13C-NMR分析のため調製した。Inova 500MHz NMR分光計を使用して、H-及び13C-NMRスペクトルを得た。積分のより良好な相対定量化、及びすべてのシグナルが捕捉されたことを保証するため、ウィンドウを5000から8000Hzに拡張し、取得間の待ち時間を1秒から25秒に延長した。得られた式(V)の化合物のH-及び13C-NMRスペクトル(それぞれ、図2(a)及び図2(b))は、ベンペド酸の既知のH-及び13C-NMRスペクトルと一致する(表19)。
【表19】
式(V)の精製化合物のサンプルを、ポジティブエレクトロスプレーモードで実行するThermo LTQ-XL質量分析計エレクトロスプレーに連結したAgilent 1100 HPLCで実行した。キャピラリー温度は200℃であった。カラムは、Waters X-Bridge C18、4.6×75mm、2.5μmであった。移動相Aは0.05%ギ酸であり、移動相Bはアセトニトリル中0.04%ギ酸であった。式(V)の化合物の実験質量は344.38Daであることが分かったが、これは344.49Daのベンペド酸の計算質量とよく一致している。
【0208】
予想収率範囲は66~91%であった。残留溶媒をGC(ACN≦350ppm)で測定し、乾燥完了を確認した。乾燥が完了したら、帯電エアロゾル検出(CAD)を用いたHPLCを使用して不純物を測定した(未知の不純物0.08重量%以下及び既知の不純物0.13重量%以下)。不純物プロファイル基準を満した場合、生成物を最終の活性医薬成分(API)として処理した。不純物プロファイル基準を満たさない場合、上記のように別の再結晶化を行った。
【0209】
実施例3に記載のHPLCアッセイを使用して、式(V)の精製化合物の純度を99.6%(重量/重量)であると決定した。
結晶形態の式(V)の化合物についてのX線粉末回折(XRPD)データを、Panalytical X’Pert Powder回折計(Cu、Kα放射線;X線管設定-45kV、40mA;発散スリット-固定1/8°;スキャンモード-連続;スキャン範囲-3~40°(2θ);走査ステップ時間-18.87秒;ステップサイズ-0.0131°(2θ))を使用して収集した。結晶形態の式(V)の化合物のサンプルをSiゼロバックグラウンドホルダーに置いた。2θ位置をPanalytical Si参照標準ディスクに対して較正した。式(V)の化合物の結晶形態のXRPDパターンを図4に示す。図4のXRPDパターンの表にした特性を以下の表20に示し、この表は回折角2θ及び相対強度(最も強いピークに対する百分率として表される)を列挙する。
【0210】
結晶形態の式(V)の化合物についての示差走査熱量測定(DSC)データを、TA Q2000 DSC装置を使用して収集した。DSC装置を、インジウム参照標準を使用して較正した。式(V)の結晶形態の化合物のサンプルを、圧着されたアルミニウムサンプルパン内に置き、周囲温度(約25℃)から300℃まで10℃/分の速度で加熱した。式(V)の化合物の結晶形態のDSC曲線を図5に示す。DSC曲線は、約92.4℃の開始値を有する吸熱事象を示した。
結晶形態の式(V)の化合物の熱重量分析(TGA)データを、TA Discovery 550 TGA装置を使用して収集した。TGA装置を、ニッケル参照標準を使用して較正した。結晶形態の式(V)の化合物のサンプルを開放白金サンプルパンに入れ、およそ周囲温度(約25℃)から約315℃まで10℃/分の速度で加熱した。式(V)の化合物の結晶形態のTGA曲線を図6に示す。TGA曲線は、分解が起こる前に無視できる重量損失を示した。
【表20】
【0211】
また、式(V)の化合物の結晶形の単結晶を、単結晶X線回折により分析した。式(V)の化合物の結晶形態の単位胞パラメータ、並びにデータ収集及び構造精密化方法をそれぞれ表21及び22に示す。
【表21】
【表22】
原子座標(×10)及び等方性変位パラメータ(Å×10)を以下の表23に示す。U(eq)は、直交化Uijテンソルのトレースの1/3として定義される。
【表23】
【0212】
結合距離(Å)を以下の表24に示す。
【表24】
【0213】
結合角(°)を以下の表25に示す。
【表25】
【0214】
ねじれ角(°)を以下の表26に示す。
【表26】
【0215】
非等方性変位パラメータ(Å)を以下の表27に示す。非等方性変位係数指数を次の形式で表すことができる:-2π[ha*11+…+2 h k a*b* U12]。
【表27】
【0216】
水素原子座標及び等方性原子変位パラメータ(Å)を以下の表28に示す。
【表28】
【0217】
以下の表29に示す選択された水素結合情報(Å及び°)。
【表29】
等価な原子を生成するために使用される対称変換:#1 x、y-1、z #2-x+1、-y+2、-z+1 #3-x+1、y+1/2、-z+3/2
【0218】
実施例2:精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料を調製するための代替製造プロセス
工程1-式(I)の化合物の調製
リチウムジイソプロピルアミド(LDA)の調製
反応容器に、約321kgのジイソプロピルアミン及び約1870Lのテトラヒドロフラン(THF)を投入し、次いで、混合物を-18℃~-5℃に冷却した。約794kgのn-ブチルリチウム(n-BuLi、ヘプタン溶液)を、温度を-18℃~-5℃に維持しながらゆっくりと投入した。バッチを撹拌しながら-18℃~-5℃に保持した。
【0219】
アルキル化反応
およそ317kgのイソ酪酸エチルを、-18℃~-5℃に温度制御しながら、目標の1時間以上をかけてLDAを含有する反応器に添加した。次いで、ラインを約100LのTHFですすいだ。温度を-18℃~-5℃に維持しながら、バッチを撹拌した。約460kgの1-ブロモ-5-クロロペンタンを-18℃~-5℃で1時間以上標的に投与した。次いで、ラインを約100LのTHFですすいだ。反応混合物を-18℃~-5℃で撹拌し、次いで、0℃±5℃に加温した。反応を、ガスクロマトグラフィー(GC)(1-ブロモ-5-クロロペンタン:≦0.4%面積)を使用して完了していることを確認した。
クエンチ及び相分離
温度を30℃以下に維持しながら、約1337kgの9%塩酸水溶液(HCl)を反応混合物に添加して、反応をクエンチした。投与後、反応混合物を20℃±5℃で15分以上撹拌した。層を静置させる。次いで、水層のpHを測定した(範囲:pH6~10)。pH範囲が満たされない場合、追加の水酸化ナトリウム(NaOH)又はHClを添加してもよい。下側の水相を廃棄のため除去した。
蒸留及びTHFの除去
溶媒を減圧下、40℃以下で約950Lの所望の体積まで蒸留によって除去した。
式(I)の粗化合物濃縮物を反応容器に一時的に貯蔵するか、又は処理が続くまでドラミングして式(II)の化合物を製造した。式(I)の化合物プロセスを同一の様式で繰り返して、第2のバッチを得た。
【0220】
工程2-式(II)の化合物の調製
追加の水性洗浄
THF中の式(I)の化合物の2つの個々のバッチを容器に投入した。次いで、撹拌しながら、約1767kgの5%HCl水溶液を20℃±5℃で投入した。混合物を15分間以上撹拌した。撹拌を停止し、相を静置させた。下部水相を除去し、式(I)/THFの化合物を反応器内に残した。
ヨウ化物交換反応
約4386Lのメチル-エチル-ケトン(MEK)及び約824kgのヨウ化ナトリウム(NaI)を撹拌しながら投入した。バッチを加熱還流した。およそ30時間後、GCを使用して反応完了を測定した(式(I)の化合物≦3.0%面積)。反応が完了していない場合、追加の時間を許容し、必要に応じて追加のNaIを充填してもよい。次いで、混合物を約20℃±10℃に冷却した。
溶媒交換及び水性ワークアップ
留出物がそれ以上回収されなくなるまで、バッチを60℃以下で真空蒸留によって濃縮した。次いで、約3000Lのn-ヘプタンを投入した。約2115kgの5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(NaHSO)を調製し、式(II)の化合物の反応混合物を添加した。約612Lのn-ヘプタンリンス液を投入した。混合物を20°C±5°Cで撹拌した。撹拌を停止し、相を静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。約1976Lの水を添加し、混合物を撹拌し、相を静置させ、次いで、下側の水相を廃棄のため除去した。水洗浄をもう1回繰り返した。
最終濃度
留出物がそれ以上回収されなくなるまで、バッチを50℃以下で真空蒸留を用いて濃縮した。次いで、式(II)の化合物をドラミングし、中間体試験のためにサンプリングした。予想される収率範囲は80%~100%である。
【0221】
工程3-式(IV)の化合物の調製
ナトリウムt-ペントキシド/DMAcの調製
以下の式(IV)の第1の中間体/化合物の配列は、式(II)の化合物650kgの含有される投入量を表す90.0%重量/重量のアッセイで、式(II)の化合物/ヘプタン約722kgの投入量に基づく。
約1450kgのN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)及び約267.3kgのナトリウムt-ペントキシドの溶液を容器中で調製し、混合物を30℃以下で撹拌した。
第1の中間体の調製
ヘプタン中の式(II)の化合物(およそ722kg)、DMAc(およそ1259kg)及びTosMIC(およそ213.8kg)を容器に入れた。次いで、混合物を-15℃~0℃に冷却し、混合物を十分に撹拌した。この溶液に、ナトリウムt-ペントキシド/DMAc混合物を-15℃~0℃で添加した。転写ラインを約178kgのDMAcですすいだ。反応混合物を-15℃~0℃で撹拌した。紫外線検出(HPLC-UV)(モノアルキル化TosMIC≦3.0%面積及び式(II)の化合物≦3.0%面積)を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、転化が完了したことを確認した。表30に示される情報に基づいて、反応の完了を確実にするために、必要に応じて、式(II)の化合物、TosMIC、及びナトリウムt-ペントキシドの任意のキッカーの(追加)投入を使用することができる。
【表30】
IPC=工程内制御;TosMIC=p-トルエンスルホニルメチルイソシアニド。
【0222】
クエンチ及び相分離
約2344Lのn-ヘプタン及び約2993Lの水を別の反応器に投入した。第1の中間体反応混合物を、0℃~40℃(目標20℃)の温度制御下でヘプタン/水混合物に移した。次いで、転写ラインを約456Lのn-ヘプタンですすいだ。混合物を0℃~40℃の間で1~3時間撹拌した。次いで、撹拌を停止し、混合物を静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。約5%塩化ナトリウム水溶液(NaCl)約3036kgを投入し、混合物を撹拌した。次いで、撹拌機を停止させ、混合物を静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。
【0223】
式(IV)の化合物の反応
約440Lの酢酸イソプロピル(IPAc)をヘプタン中の第1の中間体の溶液に添加し、混合物を-15℃~0℃に冷却した。次いで、温度を-15℃~25℃に維持しながら、濃HCl(約112kg)を添加した。反応混合物を、必要に応じて10℃~25℃に加温した。10℃~25℃に達したら、混合物を30~60分間撹拌した。HPLC-UVを使用して反応転化を測定した(第1の中間体≦20%の面積)。
【0224】
クエンチ及び相分離
別の容器において、約177kgのNaOH(50%重量/重量)を約1884Lの水と合わせた。次いで、得られたNaOH水溶液を反応混合物に約20℃(範囲:10℃~40℃)で添加した。ラインを約124Lの水ですすいだ。混合物を撹拌した。中和終点はpH9~12である。撹拌を停止し、相を静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。約54kgのNaCl、約1535Lの水、及び約4.5kgの50%NaOHを含有する希釈水溶液を別の容器で調製し、式(IV)の化合物生成物混合物に投入した。次いで、約126Lの水リンス液を適用した。混合物を撹拌し、相を静置し、下側の水相を除去して廃棄した。
【0225】
濃縮
混合物を80℃以下で減圧下で濃縮して体積を減少させた。次いでバッチを約20℃に冷却し、第2のバッチが調製されるまで式(IV)の化合物の濃縮物を保持した。式(IV)の化合物プロセスを同一の様式で繰り返して、ヘプタン中の式(IV)の化合物の第2のバッチを得た。次いで、最終蒸留のため、第2のバッチ(ヘプタン中)を第1のバッチと組み合わせた。GC(式(IV)の化合物75%重量以上)を使用して蒸留を監視した。製品の包装を行った。生成物を秤量し、中間試験のためサンプリングした。予想される収率範囲は85%~105%である。
【0226】
工程4-式(V)の化合物(粗ベンペド酸)の調製
反応1(ケトン還元)
約710kgの式(IV)の化合物及び約1420kgのエタノール(EtOH)を容器に入れた。バッチを25℃±10℃に維持しながら、約202kgの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、40%NaOH中12重量%、約0.35当量)を投入した。次いで、投入ラインを約202kgの水ですすいだ。25℃±5℃で1時間以上保持した後、HPLC-UV(式(IV)の化合物≦0.9%面積)を使用して転化を測定した。
【0227】
反応2(鹸化)
約567kgのNaOH溶液(50%重量/重量)を15℃~50℃で投入する。投入ラインを約202kgの水ですすぎ、反応混合物を50℃±5℃で6時間以上加温する。鹸化を、HPLC-UV(式(V)の化合物モノエチルエステル≦1.3%面積)を使用して測定する。約2440kgの水を反応混合物に投入する。バッチ容量が目標レベル(約2845L)に達するまで、EtOH及び水を真空下及び50℃以下で蒸留する。
【0228】
pH調整、相分離及び抽出
混合物を約356Lの水で希釈し、次いで、バッチを15℃~50℃に維持しながら2121kgのメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を添加した。バッチを10℃~20℃に冷却した。濃HCl(約912kg)を10℃~20℃でゆっくり添加した。サンプルをpH分析のために採取し、必要に応じてHCl又はNaOHでpHを調整した(目標pH範囲:5.0~6.0)。撹拌を停止し、相を静置させた。下側の水相を廃棄のため除去した。HPLC-UVを使用して、MTBE中の式(V)の化合物の濃度を測定した。次いで、バッチを別の容器に移し、約629kgのMTBEで前方にすすいだ。
【0229】
工程5-式(V)の化合物の精製/結晶形態の式(V)の化合物の調製
シリカゲル調製
シリカゲルプラグの直径×高さの比は、1×0.8から1×3まで変化し得る。およそ78kgのシリカゲルをフィルターに入れた。約1173kgのEtOAcを50℃±5℃で再循環させることによってシリカゲル床を調製した。過剰なEtOAcを、式(V)バッチの化合物の濾過の直前に除去した。
【0230】
酢酸エチルへの溶媒交換
MTBE中の式(V)の化合物を50℃以下で約1148Lまで真空下で濃縮した。約2608kgのEtOAcを投入し、次いで、バッチを再び約1148Lに濃縮した。約2086kgのEtOAcを投入し、蒸留を繰り返した。EtOAc(約2086kg)を投入し、次いで、バッチをサンプリングした。溶媒交換をGC(MTBE 0.1%重量以下)で測定した。必要に応じて、追加のEtOAc投入及び蒸留を行ってもよい。
【0231】
シリカゲル濾過
溶媒交換が完了したら、バッチを45℃~55℃に加温した。次いで、バッチを予熱シリカゲルプラグを通して別の反応器に濾過した。ライン及びシリカゲルをすすぐために、約521kgのEtOAcを反応器に投入し、50℃±5℃に加温し、次いで、加温EtOAcをシリカゲルプラグを通して移した。次いで、EtOAc混合物中の式(V)の精製化合物を、50℃以下で真空下で蒸留によって約2321Lの最終体積まで部分的に濃縮した。
【0232】
結晶化
EtOAc中の式(V)の濃縮化合物を約50℃±5℃に調整した。約31.3kgの水を投入し、溶液を50℃±5℃で1時間以上維持した。次いで、溶液を撹拌しながら2時間以上かけて22℃±5℃にゆっくり冷却して、式(V)の化合物の結晶化を開始した。混合物を約22℃±5℃で6時間以上撹拌し、次いでスラリー形成を確認した。スラリーが存在しない場合は、必要に応じて20℃~25℃で更に撹拌してシーディングしてもよい。次いで、バッチを2時間以上かけて0℃±5℃にゆっくり冷却し、0℃±5℃で6時間以上撹拌した。
【0233】
任意のin situ濾過
反応器内(in situ)濾過を用いて設計された容器については、スラリーを約0℃で静置させた。次いで、バッチを濾過し、ウェットケーキを反応器内に残した。約1386kgのEtOAcを別の容器に投入し、0℃±5℃に冷却し、ウェットケーキを含有する反応器に移した。バッチを0℃±5℃で撹拌し、次いで静置させた。固体を濾過した。スラリー洗浄及び濾過プロセスを同一の様式で3回繰り返した。
【0234】
工程6-精製量の式(V)の化合物を含む製薬材料の調製
再結晶化(酢酸エチル/水)
その場濾過の後、式(V)の化合物の量は、式(V)の化合物を調製するために使用される式(IV)の化合物の100%転化投入量(710kg)に基づいて、約488kgであると仮定される。
反応器内で、体積が1867Lのマークに達するまでEtOAcを固体の式(V)の化合物に投入し、次いで懸濁液を撹拌しながら55℃~60℃に加熱した。混合物に約20.5kgの水を添加し、バッチを55℃~70℃で1時間以上撹拌した。溶液形成の確認を行った。次いで、バッチをポリッシュ濾過によって別の反応器に移した。反応器、フィルター及びラインをEtOAcですすいだ。次いで、温度を55℃±5℃に調整した。次いで、熱溶液を2時間以上かけて30℃±5℃まで冷却し、次いで30℃±5℃で2時間以上撹拌した。スラリーが存在しない場合、必要に応じて30℃±5℃で更に撹拌して播種してもよい。次いで、バッチを40℃±5℃に1時間以上加熱し、40℃±5℃で1時間以上保持した。次いで、バッチを35℃±5℃に1時間以上冷却し、35℃±5℃で2時間以上保持した。次いで、バッチを5時間以上かけて5℃±5℃までゆっくり冷却し、5℃±5℃で4時間以上保持した。
【0235】
単離、乾燥及びIPC試験
得られた固体を遠心分離によって単離し、2000kg以下のアセトニトリルで洗浄した。次いで、ウェットケーキを45℃以下で真空下で乾燥させた(ジャケット)。残留溶媒をGC(ACN≦410ppm、EtOAc≦5000ppm)で測定し、乾燥完了を確認した。予想される収率範囲は66%~91%である。製薬材料放出仕様基準が満たされた場合、生成物を最終製薬材料として処理した。製薬材料の放出仕様を満たさない場合、2回目の再結晶化を行った。
【0236】
任意の2回目の再結晶化(酢酸エチル/水)
以下の手順は、約430kgのバッチサイズでの式(V)の化合物の2回目の再結晶化を記載する。
固体(約430kg)の式(V)の化合物を容器に入れ、続いてEtOAc(約1238kg)を入れた。次いで、懸濁液を撹拌しながら55℃~60℃に加熱した。混合物に約18kgの水を添加し、次いで混合物を55℃~70℃で1時間以上撹拌した。溶液形成の確認を行った。次いで、温度を55℃±5℃に調整し、バッチをポリッシュ濾過によって別の反応器に移した。反応器、フィルター及びラインをEtOAcですすぎ、次いで、温度を55℃±5℃に調整した。次いで、熱溶液を2時間以上かけて30℃±5℃まで冷却し、次いで30℃±5℃で2時間以上撹拌した。スラリーが存在しない場合、必要に応じて30℃±5℃で更に撹拌して播種してもよい。次いで、バッチを40℃±5℃に1時間以上加熱し、40℃±5℃で1時間以上保持した。次いで、バッチを35℃±5℃に1時間以上冷却し、35℃±5℃で2時間以上保持した。次いで、バッチを5時間以上かけて5℃±5℃までゆっくり冷却し、5℃±5℃で4時間以上保持した。
【0237】
任意選択の単離、乾燥及びIPC試験
得られた固体を遠心分離によって単離し、2000kg以下のアセトニトリルで洗浄した。ウェットケーキを真空下で45℃以下で乾燥させた(ジャケット)。次いで、残留溶媒をGC(ACN≦410ppm、EtOAc≦5000ppm)で測定し、乾燥完了を確認した。予想される収率範囲は75%~100%である。不純物プロファイル基準が満たされた場合、生成物を最終製薬材料として処理する。
【0238】
実施例3:式(V)の化合物の純度を決定するための分析方法
不純物の量の決定
式(V)の化合物の精製された形態で存在する不純物の量を、グラジエント力(gradient capability)、サーモスタットカラム区画及び帯電エアロゾル検出(CAD)検出器を備えた高速液体クロマトグラフを使用して決定した。
式(V)の化合物の精製された形態内の不純物の量は、0.05~0.50%重量/重量の範囲内であると決定された。
カラム:Waters XBridge BEH C18(内径4.6mm×150mm、2.5μm)
移動相:A:水中0.05%ギ酸(HCOOH)(HO)
移動相:B:アセトニトリル(ACN)中0.05%HCOOH
試料温度:周囲
カラム温度:40℃
グラジエント(時間:A:B):(0分:90:10;8.5分、56:44;20分、45:55;32分、5:95;36分、5:95)。
流速:1.2mL/分
保持時間:~約15.2分(ベンペド酸の精製形態)
【0239】
式(V)の化合物(ベンペド酸)の純度の決定
式(V)の化合物の精製された形態の純度のレベルを、UV検出器を装備した高速液体クロマトグラフを使用して決定した。
式(V)の化合物の精製された形態に対するアッセイは、98~102%(無水無溶媒系)の範囲内であると決定した。
カラム:Waters XBridge BEH C18(内径4.6mm×150mm、2.5μm)
移動相:A:HO中0.05%リン酸(HPO):ACN(50:50)
試料温度:周囲
カラム温度:40℃
検出:215nm
流速:1.2mL/分
分析時間:16分。
勾配:定組成
保持時間:~4.6分(ベンペド酸の精製形態)
参照による組み込み
本明細書で言及される各特許文献及び科学論文の全開示は、あらゆる目的のために参照により組み込まれる。
均等物
本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化されてもよい。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載の発明を限定するのではなく、あらゆる点で例示的であると見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】