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特表2022-537086充填された容器を予備成形品から製造するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】充填された容器を予備成形品から製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/28 20060101AFI20220817BHJP
   B29C 49/46 20060101ALI20220817BHJP
   B29C 49/48 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B29C49/28
B29C49/46
B29C49/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551801
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2020066144
(87)【国際公開番号】W WO2020254174
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】102019116598.9
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509017365
【氏名又は名称】カーハーエス コーポプラスト ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】リンケ ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】リッツェンベルク ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】マイアー ニールス
【テーマコード(参考)】
4F202
4F208
【Fターム(参考)】
4F202AH55
4F202CA15
4F202CB01
4F202CC01
4F202CC10
4F202CK42
4F202CK53
4F202CR03
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208LA07
4F208LA09
4F208LB01
4F208LD16
4F208LG03
4F208LJ13
4F208LJ14
4F208LJ22
4F208LN03
4F208LN26
(57)【要約】
本発明は、充填された容器(16)を予備成形品(13)から製造するための方法に関し、この際、予備成形品(13)は、それぞれ成形及び充填ステーションの回転式の成形及び充填要素(14)へ受け渡され、引く続く成形及び充填プロセスにおいて、型内で、供給された充填物の圧力作用によりそれぞれの容器(16)へ変形され、この際、型は、底部型(21)と型半部分(19,20)を備えて複数部材式で構成されており、更にそれぞれの容器(16)は、少なくとも成形及び充填プロセスの終わりに、下側の底部型(21)と上側の成形及び充填要素(14)との間に挟持されており、更にこの際、容器(16)は、成形及び充填の後に、それぞれの成形及び充填要素(14)とそれぞれの型とから分離される。本発明により、型半部分(19,20)は、成形及び充填要素(14)と底部型(21)とが容器(16)から分離される前に、それぞれの容器(16)から取り外されることが考慮されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填された容器(16)を予備成形品(13)から製造するための方法であって、
前記予備成形品(13)は、それぞれ成形及び充填ステーション(11.1~11.8)の回転式の成形及び充填要素(14)へ受け渡され、引く続く成形及び充填プロセスにおいて、型内で、供給された充填物の圧力作用によりそれぞれの前記容器(16)へ変形され、前記型は、底部型(21)と型半部分(19,20)を備えて複数部材式で構成されており、それぞれの前記容器(16)は、少なくとも成形及び充填プロセスの終わりに、下側の前記底部型(21)と上側の前記成形及び充填要素(14)との間に挟持されており、更に前記容器(16)は、成形及び充填の後に、それぞれの前記成形及び充填要素(14)とそれぞれの前記型とから分離される、前記方法において、
前記型半部分(19,20)は、前記成形及び充填要素(14)と前記底部型(21)とが前記容器(16)から分離される前に、それぞれの前記容器(16)から取り外されること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記型半部分(19,20)は、横方向に及び/又は斜め下方にそれぞれの前記容器(16)から取り外されること、
を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記型半部分(19,20)は、横方向の運動及び/又は斜め下方に向けられた運動の後に、下方に動かされること、
を特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
それぞれの前記容器(16)は、前記容器(16)と前記成形及び充填要素(14)とが互いに分離される間、容器首部(23)又は支持リング(27)の領域で保持されること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
それぞれの前記容器(16)は、前記容器(16)と前記成形及び充填要素(14)とが互いに分離される間、容器首部(23)の領域で及び前記底部型(21)上で保持されること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記底部型(21)は、前記容器(16)が前記容器首部(23)の領域で保持される間、下に向かってそれぞれの前記容器(16)から取り外されること、
を特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれの前記容器(16)は、前記底部型(21)が下に向かって前記容器(16)から取り外される間、支持リング(27)で又は支持リング(27)の下で保持されること、
を特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に方法。
【請求項8】
前記底部型(21)は、時間的に前記成形及び充填要素(14)の後に、それぞれの前記容器(16)から分離されること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
それぞれの前記容器(16)は、前記型半部分(19,20)を取り外した後で前記底部型(21)を分離する前に、取り出し保持器(32)により容器首部(23)又は支持リング(27)の領域で把持されること、
を特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
それぞれの前記容器(16)は、前記成形及び充填ステーション(11.1~11.8)においてステーション側の保持器(24)により保持されること、前記ステーション側の保持器(24)は、前記底部型(21)と前記成形及び充填要素(14)とが前記容器(16)から分離される間、前記容器(16)を、前記取り出し保持器(32)と共同で保持すること、及びそれに続き前記ステーション側の保持器(24)が前記容器(16)から外されること、
を特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
成形及び充填要素(14)と、予備成形品(13)を受容するための型とを有する特にカルーセル状の回転式の成形及び充填ステーション(11.1~11.8)を備えた、充填された容器(16)を予備成形品(13)から製造するための装置であって、
前記予備成形品(13)は、それぞれ前記成形及び充填要素(14)へ受け渡し可能であり、前記型内で、供給された充填物の圧力作用によりそれぞれの前記容器(16)へ変形可能であり、前記型は、底部型(21)と型半部分(19,20)を備えて複数部材式で構成されており、それぞれの容器(16)は、少なくとも成形及び充填プロセスの終わりに、下側の前記底部型(21)と上側の前記成形及び充填要素(14)との間に挟持可能であり、更に前記容器(16)は、成形及び充填の後に、それぞれの前記成形及び充填要素(14)とそれぞれの前記型とから分離可能である、前記装置において、
前記型半部分(19,20)は、前記成形及び充填要素(14)と前記底部型(21)とが前記容器(16)から分離される前に、それぞれの前記容器(16)から取り外し可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項12】
前記型半部分(19,20)は、成形及び充填ポジションから取り出しポジションへ横方向に及び/又は斜め下方に運動可能であること、
を特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記型半部分(19,20)は、前記取り出しポジションへ横方向に及び下方に運動可能であること、
を特徴とする、請求項12に記載の装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填された容器を予備成形品(プリフォーム)から製造するための方法に関し、この際、予備成形品は、それぞれ成形及び充填ステーションの回転式の成形及び充填要素へ受け渡され、引く続く成形及び充填プロセスにおいて、回転式の成形及び充填ステーションの型内で、供給された充填物の圧力作用によりそれぞれの容器へ変形され、この際、型は、底部型と型半部分(型半体)を備えて複数部材式で構成されており、それぞれの容器は、少なくとも成形及び充填プロセスの終わりに、下側の底部型と上側の成形及び充填要素との間に挟持されており、更にこの際、容器は、成形及び充填の後に、それぞれの成形及び充填要素とそれぞれの型とから分離される。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景と課題を説明するために下記特許文献1(WO 2012/156013 A1)が参照される。そこでは、作動ホイール上で回転する成形及び充填箇所が開示されており、これらの成形及び充填箇所は、ここでは成形及び充填ステーションと称するものとする。各成形及び充填ステーションは、成形及び充填要素と、予備成形品を受容し且つ容器を賦形(成形)するための型とを有する。
【0003】
下記特許文献1から、所謂フォームフィル法も公知であり、フォームフィル法では、特に熱可塑性材料から成るボトルである容器が、熱的に状態調節された予備成形品から製造され、同時に成形及び充填要素から液状の充填物で充填され、この液状の充填物は、液圧の圧力媒体として、予備成形品を膨張させるためにないし容器を賦形するために、成形及び充填圧力をもって供給される。充填と同時にそれぞれの予備成形品は、型内で容器に変形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/156013号
【特許文献2】米国特許第10350815号明細書
【特許文献3】国際公開第2012/156014号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液状の充填物を用いた予備成形品の充填は、少なくとも1つの充填ノズルを含んだ成形及び充填要素により行われる。成形及び充填要素は、充填過程中には、上方に向けられた予備成形品の開口部を密閉し、それにより充填物が非管理状態で流出することはない。しかし充填された容器を取り出すには、成形及び充填要素が予備成形品の開口部から取り外されて型が開かれなくてはならない。この際、少量の充填物が型の内面に達する可能性がある。充填物で内面が濡れることは、後続の容器の充填及び成形の際に、それに対応した品質不足を伴う誤り箇所形成を招くことになる。また衛生上の状況も損ねられる。
【0006】
型(金型)は、典型的には複数の構成部材から成り、即ち2つの所謂型半部分と1つの底部型とから成る。型半部分は、通常は、容器の側面及び肩部輪郭を定義し、それに対して底部型は、通常は支持足部を備えた容器底部の賦形のために設けられている。
【0007】
成形及び充填過程の終わりに、充填された容器は、型内で保持され、成形及び充填要素と底部型との間に挟持されている。同時に容器は、ステーション側の保持器により容器首部(容器ネック)の領域で保持される。容器から型を開いた直後に容器から成形及び充填要素を取り外すことは、上述したように、充填物が成形及び充填要素の領域から型半部分の内面と底部型の内面に達する可能性があることをもたらす。それ故、上記特許文献1では、型の内部空間の洗浄が提案されている。
【0008】
更に従来技術では、予備成形品に先ずアダプタ要素又は延長要素を備えることが知られており、このアダプタ要素又は延長要素は、後続して予備成形品とともに更なる加工ステーションを通って走行する。つまり例えば上記特許文献2(US 10,350,815 B2)は、所定の延長要素を示しており、該延長要素は、予備成形品の口部領域上へ装着され、後続して予備成形品とともに、回転式で作動ホイール上に配設されている成形及び充填ステーションへ受け渡される。予備成形品の変形と充填の後に、充填された容器は、装着された延長要素とともに最終的に他の作動ホイールに更に搬送され、そこで、容器を引き続いて閉じるために容器と延長要素が分離される。この延長要素は、跳ね飛び防止部として充填物の流出を回避させるとされている。
【0009】
本発明の課題は、できるだけ充填物が型の内面に達しないような、方法及び/又は装置を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明による方法は、請求項1の特徴を有する。特に型半部分は、成形及び充填要素と底部型とが容器から分離される前に、それぞれの容器から取り外されることが考慮されている。型半部分は、先ずそれぞれの容器から外され、それにより成形及び充填要素がのちに持ち上げられて取り外されたときの充填物の飛沫又は容器に沿って流れ落ちる充填物の滴が型半部分の内面に達することは不可能に近い。この際、それぞれの容器は、成形及び充填要素と底部型との間に挟持されたままである。あとで初めて成形及び充填要素と底部型とが容器から分離される。本発明による方法の本質的な特殊性は、個々のステップの具現化された順番である。それに対して従来技術では、底部型と側面型半部分は、同時に、多くの場合はそのうえで連動して、容器から取り外される。
【0011】
本発明の更なる一思想により、型半部分は、横方向に及び/又は斜め下方にそれぞれの容器から取り外されることを考慮することができる。それにより型半部分は、危険にさらされていないポジションへ動かされることが可能であり、つまり充填物による汚染から保護されている。
【0012】
本発明の更なる一思想により、型半部分は、横方向の運動及び/又は斜め下方に向けられた運動の後に、下方に動かされることを考慮することができる。従って組み合わされた運動も可能であり、例えば、先ず横方向の成分を有する運動と、それに続き容器に対して相対的に下方に向かう運動との組み合わせが可能である。
【0013】
本発明の更なる一思想により、それぞれの容器は、容器と成形及び充填要素とが互いに分離される間、容器首部(容器ネック)又は支持リングの領域で保持されることを考慮することができる。支持リングは、好ましくは容器首部に設けられている。容器首部と支持リングは、いずれにせよその他の容器部分よりも壁厚で安定しており、その場合以外では成形及び充填要素により受け取られる力を引き受けることができる。容器と成形及び充填要素とが互いに分離される前に、容器は、容器首部の領域で、好ましくは容器首部で、支持リングで、又は支持リングの下で把持される。
【0014】
本発明の更なる一思想により、それぞれの容器は、容器と成形及び充填要素とが互いに分離される間、容器首部の領域で及び底部型上で保持されることを考慮することができる。この段階において容器は、容器首部と底部型の間に挟持されていることが可能である。
【0015】
本発明の更なる一思想により、底部型は、容器が容器首部の領域で保持される間、下に向かってそれぞれの容器から取り外されることを考慮することができる。従って底部型は、好ましくは、型半部分と成形及び充填要素とが容器から取り出された後に、最後に取り外される。
【0016】
本発明の更なる一思想により、それぞれの容器は、底部型が下に向かって容器から取り外される間、支持リングで又は支持リングの下で保持されることを考慮することができる。容器には、好ましくは容器首部の領域に支持リングが備えられており、そこで保持されることが可能である。
【0017】
本発明の更なる一思想により、底部型は、時間的に成形及び充填要素の後に、それぞれの容器から分離されることを考慮することができる。時間的なずれは、秒の範囲にすることができる。それにより充填物の残りが底部型の内面に達することはなく、それ以前に滴下することが保証されている。
【0018】
本発明の更なる一思想により、それぞれの容器は、型半部分を取り外した後で底部型を分離する前に、取り出し保持器により容器首部又は支持リングの領域で把持されることを考慮することができる。従って容器は、前記の領域で及びこの段階で、特殊な保持器により把持される。好ましくは、取り出し保持器は、容器を支持リングで又は支持リングの下で保持する。取り出し保持器は、容器を、それまで型半部分により覆われていた領域で把持することもできる。
【0019】
本発明の更なる一思想により、それぞれの容器は、成形及び充填ステーションにおいてステーション側の保持器により保持されること、ステーション側の保持器は、底部型と成形及び充填要素とが容器から分離される間、容器を、取り出し保持器と共同で保持すること、及びそれに続きステーション側の保持器が容器から外されることを考慮することができる。この順序により、容器が常に保持器の少なくとも1つにより把持されていることが保証されている。
【0020】
前記課題を解決するために設けられた装置は、請求項11の特徴を有する。好ましくは、成形及び充填要素と、予備成形品を受容するための型とを有する特にカルーセル状(回転ラック状)の回転式の成形及び充填ステーションを備えた、充填された容器を予備成形品から製造するための装置が設けられており、この際、予備成形品は、それぞれ成形及び充填要素へ受け渡し可能であり、型内で、供給された充填物の圧力作用によりそれぞれの容器へ変形可能であり、この際、型は、底部型と型半部分を備えて複数部材式で構成されており、それぞれの予備成形品は、成形及び充填プロセス中には下側の底部型と上側の成形及び充填要素との間に挟持可能であり、更にこの際、容器は、成形及び充填の後に、それぞれの成形及び充填要素とそれぞれの型とから分離可能である。本発明により、型半部分は、成形及び充填要素と底部型とが容器から分離される前に、それぞれの容器から取り外し可能であることを考慮することができる。該装置は、そのために、型半部分と、底部型と、成形及び充填要素とを運動させるための適切な制御装置と機構を有する。
【0021】
本発明の更なる一思想により、型半部分は、成形及び充填ポジションから取り出しポジションへ横方向に及び/又は斜め下方に運動可能であることを考慮することができる。
【0022】
本発明の更なる一思想により、型半部分は、取り出しポジションへ横方向に及び下方に運動可能であることを考慮することができる。
【0023】
それ自体既知の方式で、ステーション側の保持器が、各成形及び充填ステーションにおいて、容器首部又は支持リングの領域で予備成形品及び容器を把持するために設けられていることが可能である。同様にそれ自体既知の取り出し保持器が、取り出しステーションの領域において、容器首部又は支持リングの領域で容器を把持するために設けられていることが可能である。充填された容器は、ステーション側の保持器が外される前に、一時的に、ステーション側の保持器と取り出し保持器とにより特に同時に保持されているべきである。
【0024】
本発明の更なる特徴は、本明細書の以下の説明並びに請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】充填された容器を予備成形品から製造するための一装置を、上から見た模式的な平面図として示す図である。
図2図1の装置の一部分を垂直断面図として示す図であり、特に充填された容器とともに型を示しており、第1段階にある。
図3】第2段階にある図2の装置部分を示す図である。
図4】僅かに変形された型を有するもので、第3段階にある図3の装置部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
先ず図1を参照する。上記特許文献3(WO2012/156014 A1)のように、作動ホイール10の周部には、周方向に連続して複数の成形及び充填ステーション11.1~11.8が配設されている。番号付けと総数は、任意に選択されている。より多い又はより少ない成形及び充填ステーションが設けられていることも可能である。作動ホイール10と成形及び充填ステーション11.1~11.8は、垂直回転軸線を有するカルーセル(回転ラック)を構成し、該カルーセルには、受け渡し搬送機12を用い、熱可塑性材料から成る予備成形品(プリフォーム)13が実質的に接線方向で供給される。
【0027】
各成形及び充填ステーション11.1~11.8は、充填ノズル15を含んだ成形及び充填要素14を有する。作動ホイール10上の回転中に予備成形品13は、成形及び充填要素14から充填され、この際、同時に容器16へと変形される。完全に賦形された容器16は、受け渡し箇所17の領域において実質的に接線方向で取り出し搬送機18へ受け渡される。それに対応し、正に取り出し搬送機18と受け渡し搬送機12の間にくる成形及び充填ステーション11.8内に、容器16はない。作動ホイール10は、図示された上から見た平面図において、時計方向に回転し、それに対して受け渡し搬送機12と取り出し搬送機18は、反時計方向に回転する。
【0028】
各成形及び充填ステーション11.1~11.8には、成形及び充填要素14に追加して、予備成形品13を受容し且つ予備成形品13を容器16へ賦形するための図1では非図示の型(金型)が設けられている。この型は、図2から図4で見てとれ、この際、既知のように2つの型半部分19,20と1つの底部型21とから構成されている。図2から図4は、完成された容器16に関し、また概ね成形及び充填ステーション11.6のポジションと取り出し搬送機18との間の進行状況に関している。この領域内では、容器16の充填と賦形(成形)が完了されている。容器16は、そこで、十分な形状安定性が得られるように冷却される。それに加え、一方において型の部材(型半部分19,20と底部型21)、他方において成形及び充填要素14、並びに図示された他の装置部分は、特別な方式で動かされる。
【0029】
図2に図示されているように、容器16は、型半部分19,20と、底部型21と、成形及び充填要素14のノズル15との間に保持されている。容器首部(容器ネック)23の上端部における容器開口部22とノズル15との間の密閉性を保証するために、容器16は、底部型21とノズル15の間に挟持されている。
【0030】
更に容器16は、容器首部23の領域において保持頬部(保持チーク)25,26を備えたステーション側の保持器24により保持されている。従って保持器24は、各成形及び充填ステーション11.1~11.8の構成部材である。
【0031】
容器16は、容器首部23の下端部において支持リング27を有し、それに加え、キャップをねじ込むための非図示のねじ部が外側に設けられている。その外形に関して容器16は、例えばミネラルウォータ又は他の所謂ソフトドリンク用の市販のペットボトルに対応する。
【0032】
ノズル15は、周回するシール28を用いて容器首部23に接している。
【0033】
容器16の充填と賦形の後に、ここでは先ず両方の型半部分19,20が容器16から外され、横方向に動かされる(矢印29aを参照)。そのために、図面では非図示の保持及び運動手段が設けられ、例えば、回転式で又は並進式で可動に駆動される支持アーム又はレバーなどが設けられている。横方向運動により得られる型半部分の新しいポジションは、図2図3では点描の型半部分19’,20’の描写で図示されている。この段階で底部型21は、引き続き容器16に接しており、それにより容器16は、成形及び充填要素14と底部型21の間に挟持されたままであり、それに対して型半部分19,20は、横方向に容器16から離れるように動かされる。
【0034】
図2から見てとれるように、型半部分19,20は、支持リング27の真下にまで達している。型半部分19,20の上述した横方向運動の後に、容器16は、今や自由にアクセスできる支持リング27の領域で取り出し保持器32の保持頬部30,31により把持され、それにより一時的にステーション側の保持器24と取り出し保持器32との両方が容器16を保持する(図3を参照)。
【0035】
次のステップにおいて、型半部分19,20は、下方に又は斜め下方に動かされる(図2図3において矢印29b及び鎖線で縁取りされた型半部分19”,20”を参照)。容器16に対する型半部分19”,20”の間隔は、好ましくは容器直径の1倍~4倍に対応する。図3に図示されているように、型半部分19”,20”は、容器高さに対して相対的に好ましくは20%~100%の割合で下げられ、特にほぼ30%の割合で下げられる。このようにして次の段階で充填物の飛沫が型半部分に当たることはない。
【0036】
図4により、次の段階で成形及び充填要素14は、容器開口部22から持ち上げられて取り外される。この際、容器16は、まだステーション側の保持器24と取り出し保持器32とにより保持されている。また底部型21も、まだ下方で容器16に接している。
【0037】
特にカーボナイズされた(炭酸ガスの入った)充填物で充填した後の容器16の内部の圧力に基づき、充填物の残り33が、成形及び充填要素14から又は容器開口部22から外に達し、図4に図示されているように、例えば横方向に飛沫として、又は容器16に沿って流れ落ちる滴として外に達する。型半部分19”,20”は、それらの内面が飛沫や滴で濡れることのないように離隔している。それらの滴は、容器16の外側に沿って及び底部型21の外側に沿って下に向かって流れていく。それらの飛沫は、型半部分の上を越えて飛んでいく。底部型21の内面も濡らされることはない。最適の衛生的な状況が保たれる。新しい予備成形品を受容した後に他の容器を製造する際の誤り箇所は回避される。
【0038】
図4に図示された配置状態は、所定の時間の間、維持され、それにより完全な滴下を保証することができる。その後に初めて底部型21が下げられて容器16から分離される(矢印34を参照)。滴下のために設けられる時間は、作動ホイール10の所定の部分回転ないし移動した角度αに対応する(図1を参照)。この角度αは、好ましくは5°~30°である。
【0039】
底部型21は、充填物の残り33が流れ落ちた後に初めて下げられる。作動ホイール10の回転運動に基づき、充填物の残り33は、部分的に吹き飛ばされもする。
【0040】
引き続き、容器16は、取り出し搬送機18へ受け渡される。そのためにステーション側の保持器24は、その保持頬部25,26を容器首部23から外す。
【0041】
容器16が取り出し搬送機18へ受け渡された後に、型半部分19,20と底部型21は、次の予備成形品13の受容と、型の迅速な閉鎖とが全体的に可能であるポジションに戻される。
【0042】
一方で図2図3、他方で図4は、異なる底部型21を示している。これらの底部型21は、直径に関して容器16よりも小さいか(図2図3を参照)、又は側方で容器16を僅かに越えて張り出している(図4を参照)。両方の場合において充填物の残り33の滴下が可能である。図2図3による底部型21のいくらか細い形態では、滴下過程がいくらか確実である。図4による他の底部型21を使用する場合には、型半部分を下側領域で適合させることができる。
【0043】
型半部分19,20は、少なくとも底部型21が追加的に設けられているので、本当の「半部分」ではない。2つの型半部分の代わりにより多くの部材が設けられていることも可能であり、これらの部材は、共同して、ここで示された型半部分の機能を果たす。型半部分は、通常どおり、本例では支持リング27の下の容器首部23まで容器16の側面及び肩部輪郭を定義する1つの型の部材として理解される。使用される予備成形品13には、典型的に既に容器首部23と支持リング27が設けられている。
【符号の説明】
【0044】
10 作動ホイール
11.1 成形及び充填ステーション
11.2 成形及び充填ステーション
11.3 成形及び充填ステーション
11.4 成形及び充填ステーション
11.5 成形及び充填ステーション
11.6 成形及び充填ステーション
11.7 成形及び充填ステーション
11.8 成形及び充填ステーション
12 受け渡し搬送機
13 予備成形品
14 成形及び充填要素
15 充填ノズル
16 容器
17 受け渡し箇所
18 取り出し搬送機
19 型半部分
19’ 他のポジションにおける型半部分19
19” 他のポジションにおける型半部分19
20 型半部分
20’ 他のポジションにおける型半部分20
20” 他のポジションにおける型半部分20
21 底部型
22 容器開口部
23 容器首部
24 ステーション側の保持器
25 保持頬部
26 保持頬部
27 支持リング
28 シール
29a 矢印
29b 矢印
30 保持頬部
31 保持頬部
32 取り出し保持器
33 充填物の残り
34 矢印

α 角度範囲


図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】