(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】スピーカアダプタ、及びデュアルコアスピーカ組立体
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20220817BHJP
H04R 1/40 20060101ALI20220817BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H04R1/02 102B
H04R1/40 310
B60R11/02 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561686
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 CN2019089537
(87)【国際公開番号】W WO2020237627
(87)【国際公開日】2020-12-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】スン, ボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, キャシー
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ナ
【テーマコード(参考)】
3D020
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC09
3D020BC10
3D020BC22
3D020BD05
5D017AE17
5D018AF21
(57)【要約】
本開示は、スピーカアダプタ、及びデュアルコアスピーカ組立体を提供する。本スピーカアダプタは、スピーカにそれぞれ合わせるための2つの取付部を両側に対称的に設けられた本体と、本体からこの本体の周囲に延在して、本体を下から支えるための基底部と、本体の内部に形成された内部空洞とを備える。本開示の一実施形態では、基底部は開いており、空洞は空気にさらされている。本開示の別の実施形態では、基底部が閉じており、基底部が内部空洞を囲んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカアダプタであって、
スピーカにそれぞれ合わせるための2つの取付部を両側に対称的に設けられた本体と、
前記本体から前記本体の周囲に延在して、前記本体を下から支えるための基底部と、
前記本体の内部に形成された内部空洞と、
を備えることを特徴とする、前記スピーカアダプタ。
【請求項2】
前記基底部が開いており、前記内部空洞が空気にさらされている、請求項1に記載のスピーカアダプタ。
【請求項3】
前記基底部が閉じており、前記基底部が前記内部空洞を囲んでいる、請求項1に記載のスピーカアダプタ。
【請求項4】
前記内部空洞が真空にされている、請求項3に記載のスピーカアダプタ。
【請求項5】
前記内部空洞には、発泡体が詰められている、請求項3に記載のスピーカアダプタ。
【請求項6】
前記内部空洞が、空気で満たされている、請求項3に記載のスピーカアダプタ。
【請求項7】
前記内部空洞の容積が、1.2~3.5Lの範囲内である、請求項2に記載のスピーカアダプタ。
【請求項8】
前記内部空洞の容積が、6~35Lの範囲内である、請求項3に記載のスピーカアダプタ。
【請求項9】
前記スピーカアダプタが、一体に成形されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のスピーカアダプタ。
【請求項10】
前記スピーカアダプタが、エンジニアリングプラスチックで作られている、請求項1~9のいずれか1項に記載のスピーカアダプタ。
【請求項11】
前記スピーカアダプタが、木製の材料で作られている、請求項1~9のいずれか1項に記載のスピーカアダプタ。
【請求項12】
2つのスピーカとスピーカアダプタとを備え、前記2つのスピーカが、向かい合わせで前記スピーカアダプタに組み付けられているデュアルコアスピーカ組立体において、
前記スピーカアダプタが、
スピーカにそれぞれ合わせるための2つの取付部を両側に対称的に設けられた本体と、
前記本体から前記本体の周囲に延在して、前記本体を下から支えるための基底部と、
前記本体の内部に形成された内部空洞と、
を備えることを特徴とする、前記デュアルコアスピーカ組立体。
【請求項13】
前記基底部が開いており、前記内部空洞が空気にさらされている、請求項12に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項14】
前記基底部が閉じており、前記基底部が前記内部空洞を囲んでいる、請求項12に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項15】
前記内部空洞が真空にされている、請求項14に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項16】
前記内部空洞には、発泡体が詰められている、請求項14に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項17】
前記内部空洞が、空気で満たされている、請求項14に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項18】
前記内部空洞の容積が、1.2~3.5Lの範囲内である、請求項13に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項19】
前記内部空洞の容積が、6~35Lの範囲内である、請求項14に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項20】
前記スピーカアダプタが、一体に成形されている、請求項12~19のいずれか1項に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項21】
前記スピーカアダプタが、エンジニアリングプラスチックで作られている、請求項12~20のいずれか1項に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項22】
前記スピーカアダプタが、木製の材料で作られている、請求項12~20のいずれか1項に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項23】
前記2つのスピーカが、いずれも外部結合サブウーファである、請求項12~21のいずれか1項に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項24】
前記2つのスピーカが前記スピーカアダプタに取り付けられたときに、前記2つのスピーカが、前記2つのスピーカのコーンの最大変位の2倍を超える間隙で間隔を空けて配置されている、請求項12~23のいずれか1項に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項25】
前記2つのスピーカが前記スピーカアダプタに取り付けられたときに、前記間隙と各スピーカの幅との積が、各コーンの有効面積の80%を超えている、請求項12~23のいずれか1項に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項26】
前記スピーカ組立体が、車両のトランクの内部でホイールハブの上方に、または前記トランク内のスペアタイヤの位置に、または前記車両の主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けられている、請求項12に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項27】
車両の車体板金部品には少なくとも1つの開口部が形成されており、前記デュアルコアスピーカ組立体が、前記開口部を介して前記車両のエンジン室と連通しており、前記デュアルコアスピーカ組立体が、車両の中央制御の下、キャブ内に取り付けられている、請求項13に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【請求項28】
前記デュアルコアスピーカ組立体は、車体板金部品に開口部を全く設けることなく、車両の中央制御の下、キャブ内に取り付けられている、請求項14に記載のデュアルコアスピーカ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スピーカ組立体に関し、より詳細には、スピーカアダプタ、及びデュアルコアスピーカ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のECSスピーカは、ワンコアスピーカである。スピーカが動作中であるときには、パッケージの動作時振動が起こり、それがノイズの原因となるとともに、プラスチック部分の耐用年数に影響を与える可能性がある。
【0003】
上記の問題を解決するために、アダプタに発泡体を充填することが提案されている。そのような解決策は、振動を低減させることができるが、同時に、コスト及び製造プロセスの複雑さを増大させてしまう。
【0004】
そのため、パッケージの動作時振動及びノイズを減らし、振動の減少によってプラスチック部分の耐用年数を延ばし、一方ではスペース及びコストを削減することが可能である新しいタイプのスピーカ組立体が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、スピーカアダプタが提供される。本スピーカアダプタは、スピーカにそれぞれ合わせるための2つの取付部を両側に対称的に設けられた本体と、本体からこの本体の周囲に延在して、本体を下から支えるための基底部と、本体の内部に形成された内部空洞とを備える。
【0006】
本開示の一実施形態では、基底部は開いており、空洞は空気にさらされている。
【0007】
本開示の別の実施形態では、基底部が閉じており、基底部が内部空洞を囲んでいる。
【0008】
任意選択で、空洞を真空にしてもよく、または空洞に発泡体を詰めてもよく、または空洞を空気で満たしてもよい。
【0009】
本開示の一実施形態では、空洞の容積は、1.2~3.5Lの範囲内である。
【0010】
本開示の一実施形態では、空洞の容積は、6~35Lの範囲内である。
【0011】
本開示の一実施形態では、スピーカアダプタは、一体に成形されている。
【0012】
本開示の一実施形態では、スピーカアダプタは、エンジニアリングプラスチックで作られている。あるいは、スピーカアダプタは、木製の材料で作られていてもよい。
【0013】
本開示の別の態様によれば、デュアルコアスピーカ組立体が提供される。本デュアルコアスピーカ組立体は、2つのスピーカとスピーカアダプタとを備え、2つのスピーカが、向かい合わせでスピーカアダプタに組み付けられているデュアルコアスピーカ組立体であって、スピーカアダプタが、スピーカにそれぞれ合わせるための2つの取付部を両側に対称的に設けられた本体と、本体から本体の周囲に延在して、本体を下から支えるための基底部と、本体の内部に形成された内部空洞とを備える。
【0014】
本開示の一実施形態では、基底部は開いており、空洞は空気にさらされている。
【0015】
本開示の一実施形態では、基底部が閉じており、基底部が内部空洞を囲んでいる。
【0016】
任意選択で、空洞を真空にしてもよく、または空洞に発泡体を詰めてもよく、または空洞を空気で満たしてもよい。
【0017】
本開示の一実施形態では、空洞の容積は、1.2~3.5Lの範囲内である。
【0018】
本開示の一実施形態では、空洞の容積は、6~35Lの範囲内である。
【0019】
本開示の一実施形態では、スピーカアダプタは、一体に成形されている。
【0020】
本開示の一実施形態では、スピーカアダプタは、エンジニアリングプラスチックで作られている。あるいは、スピーカアダプタは、木製の材料で作られていてもよい。
【0021】
本開示の一実施形態では、2つのスピーカが、いずれも外部結合サブウーファである。
【0022】
本開示の一実施形態では、2つのスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、2つのスピーカが、2つのスピーカのコーンの最大変位の2倍を超える間隙で間隔を空けて配置されている。
【0023】
本開示の一実施形態では、2つのスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、間隙と各スピーカの幅との積が、各コーンの有効面積の80%を超えている。
【0024】
本スピーカ組立体は、車両のトランクの内部でホイールハブの上方に、またはトランク内のスペアタイヤの位置に、または車両の主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けられている。
【0025】
本アダプタが開口部構造を有する場合、車両の車体板金部品には少なくとも1つの開口部が形成されており、デュアルコアスピーカ組立体が、開口部を介して車両のエンジン室と連通しており、デュアルコアスピーカ組立体が、車両の中央制御の下、キャブ内に取り付けられている。
【0026】
本アダプタが密閉構造を有する場合、デュアルコアスピーカ組立体は、車体板金部品に開口部を全く設けることなく、車両の中央制御の下、キャブ内に取り付けられている。
【0027】
本開示のスピーカ組立体は、パッケージの動作時振動及びノイズを減らし、振動の減少によってプラスチック部分の耐用年数を延ばし、一方ではスペース及びコストを削減することが可能である。従来のワンコアECSスピーカ組立体と比べて、本開示で提供されるスピーカ組立体は、重低音レベルが増加し、かつ感度が高くなる。
【0028】
本開示の意義及び利益は、以下の実施形態の説明から明らかになる。ただし、それらの実施形態は、本発明をどのように実施し得るかについての単なる例示にすぎず、本発明を説明するために用いられる用語の意味は、それらの用語が実施形態の説明で用いられた特定の意味に限定されないことを理解されたい。
【0029】
本開示の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図及び詳細な説明の検討時に、当業者には明らかであり、または明らかになる。そのようなさらなるシステム、方法、特徴、及び利点は全て、この説明に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0030】
本開示は、以下の図面及び説明を参照することにより、よりよく理解することができる。図面中の構成要素は、必ずしも原寸に比例しているとは限らず、それよりも本開示の原理を示すことに重点が置かれている。さらに、図では、同様の参照数字が、異なる図全体にわたって対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の実施形態による向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられた2つのECSスピーカの組立状態の概略図を示す。
【
図2】
図1に示す2つのECSスピーカとプラスチックアダプタとの未組立状態の概略図を示す。
【
図3】
図1に示す向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられた2つのECSスピーカの組立状態を側方から見た概略図を示す。
【
図4】
図3のA-A線に沿った断面図の概略図を示す。
【
図5】
図1に示す向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられた2つのECSスピーカの組立状態を上から見た概略図を示す。
【
図6】
図5のB-B線に沿った断面図の概略図を示す。
【
図7】分離状態にある2つのECSスピーカとプラスチックアダプタとの等角図法による概略図を示す。
【
図8】本開示の実施形態によるプラスチックアダプタを底部から見た概略図を示す。
【
図9】本開示の別の実施形態によるプラスチックアダプタを底部から見た概略図を示す。
【
図10】本開示の別の実施形態による向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられた2つのスピーカの組立状態の概略図を示す。
【
図11】本開示によるデュアルコアECSスピーカ組立体と他種の従来型ECSスピーカとの周波数の関数としての基本成分及び高調波歪成分の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながらより詳細に説明する。以下の本発明の説明では、本明細書に組み込まれている既知の機能及び構成の詳細な説明は省略する。
【0033】
以下の実施形態では、ECSスピーカ組立体を例として説明する。本開示の構造及び概念は、振動を減少させ、コスト及びスペースを節約するために、当技術分野で公知の他種のスピーカ及びスピーカ組立体に適用してもよいことを理解されたい。
【0034】
従来型スピーカの問題点の少なくとも一部を克服するために、本開示では、2つのECSスピーカが向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられるデュアルコアECSスピーカ組立体と、そのような組立体を構成するように2つのECSスピーカを支持するのに適したアダプタとを提供する。
【0035】
このようなデュアルコアECSスピーカ組立体によって、全体的なパッケージの動作時振動とノイズとを減らすことが可能であるとともに、振動の減少の結果、スピーカ組立体のプラスチック部分の耐用年数を延ばすことができる。2つのECSスピーカを支持するのに適した、1つの要素で構成される1つのアダプタを用いることにより、スピーカ組立体を収容するためのスペースを減少させることが可能であり、総コストを削減することができる。そのようなアダプタには発泡体を充填する必要がない。さらに、本デュアルコアECSスピーカ組立体は、従来のワンコアECSスピーカ組立体と比べると、重低音レベルの増加、及び高感度化など、音響性能が向上する。
【0036】
以下に本開示の構成及び概念について、図面を参照しながらより詳細に説明する。詳細及び例は、本開示の理解を容易にするためにのみ提供されており、本開示をいかなる形でも制限すべきではない。
【0037】
実施形態1
図1は、本開示の実施形態による向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられた2つのECSスピーカを示し、
図2は、2つのECSスピーカ及びアダプタの分離状態を示す。
【0038】
図1に示すように、デュアルコアのスピーカ組立体1が提供される。デュアルコアスピーカ組立体1は、2つのスピーカ2及びスピーカアダプタ3を含む。2つのスピーカ2は、向かい合わせでスピーカアダプタ3に組み付けられている。
【0039】
図2に示すように、スピーカアダプタ3は、スピーカ2にそれぞれ合わせるための2つの取付部32を両側に対称的に設けられた本体31と、本体31から本体31の周囲に延在して、本体31を下から支えるための基底部33と、本体31の内部に形成された内部空洞34(
図8に示す)とを備えている。
【0040】
任意選択で、内部空洞を真空にしてもよく、または内部空洞に発泡体を詰めてもよく、または内部空洞を空気で満たしてもよい。
【0041】
一例を挙げると、本スピーカアダプタは、一体に成形されており、本スピーカアダプタは、PC、PP、ABS、PPTなどのエンジニアリングプラスチックで作られている。あるいは、本スピーカアダプタはまた、無垢材、MDFなどの木製の材料で作られていてもよい。
【0042】
本実施形態では、2つのスピーカは、いずれも外部結合サブウーファ(external coupled subwoofers(ECS))である。ただし、アダプタが、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている限り、他種のスピーカをデュアルコアスピーカ組立体に使用できることも理解されよう。
【0043】
2つのECSスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、
図3に示すように、2つのスピーカは、2つのスピーカのコーンの最大変位の2倍を超える間隙で間隔を空けて配置されている。
【0044】
さらに、2つのスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、その間隙と各スピーカの幅との積は、各コーンの有効面積の80%を超えている。
【0045】
2つのECSスピーカが、アダプタ3の取付部32に組み付けられた場合に、その側面図を
図3に示し、上面図を
図5に示す。
図3に示すA-A線に沿った場合、断面図は
図4に示されるものになり、
図5に示すB-B線に沿った場合、断面図は
図6に示されるものになる。アダプタの構造は対称的であり、取付部32は、ECSスピーカに合うように構成されていることが分かる。
【0046】
任意選択で、ECSスピーカ2は、取り外しできるようにアダプタ3に組み付けられてもよく、または取り外しできないようにアダプタ3に組み付けられてもよい。それらを、当技術分野における任意の在来方法で互いに接続してもよい。例えば、スピーカはアダプタに貼り付けられているか、またはアダプタに締結されていてもよく、本開示は、このことに限定されるべきではない。
【0047】
図7は、分離状態にある2つのECSスピーカとプラスチックアダプタとの等角図法による概略図を示す。
図7から、ECSスピーカの構造をはっきりと見ることができる。
図1~
図9では、ECSスピーカを例として示す。ただし、アダプタが、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている限り、他種のスピーカをデュアルコアスピーカ組立体に使用できることも理解されよう。したがって、本明細書ではECSスピーカ構造の詳細な説明を省略することにする。
【0048】
図8は、上記の実施形態によるプラスチックアダプタを底部から見た概略図を示す。
図8に示すように、このプラスチックアダプタは開放構造を有しており、基底部33は、アダプタが平面上に立つことが可能であるようにアダプタを支持するために、本体の底縁の周りの周囲部分のみを含む。この状況では、本体に形成された内部空洞34は空気にさらされている。
【0049】
プラスチックアダプタが開放構造である場合には、内部空洞の容積は1.2~3.5Lの範囲内にある。本デュアルコアスピーカ組立体は、内部空洞の容積が上記の範囲外であっても動作するが、性能は低下する。
【0050】
アダプタが開放構造を有するデュアルコアスピーカ組立体は、例えば車両のトランク内に取り付けてもよい。この状況では、車両の車体板金部品に少なくとも1つの開口部を形成する必要があった。
【0051】
例えば、本スピーカ組立体は、車体の内側でホイールハブの上方(トランクの内部)に、またはその代わりにトランク内のスペアタイヤの位置に、またはその代わりに、主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けることができる。本アダプタは開放構造を有するので、スピーカ組立体の開口部は、車体板金の開口部を介してエンジン室と連通し得るが、スピーカは、中央制御の下、キャブ内に取り付けられる。
【0052】
本実施形態において提供されるデュアルコアECSスピーカ組立体によって、全体的なパッケージの動作時振動とノイズとを減らすことが可能であるとともに、振動の減少の結果、スピーカ組立体のプラスチック部分の耐用年数を延ばすことができる。2つのECSスピーカを支持するのに適した、1つの要素で構成される1つのアダプタを用いることにより、スピーカ組立体を収容するためのスペースを減少させることが可能であり、総コストを削減することができる。そのようなアダプタには発泡体を充填する必要がない。さらに、本デュアルコアECSスピーカ組立体は、従来のワンコアECSスピーカ組立体と比べると、重低音レベルの増加、及び高感度化など、音響性能が向上する。
【0053】
図11は、本開示によるデュアルコアECSスピーカ組立体と他種の従来型ECSスピーカとの周波数の関数としての基本成分及び高調波歪成分の図を示す。
【0054】
図11に示すように、全てのスピーカの感度を1m/1W単位で測定した。20Hzでは、デュアルコア組み立てECSの感度が他よりも3dBを超えて高くなっている。30Hz~50Hzでは、デュアルコア組み立てECSの感度が他よりも2dBを超えて高くなっている。このように、デュアルコア組み立てECSスピーカは、
図11に示したスピーカの中で最高の感度を持っていることが分かる。
【0055】
実施形態2
本実施形態では、デュアルコアECSスピーカ組立体が提供されており、これは上記の実施形態のものと非常によく似ているが、唯一の相違点は、
図9に示すように、本実施形態のプラスチックアダプタが密閉構造を有することである。
【0056】
図9は、本開示の別の実施形態によるプラスチックアダプタを底部から見た概略図を示す。
図9に示すように、基底部33は、本体の底縁の周りの周囲部分に加えて、本体と共に内部空洞34を囲む面をさらに含む。
【0057】
プラスチックアダプタが密閉構造の場合、内部空洞の容積は6~35Lの範囲内にある。容積が6Lより小さいならば、性能が低下する。容積が35Lを超える場合は、スピーカ組立体を収容するためのより多くのスペースが必要になるが、性能を大幅に向上させることはできない。
【0058】
本スピーカ組立体は、車体の内側でホイールハブの上方(トランクの内部)に、またはその代わりにトランク内のスペアタイヤの位置に、またはその代わりに、主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けることができる。例えば、スピーカは、車体板金に開口部を全く必要とせずに、中央制御の下、キャブ内に取り付けてもよい。
【0059】
実施形態3
本実施形態で提供されるデュアルコアスピーカ組立体では、スピーカアダプタ3は、上記の実施形態1及び実施形態2で説明したものと同様であり、異なる点は、
図10に示すように、アダプタに組み付けられる2つのスピーカ10が、ECSスピーカとは異なる別の種類のスピーカである点である。例えば、スピーカ10は、サブウーファスピーカ、ミッドウーファスピーカ、またはミッドレンジスピーカなどであり得る。
【0060】
図10は、本開示の別の実施形態による向かい合わせで1つのプラスチックアダプタに組み付けられた2つのスピーカの組立状態の概略図を示す。この2つのスピーカは、当技術分野で使用されている任意の従来型スピーカであり得ることに留意されたい。
【0061】
本実施形態では、2つのスピーカ10は、両方ともサブウーファスピーカであってもよく、またはその代わりに、両方ともミッドウーファスピーカである。またはその代わりに、それらは両方ともミッドレンジスピーカである。本アダプタは、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている。
【0062】
2つのスピーカ10がスピーカアダプタ3に取り付けられたときに、
図10に示すように、2つのスピーカ10は、その2つのスピーカのコーンの最大変位の2倍を超える間隙で間隔を空けて配置されている。
【0063】
さらに、2つのスピーカ10がスピーカアダプタ3に取り付けられたときに、その間隙と各スピーカの幅との積は、各コーンの有効面積の80%を超えている。
【0064】
本実施形態のスピーカ組立体の取り付け位置は、上記のものと同じであってもよい。つまり、本スピーカ組立体は、車体の内側でホイールハブの上方(トランクの内部)に、またはその代わりにトランク内のスペアタイヤの位置に、またはその代わりに、主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けることができる。アダプタが開放構造を有する場合、スピーカ組立体の開口部は、車体板金の開口部を介してエンジン室と連通し得るが、スピーカは、中央制御の下、キャブ内に取り付けられる。アダプタが密閉構造を有する場合には、車体板金に開口部を全く必要とせず、任意選択の取り付け位置は開放構造の場合と同じである。
【0065】
実施形態4
本実施形態では、デュアルコアスピーカ組立体に使用される例示的なスピーカアダプタが提供される。
【0066】
ここで
図2を参照すると、スピーカアダプタ3は、スピーカ2にそれぞれ合わせるための2つの取付部32を両側に対称的に設けられた本体31と、本体31から本体31の周囲に延在して、本体31を下から支えるための基底部33と、本体31の内部に形成された内部空洞34(
図8に示す)とを備えている。
【0067】
任意選択で、内部空洞を真空にしてもよく、または内部空洞に発泡体を詰めてもよく、または内部空洞を空気で満たしてもよい。
【0068】
一例を挙げると、本スピーカアダプタは、一体に成形されており、本スピーカアダプタは、PC、PP、ABS、PPTなどのエンジニアリングプラスチックで作られている。あるいは、本スピーカアダプタはまた、無垢材、MDFなどの木製の材料で作られていてもよい。
【0069】
本実施形態では、図に示す2つのスピーカは、いずれも外部結合サブウーファ(ECS)である。ただし、アダプタが、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている限り、他種のスピーカをデュアルコアスピーカ組立体に使用できることも理解されよう。本開示は、図に示す特定の例に限定されるべきではない。2つのスピーカは、両方ともサブウーファスピーカであってもよく、またはその代わりに、両方ともミッドウーファスピーカである。またはその代わりに、それらは両方ともミッドレンジスピーカである。本アダプタは、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている。
【0070】
本アダプタは、2つのECSスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、
図3に示すように、2つのスピーカが、2つのスピーカのコーンの最大変位の2倍を超える間隙で間隔を空けて配置されるように設計されている。
【0071】
さらに、本アダプタは、2つのスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、その間隙と各スピーカの幅との積が、各コーンの有効面積の80%を超えているように設計されている。
【0072】
2つのECSスピーカが、アダプタ3の取付部32に組み付けられた場合に、その側面図を
図3に示し、上面図を
図5に示す。
図3に示すA-A線に沿った場合、断面図は
図4に示されるものになり、
図5に示すB-B線に沿った場合、断面図は
図6に示されるものになる。アダプタの構造は対称的であり、取付部32は、そこに取り付けようとしているECSスピーカに合うように構成されていることが分かる。
【0073】
任意選択で、本アダプタは、ECSスピーカ2が、取り外しできるようにアダプタ3に組み付けられてもよく、または取り外しできないようにアダプタ3に組み付けられてもよいように、設計されている。例えば、スピーカはアダプタに貼り付けられているか、またはアダプタに締結されていてもよく、本開示は、このことに限定されるべきではない。
【0074】
図8は、上記の実施形態によるプラスチックアダプタを底部から見た概略図を示す。
図8に示すように、このプラスチックアダプタは開放構造を有しており、基底部33は、アダプタが平面上に立つことが可能であるようにアダプタを支持するために、本体の底縁の周りの周囲部分のみを含む。この状況では、本体に形成された内部空洞34は空気にさらされている。
【0075】
プラスチックアダプタが開放構造である場合には、内部空洞の容積は1.2~3.5Lの範囲内にある。本デュアルコアスピーカ組立体は、内部空洞の容積が上記の範囲外であっても動作するが、性能は低下する。
【0076】
アダプタが開放構造を有するデュアルコアスピーカ組立体は、例えば車両のトランク内に取り付けてもよい。この状況では、車両の車体板金部品に少なくとも1つの開口部を形成する必要があった。
【0077】
例えば、本スピーカ組立体は、車体の内側でホイールハブの上方(トランクの内部)に、またはその代わりにトランク内のスペアタイヤの位置に、またはその代わりに、主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けることができる。本アダプタは開放構造を有するので、スピーカ組立体の開口部は、車体板金の開口部を介してエンジン室と連通し得るが、スピーカは、中央制御の下、キャブ内に取り付けられる。
【0078】
本実施形態で提供されるスピーカアダプタを用いて、デュアルコアスピーカ組立体を組み立てることができる。デュアルコア組み立てスピーカの全体的なパッケージの動作時振動とノイズとを減らすことが可能であるとともに、振動の減少の結果、スピーカ組立体のプラスチック部分の耐用年数を延ばすことができる。2つのECSスピーカを支持するのに適した、1つの要素で構成される1つのアダプタを用いることにより、スピーカ組立体を収容するためのスペースを減少させることが可能であり、総コストを削減することができる。そのようなアダプタには発泡体を充填する必要がない。さらに、本デュアルコアECSスピーカ組立体は、従来のワンコアECSスピーカ組立体と比べると、重低音レベルの増加、及び高感度化など、音響性能が向上する。
【0079】
実施形態5
本実施形態では、別の例示的なスピーカアダプタが提供されており、これは上記の実施形態4と非常によく似ているが、異なる点は、
図9に示すように、本実施形態のアダプタが密閉構造を有することである。
【0080】
図9は、本プラスチックアダプタを底部から見た概略図を示す。
図9に示すように、基底部33は、本体の底縁の周りの周囲部分に加えて、本体と共に内部空洞34を囲む表面をさらに含む。
【0081】
本実施形態では、図に示す2つのスピーカは、いずれも外部結合サブウーファ(ECS)である。ただし、アダプタが、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている限り、他種のスピーカをデュアルコアスピーカ組立体に使用できることも理解されよう。本開示は、図に示す特定の例に限定されるべきではない。2つのスピーカは、両方ともサブウーファスピーカであってもよく、またはその代わりに、両方ともミッドウーファスピーカである。またはその代わりに、それらは両方ともミッドレンジスピーカである。本アダプタは、それに組み付けようとしているスピーカに合うように設計されている。
【0082】
本アダプタは、2つのECSスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、2つのスピーカが、2つのスピーカのコーンの最大変位の2倍を超える間隙で間隔を空けて配置されるように設計されている。
【0083】
さらに、本アダプタは、2つのスピーカがスピーカアダプタに取り付けられたときに、その間隙と各スピーカの幅との積が、各コーンの有効面積の80%を超えているように設計されている。
【0084】
アダプタが密閉構造の場合、内部空洞の容積は6~35Lの範囲内にある。容積が6Lより小さいならば、性能が低下する。容積が35Lを超える場合は、スピーカ組立体を収容するためのより多くのスペースが必要になるが、性能を大幅に向上させることはできない。
【0085】
本スピーカ組立体は、車体の内側でホイールハブの上方(トランクの内部)に、またはその代わりにトランク内のスペアタイヤの位置に、またはその代わりに、主運転席と副運転席との間で、アームレストボックスもしくはシフトハンドブレーキの下に、取り付けることができる。例えば、スピーカは、車体板金に開口部を全く必要とせずに、中央制御の下、キャブ内に取り付けてもよい。
【0086】
本デュアルコアスピーカ組立体とそのスピーカアダプタとによって、全体的なパッケージの動作時振動とノイズとを減らすことが可能であるとともに、振動の減少の結果、スピーカ組立体のプラスチック部分の耐用年数を延ばすことができる。2つのスピーカを支持するのに適した、1つの要素で構成される1つのアダプタを用いることにより、スピーカ組立体を収容するためのスペースを減少させることが可能であり、総コストを削減することができる。このようなアダプタには発泡体が充填されていなくても、2つのスピーカの間で振動が相殺されるため、防振効果は著しい。さらに、本デュアルコアスピーカ組立体は、従来のワンコアECSスピーカ組立体と比べると、重低音レベルの増加、及び高感度化など、音響性能が向上する。
【0087】
係属中の請求項における使用法を明確にするために、かつ本明細書によって公衆に通知するために、「<A>、<B>、・・・及び<N>のうちの少なくとも1つ」または「<A>、<B>、...<N>のうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせ」という表現は、本出願人によって明示的に反対の主張がされない限り、本出願前または本出願後の他の何らかの暗示的な定義に取って代わり、最も広い意味で本出願人によって定義されて、A、B、・・・及びN、つまり、任意の1つの要素を単独で含むか、またはリストされていない追加の要素を組み合わせて含むこともできる他の要素の1つ以上と組み合わせた、要素A、B、・・・またはNのうちの1つ以上の任意の組み合わせを含むグループから選択される1つ以上の要素を意味するものとする。
【0088】
本開示の様々な実施形態を説明してきたが、本開示の範囲内にある、より多くの実施形態及び実施態様が可能であることは、当業者には明らかであろう。よって、本開示は、添付の特許請求の範囲とそれらの均等物とを考慮した場合を除いて、制限されるべきではない。
【国際調査報告】