(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】多発性硬化症のようなCNS障害を治療するためのGPR17モジュレーターとしてのN‐(フェニル)‐インドール‐3‐スルホンアミド誘導体及び関連化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 209/30 20060101AFI20220817BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20220817BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20220817BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20220817BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220817BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20220817BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20220817BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220817BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
C07D209/30 CSP
C07D401/12
C07D471/04 104Z
A61K31/404
A61K31/4439
A61K31/437
A61K31/444
A61P25/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571006
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2020066560
(87)【国際公開番号】W WO2020254289
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500102697
【氏名又は名称】ウーツェーベー ファルマ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペグリエール、セシル
(72)【発明者】
【氏名】ロヴェラ、シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー、クリスタ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ホックマイヤー、イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ラシェド、マームード
(72)【発明者】
【氏名】エル - タイエブ、アリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヨン - キアン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB07
4C063CC12
4C063DD06
4C063EE01
4C065AA04
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ02
4C065KK09
4C065LL09
4C065PP03
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC13
4C086BC17
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZC41
(57)【要約】
1H‐インドール又は1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン部分の1‐及び6‐位置で置換されている式IのN‐(フェニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド及びN‐(フェニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド誘導体、並びに構造的に関連する化合物(例えば、そのN‐ピリジン‐2‐イル及びN‐ピリジン‐3‐イル類似体)が開示される。本化合物は、様々なCNS及び他の疾患を治療又は予防するために、特に多発性硬化症などの髄鞘形成障害を予防及び治療するために有用なGPR17調節特性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1は、C
1‐6アルキル、C
3‐5シクロアルキル、及びC
3‐5ヘテロシクロアルキルから選択され、これらのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アジド、シアノ、カルボキシ、及びC
1‐3アルコキシから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換され、該(C
1‐3)アルコキシは、非置換であるか、又はハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、及びカルボキシから選択される1つ又は2つの基で置換することができ、
R2は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R4は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R5は水素又はハロゲン、好ましくは水素であり、
R6は、ハロゲン、シアノ、シクロプロピル、C
1‐3アルキル、及びC
1‐3アルキルオキシから選択され、任意のアルキル又はアルキルオキシを1つ又は複数のフッ素原子で任意に置換することができ、
R7は、水素、ハロゲン、C
1‐2アルキル、フルオロC
1‐2アルキル、C
1‐2アルコキシ、フルオロC
1‐2アルコキシ、シクロプロピル及びシクロプロピルオキシから選択され、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、シクロプロピル、及びハロゲン、C
1‐3アルキルオキシ及びフルオロ(C
1‐3)アルキルオキシから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、C
1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項2】
X2及びX3が同時に両方とも窒素ではない、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1がC
1‐3アルキルであり、これはヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、ヒドロキシメトキシ及びヒドロキシエトキシから選択される1から4個の置換基で任意に置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R1がメチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロヒドロキシエチル、フルオロヒドロキシプロピル、及びヒドロキシ(C
1‐2)アルコキシ(C
1‐2)アルキルから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R10が、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、フルオロメトキシエトキシ、フルオロエトキシメトキシ及びフルオロエトキシエトキシから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R6が、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、メトキシ、フルオロメチル、フルオロメトキシ、シクロプロピル、及びイソプロピルから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
式Iaを有する請求項1に記載の化合物、
【化2】
式中
X1はN又は‐C(R7)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはフルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、好ましくはフルオロであり、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項8】
式Ibを有する請求項1に記載の化合物、
【化3】
式中
X1はN又は‐C(R7)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、C
1‐3アルキル、及びC
1‐3アルキルオキシから選択され、任意のアルキル又はアルキルオキシは1つ又は複数のフッ素原子で任意に置換することができ、
R7は、水素、フルオロ、クロロ、フルオロメチル、及びフルオロメトキシから選択され、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ、メトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びハロゲン、C
1‐2アルキルオキシ及びフルオロ(C
1‐2)アルキルオキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ、メトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロである、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項9】
式Icを有する請求項1に記載の化合物、
【化4】
式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはフルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素であり、
R8は、水素、フルオロ、及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロであり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ、メトキシから選択される、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項10】
XがNであり、式IIを有する請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、
【化5】
式中、X2は
N又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはフルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R8は、水素、フルオロ、及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフッ素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ、メトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロであり、
式中、X2とX3は同時に両方とも窒素ではない、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項11】
式IIa、IIb又はIIcを有する請求項1又は10に記載の化合物、
【化6】
式中
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びフルオロメチルから選択され、
R8はフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐2アルキルオキシから選択され、
R11はフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項12】
式IIIを有する請求項1に記載の化合物、
【化7】
式中
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはフルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素、フルオロ又はクロロであり、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ、及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロであり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ、メトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロであり、
ここで、X2及びX3は同時に両方とも窒素ではない、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項13】
式IIIa、IIIb又はIIIcを有する請求項1又は12に記載の化合物、
【化8】
式中
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはフルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素であり、
R8はフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素であり、
R10は、フルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ、フルオロエトキシから選択され、
R11はフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロである、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物、ここで
R1は、C
1‐3アルキル及び(C
1‐2)アルコキシ(C
1‐2)アルキルから選択され、それぞれは、ヒドロキシ及びフルオロから選択される1~4個の置換基で任意に置換され、
R2、R4、R5、R7(存在する場合)、R9及びR12(存在する場合)はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ、フルオロメチルから選択され、
R8はフルオロ及びメトキシから選択され、
R10はハロゲン及びフルロ(C
1‐3)アルコキシから選択され、
R11はフルオロ又はメトキシである、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
【請求項15】
R6がクロロ及びブロモから選択される、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、以下の群から選択される、請求項1に記載の化合物
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(3‐フルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3,3,3‐トリフルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3‐フルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐メチルピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐メチルピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐[2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エチル]インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐[6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル]‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐フルオロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド、
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド、
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド、
2‐[3‐[(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)スルファモイル]‐6‐クロロインドール‐1‐イル]酢酸、及び
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物のいずれか及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項18】
治療に使用するための、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
脱髄障害の治療に使用するための、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物であって、脱髄障害が好ましくは多発性硬化症である化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
バックグラウンド
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、細胞内で最大の膜受容体ファミリーを構成する。それらは細胞外シグナルを細胞内エフェクターシステムに伝達し、多種多様な生理学的現象に関与しているため、現在の治療法の対象となるGPCRの割合はごくわずかであるが、医薬品の最も一般的な標的となる。
【背景技術】
【0002】
GPCRは幅広いリガンドに反応する。ヒトゲノムシーケンシングの進歩により、同定された400を超えるGPCR(嗅覚GPCRを含まない)の約25%について、定義された生理学的に関連するリガンドがまだ欠落している。これらの受容体は「オーファンGPCR」として知られている。「脱オーファン化」とそれらのインビボでの役割の特定は、新しい調節メカニズムを明らかにし、したがって、新しい薬剤標的を開示することが期待される。GPR17がそのようなオーファン受容体であるかどうかはまだ議論の余地がある。系統発生的に、GPR17はヌクレオチドP2Y受容体及びシステイニルロイコトリエン(CysLT1、CysLT2)受容体と密接に関連しており、アミノ酸配列の同一性はそれぞれ約30~約35%である。
【0003】
複数組織のノーザンブロット及びRT‐PCR分析は、中枢神経系(CNS)(Ciana et al.、2006、EMBO J 25(19):4615;Blasius et al.、1998、J Neurochem 70(4):1357)において、さらに、心臓と腎臓、すなわち典型的には虚血性損傷を受けている臓器においてGPR17の優勢な発現を示す。2つのヒトGPR17アイソフォームは、N末端の長さのみが異なることが確認されている。短いGPR17アイソフォームは、典型的なロドプシンタイプの7つの膜貫通モチーフを持つ339アミノ酸残基のタンパク質をコードする。長いアイソフォームは、28アミノ酸長いN末端を持つ受容体をコードする(Blasius et al.、1998)。GPR17は脊椎動物種間で高度に保存されている(マウスとラットの両方のオルソログに対するアミノ酸配列の約90%の同一性)。
【0004】
元の脱オーファンレポートでは、GPR17は、35SGTPγS結合及びcAMP阻害アッセイ、並びに単一細胞カルシウムイメージングに基づいて、それぞれウラシルヌクレオチド及びシステイニルロイコトリエン(cysLT)LTC4及びLTD4の二重受容体として同定された(Ciana et al.、2006 、同上)。GPR17機能の証拠は、1321N1、COS7、CHO、HEK293細胞などのさまざまな細胞バックグラウンドで提供された(Ciana et al.、2006、同上)。その後、独立した研究により、ウラシルヌクレオチドによるGPR17の活性化が確認されたが、CysLTによる活性化を再現することはできなかった(Benned‐Jensen and Rosenkilde、2010、Br J Pharmacol、159(5):1092)。しかし、最近の独立した報告(Maekawa et al.、2009、PNAS 106(28)、11685;Qi et al.、2013、J Pharmacol Ther 347,1、38;Hennen et al.、2013、Sci Signal 6、298)は、GPR17を安定して発現する異なる細胞バックグラウンド(1321N1、CHO、HEK293細胞)にわたるウラシルヌクレオチドとCysLTの両方に対するGPR17応答性の欠如を示唆した。GPR17の新しい調節的役割も提案されており、GPR17は、CysLT1受容体と共発現すると、CysLT1受容体をその内因性脂質メディエーターLTC4及びLTD4に反応しなくなる。GPR17の薬理学と機能をより深く調査するには、追加の調査が必要である。
【0005】
GPR17活性を調節する薬剤は、神経保護、抗炎症、及び抗虚血効果を有する可能性があり、したがって、脳、心臓及び腎虚血、及び脳卒中の治療(WO2006/045476)、及び/又はこれらのイベントからの回復を改善するために有用である可能性がある(Bonfanti et al、Cell Death and Disease、2017、8、e2871)。
【0006】
GPR17モジュレーターは、食物摂取、インスリン及びレプチン応答にも関与していると考えられており、したがって肥満治療に役割を果たしていると主張されている(WO2011/113032)。
【0007】
さらに、GPR17が髄鞘形成プロセスに関与しており、負のGPR17モジュレーター(アンタゴニスト又はインバースアゴニスト)が多発性硬化症や脊髄損傷などの髄鞘形成障害の治療又は緩和に役立つ薬物であり得るという強力な証拠がある(Chen et al、Nature Neuroscience 2009、12(11):1398‐1406;Ceruti et al;Brain:a Journal of Neurology 2009 132(Pt8):2206‐18;Hennen et al、Sci Signal、6、2013、298;Simon et al J Biol Chem 291、2016、705;Fumagalli et al、Neuropharmacology 104、2016、82)。より最近では、2つのグループが、LPCが脊髄で(Lu et al.、Nature Scientific Reports、2018、8:4502)又は脳梁で(Ou et al.、J。Neurosci.、2016、36(41):10560)脱髄を誘発した後、成体のGPR17-/-ノックアウトマウスの再ミエリン化が同腹仔の野生型よりも速いことを示した。対照的に、GPR17の活性化は、オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の成熟を阻害し、効果的な髄鞘形成を妨げることが示されている(Simon et al、前出)。これにより、再ミエリン化プロセスにおける、及び脱髄性疾患における有望な薬剤標的としてのGPR17の潜在的な重要な役割が再び確認された。したがって、強力で選択的なGPR17モジュレーターの同定は、髄鞘形成障害の治療に重要な意味を持つ。
【0008】
いくつかの深刻な髄鞘形成疾患は、髄鞘形成の障害、ミエリンの喪失(通常は脱髄と呼ばれる)、及び/又は身体がミエリンを適切に形成できないこと(髄鞘形成不全と呼ばれることもある)のいずれかによって引き起こされることが知られている。髄鞘形成疾患は、特発性又は、例えば、外傷性脳損傷又はウイルス感染のような特定のトリガーイベントに続発する可能性がある。髄鞘形成疾患は、主に中枢神経系(CNS)に影響を与える可能性があるが、末梢神経系にも関係する可能性がある。髄鞘形成疾患には、とりわけ、多発性硬化症、視神経脊髄炎(デビック病としても知られる)、白質ジストロフィー、ギランバレー症候群、及び以下でさらに詳細に説明される他の多くの疾患が含まれる(例えば、Love、J Clin Pathol、59、2006、1151、Fumagalli et al、前出も参照)。アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、多系統萎縮症(MSA)などの神経変性疾患も、最近、髄鞘形成の減少と強く関連する(例えば、Ettle et al、Mol Neurobiol 53、2016、3046;Jellinger and Welling、Movement Disorders、31、2016;1767;Kang et al、Nature Neurosci 6、2013、571;Bartzokis、Neurochem Res(2007)32:1655参照)。
【0009】
多発性硬化症(MS)は慢性進行性疾患である。これは炎症性自己免疫疾患であり、オリゴデンドロサイトの損傷、脱髄、そして最終的には軸索の喪失を引き起こし、したがって重度の神経疾患の幅広い兆候と症状、例えば、倦怠感、めまい、可動性と歩行の問題、発話と嚥下困難、痛みなどをもたらす。MSにはいくつかの形態があり、新しい症状は孤立した発作(再発形態)で発生するか、時間の経過とともに蓄積する(進行性形態)かのいずれかである。特定の症状は孤立した発作の間に完全に消える可能性があるが、特に疾患がより進行した形に進むにつれて、深刻な神経学的問題が残ることがよくある。アメリカの多発性硬化症協会(the Multiple Sclerosis Association of America)によると、米国では約40万人、世界中で250万人がMSと診断されており、米国では毎年推定10,000人の新しい症例が診断されている。多発性硬化症は、男性よりも女性に2~3倍多く見られる。
【0010】
多発性硬化症、又は他の多くの髄鞘形成疾患の因果関係に基づく治療や養生は知られていない。治療は通常対症療法であり、疾患の炎症性要素に対処することにより、発作後の機能を改善し、新たな発作を予防しようとする。このような免疫調節薬は、特に疾患が進行している場合、通常は適度に効果的であるが、副作用があり、忍容性が低い可能性がある。さらに、β‐インターフェロン、酢酸グラチラマー、又は治療用抗体などの利用可能な薬物のほとんどは、注射可能な形態でのみ利用可能であり、及び/又は疾患の炎症性要素にのみ対処し、脱髄に直接対処するものではない。コルチコステロイドのような他の薬物は、かなり非特異的な抗炎症作用と免疫抑制作用を示し、したがって、たとえばクッシング症候群に現れるような慢性的な副作用を引き起こす可能性がある。
【0011】
したがって、MSのような髄鞘形成疾患の治療のための安全で効果的な薬物、好ましくは経口投与に適した薬物に対する強い必要性が存在する。理想的には、そのような薬物は、脱髄を減少させることによって、及び/又は影響を受けたニューロンの再ミエリン化を促進することによって、脱髄プロセスを逆転させるであろう。GPR17受容体活性を効果的に低下させる化合物は、これらの要件を満たすことができる。
【0012】
しかし、GPR17活性を効果的に調節する化合物はほとんど知られていない。
【0013】
WO2005/103291は、GPR17の活性化リガンドとして内因性分子5アミノレブリン酸(5‐ALA)及びポルフォビリノーゲン(PBG)を示唆し、GPR17アゴニストの鎮痛効果を開示し、神経因性疼痛を治療するための及びGPR17スクリーニングアッセイにおけるツールとしてのGPR17アゴニストの使用を提案する。しかし、報告されている5‐ALAとPBGの親和性は非常に低く、アッセイに必要な量が重要である。つまり、5‐ALAの場合は3桁のマイクロモル範囲、PBGの場合はmM範囲でさえ重要であり、両方の化合物がルーチンのスクリーニングアッセイや治療への使用にも十分に適していないことになる。さらに、PBGは化学的に不安定な反応性化合物であり、空気や光にさらされると急速に分解するため、日常的な取り扱いは実用的ではない。したがって、これらの化合物は、治療上有効な負のGPR17モジュレーターを開発するための有望な出発点を提供するものではない。
【0014】
モンテルカストとプランルカストは、もともとロイコトリエン受容体アンタゴニストとして開発され、最近、GPR17受容体にも作用することが判明した(Ciana et al、EMBO J.2006、25,4615‐4627)。しかし、機能アッセイのその後の結果は、モンテクラスト(Hennen et al.、2013、同上)では矛盾していたが、プランルカストによるGPR17の薬理学的阻害は、初代マウス(Hennen et al.、2013、同上)とラット(Ou et al.、J.Neurosci.36、2016、10560‐10573)オリゴデンドロサイトの分化を促進する。プランルカストは、GPR17ノックアウトマウスとプランルカスト処理野生型マウスの両方が再ミエリン化の早期開始を示すため、限局性脱髄のリゾレシチンモデルにおけるGPR17抑制の影響を表現型コピーする(Ou、同上)。これらの結果は、GPR17阻害剤がヒト脱髄疾患の治療の可能性を提供するという仮説を強く支持する。
【0015】
しかし、モンテクラストとプランクラストのGPR17への親和性は、マイクロモルの高い範囲にすぎない(Koese et al、ACS Med.Chem.Lett.2014、5、326‐330)。両方の化合物のタンパク質結合が高く、脳への浸透が不十分であることを考えると、ヒトの治療に適した量でGPR17受容体に結合するのに十分な高遊離濃度に達する可能性は低い。さらに、これらの化合物を用いてインビボで得られた結果は、CYSLT1受容体に対するそれらの交絡する高い親和性のために解釈するのが難しい。他の受容体への交差反応は、GPR17を標的とするためにそれらを使用することをさらに複雑にする。
【0016】
米国特許第8,623,593号は、GPR17アゴニストとしての特定のインドール‐2‐オキソリン酸、及びスクリーニングアッセイにおけるそれらの使用を開示している。しかし、これらの誘導体はすべて強力なアゴニストであり、MSなどの髄鞘形成障害の治療に必要なGPR17活性のダウンレギュレーションには適していない。さらに、このクラスのGPR17活性化因子は、イオン化が容易なオキソル基のために血液脳関門を十分に通過せず、したがって、負のGPR17モジュレーターを開発するのに適したリード化合物ではなかった。Baqi et al、Med.Chem.Commun.、2014、5、86及びKoese et al、2014、同上も参照。
【0017】
WO2013/167177は、GPR17アンタゴニストとして特定のフェニルトリアゾール及びベンゾジアゼピン化合物を示唆している。しかし、開示された化合物は、インシリコスクリーニングの結果のみに基づいて選択されたものであり、生物学的データはまったく提供されていない。本出願の発明者は、これまでにこの以前の特許出願の著者によって提案されたとされるリガンドのいずれかのGPR17アンタゴニスト調節活性を確認することができなかった。
【0018】
WO2018/122232は、強力なGPR17アンタゴニストとして(Aaza)インドール‐ベンゾチオフェン‐及びベンゾフラン‐3‐スルホンアミドを開示している。しかしながら、開示されたすべての化合物は、非置換窒素を有するインドール部分を有し、したがって、インドール基に常にN置換を有する本出願の化合物とは異なる。したがって、本出願は、インドール環の窒素を極性基の有無にかかわらず様々な残基で置換することを可能にすることにより、驚くべきことに追加の構造オプションを提供する強力なGPR17モジュレーターを提供する。
【発明の概要】
【0019】
発明の説明
本発明は、GPR17受容体の負のモジュレーターとして作用する化合物に関する。好ましい実施形態では、化合物は、GPR17受容体の負のアゴニストとして作用し、したがって、構成的に活性なGPR17を阻害する。
【0020】
本出願は、式Iを有する化合物
【化1】
式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1は、C
1‐6アルキル、C
3‐5シクロアルキル、及びC
3‐5ヘテロシクロアルキルから選択され、これらのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アジド、シアノ、カルボキシ、及びC
1‐3アルコキシから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換され、前記(C
1‐3)アルコキシは、非置換であるか、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、及びカルボキシから選択される1つ又は2つの基で置換することができ、
R2は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R4は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R5は水素又はハロゲン、好ましくは水素であり、
R6は、ハロゲン、シアノ、シクロプロピル、C
1‐3アルキル、及びC
1‐3アルキルオキシから選択され、シクロプロピル、アルキル、又はアルキルオキシは、任意に1つ又は複数のフッ素原子で置換することができ、
R7は、水素、ハロゲン、C
1‐2アルキル、フルオロC
1‐2アルキル、C
1‐2アルコキシ、フルオロC
1‐2アルコキシ、シクロプロピル及びシクロプロピルオキシから選択され、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、シクロプロピル、及びハロゲン、C
1‐3アルキルオキシ及びフルオロ(C
1‐3)アルキルオキシから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、C
1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶に関する。
【0021】
1つの好ましい実施形態において、式Iの化合物において、X2及びX3は、同時に両方とも窒素ではない。1つの好ましい実施形態では、X3はNであり、X2はC(R12)である。
【0022】
好ましくは、本開示の化合物において、R1は、C1‐5アルキル又はC3‐4シクロアルキルであり、さらにより好ましくは、C1‐4アルキル又はC1‐3アルキルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アジド、シアノ、カルボキシ及びC1‐3アルコキシから選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。ここで、前記(C1‐3)アルコキシは、非置換であるか、又はハロゲン、好ましくはフルオロ、オキソ、カルボキシ及びヒドロキシから選択される1、2又は3つの基で置換することができる。1つの好ましい実施形態において、R1は、非置換メチル置換C1‐4アルキル及び置換C1‐3アルキルの群から選択され、ここで、前記アルキル置換基は、好ましくは、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ、フルオロ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロヒドロキシエトキシから選択される1、2、3又は4つの置換基である。
【0023】
別の好ましい実施形態において、R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは非置換又はフルオロ、カルボキシ及びヒドロキシから選択される1つ又はそれ以上の置換基で置換することができ、アルコキシ置換基が好ましくはヒドロキシである。
【0024】
別の好ましい実施形態において、R1は、非置換メチル又はC1‐3アルキルであり、後者は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され、ここで、C1‐2アルコキシは、フルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基によってさらに置換される。
【0025】
別の好ましい実施形態において、R1は、C1‐3アルキルであり、これは、フルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、ヒドロキシメトキシ及びヒドロキシエトキシから選択される1から4つの置換基で任意に置換されている。
【0026】
別の好ましい実施形態において、R1は、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、フルオロヒドロキシプロピル、フルオロエチル、メチル及びヒドロキシエトキシエチルの群から選択される。
【0027】
別の好ましい実施形態において、R1は、モノヒドロキシエチル、モノヒドロキシプロピル、ジヒドロキシプロピル、モノカルボキシメチル、フルオロモノヒドロキシプロピル、フルオロエチル、メチル及びヒドロキシエトキシエチルの群から選択される。
【0028】
好ましい実施形態では、R2及びR4は両方とも水素である。別の好ましい実施形態では、R2、R4及びR5はすべて水素である。
【0029】
1つの好ましい実施形態において、R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから選択される。別の好ましい実施形態において、R6は、フルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択される。別の好ましい実施形態では、R6はハロゲン、好ましくはフルオロ、クロロ又はブロモである。
【0030】
1つの好ましい実施形態では、R7は水素である。
【0031】
一実施形態は、式Iの化合物、式中、
X1はN又は=C(R7)‐であり、
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R4は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R5は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R6は、ハロゲン、シアノ、シクロプロピル、メチル、及びメトキシから選択され、メチル又はメトキシは、任意に1つ又は複数のフッ素原子で置換することができ、
R7は、水素、ハロゲン、メチル、フルオロC1‐2アルキル、C1‐2メトキシ、フルオロC1‐2アルコキシ、シクロプロピル及びシクロプロピルオキシから選択され、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、シアノ、シアノメチル、シクロプロピル、及びハロゲン、C1‐3アルキルオキシ及びフルオロ(C1‐3)アルキルオキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
ここで、好ましくは、X2及びX3は、同時に両方とも窒素ではない、
に関する。
【0032】
一実施形態は、式Iの化合物、式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシから選択され、メチル又はメトキシは、任意に1つ又は複数のフッ素原子で置換することができ、
R7は、水素、フルオロ及びクロロから選択され、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、C1‐2アルキルオキシ及びフルオロ(C1‐2)アルキルオキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
ここで、好ましくは、X2及びX3は、同時に両方とも窒素ではない、
に関する。
【0033】
一実施形態は、式Iの化合物、式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
ここで、好ましくは、X2及びX3は、同時に両方とも窒素ではない、
に関する
【0034】
本開示の一実施形態は、X2が=C(R12)‐であり、X3がNである式Iによる化合物、その化合物は式Iaを有し、
【化2】
式中
X1はN又は‐C(R7)‐であり、
R1はC
1‐3アルキル又はC
3‐4シクロアルキル、好ましくはC
1‐3アルキルであり、これらのそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、オキソ、カルボキシ、アジド、シアノ、フルオロ(C
1‐2)アルコキシ及びヒドロキシ(C
1‐3)アルコキシから選択される、好ましくはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、オキソ、及びヒドロキシ(C
1‐2)アルコキシから選択される、1つ又は複数、好ましくは1つ又は2つの置換基で任意に置換することができ、ここで、好ましくは、R1はC
1‐3アルキルであり、これは、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はフルオロ、カルボキシ及びヒドロキシから、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる。
R2、R4、R5はすべて水素である。
R6は、ハロゲン、シクロプロピル、シアノ、C
1‐3アルキル、及びC
1‐3アルキルオキシから選択され、任意のアルキル又はアルキルオキシを1つ又は複数のフッ素原子で任意に置換することができ、
R7は、水素、フルオロ、クロロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシ、好ましくはフルオロ又はメトキシから選択され、
R10は、ハロゲン、シアノ、及びハロゲン、C
1‐2アルキルオキシ及びフルロ(C
1‐2)アルキルオキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0035】
一実施形態は、式Iaの化合物、式中
X1はN又は‐C(R7)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、好ましくはフルオロであり、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0036】
1つの好ましい実施形態において、式Iaの化合物において、
X1はN又は=C(R7)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R4はすべて水素であり、
R6はクロロ又はジフルオロメチル、好ましくはクロロであり、
R7は水素であり、
R8はフルオロ又はメトキシ、好ましくはメトキシであり、
R10は、フルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、メトキシエトキシ、及びフルオロメトキシエトキシから選択され、
R11はフルオロであり、
R12は、フルオロ又は水素、好ましくは水素である。
【0037】
一実施形態は、X2が‐C(R12)‐であり、X3が=C(R9)‐である式Iによる化合物、その化合物は、式Ibを有し、
【化3】
式中
X1はN又は‐C(R7)‐であり、
R1はC
1‐3アルキル又はシクロ(C
3‐4)アルキル、好ましくはC
1‐3アルキルであり、これらのそれぞれは、任意にハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、オキソ、カルボキシ、アジド、シアノ及びヒドロキシ(C
1‐3)アルコキシ、好ましくはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、及びヒドロキシ(C
1‐2)アルコキシから選択される1つ又は複数の、好ましくは1つ又は2つの置換基で置換することができ、好ましくは、R1は非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されたC
1‐3アルキルであり、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、シクロプロピル、シアノ、C
1‐3アルキル、及びC
1‐3アルキルオキシから選択され、任意のアルキル又はアルキルオキシを1つ又は複数のフッ素原子で任意に置換することができ、
R7は、水素、フルオロ、クロロ、フルオロメチル、及びフルオロメトキシから選択され、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びハロゲン、C
1‐2アルキルオキシ及びフルオロ(C
1‐2)アルキルオキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0038】
一実施形態は、式Icの化合物、式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、好ましくはフルオロであり、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0039】
一実施形態は、式Icの化合物、式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、好ましくはクロロであり、
R7は水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシ、好ましくはフルオロから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0040】
一実施形態は、R2がNであり、X3が=C(R9)‐である式Iによる化合物、その化合物は、式Icを有する、
【化4】
式中
X1はN又は‐C(R7)‐であり、
R1はC
1‐3アルキル又はシクロ(C
3‐4)アルキル、好ましくはC
1‐3アルキルであり、これらのそれぞれは、任意にハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、オキソ、カルボキシ、アジド、シアノ及びヒドロキシ(C
1‐3)アルコキシから選択される、好ましくはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、オキソ、及びヒドロキシ(C
1‐2)アルコキシから選択される1つ又は複数、好ましくは1つ又は2つの置換基で置換することができ、ここで、好ましくは、R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC
1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されたC
1‐3アルキルであり、ここで、C
1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができる、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、シアノ、シクロプロピル、C
1‐3アルキル、及びC
1‐3アルキルオキシから選択され、任意のアルキル又はアルキルオキシは1つ又は複数のフッ素原子で任意に置換することができ、
R7は、水素、フルオロ、クロロ、フルオロメチル、及びフルオロメトキシから選択され、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、シアノ、及びハロゲン、C
1‐2アルキルオキシ及びフルオロ(C
1‐2)アルキルオキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C
1‐3アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択される、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0041】
一実施形態は、式Icの化合物、式中
X1はN又は=C(R7)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、カルボキシ、ヒドロキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択される、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0042】
一実施形態は、R1がC1‐3アルキルであり、これはヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、ヒドロキシメトキシ及びヒドロキシエトキシから選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換される、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。
【0043】
一実施形態は、R1がC1‐3アルキルであり、これはヒドロキシ、カルボキシ、フルオロ、ヒドロキシメトキシ及びヒドロキシエトキシから選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換される、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。
【0044】
一実施形態は、R1がメチル、カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロヒドロキシエチル、フルオロヒドロキシプロピル、及びヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ(C1‐2)アルキルから選択される、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。
【0045】
一実施形態では、R1は、好ましくは、モノヒドロキシエチル、ジヒドロキシプロピル、フルオロエチル、及びモノ、ジ、又はトリフルオロモノヒドロキシプロピルから選択される。
【0046】
一実施形態は、R6がフルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、メトキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシ、シクロプロピル、及びイソプロピルから選択される、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。1つの好ましい実施形態では、R6はクロロである。別の好ましい実施形態では、R6はフルオロメチルである。
【0047】
一実施形態は、R10がフルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、フルオロメトキシエトキシ、フルオロエトキシメトキシ及びフルオロエトキシエトキシから選択される、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。好ましくは、R10は、ブロモ、クロロ、ジフルオロメトキシ及びジフルオロエトキシから選択される。
【0048】
一実施形態は、R7が水素である、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。
【0049】
1つの好ましい実施形態は、R2、R4、R5及びR7がすべて水素である、前述の式I、Ia、Ib又はIcのいずれかによる化合物に関する。
【0050】
一実施形態は、式Iによる化合物に関し、式中、XはNであり、したがって式IIを有し、
【化5】
式中、R1、R2、R4、R5、R6、R10、R11、X2、及びX3は、上記の式Iの化合物(サブ式Ia、Ib又はIcの化合物を含む)について記載された通りであり、好ましくは、X2及びX3は両方窒素ではない。
【0051】
一実施形態では、式IIの化合物において、
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1はC1‐3アルキルであり、これは非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1‐2アルコキシ、ヒドロキシ(C1‐2)アルコキシ及びフルオロ(C1‐2)アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されており、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから、好ましくはフルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
ここで、好ましくは、X2及びX3は両方窒素ではない。
【0052】
一実施形態では、化合物は、それぞれ、式IIa、IIb又はIIcを有する。
【化6】
式中、R1、R2、R4、R5、R6、R9、R10、R11、及びR12は、上記の式Iの化合物(サブ式Ia、Ib又はIcの化合物を含む)について記載された通りである。
【0053】
一実施形態は、式IIA、IIb又はIIcの化合物、式中
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから選択され、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びフルオロメチルから選択され、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10はハロゲン、及びフルオロ、メトキシ及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、R10は好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ及びフルオロエトキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0054】
一実施形態は、式IIA、IIb又はIIcの化合物、式中
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びフルオロメチルから選択され、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10はハロゲン、及びフルオロ、メトキシ及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、R10は好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ及びフルオロエトキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0055】
一実施形態は、Xが‐C(R7)‐である式Iによる化合物に関し、その化合物は式IIIを有し、
【化7】
式中、R1、R2、R4、R5、R6、R10、R11、X2、及びX3は、式Iの化合物について記載された通りであり、好ましくは、X2及びX3は両方窒素ではない。
【0056】
一実施形態は、式IIIの化合物、式中
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから選択され、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素、フルオロ又はクロロ、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶に関し、
ここで、好ましくは、X2及びX3は、同時に両方とも窒素ではない。
【0057】
一実施形態は、式IIIの化合物、式中
X2はN又は=C(R12)‐であり、
X3はN又は=C(R9)‐であり、
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素、フルオロ又はクロロ、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10は、ハロゲン、及びフルオロ、メトキシ、及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶に関し、
ここで、好ましくは、X2及びX3は、同時に両方とも窒素ではない。
【0058】
一実施形態は、それぞれ式IIIa、IIIb又はIIIcを有する化合物に関する。
【化8】
R1、R2、R4、R5、R6、R10、R11、R9、及びR12は上記のとおりである。
【0059】
一実施形態は、式IIIa、IIIb又はIIIcを有する化合物、式中
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、ハロゲン、メチル、シクロプロピル、シアノ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから選択され、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びフルオロメチルから選択され、
R7は、水素、フルオロ又はクロロ、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10はハロゲン、及びフルオロ、メトキシ及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、R10は好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ及びフルオロエトキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0060】
一実施形態は、式IIIA、IIIb又はIIIcを有する化合物、式中
R1は、非置換であるか、又はフルオロ、ヒドロキシ、カルボキシ及びC1‐2アルコキシから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されているC1‐3アルキルであり、C1‐2アルコキシは、非置換であるか、又はカルボキシ、好ましくはフルオロ及びヒドロキシから選択される1つ又は複数の置換基で置換することができ、
R2、R4、R5はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、及びフルオロメチルから選択され、
R7は水素、フルオロ又はクロロ、好ましくは水素であり、
R8は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R9は水素又はフルオロ、好ましくは水素であり、
R10はハロゲン、及びフルオロ、メトキシ及びフルオロメトキシから選択される1~3個の置換基で任意に置換されている、C1‐2アルキルオキシから選択され、R10は好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ及びフルオロエトキシから選択され、
R11は、水素、フルオロ及びメトキシから、好ましくはフルオロ及びメトキシから選択され、
R12は水素又はフルオロ、好ましくは水素である、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0061】
1つの好ましい実施形態は、本明細書に開示される化合物、式中
R1は、C1‐3アルキル及び(C1‐2)アルコキシ(C1‐2)アルキルから選択され、それぞれは、ヒドロキシ及びフルオロから選択される1~4個の置換基で任意に置換され、
R2、R4、R5、R7(R7が存在する場合)、R9及びR12はすべて水素であり、
R6は、フルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメトキシ及びフルオロメチルから選択され、好ましくはクロロ又はブロモであり、
R8はフルオロ及びメトキシから選択され、
R10はハロゲン及びフルロ(C1‐3)アルコキシから選択され、
R11はフルオロ又はメトキシである、
及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶、
に関する。
【0062】
1つの好ましい実施形態は、以下の群から選択される化合物に関する。
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(3‐フルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3,3,3‐トリフルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3‐フルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐メチルピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐メチルピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐[2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エチル]インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐[6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル]‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐フルオロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド
2‐[3‐[(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)スルファモイル]‐6‐クロロインドール‐1‐イル]酢酸、及び
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)-6-クロロ-1-(2-ヒドロキシエチル)インドール-3-スルホンアミド。
【0063】
別の実施形態は、本明細書に具体的に開示される任意の「例示的な化合物」I‐1からI‐36に関する。
【0064】
別の好ましい実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb又はIIIcの構造を有する化合物、又は本明細書に具体的に開示され、少なくとも1つの18F同位体を、好ましくは本明細書に開示される化合物の1つに示されるフッ素原子の位置に含む化合物に関する。非限定的な例として、本明細書に開示される化合物6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐2,5‐ジフルオロピリジン‐3‐イル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミドにおいて、2つのフッ素の少なくとも1つは18F同位体で表すことができる。これは、本明細書に記載されている他のフッ素含有化合物にも同様に当てはまる。これらの18F含有化合物は、好ましくは、PETトレーサーとして使用することができる。
【0065】
別の好ましい実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb又はIIIcの構造を有する化合物、又は本明細書に具体的に開示され、少なくとも1つの11C同位体を、好ましくは本明細書に示されるような炭素原子の位置に含む化合物に関する。これらの11C含有化合物は、好ましくは、PETトレーサーとして使用することができる。
【0066】
別の好ましい実施形態は、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb又はIIIcの構造を有する化合物、又は本明細書に具体的に開示され、少なくとも1つの123I、125I又は131I同位体を、好ましくは本明細書に示されるようなヨウ素原子の位置に含む化合物に関する。非限定的な例として、本明細書に開示される化合物6‐クロロ‐N‐(6‐ヨードピリジン‐3‐イル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミドにおいて、ヨウ素は、123I、125I、又は131I同位体によって表すことができる。123I、125I又は131Iを含む化合物は、好ましくはSPECTトレーサーとして使用することができる。
【0067】
治療及び診断アプリケーション
一態様では、本発明は、治療又は診断、特に動物、特にヒトの治療に使用するための、本明細書に記載の化合物のいずれかに関係する。
【0068】
それらのGPR17調節特性のために、本発明の化合物は、医薬として使用することができ、CNSシステムの様々な疾患の治療及び/又は予防のために使用することができる。
【0069】
したがって、本開示の一実施形態は、医薬として使用するための、特にGPR17関連疾患の治療及び/又は予防のための医薬として使用するための、本明細書に記載の化合物である。
【0070】
GPR17関連疾患又は障害は、例えば、GPR17受容体の過剰発現及び/又は過剰活性などのGPR17シグナル伝達系の機能不全に関連する疾患である。理論に拘束されることを望まないが、GPR17の活性は、特定の組織、例えばオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)において、又はオリゴデンドロサイトの成熟中に、潜在的には、たとえば、炎症因子などの内因性刺激を活性化するために、増加、拡大し、又は他の方法で変化する可能性がある。GPR17の高活性は、オリゴデンドロサイトの分化と効率的な髄鞘形成を妨げ、髄鞘形成疾患の出現又はさらなる発症を促進する可能性がある(上記のChen et alを参照)。したがって、負のGPR17モジュレーターは、GPR17活性を減少又はオフにすることによって、及びミエリン産生オリゴデンドロサイトへのOPC成熟を支援することによって、髄鞘形成を促進することができる(例えば、Simon et al、前出を参照のこと)。
【0071】
1つの好ましい態様において、本発明は、髄鞘形成障害、特に、中枢神経系の障害のような脱髄障害から選択される及び/又はそれに関連する障害又は症候群の診断のための、又はその予防又は処置に使用するための、本明細書に記載の化合物のいずれにも関する。一実施形態では、本発明の化合物は、それを必要とする動物における髄鞘再形成を促進、刺激、及び/又は加速するのに使用するためのものである。一実施形態では、本発明の化合物の投与に関連する髄鞘再形成は、多発性硬化症などであるがこれに限定されない脱髄疾患を予防又は治療するであろう。
【0072】
本発明の化合物はまた、脳組織損傷、脳血管障害、及び特定の神経変性疾患に関連する障害又は症候群の治療又は予防に有用であり得る。
【0073】
神経変性障害は最近、髄鞘形成の喪失と強く関連する。したがって、保存されたオリゴデンドログリア及びミエリン機能は、軸索及びニューロンの変性を防止するための重要な前提条件であると考えられている(例えば、上記のEttle et alらを参照のこと)。したがって、負のGPR17モジュレーターは、脱髄及び/又は影響を受けた髄鞘形成に関連するあらゆる神経変性疾患、例えば、ALS、MSA、アルツハイマー病、ハンチントン病、又はパーキンソン病に優れた治療選択肢を表す可能性がある。
【0074】
したがって、特定の好ましい態様では、本発明の化合物は、末梢又は中枢の髄鞘形成障害、特に中枢神経系の髄鞘形成障害の予防及び/又は治療に使用することができる。一態様では、本発明の化合物は、経口投与による髄鞘形成障害の治療及び/又は予防及び/又は診断において使用される。好ましい実施形態では、本発明の化合物で治療される髄鞘形成障害は、脱髄障害である。
【0075】
現在開示されている化合物によって治療及び/又は予防されるべきそのような髄鞘形成障害の例は、特に、
‐さまざまなサブフォームを含む多発性硬化症(MS)、
‐視神経脊髄炎(デビック病としても知られている)、
‐慢性再発性炎症性視神経炎、急性散在性脳脊髄炎、
‐急性出血性白質脳炎(AHL)、
‐脳室周囲白質軟化症
‐ウイルス感染による、例えばHIV又は進行性多巣性白質脳症による脱髄、
‐橋中央髄鞘崩壊症及び橋外髄鞘崩壊症、
‐圧迫による脱髄、例えば腫瘍による、を含む外傷性脳組織損傷による脱髄、
‐低酸素症、脳卒中、虚血、又はその他の心血管疾患に反応した脱髄、
‐二酸化炭素、シアン化物、又はその他の中枢神経系毒素への曝露による脱髄
‐シルダー病、
‐バロ同心性硬化症、
‐周産期脳症、及び
‐特に、以下を含む神経変性疾患
o筋萎縮性側索硬化症(ALS)。
oアルツハイマー病(AD)。
o多系統萎縮症
oパーキンソン病
o脊髄小脳失調症(SCA)、脊髄小脳萎縮症としても知られている
oハンチントン病
‐統合失調症や双極性障害などの精神障害(例えば、Fields、Trends Neurosci 31、2008、361;Tkachev et al、Lancet 362、2003、798を参照)。
‐白質ジストロフィー、末梢性脱髄性ニューロパチー、デジュリーヌ・ソッタス症候群、又はシャルコー・マリー・トゥース病などの末梢性髄鞘形成疾患
【0076】
脱髄疾患などの中枢神経系疾患の治療又は予防には、そのような疾患に関連する徴候及び症状の治療も含まれる。
【0077】
例えば、MSの治療及び/又は予防のための本発明の化合物の使用はまた、視神経への悪影響(視力喪失、複視)、脊柱(感覚の喪失)、皮質脊髄路(痙性衰弱)、小脳経路(協調運動障害、構音障害、めまい、認知障害)、内側縦筋束(外側視線の複視)、脊髄三叉神経路(顔面のしびれ又は痛み)、筋肉の衰弱(嚥下障害、膀胱又は腸の制御、痙攣)、又はうつ病、不安又は他の気分障害、一般的な衰弱又は不眠などの基礎疾患に関連する心理的影響などのMSに関連する徴候及び症状の治療及び/又は予防を含む。
【0078】
したがって、本発明の化合物は、髄鞘形成疾患、特に多発性硬化症などの脱髄疾患の徴候及び症状を治療するのに使用するためのものである。MSのそのような徴候及び症状には、視力喪失、視力障害、二重視力、感覚の喪失又は障害、痙性脱力感などの脱力感、運動協調障害、めまい、認知障害、顔面のしびれ、顔面痛、嚥下障害、発話障害、膀胱及び/又は腸の制御障害、痙攣、うつ病、不安、気分障害、不眠、及び倦怠感のグループが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
1つの好ましい実施形態では、本発明の化合物は、多発性硬化症の治療に使用するためのものである。 MSは不均一な髄鞘形成疾患であり、再発寛解型MS、二次進行型MS、一次進行型MS、進行性再発性MSを含むがこれらに限定されない様々な異なる形態及び段階で現れる可能性があり、それぞれが活動及び疾患の進行に依存する。したがって、一実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載されるように、その様々な段階及び形態で多発性硬化症を治療する際に使用するためのものである。
【0080】
一態様では、本発明の化合物は、視神経脊髄炎(デビック病又はデビック症候群としても知られている)の治療/又は予防に使用するためのものである。視神経脊髄炎は、視神経と脊髄の炎症と脱髄を特徴とする複雑な障害である。関連する症状の多くはMSに類似しており、筋力低下、特に手足の筋力低下、感覚低下、膀胱制御の喪失などがある。
【0081】
一態様では、本発明の化合物は、ALSの予防及び/又は治療に使用するためのものである。ALSは最近、オリゴデンドロサイトの変性と脱髄の増加に関連しており、ALSが負のGPR17モジュレーターの標的疾患であることを示唆する(Kang et al、前出;Fumagalli et al、Neuropharmacology 104、2016,82)。
【0082】
一態様では、本発明の化合物は、ハンチントン病の予防及び/又は治療に使用するためのものである。ハンティントンは、影響を受けた髄鞘形成に関連しているとよく説明されている(Bartzokis et al、前出;Huang et al、Neuron 85、2015,1212)。
【0083】
一態様では、本発明の化合物は、多系統萎縮症の予防及び/又は治療に使用するためのものである。MSAは最近脱髄と強く関連しており(Ettle 前出、Jellinger 前出)、MSAを治療又は予防するための髄鞘再形成戦略を示唆する。
【0084】
一態様では、本発明の化合物は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療に使用するためのものである。ADは最近、オリゴデンドロネサイトの細胞死の増加と限局性脱髄に関連し、ADの病理学的過程を表すことが観察されている(Mitew et al、Acta Neuropathol 119、2010、567)、
【0085】
本発明の一態様は、ヒト患者を含む、治療を必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物を投与することによる、本明細書に記載の疾患又は障害、特にMS、視神経脊髄炎、ALS、舞踏病ハンチントン、アルツハイマー病などの髄鞘形成疾患のいずれかの治療方法に関する。
【0086】
別の態様では、本発明の化合物は、脊髄損傷、周産期脳症、脳卒中、虚血、又は脳血管障害の予防及び治療に使用することができる。
【0087】
一態様では、本発明は、髄鞘形成障害、又は脳組織損傷に関連する障害又は症候群に関連する症候群又は障害の予防及び/又は治療のための方法に関し、これは、それを必要とする患者に本明細書に記載の治療有効量の化合物を投与することを含む。そのような治療を必要とする患者は、機械的、化学的、ウイルス、又は他の外傷などによる脳組織の損傷を被った任意の患者である可能性がある。
【0088】
一態様では、本発明は、髄鞘形成障害、又は脳卒中又は他の脳虚血に関連する障害又は症候群に関連する症候群又は障害の予防及び/又は治療のための方法に関し、これはそれを必要とする患者に治療有効量の本明細書に記載の化合物を投与することを含む。それを必要とする患者は、例えば、塞栓又は局所血栓症のいずれかによる脳動脈の閉塞によって引き起こされた可能性がある脳虚血/脳卒中を最近経験した任意の患者であり得る。
【0089】
GPR17は、最近、食物摂取、インスリン制御、及び肥満にも関連する。様々な報告によれば、GPR17の負のモジュレーターは、食物摂取の制御及び肥満の治療に役立つ可能性がある(例えば、Ren et al、Diabetes 64、2015;3670を参照)。したがって、本発明の一実施形態は、肥満の予防及び/又は治療のための本明細書での化合物の使用並びに肥満を治療する方法に関する。
【0090】
さらに、本発明の化合物は、GPR17が発現される組織、例えば、心臓、肺又は腎臓の予防の治療のために使用することができる。一実施形態では、本発明の化合物を使用して、腎臓及び/又は心臓の虚血性障害を治療又は予防することができる。
【0091】
GPR17はまた、例えば、ヒョウヒダニによって誘発されるような肺の炎症及び喘息と関連している(Maekawa、J Immunol 2010、185(3)、1846~1854)。したがって、本発明の化合物は、喘息又は他の肺の炎症の治療に使用することができる。
【0092】
本発明による治療は、CNS疾患、特にMS又はALSなどの髄鞘形成疾患又は障害の「スタンドアロン」治療として、本明細書に開示されている化合物の1つの投与を含み得る。あるいは、本明細書に開示される化合物は、併用療法において他の有用な薬物と一緒に投与することができる。
【0093】
非限定的な例では、本発明による化合物は、抗炎症薬又は免疫抑制薬のような異なる作用機序を有するMSなどの髄鞘形成疾患を治療するための別の薬剤と組み合わされる。例えば、このような化合物には、(i)プレドニソン、メチルプレドニソン又はデキサメタゾンなどのコルチコステロイド、(ii)インターフェロンベータ‐1a、インターフェロンベータ‐1b又はペグインターフェロンベータ‐1aなどのベータインターフェロン、(iii)抗CD20抗体、例えば、オクレリズマブ リツキシマブ及びオファツムマブなど、(iv)酢酸グラチラマーなどのグラチラマー塩、(v)フマル酸ジメチル、(vi)フィンゴリモド、及びポネシモド、シポニモド、オザニモド又はラキニモドなどの他のスフィンゴシン‐1‐リン酸受容体モジュレーター、(vii)テリフルノミド又はレフルノミドなどのジヒドロ‐オロチン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、(viii)ナタリズマブなどの抗インテグリンアルファ4抗体、(ix)アレムツズマブなどの抗CD52抗体、(x)ミトキサントロン、(xi)オピシヌマブなどの抗Lingo1抗体、又は(xii)マシチニブなどの他の免疫調節療法が含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
同様に、本発明の化合物は、痛みを伴う髄鞘形成状態を治療する場合、鎮痛薬と組み合わせることができる。また、本開示の化合物は、治療される根底にある髄鞘形成疾患に関連する心理的影響を同時治療するために、抗うつ薬と組み合わせて使用することができる。
【0095】
併用療法では、2つ以上の有効な原理を同じ製剤を介して、又は「パーツのキット」として、つまり別々のガレノス製剤単位で提供することができる。また、本発明の化合物を含む2つ以上の活性成分は、同時に又はその後、例えば、インターバル療法で患者に投与することができる。追加の薬物は、同じ投与様式又は異なる投与様式によって投与することができる。例えば、本発明のGPR17モジュレーターは経口投与することができ、一方、第2の薬剤は皮下注射によって投与することができる。
【0096】
一態様では、本発明の化合物は、本明細書にさらに記載されるようなGPR17関連疾患、特に本明細書に開示されるような脱髄性疾患の診断及び/又はモニタリングのために、好ましくは多発性硬化症の診断及びモニタリングにおいて使用することができる。
【0097】
一態様では、本発明の化合物を使用して、GPR17受容体の発現、分布、及び/又は活性化をインビボで、例えば、分子イメージング技術を使用するなど、対象に直接、又は、インビトロで、例えば、対象から採取した体液や組織などのサンプルを調べることによって診断及び/又はモニターすることができる。GPR17の活性、発現及び/又は分布のそのような決定は、(a)本明細書に記載のGPR17関連疾患、特に、例えば、多発性硬化症を含むがそれに限定されない、髄鞘形成疾患の状態及び進行を、及び(b)そのようなGPR17関連疾患に関連する治療の有効性及び/又は適用可能性及び/又は適切な投薬を、予測、診断及び/又はモニターするために使用することができる。
【0098】
一態様では、本発明の化合物は、インビボ診断及び/又は疾患モニタリングを実施するために、本明細書でさらに開示されるように、PET又はSPECTトレーサーとして使用することができる。これにより、GPR17受容体の発現、活性化及び/又は分布は、対象において、例えば、本発明のGPR17 PET又はSPECTトレーサーの投与後のヒト患者の画像化により、直接測定することができる。これは、疾患の適切な診断を容易にし、適用可能な治療オプションを決定するのに役立ち、及び/又は疾患の進行をモニターするために、及び/又は治療薬の選択及び適切な投与及び/又はその用量を含む医学的介入の成功をモニター又は予測するために、使用することができる。
【0099】
一実施形態では、本発明のPET又はSPECTトレーサーは、特定の対象において治療薬の有効性及び/又は安全性をモニター及び/又は予測するために、又は医薬の適切な投与量を推定するために、治療薬と組み合わせて、すなわちコンパニオン診断として使用することができる。
【0100】
一実施形態は、治療薬と組み合わせてコンパニオン薬として使用するための本発明のPET又はSPECTトレーサーに関する。本発明のPET又はSPECTトレーサーと共に使用される治療薬は、(a)本発明の非標識化合物、(b)本発明の化合物とは異なるGPR17調節化合物、及び(c)本明細書でさらに記載されるように、GPR17モジュレーターではない、多発性硬化症治療で使用するための薬物を含むがこれらに限定されない、髄鞘形成疾患の治療のための薬物、の群から選択することができる
【0101】
一実施形態は、以下を含むキットに関する。
(a)第1の成分として、本発明のPET又はSPECTトレーサー、特に、本明細書でさらに定義されるように、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb及びIIIcのいずれかによる構造を有する、又は本明細書に開示される化合物のいずれか1つの構造を有するが、PET又はSPECTイメージングに適した少なくとも1つの放射性核種、好ましくは18F、11C、123I、125I及び131Iから選択される放射性核種を組み込んだ、化合物に基づくPET又はPETトレーサー、
(b)第2の成分として、以下から選択される治療薬
i.本明細書でさらに定義される、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb及びIIIcのいずれかによる構造を有するか、又は本明細書に開示される個々の化合物のいずれかの構造を有し、放射性核種が組み込まれていない本発明の化合物、
ii.(i)で定義された本発明の化合物とは異なるGPR17調節化合物、及び
iii.多発性硬化症治療に使用するための薬物を含むがこれらに限定されないが、GPR17調節活性を有さない、髄鞘形成疾患の治療のための薬物;そのような化合物は、上記でさらに説明されたそれらの例を含むことが当業者に知られている。
【0102】
あるいは、本発明の化合物は、インビトロ診断アッセイにおいて、例えば、あらゆるレベルのGPR17の発現、活性、及び/又は分布のための血液、血漿、尿、唾液、又は脳脊髄液のような対象の適切な体液の検査のために使用することができる。
【0103】
一実施形態は、GPR17関連疾患、特に多発性硬化症を含むがこれらに限定されない髄鞘形成疾患を治療する方法に関する。前記方法は、(a)対象のGPR17受容体の発現、活性及び/又は分布を決定するステップ、(b)前記対象におけるGPR17受容体の発現、活性及び/又は分布を、1つ又は複数の健康な対象又は集団におけるGPR17受容体の発現、活性及び/又は分布と比較するステップ、(c)健康な対象又は集団からの前記対象のGPR17の発現、活性及び/又は分布の逸脱に基づく前記対象の薬物療法又は予防の必要性を決定するステップ、及び(d)前記個体に治療薬を投与することにより、ここで薬剤はGPR17関連疾患又は障害の治療に適したものである、特にGPR17モジュレーターを投与することにより、好ましくは本発明の化合物のうちの1つ又は複数を投与することにより、GPR17受容体の発現、活性及び/又は分布の逸脱を有する対象を治療するステップを含む。一実施形態では、GPR17の発現、活性及び/又は分布の決定(a)は、本発明の化合物の1つを使用して、特にPET又はSPECTトレーサーを用いて、又は本発明のPET又はSPECTトレーサーを使用して前記対象の体液又は組織のインビトロ検査によって行われる。
【0104】
1つの好ましい態様において、本発明は、本明細書に記載の化合物、及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0105】
医薬品としての投与のために、化合物は、本開示の化合物、及び本明細書でさらに定義される、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物において使用することができる。そのような医薬組成物は、例えば、経口、静脈内、筋肉内、皮下、鼻、直腸、頭蓋内、眼、頬又は経皮投与に適合させることができ、薬学的に許容される担体、アジュバント、希釈剤、安定剤などを含み得る。
【0106】
例えば、本発明の化合物は、注射を生成するために一般的に使用される油、プロピレングリコール又は他の溶媒に溶解することができる。担体の適切な例には、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物油、ミリスチン酸イソプロピルなどが含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物は、生理食塩水や5%デキストロースなどの水溶性溶媒に、又は植物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステル、プロピレングリコールなどの水不溶性溶媒に、溶解、懸濁又は乳化することによって注射剤に製剤化することができる。本発明の製剤は、溶解剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤及び防腐剤などの従来の添加剤のいずれかを含み得る。
【0107】
一実施形態では、本発明の化合物は、錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、顆粒の形態で、又は液体又は半固体の形態で、例えば、非限定的な例として、シロップ、懸濁液、乳濁液又は溶液などの形態で、経口投与することができる。
【0108】
経口製剤は、これらに限定されないが、徐放剤、崩壊剤、充填剤、潤滑剤、安定剤、抗酸化剤、香味料、分散剤、電解質、緩衝剤、染料、又は保存剤を含み得る。適切な賦形剤及び製剤は当業者に知られており、Remington(“The science and practice of pharmacy”,Lippincott,Williams&Wilkins,2000)(「薬局の科学及び実際」))などの標準的なモノグラフで開示されるか、又は当業者によく知られている他の情報源で開示される。
【0109】
錠剤は、例えば、本発明の少なくとも1つの化合物を、例えば、錠剤、結合剤、充填剤/希釈剤、崩壊剤、可塑剤など、及び任意の溶媒(水性又は非水性)などの少なくとも1つの非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合することにより、及びその後、乾式圧縮、乾式造粒、湿式造粒、噴霧乾燥、又は溶融押出を含むがこれらに限定されないプロセスによって混合物を錠剤に加工することにより、調製することができる。錠剤は、コーティングされていないか、又は既知の技術によってコーティングされて、不快な味の薬物の悪い味を隠すか、又は胃腸管における有効成分の崩壊及び吸収を遅らせることができる。
【0110】
錠剤は、本発明の化合物の即時放出又は持続放出を提供することができる。
【0111】
典型的な徐放剤は、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、他のセルロースエーテル、デンプン、アルファ化デンプン、ポリメタクリレート、ポリビニルアセテート、微結晶性セルロース、デキストラン、及びこれらの混合物などの水と接触すると膨潤するものである。崩壊剤の非限定的な例には、アルファ化デンプン、デンプングリコラートナトリウム、微結晶性セルロース、オキソメチルセルロースナトリウム(CMC‐Na)、架橋CMC‐Na、及び低置換ヒドロキシプロピルセルロース、並びにそれらの混合物が含まれる。適切な充填剤及び結合剤には、微結晶性セルロース、粉末セルロース、ラクトース(無水又は一水和物)、圧縮性糖、デンプン(例えば、コーンスターチ又はポテトスターチ)、アルファ化デンプン、フルクトース、スクロース、デキストロース、デキストラン、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、ラクチトール及びサッカロースなどの他の糖、シリコン処理された微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸二カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、乳酸カルシウム又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。潤滑剤、付着防止剤及び/又は流動促進剤には、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、水素化植物油、水素化ヒマシ油、ステアリルフマル酸ナトリウム、マクロゴール、ジベヘン酸グリセロール、タルク、コーンスターチ、二酸化ケイ素などが含まれ、混合物を含む。
【0112】
本発明の化合物はまた、注射による、例えば、ボーラス注射又は注入による非経口投与のために製剤化することができる。注射用組成物は、すぐに使用できる状態で提供することができ、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳濁液などの形態をとることができ、懸濁剤、安定剤、保存剤及び/又は分散剤などの賦形剤を含み得る。あるいは、有効成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、パイロジェンを含まない滅菌水又は生理食塩水との構成のために粉末形態であり得る。
【0113】
経鼻投与又は吸入による投与の場合、本発明による化合物は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガス又はガスの混合物を使用して、加圧パック又はネブライザー用のエアロゾルスプレー提示の形態で都合よく送達することができる。
【0114】
眼科投与の場合、本発明で使用する化合物は、殺菌剤又は抗菌剤、例えば、硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム又はクロルヘキシジンアセテートなどの防腐剤の有無にかかわらず、等張のpH調整滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として都合よく製剤化することができる。あるいは、眼科投与のために、化合物は、ワセリンなどの軟膏に製剤化することができる。
【0115】
直腸投与のために、本発明で使用される化合物は、坐剤として都合よく製剤化することができる。これらは、活性成分を、室温では固体であるが直腸温度では液体であるため、直腸内で溶融して活性成分を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。そのような材料には、例えば、カカオバター、蜜蝋、及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0116】
一実施形態では、化合物は経皮的に投与することができる。この投与様式は、経口投与のいわゆる初回通過効果を防ぎ、さらに、より一定の血漿レベルを提供することを可能にし、これは、場合によっては特に有利である。軟膏又はクリームなどの経皮形態又は他の経皮システム、例えば、パッチ又は電気泳動装置の設計は、一般に当技術分野から知られている。例えば、以下を参照:Venkatraman and Gale、Biomaterials 1998、Vol 19、p1119;Prausnitz and Langer、Nat Biotechnology 2008、Vol 26.11 p1261;WO2001/47503;WO2009/000262;WO99/49852;WO07/094876。
【0117】
本発明による化合物の好ましい用量レベルは、患者の状態及び体重、特定の疾患の重症度、剤形、並びに投与の経路及び期間を含む様々な要因に依存するが、当業者によって適切に選択することができる。様々な実施形態において、化合物は、1日あたり0.001から10mg/kg体重、又は1日あたり0.03から1mg/kg体重の範囲の量で投与される。個々の用量は、1日あたり約0.1から1000mgの有効成分、約0.2から750mg/日、約0.3から500mg/日、0.5から300mg/日、又は1から100mg/日の範囲であり得る。用量は、1日1回、又は1日数回、分割された部分ごとに投与することができる。
【0118】
本発明の別の態様は、本明細書に記載の医薬品又は医薬組成物、及びその使用説明書を含むキットである。
【0119】
定義
本発明による化合物への任意の言及はまた、特に明記しない限り、そのような化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶を含む。
【0120】
「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物が形成する可能性があり、本発明により、対象、特にヒト対象への投与に適している任意の塩に関する。このような塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成された、又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3‐(4‐ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2‐エタン‐ジスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4‐クロロベンゼンスルホン酸、2‐ナフタレンスルホン酸、4‐トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4‐メチルビシクロ[2.2.2]オクタ‐2‐エン‐1‐カルボン酸(4-methylbicyclo[2.2.2]oct-2-ene-1-6arboxyic acid)、グルコヘプトン酸、3‐フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、及びムコン酸などの有機酸で形成された、酸付加塩が含まれるが、これらに限定されない。他の塩には、2,2‐ジクロロ酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、2‐アセトアミド安息香酸塩、カプロン酸塩、カプリン酸塩、ショウノウ酸塩、シクラミン酸塩、ラウリル硫酸塩、エディシル酸塩、エシル酸塩、イセチオニン酸塩、ギ酸塩、ガラクタル酸塩、ゲンチシン酸塩、グルセプト酸塩、グルクロン酸塩、オキソグルタル酸塩、ヒプリン酸塩、ラクトビオン酸塩、ナパジシル酸塩、キシナホ酸塩、ニコチン酸塩、オレイン酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、エンボン酸塩、ピドラート(pidolate)、p-アミノサリチル酸塩、セバシン酸塩、タンニン酸塩、ロダニド、ウンデシレン酸塩など、又は、親化合物に存在する酸性プロトンが、アンモニア、アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、グリシン、ヒドラバミン、イミダゾール、リジン、マグネシウム、ヒドロキシエチルモルホリン、ピペラジン、カリウム、エポラミン、ナトリウム、トロラミン、トロメタミン又は亜鉛などで置き換えられたときに形成される塩が含まれる。
【0121】
本発明は、その範囲内に、本明細書で定義される化合物の溶媒和物を含む。「溶媒和物」は、活性化合物と、単離された形で室温で液体である第2の成分(溶媒)とによって形成される結晶である。そのような溶媒和物は、一般的な有機溶媒、例えば、ベンゼンやトルエンなどの炭化水素溶媒、クロロホルムやジクロロメタンなどの塩素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール溶媒、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランなどのエーテル溶媒;又は酢酸エチルなどのエステル溶媒とともに形成することができる。あるいは、本明細書の化合物の溶媒和物は、水で形成することができ、その場合、それらは水和物である。
【0122】
本発明はまた、その範囲内に共結晶を含む。「共結晶」という用語は、中性分子成分が明確な化学量論比で結晶性化合物内に存在する状況を説明するために使用される。医薬品の共結晶の調製により、医薬品有効成分の結晶形に変更を加えることができる。これにより、意図した生物活性を損なうことなく、その物理化学的特性を変えることができる。医薬品有効成分と一緒に共結晶中に存在し得る共結晶形成剤の例には、L‐アスコルビン酸、クエン酸、グルタル酸、桂皮酸、マンデル酸、尿素及びニコチンアミドが含まれる。
【0123】
本発明はまた、本発明の化合物のすべての適切な同位体変異体を含む。本発明の化合物の「同位体変異体」、又は略して「同位体」は、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、自然界に通常見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子、最も豊富な同位体が優先される、によって置き換えられるものとして定義される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、及び36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素及び塩素の、それぞれの同位体が含まれる。本発明の特定の同位体変異体、例えば、3H又は14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質組織分布研究において有用である。トリチウム化、すなわち3H、及び炭素14、すなわち14Cの同位体は、調製と検出可能性の容易さのために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2Hなどの同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加、必要な投与量の減少から生じる特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況において好ましい場合がある。本発明の化合物の同位体変異体は、一般に、適切な試薬の適切な同位体変異体を使用する従来の手順によって調製することができる。
【0124】
また、本発明の一部は、少なくとも1つの原子が、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放射断層撮影(PET)のようなインビボイメージング技術で使用することのできる同じ原子又は異なる原子の放射性同位体(ラジオアイソトープ)により置き換えられている化合物である。
【0125】
SPECT研究で使用可能なGPR17モジュレーターのそのような同位体変異体の例(このような化合物は本明細書では「SPECTトレーサー」)は、99mTc、111In、82Rb、137Cs、123I、125I、131I、67Ga、192Ir又は201Tl、好ましくは123I、99mTc又は111Inが導入された化合物である。例えば、本発明の化合物をSPECTトレーサーとして使用するために、123I同位体を、本明細書に開示されるようにGPR17モジュレーターに導入することができる。非限定的な例として、化合物をSPECTトレーサーとして使用するために、123I、125I及び131Iから選択される放射性核種を本発明の化合物に導入することができる。一実施形態では、本発明のSPECTトレーサーは、本明細書に開示されるハロゲン含有GPR17モジュレーターの構造に基づくことができ、放射性核種123I、125I及び131Iの1つがハロゲン、好ましくはヨウ素原子の位置に導入されている。
【0126】
したがって、「本発明のSPECTトレーサー」という用語は、本特許出願に記載され、本明細書でさらに定義されるように、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb及びIIIcのいずれかによる構造を有する化合物、又は本明細書で個別に開示されるように、SPECTイメージングに適した少なくとも1つの放射性同位元素が導入されている化合物に関する。これには、99mTc、111In、82Rb、137Cs、123I、125I、131I、67Ga、192Ir、又は201Tlが含まれるが、これらに限定されない。本発明のSPECTトレーサーで使用される好ましい同位体は、123I、99mTc又は111In、特に123Iである。
【0127】
PETアプリケーションで使用可能なGPR17モジュレーター誘導体(ここでは「PETトレーサー」)の例は、11C、13N、15O、18F、76Br、124I、82Rb、又は68Gaが導入された化合物である。例えば、化合物をPETトレーサーとして使用するために、18F同位体を本発明の化合物に導入することができる。一実施形態では、PETトレーサーは、本明細書に開示されるフッ素含有GPR17モジュレーターの構造に基づくことができ、ここで、それぞれの放射性核種18Fは、フッ素原子の位置に導入されている。これは、それぞれ「非標識」炭素、窒素、酸素、臭素、又はヨウ素原子の代わりに、少なくとも1つの11C、13N、15O、76Br、又は124Iの導入にも同様に当てはまる(たとえば、Pimlott and Sutherland、Chem Soc Rev 2011、40、149;van der Born et al、Chem Soc Rev 2017、46、4709を参照)。
【0128】
したがって、「本発明のPETトレーサー」という用語は、本特許出願に記載され、本明細書でさらに定義されるように、式I、Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IIIa、IIIb、及びIIIcのいずれかによる構造を有する化合物、又は本明細書で個別に開示されるように、PETイメージングに適した少なくとも1つの放射性同位体が導入されている化合物に関する。これには、11C、13N、15O、18F、76Br、又は124Iが含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物で使用するための好ましいPETヌクレオチドは、11C、13N、15O、18F、特に18Fである。
【0129】
本発明は、その範囲内に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボで例えば、腸又は血液中の内因性酵素によって、本明細書に記載の必要なGPR17調節化合物に容易に変換可能である本明細書に記載の化合物の機能的誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体を選択及び調製するための従来の手順は、例えば、Design of Prodrugs、ed.H.Bundgaard、Elsevier、1985年に記載されている。
【0130】
その置換パターンに応じて、本発明の化合物は、1つ又は複数の光学立体中心を有する場合と有さない場合があり、異なるエナンチオマー又はジアステレオマーとして存在する場合と存在しない場合がある。そのようなエナンチオマー、ジアステレオマー又は他の光学異性体は、本発明の範囲に含まれる。
【0131】
本発明の化合物はまた、異なる結晶形態で、すなわち多形として存在することができ、それらのすべてが本発明に包含される。
【0132】
本発明の化合物は、薬学的に許容される担体も含み得る医薬組成物に含まれ得る。「薬学的に許容される担体」は、希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体、又は本発明の化合物が一緒に投与され、当業者が薬学的に許容可能であると理解するであろう他の成分を指す。
【0133】
本発明の化合物は、本明細書に記載されるように、動物、特にヒトにおける特定の疾患又は障害の予防及び/又は治療に有用である。
【0134】
「予防すること」又は「予防」は、疾患又は障害を獲得するリスクの低減を指す(すなわち、疾患に曝露される又は疾患にかかりやすい可能性があるが、まだ疾患の症状を経験又は表示していない対象、特にヒト対象において、疾患の臨床症状の少なくとも1つを発症させない)。
【0135】
任意の疾患又は障害の「治療すること」又は「治療」は、一実施形態では、疾患又は障害を改善すること(すなわち、疾患の発症を停止又は低減すること、又は少なくとも疾患の臨床症状の1つを低減すること)を含む。別の実施形態では、「治療する」又は「治療」は、対象、特にヒト対象によって識別できる場合もできない場合もあるが、治療される疾患又は障害に基づくか、又はそれに関連する少なくとも1つの物理的パラメータを改善することを指す。さらに別の実施形態では、「治療すること」又は「治療」は、物理的(例えば、識別不可能な症状での識別可能な安定化)、生理学的(例えば、生理学的パラメータの安定化)、又はその両方のいずれかで、疾患又は障害を調節又は緩和することを指す。さらに別の実施形態では、「治療すること」又は「治療」は、疾患又は障害の発症又は進行を遅らせることを指す。したがって、「治療すること」又は「治療」には、基礎となる疾患又は障害の原因治療(すなわち、疾患の修飾)、並びに疾患又は障害の徴候及び症状の治療(疾患の修飾の有無にかかわらず)、並びに疾患や障害、又はその兆候や症状の緩和や改善も含まれる。
【0136】
疾患又は障害の「診断」、「診断する」又は「診断すること」には、一実施形態では、前記疾患に関連する徴候及び症状の識別及び測定が含まれる。「診断」、「診断する」又は「診断すること」には、健康な被験者と比較した、GPR17関連の疾患又は障害の指標としての減少、増加、又はその他の方法で(時間又は場所に関して)誤って発現、活性化、又は分布したGPR17受容体の検出及び/又は測定が含まれるが、これらに限定されない。一例では、GPR17リガンドは、髄鞘形成疾患の診断を含むそのような診断のために、PET又はSPECTトレーサーの形で使用することができる。
【0137】
「疾患」及び「障害」という用語は、本明細書ではほとんど互換的に使用される。
【0138】
「モニターすること」(「モニタリング」)とは、特定の期間にわたる疾患、状態、又は少なくとも1つの医療パラメータの観察を指す。「モニターすること」(「モニタリング」)には、「コンパニオンドラッグ」の支援による治療薬の効果の観察も含まれる。
【0139】
本明細書で使用される「コンパニオン診断」は、特定の患者への前記治療薬の適用可能性(例えば、安全性及び有効性の観点から)を決定する目的で治療薬と組み合わせて使用できる化合物を指す。「コンパニオン診断」の使用には、診断及びモニターのステップが含まれる場合がある。
【0140】
「動物」及び「対象」という用語には、ヒトが含まれる。「ヒト」、「患者」及び「ヒト対象」という用語は、明確に示されない限り、本明細書では通常、交換可能に使用される。
【0141】
本発明はまた、本明細書でより詳細に記載されるように、治療有効量での本発明の化合物の投与を含む、動物の疾患又は障害、特にヒトの疾患又は障害を治療する方法に関する。「治療有効量」は、疾患を治療するために、対象、特にヒト対象に投与された場合に、疾患のそのような治療を行うのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患及びその重症度、並びに治療される対象、特にヒト対象の状態、年齢、体重、性別などに応じて変化し得る。
【0142】
本明細書で使用される「多発性硬化症」という用語は、2018アメリカ版のICD‐10‐CM診断コードのセクションG35に分類される疾患を指す。
【0143】
本明細書で使用される「GPR17モジュレーター」という用語は、GPR17受容体の活性を調節することができる化合物、特にGPR17活性を低下させることができる化合物を記載することを意味する。そのような「負のGPR17モジュレーター」には、GPR17アゴニストの効果を遮断することができるGPR17アンタゴニスト、並びに構成的に活性なGPR17受容体又は受容体変異体を阻害することもできるGPR17インバースアゴニストが含まれる。本発明の好ましいGPR17モジュレーターは、インバースGPR17アゴニストである。
【0144】
「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子が含まれる。
「シアノ」は基-CNを指す。
「アジド」とは、基‐N=N=Nを指す。
「オキソ」は、基‐C(=O)OHを指す
「オキソ」は基‐C(=O)‐を指す
【0145】
「C」に続く下付き文字に数字が表示される場合は常に、これらの数字(括弧内にあるかどうかに関係なく)は、数字の直後にあるそれぞれの基に含まれる炭素原子の範囲を示す。例えば、「C1‐3」及び「(C1‐3)」は両方とも、本明細書でさらに指定されるように、1から3個のC原子を含む基を指す。
【0146】
「アルキル」は、飽和脂肪族ヒドロカルビル基を含む。炭化水素鎖は、直鎖又は分岐のいずれかであり得る。「アルキル」の例には、1~5個の炭素原子(「C1‐5アルキル」)、1~4個の炭素原子(「C1‐4アルキル」)、1~3個の炭素原子(「C1‐3アルキル」)、又は1~2個の炭素原子(「C1‐2アルキル」)を有するものを含む。この用語は、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、sec‐ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、t‐アミルなどの基によって例示される。アルキル又は他の基の中の任意の数のC原子は、本明細書では括弧内に又は括弧なしで示され得る。
【0147】
本明細書で交換可能に使用される「アルキルオキシ」及び「アルコキシ」(一緒にアルコキシ(アルキルオキシ))は、Rが本明細書でさらに定義及び例示される「アルキル」である基‐ORを含む。特定のアルコキシ(アルキルオキシ)基には、例として、メトキシ(メチルオキシ)、エトキシ(エチルオキシ)、n‐プロポキシ(n‐プロピルオキシ)、イソプロポキシ(イソプロピルオキシ)、n‐ブトキシ(n‐ブチルオキシ)、tert‐ブトキシ(tert‐ブチルオキシ)、sec‐ブトオキシ(sec‐ブチルオキシ)、イソブトキシ(イソブチルオキシ)などが含まれる。
【0148】
使用される「フルオロアルキル」という用語は、1つ又は複数のフッ素原子で置換された、本明細書に記載の「アルキル」を指す。フルオロ(C1‐3)アルキル基の代表的な例には、‐CF3、‐CHF2、‐CHFCHF2及び‐CH2CF3が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましいフルオロアルキル基は、ジフルオロメチル‐CHF2である。
【0149】
本明細書で交換可能に使用される「フルオロアルキルオキシ」又は「フルオロアルコキシ」という用語は、1つ又は複数のフッ素原子で置換された、本明細書に記載の「アルコキシ(アルキルオキシ)」を指す。
【0150】
フルオロ(C1‐3)アルコキシ基(フルオロ(C1‐3)アルキルオキシ基)の代表的な例には、‐OCF3、‐OCHF2、‐OCHFCH2F、及び‐OCH2CF3が含まれるが、これらに限定されない。
【0151】
本明細書で使用される「フルオロメトキシ」という用語は、1から3個のフッ素原子で置換されているメトキシ基を指す。「モノフルオロメトキシ」という用語は、1つのフルオロ原子で置換されているメトキシ基を指す。本明細書で使用される「ジフルオロメトキシ」という用語は、2つのフッ素原子で置換されているメトキシ基を指す。「トリフルオロメトキシ」という用語は、3つのフッ素原子で置換されているメトキシ基を指す。
【0152】
本明細書で使用される「フルオロエトキシ」という用語は、1から3個のフッ素原子で置換されているエトキシ基を指す。本明細書で使用される「モノフルオロエトキシ」という用語は、1つのフッ素原子で置換されているエトキシ基を指す。特に好ましいモノフルオロエトキシは、‐OCH2CH2F基である。本明細書で使用される「ジフルオロエトキシ」という用語は、2つのフッ素原子で置換されているエトキシ基を指す。特に好ましいジフルオロエトキシは、‐OCH2CHF2基である。「トリフルオロエトキシ」という用語は、3つのフッ素原子で置換されているエトキシ基を指す。好ましいトリフルオロエトキシ基は、‐OCH2CF3基である。
【0153】
「フルオロメトキシエトキシ」という用語は、エトキシ基に結合している、本明細書でさらに定義される末端フルオロメトキシ基を指す。好ましい「フルオロメトキシエトキシ」は、‐OCH2CH2OCHF2で表されるジフルオロメトキシエトキシである。
【0154】
使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つ又は複数のヒドロキシ基で置換されている、本明細書に記載の「アルキル」(例えば、メチル、エチル、又はプロピル基)を指す。ヒドロキシ(C1‐3)アルキル基の代表的な例には、-CH2CH2OH(モノヒドロキシエチル)-CH2CH2CH2OH(モノヒドロキシプロピル)、及び-CH2CH(OH)CH2OH(ジヒドロキシプロピル)が含まれるが、これらに限定されない。
【0155】
使用される「ヒドロキシアルコキシ」(「ヒドロキシアルキルオキシ」)という用語は、1つ又は複数のヒドロキシ基で置換されている本明細書に記載の「アルコキシ」(「アルキルオキシ」)を指す。ヒドロキシ(C1‐3)アルキル基の代表的な例には、‐OCH2CH2OH(モノヒドロキシエトキシ)及び‐OCH2CH2CH2OH(モノヒドロキシプロピルオキシ)が含まれるが、これらに限定されない。
【0156】
本明細書で使用される「フルオロヒドロキシアルキル」又は「フルオロヒドロキシアルコキシ」という用語は、少なくとも1つのヒドロキシ基及び少なくとも1つのフルオロ原子で置換された、指定された量のC原子を有する、本明細書で定義されるそれぞれのアルキル又はアルコキシ基を指す。好ましい例は、トリフルオロモノヒドロキシプロピル(例えば、CH2CH(OH)CF3)モノフルオロモノヒドロキシプロピル(例えば、‐CH2CHFCH2OH又は‐CH2CH(OH)CH2F)などの1つのヒドロキシ及び1から3つのフルオロ原子で置換されている基である。
【0157】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、飽和炭化水素に由来する一価の基を指し、これは、本明細書でさらに示されるように、非置換であるか、又は1つ又は複数の置換基で置換することができる。「シクロアルキル」は、少なくとも3つから、例えば、5つの環形成炭素原子(「C3‐5シクロアルキル」)、又は4つの環形成原子(「C3‐4シクロアルキル」)から構成される。適切なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、及びシクロペンチルが含まれる。
【0158】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、好ましくは酸素、硫黄及び窒素から選択される、少なくとも2つの環形成炭素原子及び少なくとも1つの環形成ヘテロ原子を含む飽和環を指し、各環は、非置換であるか、又は本明細書に記載の1つ以上の置換基でさらに置換することができる。「C3‐5ヘテロシクロアルキル」という用語は、3から5個の環形成原子を含むヘテロシクロアルキルを指す。適切なヘテロシクロアルキル基には、エポキシド、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル及びイミダゾリジニルが含まれる。好ましいヘテロシクロアルキルは、オキセタニル又はテトラヒドロフラニルなどの1つの酸素原子を含むものである。
【実施例】
【0159】
実験セクション
実験パート:
A. 化学
本発明の化合物及びそれらの合成経路は、以下により詳細に記載される。
【0160】
A‐I 化合物を作る一般的な方法
本発明による式Iの化合物は、有機合成化学の当業者によって理解される従来の方法と同様に調製することができる。
【0161】
本明細書における一般式Iの化合物の合成への言及は、同様に、下位の式II、IIIの適用可能な化合物、及び本明細書に開示される特定の例示的な化合物に適用される。
【0162】
一実施形態によれば、一般式Iのいくつかの化合物は、式XIIの塩化スルホニルと式Xのアニリンとの反応によって、以下の式に従って調製することができる。
【化9】
【0163】
この反応は、溶媒として使用されるピリジンなどの塩基の存在下で、室温で、又は好ましくは50から100℃の範囲の温度で加熱しながら実施することができる。DMAPなどの触媒量の塩基の使用も有益である可能性がある。
【0164】
式XIIの化合物は、式XIの化合物のスルホニル塩素化により、以下の式に従って調製することができる。
【化10】
【0165】
この反応は、室温で、アセトニトリルなどの極性溶媒中のクロロスルホン酸などのスルホニル塩素化剤の存在下で実施することができる。
【0166】
あるいは、この反応は、室温で、ジクロロメタンなどの溶媒中の三酸化硫黄/ DMF錯体などのスルホニル化剤の存在下で実施することができる。単離されていないスルホン酸中間体は、室温で塩化チオニルなどの塩素化剤と連続的に反応させることができた。
【0167】
式XIの化合物は、低温又は室温で、DMFなどの溶媒中の水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で、ヨード又はトリフルオロメタンスルホナート誘導体などのアルキル化剤による求核置換による式IXの化合物のアルキル化によって調製することができる。
【化11】
【0168】
あるいは、この反応は、室温で、DMFのような溶媒中の水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で、アクリレートなどの活性化ビニル上に化合物IXをマイケル付加することによって実施することができる。
【0169】
一実施形態によれば、一般式Iのいくつかの化合物は、下式により、式XIII‐P1の化合物のアルキル化によって調製することができ、ここで、P1は、メトキシメチルなどの保護基である。
【化12】
【0170】
この反応は、DMSOなどの極性溶媒中の水酸化カリウムのような塩基の存在下で、続いて50から120℃の範囲の温度で加熱しながらヨード誘導体などのアルキル化剤を添加して行うことができる。続いて、脱保護は、メタノールなどの溶媒中の濃塩酸などの酸性条件で実施することができる。
【0171】
P1がメトキシメチルなどの保護基である式XIII‐P1の化合物は、下式により、P2がフェニルスルホニル(PhSO
2)などの保護基である式XIII‐P2の化合物の保護及び脱保護のシーケンスによって調製することができる。
【化13】
【0172】
この反応は、化合物XIII‐P2、ここでP2はフェニルスルホニルなどの保護基である、とクロロメチルエーテル又は同様の試薬との、室温で、DCMなどの溶媒中のDIPEAのような塩基の存在下での反応によって実施することができる。以下のP2基の脱保護は、THFなどの溶媒中のフッ化テトラブチルアンモニウムの存在下で、好ましくは60から90℃の範囲の温度で加熱しながら行うことができる。
【0173】
P2がフェニルスルホニルなどの保護基である式XIII‐P2の化合物は、式XII‐P2の塩化スルホニルと式Xのアニリンとの反応によって調製することができる。この反応は、室温で溶媒として使用されるピリジンなどの塩基の存在下で実施することができる。
【化14】
【0174】
P2がフェニルスルホニルなどの保護基である式XII‐P2の化合物は、式XI‐P2の化合物のクロロスルホニル化により、以下の式に従って調製することができる。
【化15】
【0175】
この反応は、アセトニトリルなどの極性溶媒中のクロロスルホン酸の存在下、室温で実施することができる。
【0176】
P2がフェニルスルホニルなどの保護基である式XI‐P2の化合物は、下式に従って,式IXの化合物を保護することにより調製することができる。
【化16】
【0177】
この反応は、DCM又はDMFなどの溶媒中の水酸化ナトリウム又はヨウ化ナトリウムなどの塩基の存在下で、化合物IXをベンゼンスルホニルクロリド又は同様の試薬と反応させることによって、又は当業者に知られている任意の方法に従って、実施することができる。
【0178】
式Xのアニリンは市販されているか、又は当業者に知られている任意の方法に従って、又は文献に記載されている手順を使用して調製することができる。あるいは、式Xのいくつかのアニリンは、下式に従って化合物VIIIを還元することによって調製することができる:
【化17】
【0179】
この反応は、酢酸エチル又はメタノールなどの極性溶媒中の触媒量のパラジウム炭の存在下で、酢酸又は水素などの酸の存在下で鉄などの任意の還元剤を使用して、又は当業者に知られている任意の方法に従って実施することができる。
【0180】
式VIIIの化合物は、市販されているか、又は文献の手順又は当業者に知られている任意の他の方法に従って調製することができる。
【0181】
式IXの化合物は、市販されているか、又は当業者に周知の適切な方法によって調製することができる。
【0182】
A‐II.略語/頻発試薬
Ac:アセチル
ACN:アセトニトリル
AcOH:酢酸
ブライン:飽和塩化ナトリウム水溶液
Boc:tert‐ブトキシカルボニル
nBu:n‐ブチル
tBu:tert‐ブチル
conc.:濃縮
Cy:シクロヘキシル
d:日
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4‐ジメチルアミノピリジン
DMF:N、N‐ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
ES+:エレクトロスプレー陽イオン化
ES‐:エレクトロスプレー負イオン化
ESI:エレクトロスプレーイオン化
EtOAc:酢酸エチル
h:時間
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
Me:メチル
MeOH:メタノール
min:分
mw:電子レンジ
NMR:核磁気共鳴
rt:室温
TBAHSA:テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TFAA:無水トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
【0183】
A‐III.分析方法
市販の溶媒及び試薬は、一般に、必要に応じて無水溶媒を含め、さらに精製することなく使用された(通常、Aldrich Chemical CompanyのSure‐Seal(商標)製品又はACROSOrganicsのAcroSeal(商標))。一般に、反応の後に薄層クロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィー質量分析を行った。
【0184】
LCMSモードでの質量分析測定は、次のようにさまざまな方法と機器を使用して実行される。
【0185】
‐基本的なLCMS法1:
質量分析(MS)スペクトルは、Xbridge C18‐2.1x30mm、2.5μm(Waters)カラムを使用してHPLCモジュラープロミネンス(島津製作所)に接続されたエレクトロスプレーイオン化(ESI)を備えたLCMS‐2010EV質量分析計(島津製作所)で記録された。約1mg/mLの濃度の体積3μLのサンプル溶液を注入した。基本条件の移動相は、A)5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニア水溶液B)5%移動相A+0.1%アセトニトリル中アンモニアの混合物とした。使用したグラジエントは次のとおりである。4分間で5:95(B/A)から95:5(B/A)まで、次の1分間は95:5(B/A)を保持する。
【0186】
‐ニュートラルLCMS法2:
質量分析(MS)スペクトルは、LCMS機器(Applied Biosystems API 2000 LC/MS/MS、HPLC Agilent 1100)で、次の手順を使用して記録した。ACN(溶媒A)又は水(2mM酢酸アンモニウムを含む):MeOH 90:10(溶媒B)に1.0mgmL‐1の濃度で化合物を溶解し、必要に応じて完全に溶解するまで超音波処理する。次に、10μLの溶液をPhenomenex Luna C18 HPLCカラム(50×2.00mm、粒子サイズ3μm)に注入し、水:ACN(グラジエントA)又は水:MeOH(グラジエントB)の10分以内の90:10から0:100までのグラジエントで溶出を行った。1分後にグラジエントを開始し、続いて純粋な有機溶媒で300μLmin‐1の流速で10分間溶出した。UV吸収は、ダイオードアレイ検出器(DAD)を使用して220~400nmで検出された。
【0187】
粗物質は順相クロマトグラフィー又は再結晶によって精製することができた。
【0188】
順相クロマトグラフィーは、シリカゲルカラム(100:200メッシュのシリカゲル又はBiotage(登録商標)又はTeledyneIscoCombiFlash(登録商標)のIsolera(商標) Fourなどのフラッシュクロマトグラフィーシステム用のカートリッジ)を使用して実施した。
【0189】
NMRスペクトルはさまざまな機器で記録された。
‐バリアン400MHzNMR分光計 取得時間(at)=2.0秒、緩和遅延(d1)=2.0秒、線幅拡大(lb)=0.5Hz。
‐Bruker Avance III 600 MHzNMR分光計
【0190】
化学シフトは、重水素化溶媒(DMSO‐d6又はCDCl3)の残留プロトンに由来するシグナルを基準とする。化学シフトは百万分率(ppm)で、結合定数(J)はヘルツ(Hz)で表される。スピン多重度は、ブロード(br)、シングレット(s)、ダブレット(d)、トリプレット(t)、カルテット(q)、マルチプレット(m)として表す。
【0191】
製品は通常、最終分析と生物学的試験への提出の前に真空下で乾燥された。
【0192】
A‐IV:化合物と合成の例
以下の化合物の名前は、式X、XI、XIIの中間体についてはBiovia Drawバージョン16.1によって、式Iの化合物の例についてはOpenEyeoemetachemバージョン1.4.5を使用してPipelinePilot2018によって生成されたIUPAC名である。
【0193】
中間体
市販されている場合、出発材料はCAS登録番号で識別される。
【0194】
A.式Xの中間体の合成
A.1. 6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐1の合成:
【化18】
【0195】
ステップ‐1:2,5‐ジフルオロ‐1‐オキシド‐ピリジン‐1‐イウム X‐1aの合成:
DCM(120mL)中の2,5‐ジフルオロピリジン(3.00g、26.1mmol)の溶液に尿素過酸化水素(7.36g、78.2mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を0℃で冷却し、続いてトリフルオロ酢酸無水物(12mL)を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行はTLCによってモニターされた。完了後、反応混合物をNaHCO3水溶液(120mL)で希釈し、DCM(3×80mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、2,5‐ジフルオロ‐1‐オキシド‐ピリジン‐1‐イウム X‐1a(1.00g)をオフホワイトの固体として得た。
【0196】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
収率:29%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.39-7.47 (m, 1H), 7.50 (m, 1H), 8.48-8.57 (m, 1H).
【0197】
ステップ‐2:2‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐ピリジン X‐1bの合成:
DCM(30mL)中の2,5‐ジフルオロ‐1‐オキシド‐ピリジン‐1‐イウム X‐1a(0.95g、7.25ミリモル)の溶液に、POCl3(1.33mL、14.5ミリモル)を0℃で滴下した。反応混合物を同じ温度で5分間撹拌し、続いてDMF(0.60mL)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応の進行はTLCによってモニターされた。完了後、反応混合物を飽和NaHCO3(50mL)溶液でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、2‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐ピリジン X‐1b(0.65g)を淡褐色の液体として得た。この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
【0198】
収率:60%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35-7.39 (m, 1H), 8.15-8.23 (m, 1H).
【0199】
ステップ‐3:2‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1cの合成:
発煙HNO3(4.19mL、100mmol)中の2‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐ピリジン X‐1b(0.60g、4.01mmol)の溶液に、濃H2SO4(3.21mL、60.2mmol)を滴下し、40℃未満の温度を維持した。次に、反応混合物を60℃で30分間加熱した。反応の進行はTLCによってモニターされた。完了後、反応混合物を冷却し、砕いた氷に注ぎ、DCM(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100‐200メッシュ、ヘキサン中10%EtOAc)で精製して、2‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1c(0.185g)を淡黄色液体として得た。
【0200】
収率:24%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.10-9.14 (m, 1H).
【0201】
ステップ‐4:2‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1dの合成:
MeOH(10mL)中の2‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1c(0.67g、3.44mmol)の溶液に、NaOMe(0.82mL、3.79mmol)を-40℃で滴下して加え、反応混合物を同じ温度で20分間撹拌した。反応の進行はTLCによってモニターされた。完了後、反応混合物を氷冷した1N HCl(10mL)に注ぎ、ヘキサン(2x15mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥し、真空下で濃縮して、2‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1d(0.40g)を黄色の固体として得た。
【0202】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
収率:56%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.03 (s, 3H), 8.82 (d, J=7.83 Hz, 1H).
【0203】
ステップ‐5:6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐1の合成:
酢酸(4mL)中の2‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1d(0.20g、0.97mmol)の撹拌溶液に鉄(0.22g、3.87mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行はTLCとLCMSでモニターした。完了後、反応混合物を氷冷飽和NaHCO3(25mL)に注いだ。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、EtOAc(2×15mL)で洗浄し、水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100‐200メッシュ、ヘキサン中4%EtOAc)で精製して、6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐1(0.11g、63%)をオフホワイトの固体として得た。
【0204】
収率:63%。
基本LCMS法1(ES+):177(M+H)+、純度98%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.84 (s, 3H), 5.49 (brs, 2H), 6.90 (d, J=9.78 Hz, 1H).
【0205】
A.2. 6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐2の合成:
【化19】
【0206】
ステップ‐1:3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン‐2‐オール X‐2aの合成:
H2O(6mL)中の2‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐1d(0.90g、4.36mmol)の溶液に、KOH(0.61g、10.9mmol)を加え、混合物を80℃で16時間加熱した。反応の進行はTLCによってモニターされた。完了後、反応混合物をH2O(100mL)で希釈し、EtOAc(3×80mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン‐2‐オール X‐2a(粗0.30g)を淡黄色の固体として得た。
【0207】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.99 (s, 3H), 8.42 (d, J=9.60 Hz, 1H), 12.12 (s, 1H).
【0208】
ステップ‐2:2‐(ジフルオロメトキシ)‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐2bの合成:
CH3CN(4mL)中の3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン‐2‐オール X‐2a(0.29g、1.54ミリモル)の溶液に、H2O(1mL)中のKOH(0.87g、15.4ミリモル)溶液及びブロモジフルオロメチルジエチルホスホナート(2.74mL、15.4mmol)を40℃で加えた。反応混合物を同じ温度で4時間撹拌した。反応の進行はTLCによってモニターされた。完了後、反応混合物をH2O(50mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~5%のEtOAc)で精製して、2‐(ジフルオロメトキシ)‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐2b(0.24g)を淡黄色の液体として得た。
【0209】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
収率:65%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.04 (s, 3H), 7.90 (t, J=70.8 Hz, 1H), 8.80 (d, J=9.60 Hz, 1H).
【0210】
ステップ‐3:6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐2の合成:
CH3COOH(8mL)中の2‐(ジフルオロメトキシ)‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐5‐ニトロ‐ピリジン X‐2b(0.23g、0.97ミリモル)の溶液に、Fe(0.27g、4.83ミリモル)を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行はTLCとLCMSでモニターした。完了後、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、EtOAc(80mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。残留物を飽和NaHCO3水溶液(80mL)に注ぎ、EtOAc(2×70mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐2(0.18g)を褐色の液体として得た。
【0211】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
収率:77%。
基本的なLCMS法1(ES-):207(M‐H)-、純度85%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.84 (s, 3H), 5.18 (brs, 2H), 6.95 (d, J=10.8 Hz, 1H), 7.39 (t, J=74 Hz, 1H).
【0212】
A.3. 5‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐ピリジン‐2‐アミン X‐3の合成:
【化20】
【0213】
ステップ‐1:5‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐ピリジン‐2‐アミン X‐3aの合成:
ジオキサン(10mL)中の3‐クロロ‐2,5,6‐トリフルオロ‐ピリジン(0.50g、2.98ミリモル)の溶液に、25%NH3水溶液(4mL)を加え、反応混合物を鋼製バム中で100℃で12時間加熱した。反応の進行はTLC及びLCMSによってモニターされた。完了後、反応混合物をH2O(200mL)で希釈し、EtOAc(400mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、5‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐ピリジン‐2‐アミン X‐3a(粗製0.41g)を黄色の固体として得た。
【0214】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.85 (s, 2H), 7.80-7.85 (m, 1H).
【0215】
ステップ‐2:5‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐ピリジン‐2‐アミン X‐3の合成:
MeOH(25mL)中の5‐クロロ‐3,6‐ジフルオロ‐ピリジン‐2‐アミン X‐14(0.50g、2.97ミリモル)の溶液に、NaOMe(0.48g、8.92ミリモル)を加え、反応混合物を100℃で24時間加熱した。反応の進行はTLC及びLCMSによってモニターされた。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をH2O(100mL)で希釈し、DCM(200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、5‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシ‐ピリジン‐2‐アミン X‐3(0.40g)をオフホワイトの固体として得た。
【0216】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
収率:72%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.80 (s, 3H) 6.35 (s, 2H) 7.58 (d, J=9.78 Hz, 1H).
【0217】
B.式XIの中間体の合成
B.1. 6‐クロロ‐1‐メチル‐1H‐インドール XI‐1の合成:
【化21】
【0218】
DMF(15mL)中の6‐クロロインドール(0.80g、5.29ミリモル)の溶液に、0℃でNaH(0.25g、10.5ミリモル)を加え、反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(2.40mL、6.34mmol)を0℃で加え、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。反応の進行はTLC及びLCMSによってモニターされた。完了後、反応混合物を氷冷H2O(15mL)でクエンチし、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、6‐クロロ‐1‐メチル‐1H‐インドール XI‐1(0.60g)を白色固体として得た。
【0219】
収率:68%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.78 (s, 3H) 6.48 (d, J=2.93 Hz, 1H) 7.06 (d, J=3.42 Hz, 1H) 7.09 (d, J=8.56 Hz, 1H) 7.34 (s, 1H) 7.54 (d, J=8.31 Hz, 1H).
【0220】
B.2. 6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン XI‐2の合成:
【化22】
【0221】
10mLのDMF中の6‐クロロ‐7‐アザインドール(300mg、1.97ミリモル)の溶液を水素化ナトリウム(パラフィン中66%、500mg、13.8ミリモル)で処理し、室温で1時間撹拌した。続いて、2,2‐ジフルオロエチルトリフルオロメタンスルホナート(0.4mL、3.0mmol)を室温で加えた。16時間撹拌した後、水(100mL)を加え、得られた沈殿物を減圧下で濾過し、水で洗浄し、50℃で乾燥させた。続いて、粗生成物をシリカゲル60(溶離液:純粋なジクロロメタン)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン XI‐2を無色の結晶として得た。
【0222】
収率:91%。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.07 (tt, 2JH,F = 55.5, J = 4.2 Hz, 1H), 4.59 (td, 3JH,F = 14.0, J = 4.3 Hz, 2H).
【0223】
B.3. 3‐(6‐クロロ‐1H‐インドール‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XI‐3の合成:
【化23】
【0224】
DMF(10mL)中の6‐クロロインドール(1.06g、6.99ミリモル)及びCs2CO3(2.73g、8.39ミリモル)の溶液に、メチル2‐フルオロアクリラート(0.8g、7.69ミリモル)を滴下して加えた。続いて、混合物を室温で一晩撹拌した。反応をH2O(50mL)でクエンチし、Et2O(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、及びMgSO4で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3‐(6‐クロロ‐1H‐インドール‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XI‐3(910mg)を得た。
【0225】
収率:51%。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.37 - 7.31 (m, 1H), 7.12 - 7.07 (m, 2H), 6.51 (dd, J = 3.2, 0.9 Hz, 1H), 5.20 (ddd, J = 48.3, 6.3, 3.0 Hz, 1H), 4.66 - 4.47 (m, 2H), 3.76 (s, 3H).
【0226】
B.4. 3‐(6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XI‐4の合成:
【化24】
【0227】
DMF(10mL)中の6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン(1.07g、6.99ミリモル)及びCs2CO3(2.73g、8.39ミリモル)の溶液に、メチル2‐フルオロアクリラート(0.8g、7.69ミリモル)を滴下して加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、H2O(50mL)でクエンチし、Et2O(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製して、3‐(6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XI‐4(1.36g)を得た。
【0228】
収率:76%。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.24 (dd, J = 3.6, 1.4 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.28 (ddd, J = 48.4, 6.6, 3.4 Hz, 1H), 4.91 - 4.54 (m, 2H), 3.78 (s, 3H).
【0229】
C.式XIIの中間体の合成
C.1. 6‐クロロ‐1‐メチル‐1H‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐1の合成:
【化25】
【0230】
CH3CN(5mL)中の6‐クロロ‐1‐メチル‐1H‐インドール XI‐1(0.50g、2.85mmol)の溶液にClSO3H(1mL)を0℃で滴下し、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応の進行はTLCとLCMSでモニターした。完了後、反応混合物を砕いた氷H2O(60mL)に注ぎ、EtOAc(2×40mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮して、6‐クロロ‐1‐メチル‐1H‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐1(0.705g)を褐色の固体として得た。
【0231】
この化合物は、さらに精製することなく、次の反応のためにそのまま使用された。
収率:78%
基本的なLCMS法1(ES-):244(M‐H)-対応するスルホン酸、純度83%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.72 (d, J=8.80 Hz, 1H) 7.52 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.43 (m, 1H) 7.05-7.09 (m, 1H) 3.73 (s, 3H)
【0232】
C.2. 6‐クロロ‐1‐メチル‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐2の合成:
【化26】
【0233】
10mLのDMF中の6‐クロロ‐7‐アザインドール(300mg、1.97ミリモル)の溶液を水素化ナトリウム(パラフィン中66%、500mg、13.8ミリモル)で処理し、室温で1時間撹拌した。続いて、ヨウ化メチル(0.2mL、3.2mmol)を室温で加えた。16時間撹拌した後、水(100mL)を加え、懸濁液を酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた材料はTLCによってのみ特性評価し、次のステップに直接使用された。粗物質(約1.9ミリモル)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、三酸化硫黄/DMF複合体(500mg、3.27ミリモル)で処理した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。続いて、塩化チオニル(0.6mL、8.34mmol)を加え、形成された懸濁液を室温で14日間撹拌した。得られた透明な溶液はTLCによって制御された。混合物をNaHCO3の飽和水溶液(75mL)で加水分解し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン/石油エーテルから結晶化して、320mgの6‐クロロ‐1‐メチル‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐2を無色の結晶として得た。
【0234】
収率:61%
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.24 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H).
【0235】
C.3. 6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐3の合成:
【化27】
【0236】
ジクロロメタン中の6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン XI‐2(367mg、1.7mmol)の溶液を、三酸化硫黄/DMF複合体(500mg、3.27mmol)で処理した。混合物を室温で0.5時間撹拌した(TLC対照はさらなる出発物質を示さず、予想されるスルホン酸への完全な変換を示した、溶離液:純粋なジクロロメタン)。続いて、塩化チオニル(0.6mL、8.34mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。反応はTLCによって制御された(予想される生成物の1つのスポットが観察された、溶離液:純粋なジクロロメタン)。混合物をNaHCO3の飽和水溶液(75mL)で加水分解し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を石油エーテルから結晶化させて、325mgの6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐3を無色の結晶として得た。
【0237】
収率:67%
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.29 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.17 (tt, J = 54.9 Hz, J = 3.9 Hz, 1H), 4.71 (td, J = 14.0 Hz, J = 3.9 Hz, 2H).
【0238】
C.4. 3‐(6‐クロロ‐3‐(クロロスルホニル)‐1H‐インドール‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XII‐4の合成:
【化28】
【0239】
CH2Cl2(10mL)中の3‐(6‐クロロ‐1H‐インドール‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XI‐3(330mg、1.29mmol)の溶液にSO3・DMF(593mg、3.87ミリモル)を加えた。室温で48時間撹拌した後、SOCl2(0.56mL、7.7mmol)を加え、混合物をさらに24時間撹拌した。続いて、混合物をH2O(20mL)でクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、3‐(6‐クロロ‐3‐(クロロスルホニル)‐1H‐インドール‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XII‐4(288mg)を得た。これは、さらに精製又は特性評価することなく、次のステップに直接使用された。
収率:63%
【0240】
C.5. 3‐(6‐クロロ‐3‐(クロロスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XII‐5の合成:
【化29】
【0241】
CH2Cl2(10mL)中の3‐(6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XI‐4(300mg、1.17mmol)の溶液にSO3・DMF(537mg、3.51ミリモル)を添加した。室温で48時間撹拌した後、SOCl2(0.5mL、7.02mmol)を加え、混合物をさらに24時間撹拌した。続いて、混合物をH2O(20mL)でクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3‐(6‐クロロ‐3‐(クロロスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XII‐5(215mg)を得た。これは、さらに精製又は特性評価することなく、次のステップに直接使用された。
収率:52%
【0242】
C.6. 1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6の合成
【化30】
【0243】
ステップ‐1:1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール XII‐6aの合成
ジクロロメタン(300mL)中の微粉末水酸化ナトリウム(24.5g、613ミリモル)の懸濁液を氷浴中で撹拌し、6‐クロロインドール(30g、197ミリモル)を一度に加え、続いてテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(1.75g、5.15ミリモル)を加えた。次に、ベンゼンスルホニルクロリド(2.2mL、218mmol)を20分かけて滴下し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次に氷浴を取り除き、混合物を室温でさらに1時間撹拌した。LCMSが反応の完了を示したとき、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、後者をDCMで洗浄し、合わせた濾液及び洗浄液を蒸発乾固させた。生成物をエーテルで粉砕し、濾過し、少量のエーテル、次にヘキサンで洗浄し、乾燥し、濾液を濃縮して、合計50.54gの1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール XII‐6aを含む第2の収穫物を薄茶色の固体として得た。
【0244】
収率:88%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (dd, J= 1.8, 0.9 Hz, 1H), 7.91 (t, J = 1.4 Hz, 1H), 7.89 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.67-7.54 (m, 2H), 7.53-7.48 (m, 2H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.23 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.65 (dd, J = 3.7, 0.9 Hz, 1H).
【0245】
ステップ‐2:1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6の合成
アセトニトリル(500mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール XII‐6a(50g、171.4ミリモル)の溶液を氷浴中で撹拌し、クロロスルホン酸(100.8g、856.8ミリモル)を20分間、滴下して加え、反応混合物を室温で5日間撹拌した。次に、氷水(2.2L)に20分間撹拌しながらゆっくりと注ぎ、濾過し、水で数回洗浄し、吸引乾燥して、63.77gの1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6を薄茶色の固体として得た。
【0246】
収率:95%。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.36 (s, 1H), 8.07 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.04 (t, J= 1.3 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.79-7.70 (m, 1H), 7.68-7.59 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H).
【0247】
C.7. 1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐7の合成
【化31】
【0248】
ステップ‐1:1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン XII‐7aの合成
DMF(100mL)中の6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン(1.37g、8.97ミリモル)の溶液に、水素化ナトリウム(パラフィン中60%、1g、41ミリモル)を加えた。溶液を30分間撹拌し、0℃から室温まで温めた。続いて、ベンゼンスルホン酸クロリド(1.5mL、11.8mmol)を滴下した。懸濁液を室温で3時間撹拌し、氷水で加水分解した。得られた固体を減圧下で濾別し、水(75mL)で完全に洗浄し、最後に石油エーテル(15mL)で洗浄した。得られた物質を60℃で乾燥し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:純粋なジクロロメタン)により精製して、856mgの1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン XII‐7aを褐色がかった固体として得た。
収率:32%
【0249】
ステップ‐2:1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐7の合成
得られた1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン XII‐7a(150mg、0.51mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、クロロスルホン酸(2mL、2.91mmol)で滴下処理した。混合物を3時間還流し、室温に冷却し、氷水(50mL)で加水分解し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和した。粗生成物をジクロロメタンで抽出した(3回、各50mL)。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(溶離液:純粋なジクロロメタン)により精製して、163mgの1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐7を黄色がかった固体として得た。
【0250】
収率:81%
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: 8.48 (s, 1H), 8.32 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 8.18 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.71 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.60 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
【0251】
D.式XIIIの中間体の合成
D.1. N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1の合成:
【化32】
【0252】
ステップ‐1:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1aの合成
【0253】
ピリジン(8mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6(1.56g、4ミリモル)及び4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロアニリン(998mg、4.8ミリモル)の混合物を室温で2時間撹拌した。続いて、1M HCl(30mL)を加えることにより反応をクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(85:15)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.2gのN‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1aをオフホワイトの固体として得た。
【0254】
収率:80%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.87 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.15 - 8.09 (m, 2H), 7.99 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.77 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.63 - 7.59 (m, 2H), 7.56 (dd, J = 9.6, 6.3 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 9.5, 6.8 Hz, 1H).
【0255】
ステップ‐2:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1bの合成
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1a(1.12g、2mmol)及びN、N‐ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(0.4mL、2.4mmol)を乾燥ジクロロメタン(25mL)に溶解した。溶液をアルゴン雰囲気下、室温で30分間撹拌し、次にクロロメチルメチルエーテル(0.2mL、2.4mmol)を加えた。室温で16時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。このようにして得られた残留物を1M HCl(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。粗生成物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.2gのN‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1bを黄色がかった固体として得た。
【0256】
収率:80%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.51 (s, 1H), 8.20 (dd, J = 8.6, 1.3 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.83 - 7.79 (m, 1H), 7.77 (dd, J = 9.2, 6.3 Hz, 1H), 7.70 - 7.64 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.8, 6.4 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H), 3.24 (s, 3H).
【0257】
ステップ‐3:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1の合成
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1b(910mg、1.5mmol)をTHF(25mL)に溶解し、フッ化テトラ‐n‐ブチルアンモニウム(TBAF、THF中1.0M、7.5mL、7.5mmol)で処理し、還流下で2時間撹拌した。次に、反応混合物を1M HCl(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.69gのN‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐1を無色の固体として得た。
【0258】
収率:79%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):482/484(M+18)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 12.28 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.81 (dd, J = 9.2, 6.3 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.24 - 7.17 (m, 2H), 4.95 (s, 2H), 3.26 (s, 3H).
【0259】
D.2. N‐(4‐ジフルオロメトキシ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2の合成:
【化33】
【0260】
ステップ‐1:6‐クロロ‐N‐(4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2aの合成
ピリジン(8mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6(1.17g、3ミリモル)と4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロアニリン(703mg、3.6ミリモル)の混合物を室温で2時間撹拌した。次に、30mLの1MHClを添加することにより反応をクエンチし、酢酸エチル(3x 50mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(85:15)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.5gの6‐クロロ‐N‐(4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2aをオフホワイトの固体として得た。この化合物は、さらに特性を評価することなく、次のステップに直接使用された。
収率:91%。
【0261】
ステップ‐2:6‐クロロ‐N‐(4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2bの合成
6‐クロロ‐N‐(4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2a(1.38g、2.5mmol)及びDIPEA(0.5mL、3ミリモル)を、Ar雰囲気下で25mLの乾燥ジクロロメタンに懸濁した。室温で30分間撹拌した後、クロロメチルメチルエーテル(0.25mL、3mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。続いて、すべての揮発性物質を減圧下で除去した。残留物を1M HCl(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。粗生成物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.18gの6‐クロロ‐N‐(4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2bをオフホワイトの固体として得た。
【0262】
収率:80%。
化合物は、さらなる特性評価なしで次のステップに直接使用された。
【0263】
ステップ‐3:N‐(4‐ジフルオロメトキシ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2の合成
6‐クロロ‐N‐(4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2b(593mg、1ミリモル)をTHF(25mL)に溶解し、THF(7.5mL、7.5mmol)中のTBAF(1.0M)で処理し、還流下で2時間撹拌した。反応混合物を1M HCl(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗物質を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.34gのN‐(4‐ジフルオロメトキシ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐2を無色の固体として得た。
【0264】
収率:76%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):470(M+18)+、純度82%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 12.27 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.57 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.47 - 7.40 (m, 2H), 7.25 (dd, J = 10.7, 6.9 Hz, 1H), 7.18 (dd, J = 8.7, 1.8 Hz, 1H), 4.95 (s, 2H), 3.27 (s, 3H). 欠如 1H
【0265】
D.3. 6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3の合成:
【化34】
【0266】
ステップ‐1:6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3aの合成
ピリジン(5mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6(886mg、2.2mmol)と6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐1(400mg、2.2mmol)の混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を1M HCl(30mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残留物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.7gの6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3aをオフホワイトの固体として得た。
【0267】
収率:60%。
この化合物は、さらに特性を評価することなく、次のステップに直接使用された。
【0268】
ステップ‐2:6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3bの合成
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3a(700mg、1.3mmol)及びDIPEA(0.27mL、1.6mmol)を乾燥ジクロロメタン(25mL)に溶解した。Ar雰囲気下、室温で30分間撹拌した後、クロロメチルメチルエーテル(0.13mL、1.6mmol、1.2当量)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。続いて、揮発性成分を減圧下で除去した。残留物を1M HCl(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。粗生成物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.59gの6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3bをオフホワイトの固体として得た。
【0269】
収率:80%。
この化合物は、さらに特性を評価することなく、次のステップに直接使用された。
【0270】
ステップ‐3:6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3の合成
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3b(574mg、1ミリモル)をTHF(25mL)に溶解し、TBAF(THF中1.0M、7.5mL、7.5ミリモル)で処理し、還流下で2時間撹拌した。次に、反応混合物を1M HCl(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.33gの6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐3を無色の固体として得た。
【0271】
収率:76%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):434(M+H)+、純度94%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 12.19 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1H), 4.93 (s, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.24 (s, 3H).
【0272】
D.4. 6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4の合成:
【化35】
【0273】
ステップ‐1:6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4aの合成
ピリジン(5mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐7(438mg、1.1ミリモル)と6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシ‐ピリジン‐3‐アミン X‐2(272mg、1.3mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。次に、反応混合物を1M HCl(30mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(85:15)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.37gの6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4aをオフホワイトの粉末として得た。
【0274】
収率:61%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):563(M+H)+、純度76%。
【0275】
ステップ‐2:6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2、 3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4b
6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4a(365mg、0.65mmol)及びDIPEA(0.13mL、0.78mmol)をアルゴン雰囲気下で乾燥ジクロロメタン(25mL)に溶解した。溶液を室温で30分間撹拌し、次にクロロメチルメチルエーテル(0.06mL、0.78mmol)を加えた。室温で18時間撹拌した後、揮発性成分を減圧下で除去した。残留物を1M HCl(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.30gの6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4bを黄色の粉末として得た。
【0276】
収率:76%。
この化合物は、さらに特性を評価することなく、次のステップに直接使用された。
【0277】
ステップ‐3:6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4の合成
6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4b(273mg、0.45mmol)をTHF(25mL)に溶解し、THF(2.25mL、2.25mmol)中のTBAF 1.0Mで処理し、還流下で4時間撹拌した。1M HCl(10mL)を加えた後、混合物を酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.98gの6‐クロロ‐N‐(6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐4を白色粉末として得た。
収率:47%。
【0278】
D.5. N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5の合成:
【化36】
【0279】
ステップ‐1:N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5aの合成
ピリジン(5mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐6(390mg、1ミリモル)と5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐アミン(244mg、1.2ミリモル)の混合物を室温で1時間撹拌した。続いて、混合物を1M HCl(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.39gのN‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5aをオフホワイトの固体として得た。
【0280】
収率:70%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):556/558(M+H)+、純度91%。
【0281】
ステップ‐2:N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5bの合成
N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5a(380mg、0.68mmol)及びDIPEA(0.1mL、0.8ミリモル)をAr雰囲気下で25mLの乾燥ジクロロメタンに溶解した。溶液を室温で30分間撹拌し、次にクロロメチルメチルエーテル(0.06mL、0.8mmol、1.2当量)を加えた。室温でさらに18時間撹拌した後、揮発性成分を減圧下で除去した。このようにして得られた残留物を1M HCl(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(85:15)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.28gのN‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5bをオフホワイトの固体として得た。
【0282】
収率:69%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):600/602(M+H)+、純度90%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (s, 1H), 8.17 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 2H), 8.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.78 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.67 - 7.61 (m, 2H), 7.44 - 7.35 (m, 2H), 7.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.28 (s, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.14 (s, 3H).
【0283】
ステップ‐3:N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5の合成
N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5b(280mg、0.46mmol)をTHF(25mL)に溶解し、TBAF(THF中1.0M、2.3mL、2.3mmol)で処理し、還流下で2時間撹拌した。次に、反応混合物を10mLの1M HClでクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.16gのN‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5を白色固体として得た。
【0284】
収率:76%。
この化合物は、さらなる特性評価を行うことなく、次のステップで直接使用された。
【0285】
D.6. N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6の合成:
【化37】
【0286】
ステップ‐1:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6aの合成
ピリジン(5mL)中の1‐(ベンゼンスルホニル)‐6‐クロロ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホニルクロリド XII‐7(390mg、1mmol)と4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロアニリン(248mg、1.2mmol)の混合物を室温で2時間撹拌し、続いて1M HCl(30mL)を加えることによりクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(85:15)を溶媒として使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.54gのN‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6aをオフホワイトの固体として得た。
【0287】
収率:80%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):562/564(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.84 (s, 1H), 8.42 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.20 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 8.15 - 8.09 (m, 2H), 7.80 (td, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.72 - 7.54 (m, 4H), 7.37 (dd, J = 9.4, 6.8 Hz, 1H).
【0288】
ステップ‐2:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6bの合成
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6a(400mg、0.7mmol)及びDIPEA(0.14mL、0.84mmol)をアルゴン雰囲気下で25mLの乾燥ジクロロメタンに溶解した。溶液を室温で30分間撹拌し、次にクロロメチルメチルエーテル(0.06mL、0.84mmol)を加えた。室温でさらに18時間撹拌した後、揮発性成分を減圧下で除去した。このようにして得られた残留物を1M HCl(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、溶離液として石油エーテル:酢酸エチル(85:15)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.27gのN‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6bをオフホワイトの固体として得た。
【0289】
収率:65%。
この化合物は、さらに特性を評価することなく、次のステップに直接使用された。
【0290】
ステップ‐3:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6の合成
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1‐(フェニルスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6b(250mg、0.41ミリモル)をTHF(25mL)に溶解し、THF(2.05mL、2.05ミリモル)中のTBAF 1.0Mで処理し、還流下で2時間撹拌した。次に、反応混合物を10mLの1M HClでクエンチし、酢酸エチル(100mL)で2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。粗残留物を石油エーテル:酢酸エチル(80:20)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.12gのN‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド XIII‐6を無色の固体として得た。
【0291】
収率:63%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):466/468(M+H)+、純度94%。
この化合物は、さらなる特性評価なしに、次のアルキル化ステップに使用された。
【0292】
実施例化合物
E.一般式Iの化合物の合成
本明細書に具体的に開示される本発明のすべての化合物は、「I‐x」と称され、任意の「x」は、個々の化合物を識別する番号を指す。したがって、実施例の化合物は、I‐1、I‐2、I‐3などと称される。これは、任意の化合物が本明細書の任意の下位の式、例えば、式II、III又はIVなどによっても記述できるかどうかに関係ない。
【0293】
E.1. 方法A. 6‐クロロ‐N‐(4‐シアノ‐2‐フルオロフェニル)‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐1の合成
【化38】
【0294】
ピリジン(15mL)中の6‐クロロ‐1‐メチル‐1H‐インドール‐3‐スルホニルクロリド XII‐1(0.40g、1.52mmol)の溶液に、4‐アミノ‐3‐フルオロ‐ベンゾニトリル(0.23g、1.67mmol)を加え、反応混合物を80℃で3時間加熱した。反応の進行はTLC及びLCMSによってモニターされた。完了後、反応混合物を真空で濃縮した。残留物をH2O(15mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100‐200メッシュ、ヘキサン中3%EtOAc)で精製して、6‐クロロ‐N‐(4‐シアノ‐2‐フルオロフェニル)‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐1(0.05g)をオフホワイトの固体として得た。
【0295】
収率:9%。
基本的なLCMS法1(ES-):362(M‐H)-、純度98%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.82 (s, 3H) 7.28 (d, J=7.34 Hz, 1H) 7.55 - 7.60 (m, 2H) 7.72 - 7.79 (m, 2H) 7.83 (d, J=8.31 Hz, 1H) 8.20 (s, 1H) 10.87 (s, 1H).
【0296】
表1の以下の化合物は、方法Aに類似した方法に従って合成することができる。
【表1】
【0297】
6‐クロロ‐N‐(5‐クロロ‐3‐フルオロ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐2
【化39】
【0298】
基本的なLCMS法1(ES-):402(M‐H)-、純度100%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.65 (s, 3H) 3.85 (s, 3H) 7.25-7.28 (m, 1H) 7.73 (d, J=1.47 Hz, 1H) 7.83-7.87 (m, 1H) 7.92-7.95 (m, 1H) 8.23-8.24 (m, 1H) 11.15 (s, 1H).
【0299】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐メチルピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐3
【化40】
【0300】
ニュートラルLCMS法2(ES+):436(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.55 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.19 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.62 (dd, J = 9.6, 6.3 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 9.8, 6.8 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
【0301】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐メチルピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐4
【化41】
【0302】
ニュートラルLCMS法2(ES+):424(M+H)+、純度98%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.41 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.36-7.29 (m, 2H), 7.16 (t, J = 72.7 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
【0303】
6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐5
【化42】
【0304】
ニュートラルLCMS法2(ES+):474(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.31-7.29 (m, 2H), 7.15 (t, J = 72.8 Hz, 1H), 6.39 (tt, J = 54.6 Hz, J = 3.3 Hz, 1H), 4.74 (td, J = 15.7 Hz, 3.3 Hz, 2H).
【0305】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐6
【化43】
【0306】
ニュートラルLCMS法2(ES+):486(M+H)+、純度98%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.61 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.61 (dd, J = 9.7, 6.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 9.7, 6.7 Hz, 1H), 6.40 (t, J = 54.5 Hz, 1H), 4.74 (t, J = 15.3 Hz, 2H).
【0307】
E.2. N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐7の合成
【化44】
【0308】
ステップ‐1:3‐[3‐[(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)スルファモイル]‐6‐クロロ‐インドール‐1‐イル]‐2‐フルオロ‐プロパン酸メチル I‐7aの合成
3‐(6‐クロロ‐3‐(クロロスルホニル)‐1H‐インドール‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XII‐4(240mg、0.68mmol)、ピリジン(3.0mL)、DMAP(8.3mg、0.068mmol)及び4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロアニリン(170mg、0.82mmol)の混合物を70℃で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、残留物をEtOAc(50mL)で抽出し、ブラインで洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3‐[3‐[(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)スルファモイル]‐6‐クロロ‐インドール‐1‐イル]‐2‐フルオロプロパン酸メチル I‐7a(143mg)を得た。これは、さらに精製又は特性評価することなく、次のステップに直接使用された。
収率:40%。
【0309】
ステップ‐2:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐7の合成
THF中の3‐[3‐[(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロ‐フェニル)スルファモイル]‐6‐クロロ‐インドール‐1‐イル]‐2‐フルオロ‐プロパン酸メチル I‐7a(26mg、0.05mmol)に、0℃でLiAlH4(3.0mg、0.6ミリモル)を加えた。混合物を0℃で一晩撹拌し、H2O(5.0mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐7を無色結晶(18mg)として得た。
【0310】
収率:72%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):497(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.53 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.85 - 7.72 (m, 2H), 7.61 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.33 - 7.23 (m, 2H), 5.15 (s, 1H), 4.85 - 4.67 (m, 1H), 4.64 - 4.42 (m, 2H), 3.54 (dddd, J = 55.9, 24.4, 12.4, 4.4 Hz, 2H).
【0311】
E.3. N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐8の合成
【化45】
【0312】
ステップ‐1:3‐(3‐(N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)スルファモイル)‐6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐の合成 2‐フルオロプロパン酸メチル I‐8a
3‐(6‐クロロ‐3‐(クロロスルホニル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル XII‐4(225mg、0.64mmol)、ピリジン(3.0mL)、DMAP(7.8mg、0.064mmol)及び4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロアニリン(158mg、0.77mmol)を70℃で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、残留物をEtOAc(50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3‐(3‐(N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)スルファモイル)‐6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル I‐8a(189mg)を得た。粗中間体は、さらなる精製又は特性評価なしに、次のステップに直接使用された。
収率:56%。
【0313】
ステップ‐2:N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐8の合成
THF中の3‐(3‐(N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)スルファモイル)‐6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐1‐イル)‐2‐フルオロプロパン酸メチル I‐8a(43mg、0.08mmol)の溶液に0℃でLiAlH4(4mg、0.9ミリモル)を加えた。混合物を同じ温度で一晩撹拌し、続いてH2O(5.0mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐フルオロ‐3‐ヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐8を無色の結晶(25mg)として得た。
【0314】
収率:62%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):498(M+H)+、純度92%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 9.1, 6.9 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 9.2, 6.0 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.98 - 4.77 (m, 1H), 4.69 - 4.50 (m, 2H), 3.71 - 3.54 (m, 2H), 2.68 (s, 1H).
【0315】
E.4. 方法B.N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐9の合成
【化46】
【0316】
N‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド XIII‐5(0.16g、0.35mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(5mL)中の溶液に0℃で水酸化カリウム粉末(90mg、1.57mmol)を加えた。混合物を0℃で15分間撹拌し、2‐ヨードエタノール(90mg、0.52mmol、1.5当量)で滴下して処理した。60℃で16時間加熱した後、得られた混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。続いて、残留物をメタノール(15mL)に溶解し、濃HCl(5当量)で処理し、16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(50mL)及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(50mL)で処理した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した(2×50mL)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。精製は、溶離液として石油エーテル:酢酸エチルの混合物(勾配、80:20~50:50)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより行い、33mgのN‐(5‐ブロモ‐6‐メトキシピリジン‐2‐イル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐9を白色固体として得た。
【0317】
収率:21%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):462(M+H)+、純度100%。
【0318】
表2の以下の化合物は、方法Bに類似した方法に従って合成することができる。
【表2】
【0319】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐10
【化47】
【0320】
ニュートラルLCMS法2(ES+):465/467(M+H)+、純度97%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.49 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.60 (dd, J = 9.7, 6.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 9.9, 6.8 Hz, 1H), 7.24 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 4.87 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.26 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.66 (q, J = 5.2 Hz, 2H).
【0321】
2‐[3‐[(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)スルファモイル]‐6‐クロロインドール‐1‐イル]酢酸 I‐11
【化48】
【0322】
ニュートラルLCMS法2(ES+):479(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.54 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.60 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.30 - 7.21 (m, 2H), 5.10 (s, 2H).
【0323】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐12
【化49】
【0324】
ニュートラルLCMS法2(ES+):435(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.48 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 9.7, 6.4 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 9.9, 6.9 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
【0325】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐クロロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐13
【化50】
【0326】
ニュートラルLCMS法2(ES+):483/485(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.51 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.87 - 7.84 (m, 1H), 7.82 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.30 - 7.23 (m, 2H), 4.59 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.95 (t, J = 5.6 Hz, 2H).
【0327】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐14
【化51】
【0328】
ニュートラルLCMS法2(ES+):479/481(M+H)+、純度98%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.45 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.80 - 7.73 (m, 2H), 7.58 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.30 - 7.21 (m, 2H), 4.60 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.26 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.25 (q, J = 5.7 Hz, 2H), 1.82 (p, J = 6.5 Hz, 2H).
【0329】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐[2‐(ジメチルアミノ)エチル]インドール‐3‐スルホンアミド I‐15
【化52】
【0330】
ニュートラルLCMS法2(ES+):492/494(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.05 (s, 1H), 7.81 - 7.77 (m, 2H), 7.55 (dd, J = 9.7, 6.4 Hz, 1H), 7.28 - 7.22 (m, 2H), 4.29 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.58 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.12 (s, 3H), 1.39 (s, 3H), NH 観測されず.
【0331】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐[2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エチル]インドール‐3‐スルホンアミド I‐16
【化53】
【0332】
ニュートラルLCMS法2(ES+):509/511(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.50 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.82 - 7.77 (m, 2H), 7.59 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.31 - 7.23 (m, 2H), 4.54 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.37 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.68 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.37 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.31 (d, J = 4.7 Hz, 2H).
【0333】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐オキソプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐17
【化54】
【0334】
ニュートラルLCMS法2(ES+):477/479(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.53 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 9.6, 6.3 Hz, 1H), 7.28 - 7.22 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 2.17 (s, 3H).
【0335】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐18
【化55】
【0336】
ニュートラルLCMS法2(ES+):479/481(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.49 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.58 (dd, J = 9.7, 6.3 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 9.9, 6.8 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.19 (dd, J = 14.1, 4.0 Hz, 2H), 4.05 (dd, J = 14.2, 7.1 Hz, 1H), 0.97 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0337】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3‐フルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐19
【化56】
【0338】
ニュートラルLCMS法2(ES+):497/499(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.51 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.59 (dd, J = 9.6, 6.3 Hz, 1H), 7.31 - 7.22 (m, 2H), 5.44 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.39 - 4.32 (m, 2H), 4.32 - 4.27 (m, 1H), 4.20 (ddd, J = 22.5, 12.0, 6.6 Hz, 2H).
【0339】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(3,3,3‐トリフルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐20
【化57】
【0340】
ニュートラルLCMS法2(ES+):533(M+H)+、純度94%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.54 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.82 - 7.75 (m, 2H), 7.59 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.43 - 4.35 (m, 2H).
【0341】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐21
【化58】
【0342】
ニュートラルLCMS法2(ES+):453(M+H)+、純度97%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.31 - 7.26 (m, 2H), 7.22 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 72.9 Hz, 1H), 4.88 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.26 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.66 (q, J = 5.2 Hz, 2H).
【0343】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐22
【化59】
【0344】
ニュートラルLCMS法2(ES+):423(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.35 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.74 - 7.69 (m, 2H), 7.33 - 7.28 (m, 2H), 7.24 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 73.0 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H).
【0345】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐エチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐23
【化60】
【0346】
ニュートラルLCMS法2(ES+):437(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.29 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.78 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.31 - 7.24 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 72.8 Hz, 1H), 4.24 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.29 (d, J = 7.2 Hz, 3H).
【0347】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐フルオロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐24
【化61】
【0348】
ニュートラルLCMS法2(ES+):455(M+H)+、純度97%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.34 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.81 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.29 - 7.23 (m, 3H), 7.07 (d, J = 72.9 Hz, 1H), 4.62 - 4.73 (m, 2H), 4.53 - 4.62 (m, 2H).
【0349】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐プロピルインドール‐3‐スルホンアミド I‐25
【化62】
【0350】
ニュートラルLCMS法2(ES+):451(M+H)+、純度99%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.30 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.78 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.27 (ddd, J = 10.5, 7.3, 3.2 Hz, 2H), 7.23 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 72.8 Hz, 1H), 4.17 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.68 (h, J = 7.2 Hz, 2H), 0.66 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
【0351】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2‐メトキシエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐26
【化63】
【0352】
ニュートラルLCMS法2(ES+):467(M+H)+、純度97%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.35 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.31 - 7.22 (m, 3H), 7.08 (d, J = 72.9 Hz, 1H), 4.38 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.58 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.12 (s, 3H).
【0353】
6‐クロロ‐N‐[4‐(ジフルオロメトキシ)‐2,5‐ジフルオロフェニル]‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐27
【化64】
【0354】
ニュートラルLCMS法2(ES+):483(M+H)+、純度98%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.75 - 7.69 (m, 2H), 7.32 - 7.25 (m, 2H), 7.22 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 72.9 Hz, 1H), 5.01 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.79 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.31 - 4.09 (m, 2H), 3.72 (s, 1H), 3.18 (dt, J = 10.6, 6.2 Hz, 2H).
【0355】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐28
【化65】
【0356】
ニュートラルLCMS法2(ES+):495/497(M+H)+、純度98%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.48 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.31 - 7.21 (m, 2H), 5.00 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.32 (dd, J = 14.3, 3.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 14.4, 7.3 Hz, 1H), 3.38 - 3.35 (m, 2H), 3.26 - 3.15 (m, 2H).
【0357】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐29
【化66】
【0358】
ニュートラルLCMS法2(ES+):496/498(M+H)+、純度99%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.55 (s, 1H), 8.22 - 8.12 (m, 2H), 7.63 - 7.56 (m, 1H), 7.39 (dd, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.29 (ddd, J = 9.8, 6.8, 1.1 Hz, 1H), 5.01 - 4.95 (m, 1H), 4.76 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.40 (dd, J = 13.9, 3.8 Hz, 1H), 4.16 - 3.77 (m, 2H), 3.34 (d, J = 1.2 Hz, 2H).
【0359】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐30
【化67】
【0360】
ニュートラルLCMS法2(ES+):466/468(M+H)+、純度98%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.67 - 10.33 (m, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.19 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.62 (dd, J = 9.6, 6.4 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 9.7, 6.8 Hz, 1H), 4.92 - 4.86 (m, 1H), 4.31 - 4.25 (m, 2H), 3.74 - 3.69 (m, 2H).
【0361】
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐メチルインドール‐3‐スルホンアミド I‐31
【化68】
【0362】
ニュートラルLCMS法2(ES+):404(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.14 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.72 - 7.68 (m, 2H), 7.26 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.54 (s, 3H).
【0363】
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(2,2‐ジフルオロエチル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐32
【化69】
【0364】
ニュートラルLCMS法2(ES+):454(M+H)+、純度99%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.17 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.87 - 7.78 (m, 2H), 7.68 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 6.37 (tt, J = 54.6, 3.2 Hz, 1H), 4.78 (td, J = 15.8, 3.2 Hz, 2H), 3.46 (d, J = 0.6 Hz, 3H).
【0365】
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(3‐フルオロ‐2‐ヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐33
【化70】
【0366】
ニュートラルLCMS法2(ES+):466(M+H)+、純度95%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.14 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.79 (dd, J = 15.4, 5.1 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 5.42 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.41 - 4.29 (m, 2H), 4.29 - 4.14 (m, 2H), 3.55 (s, 3H), 3.35 (s, 1H).
【0367】
6‐クロロ‐N‐(6‐クロロ‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル)‐1‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)インドール‐3‐スルホンアミド I‐34
【化71】
【0368】
ニュートラルLCMS法2(ES+):464(M+H)+、純度99%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.11 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.82 - 7.78 (m, 1H), 7.72 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.24 (dd, J = 8.5, 1.9 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.78 (dd, J = 6.0, 5.1 Hz, 1H), 4.35 - 4.07 (m, 2H), 3.55 (s, 3H), 3.38 - 3.31 (m, 2H), 3.23 - 3.16 (m, 1H).
【0369】
6‐クロロ‐N‐[6‐(ジフルオロメトキシ)‐5‐フルオロ‐2‐メトキシピリジン‐3‐イル]‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピロロ[2,3‐b]ピリジン‐3‐スルホンアミド I‐35
【化72】
【0370】
ニュートラルLCMS法2(ES+):467(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 9.94 (s, 1H), 8.16 - 8.14 (m, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.75 - 7.72 (m, 1H), 7.51 (d, J = 72.1 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.90 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.27 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.71 (q, J = 5.5 Hz, 2H), 3.37 (s, 3H).
【0371】
E.5. 1-(2-アジドエチル)-N-(4-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル)-6-クロロインドール-3-スルホンアミド I-36の合成
【化73】
【0372】
N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐1‐(2‐クロロエチル)‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミド I‐13a(200mg、0.38mmol)の5mL乾燥ジメチルスルホキシド中溶液をヨウ化カリウム(75mg、0.45ミリモル)及びアジ化ナトリウム(30mg、0.45ミリモル)で処理し、80℃で16時間加熱した。混合物を氷水に注ぎ、沈殿物を減圧下で濾過して、1‐(2‐アジドエチル)‐N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロ‐N‐(メトキシメチル)‐1H‐インドール‐3‐スルホンアミドを得た。これはTLC(生成物の1つの明確なスポット)のみで特性評価し、次のステップに直接使用された。このようにして得られた中間体をメタノール(15mL)に溶解し、濃HCl(5当量)で処理し、16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(50mL)及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(50mL)で処理した。有機層を分離し、水相を酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、140mgの1‐(2‐アジドエチル)‐N‐(4‐ブロモ‐2,5‐ジフルオロフェニル)‐6‐クロロインドール‐3‐スルホンアミド I‐36を無色の固体として得た。
【0373】
収率:2ステップで75%。
ニュートラルLCMS法2(ES+):490/492(M+H)+、純度96%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 10.52 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.85 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 9.7, 6.4 Hz, 1H), 7.30 - 7.24 (m, 2H), 4.42 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.74 - 3.66 (m, 2H).
【0374】
さらなる例
追加の化合物は、本明細書に記載の経路に従って調製することができる。これらの方法により、出発物質として様々なインドール類又はアザインドール類を使用して例を調製することができる。例えば、上記の特定の実施例の合成に使用される6‐クロロインドール及び6‐クロロ‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジンの代わりに、R6位置に他の残基を有する対応する出発化合物を使用することができる。そのような出発物質の非限定的な例は、6‐(ジフルオロメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン、6‐(トリフルオロメチル)‐1H‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン、6‐ブロモ‐ピロロ[2,3‐b]ピリジン、6‐(ジフルオロメトキシ)‐1H‐インドール、6‐ブロモ‐1H‐インドール、6‐シクロプロピル‐1H‐インドール又は1H‐インドール‐6‐カルボニトリルであり、これらはWO2018/122232及びWO2019/243303でさらに説明されている。
【0375】
一実施形態では、追加の例は、以下の一般的な方法で説明されるように、
(i)一般的なスキームに従って最初に保護基P1を式XIII‐P2の化合物に導入し、次に基P2を除去して、構造XIII‐P1の化合物を得ること:
【化74】
そして、本明細書でさらに例示されるように、続いて(ii)下式に従って、P1がメトキシメチルなどの(I‐9、I‐21、I‐30、I‐35について例示されたような)保護基である、ヒドロキシエチルハライド(ヒドロキシエチルヨージドなど)による式XIII‐P1の化合物をアルキル化することにより合成することができる:
【化75】
式中、R2、R4、R5、R6、R8、R10、R11、X1、X2及びX3は、本明細書に記載されている通りである。
【0376】
この方法で使用するのに適した代替化合物XIII‐P2、及びそれらの前駆体及び製造経路は例えば、WO2018‐122232及びWO2019/243303に記載されている。
【0377】
本発明の発明者は、得られた化合物が、本明細書の他の化合物について記載されているように、良好なGPR17調節活性を有することを期待している。
【0378】
例をテストし、Ca2+及びcAMPアッセイの活性を以下の表3に報告する。
【0379】
B.生物学/薬理学:
B‐I.細胞培養
GPR17組換え細胞株:
Evi Kostenisの研究室(ボン大学、ドイツ)のヒトGPR17受容体(CHO hGPR17)を安定して発現するFlp‐In T‐REx CHO細胞を、5%CO2の加湿雰囲気下で37℃で培養した。細胞は、ハイグロマイシンB(500μg/ml)とブラストサイジン(30μg/ml)を添加した栄養混合物F‐12を含むDMEMで培養した。Flp‐In遺伝子座からの発現は、アッセイ前に16~20時間ドキシサイクリン(1μg/ml)で処理することにより誘導された。
【0380】
初代オリゴデンドロサイト:
初代オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)は、生後0~2日目にウィスターラットの子の前脳から分離された。大脳は、注射器と2つの異なる中空針(最初は1.2x40、次に0.60x30)で機械的に分離された。凝集のない細胞懸濁液を70μmセルストレーナーでろ過し、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清ペニシリン(100ユニット/ml)、及びストレプトマイシン(0.1mg/ml)を補充したDMEMで培地を2日おきに交換しながら、ポリ‐D‐リジンでコーティングした75cm2培養フラスコにプレーティングした。5%CO2の加湿雰囲気で37℃で8~11日後、混合培養物を240rpmで14~24時間振とうして、アストロサイトとミクログリアからOPCを分離した。OPCをさらに濃縮するために、懸濁液をコーティングされていないペトリ皿に45分間プレーティングした。次に、OPCをポリ‐L‐オルニチンでコーティングしたプレートに播種し、2%(v/v)B27、2mM GlutaMAX、100ユニット/mlペニシリン、0.1mg/mlストレプトマイシン、10ng/ml PDGF‐AA、及び10ng/ml塩基性FGFを添加した増殖中のNeurobasal培地で2日ごとに培地を交換しながら、5%CO2の加湿雰囲気で37℃に維持した。
【0381】
B‐II:機能的なインビトロGPR17アッセイ
B‐II‐A:カルシウム動員機能アッセイ
GPR17はGタンパク質共役型受容体である。GPR17の活性化は、GqタイプのGタンパク質シグナル伝達を引き起こし、細胞質ゾルの小胞体カルシウム(Ca2+)貯蔵放出を引き起こす。これは、細胞質ゾルのCa2+レベルの蛍光インジケーター色素であるカルシウム5色素を使用して測定できる。本発明の化合物は、以下でさらに説明する、Ca2+アッセイ又はGPR17 cAMPアッセイのいずれかで評価された。以下の表3に示すように、いくつかの代表的な例が両方の活性テストで測定された。
【0382】
Ca2+アッセイの説明:
CHO hGPR17を解凍し、ウェルあたり20,000細胞の密度で、底が透明な黒い384ウェルプレートに播種した。細胞を5%CO2の加湿雰囲気中で37℃で一晩インキュベートした。播種の16~20時間後、CHO hGPR17に、細胞質ゾルのCa2+インジケーター蛍光色素であるカルシウム5色素を、製造元の指示に従って60分間ロードした。細胞質ゾルのCa2+濃度に対する蛍光シグナルを、FLIPR Tetraリーダーで室温で経時的に記録した。細胞を最初に、増加する濃度の試験化合物(通常は10-11Mから10-6M)を含むHBSS HepesバッファーpH7.4中で室温で30分間インキュベートした。次に、GPR17アゴニストである50nM MDL29,951を細胞に添加した。様々な濃度の試験化合物の阻害効果を測定し、結果として生じるpIC50を決定した。すべてのインキュベーションは2回行い、結果をGPR17アゴニスト及びアンタゴニスト参照化合物の濃度応答曲線と比較した。分析とカーブフィッティングは、XLfit4パラメーターロジスティック方程式y=A+((B-A)/(1+((C/x)^D)))を使用してActivityBase XEで実行された。ここで、A、B、C、及びDはそれぞれ最小値y、最大値y、IC50、勾配を表す。
【0383】
Ca2+アッセイの結果:
Ca2+動員アッセイで試験した場合、実施例の化合物は、通常、6.5以上、より好ましくは7.5以上、さらにより好ましくは8.5以上のpIC50の値を示す。試験された実施例の化合物の活性は、以下のセクションB‐IIBの表3に示されている。活性範囲A、B、及びCは、Ca2+アッセイのpIC50値を次のように参照する。「A」:pIC506.5≦x<7.5、「B」:pIC507.5≦x<8.5、「C」:8.5≦pIC50
【0384】
B‐IIB.cAMP蓄積機能アッセイ
GPR17の活性化は、Gi型Gタンパク質シグナル伝達を動員することもでき、その結果、細胞内サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)が減少する。細胞内cAMPの変化は、CisBio(Codolet、France)のHTRFcAMPダイナミックアッセイキットを使用して測定できる。均一時間分解蛍光技術(HTRF)を使用して、アッセイは、細胞によって生成されたネイティブcAMPと色素d2で標識されたcAMPの間の競合に基づいている。トレーサー結合は、クリプタートで標識された抗cAMP抗体によって決定された。
【0385】
cAMPアッセイの説明
CHO hGPR17をEDTAを含むPBSで分離し、ウェルあたり5,000個の細胞を含む黒色の384ウェルプレートにディスパッチした。細胞を最初に、ビヒクル又は様々な濃度の試験GPR17アンタゴニスト/インバースアゴニスト化合物を含むHBSS Hepes(pH7.4)中で室温で30分間インキュベートした。次に、MDL29,951 GPR17アゴニストの用量反応曲線(通常は10-5Mから10-10M)をビヒクルに添加し、各テストでGPR17アンタゴニスト/インバースアゴニスト化合物の濃度を1%DMSO、5μMフォルスコリン及び0.1mMIBMXを含む最終体積20μLのHBSS Hepesバッファー(pH7.4)にした。室温で60分間インキュベートした後、反応を停止し、製造元の指示に従って、d2検出試薬とクリプテート試薬をそれぞれ10μLの溶解バッファーに加えて細胞を溶解する。60分間のインキュベーション後、レーザー励起を備えたEnvisionプレートリーダーを使用して、製造元の指示に従ってcAMP濃度の変化を測定する。すべてのインキュベーションは2回行った。データは、GPR17アンタゴニスト/インバースアゴニスト試験化合物の非存在下及び存在下でMDL29,951 pEC50を測定するために、4パラメーターロジスティック方程式を使用してGraphPadPrismソフトウェアを使用して分析された。用量比(DR)をアンタゴニスト濃度に対してプロットし、シルト分析により、GPR17アンタゴニスト/インバースアゴニスト試験化合物の推定親和性pA2が得られた。
【0386】
cAMPアッセイの結果:
cAMPアッセイで試験した場合、実施例の化合物は、通常、6.5以上、好ましくは7.5以上、より好ましくは、8.5以上のpA2の値を示す。試験した実施例の化合物の活性を以下の表に示す。活性範囲A、B、及びCは、cAMPアッセイのpA2値を次のように参照する。「A」:pA26.5≦x<7.5、「B」:pA2 7.5≦x<8.5、「C」:8.5≦pA2。
【0387】
次の表3は、Ca2+及びcAMPアッセイで試験された実施例の化合物のpIC50及びpA2値を示している。pA2又はCa2+アッセイの列の空白は、それぞれの化合物がそれぞれのアッセイでまだテストされていないか、結果がまだ利用できないことを示す。
【0388】
【0389】
B‐IIC:オリゴデンドロサイト成熟/髄鞘形成アッセイ
初代オリゴデンドロサイトの成熟/髄鞘形成に対するGPR17の負のモジュレーターの効果は、成熟オリゴデンドロサイトのマーカーとしてミエリン塩基性タンパク質(MBP)に対する抗体を使用したイムノアッセイによってインビトロで評価できる。
【0390】
MBPウエスタンブロット/オリゴデンドロサイト/髄鞘形成アッセイの説明
増殖培地で3~4日後、ラット初代OPCを12ウェル組織培養プレートに1cm2あたり25,000細胞で播種し、成長因子を含まないNeurobasal培地に切り替えて、自発的なインビトロ分化とGPR17タンパク質発現を誘導した。タンパク質発現の最終分化及び定量分析のために、24~48時間後、成長因子を含まない培地に、0.20ng/mLトリヨードチロニン(T3)及び10ng/mL繊毛神経栄養因子を1μMGPR17アンタゴニスト/インバースアゴニスト試験化合物又はビヒクルとともにさらに3日間補充した。化合物処理後、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、プロテアーゼ阻害剤混合物で補充した氷冷溶解バッファー(25mM Tris、pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、1%Triton X‐100、1%IGEPAL)で溶解した。ライセートを4℃で20分間回転させ、15,000xgで4℃で10分間遠心分離した。タンパク質濃度は、Pierce BCA Protein Assayを製造元の指示に従って使用して決定した。7.5~15μgのタンパク質を10%SDS‐ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、エレクトロブロッティングでニトロセルロースメンブレンに転写した。洗浄後、メンブレンをRoti‐Blockで室温で1時間ブロックし、MBP抗体(1:5000、LifeSpan BioSciences)を含むRoti‐Blockで4℃で一晩インキュベートした。メンブレンを0.1%Tweenを含むPBSで3回洗浄した後、Roti‐Block中の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体とともに室温で1時間インキュベートした。免疫反応性タンパク質は、Amersham Biosciences ECL Prime ウェスタンブロッティング検出試薬を使用した化学発光によって視覚化され、Gelscanソフトウェアを使用したデンシトメトリーによって定量化された。ローディングとタンパク質の移動が等しくなるように正規化するために、メンブレンをβ‐アクチンに対する抗体(1:2500、BioLegend;二次抗体ヤギ抗ウサギIgG抗体HRP(ABIN))で再プローブした。試験化合物の存在下でのMBP発現レベルの変化を、対照条件でのMBP発現と比較した。
【0391】
MBPファイバープレート/オリゴデンドロサイト成熟/髄鞘形成アッセイの説明
OPCは、Mimetix Aligned 96ウェルファイバープレート(Electrospining company)に1cm2あたり16,000~22,000細胞で播種された。増殖培地で2日及び成長因子を含まないNeurobasal培地で2日、自発的なインビトロ分化とGPR17タンパク質発現を誘導した後、ビヒクル又は1μMアンタゴニスト/インバースアゴニスト試験化合物を0.20ng/mLトリヨードチロニン及び10ng/mLの繊毛神経栄養因子を補充した最終分化培地に6日間加え、3日後に培地を交換した。次に、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、続いてPBSで洗浄し、PBS中の0.1%Triton X‐100で透過処理し、リン酸緩衝生理食塩水中の10%ヤギ血清及び1%ウシ血清アルブミンでブロッキングした。MBP抗体をブロッキングバッファー(1:2000)で希釈し、37℃で1時間インキュベートした。細胞を再度PBSで洗浄し、マウスIgGに対するCy2標識二次抗体(Millipore、1:500)とともに1時間インキュベートした。PBSで洗浄した後、細胞を0.2μg/mLのDAPIで染色し、再度洗浄してMowiolでマウントした。蛍光画像は、ApoTome Imaging SystemとPlan‐Apochromat20x/0.8対物レンズを備えたZeissAxioObserver.Z1顕微鏡、eGFPフィルター(励起470/40nm、発光525/50nm)及びDAPIフィルター(励起365nm;発光445/50nm)を使用して撮影した。Zeiss ZEN2.3ソフトウェアで処理された同じ設定を使用して、コントロール(0.1%DMSOを含む最終分化培地)及びテスト化合物の少なくとも15のランダム領域を画像化した。有髄繊維の数の変化は、GPR17負のモジュレーターの非存在下又は存在下での繊維長のグループ(0~40μm、41~60μm、61~80、81~100、101~120、及び>120μm)によって報告された。
【国際調査報告】