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特表2022-537116車両用ランプ光学素子及び車両用前照灯
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】車両用ランプ光学素子及び車両用前照灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/24 20180101AFI20220817BHJP
   F21S 41/27 20180101ALI20220817BHJP
   F21S 41/40 20180101ALI20220817BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20220817BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20220817BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20220817BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20220817BHJP
   F21W 102/135 20180101ALN20220817BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S41/27
F21S41/40
F21S45/47
F21V8/00 320
F21V8/00 330
F21V8/00 340
F21V29/503
F21V29/76
F21W102:135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571902
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2020070935
(87)【国際公開番号】W WO2020244229
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】201910488336.X
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920859938.7
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910730411.9
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921372161.8
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518368191
【氏名又は名称】華域視覚科技(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HASCO VISION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】767 Yecheng Road, Jiading District, Shanghai 201821 China
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】祝 賀
(72)【発明者】
【氏名】張 大攀
(72)【発明者】
【氏名】仇 智平
(72)【発明者】
【氏名】桑 文慧
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA27
3K244BA32
3K244BA39
3K244CA02
3K244EA01
3K244EA16
3K244EB02
3K244EB09
3K244EC01
3K244EC05
3K244EC14
3K244EE01
3K244MA02
3K244MA04
3K244MA18
3K244MA29
(57)【要約】
車両用ランプ光学素子及び車両用前照灯である。車両用ランプ光学素子は順に接続されかつ車両用ランプ光学素子に一体成形された入光部(11)、通光部(12)及び出光部(13)を含み、入光部(11)は光源の光線を通光部(12)に集光させるように配置され、通光部(12)の縦断面の面積は光軸方向に沿って徐々に増加し、出光部(13)は入光部(11)から離れる方向に向かって凸設されかつ通光部(12)を介して出射した光線を屈折することができるように配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続されかつ一体成形された入光部(11)、通光部(12)及び出光部(13)を含み、
前記入光部(11)は光源(21)の光線を前記通光部(12)に集光させるように配置され、
前記通光部(12)の縦断面の面積は光軸方向に沿って徐々に増加し、
前記出光部(13)は前記入光部(11)から離れる方向に向かって凸設され、かつ前記通光部(12)を介して出射した光線を屈折するように配置され、そのうち、前記通光部(12)の縦断面は前記光軸に垂直な面である、
車両用ランプ光学素子。
【請求項2】
前記入光部(11)は前記光通過部(12)から離れる方向に向かって凸設される、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項3】
前記入光部(11)は入光面(111)を有し、前記入光面(111)は前記通光部(12)から離れる方向に向かって凸設された弧状面である、
請求項2に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項4】
前記入光部(11)は集光カップを含み、前記集光カップの前記通光部(12)に当て付けられた一面は平面であり、又は、前記集光カップの前記通光部(12)から離れる一面には凹溝が設けられており、かつ前記凹溝内には前記通光部(12)から離れる方向に向かって設けられた凸起が設けられている、
請求項2に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項5】
前記入光部(11)の個数は少なくとも2つであり、かつ前記少なくとも2つの入光部(11)が隊列に並び、各前記入光部(11)が1つの前記光源(21)に真っ直ぐに対向するように設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項6】
前記通光部(12)の縦断面は矩形であり、かつ前記通光部(12)の前記入光部(11)及び前記出光部(13)と繋がっている端面以外の4つの側面がいずれも斜面である、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項7】
前記出光部(13)は第1出光部(131)及び第2出光部(132)を含み、前記第1出光部(131)は一端面が前記通光部(12)に接続され、他端面が前記第2出光部(132)に接続され、前記第1出光部(131)の他端面が出光面としてかつ平面であり、前記第2出光部(132)の前記第1出光部(131)から離れる端面が出光面としてかつ曲面である、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項8】
前記第1出光部(131)の2つの端面以外の4つの側面がいずれも斜面であり、前記第1出光部(131)の前記光軸に垂直な縦断面が矩形であり、かつ前記第1出光部(131)の縦断面の面積が前記光軸方向に沿って徐々に減少する、
請求項7に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項9】
前記第2出光部(132)の上側面及び下側面はいずれも斜面であり、かつ前記第1出光部(131)の上側面の傾斜角度は前記第2出光部(132)の上側面の傾斜角度と同じであり、前記第1出光部(131)の下側面の傾斜角度は前記第2出光部(132)の下側面の傾斜角度と同じである、
請求項8に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項10】
前記第1出光部(131)の任意の縦断面の幅は前記縦断面の高さよりも大きい、
請求項7、8又は9に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項11】
前記通光部(12)の上部又は下部には傾斜溝(121)が設けられており、前記傾斜溝(121)は前記入光部(11)に近い傾斜面(1211)と前記出光部(13)に近い垂直面(1212)を含み、前記傾斜面(1211)と前記垂直面(1212)との交線の形状は灯火カットオフラインの形状と一致し、前記傾斜面(1211)は前記光軸方向に沿って前記通光部(12)の下部又は上部に近い方向に傾斜することで、前記傾斜面(1211)に入射した光線を全反射させる、
請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項12】
前記通光部(12)の前記出光部(13)と繋がる縦断面の高さは前記出光部(13)の前記通光部(12)と繋がる縦断面の高さよりも小さく、前記通光部(12)の上面又は下面には全反射面(1221)が設けられており、前記全反射面(1221)と前記出光部(13)における前記通光部(12)より突出した垂直壁面とが段部(122)を形成し、かつ前記全反射面(1221)と前記垂直壁面との交線の形状は灯火カットラインの形状と一致し、前記全反射面(1221)は前記全反射面(1221)に入射した光線を全反射させるように配置されている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子(1)を含み、
回路基板(2)及び放熱器(3)をさらに含み、
前記車両用ランプ光学素子(1)は前記回路基板(2)の一方側に設けられ、前記放熱器(3)は前記回路基板(2)の他方側に取り付けられ、前記回路基板(2)には光源(21)が設けられており、前記光源(21)は前記入光部(11)に真っ直ぐに対向して設けられている、
車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は車両用前照灯技術の分野に関し、例えば、車両用ランプ光学素子及び車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ランプ光学素子は車両用ランプ照明モジュールの重要な構成部分であり、関連技術の車両用ランプ光学素子は一般的に一次光学素子及び二次光学素子を含み、両者は車両の前後方向に間隔を隔てて設けられて各々のブラケットによりそれぞれ放熱器に固定して取り付けられるが、このような車両用ランプ光学素子は、取り付ける時に取付誤差が2回生じ、車両用ランプ光学素子の全体の取付精度に影響を与え、それにより車両用ランプ光形状にも影響を与える。
【0003】
関連技術の車両用ランプ光学素子は光線の利用率を向上させるために、一次光学素子の前後方向における長さが比較的長く、二次光学素子が一次光学素子と協働して配光しようとするため、そのサイズもとても大きく、必要な光形状を形成するために、両者の前後方向における距離が比較的大きいことで、車両用ランプ照明モジュールの前後方向におけるサイズも非常に大きく、それに応じてその体積も非常に大きい。
【0004】
関連技術の技術案は、少なくとも2つの光学素子が設けられているため、ランプ照明モジュールの取り付けが比較的複雑で、理想的な車両用ランプ光形状を得るように各部品の間の位置精度、特に2つの光学素子の間の相対位置精度を保証する必要がある。一次光学素子と二次光学素子を位置決めして取り付けるために、各々の取付ブラケット等の部品をさらに設ける必要があるため、車両用ランプ照明モジュールの構造が比較的複雑になる。
【0005】
関連技術の車両用ランプ光学素子の光学システムの精度の低さは、一方で一次光学素子及び二次光学素子自体の部品の製造精度の影響を受け、他方で両者と光源との相対位置精度の影響を受けることで、車両用ランプ光学素子の光学システムの精度が保証されにくい。
【0006】
従来の車両用ランプ光学素子は、その光学システムの精度を向上させるために、一次光学素子及び二次光学素子の製造精度を高く、位置決めを精確に、取付精度を高く保証する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に基づいて、本願は、構造が簡単で体積が小さく、取り付けやすいとともに、光学システムの精度を大幅に向上させることができる車両用ランプ光学素子及び車両用前照灯を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
順に接続されかつ一体成形された入光部、通光部及び出光部を含み、前記入光部は光源の光線を前記通光部に集光させるように配置され、前記通光部の縦断面の面積は光軸方向に沿って徐々に増加し、前記出光部は前記入光部から離れる方向に向かって凸設され、かつ前記通光部を介して出射した光線を屈折するように配置され、そのうち、前記通光部の縦断面は前記光軸に垂直な面である車両用ランプ光学素子である。
【0009】
前記入光部は、前記通光部から離れる方向に向かって凸設される。
【0010】
前記入光部には入光面を有し、前記入光面は前記通光部から離れる方向に向かって凸設された弧状面である。
【0011】
前記入光面は集光カップを含み、前記集光カップの前記通光部から離れる一面は平面であり、又は、前記集光カップの前記通光部から離れる一面には凹溝が設けられており、かつ前記凹溝内には前記通光部から離れる方向に向かって設けられた凸起が設けられている。
【0012】
前記入光部の個数は少なくとも2つであり、かつ前記少なくとも2つの入光部は行列に並べ、各前記入光部は1つの前記光源に真っ直ぐに対向するように設けられている。
【0013】
前記通光部の縦断面は矩形であり、かつ前記通光部の前記入光部及び前記出光部と繋がっている端面以外の4つの側面はいずれも斜面である。
【0014】
前記出光部は第1出光部及び第2出光部を含み、前記第1出光部は一端面が前記通光部に接続され、他端面が前記第2出光部に接続され、前記第1出光部の他端面は出光面としてかつ平面であり、前記第2出光部の前記第1出光部から離れる端面は出光面としてかつ曲面である。
【0015】
前記第1出光部の2つの端面以外の4つの側面はいずれも斜面であり、前記第1出光部の前記光軸に垂直な縦断面は矩形であり、かつ前記第1出光部の縦断面の面積は前記光軸方向に沿って徐々に減少する。
【0016】
前記第2出光部の上側面及び下側面はいずれも斜面であり、かつ前記第1出光部の上側面の傾斜角度は前記第2出光部の上側面の傾斜角度と同じであり、前記第1出光部の下側面の傾斜角度は前記第2出光部の下側面の傾斜角度と同じである。
【0017】
前記第1出光部の任意の縦断面の幅は、前記縦断面の高さよりも大きい。
【0018】
前記通光部の上部又は下部には傾斜溝が開設され、前記傾斜溝は前記入光部に近い傾斜面と前記出光部に近い垂直面を含み、傾斜面と垂直面との交線の形状は灯火カットオフラインの形状と一致し、前記傾斜面は光軸方向に沿って通光部の下部又は上部に近い方向に傾斜することにより、前記傾斜面に入射した光線を全反射させる。
【0019】
前記通光部の前記出光部と繋がる縦断面の高さは前記出光部の前記通光部と繋がる縦断面の高さよりも小さく、前記通光部の上面又は下面には全反射面が設けられており、前記全反射面と前記出光部における前記通光部より突出した垂直壁面とが段部を形成し、かつ全反射面と垂直壁面との交線の形状は灯火カットラインの形状と同じであり、前記全反射面は前記全反射面に入射した光線を全反射させるように配置されている。
【0020】
上記のいずれか一方案に記載の車両用ランプ光学素子を含み、回路基板及び放熱器をさらに含み、前記車両用ランプ光学素子は前記回路基板の一方側に設けられ、前記放熱器は前記回路基板の他方側に取り付けられ、前記回路基板には光源が設けられており、前記光源は前記入光部に真っ直ぐに対向して設けられる車両用前照灯である。
【発明の効果】
【0021】
本願に係る車両用ランプ光学素子は、関連技術の一次光学素子及び二次光学素子を一体的に設けることにより、1つの光学素子を省き、車両用ランプ光学素子の構造が簡単で体積が小さく、かつ取り付ける時に1回だけ取り付ければよく、2回の取付誤差を避け、車両用ランプ光学素子の全体の取付精度及び光学システムの精度を向上させ、理想的な車両用ランプ光形状が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子の模式図である。
図2】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子の1つの方向における断面図である。
図3】本願の一実施例に係る車両用ランプ光学素子のもう1つの方向における断面図である。
図4】本願の他の実施例に係る車両用ランプ光学素子の模式図である。
図5】本願の他の実施例に係る傾斜溝付きの車両用ランプ光学素子の模式図である。
図6】本願の他の実施例に係る段部付きの車両用ランプ光学素子の模式図である。
図7】本願の一実施例に係る車両用前照灯の模式図である。
図8】本願の一実施例に係る車両用前照灯の断面図である。
【0023】
図面中:
1・・・車両用ランプ光学素子、11・・・入光部、111・・・入光面、12・・・通光部、121・・・傾斜溝、1211・・・傾斜面、1212・・・垂直面、122・・・段部、1221・・・全反射面、13・・・出光部、131・・・第1出光部、132・・・第2出光部、2・・・回路基板、21・・・光源、3・・・放熱器。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の説明では、なお、相反する説明がない場合、使用される「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」、「前」、「後」等方位詞で指示された方位又は位置関係は、本願の車両用ランプ光学素子が車両に取り付けられた上で車両の通常走行状態での方位に応じて指示された方位又は位置関係である。また、用語「第1」、「第2」は、説明の目的のために使用されるものに過ぎず、相対的な重要性を指示するか又は暗示するものではないと理解すべきである。ここで、用語「第1位置」及び「第2位置」は2つの異なる位置である。
【0025】
本願の説明では、なお、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付ける」、「繋がる」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接繋がってもよいし、中間媒体を介して間接的に繋がってもよいし、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、上記用語の本願における具体的な意味は具体的な状況に応じて理解できる。
【0026】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら本願の技術案について詳細に説明する。
【0027】
図1図8に示すように、車両用ランプに用いられる車両用ランプ光学素子1は、順に接続されかつ一体成形された入光部11、通光部12及び出光部13を含み、入光部11は光源21の光線を通光部12に集光させることができるように配置され、通光部12の縦断面の面積は光軸方向に沿って徐々に増加し、出光部13は入光部11から離れる方向に向かって凸設され、かつ通光部12を介して出射した光線を屈折することができるように配置されている。
【0028】
本願では、光軸は出光部13の焦点を経てて車両用ランプ光学素子1の前後方向に沿って延びる軸線であり、光軸方向は光軸に沿って入光部11から出光部13に指向する方向として定義され、縦断面は光軸に垂直な平面として定義される。
【0029】
本実施例の車両用ランプ光学素子1は透明なプラスチック車両用ランプ光学素子であり、該プラスチック車両用ランプ光学素子の材料はポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate、PMMAと略称する)又はポリカーボネート(Polycarbonate、PCと略称する)である。本願の他の実施例において、該車両用ランプ光学素子1はシリカゲル車両用ランプ光学素子又はガラス車両用ランプ光学素子であってもよく、車両用ランプ光学素子1の材料は具体的に実際の需要に応じて選択して設けられる。
【0030】
入光部11は前記通光部12から離れる方向に向かって凸設され、入光部11には入光面111を有し、前記入光面111は前記通光部12から離れる方向に向かって凸設された弧状面である。具体的には、図1図3に示すように、本実施例の入光部11は曲面の入光部であり、それに応じて入光面111は弧状面となり、入光部11の個数は5つであり、5つの入光部11は順に1列に接続され、各入光部11は1つの光源21に真っ直ぐに対向して設けられる。本願の他の実施例において、入光部11の個数は本実施例の5つに限定されず、5つ以外の他の個数であってもよく、入光部11の分布も本実施例の1列に限定されず、少なくとも2つであってもよく、具体的には、実際の必要に応じて設けられる。一実施例において、各入光部11は1つの光源21に真っ直ぐに対向して設けられてもよい。
【0031】
本実施例に係る車両用ランプ光学素子1は、関連技術の一次光学素子及び二次光学素子を一体的に設けることにより、1つの光学素子を省き、構造が簡単で体積が減少し、取り付ける時に、1回だけ取り付ければよく、2回の取付誤差を避けて、車両用ランプ光学素子1の全体の取付精度及び光学システムの精度を向上させ、理想的な車両用ランプ光形状が得られる。
【0032】
本実施例の通光部12の縦断面は矩形であり、該通光部12の入光部11及び出光部13と繋がっている端面以外の4つの側面はいずれも斜面であり、かつ傾斜方向によって通光部12の縦断面の面積が光軸方向に沿って徐々に増加され、これにより、多くの光線が通光部12を介して出光部13に入射し、光線の利用率を向上させて車両用ランプ光形状の要求に適合する。
【0033】
図2に示すように、本実施例の出光部13は第1出光部131及び第2出光部132を含み、第1出光部131の一端面は通光部12に接続され、第1出光部131の他端面は第2出光部132に接続され、第1出光部131の他端面は出光面としてかつ平面であり、第2出光部132の第1出光部131から離れる端面は出光面としてかつ曲面である。第1出光部131の通光部12及び第2出光部132と繋がっている2つの端面以外の4つの側面はいずれも斜面であり、第1出光部131の縦断面が矩形であり、かつ斜面の傾斜方向によって第1出光部131の縦断面の面積が光軸方向に沿って徐々に減少され、これにより、第1出光部の側面に入射した光線を光軸に近い方向に集光させて、車両用ランプ光形状の要求に適合する。第2出光部132の出光面は、入光面111から離れる方向に向かって凸設された曲面部であり、かつ通光部12から出射された光線を屈折するように配置されている。実際の需要を満たすために、第1出光部131の任意の縦断面の幅は前記縦断面の高さよりも大きく、そのうち、第1出光部131の縦断面の幅は即ち矩形の長さとなり、第1出光部131の縦断面の高さは即ち矩形の幅となり、これにより、該第1出光部131が細長形状の外観造形として構成されて小型車両用ランプモジュール及び小口径レンズ出光面の市場需要を満たし、矩形の縦断面の長さと幅との比が2.5となる。他の実施例において、矩形の長さと幅との比は本実施例の2.5以外の、かつ1より大きい任意の数値であってもよく、具体的には実際の需要に応じて設けられる。
【0034】
図4に示すように、本願の他の実施例に係る車両用ランプに用いられる車両用ランプ光学素子であって、そのうち、入光部11は集光カップであってもよく、集光カップの通光部12から離れる一面には凹溝が設けられており、かつ凹溝内には通光部12から離れる方向に向かって設けられた凸起が設けられており、それにより光線をよりよく集光させる。このような集光カップの集光効果は比較的良好であるが、このような集光カップは、構造が複雑で加工難度が高いため、よくは応用されていない。他の実施例において、該集光カップの通光部12から離れる一面は平面状であってもよく、平面の入光面111で光源21の光線を受光して通光部12に集光させる。
【0035】
該車両用ランプ光学素子1にロービーム又は補助ロービームを形成させるために、図5に示すように、通光部12の下部には傾斜溝121が設けられており、傾斜溝121が光軸方向に沿って設けられる。具体的には、該傾斜溝121は尖った溝であり、傾斜溝121の壁面は入光部11に近い傾斜面1211と出光部13に近い垂直面1212を含み、傾斜面1211は光軸方向に沿って通光部12の上部に近い方向に傾斜し、傾斜面1211は全反射面であり、かつ傾斜面1211に入射した光線を全反射させるように配置されている。このような傾斜面1211と垂直面1212で囲まれた傾斜溝121は、加工プロセスが簡単である。傾斜面1211と垂直面1212との交線の形状はロービームカットオフラインの形状と一致し、これにより、通光部12に入射した光線は該交線でカットされた後に出光部13によって出射されて、ロービームカットオフラインを形成する。他の実施例において、傾斜溝121の出光部13に近い壁面を傾斜面に設計してもよく、具体的な構造は実際の必要に応じて設けられる。
【0036】
該車両用ランプ光学素子1にハイビーム又は補助ハイビームを形成させるために、傾斜溝121は通光部12の上部に設けられてもよく、傾斜溝121が光軸方向に沿って設けられる。具体的には、該傾斜溝121は尖った溝であり、傾斜溝121の壁面は入光部11に近い傾斜面1211と出光部13に近い垂直面1212を含み、傾斜面1211は光軸方向に沿って通光部12の下部に近い方向に傾斜し、傾斜面1211は傾斜面1211に入射した光線を全反射させるように配置されている。同様に、傾斜面1211と垂直面1212との交線の形状はハイビームカットオフラインの形状と一致し、これにより、通光部12に入射した光線は該交線でカットされた後に出光部13によって出射されて、ハイビームカットオフラインを形成する。無論、車両用ランプ光学素子1自体はハイビーム又は補助ハイビームを形成することができるため、ハイビームカットオフラインが設けられなくてもよく、つまり、通光部12の上部の傾斜溝121が設けられなくてもよい。
【0037】
他の具体的な実施例では、通光部12の前記出光部13との接続部の縦断面の高さは、出光部13の通光部12との接続部の縦断面の高さよりも小さく、つまり、通光部12の上面又は下面には全反射面1221が設けられており、図6に示すように、全反射面1221が通光部12の上面に設けられると、該車両用ランプ光学素子1はハイビーム又は補助ハイビームを形成し、全反射面1221が通光部12の下面に設けられると、該車両用ランプ光学素子1はロービーム又は補助ロービームを形成する。全反射面1221と出光部13における通光部12より突出した壁面とが段部122を形成し、かつ両者の交線の形状はカットオフラインの形状と一致し、全反射面1221は全反射面1221に入射した光線を全反射させるように配置されている。
【0038】
上記カットオフラインは車両用ランプに関する法規で定義された明暗のカットオフラインであり、『GB 4599-2007-自動車用白熱電球ヘッドライト』によって、カットオフラインは光束を配光スクリーンに投射し、目視で感じた明暗が顕著に変化した境界線であると定義されている。前記交線の形状は、明暗のカットオフラインの違いによって異なる設定を行うことができる。車両用ランプ光学素子1に増設された傾斜溝121又は段部122は、関連技術の車両用ランプ光学素子1と独立して設けられた遮光板に代わることができ、関連技術に比べて、本願の車両用ランプ光学素子1の構造のほうが簡単である。
【0039】
本実施例は、車両用前照灯をさらに提供し、図7及び図8に示すように、該車両用ランプは本実施例に記載の車両用ランプ光学素子1、回路基板2及び放熱器3を含み、車両用ランプ光学素子1は取付フレーム(図示せず)により回路基板2の一方側に取り付けられ、放熱器3は回路基板2の他方側に取り付けられ、放熱器3は回路基板2が生成した熱を放散するために使用され、回路基板2には光源21が設けられており、光源21は入光面111に真っ直ぐに対向して設けられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続されかつ一体成形された入光部(11)、通光部(12)及び出光部(13)を含み、
前記入光部(11)は光源(21)の光線を前記通光部(12)に集光させるように配置され、
前記通光部(12)の縦断面の面積は光軸方向に沿って徐々に増加し、
前記出光部(13)は前記入光部(11)から離れる方向に向かって凸設され、かつ前記通光部(12)を介して出射した光線を屈折するように配置され、そのうち、前記通光部(12)の縦断面は前記光軸に垂直な面である、
車両用ランプ光学素子。
【請求項2】
前記入光部(11)は前記光通過部(12)から離れる方向に向かって凸設される、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項3】
前記入光部(11)は入光面(111)を有し、前記入光面(111)は前記通光部(12)から離れる方向に向かって凸設された弧状面である、
請求項2に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項4】
前記入光部(11)は集光カップを含み、前記集光カップの前記通光部(12)から離れる一面は平面であり、又は、前記集光カップの前記通光部(12)から離れる一面には凹溝が設けられており、かつ前記凹溝内には前記通光部(12)から離れる方向に向かって設けられた凸起が設けられている、
請求項2に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項5】
前記入光部(11)の個数は少なくとも2つであり、かつ前記少なくとも2つの入光部(11)が隊列に並び、各前記入光部(11)が1つの前記光源(21)に真っ直ぐに対向するように設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項6】
前記通光部(12)の縦断面は矩形であり、かつ前記通光部(12)の前記入光部(11)及び前記出光部(13)と繋がっている端面以外の4つの側面がいずれも斜面である、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項7】
前記出光部(13)は第1出光部(131)及び第2出光部(132)を含み、前記第1出光部(131)は一端面が前記通光部(12)に接続され、他端面が前記第2出光部(132)に接続され、前記第1出光部(131)の他端面が出光面としてかつ平面であり、前記第2出光部(132)の前記第1出光部(131)から離れる端面が出光面としてかつ曲面である、
請求項1に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項8】
前記第1出光部(131)の2つの端面以外の4つの側面がいずれも斜面であり、前記第1出光部(131)の前記光軸に垂直な縦断面が矩形であり、かつ前記第1出光部(131)の縦断面の面積が前記光軸方向に沿って徐々に減少する、
請求項7に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項9】
前記第2出光部(132)の上側面及び下側面はいずれも斜面であり、かつ前記第1出光部(131)の上側面の傾斜角度は前記第2出光部(132)の上側面の傾斜角度と同じであり、前記第1出光部(131)の下側面の傾斜角度は前記第2出光部(132)の下側面の傾斜角度と同じである、
請求項8に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項10】
前記第1出光部(131)の任意の縦断面の幅は前記縦断面の高さよりも大きい、
請求項7、8又は9に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項11】
前記通光部(12)の上部又は下部には傾斜溝(121)が設けられており、前記傾斜溝(121)は前記入光部(11)に近い傾斜面(1211)と前記出光部(13)に近い垂直面(1212)を含み、前記傾斜面(1211)と前記垂直面(1212)との交線の形状は灯火カットオフラインの形状と一致し、前記傾斜面(1211)は前記光軸方向に沿って前記通光部(12)の下部又は上部に近い方向に傾斜することで、前記傾斜面(1211)に入射した光線を全反射させる、
請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項12】
前記通光部(12)の前記出光部(13)と繋がる縦断面の高さは前記出光部(13)の前記通光部(12)と繋がる縦断面の高さよりも小さく、前記通光部(12)の上面又は下面には全反射面(1221)が設けられており、前記全反射面(1221)と前記出光部(13)における前記通光部(12)より突出した垂直壁面とが段部(122)を形成し、かつ前記全反射面(1221)と前記垂直壁面との交線の形状は灯火カットラインの形状と一致し、前記全反射面(1221)は前記全反射面(1221)に入射した光線を全反射させるように配置されている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の車両用ランプ光学素子(1)を含み、
回路基板(2)及び放熱器(3)をさらに含み、
前記車両用ランプ光学素子(1)は前記回路基板(2)の一方側に設けられ、前記放熱器(3)は前記回路基板(2)の他方側に取り付けられ、前記回路基板(2)には光源(21)が設けられており、前記光源(21)は前記入光部(11)に真っ直ぐに対向して設けられている、
車両用前照灯。
【国際調査報告】