(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリング
(51)【国際特許分類】
H01L 29/06 20060101AFI20220817BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220817BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220817BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20220817BHJP
H01L 21/329 20060101ALI20220817BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20220817BHJP
H01L 21/337 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H01L29/06 301F
H01L29/78 301D
H01L29/78 301W
H01L27/06 102A
H01L29/91 D
H01L29/91 E
H01L29/90 S
H01L29/80 E
H01L29/80 C
H01L29/80 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572927
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2019037962
(87)【国際公開番号】W WO2020256719
(87)【国際公開日】2020-12-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【復代理人】
【識別番号】100125818
【氏名又は名称】立原 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100100181
【氏名又は名称】阿部 正博
(72)【発明者】
【氏名】ヤン クオ‐チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージェスク ソリン
【テーマコード(参考)】
5F048
5F102
5F140
【Fターム(参考)】
5F048AA05
5F048AC10
5F048BB05
5F048BC03
5F048BC05
5F102FA06
5F102GA14
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD04
5F102GS09
5F140AA25
5F140AB06
5F140AC21
5F140BF04
5F140BH02
5F140BH14
5F140BH30
5F140BH43
5F140BH45
5F140BH47
5F140CD09
(57)【要約】
電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングが本明細書において提示される。多結晶シリコンガードリングが、電力デバイスドリフト領域の上方に位置し、動作電圧に関連した電界を広げるために、電力デバイス領域(例えばデバイス拡散)に電気的に結合されている。更に、PN接合(すなわちp型およびn型接合部)が、電力デバイス領域(例えばデバイス拡散)間の少ない漏れ電流に伴って逆バイアスにより動作するように、多結晶シリコンガードリング内に形成されている。少ない漏れ電流は、既存の(すなわち通常の)電力デバイス性能に有害な影響を与えずに電界の広がりを有益に改善し得、大きくされた電界の広がりは、ひいては絶縁破壊電圧ドリフトを小さくし得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、前記半導体デバイスが、
第1のデバイス領域と、
第2のデバイス領域と、
前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間のドリフト領域と、
ガードリングパターンを含む少なくとも1つのガードリングであって、前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間に電気的に結合された少なくとも1つのダイオードを更に備える前記少なくとも1つのガードリングと、
前記ガードリングパターンに沿った溝パターンを備える少なくとも1つの浅溝分離(STI)溝と、
を備え、
前記半導体デバイスが、前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間の電圧を受信するように構成されており、
前記少なくとも1つのダイオードが、前記電圧に応答して漏れ電流を提供するように構成されており、
前記少なくとも1つのガードリングが、前記電圧に応答して前記ドリフト領域内の電界をサポートするように構成されている、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記半導体デバイスが、横拡散型金属-酸化物電界効果トランジスタ(LDMOS)を備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記半導体デバイスが、接合型電界効果トランジスタ(JFET)を備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガードリングが、多結晶シリコンを含む、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのダイオードが、電気的に直列結合された複数のダイオードを備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのダイオードが、p型・真性・n型(PIN)ダイオードである、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガードリングが、フィールド酸化物上に位置する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのダイオードが、
前記電圧に応答して逆バイアスに伴って動作するように構成された第1のダイオードと、
第2のダイオードと、
を備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第2のダイオードが、前記電圧に応答して逆バイアスに伴って動作するように構成された、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第2のダイオードが、前記電圧に応答して順バイアスに伴って動作するように構成された、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1のデバイス領域が、第1の極性タイプをもつドレイン領域である、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第1の極性タイプが、n型である、
請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記第2のデバイス領域が、前記第1の極性タイプの逆である第2の極性タイプをもつボディ領域である、
請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記第2の極性タイプが、p型である、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのガードリングが、第1のガードリングを備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのSTI溝が、第1のSTI溝を備え、
前記第1のガードリングが、前記第1のSTI溝の酸化物上に位置する、
請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つのガードリングが、第2のガードリングを備え、
前記少なくとも1つのSTI溝が、第2のSTI溝を備え、
前記第2のガードリングが、前記第2のSTI溝の酸化物上に位置する、
請求項16に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記第2のSTI溝が、酸化物密度(OD)層臨界寸法ぶん前記第1のSTI溝から離れた、
請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
ドリフト領域により分離された第1のデバイス領域および第2のデバイス領域と、
前記ドリフト領域の上方に位置した複数のガードリングであって、前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間にガードリングパターンを形成するように電気的に直列結合された前記複数のガードリングと、
前記ガードリングパターンに沿った浅溝分離(STI)パターンと、
を備え、
前記複数のガードリングのうちの少なくとも1つが、複数のダイオードを備え、
前記複数のガードリングが、前記ドリフト領域において電界を広げるように構成されている、
電力半導体デバイス。
【請求項20】
前記複数のガードリングが、前記第1のデバイス領域を囲んでおり、前記第2のデバイス領域が、前記複数のガードリングを囲んでいる、
請求項19に記載の電力半導体デバイス。
【請求項21】
前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間の電圧が、300ボルトより大きい、
請求項19に記載の電力半導体デバイス。
【請求項22】
前記第1のデバイス領域が、n型であり、
前記第2のデバイス領域が、p型であり、
前記ドリフト領域が、n型である、
請求項19に記載の電力半導体デバイス。
【請求項23】
前記電力半導体デバイスが、横拡散型金属-酸化物電界効果トランジスタ(LDMOS)である、
請求項19に記載の電力半導体デバイス。
【請求項24】
前記電力半導体デバイスが、接合型電界効果トランジスタ(JFET)である、
請求項19に記載の電力半導体デバイス。
【請求項25】
前記複数のダイオードが、前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域との間において直列ダイオードアレイを形成している、
請求項19に記載の電力半導体デバイス。
【請求項26】
前記複数のダイオードが、少なくとも1つのp型・真性・n型(PIN)ダイオードを備える、
請求項25に記載の電力半導体デバイス。
【請求項27】
前記直列ダイオードアレイが、漏れ電流を提供するように構成されている、
請求項25に記載の電力半導体デバイス。
【請求項28】
前記直列ダイオードアレイが、電圧により逆バイアスされるように構成されている、
請求項25に記載の電力半導体デバイス。
【請求項29】
前記直列ダイオードアレイが、電圧により逆バイアスされるように構成された第1のダイオードを備える、
請求項25に記載の電力半導体デバイス。
【請求項30】
前記直列ダイオードアレイが、電圧により順バイアスされるように構成された第2のダイオードを備える、
請求項29に記載の電力半導体デバイス。
【請求項31】
前記複数のガードリングが、
少なくとも1つの直線セグメントと、
少なくとも1つの曲線セグメントと、
を備える、
請求項25に記載の電力半導体デバイス。
【請求項32】
前記複数のダイオードが、前記少なくとも1つの直線セグメント内に拡散された少なくとも1つのダイオードを備える、
請求項31に記載の電力半導体デバイス。
【請求項33】
前記複数のダイオードが、前記少なくとも1つの曲線セグメント内に拡散された少なくとも1つのダイオードを備える、
請求項31に記載の電力半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力電界効果トランジスタにおける絶縁破壊電圧を改善するためのガードリングに関し、より具体的には多結晶シリコンガードリングに関する。
【背景技術】
【0002】
電力電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)は、オフ状態において高電圧に耐えるように、および、オン状態において大電流を提供するようにゲーティングされ得る。電力FETはその絶縁破壊(すなわちブロッキング)電圧により、およびそのオン抵抗により特徴付けられ得、電力FETを特徴付けるために通常使用される性能指数はオン抵抗率である。オン抵抗率はオン抵抗にデバイス面積を乗じたものを表し、所望のオン抵抗値を実現するためにどの程度の半導体面積が必要とされ得るかの尺度を提供する。理想的には、電力デバイスは低いオン抵抗率および高い絶縁破壊電圧をもつように設計される。
【0003】
電力FETのうちの1つのタイプは、ドレインからソースまでの横方向の電流の流れのために設計された横拡散型金属-酸化物電界効果トランジスタ(LDMOS:lateral diffused metal oxide field effect transistor)である。横方向の電流の流れは、酸化物と半導体との間の表面界面における、または表面界面付近におけるチャネル領域の制御を介してゲーティングされ得、ドリフト領域がオフ状態における高電圧をサポートする(すなわち耐える)ために使用され得る。ブロッキング電圧(すなわち絶縁破壊電圧)は多くの場合、ドリフト領域長を延ばすことにより、およびドーピング濃度プロファイルを調整することにより改善され得る。例えば、ドーピング濃度は、低減表面場(RESURF:reduced surface field)技術に従って調節され得る。
【0004】
別の種類の電力FETは、接合型電界効果トランジスタ(JFET:junction field effect transistor)である。電流の流れは、また、ドレインからソースまで横方向に流れ得るが、LDMOSの場合と異なり、電流は逆の材料タイプ(例えばp型およびn型)の逆バイアスされた拡散接合によりゲーティングされ得る。
【0005】
電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングの非限定的かつ非網羅的な実施形態が以下の図を参照しながら説明されており、異なる図の中の同様の参照符号は別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】
図1Aは、一実施形態による、ガードリングを含む単純なデバイス構造物の平面図を示す。
【
図1B】
図1Bは、別の実施形態による、ガードリングを含む単純なデバイス構造物の平面図を示す。
【
図1C】
図1Cは、一実施形態による、単純なデバイス構造物における断面切断線を示す平面図を示す。
【
図2A】
図2Aは、第1の実施形態による、ガードリングセグメントの平面図を示す。
【
図2C】
図2Cは、第2の実施形態による、ガードリングセグメントの平面図を示す。
【
図2E】
図2Eは、第3の実施形態による、ガードリングセグメントの平面図を示す。
【
図2G】
図2Gは、第4の実施形態による、ガードリングセグメントの平面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、一実施形態による、単純なデバイス構造物の簡略化された平面概略図を示す。
【
図3B】
図3Bは、別の実施形態による、単純なデバイス構造物の簡略化された平面概略図を示す。
【
図3C】
図3Cは、別の実施形態による、単純なデバイス構造物の簡略化された平面概略図を示す。
【
図4C】
図4Cは、デバイスの一実施形態に対応した概略図を示す。
【
図4D】
図4Dは、デバイスの別の実施形態に対応した概略図を示す。
【
図5C】
図5Cは、デバイスの一実施形態に対応した概略図を示す。
【
図5D】
図5Dは、デバイスの別の実施形態に対応した概略図を示す。
【
図6A】
図6Aは、一実施形態による、デバイス領域間のガードリング経路をルーティングするための簡略化されたレイアウトを示す。
【
図6B】
図6Bは、一実施形態による、ダイオードアレイの簡略化されたレイアウトの拡大図を示す。
【
図6C】
図6Cは、別の実施形態による、ダイオードアレイの簡略化されたレイアウトの拡大図を示す。
【
図6D】
図6Dは、一実施形態による、接続領域の簡略化されたレイアウトの拡大図を示す。
【
図7】
図7は、一実施形態による、ダイオードとともにガードリングを配置する方法を示す。
【
図8】
図8は、一実施形態による、拡散ダイオードを伴うガードリングを配置する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれるとは限らないことを理解する。例えば、図中の要素および層のうちの幾つかの寸法は、本明細書における教示の様々な実施形態をより理解しやすくするために他の要素より誇張される場合がある。更に、市販に適した実施形態において有用なまたは必要な、一般的だが良く理解される要素、層、および/または工程ステップは、多くの場合、電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングのこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように図示されていない。
【0008】
以下の説明では、電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングの十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細事項が記載される。しかし、本明細書における教示を実施するために特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが当業者に明らかである。他の例において、本開示を不明瞭にしないために、よく知られた材料または方法は詳細には説明されていない。
【0009】
本明細書中での、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例と関連して説明される特定の特徴、構造物、方法、処理、および/または特徴が、電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」といった表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造物、方法、工程、および/または特徴が、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてもよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれるとは限らないことが理解される。
【0010】
本出願の文脈において、トランジスタが「オフ状態」または「オフ」であるとき、トランジスタは電流を遮断する、および/または実質的に電流を流さない。逆に、トランジスタが「オン状態」または「オン」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流すことができる。例示として、トランジスタは、第1の端子であるドレインと第2の端子であるソースとの間において高電圧がサポートされるNチャネル金属-酸化物-半導体(NMOS:N-channel metal-oxide-semiconductor)電界効果トランジスタ(FET)を備え得る。
【0011】
更に、本明細書にわたって幾つかの専門用語が使用される。これらの用語は、本明細書で特に規定されない限り、または、それらの使用される文脈がそうではないと明示的に示唆しない限り、それらが属する技術分野におけるそれらの通常の意味をもつ。例えば、当業者は、シート抵抗(すなわち、シートロー)を認識し、抵抗率と区別し得る。更に、元素名および元素記号(例えばSi対シリコン)が本明細書を通して相互に置き換えて使用され得るが、両方が同じ意味をもつことに留意されなければならない。
【0012】
現代の電力デバイスの分野における研究は、絶縁破壊電圧を改善すること、オン抵抗率を小さくすること、および、製造コストを下げることに向けられている。この試みにおいて、デバイスの研究者は、標準的な(すなわち低コストの)相補型金属-酸化物-半導体(CMOS:complementary metal oxide semiconductor)工程により形成された電力FETを製造するための、および電力FETの特徴を改善するための手法を探している。
【0013】
上述のように、電流は、ドリフト領域を通って、LDMOSおよび/またはJFETを包含する電力FETにおいて横方向に流れ得る。オン抵抗率と絶縁破壊電圧との両方が、ドリフト領域の特性に少なくとも部分的に依存し得、例えば、絶縁破壊電圧とオン抵抗率との両方が、ドリフト領域長の関数として上昇し得る。
【0014】
更に上述のように、理想的には電力デバイスは、低いオン抵抗率および高い絶縁破壊電圧をもつように設計される。したがって、単にドリフト領域長を延ばすことは理想を実現しないものであり得、例えばRESURFといった電荷共有技術が、ピーク電界を更に小さくするために使用され得る。
【0015】
しかし、高電圧JFETおよび/または高電圧LDMOSの設計は、RESURF技術の使用を伴っても、課題に直面させられる。例えば、RESURF技術を使用した標準的なCMOS工程では、700ボルト以上の絶縁破壊電圧は、少なくとも60マイクロメートルの最小ドリフト領域長を必要とし得る。
【0016】
残念ながら、ドリフト領域の上方の表面は、移動するおよび/または固定の電荷にさらされ得、長い(例えば60マイクロメートルより大きい)ドリフト領域長をもつデバイスは、信頼性の問題に直面し得る。例えば、幾つかの用途では、パッケージング工程中に使用されるモールド成形コンパウンドが、移動するおよび/または固定の表面電荷を導入し得る。代替的に、および追加的に、浅溝分離(STI:shallow trench isolation)CMOS工程では、層間誘電体(ILD:inter-layer dielectric)層が、移動するおよび/または固定の表面電荷を更に導入し得る。
【0017】
移動するおよび/または固定の電荷は、長期高温逆バイアス(HTRB:high temperature reverse bias)信頼性検査後に、または温度湿度バイアス検査(THBT:temperature humidity bias testing)後に所望の定格より悪く絶縁破壊電圧がドリフトする(すなわち変化する)ことをもたらし得る。絶縁破壊電圧のこのような変化は望ましくない。したがって、ドリフト領域の表面における、移動するおよび/または固定の電荷の有害な効果を軽減する電力デバイス構造物が必要とされる。更に、更なる工程の複雑さをもたらさずに、および既存の電力デバイス性能に影響を与えることなく、既存の電力デバイス構造物において絶縁破壊電圧ドリフトを軽減する電力デバイス構造物が必要とされる。
【0018】
電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングが本明細書において提示される。多結晶シリコンガードリングは、動作電圧に関連した電界を広げるために、電力デバイスドリフト領域の上方に位置し、および、電力デバイス領域(例えば拡散)に電気的に結合されている。更に、PN接合(すなわちp型およびn型接合部)が、(例えば拡散などの)電力デバイス領域間の少ない漏れ電流を伴って逆バイアスにより動作するように、多結晶シリコンガードリング内に形成される。少ない漏れ電流は、既存の(すなわち通常の)電力デバイス性能に有害な影響を与えずに、電界の広がりを有益に大きくし得、大きくされた電界の広がりは、ひいては絶縁破壊電圧ドリフトを小さくし得る。
【0019】
図1Aは、一実施形態によるガードリング110、112を含む単純なデバイス構造物100の平面図を示す。単純なデバイス構造物100はデバイス領域101、デバイス領域102、および相互接続セグメント107a~cを含む。
図1Dおよび
図1Eに関連して以下で更に示されるように、デバイス領域101、102は、拡散されたおよび/または埋め込まれた領域であり得る。更に、ガードリング110、112は、薄膜ガードリングであり得る。例えば、ガードリング110、112は、多結晶シリコンガードリングであり得る。
【0020】
図示されているように、相互接続セグメント107aは、オーミック接点108aを使用してデバイス領域101に電気的に接続し得、オーミック接点109aを使用してガードリング110に電気的に接続し得る。この手法により、デバイス領域101は、相互接続セグメント107aによりガードリング110に電気的に結合され得る。同様に、相互接続セグメント107bは、オーミック接点108bを使用してガードリング110に電気的に接続し得、オーミック接点109bを使用してガードリング112に電気的に接続し得、したがって、ガードリング110と112とが相互接続セグメント107bにより電気的に結合されるようになっている。更に、相互接続セグメント107cは、オーミック接点108cを使用してガードリング112に電気的に接続し得、オーミック接点109cを使用してデバイス領域102に電気的に接続し得、この手法により、デバイス領域102は、相互接続セグメント107cを使用してガードリング112に電気的に結合され得る。
【0021】
更に示されるように、ガードリング110はN型領域105a~dとP型領域106a~dとを含み、ガードリング112はN型領域105e~jとP型領域106e~jとを含む。幾つかの実施形態において、N型領域105a~jとP型領域106a~jとは埋め込まれ得る。例えば、CMOS工程中に、N型領域105a~jとP型領域106a~jとが、CMOSトランジスタの形成に関連したマスキングおよび埋め込みステップを使用して、同時に形成され得る。
【0022】
更に、N型領域105a~jとP型領域106a~jは、ガードリング110、112内に電位障壁(例えばPN接合)を形成するように位置し得る。例えば、
図1Fに関連して以下で更に説明されるように、N型領域105a~jがカソードとして電気的に機能するように構成され得るのに対し、P型領域106a~jはアノードとして電気的に機能するように位置し得る。この手法によりN型領域105a~jとP型領域106a~jとが、ガードリング110、112の場の広がりプロファイルを改善しながら、ガードリング110、112内における電流の流れを有益に遮断し(すなわち制限し)得る。
【0023】
単純なデバイス構造物100は2つのガードリング110、112、10個のN型領域105a~j、および10個のP型領域106a~jを示しているが、より多いまたはより少ないガードリング、および、より多いまたはより少ないN型領域および/またはP型領域を含むデバイス構造物も可能である。更に、オーミック接点108a~c、109a~cを各々が含む3個の相互接続セグメント107a~cを使用して、デバイス領域101、102およびガードリング110、112が電気的に結合されていることを、単純なデバイス構造物100は示しているが、他の相互接続層および/または結合アプローチも可能である。例えば、相互接続セグメント107a、107cが第1の金属層上に形成され得るとともに、相互接続セグメントは、オーミック接点108b、109bを不要とするために、ガードリング110、112と同じ材料(例えば多結晶シリコン)を使用して形成され得る。
【0024】
図1Bは、別の実施形態によるガードリング110、112を含む単純なデバイス構造物113の平面図を示す。ガードリング110、112が更なるN型領域115a~eおよびP型領域116a~eを含むことを除いて、単純なデバイス構造物113はデバイス構造物100と同様である。更に、
図1Gに関連して示されるように、P型領域106a~jおよびN型領域105a~jにより形成されたPN接合の反対を向いたPN接合(例えばダイオード)を形成するように、N型領域115a~eはカソードとして電気的に機能し得、P型領域116a~eはアノードとして電気的に機能し得る。
【0025】
図1Cは、一実施形態による単純なデバイス構造物100における断面切断線142を示す平面図を示し、
図1Dは、第1の実施形態による
図1Cの切断線142に沿った断面143を示す。
図1Cに示されているように、切断線142はN型領域105j、N型領域105c、P型領域106bを通って、およびガードリング112の真性部を通って単純なデバイス構造物100を横断するように切る。したがって、断面143は、それぞれ、N型領域105j、N型領域105c、P型領域106b、およびガードリング112の真性(I)部の断面スライスを示す。
【0026】
更に、
図1Cと
図1Dとの両方を参照すると、断面143はCMOS工程(例えばシリコンCMOS工程)における製造ステップ中に形成され得るP型層152、N型ドリフト領域(N-drift region)150、および酸化物層160を示す。例えば、P型層152は埋め込み層として形成され得、N型ドリフト領域150はエピタキシャル層として形成され得る。断面143は、n型(N+)拡散プロファイルをもつデバイス領域101と、p型(P)拡散プロファイルをもつデバイス領域102とを更に示す。
【0027】
第1の実施形態によると、CMOS工程は、ガードリング110、112の下方に形成された浅溝分離(STI)溝161、162を使用し得る。STI溝161、162の両方が、ガードリング110、112のものに一致した同様のパターン(例えばリング形状パターン)をもち得、酸化物および/または絶縁材料(例えば二酸化ケイ素SiO
2)を含み(すなわちフィルされ)得る。STI溝は、工程に規定された臨界寸法(CD:critical dimension)に従ってN型ドリフト領域150内に配置され得る。更に、ガードリング110とガードリング112との間隔は、後続のILDおよび金属化層が化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)を使用して適切に形成されることを可能にする活性層酸化物密度(OD:oxide density)(例えばOD層)要求により少なくとも部分的に決定され得る。例えば、
図1Dに示されているように、STI溝161およびSTI溝162は、寸法OD1(例えばOD層寸法)ぶん離され得る。この手法により、STI溝161およびSTI溝162は、OD層臨界寸法および/またはOD層密度要求に従ってN型ドリフト領域150内に位置し得、これは、ひいては、後続のCMP工程ステップ中に「ディッシング」および/または浸食を有益に軽減し得る。
【0028】
断面143は、簡略化された電力デバイス構造物のものに対応し得る。例えば、N型ドリフト領域150は、デバイス領域101とデバイス領域102との間の印加電圧をサポートするための高電圧ドリフト領域であり得る。図示されているように、下方にあるSTI溝161、162を伴うガードリング110、112は、表面に沿ってデバイス領域101とデバイス領域102との間にある。この手法により、ガードリング110、112は、デバイス領域101、102間の印加電圧に起因した電界を有益に広げ得、場の広がりは、移動するおよび/または固定の表面電荷の任意の有害な効果を軽減し、および/または低減し得る。更に、STI溝161、162の上方に位置するガードリング110、112を含むことは、STI溝161、162内の絶縁材料および絶縁材料(例えばSiO2)の厚さに部分的に起因した、より高い絶縁破壊電圧を有益に可能にし得る(すなわち、より高い絶縁破壊電圧に耐える)。
【0029】
図1Eは、第2の実施形態による
図1Cの切断線142に沿った断面144を示す。断面144は、STI溝161、162を含む実施形態を示す代わりに、断面143がフィールド酸化物146を使用した第2の実施形態を示すことを除いて、断面143と同様である。例えば、フィールド酸化物146は、シリコン局所酸化(LOCOS:local oxidation of Silicon)工程レシピに基づいてCMOS工程中に形成された厚いフィールド酸化物であり得る。STI溝161、162の上方に位置する代わりに、ガードリング110、112は、移動するおよび/または固定の表面電荷の任意の有害な効果を軽減する、および/または低減するためにフィールド酸化物146の上方に位置し得る。
【0030】
図1Fは、
図1Aの実施形態による単純なデバイス構造物100の概略
図150を示す。概略
図150は単純なデバイス構造物100の平面図に従っており、相互接続セグメント107a~cを使用した、デバイス領域101、デバイス領域102、ガードリング110、およびガードリング112の電気接続を示し、概略
図150はN型領域105a~jとP型領域106a~jとにより形成されたダイオードD1~D10を含むダイオード表現を更に提供する。
【0031】
図1Aとの比較によると、ダイオードD1のカソード(すなわち、N型領域105a)は、相互接続セグメント107aとオーミック接点108a、109aとのおかげで、デバイス領域101に結合している。図示されているようにダイオードD1~D4は直列に接続されており、ダイオードD4のアノード(すなわち、P型領域106d)は、相互接続セグメント107bとオーミック接点108b、109bとのおかげで、ダイオードD5のカソード(すなわち、N型領域105e)に結合している。更に、ダイオードD5~D10は直列に接続されており、ダイオードD10のアノード(すなわち、P型領域106j)は、相互接続セグメント107cとオーミック接点108c、109cとのおかげで、デバイス領域102に結合している。
【0032】
更に、
図1Aと
図1Fとの両方に示されているように、ダイオードは、ガードリング110、112の湾曲部分(例えば曲線セグメント)と線形部分(例えば直線セグメント)との両方において形成され(例えば埋め込まれ)得る。例えば、ダイオードD7、D8は、ガードリング112の曲線(すなわち湾曲した)セグメントにあるものとして示されており、ダイオードD1、D2はガードリング110の線形(すなわち直線)セグメントにあるものとして示されている。
【0033】
デバイス動作中、デバイス領域101とデバイス領域102との間に印加電圧が存在し得る。ダイオードD1~D10は、通常のデバイス動作を乱さずにガードリング110、112に沿って印加電圧を分散させるためにガードリング110、112に位置し得る。例えば、
図4Cおよび
図5Cに関連して以下で更に詳しく説明されるように、デバイス領域101とデバイス領域102との間において印加電圧を分散させるために、ダイオードD1~D10は逆バイアスされ(すなわち、逆バイアスに伴って動作し)得る。
【0034】
図1Gは、
図1Bの実施形態による単純なデバイス構造物113の概略
図170を示す。概略
図170は単純なデバイス構造物113の平面図に従っており、相互接続セグメント107a~cを使用した、デバイス領域101、デバイス領域102、ガードリング110、およびガードリング112の電気接続を示す。概略
図150がN型領域115a~eとP型領域116a~eとにより形成された更なるダイオードD11~D15を含むことを除いて、概略
図150は概略
図170と同様である。例えば、ダイオードD1とD11とが背中合わせの構成で位置しているようにダイオードD11がダイオードD1とD2との間において直列となり、背中合わせの構成ではD11のアノード(すなわちP型領域116a)がD1のアノード(すなわちP型領域106a)に近接している(すなわち結合されている)。背中合わせの構成で位置しているダイオードを含むことは、ダイオードD1~D15のうちの1つまたは複数が、印加電圧の正の偏位と負の偏位との両方に対して逆バイアスに伴って動作することを可能にし得る。例えば、デバイス領域101とデバイス領域102との間の印加電圧が正であるとき、ダイオードD1~D10が逆バイアスされ得るとともに、ダイオードD11~D15が順バイアスされ(すなわち、順バイアスに伴って動作し)、および、印加電圧が負であるとき、ダイオードD11~D15が逆バイアスされ得るとともに、ダイオードD1~D10が順バイアスされる。
【0035】
図2Aは、第1の実施形態によるガードリングセグメント210の平面
図200を示し、
図2Bは、
図2Aの実施形態によるガードリングセグメント210の側面斜視
図220を示す。平面
図200は寸法WGR(例えば0.5マイクロメートル)をもつガードリングセグメント210を示しており、ガードリングセグメント210内におけるダイオードD20、D22の形成を示している。図示されているように、ダイオードD20は、P型領域206bとN型領域205bとの間に挟まれた幅WIの真性領域により形成され得、したがって、ダイオードD20は、PIN(p型、真性、n型)ダイオードと呼ばれ得る。ダイオードD22は、P型領域206aとN型領域205aとを含むPINダイオード構造物を含むものとして更に示されている。
【0036】
上述のように、N型領域205a、b、およびP型領域206a、bは、埋め込み領域および/または拡散領域であり得る。ガードリング(すなわちガードリングセグメント210)は、非ドープ(すなわち真性)多結晶シリコンであり得るが、他の実施形態において、ガードリング(すなわちガードリングセグメント210)は、N型領域205a、bおよびP型領域206a、bのドーピング濃度に比べるとわずかながらドープされてもよい。
【0037】
平面
図200は、幅WIの真性(またはわずかにドープされた)多結晶シリコン材料の左および右に、P型領域206bの幅WPおよびN型領域205bの幅WNを更に示す。1つの実施形態において、幅WP、WN、およびWIは臨界寸法および/または設計ルールにより決定され得、例えば、幅WPおよび幅WNは、0.18マイクロメートルから5マイクロメートルの間の値をもち得、幅WIは、ゼロマイクロメートルから5マイクロメートルの間の値をもち得る。
【0038】
図2Cは、第2の実施形態によるガードリングセグメント210の平面
図230を示し、
図2Dは、
図2Cの実施形態によるガードリングセグメント210の側面斜視
図240を示す。第2の実施形態では、N型領域205a、bおよびP型領域206a、bは、
図2Aおよび
図2Bに描かれているPINダイオードとは異なり、PN接合ダイオードを形成するように並置されている。
【0039】
図2Eは、第3の実施形態によるガードリングセグメント252の平面
図250を示し、
図2Fは、
図2Eの実施形態によるガードリングセグメント252の側面斜視
図260を示す。第3の実施形態では、ダイオードD25およびダイオードD26が、それぞれ、N型領域215bとN型領域215aとを使用してガードリングセグメント252内に形成されている。図示されているように、ガードリングセグメント252は、N型領域215a、bを埋め込む前に、および/または拡散させる前にドープされたp型(P)多結晶シリコンであり得る。更に、平面
図250は、臨界寸法および/または設計ルールにより更に決定され得るN型領域215bの幅WNを示している。
【0040】
図2Gは、第4の実施形態によるガードリングセグメント272の平面
図270を示し、
図2Hは、
図2Gの実施形態によるガードリングセグメント272の側面斜視
図280を示す。第4の実施形態では、ダイオードD27およびダイオードD28が、それぞれ、P型領域225bとP型領域225aとを使用してガードリングセグメント272内に形成されている。図示されているように、ガードリングセグメント272は、P型領域225a、bを埋め込む前に、および/または拡散させる前にドープされたn型(N)多結晶シリコンであり得る。更に、平面
図270は、臨界寸法および/または設計ルールにより更に決定され得るP型領域225bの幅WPを示す。
【0041】
図3Aは、一実施形態による単純なデバイス構造物300の簡略化された平面概略図を示す。簡略化された平面概略図は、ガードリング310~313、相互接続セグメント340~345、デバイス領域301、302、およびダイオードアレイ330を示している。簡略化された平面概略図は、曲線状の弧を含む線としてガードリング310~313を示しており、提示の簡単さの点から接続された線として相互接続セグメント340~345を示しており、単純なデバイス構造物は4つのガードリング310~313を含む実施形態を示すが、デバイス領域301とデバイス領域302との間の表面領域をカバーするために、必要に応じて、4つより多いまたは少ないガードリング310~313が存在してもよい。
【0042】
更に示されるように、相互接続セグメント340~345は、デバイス領域301とデバイス領域302との間においてガードリング310~313に直列に結合している。例えば、ダイオードアレイ330のダイオードD33は、ガードリング312内に位置しており、相互接続セグメント342を使用してガードリング311に電気的に結合されたカソードを含む。
【0043】
動作中、移動するおよび/または静止した表面電荷が絶縁破壊電圧ドリフトをもたらさないように、デバイス領域301とデバイス領域302との間の印加電圧が直列接続されたガードリング310~313に沿って分散され得る。ダイオードアレイ330は、
図1Aから
図2Hの実施形態に関連してここまでに説明されているように、N型領域とP型領域とを使用して位置し得、ダイオードは直列接続されたガードリング310~313のおかげで直列であり得る。
【0044】
図3Bは、別の実施形態による単純なデバイス構造物360の簡略化された平面概略図を示す。単純なデバイス構造物360が、
図3Aに示されるものとは逆方向に配向されたダイオードを含むダイオードアレイ331を使用することを除いて、単純なデバイス構造物360はデバイス構造物300のものと同様である。例えば、ダイオードD34のアノードが相互接続セグメント342によりガードリング311に電気的に結合されるように、ダイオードD34が配向させている。逆方向に配向されたダイオードを含んで配置されたダイオードアレイ331を含むことは、デバイス構造物300とともに使用されているものとは符号が逆の印加電圧に伴うデバイス動作を有益に可能にし得る。
【0045】
図3Cは、別の実施形態による単純なデバイス構造物370の簡略化された平面概略図を示す。単純なデバイス構造物370が両方向に配向されたダイオードを含むダイオードアレイ332を使用することを除いて、単純なデバイス構造物370はデバイス構造物300およびデバイス構造物360のものと同様である。例えば、ダイオードD35、D36、およびD37は、ダイオードD35およびD37の方向とは逆方向のダイオードD36を含んで配置されており、図示されているように、D35およびD36は背中合わせダイオードとして位置している(すなわち、D35およびD36のアノードが電気的に結合されている)。
【0046】
図4Aは、一実施形態によるデバイス断面400を示す。デバイス断面400がゲート制御を伴う電力デバイス(例えばLDMOS)に関連した更なる詳細を示すことを除いて、デバイス断面400の実施形態は断面143と同様であり得る。デバイス断面400は、P型層432、N型ドリフト領域430、デバイス領域401、デバイス領域402、多結晶シリコンゲート406、STI溝421~423、ガードリング410~412、オーミック接点405、およびオーミック接点407を含む。
【0047】
図示されているようにデバイス領域402は、p型(P)領域であり得る。更に示されているように、デバイス領域402はP+領域403とN+領域404とを含む。電力デバイス(例えばLDMOS)を形成することに関して、P+領域403を含むデバイス領域402はボディを形成し得、ボディに対する電気接点は、オーミック接点405により役立てられ得る。下方にある酸化物460(すなわちゲート酸化物)を伴う多結晶シリコンゲート406はゲートを機能的に形成し得、多結晶シリコンゲート406にゲート電圧が印加されたとき、チャネル(すなわちNチャネル)が、N+領域404(すなわちソース)に近接したデバイス領域402において制御され得る。示されるように、オーミック接点405は、ソース/ボディ(S/B)接続部を形成するために、N+領域404とP+領域403とを一緒に電気的に結合し得る。
【0048】
更に示されるようにデバイス領域401は、高濃度にドープされたn型(N+)領域であり得る。電力デバイス(例えばLDMOS)を形成することに関して、デバイス領域401を含むN型ドリフト領域430がドレイン(DR)を形成し得、ドレインに対する電気接点は、オーミック接点407により役立てられ得る。チャネルを有効にするためにゲート電圧がゲート406に印加されたとき、電流がN型ドリフト領域430にわたってドレイン・ソース間において横方向に流れ得る。代替的に、障壁を形成するためにゲート電圧がゲート406に印加されたとき、臨界場未満の電界に対して、N型ドリフト領域430にわたって電圧が耐えられ得る。
【0049】
ガードリング410~412が本明細書における教示によるPN接合を含む場合、STI溝421~423の上方にあるガードリング410~412は、N型ドリフト領域430にわたって耐えられる電圧を有益に高め、最大絶縁破壊電圧を改善し得る。デバイス領域401とデバイス領域402との間に電界を広げることにより最大絶縁破壊電圧が高められ得、本明細書における教示によると、PN接合が逆バイアス動作のために形成され得る。PN接合のうちの1つまたは複数が逆バイアスにより動作するように、ガードリング410~412にPN接合を形成することは、デバイス性能に悪影響を与えずにデバイスの絶縁破壊を有益に改善し得る。例えば、
図4Cにおいて以下で更に説明されるように、逆バイアスにより動作するダイオードを含むことにより、ガードリング410~412は、逆漏れ電流に大幅な影響を与えずに電圧を有益に分散させ得る。
【0050】
上述のように、幾つかの実施形態において、ガードリング410~412および下方にあるSTI溝421~423の数および/または密度は、工程に規定された臨界寸法および間隔ルール(例えばOD層要求および/または臨界寸法)に基づいて選択され得、
図4Aは、3つのガードリング410~412の下方にある3つのSTI溝421~423を伴うN型ドリフト領域430を示す実施形態によるデバイス断面400を示しているが、他の構成も可能である。例えば、N型ドリフト領域430の寸法に基づいて3つのガードリング410~412の下方にある3つより多いまたは少ないSTI溝421~423が存在し得る。N型ドリフト領域430の寸法は、所望の絶縁破壊電圧に基づいて選択され得る。
【0051】
更に、当業者が理解し得るように、電力デバイスは逆極性タイプとなるように形成されてもよい。例えば、LDMOSは、N型ドリフト領域430ではなくP型ドリフト領域を含むPチャネルデバイスとして形成されてもよい。
【0052】
図4Bは、別の実施形態によるデバイス断面450を示す。デバイス断面450の実施形態は、本工程がSTI溝421~423の代わりにフィールド酸化物446を使用することを除いてデバイス断面400のものと同様である。例えば、フィールド酸化物446は、LOCOS工程レシピを使用してCMOS工程において形成され得る。フィールド酸化物446は、ゲート酸化物434に比べて、より高い絶縁破壊強度をもち得、ガードリング440~442は、N型ドリフト領域430の表面に、および/または表面付近に電界を広げるためにガードリング410~412と同様に位置し得る。更に、ガードリング440~442が本明細書における教示によるPN接合を含む場合、フィールド酸化物446に重なったガードリング440~442は、N型ドリフト領域430にわたって耐えられる電圧を有益に高め、および最大絶縁破壊電圧を改善し得る。
【0053】
更に、上述のように、幾つかの実施形態において、ガードリング440~442の数および/または密度は、LOCOS工程レシピに関連した、工程に規定された臨界寸法および間隔ルールに基づいて選択され得る。更に、デバイス断面450の実施形態は、デバイス断面400の実施形態と同様に、限定するものとみなされてはならない。例えば、3つより多いおよび/または少ないガードリング440~442が存在し得、および、逆極性の電力デバイス(例えばP型LDMOS)も可能であり得る。
【0054】
図4Cは、デバイスの実施形態に対応した概略
図470を示す。例えば、実施形態は、
図4Aの断面400および/または
図4Bの断面450により示される電力デバイス(例えばLDMOS)であり得る。概略
図470の実施形態は、ゲートG、ドレインDR、および接続されたソース/ボディS/Bを含むLDMOS471を含む。
図4Aおよび/または
図4Bを参照すると、ゲートGは、多結晶シリコンゲート406および/または多結晶シリコンゲート446に対応し得、ドレインDRは、オーミック接点407により電気的に結合された領域(例えばデバイス領域401)に対応し、およびその領域を含み得、ソース/ボディS/Bは、オーミック接点405により電気的に結合された接続された領域(例えばN+およびP+領域404、403)に対応し、およびその領域を含み得る。
【0055】
図示されているように、実施形態は、LDMOS471のドレインDRと、接続されたソース/ボディS/Bとに電気的に並列に接続されたダイオードアレイ472を含み得る。ダイオードアレイ472は、ガードリング410~412および/またはガードリング440~442内に位置する(例えば拡散された)PN接合に対応し得る複数の直列接続されたダイオードD41~D50を備える。示されるように、ダイオードD41のカソード(例えばガードリングのN型領域)は、LDMOS471のドレインDRに電気的に接続しており、ダイオードD50のアノード(例えばガードリングのP型領域)は、LDMOS471のソース/ボディS/Bに電気的に接続している。
【0056】
更に示されているように、LDMOS471の接続されたソース/ボディS/Bは、グランドGNDに電気的に結合されており(すなわちグランドGNDを基準としており)、この手法により、ドレイン対ソース電圧VDSおよびゲート対ソース電圧VGSは、同様にグランドGNDを基準とし得る。図示されているように、ドレイン対ソース電圧VDSおよびゲート対ソース電圧VGSはそれぞれ、LDMOS471のドレインDRおよびゲートGに結合されている。ゲート対ソース電圧VGSがLDMOS471の閾値電圧(例えば2ボルト)未満である場合、ドレイン・ソース電流IDSは、理想的には非常に低い値(例えばマイクロアンペア程度および/または未満)に制限され得る。代替的に、ゲート対ソース電圧VGSがLDMOS471の閾値電圧より高い場合、ドレイン・ソース電流IDSは、理想的には大きいもの(例えばアンペア程度)であり得る。
【0057】
本明細書における教示によると、デバイス動作および/または特性を損なわずにガードリングが絶縁破壊電圧ドリフトを軽減するように、ダイオードアレイ472がガードリング(例えば、ガードリング410~412および/またはガードリング440~442)内に形成され、LDMOS471に電気的に結合され得る。例えば、VDSがゼロより大きいときにダイオードD41~D50が逆バイアスにより動作するように、ダイオードD41~D50は電気的に直列に接続される。ダイオードD41~D50の数は、ドレイン・ソース電流IDSのオフ状態値に対して逆漏れ電流ILが少なくなるように選択され得る。IDSのオフ状態値は、ゲート対ソース電圧VGSが閾値電圧(例えば2ボルト)未満である状態に対応し得る。例えば、ゲート対ソース電圧がドレイン対ソース電圧VDS(例えば700ボルト)の指定された値に対する閾値電圧未満であるとき、逆漏れ電流ILが実質的にゼロであるように、および/またはドレイン・ソース電流IDSより実質的に小さいように、ダイオードD41~D50の数が選択され得る。
【0058】
図4Dは、デバイスの別の実施形態に対応した概略
図480を示す。デバイスは、ダイオードアレイ472の代わりにダイオードアレイ473があることを除いて、
図4Aの断面400および/または
図4Bの断面450により示される電力デバイスであり得る。ダイオードアレイ472と異なり、ダイオードアレイ473は、直列結合したダイオードD41~D46と逆方向に配向されたダイオードD51~D55とを含む。例えば、ダイオードD41およびダイオードD51は背中合わせの構成により電気的に結合されている。更に示されているように、ダイオードD41のカソードはLDMOS471のドレインDRに電気的に結合されており、ダイオードD55のカソードはLDMOS471のソース/ボディS/Bに電気的に結合されている。したがって、ドレイン対ソース電圧VDSがゼロより大きいとき、ダイオードD41~D46は、漏れ電流ILを制限するために逆バイアスにより動作し得る。更に、ドレイン対ソース電圧VDSがゼロ未満であるときダイオードD51~D55は、逆バイアスにより動作することにより漏れ電流ILを更に有益に制限し得る。
【0059】
図5Aは、一実施形態によるデバイス断面500を示す。デバイス断面500は、ゲートが接合部により形成され得る電力デバイス(例えばJFET)に関連した更なる詳細を示すことを除いて、デバイス断面500の実施形態も断面143と同様であり得る。デバイス断面500は、P型層532、N型ドリフト領域530、デバイス領域501、デバイス領域502、ウェル領域503、STI溝521~523、ガードリング510~512、オーミック接点505、オーミック接点507、オーミック接点509、および表面酸化物560を含む。
【0060】
図示されているようにデバイス領域502およびウェル領域503は、p型(P)領域であり得る。デバイス領域502は、オーミック接点505に電気的に結合したP+領域504を含み得、ウェル領域503は、オーミック接点509に電気的に結合したP+領域508を含み得る。更に、N型ドリフト領域は、デバイス領域502とウェル領域503との間にN+領域506を含み、示されるように、デバイス領域501は、高濃度にドープされたn型(N+)領域でもあり得る。
【0061】
電力デバイス(例えばJFET)を形成することに関して、デバイス領域502、P+領域504、およびオーミック接点505は、JFETゲート(G)の一部として電気的に機能し得、ウェル領域503、P+領域508、およびオーミック接点509は、JFETゲート(G)の一部として電気的に機能し得る。更に、N+領域506は、ソース(S)として電気的に機能するようにオーミック接点507に電気的に結合し得、デバイス領域501とそのオーミック接点514とを伴うN型ドリフト領域は、ドレイン(DR)として電気的に機能し得る。半導体デバイス物理学によると、ソース(例えばN+領域506)からの電子流は、オーミック接点505、509において電気的に結合されたゲート電圧により制御され得る。ウェル領域503およびデバイス領域502は、N型ドリフト領域530内において横方向に流れる電子流を制御(すなわちゲーティング)するために、ゲート電圧に応答して空乏および/またはピンチ領域(pinched region)を生成し得る。障壁を形成するようにゲート電圧がゲートに印加されたとき、電圧は、臨界場未満の電界に対してN型ドリフト領域530にわたって耐えられ得る。
【0062】
ガードリング510~512が本明細書における教示によるPN接合を含む場合、STI溝521~523の上方にあるガードリング510~512は、N型ドリフト領域530にわたって耐えられる電圧を有益に高め、および最大絶縁破壊電圧を改善し得る。最大絶縁破壊電圧は、デバイス領域501とデバイス領域502との間に電界を広げることにより高められ得、本明細書における教示によると、PN接合は、逆バイアス動作のために形成され得る。PN接合のうちの1つまたは複数が逆バイアスにより動作するようにガードリング510~512にPN接合を形成することは、デバイス性能に悪影響を与えずにデバイスの絶縁破壊を有益に改善し得る。例えば、
図5Cにおいて以下で更に説明されるように、逆バイアスにより動作するダイオードを含むことにより、ガードリング510~512は、逆漏れ電流に大幅な影響を与えずに電圧を有益に分散させ得る。
【0063】
上述のように、幾つかの実施形態において、ガードリング510~512および下方にあるSTI溝521~523の数および/または密度は、工程に規定された臨界寸法および間隔ルール(例えばOD層要求)に基づいて選択され得、
図5Aは、3つのガードリング510~512の下方にある3つのSTI溝521~523を伴うN型ドリフト領域530を示す実施形態によるデバイス断面500を示しているが、他の構成も可能である。例えば、N型ドリフト領域530の寸法に基づいて、3つのガードリング510~512の下方にある3つより多いまたは少ないSTI溝521~523が存在してもよい。N型ドリフト領域530の1つまたは複数の寸法は、所望の絶縁破壊電圧に基づいて選択され得る。
【0064】
更に、当業者が理解し得るように、電力デバイスは逆極性タイプとなるように形成されてもよい。例えば、JFETは、N型ドリフト領域530ではなくP型ドリフト領域に形成されてもよい。
【0065】
図5Bは、別の実施形態によるデバイス断面550を示す。デバイス断面550の実施形態は、工程がSTI溝521~523の代わりにフィールド酸化物546を使用することを除いて、デバイス断面500のものと同様である。例えば、フィールド酸化物546は、LOCOS工程レシピを使用してCMOS工程において形成され得る。フィールド酸化物546は、断面500の表面酸化物560に比べて、より高い絶縁破壊強度をもち得、ガードリング570~572は、N型ドリフト領域530の表面に、および/または表面付近に電界を広げるように、ガードリング510~512と同様に位置し得る。更に、ガードリング570~572が本明細書における教示によるPN接合を含む場合、フィールド酸化物546に重なったガードリング570~572は、N型ドリフト領域530にわたって耐えられる電圧を有益に高め、および最大絶縁破壊電圧を改善し得る。
【0066】
更に、上述のように、幾つかの実施形態において、ガードリング570~572の数および/または密度は、LOCOS工程レシピに関連した、工程に規定された臨界寸法および間隔ルールに基づいて選択され得る。更に、デバイス断面550の実施形態は、デバイス断面500の実施形態と同様に、限定するものとみなされてはならない。例えば、3つより多いおよび/または少ないガードリング570~572が存在し得、逆極性の電力デバイスも可能であり得る。
【0067】
図5Cは、デバイスの実施形態に対応した概略
図580を示す。例えば、本実施形態は、
図5Aの断面500および/または
図5Bの断面550により示されるような電力デバイス(例えばJFET)であり得る。概略
図580の実施形態はゲートGとドレインDRとソースSとを含むJFET581を含む。
図5Aおよび/または
図5Bを参照すると、ゲートGは、オーミック接点505、509により結合された領域(例えばデバイス領域502およびウェル領域503)に対応し、およびその領域を含み得、ドレインDRは、オーミック接点514により電気的に結合された領域(例えばデバイス領域501)に対応し、およびその領域を含み得、ソースSは、オーミック接点507により電気的に結合された領域(例えばN+領域506)に対応し、およびその領域を含み得る。
【0068】
図示されているように、実施形態は、JFET581のドレインDRおよびゲートGに電気的に並列に接続されたダイオードアレイ582を含み得る。ダイオードアレイ582はガードリング510~512および/またはガードリング570~572内に位置する(例えば拡散された)PN接合に対応し得る複数の直列接続されたダイオードD61~D71を備える。示されるように、ダイオードD61のカソード(例えばガードリングのN型領域)は、JFET581のドレインDRに電気的に接続しており、ダイオードD71のアノード(例えばガードリングのP型領域)は、JFET581のゲートGに電気的に接続している。
【0069】
更に示されるように、JFET581のゲートはグランドGNDに電気的に結合されており(すなわちグランドGNDを基準としており)、この手法により、ドレイン対ソース電圧VDSおよびソース対ゲート電圧VSGは、同様にグランドGNDを基準とし得る。図示されているように、ドレイン対ソース電圧VDSおよびソース対ゲート電圧VSGはそれぞれ、JFET581のドレインDRおよびソースSに結合されている。ソース対ゲート電圧VSGがJFET581のピンチオフ電圧(例えば4ボルト)を超えているとき、ドレイン・ソース電流IDSは、理想的には非常に低い値(例えばマイクロアンペア程度および/または未満)に制限され得る。代替的に、ソース対ゲート電圧VSGがJFET581のピンチオフ電圧より高いとき、ドレイン・ソース電流IDSは理想的には大きいもの(例えばアンペア程度)であり得る。
【0070】
本明細書における教示によると、ガードリングがデバイス動作および/または特性を損なわずに絶縁破壊電圧ドリフトを軽減するように、ダイオードアレイ582がガードリング(例えば、ガードリング510~512および/またはガードリング570~572)内に形成され、JFET581に電気的に結合され得る。例えば、VDSがゼロより大きいときにダイオードD61~D71が逆バイアスにより動作するように、ダイオードD61~D71が電気的に直列に接続される。ダイオードD61~D71の数は、逆漏れ電流ILがドレイン・ソース電流IDSのオフ状態値に対して低くなるように選択され得る。IDSのオフ状態値は、ソース対ゲート電圧VSGがピンチオフ電圧(例えば4ボルト)より高い状態に対応し得る。例えば、ソース対ゲート電圧がドレイン対ソース電圧VDS(例えば700ボルト)の指定された値に対するピンチオフ電圧より高いとき、逆漏れ電流ILが実質的にゼロ(例えば、10分の1マイクロアンペアおよび/または100分の1マイクロアンペア)であるように、および/または、ドレイン・ソース電流IDSより実質的に小さくなる(例えば1マイクロアンペア)ように、ダイオードD61~D71の数が選択され得る。
【0071】
図5Dは、デバイスの別の実施形態に対応した概略
図590を示す。デバイスは、ダイオードアレイ582の代わりにダイオードアレイ592があることを除いて、
図5Aの断面500および/または
図5Bの断面550により示されるような電力デバイスであってもよい。ダイオードアレイ582と異なり、ダイオードアレイ592は直列結合したダイオードD61~D66および逆方向に配向されたダイオードD72~D76を含む。例えば、ダイオードD61とダイオードD72とは背中合わせの構成により電気的に結合されている。更に示されるように、ダイオードD61のカソードはJFET581のドレインDRに電気的に結合されており、ダイオードD76のカソードはJFET581のゲートGに電気的に結合されている。したがって、ドレイン対ソース電圧VDSがゼロより大きいとき、ダイオードD61~D66が、漏れ電流ILを制限するように逆バイアスにより動作し得る。更に、ドレイン対ソース電圧VDSがゼロ未満であるとき、ダイオードD72~D76が逆バイアスにより更に動作する。
【0072】
図6Aは、一実施形態による、デバイス領域601、602とともに、ガードリング経路610をルーティングするための簡略化されたレイアウト600を示す。デバイス領域601、602は上述のデバイス領域のうちの任意のものに対応し、例えばデバイス領域601はデバイス領域401および/またはデバイス領域501に対応し、デバイス領域602はデバイス領域402および/またはデバイス領域502に対応する。
図4Aおよび/または
図4Bを参照した例として、デバイス領域601は、ドレインフィンガー603a~c(すなわち延伸部)を含むドレイン(DR)に対応し、デバイス領域602は、ソース/ボディS/Bフィンガー604a~bを含むソース/ボディ(S/B)領域に対応する。更に、ガードリング経路610は明確となるように、および、ダイオードアレイ612および接続領域613が簡略化されたレイアウト600内のどこに位置し得るかを示すために、曲線セグメントを含む1つの経路線により示されている。
【0073】
本明細書における教示によると、ダイオードアレイ612は、ガードリング経路610の任意の部分に位置してよく、図を簡単にするために、ダイオードアレイ612はガードリング経路610の直線部分に沿って形成されたものとして示されている。更に、本明細書における教示によると、接続領域613は、ガードリング経路610の任意の部分に位置し、例えば、図示されているように、接続領域613は、ガードリング経路610の曲線部分に形成される。
【0074】
図6Bは、一実施形態によるダイオードアレイ612の簡略化されたレイアウトの拡大
図620を示す。簡略化されたレイアウトの拡大
図620は、簡略化されたレイアウト600に示されているドレインフィンガー603bとソースフィンガー604bとの間のガードリング経路610の拡大図に対応する。しかし、簡略化されたレイアウトの拡大
図620では、簡略化されたレイアウト600のガードリング経路610は、反時計回りを向いた線および曲線セグメントにより概略的に表されたガードリング621~623により置換されている。ガードリング621~623は、デバイス領域601とデバイス領域602との間に規定されたドリフト領域の表面に堆積された、およびパターン形成された多結晶シリコンを含んで形成される。例えば、ガードリング621~623は、寸法WD(すなわちドリフト領域長)のドリフト領域の上方における反時計回り方向に沿ってドリフト領域長マーカー611により示されている。
【0075】
本明細書における教示によると、ダイオードは、標準的な工程技術を使用してガードリング621~623内に形成され得る(例えば、
図2A~
図2Hにおいて説明されている埋め込まれた、および拡散された領域)。例えば、ガードリング621は、ダイオードD81~D82を含む複数のダイオードを含む。更に、ガードリング622はダイオードD83~D84を備える複数のダイオードを含み、ガードリング623はダイオードD85~D86を備える複数のダイオードを含む。
【0076】
簡略化されたレイアウトの拡大
図620は3つのガードリング621~623を含む実施形態を示しているが、ガードリングの数は、寸法値WD(すなわちドリフト領域長)に応じて、より多くてもよく、またはより少なくてもよい。本明細書における教示によると、ガードリングの数は、工程臨界寸法および/またはOD層要求を満たすように選択され得る。例えば、サブマイクロメートル(例えば0.35マイクロメートル)CMOS工程により実施される場合、寸法WDは、絶縁破壊電圧(例えば725ボルト)を達成するために60マイクロメートルであり得、ガードリング621~623の数は50から70の間であり得る。
【0077】
図6Cは、別の実施形態によるダイオードアレイ612の簡略化されたレイアウトの拡大
図620を示す。
図6Cの実施形態は、ダイオードアレイ612が背中合わせのダイオード構成のための更なるダイオードを含むことを除いて、
図6Bのものと同様である。
【0078】
図6Dは、実施形態による接続領域613の簡略化されたレイアウトの拡大
図650を示す。簡略化されたレイアウトの拡大
図650は、ドレインフィンガー603bの曲線部分の周囲におけるガードリング経路610の拡大図に対応し得る。しかし、簡略化されたレイアウトの拡大
図650では、簡略化されたレイアウト600のガードリング経路610は、同様に、時計回りに向いた線および曲線セグメントにより概略的に表されたガードリング621~623により置換されている。
【0079】
本明細書における教示によると、ダイオード(例えばダイオードD81~D86)が直列接続されるように(例えば直列接続されたダイオードアレイ472、473、582、および/または592を参照されたい)、接続領域613が電気接続を提供し得る。例えば、接続領域613はガードリング621~623を直列に結合する相互接続セグメント641~645を概略的に示す。例えば、ダイオードアレイ612を参照すると、ダイオードD81のアノードがデバイス領域602(例えばソース/ボディS/B)に電気的に結合するように、相互接続セグメント641がデバイス領域602をガードリング621に電気的に結合し得る。同様に、ダイオードD84のカソードがダイオードD85のアノードと直列接続される(すなわち電気的に結合される)ように、相互接続セグメント644がガードリング622をガードリング623に電気的に結合し得、ダイオードD86のカソードがデバイス領域601(例えばドレインDR)に電気的に結合されるように、相互接続セグメント645がガードリング623をデバイス領域601に電気的に結合している。更に示されるように、ダイオードD82のカソードは、後続のガードリングに電気的に結合した相互接続セグメント642までたどり着き、図示されているように、複数のガードリング621~623を直列接続するために、4つより多いまたは少ない相互接続セグメントが存在し得る。
【0080】
図7は、一実施形態によるダイオードを含むガードリングを配置する方法700を示す。ステップ702は、最大デバイス電圧(すなわち絶縁破壊電圧)を実現するために、ドリフト拡散寸法WD(例えば簡略化されたレイアウトの拡大
図620の寸法WD)を決定することに対応する。ステップ704は、OD密度要求を満たすためにガードリングの数(例えばガードリング621~623の数)を決定することに対応し得る。例えば、サブマイクロメートル(例えば0.35マイクロメートル)工程では、寸法WDは、約750ボルトの絶縁破壊電圧要求を満たすために60マイクロメートルから70マイクロメートルであり得、OD密度要求を満たすために、ガードリング(例えば多結晶シリコンガードリング)の数は、50から70の間である。次のステップ706は、最大電圧に基づいてダイオードの数を決定することに対応する。本明細書における教示によると、ダイオードの漏れ電流(例えば漏れ電流IL)が実質的にオフ状態ドレイン・ソース電流IDS未満であるように、ダイオードの数(例えば、直列接続されたダイオードD41~D50、ダイオードD51~51、ダイオードD81~D86の数)が選択され得る(例えば
図4C、
図4D、
図5C、
図5Dのうちの任意のものを参照されたい)。
【0081】
図8は、実施形態による拡散ダイオードを含むガードリングを配置するための方法800を示す。ステップ802は、第1のデバイス領域(例えばデバイス領域101)と第2のデバイス領域(例えばデバイス領域102)との間にガードリング(例えばガードリング112)を配置することに対応する。ステップ804は、第1の極性タイプ(例えばN型領域105f)をもつ第1のドーピングを提供することに対応する。ステップ806は、ダイオードを形成するために、第2の極性タイプ(例えばP型領域106f)をもつ第2のドーピングを提供することに対応し得る(例えばP型領域106fとN型領域105fとにより形成されたPN接合)。ステップ808は、少なくとも1つのダイオードが逆バイアスにより動作するように、ガードリング(例えばガードリング112)を接続することに対応し得る。上述のように少なくとも1つのダイオードは、オフ状態ドレイン・ソース電流IDS未満の漏れ電流ILを伴う。
【0082】
本明細書において提示されているように、本教示の一態様は、半導体デバイス(例えば、本明細書において説明されている電力デバイス、LDMOS、および/またはJFET)である。半導体デバイスは、第1のデバイス領域(例えば、デバイス領域101、301、401、501、および/または601)と、第2のデバイス領域(例えば、デバイス領域102、302、402、502、および/または602)とを備える。半導体デバイスは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間のドリフト領域(例えば、N型ドリフト領域150、430、および/または530)、および、少なくとも1つのガードリング(例えば、ガードリング110、112、410~412、440~442、510~512、570~572、および/または621~623)を更に備える。少なくとも1つのガードリングは、少なくとも1つのダイオード(例えば、ダイオードD1~D15、D20、D22、D25~D27および/またはD28)を備える。少なくとも1つのダイオードは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に電気的に結合されている。半導体デバイスは、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の電圧(例えばドレイン対ソース電圧VDS)を受信し得る。少なくとも1つのダイオードが、電圧に応答して漏れ電流(例えば漏れ電流IL)を提供するように(すなわち、漏れ電流を使用して動作するように)構成されており、少なくとも1つのガードリングが、電圧に応答してドリフト領域内の電界をサポートするように構成されている。本明細書における教示によると、少ない漏れ電流は、既存の(すなわち通常の)半導体デバイス性能に有害な影響を与えずに電界の広がりを有益に大きくし、大きくされた電界の広がりは、ひいては絶縁破壊電圧ドリフトを小さくする。
【0083】
別の一態様において、電力半導体デバイスは、第1のデバイス領域、第2のデバイス領域、および複数のガードリングを備える。第1のデバイス領域(例えばデバイス領域101)および第2のデバイス領域(例えばデバイス領域102)は、ドリフト領域(例えばN型ドリフト領域150)により分離されている。複数のガードリング(例えばガードリング110、112)が、ドリフト領域の上方に位置しており、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間において電気的に直列結合されている。例えば、
図1Cは、相互接続セグメント107a~cを使用したガードリング110、112の直列結合を示す。ガードリング(例えばガードリング110)のうちの少なくとも1つは、複数のダイオード(例えば
図1FのダイオードD1~D4)を備える。複数のガードリングは、ドリフト領域において電界を広げるように構成されている。電界は、ドリフト領域の表面における移動するおよび/または固定の電荷の有害な効果を軽減するために、ドリフト領域の表面において、またはドリフト領域の表面の付近において広げられる。
【0084】
図1Fおよび
図1Gに示されるように、複数のガードリングは第1のデバイス領域を囲み(すなわち取り囲み)、第2のデバイス領域は、複数のガードリングを囲む(すなわち取り囲む)。
【0085】
図4C、
図4D、
図5C、および
図5Dに示されているように、複数のダイオードは、直列ダイオードアレイ(例えば、ダイオードアレイ472、473、582、592)を形成する。複数のダイオードは、少なくとも1つのPINダイオード(例えば
図2AのダイオードD20)を備える。直列ダイオードアレイは、漏れ電流(例えば漏れ電流IL)を提供するように構成される。
【0086】
要約で説明される事項を含む本開示の示される例の上述の説明は網羅的であることを意図したものではなく、開示される形態そのものへの限定であることを意図したものでもない。電力半導体デバイスにおける絶縁破壊電圧を高めるための結合された多結晶シリコンガードリングの特定の実施形態、および製造ステップが本明細書において例示を目的として説明されているが、本開示のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な同等な変更が可能である。実際、特定の例示的な工程レシピおよびデバイス断面は説明のために提示されており、より多くのステップまたはより少ないステップを含む他の工程レシピが、本明細書の教示に従って他の実施形態および例において他の値を使用してもよいことが理解される。
【0087】
例
【0088】
本明細書における教示は添付の請求項において規定されるが、本開示が以下の例によっても規定され得ることが理解されなければならない。
【0089】
1.半導体デバイスであって、半導体デバイスが、
第1のデバイス領域と、
第2のデバイス領域と、
第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間のドリフト領域と、
第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に電気的に結合された少なくとも1つのダイオードを備える少なくとも1つのガードリングと、
を備え、
半導体デバイスが、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間の電圧を受信するように構成されており、
少なくとも1つのダイオードが、電圧に応答して漏れ電流を提供するように構成されており、
少なくとも1つのガードリングが、電圧に応答してドリフト領域内の電界をサポートするように構成されている、
半導体デバイス。
【0090】
2.半導体デバイスが、横拡散型金属-酸化物電界効果トランジスタ(LDMOS)を備える、
例1に記載の半導体デバイス。
【0091】
3.半導体デバイスが、接合型電界効果トランジスタ(JFET)を備える、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0092】
4.少なくとも1つのガードリングが、多結晶シリコンを含む、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0093】
5.少なくとも1つのダイオードが、電気的に直列結合された複数のダイオードを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0094】
6.少なくとも1つのダイオードが、p型・真性・n型(PIN)ダイオードである、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0095】
7.少なくとも1つのガードリングが、フィールド酸化物上に位置する、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0096】
8.少なくとも1つのダイオードが、
電圧に応答して逆バイアスに伴って動作するように構成された第1のダイオードと、
第2のダイオードと、
を備える、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0097】
9.第2のダイオードが、電圧に応答して逆バイアスに伴って動作するように構成された、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0098】
10.第2のダイオードが、電圧に応答して順バイアスに伴って動作するように構成された、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0099】
11.第1のデバイス領域が、第1の極性タイプをもつドレイン領域である、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0100】
12.第1の極性タイプが、n型である、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0101】
13.第2のデバイス領域が、第1の極性タイプの逆である第2の極性タイプをもつボディ領域である、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0102】
14.第2の極性タイプが、p型である、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0103】
15.少なくとも1つのガードリングが、第1のガードリングを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0104】
16.ドリフト領域が、第1の浅溝分離(STI)溝を備え、
第1のガードリングが、第1のSTI溝の酸化物上に位置する、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0105】
17.少なくとも1つのガードリングが、第2のガードリングを備え、
ドリフト領域が、第2のSTI溝を備え、
第2のガードリングが、第2のSTI溝の酸化物上に位置する、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体デバイス。
【0106】
18.第2のSTI溝が、酸化物密度(OD)層臨界寸法ぶん第1のSTI溝から離れている、
前述の例のいずれか1つに記載の半導体。
【0107】
19.ドリフト領域により分離された第1のデバイス領域および第2のデバイス領域と、
ドリフト領域の上方に位置した、および、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に電気的に直列結合された複数のガードリングと、
を備え、
複数のガードリングのうちの少なくとも1つが、複数のダイオードを備え、
複数のガードリングが、ドリフト領域において電界を広げるように構成されている、
電力半導体デバイス。
【0108】
20.複数のガードリングが、第1のデバイス領域を囲んでおり、
第2のデバイス領域が、複数のガードリングを囲んでいる、
例19に記載の電力半導体デバイス。
【0109】
21.電圧が、300ボルトより大きい、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0110】
22.第1のデバイス領域が、n型であり、
第2のデバイス領域が、p型であり、
ドリフト領域が、n型である、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0111】
23.電力半導体デバイスが、横拡散型金属-酸化物電界効果トランジスタ(LDMOS)である、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0112】
24.電力半導体デバイスが、接合型電界効果トランジスタ(JFET)である、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0113】
25.複数のダイオードが、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間において直列ダイオードアレイを形成している、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0114】
26.複数のダイオードが、少なくとも1つのp型・真性・n型(PIN)ダイオードを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0115】
27.直列ダイオードアレイが、漏れ電流を提供するように構成されている、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0116】
28.直列ダイオードアレイが、電圧により逆バイアスされるように構成されている、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0117】
29.直列ダイオードアレイが、電圧により逆バイアスされるように構成された第1のダイオードを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0118】
30.直列ダイオードアレイが、電圧により順バイアスされるように構成された第2のダイオードを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0119】
31.複数のガードリングが、
少なくとも1つの直線セグメントと、
少なくとも1つの曲線セグメントと、
を備える、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0120】
32.複数のダイオードが、少なくとも1つの直線セグメント内に拡散された少なくとも1つのダイオードを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【0121】
33.複数のダイオードが、少なくとも1つの曲線セグメント内に拡散された少なくとも1つのダイオードを備える、
前述の例のいずれか1つに記載の電力半導体デバイス。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1Bは、別の実施形態によるガードリング110、112を含む単純なデバイス構造物113の平面図を示す。ガードリング110、112が更なるN型領域115a~eおよびP型領域116a~eを含むことを除いて、単純なデバイス構造物113は
単純なデバイス構造物100と同様である。更に、
図1Gに関連して示されるように、P型領域106a~jおよびN型領域105a~jにより形成されたPN接合の反対を向いたPN接合(例えばダイオード)を形成するように、N型領域115a~eはカソードとして電気的に機能し得、P型領域116a~eはアノードとして電気的に機能し得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
図1Fは、
図1Aの実施形態による単純なデバイス構造物100の概略図
151を示す。概略図
151は単純なデバイス構造物100の平面図に従っており、相互接続セグメント107a~cを使用した、デバイス領域101、デバイス領域102、ガードリング110、およびガードリング112の電気接続を示し、概略図
151はN型領域105a~jとP型領域106a~jとにより形成されたダイオードD1~D10を含むダイオード表現を更に提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
図1Gは、
図1Bの実施形態による単純なデバイス構造物113の概略
図170を示す。概略
図170は単純なデバイス構造物113の平面図に従っており、相互接続セグメント107a~cを使用した、デバイス領域101、デバイス領域102、ガードリング110、およびガードリング112の電気接続を示す。概略図
151がN型領域115a~eとP型領域116a~eとにより形成された更なるダイオードD11~D15を含むことを除いて、概略図
151は概略
図170と同様である。例えば、ダイオードD1とD11とが背中合わせの構成で位置しているようにダイオードD11がダイオードD1とD2との間において直列となり、背中合わせの構成ではD11のアノード(すなわちP型領域116a)がD1のアノード(すなわちP型領域106a)に近接している(すなわち結合されている)。背中合わせの構成で位置しているダイオードを含むことは、ダイオードD1~D15のうちの1つまたは複数が、印加電圧の正の偏位と負の偏位との両方に対して逆バイアスに伴って動作することを可能にし得る。例えば、デバイス領域101とデバイス領域102との間の印加電圧が正であるとき、ダイオードD1~D10が逆バイアスされ得るとともに、ダイオードD11~D15が順バイアスされ(すなわち、順バイアスに伴って動作し)、および、印加電圧が負であるとき、ダイオードD11~D15が逆バイアスされ得るとともに、ダイオードD1~D10が順バイアスされる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
図3Aは、一実施形態による単純なデバイス構造物300の簡略化された平面概略図を示す。簡略化された平面概略図は、ガードリング310~313、相互接続セグメント340~345、デバイス領域301、302、およびダイオードアレイ330を示している。簡略化された平面概略図は、曲線状の弧を含む線としてガードリング310~313を示しており、提示の簡単さの点から接続された線として相互接続セグメント340~345を示しており、単純なデバイス構造物
300は4つのガードリング310~313を含む実施形態を示すが、デバイス領域301とデバイス領域302との間の表面領域をカバーするために、必要に応じて、4つより多いまたは少ないガードリング310~313が存在してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
図3Bは、別の実施形態による単純なデバイス構造物360の簡略化された平面概略図を示す。単純なデバイス構造物360が、
図3Aに示されるものとは逆方向に配向されたダイオードを含むダイオードアレイ331を使用することを除いて、単純なデバイス構造物360は
単純なデバイス構造物300のものと同様である。例えば、ダイオードD34のアノードが相互接続セグメント342によりガードリング311に電気的に結合されるように、ダイオードD34が配向させている。逆方向に配向されたダイオードを含んで配置されたダイオードアレイ331を含むことは、
単純なデバイス構造物300とともに使用されているものとは符号が逆の印加電圧に伴うデバイス動作を有益に可能にし得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
図3Cは、別の実施形態による単純なデバイス構造物370の簡略化された平面概略図を示す。単純なデバイス構造物370が両方向に配向されたダイオードを含むダイオードアレイ332を使用することを除いて、単純なデバイス構造物370は
単純なデバイス構造物300および
単純なデバイス構造物360のものと同様である。例えば、ダイオードD35、D36、およびD37は、ダイオードD35およびD37の方向とは逆方向のダイオードD36を含んで配置されており、図示されているように、D35およびD36は背中合わせダイオードとして位置している(すなわち、D35およびD36のアノードが電気的に結合されている)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
本明細書における教示によると、デバイス動作および/または特性を損なわずにガードリングが絶縁破壊電圧ドリフトを軽減するように、ダイオードアレイ472がガードリング(例えば、ガードリング410~412および/またはガードリング440~442)内に形成され、LDMOS471に電気的に結合され得る。例えば、ドレイン対ソース電
圧VDSがゼロより大きいときにダイオードD41~D50が逆バイアスにより動作するように、ダイオードD41~D50は電気的に直列に接続される。ダイオードD41~D50の数は、ドレイン・ソース電流IDSのオフ状態値に対して逆漏れ電流ILが少なくなるように選択され得る。ドレイン・ソース電流IDSのオフ状態値は、ゲート対ソース電圧VGSが閾値電圧(例えば2ボルト)未満である状態に対応し得る。例えば、ゲート対ソース電圧VGSがドレイン対ソース電圧VDS(例えば700ボルト)の指定された値に対する閾値電圧未満であるとき、逆漏れ電流ILが実質的にゼロであるように、および/またはドレイン・ソース電流IDSより実質的に小さいように、ダイオードD41~D50の数が選択され得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
本明細書における教示によると、ガードリングがデバイス動作および/または特性を損なわずに絶縁破壊電圧ドリフトを軽減するように、ダイオードアレイ582がガードリング(例えば、ガードリング510~512および/またはガードリング570~572)内に形成され、JFET581に電気的に結合され得る。例えば、ドレイン対ソース電圧VDSがゼロより大きいときにダイオードD61~D71が逆バイアスにより動作するように、ダイオードD61~D71が電気的に直列に接続される。ダイオードD61~D71の数は、逆漏れ電流ILがドレイン・ソース電流IDSのオフ状態値に対して低くなるように選択され得る。ドレイン・ソース電流IDSのオフ状態値は、ソース対ゲート電圧VSGがピンチオフ電圧(例えば4ボルト)より高い状態に対応し得る。例えば、ソース対ゲート電圧がドレイン対ソース電圧VDS(例えば700ボルト)の指定された値に対するピンチオフ電圧より高いとき、逆漏れ電流ILが実質的にゼロ(例えば、10分の1マイクロアンペアおよび/または100分の1マイクロアンペア)であるように、および/または、ドレイン・ソース電流IDSより実質的に小さくなる(例えば1マイクロアンペア)ように、ダイオードD61~D71の数が選択され得る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】