(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】三次元印刷システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/277 20170101AFI20220817BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220817BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220817BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20220817BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20220817BHJP
【FI】
B29C64/277
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/393
B33Y50/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575008
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2020095964
(87)【国際公開番号】W WO2020253635
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520433333
【氏名又は名称】ラクスクレオ・(ベイジン)・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ロバート・ストロヘッカー
(72)【発明者】
【氏名】マイク・シャン-ユ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】メン-ハン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】イ-ホ・リン
(72)【発明者】
【氏名】グアン・ジュ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL44
4F213WL78
4F213WL85
(57)【要約】
本願は、光硬化三次元印刷方法及びシステムを提供する。該システムは、処理装置、マイクロ発光ダイオードアレイ及び印刷コンポーネントを含む。処理装置は、オブジェクトの1層以上の印刷層を決定するように構成される。マイクロ発光ダイオードアレイは、1層以上の印刷層のそれぞれに光を発生するように構成される。印刷コンポーネントは、1層以上の印刷層を印刷するように構成される。1層以上の印刷層に対して光を発生するために、処理装置は、さらに、マイクロ発光ダイオードアレイにおける1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定し、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域に1つ以上の領域印刷パラメータを決定し、かつ1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの1つ以上の制御信号を決定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの1層以上の印刷層を決定するように構成される処理装置と、
前記1層以上の印刷層のそれぞれに対して光を発生するように構成されるマイクロ発光ダイオード(マイクロ発光ダイオード)アレイと、
前記1層以上の印刷層を印刷するように構成される印刷コンポーネントと、を含み、
前記1層以上の印刷層のそれぞれに前記光を発生するために、前記処理装置は、
前記マイクロ発光ダイオードアレイにおいて、それぞれが1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタを含む1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定し、
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の領域印刷パラメータを決定し、
前記1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタに対して1つ以上の制御信号を決定するように構成される、光硬化三次元印刷システム。
【請求項2】
前記マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは50ミクロンより小さいことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マイクロ発光ダイオードアレイは、互いに対して回転可能な1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに対応することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードエミッタの位置は調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
異なる印刷層に対して決定された前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は同じであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記マイクロ発光ダイオードアレイにおいて1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するために、前記処理装置は、
第1印刷層に対して第1マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
第2印刷層に対して、前記第1マイクロ発光ダイオード領域とは異なる第2マイクロ発光ダイオード領域を決定するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
異なる印刷層は異なる数のマイクロ発光ダイオード領域を有することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第3印刷層及び第4印刷層の両方に対して第3マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第3マイクロ発光ダイオード領域は前記第3印刷層に対して第1波長を有する第1種の光を発生し、
前記第3マイクロ発光ダイオード領域は前記第4印刷層に対して第2波長を有する第2種の光を発生し、
前記第1波長は前記第2波長とは異なることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第5印刷層に対して第4マイクロ発光ダイオード領域を決定し、第6印刷層に対して第5マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第4マイクロ発光ダイオード領域は前記第5印刷層に対して第1印刷解像度を出力し、
前記第5マイクロ発光ダイオード領域は前記第6印刷層に対して第2印刷解像度を出力し、
前記第1印刷解像度は前記第2印刷解像度とは異なることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
第7印刷層に対して第6マイクロ発光ダイオード領域を決定し、第8印刷層に対して第7マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第6マイクロ発光ダイオード領域は前記第7印刷層に対して第1強度の光を出力し、
前記第7マイクロ発光ダイオード領域は前記第8印刷層に対して第2強度の光を出力し、
前記第1強度は前記第2強度とは異なることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、異なる数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備える異なるマイクロ発光ダイオード領域を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、同じ数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備える異なるマイクロ発光ダイオード領域を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
異なるマイクロ発光ダイオード領域の領域印刷パラメータは異なることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上の制御信号は、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに含まれる1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの表示状態、露光時間、波長又は変調モードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記変調モードはパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)を含むことを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタは、赤色マイクロ発光ダイオードエミッタ、青色マイクロ発光ダイオードエミッタ、緑色マイクロ発光ダイオードエミッタ又は紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により発生された光ビームをコリメートするための光学素子をさらに含むことを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
オブジェクトの1層以上の印刷層を決定するステップと、
前記1層以上の印刷層のそれぞれに対して、
マイクロ発光ダイオードアレイにおいて1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するステップであって、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれが1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタを含む、ステップと、
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の領域印刷パラメータを決定するステップと、
前記1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタに対して1つ以上の制御信号を決定するステップと、
前記1つ以上の制御信号に基づいて光を発生させるステップと、
前記1層以上の印刷層を印刷するステップとを含む、光硬化三次元印刷方法。
【請求項20】
前記マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは50ミクロンより小さいことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記マイクロ発光ダイオードアレイは、互いに対して回転可能な1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに配置されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに対応することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードエミッタの位置は調整可能であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
異なる印刷層に対して決定された前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は同じであることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記マイクロ発光ダイオードアレイにおいて1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するステップは、
第1印刷層に対して、第1マイクロ発光ダイオード領域を決定するステップと、
第2印刷層に対して、前記第1マイクロ発光ダイオード領域とは異なる第2マイクロ発光ダイオード領域を決定するステップを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
異なる印刷層は異なる数のマイクロ発光ダイオード領域を有することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
第3印刷層及び第4印刷層に対して第3マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第3マイクロ発光ダイオード領域は前記第3印刷層に対して第1波長を有する第1種の光を発生し、
前記第3マイクロ発光ダイオード領域は前記第4印刷層に対して第2波長を有する第2種の光を発生し、
前記第1波長は前記第2波長とは異なることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
第5印刷層に対して第4マイクロ発光ダイオード領域を決定し、第6印刷層に対して第5マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第4マイクロ発光ダイオード領域は前記第5印刷層に対して第1印刷解像度を出力し、
前記第5マイクロ発光ダイオード領域は前記第6印刷層に対して第2印刷解像度を出力し、
前記第1印刷解像度は前記第2印刷解像度とは異なることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
第7印刷層に対して第6マイクロ発光ダイオード領域を決定し、第8印刷層に対して第7マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第6マイクロ発光ダイオード領域は前記第7印刷層に対して第1強度の光を出力し、
前記第7マイクロ発光ダイオード領域は前記第8印刷層に対して第2強度の光を出力し、
前記第1強度は前記第2強度とは異なることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、異なる数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備える異なるマイクロ発光ダイオード領域を含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、同じ数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備える異なるマイクロ発光ダイオード領域を含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
異なるマイクロ発光ダイオード領域の領域印刷パラメータは異なることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記1つ以上の制御信号は、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに含まれる1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの表示状態、露光時間、波長又は変調モードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
前記変調モードはパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)を含むことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタは、赤色マイクロ発光ダイオードエミッタ、青色マイクロ発光ダイオードエミッタ、緑色マイクロ発光ダイオードエミッタ又は紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により発生された光ビームをコリメートすることをさらに含む、請求項19~35のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年6月12日に出願された出願番号PCT/CN2020/000001の国際出願の優先権を主張し、その内容が引用により本文に組み込まれる。
【0002】
本願は、三次元(3D)印刷に関し、より具体的には、マイクロ発光ダイオード(microLED)アレイを含む光照射装置から出射された光に基づいて三次元オブジェクトを印刷するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
あるタイプの三次元プリンタは、様々なタイプの光硬化に基づくことができる。これらのプリンタにおいて、三次元部分は一回一層の方式で構築されてもよい。該層用の二次元パターンを光硬化性液体に投影し、該液体を硬化させることにより、該二次元パターンにマッチングする固体形状を形成して、各層を形成することができる。パターンは、一般的に表示装置、例えばLCD(液晶ディスプレイ)又はDLP(デジタルマイクロミラーデバイスに基づくデジタル光処理)技術に基づく表示装置に表示される。該パターンは、光学デバイスを介して表示装置から液体に投影される。表示装置の光線は、最終的な印刷オブジェクトの属性及び/又は特徴(例えば、精度、サイズ)に影響を与えることができる。本願は、三次元印刷の様々な応用を満たすために、最適化された発光メカニズム、より長い耐用年数、より強い光強度、及びより大きな表示サイズを有するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本願の第一態様において、光硬化三次元(3D)印刷システムを提供する。該システムは、処理装置、マイクロ発光ダイオード(microLED)アレイ及び印刷コンポーネントを含むことができる。処理装置は、オブジェクトの1層以上の印刷層を決定するように構成されてもよい。マイクロ発光ダイオードアレイは、1つ以上の印刷層のそれぞれに対して光を発生するように構成されてもよい。1層以上の印刷層のそれぞれに対して光を発生するために、該処理装置は、さらに、マイクロ発光ダイオードアレイにおいて、それぞれが1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタを含む1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定し、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の領域印刷パラメータを決定し、かつ1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの1つ以上の制御信号を決定するように構成されてもよい。印刷コンポーネントは、1層以上の印刷層を印刷するように構成されてもよい。
【0005】
いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは50ミクロンより小さくてもよい。
【0006】
いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイは、互いに対して回転可能な1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに配置されてもよい。
【0007】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに対応してもよい。
【0008】
いくつかの実施例において、1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードエミッタの位置は調整可能であってもよい。
【0009】
いくつかの実施例において、異なる印刷層に対して決定された1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は同じであってもよい。
【0010】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードアレイにおいてマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するために、処理装置は、第1印刷層の第1マイクロ発光ダイオード領域を決定し、かつ第2印刷層に対して、第1マイクロ発光ダイオード領域とは異なる第2マイクロ発光ダイオード領域を決定するように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの実施例において、異なる印刷層は異なる数のマイクロ発光ダイオード領域を備えてもよい。
【0012】
いくつかの実施例において、第3印刷層及び第4印刷層に対して第3マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。第3マイクロ発光ダイオード領域は第3印刷層に対して第1波長を有する第1種の光を発生してもよく、第4印刷層に対して第2波長を有する第2種の光を発生してもよく、第1波長は第2波長とは異なってもよい。
【0013】
いくつかの実施例において、第5印刷層に対して第4マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、第6印刷層に対して第5マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。第4マイクロ発光ダイオード領域は第5印刷層に対して第1印刷解像度を出力してもよく、第5マイクロ発光ダイオード領域は第6印刷層に対して第2印刷解像度を出力してもよく、第1印刷解像度は第2印刷解像度とは異なってもよい。
【0014】
いくつかの実施例において、第7印刷層に対して第6マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、第8印刷層に対して第7マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。第6マイクロ発光ダイオード領域は第7印刷層に対して第1強度の光を出力してもよく、第7マイクロ発光ダイオード領域は第8印刷層に対して第2強度の光を出力してもよく、第1強度は第2強度とは異なってもよい。
【0015】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、異なる数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備えてもよい異なるマイクロ発光ダイオード領域を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、同じ数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備えてもよい異なるマイクロ発光ダイオード領域を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオード領域の領域印刷パラメータは異なってもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、1つ以上の制御信号は、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに含まれる1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの表示状態、露光時間、波長又は変調モードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されてもよい。
【0019】
いくつかの実施例において、変調モードはパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)を含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタは、赤色マイクロ発光ダイオードエミッタ、青色マイクロ発光ダイオードエミッタ、緑色マイクロ発光ダイオードエミッタ又は紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、該システムは、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により発生された光ビームをコリメートするための光学素子をさらに含んでもよい。
【0022】
本願の第二態様において、方法を提供する。該方法は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つの記憶装置を有する少なくとも1台の機械で実現されてもよい。該方法は1つ以上の以下の操作を含んでもよい。オブジェクトの1層以上の印刷層を決定してもよい。1層以上の印刷層のそれぞれに対して、マイクロ発光ダイオードアレイにおいて、それぞれが1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定し、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の印刷パラメータを決定し、1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの1つ以上の制御信号を決定してもよい。1層以上の印刷層を印刷してもよい。
【0023】
いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは50ミクロンより小さくてもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイは、互いに対して回転可能な1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに配置されてもよい。
【0025】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに対応してもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードエミッタの位置は調整可能であってもよい。
【0027】
いくつかの実施例において、異なる印刷層に対して決定された1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は同じであってもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードアレイにおいてマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するために、処理装置は、第1印刷層に対して第1マイクロ発光ダイオード領域を決定し、かつ第2印刷層に対して、第1マイクロ発光ダイオード領域とは異なる第2マイクロ発光ダイオード領域を決定するように構成されてもよい。
【0029】
いくつかの実施例において、異なる印刷層は異なる数のマイクロ発光ダイオード領域を備えてもよい。
【0030】
いくつかの実施例において、第3印刷層及び第4印刷層に対して第3マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。第3マイクロ発光ダイオード領域は第3印刷層に対して第1波長を有する第1種の光を発生してもよく、第4印刷層に対して第2波長を有する第2種の光を発生してもよく、第1波長は第2波長とは異なってもよい。
【0031】
いくつかの実施例において、第5印刷層に対して第4マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、第6印刷層に対して第5マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。第4マイクロ発光ダイオード領域は第5印刷層に対して第1印刷解像度を出力してもよく、第5マイクロ発光ダイオード領域は第6印刷層に対して第2印刷解像度を出力してもよく、第1印刷解像度は第2印刷解像度とは異なってもよい。
【0032】
いくつかの実施例において、第7印刷層に対して第6マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、第8印刷層に対して第7マイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。第6マイクロ発光ダイオード領域は第7印刷層に対して第1強度の光を出力してもよく、第7マイクロ発光ダイオード領域は第8印刷層に対して第2強度の光を出力してもよく、第1強度は第2強度とは異なってもよい。
【0033】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、異なる数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備えてもよい異なるマイクロ発光ダイオード領域を含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、同じ数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備えてもよい異なるマイクロ発光ダイオード領域を含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオード領域の領域印刷パラメータは異なってもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、1つ以上の制御信号は、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに含まれる1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの表示状態、露光時間、波長又は変調モードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されてもよい。
【0037】
いくつかの実施例において、変調モードはパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施例において、1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタは、赤色マイクロ発光ダイオードエミッタ、青色マイクロ発光ダイオードエミッタ、緑色マイクロ発光ダイオードエミッタ又は紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施例において、該方法は、以下の操作の1つ以上をさらに含んでもよい。1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により発生された光ビームをコリメートしてもよい。
【0040】
本願の一部の付加的な特徴は、以下の記述に説明される。以下の記述及び対応する図面の研究、又は実施例の製造若しくは操作に対する理解により、本願の一部の付加的な特徴は当業者にとって明らかである。本願の特徴は、以下に記述する具体的な実施例の様々な態様の方法、手段及び組み合わせの実施又は使用により、実現し達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本願は、例示的な実施例によりさらに記述される。これらの例示的な実施例は、図面を参照して詳細に記述される。図面は比例に応じて描かれない。これらの実施例は限定的ではない例示的な実施例であり、類似する参照番号は、全ての図面において、類似する構造を示す。
【0042】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る例示的な三次元印刷システムの概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る、三次元印刷システム100を実現できる例示的なコンピューティングデバイスの概略図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る、端末130を実現できる例示的な携帯機器の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントの概略図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る例示的な処理装置の概略図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係る例示的な三次元印刷装置の概略図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係る例示的な光照射装置のブロック図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロ発光ダイオードパネルの断面側面図である。
【
図8A】本願のいくつかの実施例に係るマイクロ発光ダイオードサブパネルの例示的な回転及び/又はシフトメカニズムの概略図である。
【
図8B】本願のいくつかの実施例に係るマイクロ発光ダイオードサブパネルの例示的な回転及び/又はシフトメカニズムの概略図である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路の概略図である。
【
図10】本願のいくつかの実施例に係る、3Dオブジェクトを印刷する例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図11】本願のいくつかの実施例に係る、1層の印刷層を印刷する例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図12A】本願のいくつかの実施例に係る例示的な画素点構造の概略図である。
【
図12B】本願のいくつかの実施例に係る例示的な画素点構造の概略図である。
【
図12C】本願のいくつかの実施例に係る例示的な画素点構造の概略図である。
【
図12D】本願のいくつかの実施例に係る例示的な画素点構造の概略図である。
【
図12E】本願のいくつかの実施例に係る例示的な相対スペクトルパワー密度の概略図である。
【
図13】本願のいくつかの実施例に係る、マイクロ発光ダイオードの相対発光強度を示す例示的な曲線の概略図である。
【
図14】本願のいくつかの実施例に係る例示的な周波数制御の概略図である。
【
図15】本願のいくつかの実施例に係る、光ビームをコリメートするための例示的な光学素子の概略図である。
【
図16】本願のいくつかの実施例に係る、光ビームをコリメートするための例示的な光学素子の概略図である。
【
図17】本願のいくつかの実施例に係る、光ビームをコリメートするための例示的な光学素子の概略図である。
【
図18】本願のいくつかの実施例に係る印刷層用の例示的なマイクロ発光ダイオード領域の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に使用する必要がある図面について簡単に説明する。しかし、当業者は、これらの詳細を用いなくても本願を実施できることを理解するであろう。他の状況では、本願の各面を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、システム、コンポーネント、及び/又は回路を上位の概念で説明した。当業者にとって、明らかに、開示された実施例に対して様々な変更を行うことができ、本願の主旨及び範囲から逸脱することなく、本願で定義された一般的な原則を他の実施例及び応用シーンに適用することができる。したがって、本願は、開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲と一致する最も広い範囲に適合する。
【0044】
本明細書で使用される用語は特定の例示的な実施例を説明する目的だけであり、制限することを意図しない。本明細書に使用されるように、単数の形式の「一」、「一つ」及び「該」は、文脈で明確に示されていない限り、複数の場合を含むように意図したものである。さらに理解されるように、本明細書で使用される場合、用語「含む」、「含み」及び/又は「備える」、「備え」、「有し」及び/又は「含有」は、前記特徴、整数、ステップ、操作、要素及び/又はコンポーネントが存在することを指定するが、一つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント及び/又はそのグループの存在又は添加を排除しない。
【0045】
理解されるように、本明細書で使用される用語「システム」、「エンジン」、「モジュール」、「ユニット」及び/又は「ブロック」は、異なるレベルの異なるコンポーネント、素子、部品、部分又はコンポーネントを区別する方法である。しかし、これらの用語が同じ目的を達成すれば、他の表現で置き換えてもよい。
【0046】
一般的に、本明細書に使用される用語「モジュール」、「ユニット」又は「ブロック」は、ハードウェア又はファームウェアで具現化された論理又はソフトウェア命令の集合を指す。本明細書に記載されたモジュール、ユニット又はブロックは、ソフトウェア及び/又はハードウェアとして具現化してもよく、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体又は他の記憶装置に記憶してもよい。いくつかの実施例において、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックをコンパイルしかつそれを実行可能なプログラムにリンクすることができる。理解されるように、ソフトウェアモジュールは、他のモジュール/ユニット/ブロック又はそれ自体から呼び出してもよく、及び/又は検出されたイベント又は中断に応答して呼び出してもよい。コンピューティングデバイス(例えば、
図2に示されるCPU220)で実行されるソフトウェアモジュール/ユニット/ブロック、例えば光ディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュメモリドライブ、磁気ディスク、又は任意の他の有形媒体を、コンピュータ可読媒体に提供してもよく、デジタルとしてダウンロードしてもよい(最初に圧縮又はインストール可能なフォーマットで記憶されてもよく、実行する前にインストールし、解凍するか又は復号化する必要がある)。このようなソフトウェアコードは、コンピューティングデバイスにより実行されるように、一部又は全部が実行中のコンピューティングデバイスの記憶装置に記憶してもよい。ソフトウェアコマンドは、例えばEPROMなどのファームウェアに埋め込まれてもよい。さらに、ハードウェアモジュール/ユニット/ブロックは、接続された論理コンポーネント、例えばゲート及びトリガに含まれてもよく、及び/又は、プログラマブルユニット、例えばプログラマブルゲートアレイ又はプロセッサに含まれてもよいことを理解されたい。本明細書に記載されたモジュール/ユニット/ブロック又は計算装置機能は、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックとして実現してもよいが、ハードウェア又はファームウェアで表すことができる。一般的に、本明細書に記載されたモジュール/ユニット/ブロックは、その物理的組織又は記憶にかかわらず、他のモジュール/ユニット/ブロックと組み合わせるか、又はサブモジュール/サブユニット/サブブロックに分割することができる。この説明は、システム、エンジン、又はそれらの一部に適用することができる。
【0047】
理解されるように、エンジン、モジュールユニット又はブロックが別のエンジン、モジュール、ユニット又はブロックにおいて「オン」、「接続」、又は「結合」するとされる場合、文脈で特に明確に説明していない限り、それらは別のエンジン、モジュール、ユニット若しくはブロックに直接的にオン、接続、結合することができ、又は別のエンジン、モジュール、ユニット若しくはブロックと通信することができ、又は介在するユニット、エンジン、モジュール若しくはブロックが存在する場合がある。本願において、用語「及び/又は」は列挙した関連項目の任意の一つ又はその組み合わせを含むことができる。
【0048】
以下の図面の説明を考慮する場合、本願のこれら及び他の特徴、並びに特徴、構造の関連部品の操作及び機能と部品及び製造の経済性はより明らかになる。全ての図面は本開示の一部を構成する。しかしながら、図面は説明するためのみであり、本開示の範囲を限定するものではない。図面は一致した縮尺で作成されたものではないことを理解されたい。
【0049】
本願の一態様において、主に三次元印刷に関連する光照射装置のシステム及び方法を記述する。光照射装置は、アレイを形成する発光ユニット、例えばマイクロ発光ダイオード(マイクロ発光ダイオード)アレイを含んでもよい。アレイを形成する発光ユニットが同じ又は異なる強度分布(例えば、放射図)で光を投射して、オブジェクトの異なる印刷層に放射するように制御してもよい。
【0050】
また、各印刷層に対して所望の領域効果を実現するために、発光ユニットのアレイの1つ以上の発光領域(例えばマイクロ発光ダイオード領域)を動的に決定してもよい。具体的には、各発光領域及びその発光ユニットは、1層以上の印刷層の特定の条件(例えば、所望の解像度及び/又は強度)を満たすように、個別に独立して制御されてもよい。このように、各発光ユニットは、同じ発光領域での全ての発光ユニットが必要に応じて必要な領域効果を達成することができることを前提として、独立状態で動作してもよい(例えば、「オン」又は「オフ」状態にある場合に、固有の階調及び固有の色を提供する)。いくつかの実施例において、各発光領域における発光ユニットの露光強度及び/又は露光時間は独立して制御されてもよい。
【0051】
本願の実施例によれば、アレイを形成する独立して制御される発光ユニットを三次元印刷の光源として異なる発光領域に選択的にグループ化することにより、光の品質をよりよく制御し、かつより長い光源の耐用年数を達成することができる。
【0052】
図1は本願のいくつかの実施例に係る例示的な三次元印刷システムの概略図である。
図1に示される実施例において、三次元印刷システム100は、三次元印刷装置110、ネットワーク120、1つ以上の端末130(例えば130a、130b及び130c)、処理装置140及び記憶装置150を含んでもよい。
【0053】
三次元印刷装置110は、印刷ファイルに基づいて3Dオブジェクトを印刷するように構成されてもよい。印刷ファイルは、1つ以上の機械命令を含んでもよく、オブジェクトを印刷するために三次元印刷装置110により読み取られて実行されてもよい。いくつかの実施例において、印刷ファイルはGコードファイルを含んでもよい。いくつかの実施例において、
図5に示すように、三次元印刷装置110は、材料シリンダ510、構築板540及び光照射装置530を含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施例において、三次元印刷装置110は、ネットワーク120を介して記憶装置150及び/又は処理装置140から印刷ファイルを取得してもよい。ネットワーク120は、公衆ネットワーク(例えば、インターネット)、プライベートネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN))、有線ネットワーク(例えば、イーサネットネットワーク)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワーク、Wi-Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、フレームリレーネットワーク、仮想プライベートネットワーク(「VPN」衛星ネットワーク、電話ネットワーク、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ及び/又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、及び/又は、それらを含んでもよい。単に一例として、ネットワーク120は、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバネットワーク、電気通信ネットワーク、イントラネット、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、公衆電話交換ネットワーク(PSTN)、ブルートゥース(登録商標)TMネットワーク、ZigBeeTMネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワークなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、ネットワーク120は1つ以上のネットワークアクセスポイントを含んでもよい。例えば、ネットワーク120は、基地局及び/又はインターネット交換ポイントのような有線及び/又は無線ネットワークアクセスポイントを含んでもよく、三次元印刷システム100の1つ以上のコンポーネントは、該有線及び/又は無線アクセスポイントを介してネットワーク120に接続されてデータ及び/又は情報を交換してもよい。
【0055】
端末130は、携帯機器130a、タブレットコンピュータ130b、ラップトップコンピュータ130cなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。端末130は、三次元印刷システムの印刷プロセスを制御するためのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、携帯機器130aは、スマートホームデバイス、ウェアラブル装置、スマート携帯機器、仮想現実装置、拡張現実装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、スマートホームデバイスは、スマート照明装置、スマート電気機器の制御装置、スマート監視装置、スマートテレビ、スマートカメラ、インターフォンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、ウェアラブル装置は、ブレスレット、履物、メガネ、ヘルメット、腕時計、衣類、バックパック、スマートアクセサリーなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、携帯機器は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置、販売時点情報管理(POS)装置、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、仮想現実バイザ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ、拡張現実バイザなど、又はそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、GoogleGlassTM、OculusRiftTM、HololensTM、GearVRTMを含んでもよい。いくつかの実施例において、端末130は処理装置140の一部であってもよい。
【0056】
処理装置140は、三次元印刷装置110を制御して3Dオブジェクトを印刷するために、印刷ファイルを生成してもよい。いくつかの実施例において、処理装置140は、端末130からのユーザ入力と、処理装置140に記憶されるか又は記憶装置150若しくは三次元印刷装置110からネットワーク120を介して取得された1つ以上の3Dモデルとに基づいて、印刷ファイルを生成してもよい。いくつかの実施例において、処理装置140により、三次元印刷装置110は1つ以上の操作を実施してもよい。例えば、処理装置140により、三次元印刷装置110は、印刷ファイルを取得し、オブジェクトを印刷し、光照射装置の状態を検査し、メンテナンスプロセスを実行するなどの操作を実施してもよい。
【0057】
いくつかの実施例において、処理装置140は、クライアント、単一のサーバ又はサーバ群であってもよい。サーバ群は、集中型又は分散型であってもよい。いくつかの実施例において、処理装置140は、三次元印刷システム100における他のコンポーネントから局所的又は遠隔的に配置されてもよい。或いは、処理装置140は、ネットワーク120を介さずに、三次元印刷装置110、端末130及び/又はメモリに直接的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、処理装置140は、クラウドプラットフォームで実現されて、処理を実行してもよい。例えば、処理装置140は、クラウドプラットフォームで実現されて、三次元印刷命令を提供し、三次元印刷プロセスにエラーが発生するか否かを検出し、三次元印刷装置110の三次元印刷プロセスを調整するなどの処理、又はそれらの組み合わせを実行してもよい。単に一例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散型クラウド、クラウド間、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、処理装置140は、
図2に示される1つ以上のコンポーネントを有するコンピューティングデバイス200により実現されてもよい。いくつかの実施例において、処理装置140は三次元印刷装置140の一部であってもよい。
【0058】
記憶装置150は、情報、データ、命令及び/又は任意の他の情報を記憶してもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は少なくとも2つの三次元印刷モデルを記憶してもよい。処理装置140は、三次元印刷モデルを用いて印刷ファイルを生成してもよい。いくつかの実施例において、三次元印刷モデルは、物理モデル(例えば、類似モデル)、デジタルモデル、簡略化モデル(例えば、単純なモデル)、複雑なモデルなどを含んでもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、三次元印刷システム100の1つ以上のコンポーネント、例えば、アレイを形成する発光ユニット(例えば、マイクロ発光ダイオードアレイ)、発光ユニット(例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタ)の情報を記憶してもよい。マイクロ発光ダイオードアレイの情報は、マイクロ発光ダイオードアレイに含まれるマイクロ発光ダイオードエミッタの分布情報、マイクロ発光ダイオードエミッタの数、各マイクロ発光ダイオードエミッタの位置情報、物理パラメータ(例えば、色種類、ピーク波長、波長範囲、変調モード)、各マイクロ発光ダイオードエミッタの使用情報(例えば、使用頻度、照射量時間)、各マイクロ発光ダイオードエミッタの状態情報(例えば、良又は悪、オン又はオフ)を含んでもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は三次元印刷装置110から取得されたフィードバックデータを記憶してもよい。フィードバックデータは、三次元印刷装置100の1つ以上のセンサにより検出されたセンシングデータ、例えば印刷速度、印刷温度、印刷材料供給レベルなどを含んでもよい。フィードバックデータは、三次元印刷装置110のコントローラにより生成された1つ以上のアラーム信号を含んでもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、処理装置140が実行できるか又は本願に記述される例示的な方法を実行することに用いられるデータ及び/又は命令を記憶してもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、大容量記憶装置、リムーバブル記憶装置、揮発性読み書きメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)など、又はそれらの任意の組み合わせを含む。例示的な大容量記憶装置は、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブなどが挙げられる。例示的なリムーバブル記憶装置は、フラッシュメモリドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、メモリカード、コンパクトディスク、磁気テープなどが挙げられる。例示的な揮発性読み書きメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。例示的なRAMとしては、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブル・データ・レート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、静的RAM(SRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)及びゼロ・キャパシタRAM(Z-RAM)等が挙げられる。例示的なROMは、再構成した事前定義メモリ(MROM)、拡張パーティションメモリ(PROM)、拡張可能パーティションメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルパーティションメモリ(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、及びデジタル多用途ディスク再割り当てメモリ等が挙げられる。いくつかの実施例において、上記記憶装置150はクラウドプラットフォームで実現されてもよい。単に一例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散型クラウド、クラウド間、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施例において、上記記憶装置150はクラウドプラットフォームで実現されてもよい。単に一例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散型クラウド、クラウド間、マルチクラウドなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施例において、記憶装置150は、ネットワーク120に接続されて、三次元印刷システム100における1つ以上の他のコンポーネント(例えば、三次元印刷装置110、処理装置140、端末130)と通信してもよい。三次元印刷システム100の1つ以上のコンポーネントは、ネットワーク120を介して記憶装置150に記憶された情報又は命令にアクセスしてもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は、三次元印刷システム100の1つ以上の他のコンポーネント(例えば、処理装置140、端末130)に直接接続されても、それらと通信してもよい。いくつかの実施例において、記憶装置150は処理装置140の一部であってもよい。
【0061】
図2は本願のいくつかの実施例に係る、三次元印刷システム100を実現できる例示的なコンピューティングデバイスの概略図である。
【0062】
コンピューティングデバイス200は、汎用のコンピュータ又は専用のコンピュータであってもよい。両者はいずれも本願の撮像システムを実現してもよい。コンピューティングデバイス200は、本明細書に記載のサービスの任意のコンポーネントを実現してもよい。例えば、そのハードウェア、ソフトウェアプログラム、ファームウェア又はそれらの組み合わせにより、コンピューティングデバイス200で三次元印刷装置110の1つ以上のコンポーネントと三次元印刷システム100の処理装置140を実現してもよい。便宜上、そのようなコンピュータを一台だけ示すが、本明細書に記載の三次元印刷システム100に関連するコンピュータ機能を複数の類似プラットフォームに分散方式で実現して、負荷を分散方式で処理してもよい。
【0063】
例えば、コンピューティングデバイス200は、データ通信を促進するために、それに接続されたネットワーク(例えば、ネットワーク120)に接続されたCOMMポート250、及び該ネットワークからのCOMMポート250を含んでもよい。コンピューティングデバイス200は、中央処理装置(CPU)220をさらに含んでもよく、1つ以上のプロセッサの形式でプログラム命令を実行してもよい。例示的なコンピュータプラットフォームは、内部通信バス210と、異なる形式のプログラムメモリ及びデータ記憶装置、例えば、磁気ディスク270と、コンピュータにより処理及び/又は伝送された様々なデータファイルを記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)230又はランダムアクセスメモリ(RAM)240とを含んでもよい。該例示的なコンピュータプラットフォームは、CPU220により実行される、ROM230、RAM240及び/又は他のタイプの非一時的記憶媒体に記憶されたプログラム命令をさらに含んでもよい。本願に開示された方法及び/又はプロセスは、プログラム命令として実現されてもよい。コンピューティングデバイス200は、コンピュータとコンピュータにおける他のコンポーネントとの間の入力/出力をサポートする入力/出力部(I/O)260をさらに含む。いくつかの実施例において、I/O260は、入力装置及び出力装置を含んでもよい。例示的な入力装置は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、又はそれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。例示的な出力装置は、表示装置、スピーカ、プリンタ、プロジェクタ、又はそれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。表示装置の例は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)に基づくディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、曲面スクリーン、テレビ装置、陰極線管(CRT)、タッチスクリーンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、I/O260は、処理装置140により決定された3Dオブジェクト又は3Dオブジェクトの少なくとも2層の印刷層を表示するためのディスプレイであってもよい。また例えば、I/O260は、ユーザが入力した印刷要求を受信する入力装置であってもよい。また、コンピューティングデバイス200は、ネットワーク通信を介してプログラム及びデータを受信してもよい。
【0064】
説明のみのために、コンピューティングデバイス200について、中央処理ユニット及び/又はプロセッサのみを記述する。なお、本願におけるコンピューティングデバイス200は複数のCPU及び/又はプロセッサを含んでもよいため、本願に記述される、1つのCPU及び/又はプロセッサにより実現される操作及び/又は方法は、複数のCPU及び/又はプロセッサにより共同で又は独立して実現されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス200のCPU及び/又はプロセッサはステップA及びステップBを実行する。他の例において、ステップA及びステップBは、2つの異なるCPU及び/又はプロセッサによりコンピューティングデバイス200において組み合わせて、又はそれぞれ実行されてもよい(例えば、第1プロセッサはステップAを実行し、第2プロセッサはステップBを実行するか、又は第1及び第2プロセッサはステップA及びBを共同で実行する)。
【0065】
図3は本願のいくつかの実施例に係る、端末130を実現できる例示的な携帯機器の例示的なハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントの概略図である。
図3に示すように、携帯機器300は、通信モジュール310、ディスプレイ320、グラフィック処理ユニット(GPU)330、中央処理ユニット(CPU)340、I/O350、メモリ360及び記憶装置390を含んでもよい。いくつかの実施例において、任意の他の適切なコンポーネントは、システムバス又はコントローラ(図示せず)を含むが、これらに限定されず、携帯機器300内に含まれてもよい。いくつかの実施例において、モバイルオペレーティングシステム370(例えば、iOS
TM、Android
TM、WindowsPhone
TM)及び1つ以上のアプリケーションプログラム380は、記憶装置390からメモリ360にダウンロードされて、CPU340により実行されてもよい。アプリケーションプログラム380は、処理装置140から画像処理に関連する情報又は他の情報を受信し、レンダリングするためのブラウザ又は任意の他の適切なモバイルアプリケーションプログラムを含んでもよい。情報フローとのユーザ対話は、I/O350により実現され、かつネットワーク120により処理装置140及び/又は三次元印刷システム100の他のコンポーネントに提供されてもよい。
【0066】
本願に記述される様々なモジュール、ユニット及びその機能を実施するために、コンピュータハードウェアプラットフォームは本明細書に記述される1つ以上のコンポーネントのハードウェアプラットフォームとして用いられてもよい。ユーザインタフェース要素を有するコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)又は任意の他のタイプのワークステーション若しくは端末装置を実現してもよい。コンピュータが適切にプログラムされると、コンピュータはサーバとして用いられてもよい
【0067】
図4は本願のいくつかの実施例に係る例示的な処理装置のブロック図である。処理装置140は、取得モジュール410、モデル処理モジュール420、印刷制御モジュール430及びメンテナンス制御モジュール440を含んでもよい。処理装置140におけるコンポーネントは、三次元印刷システム100内の他のコンポーネント及び/又は他のコンポーネント、例えば、記憶装置150、端末130又は三次元印刷装置110など、又はそれらの組み合わせと互いに接続されても、通信してもよい。処理装置140は、
図2Aに示されるコンピューティングデバイス200で実現されてもよい。
【0068】
取得モジュール410は、三次元印刷プロセス又は三次元印刷装置110に関連する情報を取得するように構成されてもよい。三次元印刷システム100の任意のコンポーネント(例えば、記憶装置150、端末130又は三次元印刷装置110など)又はそれらの組み合わせから該情報を取得してもよい。該情報は、ユーザ端末(例えば、
図1に示される端末130)からの印刷要求、三次元印刷モデル、マイクロ発光ダイオードアレイの情報など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、印刷要求は、印刷オブジェクトの識別情報(例えば、印刷オブジェクトのID又は名称、印刷オブジェクトのファイル)及び1つ以上の印刷設定パラメータ(例えば、印刷解像度、材料光源、材料タイプ、オブジェクトサイズ、アスペクト比、光源方向、品質、多波長印刷、印刷時間、印刷精度、印刷方向)(三次元印刷処理に関連する)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。三次元印刷モデル及びマイクロ発光ダイオードアレイの情報についてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図1及びその関連記述を参照する。
【0069】
モデル処理モジュール420は、オブジェクト及び/又は該オブジェクトの少なくとも2層の印刷層に対応する三次元印刷モデルを決定するように構成されてもよい。三次元印刷モデルは、コンピュータ支援設計パッケージを使用して構成されてもよく、3Dスキャナのスキャンデータに基づいて再構成されてもよい。三次元印刷モデルとユーザからの印刷要求とに基づいて少なくとも2層の印刷層を決定してもよい。三次元印刷モデル及び/又は少なくとも2層の印刷層を決定するための例示的なコンピュータ支援設計パッケージは、例えば、3Dmax、Rhinoceos(Rhino)、Solidworks、Catia、Inventor、AutoCAD、UG、TinkerCADなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0070】
印刷制御モジュール430は、オブジェクトの少なくとも2層の印刷層に基づいて印刷ファイルを決定するように構成されてもよい。印刷ファイルは、1つ以上の発光ユニット、例えば、マイクロ発光ダイオードアレイにおけるマイクロ発光ダイオードエミッタを制御するための制御信号を含んでもよい。制御信号は、発光ユニットなどが発生した光又はそれらの任意の組み合わせに対して空間制御、周波数制御、色制御(波長制御と呼ばれる)を行うように構成されてもよい。説明のために、以下の記述において、少なくとも2つのマイクロ発光ダイオードエミッタを含むマイクロ発光ダイオードアレイを発光ユニットの例として記述してもよい。
【0071】
空間制御とは、マイクロ発光ダイオードエミッタの空間分布に基づくマイクロ発光ダイオードアレイに対する空間制御であってもよい。例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタを異なるマイクロ発光ダイオード領域(MLR)に区画してもよく、各領域は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい。空間制御で、マイクロ発光ダイオード領域における各マイクロ発光ダイオードエミッタの動作を制御することにより、各マイクロ発光ダイオード領域の強度分布を専用に設計してもよい。例えば、マイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタを流れる電流を制御するか又はマイクロ発光ダイオード領域にマイクロ発光ダイオードエミッタの「オン」又は「オフ」状態を設定することにより、マイクロ発光ダイオード領域の強度分布を調整してもよい。
【0072】
周波数制御とは、マイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタのスイッチング周波数に対する制御であってもよい。周波数制御で、印刷制御モジュール430は、制御信号を生成して一定の時間内にマイクロ発光ダイオードエミッタの動作状態(例えば、「オン」又は「オフ」状態)を管理してもよい。いくつかの実施例において、PWM(パルス幅変調)は周波数制御用の調光器として用いられてもよい。
【0073】
色制御とは、マイクロ発光ダイオード領域の光の色構成に対する制御であってもよい。異なる波長を有するマイクロ発光ダイオードエミッタをマイクロ発光ダイオード領域に組み込むこと、及び/又は、マイクロ発光ダイオード領域に光の混合を動的に変化させることにより、特定の光の色構成を達成することができる。いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオード領域が赤色マイクロ発光ダイオードエミッタ、緑色マイクロ発光ダイオードエミッタ及び青色マイクロ発光ダイオードエミッタを含むと、マイクロ発光ダイオード領域はNR×NG×NB種類の異なる色の光を発生することができ、ここでNRは赤色マイクロ発光ダイオードエミッタの強度レベルの数を表し、NGは緑色マイクロ発光ダイオードエミッタの強度レベルの数を表し、NBは青色マイクロ発光ダイオードエミッタの強度レベルの数を表す。NR、NG及びNBは任意の正の整数であってもよい。例えば、NRは256であってもよく、この場合、赤色の強度レベルは範囲[0,255]内の任意の整数で表される。制御回路により、マイクロ発光ダイオードエミッタの強度レベルの数を制御してもよい。光の色構成についてのより多くの記述は本願の他の箇所にある。例えば、
図12A~
図12E及びそれらの関連記述を参照する。
【0074】
メンテナンス制御モジュール440は、三次元印刷システムの1つ以上のコンポーネントを検査及び/又は校正するように構成されてもよい。一般的に、発光ダイオードチップの効率及び強度は時間の経過とともに低下する。メンテナンス制御モジュール440により自己校正メカニズムを実行して、1つ以上の故障した(例えば、減衰された)マイクロ発光ダイオードエミッタを識別してもよい。次に、1つ以上の故障したマイクロ発光ダイオードエミッタを記録してもよく、かつ自己校正メカニズムは周囲の発光ダイオードエミッタを用いて1つ以上の故障したマイクロ発光ダイオードエミッタの減衰を補償してもよい。具体的には、自己校正メカニズムは、同じマイクロ発光ダイオード領域に属する他のマイクロ発光ダイオードエミッタを用いてマイクロ発光ダイオード領域における1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタの減衰を補償することにより、マイクロ発光ダイオード領域により発生された光の品質を保持してもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、アルゴリズムに基づいて1つ以上の故障したマイクロ発光ダイオードエミッタを識別してもよい。いくつかの実施例において、三次元印刷システムのユーザからの命令に基づいて、機能が異常である1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを識別してもよい。
【0076】
図5は本願のいくつかの実施例に係る例示的な三次元印刷装置の概略図である。三次元印刷装置110は、材料シリンダ510、構築板540及び光照射装置530を含んでもよい。三次元印刷装置110は、光を上から下へ配向するように構成された三次元印刷装置又は光を下から上へ配向するように構成された三次元印刷装置を含んでもよい。説明を容易にするために、以下の記述において、光を下から上へ配向するように構成された三次元印刷装置を例として記述してもよい。
【0077】
材料シリンダ510は、印刷材料550を貯蔵するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、印刷材料550は、1つ以上の光硬化性材料、例えば、光ラジカル硬化プロセスに用いられる光ラジカル硬化性材料、光カチオン硬化プロセスに用いられる光カチオン硬化性材料を含んでもよい。光ラジカル硬化性材料の例は、アクリル系、メタクリル系、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、スチレン、オレフィン、ハロゲン化オレフィン、シクロオレフィン、無水マレイン酸、オレフィン、アルキン、一酸化炭素、官能化オリゴマー(例えば、エポキシドのようなオリゴマー、アクリレート又はメタクリレート基で官能化されたポリウレタン、ポリエーテル又はポリエステル、又は官能化PEGなど、又はそれらの組み合わせ)を含んでもよい。光カチオン硬化性材料の例は、エポキシ基及びビニルエーテル基を含んでもよい。いくつかの実施例において、光硬化性材料は、スチレン化合物、ビニルエーテル、N-ビニルカルバゾール、ラクトン、ラクタム、シクロエーテル(例えば、エポキシド)、シクロアセタール又はシクロシロキサンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0078】
材料シリンダ510の底部に窓520が残ってもよく、光は、放射されて該窓520を透過し、光硬化性材料を硬化させて三次元印刷オブジェクト560を形成してもよい。いくつかの実施例において、材料シリンダ510は、1種以上の物質又は印刷材料550を搬送するための入口及び出口(
図5に示されず)をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の材料は、光子を吸収する材料を含んでもよく、遮光染料を含んでもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の材料は、光開始剤(例えば、カンファーキノン)、開始助剤(例えば、エチルジメチルアミノ安息香酸エチル)、光阻害剤(例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド)を含んでもよい。いくつかの実施例において、光硬化性材料と混合された1つ以上の光開始剤及び/又は遮光染料は、そのまま材料シリンダ510に含まれてもよい。
【0079】
三次元印刷オブジェクト560を層ごとに印刷してもよく、印刷プロセスには少なくとも2層の印刷層(例えば560a、560b)を含む。少なくとも2層の印刷層の厚さは同じであっても異なってもよい。三次元印刷オブジェクト560は、構築板540に印刷されてもよい。いくつかの実施例において、構築板540は、ロッドにより1つ以上の三次元印刷機構(
図5に示されず)に接続されてもよい。三次元印刷機構は、材料シリンダ510に対して構築板540を移動させるための1つ以上の機械的構造を含んでもよい。或いは、様々な実施形態において、材料シリンダ510のみを移動させるか又は材料シリンダ510と構築板540をそれぞれ移動させることにより、材料シリンダ510と構築板540との間の移動を実現してもよい。
【0080】
光照射装置530は、窓520の下方に位置し、かつ三次元印刷システム100の1つ以上のコンポーネント、例えば、処理装置140に接続されてもよい。光照射装置530は、三次元印刷プロセスにおいて印刷材料550を硬化させるための光を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、光照射装置530は、異なる発光領域(例えば、マイクロ発光ダイオード領域)を含んでもよく、該発光領域は光を発生するように独立して動的に制御されてもよく、すなわち、光照射装置530が提供する光は異なる発光領域に対応する異なる光成分を含んでもよい。1つ以上の光成分は、任意の形状、波長、光強度、色など、又はそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0081】
三次元印刷装置110についての以上の記述は、説明を目的とするものであり、本願の範囲を限定するものではない。多くの代替、修正及び変更は当業者にとって明らかである。本明細書に記述された例示的な実施形態の特徴、構造、方法及び他の特徴は、様々な方式で組み合わせて、付加的及び/又は代替的な実施例を得ることができる。例えば、三次元印刷装置110は、1つ以上の付加的なコンポーネントを含んでもよい。付加的又は代替的に、上記三次元印刷装置110の1つ以上のコンポーネントを省略してもよい。例えば、材料シリンダ510の窓520を省略してもよい。また例えば、三次元印刷装置110は、材料シリンダ510又は構築板540を駆動するためのモータ、走査装置(例えば3Dスキャナ)、制御装置、及び/又は光照射装置530に対して制御信号を復号化するための復号化装置をさらに含んでもよい。
【0082】
図6は本願のいくつかの実施例に係る例示的な光照射装置を示す概略図である。光照射装置530は、マイクロ発光ダイオードパネル610、底板(
図6に示されず)及び駆動装置620を含んでもよい。
【0083】
マイクロ発光ダイオードパネル610は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタ611(例えば、611a、611b、611c及び611d)を含んでもよい。1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタ611は、任意のタイプのマイクロ発光ダイオードエミッタであってもよい。例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタは、可視光マイクロ発光ダイオードエミッタ(例えば、赤色(R)発光ダイオードエミッタ、青色(B)マイクロ発光ダイオードエミッタ及び緑色(G)マイクロ発光ダイオードエミッタ)、紫外線(UV)マイクロ発光ダイオードエミッタ、赤外線(IR)マイクロ発光ダイオードエミッタなどであってもよい。いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオードエミッタ611は、同じ又は異なる膜、電極及び/又は基板を含んでもよい。電極は、n電極、p電極など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。基板は、シリコン窒化ガリウム基板、シリコン基板上の窒化ガリウム基板、シリコン基板など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオードエミッタ611は、同じ又は異なる物理的パラメータを含んでもよい。マイクロ発光ダイオードエミッタの物理的パラメータは、マイクロ発光ダイオードエミッタにより発生された光の波長(例えば、ピーク波長、波長範囲)、マイクロ発光ダイオードエミッタにより発生された光の色、マイクロ発光ダイオードエミッタの階調(輝度とも呼ばれる)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0085】
いくつかの実施例において、アルゴリズムに基づいてマイクロ発光ダイオードパネル610を1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域に区画して、1層以上の印刷層に光を提供してもよい。各マイクロ発光ダイオード領域は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい。各印刷層の印刷要件に応じて、異なる印刷層におけるマイクロ発光ダイオード領域の数は同じであっても異なってもよい。各印刷層に対して、異なるマイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタの数は同じであっても異なってもよい。いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタ611は、光を発生するように独立して制御されてもよい。
【0086】
いくつかの実施例において、同じ又は異なる変調技術に基づいて異なるマイクロ発光ダイオードエミッタを制御してもよい。変調技術は、パルス幅変調(PWM)、パルス周波数変調(PFM)、非ゼロ復帰オンオフキーイング(NRZ-OOK)変調方式、オンオフキーイング(OOK)変調方式など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、1層の印刷層に対して、全てのマイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタはいずれもパルス幅変調により変調されてもよい。いくつかの実施例において、1層の印刷層に対して、全てのマイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタはいずれもパルス周波数変調により変調されてもよい。1つの実施例において、1層の印刷層に対して、あるマイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタはパルス幅変調により変調されてもよく、他のマイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタはパルス周波数変調により変調されてもよい。いくつかの実施例において、1層の印刷層に対して、1つのマイクロ発光ダイオード領域において、全てのマイクロ発光ダイオードエミッタはいずれもパルス幅変調により変調されてもよい。いくつかの実施例において、1層の印刷層に対して、1つのマイクロ発光ダイオード領域において、全てのマイクロ発光ダイオードエミッタはいずれもパルス周波数変調により変調されてもよい。1つの実施例において、1層の印刷層に対して、1つのマイクロ発光ダイオード領域におけるあるマイクロ発光ダイオードエミッタはパルス幅変調により変調されてもよく、同じマイクロ発光ダイオード領域における他のマイクロ発光ダイオードエミッタはパルス周波数変調により変調されてもよい。このような個別に独立した画素レベル変調を選択的に制御することにより、材料特性、表面テクスチャ、スキン効果、貫通厚さ効果、複雑な印刷構造(例えば、垂れ下がり及び湾曲)の要件、又は類似体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な印刷品質要件を達成してもよい。
【0087】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに対応してもよい。例えば、1つ以上(例えば、2つ)のマイクロ発光ダイオードサブパネルに基づいて1つのマイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、すなわち、マイクロ発光ダイオード領域は1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルからのマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい。他の例に対して、マイクロ発光ダイオードサブパネルの少なくとも一部に基づいてマイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、すなわち、マイクロ発光ダイオードサブパネルでのマイクロ発光ダイオードエミッタの一部はマイクロ発光ダイオード領域に含まれ、残りの一部は該マイクロ発光ダイオード領域に含まれなくてもよい。
【0088】
マイクロ発光ダイオードパネル610に含まれる全てのマイクロ発光ダイオードエミッタ611はマイクロ発光ダイオードアレイを形成してもよい。いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイは数十万さらに数百万個のマイクロ発光ダイオードエミッタ611を含んでもよい。マイクロ発光ダイオードアレイのピッチ(画素点ピッチとも呼ばれる)Pは200ミクロンより小さくてもよい。本明細書に使用されるように、マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは、2つの隣接するマイクロ発光ダイオードエミッタの間の距離であり、マイクロ発光ダイオードアレイにおけるマイクロ発光ダイオードエミッタの中心(第1画素点とも呼ばれる)とその隣接するマイクロ発光ダイオードエミッタの中心(すなわち隣接する画素点)との間の距離で表されてもよい。いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは、200ミクロン、180ミクロン、150ミクロン、120ミクロン、100ミクロン、80ミクロン、60ミクロン、50ミクロン、30ミクロン、25ミクロン、23ミクロン、20ミクロン、19ミクロン、18ミクロン、17ミクロン、16ミクロン、15ミクロン、14ミクロン、13ミクロン、12ミクロン、11ミクロン、10ミクロン、9ミクロン、8ミクロン、7ミクロン、6ミクロン、5ミクロン、4ミクロン、3ミクロン、2ミクロン、1ミクロン、800ナノメートル、700ナノメートル、600ナノメートル、500ナノメートル、400ナノメートル、300ナノメートル、200ナノメートル、100ナノメートル、50ナノメートル、20ナノメートル、10ナノメートル、5ナノメートル、2ナノメートルなどより小さくてもよい。記述を容易にするために、マイクロ発光ダイオードエミッタを、直径がDである円形又は長さがLで幅がWである矩形に抽象化してもよい。マイクロ発光ダイオードアレイにおけるマイクロ発光ダイオードエミッタのサイズ(例えば、直径D、長さL又は幅W)は200ミクロンより小さい任意の値であってもよい。例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタのサイズは、200ミクロン、180ミクロン、160ミクロン、140ミクロン、120ミクロン、100ミクロン、80ミクロン、60ミクロン、40ミクロン、30ミクロン、20ミクロン、15ミクロン、14ミクロン、13ミクロン、12ミクロン、11ミクロン、10ミクロン、9ミクロン、8ミクロン、7ミクロン、6ミクロン、5ミクロン、4ミクロン、3ミクロン、2ミクロン、1ミクロン、800ナノメートル、700ナノメートル、600ナノメートル、500ナノメートル、400ナノメートル、300ナノメートル、200ナノメートル、100ナノメートル、50ナノメートル、20ナノメートル、10ナノメートル、5ナノメートル、2ナノメートルなどより小さくてもよい。
【0089】
いくつかの実施例において、三次元印刷システム100の要件に基づいて、マイクロ発光ダイオードアレイにおけるマイクロ発光ダイオードエミッタの大きさとマイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチを決定してもよい。例えば、印刷の大きさは、50平方センチメートル、100平方センチメートル、150平方センチメートル、300平方センチメートル、500平方センチメートル、1000平方センチメートル、1500平方センチメートル、2000平方センチメートル、2500平方センチメートル、3000平方センチメートル以上であってもよい。1つの実施例において、面積が900平方センチメートルである30センチメートル×30センチメートルのアレイを用いてもよい。他の実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは10ミクロンであり、隣接するマイクロ発光ダイオードエミッタの間隔は0ミクロンであり、かつ各マイクロ発光ダイオードエミッタの最大幅は10ミクロンであってもよい。他の実施例において、上記マイクロ発光ダイオードアレイの画素点は5ミクロンであり、隣接するマイクロ発光ダイオードエミッタの間隔は2ミクロンであり、かつ各マイクロ発光ダイオードエミッタの最大幅は3ミクロンであってもよい。なお、本願の実施例は上記サイズに限定されず、かつ任意の適切なサイズを利用してもよい。
【0090】
いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードアレイは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブアレイを含んでもよい。1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブアレイにおける各サブアレイはいずれもマイクロ発光ダイオードサブパネルに配置されてもよい。異なるマイクロ発光ダイオードサブアレイ(すなわち1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネル)の構成は同じであっても異なってもよい。例えば、1つのマイクロ発光ダイオードサブアレイは三種類の色(例えば、R、G、B)のマイクロ発光ダイオードエミッタで構成された15センチメートル×30センチメートルのアレイであってもよく、他のマイクロ発光ダイオードサブアレイは単一色(例えば、紫外線)のマイクロ発光ダイオードエミッタで構成された5センチメートル×30センチメートルのアレイであってもよい。
【0091】
マイクロ発光ダイオードパネル610は最大解像度を有し、かつゼロから最大解像度までの調整可能な印刷解像度を出力してもよい。本明細書に使用されるように、最大解像度は、固有解像度と呼ばれてもよく、アレイに含まれるマイクロ発光ダイオードエミッタ611の数により決められる。マイクロ発光ダイオードパネル610の最大解像度は1つの方向に1インチ当たり10N個以上の画素であってもよく、ここでNは任意の整数(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14など)であり、方向は、対角線方向、幅方向(水平方向とも呼ばれる)又は高さ方向(垂直方向とも呼ばれる)であってもよい。いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードパネル610の解像度は、高解像度(HD)、4K、8Kなどのレベルであってもよい。例えば、マイクロ発光ダイオードパネル610の幅方向の最大解像度(最大水平解像度とも呼ばれる)は、120、360、720、1440、1920、1998、2048、2560、3840、3996、4096、7680、7992、8192など以上であってもよい。また例えば、マイクロ発光ダイオードパネル610の高さ方向の最大解像度(最大垂直解像度とも呼ばれる)は、1080、1716、2160、3432、4320など以上であってもよい。印刷解像度は、印刷プロセスにおける所望の解像度であってもよく、特定の印刷要件を満たすように、印刷プロセスにおいて実際に用いられるマイクロ発光ダイオードエミッタ611の数により決められる。最大解像度及び印刷解像度の概念は1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域に適用されてもよい。印刷プロセスにおいて、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの解像度を調整してもよい。例えば、特定のマイクロ発光ダイオード領域は、オブジェクトの第1印刷層に対して第1印刷解像度を出力し、かつオブジェクトの第2印刷層に対して第1印刷解像度とは異なる第2印刷解像度を出力してもよい。また例えば、特定のマイクロ発光ダイオード領域は、オブジェクトの同じ印刷層に対して、異なる時間に第1印刷解像度と第2印刷解像度を出力してもよい。
【0092】
いくつかの実施例において、1つ以上の補助光学素子は、マイクロ発光ダイオードアレイと結合して特定の光効果を達成してもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の補助光学素子は、光源重畳による影響を低減するために、光をコリメートするように構成されてもよい。例えば、補助光学素子によりマイクロ発光ダイオードアレイのコリメート及び広角投影を選択的に制御して、アレイ全体の放射効果を最適化してもよい。また例えば、補助光学素子によりマイクロ発光ダイオードアレイのコリメート及び広角投影を選択的に制御して、所定の放射パターン(例えば、強度分布図)を実現してもよい。1つ以上の補助光学素子についてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図15~
図17及びそれらの関連記述を参照する。
【0093】
駆動装置620は、マイクロ発光ダイオードパネル610を駆動するように構成されてもよい。駆動装置620は、電圧駆動回路、電流駆動回路、パッシブマトリクス駆動回路など、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、パッシブマトリクス駆動回路において、マイクロ発光ダイオードエミッタ(例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタ934)のP電極をデータ線910に接続してもよく、かつマイクロ発光ダイオードエミッタのN電極を走査線920に接続してもよい。いくつかの実施例において、各マイクロ発光ダイオードエミッタは、個別に独立して指定されてもよい。例えば、第X行の走査線と第Y列のデータ線が選択される場合、第X行の走査線と第Y列のデータ線に接続されたマイクロ発光ダイオードエミッタ(すなわち、交点(X,Y)でのマイクロ発光ダイオードエミッタ)は発光するために選択されてもよい。
【0094】
駆動装置620は、マイクロ発光ダイオードパネル610の各マイクロ発光ダイオードエミッタ611を個別に独立して指定してもよく、それにより、駆動装置620は各マイクロ発光ダイオードエミッタの動作状態を独立して制御してもよい。この場合、マイクロ発光ダイオードエミッタ611は、個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタと呼ばれてもよい。いくつかの実施例において、駆動装置620は、2つのトランジスタ及び1つのコンデンサ(2T1C)を備える構造、4つのトランジスタ及び2つのコンデンサ(4T2C)を備える構造など、又はそれらの組み合わせを用いてもよい。2つのトランジスタ及び1つのコンデンサを備える構造についてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図9及びその関連記述を参照する。
【0095】
光照射装置530についての以上の記述は、例示的なものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではない。多くの代替、修正及び変更は当業者にとって明らかである。本明細書に記述された例示的な実施形態の特徴、構造、方法及び他の特徴は、様々な方式で組み合わせて、付加的及び/又は代替的な例示的な実施例を得ることができる。例えば、光照射装置530は、1つ以上の付加的な部品を含んでもよい。付加的又は代替的に、上記光照射装置530の1つ以上の部品を省略してもよい。例えば、光照射装置530は、駆動装置620の駆動信号を決定するためのコントローラをさらに含んでもよい。
【0096】
図7は本願のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロ発光ダイオードパネルの断面側面図である。いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードパネル610は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネル615(例えば、615a、615b)を含んでもよい。マイクロ発光ダイオードサブパネル615は、少なくとも2つのコネクタ617により1つ以上のバックプレート618(例えば、618a、618b)に接続されてもよい。マイクロ発光ダイオードサブパネル615の数は、任意の正の整数であってもよく、ここで限定されない。
【0097】
いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオードサブパネル615の形状は同じであっても異なってもよい。例えば、マイクロ発光ダイオードサブパネル615aの形状は正方形であってもよく、マイクロ発光ダイオードサブパネル615bの形状は矩形であってもよい。いくつかの実施例において、各マイクロ発光ダイオードサブパネル615は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを含むマイクロ発光ダイオードエミッタサブアレイを支持してもよい。マイクロ発光ダイオードエミッタについてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図6及びその関連記述を参照する。
【0098】
いくつかの実施例において、バックプレート618は、少なくとも2つの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ユニットを含んでもよい。各COMSユニットは、1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネル615における1つのマイクロ発光ダイオードエミッタに対応して、マイクロ発光ダイオードエミッタを個別に駆動してもよい。少なくとも2つのマイクロ発光ダイオードエミッタ611は、少なくとも2つのコネクタ617により対応するCOMSユニットに電気的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、少なくとも2つのマイクロ発光ダイオードエミッタ611は、CMOSユニットに対向するように配置されてもよい。
【0099】
いくつかの実施例において、各マイクロ発光ダイオードサブパネル615は1つの固有の底板に対応してもよい。例えば、マイクロ発光ダイオードサブパネル615aは底板618aに接続されてもよく、マイクロ発光ダイオードサブパネル615bは底板618bに接続されてもよく、かつ底板618aと底板618bはコネクタ619により互いに接続されてもよい。底板618a、618b及びコネクタ619は、同じ材料又は異なる材料を含んでもよい。底板又はコネクタの材料は、剛性材料又は可撓性材料を含んでもよい。いくつかの代替的な実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネル615は、適切なサイズを有する同じ底板を共用してもよい。
【0100】
図8A及び
図8Bは本願のいくつかの実施例に係るマイクロ発光ダイオードサブパネルの例示的な回転及び/又はシフトメカニズムの概略図である。
【0101】
なお、各マイクロ発光ダイオードアレイ又はサブアレイにおけるマイクロ発光ダイオードエミッタの使用頻度は異なってもよい。これにより、マイクロ発光ダイオードエミッタを使用する頻度が高いマイクロ発光ダイオード領域が破損しやすくなるおそれがある。
【0102】
図8A~
図8Bに示すように、領域810におけるマイクロ発光ダイオードエミッタは他の領域よりも高い頻度で用いられる可能性がある。領域810は、マイクロ発光ダイオードサブパネル615aにおけるマイクロ発光ダイオード領域811とマイクロ発光ダイオードサブパネル615bにおけるマイクロ発光ダイオード領域812に含まれてもよい。すなわち、マイクロ発光ダイオード領域811における第1セットのマイクロ発光ダイオードエミッタと領域812における第2セットのマイクロ発光ダイオードエミッタはより高い破損リスクを有する可能性がある。マイクロ発光ダイオードサブパネル615a及び/又はマイクロ発光ダイオードサブパネル615bを適切な角度(例えば90°)回転させることにより、領域810は、発光ダイオードサブパネル615a及び615bでの他のマイクロ発光ダイオード領域(マイクロ発光ダイオード領域811及び/又はマイクロ発光ダイオードマイクロ領域812とは異なる)と重なってもよい。このように、異なるマイクロ発光ダイオードエミッタを、マイクロ発光ダイオードエミッタをより頻繁に使用する領域に交互に移動させてもよく、それにより、アレイ又はサブアレイにおけるいくつかのマイクロ発光ダイオードエミッタのみを過度に使用することを回避する。結果として、マイクロ発光ダイオードパネル610におけるマイクロ発光ダイオードエミッタの位置を調整することができ、かつマイクロ発光ダイオードパネル610におけるマイクロ発光ダイオードエミッタの耐用年数を長くすることができる。
【0103】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルは、一定の角度を回転しても、一定の距離を移動してもよい。例えば、
図8Aに比べて、
図8Bにおけるマイクロ発光ダイオードサブパネル615a及び615bは、マイクロ発光ダイオードパネル610に垂直な軸線に沿って時計回りに90°回転する。結果として、マイクロ発光ダイオード領域811及び812は領域810と重ならない可能性がある。いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードサブパネルの回転角度及び方向、及び/又は移動距離は、操作者により決定されてもよく、処理装置140が実行するアルゴリズムに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルは個別に交換されてもよい。
【0104】
図9は本願のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路の概略図である。
【0105】
マイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路900は、1つ以上のデータ線910、1つ以上の走査線920及び1つ以上の画素点回路930を含んでもよい。上記画素点回路930はマトリクス形式で配置され、かつ各画素点回路930はマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい。
【0106】
図9に示すように、該画素点回路930は、スイッチトランジスタ931、駆動トランジスタ933及び記憶コンデンサ932を含んでもよい。スイッチトランジスタ931が走査線920により導通される場合、データ線910の値は記憶コンデンサ932に記憶されてもよく、記憶コンデンサ932は駆動トランジスタ933のV
GSバイアスを設定する。次に、記憶コンデンサ932の電圧は駆動トランジスタ933によりマイクロ発光ダイオードエミッタ934を流れる電流に変換されてもよいため、マイクロ発光ダイオードエミッタ934は発光する。スイッチトランジスタ931がオフにされた後にも、記憶コンデンサ932に記憶された電荷によりマイクロ発光ダイオードエミッタ934の電流レベルを保持してもよい。エミッタ934の均一な光強度を取得するために、所定のフレーム時間内に安定した電荷を有する画素点回路930を必要とする可能性がある。
【0107】
マイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路900についての以上の記述は、例示的なものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではない。多くの代替、修正及び変更は当業者にとって明らかである。本明細書に記述された例示的な実施形態の特徴、構造、方法及び他の特徴は、様々な方式で組み合わせて、付加的及び/又は代替的な例示的な実施例を得ることができる。例えば、マイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路900はアノードコモン回路であってもよく、記憶コンデンサ932は駆動トランジスタ933に接続されてもよく、かつ記憶コンデンサ932及び駆動トランジスタ933はいずれも接地されてもよい。マイクロ発光ダイオードエミッタ934は、電源及び駆動トランジスタ933に接続されてもよい。
【0108】
図10は本願のいくつかの実施例に係る、3Dオブジェクトを印刷する例示的なプロセスのフローチャートである。いくつかの実施例において、
図10に示されるプロセス1000の1つ以上の操作は、
図1に示される三次元印刷システム100で実現されてもよい。例えば、
図10に示されるプロセス1000は、命令の形式で記憶装置150に記憶され、かつ処理装置140(例えば、コンピューティングデバイスのプロセッサ)により呼び出され、及び/又は、実行されてもよい。また例えば、プロセス1000の一部は三次元印刷装置110で実現されてもよい。
【0109】
1010で、ネットワークを介してユーザ端末(例えば、端末130)からオブジェクトに対応する印刷要求を取得してもよい。いくつかの実施例において、操作1010は処理装置140の取得モジュール410により実現されてもよい。印刷要求は、印刷オブジェクトの識別情報及び1つ以上の印刷設定パラメータなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。印刷要求についてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図4及びその関連記述を参照する。
【0110】
1020で、オブジェクトに対応する三次元印刷モデルを決定してもよい。いくつかの実施例において、操作1020は処理装置140のモデル処理モジュール420により実現されてもよい。三次元印刷モデルは、モデル処理モジュール420により生成されても、記憶装置(例えば、記憶装置150)から取得されてもよい。印刷要求についてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図4及びその関連記述を参照する。
【0111】
1030で、三次元印刷モデル及び印刷要求に基づいて、オブジェクトに対応する少なくとも2層の印刷層を決定してもよい。いくつかの実施例において、操作1030は処理装置140のモデル処理モジュール420により実現されてもよい。
【0112】
少なくとも2層の印刷層の数は、自動、半自動又は手動で決定されてもよい。自動方式において、アルゴリズムに基づいて少なくとも2層の印刷層の数を決定してもよい。例えば、N
layer=T
o/T
dに基づいて少なくとも2層の印刷層N
layerの数を決定してもよく、ここでT
oは印刷オブジェクトの厚さを表し、T
dは印刷層の厚さを表す。手動方式において、少なくとも2層の印刷層の数は、ユーザが提供した命令に基づいて決定されてもよい。例えば、ユーザは印刷要求に応じて少なくとも2層の印刷層の数を入力してもよい。半自動方式において、少なくとも2層の印刷層の数は、ユーザ介入を有するコンピューティングデバイス(例えば、
図2に示されるコンピューティングデバイス200)により調整されてもよい。例えば、アルゴリズムと、ユーザが印刷要求に応じて入力した情報(例えば、印刷精度)とに基づいて少なくとも2層の印刷層の数を決定してもよく、かつユーザは決定された数をさらに調整してもよい。
【0113】
少なくとも2層の印刷層の厚さは同じであっても異なってもよい。いくつかの実施例において、印刷層の厚さは0.001ミリメートル~2.0ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例において、印刷層の厚さは、0.001ミリメートル、0.005ミリメートル、0.008ミリメートル、0.01ミリメートル、0.05ミリメートル、0.10ミリメートル、0.15ミリメートル、0.20ミリメートル、0.25ミリメートル、0.30ミリメートル、0.35ミリメートル、0.40ミリメートル、0.50ミリメートル、1.0ミリメートル、2.0ミリメートルなど以下であってもよい。いくつかの実施例において、アルゴリズム又はユーザ要件に基づいて決定された印刷精度に基づいて、少なくとも2層の印刷層のうちの各層の厚さを決定してもよい。例えば、より高い印刷精度はより小さい厚さに対応してもよい。
【0114】
いくつかの実施例において、少なくとも2層の印刷層のそれぞれは、1つ以上の印刷画像を含んでもよい。印刷層における1つ以上の印刷画像は、異なるマイクロ発光ダイオード領域により発生された光で放射されてもよい。例えば、テーブルの横断面を印刷する場合、印刷層において4つのテーブルの脚に対応する4つの印刷領域を決定してもよい。4つの印刷領域は、1つ以上の画像(例えば、4つの画像)に表示され、かつそれぞれ4つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を決定してもよい。また例えば、異なる属性(例えば、材料、密度)を有する異なる構造の必要なオブジェクトを印刷する場合、異なる印刷画像(例えば、第1印刷材料に対応する第1印刷画像と第2印刷材料に対応する第2印刷画像)を決定してもよい。
【0115】
1040で、変数iが1に等しくなるように定義してもよい。変数iは、印刷層のシリアル番号を示してもよい。いくつかの実施例において、操作1040は処理装置140の印刷制御モジュール430により実現されてもよい。
【0116】
1050で、処理装置140の印刷制御モジュール430は変数iと値Kを比較してもよい。変数iがK以下であれば、操作1060を実行してもよく、iがKより大きければ、プロセス1000を終了してもよい。いくつかの実施例において、値Kは印刷される印刷層の総数を表してもよい。
【0117】
1060で、少なくとも2層の印刷層のうちのi番目の印刷層を印刷してもよい。いくつかの実施例において、操作1060は三次元印刷装置110により実現されてもよい。i番目の印刷層を印刷するプロセスについてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図11及びその関連記述を参照する。
【0118】
1070で、値iに1を加算することにより変数iを更新してもよい。いくつかの実施例において、操作1070は処理装置140の印刷制御モジュール430により実現されてもよい。
【0119】
オブジェクトを印刷するプロセスについての以上の記述は、説明のみのために提供され、本願の範囲を限定することを意図しない。当業者にとって、本願の教示下で様々な変更及び修正を行うことができる。例えば、プロセス1000は、マイクロ発光ダイオードパネルにおける1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタの状態を検出するという操作をさらに含んでもよい。また例えば、プロセス1000は、ユーザが確認するために少なくとも2層の印刷層を出力するという操作をさらに含んでもよい。このような変化及び修正は本願の範囲から逸脱しない。
【0120】
図11は本願のいくつかの実施例に係る、1層の印刷層を印刷する例示的なプロセスのフローチャートである。いくつかの実施例において、
図11に示されるプロセス1100の1つ以上の操作は、
図1に示される三次元印刷システム100で実現されてもよい。例えば、
図11に示されるプロセス1100は、命令の形式で記憶装置150に記憶され、かつ処理装置140(例えば、コンピューティングデバイスのプロセッサ)により呼び出され、及び/又は、実行されてもよい。また例えば、プロセス1100の一部は三次元印刷装置110で実現されてもよい。
【0121】
1110で、印刷層に対応する印刷情報を取得してもよい。いくつかの実施例において、操作1110は処理装置140の印刷制御モジュール430により実現されてもよい。印刷情報は、画像情報(例えば、タイル画像)、厚さ情報及び/又は印刷層に対応する印刷材料情報を含んでもよい。いくつかの実施例において、印刷情報は、印刷層に対して発光するためのマイクロ発光ダイオードアレイ情報をさらに含んでもよい。
【0122】
1120で、印刷情報に基づいて印刷層に対応する1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定してもよい。いくつかの実施例において、操作1120は処理装置140の印刷制御モジュール430により実現されてもよい。1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域の形状は、任意の形状、例えば、正方形、矩形、円形及び/又は不規則な形状であってもよい。各マイクロ発光ダイオード領域は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい。印刷層に対応する1つ以上の発光ダイオード領域を動的に決定することは、1層の印刷層に対して同じ又は異なるマイクロ発光ダイオード領域を決定すること、及び/又は、異なる印刷層に対して同じ又は異なるマイクロ発光ダイオード領域を決定することを含んでもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の発光ダイオード領域を動的に決定することは、任意の特定の構造を有するオブジェクト(例えば、ストリップ形オブジェクト、不規則な形状のオブジェクト)を印刷することに適してもよく、かつ無駄なスペースが最も少ない。
【0123】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域(例えば、マイクロ発光ダイオード領域1820)は、
図18に示すように、矩形であり、特定のアスペクト比(例えば、D
long/D
high)を備えてもよい。マイクロ発光ダイオード領域のアスペクト比を印刷要件に応じて動的に調整してもよい。例えば、印刷される帯状オブジェクトにおいて、矩形である1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を決定してもよく、かつ帯状オブジェクトの形状及び/又は大きさに応じて1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のアスペクト比を動的に設定してもよい。例えば、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のアスペクト比は、1.1、2.0、3.0、4.0、5.0、10.0などであってもよい。1つの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、組み合わせたマイクロ発光ダイオード領域として組み合わせてもよく(すなわち、各印刷層は組み合わせたマイクロ発光ダイオード領域に対応する)、かつ印刷要件に応じて組み合わせたマイクロ発光ダイオード領域のアスペクト比を動的に調整してもよい。
【0124】
いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオード領域に含まれるマイクロ発光ダイオードエミッタの数は同じであっても異なってもよい。発光するように駆動されるマイクロ発光ダイオードエミッタは、領域画素(RP)と呼ばれてもよい。したがって、マイクロ発光ダイオード領域における領域画素の数は、該マイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタの数以下であってもよい。三次元印刷処理において、異なるマイクロ発光ダイオード領域における領域画素は同じであっても異なってもよい。代替的又は追加的に、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれにおける領域画素は層ごとに変化してもよい。すなわち、異なる印刷層を印刷する場合、同じマイクロ発光ダイオード領域において異なるマイクロ発光ダイオードエミッタを用いて発光してもよい。いくつかの実施例において、処理装置140は、例えば
図9に記述されたマイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路900によりマイクロ発光ダイオード領域における領域画素の数を動的に調整してもよい。
【0125】
いくつかの実施例において、同じ印刷層に対応する異なるマイクロ発光ダイオード領域は、同じ又は異なるタイプのマイクロ発光ダイオードエミッタを備えてもよい。例えば、1層の印刷層に対して、第1マイクロ発光ダイオード領域は少なくとも2つのRGBエミッタを備えるマイクロ発光ダイオード領域であってもよく、第2マイクロ発光ダイオード領域は少なくとも2つの紫外線エミッタを備えるマイクロ発光ダイオード領域であってもよい。
【0126】
いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、異なる印刷層に対して同じであっても異なってもよい。いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を決定する前に、現在の印刷層に対して十分な光エネルギー及び解像度を提供するマイクロ発光ダイオード領域の数を決定してもよい。異なる印刷層に対応する発光ダイオード領域の数は同じであっても異なってもよい。いくつかの実施例において、現在の印刷層に対する印刷処理が完了する場合、処理装置140は実際の必要に応じて次の層の印刷層のマイクロ発光ダイオード領域の新たな数を決定してもよい。
【0127】
1130で、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の領域印刷パラメータを決定してもよい。いくつかの実施例において、操作1130は処理装置140の印刷制御モジュール430により実現されてもよい。1つ以上の領域の印刷パラメータは、各マイクロ発光ダイオード領域において実際に用いられるマイクロ発光ダイオードエミッタの数、各マイクロ発光ダイオード領域において実際に用いられるマイクロ発光ダイオードエミッタの位置、各マイクロ発光ダイオード領域における各マイクロ発光ダイオードエミッタに対応するパラメータ、例えば、表示状態、強度、露光時間、波長又は変調モードを含んでもよい。いくつかの実施例において、異なるマイクロ発光ダイオード領域に対応する1つ以上の領域印刷パラメータは、独立して制御され、変更されてもよい。このような方式で、異なる強度分布図(例えば、放射図)を作成して、異なる領域効果を提供してもよい。
【0128】
1140で、1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、マイクロ発光ダイオードアレイを制御するための制御信号を決定してもよい。いくつかの実施例において、操作1140は処理装置140の印刷制御モジュール430により実現されてもよい。制御信号は、光を発生するために、マイクロ発光ダイオードアレイにおける各マイクロ発光ダイオード領域に送信され、さらに各マイクロ発光ダイオード領域におけるマイクロ発光ダイオードエミッタ(例えば、光照射装置530)に送信されてもよい。いくつかの実施例において、制御信号は、例えば、
図9に記述されたマイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路900によりマイクロ発光ダイオードアレイを制御してもよい。
【0129】
1150で、制御信号に基づいて、マイクロ発光ダイオードアレイにおける1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により光を発生してもよい。
【0130】
いくつかの実施例において、1層の印刷層に対応する異なるマイクロ発光ダイオード領域は、同じ又は異なる印刷解像度を出力してもよい。いくつかの代替的な実施例において、異なる印刷層に対して、特定のマイクロ発光ダイオード領域は同じ又は異なる印刷解像度を含んでもよい。本明細書に記載のように、マイクロ発光ダイオード領域の印刷解像度は、実際に発光するように駆動されるマイクロ発光ダイオードエミッタ(領域画素とも呼ばれる)及びマイクロ発光ダイオード領域のサイズにより決定されてもよい。具体的には、マイクロ発光ダイオード領域の印刷解像度は、マイクロ発光ダイオード領域における領域画素の数に正比例し、マイクロ発光ダイオード領域の面積に反比例してもよい。特定のマイクロ発光ダイオード領域に対して、マイクロ発光ダイオードエミッタの数は固定値であってもよいが、どのマイクロ発光ダイオードエミッタが発光するかを個別に独立して制御してもよい。すなわち、各マイクロ発光ダイオード領域の領域画素(すなわち実際に発光するように駆動されるマイクロ発光ダイオードエミッタ)は、一定の数でなくてもよく、独立して制御されてもよい。いくつかの実施例において、領域画素は、処理装置140及び印刷解像度の要件に応じて異なってもよい。マイクロ発光ダイオード領域の印刷解像度は、マイクロ発光ダイオード領域の固有解像度を超えない任意の値であってもよく、該固有解像度は、マイクロ発光ダイオードアレイにおける全てのマイクロ発光ダイオードエミッタを点灯することにより実現されてもよい。領域画素及び解像度についてのより多くの記述は、本願の他の箇所にある。例えば、
図6及びその関連記述を参照する。
【0131】
いくつかの実施例において、各マイクロ発光ダイオード領域により発生された光の波長は個別に制御されてもよい。例えば、特定のマイクロ発光ダイオード領域は異なる印刷層に対して同じ又は異なる波長の光を発生してもよい。また例えば、同じ印刷層に対応する異なるマイクロ発光ダイオード領域は同じ又は異なる波長の光を発生してもよい。このような個別に独立する波長制御は、同一のシリンダ(例えば、材料シリンダ510)中の異なる重合性材料を硬化させること、及び/又は、指定された領域及び厚さにおいて重合を阻害することに用いられてもよい。いくつかの実施例において、このような個別に独立する波長制御を用いて同一分子鎖での様々な分子基を硬化させてもよい。
【0132】
このようにして、様々な属性を有する3Dオブジェクトを印刷することができる。例えば、剛性部材及び可撓性部材を有する大型3Dオブジェクトは、単一の印刷プロセスにおいて3つの波長を用いて印刷されてもよい。第1波長及び第2波長は、異なる特性を有する材料を重合するために用いられてもよい(例えば、第1波長は、剛性部材を重合するために用いられ、第2波長は、可撓性部材を重合するために用いられる)。第3波長は、光阻害剤に用いられてもよい。第3波長は投影窓の表面での重合を阻害して、デッドゾーン(投影窓の表面の非接着領域)を生成してもよく、該デッドゾーンの厚さは、光阻害剤の化学的性質を調整する第3波長を発する各マイクロ発光ダイオードエミッタの光強度により限定される。いくつかの実施例において、光阻害剤の化学的性質を調整するマイクロ発光ダイオード領域の波長は、マイクロ発光ダイオードのサイズと一致し、かつ小から大のブラインド領域に基礎を提供する。構築領域でのマイクロ発光ダイオード領域の光強度制御によりデッドゾーンの体積を容易に制御してもよい(例えば、三次元印刷オブジェクト560の各部分に対応する)。例えば、各マイクロ発光ダイオード領域により発した光阻害剤の波長の光強度に基づいて、デッドゾーンは均一な高さ又は不均一な高さを備えてもよい。いくつかの実施例において、厚さを制御することにより、高粘度樹脂を備える大面積の建物が流動しやすく、それにより潜在的な印刷速度又は独特な内部又は表面効果を向上させる。いくつかの実施例において、上記3つの波長は、それぞれ単一のマイクロ発光ダイオード領域又は2つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により生成されてもよい。
【0133】
いくつかの実施例において、光硬化される1層(L1)に一定の数(N1)のマイクロ発光ダイオード領域を作成してもよい。各マイクロ発光ダイオード領域内において、一定の数のマイクロ発光ダイオードエミッタのみが「オン」状態を表示してもよく、他のマイクロ発光ダイオードエミッタが「オフ」状態を表示してもよい。次の層(L2)の光硬化プロセスにおいて、他の数(N2)のマイクロ発光ダイオード領域を作成してもよい。N1は、N2と等しくても等しくなくてもよい。L2層の重合プロセスにおいて、各マイクロ発光ダイオード領域に、印刷層L1に「オン」状態を表示するマイクロ発光ダイオードエミッタは「オン」又は「オフ」状態を表示してもよい。
【0134】
いくつかの実施例において、各マイクロ発光ダイオードエミッタの表示状態を処理装置140により動的に制御することにより、マイクロ発光ダイオード領域又はマイクロ発光ダイオードアレイにおけるマイクロ発光ダイオードエミッタに「オン」状態を交互に表示させてもよい(例えば、
図8A及び
図8Bに記述される回転又はシフトメカニズムを参照)。いくつかの実施例において、光硬化プロセス全体において、マイクロ発光ダイオードエミッタはいずれも等しい時間内に「オン」又は「オフ」状態を表示してもよい。例えば、光硬化プロセス全体において、1つのマイクロ発光ダイオードエミッタが「オン」状態を表示する総時間は、他のマイクロ発光ダイオードエミッタが「オン」状態を表示する総時間と同じであっても、実質的に同じであってもよい。1つのマイクロ発光ダイオードエミッタが「オフ」状態を表示する総時間は、他のマイクロ発光ダイオードエミッタが「オフ」状態を表示する総時間と同じであっても、実質的に同じであってもよい。このように、マイクロ発光ダイオードエミッタがいずれも等しい冷却の可能性を有し、他のマイクロ発光ダイオードエミッタが「オン」状態を表示することにより、各印刷層の光硬化の光エネルギー及び解像度の要件を満たす。したがって、マイクロ発光ダイオードアレイ全体の耐用年数がより長い可能性がある。
【0135】
1160で、光線に基づいて印刷層を印刷してもよい。いくつかの実施例において、操作1130は三次元印刷装置110により実現されてもよい。
【0136】
印刷層を印刷するプロセスに対する以上の記述は、説明のみを目的として、本願の範囲を限定することを意図しない。当業者にとって、本願の教示下で様々な変更及び修正を行うことができる。例えば、プロセス1060は、マイクロ発光ダイオード領域又はマイクロ発光ダイオードアレイ全体における故障したマイクロ発光ダイオードエミッタを決定するという操作をさらに含んでもよい。また例えば、プロセス1060は、マイクロ発光ダイオードアレイにより発生された光ビームをコリメートするという操作をさらに含んでもよい。このような変化及び修正は本願の範囲から逸脱しない。
【0137】
図12A~
図12Dは本願のいくつかの実施形態に係る例示的な画素点構成(又は光の色構成)を示す概略図である。
【0138】
図12A~
図12Dに示すように、マイクロ発光ダイオード領域における1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを1つ以上の画素として示し、かつ特定の形式(例えば、碁盤の形式)で配置してもよい。すなわち、各マイクロ発光ダイオード領域は1つ以上の画素を含んでもよく、かつ1つ以上の画素は1つ以上の画素点群(例えば、1215、1225、1235、1245)に集合してもよい。各画素点群1215、1225、1235及び1245は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタに対応する1つ以上の画素点を含んでもよい。1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタの形状は、例えば、円形、帯状、正方形、矩形などであってもよい。特定の画素点群において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタの色は同じであっても、異なってもよい。換言すれば、特定の画素点群における1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタは、同じ又は異なる波長の光を発生するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の画素点群の少なくとも一部は、本願の他の箇所に記載されるように、マイクロ発光ダイオード領域を形成してもよい。
【0139】
説明のために、マイクロ発光ダイオード領域の画素点1210、1220及び1230は、紫外線を発生するように構成されてもよい。紫外線の波長は、任意の範囲内であってもよく、例えば100ナノメートル~405ナノメートルである。
図12Aに示すように、画素点群における画素はマトリクス形式で配列される。画素点1211は中波長紫外線(UVB)マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点1212は長波長紫外線(UVA)マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点1213は短波長紫外線(UVC)マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよい。いくつかの実施例において、長波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタは波長が100ナノメートル~280ナノメートルの間の光を発生してもよく、中波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタは波長が280ナノメートル~315ナノメートルの間の光を発生してもよく、短波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタは波長が315ナノメートル~405ナノメートルの間の光を発生してもよい。
図12Bに示すように、画素点ストリップ1222は中波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点ストリップ1222は長波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点ストリップ1223は短波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよい。
図12Cに示すように、画素点1231は中波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点1232は長波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点1233は短波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよい。
【0140】
マイクロ発光ダイオード領域の画素点1240は可視光を発生するように構成されてもよい。可視光の波長は、任意の範囲内であってもよく、例えば405ナノメートル~700ナノメートルである。
図12Dに示すように、画素点1241は赤色のマイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点1242は緑色のマイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよく、画素点1243は青色のマイクロ発光ダイオードエミッタに対応してもよい。なお、異なる色の画素の配列方式、例えば、特定の色の画素の数、異なる色の画素の空間分布は、本願において限定されず、実際の必要に応じて調整されてもよい。
【0141】
図12Eは本願のいくつかの実施例に係る例示的な相対スペクトルパワー密度の概略図である。
図12Eに示すように、水平方向のx軸は光の波長(ナノメートル)を表し、垂直方向のy軸は相対スペクトルパワー密度を表す。曲線1251、1252、1253及び1254は、異なる紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタ(例えば、長波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタ、中波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタ、短波長紫外線マイクロ発光ダイオードエミッタ)により発生された光の相対スペクトルパワー密度の分布を示す。具体的には、曲線1251は365ナノメートルでピーク波長を有し、該ピーク波長で、相対スペクトルパワー密度は最大値に達する。曲線1252のピーク波長は385ナノメートルであり、曲線1253のピーク波長は395ナノメートルであり、曲線1254のピーク波長は405ナノメートルである。
【0142】
図13は本願のいくつかの実施例に係る、マイクロ発光ダイオードの相対発光強度を示す例示的な曲線の概略図である。
【0143】
図13に示すように、水平方向のx軸は発光ダイオードの順方向電流(ミリアンペアを単位とする)を表し、垂直方向のy軸は光の相対発光強度を表す。区間(a,b)はマイクロ発光ダイオードエミッタに用いられる範囲を表してもよく、発光強度は順方向電流に対して線形に変化する。区間(a,b)において、マイクロ発光ダイオードエミッタの順方向電流を調整することにより、マイクロ発光ダイオードエミッタの発光強度を制御してもよい。いくつかの実施例において、少なくとも2つのマイクロ発光ダイオードエミッタを備えるマイクロ発光ダイオード領域に対して、異なる位置の異なるマイクロ発光ダイオードエミッタの発光強度を制御することにより、マイクロ発光ダイオード領域の必要な強度分布を制御してもよく、すなわち、マイクロ発光ダイオード領域又はマイクロ発光ダイオードアレイにより発生された光の強度の空間分布を制御してもよい。
【0144】
図14は本願のいくつかの実施例に係る例示的な周波数制御の概略図である。
【0145】
図14に示すように、方形波信号1410を用いて照射装置(例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタ)のパルス幅変調制御を実行してもよい。例えば、照射装置は、発光するように方形波信号1410により固定周波数f(周期T=1/f)で駆動されてもよい。照射装置の出力光の輝度(又は強度)は、1周期における方形波の持続時間T1により決められてもよい。具体的には、各周期のデューティ比(すなわち、T1/(T-T1))に基づいて照射装置の出力光の輝度(又は強度)を決定してもよい。1つの周期における方形波の持続時間T1が短いほど、マイクロ発光ダイオードエミッタが発した光が暗くなる。いくつかの実施例において、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを備える特定のマイクロ発光ダイオード領域に対して、各マイクロ発光ダイオードエミッタのデューティ比を個別に独立して調整することにより、マイクロ発光ダイオード領域により提供された必要な強度の光を実現してもよい。
【0146】
図15は本願のいくつかの実施例に係る、光ビームをコリメートするための例示的な光学素子の概略図である。レンズアレイを用いて平行光1510を発生してもよい。レンズアレイは1つ以上のレンズ1520を含んでもよく、レンズ1520は、マイクロ発光ダイオードアレイに対応する位置に配置され、画素点に対して1つずつ光をコリメートしてもよく、すなわち、各マイクロ発光ダイオードエミッタから発した光はレンズアレイにおける対応するレンズによりコリメートされてもよい。いくつかの代替的な実施例において、2つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタは、レンズアレイにおける同じレンズを用いてコリメートしてもよい。
【0147】
レンズ1520は、凸レンズを含んでもよい。従来の凸レンズは、一側で入射した平行光線を受け取り、反対側で平行光線を屈折して単一の点に収束させて動作してもよい。該点は焦点と呼ばれてもよく、該焦点までの距離は焦点距離である。逆に、マイクロ発光ダイオードエミッタ611(点光源と大まかに見なすことができる)から発された光をレンズ1520によりコリメートして平行光線を形成してもよい。
【0148】
図16は本願のいくつかの実施例に係る、光ビームをコリメートするための例示的な光学素子の概略図である。
【0149】
マイクロ発光ダイオードパネル610は、光をフレネルレンズ1650に照射して平行光1610を発生してもよい。フレネルレンズ1650は、一連の同心リングを含んでもよい。各リングは、等しい直径を有する凸レンズの曲率に対応する僅かに異なる断面曲率を備えてもよい。マイクロ発光ダイオードエミッタをフレネルレンズ1650の焦点に配置してもよく、マイクロ発光ダイオードエミッタから発された光を平行光1610にコリメートしてもよい。
【0150】
図17は本願のいくつかの実施例に係る、光ビームをコリメートするための例示的な光学素子の概略図である。
【0151】
いくつかの実施例において、マイクロ発光ダイオードエミッタから発された光は放物面鏡によりコリメートされてもよい。完全な放物面鏡は平行光線を単一の点に収束させることができる。逆に、放物面鏡の焦点での点光源(例えば、マイクロ発光ダイオードエミッタ)は平行光ビームを発生することができる。
【0152】
1つ以上のリブ構造1710は、放物面鏡の同じ原理に基づいて平行光ビームを発生してもよい。1つ以上のリブ構造1710は放物線構造を形成してもよく、かつマイクロ発光ダイオードエミッタを放物線構造の焦点に配置してもよい。次に、マイクロ発光ダイオードエミッタから発された光を平行光に整形してもよい。
【0153】
図18は本願のいくつかの実施例に係る印刷層用の例示的なマイクロ発光ダイオード領域の概略図である。印刷されるオブジェクトの特定の層に対して、マイクロ発光ダイオードアレイ1810(マイクロ発光ダイオードパネル1810とも呼ばれる)においてマイクロ発光ダイオード領域1820を決定してもよい。マイクロ発光ダイオード領域1820は、1つ以上のマイクロ発光ダイオードエミッタを含んでもよい。パターン「LuxCreo」に対応するマイクロ発光ダイオードエミッタが発光するように駆動してもよく、他のマイクロ発光ダイオードエミッタは「オフ」状態を表示してもよい。マイクロ発光ダイオード領域1820のアスペクト比は、D
long/D
highであってもよく、模様「LuxCreo」に基づいて決定されてもよい。
【0154】
このように基本的な概念を説明したが、当業者にとって、本願の詳細なを読んだ上、明らかに理解できるように、上記詳細な出願は、例示的に説明するためのものに過ぎず、限定的なものではない。ここで明確に説明していないが、当業者が所望する様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は本出願により提供され、かつ本出願の例示的な実施形態の主旨及び範囲内にある。
【0155】
また、いくつかの用語は既に本願の実施例を説明するために用いられている。例えば、用語「一つの実施例」、「一実施例」及び/又は「いくつかの実施例」は、該実施例により説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書の各部分で二回又は複数回言及された「一実施例」又は「1つの実施例」又は「変形例」は、必ずしも同一の実施例を意味するものではないことに留意すべきである。また、本願の一つ以上の実施例に特定の特徴、構造又は特性を適切に組み合わせてもよい。
【0156】
当業者によって理解されるように、本開示の各態様は、任意の新規で有用なプロセス、機械、製造、若しくは物質の組成、又は任意の新規で有用なその改善を含む、幾つかの特許性のある種類又は状況のうちの任意のものにおいて、説明及記述することができる。したがって、本願の各態様は、完全にハードウェアで、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)で、又はソフトウェア及びハードウェアの実施態様の組み合わせで実現することができ、それらは全て、本明細書において概して「装置」、「設備」、「機器」、「ブロック」、「エンジン」、「ユニット」、「コンポネート」又は「システム」と呼ぶ。さらに、本願の各態様は、コンピュータ拡張プログラムコードを含む、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体で具現されるコンピュータプログラム製品の形をとることもできる。
【0157】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンド又は搬送波の一部として伝送されたデータ信号を含むことができ、該伝送されたデータ信号はその中に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する。このような伝播信号は、光学的形式、電磁的形式、又はその任意の適切な組み合わせなど、任意の形式とすることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよく、かつコマンド実行システム、装置又は設備が使用するか又はそれと組み合わせて使用するためのプログラムを通信、伝送又は送信することができる。コンピュータ可読信号媒体に含まれるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RF又は類似の媒体、又はそれらの任意の適切な組み合わせである任意の適切な媒体を用いて伝送することができる。
【0158】
本願の各部分の操作に必要なコンピュータプログラムコードは、いずれか一種以上のプログラム設計言語を用いて作成することができ、オブジェクト指向プログラム設計言語、例えば、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C、Cを含む。該プログラムコードは、完全に作業者のコンピュータ上で、一部が作業者のコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部が作業者のコンピュータ上で一部がリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者の場合に、リモートコンピュータを、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザコンピュータに接続することができるし、(例えば、インターネットを通して)外部コンピュータに接続することができるし、クラウドコンピューティング環境上で行うこともできるし、ソフトウェアアズアサービス(SaaS)等のサービスとして提供することもできる。
【0159】
また、記述された処理要素又はシーケンスの順序、又はそのための数字、アルファベット又は他の名称は、請求項において指定されていない限り、保護を要求するプロセス及び方法を任意の順序に限定することを意図しない。以上の開示は、様々な例により現在本出願の内容と考えられる様々な有用な実施例を検討したが、理解すべきことは、このような詳細は該目的に過ぎず、かつ添付の請求項は開示された実施例に限定されず、しかし、逆に、それは開示された実施例の精神及び範囲内の修正及び同等配置をカバーすることを目的とする。上記の開示は、開示内容のうち様々な有用な形態であると現在のところ考えられる様々な例により議論されているが、そのような詳細事項は説明のためであるに過ぎず、添付の特許請求の範囲は開示される形態に限定されず、むしろ、開示される形態の精神及び範囲内の変形及び均等な特徴を包含するように意図されている。例えば、上記様々なコンポーネントは、ハードウェア装置において具現化して実現することができるが、ソフトウェアのみの解決手段として、例えば、従来のサーバ又はモバイル装置へインストールすることで実現してもよい。
【0160】
同様に、本願の開示を簡略化し、それにより一つ以上の発明の実施例に対する理解を助けるために、前の本願の実施例に対する説明において、様々な特徴を一つの実施例、図面又はその説明に統合する場合があることに注意すべきである。しかしながら、本願の方法は、特許請求された主体が各請求項において明確に記載した特徴よりも多くの特徴を有することを必要とする意図を示すものと解釈すべきではない。逆に、発明の本体は上記単一の実施例より少ない特徴を備えるべきである。
【0161】
いくつかの実施例では、成分、属性数を記述した数字を用いているが、このような実施例で記述した数字は、修飾語「約」、「凡そ」又は「大体」を用いて修飾されている場合がある。特別に説明しない限り、「約」、「凡そ」又は「大体」は、指した数字は20%のずれを許可することを示す。それに応じて、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用される数値パラメータはいずれも近似値であり、該近似値は個別の実施例に必要な特徴に応じて変更することができる。いくつかの実施例において、報告された有効数字の数に基づいてかつ一般的な丸め技術を応用することにより数字パラメータを解釈すべきである。本願のいくつかの実施例においてその範囲の広さを確認するための数値領域及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は可能な限り正確に設定している。
【0162】
本明細書で言及された全ての特許、特許出願、特許出願公開及び他の資料(例えば論文、書籍、説明書、出版物、文書、事物等)はいずれも、あらゆる目的のために引用によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるが、上記文書に関連する任意の実行ファイルヒストリ、本明細書と一致しない又は矛盾する、若しくは本明細書に現在又は後で関連する請求項の最も広い範囲に対して制限する影響を有するそのいずれかは、除外する。例えば、記述、定義及び/又は任意の結合された材料に関連する用語の使用と本ファイルに関連する用語との間に任意の不一致又は衝突が存在すれば、記述、定義及び/又は本ファイルに使用された用語は本ファイルを基準とする。記載、定義、及び/又は参照した資料のいずれかに関連する用語の使用と、本文書に関連する用語との間に何らかの矛盾又は対立がある場合、本文書の記載、定義、及び/又は用語の使用が優先するものとする。
【0163】
最後に、理解すべきことは、本願における上記実施例が本願の実施例の原則を説明するために用いられるだけであることである。他の可能な修正は本願の範囲内に含みうる。したがって、限定ではなく例示として、本出願の実施例の代替構成は本出願の教示と一致すると見なすことができる。対応的に、本願の実施例は、本願に明確に紹介及び記述される実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0164】
100 三次元印刷システム
110 三次元印刷装置
120 ネットワーク
130 端末
130a 携帯機器
130b タブレットコンピュータ
130c ラップトップコンピュータ
140 処理装置
150 記憶装置
200 コンピューティングデバイス
210 内部通信バス
220 中央処理装置(CPU)
230 読み取り専用メモリ(ROM)
240 ランダムアクセスメモリ(RAM)
250 ポート
260 出力部(I/O)
270 磁気ディスク
300 携帯機器
310 通信モジュール
320 ディスプレイ
330 グラフィック処理ユニット(GPU)
340 中央処理ユニット(CPU)
360 メモリ
370 モバイルオペレーティングシステム
380 アプリケーションプログラム
390 記憶装置
410 取得モジュール
420 モデル処理モジュール
430 印刷制御モジュール
440 メンテナンス制御モジュール
510 材料シリンダ
520 窓
530 光照射装置
540 構築板
550 印刷材料
560 三次元印刷オブジェクト
610 マイクロ発光ダイオードパネル
611 マイクロ発光ダイオードエミッタ
615 マイクロ発光ダイオードサブパネル
615a 発光ダイオードサブパネル
615b 発光ダイオードサブパネル
617 コネクタ
618 バックプレート
618a、618b 底板
619 コネクタ
620 駆動装置
810 領域
812 マイクロ発光ダイオード領域
900 マイクロ発光ダイオードアレイ駆動回路
910 データ線
920 走査線
930 画素点回路
931 スイッチトランジスタ
932 記憶コンデンサ
933 駆動トランジスタ
934 マイクロ発光ダイオードエミッタ
1210 マイクロ発光ダイオード領域の画素点
1211、1212、1213、1215 画素点
1220 マイクロ発光ダイオード領域の画素点
1222、1223 画素点ストリップ
1225 画素点群
1230 マイクロ発光ダイオード領域の画素点
1231、1231、1233 画素点
1235 画素点群
1240 マイクロ発光ダイオード領域の画素点
1241、1242、1243 画素点
1245 画素点群
1510 平行光
1520 レンズ
1610 平行光
1650 フレネルレンズ
1710 リブ構造
1810 マイクロ発光ダイオードアレイ
1820 マイクロ発光ダイオード領域
【手続補正書】
【提出日】2021-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの1層以上の印刷層を決定するように構成される処理装置と、
前記1層以上の印刷層のそれぞれに対して光を発生するように構成されるマイクロ発光ダイオード(マイクロ発光ダイオード)アレイと、
前記1層以上の印刷層を印刷するように構成される印刷コンポーネントと、を含み、
前記1層以上の印刷層のそれぞれに前記光を発生するために、前記処理装置は、
前記マイクロ発光ダイオードアレイにおいて、それぞれが1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタを含む1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定し、
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の領域印刷パラメータを決定し、
前記1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタに対して1つ以上の制御信号を決定するように構成される、光硬化三次元印刷システム。
【請求項2】
前記マイクロ発光ダイオードアレイの画素点ピッチは50ミクロンより小さいことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マイクロ発光ダイオードアレイは、互いに対して回転可能な1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに配置されることを特徴とする、請求項1
または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれは1つ以上のマイクロ発光ダイオードサブパネルに対応することを特徴とする、請求項1
から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタのうちの少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードエミッタの位置は調整可能であることを特徴とする、請求項1
から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記マイクロ発光ダイオードアレイにおいて1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するために、前記処理装置は、
第1印刷層に対して第1マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
第2印刷層に対して、前記第1マイクロ発光ダイオード領域とは異なる第2マイクロ発光ダイオード領域を決定するように構成されることを特徴とする、請求項1
から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
異なる印刷層は異なる数のマイクロ発光ダイオード領域を有することを特徴とする、請求項1
から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
第3印刷層及び第4印刷層の両方に対して第3マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第3マイクロ発光ダイオード領域は前記第3印刷層に対して第1波長を有する第1種の光を発生し、
前記第3マイクロ発光ダイオード領域は前記第4印刷層に対して第2波長を有する第2種の光を発生し、
前記第1波長は前記第2波長とは異なることを特徴とする、請求項1
から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
第5印刷層に対して第4マイクロ発光ダイオード領域を決定し、第6印刷層に対して第5マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第4マイクロ発光ダイオード領域は前記第5印刷層に対して第1印刷解像度を出力し、
前記第5マイクロ発光ダイオード領域は前記第6印刷層に対して第2印刷解像度を出力し、
前記第1印刷解像度は前記第2印刷解像度とは異なることを特徴とする、請求項1
から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
第7印刷層に対して第6マイクロ発光ダイオード領域を決定し、第8印刷層に対して第7マイクロ発光ダイオード領域を決定し、
前記第6マイクロ発光ダイオード領域は前記第7印刷層に対して第1強度の光を出力し、
前記第7マイクロ発光ダイオード領域は前記第8印刷層に対して第2強度の光を出力し、
前記第1強度は前記第2強度とは異なることを特徴とする、請求項1
から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域は、異なる数のマイクロ発光ダイオードエミッタを備える異なるマイクロ発光ダイオード領域を含むことを特徴とする、請求項1
から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
異なるマイクロ発光ダイオード領域の領域印刷パラメータは異なることを特徴とする、請求項1
から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の制御信号は、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに含まれる1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタの表示状態、露光時間、波長又は変調モードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されることを特徴とする、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域により発生された光ビームをコリメートするための光学素子をさらに含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
オブジェクトの1層以上の印刷層を決定するステップと、
前記1層以上の印刷層のそれぞれに対して、
マイクロ発光ダイオードアレイにおいて1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域を動的に決定するステップであって、1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれが1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタを含む、ステップと、
前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれに対して1つ以上の領域印刷パラメータを決定するステップと、
前記1つ以上の領域印刷パラメータに基づいて、前記1つ以上のマイクロ発光ダイオード領域のそれぞれの1つ以上の個別に指定可能なマイクロ発光ダイオードエミッタに対して1つ以上の制御信号を決定するステップと、
前記1つ以上の制御信号に基づいて光を発生させるステップと、
前記1層以上の印刷層を印刷するステップとを含む、光硬化三次元印刷方法。
【国際調査報告】