(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】パーソナルクレンジング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20220817BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20220817BHJP
A61K 8/892 20060101ALI20220817BHJP
A61K 8/898 20060101ALI20220817BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20220817BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220817BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20220817BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q5/02
A61K8/892
A61K8/898
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/46
A61K8/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575231
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2020066619
(87)【国際公開番号】W WO2020254320
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】モガダム,アーラシュ・モハイエル
(72)【発明者】
【氏名】マスカット,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ライリー,ロバート・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】スタルク,ピエール
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB332
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD351
4C083AD352
4C083BB01
4C083BB07
4C083CC38
4C083DD31
4C083EE06
(57)【要約】
水性シャンプー組成物であって、a.予備形成乳化シリコーン、b.カチオン性沈着ポ
リマー、c.好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリ
ドのホモポリマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド
/アクリルアミドコポリマーとから選択される、100万ダルトン未満の分子量を有する
APTACポリマーである毛髪実体カチオン性コンディショニングポリマー、d.En(
式中、nは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~3の範囲である)の平均エトキシ
ル化度を有する、組成物の総重量に基づいて3~12重量%未満、好ましくは5~10重
量%未満のクレンジング界面活性剤、e.一般式(II)のアミドベタイン両性界面活性
剤と:(II)(式中、mは、2または3であり、R1C(O)は、8~22個の炭素原
子を有する直鎖または分岐の飽和または不飽和アシル基およびそれらの混合物から選択さ
れ、R2およびR3は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基
またはカルボキシアルキル基およびそれらの混合物からそれぞれ独立して選択される)、
一般式(III)のアルキルベタインと:(III)(式中、Rはココ鎖である)、それ
らの混合物とから選択されるベタイン界面活性剤である共界面活性剤、およびf.懸濁剤
、を含み、(d)対(e)の重量比が、1:1~4.5:1の範囲であり、組成物のpH
が、3~6.5であり、毛髪上のシリコーンの優れた沈着および保持をもたらす水性シャ
ンプー組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性シャンプー組成物であって、
a.予備形成乳化シリコーン、
b.カチオン性沈着ポリマー、
c.好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのホ
モポリマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/アク
リルアミドコポリマーとから選択される、100万ダルトン未満の分子量を有するAPT
ACポリマーである毛髪実体カチオン性コンディショニングポリマー、
d.E
n(式中、nは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~3の範囲である)の
平均エトキシル化度を有する、前記組成物の総重量に基づいて3~12重量%未満、好ま
しくは5~10重量%未満のクレンジング界面活性剤、
e.一般式(II)のアミドベタイン両性界面活性剤と:
【化1】
(式中、mは、2または3であり、R
1C(O)は、8~22個の炭素原子を有する直
鎖または分岐の飽和または不飽和アシル基およびそれらの混合物から選択され、R
2およ
びR
3は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはカルボ
キシアルキル基およびそれらの混合物からそれぞれ独立して選択される)
一般式(III)のアルキルベタインと:
【化2】
(式中、Rはココ鎖である)
それらの混合物とから選択されるベタイン界面活性剤である共界面活性剤、および
f.懸濁剤、を含み、
(d)対(e)の重量比が、1:1~4.5:1の範囲であり、前記組成物のpHが、
3~6.5である水性シャンプー組成物。
【請求項2】
乳化シリコーンの量が、前記組成物の総重量と100%活性度とに基づいて0.01~
10重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記乳化シリコーンが、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれらの
混合物からなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記クレンジング界面活性剤が、一般式(I)のアルキルエーテルサルフェートアニオ
ン性界面活性剤である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物:
R-O-(CH
2CH
2-O)
n-SO
3
-M
+ (I)
(式中、Rは、10~14個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基およびそれ
らの混合物から選択され、nは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~3の範囲であ
り、Mは可溶化カチオンである)。
【請求項5】
一般式(II)および(III)の前記両性界面活性剤が、前記組成物の総重量に基づ
いて1~3.5重量%の量で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性沈着ポリマーが、0.5~1.8meq/gの範囲の電荷密度を有する
グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(およびそれらの混合物)か
ら選択されるカチオン性ポリガラクトマンナンである、請求項1から5のいずれか一項に
記載の組成物。
【請求項7】
前記(1または複数の)グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの
レベルが、前記組成物の総重量に基づいて0.15~0.2重量%の範囲である、請求項
6に記載の組成物。
【請求項8】
ポリマー(それ自体が有効成分としての)のレベルが、0.2~1.5%(前記組成物
の総重量に基づく重量による)の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組
成物。
【請求項9】
前記懸濁剤が、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノ
マーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、ア
クリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび長鎖アシル
誘導体から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記APTACポリマーが、pH7で3超、好ましくは4~6の電荷密度を有する、請
求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記APTACポリマーが、100,000~950,000ダルトンの分子量を有す
る、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に定義される組成物を毛髪に塗布し、水を用いて第1
のすすぎを行う工程を含む、毛髪を処理する方法。
【請求項13】
コンディショナー組成物を塗布し、水を用いて第2のすすぎを行う後続の工程を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
毛髪上にシリコーンを保持するためのシャンプー中の、好ましくは(3-アクリルアミ
ドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーと、(3-アクリルアミド
プロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマーとから選択され
るAPTACポリマーである毛髪実体カチオン性コンディショニングポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪に使用するためのシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第2012/276210号は、ポリアクリレートマイクロカプセルを含有す
るシャンプー組成物に関し、該ポリアクリレートマイクロカプセルでは、毛髪への沈着が
増加している。
【0003】
(a)約0.001%~約10%のアニオン性荷電ポリアクリレートマイクロカプセル
と、
(b)約0.01%~約2%のカチオン性沈着ポリマーと、
(c)約2%~約25%の洗浄界面活性剤と、
(d)担体と、
を含むシャンプー組成物が開示されている。
【0004】
国際公開第2007/065537号は、洗髪プロセスの様々な段階でコンディショニ
ング効果の良好なバランスを得ることが困難であるという点で、カチオン性沈着ポリマー
の使用に関連する問題に対処し、
(i)1つ以上のアニオン性クレンジング界面活性剤と、
(ii)4マイクロメートル以下の平均液滴直径(D3,2)を有する水不溶性コンデ
ィショニング剤の離散した分散液滴と、
(iii)pH7で1.0meq/g未満のカチオン電荷密度を有するカチオン変性ア
クリルアミドポリマー、
カチオン変性セルロースおよびそれらの混合物から選択される1つ以上のカチオン性ポ
リマー(A)と、
(iv)pH7で1.0meq/g超のカチオン電荷密度を有するカチオン変性アクリ
ルアミドポリマー、
カチオン変性ポリガラクトマンナンおよびそれらの混合物から選択される1つ以上のカ
チオン性ポリマー(B)と、を含む水性シャンプー組成物であって、カチオン変性アクリ
ルアミドポリマー以外のカチオン性ポリマー
を含む水性シャンプー組成物を開示している。
【0005】
国際公開第2013/122861号は、
a)疎水的変性ポリ(アクリルアミド-N-プロピルトリメチルアンモニウムクロリド
)(ポリAPTAC)と、b)水と、を含む、ケラチン表面に即時および長期の利益を提
供するためのコンディショニング組成物添加剤であって、
疎水的変性ポリAPTACが、コンディショニング組成物添加剤の総重量の0.1重量
%~20重量%の量で存在し、約1~8meq/gの範囲のカチオン電荷密度を有するコ
ンディショニング組成物添加剤を開示している。
【0006】
D1米国特許第20110002868号は、パーソナルケアおよび家庭用用途で使用
するための、カチオン性合成水溶性高分子電解質と、界面活性剤と、溶媒と、を含むカチ
オン性高分子電解質製剤を開示している。
【0007】
D2米国特許第2012/0076747号は、界面活性剤、カチオン性水溶性高分子
電解質を含む界面活性剤系クレンジング組成物と、ケラチン質基材、布帛物質および硬質
表面基材を処理するためのパーソナルケアクレンジング組成物および家庭用ケアクレンジ
ング組成物中の該組成物の使用とを開示している。
【0008】
D3国際公開第2012110387号は、グアー誘導体を含む2つの異なるカチオン
性ポリマーと、ポリシロキサンと、を含むクレンジング組成物を開示している。
【0009】
D4国際公開第2018/007332号は、(i)クレンジング界面活性剤を含む水
性連続相と、(ii)皮膚および/または毛髪用の1つ以上の油性液体コンディショニン
グ剤であって、少なくとも1つの無機電解質および少なくとも1つのリンカー分子の組込
みを介して、水性連続相中で紐状ミセルに可溶化される1つ以上の油性液体コンディショ
ニング剤と、(iii)pH7で0.2~2meq/gの平均電荷密度を有するカチオン
性ポリガラクトマンナンから選択される1つ以上のカチオン性沈着ポリマーと、(iv)
(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーである
毛髪実体(hair substantive)カチオン性コンディショニングポリマー
と、を含むパーソナルクレンジング組成物を開示している。
【0010】
D5米国特許第20120076747号は、アニオン性クレンジング界面活性剤と、
乳化シリコーンと、有益剤を含有するマイクロカプセルと、カチオン性ポリマー組成物、
カチオン性ポリガラクトマンナンおよびアクリルアミノプロピルトリモニウムクロリド/
アクリルアミドコポリマーの組合せと、を含むパーソナルクレンジング組成物を開示して
いる。
【0011】
毛髪に使用するための多くのクレンジング製品およびコンディショニング製品は、シリ
コーンを含有する。コンディショニング効果と感覚的効果とを与えるために、シリコーン
を毛髪に沈着させることが望ましい。典型的な洗髪プロセスは、まずシャンプーを用いて
毛髪を洗浄してすすぎ、続いてコンディショナー製品を塗布してすすぐことを含む。
【0012】
シリコーンは、シャンプーから毛髪に沈着させることができる。
【0013】
ただし、本発明者らは、典型的な洗浄プロセスの一部としてコンディショナーとともに
続いて毛髪を洗浄する際に、このシリコーンの大部分が洗い落とされることを見出した。
この結果、毛髪が乾燥した際に明らかなコンディショニング効果を提供するために、コン
ディショナーにシリコーンを含める必要がある。
【0014】
本発明者らは、ここで、好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモ
ニウムクロリドのホモポリマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニ
ウムクロリド/アクリルアミドコポリマーとから選択されるAPTACポリマーであるコ
ンディショニングポリマーを含むシャンプーが、シャンプーから供給されるシリコーンの
接着性を高め、コンディショナーとともに洗浄している間およびコンディショナーととも
に洗浄した後に毛髪上にシリコーンを保持するのを助けることができることを見出した。
【0015】
好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのホモポ
リマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/アクリル
アミドコポリマーとから選択されるAPTACポリマーであるコンディショニングポリマ
ーを含有するシャンプーを用いて毛髪を洗浄し、次いで、シリコーンを含まないコンディ
ショナーとともに洗浄すると、1%シリコーン含有シャンプーを用いて洗浄し、次いで、
シリコーンを含まないコンディショナーとともに洗浄した毛髪と比較して、シリコーンの
配置が顕著に高くなる。
【0016】
乾燥摩擦データでは、好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニ
ウムクロリドのホモポリマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウ
ムクロリド/アクリルアミドコポリマーとから選択されるAPTACポリマーであるコン
ディショニングポリマーを含有するシャンプーを用いて洗浄され、次いで、シリコーンを
含まないコンディショナーとともに洗浄された毛髪は、1%シリコーン含有シャンプーを
用いて洗浄され、次いで、シリコーンを含まないコンディショナーとともに洗浄された毛
髪と比較して、顕著に低い乾燥摩擦を有する。
【0017】
改良された両性比、減少した界面活性剤濃度、および特定の平均SLESエトキシル化
レベルでアニオン性界面活性剤および両性界面活性剤の組合せを有するシャンプー組成物
にそのようなコンディショニングポリマーを使用すると、優れた洗浄、有益剤の沈着、な
らびに望ましいレオロジー特性および発泡特性がもたらされるのに対して、皮膚および毛
髪の脂質に対するマイルド性が維持され、毛髪が滑らかで柔らかな感触に仕上がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第2012/276210号
【特許文献2】国際公開第2007/065537号
【特許文献3】国際公開第2013/122861号
【特許文献4】D1米国特許第20110002868号
【特許文献5】D2米国特許第2012/0076747号
【特許文献6】D3国際公開第2012110387号
【特許文献7】D4国際公開第2018/007332号
【特許文献8】D5米国特許第20120076747号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
第1の態様では、本発明は、毛髪用の水性シャンプーであって、
a.予備形成乳化シリコーン、
b.カチオン性沈着ポリマー、
c.好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのホ
モポリマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/アク
リルアミドコポリマーとから選択される、100万ダルトン未満の分子量を有するAPT
ACポリマーである毛髪実体カチオン性コンディショニングポリマー、
d.E
n(式中、nは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~3の範囲である)の
平均エトキシル化度を有する、組成物の総重量に基づいて3~12重量%未満、好ましく
は5~10重量%未満のクレンジング界面活性剤、
e.一般式(II)のアミドベタイン両性界面活性剤と:
【化1】
【0020】
(式中、mは、2または3であり、R
1C(O)は、8~22個の炭素原子を有する直
鎖または分岐の飽和または不飽和アシル基およびそれらの混合物から選択され、R
2およ
びR
3は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはカルボ
キシアルキル基およびそれらの混合物からそれぞれ独立して選択される)
一般式(III)のアルキルベタインと:
【化2】
【0021】
(式中、Rはココ鎖である)
それらの混合物とから選択されるベタイン界面活性剤である共界面活性剤、および
f.懸濁剤、を含み、
(d)対(e)の重量比が、1:1~4.5:1の範囲であり、組成物のpHが、3~
6.5である水性シャンプーを提供する。
【0022】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の組成物を毛髪に塗布し、水を用いて第1のす
すぎを行う工程を含む、毛髪を処理する方法を提供する。
【0023】
シリコーンは、本発明の方法の最中に、本発明の組成物から毛髪に沈着する。
【0024】
好ましくは、該方法は、コンディショナー組成物を塗布し、次いで、水を用いて第2の
すすぎを行う後続の工程を含む。これらの後続の工程に続いて、本発明の組成物から毛髪
に沈着したシリコーンは、毛髪上に残る。
【0025】
第3の態様では、本発明は、毛髪上にシリコーンを保持するためのシャンプー中の、好
ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのホモポリマ
ーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミ
ドコポリマーとから選択されるAPTACポリマーである毛髪実体カチオン性コンディシ
ョニングポリマーの使用を提供する。
【0026】
水を用いてすすいだ後、および/またはヘアコンディショナーを用いて処理し、第2の
すすぎを行った後、シリコーンの一部または全部が毛髪上に保持される。毛髪上に「保持
される」とは、シリコーンが毛髪上に残ることを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
乳化シリコーン
本発明の組成物は、予備形成乳化シリコーンを含む。乳化シリコーンの混合物を使用す
ることができる。
【0028】
好適なシリコーンには、ポリジオルガノシロキサン、特に、CTFA名称ジメチコンを
有するポリジメチルシロキサンが含まれる。また、本発明の組成物に使用するのに適して
いるのは、CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメ
チルシロキサンである。例えば、国際公開第96/31188号に記載されているように
、架橋度の低いシリコーンガムも本発明の組成物に使用するのに適している。
【0029】
乳化シリコーン自体(エマルジョンまたは最終ヘア組成物ではない)の粘度は、典型的
には、25℃で少なくとも10,000cstである。シリコーン自体の粘度は、好まし
くは少なくとも60,000cst、最も好ましくは少なくとも500,000cst、
理想的には少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、配合を容易にする
ために、粘度は109cstを超えない。
【0030】
本発明の組成物に使用するための乳化シリコーンは、典型的には、30未満、好ましく
は20未満、さらに好ましくは10ミクロン未満、理想的には0.01~1ミクロンのD
90シリコーン液滴サイズを組成物中に有する。0.15ミクロンの平均シリコーン液滴
サイズ(D50)を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼
ばれる。
【0031】
シリコーン粒径は、例えば、Malvern Instruments製の2600D
Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る
。
【0032】
好適な予備形成エマルジョンの例には、Dow Corningから入手可能なXia
meter MEM 1785およびマイクロエマルジョンDC2-1865が挙げられ
る。これらはジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。また、架橋
シリコーンガムが予備乳化形態で入手可能であり、これは配合を容易にするために有利で
ある。
【0033】
本発明の組成物に含めるためのさらに好ましいクラスの乳化シリコーンは、アミノ官能
性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」とは、少なくとも1つの第一級、第二
級もしくは第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含むシリコーンを意味する。好
適なアミノ官能性シリコーンの例には、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシ
ロキサンが挙げられる。
【0034】
本発明で使用するのに適したアミノ官能性シリコーンの具体例には、アミノシリコーン
油DC2-8220、DC2-8166およびDC2-8566(いずれもDow Co
rning製)がある。
【0035】
好適な第四級シリコーンポリマーは、欧州特許A-0530974号に記載されている
。好ましい第四級シリコーンポリマーは、Goldschmidt製のK3474である
。
【0036】
非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーン油のエ
マルジョンも好適である。
【0037】
アミノ官能性シリコーンの予備形成エマルジョンは、シリコーン油の供給業者、例えば
、Dow CorningおよびGeneral Electricからも入手可能であ
る。具体的な例には、DC939カチオン性エマルジョンならびに非イオン性エマルジョ
ンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177およびDC2-8154(い
ずれもDow Corning製)が挙げられる。
【0038】
好ましくは、シリコーンは、ジメチコン、ジメチコノール、アモジメチコンおよびそれ
らの混合物からなる群から選択される。アミノ官能化シリコーンとジメチコンとのブレン
ドも好ましい。
【0039】
100%活性度でのシリコーンの総量は、好ましくは組成物全体の0.01重量%~1
0重量%、さらに好ましくは0.1重量%~5重量%であり、最も好ましくは0.5重量
%~3重量%が好適なレベルである。
【0040】
沈着ポリマー
本発明の組成物は、pH7で0.2~2meq/gの平均電荷密度を有するカチオン性
ポリガラクトマンナンから選択され得るカチオン性沈着ポリマーを含む。そのようなポリ
マーは、消費者の使用中に、組成物から皮膚および/または毛髪表面へのコンディショニ
ング剤の送達を増強するのに役立ち、それによって、得られるコンディショニング効果を
改善し得る。カチオン性沈着ポリマーの混合物を使用してもよい。
【0041】
本発明の文脈では、用語「電荷密度」は、ポリマーを構成するモノマー単位上の正電荷
の数と、そのモノマー単位の分子量との比を指す。電荷密度にポリマー分子量を掛けると
、所与のポリマー鎖上の正に帯電した部位の数が決定される。
【0042】
ポリガラクトマンナンは、主にガラクトース単位およびマンノース単位から構成される
多糖であり、通常、例えば、グアー、ローカストビーン、ハニーローカスト、フレームツ
リーなどのマメ科(leguminous)の種子の内胚乳に見出される。グアー粉は、
本質的に単員ガラクトース分岐を有する直鎖マンナンであるガラクトマンナンから主に構
成される。マンノース単位は1-4-β-グリコシド結合で連結されており、ガラクトー
ス分岐は代替マンノース単位上の1-6結合によって起こる。したがって、グアーポリマ
ー中のガラクトース対マンノースの比は1対2である。
【0043】
本発明で使用するのに適したカチオン性ポリガラクトマンナンには、グアーなどのポリ
ガラクトマンナン、および1つ以上の誘導体化剤との化学反応によってカチオン変性され
たヒドロキシアルキルグアー(例えば、ヒドロキシエチルグアーまたはヒドロキシプロピ
ルグアー)などのポリガラクトマンナン誘導体が含まれる。
【0044】
誘導体化剤は、典型的には、反応性官能基、例えば、エポキシ基、ハロゲン化物基、エ
ステル基、無水物基またはエチレン性不飽和基と、少なくとも1つのカチオン性基、例え
ば、カチオン性窒素基、さらに典型的には第四級アンモニウム基とを含む。誘導体化反応
は、典型的には、反応したポリガラクトマンナン骨格上のヒドロキシル基に酸素原子が対
応するエーテル結合を介して一般に連結される、ポリガラクトマンナン骨格上に側方カチ
オン基を導入する。
【0045】
本発明で使用するのに好ましいカチオン性ポリガラクトマンナンには、グアーヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0046】
本発明で使用するためのグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは
、一般に、エーテル結合2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド基によ
って官能化された非イオン性グアーガム骨格から構成され、典型的には、グアーガムとN
-(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドとの反応に
よって調製される。
【0047】
本発明で使用するためのカチオン性ポリガラクトマンナン(好ましくはグアーヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)は、一般に、500,000~300万g
/mol、さらに好ましくは800,000~250万g/molの範囲の平均分子量(
サイズ排除クロマトグラフィーによって決定される重量平均分子質量(Mw))を有する
。
【0048】
本発明で使用するためのカチオン性ポリガラクトマンナンは、一般に、0.5~1.8
meq/gの範囲の電荷密度を有する。
【0049】
好ましくは、カチオン性ポリガラクトマンナンは、0.5~1.8meq/gの範囲の
電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(およびそ
れらの混合物)から選択される。
【0050】
ポリマーのカチオン電荷密度は、米国薬局方に記載されているケルダール法により、窒
素決定のための化学試験下で好適に決定される。
【0051】
好ましいカチオン性ポリガラクトマンナンの特定の例は、0.5~1.1meq/gの
カチオン電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。
【0052】
1つが0.5~1.1meq/gのカチオン電荷密度を有し、1つが1.1~1.8m
eq/gのカチオン電荷密度を有するカチオン性ポリガラクトマンナンの混合物もまた好
適である。
【0053】
カチオン性ポリガラクトマンナンの好ましい混合物の特定の例は、1つが0.5~1.
1meq/gのカチオン電荷密度を有し、1つが1.1~1.8meq/gのカチオン電
荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの混合物である。
【0054】
本発明で使用するためのカチオン性ポリガラクトマンナンは、JAGUAR(登録商標
)C13S、JAGUAR(登録商標)C14およびJAGUAR(登録商標)C17と
してRhodiaから市販されている。
【0055】
本発明による典型的な組成物では、カチオン性ポリガラクトマンナンのレベルは、一般
に、組成物の総重量に基づいて、0.05~2重量%、好ましくは0.1~0.5、最も
好ましくは0.15~0.2重量%の範囲である。
【0056】
本発明による好ましい組成物では、カチオン性ポリガラクトマンナンは、組成物の総重
量に基づいて0.15~0.2重量%の範囲のレベルの、0.5~1.8meq/gの範
囲の電荷密度を有するグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(およ
びそれらの混合物)から選択される。
【0057】
毛髪実体カチオン性コンディショニングポリマー
本発明の組成物は、好ましくは(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウ
ムクロリドのホモポリマーと、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム
クロリド/アクリルアミドコポリマーとから選択される、100万ダルトン未満の分子量
を有するAPTACポリマーである毛髪実体カチオン性コンディショニングポリマーを含
む。
【0058】
国際公開第2013/122861号は、ラジカル重合反応を使用した様々な分子量の
(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)ホモポ
リマーの合成を記載している。記載された方法によれば、APTACモノマーは、アゾラ
ジカル開始剤またはパースルフェートラジカル開始剤を使用する不連続断熱プロセスによ
って水性媒体中で重合される。そのようにして得られたAPTACホモポリマーは、約1
00,000g/mol~約1,000,000g/molの範囲の分子量を有する。分
子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)などの標準的な分析測定を使用するこ
とによって決定され得る。
【0059】
本発明で使用するのに適したポリマーは、N-DurHance(商標)A-1000
Conditioning PolymerとしてAshland,Inc.から市販
されている(ポリマーの20%a.i.水溶液として供給される)。(3-アクリルアミ
ドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマーの好適なコポ
リマーは、N-DurHance AA2000としてAshlandから入手可能であ
る。
【0060】
本発明で使用するためのAPTACポリマーは、好ましくはpH7で3超、最も好まし
くは4~6の電荷密度を有する。
【0061】
本発明で使用するためのAPTACポリマーは、100万ダルトン未満、さらに好まし
くは100,000~950,000ダルトン、最も好ましくは200,000~900
,000ダルトンの分子量を有する。
【0062】
好ましい実施形態では、APTACポリマーは、pH7で4~6の電荷密度と、100
,000~950,000ダルトンの分子量とを有する。
【0063】
電荷密度および分子量を測定する好適な方法は、上記の通りである。
【0064】
本発明による典型的な組成物では、ポリマー(それ自体が有効成分としての)のレベル
は、一般に、0.05~5%、さらに好ましくは0.1~2%、最も好ましくは0.15
~1%(組成物の総重量に基づく重量による)の範囲である。
【0065】
クレンジング界面活性剤
本発明の組成物は、En(式中、nは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~3の
範囲である)の平均エトキシル化度を有する、組成物の総重量に基づいて3~12重量%
未満、好ましくは5~10重量%未満のクレンジング界面活性剤を含む。
【0066】
クレンジング界面活性剤は、1つ以上のアニオン性界面活性剤から好適に選択され得る
。
【0067】
本発明でクレンジング界面活性剤として使用するための典型的なアニオン性界面活性剤
には、分子構造中に8~14個の炭素原子、好ましくは10~14個の炭素原子を有する
有機疎水性基と、好ましくはサルフェート、スルホネート、サルコシネートおよびイセチ
オネートから選択される少なくとも1つの水溶性基とを含む界面活性剤が含まれる。
【0068】
そのようなアニオン性界面活性剤の具体例には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス
硫酸アンモニウム、トリメチルアミンラウリル硫酸、トリメチルアミンラウレス硫酸、ト
リエタノールアミンラウリル硫酸、トリメチルエタノールアミンラウレス硫酸、モノエタ
ノールアミンラウリル硫酸、モノエタノールアミンラウレス硫酸、ジエタノールアミンラ
ウリル硫酸、ジエタノールアミンラウレス硫酸、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレ
ス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム
、ラウリルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココ
イル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カ
リウム、モノエタノールアミンココイル硫酸、モノエタノールアミンラウリル硫酸、トリ
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイ
ルイセチオン酸ナトリウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
上記の材料のいずれかの混合物を使用してもよい。
【0070】
好ましくは、クレンジング界面活性剤は、(i)一般式(I)の1つ以上のアルキルエ
ーテルサルフェートアニオン性界面活性剤であり、
R-O-(CH2CH2-O)n-SO3
-M+ (I)
式中、Rは、10~14個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基およびそれら
の混合物から選択され、nは、平均エトキシル化度を表す数であり、0~3、好ましくは
1~3、最も好ましくは1.5~2.5の範囲であり、Mは可溶化カチオンである。
【0071】
好ましくは、一般式(I)のRは、C10またはC12直鎖アルキル基である。
【0072】
好ましくは、一般式(I)のMは、アルカリ金属カチオン(ナトリウムまたはカリウム
など)、アンモニウムカチオンおよび置換アンモニウムカチオン(アルキルアンモニウム
、アルカノールアンモニウムまたはグルカンモニウム(glucammonium)など
)から選択される。
【0073】
一般式(I)の商業的に生成されるアルキルエーテルサルフェートアニオン性界面活性
剤は、エチレンオキシドと式R-OH(式中、Rは上記で定義された通りである)の脂肪
アルコールとの反応によって形成された脂肪アルコールエトキシレートを硫酸化すること
によって作製され得る。脂肪アルコールとエチレンオキシドとの反応は、典型的には、ア
ルコールポリエチレングリコールエーテルである同族体の混合物を生じる。未反応の脂肪
アルコールが混合物中に存在してもよい。
【0074】
同族体混合物の分布曲線は、通常、n-3~n+3の範囲で最大値を示し、ここで、n
は、一般式(I)の平均エトキシル化度を示す。一般式のnの値は、整数または分数であ
ってよく、反応混合物中の脂肪アルコールに対するエチレンオキシドの開始モル比、なら
びに反応が起こる温度、時間および触媒条件などの要因による影響を受け得る。平均nは
、0~3、好ましくは1~3、最も好ましくは1.5~2.5の範囲である。異なるエト
キシル化レベルを有する材料のブレンドを使用して、範囲内の平均エトキシル化度を達成
することができる。
【0075】
特に好ましいのは、2EOの平均を有するSLES(すなわち、平均エトキシル化度n
が2.0であるラウリルエーテル硫酸ナトリウム)である。そのような材料の好適な例に
は、TEXAPON(登録商標)N 70(BASF製)がある。追加の例には、好まし
くは2EOの平均を有するパレスエーテル硫酸ナトリウム(sodium pareth
ether sulphate)がある。
【0076】
本明細書で言及される量はいずれも、別段の記載がない限り、100%活性度に基づく
。
【0077】
本明細書で言及される量はいずれも、別段の記載がない限り、100%活性度(または
「活性」)に基づく。100%活性度(または「活性」)とは、材料が希釈されておらず
、100%v/vまたはwt/wtであることを意味する。パーソナルケア製剤に使用さ
れる多くの材料は、様々な活性濃度、例えば、70%活性または60%活性で市販されて
いる。例えば、100mlの70%活性界面活性剤は、70mlの100%活性界面活性
剤と同じ量の活性材料を提供する。したがって、材料の活性度の変動に対応するために、
量はいずれも、100%活性材料に基づく。
【0078】
共界面活性剤
本発明の組成物は、共界面活性剤を含む。
【0079】
好ましくは、共界面活性剤は、両性界面活性剤および双性イオン性界面活性剤、最も好
ましくは両性界面活性剤から選択される。
【0080】
好ましくは、共界面活性剤は、一般式(II)のアミドベタイン両性界面活性剤と:
【化3】
【0081】
(式中、mは、2または3であり、R
1C(O)は、8~22個の炭素原子を有する直
鎖または分岐の飽和または不飽和アシル基およびそれらの混合物から選択され、R
2およ
びR
3は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはカルボ
キシアルキル基およびそれらの混合物からそれぞれ独立して選択される)
一般式(III)のアルキルベタインと:
【化4】
【0082】
(式中、Rはココイル基である)
それらの混合物とから選択されるベタイン界面活性剤である。
【0083】
好ましくは、一般式(II)のR1C(O)は、C8~C18の炭素原子および0、1
、2または3個の二重結合を有する直鎖アシル基ならびにそれらの混合物から選択される
。
【0084】
さらに好ましくは、一般式(II)のR1C(O)は、ラウロイル基、ミリストイル基
、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基およびココイル基ならびにそれらの混
合物から選択される。最も好ましくは、一般式(II)のR1C(O)はココイル基であ
る。
【0085】
好ましくは、一般式(II)のR2およびR3はともにメチルである。
【0086】
上記の材料のいずれかの混合物を使用してもよい。
【0087】
一般式(II)および(III)のアミドベタイン両性界面活性剤の量は、好ましくは
1~3.5重量%、さらに好ましくは1~3重量%、最も好ましくは1.5~2.5重量
%(組成物の総重量に基づいて)の範囲である。
【0088】
本発明による好ましい組成物では、一般式(II)のアミドベタイン両性界面活性剤は
、1~3%(組成物の総重量に基づく重量による)の範囲の量のコカミドプロピルベタイ
ンである。
【0089】
一般式(III)のRはココイル基である。これは、好ましくは、12の平均炭素鎖長
をもたらす炭素鎖のブレンドである。
【0090】
(i)および(ii)の合計量は、5~10重量%、好ましくは5~9重量%(組成物
の総重量に基づいて)の範囲である。
【0091】
好ましくは、アルキルエーテルサルフェートアニオン性界面活性剤(i)対アミドベタ
イン両性界面活性剤(ii)の重量比は、1:1~4:1[4.5:1?]、さらに好ま
しくは1.5:1~3.75:1、最も好ましくは2:1~3.5:1の範囲である。
【0092】
本発明による特に好ましい組成物は、(d)3~7重量%未満(組成物および100%
活性材料の総重量に基づく重量による)の範囲の量のSLES 2EOと、(e)1~3
重量%(組成物および100%活性材料の総重量に基づく重量による)の範囲の量のコカ
ミドプロピルベタインとを含む。
【0093】
懸濁剤
本発明の組成物は、1つ以上の懸濁剤を含む。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アク
リル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モ
ノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架
橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導
体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する
脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコール
ジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を
付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol
420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されて
いる。多官能剤によって架橋されたアクリル酸のポリマーも使用され得る。これらは、C
arbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941および
Carbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸
エステルとの好適なコポリマーの例には、Carbopol 1342がある。Carb
opol(商標)材料はいずれも、Goodrichから入手可能である。
【0094】
アクリル酸とアクリレートエステルとの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR
1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例
えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0095】
上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用してもよい。アクリル酸と長鎖アシル誘導体との
架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0096】
懸濁剤は、一般に、組成物の総重量に基づいて、懸濁剤の総重量により0.1~10%
、好ましくは0.15~6%、さらに好ましくは0.2~4%のレベルで、本発明で使用
するためのシャンプー組成物中に存在する
本発明の水性組成物は、好適には、約50~約90%、好ましくは約55~約85%、
さらに好ましくは約60~約85%、最も好ましくは約65~約83%の水(組成物の総
重量に基づく重量による)を含む。
【0097】
組成物の好ましい成分には、無機電解質がある。本発明で使用するのに適した無機電解
質には、金属塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ム、塩化亜鉛、塩化第二鉄および塩化アルミニウムなど)および金属硫酸塩(硫酸ナトリ
ウムおよび硫酸マグネシウムなど)が含まれる。無機電解質は、油性成分の可溶化を助け
、組成物に粘度をもたらすために使用される。
【0098】
本発明で使用するための好ましい無機電解質の例には、塩化ナトリウム、塩化カリウム
、硫酸マグネシウムおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0099】
上記の材料のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0100】
本発明の組成物中の無機電解質のレベルは、含まれる場合、一般に、約1~約25%、
好ましくは約1.5~約20%(組成物の総重量に基づく、総重量の無機電解質による)
の範囲である。
【0101】
本発明の組成物は、ブルックフィールドV2粘度計(スピンドルRTV5、1分、20
rpm)を30℃で使用して測定した場合、3,000~10,000mPa.s、好ま
しくは4,000~9,000mPa.sの範囲の粘度を好適に有し得る。
【0102】
本発明による組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるための追加の任意
成分を含有してもよい。そのような成分の例には、芳香剤、染料および顔料ならびにpH
調整剤が挙げられる。これらの成分のそれぞれは、その目的を達成するのに有効な量で存
在する。一般に、これらの任意成分は、組成物の総重量に基づいて最大5重量%のレベル
で個々に含まれる。
【0103】
本発明の組成物のpHは、好適には3.0~7.0の範囲であり、好ましくは3.0~
6.5、さらに好ましくは4~5.1の範囲である。
【0104】
本発明の組成物は、毛髪および頭皮への局所塗布を主に意図している。
【0105】
最も好ましくは、本発明の組成物は、毛髪に局所的に塗布され、次いで、毛髪および頭
皮に向けてマッサージされる。次いで、組成物は、毛髪を乾燥させる前に、水を用いて毛
髪および頭皮から洗い流される。
【0106】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【0107】
[実施例]
[実施例1]
本発明による組成物1~2、および比較組成物A~B
表1に示す成分を有するヘアクレンジングシャンプー製剤を調製した。組成物1~2は
本発明による。組成物A~Bは比較例である。引用されている重量パーセント(重量%)
はいずれも、別段の記載がない限り、総重量に基づく重量による。
【表1】
【0108】
以下の方法によって、シャンプー組成物1~2および比較組成物A~Bを調製した:
1.カチオン性コンディショニングポリマーを水に完全に分散させた。
【0109】
2.次いで、CAPBを加えた。
【0110】
3.クレンジング界面活性剤を水性混合物に加え、完全に分散させた。
【0111】
4.懸濁剤(カルボマー)を加えた。
【0112】
5.グアーポリマーを水に分散させ、混合物に加えた。
【0113】
6.次いで、シリコーンを撹拌しながら加え、
7.残りの微量成分を加えた。
【0114】
8.最後に、それぞれpH調整剤(例えばクエン酸)および塩化ナトリウムを使用して
、シャンプーのpHおよび粘度を調整した。
【0115】
[実施例2]
組成物1~2および比較組成物A~Bを用いた毛髪の処理
使用した毛髪は、重量2.5gおよび長さ6インチのヘアピースの暗褐色西欧人毛髪で
あった。これらの例では、これをバージン毛髪と呼ぶ。
【0116】
以下のように、脱色毛髪を調製した:
9%クリーム過酸化物、30’vol’(Excel GS Ltd、UK)と混合し
たPlatine Precision White Compact Lighten
ing Powder(L’Oreal Professionnel Paris、P
aris,France)(クリーム過酸化物120gと混合した粉末60g)を用いて
、毛髪を30分かけて1回脱色した。次いで、水を用いて毛髪を2分間すすいだ。
【0117】
典型的な洗浄プロトコル中に毛髪を処理するために、表1に記載されている製剤を使用
した。次いで、表面に沈着したシリコーンのレベル、および毛髪が乾燥した際の摩擦のレ
ベルについて、処理した毛髪を評価した。
【0118】
以下の方法を使用して、シャンプー組成物1~2および比較組成物A~Bを用いて毛髪
を処理した:
毛髪繊維を流水下で30秒間保持し、シャンプーを毛髪1g当たりシャンプー0.1m
lの用量で塗布し、30秒間毛髪にこすりつけた。流水下で30秒間保持することによっ
て過剰な泡を取り除き、シャンプー段階を繰り返した。流水下で毛髪を1分間すすいだ。
【0119】
次いで、シリコーンを含まないコンディショナーを用いて毛髪を処理し、ここで、毛髪
1グラム当たりコンディショナー0.2mlを塗布し、1分間こすりつけた後、流水下で
1分間すすいだ。
【0120】
[実施例3]
組成物1~2および比較組成物A~Bを用いて処理した毛髪へのシリコーン沈着
処理したヘアピースをすすぎ、乾燥させてから、蛍光X線(XRF)を使用して毛髪表
面に沈着したシリコーンのレベルを定量した。
【0121】
各試験製剤について5つの複製を作製した。毛髪に沈着したシリコーンの平均量を表2
に示す。
【表2】
【0122】
本発明による組成物1および2では、毛髪に沈着したシリコーンのレベルが、ポリマー
を含まなかった比較組成物AおよびBよりも劇的に高いことが分かるであろう。
【0123】
[実施例4]
組成物1~2および比較組成物A~Bを用いて処理した毛髪の摩擦
追加の一連の試験では、バージン毛髪のヘアピース、または1回脱色した暗褐色西欧人
(DBE)毛髪のヘアピースに対する典型的な毛髪洗浄プロトコル後の摩擦のレベルにつ
いて、表1に記載された製剤を評価した。各試験製剤について5つの複製を作製した。測
定された摩擦の平均を表3に示す。
【0124】
上記の実施例2のように、シャンプーおよびコンディショナーを用いて毛髪を最初に洗
浄した。
【0125】
プローブの上に500gの重りを取り付けたTexture Analyserを使用
して、乾いた毛髪の摩擦を評価した。
【表3】
【0126】
本発明による組成物を用いて処理した毛髪は、比較組成物AおよびBを用いて処理した
毛髪よりも摩擦が少ないことが分かる。
【国際調査報告】