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特表2022-537214メープルシロップ尿症(MSUD)の処置のおける使用のための酵素の生合成
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  • 特表-メープルシロップ尿症(MSUD)の処置のおける使用のための酵素の生合成 図1-1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】メープルシロップ尿症(MSUD)の処置のおける使用のための酵素の生合成
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/53 20060101AFI20220817BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 9/06 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 15/60 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 9/88 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 9/04 20060101ALI20220817BHJP
   C12P 7/04 20060101ALI20220817BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
C12N15/53 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N9/06 B
C12N15/60
C12N9/88
C12N9/04 E
C12P7/04
C12N15/63 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576258
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 US2020038813
(87)【国際公開番号】W WO2020257707
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/864,875
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/865,129
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516286741
【氏名又は名称】ギンゴー バイオワークス, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517196203
【氏名又は名称】シンロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【弁理士】
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン,リシ
(72)【発明者】
【氏名】パットマン,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン,コレア
(72)【発明者】
【氏名】ボイル,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】カーリン,ディラン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ストーン,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】タッカー,アレックス シー
【テーマコード(参考)】
4B050
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B050CC04
4B050DD02
4B050EE10
4B064AC02
4B064CA19
4B064CC24
4B064CD13
4B064DA01
4B065AA26X
4B065AB01
4B065AC14
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA05
4B065CA44
4B065CA46
(57)【要約】
本開示において提供するものは、いくつかの実施形態において、メープルシロップ尿症(MSUD)および過剰な分岐鎖アミノ酸を特徴とするその他の症状を処置するための方法および組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ここで該LeuDH酵素が、配列番号2、4、6、8、10、および12から選択された配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、宿主細胞。
【請求項2】
該LeuDH酵素が、配列番号2に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の宿主細胞
【請求項3】
該LeuDH酵素が配列番号2を含む、請求項2に記載の宿主細胞。
【請求項4】
該LeuDH酵素が以下:
a) 配列番号27の残基13に対応する残基におけるV;
b) 配列番号27の残基16に対応する残基におけるW;
c) 配列番号27の残基42に対応する残基におけるQ;
d) 配列番号27の残基43に対応する残基におけるT、Y、F、E、またはW;
e) 配列番号27の残基44に対応する残基におけるI、H、K、またはY;
f) 配列番号27の残基67に対応する残基におけるT、E、A、S、またはK;
g) 配列番号27の残基71に対応する残基におけるK;
h) 配列番号27の残基73に対応する残基におけるS;
i) 配列番号27の残基76に対応する残基におけるR、H、Y、S、K、またはW;
j) 配列番号27の残基92に対応する残基におけるY;
k) 配列番号27の残基93に対応する残基におけるH;
l) 配列番号27の残基95に対応する残基におけるG;
m) 配列番号27の残基100に対応する残基におけるG;
n) 配列番号27の残基105に対応する残基におけるC;
o) 配列番号27の残基111に対応する残基におけるG;
p) 配列番号27の残基113に対応する残基におけるM;
q) 配列番号27の残基115に対応する残基におけるNまたはV;
r) 配列番号27の残基116に対応する残基におけるR、N、またはW;
s) 配列番号27の残基120に対応する残基におけるA;
t) 配列番号27の残基122に対応する残基におけるD;
u) 配列番号27の残基136に対応する残基におけるE;
v) 配列番号27の残基140に対応する残基におけるD;
w) 配列番号27の残基141に対応する残基におけるM;
x) 配列番号27の残基160に対応する残基におけるS;
y) 配列番号27の残基185に対応する残基におけるF;
z) 配列番号27の残基196に対応する残基におけるN;
aa) 配列番号27の残基228に対応する残基におけるY;
bb) 配列番号27の残基248に対応する残基におけるM;
cc) 配列番号27の残基256に対応する残基におけるC;
dd) 配列番号27の残基293に対応する残基におけるQまたはC;
ee) 配列番号27の残基296に対応する残基におけるKまたはN;
ff) 配列番号27の残基297に対応する残基におけるR、Q、またはK;
gg) 配列番号27の残基300に対応する残基におけるCまたはD;
hh) 配列番号27の残基302に対応する残基におけるTまたはS;
ii) 配列番号27の残基305に対応する残基におけるC;
jj) 配列番号27の残基319に対応する残基におけるF; および/または
kk) 配列番号27の残基330に対応する残基におけるM、
を含む、請求項1または2に記載の宿主細胞。
【請求項5】
該LeuDH酵素が(a)-(kk)の全てを含む、請求項4に記載の宿主細胞。
【請求項6】
ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ここで、該LeuDH酵素が、配列番号27と比較して、アミノ酸残基42、43、44、67、71、76、78、113、115、116、136、293、296、297および/または300においてアミノ酸置換を含む、宿主細胞。
【請求項7】
該LeuDH酵素が、以下:
a) 残基42におけるA、Q、またはT;
b) 残基43におけるE、F、T、W、またはY;
c) 残基44におけるH、I、K、またはY;
d) 残基67におけるA、E、K、Q、S、またはT;
e) 残基71におけるC、D、H、K、M、またはT;
f) 残基76におけるE、F、H、I、K、M、R、S、T、W、またはY;
g) 残基78におけるC、F、H、K、Q、V、またはY;
h) 残基113におけるF、M、Q、V、W、またはY;
i) 残基115におけるN、Q、S、T、またはV;
j) 残基116におけるA、L、M、N、R、S、V、またはW;
k) 残基136におけるE、F、L、R、S、またはY;
l) 残基293におけるA、C、Q、S、またはT;
m) 残基296におけるA、C、E、I、K、L、N、S、またはT;
n) 残基297におけるC、D、E、F、H、K、L、M、N、Q、R、T、W、またはY;および/または
o) 残基300におけるA、C、D、F、H、K、M、N、Q、R、S、T、W、またはY、
を含む、請求項6に記載の宿主細胞。
【請求項8】
配列番号27と比較して、アミノ酸残基42、43、44、67、71、76、78、113、115、116、136、293、296、297および/または300においてアミノ酸置換を含む、非天然LeuDH酵素。
【請求項9】
該LeuDH酵素が以下:
a) 残基42におけるA、Q、またはT;
b) 残基43におけるE、F、T、W、またはY;
c) 残基44におけるH、I、K、またはY;
d) 残基67におけるA、E、K、Q、S、またはT;
e) 残基71におけるC、D、H、K、M、またはT;
f) 残基76におけるE、F、H、I、K、M、R、S、T、W、またはY;
g) 残基78におけるC、F、H、K、Q、V、またはY;
h) 残基113におけるF、M、Q、V、W、またはY;
i) 残基115におけるN、Q、S、T、またはV;
j) 残基116におけるA、L、M、N、R、S、V、またはW;
k) 残基136におけるE、F、L、R、S、またはY;
l) 残基293におけるA、C、Q、S、またはT;
m) 残基296におけるA、C、E、I、K、L、N、S、またはT;
n) 残基297におけるC、D、E、F、H、K、L、M、N、Q、R、T、W、またはY;および/または
o) 残基300におけるA、C、D、F、H、K、M、N、Q、R、S、T、W、またはY、
を含む、請求項8に記載の非天然LeuDH酵素。
【請求項10】
分岐鎖α-ケト酸デカルボキシラーゼ(KivD)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ここで、該KivD酵素が、配列番号14、16、および18から選択された配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、宿主細胞。
【請求項11】
該KivD酵素が、配列番号18に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の宿主細胞。
【請求項12】
該KivD酵素が配列番号18を含む、請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
該KivD酵素が以下:
a) 配列番号29の残基33に対応する残基におけるY;
b) 配列番号29の残基44に対応する残基におけるQ;
c) 配列番号29の残基117に対応する残基におけるM;
d) 配列番号29の残基129に対応する残基におけるI;
e) 配列番号29の残基185に対応する残基におけるW;
f) 配列番号29の残基190に対応する残基におけるI;
g) 配列番号29の残基225に対応する残基におけるI;
h) 配列番号29の残基227に対応する残基におけるY;
i) 配列番号29の残基311に対応する残基におけるL;
j) 配列番号29の残基312に対応する残基におけるG;
k) 配列番号29の残基313に対応する残基におけるT;
l) 配列番号29の残基328に対応する残基におけるP;
m) 配列番号29の残基341に対応する残基におけるW;
n) 配列番号29の残基345に対応する残基におけるH;
o) 配列番号29の残基347に対応する残基におけるC;
p) 配列番号29の残基420に対応する残基におけるR;
q) 配列番号29の残基494に対応する残基におけるD;
r) 配列番号29の残基508に対応する残基におけるC;および/または
s) 配列番号29の残基550に対応する残基におけるF、
を含む、請求項10または11に記載の宿主細胞。
【請求項14】
該KivD酵素が(a)-(s)の全てを含む、請求項13に記載の宿主細胞。
【請求項15】
アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ここで、該Adh酵素が配列番号20、22、および24から選択された配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、宿主細胞。
【請求項16】
該Adh酵素が、配列番号24に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の宿主細胞。
【請求項17】
該Adh酵素が配列番号24を含む、請求項16に記載の宿主細胞。
【請求項18】
該Adh酵素が以下:
a) 配列番号31の残基9に対応する残基におけるP;
b) 配列番号31の残基16に対応する残基におけるG;
c) 配列番号31の残基23に対応する残基におけるQ;
d) 配列番号31の残基28に対応する残基におけるR;
e) 配列番号31の残基30に対応する残基におけるA;
f) 配列番号31の残基93に対応する残基におけるK;
g) 配列番号31の残基98に対応する残基におけるL;
h) 配列番号31の残基99に対応する残基におけるR;
i) 配列番号31の残基114に対応する残基におけるP;
j) 配列番号31の残基115に対応する残基におけるK;
k) 配列番号31の残基119に対応する残基におけるY;
l) 配列番号31の残基194に対応する残基におけるY;
m) 配列番号31の残基242に対応する残基におけるP;
n) 配列番号31の残基249に対応する残基におけるK;
o) 配列番号31の残基255に対応する残基におけるE;
p) 配列番号31の残基260に対応する残基におけるD;
q) 配列番号31の残基269に対応する残基におけるH;
r) 配列番号31の残基281に対応する残基におけるQ;
s) 配列番号31の残基325に対応する残基におけるL;
t) 配列番号31の残基333に対応する残基におけるM;
u) 配列番号31の残基334に対応する残基におけるP;および/または
v) 配列番号31の残基348に対応する残基におけるQ、
を含む、請求項15または16に記載の宿主細胞。
【請求項19】
該Adh酵素が(a)-(v)の全てを含む、請求項18に記載の宿主細胞。
【請求項20】
該宿主細胞が、植物細胞、藻類細胞、酵母細胞、細菌細胞、または動物細胞である、請求項1-7および10-19のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項21】
該宿主細胞が、酵母細胞である、請求項20に記載の宿主細胞。
【請求項22】
該酵母細胞が、Saccharomyces細胞、Yarrowia細胞またはPichia細胞である、請求項21に記載の宿主細胞。
【請求項23】
該宿主細胞が、細菌細胞である、請求項20に記載の宿主細胞。
【請求項24】
該細菌細胞が、E.coli細胞、またはBacillus細胞である、請求項23に記載の宿主細胞。
【請求項25】
該宿主細胞が、分岐鎖アミノ酸輸送系2キャリアタンパク質(BrnQ)をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1-7、および10-24のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項26】
該BrnQタンパク質が、配列番号35のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一である、請求項25に記載の宿主細胞。
【請求項27】
該異種ポリヌクレオチドが誘導性プロモーターと作動可能に連結する、請求項1-7および10-26のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項28】
該異種ポリヌクレオチドがオペロンにおいて発現される、請求項1-7および10-27のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項29】
該オペロンが1以上の異種ポリヌクレオチドを発現し、およびリボソーム結合部位が各異種ポリヌクレオチド間に存在する、請求項28に記載の宿主細胞。
【請求項30】
該宿主細胞が、KivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチドおよび/またはAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1-7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項31】
該宿主細胞が、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドおよび/またはAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項10-14のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項32】
該宿主細胞が、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドおよび/またはKivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項15-19のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項33】
該宿主細胞が、ロイシンからイソペンタノールを産生できる、請求項1-7および10-32のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【請求項34】
該宿主細胞が、配列番号27の配列を含むコントロールLeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチド、配列番号29の配列を含むコントロールKivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチド、配列番号31の配列を含むコントロールAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチド、および配列番号35の配列を含むコントロールBrnQタンパク質をコードする異種ポリヌクレオチド、を含むコントロール宿主細胞と比較して、少なくとも2倍以上のロイシンを消費する、請求項33に記載の宿主細胞。
【請求項35】
請求項1-7および10-34のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養する工程を含む方法。
【請求項36】
ロイシンからイソペンタノールを生産するための方法であって、請求項1-7および10-34のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
【請求項37】
配列番号1、3、5、7、9および11から選択された核酸配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む非天然核酸。
【請求項38】
配列番号13、15、および17から選択された核酸配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む非天然核酸。
【請求項39】
配列番号19、21、および23から選択された核酸配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む非天然核酸。
【請求項40】
配列番号2、4、6、8、10、および12から選択された配列に対して少なくとも90%同一である配列をコードする非天然核酸。
【請求項41】
配列番号14、16、および18から選択された配列に対して少なくとも90%同一である配列をコードする非天然核酸。
【請求項42】
配列番号20、22、および24から選択された配列に対して少なくとも90%同一である配列をコードする非天然核酸。
【請求項43】
請求項37-42のいずれか一項に記載の非天然核酸を含むベクター。
【請求項44】
請求項37-42のいずれか一項に記載の非天然核酸を含む発現カセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年6月21日に出願された、「メープルシロップ尿症(MSUD)の処置における使用のための酵素の生合成」と題する米国仮出願シリアル番号第62/865、129号、および2019年6月21日に出願された「ロイシン、イソロイシン、および/またはバリンの異化に関する疾患を処置するための操作された最適化細菌」と題する米国仮出願シリアル番号第62/864、875号の利益を主張するものであり、ここに本明細書の一部として参照によりその全体を援用する。
【0002】
ESF-WEBを介してテキストファイルとして提出された配列表の参照
本願は、EFS-Webを介してASCII形式で提出された配列表を含み、およびここに本明細書の一部として参照によりその全体を援用する。このASCIIコピーは、2020年6月19日に作成され、名称がG0919.70033WO00-SEQ-OMJ.txtあり、およびサイズは1.76メガバイト(MB)である。
【0003】
発明の分野
本開示は、ロイシンをイソペンタノールに変換するために有用な酵素、核酸、および細胞に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
メープルシロップ尿症(MSUD)は、分岐鎖アルファ-ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体(BCKDC)の欠損によって、分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、およびバリン)およびその有害副産物(ケト酸)が血中および尿中に蓄積する代謝性疾患である。MSUDは、特に診断前や急性疾患時において、罹患者の尿から特有の甘い匂いがする事からその名がついた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MSUDおよびその他の過剰な分岐鎖アミノ酸を特徴とする症状に対する処置の改善が依然必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、少なくとも部分的に、例えばロイシンをイソペンタノールに変換することによってロイシンを消費するための酵素を含む操作された細胞を生成する事に基づく。このような操作された細胞は、MSUDなどのロイシンの蓄積に関連する疾患の処置のために有用である。
【0007】
本開示の態様は、ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、LeuDH酵素は配列番号2、4、6、8、10および12から選択された配列に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このLeuDH酵素は配列番号2に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。をいくつかの実施形態では、このLeuDH酵素は配列番号2を含む。いくつかの実施形態では、このLeuDH酵素は;配列番号27の残基13に対応する残基におけるV;配列番号27の残基16に対応する残基におけるW;配列番号27の残基42に対応する残基におけるQ;配列番号27の残基43に対応する残基におけるT、Y、F、E、またはW;配列番号27の残基44に対応する残基におけるI、H、K、またはY;配列番号27の残基67に対応する残基におけるT、E、A、S、またはK;配列番号27の残基71に対応する残基におけるK;配列番号27の残基73に対応する残基におけるS;配列番号27の残基76に対応する残基におけるR、H、Y、S、K、またはW;配列番号27の残基92に対応する残基におけるY;配列番号27の残基93に対応する残基におけるH;配列番号27の残基95に対応する残基におけるG;配列番号27の残基100に対応する残基におけるG;配列番号27の残基105に対応する残基におけるC;配列番号27の残基111に対応する残基におけるG;配列番号27の残基113に対応する残基におけるM;配列番号27の残基115に対応する残基におけるN、またはV;配列番号27の残基116に対応する残基におけるR、N、またはW;配列番号27の残基120に対応する残基におけるA;配列番号27の残基122に対応する残基におけるD;配列番号27の残基136に対応する残基におけるE;配列番号27の残基140に対応する残基におけるD;配列番号27の残基141に対応する残基におけるM;配列番号27の残基160に対応する残基におけるS;配列番号27の残基185に対応する残基におけるF;配列番号27の残基196に対応する残基におけるN;配列番号27の残基228に対応する残基におけるY;配列番号27の残基248に対応する残基におけるM;配列番号27の残基256に対応する残基におけるC;配列番号27の残基293に対応する残基におけるQまたはC;配列番号27の残基296に対応する残基におけるKまたはN;配列番号27の残基297に対応する残基におけるR、Q、またはK;配列番号27の残基300に対応する残基におけるCまたはD;配列番号27の残基302に対応する残基におけるTまたはS;配列番号27の残基305に対応する残基におけるC;配列番号27の残基319に対応する残基におけるF;および/または配列番号27の残基330に対応する残基におけるM、を含む。
【0008】
本開示のさらなる態様は、ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、このLeuDH酵素は、配列番号27の残基13に対応する残基におけるV;配列番号27の残基16に対応する残基におけるW;配列番号27の残基42に対応する残基におけるQ;配列番号27の残基43に対応する残基におけるT、Y、F、E、またはW;配列番号27の残基44に対応する残基におけるI、H、K、またはY;配列番号27の残基67に対応する残基におけるT、E、A、S、またはK;配列番号27の残基71に対応する残基におけるK;配列番号27の残基73に対応する残基におけるS;配列番号27の残基76に対応する残基におけるR、H、Y、S、K、またはW;配列番号27の残基92に対応する残基におけるY;配列番号27の残基93に対応する残基におけるH;配列番号27の残基95に対応する残基におけるG;配列番号27の残基100に対応する残基におけるG;配列番号27の残基105に対応する残基におけるC;配列番号27の残基111に対応する残基におけるG;配列番号27の残基113に対応する残基におけるM;配列番号27の残基115に対応する残基におけるN、またはV;配列番号27の残基116に対応する残基におけるR、N、またはW;配列番号27の残基120に対応する残基におけるA;配列番号27の残基122に対応する残基におけるD;配列番号27の残基136に対応する残基におけるE;配列番号27の残基140に対応する残基におけるD;配列番号27の残基141に対応する残基におけるM;配列番号27の残基160に対応する残基におけるS;配列番号27の残基185に対応する残基におけるF;配列番号27の残基196に対応する残基におけるN;配列番号27の残基228に対応する残基におけるY;配列番号27の残基248に対応する残基におけるM;配列番号27の残基256に対応する残基におけるC;配列番号27の残基293に対応する残基におけるQまたはC;配列番号27の残基296に対応する残基におけるKまたはN;配列番号27の残基297に対応する残基におけるR、Q、またはK;配列番号27の残基300に対応する残基におけるCまたはD;配列番号27の残基302に対応する残基におけるTまたはS;配列番号27の残基305に対応する残基におけるC;配列番号27の残基319に対応する残基におけるF;および配列番号27の残基330に対応する残基におけるM、を含む。
【0009】
本開示のさらなる態様は、ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、配列番号27と比較して、このLeuDH酵素は、アミノ酸残基42、43、44、67、71、76、78、113、115、116、136、293、296、297および/または300においてアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、このLeuDH酵素は、残基42におけるA、Q、またはT;残基43におけるE、F、T、W、またはY;残基44におけるH、I、K、またはY;残基67におけるA、E、K、Q、S、またはT;残基71におけるC、D、H、K、M、またはT;残基76におけるE、F、H、I、K、M、R、S、T、W、またはY;残基78におけるC、F、H、K、Q、V、またはY;残基113におけるF、M、Q、V、W、またはY;残基115におけるN、Q、S、T、またはV;残基116におけるA、L、M、N、R、S、V、またはW;残基136におけるE、F、L、R、S、またはY;残基293におけるA、C、Q、S、またはT;残基296におけるA、C、E、I、K、L、N、S、またはT;残基297におけるC、D、E、F、H、K、L、M、N、Q、R、T、W、またはY;残基300におけるおよび/またはA、C、D、F、H、K、M、N、Q、R、S、T、W、またはY、を含む。
【0010】
本開示のさらなる態様は、非天然LeuDH酵素に関し、ここで、配列番号27と比較して、このLeuDH酵素はアミノ酸残基42、43、44、67、71、76、78、113、115、116、136、293、296、297および/または300においてアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、このLeuDH酵素は以下:残基42におけるA、Q、またはT;残基43におけるE、F、T、W、またはY;残基44におけるH、I、K、またはY;残基67におけるA、E、K、Q、S、またはT;残基71におけるC、D、H、K、M、またはT;残基76におけるE、F、H、I、K、M、R、S、T、W、またはY;残基78におけるC、F、H、K、Q、V、またはY;残基113におけるF、M、Q、V、W、またはY;残基115におけるN、Q、S、T、またはV;残基116におけるA、L、M、N、R、S、V、またはW;残基136におけるE、F、L、R、S、またはY;残基293におけるA、C、Q、S、またはT;残基296におけるA、C、E、I、K、L、N、S、またはT;残基297におけるC、D、E、F、H、K、L、M、N、Q、R、T、W、またはY;残基300におけるおよび/またはA、C、D、F、H、K、M、N、Q、R、S、T、W、またはY、を含む。
【0011】
本開示のさらなる態様は、分岐鎖α-ケト酸デカルボキシラーゼ(KivD)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、このKivD酵素は配列番号14、16、および18から選択された配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このKivD酵素は配列番号18に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このKivD酵素は配列番号18を含む。いくつかの実施形態では、このKivD酵素は、以下:配列番号29の残基33に対応する残基におけるY;配列番号29の残基44に対応する残基におけるQ;配列番号29の残基117に対応する残基におけるM;配列番号29の残基129に対応する残基におけるI;配列番号29の残基185に対応する残基におけるW;配列番号29の残基190に対応する残基におけるI;配列番号29の残基225に対応する残基におけるI;配列番号29の残基227に対応する残基におけるY;配列番号29の残基311に対応する残基におけるL;配列番号29の残基312に対応する残基におけるG;配列番号29の残基313に対応する残基におけるT;配列番号29の残基328に対応する残基におけるP;配列番号29の残基341に対応する残基におけるW;配列番号29の残基345に対応する残基におけるH;配列番号29の残基347に対応する残基におけるC;配列番号29の残基420に対応する残基におけるR;配列番号29の残基494に対応する残基におけるD;配列番号29の残基508に対応する残基におけるC;および/または配列番号29の残基550に対応する残基におけるF、を含む。
【0012】
本開示のさらなる態様は、分岐鎖α-ケト酸デカルボキシラーゼ(KivD)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、このKivD酵素は以下:配列番号29の残基33に対応する残基におけるY;配列番号29の残基44に対応する残基におけるQ;配列番号29の残基117に対応する残基におけるM;配列番号29の残基129に対応する残基におけるI;配列番号29の残基185に対応する残基におけるW;配列番号29の残基190に対応する残基におけるI;配列番号29の残基225に対応する残基におけるI;配列番号29の残基227に対応する残基におけるY;配列番号29の残基311に対応する残基におけるL;配列番号29の残基312に対応する残基におけるG;配列番号29の残基313に対応する残基におけるT;配列番号29の残基328に対応する残基におけるP;配列番号29の残基341に対応する残基におけるW;配列番号29の残基345に対応する残基におけるH;配列番号29の残基347に対応する残基におけるC;配列番号29の残基420に対応する残基におけるR;配列番号29の残基494に対応する残基におけるD;配列番号29の残基508に対応する残基におけるC;および配列番号29の残基550に対応する残基におけるF、を含む。
【0013】
本開示のさらなる態様は、アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、このAdh酵素は配列番号20、22、および24から選択された配列に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このAdh酵素は配列番号24に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このAdh酵素は配列番号24を含む。いくつかの実施形態では、このAdh酵素は以下:配列番号31の残基9に対応する残基におけるP;配列番号31の残基16に対応する残基におけるG;配列番号31の残基23に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基28に対応する残基におけるR;配列番号31の残基30に対応する残基におけるA;配列番号31の残基93に対応する残基におけるK;配列番号31の残基98に対応する残基におけるL;配列番号31の残基99に対応する残基におけるR;配列番号31の残基114に対応する残基におけるP;配列番号31の残基115に対応する残基におけるK;配列番号31の残基119に対応する残基におけるY;配列番号31の残基194に対応する残基におけるY;配列番号31の残基242に対応する残基におけるP;配列番号31の残基249に対応する残基におけるK;配列番号31の残基255に対応する残基におけるE;配列番号31の残基260に対応する残基におけるD;配列番号31の残基269に対応する残基におけるH;配列番号31の残基281に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基325に対応する残基におけるL;配列番号31の残基333に対応する残基におけるM;配列番号31の残基334に対応する残基におけるP;および/または配列番号31の残基348に対応する残基におけるQを含む。
【0014】
本開示のさらなる態様は、アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、ここで、このAdh酵素は以下:配列番号31の残基9に対応する残基におけるP;配列番号31の残基16に対応する残基におけるG;配列番号31の残基23に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基28に対応する残基におけるR;配列番号31の残基30に対応する残基におけるA;配列番号31の残基93に対応する残基におけるK;配列番号31の残基98に対応する残基におけるL;配列番号31の残基99に対応する残基におけるR;配列番号31の残基114に対応する残基におけるP;配列番号31の残基115に対応する残基におけるK;配列番号31の残基119に対応する残基におけるY;配列番号31の残基194に対応する残基におけるY;配列番号31の残基242に対応する残基におけるP;配列番号31の残基249に対応する残基におけるK;配列番号31の残基255に対応する残基におけるE;配列番号31の残基260に対応する残基におけるD;配列番号31の残基269に対応する残基におけるH;配列番号31の残基281に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基325に対応する残基におけるL;配列番号31の残基333に対応する残基におけるM;配列番号31の残基334に対応する残基におけるP;および配列番号31の残基348に対応する残基におけるQ、を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、植物細胞、藻類細胞、酵母細胞、細菌細胞、または動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は酵母細胞である。いくつかの実施形態では、この酵母細胞は、Saccharomyces細胞、Yarrowia細胞、またはPichia細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は細菌細胞である。いくつかの実施形態では、この細菌細胞はE.coli細胞またはBacillus細胞である。
【0016】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、分岐鎖アミノ酸輸送系2キャリアタンパク質(BrnQ)をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態では、BrnQタンパク質は、配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である。いくつかの実施形態では、BrnQタンパク質は配列番号35のアミノ酸配列を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、異種ポリヌクレオチドは誘導性プロモーターと作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、異種ポリヌクレオチドはオペロンにおいて発現する。いくつかの実施形態では、このオペロンは1以上の異種ポリヌクレオチドを発現し、および各異種ポリヌクレオチド間にはリボソーム結合部位が存在していてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、宿主細胞はKivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチドおよび/またはAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドおよび/またはAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドおよび/またはKivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチドをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、宿主細胞はロイシンからイソペンタノールを産生し得る。いくつかの実施形態では、配列番号27の配列を含むコントロールLeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチド、配列番号29の配列を含むコントロールKivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチド、配列番号31の配列を含むコントロールAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチド、および配列番号35の配列を含むコントロールBrnQをコードする異種ポリヌクレオチドを含むコントロール宿主細胞と比較して、宿主細胞は2倍以上のロイシンを消費する。
【0022】
本開示のさらなる態様は、本願に開示される任意の宿主細胞を培養する工程を含む、方法に関する。
【0023】
本開示のさらなる態様は、本願に開示される任意の宿主細胞を培養する工程を含む、ロイシンからイソペンタノールを産生する方法に関する。
【0024】
本開示のさらなる態様は、配列番号1、3、5、7、9、および11から選択される核酸配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む非天然核酸に関する。
【0025】
本開示のさらなる態様は、配列番号13、15、および17から選択される核酸配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む非天然核酸に関する。
【0026】
本開示のさらなる態様は、配列番号19、21、および23から選択される核酸配列に対して少なくとも90%同一である配列を含む非天然核酸に関する。
【0027】
本開示のさらなる態様は、配列番号2、4、6、8、10、および12から選択される配列に対して少なくとも90%同一な配列をコードする非天然核酸に関する。
【0028】
本開示のさらなる態様は、配列番号14、16、および18から選択される配列に対して少なくとも90%同一な配列をコードする非天然核酸に関する。
【0029】
本開示のさらなる態様は、配列番号20、22、および24から選択される配列に対して少なくとも90%同一な配列をコードする非天然核酸に関する。
【0030】
本開示のさらなる態様は、本願に開示される任意の非天然核酸を含むベクターに関する。
【0031】
本開示のさらなる態様は、本願に開示される任意の非天然核酸を含む発現カセットに関する。
【0032】
本発明の各限定事項には、本発明の様々な実施形態を包含し得る。したがって、任意の1の要素または要素の組み合わせに関連する本発明の各限定事項は、本発明の各態様の中に含まれ得るものと予想される。本発明は、以下の記載または図の説明に記載される構成の詳細および要素の配置にその応用が限定されるものではない。本発明はその他の実施形態が可能であり、および様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面の簡単な説明
添付の図面は、縮尺通りに描かれている事を意図していない。図面において、様々な図に図示されている同一またはほとんど同一の各構成要素は同じ数字で表される。明確さのために、すべての図面にすべての構成要素が表示されていない場合がある。図面において、以下を参照する。
【0034】
図1-1】図1A-1Cは配列類似性ネットワークを示す。個々の点は配列データベースから取得可能な単一のアミノ酸配列を示す。アミノ酸配列がより密接に相関しているほど、互いの点が接近する。個々の配列類似性ネットワークは、酵素のアノテーションまたはソースに関する情報を持つ対応するクラスターキーを有する。図1Aはロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)についての配列類似性ネットワークを示す。このクラスターキーは酵素のアノテーションを示す。
【0035】
図1-2】図1Bはケトイソバレレートデカルボキシラーゼ(KivD)についての配列類似性ネットワークを示す。各点のアノテーションは、その酵素が由来する系統学的クレードを示す
【0036】
図1-3】図1Cはアルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)についての配列類似性ネットワークを示す。各点のアノテーションは、その酵素が由来する系統学的クレードを示す。
【0037】
図2図2LeuDH酵素のスクリーニングから得られたデータを示すグラフである。220のLeuDH酵素を生物学的複製(n=4)でスクリーニングし、酵素活性およびその順位を検証した。活性はB. cereusのLeuDH活性との相対値で報告される。
【0038】
図3図3はLeuDH酵素の活性および特異性の比較から得られたデータを示すグラフである。上位200のLeuDH酵素を、Leu、Val、およびIleに対する活性についてスクリーニングした。LeuDH酵素のLeuに対する活性は、B.cereusのLeuDH酵素の活性に対する相対値として報告される。特異性は、Val/Leuと比較した、Leuに対する活性の比として測定される。左側のパネルでは、Leuに対する酵素活性は、Leu/Val特異性との比較として示された。右側のパネルでは、酵素活性は、Leu/Ile特異性との比較として示された。合理的に操作された活性部位変異体を塗りつぶされない円で示した。元となったLeuDH酵素を塗りつぶされた実線の円で示した。ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールのB.cereusのLeuDHについても示した。
【0039】
図4図4はLeuDH酵素について特異性の比較から得られたデータを示す。上位200のLeuDH酵素を、Leu、Val、およびIleに対する活性についてスクリーニングした。特異性はVal/Leuと比較した、Leuに対する活性の比として測定される。合理的に操作された活性部位変異体を塗りつぶされない円として示した。元となったLeuDH酵素を塗りつぶされた円で示した。ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールのB.cereusのLeuDHを示した。
【0040】
図5図5は、KivD酵素のスクリーニングから得られたデータを示すグラフである。55種類のKivD酵素を生物学的複製(n=4)で活性についてスクリーニングした。活性は、外因的に発現されたS. aureusのkivDを含む溶解液の活性に対して相対的に示された(S.aureusのkivD酵素の活性は、測定可能な溶解液のバックグラウンド活性と区別不能であったため、バックグラウンドと同等視した。)
【0041】
図6図6はAdh酵素のスクリーニングから得られたデータを示す。55種類のAdh酵素を生物学的複製(n=4)でスクリーニングした。活性は、外因的に発現されるS.cerevisiaeのADH2を含む溶解液の活性に対して相対的に示された(S.cerevisiaeのADH2活性は、測定可能な溶解液のバックグラウンド活性と区別不能であったため、バックグラウンドと同等視した)。
【0042】
図7図7はLeuDH酵素の選択性のデータを示す。計21種類の候補LeuDH酵素を試験した。棒グラフの各セットは、左から右へ、消費されたLeu、消費されたIle、および消費されたValを示す。
【0043】
図8図8はLeu消費上位の株(5941、5942、および5943)および試作株(1980)間の経時的なLeu消費率の比較を示す。最小培地に8mMのロイシンを添加し、および嫌気培養後0、2、および4時間の時点でサンプルを採取した。
【0044】
図9図9はロイシンをイソペンタノールに変換するMSUD経路を示したものである。
【0045】
図10図10は、Ambr15生体反応器(n=2)中でアッセイした、株5941のイソペンタノール経路中間体の細胞外プロファイルを示す。エラーバーは2連の生体反応間の標準偏差を反映する。「合計」に対応するデータは、示された中間体の濃度の総計を表す。Leu=ロイシン、酸=2-オキソイソカプロエート、アルデヒド=イソバレルアルデヒド、アルコール=イソペンタノール。
【発明を実施するための形態】
【0046】
発明の詳細な説明
本開示は、いくつかの態様において、ロイシン消費のために操作した分岐鎖アミノ酸(BCAA)経路の細胞および酵素の組み合わせを提供する。これらのBCAA経路の酵素には、ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)、ケトイソバレレートデカルボキシラーゼ(KivD)、およびアルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)を含む。このような酵素を含む開示された酵素および宿主細胞は、例えば、メープルシロップ尿症(MSUD)等のBCAA(例えばロイシン)の蓄積に関連する疾患を患う対象において、並びにその他の医療および工業的な環境において、ロイシン消費を促進するために使用され得る。
【0047】
ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)
本開示で使用する場合、「ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)」とは、分岐鎖-L-アミノ酸(例えば、L-ロイシン、L-バリン、L-イソロイシン)から、それらの2-オキソアナログへの可逆的な脱アミノ化を触媒する酵素を意味する。LeuDH酵素はL-ロイシンを基質として使用し得る。いくつかの実施形態では、LeuDHは、L-バリンおよび/またはL-イソロイシンと比較してL-ロイシンに対して特異性を示す。いくつかの実施形態では、LeuDHはL-ロイシンからケトイソカプロエート(2-オキソイソカプロエートとしても知られる)を産生する。
【0048】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、LeuDH酵素、およびこの酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、配列番号2、4、6、8、10、12、もしくは257-475のいずれか1つ、表3もしくは表4に記載のLeuDH酵素、またはその他の本開示に記載のLeuDH酵素、に対して少なくとも80%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一なアミノ酸配列を含むLeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、配列番号1、3、5、7、9、11、または37-255のいずれか1つ、または表3もしくは表4に記載のLeuDH酵素、またはその他の本開示に記載のLeuDH酵素をコードするポリヌクレオチド、に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一な異種ポリヌクレオチドを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、Bacillus cereusに由来するLeuDHを含む。その他の実施形態では、宿主細胞はBacillus cereusに由来するLeuDHを含まない。
【0050】
Bacillus cereusに由来するLeuDHは以下のUniProtKB -P0A392(配列番号27)のアミノ酸配列を含み得る:
MTLEIFEYLEKYDYEQVVFCQDKESGLKAIIAIHDTTLGPALGGTRMWTYDSEEAAIEDALRLAKGMTYKNAAAGLNLGGAKTVIIGDPRKDKSEAMFRALGRYIQGLNGRYITAEDVGTTVDDMDIIHEETDFVTGISPSFGSSGNPSPVTAYGVYRGMKAAAKEAFGTDNLEGKVIAVQGVGNVAYHLCKHLHAEGAKLIVTDINKEAVQRAVEEFGASAVEPNEIYGVECDIYAPCALGATVNDETIPQLKAKVIAGSANNQLKEDRHGDIIHEMGIVYAPDYVINAGGVINVADELYGYNRERALKRVESIYDTIAKVIEISKRDGIATYVAADRLAEERIASLKNSRSTYLRNGHDIISRR(配列番号27)
【0051】
いくつかの実施形態では、配列番号27のアミノ酸配列は、以下の核酸配列によってコードされる:
ATGACCCTTGAGATTTTTGAATACCTCGAAAAATATGATTATGAGCAGGTCGTTTTCTGTCAAGACAAGGAATCAGGACTGAAAGCGATCATTGCTATCCATGATACTACACTGGGGCCAGCCTTAGGTGGCACCCGTATGTGGACGTACGACTCGGAAGAAGCGGCAATTGAGGATGCCTTGAGGTTAGCTAAGGGCATGACGTATAAAAACGCGGCAGCCGGTTTGAATCTGGGCGGTGCGAAAACCGTGATTATCGGGGATCCCCGCAAAGACAAATCTGAAGCAATGTTTCGGGCGCTGGGCCGATACATACAGGGACTAAATGGTCGCTATATCACCGCTGAAGATGTAGGAACTACCGTGGATGATATGGACATAATTCACGAAGAAACGGACTTCGTCACGGGCATTAGCCCTAGTTTTGGTAGCTCCGGGAACCCGTCTCCGGTTACCGCCTATGGCGTGTACCGTGGCATGAAGGCAGCAGCGAAAGAGGCCTTTGGTACAGACAACCTGGAGGGGAAAGTGATCGCGGTTCAAGGGGTAGGTAATGTGGCGTATCATCTGTGCAAACACTTACATGCCGAGGGCGCCAAGCTGATTGTCACGGATATCAACAAAGAAGCGGTACAGCGTGCAGTCGAAGAATTTGGCGCTTCCGCCGTTGAGCCGAATGAAATCTACGGCGTGGAATGCGATATTTACGCGCCGTGTGCTCTTGGTGCGACAGTCAACGATGAAACGATCCCTCAGCTGAAAGCAAAGGTAATTGCGGGTTCGGCTAATAACCAGTTAAAAGAAGACAGACATGGAGACATAATTCACGAGATGGGTATTGTTTATGCACCAGATTATGTAATCAATGCGGGCGGCGTTATTAACGTCGCAGATGAACTGTATGGCTACAACCGCGAACGCGCCCTCAAACGTGTGGAGTCAATTTATGACACCATTGCCAAAGTGATCGAAATCAGCAAGCGCGATGGAATCGCCACTTATGTGGCTGCCGATCGTCTGGCGGAAGAACGCATTGCAAGTCTCAAAAATAGCCGTTCCACCTACCTTCGCAATGGCCATGATATTATAAGTCGGCGTTGA(配列番号28)
【0052】
いくつかの実施形態では、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞は、ロイシンからケトイソカプロエートへの変換を、コントロールと比較して、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、または6倍以上(例えば、2倍から6倍以上)増加させ得る。いくつかの実施形態では、コントロールは配列番号27をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞である。いくつかの実施形態では、コントロールは、米国特許出願公開第20170232043号に記載されるような、E.coli Nissle株SYN1980 ΔleuE、ΔilvC、lacZ:tetR-Ptet-livKHMGF、tetR-Ptet-leuDH(Bc)-kivD-adh2-brnQ-rrnB ter (pSC101)である。
【0053】
いくつかの実施形態では、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞は、バリンに比して少なくとも0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、または6倍以上(例えば、2倍から6倍以上)、ロイシンに対する活性を示し得る。いくつかの実施形態では、LeuDH酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞は、イソロイシンに比して、少なくとも0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、または6倍以上(例えば、2倍から6倍以上)、ロイシンに対する活性を示し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、LeuDHは、配列番号27、配列番号2、4、6、8、10、12もしくは257-475のいずれか1つ、配列番号1、3、5、7、9、11もしくは37-255のいずれか1つ、または表3もしくは表4に記載のLeuDH酵素、またはその他の本開示に記載のLeuDH酵素のアミノ酸もしくはポリヌクレオチド配列、に対して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一な配列を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、このようなLeuDH酵素は以下:配列番号27の残基13に対応する残基におけるV;配列番号27の残基16に対応する残基におけるW;配列番号27の残基42に対応する残基におけるQ;配列番号27の残基43に対応する残基におけるT、Y、F、E、またはW;配列番号27の残基44に対応する残基におけるI、H、K、またはY;配列番号27の残基67に対応する残基におけるT、E、A、S、またはK;配列番号27の残基71に対応する残基におけるK;配列番号27の残基73に対応する残基におけるS;配列番号27の残基76に対応する残基におけるR、H、Y、S、K、またはW;配列番号27の残基92に対応する残基におけるY;配列番号27の残基93に対応する残基におけるH;配列番号27の残基95に対応する残基におけるG;配列番号27の残基100に対応する残基におけるG;配列番号27の残基105に対応する残基におけるC;配列番号27の残基111に対応する残基におけるG;配列番号27の残基113に対応する残基におけるM;配列番号27の残基115に対応する残基におけるN、またはV;配列番号27の残基116に対応する残基におけるR、N、またはW;配列番号27の残基120に対応する残基におけるA;配列番号27の残基122に対応する残基におけるD;配列番号27の残基136に対応する残基におけるE;配列番号27の残基140に対応する残基におけるD;配列番号27の残基141に対応する残基におけるM;配列番号27の残基160に対応する残基におけるS;配列番号27の残基185に対応する残基におけるF;配列番号27の残基196に対応する残基におけるN;配列番号27の残基228に対応する残基におけるY;配列番号27の残基248に対応する残基におけるM;配列番号27の残基256に対応する残基におけるC;配列番号27の残基293に対応する残基におけるQまたはC;配列番号27の残基296に対応する残基におけるKまたはN;配列番号27の残基297に対応する残基におけるR、Q、またはK;配列番号27の残基300に対応する残基におけるCまたはD;配列番号27の残基302に対応する残基におけるTまたはS;配列番号27の残基305に対応する残基におけるC;配列番号27の残基319に対応する残基におけるF;および/または配列番号27の残基330に対応する残基におけるM、を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、LeuDH酵素は以下:配列番号27の残基13に対応する残基におけるV;配列番号27の残基16に対応する残基におけるW;配列番号27の残基42に対応する残基におけるQ;配列番号27の残基43に対応する残基におけるT、Y、F、E、またはW;配列番号27の残基44に対応する残基におけるI、H、K、またはY;配列番号27の残基67に対応する残基におけるT、E、A、S、またはK;配列番号27の残基71に対応する残基におけるK;配列番号27の残基73に対応する残基におけるS;配列番号27の残基76に対応する残基におけるR、H、Y、S、K、またはW;配列番号27の残基92に対応する残基におけるY;配列番号27の残基93に対応する残基におけるH;配列番号27の残基95に対応する残基におけるG;配列番号27の残基100に対応する残基におけるG;配列番号27の残基105に対応する残基におけるC;配列番号27の残基111に対応する残基におけるG;配列番号27の残基113に対応する残基におけるM;配列番号27の残基115に対応する残基におけるN、またはV;配列番号27の残基116に対応する残基におけるR、N、またはW;配列番号27の残基120に対応する残基におけるA;配列番号27の残基122に対応する残基におけるD;配列番号27の残基136に対応する残基におけるE;配列番号27の残基140に対応する残基におけるD;配列番号27の残基141に対応する残基におけるM;配列番号27の残基160に対応する残基におけるS;配列番号27の残基185に対応する残基におけるF;配列番号27の残基196に対応する残基におけるN;配列番号27の残基228に対応する残基におけるY;配列番号27の残基248に対応する残基におけるM;配列番号27の残基256に対応する残基におけるC;配列番号27の残基293に対応する残基におけるQ またはC;配列番号27の残基296に対応する残基におけるK またはN;配列番号27の残基297に対応する残基におけるR、Q、またはK;配列番号27の残基300に対応する残基におけるCまたはD;配列番号27の残基302に対応する残基におけるTまたはS;配列番号27の残基305に対応する残基におけるC;配列番号27の残基319に対応する残基におけるF;および配列番号27の残基330に対応する残基におけるM、を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、LeuDH酵素は、配列番号27、配列番号2、4、6、8、10、12、もしくは257-475のいずれか1つ、表3もしくは表4に記載のLeuDH酵素、またはその他の本開示に記載のLeuDH酵素、と比較して、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも100アミノ酸の置換、欠失、挿入、または追加を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、LeuDH酵素は配列番号27と比較して1以上の残基におけるアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、LeuDH酵素は配列番号27の42位に対応する残基、配列番号27の43位に対応する残基、配列番号27の44位に対応する残基、配列番号27の67位に対応する残基、配列番号27の71位に対応する残基、配列番号27の76位に対応する残基、配列番号27の78位に対応する残基、配列番号27の113位に対応する残基、配列番号27の115位に対応する残基、配列番号27の116位に対応する残基、配列番号27の136位に対応する残基、配列番号27の293位に対応する残基、配列番号27の296位に対応する残基、配列番号27の297位に対応する残基、および/または配列番号27の300位に対応する残基においてアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、LeuDH酵素は以下:配列番号27の42位に対応する残基におけるA、Q、またはT;配列番号27の43位に対応する残基におけるE、F、T、W、またはY;配列番号27の44位に対応する残基におけるH、I、K、またはY;配列番号27の67位に対応する残基におけるA、E、K、Q、S、またはT;配列番号27の71位に対応する残基におけるC、D、H、K、M、またはT;配列番号27の76位に対応する残基におけるE、F、H、I、K、M、R、S、T、W、またはY;配列番号27の78位に対応する残基におけるC、F、H、K、Q、V、またはY;配列番号27の113位に対応する残基におけるF、M、Q、V、W、またはY;配列番号27の115位に対応する残基におけるN、Q、S、T、またはV;配列番号27の116位に対応する残基におけるA、L、M、N、R、S、V、またはW;配列番号27の136位に対応する残基におけるE、F、L、R、S、またはY;配列番号27の293位に対応する残基におけるA、C、Q、S、またはT;配列番号27の296位に対応する残基におけるA、C、E、I、K、L、N、S、またはT;配列番号27の297位に対応する残基におけるC、D、E、F、H、K、L、M、N、Q、R、T、W、またはY;および/または配列番号27の300位に対応する残基におけるA、C、D、F、H、K、M、N、Q、R、S、T、W、またはY、を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、配列番号27と比較して、LeuDH酵素は以下のアミノ酸残基においてアミノ酸置換を含む:残基42、43、44、67、71、76、78、113、115、116、136、293、296、297および/または300。いくつかの実施形態では、LeuDH酵素は、残基42におけるA、Q、またはT;残基43におけるE、F、T、W、またはY;残基44におけるH、I、K、またはY;残基67におけるA、E、K、Q、S、またはT;残基71におけるC、D、H、K、M、またはT;残基76におけるE、F、H、I、K、M、R、S、T、W、またはY;残基78におけるC、F、H、K、Q、V、またはY;残基113におけるF、M、Q、V、W、またはY;残基115におけるN、Q、S、T、またはV;残基116におけるA、L、M、N、R、S、V、またはW;残基136におけるE、F、L、R、S、またはY;残基293におけるA、C、Q、S、またはT;残基296におけるA、C、E、I、K、L、N、S、またはT;残基297におけるC、D、E、F、H、K、L、M、N、Q、R、T、W、またはYおよび/または;残基300におけるA、C、D、F、H、K、M、N、Q、R、S、T、W、またはYを含む。
【0060】
ケトイソバレレートデカルボキシラーゼ(KivD)
本明細書で使用する場合、「ケトイソバレレートデカルボキシラーゼ(KivD)」とは、アミノ酸のアミノ基転移によって得られるアルファ-ケト酸のアルデヒドへの脱カルボキシル化を触媒する酵素を意味する。KivDはケトイソカプロエートを基質として使用し得る。いくつかの実施形態では、KivDはケトイソカプロエートからイソバレルアルデヒドを産生する。
【0061】
いくつかの実施形態では、宿主細胞はKivD酵素および/またはこの酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、配列番号14、16、18、もしくは533-588のいずれか1つ、表3もしくは表5に記載のKivD酵素、またはその他の本開示に記載のKivD酵素、に対して少なくとも80%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一なアミノ酸配列を含むKivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、配列番号13、15、17もしくは477-532のいずれか1つ、または表3もしくは表5に記載のKivD酵素、またはその他の本開示に記載のKivD酵素をコードするポリヌクレオチド、に対して、少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一な異種ポリヌクレオチドを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、Lactococcus lactis由来するKivDを含む。その他の実施形態では、宿主細胞は、Lactococcus lactisに由来するKivDを含まない。
【0063】
Lactococcus lactisに由来するKivDは以下のUniProtKB-Q684J7(配列番号29)の配列を含み得る:
MYTVGDYLLDRLHELGIEEIFGVPGDYNLQFLDQIISHKDMKWVGNANELNASYMADGYARTKKAAAFLTTFGVGELSAVNGLAGSYAENLPVVEIVGSPTSKVQNEGKFVHHTLADGDFKHFMKMHEPVTAARTLLTAENATVEIDRVLSALLKERKPVYINLPVDVAAAKAEKPSLPLKKENSTSNTSDQEILNKIQESLKNAKKPIVITGHEIISFGLEKTVTQFISKTKLPITTLNFGKSSVDEALPSFLGIYNGTLSEPNLKEFVESADFILMLGVKLTDSSTGAFTHHLNENKMISLNIDEGKIFNERIQNFDFESLISSLLDLSEIEYKGKYIDKKQEDFVPSNALLSQDRLWQAVENLTQSNETIVAEQGTSFFGASSIFLKSKSHFIGQPLWGSIGYTFPAALGSQIADKESRHLLFIGDGSLQLTVQELGLAIREKINPICFIINNDGYTVEREIHGPNQSYNDIPMWNYSKLPESFGATEDRVVSKIVRTENEFVSVMKEAQADPNRMYWIELILAKEGAPKVLKKMGKLFAEQNKS(配列番号29)
【0064】
いくつかの実施形態では、配列番号29のアミノ酸配列は、以下の核酸配列によってコードされる:
ATGTACACAGTCGGTGATTATCTTTTAGACCGACTGCACGAACTCGGAATCGAGGAAATTTTTGGCGTGCCCGGGGATTATAACTTGCAGTTCCTGGACCAAATAATTTCCCATAAGGATATGAAATGGGTAGGCAATGCTAACGAACTGAATGCGTCTTACATGGCCGATGGTTATGCACGGACCAAAAAAGCGGCAGCCTTTCTGACGACTTTCGGCGTTGGTGAGTTAAGCGCGGTGAACGGCCTGGCGGGGTCATACGCCGAAAATCTACCAGTTGTCGAAATCGTGGGCTCGCCGACCAGCAAAGTTCAGAACGAGGGTAAGTTTGTGCATCACACCCTTGCTGACGGAGATTTTAAACATTTCATGAAAATGCACGAACCTGTAACGGCAGCGCGCACACTGTTGACTGCGGAGAACGCCACCGTCGAAATTGATCGCGTCCTGAGTGCTCTTCTGAAGGAACGTAAACCGGTGTATATCAATCTCCCGGTTGACGTGGCGGCAGCTAAAGCCGAAAAACCGAGTTTGCCCTTAAAGAAAGAGAATAGCACGTCTAACACGTCTGACCAAGAAATTCTGAACAAAATTCAGGAATCCCTCAAAAATGCGAAAAAACCTATCGTCATCACCGGTCATGAAATAATTTCATTTGGACTGGAGAAAACCGTTACACAGTTCATCTCAAAGACGAAACTGCCAATTACCACCCTAAATTTTGGCAAATCGTCCGTAGACGAAGCCCTGCCGAGCTTCTTGGGGATCTATAACGGCACTTTAAGCGAACCGAATTTAAAGGAATTTGTGGAGAGCGCCGATTTCATTCTCATGCTGGGTGTTAAGCTGACAGATTCCAGTACGGGCGCGTTCACTCATCACCTGAACGAGAACAAAATGATCTCGTTGAACATTGATGAAGGAAAAATATTTAATGAACGTATTCAAAACTTCGATTTTGAATCGCTGATTTCTTCCCTACTGGACCTCAGCGAGATCGAATACAAAGGTAAATATATTGATAAAAAACAGGAAGACTTTGTGCCGAGTAACGCACTGTTGTCTCAGGATCGCCTGTGGCAAGCTGTGGAAAATCTGACCCAGAGTAACGAAACGATTGTCGCGGAACAGGGGACCTCTTTCTTTGGTGCTTCGTCAATCTTTTTAAAGTCAAAATCACATTTTATTGGCCAACCACTTTGGGGTAGTATCGGCTACACTTTCCCTGCGGCACTGGGTAGTCAGATTGCCGATAAAGAGTCGCGTCACCTTTTGTTTATTGGGGATGGCTCGCTACAATTGACCGTTCAGGAGTTAGGTCTTGCTATACGCGAAAAAATCAATCCGATCTGTTTCATTATCAATAATGACGGCTATACCGTGGAGCGCGAAATCCATGGTCCGAATCAGAGCTATAACGATATACCGATGTGGAATTACAGCAAACTCCCCGAGAGCTTTGGCGCAACAGAAGATAGGGTTGTCTCCAAGATCGTGCGTACGGAAAACGAATTTGTAAGTGTAATGAAAGAAGCGCAAGCGGACCCTAATCGAATGTACTGGATTGAACTTATTCTGGCAAAAGAAGGGGCCCCTAAAGTCCTCAAGAAAATGGGGAAGTTGTTCGCCGAACAAAACAAAAGCTGA(配列番号30)
【0065】
いくつかの実施形態では、KivD酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞は、ケトイソカプロエートからイソバレルアルデヒドへの変換を、コントロールと比較して0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、または6倍以上(例えば、2倍から6倍以上)増加させ得る。いくつかの実施形態では、コントロールは、配列番号29をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞である。いくつかの実施形態では、コントロールは、米国出願公開第20170232043号に記載されるような、E. coli Nissle株SYN1980 ΔleuE、ΔilvC、lacZ:tetR-Ptet-livKHMGF、tetR-Ptet-leuDH(Bc)-kivD-adh2-brnQ-rrnB ter (pSC101)である。
【0066】
いくつかの実施形態では、KivD酵素は、配列番号29、配列番号14、16、18、もしくは533-588のいずれか1つ、配列番号13、15、17、もしくは477-532の何れか1つ、または表3もしくは表5に記載のKivD酵素、またはその他の本開示に記載のKivD酵素をコードするアミノ酸またはポリヌクレオチド配列、に対して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である配列を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、KivD酵素は、配列番号29、配列番号14、16、18、もしくは533-588のいずれか1つ、表3もしくは表5に記載のKivD酵素、またはその他の本開示に記載のKivD酵素、と比較して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも100アミノ酸の置換、欠失、挿入、または追加を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、KivD酵素は以下:配列番号29の残基33に対応する残基におけるY;配列番号29の残基44に対応する残基におけるQ;配列番号29の残基117に対応する残基におけるM;配列番号29の残基129に対応する残基におけるI;配列番号29の残基185に対応する残基におけるW;配列番号29の残基190に対応する残基におけるI;配列番号29の残基225に対応する残基におけるI;配列番号29の残基227に対応する残基におけるY;配列番号29の残基311に対応する残基におけるL;配列番号29の残基312に対応する残基におけるG;配列番号29の残基313に対応する残基におけるT;配列番号29の残基328に対応する残基におけるP;配列番号29の残基341に対応する残基におけるW;配列番号29の残基345に対応する残基におけるH;配列番号29の残基347に対応する残基におけるC;配列番号29の残基420に対応する残基におけるR;配列番号29の残基494に対応する残基におけるD;配列番号29の残基508に対応する残基におけるC;および/または配列番号29の残基550に対応する残基におけるF、を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、KivD酵素は以下:配列番号29の残基33に対応する残基におけるY;配列番号29の残基44に対応する残基におけるQ;配列番号29の残基117に対応する残基におけるM;配列番号29の残基129に対応する残基におけるI;配列番号29の残基185に対応する残基におけるW;配列番号29の残基190に対応する残基におけるI;配列番号29の残基225に対応する残基におけるI;配列番号29の残基227に対応する残基におけるY;配列番号29の残基311に対応する残基におけるL;配列番号29の残基312に対応する残基におけるG;配列番号29の残基313に対応する残基におけるT;配列番号29の残基328に対応する残基におけるP;配列番号29の残基341に対応する残基におけるW;配列番号29の残基345に対応する残基におけるH;配列番号29の残基347に対応する残基におけるC;配列番号29の残基420に対応する残基におけるR;配列番号29の残基494に対応する残基におけるD;配列番号29の残基508に対応する残基におけるC;および配列番号29の残基550に対応する残基におけるF、を含む。
【0070】
アルコールデヒドロゲナーゼAdh)
本明細書で使用される場合、「アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)」とは、エタノールからアセトアルデヒドへの変換を触媒する酵素を意味する。Adhはイソバレルアルデヒドを基質として使用し得る。いくつかの実施形態では、Adhはイソバレルアルデヒドからイソペンタノールを産生する。
【0071】
いくつかの実施形態では、宿主細胞はAdh酵素および/またはこの酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、配列番号20、22、24、もしくは645-700のいずれか1つ、表3もしくは表6に記載のAdh酵素、またはその他の本開示に記載のAdh酵素、に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一なアミノ酸配列を含むAdh酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、配列番号19、21、23もしくは589-644のいずれか1つ、または表3もしくは表6に記載のAdh酵素、またはその他の本開示に記載のAdh酵素をコードするポリヌクレオチド、に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一な異種ポリヌクレオチドを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、Saccharomyces cerevisiaeに由来するAdhを含む、その他の実施形態では、宿主細胞は、Saccharomyces cerevisiaeに由来するAdhを含まない。
【0073】
Saccharomyces cerevisiaeに由来するAdhは、以下のUniProtKB-P00331(配列番号31)のアミノ酸配列を含み得る:
MSIPETQKAIIFYESNGKLEHKDIPVPKPKPNELLINVKYSGVCHTDLHAWHGDWPLPTKLPLVGGHEGAGVVVGMGENVKGWKIGDYAGIKWLNGSCMACEYCELGNESNCPHADLSGYTHDGSFQEYATADAVQAAHIPQGTDLAEVAPILCAGITVYKALKSANLRAGHWAAISGAAGGLGSLAVQYAKAMGYRVLGIDGGPGKEELFTSLGGEVFIDFTKEKDIVSAVVKATNGGAHGIINVSVSEAAIEASTRYCRANGTVVLVGLPAGAKCSSDVFNHVVKSISIVGSYVGNRADTREALDFFARGLVKSPIKVVGLSSLPEIYEKMEKGQIAGRYVVDTSK(配列番号31)
【0074】
いくつかの実施形態では、配列番号31のアミノ酸配列は、以下の核酸配列によってコードされる:
ATGTCGATCCCAGAAACTCAGAAGGCTATTATATTTTATGAGTCAAACGGCAAACTCGAACATAAAGACATTCCCGTGCCTAAACCGAAACCGAATGAACTTCTGATTAACGTAAAGTACAGCGGAGTCTGCCACACGGATTTGCATGCCTGGCACGGGGATTGGCCGTTACCGACCAAACTGCCTCTGGTGGGTGGTCATGAGGGCGCGGGCGTTGTTGTGGGTATGGGAGAAAATGTCAAAGGCTGGAAAATCGGCGACTATGCAGGGATCAAGTGGCTGAACGGGTCTTGTATGGCGTGCGAGTACTGTGAATTAGGTAATGAATCCAACTGCCCACACGCAGATCTGAGTGGTTATACCCATGACGGCAGCTTCCAAGAATACGCCACAGCGGATGCCGTGCAGGCAGCTCACATTCCGCAAGGAACTGATCTTGCGGAAGTAGCCCCAATTCTGTGCGCGGGCATCACGGTATATAAAGCTCTCAAAAGTGCAAACTTGCGCGCCGGTCATTGGGCTGCGATTTCGGGTGCCGCGGGCGGGCTGGGATCATTAGCTGTTCAGTACGCGAAGGCAATGGGTTATCGAGTTCTGGGCATCGACGGCGGGCCCGGTAAAGAAGAGCTATTTACCAGCCTCGGCGGTGAGGTCTTCATCGATTTTACCAAAGAAAAAGATATCGTGTCCGCAGTCGTGAAAGCAACCAATGGCGGCGCTCACGGAATTATAAATGTGTCTGTATCAGAAGCGGCGATTGAAGCCAGCACGCGTTATTGTCGCGCGAACGGCACAGTGGTTCTGGTAGGCCTGCCCGCCGGTGCGAAATGTAGCTCGGACGTGTTCAATCATGTGGTGAAGAGTATTTCCATTGTTGGATCTTACGTAGGGAACCGTGCGGATACGCGGGAGGCACTGGATTTTTTTGCAAGGGGCTTGGTTAAAAGCCCGATCAAAGTCGTGGGTCTGTCGTCTCTACCTGAAATATATGAGAAAATGGAAAAGGGACAGATCGCCGGACGCTACGTCGTCGACACCTCAAAGTGA(配列番号32)
【0075】
いくつかの実施形態では、Adh酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞は、イソバレルアルデヒドからイソペンタノールへの変換を、コントロールと比較して0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、または6倍以上(例えば、2倍から6倍以上)増加させ得る。いくつかの実施形態では、コントロールは、配列番号31をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞である。いくつかの実施形態では、コントロールは、配列番号31をコードする異種ポリヌクレオチドを発現する宿主細胞である。いくつかの実施形態では、コントロールは、米国特許出願公開第20170232043に記載されるような、E.coli Nissle株SYN1980 ΔleuE、ΔilvC、lacZ:tetR-Ptet-livKHMGF、tetR-Ptet-leuDH(Bc)-kivD-adh2-brnQ-rrnB ter(pSC101)である。
【0076】
いくつかの実施形態では、Adhは、配列番号31、配列番号20、22、24、もしくは645-700のいずれか1つ、配列番号19、21、23もしくは589-644のいずれか1つ、または表3もしくは表6に記載のAdh酵素、またはその他の本開示に記載のAdh酵素、をコードするアミノ酸またはポリヌクレオチド配列、に対して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一な配列を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、Adhは、配列番号31、配列番号20、22、24、もしくは645-700のいずれか1つ、表3もしくは表6に記載のAdh酵素、またはその他の本開示に記載のAdh酵素、と比較して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも100のアミノ酸の置換、欠失、挿入、または追加を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、Adhは以下;配列番号31の残基9に対応する残基におけるP;配列番号31の残基16に対応する残基におけるG;配列番号31の残基23に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基28に対応する残基におけるR;配列番号31の残基30に対応する残基におけるA;配列番号31の残基93に対応する残基におけるK;配列番号31の残基98に対応する残基におけるL;配列番号31の残基99に対応する残基におけるR;配列番号31の残基114に対応する残基におけるP;配列番号31の残基115に対応する残基におけるK;配列番号31の残基119に対応する残基におけるY;配列番号31の残基194に対応する残基におけるY;配列番号31の残基242に対応する残基におけるP;配列番号31の残基249に対応する残基におけるK;配列番号31の残基255に対応する残基におけるE;配列番号31の残基260に対応する残基におけるD;配列番号31の残基269に対応する残基におけるH;配列番号31の残基281に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基325に対応する残基におけるL;配列番号31の残基333に対応する残基におけるM;配列番号31の残基334に対応する残基におけるP;および/または配列番号31の残基348に対応する残基におけるQ、を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、Adhは以下;配列番号31の残基9に対応する残基におけるP;配列番号31の残基16に対応する残基におけるG;配列番号31の残基23に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基28に対応する残基におけるR;配列番号31の残基30に対応する残基におけるA;配列番号31の残基93に対応する残基におけるK;配列番号31の残基98に対応する残基におけるL;配列番号31の残基99に対応する残基におけるR;配列番号31の残基114に対応する残基におけるP;配列番号31の残基115に対応する残基におけるK;配列番号31の残基119に対応する残基におけるY;配列番号31の残基194に対応する残基におけるY;配列番号31の残基242に対応する残基におけるP;配列番号31の残基249に対応する残基におけるK;配列番号31の残基255に対応する残基におけるE;配列番号31の残基260に対応する残基におけるD;配列番号31の残基269に対応する残基におけるH;配列番号31の残基281に対応する残基におけるQ;配列番号31の残基325に対応する残基におけるL;配列番号31の残基333に対応する残基におけるM;配列番号31の残基334に対応する残基におけるP;および配列番号31の残基348に対応する残基におけるQ、を含む。
【0080】
分岐鎖アミノ酸輸送系2キャリアタンパク質(BrnQ)
本明細書で使用場合、「分岐鎖アミノ酸輸送系2キャリアタンパク質(BrnQ)」とは、分岐鎖アミノ酸にかかるLIV-II輸送系の成分を意味する。BrnQは分岐鎖アミノ酸、例えばロイシンを細胞、例えば宿主細胞へ輸送するために使用され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、宿主細胞はBrnQタンパク質および/またはこのタンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本願に記載の、例えば配列番号35の、BrnQタンパク質に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一なアミノ酸配列を含むBrnQタンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、BrnQタンパク質はUniProtKB-B7MD59に記載のアミノ酸配列を含む。UniProtKB-B7MD59は以下のアミノ酸配列を有する:
MTHQLRSRDIIALGFMTFALFVGAGNIIFPPMVGLQAGEHVWTAAFGFLITAVGLPVLTVVALAKVGGGVDSLSTPIGKVAGVLLATVCYLAVGPLFATPRTATVSFEVGIAPLTGDSALPLFIYSLVYFAIVILVSLYPGKLLDTVGNFLAPLKIIALVILSVAAIIWPAGSISTATEAYQNAAFSNGFVNGYLTMDTLGAMVFGIVIVNAARSRGVTEARLLTRYTVWAGLMAGVGLTLLYLALFRLGSDSASLVDQSANGAAILHAYVQHTFGGGGSFLLAALIFIACLVTAVGLTCACAEFFAQYVPLSYRTLVFILGGFSMVVSNLGLSQLIQISVPVLTAIYPPCIALVVLSFTRSWWHNSSRVIAPPMFISLLFGILDGIKASAFSDILPSWAQRLPLAEQGLAWLMPTVVMVVLAIIWDRAAGRQVTSSAH(配列番号35)
【0082】
いくつかの実施形態では、配列番号35は以下の核酸配列によってコードされる:
ATGACCCATCAATTAAGATCGCGCGATATCATCGCTCTGGGCTTTATGACATTTGCGTTGTTCGTCGGCGCAGGTAACATTATTTTCCCTCCAATGGTCGGCTTGCAGGCAGGCGAACACGTCTGGACTGCGGCATTCGGCTTCCTCATTACTGCCGTTGGCCTACCGGTATTAACGGTAGTGGCGCTGGCAAAAGTTGGCGGCGGTGTTGACAGTCTCAGCACGCCAATTGGTAAAGTCGCTGGCGTACTGCTGGCAACAGTTTGTTACCTGGCGGTGGGGCCGCTTTTTGCTACGCCGCGTACAGCTACCGTTTCTTTTGAAGTGGGCATTGCGCCGCTGACGGGTGATTCCGCGCTGCCGCTGTTTATTTACAGCCTGGTCTATTTCGCTATCGTTATTCTGGTTTCGCTCTATCCGGGCAAGCTGCTGGATACCGTGGGCAACTTCCTTGCGCCGCTGAAAATTATCGCGCTGGTCATCCTGTCTGTTGCCGCAATTATCTGGCCGGCGGGTTCTATCAGTACGGCGACTGAGGCTTATCAAAACGCTGCGTTTTCTAACGGCTTCGTCAACGGCTATCTGACCATGGATACGCTGGGCGCAATGGTGTTTGGTATCGTTATTGTTAACGCGGCGCGTTCTCGTGGCGTTACCGAAGCGCGTCTGCTGACCCGTTATACCGTCTGGGCTGGCCTGATGGCGGGTGTTGGTCTGACTCTGCTGTACCTGGCGCTGTTCCGTCTGGGTTCAGACAGCGCGTCGCTGGTCGATCAGTCTGCAAACGGTGCGGCGATCCTGCATGCTTACGTTCAGCATACCTTTGGCGGCGGCGGTAGCTTCCTGCTGGCGGCGTTAATCTTCATCGCCTGCCTGGTCACGGCGGTTGGCCTGACCTGTGCTTGTGCAGAATTCTTCGCCCAGTACGTACCGCTCTCTTATCGTACGCTGGTGTTTATCCTCGGCGGCTTCTCGATGGTGGTGTCTAACCTCGGCTTGAGCCAGCTGATTCAGATCTCTGTACCGGTGCTGACCGCCATTTATCCGCCGTGTATCGCACTGGTTGTATTAAGTTTTACACGCTCATGGTGGCATAATTCGTCCCGCGTGATTGCTCCGCCGATGTTTATCAGCCTGCTTTTTGGTATTCTCGACGGGATCAAGGCATCTGCATTCAGCGATATCTTACCGTCCTGGGCGCAGCGTTTACCGCTGGCCGAACAAGGTCTGGCGTGGTTAATGCCAACAGTGGTGATGGTGGTTCTGGCCATTATCTGGGATCGTGCGGCAGGTCGTCAGGTGACCTCCAGCGCTCACTAA(配列番号36)
【0083】
変異体
本開示に記載の酵素およびタンパク質の変異体(例えば、LeuDH、KivD、またはAdhであり、核酸およびアミノ酸配列の変異体を含む)は本開示に包含される。変異体は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%、その間の全ての数値を含めて、参照配列と配列同一性を共有する。
【0084】
特段の記載が無い限り、当技術分野で公知の用語「配列同一性」とは配列比較(アライメント)によって決定される、2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列間の関係を意味する。いくつかの実施形態では、配列同一性は、配列の全長にわたって決定される(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh配列)。いくつかの実施形態では、配列同一性は配列(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh配列)の領域にわたって決定される(例えば、アミノ酸または核酸のストレッチ、例えば、活性部位にわたる配列)。
【0085】
同一性はまた、2つまたはそれ以上の残基(例えば、核酸またはアミノ酸残基)の文字列間の一致数によって決定される2つの配列間の配列関連性の程度を意味し得る。同一性は、特定の数学モデルまたはコンピュータプログラム(例えば、「アルゴリズム」)によって指定されたギャップアライメント(もしあれば)を有する2以上の配列間の一致の割合を計測する。
【0086】
関連するポリペプチドまたは核酸配列の同一性は、当業者に公知の何れかの方法によって容易に計算する事ができる。2つの配列(例えば、核酸またはアミノ酸配列)の“同一性パーセント”は、例えば、Karlin and Altschul Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-77、1993に記載のように改変された、Karlin and Altschul Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-68、1990のアルゴリズムを用いて決定され得る。このようなアルゴリズムは、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403-10、1990に記載のNBLAST(登録商標)およびXBLAST(登録商標)プログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。BLAST(登録商標)タンパク質検索は、例えば、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実施して、本願に記載のタンパク質に相同なアミノ酸配列を得ることができる。2つの配列の間にギャップが存在する場合、例えば、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402、1997に記載されている、ギャップ付き(Gapped)BLAST(登録商標)を利用することができる。BLAST(登録商標)プログラムおよびギャップ付きBLAST(登録商標)プログラムを利用するとき、各プログラムのデフォルトパラメーター(例えば、XBLAST(登録商標)およびNBLAST(登録商標))を用いることができるか、またはパラメーターは、当業者によって理解されるであろうように適切に調整することができる。
【0087】
使用され得る他の局所的なアライメント技術は、例えば、Smith-Watermanアルゴリズム(Smith、T.F.&Waterman、M.S.(1981)“Identification of common molecular subsequences.”J.Mol.Biol.147:195-197)に基づく。使用され得る一般的でグローバルなアライメント技術は、例えば、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman、S.B.&Wunsch、C.D.(1970)“A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins.”J.Mol.Biol.48:443-453)であり、それは動的プログラミングに基づいている。
【0088】
より最近では、Needleman-Wunschアルゴリズムを含む他の最適なグローバルアライメント法よりも高速に核酸およびアミノ酸配列のグローバルアライメントを生成すると称される、高速最適グローバル配列決定アライメントアルゴリズム(FOGSAA)が開発された。いくつかの実施形態では、2つのポリペプチドの同一性は、2つのアミノ酸配列をアライメントし、同一アミノ酸の数を計算し、および1つのアミノ酸配列の長さで除算することによって決定される。いくつかの実施形態では、2つの核酸配列の同一性は、2つの核酸配列をアライメントし、および同一ヌクレオチドの数を計算し、および一方の核酸配列の長さで除算することによって決定される。
【0089】
複数配列のアライメントについて、Clustal Omega(Sievers et al.,Mol Syst Biol.2011 Oct 11;7:539)を含むコンピュータプログラムが使用され得る。
【0090】
好ましい実施形態では、配列同一性がKarlin and Altschul Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-77、1993に記載のように改変された、Karlin and Altschul Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-68、1990、のアルゴリズム(例えば、各プログラムのデフォルトのパラメーターを用いて、BLAST(登録商標) 、NBLAST(登録商標)、XBLAST(登録商標)、またはギャップ付き(Gapped)BLAST(登録商標)プログラム)を使用して決定された際に、核酸またはアミノ酸配列を含む配列は、本願に開示されるおよび/または請求項に記載される配列などの参照配列に対して特定の同一性パーセントを有する事が判明している
【0091】
いくつかの実施形態では、配列同一性がデフォルトのパラメーターを用いて、Smith-Watermanアルゴリズム(Smith、T.F.&Waterman、M.S.(1981)“Identification of common molecular subsequences.”J.Mol.Biol.147:195-197)、または、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman、S.B.&Wunsch、C.D.(1970)“A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequences of two proteins.”J.Mol.Biol.48:443-453)を使用して決定された際に、核酸またはアミノ酸配列を含む配列は、本願に開示されるおよび/または請求項に記載される配列などの参照配列に対して特定の同一性パーセントを有する事が判明している。
【0092】
いくつかの実施形態では、配列同一性がデフォルトのパラメーターを用いて、高速最適グローバル配列決定アライメントアルゴリズム(FOGSAA)を使用して決定された際に、核酸またはアミノ酸配列を含む配列は、本願に開示されるおよび/または請求項に記載される配列などの参照配列に対して特定の同一性パーセントを有する事が判明している。
【0093】
いくつかの実施形態では、配列同一性が、デフォルトのパラメーターを用いて、Clustal Omega (Sievers et al.,Mol Syst Biol.2011 Oct 11;7:539)を使用して決定された際に、核酸またはアミノ酸配列を含む配列は、本願に開示されるおよび/または請求項に記載される配列などの参照配列に対して特定の同一性パーセントを有する事が判明している。
【0094】
本開示で使用する場合、配列「X」中の残基(例えば核酸残基またはアミノ酸残基)は、配列XおよびYが当技術分野で公知のアミノ酸配列アライメントツール、例えばClustal OmegaまたはBLAST(登録商標)を使用してアライメントされた際に、配列「X」中の残基が配列「Y」中の「Z」に対応する位置にある場合、異なる配列「Y」中の「Z」位または残基「Z」(例えば核酸残基またはアミノ酸残基)に対応する事を意味する。
【0095】
本開示で使用される場合、変異体の配列はホモログの配列であってもよい。本開示で使用される場合、ホモログの配列は所定の同一性パーセンテージ(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性パーセンテージであり、その間の全ての数値を含む)を共有する配列(例えば、核酸またはアミノ酸配列)である。ホモログの配列には、非限定的にパラログまたはオルソログの配列を含む。パラログの配列は、ある種のゲノム内で遺伝子の重複から生じ、一方オルソログの配列は種の分化の後に分岐する。
【0096】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドの変異体(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素の変異体)は参照ポリペプチド(例えば、参照LeuDH、KivD、またはAdh酵素)と二次構造(例えば、アルファヘリックス、ベータシート)を共有するドメインを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドの変異体(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素の変異体)は参照ポリペプチド(例えば、参照LeuDH、KivD、またはAdh酵素)と三次構造を共有する。非限定的な例として、変異体ポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素の変異体)は、参照ポリペプチドと比較して、低い一次配列の同一性(例えば、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下の配列同一性)を有し得るが、しかし1以上の二次構造(例えば、ループ、アルファヘリックス、またはベータシートを含むがこれに限定されない)を共有するか、または参照ポリペプチドと同じ三次構造を有する。例えば、ループはベータシートおよびアルファヘリックス間、2つのアルファヘリックス間、または2つのベータシート間に位置し得る。2以上の三次構造を比較するために相同性モデリングが使用され得る。
【0097】
循環置換(circular permutation)(Yu and Lutz、Trends Biotechnol.2011 Jan;29(1):18-25)を含む好適な方法を、このような変異体の製造のために用いることができる。循環置換では、ポリペプチドの線形一次配列を環化し(例えば、配列のN末端およびC末端を連結することにより)、ポリペプチドを別の位置で切断する(「切断(broken))し得る。したがって、新規ポリペプチドの線形一次配列は、線形配列アライメント法(例えば、Clustal OmegaまたはBLAST)により決定される、低い配列同一性(例えば、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%以下または5%未満、その間の全ての値を含む)を有し得る。しかしながら、2つのタンパク質のトポロジー分析は、2つのポリペプチドの三次構造が類似することを明らかにし得る。特定の理論に拘束されるものではないが、参照ポリペプチドの循環置換によって作製され、参照ポリペプチドと同様の三次構造を有する変異ポリペプチドは、類似の機能特性(例えば、酵素活性、酵素動態、基質特異性または生成物特異性)を共有し得る。ある例において、循環置換は、二次構造、三次構造または四次構造を変化させ、異なる機能特性(例えば、増加または減少した酵素活性、異なる基質特異性または異なる生成物特異性)を有する酵素を生成し得る。例えば、Yu and Lutz、Trends Biotechnol。2011 Jan;29(1):18-25を参照のこと。
【0098】
循環置換されたタンパク質では、そのタンパク質のアミノ線形酸配列は、循環置換されていない参照タンパク質とは異なることが理解されるべきである。しかしながら、当業者であれば、例えば配列をアライメントし、保存されたモチーフを検出し、および/または例えば相同性モデリングによりタンパク質の構造または予測された構造を比較することにより、循環置換されたタンパク質中のどの残基が、循環置換されていない参照タンパク質中の残基に対応しているかを容易に決定することができる。本願に記載される変異体には、本願に記載される配列の循環置換による変異体を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、目的の配列と本開示に記載の参照配列間の同一性パーセンテージを決定するアルゴリズムによって、配列間の循環置換の存在が説明される。循環置換の存在は、例えば、RASPODOM(Weiner et al.,Bioinformatics. 2005 Apr 1;21(7):932-7)を含む、任意の当技術分野で公知の方法を用いて検出され得る。いくつかの実施形態では、本願に記載の配列と目的の配列間の同一性パーセンテージを計算する前に、循環置換の存在が補正される(例えば、少なくとも1つの配列中のドメインが再配置される)。本願の請求項に係る発明は、配列の潜在的な循環置換を考慮した後に参照配列に対する同一性パーセンテージが計算される配列を包含するものと理解されるべきである。
【0100】
本願に開示される組み換えLeuDH、KivD、またはAdh酵素の機能性変異体もまた、本開示に包含される。例えば、機能性変異体は1以上の同じ基質に結合し得るか、または以上の同じ産物を産生し得る。機能性変異体は当分野で公知の任意の方法を用いて同定される。例えば、上記に記載のKarlinおよびAltschul Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-68、1990のアルゴリズムは公知の機能を持つタンパク質のホモログを同定するために使用される。
【0101】
推定の機能性変異体もまた、機能がアノテーションされたドメインを持つポリペプチドを調べる事によって同定される。Pfam(Sonnhammer et al.,Proteins. 1997 Jul;28(3):405-20)を含むデータベースが、特定のドメインを持つポリペプチドを同定するために使用され得る。
【0102】
相同性モデリングもまた、機能に影響する事なく変異しやすいアミノ酸残基を同定するために使用され得る。このような方法の非限定的な例には、位置特異的スコア行列(PSSM)およびエネルギー最小化プロトコルの使用が含まれ得る。
【0103】
位置特異的スコア行列(PSSM)は位置重み行列を使用してコンセンサス配列(例えば、モチーフ)を同定する。PSSMは核酸またはアミノ酸に対して使用し得る。配列はアライメントされ、この方法は、特定の位置における特定の残基(例えば、アミノ酸またはヌクレオチド)の観測頻度および解析された配列数を考慮する。例えば、Stormo et al.,Nucleic Acids Res. 1982 May 11;10(9):2997-3011を参照のこと。所定の位置で特定の残基が観測される尤度を計算し得る。特定の理論に拘束されるものではないが、変動度の高い配列内の位置は、機能性ホモログを生成するための変異(例えば、PSSMスコア≧0)を生じやすい可能性がある。
【0104】
PSSMは、Rosettaエネルギー関数の計算と対になっていてよく、これは野生型と一点変異体間の差を決定する。Rosettaエネルギー関数は、この差を、(ΔΔGcalc)として算出する。このRosetta関数では、変異した残基と周囲の原子間の結合相互作用から、変異がタンパク質の安定性を増加させるか、または減少させるかを決定する。例えば、PSSMスコア(例えば、PSSMスコア≧0)から有利と判定された変異は、その後タンパク質の安定性における当該変異の潜在的な影響を決定するためにRosettaエネルギー関数を用いて解析される。特定の理論に拘束されるものではないが、潜在的に安定化する変異はタンパク質工学(例えば、機能性ホモログの生産)において望ましい。いくつかの実施形態では、潜在的に安定化する変異は、-0.1Rosettaエネルギー単位以下(例えば、-0.2以下、-0.3以下、-0.35以下、-0.4以下、-0.45以下、-0.5以下、-0.55以下、-0.6以下、-0.65以下、-0.7以下、-0.75以下、-0.8以下、-0.85以下、-0.9以下、-0.95以下、または-1.0以下)のΔΔGcalc値を有する。例えば、Goldenzweig et al.,Mol Cell. 2016 Jul 21;63(2):337-346. Doi:10.1016/j.molcel.2016.06.012を参照のこと。
【0105】
いくつかの実施形態では、LeuDH、KivD、またはAdh酵素をコードする配列は、参照(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)をコードする配列に対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100または100以上の位置において変異を含む。いくつかの実施形態では、LeuDH、KivD、またはAdh酵素をコードする配列は、コード配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはそれ以上のコドンにおいて、参照(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)をコードする配列と比較して変異を含む。当業者に理解されるように、コドン内の変異は、遺伝暗号の縮退によって、当該コドンにコードされるアミノ酸を変更する事もあり、変更しないこともある。いくつかの実施形態では、コード配列内の1以上の変異は、参照ポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のアミノ酸配列と比較して、当該コード配列(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のアミノ酸配列を変更しない。
【0106】
いくつかの実施形態では、組み換えLeuDH、KivD、またはAdh酵素配列内の1以上の変異は、ポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のアミノ酸配列を、参照ポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のアミノ酸配列と比較して、変更する。いくつかの実施形態では、1以上の変異は、組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のアミノ酸配列を、参照ポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のアミノ酸配列と比較して、変更し、および参照ポリペプチドと比較して、当該ポリペプチドの活性を変化(増強または減少)させる。
【0107】
本開示に記載の任意の組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)の活性(例えば、比活性)は常套の方法を用いて測定され得る。非限定的な例として、組み換えポリペプチドの活性は、その基質特異性、生産された産物、生産された産物の濃度、またはその任意の組み合わせ、を測定することで決定され得る。本明細書で使用する場合、組み換えポリペプチドの「比活性」とは、所定の量(例えば、濃度)の組み換えポリペプチドによって単位時間あたりに生産された特定の産物の量(例えば、濃度)を意味する。
【0108】
組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)をコードする配列における変異は保存的アミノ酸置換をもたらし、前記ポリペプチドと機能的に等価な変異体、例えば、当該ポリペプチドの活性を保持する変異体を提供し得ることを、当業者はまた理解するはずである。本開示において使用する場合、「保存的アミノ酸置換」とは、当該アミノ酸置換が行われるタンパク質の相対電荷またはサイズ特性または機能的活性を変化させないアミノ酸置換を意味する。
【0109】
いくつかの例では、アミノ酸は、そのR基によって特徴付けられる(例えば、表1参照)。例えば、アミノ酸は、非極性脂肪族R基、正電荷をもつR基、負電荷をもつR基、非極性芳香族R基、または極性非荷電R基を含み得る。非極性脂肪族R基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、メチオニンおよびイソロイシンが挙げられる。正電荷をもつR基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、リシン、アルギニンおよびヒスチジンが挙げられる。負電荷をもつR基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。非極性、芳香族性R基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンが挙げられる。極性非荷電R基を含むアミノ酸の非限定的な例としては、セリン、スレオニン、システイン、プロリン、アスパラギンおよびグルタミンが挙げられる。
【0110】
変異体は、ポリペプチド配列を改変するための方法をまとめた文献、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、J.Sambrook、et al.,eds.,Fourth Edition、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York、2012、またはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M.Ausubel、et al.,eds.,John Wiley &Sons,Inc.,New York、2010に記載のような、当業者に公知のポリペプチド配列を改変するための方法に従って製造することができる。
【0111】
ポリペプチドの機能的に等価な変異体の非限定的な例には、本願に開示されるタンパク質のアミノ酸配列における保存的アミノ酸置換を含み得る。本開示で使用する場合、「保存的置換」とは「保存的アミノ酸置換」と互換的に用いられ、および表1に記載のアミノ酸置換の任意の1つを指す。
【0112】
いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または20以上の残基が、変異体ポリペプチドを調製する際に変更され得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸は保存的アミノ酸置換によって置換される。
【0113】
【表1】
【0114】
望ましい性質および/または活性を有する組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)変異体を生産するための、ポリペプチドのアミノ酸配列におけるアミノ酸置換は、当該ポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のコード配列の変更によって行われる。同様に、ポリペプチドの機能的に等価な変異体を生産するための、ポリペプチドのアミノ酸配列における保存的アミノ酸置換は、典型的には、組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)のコード配列の変更によって行われる。
【0115】
変異(例えば、置換)は、当業者に知られた種々の方法によりヌクレオチド配列中において行われ得る。例えば、変異は、Kunkel(Kunkel、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.82:488-492、1985)の方法に従うPCR特異的変異導入、部位特異的変異導入、ポリペプチドをコードする遺伝子の化学合成、遺伝子編集技術、または挿入、例えばタグ(例えばHISタグまたはGFPタグ)の挿入によって行われ得る。
【0116】
分岐鎖アミノ酸(BCAA)経路の酵素をコードする核酸
本開示の態様は組み換え酵素、機能的な改変およびその変異体、およびそれらに関する使用、に関する。例えば、本願に記載の酵素および細胞は、例えばロイシンからイソペンタノールへの変換によるロイシンの消費を促進するために使用され得る。方法には、本願に記載の1以上の酵素を含む宿主細胞、細胞溶解液、単離酵素、またはその任意の組み合わせ、の使用を含み得る。本願に記載の酵素をコードするポリヌクレオチドの、宿主細胞における組み換え発現を含む方法は、本開示に包含される。少なくとも1つのBCAA経路酵素(例えば、LeuDH、KivD、またはAdh酵素)を含む宿主細胞を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法は、本開示に包含される。1以上の分岐鎖アミノ酸(BCAA)を、本願に開示されるBCAA経路の酵素と反応混合液中で反応させる工程を含むin vitro方法もまた、本開示に包含される。いくつかの実施形態では、BCAA経路の酵素はLeuDH、KivD、またはAdh酵素、またはその組み合わせである。
【0117】
任意の1以上の組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、Adh、および/またはBrnQ)をコードする核酸は本開示に包含され、および宿主細胞に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、この核酸はオペロンの形態である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリボソーム結合部位が、この核酸中に存在する1以上のコード配列の間に存在する
【0118】
いくつかの実施形態では、本開示に包含されるLeuDH、KivD、Adh、および/またはBrnQの核酸配列は、本開示において供されるLeuDH、KivD、Adh、および/またはBrnQ核酸配列に対して、高度または中程度に厳しい条件下でハイブリダイズする核酸であり、かつ生物学的に活性な核酸である。例えば、LeuDH、KivD、Adhおよび/またはBrnQをコードする核酸に対して、0.2~1×SSC、65℃であり、その後0.2×SSC、65℃で洗浄する、高度に厳しい条件下でハイブリダイズする核酸を使用し得る。LeuDH、KivD、Adhおよび/またはBrnQをコードする核酸に対して、6×SSC、室温であり、その後2×SSC、室温で洗浄する、低度に厳しい条件下でハイブリダイズする核酸を使用し得る。その他のハイブリダイゼーション条件には、3×SSC、40℃または50℃、その後1または2×SSC、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、または65℃を含む。
【0119】
ハイブリダイゼーションは、ホルムアルデヒドの存在下で、例えば、10%、20%、30%40%または50%で、行うことができ、ハイブリダイゼーションの厳しさをさらに向上させ得る。核酸ハイブリダイゼーションの理論および実施は、例えば、S.Agrawal (ed.)Methods in Molecular Biology、volume 20;and Tijssen (1993)Laboratory Techniques in biochemistry and molecular biology-hybridization with nucleic acid probesに記載されており、例えば、part I chapter 2 “Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays、”Elsevier、New Yorkは核酸ハイブリダイゼーションの基本的なガイドを提供する。例示的なタンパク質は、LeuDH、KivD、またはAdhタンパク質またはそのドメイン、例えば触媒ドメイン、に対して少なくとも約50%、70%、80%、90%、好ましくは少なくとも約95%、さらに好ましくは少なくとも約98%、および最も好ましくは少なくとも99%の相同性または同一性を有する。その他の例示的なタンパク質は、LeuDH、KivD、またはAdhの核酸、例えば本願に記載のもの、に対して少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、さらに好ましくは少なくとも約98%、および最も好ましくは少なくとも99%の相同性または同一性を有する核酸によってコードされ得る。
【0120】
本開示に記載の組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、Adhおよび/またはBrnQ)のいずれか1つ以上をコードする核酸は、当分野で公知の任意の方法によって任意の適当なベクターに組み込まれてもよい。例えば、ベクターは発現ベクターであってよく、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルスベクター)、一過性発現に好適な任意のベクター、構成的発現に好適な任意のベクター、または誘導性発現に好適な任意のベクター(例えば、ガラクトース誘導性ベクターもしくはドキシサイクリン誘導性ベクター)を含むが、これらに限定されない。
【0121】
いくつかの実施形態では、ベクターは、細胞内で自律的に複製される。いくつかの実施形態では、ベクターは細胞内の染色体に統合される。ベクターは、制限エンドヌクレアーゼによって切断される1以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含み、本願に記載の遺伝子を含む核酸を挿入および連結して、細胞内で複製できる組換えベクターを生産することができる。ベクターは典型的にはDNAから構成されるが、RNAベクターも利用可能である。クローニングベクターとしては、プラスミド、フォスミド、ファージミド、ウイルスゲノム、人工染色体が挙げられるが、これらに限定されない。本願で使用される場合、“発現ベクター”または“発現構築物”とは、酵母細胞などの宿主細胞(例えば、微生物)、における特定の核酸の転写を可能にする一連の特定の核酸要素を有する、組換え的または合成的に生成された核酸構築物を意味する。いくつかの実施形態では、本願に記載の遺伝子の核酸配列は、作動可能に調節配列と連結されるようにクローニングベクターに挿入され、いくつかの実施形態では、RNA転写物として発現される。いくつかの実施形態では、ベクターは、組換えベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞を同定するために、本願に記載の選択可能マーカーなどの1以上のマーカーを含む。いくつかの実施形態では、本願に記載の遺伝子の核酸配列はコドン最適化される。コドン最適化は、コドン最適化されない参照配列と比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%(その間の全ての数値を含む)、遺伝子産物の生産を増加し得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、本願に記載の核酸配列はプラスミドで発現され得る。例えば、本願に記載の核酸配列はクローニングプラスミドで発現され得る。本願に記載の核酸配列は一過性発現のためにプラスミドで発現され得る。本願に記載の核酸配列はまた、核酸配列のゲノムDNAへの組み込みのためにプラスミドで発現され得る。
【0123】
コード配列および調節配列が共有結合し、コード配列の発現または転写が調節配列の影響下または制御下にあるとき、このコード配列と調節配列は“作動可能に結合された”または“作動可能に連結された”と言われる。コード配列が機能性タンパク質に翻訳されるべき場合において、5’調節配列のプロモーターの誘導がコード配列の転写を許し、そしてコード配列と調節配列の間の結合の性質が、(1)フレームシフト変異の導入をもたらさない、(2)コード配列の転写を指示するプロモーター領域の能力を妨害しない、または(3)対応するRNA転写物がタンパク質に翻訳される能力を妨害しない場合、該コード配列および調節配列は、作動可能に結合されていると言われる。
【0124】
いくつかの実施形態では、本願に記載のタンパク質のいずれか1つ以上をコードする核酸は、調節配列(例えば、エンハンサー配列)の制御下にある。いくつかの実施形態では、核酸はプロモーターの制御下で発現される。プロモーターは、天然のプロモーター、例えば、遺伝子のその内因性の状況におけるプロモーターであって、当該遺伝子の発現の通常の調節を供するプロモーターであり得る。あるいは、プロモーターは遺伝子の天然プロモーターとは異なるプロモーターであってもよい、例えば、プロモーターは遺伝子のその内因性の状況におけるプロモーターとは異なる。
【0125】
いくつかの実施形態では、プロモーターは真核生物プロモーターである。真核生物プロモーターの非限定的な例には、当業者には公知であるような(例えば、Addgene website:blog.addgene.org/plasmids-101-the-promoter-region参照)、TDH3、PGK1、PKC1、PDC1、TEF1、TEF2、RPL18B、SSA1、TDH2、PYK1、TPI1、GAL1、GAL10、GAL7、GAL3、GAL2、MET3、MET25、HXT3、HXT7、ACT1、ADH1、ADH2、CUP1-1、ENO2、およびSOD1が挙げられる。いくつかの実施形態では、プロモーターは原核生物プロモーター(例えば、バクテリオファージまたは細菌プロモーター)である。バクテリオファージプロモーターの非限定的な例には、Pls1con、T3、T7、SP6およびPLが挙げられる。細菌プロモーターの非限定的な例には、Pbad、PmgrB、Ptrc2、PCI857、Plac/ara、Plac/fnr、Ptac、Ptet、Pcmt、およびPmが挙げられる。
【0126】
いくつかの実施形態では、プロモーターは誘導性プロモーターである。本願で使用する場合、「誘導性プロモーター」は、ある分子の存在または不存在によって制御されるプロモーターである。これは、例えば、酵素の発現を制御可能に誘導するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、誘導性プロモーターは、LeuDH、KivDおよび/またはAdhと連結され、LeuDH、KivDおよび/またはAdhの発現は、ある時点において誘導されてよく、または誘導されなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ロイシン消費を制限するため、ある時点での発現は誘導されなくてよい(例えば、細胞の増殖期)。誘導性プロモーターの非限定的な例には、化学的に調節されたプロモーターおよび物理的に調節されたプロモーターが含まれる。化学的に調節されたプロモーターの場合、転写活性は、アルコール、テトラサイクリン、ガラクトース、ステロイド、金属または他の化合物などの1以上の化合物によって調節することができる。物理的に調節されるプロモーターの場合、転写活性は光または温度などの現象によって調節できる。テトラサイクリン調節型プロモーターの非限定的な例には、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)応答性プロモーターおよび他のテトラサイクリン応答性プロモーター系(例えば、テトラサイクリン抑制性タンパク質(tetR)、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)およびテトラサイクリントランスアクティベーター融合タンパク質(tTA))が含まれる。ステロイド調節型プロモーターの非限定的な例には、ラットのグルココルチコイド受容体、ヒトのエストロゲン受容体、ガのエクジソン受容体に基づくプロモーター、およびステロイド/レチノイド/甲状腺受容体スーパーファミリー由来のプロモーターが含まれる。金属調節型プロモーターの非限定的な例には、メタロチオネイン(金属イオンを結合および隔離するタンパク質)遺伝子に由来するプロモーターが含まれる。病因調節型(pathogenesis-regurated)プロモーターの非限定的な例には、サリチル酸、エチレンまたはベンゾチアジアゾール(BTH)によって誘導されるプロモーターが含まれる。温度/熱誘導性プロモーターの非限定的な例には、熱ショックプロモーターが含まれる。光調節型プロモーターの非限定的な例には、植物細胞由来の光応答性プロモーターが含まれる。特定の実施形態では、誘導性プロモーターはガラクトース誘導性プロモーターである。いくつかの実施形態では、誘導性プロモーターは、1以上の生理学的条件(例えば、pH、温度、放射線、浸透圧、生理食塩水濃度勾配、細胞表面結合、または1以上の外因性もしくは内因性誘導剤の濃度)によって誘導される。外因性誘導物質または誘導剤の非限定的な例には、アミノ酸およびアミノ酸アナログ、糖類および多糖類、核酸、タンパク質転写活性化因子および抑制因子、サイトカイン、毒素、石油ベースの化合物、金属含有化合物、塩、イオン、酵素基質アナログ、ホルモンまたはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0127】
いくつかの実施形態では、プロモーターは構成的プロモーターである。本願で使用される場合、「構成的プロモーター」とは、遺伝子の連続的な転写を可能にする調節されないプロモーターを意味する。構成的プロモーターの非限定的な例には、TDH3、PGK1、PKC1、PDC1、TEF1、TEF2、RPL18B、SSA1、TDH2、PYK1、TPI1、HXT3、HXT7、ACT1、ADH1、ADH2、ENO2、およびSOD1が含まれる。
【0128】
当業者に公知の他の誘導性プロモーターまたは構成的プロモーターもまた、本願において企図される。
【0129】
遺伝子発現に必要な調節配列の細かな性質は、種または細胞タイプ間で異なるが、一般に、必要に応じて、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列などの、転写および翻訳の開始にそれぞれ関与する5’非転写配列および5’非翻訳配列が含まれる。特に、そのような5’非転写調節配列は、作動可能に結合された遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を含むプロモーター領域を含み得る。調節配列はまた、エンハンサー配列または上流アクチベーター配列を含み得る。本願に開示されるベクターは、5’リーダー配列またはシグナル配列を含み得る。調節配列はまた、ターミネーター配列を含み得る。いくつかの実施形態では、ターミネーター配列は、転写過程におけるDNA内の遺伝子の終端を示す。異種生物において本願に記載の1以上の遺伝子の発現を誘導するのに好適な1以上の適切なベクターの選択および設計は、当業者の能力および裁量の範囲内である。
【0130】
発現に必要な要素を含む発現ベクターは市販されており、当業者に知られている(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Fourth Edition、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2012を参照のこと)。
【0131】
宿主細胞
開示の方法および組成物および宿主細胞はE.coli細胞(例えば、E.coli Nissle 1917)を用いて例示されるが、いくつかの実施形態では、その他の宿主細胞にも適用可能である。
【0132】
好適な宿主細胞には以下を含むが、これに限定されない:酵母細胞、細菌細胞、藻類細胞、植物細胞、真菌細胞、昆虫細胞、および動物細胞(哺乳類細胞を含む)。1つの例示的な実施形態では、好適な宿主細胞には E.coliを含む(例えばNew England BioLabs in Ipswich、 Massから入手可能なShuffle商標competent E.coli、またはGerman Collection of Microorganisms and Cell Cultures (DSMZ Braunschweig)から入手可能なE.coli Nissle 1917(E. coli DSM 6601)。
【0133】
好適な酵母宿主細胞には、以下を含むがこれに限定されない:Candida、Hansenula、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Pichia、Kluyveromyces、およびYarrowia。いくつかの実施形態では、酵母細胞はHansenula polymorpha、Saccharomyces cerevisiae、Saccaromyces carlsbergensis、Saccharomyces diastaticus、Saccharomyces norbensis、Saccharomyces kluyveri、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia kodamae、Pichia membranaefaciens、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia quercuum、Pichia pijperi、Pichia stipitis、Pichia methanolica、Pichia angusta、Kluyveromyces lactis、Candida albicans、または Yarrowia lipolyticaである。
【0134】
いくつかの実施形態では、酵母株は工業用倍数体酵母株である。真菌細胞のその他の非限定的な例にはAspergillus spp.、Penicillium spp.、Fusarium spp.、Rhizopus spp.、Acremonium spp.、Neurospora spp.、Sordaria spp.、Magnaporthe spp.、Allomyces spp.、Ustilago spp.、Botrytis spp.、およびTrichoderma spp.から取得された細胞を含む。
【0135】
特定の実施形態では、宿主細胞はChlamydomonas(例えば、 C.Reinhardtii)および Phormidium (P.sp.ATCC29409)などの藻類細胞である。
【0136】
その他の実施形態では、宿主細胞は原核細胞である。好適な原核細胞には、グラム陽性、グラム陰性及びグラム可変性細菌細胞を含む。宿主細胞は以下の種であり得るが、これに限定されない:Agrobacterium、Alicyclobacillus、Anabaena、Anacystis、Acinetobacter、Acidothermus、Arthrobacter、Azobacter、Bacillus、Bifidobacterium、Brevibacterium、Butyrivibrio、Buchnera、Campestris、Campylobacter、Clostridium、Corynebacterium、Chromatium、Coprococcus、Escherichia、Enterococcus、Enterobacter、Erwinia、Fusobacterium、Faecalibacterium、Francisella、Flavobacterium、Geobacillus、Haemophilus、Helicobacter、Klebsiella、Lactobacillus、Lactococcus、Ilyobacter、Micrococcus、Microbacterium、Mesorhizobium、Methylobacterium、Methylobacterium、Mycobacterium、Neisseria、Pantoea、Pseudomonas、Prochlorococcus、Rhodobacter、Rhodopseudomonas、Rhodopseudomonas、Roseburia、Rhodospirillum、Rhodococcus、Scenedesmus、Streptomyces、Streptococcus、Synecoccus、Saccharomonospora、Saccharopolyspora、Staphylococcus、Serratia、Salmonella、Shigella、Thermoanaerobacterium、Tropheryma、Tularensis、Temecula、Thermosynechococcus、Thermococcus、Ureaplasma、Xanthomonas、Xylella、Yersinia、およびZymomonas。
【0137】
いくつかの実施形態では、細菌宿主株は工業用菌株である。多数の細菌の工業用菌株が知られており、本願に記載の方法および組成物に適している。
【0138】
いくつかの実施形態では、細菌宿主細胞は、Agrobacterium種(例えば、A.radiobacter、A.rhizogenes、A.rubi)、Arthrobacter種(例えば、A.aurescens、A.citreus、A.globformis、A.hydrocarboglutamicus、A.mysorens、A.nicotianae、A.paraffineus、A.protophonniae、A.roseoparaffinus、A.sulfureus、A.ureafaciens)、Bacillus種(例えば、B.thuringiensis、B.anthracis、B.megaterium、B.subtilis、B.lentus、B.circulars、B.pumilus、B.lautus、B.coagulans、B.brevis、B.firmus、B.alkaophius、B.licheniformis、B.clausii、B.stearothermophilus、B.haloduransおよびB.amyloliquefaciens)である。特定の実施形態では、宿主細胞は工業用Bacillus株であり、B.subtilis、B.pumilus、B.licheniformis、B.megaterium、B.clausii、B.stearothermophilusおよびB.amyloliquefaciensを含むがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Clostridium種(例えば、C.acetobutylicum、C.tetani E88、C.lituseburense、C.saccharobutylicum、C.perfringens、C.beijerinckii)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Corynebacterium種(例えば、C.glutamicum、C.acetoacidophilum)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Escherichia種(例えば、E.coli)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Erwinia種(例えば、E.uredovora、E.carotovora、E.ananas、E.herbicola、E.punctata、E.terreus)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Pantoea種(例えば、P.citrea、P.agglomerans)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Pseudomonas種、(例えば、P.putida、P.aeruginosa、P.mevalonii)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Streptococcus種(例えば、S.equisimiles、S.pyogenes、S.uberis)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Streptomyces種(例えば、S.ambofaciens、S.achromogenes、S.avermitilis、S.coelicolor、S.aureofaciens、S.aureus、S.fungicidicus、S.griseus、S.lividans)である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は工業用Zymomonas種(例えば、Z.mobilis、Z.lipolytica)、などである。
【0139】
本開示はまた、哺乳類細胞、例えば、ヒト(293、HeLa、WI38、PER.C6およびBowes黒色腫細胞を含む)、マウス(3T3、NS0、NS1、Sp2/0を含む)、ハムスター(CHO、BHK)、サル(COS、FRhL、Vero)、およびハイブリドーマ細胞株を含む種々の動物細胞タイプでの使用に適している。
【0140】
様々な実施形態では、本開示の実施に使用され得る株は、原核および真核細胞株の両者を含み、およびAmerican Type Culture Collection (ATCC)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH (DSM)、Centraalbureau Voor Schimmelcultures (CBS)、およびAgricultural Research Service Patent Culture Collection、Northern Regional Research Center (NRRL)などの多数の培養コレクションから容易に一般に入手できる。本開示はまた、様々な植物細胞タイプでの使用にも適している。
【0141】
本願で用いる用語「細胞」は、同じ細胞株または系統に属する細胞の集団などの単一の細胞または細胞集団を意味し得る。単数形の用語「細胞」の使用が、細胞の集団ではなく単一の細胞を明示的に意味すると解釈されるべきではない。宿主細胞には、野生型ものと比較して、遺伝子の改変を含んでいてもよい。
【0142】
本願に記載の組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、Adh酵素および/またはBrnQ)のいずれか1つをコードするベクターは当分野で公知の任意の方法を用いて、好適な宿主細胞に導入され得る。宿主細胞は、当業者に理解されるような任意の適切な条件下で培養され得る。例えば、当分野で公知の任意の培地、温度およびインキュベート条件が使用され得る。誘導性ベクターを含む宿主細胞については、細胞は、発現を促進するための適切な誘導剤と共に培養されてよい。
【0143】
本願に記載の細胞のいずれも、核酸の接触および/または挿入の、前、その途中、および/またはその後において、任意のタイプ(リッチまたはミニマム)および任意の組成の培地中で培養することができる。培養または培養プロセスの条件は、当業者によって理解されるような常套の試験によって最適化され得る。いくつかの実施形態では、選択された培地には、様々な成分が補充される。いくつかの実施形態では、補充成分の濃度および量が最適化される。いくつかの実施形態では、培地および増殖条件のそのほかの態様(例えば、pH、温度など)は、常套の試験により最適化される。いくつかの実施形態では、培地に1以上の補充成分が添加される頻度、および細胞の培養時間の長さが最適化される。
【0144】
本願に記載の細胞の培養は、当分野で知られかつ用いられている培養器で行うことができる。いくつかの実施形態では、細胞を培養するために、曝気反応器(例えば、撹拌槽反応器)が用いられる。いくつかの実施形態では、細胞を培養するために、バイオリアクターまたは発酵槽が用いられる。したがって、いくつかの実施形態では、細胞は発酵に用いられる。本願において使用される場合、用語「バイオリアクター」および「発酵槽」は互換的に用いられ、生物または生物の一部を含み、生物学的、生化学的および/または化学反応が行われる限定空間または部分的限定空間を意味する。「大規模バイオリアクター」または「工業規模バイオリアクター」は、商業規模または準商業規模で製品を産生するために用いられるバイオリアクターである。大規模バイオリアクターは、典型的には、数リットル、数百リットル、数千リットルまたはそれ以上の容量である。
【0145】
いくつかの実施形態では、バイオリアクターは、本明細書に記載の細胞または細胞培養物などの、細胞(例えば、細菌細胞)または細胞培養物(例えば、細菌細胞培養物)を含む。ある態様において、バイオリアクターは、単離された微生物の芽胞(spore)および/または休眠細胞型(例えば、乾燥状態の休眠細胞)を含む。
【0146】
バイオリアクターの非限定的な例には、攪拌タンク発酵槽、回転混合装置によって攪拌されるバイオリアクター、ケモスタット、振とう装置によって撹拌されるバイオリアクター、エアリフト発酵槽、充填床リアクター、固定床リアクター、流動床バイオリアクター、波動撹拌を採用するバイオリアクター、遠心バイオリアクター、ローラーボトル、および中空糸バイオリアクター、ローラー装置(例えば、ベンチトップ、カート搭載型および/または自動化型など)、垂直に積み重ねられたプレート、スピナーフラスコ、撹拌フラスコまたは振動(rocking)フラスコ、振盪マルチウェルプレート、MDボトル、Tフラスコ、ルーボトル、多表面(multiple-surface)組織培養増殖器、改変型発酵槽およびコーティングされたビーズ(例えば、細胞の付着を防ぐために血清タンパク質、ニトロセルロースまたはカルボキシメチルセルロースでコーティングされたビーズ)が含まれる。
【0147】
いくつかの実施形態では、バイオリアクターは、移動する液体および/または気泡と細胞(例えば、細菌細胞)が接触している細胞培養系を含む。いくつかの実施形態では、細胞または細胞培養物は、懸濁液中で増殖する。その他の実施形態では、細胞または細胞培養物は、固相キャリアに付着する。キャリア系の非限定的な例には、マイクロキャリア(例えば、ポリマー球体、マイクロビーズ、および多孔性または非多孔性であり得るマイクロディスク)、特定の化学基(例えば、第三級アミン)で荷電された架橋ビーズ(例えば、デキストラン)、非多孔質ポリマー繊維内に捕捉された細胞を含む2Dマイクロキャリア、3Dキャリア(例えば、キャリア繊維、中空繊維、マルチカートリッジ反応器、および多孔性繊維を含み得る半透膜)、低減されたイオン交換能を有するマイクロキャリア、カプセル化細胞、キャピラリーおよび凝集体が挙げられる。いくつかの実施形態では、キャリアは、デキストラン、ゼラチン、ガラスまたはセルロースなどの材料から作製される。
【0148】
いくつかの実施形態では、工業規模のプロセスは、連続、半連続または非連続モードで操作される。操作モードの非限定的な例は、バッチ、供給バッチ、拡張バッチ、反復バッチ、ドロー/フィル、回転壁、回転フラスコ、および/または灌流操作モードである。いくつかの実施形態では、バイオリアクターは、基質ストック、例えば、炭水化物源の連続的または半連続的補充および/またはバイオリアクターからの生成物の連続的または半連続的分離を可能にする。
【0149】
いくつかの実施形態では、バイオリアクターまたは発酵槽は、反応パラメーターを測定および/または調整するためのセンサーおよび/または制御系を含む。反応パラメーターの非限定的な例には、生物学的パラメーター(例えば、増殖速度、細胞サイズ、細胞数、細胞密度、細胞タイプまたは細胞状態など)、化学的パラメーター(例えば、pH、酸化還元電位、反応基質および/または生成物の濃度、酸素濃度およびCO濃度などの溶存ガスの濃度、栄養素濃度、代謝産物濃度、オリゴペプチド濃度、アミノ酸濃度、ビタミン濃度、ホルモン濃度、添加剤濃度、血清濃度、イオン強度、イオン濃度、相対湿度、モル濃度、浸透圧、他の化学物質、例えば緩衝剤、アジュバントまたは反応副産物の濃度)、物理的/機械的パラメーター(例えば、密度、導電率、撹拌の程度、圧力、および流量、せん断応力、せん断速度、粘度、色、濁度、光吸収、混合速度、変換速度ならびに光の強度/質などの熱力学的パラメーター)が含まれる。本願に記載のパラメーターを測定するためのセンサーは、関連する機械および電子技術分野の当業者によく知られている。本願に記載のセンサーからの入力に基づいてバイオリアクター内のパラメーターを調整するための制御系は、バイオリアクター工学分野における当業者によく知られている。
【0150】
いくつかの実施形態では、方法はバッチ発酵(例えばフラスコ振とう発酵)に関する。バッチ発酵(例えばフラスコ振とう発酵)についての一般的な考慮事項には、酸素およびグルコースの量を含む。例えば、バッチ発酵(例えばフラスコ振とう発酵)では酸素およびグルコースが限定されている、そのためいくつかの実施形態では、十分に設計された供給バッチ発酵における細胞株の実行能力は過小評価される。また、最終生産物は、溶解性、毒性、細胞蓄積及び分泌の点で基質と何らかの違いを示す可能性があり、いくつかの実施形態では、異なる発酵動態を有し得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、本開示の細胞は、in vivoにおいてロイシンを消費するように適合される。いくつかの実施形態では、細胞はイソペンタノールへの転換を通じてロイシンを消費するための1以上の酵素(例えば、LeuDH、KivD、および/またはAdh)を産生するように適合される。このような実施形態では、酵素はin vitroまたはex vivoのプロセスにおいて、バイオコンバージョンによるロイシンの消費のための反応を触媒することができる。
【0152】
本開示の任意のタンパク質または酵素は、宿主細胞によって発現されてよい。本願において使用する場合、宿主細胞は少なくとも1つの異種ポリヌクレオチド(例えば、本願に記載のタンパク質または酵素をコードする)を発現するために使用され得る細胞である。遺伝子を含むポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドについての用語「異種」は、用語「外因性」および用語「組み換え」と互換的に用いられ、以下を意味する:生物系に人工的に供給されたポリヌクレオチド;生物系内で改変されたポリヌクレオチド;または生物系内でその発現または制御が操作されたポリヌクレオチド。宿主細胞に導入されるかまたは宿主細胞において発現される異種ポリヌクレオチドは、宿主細胞とは異なる生物または種に由来するポリヌクレオチドであり得る、または合成ポリヌクレオチドであり得る、または宿主細胞と同じ生物または種において内因的に発現されるポリヌクレオチドでもあり得る。宿主細胞内で内因的に発現されるポリヌクレオチドは、例えば、宿主細胞において非天然の位置にある場合;宿主細胞において安定的または一過性に組み替え発現される場合;宿主細胞内で修飾をうける場合;宿主細胞内で選択的に編集される場合;宿主細胞で天然に生じるコピー数とは異なるコピー数で発現される場合;または、例えばポリヌクレオチドの発現を制御する調節領域を操作する事によって、宿主細胞内で非天然の経路で発現される場合、においては、異種ポリヌクレオチドと考えられる。いくつかの実施形態では、異種ポリヌクレオチドは宿主細胞において内因的に発現されるポリヌクレオチドであるが、その発現はポリヌクレオチドの発現を天然には制御しないプロモーターによって駆動される。その他の実施形態では、異種ポリヌクレオチドは宿主細胞において内因的に発現されるポリヌクレオチドであり、その発現はポリヌクレオチドの発現を天然に制御するプロモーターによって駆動されるが、このプロモーターまたは別の調節領域が改変されている。いくつかの実施形態では、プロモーターは組み換えにより亢進または抑制されている。例えば、遺伝子編集に基づく技術を使用して、内因性プロモーターはを含むプロモーターから発現される、内因性ポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの発現を制御し得る。例えば、Chavez et al.,Nat Methods. 2016 Jul;13(7):563-567を参照のこと。異種ポリヌクレオチドは、参照ポリペプチド配列と比較して、野生型配列または変異配列を含んでいてよい。
【0153】
本願に開示される組み換えポリペプチド(例えば、LeuDH、KivD、および/またはAdh)のいずれかを産生するために、任意の好適な宿主細胞が使用されてよく、これには真核細胞または原核細胞を含む。
【0154】
組成物
本開示は、本願に記載の宿主細胞(例えば、LeuDH、KivD、およびAdhからなる群より選択される少なくとも1つの酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞)、または本願に記載される1つ以上の酵素(例えば、LeuDH、KivD、および/またはAdh)、および任意には薬学的に許容される賦形剤、を含む組成物であって、医薬組成物を含む、組成物を提供する。
【0155】
特定の実施形態では、本願に記載される宿主細胞は、医薬組成物などの組成物中に有効量で提供される。特定の実施形態では、本願に記載される1つ以上の酵素は、医薬組成物などの組成物中に有効量で提供される。特定の実施形態では、有効量は治療有効量である。特定の実施形態では、有効量は予防的に有効な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、1つ以上のMSUDの症状を処置または改善するために十分な量である。
【0156】
特定の実施形態では、対象は動物である。特定の実施形態では、対象は人である。その他の実施形態では、体象は非ヒトの動物である。特定の実施形態では、対象は哺乳類である。特定の実施形態では、対象は非ヒトの哺乳類である。いくつかの実施形態では、対象は非哺乳類である。特定の実施形態では、対象はイヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ニワトリ、またはヤギなどの家畜化動物である。特定の実施形態では、対象はイヌまたはネコなどの伴侶動物(companion animal)である。 特定の実施形態では、対象はウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ニワトリ、またはヤギなどの家畜である。特定の実施形態では、対象は動物園の動物である。別の実施形態では、対象は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒトの霊長類などの、研究動物である。
【0157】
本願に記載の、医薬組成物などの組成物は、当分野で公知の任意の方法によって調製され得る。一般に、かかる調製方法には、本願に記載される化合物(例えば、「有効成分」)をキャリアまたは賦形剤、および/または1つ以上のその他の付属成分と混合する工程、およびその後、必要であれば、および/または望ましい場合には、産物を望ましい単回または複数回投与単位に成形、および/または包装する工程を含む。
【0158】
方法
いくつかの態様では、本開示は宿主細胞を使用する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は本願に記載の宿主細胞(例えば、LeuDH、KivD、およびAdhからなる群より選択される少なくとも1つの酵素をコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞)を培養する工程を含む方法を提供する。細胞培養のための方法は、本願の別の部分に記載されている。いくつかの実施形態では、本開示はロイシンからイソペンタノールを生産する方法であって、本願に記載の宿主細胞(例えば、LeuDH、KivD、およびAdhをコードする異種ポリヌクレオチドを含む宿主細胞)を培養する工程を含む方法、を提供する。いくつかの実施形態では、この生産と培養はin vivoで生じる、例えば、宿主細胞を投与されたヒト対象において生じる。いくつかの実施形態では、この生産はex vivoで生じる、例えばin vitro細胞培養環境において生じる。本願に記載される組成物、細胞、酵素、および方法はまた、分岐鎖アミノ酸(例えば、ロイシン、イソロイシン、およびバリン)蓄積が生じている可能性があるような任意の用途を含む、工業的環境にも適用可能である。
【0159】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これは決して限定的であると解釈されるべきではない。本願を通して引用された全ての文献(参考文献、発行済み特許、公開特許出願および共同係属中の特許出願を含む)の内容全体は、引用により本願に明示的に包含させる。本願に組み込まれた参考文献が、ある用語の定義が、本開示で定義された同じ用語の定義と不調和であるか互換性のない用語を含む場合、本開示においてその用語に付与された意味が適用されるものとする。ただし、本願で引用した任意の参考文献、論文、出版物、特許、特許公開、および特許出願の記載は、それらが有効な先行技術であること、または世界の任意の国における一般的な一般知識の一部を形成していることを認めるものでも、いかなる形でも示唆するものでもなく、またそのように解釈されるべきでもない。
【実施例
【0160】
実施例
本願に記載される発明がより十分に理解され得るために以下の実施例は記載される。本願に記載の実施例は本願に提供される系および方法を説明するために提示され、および決してそれらの範囲を限定するように解釈されるものではない。
【0161】
実施例1:酵素ライブラリーの設計および合成
材料と方法
メタゲノム解析による酵素の探索
機械学習に基づくバイオインフォマティクスツールを用いて、公共の配列データベース(SwissProtおよびTrEMBL、合わせてUniProtとして知られる)から、3つの望ましい活性(ロイシンデヒドロゲナーゼ、1.4.1.9;ケトイソバレレートデカルボキシラーゼ、4.1.1.1;およびアルコールデヒドロゲナーゼ1.1.1.1)それぞれについて、酵素の候補を同定した。LeuDHおよびAdhについて、先行して開発されたアルゴリズムを用いて配列多様性を最大化した。KivDについては層化抽出法を使用した。酵素候補の総数は、1175個のLeuDH配列、1296個のKivD配列、および1177個のAdh配列であった。
【0162】
合理的酵素設計
LeuDHおよびAdhについて、Rosettaソフトウェアを用いて、酵素-遷移状態複合体の分子モデルを構築し、および活性部位の残基の規則的な変異を、20個のアミノ酸それぞれについて設計した。
【0163】
ライブラリーの合成
全てのLeuDH、KivDおよびAdh酵素のDNA配列をE.coliにおける発現のためにコドン最適化した。コード配列を、誘導性E.coli発現ベクター中に合成し、T7プロモーターの制御下においた。
【0164】
結果
ロイシン消費型分岐鎖アミノ酸(BCAA)経路を改善するために、実験を行い、試作株(SYN1980としても知られる1980)において親株の酵素に比して優れた活性を持つLeuDH、KivD、およびAdh酵素を同定した、ここで親株はBacillus cereusのLeuDH、Lactococcus lactisのKivD、およびSaccharomyces cerevisiaeのADH2を含む。試作株はまた、ロイシンなどの分岐鎖アミノ酸を細胞に輸送できる分岐鎖アミノ酸輸送体である、E.coli由来のBrnQを含む。親株のLeuDH酵素はロイシンに加え、バリンおよびイソロイシンを脱アミノ化する、基質の乱雑さ(promiscuity)を示した。BCAA経路による特異的なロイシン消費を向上させるための、経路設計のさらなる目的はバリン(Val)およびイソロイシン(Ile)に比してロイシン(Leu)への特異性が増したLeuDH酵素を同定する事である。
【0165】
各酵素ファミリー(LeuDH、KivD、およびAdh)のライブラリーを設計するために2つの相補的なアプローチを用いた:メタゲノムソーシングおよび合理的設計(表2)。各酵素について、配列データベースにおいて入手可能な完全なメタゲノム配列空間をサンプリングするために>1000個の酵素のメタゲノムライブラリーを設計した(図1A-1C)。LeuDHおよびAdhライブラリーについて、入手可能な構造データをB.cereusのLeuDHおよびS.cerevisiaeのAdh酵素の合理的設計のために使用した。全ライブラリーの酵素配列はE.coliにおける発現のためにコドン最適化され、および誘導性E.coli発現ベクター中に合成され、およびハイスループットスクリーニングのために、E.coliに形質転換された。
【0166】
【表2】
【0167】
実施例2:経路酵素ライブラリーの特徴づけ
材料と方法
細胞の増殖および酵素の調製
スクリーニングした各酵素ライブラリーについて、ライブラリープラスミドを保持する株をE.coli T7発現宿主細胞に形質転換した。5μL/ウェルの冷凍のグリセロールストックを、半分の高さのディープウェルプレート中の500μL/ウェルのLB+100μg/mLCarbenicillin(LB-Carb100)中に入れ、およびAeraSealを用いて密封した。サンプルを37℃でインキュベートし、および80%湿度中、1000RPMで一晩振とうした。50μL/ウェルの得られた前培養物を、半分の高さのディープウェルプレート中の450μL/ウェルのLB-Carb100+1mM IPTG中に入れ、およびAeraSealを用いて密封した。サンプルを30℃でインキュベートし、および80%湿度中、1000RPMで一晩振とうした。250μL/ウェルの得られた培養産物を、500μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を入れたディープウェルプレートに入れ、4000Gで10分間遠心分離した。上清を取り除き、得られた細胞のペレットを200μLのBugBusterタンパク質抽出試薬+1μL/mLの精製Benzonase+1μL/6mLの精製リゾチームに再懸濁した。サンプルを室温で10分間インキュベートし、in vitro酵素アッセイに使用する細胞溶解液を生成した。
【0168】
LeuDH 活性アッセイ
LeuDHライブラリー株の溶解液10μLを、90μL/ウェルのアッセイ緩衝液(20Mmアミノ酸[L-ロイシン、L-バリン、またはL-イソロイシン]、200mM グリシン、200mM KCl、0.4mM NAD、pH 10.5)を入れた半面積の平底プレートに移した。光学測定はプレートリーダーで行い、吸光度は340nMで10分間測定した。得られた反応動態データを使用し、LeuDH活性の代わりとしてNAD+還元の最大速度を算出した。
【0169】
KivD 活性アッセイ
KivDライブラリー株の溶解液10μLを、90μL/ウェルのアッセイ緩衝液(100mM PIPES-KOH、100mM グルタミン酸カリウム、1mM ジチオトレイトール、0.4mM NAD、1.5mM チアミンピロリン酸、10mM グルタミン酸マグネシウム、20mMケトイソカプロエート(KIC)、pH 7.5)を入れた半面積の平底プレートに移した、KICに対するKivD活性を間接的に測定するために、カップリング酵素を使用した。光学吸光度を10分間測定した。得られた反応動態データを使用して、KivD活性を決定した。
【0170】
Adh活性アッセイ
Adhライブラリー株の溶解液10μLを、90μL/ウェルのアッセイ緩衝液(50mM MOPS緩衝液、0.4mM NADH、および30mM イソバレルアルデヒド、pH7.0)を入れた半面積の平底プレートに移した。光学吸光度を340nMで10分間測定した。得られた反応動態データを使用し、ADH活性の代わりとしてNADH酸化の最大速度を算出した。
【0171】
LeuDH 選択性アッセイ
LeuDHの選択性(L-IleおよびL-Valの存在下における特異的なL-Leuの脱アミノ化)を測定するために、溶解液を溶解緩衝液で4倍に希釈し、この新しく希釈した溶解液10μL/ウェルを、90μL/ウェルのアッセイ緩衝液(上記から調整し、特に0.5mMの各アミノ酸(L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン)、200mM グリシン、200mM 塩化カリウム、および4mM NADを含む)、に入れた。反応は異なる時点で停止され、かつLC-MSによるロイシン、イソロイシンおよびバリンの定量に供された。
【0172】
結果
3×~1300個の酵素ライブラリーをスクリーニングするために、E.coli細胞溶解液中のLeuDH、KivD、およびAdh酵素活性をスクリーニングするために、ハイスループット(HTP)な方法を開発した。簡単に説明すると、96ディープウェルプレートで株を培養し、タンパク質産生を誘導した、ここで各プレートにはポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを含む。細胞を溶解し、本明細書に記載の酵素特異的な分光高度法アッセイを用いて細胞溶解液中の酵素活性を測定した。酵素アッセイは完全に自動化されたロボット型ワークセル上で行われた。各酵素ファミリーについて、完全なライブラリー(各~1300個)を2連の生物学的複製で測定し、および各酵素ファミリーにおいて最も高い活性を持つ50~200個の酵素をそのファミリーの一次「ヒット」として選出した。酵素の順位を検証するために、さらに複製(4連の生物学的複製)を加えて、二次スクリーニングにおいて一次ヒットを再度スクリーニングした。
【0173】
ロイシンデヒドロゲナーゼ(LeuDH)
計1378個のleuDH酵素を、Leuを脱アミノ化する能力について一次スクリーニングした。初回のスクリーニングによって、B.subtilis由来の親株のLeuDH酵素と同程度か、よりよい活性もつ220個の酵素が同定された(表4)。これらの一次ヒットを二次スクリーニングによってさらに解析した(図2)。二次スクリーニングでは、最大1.8倍の上昇したLeuに対するLeuDH活性をもつLeuDH酵素が確認された。
【0174】
活性は以下のようにして算出された:(酵素活性/バックグラウンド酵素活性)-1
コントロールは0と設定し、および値が>0の株を潜在的なヒットとみなした。値はコントロールに対する向上の割合を表す。非限定的な例として、50%向上した株は表4において値が0.5として示される。
【0175】
いずれの一次LeuDHヒットも、IleおよびValよりもLeuに対しての上昇した特異性を示すのかを決定するために、220個全ての一次ヒットを、ValおよびIleに対する活性についてもスクリーニングした。特異性は、Leuに対する活性とIleまたはValに対する活性の比として測定された。図3に示すように、一次スクリーニングでヒットした酵素はValよりもLeuに対して最大で2.7倍の嗜好性を示し、IleよりもLeuに対して最大で5倍の嗜好性を示した。このアッセイでは、コントロールのB.cereusのLeuDHはLeu、Val、およびIleに対して同程度の嗜好性を示した。
【0176】
このライブラリーにおいて、Leu活性に対するLeu特異性のトレードオフが観察され、最も特異的なLeuDH酵素は最も活性のあるLeuDH酵素ではなかった。Leu/Ileに対する特性をLeu/Valと比較することにより、LeuおよびValの両者に対してよりもLeuに対して向上した特異性をもつヒットが同定された(図4)。コントロールのB.cereusのLeuDHはLeu、Val、およびIleに対しておおよそ同程度の嗜好性を示した。
【0177】
ケトイソバレレートデカルボキシラーゼ(KivD)
計1248個のKivD酵素を、ケトイソカプロエートに対する脱カルボキシル化活性についてスクリーニングした。初回のスクリーニングによって、S.aureus由来の親株のKivD酵素よりも高い活性を持つ55個の酵素が同定され(表5)、親株のKivD酵素は、このアッセイではバックグラウンド溶解液中のデカルボキシラーゼ活性よりも高い活性を示さず、0ではない計測可能なバックグラウンド活性と同じとみなした。これらの一次KivDヒットを二次スクリーニングによってさらに解析した(図5)(表5)。二次スクリーニングでは、このアッセイにおいてバックグラウンド溶解液の活性と比較して、少なくとも6から8倍上昇したKivD活性を持つ酵素が>40個同定された。KivD活性は以下のようにして算出した:(酵素活性/バックグラウンド酵素活性)-1
【0178】
アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)
計1215個のAdh酵素を、イソバレルアルデヒドをイソペンタノールへと還元する能力についてスクリーニングした。初回のスクリーニングによって、S.cerevisiae由来の親株のADH2酵素よりも高い活性を持つ55個の酵素が同定され(表6)、親株のADH2酵素は、このアッセイではバックグラウンド溶解液中のアルコールデヒドロゲナーゼ活性よりも高い活性を示さず、0ではない計測可能なバックグラウンド活性と同じとみなした。S.cerevisiaeのADH2の活性は、溶解液のバックグラウンド活性と差が無いため、バックグラウンド活性よりも高い活性を持つ、Equus caballusのAdhをスクリーニングのポジティブコントロールとして用いた。これらの一次ヒットを二次スクリーニングによってさらに解析した(図6)(表6)。二次スクリーニングでは、バックグラウンド溶解液の活性と比較して少なくとも20倍上昇したAdh活性を持つ5つの酵素が同定された。S.cerevisiaeのADH2酵素を二次スクリーニングのコントロールとして用いた。Adh活性は以下のようにして算出した:(酵素活性/バックグラウンド酵素活性)-1
【0179】
実施例3:上位のLeuDH候補酵素の選択性
材料と方法
LeuDH選択性アッセイ
LeuDHの選択性(L-IleおよびL-Valの存在下における特異的なL-Leuの脱アミノ化)を測定するために、溶解液を溶解緩衝液で4倍に希釈し、この新しく希釈した溶解液10μL/ウェルを、90μL/ウェルのアッセイ緩衝液(上記から調整し、特に0.5mMの各アミノ酸(L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン)、200mM グリシン、200mM 塩化カリウム、および4mM NADを含む)、に入れた。反応は異なる時点で停止され、かつLC-MSによるロイシン、イソロイシンおよびバリンの定量に供された。
【0180】
結果
LeuDHはLeu、Val、およびIleの脱アミノ化を触媒し、およびその結果、基質プールが混合されているin vivo環境では、全ての基質が競合物質として作用する可能性がある。混合基質プールに対しての、上位のLeuDHヒットの性能をよりよく予測するために、LeuDH酵素のLeuに対する選択性(すなわち、反応液中にLeu、Val、およびIleの全てが存在する場合における、LeuDHのLeu嗜好性)を測定した。反応混合液がLeu、Val、Ileを1:1:1のモル比で含む事を除いてHTPスクリーニングと似た細胞溶解液アッセイにおいて、計21個のLeuDH酵素をスクリーニングした。反応溶液中のLeu、Val、Ileの減少速度を計測した。図7は各LeuDH酵素の、反応混合液中でのLeu、IleおよびValの消費を示す。親のB.subtilisのLeuDHと比較した際に、少なくとも10個のLeuDH酵素がValおよびIleよりもLeuに対して向上した嗜好性を示した。ほとんど全てのLeuDH酵素がバリンについては最小の嗜好性を示した。
【0181】
実施例4:経路酵素ヒットの選択およびオペロンの組み立て。
BCAA経路の全体的なロイシン消費を向上させるため、各段階について親株の酵素よりも優れた性能を示した複数の酵素を選択した。LeuDHについて、以下の2つの基準に基づいて6個のヒットを選出した:Leuに対する酵素活性、およびValおよびIleに比したLeuに対する特異性。LeuDH選択性解析はオペロンの組み立てと並行して行ったため、選択性のデータセットはこのLeuDH選出の要素としていない。KivDおよびADHについて、in vitroの酵素活性に基づいて、各酵素ファミリーについて3個のヒットを選出した。合計して12個の酵素を最終的なオペロンの設計に進めた(表3)。オペロンは4つの酵素のコード配列から以下の順番で構成される:LeuDH-KivD-Adh-BrnQ。以下に記載するように、Leu消費に好ましいオペロンを選出し、以下に記載するようにさらに試験した。
【表3】
【0182】
実施例5:オペロンの試験
材料と方法
細胞調製
分岐鎖アミノ酸(BCAA)経路のオペロンプラスミドを、German Collection of Microorganisms およびCell Cultures(DSMZ Braunschweig、E.coli DSM 6601)から購入したE.coli Nissle株1917に形質転換した。形質転換した細胞を氷上で解凍し、および細胞密度を600nmにおける吸光度(OD600)で測定した。この方法では、OD600の値1.0を10細胞/mLと等しいとみなした。2×10細胞/mLの細胞懸濁液の1mLを目標として容量を計算し、この細胞を96-ディープウェルプレートに移し、および冷やしたPBSで一度洗浄した。遠心分離(4000rpm、4℃、10分)の後、PBSを捨て、細胞のペレットを1mLの1xM9+50mM MOPS+0.5% グルコース(MMG)緩衝液で懸濁させた。800μLの各サンプルを新しい96-ディープウェルプレートに移し、16mMのロイシンを含む800μLのMMGを加え、ピペッティングしてよく混合した。時間0として割り当てられたサンプル(200μL)をこの時点で回収した。プレートを通気性のある膜で覆い、嫌気チャンバーに移し、37℃でインキュベートした。嫌気チャンバーでのインキュベート中にサンプルを2時間および4時間の時点についても回収した。回収直後にサンプルを4000rpm、4℃で10分間遠心分離した。上清100μLを新しい96ウェルプレートに移し、さらなる解析のために-80℃で保存した。
【0183】
ロイシン活性アッセイ
Ultimate 3000 UHPLC-TSQ Quantum またはVanquish UHPLC-TSQ Altisシステムをそれぞれ用いた、液体クロマトグラフィーおよび共役したタンデム質量分析(LC-MS/MS)によって、細菌上清中のロイシンを定量した。サンプルは、1μg/mLのロイシン-d3を内部標準として含む、9部の2:1アセトニトリル:水で抽出し、ボルテックスし、および遠心分離した。上清を9部の0.1%ギ酸で希釈し、0.8から1000μg/mLまで上記のように処理した標準品と同時に分析した。サンプルを、Phenominex Synergi 4 um Hydro-RP 80A、75x2 mm上で、0.1%ギ酸(A)、0.1%ギ酸/アセトニトリル(B)を用いて、0.3mL/分、および50℃で分離した。2μL注入後、初めに5%Bで0から0.5分間保持し、分析物は、5から90%のBで0.5から1.5分間にわたってグラジエント溶出し、続けて高濃度有機洗浄と水系平衡化の工程を行った。エレクトロスプレーポジティブイオンモードで化合物特異的衝突誘導フラグメントの選択的反応モニタリング(SRM)により分析物を検出した(ロイシン:132>86、イソロイシン:ロイシン-d3:135>89)。SRMクロマトグラムを積算し、未知/内部標準のピーク面積比を用いて、標準曲線に対する濃度を算出した。
【0184】
結果
HTPスクリーニングから同定された上位のLeu消費オペロンをE.coli Nissle 1917に形質転換し(および株5941、株5942、株5943とラベルした)、試作株1980と比較した。株5941は、Cetobacterium cetiのLeuDH酵素、Erwinia iniectaのKivD酵素、およびAlcanivorax dieseloleiのAdh酵素を含む。株5942は、Cetobacterium cetiのLeuDH酵素、Erwinia iniectaのKivD酵素、およびRhizobiales bacterium NRL2のAdh酵素を含む。株5943は、Cetobacterium cetiのLeuDH酵素、Erwinia iniectaのKivD酵素、およびRhizobiales bacterium NRL2のAdh酵素を含む。オペロンはE.coliのBrnQをさらに含む。試作株は、Bacillus cereusのLeuDH、Lactococcus lactisのKivD、Saccharomyces cerevisiaeのADH2、およびE.coliのBrnQを含む。
【0185】
上位のLeu消費オペロンおよび試作株からのサンプルをLeu消費について解析した(図8)。上位のLeu消費オペロンを含む株(5941、5942および5943)は、試作株(1980)と比べて、著しく早い速度でLeuを消費する事が見出された。
【0186】
実施例6:LeuDH酵素工学および活性なLeuDH酵素のバイオインフォマティクス解析
表4に示すように、Bacillus cereus由来のUniProt P0A392(配列番号27)の変異体を生成し、およびこれらの変異体がUniProt P0A392(配列番号27)と比較して向上した活性または酵素発現を示すのかを決定するために試験を行った。実施例2に記載のLeuDH活性アッセイを用いた。以下の固有の位置における点変異が、活性または酵素発現のいずれかを向上させることが観察された:42、43、44、67、71、76、78、113、115、116、136、293、296、297、および300。
【0187】
UniProt P0A392(配列番号27)における以下の点変異は、活性またはタンパク質の発現のいずれかを向上させることが観察された:A115N、A115Q、A115S、A115T、A115V、A297C、A297D、A297E、A297F、A297H、A297K、A297L、A297M、A297N、A297Q、A297R、A297T、A297W、A297Y、E116A、E116L、E116M、E116N、E116R、E116S、E116V、E116W、G43E、G43F、G43T、G43W、G43Y、G44H、G44I、G44K、G44Y、I113F、I113M、I113Q、I113V、I113W、I113Y、L300A、L300C、L300D、L300F、L300H、L300K、L300M、L300N、L300Q、L300R、L300S、L300T、L300W、L300Y、L42A、L42Q、L42T、L76E、L76F、L76H、L76I、L76K、L76M、L76R、L76S、L76T、L76W、L76Y、L78C、L78F、L78H、L78K、L78Q、L78V、L78Y、M67A、M67E、M67K、M67Q、M67S、M67T、N71C、N71D、N71H、N71K、N71M、N71T、T136E、T136F、T136L、T136R、T136S、T136Y、V293A、V293C、V293Q、V293S、V293T、V296A、V296C、V296E、V296I、V296K、V296L、V296N、V296S、およびV296T。
【0188】
配列番号27の変異体およびメタゲノムライブラリーからヒットした配列についてバイオインフォマティクス解析を実施した。ヒットに見られた固有の残基のリストを以下の表7に示す。配列番号27における対応する位置を示す。ヒットは、配列番号27と比較して活性が上昇(0より大きい)したLeuDHである。多重配列アライメントの各位置について、個々の残基の同一性をヒットと非ヒットにビン化し、セット差を算出した。これらは、規則的な点変異ライブラリーまたはメタゲノム配列のいずれを介して、ヒットセットに固有である残基である。
【0189】
実施例7:活性なKivD酵素のバイオインフォマティクス解析
配列番号29と比較して上昇した活性を示すヒットKivD酵素についてバイオインフォマティクス解析を行った。ヒットに見られた固有の残基のリストを表8に示した。多重配列アライメントの各位置について、個々の残基の同一性をヒットと非ヒットにビン化し、セット差を算出した。これらは、ヒットセットに固有である残基である。配列番号29における対応する位置を表8に示した。
【0190】
Lactococcus lactisに由来するUniProt Q684J7は、バターミルクおよびチーズの生産に広く用いられている微生物である。天然酵素に名付けられた反応ではないが、KivDは、4-メチル-2-オキソペンタン酸の脱カルボキシル化を触媒し、イソペンタノールを生成する。KivD酵素ライブラリーのヒットは、その天然の基質、ケトイソバレレートを超えた広い基質特異性を有する事が見出された。
【0191】
実施例8:活性なADH酵素のバイオインフォマティクス解析
配列番号31と比較して上昇した活性を示すヒットAdh酵素についてバイオインフォマティクス解析を行った。ヒットに見られた固有の残基のリストを表9に示した。多重配列アライメントの各位置について、個々の残基の同一性をヒットと非ヒットにビン化し、セット差を算出した。これらは、ヒットセットに固有の残基である。配列番号31における対応する位置を表9に示した。
【0192】
実施例9:イソペンタノール経路のモルバランスの閉鎖
株5941におけるイソペンタノール経路の性能およびモルバランスの閉鎖を、AMBR(登録商標)15バイオリアクターで評価した。株5941は配列番号2のLeuDH酵素、配列番号18のKivD酵素、および配列番号24のAdh酵素を含む。リアクターを、0.5%グルコース、10mM Leu、10mM Val、および5mM Ileを含む17mLのM9培地で満たした。条件は、溶存酸素0%、pH 7.0に調整した。活性化したバイオマスをOD600が1となるように植菌し、および上清サンプルを経時的に採取し、代謝産物の濃度を監視した。
【0193】
経路中間体の細胞外濃度のグラフを図10に示す。180分の間に、4.1±0.3mMのロイシンが消費され、および4.4±0.5mMのイソペンタノールが培地中に蓄積された。ケト酸(2-オキソイソカプロエート)およびアルデヒド(イソバレルアルデヒド)は上清中に観察されなかった。よって、経路の流量は釣り合っており、そのことが確認された。これはまた経路中間体の合計モル量が保存されていることからも示される(図10の「合計」に対応するデータ)。
【0194】
方法-発酵
このアッセイは、AMBR15f、Sartorius社製のマイクロバイオリアクターシステムで行われた。容器には、2.0mm MgSO4、0.1mM CaCl、5% グルコース、10mM L-ロイシン、5mM L-イソロイシン、および10mM バリンを添加した、17mLの1×m9塩類培地を満たした。容器は、pHおよびDOの光学式検出デバイス(optode)の両者を水和させるために、植菌の18時間前に満たしておいた。リアクターの温度は37℃を保ち、2N NaOHを用いてpHを7で維持し、および0.14vvm N2の流量で溶存酸素を0に保った。500RPMで撹拌を設定し、実験中は十分に攪拌されるようにした。バイオリアクターにOD600が1となるようにSynlogic社から供された活性なバイオマスを植菌した。バイオリアクターは、植菌から0、30、90、150、および180分後にサンプリングした。サンプルはすぐに15000xgで30秒間、微量遠心機で遠心分離し、および上清を取り除き解析に供した。上清は解析の準備ができるまで-20℃で保存した。
【0195】
方法-解析法
2つの方法についての解析法を開発した。1つの方法はロイシン(Leu)、ケトイソカプロン酸(Leu酸)、およびイソバレルアルデヒト(Leuアルデヒド)の定量のための液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)に関するものである。この方法はまた、バリンおよびイソロイシン(およびそれらの酸およびアルデヒド産物)の定量のためにも有効であり、使用された。2つ目の方法は、イソペンタノールの定量のためのガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)に関するものである。合わせて、これらの分析方法により株5941の全ての経路中間体の定量が可能であった。GCMS法はまた、バリンおよびイソロイシンのアルコール産物の定量のためにも有効であり、使用された。
【0196】
LCMS解析は、Thermo Ultimate 3000 UPLCシステムと、Thermo Q-Exactive quadrupole-orbitrap mass detector、およびThermo Accucore PFPカラム(2.1x100mm、2.6μmパッキング)で、以下の溶出溶媒を用いて行われた:A=0.1% ギ酸および0.1% TFA(水中);B=0.1% ギ酸(アセトニトリル中)。グラジエントは0.5mL/minでAに対して1%のBで60秒間、その後270秒間でAに対して1%から40%のBまで直線的に上昇させた。その後、カラムにAに対して95%のBを60秒間流し、Aに対して1%のBで180秒間再平衡化した。MSの取得時間は0.8分から5.3分であった。
【0197】
カラムの流出液は、Thermo社の標準的なESIソースを介して質量分析計に導入され、ポジティブモードイオン化電圧+3800V、気化器温度400℃、およびイオン伝導管温度375℃の条件であった。Thermo社は、ガス流量を任意単位で報告しているが、おそらくSTPでL/minに近似たものである。設定値は以下であった:シースガス60、補助ガス30、スイープガス1。データ取得速度を上げるため、orbitrapの分解能を17500に設定。四重極の分解能は1m/zであった。
【0198】
この方法ではまた、アルデヒドおよびケト酸の両者を誘導体化し、これらの分析物の安定性を向上させる。多数の誘導体化剤が検討され、メタノール中の2-(ジメチルアミノ)エチルヒドラジンが、ポジティブモードで最もよい感度をもたらす事が見出された。メタノール中の0.5M酢酸および0.5M酢酸ナトリウム緩衝液は、LEU酸およびLEUアルデヒドの定量に使用されるとともに、非誘導体化LEUの測定にも使用された。
【0199】
GC-MS分析は、Agilent GCMS/MSDとGerstelautosamplerを使用し、J&W DB-WAX GCカラム(15m)と抽出溶媒としてクロロホルムを用いて実施した。フロントインジェクターは250℃、および流速1mL/分に設定した。オーブンの温度を40℃で1分間保持した後、130℃まで上昇(15℃/分)させ、その後200℃まで急上昇(65℃/分)させた。Msの取得スキャンウィンドウは40-150mzで、MSソースとMSクワッドはそれぞれ250℃と200℃に設定した。
【0200】
ハイスループットおよび自動化を促進するために、Gerstel autosamplerを用いて、抽出した底部クロロホルム層を96ウェルプレートの形式に注入し、その上に水性ambr15培養マトリックスを覆いとして機能させ、産物の蒸発を防止した。その他の潜在的なアルコール産物の蒸発を考慮して、内側の覆いとして2-ヘプタノールを添加した。
【0201】
表3に記載の酵素の配列
LeuDH(識別子:t160946;アクセッション番号:A0A1T4PGG9)

ATGAACATCTTCAAGAAAATGGAGGAATTTAATTATGAACAACTGGTCTACTTCTACGACAGCGAAACGGAACTCAAAGGTATTACCTGTATACACAACACAACTTTAGGGCCGGCATTGGGCGGTACCCGCCTTTGGAACTATAACTCTGAGGAAGATGCCGTTGAAGACGTAATCCGTCTGGCTCGGGGCATGACTTACAAAGCGGCTTGCGCCGGTCTGAATCTGGGCGGCGGTAAAACCGTGCTGATCGGTGATGCTAAAAAGATTAAATCAGAGTCCTACTTCCGTGGACTGGGGCGCTACGTTCAGTCGCTGAACGGCAGATATATCACCGCGGAAGACGTAAATACTTCTACGAAGGATATGGCATACGTTGCTATGGAAACTGACTATGTGGTAGGCCTGGGAGGTAAATCCGGCAACCCTAGTCCAGTTACTGCTTACGGTGCATTTATGGGTATCAAAGCGGCGCTGATGAAAAAATTTGAGGATAGCTCTATTGAAGGCCGAACCTTCGCAGTGCAGGGTGCTGGGCAGACGGGTTACTATCTTATCGATTACCTCCTAGGCAACAACAAGTTCAAAGAAAAGGCTAAAAAAATTTACTTCACCGAAATTAACGAGAGCTATATCGAGCGTATGAACAAAGAACATCCGGAAGTTGAATTTATTTCCCCGGACAAAATCTACTCGCTGGAAGTAGACGTCTTCGTGCCCTGCGCCCTGGGCAAAATCGTTAATGACAAAACTATCGATGAATTTAAGTGTCCGATCATCGCAGGTACTGCAAACAACGTACTGGAAAGGGAAGCGCACGGCAACATGCTTAAAGAACGTGGCATTCTTTACGCCCCGGACTATGTGATCAATGCTGGTGGGCTGATCAACGTTTACCACGAGCTGAACGGTTACAATAAAGAGAACGCTATTCTGGAAGTGGAATTAATTTATGATCGCCTACTGGAAATATTCAACATCGCTGATTCTCTGAACATCAGCACCAATATCGCTGCCAACGAGTTCGCGGAAAAACGTATCAAGCAAATTAAGTCCTTGAAAAACAACTTCATTAAACGC(配列番号1)

MNIFKKMEEFNYEQLVYFYDSETELKGITCIHNTTLGPALGGTRLWNYNSEEDAVEDVIRLARGMTYKAACAGLNLGGGKTVLIGDAKKIKSESYFRGLGRYVQSLNGRYITAEDVNTSTKDMAYVAMETDYVVGLGGKSGNPSPVTAYGAFMGIKAALMKKFEDSSIEGRTFAVQGAGQTGYYLIDYLLGNNKFKEKAKKIYFTEINESYIERMNKEHPEVEFISPDKIYSLEVDVFVPCALGKIVNDKTIDEFKCPIIAGTANNVLEREAHGNMLKERGILYAPDYVINAGGLINVYHELNGYNKENAILEVELIYDRLLEIFNIADSLNISTNIAANEFAEKRIKQIKSLKNNFIKR(配列番号2)

LeuDH(識別子:t160389;アクセッション番号:A0A1M6BE59)

ATGGTAGAGATCAAGGCTTTGACGGACACTTCCGTGTTTGGGCAAATTGCAGAACACCAGCATGAACAGGTCGTTTTCTGCCACGATCACGAAACCGGCCTCCGTGCGATCATCGGTATTCATAACACAGTTCTTGGCCCCGCCTTAGGTGGAACTCGCATGTGGCACTATGCTTCTGACGCAGAGGCGCTGAATGATGTTCTGCGTCTGTCGCGCGGTATGACCTACAAAGCTGCTATAAGTGGCCTGAACCTGGGTGGCGGTAAAGCAGTGATCATTGGGGACGCCAAAACCCTGAAAACCGAAGCGCTGCTGCGGAAGTTCGGCAGATTCGTAAAAAACCTGAATGGTAAATACATCACTGCTGAAGATGTCAACATGACTACAAAAGACATGGAGTACATCAGGATGGAAACCAAGCACGTTGCTGGCTTACCTGAATCAATGGGTGGAAGCGGTGATCCGTCCCCGGTGACTGCATTTGGTACGTATATGGGCATGAAAGCGGCGGCCAAAAAAGCGTTCGGCTCTGACTCTCTGGCTGGCAAACGTATCGCTGTTCAGGGTGTAGGTCATGTCGGCACTTACCTGTTGGAGTATTTGCAGAAGGAAGGTGCTAAGCTGGTACTGACTGACTACTATGAAGATCGTGCCCTGGAGGCAGCAACGCGTTTTGGCGCAAAAATGGTTGGCCTGGACGAAATTTACGATCAAGACGTTGATATCTACAGTCCATGTGCTCTTGGAGCTACCATTAACGATGACACTATCGGTCGCCTGAAATGCCAGGTTATCGCTGGTTGCGCAAACAACCAGCTGCAAAACGAAAATGTGCATGGCCCGGCCCTCGTGGAGCGCGGGATTGTGTACGCTCCGGATTTCCTGATCAACGCCGGCGGCCTGATCAACGTTTACTCGGAAGTAGTGGGTAGCTCCCGTCAGGGTGCTTTGAACCAGACCGAAAAAATTTTCGACATCACCACTCAGGTTCTAAACAAAGCGGAACAAGAGGGTTCTCACCCGCAGGCGGCAGCTACTAAGCAGGCTGAAGAGCGTATTGCAAGCCTGGGCAAAGTTAAGAGCACCTAC(配列番号3)

MVEIKALTDTSVFGQIAEHQHEQVVFCHDHETGLRAIIGIHNTVLGPALGGTRMWHYASDAEALNDVLRLSRGMTYKAAISGLNLGGGKAVIIGDAKTLKTEALLRKFGRFVKNLNGKYITAEDVNMTTKDMEYIRMETKHVAGLPESMGGSGDPSPVTAFGTYMGMKAAAKKAFGSDSLAGKRIAVQGVGHVGTYLLEYLQKEGAKLVLTDYYEDRALEAATRFGAKMVGLDEIYDQDVDIYSPCALGATINDDTIGRLKCQVIAGCANNQLQNENVHGPALVERGIVYAPDFLINAGGLINVYSEVVGSSRQGALNQTEKIFDITTQVLNKAEQEGSHPQAAATKQAEERIASLGKVKSTY(配列番号4)

LeuDH(識別子:t160283;アクセッション番号:A0A1S9B636)

ATGGTAGAGATCCAGGCTTTGCCGGAAACTTCCATTTTTGGGCAAATCGCAGACCACCAGCATGAACAGGTGGTCTTCTGCCACGATCACGAAACCGGCCTCCGTGCGATAATCGGTATTCATAACACGGTTCTTGGCCCCGCCTTAGGTGGAACTCGCATGTGGCACTATGCTACCGAGGCAGAAGCGCTGAATGACGTTCTGCGTCTGTCTCGCGGTATGACCTACAAGGCTGCTATCTCGGGCCTGAACCTGGGTGGCGGTAAAGCAGTAATCATTGGGGATGCCAAAACAATCAAAACCGAAGCGCTGCTGCGGAAATTCGGCAGATTCGTGCAGAACCTGAATGGTAAATACATCACTGCTGAAGACGTTAACATGACTACAAAGGATATGGAGTACATTAGGATGGAAACCAAACACGTCGCTGGCTTACCTGAAAGTATGGGTGGAAGCGGTGACCCGTCACCGGTAACTGCATATGGTACGTACATGGGCATGAAAGCGGCGGCCAAAAAGGCGTTTGGCTCTGATTCCCTGGCTGGCAAACGTATCGCTGTTCAAGGTGTGGGTCATGTTGGCACTTATCTGCTTGAGCATTTGACCAAAGAAGGTGCTCAGATTGTGCTGACTGACTACTATAAGGAACGTGCCGAGGAAGCAGGCGCGCGTTTTGGCGCACAGGTTGTTGGCCTGGACGATATCTACGATCAAGAGGTCGACATTTACTCTCCATGTGCTCTCGGTGCTACCATCAACGATGACACTATCGATCGCCTGCGTTGCGCTGTTGTAGCCGGTTGCGCAAACAACCAGCTGAAAGAAGAAAACGTCCACGGTCCGGCGCTGGTTGAGCGCGGGATAGTATACGCCCCAGACTTCCTGATCAATGCAGGTGGCCTGATTAACGTGTATAGCGAAGTTACAGGGTCTACCCGTCAGGGGGCTTTAACTCAGACCGAAAAAATCTATGACTACACACTCCAAGTTCTGGAAAAAGCCGCGGCTGAAGGTCTGCACCCGCAGCAGGCTGCGATCCGTCAGGCGGAACAACGCATCGCTGCAATTGGTAAGGTGAAAAGCACCTAC(配列番号5)

MVEIQALPETSIFGQIADHQHEQVVFCHDHETGLRAIIGIHNTVLGPALGGTRMWHYATEAEALNDVLRLSRGMTYKAAISGLNLGGGKAVIIGDAKTIKTEALLRKFGRFVQNLNGKYITAEDVNMTTKDMEYIRMETKHVAGLPESMGGSGDPSPVTAYGTYMGMKAAAKKAFGSDSLAGKRIAVQGVGHVGTYLLEHLTKEGAQIVLTDYYKERAEEAGARFGAQVVGLDDIYDQEVDIYSPCALGATINDDTIDRLRCAVVAGCANNQLKEENVHGPALVERGIVYAPDFLINAGGLINVYSEVTGSTRQGALTQTEKIYDYTLQVLEKAAAEGLHPQQAAIRQAEQRIAAIGKVKSTY(配列番号6)

LeuDH(識別子:t160434;アクセッション番号:A0A1D2RXB2)

ATGATCTTCGAGACAATTTCTACGTCGAATCACGAAGAAGTTGTGTATTGCCATAACAAGGACGCCGGCTTGAAAGCAATCATCGCGATTCACAACACTGTACTCGGTCCGGCTCTGGGTGGCACTCGCATGTGGCCCTACGCTAGCGAAGAGGAAGCACTGAAAGATGTCCTTCGTTTATCCCGTGGGATGACCTACAAAGCTGCGGTTTCAGGTCTAAACCTGGGCGGCGGTAAAGCTGTGATCTGGGGTGATCCGAATAAAGACAAGTCTGAAGCGCTGTTTAGAGCCTTCGGACGGTTTGTAAACAGCCTGGGCGGACGCTACATTACCGCGGAGGACGTTGGCATTGATGTTAACGACATGGAATATGTGCTGCGTGAAACTGATTACGTCACCGGTGTACATCAGGTTCACGGTGGGAGTGGTGATCCTTCTCCATTCACCGCATATGGCACTCTGCAAGGCCTGATGGCCGCTCTGCAAGTGAAATTCGGTAACGAAGACGTAGGCAATTACAGCTACGCTGTTCAGGGTGTGGGTCACGTTGGCATGGAATTTGTTAAACTGCTGCGTGAGCGCGGTGCAAAGGTTTTCGTCACTGACATCAACAAAGATGCGGTCCAGCGTGCTGTGGACGAATTTGGTTGTGAGGCAGTAGCCCTGGATGAAATCTATGACGTTGATTGCGACGTGTACTCCCCGACCGCTCTGGGCGGCACCGTGAACGATAAAACTTTACCGCGTCTGAAATGTAAGGTAATCTGCGGTGCGGCAAACAACCAGTTAGCTAATGATGAGATAGGCGTGGAACTGGAAAAAAAAGGCATCCTCTATGCTCCGGACTACGCGGTCAACGCGGGTGGGCTGATGAACGTTAGCCTGGAAATCGATGGATACAACCGCGAACGTGCGATGCGTATGATGCGTACCATTTATTACAATTTGGGTCGCATTTTCGAAATCTCTAAGCGCGACGGCATCCCTACATTCCGAGCCGCCGATCGTATGGCTGAAGAACGCATAACGGCCATCGGTAAACTGCGTTTACCGCATTTGGGCGCTGCGGCACCGCGCTTCCAGGGCCGACGTGGCAAC(配列番号7)

MIFETISTSNHEEVVYCHNKDAGLKAIIAIHNTVLGPALGGTRMWPYASEEEALKDVLRLSRGMTYKAAVSGLNLGGGKAVIWGDPNKDKSEALFRAFGRFVNSLGGRYITAEDVGIDVNDMEYVLRETDYVTGVHQVHGGSGDPSPFTAYGTLQGLMAALQVKFGNEDVGNYSYAVQGVGHVGMEFVKLLRERGAKVFVTDINKDAVQRAVDEFGCEAVALDEIYDVDCDVYSPTALGGTVNDKTLPRLKCKVICGAANNQLANDEIGVELEKKGILYAPDYAVNAGGLMNVSLEIDGYNRERAMRMMRTIYYNLGRIFEISKRDGIPTFRAADRMAEERITAIGKLRLPHLGAAAPRFQGRRGN(配列番号8)

LeuDH (識別子:t160048)

ATGCAGATCTTCGACACTTTGCAATCAATGGGCCATGAGCAGGTGGTCCTATGTAGCGATAAGACCACGGGTCTGCGCGCCATTATCGCTATACACGATACATCCTTAGGGCCGGCGCTTGGTGGTACCCGTATGTGGCAGTATGCAACTGACGACGATGCTATTACTGACGCACTCCGTCTGTCTCGGGGCATGACCTACAAAGCTGCGGTTTCTGGCGTAAATCTGGGCGGTGGTAAAGCCGTTATCATCGGAAACCCTCACAGTGATAAAAGCGAAGCGCTGTTTCGCGCTTACGGCAGAATGGTGGAATCCCAGCGTGGGCGTTACATCACCGCCGAAGACGTTGGTACTAGCGTACGTGATATGGAGTGGATTCGCATGGAAACCAAATATGTAACGGGCGTGGGTGGCAACGGAGGCTCTGGTGACCCCTCTCCAGTTACCGCTCTGGGTGTTTACTCGGGCATGAAGGCATGCGCTAAATCAGTCTATGGTACTGATGCGCTGAGCGGTAAAAGGATCGTGGTTCAGGGCGCGGGTAACGTTGCATCCCATCTGGTTCACAGTCTGGTAAAAGAAGGCGCTGTGGTTTTCGTCACTGACATCTACGAAGAAAAGGCCAAAGCATTAGCGGCTGAAACGGGCGCTACCGTGATTCGCACCGACGAGGTTTTTACTACACAATGCGATATCTTCTCTCCGAACGCTCTGGGGGCCGTCCTGAACGATGAAACTATTCCGCAGCTCACATGCGCTATCGTAGCTGGTGGTGCAAACAATCAGCTTAAAATCGAACAACGTCACGCCACGGCTCTGCAAGAGAAAGGCATTCTGTATGCGCCGGATTACGTAATCAACGCCGGGGGCCTCATGAATGTGGCGAGCGAAGTTGACGGCTACAACCGTGAAAAGGTTATGCGCCAGGCTGAAGGTATTTACGATATTACTATGAACATCCTAAATACCGCGCGTGAGCGTAACATCCTGACCATCGAAGCATCCAACGCGATTGCTGAAGAGCGGATCAACAAAGTTCGCCATGTTCACGGGAACTTCATCGGTTCCCCGTCTATTCGCGGAGTA(配列番号9)

MQIFDTLQSMGHEQVVLCSDKTTGLRAIIAIHDTSLGPALGGTRMWQYATDDDAITDALRLSRGMTYKAAVSGVNLGGGKAVIIGNPHSDKSEALFRAYGRMVESQRGRYITAEDVGTSVRDMEWIRMETKYVTGVGGNGGSGDPSPVTALGVYSGMKACAKSVYGTDALSGKRIVVQGAGNVASHLVHSLVKEGAVVFVTDIYEEKAKALAAETGATVIRTDEVFTTQCDIFSPNALGAVLNDETIPQLTCAIVAGGANNQLKIEQRHATALQEKGILYAPDYVINAGGLMNVASEVDGYNREKVMRQAEGIYDITMNILNTARERNILTIEASNAIAEERINKVRHVHGNFIGSPSIRGV(配列番号10)

LeuDH(識別子:t160141;アクセッション番号:A0A0J1FEE3)

ATGACAACGTTCGAGTATATGGAAAAGTACGACTACGAACAACTGGTCCTTTGTCAGGATAACACTTCTGGCCTCAAAGCAGTAATTTGCATCCATGACACCACTCTGGGGCCAGCTTTGGGTGGCACCCGTATGTGGAATTACGCCAGTGAAGAAGATGCTATCCTGGATGCGTTACGCCTGGCGCGAGGTATGACTTATAAAAACGCTGCCGCAGGTCTGAACCTGGGCGGCGGTAAAGCTGTTATTATGGGCGACAGCCGTACCCAGAAATCAGAGGAACTGTTTCGCGCGTTCGGTCGTTACGTGCAGGCGCTGAACGGCCGTTATATCACCGCTGAGGACGTTGGTACTAACGTACAAGATATGGACTGGATACACATGGAAACAAAGTTTGTGACCGGGATCTCCTCTTCGTACGGTGCTAGCGGAGATCCGTCCCCTCTGACCGCACTGGGCGTTTACCGCGGTATGAAAGCCGCCGCAAAAGAAGCGTTCGGCAGCGACTCTTTAGAGGGTAAAACTGTTGCTATTCAGGGTCTTGGCCACGTCGGCTATTACCTGGCAAAACACCTCACTGATGAAGGCGCTAAACTGATCGTGACGGATATCAATTCTGAAGCCGTTAAGAGGGTAGCGCGTGAGTTCGTTGCTACCGCAGTCCGTACCGAAGAAATTTTCGGCGTTAAATGCGACATCTTTGCGCCCTGTGCTCTGGGTGCAGTTATCAACGATGAAACCATTCCGCAGCTGAAGTGCCAGGTAGTTGCCGGTGCTGCGAACAATGTGTTGAAAGAGGATCGCCATGGTGACGAACTATACGAAAAAGGAATCCTGTACGCTCCGGACTATGTAATTAACGCGGGCGGCGTTATCAACGTGGCCGACGAACTGGAAGGTTACAACGCTGAACGTGCTCTGAAAAAAGTTGAGATGGTATATGATAATGTGGCACGCGTCATCGCTATTGCCAAGCGTGACCATATCCCGACTTATAAAGCAGCGGACCGAATGGCTGAGGAACGTATTGCGAAAATTGGCAAAGTTTCCAACACTTTCCTGCGC(配列番号11)

MTTFEYMEKYDYEQLVLCQDNTSGLKAVICIHDTTLGPALGGTRMWNYASEEDAILDALRLARGMTYKNAAAGLNLGGGKAVIMGDSRTQKSEELFRAFGRYVQALNGRYITAEDVGTNVQDMDWIHMETKFVTGISSSYGASGDPSPLTALGVYRGMKAAAKEAFGSDSLEGKTVAIQGLGHVGYYLAKHLTDEGAKLIVTDINSEAVKRVAREFVATAVRTEEIFGVKCDIFAPCALGAVINDETIPQLKCQVVAGAANNVLKEDRHGDELYEKGILYAPDYVINAGGVINVADELEGYNAERALKKVEMVYDNVARVIAIAKRDHIPTYKAADRMAEERIAKIGKVSNTFLR(配列番号12)

KivD(識別子:t163988;アクセッション番号:A0A0L0P8D8)

ATGTCGGAGATCACATTGGGTAGATACCTTTTCGAACGCTTAAACCAACTGCAAGTGCAGACTATTTTTGGGCTGCCCGGCGACTTCAATCTGTCCCTGCTGGATAAGATCTATGAAGTTGATGGCATGCGTTGGGCAGGTAACGCTAACGAACTCAACGCCGCTTACGCGGCTGACGGTTATAGCCGTGTCAAAGGCCTCGCATGTCTGGTTACCACTTTTGGTGTAGGCGAGCTAAGTGCGCTGAATGGTGTGGGTGGCGCTTACGCAGAACACGTTGGGCTGCTGCATGTAGTGGGCGTCCCATCAATCTCTAGCCAGGCGAAACAGCTGCTGCTGCACCATACCCTGGGTAACGGAGATTTCACGGTTTTCCACCGCATGTCCAACAACATTTCTCAGACCACGGCTTTTATCAGCGACATTAATTCTGCTCCTGGTGAAATCGATAGGTGCATCCGTGAGGCCTGGGTACATCAGCGTCCGGTTTACGTCGGCCTGCCGGCGAACCTAGTTGACCTGACTGTGCCGGCGTCTCTGTTAGACACTCCGATCGATCTGTCCTTGAAAAAAAACGACCCGGATGCCCAGGAAGAAGTTATTGAAACCGTCCTTGATCTGGTAGACAAGTCTAAAAACCCTATAATCTTAGTTGACGCATGCGCTAGCCGTCACTCATGCCGCGATGAAGTACGCCGGTTGGTGGACTCCACCAGCTTCCCGGTTTTCGTTACTCCAATGGGTAAATCTGCTGTAAATGAGAGTCACCCGCGTTTTGGCGGTGTTTACGTGGGCAGCCTCAGCGAGCCAAACGTAAAAGAAGCCGTTGAAAACGCTGACCTGGTGCTGTCCATAGGCGCCCTGTTGAGCGACTTCAACACTGGATCGTTCTCTTATTCCTACAAAACTAAGAACATTGTTGAATTTCACTCTGATTATACCAAAATCCGTCAAGCAACGTTCCCGGGTGTTCAGATGAAAGAAGCACTGAATGTCCTGTTGGAAAAAATCCCGAGCCATGTCGCTAACTACAAACCTCTGCCGGTTCCGCAGCGTCGCGTTATTCCGAGCCCAGGGGATAAGGCTGCGATCTCTCAGGAGTGGCTGTGGTCGCGTCTGTCTAGCTGGTTCCGCGAGGGCGACATCGTCATTACAGAAACCGGTACCAGTGCGTTTGGAATTGTACAGTCCTATTTCCCAGATAACTGCATCGGCATCAGTCAGGTGCTGTGGGGTTCGATCGGCTTCACCGTAGGTGCAACGCTGGGCGCGGTGATGGCTGCACAAGAAATCGATCCGAAAAAACGTGTGATTTTATTTGTCGGTGACGGTTCTCTGCAACTTACTGTACAGGAAATTTCTACCATGGTTAAGTGGGAAACCACTCCCTACCTGTTTGTGCTGAACAACGATGGGTACACTATCGAACGCCTTATCCATGGCGAGACTGCTACGTATAACGATATTCAGCCGTGGGATAATCTGGGTCTGTTGCCGCTGTTCAAAGCTCGTGACTACGAAACCAACCGAGTTGCGACTGTAGGCGAAATTGAAGCGCTATTCAACAATTCAGCTTTCAATGAGAATACAAAGATCCGTATGGTGGAGGTCATGCTGCCGCGGATGGATGCACCACAGAACCTGGTTAAACAGGCTGAATTTTCCTCCAAGACCAACAGCGAAAAC(配列番号13)

MSEITLGRYLFERLNQLQVQTIFGLPGDFNLSLLDKIYEVDGMRWAGNANELNAAYAADGYSRVKGLACLVTTFGVGELSALNGVGGAYAEHVGLLHVVGVPSISSQAKQLLLHHTLGNGDFTVFHRMSNNISQTTAFISDINSAPGEIDRCIREAWVHQRPVYVGLPANLVDLTVPASLLDTPIDLSLKKNDPDAQEEVIETVLDLVDKSKNPIILVDACASRHSCRDEVRRLVDSTSFPVFVTPMGKSAVNESHPRFGGVYVGSLSEPNVKEAVENADLVLSIGALLSDFNTGSFSYSYKTKNIVEFHSDYTKIRQATFPGVQMKEALNVLLEKIPSHVANYKPLPVPQRRVIPSPGDKAAISQEWLWSRLSSWFREGDIVITETGTSAFGIVQSYFPDNCIGISQVLWGSIGFTVGATLGAVMAAQEIDPKKRVILFVGDGSLQLTVQEISTMVKWETTPYLFVLNNDGYTIERLIHGETATYNDIQPWDNLGLLPLFKARDYETNRVATVGEIEALFNNSAFNENTKIRMVEVMLPRMDAPQNLVKQAEFSSKTNSEN(配列番号14)

KivD(識別子:t164076;アクセッション番号:A0A0M5JJZ2)

ATGACAAGCATGGACAATTCTAGTCAGCAAATCCCCATGGGTCAGAAAACCGTCGGGGAGTACTTGTTCGATTGCCTCAAGCAGGAAGGCATAACGGAAATCTTTGGTGTGCCGGGCGATTATAACTTCACCTTACTGGACGCCCTGCAAGAATACAACGGTATTCGTTTCTATAACGGCCGCAACGAGCTGAATGCTGGCTACGCAGCTGACGGTTACGCGCGTATTAAAGGAATCTCCGCGCTAATCACTACTTTTGGTGTTGGTGAACTGTCAGCAACTAACGCTATTGCCGGCGCGAACAGCGAACACGTACCTATCATCCATATTGTTGGGTCCCCACCGGAAAAAGCTCAGAAGGAGCGCAAACTGATGCACCATACCCTGATGGATGGCAACTTCGACGTATTCCGTAAAGTTTACGAACCGCTTACCGCTTATACTACCATCGTCACGGCAGATAACGCGCGGATGGAGATCCCGGCTGCTATCCGTATTGCCAAAGAACGAAGAAAGCCAGTGTACCTGGTTGTTGCGGATGACGTAGTGGCTAAACCGATTACTGGTCGTGAAGTCCCGGCATCTCCTCTGCCGGCTAGCAATCAGGACAAACTGCTTGCTGCGGTTGAGCACGTTAGGCGTCTTCTGGAACCTGCACGCCAGCCGGTAATATTGGTTGATGTGAAAGCCATGCGCTTTGGATTACAGACCGCCGTCAGGGAACTGGCAAACACTATGAATGTTCCAGTGGCTACAATGATGTATGGCAAAGGCACTTTCGACGAAACCCATCCAAACTACATCGGCGTATATGCGGGTACGTTCGGTTCGTCTGAAGTTCAATCTATCGTAGAAAACTCGGACTGTGTTATCGCCGTTGGTTTGGTGTGGAGCGATACTAACACCGCAAACTTTACTGCGAAATTAAACCCGCACAATACCATTGAGGTTCAGCCGACAAAAGTGAAAATCGCTGAGTCCCAGTACCCCGATGTCCGTGCCGCAGACATCCTGCAAGAAATGCAGAAGCTGGATTATCGTAGCCAGTCTAAACCGGAAAAAATCTCATTTCCGTACGAAGAGATAACCGGGTCCAGTGATGAACCGCTCCGCGCAGAAAACTACTTCCCTCGTTTTCAGCGCATGCTGAAGGAAAACGATATTGTTATCGCTGAGACCGGCACGTTCTACTACGGTATGAGTCAAGTTAAACTGCCCGCGAACACTACGTACATCATGCAGGGCGGCTGGCAGAGCATTGGTTATGCCACCCCGGCGGCATACGGCGCGTCTATCGCTGCTCCGGACCGTCGCGTCTTACTGTTCACTGGTGATGGCTCCATGCAGCTGACCGCACAGGAAATCTCTTCTATGCTTTATTACGGTTGCAAGCCGATTATCTTTGTACTGAACAATGACGGGTACACCATTGAGCGGTATCTGAATGTAGAAATCTCCCCTGACGAACAAAACTATAACGATATTCCGAACTGGTCTTATACTAAACTGGCTGAGGCGTTCGGTGGTGAACTGTTCACTAAAACAGTGCGTACCAATGAAGAATTGGATGAAGCGATCACACAGGCTGAGCAAGAGTACGCCGAAAAACTGTGCCTGATCGAGATGATTGCTGCTGATCCAATGGACGCACCGGAATACATGCACCGTATCCGTAACCATAAGCAGGAACAGAAAAAG(配列番号15)

MTSMDNSSQQIPMGQKTVGEYLFDCLKQEGITEIFGVPGDYNFTLLDALQEYNGIRFYNGRNELNAGYAADGYARIKGISALITTFGVGELSATNAIAGANSEHVPIIHIVGSPPEKAQKERKLMHHTLMDGNFDVFRKVYEPLTAYTTIVTADNARMEIPAAIRIAKERRKPVYLVVADDVVAKPITGREVPASPLPASNQDKLLAAVEHVRRLLEPARQPVILVDVKAMRFGLQTAVRELANTMNVPVATMMYGKGTFDETHPNYIGVYAGTFGSSEVQSIVENSDCVIAVGLVWSDTNTANFTAKLNPHNTIEVQPTKVKIAESQYPDVRAADILQEMQKLDYRSQSKPEKISFPYEEITGSSDEPLRAENYFPRFQRMLKENDIVIAETGTFYYGMSQVKLPANTTYIMQGGWQSIGYATPAAYGASIAAPDRRVLLFTGDGSMQLTAQEISSMLYYGCKPIIFVLNNDGYTIERYLNVEISPDEQNYNDIPNWSYTKLAEAFGGELFTKTVRTNEELDEAITQAEQEYAEKLCLIEMIAADPMDAPEYMHRIRNHKQEQKK(配列番号16)

KivD(識別子:t163842;アクセッション番号:A0A0L7TB96)

ATGTCGACGACAACCGTTGGTGACTACTTGCTGTATCGCTTAAACGAAATCGGCATTGAGCACCTCTTCGGAGTGCCAGGTGATTACAATCTGCAATTTCTGGATCATGTAATCGACCACCCTCAGCTGACTTGGGTCGGCTGCACTAACGAACTTAACGCTGCCTACGCAGCTGATGGTTATGCGCGTTGTCGTCCGGCTGCGGCACTGCTGACCACCTTCGGGGTTGGCGAACTGAGCGCTATTAATGGCATCGCAGGTTCCTACGCGGAGTATCTGCCGGTAATACATATCGTTGGTGCACCGAGTCTATCAGCCCAGCAGCAGGGCGACCTGATTCACCACTCTCTTGGCGAAGGTGATTTTTCCAGCTTCCTGAGGATGTCCCAACCGGTGTCTGTTGCGCAGGCTGCTCTGACTCCTGATAACGCATGCAAGGAAATCGACCGCGTACTGGCGGAAGTCCTCATTCAGCGTCGTCCCGGCTACCTGCTGCTGTCTACCGACGTGGCTGCTGCGCCGGCGGCTCTGCCACAAAGCACTCTTTCTTTGCCGACCGCCCCGGATCATCGCGCAGTTCTGGCTGCTTTCAGCGACGCTGCTGAGCAGATGCTGGCTCAGGCCAAAAGCGTCTCTCTACTGGCGGACTTTCTGGCTGATCGTTTCGGTGTTACTCGAGCACTGGCCGCGTGGCTTCAGCAGGTTCCGCTACCGCACGCCACTCTGTTAATGGGTAAAGGCGTTCTGAGTGAACAGCAACCAGGGTTCGTGGGTACCTACGCTGGTGCGGCATCTATCGATTCGACGCGTGGCGCAATCGAAGAAGCTGGGGTAATTATCGGAGTGGGAGTTAGATTTTCCGACACTATCACAGCAGGCTTCTCGCAGCAGATCGACGCCCGCCGTTTTATAGACATTCAACCCTTCTTCTCTCGTATTGGCGATCGCCAGTTTGATCACCTGCCGATGCAGGCTGCCGTCGCAGCCCTGCATCAACTGTGTCTTCGTTATCAGCAGCAGTGGTCTATCACCGCTCCTAGCCCGCCTGCACTGCCGCCGGCTGCTGGTAGCGAGCTGTCCCAGAACGCATTCTGGCAGGCGATGCAGAACTTCATCCGCCCTGGGGACCTGTTGGTGGCCGACCAAGGTACTGCGGCGTTCGGCGCAGCGGCGCTGCGCTTACCGCAGAATTGCCAGCTGCTTGTGCAGCCGCTGTGGGGCTCAATCGGTTACAGTCTGCCGGCCACCTTTGGTGCTCAGACGGCAGATACAGAGCGTCGTGTAATCCTAATCATTGGCGATGGTTCAGCGCAATTAACTATTCAGGAACTTTCCAGTATGATGCGTGACGGCTTGAAACCTATCATCTTTCTCCTGAACAACAACGGTTACACCGTTGAACGGGCGATTCACGGCGCGGAGCAACGTTATAACGATATCGCTGCTTGGAATTGGACCCAACTGCCCCAGGCGCTGAGTGTTCATTGCCCAGCGCAGAGCTGGCGAGTCGTTGAAACGGTGCAGCTGACCGACGTAATGAAAGTCATCGCTGCTTCTCCGCGTCTGAGCTTGGTAGAAGTTGTTCTGCCTGCAATGGATGTCCCACCGCTGCTGCAAGCAGTGAGTGCCGCTCTGAACCAGCGCAACTCCTCT(配列番号17)

MSTTTVGDYLLYRLNEIGIEHLFGVPGDYNLQFLDHVIDHPQLTWVGCTNELNAAYAADGYARCRPAAALLTTFGVGELSAINGIAGSYAEYLPVIHIVGAPSLSAQQQGDLIHHSLGEGDFSSFLRMSQPVSVAQAALTPDNACKEIDRVLAEVLIQRRPGYLLLSTDVAAAPAALPQSTLSLPTAPDHRAVLAAFSDAAEQMLAQAKSVSLLADFLADRFGVTRALAAWLQQVPLPHATLLMGKGVLSEQQPGFVGTYAGAASIDSTRGAIEEAGVIIGVGVRFSDTITAGFSQQIDARRFIDIQPFFSRIGDRQFDHLPMQAAVAALHQLCLRYQQQWSITAPSPPALPPAAGSELSQNAFWQAMQNFIRPGDLLVADQGTAAFGAAALRLPQNCQLLVQPLWGSIGYSLPATFGAQTADTERRVILIIGDGSAQLTIQELSSMMRDGLKPIIFLLNNNGYTVERAIHGAEQRYNDIAAWNWTQLPQALSVHCPAQSWRVVETVQLTDVMKVIAASPRLSLVEVVLPAMDVPPLLQAVSAALNQRNSS(配列番号18)

Adh (識別子:t159319;アクセッション番号:A0A1E4TMA4)

ATGCAGACGGCGTTCTTGTATAAGCCAGGTCACGAAAACTTAGTGCGCTCGGAGATCCCGATACCTAAAGCTGGGCGTGGCGAAGTCGTTCTGGAAATTAAAGCCGCTGGCATGTGCCATTCCGATCTGCACGTTCTCGACGGTGGAATCCCCCTGCCGGGTCAATTTGTAATGGGCCATGAAATCGTTGGTACTATTCACGAGATCGGCCAGGACGTGACCGGTTTCAAACAGGGCGATCTGTACGCAGTCCACGGCCCGAATCCGTGTGGTATTTGCACCCTGTGCAGAGAAGGATTTGATAACGACTGCACTACAGTGGCGAAAACCGGTCAATGGTTCGGACTGGGTCTTGACGGCGGCTACCAGAAGTATATCCGTATCCCGAACGTAAGGTCTATCGTTAAAGTTCCAGAAGGTGTTTCAGCTGAGGCAGCTGCGAGCTGTACTGATGCAGTACTGACCCCGTACCGTGCACTAAAACAGGCTGGCGCCAGCAACTCTACTCGGGTACTGATTCTGGGTCTGGGTGGCTTAGGTCTGAATGCCCTTAAACTGGCTAAGACCTTCGGCAGTTACGTTTACGCATCTGACCTGAAACCTTCTGCGCGTGAAGCTGCTAAGGCCGCTGGGGCGGATGAAGTGCTGGAGTCCCTGCCCGAAGACCCGCTGGGTGTTGATATCGTGTTAGACGTCGTTGGCGTGCAGAGCACCTTCAACCTCGCTCAAAAACACGTTGGCCCGCGTGGCATCATTGTACCTGTAGGCCTGGCATCCCCACAGCTTTCGTTTAACCTAACGGATCTGGCGCTCCGCGAAATTCGTGTTCAGGGCACTTTTTGGGGCACGAGCAATGAGCTGGCTGAATGTCTGCGCCTGTGCCAGCTGGGCCTGATCAACCCGAAATATACTGTGGTGCCTCTTGAAGAAGCGCCGAAATATATGGAAGCAATGGCTCATGGGAAAGTAGAAGGTCGTATCGTTTTCCACCCG(配列番号19)

MQTAFLYKPGHENLVRSEIPIPKAGRGEVVLEIKAAGMCHSDLHVLDGGIPLPGQFVMGHEIVGTIHEIGQDVTGFKQGDLYAVHGPNPCGICTLCREGFDNDCTTVAKTGQWFGLGLDGGYQKYIRIPNVRSIVKVPEGVSAEAAASCTDAVLTPYRALKQAGASNSTRVLILGLGGLGLNALKLAKTFGSYVYASDLKPSAREAAKAAGADEVLESLPEDPLGVDIVLDVVGVQSTFNLAQKHVGPRGIIVPVGLASPQLSFNLTDLALREIRVQGTFWGTSNELAECLRLCQLGLINPKYTVVPLEEAPKYMEAMAHGKVEGRIVFHP(配列番号20)

Adh(識別子:t159028;アクセッション番号:A0A192IDS9)

ATGCGCAGCATGCAGTTTGATGAGTACGGTGCACCCCTGAAAGCGTTCTCATATGAAGACCCGACCCCGCAAGGGAAGGAAGTAGTCGTTAGGATCGAAGCCTGTGGTGTGTGCCACTCTGATATTCATCTTCACGAGGGCTACTTCGACATGGGCGGTGGCAATAAAGCTGATGTTACTCGTGCTCGCGAACTCCCTTTTACATTGGGTCATGAAATCGTTGGCGAAGTGGTAGCAACTGGACCAGGTGTCACCGGCGCTAAACCGGGCGACAAACGTATTGTGTACCCGTGGATCGGGTGCGGCGACTGCCCGAAATGCAACAGTGGTGAGGATCAGTCCTGTGCGCGTCCACGTAACCTGGGTGTTCACGTTGACGGTGGCTATTCGACGCACGTAAAGATACCGGACGAAAAATTCCTGTTCGCCTACGATGGTATTCCTACTGAGTTAGCGGGAACCTATGCTTGCAGCGGCATCACCGCTTATGGTGCACTGATGAAAGCAAAGGAAGCGGCTGAAAGATCTGGCTACATCGGTCTGATTGGCGCTGGTGGCGTTGGCATGGCTGGTCTGATGCTGGCCAAAGCAGCGATCGGGGCTAAAACTGTAGTCTTTGATATCGACGACGCAAAACTGGAAGCTGCGACCCGTGCCGGGGCGGATTACGTGTTCAACTCCGGTGCAAAAGAAACACGCAAGGAAGTTATGAAACTAACGAATGGTGGCCTGTCTGGTGCTGTTGATTTCGTTGGCAGCGATAAAAGCGCTCTGTTTGGAATCAACGCCTTGGGTCAGAACGGCGTGCTGGTCATAATTGGACTGTTCGGTGGCGCTATGACTGTTCCGGTACCCCTGTTCCCGCTGAAAGGGATCACCGTACGTGGCTCATACGTAGGTTCCCTGCAAGAGATGAGTGATATGATGGAGTTAGTTCGCGCTGGGAAAGTTCCTCCGATGCCGGTAAAAACTCGGCCACTGGACGCTGCCTGGGAAACCCTTGAGGATCTACGCCATGGTAAAATCGTGGGCCGTGTTGTTCTGACCCCA(配列番号21)

MRSMQFDEYGAPLKAFSYEDPTPQGKEVVVRIEACGVCHSDIHLHEGYFDMGGGNKADVTRARELPFTLGHEIVGEVVATGPGVTGAKPGDKRIVYPWIGCGDCPKCNSGEDQSCARPRNLGVHVDGGYSTHVKIPDEKFLFAYDGIPTELAGTYACSGITAYGALMKAKEAAERSGYIGLIGAGGVGMAGLMLAKAAIGAKTVVFDIDDAKLEAATRAGADYVFNSGAKETRKEVMKLTNGGLSGAVDFVGSDKSALFGINALGQNGVLVIIGLFGGAMTVPVPLFPLKGITVRGSYVGSLQEMSDMMELVRAGKVPPMPVKTRPLDAAWETLEDLRHGKIVGRVVLTP(配列番号22)

Adh(識別子:t158538;アクセッション番号:A0A0P1J1W4)

ATGACAGCGGAGCAGCAAAATGGGGTATCCGACTCACGCCGTTTCGAATTTCAGGAATTTGGTGGCCCTATCGCCCCACAGACCTATCAGCTCCCCGCACCGGCTAGCGATGAAGTTTTGTTAAAGGTGAACTACTGCGGTGTCTGTCACAGTGATGTTCATCTTCACGACGGCTACTTCGAGCTGGGTGGCGATAAACGTCTGAACTTCGCTATGCCGCTGCCGCTGACGCTGGGTCACGAAGTAATTGGCACCGTTGTGGCTGTCGGCGACCAGGTTACTGGTGTAAAACCGGGGGACCAGCGACTGATCTATCCGTGGATAGGTTGCGGAAAATGCGGCGCGTGTCAAAAAGGAGAAGAAAACCTGTGCGTTACTCCTGCACATCTGGGCGTGAACAAGCCGGGCGGTTACGCTGATCACATCGTTGTACCCCATTCTCGCTACCTTCTGGACATTTCGGGTCTGAACCCGGGTGATGCCGCTACCCTCGCGTGCTCCGGCCTGACCACTTTCAGCGCGATCAACAAAGTGTTGCCGCTTGCAGATGACCAGTGGATTGTTGTTATCGGTTGTGGTGGCCTCGGCCAGATGGCGCTGCGTATCCTGCAAGCTATGGGAATTGGCAATGTTATCGGTATTGACCTGTCTGAAGAGAAACGGAAACTGGCTCATGAAAGCGGTGCACGTCACTCCTTCGATCCAAACACTCCGAAGCTGAACCGCGTGGTCGCCGAAACCTGCCCGGGTACGGTACAGGCCGCGTTAGACTTTGTGGGCAATGAGCAAACTGCTCAGCTGGCACTGTCTCTGCTTGGAAAAGGTGGCAAATATGTTCCTGTCGGGCTGCACGGCGGCGAGCTGCGTTACCCATTGCCGATCATCACGAACAAAGCTGTAAGTATCATCGGTTCTTACGTTGGTACCCTGAAAGAACTGGAAGACTTAGTTGCTTTCGCCAAGGAAAAAAATCTGCCGCCAATTCATATTGAACACCGCCCGCTGGAATCGGCGGCTCAGGCCGTAGAGGACCTGGAAAAAGGACAGGTTGCTGGGCGTGTTATCCTGGATGCAGGTAAC(配列番号23)

MTAEQQNGVSDSRRFEFQEFGGPIAPQTYQLPAPASDEVLLKVNYCGVCHSDVHLHDGYFELGGDKRLNFAMPLPLTLGHEVIGTVVAVGDQVTGVKPGDQRLIYPWIGCGKCGACQKGEENLCVTPAHLGVNKPGGYADHIVVPHSRYLLDISGLNPGDAATLACSGLTTFSAINKVLPLADDQWIVVIGCGGLGQMALRILQAMGIGNVIGIDLSEEKRKLAHESGARHSFDPNTPKLNRVVAETCPGTVQAALDFVGNEQTAQLALSLLGKGGKYVPVGLHGGELRYPLPIITNKAVSIIGSYVGTLKELEDLVAFAKEKNLPPIHIEHRPLESAAQAVEDLEKGQVAGRVILDAGN(配列番号24)

GFP(ネガティブコントロール)

ATGACCGCACTTACGGAAGGGGCAAAACTGTTTGAGAAAGAGATACCGTATATAACCGAACTGGAAGGCGACGTAGAAGGGATGAAATTTATAATTAAAGGCGAGGGGACCGGGGACGCGACCACGGGGACCATTAAAGCGAAATACATATGCACTACGGGCGACCTGCCGGTACCGTGGGCAACCCTGGTGAGCACCCTGAGCTACGGGGTCCAGTGTTTCGCCAAGTACCCGAGCCACATAAAGGATTTCTTTAAGAGCGCCATGCCGGAAGGGTATACCCAAGAGCGTACCATAAGCTTCGAAGGCGACGGCGTGTACAAGACGCGTGCTATGGTCACCTACGAACGCGGGTCTATATACAATCGTGTAACGCTGACTGGGGAGAACTTTAAGAAAGACGGGCACATTCTGCGTAAGAACGTCGCATTCCAATGCCCGCCAAGCATTCTGTATATTCTGCCTGACACCGTCAACAATGGCATACGCGTCGAGTTCAACCAGGCGTACGATATTGAAGGGGTGACCGAAAAACTGGTCACCAAATGCAGCCAAATGAATCGTCCGCTTGCGGGCAGTGCGGCAGTGCATATACCGCGTTATCATCACATTACCTACCACACCAAACTGAGCAAAGACCGCGACGAGCGCCGTGATCACATGTGTCTGGTTGAGGTAGTGAAAGCGGTCGATCTGGACACGTATCAGTGA(配列番号25)

MTALTEGAKLFEKEIPYITELEGDVEGMKFIIKGEGTGDATTGTIKAKYICTTGDLPVPWATLVSTLSYGVQCFAKYPSHIKDFFKSAMPEGYTQERTISFEGDGVYKTRAMVTYERGSIYNRVTLTGENFKKDGHILRKNVAFQCPPSILYILPDTVNNGIRVEFNQAYDIEGVTEKLVTKCSQMNRPLAGSAAVHIPRYHHITYHTKLSKDRDERRDHMCLVEVVKAVDLDTYQ(配列番号26)
【0202】
酵素のスクリーニングデータ
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表5-1】

【表5-2】
【表6-1】
【表6-2】
【表7】
【表8】
【表9】
【0203】
均等物
当業者であれば、本願に記載される発明の特定の実施形態の多数の均等物を、常套の試験を超えることなく認識するはずであり、または確認することが可能である。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含される事が意図される。
【0204】
本願で開示された特許文献を含む全ての参考文献、特に本開示で参照される開示については、ここに本明細書の一部として参照によりその全体を援用する。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
2022537214000001.app
【国際調査報告】