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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】音が発生する喫煙物品
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/14 20060101AFI20220818BHJP
   A24D 1/00 20200101ALI20220818BHJP
【FI】
A24B15/14
A24D1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532488
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 KR2021002810
(87)【国際公開番号】W WO2021235660
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0059460
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、ミン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ヨル
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ハン ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ジン、ヨン スック
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BA01
4B043BA15
4B043BA80
4B043BB01
4B043BB22
4B043BC03
4B043BC12
4B043BC20
4B045AA35
4B045AB07
(57)【要約】
音が発生する喫煙物品が提供される。本開示のいくつかの実施例による喫煙物品は、フィルター部と、喫煙物質部と、を含み、炭水化物物質を含む音発生物質が喫煙物質部に添加され得る。音発生物質は、燃焼することによって音を発生させることができるが、これは、喫煙時に聴覚的効果をさらに提供することによって、喫煙者にさらに向上した喫煙体験を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター部と、
音発生物質が添加された喫煙物質部と、を含み、
前記音発生物質は、炭水化物物質を含む、音が発生する喫煙物品。
【請求項2】
喫煙時に前記喫煙物品で発生する音の強さは、20dB~80dBである、請求項1に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項3】
喫煙時に前記喫煙物品で発生するパフ別の音の強さの標準偏差は、5dB以下である、請求項1または2に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項4】
前記音発生物質は、15重量%以上の炭水化物物質を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項5】
前記音発生物質は、グリセリンをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項6】
前記音発生物質は、プロピレングリコール(PG)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCTG)および加香物質のうち少なくとも一つの物質をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項7】
前記音発生物質は、
15重量%~90重量%の炭水化物物質と、
5重量%~45重量%のグリセリンと、
3重量%~43重量%の水分と、を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項8】
前記喫煙物質部は、タバコ物質を含み、
前記タバコ物質に対して前記音発生物質の含量は2重量%~30重量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項9】
前記音発生物質の製造工程中に、グリセリンが投入され、硬化剤が投入されない、請求項1から8のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項10】
前記音発生物質の製造工程は、前記炭水化物物質を含む混合溶液を成形装置に投入して所定の形態に成形する成形段階と、前記成形段階の結果物を乾燥させる乾燥段階と、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項11】
前記乾燥段階は、20℃~40℃の温度条件、10%~40%の相対湿度条件下で5時間以上の間行われる、請求項10に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項12】
前記喫煙物質部の製造工程は、ラッピング材上に喫煙物質を投入してロッド(rod)を形成するロッド形成段階を含み、
前記音発生物質は、前記ロッド形成段階中にMD(machine direction)方向に投入される、請求項1から11のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項13】
前記音発生物質は、0.2mm~4.0mmの平均直径を有する粒子状の物質である、請求項1から12のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項14】
前記音発生物質は、複数の粒子物質を含み、
前記複数の粒子物質は、前記喫煙物質部内で規則的な配列形態を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項15】
前記音発生物質は、シート(sheet)状に加工されて前記喫煙物質部に添加される、請求項1から14のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項16】
前記喫煙物質部は、タバコシートを含み、
前記加工されたシートは、前記喫煙物質部内で前記タバコシートに隣接して配置される、請求項15に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項17】
前記音発生物質は、細長型物体の形態に加工されて前記喫煙物質部に添加される、請求項1から16のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【請求項18】
前記喫煙物質部は、上流に位置する第1セグメント(segment)と、下流に位置する第2セグメントと、を含み、
前記第1セグメントには、前記第2セグメントよりさらに多くの量の音発生物質が添加される、請求項1から17のいずれか一項に記載の音が発生する喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音が発生する喫煙物品に関する。より詳しくは、喫煙時に聴覚的効果をさらに提供することによって、喫煙者にさらに向上した喫煙体験を提供できる喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品を通じて差別化された喫煙体験を提供できる技術に対する研究が活発に行われている。ところが、従来研究の大部分は、消費者が感じることができる多様な感覚のうち、味覚、嗅覚および/または視覚的差別化に焦点を合わせており、聴覚的差別化のための研究は、それに比べて非常に微々たるものである。例えば、従来研究のトピックは、喫煙物品に加香処理をする技術(味覚/嗅覚的差別化)、喫煙物品の霧化量を増大させる技術(視覚的差別化)などに集中している。
【0003】
一方、聴覚的差別化と関連した喫煙物品の例としては、インドネシアのクレテック(kretek)タバコが挙げられる。クレテックタバコは、喫煙時にクローブ(clove)物質が燃焼してパチパチ(またはクリティック-クリティック)というクラックルサウンド(crackling sound)を発生させるが、「クレテック」という名称も、このような特徴に由来したものである。
【0004】
しかし、クレテックタバコは、クローブの香りを出すために(すなわち、味覚/嗅覚的差別化のために)、クローブ物質を添加したタバコであるから、厳密には、聴覚的差別化のための研究の産物と見にくい。また、クレテックタバコに添加されたクローブ物質は、不規則的な配列性を有し、そのため、喫煙中に不規則的なパターン(e.g.音の強さ、音の発生間隔)の音が発生するが、これは、時々喫煙者にノイズ(noise)と認知されて、かえって劣化した喫煙体験を提供することもできる。しかも、クローブの香りになじまない使用者は、クレテックタバコに相当な拒否感を感じたりもする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとする技術的課題は、喫煙時に聴覚的効果をさらに提供することによって、喫煙者にさらに向上した喫煙体験を与えることができる喫煙物品を提供することにある。
【0006】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとする他の技術的課題は、喫煙中に一定の音を持続的に発生させることができる喫煙物品を提供することにある。
【0007】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとするさらに他の技術的課題は、安い費用で容易製造可能な音発生喫煙物品を提供することである。
【0008】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとするさらに他の技術的課題は、燃焼することによって音が発生する物質とその製造方法を提供することにある。
【0009】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとするさらに他の技術的課題は、多様な喫煙物品に普遍的に適用され得る音発生物質とその製造方法を提供することにある。
【0010】
本開示の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から本開示の技術分野における通常の技術者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題を解決するための、本開示のいくつかの実施例による喫煙物品は、フィルター部と、音発生物質が添加された喫煙物質部と、を含み、前記の音発生物質は、炭水化物物質を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施例において、喫煙時に前記喫煙物品で発生する音の強さは、20dB~80dBでありうる。
【0013】
いくつかの実施例において、前記音発生物質は、15重量%以上の炭水化物物質を含むことができる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記音発生物質は、グリセリンをさらに含むことができる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記音発生物質は、プロピレングリコール(PG)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCTG)および加香物質のうち少なくとも一つの物質をさらに含むことができる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記音発生物質は、15重量%~90重量%の炭水化物物質と、5重量%~45重量%のグリセリンと、3重量%~43重量%の水分と、を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記喫煙物質部は、タバコ物質を含み、前記タバコ物質に対して前記音発生物質の含量は2重量%~30重量%でありうる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記音発生物質の製造工程中に、グリセリンが投入され、硬化剤が投入されなくてもよい。
【0019】
いくつかの実施例において、前記音発生物質の製造工程は、前記炭水化物物質を含む混合溶液を成形装置に投入して、所定の形態に成形する成形段階と、前記成形段階の結果物を乾燥させる乾燥段階と、を含むことができる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記乾燥段階は、20℃~40℃の温度条件、10%~40%の相対湿度の条件下で5時間以上の間行われ得る。
【0021】
いくつかの実施例において、前記喫煙物質部の製造工程は、ラッピング材上に喫煙物質を投入してロッド(rod)を形成するロッド形成段階を含み、前記音発生物質は、前記ロッド形成段階中にMD(machine direction)方向に投入され得る。
【0022】
いくつかの実施例において、前記音発生物質は、0.2mm~4.0mmの平均直径を有する粒子状の物質でありうる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記音発生物質は、複数の粒子物質を含み、前記複数の粒子物質は、前記喫煙物質部内で規則的な配列形態を有することができる。
【発明の効果】
【0024】
上述した本開示の多様な実施例によれば、音発生物質を通じて喫煙時に聴覚的効果がさらに提供されることによって、喫煙者にさらに向上した喫煙体験が提供され得る。
【0025】
また、喫煙物品の製造時に、タバコ物質と共に音発生物質を投入することによって、喫煙物品の作業性に及ぼす影響が最小化され得る。
【0026】
また、喫煙物品の製造時に、別途の供給装置を介して音発生物質をMD(machine direction)方向に投入することによって、音発生物質が喫煙物質部の内部で規則的な配列性を有することができる。これにより、喫煙中に規則的なパターン(e.g.音の強さ、音の発生間隔)の音が発生することができ、これは、喫煙者にさらに向上した喫煙体験を提供することができる。
【0027】
また、低コストの炭水化物物質に基づいて音発生物質を製造することによって、安い費用で音が発生する喫煙物品が製造され得る。
【0028】
また、人々が食品で摂取する炭水化物物質に基づいて音発生物質を製造することによって、喫煙物品の安全性が保障され得る。
【0029】
また、クローブの香りと関係ない音発生物質を活用することによって、クローブの香りになじまない喫煙者にも、音が発生する喫煙物品が提供され得る。すなわち、特定の香りと関係ない炭水化物物質に基づいて音発生物質を製造することによって、多様な喫煙物品に普遍的に適用可能な音発生物質が提供され得る。
【0030】
本開示の技術的思想による効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本開示の多様な実施例において参照され得る例示的な喫煙物品を示す図である。
図2】本開示の第1実施例によって音発生物質が粒子状で添加された喫煙物品を例示する図である。
図3】本開示の第1実施例によって音発生物質が粒子状で添加された喫煙物品を例示する図である。
図4】本開示の第2実施例によって音発生物質がシート状で添加された喫煙物品を例示する図である。
図5】本開示の第2実施例によって音発生物質がシート状で添加された喫煙物品を例示する図である。
図6】本開示の第2実施例によって音発生物質がシート状で添加された喫煙物品を例示する図である。
図7】本開示の第3実施例によって音発生物質が細長型物体形態で添加された喫煙物品を例示する図である。
図8】本開示の第3実施例によって音発生物質が細長型物体形態で添加された喫煙物品を例示する図である。
図9】本開示の第3実施例によって音発生物質が細長型物体形態で添加された喫煙物品を例示する図である。
図10】本開示のいくつかの実施例による喫煙物品の製造方法を示す例示的なフローチャートである。
図11】本開示のいくつかの実施例による音発生物質の製造方法を示す例示的なフローチャートである。
図12】本開示のいくつかの実施例による音発生物質の投入方法を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して本開示の好ましい実施例を詳細に説明する。本開示の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施例を参照すると明確になるだろう。しかしながら、本開示の技術的思想は、以下の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、単に本実施例は、本開示の技術的しそうを完全にし、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0033】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本開示を説明するに際して、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本開示の要旨を不明にすることができると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0034】
他の定義がないと、本明細書において使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。本明細書で使用された用語は、実施例を説明するためのものであって、本開示を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は、文言において特に言及しない限り、複数型も含む。
【0035】
また、本開示の構成要素を説明するに際して、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、当該他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」され得ると理解されなければならない。
【0036】
本開示で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0037】
まず、以下の実施例において使用されるいくつかの用語について明確にすることとする。
【0038】
以下の実施例において、「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコ派生物、膨化タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)またはタバコ代用物に基づくかに関係なく、喫煙可能な任意の製品または喫煙体験を提供できる任意の製品を意味し得る。例えば、喫煙物品は、巻きタバコ、葉巻きたばこ(cigar)および細い葉巻きたばこ(cigarillo)などのような喫煙可能製品を含むことができる。
【0039】
以下の実施例において、「喫煙物質」(smoking material)とは、喫煙に利用される物質を意味し得る。例えば、喫煙物質は、タバコ物質を含むことができ、タバコ物質は、粉砕されたタバコの葉、膨化主脈、タバコ刻み(e.g.葉タバコ刻み、板状葉刻み)、タバコシート(e.g.板状葉)などのようにタバコ原料を基礎とするすべての種類の物質を含むことができる。
【0040】
以下の実施例において、「パフ(puff)」は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内または肺に引き寄せる状況を意味し得る。
【0041】
以下の実施例において、「上流」(upstream)または「上流方向」は、喫煙者の口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)または「下流方向」は、喫煙者の口部から近づく方向を意味し得る。上流および下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために利用され得る。例えば、図1に示された喫煙物品1において、喫煙物質部12は、フィルター部11の上流または上流方向に位置し、フィルター部11は、喫煙物質部12の下流または下流方向に位置する。
【0042】
以下の実施例において、「長さ方向」(longitudinal direction)は、喫煙物品の長さ方向の軸に相当する方向を意味し得る。
【0043】
以下では、本開示の多様な実施例について添付の図面により詳細に説明する。
【0044】
本開示の多様な実施例によれば、喫煙物質部に音発生物質が添加されて、喫煙時に音が発生する喫煙物品が提供され得る。そして、音発生物質は、炭水化物物質(e.g.単糖類、多糖類など)を含むことができる。音発生物質を添加する具体的な方式は変わることができるので、前記喫煙物品は、多様な形態で設計および製造され得る。
【0045】
多様な形態の喫煙物品について説明するに先立って、理解の便宜を提供するために、本開示の多様な実施例において参照され得る例示的な喫煙物品について先に説明することとする。
【0046】
図1は、本開示の多様な実施例で参照され得る例示的な喫煙物品1を示す。
【0047】
図1に示されたように、喫煙物品1は、フィルター部11と喫煙物質部12を含むことができる。ただし、図1には、本開示の実施例と関連した構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら、図1に示された構成要素の他に他の汎用的な構成要素がさらに含まれ得ることが分かる。また、当該技術分野における従事者なら、喫煙物品1の細部構造が多様な形態に変形され得ることを容易に理解することができる。以下、喫煙物品1の構成要素について説明することとする。
【0048】
フィルター部11は、フィルター物質で構成されたフィルター本体と、これをラッピングするフィルターラッパー(filter wrapper)とを含むことができ、喫煙物質部12の一末端と連結され得る。例えば、フィルター部11と喫煙物質部12は、ロッド(rod)形状を有し、長軸方向に整列され、フィルター部11の上流末端が喫煙物質部12の下流末端と連結され得る。フィルター部11と喫煙物質部12は、ティッピングラッパー(tipping wrapper)により連結され得るが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。いくつかの実施例において、フィルター部11は、マウスピースの役割を兼ねることができる。
【0049】
前記フィルター本体は、フィルター物質としてセルロースアセテート繊維(トウ)を含むことができるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施例において、フィルター本体は、当該技術分野において広く知られた少なくとも一つのフィルター物質をさらに含むことができる。例えば、フィルター本体は、炭素を含む吸着剤、活性炭などをさらに含むことができる。
【0050】
フィルター部11は、単一フィルターまたは多重フィルターからなり得る。また、フィルター部11は、多重フィルターにより形成されるキャビティ(cavity)を含むことができ、フィルター部11の内部(e.g.キャビティ)には、香味物質が含有されたカプセルが位置することもできる。このように、フィルター部11の細部構造は、多様に変形されることができて、本開示の技術的範囲は、フィルター部11の細部構造により限定されない。
【0051】
次に、喫煙物質部12は、喫煙物質と、これをラッピングするラッパーとを含むことができる。喫煙物質部12は、ロッド(rod)形状を有することができるが、本開示の技術的範囲がこれに限定されるものではない。
【0052】
前記喫煙物質は、煙および/またはエアロゾル(aerosol)を発生させたり喫煙に利用される多様な種類の物質を含むことができる。喫煙物質により発生した煙および/またはエアロゾルは、フィルター部11を介して喫煙者の口部に吸入され得る。
【0053】
前記喫煙物質は、例えばタバコ物質を含むことができる。タバコ物質は、例えばタバコ葉切片、タバコ幹などのようなタバコ原料と、これから加工された物質を含むことができる。より具体的な例として、タバコ物質は、粉砕されたタバコの葉、膨化主脈、タバコ刻み(e.g.葉タバコ刻み、板状葉刻み)、タバコシート(e.g.板状葉)などを含むことができる。
【0054】
いくつかの実施例において、前記喫煙物質は、湿潤剤、香味剤および/または有機酸(organic acid)のような添加物質をさらに含むことができる。例えば、湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むことができる。湿潤剤は、タバコ物質内の水分を適正水準に維持して固有の味をやわらかくし、霧化量を豊富にすることができる。また、香味剤は、例えば、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモム、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コエンドロ、クローブ抽出物(またはクローブ物質)またはコーヒーなどを含むことができる。
【0055】
いくつかの実施例において、前記喫煙物質は、クローブ物質を含むことができる。例えば、クローブ物質は、クローブ植物(e.g.クローブ葉)を粉砕または加工して生成されたクローブ粉末、クローブ植物切片などを含むことができる。このような場合、喫煙中にパチパチ(またはクリテック-クリテック)というクラックルサウンド(crackling sound)が発生するので、クローブの香りに聴覚的な効果が加えられて、喫煙者にさらに向上した喫煙体験が提供され得る。
【0056】
いくつかの実施例において、クローブの香りを倍加させるために、オイゲノール成分を含むクローブ抽出物(e.g.クローブオイル)が香味剤として添加され得る。この際、香味剤の香り保存性を向上させるために、香味剤が固形化された多孔性顆粒の形態で添加され得る。例えば、香味顆粒は、喫煙物品1のフィルター部11、喫煙物質部12および/またはフィルター部11に形成されたキャビティなどに添加され得る。本実施例によれば、クローブ抽出物を多孔性構造を有する顆粒で製造することによって、クローブ抽出物の揮発性が抑制され得、これにより、香味剤の香り保存性が大きく向上することができる。
【0057】
以下では、本開示の多様な実施例による音が発生する喫煙物品について説明することとする。
【0058】
喫煙物品で発生する音は、喫煙時に聴覚的効果を付加することによって、喫煙者にさらに向上した喫煙体験を提供することができる。例えば、喫煙物品から出る音は、喫煙者にとって喫煙行為を遊戯的行為と認知するようにすることによって、新しい喫煙体験を提供することができる。したがって、本開示の発明者らは、喫煙物品に添加され得る音発生物質について持続的な研究を行った。例えば、本発明者らは、燃焼時に基準値以上の音が発生する物質について持続的な研究を行った。研究結果、驚くべきことに、本発明者らは、炭水化物物質またはこれを含む組成物が燃焼過程で音が発生する特性を有していることを確認することができた。より具体的に、本発明者らは、炭水化物物質またはその組成物が燃焼時に結晶の構造がこわれたり亀裂ができて、音が発生する特性を有していることを確認することができた。
【0059】
炭水化物物質を音発生物質として活用すると、次のような多様な利点が確保され得る。第一に、炭水化物物質は、容易に手に入れることができ、コストも安いので、音が発生する喫煙物品が安い費用で製造され得る。例えば、炭水化物物質は、クローブ物質より格別に安いので、クレテックタバコより安い費用で音発生喫煙物品の製造が可能である。第二に、炭水化物物質は、ジャガイモ、小麦、米、とうもろこしなどに含まれていて、人々が平常時に摂取する物質であるから、安全性がすでに立証された物質である。したがって、音発生喫煙物品の安全性の立証に必要とされる費用が大きく節減され得る。
【0060】
上記で説明したように、音発生物質は、炭水化物物質またはこれを含む組成物であってもよい。ここで、炭水化物物質は、単糖類および/または多糖類物質を含むことができ、多糖類物質は、例えばスターチ(starch)、アガ(agar)、ペクチン(pectin)などを含むことができるが、これに制限されず、多様な物質がさらに含まれ得る。
【0061】
また、音発生物質が組成物である場合、音発生物質の組成成分および組成比は多様でありうる。例えば、音発生物質は、炭水化物物質の他にグリセリン、水分、プロピレングリコール(PG)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCTG)および加香物質のうち少なくとも一つの物質をさらに含むことができる。
【0062】
より具体的な例として、音発生物質は、約15重量%~99重量%の炭水化物物質を含むことができる。好ましくは、音発生物質は、約30重量%または40重量%以上の炭水化物物質を含むことができるが、これは、炭水化物物質の含量が増加するほど音発生物質の音の強さが増加することができるためである(実験例2など参照)。
【0063】
他の例として、音発生物質は、グリセリン、水分、プロピレングリコール(PG)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCTG)および/または加香物質などの添加物質を約5重量%~70重量%で含むことができる。たとえば、音発生物質は、約5重量%~50重量%のグリセリンを含むことができ、好ましくは、約10重量%~40重量%、15重量%~45重量%または約15重量%~35重量%のグリセリンを含むことができる。グリセリンは、音発生物質の硬度を増加させることによって、物質の形態を維持し、音の強さをも増加させることができるが、実験結果(実験例2など参照)でも、グリセリンの含量が増加するにつれて、音の強さが増加することが示されている。また、グリセリンおよびプロピレングリコールは、保湿物質として、喫煙物品の霧化量を増大させるための用途に添加されることもできる。加香物質は、喫煙物品の香り発現性を向上させるための用途に添加され得る。
【0064】
さらに他の例として、音発生物質は、約15重量%~90重量%の炭水化物物質、約5重量%~45重量%のグリセリンおよび約3重量%~43重量%の水分を含むことができる。このような組成範囲内で、音発生物質が適切な硬度を有し、音の強さも向上することが示されている(実験例1および2など参照)。
【0065】
一方、音発生物質を喫煙物品に添加する方式は、実施例によって変わることができるが、これと関連しては、図2以降の図面を参照して詳細に説明することとする。以下の説明では、明細書の明瞭さのために、上記で説明したことと重複する内容に関する説明は省略することとし、以降の図面に示された喫煙物品2~4の構成要素に関する説明は、図1の説明内容を参照することとする。
【0066】
まず、図2および図3を参照して本開示の第1実施例による喫煙物品2について説明することとする。
【0067】
図2または図3に示されたように、第1実施例では、粒子(particle)状に加工された音発生物質20が、喫煙物品2の喫煙物質部22に添加され得る。ここで、粒子状というのは、粉末(powder)、顆粒(granule)、ビーズ(bead)などの形状を全部含むことができることはもちろんである。喫煙物品2は、図1に示された喫煙物品1と同様に、フィルター部21と喫煙物質部22で構成されるが、上記で説明したように、喫煙物品2の細部構造は、いくらでも変形され得る。
【0068】
図2に示されたように、粒子状の音発生物質20(以下、音発生粒子と称する)が、喫煙物質部22の内部に添加され得る。例えば、音発生粒子20は、喫煙物質ロッド(rod)を形成する工程の間、タバコ物質(e.g.刻み)と共に投入されて、喫煙物質部22の内部に配置され得るが、このような方法については、後で図12を参照して詳細に説明することとする。しかし、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、音発生粒子20は、他の方式で添加されても構わない。
【0069】
一方、音発生粒子20の形状、サイズ、添加量および/または配列形態は、実施例によって変わることができる。
【0070】
いくつかの実施例において、音発生粒子20は、球形類似形状を有し、直径(e.g.平均直径)は、約0.2mm~4.0mmでありうる。好ましくは、前記直径は、約0.5mm~4.0mmまたは0.5mm~3.0mmでありうる。より好ましくは、前記直径は、約0.8mm~2.0mmでありうる。このように、音発生粒子20は、適切なサイズを有することが好ましいが、これは、サイズが非常に小さい場合には、音の強さが減少し、サイズが非常に大きい場合にも、燃焼性が落ちて音の強さが減少することができるためである(実験例1など参照)。
【0071】
いくつかの実施例において、音発生粒子20の含量(添加量)は、タバコ物質に対して約1重量%~40重量%または2重量%~35重量%でありうる。好ましくは、前記含量は、約2重量%~30重量%または5重量%~35重量%であってもよく、より好ましくは、約10重量%~30重量%または15重量%~30重量%であってもよい。これは、音発生粒子20の含量が非常に少ないと、音発生効果が弱く、含量が非常に多いと、音が非常に大きいか、タバコ物質の含量が減少して、タバコ味が減少することができるためである。ただし、音発生粒子20は、タバコ物質に比べて相対的に安いので、音発生粒子20の含量が多くなるほど喫煙物品2の材料費が節減され得る。上述した音発生粒子20の含量範囲は、音発生物質20が他の形態(e.g.シート、細長型物体)で添加された場合にも、同様に適用され得る。
【0072】
いくつかの実施例において、複数の音発生粒子20は、喫煙物質部22の内部で規則的な配列形態を有することができる(図2参照)。例えば、複数の音発生粒子20は、無作為に配置されるのではなく、一定の間隔で配置されたり均一に分布することができる。このような場合、音が一定に発生したり、パフ別の音の強さの最大偏差が基準値(e.g.約10dB、5dBなど)以下になり得るので、喫煙中に持続的かつ一貫した聴覚刺激効果が提供され得る。
【0073】
また、本開示のいくつかの実施例によれば、音発生粒子20のサイズ、添加量、分布、配置間隔、配置形態および/または添加位置などを変更することによって、喫煙時の音発生パターン(e.g.音の大きさ、音の持続時間、音の発生間隔、音の変化様相など)が調節され得る。例えば、喫煙物質部22の内部に音発生粒子20が均等に分布するように添加することによって、喫煙中に一定に音が発生するようにすることができる。他の例として、喫煙物質部22の特定セグメントにのみサイズが大きい音発生粒子20を多量添加することによって、喫煙中に特定時点にのみ弾む音が発生するようにすることができる。さらに他の例として、図3に示されたように、喫煙物質部22を構成する複数のセグメント23-1~23-3のうち下流側セグメント23-2または23-3にさらに少ない量(e.g.小さいサイズまたは小さい個数)の音発生粒子20を添加(e.g.下流側に行くほどさらに少ない量の粒子を添加)することで、喫煙物質が消尽するにつれて音が次第に(さらに)小さくなるようにすることができる。これとは、反対に、下流側セグメント23-2または23-3にさらに多くの量の音発生粒子20を添加(e.g.下流側に行くほどさらに多くの量の粒子を添加)することで、喫煙物質が消尽されるにつれて音が次第に(さらに)大きくなるようにすることもできる。このような場合、音変化を通じて喫煙終了時点を喫煙者に知らせる効果が達成され得る。
【0074】
一方、本開示の他のいくつかの実施例によれば、音発生粒子20は、喫煙物質をラッピングしているラッパーに添加されることもできる。この際、ラッパーの坪量は、30g/m~60g/mであり得、好ましくは、35g/m~55g/m、より好ましくは、40g/m~50g/mまたは42g/m~48g/mでありうる。このように、ラッパーは、基準値以上の坪量を有することが好ましいが、これは、適切なサイズの(すなわち、適切な音の強さを有する)音発生粒子20がラッパーに添加されるためには、ラッパーが一定以上の厚さに加工される必要があるためである。
【0075】
以上、図2および図3を参照して本開示の第1実施例による喫煙物品2について説明した。上述したところによれば、粒子状に加工された音発生物質20を喫煙物質部22に添加することによって、音が発生する喫煙物品2が容易に製造され得、喫煙者にさらに向上した喫煙体験が提供され得る。
【0076】
以下では、図4図6を参照して本開示の第2実施例による喫煙物品3について説明することとする。
【0077】
図4図6に示されたように、第2実施例では、シート(sheet)状に加工された音発生物質40が喫煙物品3の喫煙物質部32に添加され得る。喫煙物品3は、図1に示された喫煙物品1と同様に、フィルター部31と喫煙物質部32で構成され得るが、上記で説明したように、喫煙物品3の細部構造は、いくらでも変形され得る。
【0078】
図示のように、シート状に加工された音発生物質30(以下「音発生シート」)が喫煙物質部32に添加される具体的な方式は多様でありうる。
【0079】
いくつかの実施例において、図4に示されたように、音発生シート30がタバコシート33に隣接して配置されるように添加され得る。例えば、音発生シート30とタバコシート33が適切に混ざって(e.g.音発生シート30をタバコシート33に積層、付着したり、一緒にぐるぐる巻くなど)、喫煙物質部32に添加され得る。タバコシート33は、例えば板状葉のような再生タバコシートでありうるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。他の例として、音発生シート30がタバコシート33の一部分で構成されるなどのように、音発生シート30とタバコシート33が一体型で構成されて、喫煙物質部32に添加されることもできる。
【0080】
上述した実施例において、音発生シート30とタバコシート33の厚さ比率は、約0.5:1~3:1でありうる。好ましくは、前記厚さ比率は、約1:1~3:1であり得、より好ましくは、約1:1~2:1または1.2:1~1.8:1でありうる。このように、音発生シート30の厚さがタバコシート33より厚いことが好ましいが、これは、一般的に音発生シート30の燃焼性がタバコシート33より優れているためである。すなわち、2つのシート30、33の燃焼速度を類似に適合させるためには、音発生シート30をもう少し厚く加工することが好ましい。
【0081】
他のいくつかの実施例では、図5に示されたように、音発生シート30が喫煙物質をラッピングしているラッパー34に配置され得る。例えば、音発生シート30がラッパー34の一部分を構成したり、ラッパー34の内部に付着することができる。図5は、音発生シート30が喫煙物品3の長さ方向に付着したことを例として示しているが、これは変わることもできる。たとえば、図6に示されたように、一つ以上の音発生シート30-1~30-3が喫煙物品3の横方向に付着することもできる。
【0082】
一方、本開示のいくつかの実施例によれば、音発生シート30のサイズ(e.g.長さ、厚さ)、配置位置、配置間隔および/または配置形態などを変更することによって、喫煙時の音発生パターンが調節され得る。例えば、図6に示されたように、音発生シート30-1~30-3を一定の間隔で離隔配置することによって、喫煙時に一定の間隔で音が発生するようにすることができる。他の例として、下流側ラッパー34領域にさらに小さい音発生シート30を配置し、上流側ラッパー34領域にさらに大きい音発生シート30を配置することによって、喫煙物質が消尽されるにつれて、音が次第に(さらに)小さくなるようにすることができる。これとは、反対に、下流側近いラッパー34領域にさらに大きい音発生シート30を配置することによって、喫煙物質が消尽されるにつれて、音が次第に(さらに)大きくなるようにすることもできる。このような場合、音の変化を通じて喫煙終了時点を喫煙者に知らせる効果が達成され得る。
【0083】
以上では、図4図6を参照して本開示の第2実施例による喫煙物品3について説明した。上述したところによれば、シート状に加工された音発生物質40を喫煙物質部32に添加することによって、喫煙時に音が発生する喫煙物品3が容易に製造され得、喫煙者にさらに向上した喫煙体験が提供され得る。
【0084】
以下では、図7図9を参照して本開示の第3実施例による喫煙物品4について説明することとする。
【0085】
図7図9に示されたように、第3実施例では、音発生物質40が細長型物体の形態に加工されて喫煙物品4の喫煙物質部42に添加され得る。ここで、細長型は、細くて長いすべての物体の形態を含むものであり、例えばようじのような細くて長い円筒形の形状を意味し得るが、これに限定されるものではない。ただし、以下では、理解の便宜を提供するために、音発生物質40が細長型の円筒形状に加工されたものを仮定して説明を継続することとする。喫煙物品4は、図1に示された喫煙物品1と同様に、フィルター部41と喫煙物質部42で構成され得るが、上記で説明したように、喫煙物品4の細部構造は、いくらでも変形され得る。
【0086】
図示のように、細長型物体の形態に加工された音発生物質40(以下、「音発生物体」)が喫煙物品4に適用される具体的な方式は多様でありうる。
【0087】
いくつかの実施例では、図7に示されたように、喫煙物質部42の内部に一つ以上の音発生物体40が配置され得る。例えば、喫煙物質部42の中心の付近に音発生物体40が配置され得る。他の例として、図8の断面図に示されたように、喫煙物質部42の指定された位置に複数の音発生物体40-1、40-2などが配置されることもできる。
【0088】
上述した実施例において、音発生物体40の直径dは、喫煙物質部42の直径dに対して約1%~40%でありうる。好ましくは、直径dは、喫煙物質部42の直径dに対して約2%~35または3%~30%であり得、より好ましくは、約5%~20%、6%~18%または7%~15%でありうる。このように、音発生物体40の直径d2は、適切な長さに設定されることが好ましいが、その理由は、次の通りである。
【0089】
まず、音発生物体40の直径d2が非常に小さいと、速く燃焼して音持続時間が短くなったり、音発生物質40の含量が少なくなって、音の強さが減少することができる。また、音発生物体40の直径d2が小さくてタバコ物質より速く燃焼すると、喫煙時にタバコの灰が拡散されたり、飛び散って、喫煙者と周辺人に不便さを及ぼす恐れがある。したがって、音発生物体40の直径d2は、一定の長さ以上になることが好ましい。
【0090】
反対に、音発生物体40の直径d2が非常に大いと、音発生物体40の燃焼性が落ちて音の強さが減少することができ、タバコ物質の含量が少なくなって、タバコ味が低下することもできる。したがって、音発生物体40の直径d2は、一定の長さ未満になることが好ましい。
【0091】
また、音発生物体40の面積は、喫煙物質部42の面積に対して約1%~40%でありうる。好ましくは、音発生物体40の面積は、喫煙物質部42の面積に対して約2%~35または3%~30%であり得、より好ましくは、約5%~20%、6%~18%または7%~15%でありうる。このように、音発生物体40の面積は、適切なサイズに設定されることが好ましいが、その理由は、前述したところと類似している。
【0092】
他のいくつかの実施例では、図9に示されたように、音発生物体40が切り刻まれた状態で喫煙物質部42に添加され得る。この際、音発生物体40は、一定のサイズに切り刻まれてもよく、互いに異なるサイズに切り刻まれてもよい。
【0093】
一方、本開示のいくつかの実施例によれば、音発生物体40のサイズ(e.g.長さ、厚さ、体積)、配置位置、配置間隔および/または配置形態などを変更することによって、喫煙時の音発生パターンが調節され得る。例えば、音発生物体40を一定の間隔で離隔配置することによって、喫煙時に一定の間隔で音が発生するようにすることができる。他の例として、図9に示されたように、喫煙物質部42を構成する複数のセグメント42-1~42-3のうち上流側セグメント42-1にさらに多くの量の音発生物体40を配置し、下流側セグメント42-2または42-3にさらに少ない量の音発生物体40を配置することによって、喫煙物質が消尽されるにつれて、音が次第に(さらに)小さくなるようにすることができる。これとは反対に、下流側セグメント42-2または42-3にさらに多くの音発生物体40を配置することによって、喫煙物質が消尽されるにつれて、音が次第に(さらに)小さくなるようにすることもできる。このような場合、音変化を通じて喫煙終了時点を喫煙者に知らせる効果が達成され得る。
【0094】
以上では、図7図9を参照して本開示の第3実施例による喫煙物品4について説明した。上述したところによれば、細長型物体形態に加工された音発生物質40を喫煙物質部42に添加することによって、音が発生する喫煙物品4が容易に製造され得、喫煙者にさらに向上した喫煙体験が提供され得る。
【0095】
以上では、図2図9を参照して本開示の第1~第3実施例による喫煙物品2~4について説明した。各実施例を区分して説明したが、上述した実施例は、多様な形態で組み合わせられる。例えば、音発生粒子20、音発生シート30および音発生物体40のうち2つ以上の音発生物質が喫煙物質部に添加されることもできる。
【0096】
また、上述した喫煙物品2~4は、喫煙中に音を発生させることができるが、音の強さは、約20dB~80dBであり得、好ましくは、約40dB~70dBまたは約50dB~65dBでありうる。このような音の強さは、喫煙時に適当な水準の聴覚刺激を提供することによって、喫煙者の喫煙体験をさらに向上させることができる。参考として、喫煙物品2~4の音の強さは、音発生物質20~40のサイズ、添加量、組成成分および/または組成比などを変更することによって調節され得る。
【0097】
また、いくつかの実施例において、上述した喫煙物品2~4のパフ別の音の強さの最大偏差は、約10dBまたは7dB以下であり得、好ましくは、約5dB、3dBまたは1dB以下でありうる。ここで、パフ別の偏差は、喫煙序盤と後半のパフ(e.g.最初のパフ、最後のパフ)を除いて喫煙中盤のパフ(e.g.3~7回目パフ)を基準として算出されることもできる。音の強さの偏差が基準値以下というのは、一定の音が持続的に発生することを意味するので、基準値以下の音の強さ偏差を有する喫煙物品2~4は、喫煙者にさらに向上した喫煙体験を提供することができる。参考として、音の強さの偏差は、音発生物質20~40のサイズ、添加量、組成成分、組成比、配置形態および/または配置間隔などを変更することによって調節され得る。
【0098】
喫煙物品2~4の音の強さおよび偏差と関連しては、実験例1および2などをさらに参照することとする。
【0099】
以下では、図10図12を参照して上述した音発生物質(e.g.20~40)と喫煙物品(e.g.2~4)を製造する方法に関して説明することとする。
【0100】
図10は、本開示のいくつかの実施例による喫煙物品2~4の製造方法を示す例示的なフローチャートである。
【0101】
図10に示されたように、前記製造方法は、音発生物質を製造する段階S20から始まることができる。段階S20の細部過程は、図11に示されている。
【0102】
図11に示されたように、音発生物質は、混合溶液の製造段階S22、成形段階S24,洗浄段階S26および乾燥段階S28を通じて製造され得る。しかし、他のいくつかの実施例では、一部段階は省略されることができ、追加段階がさらに付加されることもできる。以下、各段階について詳細に説明することとする。
【0103】
段階S22で、混合溶液が製造され得る。例えば、音発生物質を構成する成分(e.g.炭水化物物質、グリセリン、PG、MCTG、加香物質など)を溶媒(e.g.水など)と混合して混合溶液が製造され得る。混合溶液を構成する成分および混合比は変わることができるが、これにより、音発生物質の組成成分および/または成分比も変わることになる。また、混合溶液を製造するために、当該技術分野において公知となった撹拌器が活用され得るが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0104】
段階S24で、混合溶液が成形装置を用いて所定の形態に成形され得る。例えば、ビーズを製造する射出成形装置(e.g.直径3mmmのノズルを利用する射出成形装置)を用いて混合溶液がビーズ形態に成形され得る。しかし、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、成形装置は、混合溶液をシート、細長型物体などの形態に成形することもできる。
【0105】
参考として、混合溶液が炭水化物物質と加香物質(または加香液)を含む場合、射出成形装置は、炭水化物物質が加香物質を含有する形態(e.g.カプセル形態)でビーズを製造することもできる。
【0106】
また、本段階S24で、成形装置の結果物(e.g.ビーズ)をMCTG溶媒に浸漬させて冷却する過程がさらに行われることもできる。
【0107】
一方、図11に示されたように、音発生物質の製造工程は、硬化段階を含まなくてもよいが、これは、音発生物質の安全性をより向上させるための措置と理解され得る。すなわち、音発生物質の製造時に硬化剤が投入されないことによって、音発生物質の安全性がより向上することができる。参考として、硬化剤の未投入による硬度低下問題は、混合溶液に含まれたグリセリンにより緩和され得る。グリセリンは、粘性が強い物質であって、音発生物質の硬度を増加させる作用ができるためである。ただし、他のいくつかの実施例では、音発生物質の製造時に、硬化段階がさらに行われることもできる。
【0108】
段階S26で、成形装置の結果物に対して洗浄が行われ得る。例えば、エタノールなどの洗浄溶媒を利用して前記結果物が洗浄され得る。洗浄回数は、1回であってもよく、それ以上であってもよい。
【0109】
段階S28で、洗浄された結果物が乾燥されることによって、音発生物質が生成され得る。乾燥は、多様な方式で行われ得るが、例えば、ロータリータイプの乾燥器を利用して行われ得る。しかし、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0110】
一方、乾燥条件によって音発生物質の水分含量が調節され得、乾燥条件は、多様に設定され得る。
【0111】
いくつかの実施例において、乾燥条件は、約20℃~40℃の温度条件、約10%~40%の相対湿度条件および5時間以上の乾燥時間に設定され得る。ここで、温度条件、相対湿度条件および/または乾燥時間は、上述した数値範囲内で調節されることもできる。たとえば、乾燥条件は、約23℃の温度条件、約18%の相対湿度条件および10時間以上の乾燥時間に設定されることもできる。
【0112】
さらに図10を参照して説明する。
【0113】
段階S40で、音発生物質が喫煙物質ロッドに投入され得る。より具体的に、ラッピング材にタバコ物質を充填して喫煙物質ロッドを形成する間、音発生物質が投入され得る。理解の便宜を提供するために、本段階について図12を参照して説明することとする。参考として、図12は、理解の便宜を提供するために、喫煙物質ロッドの形成過程を概念的に示しているので、実際製造方式は異なることもできる。また、図12は、タバコ物質として刻みタバコ54が使用されることを仮定している。
【0114】
図12に示されたように、刻みタバコ供給装置53によりラッピング材51上に刻みタバコ54が供給され、同時に別途の供給装置52により音発生物質50がMD(machine direction)方向(すなわち、喫煙物品の長さ方向)に供給され得る。かくして、製造工程の作業性に影響を及ぼさずに、高速で音が発生する喫煙物品(e.g.2~4)が製造され得る。それだけでなく、別途の供給装置52が音発生物質50の供給を制御することによって、音発生物質50の配列形態が容易に制御され得る。例えば、供給装置52は、音発生物質50がロッド形態の刻みタバコ55または喫煙物質ロッド56内で規則的に配列されるようにすることができる。供給装置52は、音発生物質50の投入量も制御することができる。
【0115】
ラッピング材51により刻みタバコ54と音発生物質50がラッピングされることによって、喫煙物質ロッド56が形成され得、喫煙物質ロッド56は、後で複数の喫煙物質部56-1、56-2に切断され得る(段階S60参照)。
【0116】
段階S60で、形成された喫煙物質ロッドが切断されることによって、複数の喫煙物質部が製造され得る。製造された喫煙物質部は、上述した喫煙物質部22~42に対応することができる。
【0117】
段階S80で、喫煙物質部とフィルター部を連結して喫煙物品が構成され得る。例えば、喫煙物質部とフィルター部をティッピングラッパーで連結することによって、喫煙物品が構成され得る。構成された喫煙物品は、上述した喫煙物品2~4に対応することができる。
【0118】
以上、図10図12を参照して音発生物質と喫煙物品の製造方法について説明した。
【0119】
以下では、実施例と比較例を通じて前述した喫煙物品2~4の構成および効果についてより詳細に説明することとする。しかし、以下の実施例は、喫煙物品2~4の一部の例示に過ぎないので、本開示の範囲がこのような実施例に限定されるものではない。
【0120】
[実施例1]
図2に示された喫煙物品2と同じ構造を有する喫煙物品を製造した。巻きタバコの製造時に約600mgの刻みタバコとビーズ形態で製造された約40個の音発生物質を投入し、音発生物質は、規則的な配列形態を有するように投入された。また、音発生物質は、図11に示された方法により製造されたが、製造された音発生物質は、約33重量%のアガ、約19重量%のペクチン、約29重量%のグリセリンおよび約19重量%の水分で構成され、粒径は、約1.0mm~1.25mmであった。
【0121】
[実施例2]
音発生物質の粒径が約0.5mm~0.75mmである点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0122】
[実施例3]
音発生物質の粒径が約1.5mm~1.75mmである点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0123】
[実施例4]
音発生物質の粒径が約2.0mm~2.25mmである点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0124】
[実施例5]
音発生物質の粒径が約2.5mm~2.75mmである点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0125】
[実施例6]
音発生物質が約27重量%のアガ、約21重量%のペクチン、約32重量%のグリセリンおよび約20重量%の水分で構成された点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0126】
[実施例7]
音発生物質が約39重量%のアガ、約21重量%のペクチン、約21重量%のグリセリンおよび約19重量%の水分で構成された点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0127】
[実施例8]
音発生物質が約55重量%のアガ、約31重量%のペクチンおよび約14重量%の水分で構成された点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0128】
[実施例9]
音発生物質が約15重量%のアガ、約16重量%のペクチン、約48重量%のグリセリンおよび約21重量%の水分で構成された点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0129】
[比較例1]
音発生物質として同じ量のクローブ植物切片を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0130】
[比較例2]
音発生物質を投入しない点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0131】
下記の表1は、実施例1~9と比較例1および2による巻きタバコの条件を整理したものである。
【0132】
【表1】
【0133】
「実験例1:粒子サイズによる音の強さの測定」
実施例1~5および比較例1による喫煙物品に対して音の強さを測定する実験を進めた。温度が略20℃であり、湿度が略62.5%である喫煙室で自動喫煙装置を利用してHC(Health Canada)喫煙条件によって実験が進行され、音の強さは、回当たり8パフを基準として5回の測定結果に対する平均値として算出された。また、音の強さの測定のためにBSWA 308騒音測定器が使用された。実験結果は、下記の表2に記載されている。
【0134】
【表2】
【0135】
前記表2を参照すると、実施例による喫煙物品の音の強さが、比較例1を大きく上回ることが示されている。これにより、実施例による音発生物質の音発現性能がクローブ物質に比べて優れていることが分かり、前記音発生物質の添加時にクレテックタバコより優れた喫煙体験を提供する喫煙物品が製造され得ることが分かる。
【0136】
また、平均粒径が大きくなるにつれて、音の強さも、概して大きくなることが示されている。例えば、実施例1および3による喫煙物品の音の強さが、平均粒径がさらに小さい実施例2より高く示された。ただし、平均粒径が最も大きい実施例5の場合、実施例4より音の強さが低いことが示されているが、これは、粒子サイズと燃焼性の相関関係から始まった結果と判断される。すなわち、粒子サイズが大きくなるほど音発生物質の燃焼性が落ちるので、粒子サイズが一定以上になると、かえって音発生効果が落ちる現象が現れるが、このような現象から始まった結果と判断される。
【0137】
また、実施例による喫煙物品の音の強さ偏差が、比較例1に比べて非常に小さいことが示された。これは、前記喫煙物品に添加された音発生物質が比較例1のクローブ物質より規則的な配列性を有するためであると判断される。これにより、実施例による喫煙物品がクレテックタバコより非常に優れた喫煙体験を提供できることが分かる。
【0138】
「実験例2:物質組成による音の強さの測定」
実施例1、6~9による喫煙物品の音の強さを測定する実験を進めた。音の強さの測定は、実験例1と同じ方式で行われ、実験結果は、下記の表3に記載されている。下記の表3で、比較例1に対する実験結果は、表2の実験結果をさらに記載したものである。
【0139】
【表3】
【0140】
前記表3を参照すると、実施例による喫煙物品の音の強さが、比較例1より非常に優れていることが示された。これにより、組成比によって音の強さの差異があるが、いかなる組成比を有しても、音発生物質の性能は、少なくともクローブ物質より優れているという点が容易に予測され得る。
【0141】
また、実施例1、6~9(8除外)に対する実験結果を参照すると、炭水化物物質の含量が増加するにつれて、喫煙物品の音の強さも概して増加することが示されている。これを通じて、炭水化物物質が音を発生させる要因として作用することを確認することができる。
【0142】
また、実施例8に関する実験結果をさらに参照すると、グリセリンが一定の比率で添加される場合、喫煙物品の音の強さがさらに増加することが示されている。例えば、実施例8による音発生物質が最も多い炭水化物物質を含んでいるにも関わらず、音の強さは、他の実施例より低いことが示された。これは、グリセリンが音発生物質の硬度を増加させる作用をするためであると判断される。
【0143】
上記のような実験結果を総合してみると、炭水化物物質またはこれを含む組成物がクローブ物質より優れた音発生物質であり、炭水化物物質の含量調節を通じて音発生物質の音発現性能を調節できることが分かる。また、音発生物質の製造時にグリセリンを適切な量で添加することが好ましいことが分かる。
【0144】
「実験例3:製造作業性の評価」
音発生物質の添加が製造作業性に及ぼす影響を評価するために、実施例1による喫煙物品の製造作業性を比較例2と比較した。音発生物質は、図12に示されたように、別途の供給装置(e.g.52)により供給されたが、喫煙物品の製造速度と不良率において有意味な差異が示されていない。これにより、図12に示された方式で音発生物質を添加する場合、喫煙物品の製造作業性にほとんど影響を及ぼさないことが分かる。
【0145】
「実験例4:物性分析」
音発生物質の添加が喫煙物品の物性に及ぼす影響を調べてみるために、実施例1および比較例2による喫煙物品の物性を測定する実験を進めた。測定項目および結果は、下記の表4に記載されている。参考として、下記の表4で、空気希釈率は、最終主流煙の総体積と喫煙物品に流入した外部空気との体積比(ratio)を意味し得る。
【0146】
【表4】
【0147】
前記表4に記載されたように、音発生物質の添加は、喫煙物品の重量を若干増加させるという点を除いて、物性の変化に及ぼす影響が殆どないことが示された。これを通じて、実施例による音発生物質は、喫煙時に聴覚的効果を付加する肯定的な作用をすることが分かる。
【0148】
「実験例5:煙成分の分析」
実施例1および比較例2による喫煙物品の煙成分を分析する実験を進めた。具体的に、実施例1および比較例2による喫煙物品の主流煙に対する煙成分を分析し、喫煙実験は、温度が略20℃であり、湿度が略62.5%である喫煙室で自動喫煙装置を利用してHC(Health Canada)喫煙条件によって進行された。成分分析のための煙捕集は、試料別に3回ずつ、回当たり8パフを基準として反復実施され、3回ずつの捕集結果に対する平均値が下記の表5に記載されている。
【0149】
【表5】
【0150】
前記表5を参照すると、実施例1のニコチンおよびタール移行量が、比較例2とほぼ類似していることが示されているが、これは、喫煙者が感じる全体的な喫煙感(e.g.タバコ味)がほぼ類似していることを意味する。これにより、実施例による喫煙物品は、音発生物質を通じて聴覚的効果を付加するだけであり、他の部分には影響を及ぼさないことが分かり、これによって、喫煙者にさらに向上した喫煙体験が提供され得ることが分かる。
【0151】
以上では、多様な実施例と比較例を通じて上述した喫煙物品2~4の構成およびそれによる効果についてより詳細に説明した。
【0152】
以上、添付の図面を参照して本開示の実施例を説明したが、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、本開示が他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。本開示の保護範囲は、下記の請求範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本開示により定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
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図11
図12
【国際調査報告】