(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】分散通信システムおよび対応する制御方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20220818BHJP
G06F 13/38 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
G06F13/38 350
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536768
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(85)【翻訳文提出日】2021-08-20
(86)【国際出願番号】 FR2019051521
(87)【国際公開番号】W WO2020254732
(87)【国際公開日】2020-12-24
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521273798
【氏名又は名称】ルオス・ロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・グリズー
(72)【発明者】
【氏名】マテュー・ラペイル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ラボー
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・ルアネ
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033BA08
5K033CB01
5K033DA11
5K033DA13
5K033DB14
(57)【要約】
少なくとも2つのモジュールを備える分散通信システムであって、各モジュールは、ポイントツーポイント接続(3a)によって少なくとも1つの隣接モジュールに接続され、すべてのモジュールは、少なくとも1つの直列接続(3b)によって互いに接続され、各モジュールは、インターフェースモジュール(2)または通信モジュール(4)から選択され、インターフェースモジュール(2)は、少なくとも1つのメモリ(5)に接続され、通信モジュール(4)は、少なくとも1つのデバイス(7)に接続され、デバイス(7)は、アクチュエータ、センサ、通信手段、メモリ、バッテリー、電源、またはデータ処理媒体から選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのモジュールを備える、ロボットの中の分散通信システムであって、各モジュールが、ポイントツーポイント接続によって少なくとも1つの隣接モジュールに接続され、すべての前記モジュールが、少なくとも1つの直列接続によって互いに接続され、各モジュールが、少なくとも1つのインターフェースモジュール(2)または1つの通信モジュール(4)から選択され、
インターフェースモジュール(2)が、前記直列接続または前記ポイントツーポイント接続以外の接続によって少なくとも1つのメモリ(5)に接続されて、前記メモリと少なくとも1つの他のモジュールとの間の通信を可能にし、
通信モジュール(4)が、前記直列接続または前記ポイントツーポイント接続以外の接続によって少なくとも1つのデバイス(7)に接続されて、前記少なくとも1つのデバイスと前記少なくとも1つの他のモジュールとの間の通信を可能にし、
デバイス(7)が、少なくとも1つのアクチュエータ、センサ、通信手段、バッテリー、電源、またはデータ処理手段から選択される、
分散通信システム。
【請求項2】
各モジュールは、各々がポイントツーポイント接続に接続されることが可能な少なくとも2つの第1の通信手段、および直列接続に接続された少なくとも1つの直列通信手段を備え、前記通信手段が、少なくとも1つのデータ処理手段に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
モジュールが、少なくとも3つのモジュールを並列に接続するように構成された協調モジュールまたは切替えモジュールであり、各モジュールが、ポイントツーポイント接続および直列接続によって接続され、
前記協調モジュールが、既定の規則に従って、ポイントツーポイント接続を介して受信された既定値を再送信するように構成され、
前記切替えモジュールが、既定の規則に従って、直列接続を介して受信されたメッセージを少なくとも1つの他の直列接続へ、かつポイントツーポイント接続を介して受信された既定値を少なくとも1つの他のポイントツーポイント接続へ再送信するように構成される、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の分散通信システムを制御するための方法であって、前記分散通信システムが、第1のモジュール、および前記第1のモジュールに接続された少なくとも第2のモジュールを備え、
以下のステップ、すなわち、
前記第1のモジュールの前記直列通信手段が、受信モードをアクティブ化させ続けながらその放出モードをアクティブ化するように制御されることと、
前記第1のモジュールが、プリアンブル(P)、およびヘッダ(H)の少なくとも一部を、前記直列接続を介して放出するように制御されることと、
各第2のモジュールの前記直列通信手段が、前記ヘッダの少なくとも一部を読み取ると前記放出モードを禁止するように制御されることと、
前記プリアンブル(P)の前記放出の開始と前記ヘッダ(H)の前記放出の終了との間に備えられる時間区間の中で、少なくとも第2のモジュールの直列通信手段によって別のメッセージが放出されるかどうかが、前記第1のモジュールを介して決定されることと、
そうである場合、前記メッセージが、前記少なくとも第2のモジュールによって読み取られてはならず、かつ前記第1のモジュールによって再放出されなければならないものと見なされることと、
そうでない場合、前記第1のモジュールが、前記直列接続を介して前記メッセージの残余を放出するように制御されることと、
前記メッセージ全体が送信されると、前記第1のモジュールの前記直列通信手段が、その受信モードをアクティブ化するとともにその放出モードを非アクティブ化するように制御され、各第2のモジュールの前記直列通信手段が、前記放出モードの前記禁止を取り消すように制御されることと
を実行することによって、前記プリアンブル(P)および前記ヘッダ(H)を備える少なくとも1つのメッセージが前記分散通信システムの少なくとも2つのモジュールの間で送信される、
方法。
【請求項5】
メッセージが、データ(D)および誤り検査値(CTRL)のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
以下のステップ、すなわち、
第1の経路指定アドレスが前記第1のモジュールに割り当てられることと、
次いで、
前記第1のモジュールに接続されたポイントツーポイント接続ごとに、以下のステップ、すなわち、
前記第1のモジュールに直接または間接的に接続された各モジュールが、前記直列接続およびポイントツーポイント接続を介して少なくとも1つのネイバー検出を実行するように次々に制御されること、
ネイバーが検出されるたびに、検出されたネイバーモジュールが、その存在を前記第1のモジュールに前記ポイントツーポイント接続を介して確認するように制御され、前記第1のモジュールが、前記直列接続を介して少なくとも1つの新たな経路指定アドレスを放出するように制御され、前記隣接モジュールが、前記少なくとも1つの新たな経路指定アドレスを記憶するように制御され、前記隣接モジュールが、今度はネイバー検出を実行するように制御されること、および
直接または間接的に接続された前記モジュールのいずれも新たなネイバーを検出しないとき、ネイバーの前記検出が停止されること
が実行されることと
を実行することによって、第1のモジュールに直接または間接的に接続された少なくとも第2のモジュールを発見するためにネイバー検出が漸進的に実行され、前記第1のモジュールに直接または間接的に接続された各第2のモジュールに、少なくとも1つの経路指定アドレスが割り当てられる、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
以下のステップ、すなわち、
前記第1のモジュールに接続されたポイントツーポイント接続ごとに、以下のステップ、すなわち、
前記第1のモジュールに直接または間接的に接続された各モジュールが、前記直列接続およびポイントツーポイント接続を介して少なくとも1つのネイバー検出を実行するように次々に制御されることと、
ネイバーが検出されるたびに、検出されたネイバーモジュールが、その存在を前記第1のモジュールに前記ポイントツーポイント接続を介して確認するように制御され、前記隣接モジュールが、今度はネイバー検出を実行するように制御されることと、
直接または間接的に接続された前記モジュールのいずれも新たなネイバーを検出しないとき、ネイバーの前記検出が停止されることと
が実行されること
を実行することによって、第1のモジュールに直接または間接的に接続された少なくとも第2のモジュールを発見するためにネイバー検出が漸進的に実行される、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
モジュールが少なくとも2つのデバイスに接続されるとき、前記モジュールに接続されたデバイスごとに前記ネイバー発見ステップが反復される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
第1のポイントツーポイント通信手段によって第1の所定の値を受信したモジュールによってネイバー検出を実行するために、以下のステップ、すなわち、
第1の既定値の放出が、前記ポイントツーポイント接続上で前記モジュールの第2のポイントツーポイント通信手段によって制御されることと、
前記第2のポイントツーポイント通信手段による前記第1の既定値の前記放出の瞬間において開始する所定の持続時間にわたって、前記モジュールが前記第2のポイントツーポイント通信手段によって見返りとして既定値を受信するかどうかが決定されることと、
そうであり、かつ前記既定値が前記第1の既定値に等しい場合、隣接モジュールが、前記モジュールに接続された前記ポイントツーポイント接続の他方の端部に接続されているものと見なされることと、
そうでない場合、第2のモジュールが、前記モジュールの前記第2のポイントツーポイント通信手段に接続された前記ポイントツーポイント接続の前記他方の端部に接続されていないものと見なされ、前記第1のポイントツーポイント通信手段によって第2の既定値が放出されることと
が実行される、
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
その存在を前記第1のモジュールに確認するために、モジュールが、その第1のポイントツーポイント通信手段によって第1の既定値を送信し、前記第1の既定値が、前記モジュールおよびポイントツーポイント接続を通じて前記第1のモジュールへ漸進的に再送信される、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
モジュールが、第1のポイントツーポイント接続および第2のポイントツーポイント接続に接続され、前記モジュールが既定の持続時間内に前記第1のポイントツーポイント接続によって第1の値を放出しているとき、前記モジュールは、前記既定の持続時間内に前記第2のポイントツーポイント接続によって第1の既定値を受信し、前記第1のポイントツーポイント接続によって前記第1の既定値を再送信する、請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
モジュールが、第1のポイントツーポイント接続および第2のポイントツーポイント接続に接続され、前記モジュールが既定の持続時間内に前記第1のポイントツーポイント接続によって第1の値を放出しているとき、前記モジュールは、前記既定の持続時間内に前記第2のポイントツーポイント接続によって第2の既定値を受信し、前記第1のポイントツーポイント接続によって前記第2の既定値を再送信する、請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記モジュールが、第1のポイントツーポイント通信手段および少なくとも2つの第2の第1の通信手段を備える、協調または切替えモジュールであるとき、
前記通信または協調モジュールが、第2のポイントツーポイント通信手段ごとに経路指定およびネイバー検出アドレス割当てを実行するように制御され、前記協調または切替えモジュールが、前記第2のポイントツーポイント通信手段によって第2の既定値を受信すると前記第2のポイントツーポイント通信手段から変更し、
前記協調または切替えモジュールは、その第2の第1の通信手段の各々において第2の既定値を受信しているとき、その第1のポイントツーポイント通信手段によって前記第2の既定値を送信する、
請求項6から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のモジュールがそれを通じて第1の既定値を放出した前記ポイントツーポイント接続を介して、前記第1のモジュールが第2の既定値を受信するとき、前記第1のモジュールに直接または間接的に接続された前記モジュールのいずれも新たなネイバーを検出しないことが決定される、請求項6から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ネイバーの検出、および前記発見されたモジュールのアドレス指定が、第1のモジュールによって制御されるとき、次いで、
ネイバーの後続の検出が前記第1のモジュールによって制御されるとき、
ネイバーの前記後続の検出の間に発見された最後のモジュールが、ネイバーの初期検出および前記モジュールの前記アドレス指定の間に発見された最後のモジュールと比較され、
次いで、ネイバーの前記後続の検出の間に発見された前記最後のモジュールが、ネイバーの前記初期検出および前記モジュールの前記アドレス指定の間に発見された前記最後のモジュールとは異なるかどうかが決定される、
請求項6から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、通信バスであり、より詳細には、電子デバイス間で通信するためのバスである。
【背景技術】
【0002】
現在の複合システムは、アクチュエータ、センサ、放出器、バッテリー、メモリ電源、またはコンピュータタイプデバイスを制御すること、およびそれらが互いに通信するのを可能にすることを伴う。
【0003】
部品の密度、およびこれらの様々なデバイスによって生成される電磁的な妨害は、雑音の多い環境に対して耐性がある通信バスを使用することを必要とする。
【0004】
同期した急速なデバイス応答を可能にするデバイスは、低レイテンシで輻輳に耐性がある通信バスを使用することを必要とする。同様に、取り付けられた多数の中からデバイスの機能不全を効果的に決定するために、障害検出が必要である。
【0005】
デバイスの電力節約およびインフライト(in-flight)接続/再接続は、その電源のその接続または回復の間に各デバイスを識別およびアドレス指定することを可能にする、通信バスからの高度なトポロジー検出およびアドレス指定能力を必要とする。
【0006】
容易な展開を可能にするために、通信バスは、わずかな計算時間しか必要としてはならず、スペース要件が限定されなければならない。
【0007】
特定のスループット、障害耐性、またはレイテンシ要望を満たすために、いくつかの通信バスが様々な産業環境の中で開発されている。
【0008】
従来技術から以下の通信バスが知られている。
【0009】
I2Cバス(「集積回路間(Inter-Integrated Circuits)」に対する頭字語)は、2つの導体に基づく双方向半二重同期シリアルバスである。I2Cバスは、マスタスレーブ構造を有する、電子装置に専用の軽便なバスであり、同じバス上にいくつかのマスタを有することができる。その主な欠点は、通信速度が低く電磁干渉に影響されることである。このバスは、自動アドレス割当てまたはネットワークトポロジーの検出を可能にしない。
【0010】
CAN(「コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network)」に対する頭字語)バスは、雑音の影響を極めて受けにくく信頼でき、かつ2つのツイスト導体に基づく、自動車産業によって開発された自動車産業のための双方向半二重シリアルバスである。このバスは、通信速度が低いが低レイテンシに関連する。CANバスは、異常を検出および隔離するために、もしエラーが発生したら輻輳を受ける。このバスはトポロジー検出を可能にしない。
【0011】
Ethercat(「制御自動化技術向けEthernet(Ethernet for Control Automation Technology)」に対する頭字語)バスは、Ethernetタイプのレイヤに基づく、産業施設の自動化のための通信バスである。このバスは、雑音に対してかなり影響を受けないものでありながら、低レイテンシに関連する極めて高い通信速度を可能にする。Ethercatはまた、トポロジー検出を可能にするがスター型トポロジーに限定される。その主な欠点は、極めて高価な実装ならびに複雑な使用である。
【0012】
したがって、これらのバスのいずれも、前書きにおいて特定されるような通信能力を提供することを可能にしないことが明らかである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、少なくとも2つのモジュールを備える、ロボットの中の分散通信システムであり、各モジュールは、ポイントツーポイント接続によって少なくとも1つの隣接モジュールに接続され、すべてのモジュールは、少なくとも1つの直列接続によって互いに接続され、各モジュールは、少なくとも1つのインターフェースモジュールまたは1つの通信モジュールから選択され、インターフェースモジュールが、直列接続またはポイントツーポイント接続以外の接続によって少なくとも1つのメモリに接続されて、メモリと少なくとも1つの他のモジュールとの間の通信を可能にし、通信モジュールが、直列接続またはポイントツーポイント接続以外の接続によって少なくとも1つのデバイスに接続されて、少なくとも1つのデバイスと少なくとも1つの他のモジュールとの間の通信を可能にし、デバイスは、少なくとも1つのアクチュエータ、センサ、通信手段、バッテリー、電源、またはデータ処理手段から選択される。
【0014】
各モジュールは、各々がポイントツーポイント接続に接続されることが可能な少なくとも2つの第1の通信手段、および直列接続に接続された少なくとも1つの直列通信手段を備えることができ、通信手段は、少なくとも1つのデータ処理手段に接続される。
【0015】
モジュールは、少なくとも3つのモジュールを並列に接続するように構成された協調または切替えモジュールであり得、各モジュールは、ポイントツーポイント接続および直列接続に接続され、
協調モジュールは、既定の規則に従って、ポイントツーポイント接続を介して受信された既定値を再送信するように構成され、
切替えモジュールは、既定の規則に従って、直列接続を介して受信されたメッセージを少なくとも1つの他の直列接続へ、かつポイントツーポイント接続を介して受信された既定値を少なくとも1つの他のポイントツーポイント接続へ再送信するように構成される。
【0016】
本発明はまた、先行する請求項のいずれか一項に記載の分散通信システムを制御するための方法に関し、通信システムは、第1のモジュール、および第1のモジュールに接続された少なくとも第2のモジュールを備え、
以下のステップ、すなわち、
第1のモジュールの直列通信手段が、受信モードをアクティブ化させ続けながらその放出モードをアクティブ化するように制御されることと、
第1のモジュールが、プリアンブル、およびヘッダの少なくとも一部を、直列接続を介して放出するように制御されることと、
各第2のモジュールの直列通信手段が、ヘッダの少なくとも一部を読み取ると放出モードを禁止するように制御されることと、
プリアンブルの放出の開始とヘッダの放出の終了との間に備えられる時間区間の中で、少なくとも第2のモジュールの直列通信手段によって別のメッセージが放出されるかどうかが、第1のモジュールを介して決定されることと、
そうである場合、メッセージが、少なくとも第2のモジュールによって読み取られてはならず、かつ第1のモジュールによって再放出されなければならないものと見なされることと、
そうでない場合、第1のモジュールが、直列接続を介してメッセージの残余を放出するように制御されることと、
メッセージ全体が送信されると、第1のモジュールの直列通信手段が、その受信モードをアクティブ化するとともにその放出モードを非アクティブ化するように制御され、各第2のモジュールの直列通信手段が、放出モードの禁止を取り消すように制御されることと
を実行することによって、プリアンブルおよびヘッダを備える少なくとも1つのメッセージが通信システムの少なくとも2つのモジュール間で送信される。
【0017】
メッセージはまた、データおよび誤り検査値のうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0018】
以下のステップ、すなわち、
第1の経路指定アドレスが第1のモジュールに割り当てられることと、次いで、
第1のモジュールに接続されたポイントツーポイント接続ごとに、以下のステップ、すなわち、第1のモジュールに直接または間接的に接続された各モジュールが、直列接続およびポイントツーポイント接続を通じて少なくとも1つのネイバー検出を実行するように次々に制御されること、ネイバーが検出されるたびに、検出されたネイバーモジュールが、その存在を第1のモジュールにポイントツーポイント接続を介して確認するように制御され、第1のモジュールが、直列接続を介して少なくとも1つの新たな経路指定アドレスを放出するように制御され、隣接モジュールが、少なくとも1つの新たな経路指定アドレスを記憶するように制御され、隣接モジュールが、今度はネイバー検出を実行するように制御されること、および直接または間接的に接続されたモジュールのいずれも新たなネイバーを検出しないとき、ネイバーの検出が停止されること
が実行されることと
を実行することによって、第1のモジュールに直接または間接的に接続された少なくとも第2のモジュールを発見するためにネイバー検出を漸進的に実行することが可能であり、第1のモジュールに直接または間接的に接続された各第2のモジュールに、少なくとも1つの経路指定アドレスを割り当てることが可能である。
【0019】
以下のステップ、すなわち、
第1のモジュールに接続されたポイントツーポイント接続ごとに、以下のステップ、すなわち、
第1のモジュールに直接または間接的に接続された各モジュールが、直列接続およびポイントツーポイント接続を介して少なくとも1つのネイバー検出を実行するように次々に制御されることと、
ネイバーの各検出において、検出されたネイバーモジュールが、その存在を第1のモジュールにポイントツーポイント接続を介して確認するように制御され、隣接モジュールが、今度はネイバー検出を実行するように制御されることと、
直接または間接的に接続されたモジュールのいずれも新たなネイバーを検出しないとき、ネイバーの検出が停止されることと
が実行されること
を実行することによって、第1のモジュールに直接または間接的に接続された少なくとも第2のモジュールを発見するためにネイバー検出が漸進的に実行され得る。
【0020】
モジュールが少なくとも2つのデバイスに接続されるとき、モジュールに接続されたデバイスごとにネイバー発見ステップが反復され得る。
【0021】
第1のポイントツーポイント通信手段によって第1の所定の値を受信したモジュールによってネイバー検出を実行するために、以下のステップ、すなわち、
第1の既定値の放出が、ポイントツーポイント接続上でモジュールの第2のポイントツーポイント通信手段によって制御されることと、
第2のポイントツーポイント通信手段による第1の既定値の放出の瞬間において開始する所定の持続時間にわたって、モジュールが第2のポイントツーポイント通信手段によって見返りとして既定値を受信するかどうかが決定されることと、
そうであり、かつ既定値が第1の既定値に等しい場合、隣接モジュールが、モジュールに接続されたポイントツーポイント接続の他方の端部に接続されているものと見なされることと、
そうでない場合、第2のモジュールが、モジュールの第2のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続の他方の端部に接続されていないものと見なされ、第1のポイントツーポイント通信手段によって第2の既定値が放出されることとが実行され得る。
【0022】
その存在を第1のモジュールに確認するために、モジュールは、その第1のポイントツーポイント通信手段によって第1の既定値を送信することができ、第1の既定値は、モジュールおよびポイントツーポイント接続を通じて第1のモジュールへ漸進的に再送信される。
【0023】
モジュールは、第1のポイントツーポイント接続および第2のポイントツーポイント接続に接続され、モジュールが既定の持続時間内に第1のポイントツーポイント接続によって第1の値を放出しているとき、モジュールは、既定の持続時間内に第2のポイントツーポイント接続によって第1の既定値を受信し、第1のポイントツーポイント接続によって第1の既定値を再送信することができる。
【0024】
モジュールは、第1のポイントツーポイント接続および第2のポイントツーポイント接続に接続され、モジュールが既定の持続時間内に第1のポイントツーポイント接続によって第1の値を放出しているとき、モジュールは、既定の持続時間内に第2のポイントツーポイント接続によって第2の既定値を受信し、第1のポイントツーポイント接続によって第2の既定値を再送信することができる。
【0025】
モジュールが、第1のポイントツーポイント通信手段および少なくとも2つの第2の第1の通信手段を備える、協調または切替えモジュールであるとき、
通信または協調モジュールは、第2のポイントツーポイント通信手段ごとに経路指定およびネイバー検出アドレス割当てを実行するように制御され得、協調または切替えモジュールは、第2のポイントツーポイント通信手段によって第2の既定値を受信すると第2のポイントツーポイント通信手段から変更し、
協調または切替えモジュールは、その第2の第1の通信手段の各々において第2の既定値を受信しているとき、その第1のポイントツーポイント通信手段によって第2の既定値を送信することができる。
【0026】
第1のモジュールがそれを通じて第1の既定値を放出したポイントツーポイント接続を介して、第1のモジュールが第2の既定値を受信するとき、第1のモジュールに直接または間接的に接続されたモジュールのいずれも新たなネイバーを検出しないことが決定され得る。
【0027】
ネイバーの検出、および発見されたモジュールのアドレス指定が、第1のモジュールによって制御されるとき、次いで、ネイバーの後続の検出が第1のモジュールによって制御されるとき、
ネイバーの後続の検出の間に発見された最後のモジュールが、ネイバーの初期検出およびモジュールのアドレス指定の間に発見された最後のモジュールと比較され得、
次いで、ネイバーの後続の検出の間に発見された最後のモジュールが、ネイバーの初期検出およびモジュールのアドレス指定の間に発見された最後のモジュールとは異なるかどうかが決定され得る。
【0028】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、非限定的な例として与えられるにすぎず、かつ添付の図面を参照しながら行われる、以下の説明を読むと明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1の実施形態による分散通信システムを示す図である。
【
図2】第2の実施形態による分散通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
分散通信システムは、ネットワークの中で接続されたインターフェースモジュール、通信モジュール、協調モジュール、および切替えモジュールから各々が選択される、少なくとも2つのモジュールを備える。
【0031】
分散通信システムは、異なる通信モードによるモジュール間でのメッセージの通信、接続されたモジュールの発見、および発見された各モジュールへの経路指定アドレスの割当てを確実なものにする、分散通信方法によって制御される。
【0032】
図1は、3aと参照されるポイントツーポイントPTP接続および直列接続3bによって通信モジュール4に接続されたインターフェースモジュール2を備える分散通信システム1を示し、その上、通信モジュール4は、複合システムの、特にロボットの、少なくとも1つのデバイス7に直接または間接的に接続される。
【0033】
インターフェースモジュール2はまた、接続されたモジュールのうちの少なくとも1つと交換される命令またはデータを備える少なくとも1つのメモリ5に、直接または間接的に接続される。
【0034】
インターフェースモジュール2は、2つの第1の通信手段2b、2e、直列通信手段2c、および少なくとも第3の通信手段2dと相互作用するように構成された、マイクロコントローラなどのデータ処理手段2aを備える。
【0035】
第1の2つの通信手段2b、2eは各々、ポイントツーポイント接続に接続されることが可能である。
図1において、2bと参照される単一のポイントツーポイント通信手段が、ポイントツーポイント接続3aに接続される。
【0036】
直列通信手段2cが直列接続3bに接続される。
【0037】
第1および第2の通信手段2b、2cは、インターフェースモジュール2と、それぞれ、通信モジュール4のポイントツーポイント通信手段4bおよび直列通信手段4cとの間での、データの交換を可能にする。
【0038】
直列通信手段2cは、独立した放出モードおよび受信モードを備える。したがって、各モードは、他のモードのアクティブ化状態から独立してアクティブ化または非アクティブ化され得る。
【0039】
第3の通信手段2dは、第1のタイプ、具体的には、ethernet、Wi-Fi、またはBluetoothの接続6を通じた、また場合によってはリモートサーバを通じた、インターフェースモジュール2と少なくとも1つのメモリ5との間でのデータの交換を可能にする。
【0040】
データ処理手段2aは、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、ならびに任意選択で少なくとも1つのメモリを備える。
【0041】
データ処理手段2aは、第1および第2の通信手段2b、2c、2eから受信されたデータの全部または一部の、第3の通信手段2dを介したメモリ5への、事前処理を伴うかまたは伴わない送信を制御するように構成され得る。
【0042】
データ処理手段2aは、第3の通信手段2dによるデータの受信を制御し、ポイントツーポイント接続3aから受信されたデータ、ならびに第1および第2の通信手段2b、2c、2eを介した直列接続3bに従って、そうしたデータを処理するように構成され得る。
【0043】
データ処理手段2aはまた、第3の通信手段2dから受信されたデータの全部または一部の、第1および第2の通信手段2b、2c、2eを通じた通信モジュール4への、事前処理を伴うかまたは伴わない送信を制御するように構成され得る。
【0044】
上記で説明した機能の全部または一部をデータ処理手段が備え、受信されたデータを処理するという命令または結果に従って前記機能がアクティブ化または非アクティブ化されることを、当業者は理解されよう。
【0045】
ポイントツーポイント接続3aは、少なくとも1本のワイヤを備える。一実施形態では、ポイントツーポイント接続は、差分信号または検証信号を使用して雑音に対して保護され得る。
【0046】
差分信号は、ポイントツーポイント接続3aの少なくとも2本のワイヤ間の信号の差分を伴う。
【0047】
検証信号は、ポイントツーポイント接続3aの少なくとも1本のワイヤによって送られる信号と、直列接続3bによって送信される検証信号の両方を備える。ポイントツーポイント接続3a上でのメッセージの受信の瞬間に対して同時または所定の持続時間内に検証信号が受信されるときにのみ、ポイントツーポイント接続3a上で送られる信号が検証される。
【0048】
直列接続3bも、少なくとも1本のワイヤを備える。別の実施形態では、直列接続は、具体的にはRS485タイプの、少なくとも1つのペアのツイストワイヤを備えることができる。特定の実施形態では、接続された様々なモジュールに集約的に電力供給するために、2本の電力供給ワイヤが直列接続3bと並行して配置され得る。
【0049】
ワイヤとは、物理コネクタとの接続と、プリント回路内または集積回路内での統合接続の両方を意味する。ワイヤはまた、ソフトウェアモジュール間のソフトウェア接続であり得る。
【0050】
図1でわかるように、通信モジュール4は、インターフェースモジュール2の構造と類似の構造を有する。
【0051】
通信モジュール4は、通信手段4b、4c、4d、4eと相互作用するように構成された、マイクロコントローラなどのデータ処理手段4aを備える。
【0052】
データ処理手段4aは、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、ならびに任意選択で少なくとも1つのメモリを備える。
【0053】
通信モジュール4は、ポイントツーポイント接続、および直列接続3bに接続された直列通信手段4cに各々が接続されることが可能な、2つの第1の通信手段4b、4eを備える。
【0054】
ポイントツーポイント通信手段4bは、ポイントツーポイント接続3aに接続される。
【0055】
ポイントツーポイント通信手段4bおよび直列通信手段4cは、それぞれ、ポイントツーポイント接続3aおよび直列接続3bを介した、通信モジュール4とインターフェースモジュール2との間でのデータの交換を可能にする。
【0056】
直列通信手段4cは、独立した放出モードおよび受信モードを備える。したがって、各モードは、他のモードのアクティブ化状態から独立してアクティブ化または非アクティブ化され得る。
【0057】
通信モジュール4は、デバイス7とデータを交換するように構成された少なくとも第3の通信手段4dを備える。したがって、通信モジュール4は、いくつかのデバイス7とデータを交換することができる。そのような場合、データ処理手段4aは、第1のデバイスからデータを受信し、処理を伴うかまたは伴わずにそれらを第2のデバイスへ転送するように構成され得、第1および第2のデバイスは、通信モジュール4に接続される。
【0058】
データ処理手段4aはまた、第3の通信手段4dから受信されたデータの全部または一部の、第1および第2の通信手段4b、4c、4eを介した通信モジュール4への、事前処理を伴うかまたは伴わない送信を制御するように構成され得る。
【0059】
データ処理手段4aはまた、第1および第2の通信手段4b、4c、4eから受信されたデータの全部または一部の、第3の通信手段4dを介した、通信モジュール4に接続されたデバイス7への、事前処理を伴うかまたは伴わない送信を制御するように構成され得る。
【0060】
図2は、もっと多数のモジュールを備える、本発明による分散通信システム1を示す。
【0061】
分散通信システム1のモジュールの数が複合システムのサイズおよび機能に対して適合されることを、当業者は容易に理解されよう。
図2に示すアーキテクチャがアーキテクチャの一例にすぎず、モジュールの他のアーキテクチャおよび構成が可能であり本明細書の範囲内であるということになる。
【0062】
各通信モジュール40、41、42、43、44は、
図1に示す通信モジュール4の構造と類似の構造を備える。それらは、ポイントツーポイント接続、および直列接続に接続された直列通信手段に各々が接続されることが可能な、2つの第1の通信手段に接続された少なくとも1つのデータ処理手段を備える。各通信モジュール40、41、42、43、44はまた、デバイスに接続された少なくとも第3の通信手段を備える。明快のために、第1、第2、および第3の通信手段、ならびにデバイスは
図2に示されない。
【0063】
その上、ポイントツーポイント接続31a、32a、33a、34a、35a、36a、および直列接続31b、32b、33b、34bは各々、
図1のポイントツーポイント接続3aおよび直列接続3bの構造と、それぞれ、類似の構造を備える。
【0064】
しかしながら、いくつかのデバイス構成は、スター型構成とも呼ばれる並列構成を必要とすることがある。このことを達成するために、協調モジュールの使用が行われる。
図2は、いくつかの通信モジュール40、41、42、43、44を並列に接続するように構成された、8と参照されるそのような協調モジュールを示す。
【0065】
そのような協調モジュール8は、データ処理手段、少なくとも3つの第1の通信手段、および第2の通信手段を備える。協調モジュール8は、デバイスまたはメモリに接続されないという点で通信モジュールおよびインターフェースモジュールとは異なる。
【0066】
図2において、協調モジュール8が直列接続31bによってインターフェースモジュール2に接続されることも理解され得る。直列接続31bは、各々がスター型構成の分岐を規定する直列接続32b、33b、34bを通じて、協調モジュール8の後ろに接続されたモジュールに伝搬する。
【0067】
直列接続31b上で放出されたメッセージは、スター型構成の各分岐をそのように通過する。したがって、協調モジュール8に接続されたすべてのモジュールは、協調モジュール8の前に接続されたモジュールによるメッセージの受信と同様の方法で、それらが接続される先の直列接続を介してメッセージを受信する。
【0068】
協調モジュール8は、ポイントツーポイント接続32a上で受信されたメッセージを、協調モジュール8が接続される先の他のポイントツーポイント接続33a、34a、35aに選択的に複製する。しかしながら、これらのメッセージの複製は動作ステップに依存する。
【0069】
したがって、協調モジュール8のデータ処理手段は、第1および第2の通信手段から受信されたデータの全部または一部を、それぞれ、他の第1および第2の通信手段を介して、処理を伴うかまたは伴わずに送信するように構成される。
【0070】
言い換えれば、協調モジュール8は、デバイスとの直接通信を保証することを可能にしないが、むしろ、分散通信システム1のモジュール間で交換されるデータを送信する。
【0071】
その上、モジュールは、
図1および
図2に示されない、協調モジュール8と類似の構造を有する切替えモジュールであり得る。それは、別個の直列接続に各々が接続された、少なくとも3つの第2の通信手段を備える。協調モジュール8は、直列接続31bによって受信されたメッセージをスター型構成の各分岐上で複製する。しかしながら、これらのメッセージの複製は動作ステップに依存する。
【0072】
ただし、切替えモジュールは、ネイバー発見ステップの間、協調モジュールと同様に挙動する。
【0073】
分散通信システム1を制御するための方法の異なるステップが次に説明される。
【0074】
メッセージ交換を通じて分散通信システム内の接続された異なるモジュールを通信できるように、いくつかのステップが必要である。
【0075】
モジュール間で交換されるメッセージの構造が次に説明される。
【0076】
2つのモジュール間で交換されるメッセージは、プリアンブルP、ヘッダH、およびデータDを備える。特定の実施形態では、そうしたメッセージは誤り検査値CTRLを備える。
【0077】
プリアンブルPは、新たなメッセージの受信または送信をトリガするために使用される。一実施形態では、プリアンブルPは、各メッセージ間の、分散通信システム1の非アクティビティの期間である。プリアンブルを受信することは、モジュールが新たなメッセージを受信できるかまたは誤ったメッセージを消去できるように、モジュールのステータスをリセットすることを可能にする。
【0078】
ヘッダHは、モジュールがメッセージを理解することを可能にする情報を含むいくつかのフィールドを備える。
【0079】
ヘッダHは、バージョン番号フィールド、ターゲットフィールド、ターゲットモードフィールド、ソースフィールド、制御フィールド、およびサイズフィールドを備える。
【0080】
バージョン番号フィールドは、交換されるメッセージを確立するために使用される通信方法のバージョン番号を規定する。バージョン番号フィールドは、どのようにメッセージを読み取るべきかをモジュールが決定することを可能にする。ターゲットフィールドは、メッセージが向けられる先のモジュールの経路指定アドレスを示す。いくつかのデバイスが通信モジュールに接続される事例では、接続されたデバイスごとに経路指定アドレスが通信モジュールに割り当てられ得ることに留意されたい。したがって、通信モジュールはいくつかの経路指定アドレスを有することができる。
【0081】
ターゲットモードフィールドは、アドレス指定モード、およびターゲットフィールドをどのように解釈すべきかを示す。
【0082】
第1のアドレス指定モードはIDモードであり、IDモードの間、メッセージはその経路指定アドレスによって識別される単一のモジュールに向けられ、受信の認識応答を伴わない。
【0083】
第2のアドレス指定モードはID+ACKモードであり、ID+ACKモードの間、メッセージは、その経路指定アドレスによって識別される単一のモジュールに向けられ、受信の認識応答を伴う。
【0084】
第3のアドレス指定モードはブロードキャストモードであり、ブロードキャストモードの間、メッセージは、直列接続に接続されたすべてのモジュールへ送信される。そのようなアドレス指定モードでは、ターゲットフィールドはメッセージを読み取るモジュールによって考慮されない。
【0085】
一実施形態では、タイプモードと呼ばれる第4のアドレス指定モードの供給が行われ、タイプモードの間、メッセージは、規定されたタイプのすべてのモジュールへ送信される。各モジュールは、それらに接続されたデバイスの性質に応じてタイプアドレスを備える。たとえば、すべてのエンジンにはタイプ1アドレスが与えられてよく、すべての光源にはタイプ2アドレスが与えられてよく、すべてのセンサにはタイプ3アドレスが与えられてよい。この例のコンテキストでは、タイプ2アドレスを有するメッセージは、そのとき、通信システムに接続されたすべての光源をターゲットにする。ソースフィールドは、メッセージがそこから発信されるモジュールの経路指定アドレスを示す。
【0086】
制御フィールドは、送信されるデータのタイプを規定する。
【0087】
サイズフィールドは、メッセージの中に備えられたデータのサイズを示す。
【0088】
データDは、交換されるデータを備える、メッセージの主要部分に相当する。
【0089】
誤り検査値CTRLは、メッセージの中に備えられた誤り検査値CTRLを、受信時に決定される誤り検査値と比較することによって、メッセージを受信するときの誤りの存在を決定するために使用され、両方の値は、ヘッダHおよびデータDに関連するデジタル値に所定の数学関数を適用することによって決定される。誤り検査値は、具体的には、巡回冗長検査値CRCまたはチェックサムであってよい。
【0090】
特定の実施形態では、メッセージはまた、受信の認識応答Aを備える。一実施形態では、受信の認識応答は2つの異なる値を取ることができ、第1の値は、ソースからターゲットへ送られるメッセージに関連付けられ、第2の値は、ターゲットからソースへ送られる、受信の認識応答に関連付けられる。このフィールドは、第2のID+ACKアドレス指定モードとともに使用される。
【0091】
2つのモジュール間でメッセージを送信するステップが次に説明される。
【0092】
第1のモジュールによるメッセージの放出を制御するとき、第1のモジュールは、受信モードをアクティブ化させ続けながら直列通信手段の放出モードをアクティブ化するように制御される。
【0093】
このことは、ヘッダHの送信中に任意の衝突エラーを第1のモジュールが検出することを可能にする。衝突が、プリアンブルの放出の開始とヘッダの放出の終了との間に備えられる既定の時間区間内の、直列接続上での2つの異なるモジュールによるメッセージの放出であることが規定される。誤検出を避けるために、好ましくはその時間区間がプリアンブルおよびヘッダの少なくとも最初のビットの放出の持続時間に等しいことが考慮される。
【0094】
第1のモジュールは、プリアンブルを放出するかまたは本実施形態によるプリアンブルの持続時間にわたって待つように制御される。
【0095】
メッセージ衝突が検出されない場合、第1のモジュールは、次いで、直列接続を介してメッセージのヘッダHを放出するように制御される。直列接続上で放出されたメッセージまたはメッセージの一部は、直列接続に接続されたすべてのモジュールによって読み取られる。メッセージを受信する各モジュールは、その特徴(経路指定アドレス、タイプアドレスなど)および上記で説明したメッセージの構造に従って、メッセージの内容を解釈する。
【0096】
ヘッダHを受信すると、第2のモジュールはメッセージのヘッダHを読み取り、放出モードが禁止されるようにその直列通信手段を制御する。言い換えれば、1つのモジュールによってヘッダHを放出することは、モジュールの直列接続によってヘッダHを受信する他のモジュールを制御し、その結果、他のモジュールは、今度はヘッダを放出することができない。
【0097】
メッセージの残余の放出が、次いで、制御される。
【0098】
メッセージ全体が送信されると、第1のモジュールの直列通信手段は、受信モードをアクティブ化するとともに放出モードを非アクティブ化するように制御され、第2のモジュールの直列通信手段は、放出の禁止を非アクティブ化するように制御される。
【0099】
言い換えれば、メッセージを放出した後、接続されたモジュールはそれらのデフォルト状態に戻る。
【0100】
その上、メッセージを放出するモジュールが、接続された他のモジュールの直列通信手段の制御権を握ることを、上記で説明したメッセージ交換方法が可能にすることを、当業者は諒解されよう。そのような制御獲得は、ネットワーク輻輳および劣悪なサービス品質QoS(「サービス品質(Quality of Service)」に対する頭字語)を回避することを可能にする。
【0101】
ネイバー検出ステップが、次に
図1に関して説明される。
【0102】
通信モジュール4は、インターフェースモジュール2に接続されるとき、発見されておらず経路指定アドレスを有しない。
【0103】
経路指定アドレスを必要とするメッセージを交換できるように、段階的な発見がインターフェースモジュール2から起動される。
【0104】
デフォルトで、接続されたすべてのモジュールが、それらの直列通信手段2bの受信モードをアクティブ化させることに留意されたい。
【0105】
このステップを実行するために、1と参照される分散通信システムの第1の経路指定アドレスが、インターフェースモジュール2に割り当てられる。次いで、インターフェースモジュール2の直列通信手段2bの放出モードのアクティブ化が、放出モードで制御され、ポイントツーポイント接続3a上での第1の既定値が、インターフェースモジュール2によって放出される。第1のモジュールが2つのポイントツーポイント接続に接続される事例では、ポイントツーポイント接続ごとに検出ステップが反復される。
【0106】
ポイントツーポイント接続3aに接続されたモジュールは第1の既定値を受信し、この同じ第1の既定値を見返りとして戻す。
【0107】
インターフェースモジュール2がポイントツーポイント接続3aを介して見返りとして第1の既定値を受信すると、割り当てられるべき新たな経路指定アドレスが決定される。
【0108】
割り当てられるべき新たな経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでのメッセージが、次いで、インターフェースモジュール2の直列通信手段2cを介して放出される。
【0109】
このメッセージは、直列接続3b上で放出されるので、インターフェースモジュール2による、接続されたモジュールの発見にかかわらず、接続されたモジュールの各々によって読み取られる。
【0110】
直列接続によって割り当てられるべき新たな経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでの両方のメッセージを受信し、かつその第1のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続上で第1の既定値を放出しており、かつその第2のポイントツーポイント通信手段上で第2の既定値を感知するモジュールは、割り当てられるべき経路指定アドレスを記録する。次いで、そうしたモジュールは、ネットワークを発見することを続けるために、その第2のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続を通じて第1の既定値を放出する。別のモジュールは、その第2のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続の他方の端部に接続されている場合、第1の既定値を見返りとして受信し、インターフェースモジュール2に接続されたポイントツーポイント接続を介して第1の既定値を見返りとして再放出する。インターフェースモジュール2は、このことから、発見およびアドレス指定されるべきモジュールがまだあることを推定する。インターフェースモジュール2は、次いで、別の経路指定アドレスを生成および放出する。
【0111】
他のモジュールは、その第2のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続の他方の端部に接続されていない場合、見返りとして第1の既定値を受信しない。次いで、他のモジュールは、見返りとしてインターフェースモジュール2に接続されたポイントツーポイント接続を介して第2の既定値を再放出する。
【0112】
インターフェースモジュール2は、このことから、発見およびアドレス指定すべき残されたモジュールがないことを推定する。インターフェースモジュール2は、次いで、新たな経路指定アドレスを生成するのをやめる。
【0113】
図1に示す事例では、インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続3aを通じて第1の既定値を放出する。通信モジュール4は、ポイントツーポイント接続3aを介して第1の既定値を受信し、ポイントツーポイント接続3aを介して見返りとして第1の既定値を再放出する。
【0114】
通信モジュール4がポイントツーポイント接続3aを介して第1の既定値を受信すると、インターフェースモジュール2は、このことから、モジュールが接続されていることを推定する。第2の経路指定アドレスが生成され、インターフェースモジュール2は、割り当てられるべき第2の経路指定アドレスを備えるメッセージをブロードキャストモードで放出する。
【0115】
ポイントツーポイント接続3aを介して第1の既定値を再放出しており、かつその第2のポイントツーポイント通信手段4eによって感知する通信モジュール4は、第2の既定値を受信し、通信モジュール4は、割り当てられるべき第2の経路指定アドレスを記録する。第2の既定値がデフォルト値であることに留意されたい。
【0116】
第1の既定値は、その第2のポイントツーポイント通信手段4eにより通信モジュール4によって放出される。
【0117】
第2のポイントツーポイント通信手段4eは、ポイントツーポイント接続および別のモジュールに接続されていないので、応答を受信することができない。応答を受信していない所定の持続時間の終了において、ポイントツーポイント接続3a上での第2の既定値の放出が制御され、通信モジュール4の後に他のネイバーがないことを示す。
【0118】
インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続3aを介して第2の既定値を受信し、ポイントツーポイント接続3aのためのネイバー検出方法を停止する。
【0119】
インターフェースモジュール2と通信モジュール4との間でネイバー検出ステップが説明された。しかしながら、異なるモジュールが関与するとき、同じステップが適用される。
【0120】
いくつかのデバイスが通信モジュールに接続される事例では、接続されたデバイスごとに経路指定アドレスが通信モジュールに割り当てられ得ることに留意されたい。したがって、通信モジュールは、いくつかの経路指定アドレスを有することができる。ネイバー検出ステップは、前記モジュールに接続されたデバイスごとに同じモジュールに対して数回反復される。
【0121】
より詳細には、通信モジュールがデバイスごとに1つを記憶するのに十分な数の経路指定アドレスを受信していない限り、いくつかのデバイスに接続された通信モジュールは、第1の既定値がそれを通じて受信されたポイントツーポイント接続を介して、第1の既定値を見返りとして放出する。
【0122】
より詳細には、通信モジュールに接続された各デバイスが経路指定アドレスに関連付けられるまで、新たな経路指定アドレスの直列接続上での受信の後、見返りとしてポイントツーポイント接続を介して放出された第1の既定値が再び放出される。
【0123】
次いで、通信モジュールは、上記で説明したような、その第2のポイントツーポイント通信手段によるネイバーの検出を再開する。
【0124】
上記で説明したネイバー検出ステップは、相互接続されたすべてのモジュールに、すなわち、インターフェースモジュール2がポイントツーポイント接続を介して第1の既定値を周期的に受信する限り、適用される。
【0125】
もっと多数のモジュールに一般化されたネイバー検出ステップが、次に
図2を参照しながら説明される。
【0126】
接続されるとき、
図2に示すモジュールのいずれも経路指定アドレスを有しない。したがって、それらは経路指定アドレスを必要とするメッセージを通じて通信することができない。
【0127】
このことを克服するために、インターフェースモジュール2から検出ステップが実行される。
【0128】
インターフェースモジュール2には、分散通信システム1の第1の経路指定アドレスが割り当てられる。次いで、インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続31aを介してあらかじめ定義された第1の値を、その第1のポイントツーポイント通信手段2bによって放出するように制御される。
【0129】
通信モジュール40は、ポイントツーポイント接続31a上で第1の既定値を受信する。通信モジュール40は、ポイントツーポイント接続31aを介して見返りとして第1の既定値を放出する。
【0130】
インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を受信し、このことから、ネイバー発見ステップが継続するはずであること、および経路指定アドレスが放出されるはずであることを推定する。
【0131】
第2の経路指定アドレスが決定され、インターフェースモジュール2は、第2の経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでのメッセージを直列接続31bによって放出するように制御される。
【0132】
第2の経路指定アドレスを備えるメッセージは、直列接続31b上で放出されるので、インターフェースモジュール2による、接続されたモジュールの発見にかかわらず、接続されたモジュールの各々によって読み取られる。
【0133】
通信モジュールは、直列接続31bを介して、第2の経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでのメッセージを受信する。
【0134】
通信モジュール40の第2のポイントツーポイント通信手段が、第2の既定値に等しいデフォルト値を感知するので、モジュールは、割り当てられるべき経路指定アドレスを記憶する。
【0135】
通信モジュール40の第2のポイントツーポイント通信手段は、ポイントツーポイント接続32aを介して第1の既定値を放出する。
【0136】
経路指定モジュール8は、次いで、ポイントツーポイント接続32aを介して第1の既定値を受信し、ポイントツーポイント接続32aを介して見返りとして第1の既定値を放出する。通信モジュール40は、ポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を受信する。通信モジュール40は、すでに経路指定アドレスを有するので、今度は通信モジュール40の他のポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を放出する。第1の既定値は、そのようにインターフェースモジュール2へ漸進的に再送信される。
【0137】
インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を受信し、このことから、別のモジュールが経路指定アドレスを受信するはずであることを推定する。
【0138】
インターフェースモジュール2は、次いで、第3の経路指定アドレスを決定し、次いで、第3の経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでの新たなメッセージを直列接続31b上で放出する。
【0139】
ポイントツーポイント接続32aを介して第1の既定値を見返りとして再放出しており、かつその第2のポイントツーポイント通信手段上で第2の既定値を感知する経路指定モジュール8は、次いで、ブロードキャストモードでのメッセージの中で直列接続31b上で受信された第3の経路指定アドレスを記録する。
【0140】
経路指定アドレスを記憶している最後のモジュールは、第1の既定値をその第2のポイントツーポイント通信手段によって放出する。
【0141】
見返りとして第1の既定値を受信すると、経路指定アドレスを記憶している最後のモジュール、およびインターフェースモジュール2に達して接続されたすべてのモジュールは、第1の既定値を漸進的に再送信する。
【0142】
第1の既定値が受信されるたびに、インターフェースモジュール2は新たな経路指定アドレスを生成し、新たな経路指定アドレスを各々が備える、ブロードキャストモードでの新たなメッセージを放出する。そのように生成および放出された経路指定アドレスは、発見されたモジュールによって記憶される。
【0143】
ネットワークの中の最後のモジュールが発見され経路指定アドレスを記憶していると、最後のモジュールは、その第2のポイントツーポイント通信手段によって第1の既定値を放出する。
図1によって例示したネットワーク発見の説明において説明したように、第2のポイントツーポイント通信手段は、ポイントツーポイント接続およびモジュールに接続されていない。したがって、第2のポイントツーポイント通信手段は応答を受信することができない。応答を受信していない所定の持続時間の後、第2の既定値の放出は、最後に発見されアドレスを記憶しているネットワークモジュールの、第1のポイントツーポイント通信手段によって制御される。第2の既定値は、インターフェースモジュール2まで各モジュールによって漸進的に再送信される。
【0144】
インターフェースモジュール2によってこの第2の既定値を受信すると、接続されたすべてのモジュールが経路指定アドレスを有すること、およびモジュールの斬新的な発見が完了していることが決定される。インターフェースモジュール2は、新たな経路指定アドレスを決定しないように制御され、ネイバー検出ステップが完了する。
【0145】
特定の実施形態では、ポイントツーポイント接続31aを介して第1の既定値が受信されるたびに、インターフェースモジュール2は、割り当てられた経路指定アドレスを経路指定テーブルの中に記憶する。
【0146】
協調または切替えモジュールの特定の事例では、そのようなモジュールの中に備えられたデータ処理手段が、第1のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続を介して受信された第1の既定値を決定論的に送信するように構成されることに留意されたい。決定論的な送信とは、第1のポイントツーポイント通信手段に接続されたポイントツーポイント接続を介してそのようなモジュールによって受信されたメッセージが、モジュールの出力部において別のポイントツーポイント接続によって接続される各分岐において所定の順序で送信されることを意味する。所定の順序は、あるネイバー決定ステップから次のネイバー決定ステップまで変化しない。
【0147】
図2に示す協調モジュール8の事例では、入力として受信された各第1の既定値は、第2のポイントツーポイント接続33aによって送信される。
【0148】
第2のポイントツーポイント接続33aによって受信されるすべての第1の値はまた、第1のポイントツーポイント接続32aによって再送信される。
【0149】
第2の既定値が第2のポイントツーポイント接続33aによって受信されると、分岐におけるすべてのモジュールが検出されており経路指定アドレスを受信していることが決定される。協調モジュール8は、次いで、第3のポイントツーポイント接続34aを介して第1の既定値を放出するように制御される。
【0150】
協調モジュール8は、次いで、第4のポイントツーポイント接続34aによって受信されたすべての第1の値を、第1のポイントツーポイント接続32aによって再送信するように制御される。
【0151】
第3のポイントツーポイント接続34aによって受信されたすべての第1の値も、第1のポイントツーポイント接続32aによって再送信される。
【0152】
第2の既定値が第3のポイントツーポイント接続34aによって受信されると、分岐におけるすべてのモジュールが検出されており経路指定アドレスを受信していることが決定される。協調モジュール8は、次いで、第4のポイントツーポイント接続35aによって第1の既定値を放出するように制御される。
【0153】
協調モジュール8は、次いで、第4のポイントツーポイント接続35aによって受信されたすべての第1の値を、第1のポイントツーポイント接続32aを通じて再送信するように制御される。
【0154】
第4のポイントツーポイント接続35aによって受信されたすべての第1の値も、第1のポイントツーポイント接続32aによって再送信される。
【0155】
第2の既定値が第4のポイントツーポイント接続35aによって受信されると、分岐におけるすべてのモジュールが検出されており経路指定アドレスを受信していること、およびすべての分岐が検出されていることが決定される。
【0156】
協調モジュール8は、次いで、第1のポイントツーポイント接続32aによって第2の既定値を放出するように制御される。
【0157】
上記の例では、次に、協調モジュールは、連続的に第2のポイントツーポイント接続33a、次いで、第3のポイントツーポイント接続34a、次いで、第4のポイントツーポイント接続35aを走査することにより、その分岐を発見することを行う。ただし、本明細書の範囲内のままでありながら他の分岐走査順序が可能である。
【0158】
インターフェースモジュールによる経路指定アドレスの放出と組み合わせられた、協調または切替えモジュールによる既定値の選択的な送信は、経路指定アドレスを発見すること、および接続されたすべてのモジュールに経路指定アドレスを割り当てることを可能にする。
【0159】
データは、次いで、本明細書において規定されるようなメッセージによって経路指定され得る。
【0160】
上記で説明したネイバー発見ステップは、第1の既定値または第2の既定値のいずれかの形態でのメッセージの交換のコンテキストで説明される。これらの値は、たとえば、ポイントツーポイント接続上での構造化メッセージまたは信号電圧値であり得る。
【0161】
しかしながら、メッセージ交換を高速化し、したがって、ネットワーク発見を高速化するために、メッセージは連結され得る。
【0162】
したがって、
図1によって図示される事例では、インターフェースモジュール2の第1のポイントツーポイント通信手段2bは、ポイントツーポイント接続3aを第1のレベルに導く。通信モジュール4の第1のポイントツーポイント通信手段は、第1のレベルをポイントツーポイント接続3a上で、かつ経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでのメッセージを直列接続3b上で感知すると、経路指定アドレスを記録する。
【0163】
インターフェースモジュール2の第1のポイントツーポイント通信手段2bは、経路指定アドレスを備える、ブロードキャストモードでのメッセージの放出の後、所定の持続時間にわたって第1のレベルを維持する。この所定の持続時間の終了において、インターフェースモジュール2は、その第1のポイントツーポイント通信手段2bによって第1のレベルを依然として感知する場合、ブロードキャストモードで放出されたメッセージの中に備えられる経路指定アドレスを記憶しているモジュールが存在することとして、そのことを解釈する。
【0164】
第3の経路指定アドレスの放出の間、通信モジュール4は、ブロードキャストモードでのメッセージの放出に続く所定の持続時間の後、その第1のポイントツーポイント通信手段4bを介して第1のレベルを維持しない。
【0165】
第2のレベルがその第1のポイントツーポイント通信手段2bによって感知される。インターフェースモジュール2は、ブロードキャストモードで放出されたメッセージの中に備えられる経路指定アドレスを記憶しているモジュールが存在しないこととして、そのことを解釈する。ネットワーク発見は、次いで、中断される。
【0166】
ネットワーク発見は、経路指定アドレスの割当てとともにネットワークの最初の発見の一部として上記で説明された。しかしながら、ネットワーク発見は、たとえば、以前に発見されたモジュールが依然として接続されているかまたは障害を受けていないこと、新たなモジュールが追加または置換されていること、あるいはネットワークの最初の発見が正しく実行されていないことを検証するために、後で再び実行され得る。
【0167】
そのような後続の発見を達成するために、上記で説明した発見およびアドレス指定方法が、経路指定アドレスの生成、直列接続上での経路指定アドレスの放出、および発見された最後のモジュールによる経路指定アドレスの記憶を省略して適用される。
【0168】
図2を参照すると、後続の発見ステップは、以下のサブステップを備える。
【0169】
インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続31aを介して第1の既定値を、その第1のポイントツーポイント通信手段2bによって放出するように制御される。
【0170】
通信モジュール40は、ポイントツーポイント接続31a上で第1の既定値を受信する。通信モジュール40は、ポイントツーポイント接続31aを介して見返りとして第1の既定値を放出する。
【0171】
インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を受信し、このことから、モジュールが発見されていることを推定する。
【0172】
通信モジュール40の第2のポイントツーポイント通信手段は、ポイントツーポイント接続32aを介して第1の既定値を放出する。
【0173】
経路指定モジュール8は、次いで、ポイントツーポイント接続32aを介して第1の既定値を受信し、ポイントツーポイント接続32aを介して見返りとして第1の既定値を放出する。通信モジュール40は、ポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を受信する。すでに発見されているとき、通信モジュール40は、今度は通信モジュール40の他のポイントツーポイント接続31aを通じて第1の既定値を放出する。第1の既定値は、そのようにインターフェースモジュール2へ漸進的に送信される。
【0174】
インターフェースモジュール2は、ポイントツーポイント接続31aを介して第1の既定値を受信し、このことから、別のモジュールが発見されていることを推定する。
【0175】
発見されている最後のモジュールは、その第2のポイントツーポイント通信手段を介して第1の既定値を放出する。
【0176】
見返りとして第1の既定値を受信すると、経路指定アドレスを記憶している最後のモジュール、およびインターフェースモジュール2に達して接続されたすべてのモジュールは、第1の既定値を漸進的に再送信する。
【0177】
第1の既定値が受信されるたびに、インターフェースモジュール2は、新たなモジュールが発見されていることを決定する。
【0178】
ネットワークの中の最後のモジュールが発見されると、そうした最後のモジュールは、その第2のポイントツーポイント通信手段によって第1の既定値を放出する。
図1に例示したネットワーク発見の説明において説明したように、第2のポイントツーポイント通信手段は、ポイントツーポイントリンクおよびモジュールに接続されていない。したがって、第2のポイントツーポイント通信手段は、応答を受信することができない。応答を受信していない所定の持続時間の後、第2の既定値の放出は、最後に発見されアドレスを記憶しているネットワークモジュールの、第1のポイントツーポイント通信手段によって制御される。第2の既定値は、インターフェースモジュール2に達した各モジュールによって漸進的に再送信される。
【0179】
インターフェースモジュール2によってこの第2の既定値を受信すると、接続されたすべてのモジュールが発見されていることが決定される。
【0180】
したがって、インターフェースモジュール2は、発見されたモジュールの数を、発見および経路指定アドレスの割当ての最初のステップの間に発見されたモジュールの数と比較することができる。
【0181】
ネットワークの後続の発見の間に発見された、ネットワークおよび/または各分岐の最後のモジュールを、初期ネットワーク発見およびモジュールアドレス指定の間に発見された、ネットワークおよび/または各分岐の最後のモジュールと比較することによって、接続またはモジュールにおける障害の存在を決定することも可能である。発見された最後のモジュールが、ネットワークの初期発見およびモジュールのアドレス指定の間に発見された最後のモジュールとは異なる場合、後続の発見の間に発見された最後のモジュールと直後のモジュールとの間のポイントツーポイント接続に障害があるか、または直後のモジュールに障害があることが決定される。したがって、発見および経路指定アドレスの割当ての最初のステップがそこから実行されたモジュールと同じモジュールから発見ステップが実行されるとき、ネットワークのトポロジーの中でのこの障害の位置を識別することが可能である。
【0182】
上記で説明したネイバー発見ステップは、インターフェースモジュール2によって実行される。しかしながら、このステップ、およびより一般的に、制御方法は、通信システム1の任意のモジュールによって実行され得る。分散通信システム1およびそのようなシステムを制御するための方法は、複合システムのデバイスとのメモリの通信を可能にする。これらのデバイスは、アクチュエータ、バッテリー、電源、センサ、放出器、データ処理手段のメモリ、およびより一般的に、複合システムの動作を可能にする任意のシステムであり得る。
【符号の説明】
【0183】
1 分散通信システム
2 インターフェースモジュール
4 通信モジュール
5 メモリ
6 接続
7 デバイス
8 協調モジュール、経路指定モジュール
2a データ処理手段
2b 第1の通信手段、ポイントツーポイント通信手段
2c 第2の通信手段、直列通信手段
2d 第3の通信手段
2e 第1の通信手段
3a ポイントツーポイント接続
3b 直列接続
31a、32a、33a、34a、35a、36a ポイントツーポイント接続
31b、32b、33b、34b 直列接続
4a データ処理手段
4b 第1の通信手段、ポイントツーポイント通信手段
4c 第2の通信手段、直列通信手段
4d 第3の通信手段
4e 第1の通信手段、第2のポイントツーポイント通信手段
40、41、42、43、44 通信モジュール
【国際調査報告】