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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】ヘテロ環式誘導体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/04 20060101AFI20220818BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20220818BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20220818BHJP
   C07D 498/10 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 13/00 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
C07D498/04 112Q
C07D471/04 106C
C07D513/04 375
C07D498/10 S CSP
A61K31/542
A61K31/5386
A61K31/5383
A61K31/437
A61P13/00
A61P19/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574816
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 CN2020096208
(87)【国際公開番号】W WO2020253659
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/862,164
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】516357177
【氏名又は名称】フォチョン・ファーマシューティカルズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FOCHON PHARMACEUTICALS, LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】515121070
【氏名又は名称】シャンハイ フォチョン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, ズウェン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ファ
(72)【発明者】
【氏名】ロン, ユエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, リン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジーファン
(72)【発明者】
【氏名】タン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, リジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シャンロン
(72)【発明者】
【氏名】タン, ハオハン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ビン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チェンリン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, ユーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, リーフゥア
(72)【発明者】
【氏名】リン, シュー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, シンドン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェイボー
【テーマコード(参考)】
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA04
4C065BB05
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH09
4C065JJ01
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP03
4C065QQ01
4C065QQ05
4C072AA01
4C072AA04
4C072BB02
4C072CC03
4C072CC11
4C072CC16
4C072EE07
4C072EE17
4C072FF04
4C072GG09
4C072HH02
4C072JJ02
4C072JJ03
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086CB22
4C086CB29
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZC31
4C086ZC41
(57)【要約】
特定のURAT1阻害剤、その医薬組成物、及びその使用方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【化1】

(式中、
Wは、アリール及びヘテロアリールから選択され、ここで、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、-(CRC0D0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-及び-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-から選択され;
は、CRC1D1、NRA1、O、及びS(O)から選択され;
及びXは、-(CRC1D1-、-(CRC1D1O(CRC1D1-、-(CRC1D1NRA1(CRC1D1-、-(CRC1D1S(CRC1D1-、-(CRC1D1C(O)(CRC1D1-及び-(CRC1D1S(O)(CRC1D1-から独立的に選択され;
、Y及びYは、N、NR、CR、O及びS(O)から独立的に選択され;
は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)RA2、-C(=NRE2)RA2、-C(=N-ORB2)RA2、-C(O)ORA2、-OC(O)RA2、-C(O)NRA2B2、-NRA2C(O)RB2、-C(=NRE2)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)RB2、-OC(O)NRA2B2、-NRA2C(O)ORB2、-NRA2C(O)NRA2B2、-NRA2C(S)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)NRA2B2、-S(O)A2、-S(O)(=NRE2)RB2、-N=S(O)RA2B2、-S(O)ORA2、-OS(O)A2、-NRA2S(O)B2、-NRA2S(O)(=NRE2)RB2、-S(O)NRA2B2、-S(O)(=NRE2)NRA2B2、-NRA2S(O)NRA2B2、-NRA2S(O)(=NRE2)NRA2B2、-P(O)RA2B2及び-P(O)(ORA2)(ORB2)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX0から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA2及びRB2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RA2及びRB2」は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択される0、1、又は2個の追加のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX2基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各RC0及びRD0は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX0から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RC0及びRD0」は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX0基で任意選択で置換されている、3~12員環を形成し;
各RC1及びRD1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RC1及びRD1」は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX1基で任意選択で置換されている、3~12員環を形成し;
各RE2は、水素、重水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各R、RX0、RX1、RX2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立的に選択される0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のR基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各Rc1及び各Rd1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のR基で任意選択で置換されている3~12員環を形成し;
各Re1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から独立的に選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はOH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立的に選択される0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含み、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される1又は2個の置換基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各Rc2及び各Rd2は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシC1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含み、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される1又は2個の置換基で任意選択で置換されている3~12員環を形成し;
各Re2は、水素、重水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立的に選択され;
各rは、0、1、及び2から独立的に選択され;
各tは、0、1、2、3、及び4から独立的に選択され;
各uは、0、1、2、3、及び4から独立的に選択される。)
【請求項2】
式(I)の部分
【化2】

が、
【化3】

(式中、R及びRは、式(I)で定義されたとおりである)
から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
がNRであり、YがNであり、YがCRであり、
前記化合物が、式(II)
【化4】

(式中、R、R、X、X、X、L及びWは、式(I)で定義されたとおりである)
の構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式(I)の部分
【化5】

が、
【化6】

(式中、R及びRは、式(I)で定義されたとおりである)から選択される、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が、水素、重水素、C1~10アルキル、及びC3~10シクロアルキルから選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が、水素、及びC1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項5に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が、水素及びメチルから選択される、請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、水素、重水素、ハロゲン、OH、CN、NO、NH、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が、水素、及びC1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
が、水素及びメチルから選択される、請求項9に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
が、CRC1D1、NRA1、O、S、及びS(O)から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
における前記RC1及びRD1が、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
における前記RC1及びRD1が、水素、重水素、及びC1~10アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキルは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
における前記RA1が、水素、重水素、C1~10アルキル、及びC3~10シクロアルキルから選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
における前記RA1が、水素、重水素、及びC1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
における前記RC1及びRD1が、水素及び重水素から独立的に選択され、Xにおける前記RA1が、水素、重水素、及びメチルから選択される、請求項11~15のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
及びXが、-(CRC1D1-から独立的に選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
各uが、0、1及び2から独立的に選択される、請求項17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
又はXにおける前記RC1及びRD1が、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項17又は18に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
又はXにおける前記RC1及びRD1が、水素、重水素、ハロゲン及びC1~10アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキルは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
又はXにおける前記RC1及びRD1が、水素、重水素、及びメチルから独立的に選択される、請求項20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
又はXにおける前記RC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX1基で任意選択で置換されている、3~8員環を形成する、請求項17又は18に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
又はXにおける前記RC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、3~5員のシクロアルキルを形成する、請求項22に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
又はXにおける前記RC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、シクロプロピルを形成する、請求項23に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
式(I)の部分
【化7】

が、
【化8】

から選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
式(I)の部分
【化9】

が、
【化10】

から選択される、請求項25に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
Lが、-(CRC0D0C(O)(CRC0D0-である、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
Lが-C(O)-である、請求項27に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
Wがアリールであり、ここで、アリールは、非置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
Wがヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールは、非置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
Wがフェニルであり、フェニルの置換基Rが、ハロゲン、CN、及び-(CRc1d1ORb1から選択される、請求項29に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
フェニルの前記置換基Rが、Cl、Br、CN及びOHから選択される、請求項31に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
式(I)の部分
【化11】

が、
【化12】

から選択される、請求項32に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
【化13】

から選択される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項36】
URAT1の阻害に応答する状態を治療、改善、又は予防する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、有効量の請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
【請求項37】
URAT1によって媒介されている状態を治療するための医薬の調製における、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[1]本出願は、米国仮出願第62/862,164号の優先権を主張し、当該仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[2]尿酸アニオン輸送体1(URAT1)の活性を阻害することができ、尿酸レベルの低下の治療、及び障害、特に痛風の治療に有用であり得る特定の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【背景技術】
【0003】
[3]尿酸は、内因性及び食事性のプリン代謝の最終代謝産物である。尿酸排泄の主な経路は腎臓である。尿酸の約3分の2は尿中に排泄され、残りは糞便中に排泄される。尿酸塩は、血中の抗酸化物質として機能するが、尿酸のレベルが上昇すると(高尿酸血症として知られる状態)、痛風を誘発する可能性がある。高尿酸血症は、尿酸の過剰産生若しくは不十分な腎排泄、又はその両方の組合せから生じる場合がある。
【0004】
[4]痛風は、血清尿酸のレベルの異常な上昇によって引き起こされる、疼痛を伴う消耗性かつ進行性の疾患である。痛風は、関節、腱、及び周囲組織で結晶化して沈着する尿酸のレベルの上昇に関連している。これにより、関節の結合組織内及びその周辺並びに腎臓に疼痛を伴う針状の尿酸結晶が沈着し、炎症、外観を損なう小結節の形成、重度の疼痛の断続的な発作、及び腎臓損傷をもたらす。加えて、最近の研究では、尿酸塩レベルの上昇が、慢性腎疾患、心血管疾患、糖尿病、及び高血圧などの他の重要な疾患において極めて重要な役割を果たしていることが示唆されている。
【0005】
[5]血清尿酸レベルを低下させる薬剤を使用して、痛風の原因を治療することができる。これらには、尿酸産生をもたらす酵素を阻害する薬剤、例としてキサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノール、フェブキソスタット、若しくはチソプリン)、又はプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤(例えば、ウロデシン);尿酸を代謝する薬剤、例としてウリカーゼ(例えば、ペグロチカーゼ)としても知られる尿酸オキシダーゼ;或いは尿中の尿酸の排泄を増加させる(尿酸排泄促進薬)薬剤が含まれる。尿酸排泄促進薬としては、腎臓における尿酸の血液への再吸収に関与する輸送体を阻害する薬剤、例として、ベンジオダロン、イソブロミンジオン、プロベネシド、及びスルフィンピラゾン、並びにURAT1阻害剤(例えば、レシヌラド)が挙げられる。
【0006】
[6]尿酸アニオン輸送体1(URAT1)は、主に腎臓に見られる有機アニオン輸送体であり、溶質キャリアファミリー22、メンバー12としても知られており、遺伝子SLC22A12によってコードされている。ヒト遺伝子分析によって、SLC22A12遺伝子における多型が血清尿酸の変化に直接関連していることを実証された。URAT1媒介尿酸取り込みは、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞発現系を使用した実験によって示されている。URAT1などの尿酸輸送体の阻害剤は、近位尿細管での尿酸の再取り込みを防止し、尿酸の腎排泄を増加させることができるため、痛風の予防及び治療に有効である。
【0007】
[7]したがって、URAT1に対する阻害活性を有する化合物は、URAT1の発現及び/又は活性が調節不全になっている特定クラスの患者に対する治療手法として成功するであろう。URAT1阻害剤は、例えば、国際公開第2009070740号及び国際公開第2011159839号など、当技術分野において開示されているが、多くは、低い効力、短い半減期、又は毒性に悩まされている。したがって、高尿酸血症及び痛風などの疾患の治療の代替として、効力、安定性、選択性、毒性、薬物動態学及び薬力学特性から選択される少なくとも1つの有利な特性を有する新規なURAT1阻害剤が必要である。この関連で、新規クラスのURAT1阻害剤を、本明細書で提供する。
【発明の詳細な説明】
【0008】
[8]本明細書において、特定の新規化合物、その薬学的に許容される塩、及びその医薬組成物、並びに医薬品としてのその使用を開示する。
【0009】
[9]一態様では、本明細書において、式(I):
【化1】

(式中、
Wは、アリール及びヘテロアリールから選択され、ここで、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、-(CRC0D0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-及び-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-から選択され;
は、CRC1D1、NRA1、O、及びS(O)から選択され;
及びXは、-(CRC1D1-、-(CRC1D1O(CRC1D1-、-(CRC1D1NRA1(CRC1D1-、-(CRC1D1S(CRC1D1-、-(CRC1D1C(O)(CRC1D1-及び-(CRC1D1S(O)(CRC1D1-から独立的に選択され;
、Y及びYは、N、NR、CR、O及びS(O)から独立的に選択され;
は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)RA2、-C(=NRE2)RA2、-C(=N-ORB2)RA2、-C(O)ORA2、-OC(O)RA2、-C(O)NRA2B2、-NRA2C(O)RB2、-C(=NRE2)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)RB2、-OC(O)NRA2B2、-NRA2C(O)ORB2、-NRA2C(O)NRA2B2、-NRA2C(S)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)NRA2B2、-S(O)A2、-S(O)(=NRE2)RB2、-N=S(O)RA2B2、-S(O)ORA2、-OS(O)A2、-NRA2S(O)B2、-NRA2S(O)(=NRE2)RB2、-S(O)NRA2B2、-S(O)(=NRE2)NRA2B2、-NRA2S(O)NRA2B2、-NRA2S(O)(=NRE2)NRA2B2、-P(O)RA2B2及び-P(O)(ORA2)(ORB2)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX0から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA2及びRB2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RA2及びRB2」は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択される0、1、又は2個の追加のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX2基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各RC0及びRD0は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX0から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RC0及びRD0」は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX0基で任意選択で置換されている、3~12員環を形成し;
各RC1及びRD1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RC1及びRD1」は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX1基で任意選択で置換されている、3~12員環を形成し;
各RE2は、水素、重水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各R、RX0、RX1、RX2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立的に選択される0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のR基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各Rc1及び各Rd1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のR基で任意選択で置換されている3~12員環を形成し;
各Re1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から独立的に選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はOH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立的に選択される0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含み、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される1又は2個の置換基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各Rc2及び各Rd2は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシC1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含み、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される1又は2個の置換基で任意選択で置換されている3~12員環を形成し;
各Re2は、水素、重水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立的に選択され;
各rは、0、1、及び2から独立的に選択され;
各tは、0、1、2、3、及び4から独立的に選択され;
各uは、0、1、2、3、及び4から独立的に選択される)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩を開示する。
【0010】
[10]式(I)の一実施形態では、本発明は、式(I)の部分
【化2】

が、
【化3】

(式中、R及びRは、式(I)で定義されたとおりである)
から選択される、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0011】
[11]式(I)の一実施形態では、本発明は、YがNRであり、YがNであり、YがCRであり、化合物が、式(II)
【化4】

(式中、R、R、X、X、X、L及びWは、式(I)で定義されたとおりである)
の構造を有する、化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0012】
[12]さらに別の態様では、本開示は、式(I)の化合物又は少なくとも1つのその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
[13]さらに別の態様では、本開示は、URAT1を調節する方法であって、それを必要とする系又は対象に、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を投与し、それにより前記URAT1を調節することを含む、方法を提供する。
【0014】
[14]さらに別の態様では、URAT1の阻害に応答する状態を治療、改善、又は予防する方法であって、そのような治療を必要とする系又は対象に、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて投与し、それにより前記状態を治療することを含む、方法を開示する。
【0015】
[15]或いは、本開示は、URAT1によって媒介されている状態を治療するための医薬品の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。特定の実施形態では、本開示の化合物は、URAT1によって媒介されている状態を治療するために、単独で、又は第2の治療剤と組み合わせて使用してもよい。
【0016】
[16]或いは、URAT1によって媒介される状態を治療するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を開示する。
【0017】
[17]詳細には、本明細書の状態としては、高尿酸血症、痛風、再発性痛風発作、結節性痛風、関節炎、痛風性関節炎、炎症性関節炎、関節炎症、関節における尿酸塩結晶の沈着、腎疾患、腎結石、腎不全、尿路結石症、高血圧、心血管疾患、冠状動脈性心疾患、レッシュ・ナイハン症候群及びケリー・シーグミラー症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
[18]さらに、本開示は、異常な組織又は器官の尿酸レベルを特徴とする状態を治療する方法であって、そのような治療を必要とする系又は対象に、有効量の式(I)又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を、任意選択で第2の治療剤と組み合わせて投与し、それにより前記状態を治療することを含む、方法を開示する。
【0019】
[19]或いは、本開示は、異常な組織又は器官の尿酸レベルを特徴とする状態を治療するための医薬品の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。特定の例では、本開示の化合物は、異常な組織又は器官の尿酸レベルを特徴とする状態を治療するために、単独で、又は化学療法剤と組み合わせて使用してもよい。
【0020】
[20]詳細には、本明細書に開示される状態としては、高尿酸血症、痛風、再発性痛風発作、結節性痛風、関節炎、痛風性関節炎、炎症性関節炎、関節炎症、関節における尿酸塩結晶の沈着、腎疾患、腎結石、腎不全、尿路結石症、高血圧、心血管疾患、冠状動脈性心疾患、レッシュ・ナイハン症候群及びケリー・シーグミラー症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
[21]本開示の化合物を使用するための上記の方法において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、細胞若しくは組織を含む系に、又はヒト若しくは動物対象などの哺乳動物対象を含む対象に投与してもよい。
【0022】
特定の用語
[22]他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の開示全体を通して言及されるすべての特許、特許出願、公開資料は、特記しない限り、その全体が参照により組み込まれる。本明細書の用語に複数の定義がある場合、このセクションの定義が優先する。
【0023】
[23]前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、説明的なものにすぎず、請求される主題を限定するものではないことを理解すべきである。本願において、特に他に記載がない限り、単数形の使用は複数形を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。「又は」の使用は、他に記載がない限り、「及び/又は」を意味することに留意すべきである。さらに、「含む(including)」という用語、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形式の使用は限定的ではない。同様に、「含む(comprising)」という用語、並びに「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含まれる(comprised)」などの他の形式の使用は限定的ではない。
【0024】
[24]特に指示がない限り、当該技術分野の範囲内の質量分析法、NMR、HPLC、IR及びUV/Vis分光法及び薬理学の従来の方法を使用する。特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、並びに薬学化学及び医薬化学に関連して使用される命名法、ならびそれらの実験手順及び技術は、当該技術分野で知られているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬品の調製、製剤化、送達、及び患者の治療に使用することができる。反応及び精製技術は、例えば、製造業者の仕様のキットを使用して、又は当該技術分野で一般的に達成されるように、又は本明細書に記載されるように実施することができる。前述の技術及び手順は、当該技術分野において周知であり、本明細書全体にわたって引用及び議論されている種々の一般的でより詳細な参考文献に記載されている従来の方法により、一般に実施することができる。本明細書全体にわたって、当業者は、基及びそれらの置換基を、安定な部分及び化合物を提供するために、選択することができる。
【0025】
[25]置換基が左から右に書かれた従来の化学式で明記されている場合、それらは、右から左に構造式を書くことから生じる化学的に同一の置換基を等しく包含する。非限定的な例として、CHOはOCHと同等である。
【0026】
[26]「置換された」という用語は、水素原子が置換基で置き換えられることを意味する。所定の原子での置換は、価数によって制限されることを理解すべきである。
【0027】
[27]本明細書で使用される「Ci~j」又は「i~j員」という用語は、その部分がi~j個の炭素原子又はi~j個の原子を有することを意味する。例えば、「C1~6アルキル」は、前記アルキルが1~6個の炭素原子を有することを意味する。同様に、C3~10シクロアルキルは、前記シクロアルキルが3~10個の炭素原子を有することを意味する。
【0028】
[28]変数(例えばR)が化合物の構造式で1回より多く発生する場合、変数は、それぞれの場合で独立して定義される。したがって、例えば、ある基が0~2個のRで置換されている場合、基は最大2つのRにより任意選択で置換されていてもよく、Rは、それぞれの場合で独立した選択肢を有する。さらに、置換基及び/又はそのバリアントの組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許可される。
【0029】
[29]「1つ又は複数」又は「少なくとも1つ」という表現は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又は9つ以上を指す。
【0030】
[30]特に明記しない限り、「ヘテロ」という用語は、ヘテロ原子又はヘテロ原子基(すなわち、ヘテロ原子を含む基)、すなわち、炭素及び水素原子以外の原子、又はそのような原子を含む基を意味する。好ましくは、ヘテロ原子(複数可)は、O、N、S、Pなどからなる群から独立して選択される。2つ以上のヘテロ原子が関与する実施形態では、2つ以上のヘテロ原子が同じであってもよく、又は2つ以上のヘテロ原子の一部若しくはすべてが異なっていてもよい。
【0031】
[31]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、特定の数の炭素原子を有する分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基又は直鎖飽和脂肪族炭化水素基を指す。特に明記しない限り、「アルキル」はC1~10アルキルを指す。例えば、「C1~6アルキル」のように、C1~6は、1、2、3、4、5、又は6個の炭素を直鎖又は分岐鎖配置で有する基を含むと定義される。例えば、「Cl-8アルキル」としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
[32]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキル」という用語は、通常3~16個の環原子を有する飽和単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)炭化水素環系を指す。シクロアルキルの環原子はすべて炭素であり、シクロアルキルはゼロ個のヘテロ原子とゼロ個の二重結合を含んでいる。多環式シクロアルキルでは、2つ以上の環が一緒に縮合されるか又は架橋されるか又はスピロとなり得る。単環式環系の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。架橋シクロアルキルは、3~10個の炭素原子を含む多環式環系であり、1つ又は2つのアルキレンブリッジを含み、各アルキレンブリッジは、それぞれが環系の2つの非隣接炭素原子を連結する1、2、又は3つの炭素原子からなる。シクロアルキルは、アリール又はヘテロアリール基と縮合することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルはベンゾ縮合している。そのような架橋シクロアルキル環系の代表例としては、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[4.2.1]ノナン、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン及びトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)が挙げられるが、これらに限定されない。単環式又は架橋シクロアルキルは、環系内に含まれる任意の置換可能な原子を介して親分子部分に結合することができる。
【0033】
[33]単独又は他の用語と組み合わせて使用される「アルケニル」という用語は、2~10個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、直鎖、分岐鎖又は環状の非芳香族炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、1つの炭素-炭素二重結合が存在し、最大4個の非芳香族炭素-炭素二重結合が存在し得る。したがって、「C2~6アルケニル」は、2~6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。アルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、2-メチルブテニル及びシクロヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基の直鎖、分岐鎖又は環状部は二重結合を含んでもよく、置換アルケニル基が示されている場合は置換されていてもよい。
【0034】
[34]単独又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキニル」という用語は、2~10個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む、直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、最大3つの炭素-炭素三重結合が存在し得る。したがって、「C2~6アルキニル」は、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、及び3-メチルブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基の直鎖、分岐鎖又は環状部は三重結合を含んでもよく、置換アルキニル基が示されている場合は置換されていてもよい。
【0035】
[35]「ハロゲン」(又は「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0036】
[36]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子に単結合した上記で定義されたアルキルを指す。アルコキシ基の分子への結合点は、酸素原子を介している。アルコキシ基は、-O-アルキルとして表されてもよい。「C1~10アルコキシ」という用語は、1~10個の炭素原子を含み、直鎖又は分岐鎖部分を有するアルコキシ基を指す。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
[37]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子に単結合した上記で定義されたシクロアルキルを指す。シクロアルコキシ基の分子への結合点は、酸素原子を介している。シクロアルコキシ基は、-O-シクロアルキルとして表されてもよい。「C3~10シクロアルコキシ」とは、3~10個の炭素原子を含むシクロアルコキシ基を指す。シクロアルコキシは、アリール又はヘテロアリール基と縮合することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルコキシはベンゾ縮合している。シクロアルコキシ基としては、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
[38]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子に単結合した上記で定義されたアルキル基を指す。アルキルチオ基の分子への結合点は、硫黄原子を介している。アルキルチオ基は、-S-アルキルとして表されてもよい。「C1~10アルキルチオ」という用語は、1~10個の炭素原子を含み、直鎖又は分岐鎖部分を有するアルキルチオ基を指す。アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
[39]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキルチオ」という用語は、硫黄原子に単結合した上記で定義されたシクロアルキルを指す。シクロアルキルチオ基の分子への結合点は、硫黄原子を介している。シクロアルキルチオ基は、-S-シクロアルキルとして表されてもよい。「C3~10シクロアルキルチオ」とは、3~10個の炭素原子を含むシクロアルキルチオ基を指す。シクロアルキルチオは、アリール又はヘテロアリール基と縮合することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルチオはベンゾ縮合している。シクロアルキルチオ基としては、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロヘキシルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
[40]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキルアミノ」という用語は、窒素原子に単結合した上記で定義されたアルキルを指す。アルキルアミノ基の分子への結合点は、窒素原子を介している。アルキルアミノ基は、-NH(アルキル)として表されてもよい。「C1~10アルキルアミノ」という用語は、1~10個の炭素原子を含み、直鎖又は分岐鎖部分を有するアルキルアミノ基を指す。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ヘキシルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
[41]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキルアミノ」という用語は、窒素原子に単結合した上記で定義されたシクロアルキルを指す。シクロアルキルアミノ基の分子への結合点は、窒素原子を介している。シクロアルキルアミノ基は、-NH(シクロアルキル)として表されてもよい。「C3~10シクロアルキルアミノ」とは、3~10個の炭素原子を含むシクロアルキルアミノ基を指す。シクロアルキルアミノは、アリール又はヘテロアリール基と縮合することができる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルアミノはベンゾ縮合している。シクロアルキルアミノ基としては、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
[42]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「ジ(アルキル)アミノ」という用語は、窒素原子に単結合した上記で定義された2つのアルキルを指す。ジ(アルキル)アミノ基の分子への結合点は、窒素原子を介している。ジ(アルキル)アミノ基は、-N(アルキル)として表されてもよい。「ジ(C1~10アルキル)アミノ」という用語は、アルキル基がそれぞれ独立して1~10個の炭素原子を含み、直鎖又は分岐鎖部分を有するジ(C1~10アルキル)アミノ基を指す。
【0043】
[43]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「アリール」という用語は、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の炭素原子を有する一価の、単環式、二環式又は三環式芳香族炭化水素環系(「C6~14アリール」基)、特に、6個の炭素原子を有する環(「Cアリール」基)、例えば、フェニル基;又は、10個の炭素原子を有する環(「C10アリール」基)、例えば、ナフチル基;又は、14個の炭素原子を有する環(「C14アリール」基)、例えば、アントラニル基を指す。アリールは、シクロアルキル基又はヘテロ環基と縮合することができる。
【0044】
[44]置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に遊離原子価を有する二価基は、置換フェニレン基と呼ばれる。遊離原子価を有する炭素原子から1つの水素原子を除去することにより名前が「-イル」で終わる一価の多環式炭化水素基から誘導される二価基は、「-イル」を除去し、対応する一価基の名前に「-イデン」を追加することで命名され、例えば、2つの結合点を持つナフチル基はナフチリデンと称される。
【0045】
[45]単独で又は他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロアリール」という用語は、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の環原子を有し(「5員~14員ヘテロアリール」基)、特に5又は6又は9又は10個の原子を有し、同一又は異なる場合がある少なくとも1つのヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子はN、O及びSから選択され、残りの環原子は炭素である一価の、単環式、二環式又は三環式芳香環系を指す。ヘテロアリールは、シクロアルキル基又はヘテロ環基と縮合することができる。いくつかの実施形態では、「ヘテロアリール」は、
N、O及びSから選択される1個又は複数の、例えば1個~4個の、若しくはいくつかの実施形態では1個~3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5員~8員の単環式芳香環;又は
N、O及びSから選択される1個又は複数の、例えば1個~6個、若しくはいくつかの実施形態では1個~4個の、若しくはいくつかの実施形態では1個~3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、8員~12員の二環式芳香環系;又は
N、O及びSから選択される1個又は複数の、例えば1個~8個、若しくはいくつかの実施形態では1個~6個、若しくはいくつかの実施形態では1個~4個の、若しくはいくつかの実施形態では1個~3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、11員~14員の三環式芳香環系を指す。
【0046】
[46]ヘテロアリール基中のS及びO原子の総数が1を超える場合、それらのヘテロ原子は互いに隣接していない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基中のS及びO原子の総数は2以下である。いくつかの実施形態では、芳香族ヘテロ環中のS及びO原子の総数は1以下である。
【0047】
[47]ヘテロアリール基の例としてはピリド-2-イル、ピリド-3-イル、ピリド-4-イル、ピラジン-2-イル、ピラジン-3-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピリミジン-6-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、イミダゾール-5-イル、ピリダジニル、トリアジニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
[48]さらなるヘテロアリール基としては、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノキサリニル、キノリニル、及びイソキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。「ヘテロアリール」は、任意の窒素含有ヘテロアリールのN-オキシド誘導体を含むことも理解される。
【0049】
[49]遊離原子価を有する原子から1つの水素原子を除去することにより名前が「-イル」で終わる一価のヘテロアリール基から誘導される二価基は、対応する一価基の名前に「-イデン」を追加することで命名され、例えば、2つの結合点を有するピリジル基はピリジリデンである。
【0050】
[50]単独で、又は他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロ環」という用語(及び「ヘテロ環式」又は「ヘテロシクリル」などのその変形)は、通常、3~12個の環原子を有し、少なくとも1つ(例えば、2、3又は4個)の環原子は、O、S、N及びP(好ましくはO、S、N)から独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である、飽和又は不飽和の単環式又は多環式(例えば、二環式)脂肪族環系を広く指す。多環式ヘテロ環では、2つ以上の環が一緒に縮合されるか又は架橋されるか又はスピロとなり得る。ヘテロ環は、アリール又はヘテロアリール基と縮合することができる。いくつかの実施形態では、ヘテロ環はベンゾ縮合している。ヘテロ環にはまた、1つ若しくは複数のオキソ又はイミノ部分で置換された環系も含まれる。いくつかの実施形態では、ヘテロ環のC、N、S及びP原子は、オキソによって任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、ヘテロ環のC、S及びP原子は、イミノによって任意選択で置換されており、イミノは非置換であっても置換されていてもよい。結合点は、結合が安定な構造の生成をもたらすならば、ヘテロ環式環中の炭素原子又はヘテロ原子であってもよい。ヘテロ環式環が置換基を有する場合、安定な化学構造が得られるならば、置換基は、ヘテロ原子であろうと炭素原子であろうと、環内の任意の原子に結合し得ることが理解される。
【0051】
[51]好適なヘテロ環としては、例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、イミダゾリジン-1-イル、イミダゾリジン-2-イル、イミダゾリジン-3-イル、イミダゾリジン-4-イル、イミダゾリジン-5-イル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、ヘキサヒドロピリダジン-1-イル、ヘキサヒドロピリダジン-3-イル及びヘキサヒドロピリダジン-4-イルが挙げられる。モルホリン-1-イル、モルホリン-2-イル及びモルホリン-3-イルなどのモルホリニル基も企図される。1つ又は複数のオキソ部分を有するヘテロ環の例としては、ピペリジニルN-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-チオモルホリニル及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロ環は、例えば、
【化5】

を含む。
【0052】
[52]本発明で使用する場合、「アリールアルキル」は、上記で定義されたアリール基で置換された上記で定義されたアルキル部分を指す。例示的アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリールアルキル基は、7~20個又は7~11個の炭素原子を有する。「アリール-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C1~4」という用語は、この部分のアルキル部を指し、この部分のアリール部の原子数を表さない。
【0053】
[53]本発明で使用する場合、「ヘテロシクリル-アルキル」は、上記で定義されたヘテロシクリルによって置換された上記で定義されたアルキルを指す。「ヘテロシクリル-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C1~4」という用語は、この部分のアルキル部を指し、この部分のヘテロシクリル部の原子数を表さない。
【0054】
[54]本発明で使用する場合、「シクロアルキル-アルキル」は、上記で定義されたシクロアルキルによって置換された上記で定義されたアルキルを指す。「C3~10シクロアルキル-Cl~4アルキル」という語句で使用される場合、「C3~10」という用語は、この部分のシクロアルキル部を指し、この部分のアルキル部の原子数を表さず、「C1~4」という用語は、この部分のアルキル部を指し、この部分のシクロアルキル部の原子数を表さない。
【0055】
[55]本発明で使用する場合、「ヘテロアリール-アルキル」は、上記で定義されたヘテロアリールによって置換された上記で定義されたアルキルを指す。「ヘテロアリール-C1~4アルキル」という語句で使用される場合、「C1~4」という用語は、この部分のアルキル部を指し、この部分のヘテロアリール部の原子数を表さない。
【0056】
[56]誤解を避けるために、例えば、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及び/又はヘテロアリールの置換への言及は、それらの基のそれぞれの個々の置換、及びそれらの基の組合せの置換を指す。すなわち、Rがアリール-C1~4アルキルであり、非置換であるか、又はRから独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基など、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい場合、アリール部は非置換であるか、又はRから独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基など、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、アルキル部もまた、非置換であるか、又はRから独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基など、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよいことを理解すべきである。
【0057】
[57]「薬学的に許容される塩」という用語は、無機塩基又は有機塩基及び無機酸又は有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、例えば、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及び亜鉛塩から選択されてもよい。さらに、例えば、無機塩基から誘導される薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩から選択されてもよい。固体形態の塩は、1つ又は複数の結晶形態、すなわち多形で存在する場合があり、水和物などの溶媒和物の形態である場合もある。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、例えば、一級、二級及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチル-モルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、及びトリプロピルアミン、トロメタミンから選択されてもよい。
【0058】
[58]本明細書に開示される化合物が塩基性である場合、無機酸及び有機酸から選択される少なくとも1つの薬学的に許容される非毒性酸を使用して塩を調製してもよい。そのような酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような酸は、例えば、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸から選択されてもよい。
【0059】
[59]化合物又は薬学的に許容される塩の「投与」及び/又はそれを「投与する」という用語は、化合物又はその薬学的に許容される塩を、治療の必要性が認められる個体に提供することを意味すると理解されるべきである。
【0060】
[60]「有効量」という用語は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医が求めている組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する化合物又は薬学的に許容される塩の量を意味する。
【0061】
[61]本発明で使用される「組成物」という用語は、指定された量における指定された成分を含む製品、並びに指定された量における指定された成分の組合せから直接的又は間接的に生じる任意の製品を包含するものとする。医薬組成物に関するそのような用語は、有効成分(複数可)及び担体を構成する不活性成分(複数可)を含む製品、並びに直接又は間接的に、任意の2つ以上の成分の組合せ、複合体、若しくは凝集から、又は1つ若しくは複数の成分の解離から、又は1つ若しくは複数の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から生じる任意の製品を包含すると意図される。
【0062】
[62]「薬学的に許容される」という用語は、製剤の他の成分と適合し、その受容者に許容できないほど有害ではないことを意味する。
【0063】
[63]障害、状態などに罹患している個体に関して本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物及び非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、哺乳綱の任意のメンバー、すなわち、ヒト、チンパンジー及び他の類人猿及びサル種などの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ及びネコなどの飼育動物;ラット、マウス、及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などが挙げられるが、これらに限定されない。非哺乳動物の例としては、鳥、魚などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される方法及び組成物の一実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0064】
[64]「治療する」、「治療すること」又は「治療」という用語、及び本明細書で使用される他の文法上の均等物は、疾患又は状態を緩和すること、軽減すること、又は改善すること、追加の症状を予防すること、症状の根本的な代謝原因を改善すること又は予防すること、疾患又は状態を阻害すること、例えば、疾患又は状態の発症を阻止すること、疾患又は状態を緩和すること、疾患又は状態の退縮を引き起こすこと、疾患又は状態によって引き起こされる状態を緩和すること、又は疾患又は状態の症状を止めることを含み、予防を含むことを意図している。この用語はさらに、治療上の利益及び/又は予防上の利益の達成を含む。治療上の利益とは、治療される基礎疾患の根絶又は改善を意味する。また、治療上の利益は、基礎疾患に関連する生理学的症状の1つ又は複数を根絶又は改善することにより達成され、これにより患者が依然として基礎疾患に苦しんでいるにもかかわらず、患者に改善が観察される。予防上の利益のために、組成物は、特定の疾患を発症するリスクがある患者、又は疾患の診断がなされていない場合でも、この疾患の生理学的症状の1つ又は複数を報告する患者に投与され得る。
【0065】
[65]「保護基」又は「Pg」という用語は、化合物上の他の官能基を反応させながら特定の官能性をブロック又は保護するために一般的に使用することができる置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」は、化合物のアミノ官能性をブロック又は保護するアミノ基に結合した置換基である。好適なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、「ヒドロキシ保護基」とは、ヒドロキシ官能性をブロック又は保護するヒドロキシ基の置換基を指す。好適な保護基としては、アセチル及びシリルが挙げられるが、これらに限定されない。「カルボキシ保護基」とは、カルボキシ官能性をブロック又は保護するカルボキシ基の置換基を指す。一般的なカルボキシ保護基としては、-CHCHSOPh、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、ニトロエチルなどが挙げられる。保護基及びそれらの使用の一般的な説明については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, JohnWiley&Sons, New York, 1991を参照のこと。
【0066】
[66]本明細書で使用される「NH保護基」という用語は、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、パラ-ニトロベンジルカルボニル、オルト-ブロモベンジルオキシカルボニル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert-アミルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、パラ-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジル-オキシカルボニル、4-(フェニルアゾ)-ベンジルオキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシ-カルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1-アダマンチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2-ニトロフェニルチオ、メタンスルホニル、パラ-トルエンスルホニル、N,N-ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、2-ヒドロキシベンジリデン、2-ヒドロキシ-5-クロロベンジリデン、2-ヒドロキシ-1-ナフチルメチレン、3-ヒドロキシ-4-ピリジルメチレン、シクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2-アセチルシクロヘキシリデン、3,3-ジメチル-5-オキシシクロ-ヘキシリデン、ジフェニルホスホリル、ジベンジルホスホリル、5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル-メチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル及びトリフェニルシリルを含むが、これらに限定されない。
【0067】
[67]本明細書で使用される「C(O)OH保護基」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、1,1-ジメチルプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、パラ-ニトロベンジル、パラ-メトキシベンジル、ビス(パラ-メトキシフェニル)メチル、アセチルメチル、ベンゾイルメチル、パラ-ニトロベンゾイルメチル、パラ-ブロモベンゾイルメチル、パラ-メタンスルホニルベンゾイルメチル、2-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロフラニル、2,2,2-トリクロロ-エチル、2-(トリメチルシリル)エチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、フタルイミドメチル、スクシンイミドメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、メチルチオメチル、2-メチルチオエチル、フェニルチオメチル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、3-メチル-3-ブテニル、アリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル及びtert-ブチルメトキシフェニルシリルを含むが、これらに限定されない。
【0068】
[68]本明細書で使用される「OH又はSH保護基」という用語は、ベンジルオキシカルボニル、4-ニトロベンジルオキシカルボニル、4-ブロモベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2-トリブロモエトキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2-(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、4-エトキシ-1-ナフチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイル、ベンゾイル、メチル、tert-ブチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、3-メチル-3-ブテニル、アリル、ベンジル(フェニルメチル)、パラ-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、2,2,2-トリクロロ-エトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、1-エトキシエチル、メタンスルホニル、パラ-トルエンスルホニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル及びtert-ブチルメトキシフェニルシリルを含むが、これらに限定されない。
【0069】
[69]本化合物には幾何異性体が存在し得る。本発明の化合物は、E又はZ配置の炭素-炭素二重結合又は炭素-窒素二重結合を含み得、ここで、カーン・インゴルド・プレローグ順位則(Cahn-Ingold-Prelog Priority Rules)によって決定して、用語「E」は、より順位の高い置換基が炭素-炭素又は炭素-窒素二重結合の反対側にあることを表し、用語「Z」は、より順位の高い置換基が炭素-炭素又は炭素-窒素二重結合の同じ側にあることを表す。本発明の化合物は、「E」及び「Z」異性体の混合物として存在する場合もある。シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの周りの置換基は、シス又はトランス配置であると呼ばれる。さらに本発明は、アダマンタン環系の周りの置換基配置から生じる種々の異性体及びそれらの混合物を企図するものである。アダマンタン環系内の単一の環の周りの2個の置換基は、Z又はE型の相対配置と呼ばれる。例えば、C. D. Jones, M. Kaselj, R. N. Salvatore, W. J. le Noble J.Org.Chem.1998, 63, 2758-2760を参照のこと。
【0070】
[70]本発明の化合物は、R又はS型配置の不斉置換炭素原子を含む場合があり、「R」及び「S」という用語は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,FundamentalStereochemistry,Pure Appl. Chem. (1976) 45, 13-10によって定義されている。R及びS配置が等量の不斉置換炭素原子を有する化合物は、それらの炭素原子においてラセミである。ある配置が他の配置よりも過剰な原子には、より多い量で、好ましくは約85~90%過剰、より好ましくは約95~99%過剰、さらにより好ましくは約99%を超える過剰で存在する配置を割り当てる。したがって、本発明は、ラセミ混合物、相対及び絶対立体異性体、並びに相対及び絶対立体異性体の混合物を含む。
【0071】
同位体濃縮又は同位体標識化合物
[71]本発明の化合物は、自然界で最も豊富に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する1つ又は複数の原子を含む同位体標識又は同位体濃縮形態で存在することができる。同位体は放射性又は非放射性同位体であり得る。水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、ヨウ素などの原子の同位体は、H、H、13C、14C、15N、18O、32P、35S、18F、36C及び125Iを含むが、これらに限定されない。これら及び/又は他の原子の他の同位体を含む化合物は、本発明の範囲内である。
【0072】
[72]別の実施形態では、同位体標識化合物は、重水素(H)、トリチウム(H)又は14C同位体を含む。本発明の同位体標識化合物は、当業者に周知の一般的な方法により調製することができる。そのような同位体標識化合物は、容易に入手可能な同位体標識試薬を非標識試薬の代わりに置き換えることにより、本明細書に開示される実施例及びスキームに開示される手順を実施することにより、簡便に調製することができる。場合によっては、化合物を同位体標識試薬で処理して通常の原子をその同位体と交換してもよく、例えば、水素は、DSO/DOなどの重水素酸の作用によって重水素に交換することができる。
【0073】
[73]本発明の同位体標識化合物を結合アッセイにおける標準として使用して、URAT1阻害剤の有効性を決定することができる。同位体含有化合物を医薬研究において使用して、化合物のインビボ代謝運命が、非同位体標識親化合物の作用機序及び代謝経路の評価により使用されてきた(Blakeら、J. Pharm. Sci. 64, 3, 367-391(1975))。このような代謝研究は、患者に投与されるインビボ活性化合物又は親化合物から生成される代謝物が毒性又は発がん性であることが証明されるため、安全で有効な治療薬の設計において重要である(Fosteら、Advances in Drug Research Vol.14,pp.2-36, Academic press, London, 1985; Katoら、J.Labelled Compounds. Radiopharmaceuticals, 36(10): 927-932(1995); Kushnerら、Can. J. Physiol. Pharmacolgy, 77,79-88(1999))。
【0074】
[74]さらに、「ヘビードラッグ」と呼ばれる重水素化薬物などの非放射性同位体含有薬物は、URAT1活性に関連する疾患及び状態の治療に使用することができる。化合物中に存在する同位体の量をその天然の存在度よりも増加させることを、濃縮と呼ぶ。濃縮量の例には、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、16、21、25、29、33、37、42、46、50、54、58、63、67、71、75、79、84、88、92、96から約100mol%までが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
[75]薬物の安定同位体標識は、pKa及び脂溶性などの物理化学的特性を変化させる可能性がある。同位体置換がリガンド-受容体相互作用に関与する領域に影響を与える場合、これらの影響及び変化は、薬物分子の薬力学的応答に影響を与える可能性がある。安定な同位体標識分子の物理的特性の一部は非標識分子の物理的特性とは異なるが、1つの重要な例外、すなわち、重同位体の質量が増加するため、重同位体及び別の原子を含むどの結合も、軽同位体とその原子との間の同じ結合よりも強い、という例外を除いて、化学的及び生物学的特性は同一である。したがって、代謝又は酵素変換部位に同位体を組み込むと、非同位体化合物と比較して、薬物動態プロファイル又は有効性を場合により変化させる前記反応が遅くなる。
【0076】
[76]実施形態(1)では、本発明は、式(I):
【化6】

(式中、
Wは、アリール及びヘテロアリールから選択され、ここで、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
Lは、-(CRC0D0C(O)(CRC0D0-、-(CRC0D0C(O)NRA0(CRC0D0-、-(CRC0D0S(O)(CRC0D0-及び-(CRC0D0S(O)NRA0(CRC0D0-から選択され;
は、CRC1D1、NRA1、O、及びS(O)から選択され;
及びXは、-(CRC1D1-、-(CRC1D1O(CRC1D1-、-(CRC1D1NRA1(CRC1D1-、-(CRC1D1S(CRC1D1-、-(CRC1D1C(O)(CRC1D1-及び-(CRC1D1S(O)(CRC1D1-から独立的に選択され;
、Y及びYは、N、NR、CR、O及びS(O)から独立的に選択され;
は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)RA2、-C(=NRE2)RA2、-C(=N-ORB2)RA2、-C(O)ORA2、-OC(O)RA2、-C(O)NRA2B2、-NRA2C(O)RB2、-C(=NRE2)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)RB2、-OC(O)NRA2B2、-NRA2C(O)ORB2、-NRA2C(O)NRA2B2、-NRA2C(S)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)NRA2B2、-S(O)A2、-S(O)(=NRE2)RB2、-N=S(O)RA2B2、-S(O)ORA2、-OS(O)A2、-NRA2S(O)B2、-NRA2S(O)(=NRE2)RB2、-S(O)NRA2B2、-S(O)(=NRE2)NRA2B2、-NRA2S(O)NRA2B2、-NRA2S(O)(=NRE2)NRA2B2、-P(O)RA2B2及び-P(O)(ORA2)(ORB2)から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA0は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX0から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各RA2及びRB2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RA2及びRB2」は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立して選択される0、1、又は2個の追加のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX2基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各RC0及びRD0は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX0から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RC0及びRD0」は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX0基で任意選択で置換されている、3~12員環を形成し;
各RC1及びRD1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、「RC1及びRD1」は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX1基で任意選択で置換されている、3~12員環を形成し;
各RE2は、水素、重水素、C1~10アルキル、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から独立して選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各R、RX0、RX1、RX2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra1及び各Rb1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立的に選択される0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のR基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各Rc1及び各Rd1は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される、少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立して選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のR基で任意選択で置換されている3~12員環を形成し;
各Re1は、水素、重水素、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から独立的に選択され;
各Rは、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1~4アルキル、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はOH、CN、アミノ、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
各Ra2及び各Rb2は、水素、重水素、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、窒素、及びリンから独立的に選択される0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含み、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される1又は2個の置換基で任意選択で置換されている4~12員のヘテロ環式環を形成し;
各Rc2及び各Rd2は、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシC1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、ジ(C1~10アルキル)アミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1~4アルキル、アリール、アリール-C1~4アルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリール-C1~4アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれ非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1又は2個のヘテロ原子を含み、ハロゲン、CN、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10シクロアルキル、OH、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、C1~10アルキルチオ、C3~10シクロアルキルチオ、アミノ、C1~10アルキルアミノ、C3~10シクロアルキルアミノ、及びジ(C1~10アルキル)アミノから独立的に選択される1又は2個の置換基で任意選択で置換されている3~12員環を形成し;
各Re2は、水素、重水素、CN、NO、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルキル-C1~4アルキル、C1~10アルコキシ、C3~10シクロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-C(O)C3~10シクロアルキル、-C(O)OC1~4アルキル、-C(O)OC3~10シクロアルキル、-C(O)N(C1~4アルキル)、-C(O)N(C3~10シクロアルキル)、-S(O)1~4アルキル、-S(O)3~10シクロアルキル、-S(O)N(C1~4アルキル)及び-S(O)N(C3~10シクロアルキル)から独立的に選択され;
各rは、0、1、及び2から独立的に選択され;
各tは、0、1、2、3、及び4から独立的に選択され;
各uは、0、1、2、3、及び4から独立的に選択される)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩を開示する。
【0077】
[77]別の実施形態(2)では、本発明は、式(I)の部分
【化7】

が、
【化8】

(式中、R及びRは、式(I)で定義されたとおりである)から選択される、
実施形態(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0078】
[78]別の実施形態(3)では、本発明は、YがNRであり、YがNであり、YがCRであり、化合物が、式(II)
【化9】

(式中、R、R、X、X、X、L及びWは、式(I)で定義されたとおりである)
の構造を有する、実施形態(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0079】
[79]別の実施形態(4)では、本発明は、式(I)の部分
【化10】

が、
【化11】

(式中、R及びRは、式(I)で定義されたとおりである)
から選択される、実施形態(1)~(2)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0080】
[80]別の実施形態(5)では、本発明は、Rが、水素、重水素、C1~10アルキル、及びC3~10シクロアルキルから選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(4)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0081】
[81]別の実施形態(6)では、本発明は、Rが、水素、及びC1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(5)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0082】
[82]別の実施形態(7)では、本発明は、Rが、水素及びメチルから選択される、実施形態(6)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0083】
[83]別の実施形態(8)では、本発明は、Rが、水素、重水素、OH、CN、NO、NH、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(4)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0084】
[84]別の実施形態(9)では、本発明は、Rが、水素、及びC1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、非置換であるか、又はRX2から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(8)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0085】
[85]別の実施形態(10)では、本発明は、Rが、水素及びメチルから選択される、実施形態(9)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0086】
[86]別の実施形態(11)では、本発明は、Xが、CRC1D1、NRA1、O、S、及びS(O)から選択される、実施形態(1)~(10)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0087】
[87]別の実施形態(12)では、本発明は、XにおけるRC1及びRD1が、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(11)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0088】
[88]別の実施形態(13)では、本発明は、XにおけるRC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX1基で任意選択で置換されている、3~8員環を形成する、実施形態(11)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0089】
[89]別の実施形態(14)では、本発明は、XにおけるRC1及びRD1が、水素、重水素、及びC1~10アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキルは、それぞれ非置換であるか、又はRから独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(12)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0090】
[90]別の実施形態(15)では、本発明は、XにおけるRA1が、重水素、ハロゲン、OH、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(11)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0091】
[91]別の実施形態(16)では、本発明は、XにおけるRA1が、水素、重水素、及びC1~10アルキルから選択され、ここで、アルキルは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(15)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0092】
[92]別の実施形態(17)では、本発明は、XにおけるRC1及びRD1が、水素及び重水素から独立的に選択され、XにおけるRA1が、水素、重水素、及びメチルから選択される、実施形態(11)~(16)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0093】
[93]別の実施形態(18)では、本発明は、X及びXが、-(CRC1D1-から独立的に選択される、実施形態(1)~(17)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0094】
[94]別の実施形態(19)では、本発明は、各uが、0、1及び2から独立的に選択される実施形態(18)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0095】
[95]別の実施形態(20)では、本発明は、X又はXにおけるRC1及びRD1が、水素、重水素、ハロゲン、C1~10アルキル及びC3~10シクロアルキルから独立的に選択され、ここで、アルキル及びシクロアルキルはそれぞれ、非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(18)~(19)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0096】
[96]別の実施形態(21)では、本発明は、X又はXにおけるRC1及びRD1が、水素、重水素、ハロゲン及びC1~10アルキルから独立的に選択され、ここで、アルキルは、それぞれ非置換であるか、又はRX1から独立的に選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(20)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0097】
[97]別の実施形態(22)では、本発明は、X又はXにおけるRC1及びRD1が、水素、重水素、及びメチルから独立的に選択される、実施形態(21)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0098】
[98]別の実施形態(23)では、本発明は、X又はXにおけるRC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、酸素、硫黄、及び窒素から独立的に選択される0、1、又は2個のヘテロ原子を含み、1、2、又は3個のRX1基で任意選択で置換されている、3~8員環を形成する、実施形態(18)~(19)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0099】
[99]別の実施形態(24)では、本発明は、X又はXにおけるRC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、3~5員のシクロアルキルを形成する、実施形態(23)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0100】
[100]別の実施形態(25)では、本発明は、X又はXにおけるRC1及びRD1が、それらが結合している炭素原子(複数可)と一緒に、シクロプロピルを形成する、実施形態(24)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0101】
[101]別の実施形態(26)では、本発明は、式(I)の部分
【化12】

が、
【化13】

から選択される、実施形態(1)~(25)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0102】
[102]別の実施形態(27)では、本発明は、式(I)の部分
【化14】

が、
【化15】

から選択される、実施形態(26)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0103】
[103]別の実施形態(28)では、本発明は、Lが、-(CRC0D0C(O)(CRC0D0-である、実施形態(1)~(27)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0104】
[104]別の実施形態(29)では、本発明は、Lが、-C(O)-である、実施形態(28)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0105】
[105]別の実施形態(30)では、本発明は、Wがアリールであり、ここで、アリールは、非置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(29)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0106】
[106]別の実施形態(31)では、本発明は、Wがヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールは、非置換であるか、又はRから独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、実施形態(1)~(29)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0107】
[107]別の実施形態(32)では、本発明は、Wがフェニルであり、フェニルの置換基Rが、ハロゲン、CN、及び-(CRc1d1ORb1から選択される、実施形態(30)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0108】
[108]別の実施形態(33)では、本発明は、フェニルの置換基Rが、Cl、Br、CN及びOHから選択される、実施形態(32)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0109】
[109]別の実施形態(34)では、本発明は、式(I)の部分
【化16】

が、
【化17】

から選択される、実施形態(33)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0110】
[110]別の実施形態(35)では、本発明は、
【化18】

から選択される化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する。
【0111】
[111]別の実施形態(36)では、本発明は、実施形態(1)~(35)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0112】
[112]別の実施形態(37)では、本発明は、URAT1の阻害に応答する状態を治療、改善、又は予防する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、有効量の実施形態(1)~(35)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩又はその医薬組成物を、任意選択により第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0113】
[113]別の実施形態(38)では、本発明は、URAT1によって媒介される状態を治療するための医薬品の調製における、実施形態(1)~(35)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0114】
[114]その態様のさらに別のものでは、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含むキット、並びに組成物を投与すべき病態、組成物の保存情報、投与情報、及び組成物の投与方法に関する指示を示すことからなる群から選択される1つ又は複数の形態の情報を含む指示を提供する。特定の一変形形態では、キットは、複数回投与形態の化合物を含む。
【0115】
[115]その態様のさらに別のものでは、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び包装材料を含む製造物品を提供する。一変形形態では、包装材料は、化合物を収容するための容器を含む。特定の一変形形態では、容器は、化合物を投与すべき病態、保存情報、投与情報、及び/又は化合物の投与方法に関する指示からなる群の1つ又は複数の要素を示すラベルを含む。別の変形形態では、製造物品は、複数回投与形態の化合物を含む。
【0116】
[116]その態様のさらなるものでは、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む治療方法を提供する。
【0117】
[117]その態様の別のものでは、URAT1を本明細書に開示の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、URAT1を阻害する方法を提供する。
【0118】
[118]その態様のさらに別のものでは、インビボでURAT1を阻害するために、本明細書に開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に存在させることを含む、URAT1を阻害する方法を提供する。
【0119】
[119]その態様のさらなるものでは、URAT1を阻害する方法であって、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を対象に投与することを含み、第2の化合物はインビボでURAT1を阻害し、第2の化合物は、上記の実施形態及び変形形態のいずれか1つによる化合物である、方法を提供する。
【0120】
[120]その態様の別のものでは、URAT1が病態の病理及び/又は症候に寄与する活性を有する病態を治療する方法であって、本明細書に開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を、病態に対して治療有効量で対象に存在させることを含む、方法を提供する。
【0121】
[121]その態様のさらなるものでは、URAT1が病態の病理及び/又は症候に寄与する活性を有する病態を治療する方法であって、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を対象に投与することを含み、第2の化合物はインビボでURAT1を阻害する、方法を提供する。本発明の化合物は、第1又は第2の化合物であり得ることに留意する。
【0122】
[122]上記の各方法の一変形態様では、病態は、高尿酸血症、痛風、再発性痛風発作、結節性痛風、関節炎、痛風性関節炎、炎症性関節炎、関節炎症、関節における尿酸塩結晶の沈着、腎疾患、腎結石、腎不全、尿路結石症、高血圧、心血管疾患、冠状動脈性心疾患、レッシュ・ナイハン症候群及びケリー・シーグミラー症候群からなる群から選択される。
【0123】
[123]その態様の別のものでは、URAT1遺伝子の突然変異が、痛風(goat)、高尿酸血症を含む病態の病理及び/又は症候に寄与する病態を治療する方法を提供する。
【0124】
[124]その態様のさらに別のものでは、本発明は、医薬品としての上記実施形態及び変形形態のいずれかの化合物の使用に関する。その態様のさらに別のものでは、本発明は、URAT1を阻害するための医薬品の製造における、上記実施形態及び変形形態のいずれか1つによる化合物の使用に関する。
【0125】
[125]その態様のさらなるものでは、本発明は、URAT1が病態の病理及び/又は症候に寄与する活性を有する病態を治療するための医薬品の製造における、上記実施形態及び変形形態のいずれか1つによる化合物の使用に関する。
【0126】
投与及び医薬組成物
[126]一般に、本開示の化合物は、当該技術分野において知られている通常の許容可能な様式のいずれかを介して、単独で、又は1つ若しくは複数の治療剤と組み合わせて、治療有効量で投与する。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康、使用される化合物の効力、並びに当業者に知られている他の要因に応じて大きく異なり得る。例えば、腫瘍性疾患及び免疫系障害の治療のために、必要な投与量は、投与方法、治療を受ける特定の状態、及び所望の効果によってもまた異なる。
【0127】
[127]一般に、約0.001~約100mg/kg体重、又は特に約0.03~2.5mg/kg体重の1日投与量で、満足のいく結果が全身的に得られることが示されている。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて指示された1日投与量は、約0.5mg~約2000mgの範囲、又はより詳細には約0.5mg~約1000mgの範囲で、例えば、1日4回までの分割用量で、又は徐放形態で好都合に投与してもよい。経口投与に好適な単位剤形は、約1~50mgの有効成分を含む。
【0128】
[128]本開示の化合物は、任意の従来の経路により、例えば、経腸的に、例えば、経口的に、例えば、錠剤若しくはカプセルの形態で;非経口的に、例えば、注射用溶液若しくは懸濁液の形態で;又は局所に、例えば、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤若しくはクリーム剤の形態で、又は経鼻若しくは座薬の形態で、医薬組成物として投与してもよい。
【0129】
[129]遊離形態又は薬学的に許容される塩形態における本開示の化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて含む医薬組成物は、混合、造粒、コーティング、溶解又は凍結乾燥プロセスによる従来の方法で製造し得る。例えば、本開示の化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と組み合わせて含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と混合することにより従来の方法で製造し得る。経口投与用の単位剤形は、例えば、約0.1mg~約500mgの活性物質を含む。
【0130】
[130]一実施形態では、医薬組成物は、等張水溶液などの懸濁液又は分散液を含む有効成分の溶液である。単独での又はマンニトールなどの担体と一緒での有効成分を含む凍結乾燥組成物の場合、分散液又は懸濁液は、使用前に調製することができる。医薬組成物は、滅菌されていてもよく、及び/又は保存剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩及び/又は緩衝剤などのアジュバントを含んでもよい。好適な保存剤としては、アスコルビン酸などの抗酸化剤、又はソルビン酸若しくは安息香酸などの殺菌剤が挙げられるが、これらに限定されない。溶液又は懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ゼラチンを含むがこれらに限定されない増粘剤、又は可溶化剤、例えばTween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)をさらに含んでもよい。
【0131】
[131]油中の懸濁液は、油成分として、注射目的で通例の植物油、合成油、又は半合成油を含んでもよい。例としては、酸成分として8~22個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では12~22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含む液体脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。好適な液体脂肪酸エステルとしては、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸又は対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシ酸及びリノール酸、が挙げられるがこれらに限定されず、所望であれば、抗酸化剤、例えばビタミンE、3-カロチン、又は3,5-ジ-tert-ブチル-ヒドロキシトルエンを含んでもよい。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、6個の炭素原子を有してもよく、一価又は多価、例えば一価、二価又は三価のアルコールであってもよい。好適なアルコール成分としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール若しくはペンタノール又はそれらの異性体、グリコール、及びグリセロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
[132]他の好適な脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、LABRAFIL(登録商標)M 2375(ポリオキシエチレングリセロール)、LABRAFIL(登録商標)M 1944 CS(アプリコット核油のアルコール分解により調製され、グリセリド及びポリエチレングリコールエステルを含む不飽和ポリグリコール化グリセリド)、LABRASOL(商標)(TCMのアルコーリシスにより調製され、グリセリド及びポリエチレングリコールエステルを含む飽和ポリグリコール化グリセリド、すべてGaKefosse、フランスから入手可能)、及び/又はMIGLYOL(登録商標)812(鎖長C8~C12の飽和脂肪酸のトリグリセリド、Huls AG、ドイツから)、及び植物油、例えば綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油、又は落花生油が挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
[133]経口投与用の医薬組成物は、例えば、有効成分を1つ又は複数の固体担体と組み合わせてもよく、所望であれば、得られた混合物を造粒し、混合物又は顆粒を追加の賦形剤を包含して処理することにより錠剤又は錠剤コアを形成してもよい。
【0134】
[134]好適な担体としては、糖、例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトール又はソルビトール、セルロース製剤、及び/又はリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウムなどの充填剤、さらに、デンプン、例えばトウモロコシ、小麦、米又はジャガイモデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、並びに/或いはポリビニルピロリドンなどの結合剤、及び/又は、所望であれば、上記のデンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸又はアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤、が挙げられるが、これらに限定されない。追加の賦形剤としては、流動調節剤及び潤滑剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸又はその塩、例えばステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウム、及び/又はポリエチレングリコール、或いはその誘導体が挙げられる。
【0135】
[135]錠剤コアには、とりわけ、アラビアガム(arable gum)、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、又は好適な有機溶媒若しくは溶媒混合物中のコーティング溶液、又は腸溶性コーティングの調製用に、セルロースアセテートフタレート又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの好適なセルロース調製物の溶液の使用により、好適な、任意選択により腸溶性のコーティングを提供し得る。染料又は顔料は、例えば識別の目的で、又は有効成分の異なる用量を示すために、錠剤又は錠剤コーティングに添加してもよい。
【0136】
[136]経口投与用の医薬組成物には、ゼラチンを含むハードカプセル、又はゼラチン、及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤を含むソフトシールカプセルも含まれ得る。ハードカプセルは、例えば、コーンスターチなどの充填剤、結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤、及び任意選択で、安定剤との混合体で、顆粒の形態で有効成分を含有してもよい。ソフトカプセルでは、有効成分は、脂肪油、パラフィン油若しくは液体ポリエチレングリコール又はエチレン若しくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルなどの好適な液体賦形剤中に溶解又は懸濁してもよく、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型の安定剤及び清浄剤もまた添加してもよい。
【0137】
[137]直腸投与に好適な医薬組成物は、例えば、有効成分と座薬基剤との組合せを含む座薬である。好適な座薬基剤は、例えば、天然若しくは合成のトリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコール又は高級アルカノールである。
【0138】
[138]非経口投与に好適な医薬組成物は、水溶性形態の有効成分、例えば水溶性塩の水溶液、又は、増粘物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストラン、及び所望であれば、安定剤を含む水性注射懸濁液を含んでもよい。有効成分は、任意選択により賦形剤と一緒に、凍結乾燥物の形態であってもよく、非経口投与の前に、好適な溶媒を添加することにより溶液に調製することができる。例えば、非経口投与に使用されるような溶液を、輸液として使用することもできる。注射用製剤の製造は、例えばアンプル又はバイアルへの充填及び容器の密封と同様に、通常無菌条件下で実施する。
【0139】
[139]本開示はまた、組合せ医薬、例えばa)遊離形態又は薬学的に許容される塩形態の本明細書に開示された本開示の化合物である第1の薬剤、及びb)少なくとも1つの助剤を含むキットを提供する。キットは、その投与に関する指示書を含むことができる。
【0140】
併用療法
[140]本開示の化合物又は薬学的に許容される塩は、単独療法として、又は他の治療剤(複数可)と一緒に投与し得る。
【0141】
[141]例えば、本明細書に記載の化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与により強化され得る(すなわち、アジュバントそれ自体は、最小限の治療上の利益しか有することができないが、別の治療剤と組み合わせて、個体に対する全体的な治療上の利益が強化される)。又は、単に例示として、個体が経験する利益は、治療上の利益をやはり有する別の治療剤とともに本明細書に記載の化合物の1つを投与することにより増大し得る。単に例示として、本明細書に記載の化合物の1つの投与を伴う痛風の治療では、痛風に対する別の治療剤を個体に提供することによっても、治療上の利益が増加する場合がある。又は、単に例示として、本明細書に記載の化合物の1つが投与されたときに個体が経験する副作用の1つが悪心である場合、化合物と組み合わせて抗悪心剤を投与することが適切であり得る。又は、追加の療法(複数可)としては、理学療法、心理療法、放射線療法、患部への湿布の適用、休息、食事の変更などが挙げられるが、これらに限定されない。治療を受ける疾患、障害又は状態に関係なく、個体が経験する全体的な利益は2つの療法の相加的なものであり得るか、又は個体は相乗的な利益を経験し得る。
【0142】
[142]本明細書に記載の化合物を他の治療剤と組み合わせて投与する場合、本明細書に記載の化合物は、他の治療剤と同じ医薬組成物として投与してもよく、又は物理的及び化学的特性が異なるため、異なる経路によって投与してもよい。例えば、本明細書に記載の化合物は、経口投与してその良好な血中濃度を生成し、維持してもよく、他の治療剤は静脈内投与してもよい。したがって、本明細書に記載の化合物は、他の治療剤と同時に、連続して、又は別々に投与してもよい。
【実施例
【0143】
[143]式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を合成するための種々の方法を開発することができる。式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を合成する代表的な方法は、実施例において提供されている。しかし、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、他者が考案し得る他の合成経路によっても合成し得ることに留意する。
【0144】
[144]式(I)の特定の化合物は、化合物に特定の立体化学を与える他の原子と結合した原子(例えば、キラル中心)を有することが容易に認識される。式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の合成により、異なる立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)の混合物が生成される場合があることが認識されている。特定の立体化学が明記されていない限り、化合物の列挙は、すべての可能な異なる立体異性体を包含することを意図している。
【0145】
[145]式(I)の化合物はまた、例えば、少なくとも1つの化合物の遊離塩基形態を、薬学的に許容される無機酸又は有機酸と反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として調製することができる。或いは、式(I)の少なくとも1つの化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、例えば、少なくとも1つの化合物の遊離酸形態を、薬学的に許容される無機塩基又は有機塩基と反応させることにより調製することができる。式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の調製に好適な無機酸及び有機酸及び無機塩基及び有機塩基は、本出願の定義セクションに記載されている。或いは、式(I)の化合物の塩形態は、出発物質又は中間体の塩を使用して調製することができる。
【0146】
[146]式(I)の化合物の遊離酸形態又は遊離塩基形態は、対応する塩基付加塩形態又は酸付加塩形態から調製することができる。例えば、酸付加塩形態の式(I)の化合物は、好適な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、その対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩形態の式(I)の化合物は、例えば好適な酸(例えば塩酸など)で処理することにより、その対応する遊離酸に変換することができる。
【0147】
[147]式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のN-オキシドは、当業者に知られている方法により調製することができる。例えば、式(I)の化合物の非酸化形態を、好適な不活性有機溶媒(例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素)中、約0~80℃で、酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、メタクロロ過安息香酸など)で処理することにより、N-オキシドを調製することができる。或いは、式(I)の化合物のN-オキシドは、適切な出発物質のN-オキシドから調製することができる。
【0148】
[148]非酸化形態の式(I)の化合物は、例えば、好適な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0~80℃で、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化リンなど)で処理することにより、式(I)の化合物のN-酸化物から調製することができる。
【0149】
[149]式(I)の化合物の保護誘導体は、当業者に知られている方法により作製することができる。保護基の作製及びそれらの除去に適用可能な技術の詳細な説明は、T. W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, 第3版, John Wiley & Sons, Inc. 1999に見出すことができる。
【0150】
[150]本明細書で使用する場合、これらのプロセス、スキーム、及び実施例で使用される記号及び規則は、現代科学の文献、例えば、Journal of the American Chemical Society又はJournalofBiologicalChemistryにおいて使用されるものと一致している。標準的な1文字又は3文字の略語は、一般的にアミノ酸残基を命名するために使用し、特記しない限りL配置であると想定される。特記しない限り、すべての出発材料は市販の業者から入手し、さらに精製することなく使用した。例えば、実施例において、及び明細書の全体にわたって以下の略語を使用し得る、すなわち、g(グラム);mg(ミリグラム);L(リットル);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);psi(1平方インチあたりのポンド);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);i.v.(静脈内);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);mol(モル);mmol(ミリモル);rt(室温);min(分);h(時間);mp(融点);TLC(薄層クロマトグラフィー);Rt(保持時間);RP(逆相);MeOH(メタノール);i-PrOH(イソプロパノール);TEA(トリエチルアミン);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(トリフルオロ無水酢酸);THF(テトラヒドロフラン);DMSO(ジメチルスルホキシド);EtOAc(酢酸エチル);DME(1,2-ジメトキシエタン);DCM(ジクロロメタン);DCE(ジクロロエタン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);DMPU(N,N’-ジメチルプロピレンウレア);CDI(1,1-カルボニルジイミダゾール);IBCF(クロロギ酸イソブチル);HOAc(酢酸);HOSu(N-ヒドロキシスクシンイミド);HOBT(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);EtO(ジエチルエーテル);EDCI(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩);BOC(tert-ブチルオキシカルボニル);FMOC(9-フルオレニルメトキシカルボニル);DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド);CBZ(ベンジルオキシカルボニル);Ac(アセチル);atm(気圧);TMSE(2-(トリメチルシリル)エチル);TMS(トリメチルシリル);TIPS(トリイソプロピルシリル);TBS(t-ブチルジメチルシリル);DMAP(4-ジメチルアミノピリジン);Me(メチル);OMe(メトキシ);Et(エチル);tBu(tert-ブチル);HPLC(高圧液体クロマトグラフィー);BOP(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド);TBAF(テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオライド);m-CPBA(メタクロロ過安息香酸)。
【0151】
[151]エーテル又はEtOとは、ジエチルエーテルを指す;ブラインとは、NaClの飽和水溶液を指す。特に指示がない限り、特に指定のない限り、すべての温度は℃(摂氏)で表す。特記しない限り、すべての反応は室温で不活性雰囲気下で行った。
【0152】
[152]H NMRスペクトルは、Varian Mercury Plus 400で記録した。化学シフトは、100万分率(ppm)で表す。結合定数は、ヘルツ(Hz)単位である。分裂パターンは、見かけ上の多重度を表し、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、及びbr(幅広線)として示す。
【0153】
[153]低解像度質量スペクトル(MS)及び化合物純度データは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)光源、UV検出器(220及び254nm)、並びに蒸発光散乱検出器(ELSD)を備えたShimadzu LC/MSシングル四重極型システムで取得した。薄層クロマトグラフィーは、0.25mmのSuperchemgroupシリカゲルプレート(60F-254)にて、UV光、5%リンモリブデン酸エタノール溶液、ニンヒドリン、又はp-アニスアルデヒド溶液を用いて可視化して実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(200~300メッシュ、Branch of Qingdao Haiyang Chemical Co., Ltd)で実施した。
【0154】
合成スキーム
[154]式Iの化合物及び/又はその薬学的に許容される塩は、様々な反応スキームに従って合成してもよい。いくつかの例示的なスキームは、以下及び実施例で提供される。他の反応スキームは、本開示を考慮して当業者によって容易に考案され得る。
【0155】
[155]以降記載される反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、チオ基又はカルボキシ基を、これらが最終生成物において望ましい場合、反応へのそれらの望ましくない関与を回避するために、保護する必要があり得る。従来の保護基を標準的な慣行に従って使用してもよく、例えば、T.W. Greene及びP. G. M. Wuts、「Protective Groups in Organic Chemistry」JohnWileyand Sons, 1991における保護基を参照されたい。
【0156】
[156]本開示の化合物を調製するための合成方法は、以下のスキーム及び実施例において示す。出発材料は、市販されており、又は当技術分野で知られている手順、又は本明細書で示す手順に従って作製し得る。
【0157】
[157]以下のスキームに示す中間体は、文献で知られているか、又は当業者によく知られている様々な方法によって調製し得る。
【0158】
[158]式Iの化合物を構築するための2つの合成手法を、スキーム1に示す。式IIの縮合ヘテロ環式アミンと式IIIの中間体とのカップリングにより、式Iの化合物が得られ、式Iの化合物は、式IVの中間体の分子内環化を介して合成することもできる。
【化19】
【0159】
[159]式Iの化合物の合成の実例として、式Ia及びIbの化合物の合成手法の1つについてスキーム2に概要を記す。NBSなどの試薬でII-aをハロゲン化すると、臭化物II-bが得られる。HによるアミンII-bの酸化により、式II-cのニトロ化合物が得られる。II-cを2-メルカプト酢酸エチルでSAr置換すると、II-dが提供される。エステルII-dを加水分解した後、第一鉄粉末などの還元剤で得られた酸を還元すると、アミノ酸II-fが得られる。POClなどの試薬でII-fを分子内環化すると、ラクタムII-gが得られ、これをBHで還元してアミンII-hを得ることができる。IIIによるアミンII-hの縮合、それに続く他の必要な誘導体化反応によって、式Ibの化合物がもたらされる。式Ibの化合物は、Iaを酸化することによって調製することができる。
【化20】
【0160】
[160]Iの調製のさらなる実例として、Icの1つの合成経路をスキーム3に示す。調製は、IV-aを用いて開始し、IV-aは、市販されているか、又は文献で知られている手順に従って合成することができる。CsCOなどの塩基の存在下でのIV-bによるIV-aのアルキル化により、式IV-cのエーテルが提供される。IV-cのニトロ化により、式IV-dのニトロ中間体がもたらされ、これは、ニトロ基の還元及び得られたアミンとIIIとのカップリングを介して、中間体IV-gに変換することができる。エステルIV-gは、NaBH/CaCl還元によりアルコールIV-hに変換することができる。光延反応によるIV-hの環化、それに続く他の必要な誘導体化反応によって、式Icの化合物が得られる。
【化21】
【0161】
[161]場合によっては、上記の反応スキームを実施する順序を変えて、反応を促進したり、不必要な反応生成物を回避したりしてもよい。以下の実施例は、本発明がより完全に理解されるように提供されている。
【0162】
実施例1
[162](R)-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,5-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(1)
【化22】
【0163】
[163]メチル(R)-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1a)
[164]DMF(6.0mL)中の1-メチル-1H-ピラゾール-4-オール(400mg、4.08mmol)とCsCO(2.60g、8.00mmol)との混合物に、DMF(4.0mL)中のメチル(S)-2-((メチルスルホニル)オキシ)プロパノエート(1.00g、5.50mmol)(国際公開第2015/164643号、2015、A1)を80℃で加えた。混合物を80℃で45分間撹拌した。混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で石油/EtOAc(10:1~2:1)により溶出して精製し、表題化合物メチル(R)-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1a)を得た。MS-ESI(m/z):185[M+1]
【0164】
[165]メチル(R)-2-((1-メチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1b)
[166]濃HSO(30.0mL)中のメチル(R)-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1a)(3.68g、20.0mmol)の混合物に、氷水浴下でKNO(3.23g、32.0mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で20分間撹拌した。次に、混合物を氷水(350mL)に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で石油/EtOAc(10:1~4:1)により溶出して精製し、表題化合物メチル(R)-2-((1-メチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1b)を得た。MS-ESI(m/z):230[M+1]
【0165】
[167]メチル(R)-2-((5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1c)
[168]MeOH(50.0mL)中のメチル(R)-2-((1-メチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1b)(2.80g、12.2mmol)とPd/C(1.00g)の混合物を、H雰囲気下で、室温にて6時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮して、表題化合物メチル(R)-2-((5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1c)の粗生成物を得て、これを次の工程に直接使用した。MS-ESI(m/z):200[M+1]
【0166】
[169]2,6-ジブロモ-4-メトキシ安息香酸(1d)
[170]2,6-ジブロモ-4-メトキシ安息香酸(1d)は、European Journal of Inorganic Chemistry、2015、3、534~541頁に記載された方法に従って調製した。
【0167】
[171]メチル(R)-2-((5-(3,5-ジブロモ-4-メトキシベンズアミド)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1e)
[172]DCM(25mL)中の2,6-ジブロモ-4-メトキシ安息香酸(1d)(2.92g、14.0mmol)の混合物に、(COCl)(DCM中2M、15.0mL)を加え、続いてDMF(0.05mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をDCM(10mL)中に溶解させた。DCM(20mL)中のメチル(R)-2-((5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1c)(2.50g、12.6mmol)及びピリジン(5mL)の溶液に、上記溶液の混合物を氷浴下で滴加し、添加後、室温で一晩撹拌した。混合物をHOでクエンチし、1N HCl(2×50mL)、飽和NaHCO水溶液(50mL)、ブライン(50mL)で順次洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して残留物を得た。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で石油/EtOAc(10:1~1:1)により溶出して精製し、表題化合物メチル(R)-2-((5-(3,5-ジブロモ-4-メトキシベンズアミド)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1e)を得た。MS-ESI(m/z):490,492,494(1:2:1)[M+1]
【0168】
[173](R)-3,5-ジブロモ-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-メトキシベンズアミド(1f)
[174]EtOH(50.0mL)中のメチル(R)-2-((5-(3,5-ジブロモ-4-メトキシベンズアミド)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)オキシ)プロパノエート(1e)(3.90g、8.00mmol)とCaCl(1.76g、15.9mmol)との混合物に、氷水浴下でNaBH(1.20g、31.7mmol)を少しずつ加えた。混合物を、0℃で2時間撹拌した。反応を水でクエンチし、濾過し、濾液をDCM(2×100mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上でDCM/MeOH(20:1)により溶出して精製し、表題化合物(R)-3,5-ジブロモ-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-メトキシベンズアミド(1f)を得た。MS-ESI(m/z):462,464,466(1:2:1)[M+1]
【0169】
[175](R)-(3,5-ジブロモ-4-メトキシフェニル)(1,5-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(1g)
[176]THF(40.0mL)中の(R)-3,5-ジブロモ-N-(4-((1-ヒドロキシプロパン-2-イル)オキシ)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-メトキシベンズアミド(1f)(2.30g、5.00mmol)、PPh(4.58g、17.5mmol)及びDIAD(3.03g、15.0mmol)の混合物を、0℃~室温で3時間撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上で石油/EtOAc(10:1~5:1)により溶出して精製し、表題化合物メチル(R)-(3,5-ジブロモ-4-メトキシフェニル)(1,5-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(1g)を得た。MS-ESI(m/z):444,446,448(1:2:1)[M+1]
【0170】
[177](R)-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,5-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(1)
[178]DCM(10.0mL)中の(R)-(3,5-ジブロモ-4-メトキシフェニル)(1,5-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(1g)(3.00g、6.77mmol)とBBr(DCM中1M、30.0mL)の混合物を、0℃~室温で2時間撹拌した。反応を氷水(300g)でクエンチし、DCM(2×100mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上でDCM/MeOH(100:1~20:1)により溶出して精製し、表題化合物(R)-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,5-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(1)を得た。MS-ESI(m/z):430,432,434(1:2:1)[M+1]
【0171】
実施例2
[179](3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1-メチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]オキサジン-7(1H)-イル)メタノン(2)
【化23】
【0172】
[180]表題化合物2を、メチル(S)-2-((メチルスルホニル)オキシ)プロパノエートをメチル2-ブロモアセテートで置き換えて、1の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):416,418,420(1:2:1)[M+1]
【0173】
[181]実施例1~2について記載したのと本質的に同じ手順に従って、又は同様の合成方法若しくは戦略を使用して、表1に列挙した実施例3~18を調製した。実施例3~19の構造式及び名称を表1に示す。
【表1】


【0174】
実施例23
[182](3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23)
【化24】
【0175】
[183]4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン(23a)
[184]DCM(150mL)中の1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン(10g、90.0mmol)の撹拌溶液に、NBS(16g、90mmol)を0~5℃で5回に分けて加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で同じ温度にて1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(100mL)で洗浄した。水層をDCM(50mL×2)で抽出した。合わせたDCM相を飽和NaSO水溶液、水及びブラインで順次洗浄し、濃縮して、4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン(23a)を粗製物として得て、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。MS-ESI(m/z):190,192[M+1]
【0176】
[185]4-ブロモ-1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール(23b)
[186]濃HSO(100mL)中の4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン(23a)(5.0g、26.3mmol)の撹拌溶液に、H/HO(30%、40mL)を5~30℃で滴加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌した。追加のH/HO(30%、8mL)を、5~30℃で反応物に滴加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、氷水に注いだ。混合物をEA(100mL×3)で抽出し、合わせた抽出物を飽和NaSO水溶液(100mL)、飽和NaHCO水溶液(100mL)、水(100mL)、ブライン(100mL)で順次洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、表題化合物4-ブロモ-1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール(23b)を粗製物として得て、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0177】
[187]エチル2-((1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)アセテート(23c)
[188]DMF(10mL)中の4-ブロモ-1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール(23b)(1.0g、4.55mmol)の撹拌溶液に、KCO(1.26g、9.12mmol)を加え、続いて室温で2-メルカプト酢酸エチル(0.820g、6.82mmol)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、室温にて1.5時間撹拌した。追加の2-メルカプト酢酸エチル(0.547g、4.55mmol)を、反応に加えた。得られた混合物を、室温で1時間撹拌した後、水で希釈した。混合物をEAで3回抽出し、抽出物を水及びブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上でPE/EA(20:1~5:1)により溶出して精製し、表題化合物エチル2-((1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4)-イル)チオ)アセテート(23c)を得た。MS-ESI(m/z):260[M+1]
【0178】
[189]2-((1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)酢酸(23d)
[190]THF(10mL)及びHO(10mL)中のエチル2-((1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)アセテート(23c)(0.760g、2.93mmol)の溶液に、LiOHO(1.5g、35.7mmol)を室温で加えた。得られた混合物を、室温で1.5時間撹拌した。次に、混合物をHCl(2N)でpH2~3に酸性化し、次にDCMで抽出し、抽出物を水及びブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、2-((1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)酢酸(23d)を粗製物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS-ESI(m/z):232[M+1]
【0179】
[191]2-((5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)酢酸(23e)
[192]EtOH(13mL)及びHO(3mL)中の2-((1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)酢酸(23d)(0.62g、2.68mmol)の溶液に、NHCl(1.16g、21.7mmol)を加え、続いて第一鉄粉末(1.50g、26.9mmol)を加えた。得られた混合物を45℃に温め、窒素雰囲気下で30分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をDCM/MeOH(10:1)中でスラリー化し、次に濾過した。濾液を濃縮して、2-((5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)酢酸(23e)を粗製物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS-ESI(m/z):202[M+1]
【0180】
[193]1,3-ジメチル-1,7-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-6(5H)-オン(23f)
[194]POCl(5.9mL)中の2-((5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)チオ)酢酸(23e)(234mg、1.16mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で、室温にて18時間撹拌した。混合物を40℃に温め、1時間撹拌し、次に60~70℃に温め、1.5時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物に、DCM(15mL)及び飽和NaCO水溶液(21mL)を加えた。混合物をNaCO(固体)でpH8に塩基性化した後、水層をDCM/MeOH(10:1)(15mL×5)で抽出した。合わせた有機相を、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、表題化合物1,3-ジメチル-1,7-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-6(5H)-オン(23f)を粗製物として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS-ESI(m/z):184[M+1]
【0181】
[195]1,3-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン(23g)
[196]THF(9.0mL)中の1,3-ジメチル-1,7-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-6(5H)-オン(23f)(225mg、1.23mmol)の撹拌懸濁液に、ボラン-メチルスルフィド錯体(0.98mL、9.8mmol)を、窒素雰囲気下で、室温にて滴加した。得られた混合物を、室温で2.5時間撹拌した。0℃に冷却した後、反応をMeOH(5.0mL)でクエンチした。得られた混合物を0℃で5分間撹拌し、次にHCl(2M、0.87mL)を加えた。混合物を0℃で5分間撹拌した。飽和NaCO水溶液で中和した後、混合物を濃縮し、残留物にDCM/MeOH(10:1)(26mL)を加え、1分間超音波処理し、次に濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上でDCM/MeOH(30:1)により溶出して精製し、表題化合物1,3-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン(23g)を得た。MS-ESI(m/z):170[M+1]
【0182】
[197](3,5-ジブロモ-4-メトキシフェニル)(1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23h)
[198]THF(15mL)中の1,3-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン(23g)(151mg、0.892mmol)の溶液に、HMDSLi/THF(1.0M、1.57mmol)を窒素雰囲気下で-72℃にて滴加した。添加後、反応混合物に、3,5-ジブロモ-4-メトキシベンゾイルクロリド(439mg、1.34mmol)を加えた。得られた混合物を-72℃で10分間撹拌し、HO(30mL)でクエンチした。混合物を室温に温め、EA(17mL×3)で抽出した。抽出物を水(8mL)及び飽和NaHCO水溶液(8mL×3)で順次洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル上でPE/EA(4:1)により溶出して精製し、表題化合物(3,5-ジブロモ-4-メトキシフェニル)(1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23h)を得た。MS-ESI(m/z):460,462,464(1:2:1)[M+1]
【0183】
[199](3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23)
[200]DMF(14.4mL)中の(3,5-ジブロモ-4-メトキシフェニル)(1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23h)(360mg、0.781mmol)の溶液に、LiBr(312mg、3.59mmol)及びピペラジン(155.0mg、1.80mmol)を加えた。得られた混合物を100℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物を水(75mL)に注いだ。得られた混合物を、HCl(1M)でpH5~6に酸性化した。固体を濾過し、HO(10mL×2)で洗浄した。固体を、DCM(200mL)とMeOH(50mL)の混合溶媒中に溶解した。得られた溶液を、約20mLに濃縮した。固体を濾過し、MTBE(2mL×2)で洗浄し、次に乾燥させて、(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23)を得た。MS-ESI(m/z):446,448,450(1:2:1)[M+1]
【0184】
実施例24
[201](3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,3-ジメチル-4,4-ジオキシド-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(24)
【化25】

[202]THF(10mL)及びHO(4mL)中の(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,3-ジメチル-4,4-ジオキシド-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(23)(35mg、0.0783mmol)の懸濁液に、NaIO(87.2mg、0.408mmol)及びRuCl.HO(4.80mg、0.0231mmol)を0~5℃で加えた。得られた混合物を室温に温め、2.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を、分取TLCにより、DCM/MeOH(15:1)で溶出して精製し、表題化合物(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)(1,3-ジメチル-4,4-ジオキシド-5,6-ジヒドロピラゾロ[4,3-b][1,4]チアジン-7(1H)-イル)メタノン(24)を得た。MS-ESI(m/z):478,480,482(1:2:1)[M+1]
【0185】
[203]実施例23~24について記載したのと本質的に同じ手順に従って、又は同様の合成方法若しくは戦略を使用して、表2に列挙されている実施例25~26を調製した。実施例25~26の構造式及び名称を表2に示す。
【表2】
【0186】
URAT1阻害剤活性
[204]URAT1の阻害剤としての式(I)の化合物の効力を、以下のように決定した。
【0187】
[205]HEK293-URAT1細胞株は、Japan Fuji Biomedical Research Instituteから寄贈された。pcDNA3.1空ベクターをトランスフェクトしたHEK293の陰性対照細胞(MOCK細胞)。HEK293-URAT1細胞株とMOCK細胞株を、10%FBS、ペニシリン及びストレプトマイシンを補充したDMEMからなる完全増殖培地で培養した。
【0188】
[206]使用液の調製:各ストック溶液を、DMSOを用いて200倍使用液として様々な濃度(6、20、60、200、600μmol/L)に希釈し、次にHBSS(Clフリー)緩衝液を用いて2倍化合物使用液に希釈した。放射標識基質14C-尿酸溶液をHBSS(Clフリー)緩衝液で希釈して2倍使用液を得、これを等量の2倍化合物使用液と混合して、放射標識基質と化合物使用液との混合物を得た。
【0189】
[207]HER293-URAT1及びMOCK細胞を、ウェルあたり1.5×10細胞の密度で24ウェルプレートに播種した。細胞を、37℃にて5%COで一晩インキュベートした。およそ2~3日間培養した後、細胞を実験に使用した。培養培地をウェルから除去し、細胞をHBSS(Clフリー)で洗浄し、37℃のHBSS(Clフリー)中で10分間インキュベートした。HBSSを、放射標識基質と化合物使用液との混合物500μLに置き換えた。アッセイにおける14C-尿酸の最終濃度は5.0μmol/Lであった。プレートを37℃にて5%COで2分間インキュベートし、3回洗浄して事前に冷却したHBSS(Clフリー)を加えて反応を停止させた。400μLのNaOH(0.1mmol/L)を加えて細胞を溶解し、細胞溶解物をシンチレーションバイアルに収集し、3mlのシンチレータ(Aquasol-2、PerkinElmer)を加え、完全に混合した後、Tri-Carb 2910TR液体シンチレーションカウンターにより放射能を計数した。各濃度の化合物、陽性対照及び陰性対照を、2つのウェルで繰り返した(n=2)。阻害%データは、式:阻害=[100×(U-U)/(U-U)]%を使用して計算し、Prism5ソフトウェアを使用して分析した。
:MOCK細胞のシグナルの平均;
:放射標識基質のシグナルの平均。URAT1に対する試験化合物の半数阻害濃度は、Prism5ソフトウェアを使用して分析した。
【0190】
[208]上記のように調製した選択化合物を、本明細書に記載の生物学的手順に従ってアッセイした。結果を表3に示す。
【表3】
【0191】
CYP阻害アッセイ
[209]CYP阻害アッセイを、CYP2C9のマーカー基質とともに0.200mg/mLのヒト肝ミクロソームを使用して実行した。使用した基質濃度は、対応する反応のそれぞれについて公表されているミカエリス・メンテン定数(K)と同様であった。試験化合物を、8つの濃度(0、0.0500、0.150、0.500、1.50、5.00、15.0、及び50.0μM)で加えた。アイソザイムの既知の阻害剤を、単一濃度(3.00μM)で重複して、陽性対照として選択した。試験化合物の代わりに有機溶媒の存在下での反応は、ビヒクル対照として利用した。すべての反応における有機溶媒の最終含有量は、最大0.5%DMSO及び0.5%メタノールであった。
【0192】
[210]NADPHを加えて反応を開始し、続いて37℃で10分間インキュベートした。そして、内部標準を含む2倍量の氷冷アセトニトリルを加えることにより反応を停止させた。試料を処理し、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)により分析した。結果を表4に示す。
【表4】

【国際調査報告】