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特表2022-537296EVPNメッセージ転送方法、システム、記憶媒体及び端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】EVPNメッセージ転送方法、システム、記憶媒体及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
H04L12/46 200S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574895
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2020103964
(87)【国際公開番号】W WO2021013233
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】201910671346.7
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲イエン▼新明
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA05
5K033CB08
5K033CB13
5K033DA06
5K033DB18
(57)【要約】
本出願は、EVPNメッセージ転送方法、装置、記憶媒体及び端末を開示する。 前記方法は、上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいて前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得することと、前記メッセージのアウトプットポートを読み取ることと、前記ESIラベルに基づいて取得された前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄することとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいて前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得することと、
前記メッセージのアウトプットポートを読み取ることと、
前記ESIラベルに基づいて取得された前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄することとを含む、
イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法。
【請求項2】
前記上流機器が上流カスタマエッジ機器CEを含む場合、
上流カスタマエッジ機器CEからメッセージを受信した後、アタッチメント回路ACが非指定フォワーダnon-DFである場合、受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化することをさらに含む、
請求項1に記載のEVPNに用いられるメッセージ転送方法。
【請求項3】
受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化することは、
受信された前記メッセージのヘッダ情報に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加することを含み、前記ESIマークフィールドは、前記ヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されているか否かをマークするためのものである、
請求項2に記載のEVPNに用いられるメッセージ転送方法。
【請求項4】
受信された前記メッセージのヘッダ情報に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加することは、
前記メッセージのヘッダ情報のリザーブドReservedフィールドにおける複数のビットのうちの1ビットをESIマークフィールドとし、前記ReservedフィールドにおけるESIマークフィールドとする1ビット以外の全てのビット又は一部のビットをESIラベル値フィールドとすることを含み、前記ESIマークフィールドの値が0である場合、前記メッセージのヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されていないことを示し、前記ESIマークフィールドの値が1である場合、前記ESIラベル値フィールドのコンテンツが有効であることを示す、
請求項3に記載のEVPNに用いられるメッセージ転送方法。
【請求項5】
メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取ることは、
前記メッセージのヘッダ情報を読み取ることと、
前記ヘッダ情報に含まれるESIマークフィールドに基づいて前記ヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されているか否かを判断し、前記ヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されているという判断結果に応じて、前記ヘッダ情報に含まれるESIラベル値フィールドからESIラベル値を読み取ることとを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載のEVPNに用いられるメッセージ転送方法。
【請求項6】
上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいて前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得するように構成されるラベル処理モジュールと、
前記メッセージのアウトプットポートを読み取るように構成される業務処理モジュールと、
前記ESIラベルに基づいて取得された前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄するように構成されるメッセージ処理モジュールとを含む、
イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送システム。
【請求項7】
前記上流機器が上流カスタマエッジ機器CEを含み、
ラベル処理モジュールは、さらに、上流カスタマエッジ機器CEからメッセージを受信した後、アタッチメント回路ACが非指定フォワーダnon-DFである場合、受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化するように構成され、
前記ラベル処理モジュールは、受信された前記メッセージのヘッダ情報に、前記ヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されているか否かをマークするためのESIマークフィールドと、ESIラベル値フィールドとを追加することにより、受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化するように構成される、
請求項6に記載のEVPNに用いられるメッセージ転送システム。
【請求項8】
ラベル処理モジュールは、前記メッセージのヘッダ情報のリザーブドReservedフィールドにおける1ビットをESIマークフィールドとし、前記ReservedフィールドにおけるESIマークフィールドとする1ビット以外の全てのビット又は一部のビットをESIラベル値フィールドとすることにより、受信された前記メッセージのヘッダ情報内に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加するように構成され、前記ESIマークフィールドの値が0である場合、前記メッセージのヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されていないことを示し、前記ESIマークフィールドの値が1である場合、前記ESIラベル値フィールドのコンテンツが有効であることを示す、
請求項7に記載のEVPNに用いられるメッセージ転送システム。
【請求項9】
コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行される時、請求項1~5のいずれか1項に記載のイーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を実現する、
コンピュータ読み書き可能な記憶媒体。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、
前記コンピュータ実行可能命令を実行することによって、請求項1~5のいずれか1項に記載のイーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を実現するように構成されるプロセッサとを含む、
イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年07月24日に中国特許庁へ提出され、出願番号が201910671346.7である中国特許出願の優先権を主張しており、その内容の全ては、援用で本出願に取り込まれる。
【0002】
本出願の実施例は、ネットワーク通信の技術分野に関し、例えば、イーサネット(登録商標)仮想専用ネットワーク(Ethernet VPN、EVPN)メッセージ転送方法、システム、記憶媒体及び端末に関するが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
EVPNは、レイヤ2仮想専用ネットワーク(Virtual Private Network、VPN)技術である。
【0004】
EVPNのコントロールプレーンコアコンバージェンスレイヤは、マルチプロトコルボーダーゲートウェイプロトコル(MultiProtocol Border Gateway Protocol、MP-BGP)により媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)及びルーティング情報の伝達を行い、転送エントリは、データプレーンの学習に依存せずに完了する。EVPNには、イーサネットセグメント(Ethernet Segment、ES)の概念が導入される。EVPNネットワークにおいて、カスタマエッジ機器(Customer Edge、CE)が、一組のイーサネットリンクを介して一つ又は複数のプロバイダエッジ機器(Provider Edge、PE)に接続される場合、この一組のイーサネットリンクが、即ち、イーサネットセグメントESである。一つのESは、EVPNネットワークにおいて、唯一のイーサネットセグメント識別子(Ethernet Segment Identifier、ESI)で識別される。EVPNは、マルチプロトコルラベルスイッチング(Multi-Protocol Label Switching、MPLS)EVPN、プロバイダバックボーンブリッジ(Provider Backbone Bridge、PBB)EVPN及び仮想拡張可能なローカルエリアネットワーク(Virtual eXtensible Local Area Network、VXLAN)EVPNの、三つの形態のメッセージパッケージをサポートしている。
【0005】
信頼性を向上させるために、EVPNに、マルチホーミングアクセス方式を導入するが、マルチホーミングアクセスに、冗長リンクを導入することによって、ネットワークにループが存在する。図1に示すように、プロバイダエッジ機器PE1がカスタマエッジ機器CE1からメッセージを受信し、プロバイダエッジ機器PE1及びプロバイダエッジ機器PE2によって転送された後、CE1に戻ることによって、ループが形成され、ブロードキャストストームを直接的に引き起こす。コメント要求7432(Request For Comments 7432、RFC7432)において、非指定フォワーダ(non-Designated Forwarder、non-DF)はイーサネットセグメント側にブロードキャスト、未知ユニキャスト、マルチキャスト(Broadcast、Unknown-unicast、Muticast、BUM)メッセージを転送することができないとだけ規定されているが、non-DFがES側からBUMメッセージを受信する(又は受信して転送する)ことができない、とは規定されておらず、このようなDFフィルタリングルールは「繰り返しパケットフィルタリング」に対応することができるが、同一のES内にループを形成するという問題を解決することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、EVPNにおける同一のES内にループが形成されるという問題を解決することができるEVPNメッセージ転送方法、システム、記憶媒体及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願によれば、イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を提供する。該方法は、上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいて前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得することと、前記メッセージのアウトプットポートを読み取ることと、前記ESIラベルに基づいて取得された前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄することとを含む。
【0008】
本出願によれば、イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送システムをさらに提供する。このシステムは、上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいて前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得するように構成されるラベル処理モジュールと、前記メッセージのアウトプットポートを読み取るように構成される業務処理モジュールと、前記ESIラベルに基づいて取得された前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄するように構成されるメッセージ処理モジュールとを含む。
【0009】
本出願によれば、コンピュータ読み書き可能な記憶媒体をさらに提供する。前記媒体には、コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行される時、前述したイーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を実現する。
【0010】
本出願によれば、イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送端末をさらに提供する。この端末は、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、前記コンピュータ実行可能命令を実行することによって、前述したイーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を実現するように構成されるプロセッサとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は、本出願の技術案に対する理解を提供し、かつ明細書の一部を構成するためのものであり、本出願の実施例と共に本出願の技術案を解釈するためのものであるが、本出願の技術案を限定するものではない。
図1】関連技術におけるEVPNに、同一のES内にループが形成される状況が生じた場合の概略図である。
図2】本出願の実施例によるEVPNに用いられるメッセージ転送方法のフローチャートである。
図3】本出願の実施例によるVXLAN EVPNメッセージにおいてESIラベルをカプセル化する概略図である。
図4】本出願の実施例によるVXLAN EVPNの上ループチップの処理フローチャートである。
図5】本出願の実施例によるVXLAN EVPNの下ループチップの処理フローチャートである。
図6】本出願の実施例によるEVPNに用いられるメッセージ転送システムのモジュール図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本出願の実施例を説明する。
【0013】
添付図面のフローチャートに示されたステップは、例えば一組のコンピュータ実行可能命令のコンピュータシステムにおいて実行されてもよい。そして、フローチャートに論理的順序が示されるが、いくつかの場合に、本明細書に記載の順序と異なる順序で、示されるか又は説明されるステップを実行してもよい。
【0014】
関連技術において、ループが形成されるという問題を解決するために、MPLS EVPNにESIラベルを導入する。ESIラベルは、「イーサネット自動発見イーサネットセグメント(Ethernet Auto-Discovery per Ethernet Segment、Ethernet AD per ES)」ルーティングに搬送され、ESIラベルに対応するラベル転送テーブルから対応するESIがわかる。non-DFノードがBUMコピーを転送する場合、前記BUMコピー出口アタッチメント回路(Attachment Circuit、AC)上のESIがESIラベルにより判明したESIと同じである時、該コピーは廃棄され、各コピーは、独立してDFフィルタ決定を行う。このように、ESIラベルを導入することによって、non-DFがCE側BUMパケットを受信し、且つBUMパケットを転送する能力が保持されると同時に、同一のES内にループが形成されるという問題も回避される。
【0015】
RFC7432に定義されたESIラベルスキームは、BUMメッセージに二層のプライベートネットワークラベルがネスティングされ、即ち、ラベルスタック構造が形成されることをもたらし、これは、MPLSカプセル化において非常に一般的なことであるが、VXLANカプセル化においてVXLANネットワーク識別子(VXLAN Network Identifier、VNI)ラベルスタック構造が定義されていないため、MPLS EVPNにおいてESIラベルの使用方法は、VXLAN EVPNに直接的に用いることができない。VXLAN EVPNに対して、同一のES内においてループが形成されるという問題を解決する必要がある。
【0016】
本出願は、EVPNに用いられるメッセージ転送方法を提供し、この方法をVXLAN EVPNに用いてもよい。図2に示すように、前記方法は、以下を含む。
【0017】
S210、上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいてESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得する。
【0018】
前記上流機器は、カスタマエッジ機器CE、プロバイダエッジ機器PEであってもよく、前記メッセージは、BUMメッセージである。
【0019】
S220、前記メッセージのアウトプットポートを読み取る。
【0020】
MAC転送テーブルを検索することによって前記メッセージのアウトプットポートを取得することができる。
【0021】
S230、前記ESIラベルに基づいて取得されたESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄する。
【0022】
関連技術に比べて、本出願は、上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいてESIラベルに対応するイーサネットセグメントESを接続するポートを取得することと、前記メッセージのアウトプットポートを読み取ることと、前記ESIラベルに基づいて取得されたESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄することとを含む。本出願は、EVPNにおける同一のES内にループが形成されるという問題を解決することができる。
【0023】
本出願の実施例において、前記上流機器が上流カスタマエッジ機器CEを含む場合、前記方法は、さらに、上流カスタマエッジ機器CEからメッセージを受信した後、アタッチメント回路が非指定フォワーダnon-DFである場合、受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化することを含む。前記ACは、CEとPEを接続する独立リンク又は回路であり、ACインターフェースは、物理インターフェース又は論理インターフェースであってもよく、AC属性は、カプセル化タイプ、最大伝送ユニット(Maximum Transmission Unit、MTU)、及び特定のリンクタイプのインターフェースパラメータを含む。
【0024】
本出願の実施例において、受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化することは、受信された前記メッセージのヘッダ情報に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加することを含み、前記ESIマークフィールドは、前記ヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されているか否かをマークするためのものである。
【0025】
本出願の実施例において、前述した、受信された前記メッセージのヘッダ情報に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加することは、メッセージのヘッダ情報のリザーブド(Reserved)フィールドにおける複数のビットのうちの1ビットをESIマークフィールドとし、リザーブドReservedフィールドにおけるESIマークフィールドとする1ビット以外の全てのビット又は一部のビットをESIラベル値フィールドとすることを含み、前記ESIマークフィールドの値が0である場合、前記メッセージのヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されていないことを示し、前記ESIマークフィールドの値が1である場合、前記ESIラベル値フィールドのコンテンツが有効であることを示す。図3は、VXLAN EVPNメッセージにESIラベルをカプセル化する概略図を示す。
【0026】
本出願の実施例において、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取ることは、前記メッセージのヘッダ情報を読み取ることと、前記ヘッダ情報に含まれるESIマークフィールドに基づいて前記ヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されているか否かを判断し、前記ヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されているという判断結果に応じて、前記ヘッダ情報に含まれるESIラベル値フィールドからESIラベル値を読み取ることとを含む。
【0027】
本出願の実施例は、EVPNアクセス側の水平分割を実現し、EVPNにおける同一のES内にループを形成するという問題を解決する。
【0028】
以下、一つの応用例を示して本出願の実施例を説明する。
【0029】
VXLAN EVPNを例として、図1に示すネットワーク接続構造に基づいて、本応用例において上流機器(PE1)と下流機器(PE2)を配置する必要がある。
【0030】
1、上流機器(PE1)の上ループチップの配置プロセスは、図4に示すとおりである。図4に示す符号の意味は、以下のとおりである。
【0031】
MF.NHI0_Index:記述子における次ホップインデックス、EGR_NHI0_TABLE_MPLS:外向きカプセル化次ホップテーブル、MF.DVP:記述子における宛先仮想ポート、EGR_NHI0.DVP:外向きカプセル化次ホップに対応する宛先仮想ポート(マルチキャスト)、evlan_entry_vxlan:vxlan外向きカプセル化hashテーブル、VNI:仮想ネットワーク識別子、SD_TAG_ACTION:サービスデリミタ動作、EGR_DVP_ATTRIBUTE:外向き宛先仮想ポート属性テーブル、DVP_ESI_INDEX:宛先仮想ポートESIラベルインデックス、DVP_LEAF_INDEX:宛先仮想ポートLEAFラベルインデックス、EGR_ESI_ENCAP_LABEL:外向きカプセル化ESIラベル、EGR_SVP_ESI_INDEX_TABLE:外向きカプセル化ESIラベルインデックステーブル、EGR_LEAF_ENCAP_LABEL:外向きカプセル化リーフ(LEAF)ラベル。
【0032】
CE1がPE1にアクセスするACを、non-DFとして配置し、ソース仮想ポート(Source virtual port、SVP)に基づいて1bit DF/Non-DF及びESIラベルをカプセル化するインデックスsvp_esi_encap_index[4:0]を配置し、DFマークを取得した後、転送結果(ユニキャスト又はBUM)に基づいて1bitの記述子MF.esi_presentを生成し(該記述子は、ESIラベルをカプセル化する必要があるか否かを識別するために用いられ、転送結果がBUMメッセージであり、且つSVPがNon-DFである場合のみ、MF.esi_presentをセットする)、該記述子は、メモリ管理ユニット(Memory Management Unit、MMU)のキャッシュに記憶し、下りリンクに搬送する。
【0033】
ESIラベル値は、ソース仮想ポート及び宛先仮想ポートにより一律に決定され、宛先仮想ポート(Destinnation Virtual Port、DVP)に基づいてESIラベルをカプセル化するDVPインデックスdvp_esi_ecap_index[28:24]を配置する。宛先仮想ポートのESIラベルカプセル化インデックスを、ソース仮想ポートのESIラベルカプセル化インデックスと組み合わせ、ESIラベル値を検索する最終的なインデックスを計算し、即ちSVPに基づいてsvp_esi_encap_index[4:0]を検出し、DVPに基づいてdvp_esi_ecap_index[28:24]を検出し、次に{svp_esi_encap_index、dvp_esi_ecap_index}をインデックスとして{esi_label_vld[20:20]、esi_label[19:0]}を検出し、PE1からPE2に送信されたBUMメッセージには、このESIラベルが付与されている。
【0034】
2、下流機器(PE2)の下ループチップの配置プロセスは、図5に示すとおりである。図5に示す符号の意味は以下のとおりである。
【0035】
MY_STATION_TCAM:MY STATION TCAMテーブル、L3_TUNNEL_IP:レイヤ3インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)トンネルハッシュ(HASH)テーブル、mpls_entry_vxlan:VXLANビューラベルエントリ、SVP:ソース仮想ポート、VFI:仮想転送インスタンス、L2_ENTRY:L2 MACテーブル、Esi port:ESIポート、svp network:svp水平分割ネットワーク番号、dvp network:dvp水平分割ネットワーク番号。
【0036】
CE1がPE2にアクセスするACを、DFとして配置し、DFは、BUMメッセージをESに転送することを担当し、non-DFは、BUMメッセージをESに転送することができない。MPLSモジュールにおいて、下ループのSVP、mpls_entry_vxlanビュー、KEY:VNI又はVNI+SIP、RESULT:SVPを配置する。MPLSモジュールにおいて、対応するESIラベルの物理ポート番号、mpls_entry_mplsビュー、KEY:ESI、RESULT:ESI_SGLPを配置する。
【0037】
各機器において、各ESIラベルが一つの物理ポート番号(Trunkポートを含む)のみに対応し、PE2におけるCE1に接続されたポートは、PE2のESIラベルに対応する物理ポート番号である。DVPに対応する次ホップを配置し、次ホップに対応するアウトプットポートは、PE2におけるCE1に接続されたポートである。
【0038】
3、VXLAN EVPNの上下ループメッセージ転送フローは、以下のとおりである。
【0039】
CE1からPE1にBUMメッセージを送信し、ACがnon-dfであるため、PE1によって受信された、PE2に転送されたメッセージにはESIラベルがカプセル化されている。
【0040】
メッセージがPE2に到着し、CE1がPE2にアクセスするACが、DFであるため、BUMメッセージを受信して転送することができ、メッセージ内のESIラベルにより、接続されたESのポートが業務転送により取得されたメッセージアウトプットポートと同じであることを識別すると、メッセージが廃棄され、CE1から送信されたメッセージがCE1に戻ることを回避し、VXLAN EVPNアクセス側の水平分割を実現する。本出願の実施例によれば、EVPNに用いられるメッセージ転送システムをさらに提供する。図6に示すように、前記システムは、上流機器からメッセージを受信した後、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取り、前記ESIラベルに基づいて前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートを取得するように構成されるラベル処理モジュールであって、前記上流機器はカスタマエッジ機器CE、プロバイダエッジ機器PEであってもよく、前記メッセージはBUMメッセージである、ラベル処理モジュール601と、前記メッセージのアウトプットポートを読み取るように構成される業務処理モジュール602と、前記ESIラベルに基づいて取得された前記ESIラベルに対応するイーサネットセグメントESのポートが前記メッセージのアウトプットポートと同じである場合、前記メッセージを廃棄するように構成されるメッセージ処理モジュール603とを含む。
【0041】
例示的な実施例において、前記上流機器は、上流カスタマエッジ機器CEを含み、ラベル処理モジュール601は、さらに、上流カスタマエッジ機器CEからメッセージを受信した後、アタッチメント回路ACが非指定フォワーダnon-DFである場合、受信された前記メッセージにESIラベルをカプセル化するように構成される。前記ACは、CEとPEを接続する独立リンク又は回路であり、ACインターフェースは、物理インターフェース又は論理インターフェースであってもよく、AC属性は、カプセル化タイプ、最大伝送ユニットMTU、及び特定のリンクタイプのインターフェースパラメータを含む。
【0042】
例示的な実施例において、前記ラベル処理モジュール601は、受信された前記メッセージのヘッダ情報に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加することにより、受信された前記メッセージ内にESIラベルをカプセル化するように構成される。前記ESIマークフィールドは、前記ヘッダ情報内にESIラベルがカプセル化されているか否かをマークするためのものである。
【0043】
例示的な実施例において、ラベル処理モジュール601は、前記メッセージのヘッダ情報のリザーブドReservedフィールドにおける1ビットをESIマークフィールドとし、リザーブドReservedフィールドにおけるESIマークフィールドとする1ビット以外の全てのビット又は一部のビットをESIラベル値フィールドとすることにより、受信された前記メッセージのヘッダ情報に、ESIマークフィールドとESIラベル値フィールドとを追加するように構成される。前記ESIマークフィールドの値が0である場合、前記メッセージのヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されていないことを示し、前記ESIマークフィールドの値が1である場合、前記ESIラベル値フィールドのコンテンツが有効であることを示す。図3は、VXLAN EVPNメッセージにESIラベルをカプセル化する概略図を示す。
【0044】
例示的な実施例において、ラベル処理モジュール601が、メッセージにイーサネットセグメント識別子ESIラベルが含まれる場合、前記メッセージからESIラベルを読み取るように構成されることは、前記メッセージのヘッダ情報を読み取ることと、前記ヘッダ情報に含まれるESIマークフィールドに基づいて前記ヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されているか否かを判断し、前記ヘッダ情報にESIラベルがカプセル化されているという判断結果に応答して、前記ヘッダ情報に含まれるESIラベル値フィールドからESIラベル値を読み取ることとを含む。
【0045】
本出願の実施例は、EVPNアクセス側の水平分割を実現し、EVPNにおける同一のES内にループを形成するという問題を解決する。
【0046】
本出願の実施例によれば、コンピュータ読み書き可能な記憶媒体をさらに提供する。前記媒体には、コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行される時、前記実施例に記載のイーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を実現する。
【0047】
本出願の実施例によれば、イーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送端末をさらに提供する。この端末は、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、前記コンピュータ実行可能命令を実行することによって、前記実施例に記載のイーサネット仮想専用ネットワークEVPNに用いられるメッセージ転送方法を実現するように構成されるプロセッサとを含む。
【0048】
当業者であれば、本明細書に開示された方法のうちの全て又はいくつかのステップ、システム、装置における機能モジュール/ユニットがソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びその適切な組み合わせとして実施されてもよいと理解すべきである。ハードウェアの実施の形態において、以上の記述で提出した機能モジュール/ユニットの間の区分は、必ずしも物理コンポーネントの区分に対応するものではなく、例えば、一つの物理コンポーネントは、複数の機能を有してもよく、又は1つの機能又はステップは、複数の物理コンポーネントによって連携して実行されてもよい。いくつかのコンポーネント又は全てのコンポーネントは、デジタル信号プロセッサ、又はマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして実施されてもよく、又はハードウェアとして実施されてもよく、又は特定用途向け集積回路のような集積回路に実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ可読媒体に配置されてもよく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的な媒体)と通信媒体(又は一時的な媒体)を含むことができる。当業者の周知の通り、用語であるコンピュータ記憶媒体は、情報(例えばコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される揮発性と非揮発性、リムーバブル媒体と非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、電気的消去可能PROM(Electrically Erasable Programmable read only memory、EEPROM)、フラッシュ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、デジタルビデオディスク(Digital Video Disc、DVD)又は他の光ディスクメモリ、マグネットボックス、デープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気メモリ装置、又は所望の情報を記憶し、コンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体を含むことができるが、これらに限定されない。なお、当業者が周知であることは、通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は、例えば搬送波又は他の伝送方式などの変調データ信号における他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】