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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】動力電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/227 20210101AFI20220818BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20220818BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20220818BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220818BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20220818BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220818BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220818BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20220818BHJP
【FI】
H01M50/227
H01M50/209
H01M50/224
H01M10/613
H01M10/655
H01M10/625
H01M50/249
H01M10/647
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574970
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2019097435
(87)【国際公開番号】W WO2020252846
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】201910544995.0
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】王隆▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】王小▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼▲衛▼▲しん▼
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031EE01
5H031EE04
5H031KK01
5H040AA02
5H040AS04
5H040AT02
5H040AY05
5H040AY10
5H040LL01
5H040LL06
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
動力電池パック及び車両に関する。前記動力電池パックは、トレイ及び上部カバーを含む。前記トレイがサイドフレーム及び底部プレートを含む。前記上部カバー及び前記底部プレートがそれぞれ、前記サイドフレームの上下両端に接続されて、電池収容室を画定する。複数の単電池が、前記電池収容室内に取り付けられている。単電池の1つの表面が前記上部カバーと構造用接着剤によって接着され、単電池の対向する別の表面が前記底部プレートと熱伝導構造用接着剤によって接着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイ(110)及び上部カバー(120)であって、トレイ(110)がサイドフレーム(111)及び底部プレート(112)を含み、上部カバー(120)及び前記底部プレート(112)がそれぞれ、前記サイドフレーム(111)の上下両端に接続されて、電池収容室を画定するトレイ(110)及び上部カバー(120)と、
複数の単電池(150)であって、前記複数の単電池(150)は前記電池収容室内に取り付けられ、各単電池の1つの表面が前記上部カバー(120)と構造用接着剤(161)によって接着され、前記各単電池の対向する別の表面が前記底部プレート(112)と熱伝導構造用接着剤(160)によって接着される複数の単電池(150)と、を含む、動力電池パック(100)。
【請求項2】
各単電池(150)は、直方体構造の角型電池であり、かつ長さ、厚さ、及び、前記長さと厚さとの間にある高さを有し、前記複数の単電池(150)は、単電池の厚さ方向に沿って配置される、
請求項1に記載の動力電池パック(100)。
【請求項3】
単電池(150)は、対向する2つの広面及び対向する2つの狭面を有し、前記広面において長辺が単電池(150)の長さであり、短辺が単電池(150)の高さであり、前記狭面において長辺が単電池(150)の長さであり、短辺が単電池(150)の厚さである、
請求項2に記載の動力電池パック(100)。
【請求項4】
隣接する2つの単電池(150)は、広面が互いに面するように電池収容室内に配置される、
請求項3に記載の動力電池パック(100)。
【請求項5】
前記単電池(150)は、1つの狭面が前記上部カバー(120)と構造用接着剤(161)によって接着され、別の狭面が前記底部プレート(112)と熱伝導構造用接着剤(160)によって接着される、
請求項3又は4に記載の動力電池パック(100)。
【請求項6】
前記上部カバー(120)及び底部プレート(112)はいずれも、金属材料で製造される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の動力電池パック(100)。
【請求項7】
前記サイドフレーム(111)の下端に接続され、かつ、前記底部プレート(112)に対して鉛直方向に離間する底部保護プレートと、
前記底部保護プレートと前記底部プレート(112)との間に介在される熱交換プレートと、をさらに含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の動力電池パック(100)。
【請求項8】
前記熱交換プレートの表面が前記底部プレート(112)の外表面と熱伝導構造用接着剤(160)によって接着される、
請求項7に記載の動力電池パック(100)。
【請求項9】
前記熱交換プレートは、熱交換媒体が流通する熱交換キャビティを有する、
請求項7又は8に記載の動力電池パック(100)。
【請求項10】
前記熱交換プレートは、エネルギ吸収構造を有する、
請求項7~9のいずれか一項に記載の動力電池パック(100)。
【請求項11】
前記底部保護プレートは、主プレート本体と保温層とを含み、前記保温層は、前記主プレート本体の前記熱交換プレートに近い側に配置される、
請求項7~10のいずれか一項に記載の動力電池パック(100)。
【請求項12】
前記底部保護プレートは、主プレート本体と緩衝層とを含み、前記緩衝層は、前記主プレート本体の前記熱交換プレートに近い側に配置される、
請求項7~11のいずれか一項に記載の動力電池パック(100)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の動力電池パック(100)を有する、
車両(1000)。
【請求項14】
前記動力電池パック(100)は、前記車両(1000)のシャーシに取り付けられている、
請求項13に記載の車両(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年6月21日に提出した、発明の名称「動力電池パック及び車両」の中国特許出願第「201910544995.0」号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、動力電池の製造の技術分野に関し、具体的には、動力電池パック及び該動力電池パックを有する車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、単電池をモジュールに組み立てた後、単電池をモジュールフレームにより固定することは、動力電池パックの取り付けスペース効率を低下させ、単電池の数及び動力電池パックの全容量を低下させ、航続能力に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本願は、以下の技術手段を採用する。
【0005】
上記問題に対して、本願は、トレイ及び上部カバーであって、前記トレイがサイドフレーム及び底部プレートを含み、前記上部カバー及び前記底部プレートがそれぞれ、前記サイドフレームの上下両端に接続されて、電池収容室を画定するトレイ及び上部カバーと、前記電池収容室内に取り付けられ、1つの表面が前記上部カバーと構造用接着剤によって接着され、対向する別の表面が前記底部プレートと熱伝導構造用接着剤によって接着される複数の単電池と、を含む動力電池パックを提供する。
【0006】
本願の動力電池パックは、十分な構造強度を保証する前提で、モジュールフレームの使用を低減し、スペース効率を向上させ、電池パックの部品を減少させ、プロセスフローを簡略化し、組み立て効率を向上させ、製造コストを低減する。
【0007】
本願は、上記動力電池パックを有する車両をさらに提供する。
前記車両と上記動力電池パックは、従来技術に対して同じ優位性を有し、ここでは、説明を省略する。
【0008】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
図1】本願の実施例に係る動力電池パックの上面図である。
図2図1におけるA-A部位の断面図である。
図3図2におけるB部位の部分拡大図である。
図4】本願の実施例に係る動力電池パックの分解図である。
図5】本願の実施例に係る動力電池パック内の単電池の配置構造の概略図である。
図6】本願の実施例に係る動力電池パック内の単電池がトレイに配置される構造の概略図である。
図7】本願の実施例に係る車両の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、若しくは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0011】
特に断りのない限り、本願における前後方向は、車両1000の縦方向、すなわちX方向であり、左右方向は、車両1000の横方向、すなわちY方向であり、上下方向は、車両1000の鉛直方向、すなわちZ方向である。
【0012】
以下、図1図4を参照して、本願の実施例に係る動力電池パック100を説明する。
【0013】
いくつかの実施例では、図1図4に示すように、電池パックケースは、トレイ110、上部カバー120及び複数の単電池150を含む。
【0014】
図2及び図4に示すように、トレイ110は、サイドフレーム111及び底部プレート112を含み、実際の実施において、サイドフレーム111は、四角枠状であり、底部プレート112は、サイドフレーム111の底面に固定接続され、サイドフレーム111の底面と溶接により互いに接続されて、パック全体の荷重受け構造となるとともに、パック全体の密封性能を確保し、かつ底部プレート112は、均熱性をさらに有するため、動力電池パックの本体の内部が熱交換プレートにより外部と熱を交換しやすい。
【0015】
上部カバー120及び底部プレート112はそれぞれ、サイドフレーム111の上下両端に接続されて、電池収容室を画定し、複数の単電池150は、電池収容室内に取り付けられる。
【0016】
上部カバー120は、サイドフレーム111の上端に接続され、上部カバー120及びサイドフレーム111は、ネジ締結具及び接着剤の少なくとも1つにより接続される。実際の実施において、サイドフレーム111の上端と上部カバー120の下面との間に接着剤が介在して密封及び初期接続を実現し、ネジ締結具が接着剤の周辺に設けられて、トレイ110と上部カバー120との接続をさらに補強する。
【0017】
単電池150は、1つの表面が上部カバー120と構造用接着剤161によって接着され、対向する別の表面が底部プレート112と熱伝導構造用接着剤160によって接着される。
【0018】
本願に係る動力電池パック100は、複数の単電池150が電池収容室内に直接的に取り付けられ、先に単電池をモジュールに組み立てる必要がなく、モジュールフレームの使用を低減し、動力電池パックケース内の単電池150の取り付けスペースを増大させ、電池収容室内に取り付けられた単電池150の数を増加させ、動力電池パック100の全容量を向上させ、航続能力を向上させる。
【0019】
また、従来技術において、先に単電池をモジュールに組み立てる必要があり、モジュールの形状が不規則であるため、動力電池パックケース内に密に配列できないのに対して、本願の技術手段において、トレイ110と上部カバー120とが画定した収容スペース内に単電池150を直接的に固定して取り付けることにより、単電池150は、電池収容室内に密に配列でき、電池収容室内の単電池150の取り付けスペースをさらに増大させ、動力電池パック全体内の単電池150の数を増加させる。
【0020】
また、モジュールフレームの使用を低減し、部品の数と組立工程を減少させ、コストをさらに低減し、単電池150を、1つの表面が上部カバー120と構造用接着剤161によって接着され、対向する別の表面が底部プレート112と熱伝導構造用接着剤160によって接着されるようにすることにより、単電池の電池収容室内の固定を補強し、動力電池パック全体の強度を向上させることができるだけでなく、単電池150の対向する別の表面が底部プレート112と熱伝導構造用接着剤によって接着されるため、電池の熱量が熱伝導構造用接着剤を介して底部プレートに伝達され、底部プレートから放出することができる。
【0021】
本願に係る動力電池パック100において、図5に示すように、単電池150は、直方体構造の角型電池であり、かつ長さL、厚さD、及び長さと厚さとの間にある高さHを有し、複数の単電池150は、単電池の厚さ方向に沿って配置され、単電池150は、対向する2つの広面及び対向する2つの狭面を有し、広面において長辺が単電池150の長さであり、短辺が単電池150の高さであり、狭面において長辺が単電池150の長さであり、短辺が単電池150の厚さであり、隣接する2つの単電池150は、広面が互いに面するように電池収容室内に配置される。図6に示すように、単電池150の厚さD方向に沿う最外側の2つの単電池150の外側には、エンドプレート180が取り付けられており、単電池150は、エンドプレート180によりトレイ110に接続することができる。
【0022】
本願の1つの実施例によれば、単電池150は、1つの狭面が底部プレート112と熱伝導構造用接着剤160によって接着され、別の狭面が上部カバー120と構造用接着剤161によって接着される。
【0023】
本願では、上記上部カバー120及び底部プレート112はいずれも、金属材料で製造される。
【0024】
金属材料製の底部プレート112及び上部カバー120は、内部の単電池150を保護する一方で、電池収容室を画定して放熱の効果を果たすことができ、底部プレート112及び上部カバー120は、熱伝導率が高い金属材質を採用することができ、アルミニウム、銅及びその合金を含むが、これらに限定されない。
【0025】
実際の実施において、底部プレート112及び上部カバー120は、アルミニウム合金材料で製造されてもよく、アルミニウム合金材料は、熱伝導性能に優れ、密度が小さい。
【0026】
単電池150が、1つの表面と上部カバー120との間に構造用接着剤161が設けられ、対向する別の表面と底部プレート112との間に熱伝導構造用接着剤160が設けられているため、つまり、単電池150が、上面が構造用接着剤161によって上部カバー120に接着され、対向する下面が熱伝導構造用接着剤160によって底部プレート112に接着されるため、単電池150の対向する2つの表面の上端及び下端は、いずれも電池パックケースに接着され、単電池150の固定を補強し、動力電池パック100内の単電池150の固定が強固になり、動力電池パック全体の強度を向上させる。
【0027】
一方では、単電池150の1つの表面は、熱伝導構造用接着剤160によって底部プレートと接着され、熱伝導構造用接着剤160は、単電池150とトレイ110との導通を防止するだけでなく、単電池150とトレイ110との接触面積を増大させ、かつ電池の熱量を底部プレートに伝達して、底部プレートから放出し、優れる放熱作用を果たすことができる。
【0028】
実際の実施において、熱伝導絶縁接着剤は、熱伝導シリコンゴムであってもよく、熱伝導シリコンゴムは、絶縁性及び熱伝導性能に優れ、単電池150の熱量を底部プレート112にタイムリーに伝達することができる。構造用接着剤は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、変性シラン、アクリル酸、シリコンゴムのうちの一種に無機熱伝導フィラー、例えば酸化アルミニウムを添加して形成されるものであってもよい。
【0029】
図2及び図3に示すように、本願の動力電池パック100は、底部保護プレート及び熱交換プレートをさらに含んでもよい。
【0030】
底部保護プレートは、サイドフレーム111の下端に接続され、かつ底部プレート112に対して鉛直方向に離間し、このように、底部保護プレートと底部プレート112との間にキャビティが形成され、熱交換プレートは、底部保護プレートと底部プレート112との間に介在されている。
【0031】
熱交換プレートは、熱交換媒体が流通する熱交換キャビティを有してよい。実際の実施において、熱交換プレートは、中空のプレートであってよく、内部に、熱交換媒体が流通する流路が設けられ、熱交換媒体が水であってよい。
【0032】
底部保護プレートと底部プレート112は、トレイ110の底面のサンドイッチ構造に相当し、このように、熱交換プレートは、電池収容室に対して外部に配置され、冷却液が突然に漏れる場合、動力電池パック100の電気的安全性を効果的に保証することができる。
【0033】
例えば、いくつかの実施例では、動力電池パック100は、車両1000のシャーシに取り付けられ、車両1000が走行する過程において、突出した路面が動力電池パック100と衝突すれば、熱交換プレートの破損を引き起こすが、分離のために熱交換プレートと電池収容室との間に底部プレート112が設けられているため、熱交換媒体が電池収容室内に流れて単電池150に影響を与えることができない。
【0034】
一方では、底部保護プレートは、ある程度で熱交換プレートを保護し、熱交換プレートの破損を防止する。
【0035】
図2に示すように、サイドフレーム111は、隔離キャビティ113を有するように設けられてよく、熱交換プレートの端部が隔離キャビティ113内に伸び込み、熱交換プレートは、複数の熱交換流路を含んでもよく、かつ端部に合流管が設けられ、合流管は、隔離キャビティ113内に設けられ、かつサイドフレーム111を貫通して継ぎ手により外部水路と連通する。
【0036】
本願の一実施例では、サイドフレーム111は、アルミニウム材質であってよく、かつキャビティ構造を有するように設けられ、1つのキャビティの下端が開口し、合流管は、下部にある開口端を通して該キャビティ内に取り付けられてよく、底部保護プレートがサイドフレーム111の底部に接続される場合に該キャビティを密封して隔離キャビティ113を形成する。
【0037】
隔離キャビティ113という構造の存在により、合流管に漏れが発生しても、内部の回路に影響を与えず、かつ合流管がサイドフレーム111内に取り付けられると言えるため、動力電池パック100全体の電池密度に影響を与えない。
【0038】
本願の動力電池パック100は、熱交換プレートを底部プレート112と底部保護プレートとの間に設けることにより、動力電池パック100の電気的安全性を効果的に保証することができ、かつ底部保護プレートは、ある程度で熱交換プレートを保護し、外部に配置された熱交換プレートが電池収容室のスペースを占めず、動力電池パック100全体の電池密度がより高くなる。
【0039】
いくつかの実施例では、熱交換プレートの表面と底部プレート112の外面とは、熱伝導構造用接着剤160によって接着される。このように、熱交換プレートと底部プレート112との間は、実際の有効接触面積が大きく、熱伝導を向上させる。
【0040】
本願のいくつかの実施例では、熱交換プレートは、エネルギ吸収構造を有し、一体化構造であり、内部に流路が設けられ、隣接する流路の間の隔離リブが上記エネルギ吸収構造を形成することにより熱交換プレート130の全体構造がエネルギ吸収作用を兼ねることができる。
【0041】
いくつかの実施例では、底部保護プレートは、主プレート本体と、主プレート本体の熱交換プレートに近い側に設けられる保温層とを含む。主プレート本体は、金属板であってよく、鋼板などの構造を含み、衝突防止作用を果たすことができ、保温層は、保温綿などの構造であってよい。このように、底部保護プレートは、優れた機械的強度を有するとともに、パック本体と外部との熱交換を低減することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、底部保護プレートは、主プレート本体と、主プレート本体の熱交換プレートに近い側に設けられる緩衝層とを含む。主プレート本体は、金属板であってよく、鋼板などの構造を含み、衝突防止作用を果たすことができ、緩衝層は、外部衝撃力を吸収し、ゴム層などの構造を含む。このように、底部保護プレートは、優れた機械的強度及び耐機械衝撃性を有する。
【0043】
動力電池パック100は、トレイ110及び上部カバー120を含む。上記トレイ110がサイドフレーム111及び底部プレート112を含む。上記上部カバー120及び上記底部プレート112がそれぞれ、上記サイドフレーム111の上下両端に接続されて、電池収容室を画定する。複数の単電池150は上記電池収容室内に取り付けられ、各単電池(150)の1つの表面が前記上部カバー120と構造用接着剤161によって接着され、各単電池(150)の対向する別の表面が前記底部プレート112と熱伝導構造用接着剤160によって接着される。
【0044】
いくつかの実施例では、上記単電池150は、直方体構造の角型電池であり、かつ長さ、厚さ、及び上記長さと厚さとの間にある高さを有し、複数の上記単電池150は、単電池の厚さ方向に沿って配置される。
【0045】
いくつかの実施例では、上記単電池150は、対向する2つの広面及び対向する2つの狭面を有し、広面において長辺が単電池150の長さであり、短辺が単電池150の高さであり、狭面において長辺が単電池150の長さであり、短辺が単電池150の厚さである。
【0046】
いくつかの実施例では、隣接する2つの上記単電池150は、広面が互いに面するように電池収容室内に配置される。
【0047】
いくつかの実施例では、上記単電池150は、1つの狭面が上記上部カバー120と構造用接着剤161によって接着され、別の狭面が上記底部プレート112と熱伝導構造用接着剤160によって接着される。
【0048】
いくつかの実施例では、上記上部カバー120及び底部プレート112はいずれも、金属材料で製造される。
【0049】
いくつかの実施例では、動力電池パック100は、上記サイドフレーム111の下端に接続され、かつ上記底部プレート112に対して鉛直方向に離間する底部保護プレートと、上記底部保護プレートと上記底部プレート112との間に介在される熱交換プレートと、をさらに含む。
【0050】
いくつかの実施例では、上記熱交換プレートの表面は、上記底部プレート112の外表面と熱伝導構造用接着剤160によって接着される。
【0051】
いくつかの実施例では、上記熱交換プレートは、熱交換媒体が流通する熱交換キャビティを有する。
【0052】
いくつかの実施例では、上記熱交換プレートは、エネルギ吸収構造を有する。
【0053】
いくつかの実施例では、上記底部保護プレートは、主プレート本体と、上記主プレート本体の上記熱交換プレートに近い側に設けられる保温層とを含む。
【0054】
いくつかの実施例では、上記底部保護プレートは、主プレート本体と、上記主プレート本体の上記熱交換プレートに近い側に設けられる緩衝層とを含む。
【0055】
本願は、車両1000をさらに開示する。
【0056】
図7に示すように、本願の実施例に係る車両1000は、上記いずれかの実施例の動力電池パック100を有する。
【0057】
本願の実施例に係る車両1000は、電気車両1000であってよく、電気乗用車又は電気バスなどを含む。
【0058】
いくつかの実施例では、動力電池パック100は、車両1000のシャーシに取り付けられてよい。
【0059】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体例」又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な説明は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0060】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその等価範囲で限定される。
【符号の説明】
【0061】
車両1000、動力電池パック100、トレイ110、サイドフレーム111、底部プレート112、隔離キャビティ113、上部カバー120、単電池150、熱伝導構造用接着剤160、構造用接着剤161、エンドプレート180。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】