(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】ギャップ寸法に対するリーク経路長の比率を向上させたガス放電管
(51)【国際特許分類】
H01T 4/12 20060101AFI20220818BHJP
H01T 4/10 20060101ALI20220818BHJP
H01T 4/00 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
H01T4/12 G
H01T4/10 F
H01T4/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575307
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 US2020038552
(87)【国際公開番号】W WO2020257532
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505441524
【氏名又は名称】ボーンズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー、 ケリー シー.
(57)【要約】
いくつかの実施形態では、ガス放電管(GDT)は、各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極であって、第1及び第2の電極の内向き面は互いに向き合うようになっている、第1及び第2の電極を含むことができる。GDTは、第1及び第2の電極の内向き面の間に密閉チャンバを画定するために第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部をさらに含むことができる。GDTは、密閉チャンバ内に面を形成し、かつ第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁部の上記面を含むようになっている、電気絶縁部をさらに含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極であって、前記第1及び第2の電極の前記内向き面は互いに向き合うようになっている、前記第1及び第2の電極と、
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の間に密閉チャンバを画定するために前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部と、
前記密閉チャンバ内に面を形成し、かつ前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、前記密閉チャンバ内のリーク経路が前記電気絶縁部の前記面を含むようになっている、前記電気絶縁部と、
を備えたガス放電管(GDT)。
【請求項2】
前記電気絶縁部は、前記第1及び前記第2電極の両方の各々に実装されている、請求項1に記載のGDT。
【請求項3】
前記第1及び第2の電極の間に実装されたスペーサをさらに備え、前記スペーサは、第1の面及び第2の面を有し、かつ前記第1の面から前記第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定しており、前記密閉チャンバは前記内壁によってさらに画定されるようになっている、請求項1に記載のGDT。
【請求項4】
前記スペーサは電気絶縁材料で形成されている、請求項3に記載のGDT。
【請求項5】
前記スペーサの前記電気絶縁材料はセラミック材料を含む、請求項4に記載のGDT。
【請求項6】
前記リーク経路は、前記スペーサの厚さ寸法よりも大きい長さを有する、請求項4に記載のGDT。
【請求項7】
前記リーク経路は、各々の電気絶縁部に関連付けられた経路と前記スペーサの厚さ寸法との合計を含む長さを有する、請求項4に記載のGDT。
【請求項8】
前記封止部は、前記スペーサの前記第1及び第2の面の各々と、対応する前記電極との間に実装された封止層を含む、請求項4に記載のGDT。
【請求項9】
前記封止層は導電性材料で形成されている、請求項8に記載のGDT。
【請求項10】
各々の電気絶縁部は、前記スペーサの前記開口の前記内壁から横方向内側に延びており、それぞれの前記封止層は、前記スペーサの前記電気絶縁材料によって前記電気絶縁部から分離されている、請求項9に記載のGDT。
【請求項11】
前記封止層は電気絶縁材料で形成されている、請求項8に記載のGDT。
【請求項12】
それぞれの前記電気絶縁部も、前記封止層の前記電気絶縁材料で形成されている、請求項11に記載のGDT。
【請求項13】
それぞれの前記電気絶縁部と封止層とが連続した構造を形成している、請求項12に記載のGDT。
【請求項14】
前記封止層の前記電気絶縁材料はガラスを含む、請求項11に記載のGDT。
【請求項15】
前記スペーサは、前記内壁から、前記第1及び第2の電極の外縁とほぼ同一平面上にある外壁まで横方向に延びるような寸法を有している、請求項4に記載のGDT。
【請求項16】
前記スペーサは、前記内壁から、前記第1及び第2の電極の外縁を横方向に越えた外壁まで横方向に延びるような寸法を有している、請求項4に記載のGDT。
【請求項17】
前記スペーサは、前記第1及び第2の側面の少なくとも一方の前記外壁の角に切込み構造を含み、前記切込み構造は、他のスペーサからの前記スペーサの分離に起因している、請求項16に記載のGDT。
【請求項18】
前記第1及び第2の電極の前記外縁を越えて横方向に延びている前記スペーサによって、前記第1及び第2の電極の間の外部リーク経路長が増加されている、請求項16に記載のGDT。
【請求項19】
前記封止部は、電気絶縁材料で形成され、前記第1及び第2の電極をスペーサ無しで直接接合及び封止するように構成されている、請求項1に記載のGDT。
【請求項20】
各々の電気絶縁部は封止部から横方向内側に延びている、請求項19に記載のGDT。
【請求項21】
各々の電気絶縁部も前記封止部の前記電気絶縁材料で形成されている、請求項20に記載のGDT。
【請求項22】
前記電気絶縁部と前記封止部とが連続した構造を形成している、請求項21に記載のGDT。
【請求項23】
前記封止部の前記電気絶縁材料はガラスを含む、請求項21に記載のGDT。
【請求項24】
前記第1及び第2の電極の各々は金属層で形成されている、請求項1に記載のGDT。
【請求項25】
各々の電気絶縁部は、それぞれの前記電極の前記内向き面上に放電部を露出させるような寸法を有している、請求項24に記載のGDT。
【請求項26】
前記電極の前記放電部は、前記金属層の前記内向き面上に実装された1つ又は複数の層を含む、請求項25に記載のGDT。
【請求項27】
前記金属層の前記内向き面上に実装された前記1つ又は複数の層は銀インク層を含む、請求項26に記載のGDT。
【請求項28】
前記金属層の前記内向き面上に実装された前記1つ又は複数の層は、前記銀インク層上の銀テクスチャ層をさらに含む、請求項27に記載のGDT。
【請求項29】
前記金属層の前記内向き面上に実装された前記1つ又は複数の層は、前記銀テクスチャ層上の放射コーティング層をさらに含む、請求項28に記載のGDT。
【請求項30】
前記電極の前記放電部は、前記金属層の前記内向き面上に形成されたテクスチャ構造を含む、請求項25に記載のGDT。
【請求項31】
前記テクスチャ構造は、前記金属層の上に形成されたスタンピングされた金属の構造を含む、請求項30に記載のGDT。
【請求項32】
前記電極の前記放電部は、前記テクスチャ構造上の放射コーティング層をさらに含む、請求項31に記載のGDT。
【請求項33】
前記放電部と、前記電気絶縁部で覆われたそれぞれの前記内向き面の前記部分とは、実質的に平坦である、請求項25に記載のGDT。
【請求項34】
前記放電部と、前記電気絶縁部で覆われたそれぞれの前記内向き面の前記部分とは、凹面を形成している、請求項25に記載のGDT。
【請求項35】
前記凹面は、実質的に平坦な内側部分と、角度のついた外側部分とを含み、前記角度のついた外側部分の少なくとも一部がそれぞれの前記電気絶縁部によって覆われるようになっている、請求項34に記載のGDT。
【請求項36】
前記角度のついた外側部分の実質的に全部が、それぞれの前記電気絶縁部によって覆われている、請求項35に記載のGDT。
【請求項37】
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を形成又は提供することと、
前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を電気絶縁材料で覆うことと、
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の間に密閉チャンバを画定するために、前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することであって、前記密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁材料の面を含むようになっている、前記接合及び封止することと、
を含む、ガス放電管(GDT)を製造する方法。
【請求項38】
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することは、前記第1及び第2の電極の間に電気絶縁性のスペーサを設けることを含み、前記スペーサは、第1の面及び第2の面を有し、かつ前記第1の面から前記第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定しており、前記密閉チャンバは前記内壁によってさらに画定されるようになっている、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することは、前記スペーサの前記第1及び第2の面の各々と、対応する前記電極との間に実装される封止層を形成することをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することは、電気絶縁材料で形成され、前記第1及び第2の電極をスペーサ無しで直接接合及び封止する電気絶縁部を形成することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
スペーサユニットのアレイを画定する電気絶縁プレートを提供又は形成することであって、各々のスペーサユニットは、第1及び第2の面を有し、かつ前記第1の面から前記第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定している、前記電気絶縁プレートを提供又は形成することと、
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を形成又は提供することと、
前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を電気絶縁材料で覆うことと、
各々のスペーサユニットの前記開口を前記第1及び第2の電極で封止することであって、前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分は、前記第1及び第2の電極の前記内向きの間に密閉チャンバを画定し、かつ前記密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁材料の面を含むようになっている、前記封止することと、
を含む、複数のガス放電管(GDTs)を製造する方法。
【請求項42】
前記スペーサユニットのアレイを複数の別個のユニットに分離することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
電極ユニットのアレイを有する金属シートを提供又は形成することと、前記第1及び第2の電極を提供するために前記電極ユニットのアレイを分離することと、をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を含むガス放電管(GDT)であって、前記第1及び第2の電極の前記内向き面は互いに向き合うようになっており、前記GDTは、前記第1及び第2の電極の前記内向き面の間に密閉チャンバを画定するために前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部をさらに含んでおり、前記GDTは、前記密閉チャンバ内に面を形成し、かつ前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、前記密閉チャンバ内のリーク経路が前記電気絶縁部の前記面を含むようになっている前記電気絶縁部をさらに含んでいる、前記GDTと、
前記GDTの前記第1の電極に電気的に接続された第1のクランプ装置と、
を備えた回路保護装置。
【請求項45】
前記第1のクランプ装置は前記第1の電極に直接接続されている、請求項44に記載の回路保護装置。
【請求項46】
前記第1のクランプ装置は、第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の電極の間に実装された金属酸化物層とを有する金属酸化物バリスタ(MOV)である、請求項45に記載の回路保護装置。
【請求項47】
前記MOVの前記第1及び第2の電極の一方は、前記回路保護装置の端子として構成されており、前記MOVの他方の前記電極は、前記GDTの前記第1の電極に電気的に接続された別の電極である、請求項46に記載の回路保護装置。
【請求項48】
前記MOVの前記第1及び第2の電極の一方は、前記回路保護装置の端子として構成されており、前記GDTの前記第1の電極は、前記MOVの他方の前記電極として構成されている、請求項46に記載の回路保護装置。
【請求項49】
前記GDTの前記第2の電極に電気的に接続された第2のクランプ装置をさらに備えている、請求項44に記載の回路保護装置。
【請求項50】
前記第2のクランプ装置は、第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の電極の間に実装された金属酸化物層とを有する金属酸化物バリスタ(MOV)である、請求項49に記載の回路保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「GAS DISCHARGE TUBE HAVING ENHANCED RATIO OF LEAKAGE PATH LENGTH TO GAP DIMENSION」の名称で2019年6月19日に出願された米国仮出願第62/863,777号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ガス放電管(GDT)及び関連する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ガス放電管(GDT)は、2つの電極の間に密閉されたガス容量を有する装置である。2つの電極間に十分な電位差がある場合、ガスは、イオン化して導電性媒体となり、それによりアークの形態で電流を発生させることができる。
【0004】
このような動作原理に基づいて、GDTは、電気的擾乱の間に様々な用途に対して信頼性の高い効果的な保護を提供するように構成することができる。いくつかの用途では、GDTは、低キャパシタンスや低挿入/リターン損失等の特性により、半導体放電デバイスよりも好ましい場合がある。したがって、GDTは、過電圧等の電気的擾乱に対する保護が望まれる電気通信及びその他の用途で頻繁に使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施態様では、本開示は、各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極であって、第1及び第2の電極の内向き面は互いに向き合うようになっている、第1及び第2の電極を含むガス放電管(GDT)に関する。GDTは、第1及び第2の電極の内向き面の間に密閉チャンバを画定するために第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部をさらに含む。GDTは、密閉チャンバ内に面を形成し、かつ第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁部の面を含むようになっている、電気絶縁部をさらに含む。
【0006】
いくつかの態様では、電気絶縁部は、第1及び第2電極の両方の各々に実装されていてもよい。
【0007】
いくつかの態様では、GDTは、第1及び第2の電極の間に実装されたスペーサをさらに含んでもよい。スペーサは、第1の面及び第2の面を有し、かつ第1の面から第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定してもよく、密閉チャンバは内壁によってさらに画定されるようになっている。いくつかの態様では、スペーサはセラミック等の電気絶縁材料で形成されていてもよい。いくつかの態様では、リーク経路は、スペーサの厚さ寸法よりも大きい長さを有していてもよい。いくつかの態様では、リーク経路は、各々の電気絶縁部に関連付けられた経路とスペーサの厚さ寸法との合計を含む長さを有していてもよい。
【0008】
いくつかの態様では、封止部は、スペーサの第1及び第2の面の各々と、対応する電極との間に実装された封止層を含んでいてもよい。
【0009】
いくつかの態様では、封止層は導電性材料で形成されていてもよい。いくつかの態様では、各々の電気絶縁部は、スペーサの開口の内壁から横方向内側に延びていてもよく、それぞれの封止層は、スペーサの電気絶縁材料によって電気絶縁部から分離されていてもよい。
【0010】
いくつかの態様では、封止層は電気絶縁材料で形成されていてもよい。いくつかの態様では、それぞれの電気絶縁部も、封止層の電気絶縁材料で形成されていてもよい。いくつかの態様では、それぞれの電気絶縁部と封止層とが連続した構造を形成していてもよい。いくつかの態様では、封止層の電気絶縁材料はガラスを含んでもよい。
【0011】
いくつかの態様では、スペーサは、内壁から、第1及び第2の電極の外縁とほぼ同一平面上にある外壁まで横方向に延びるような寸法を有していてもよい。
【0012】
いくつかの態様では、スペーサは、内壁から、第1及び第2の電極の外縁を横方向に越えた外壁まで横方向に延びるような寸法を有していてもよい。スペーサは、第1及び第2の側面の少なくとも一方の外壁の角に切込み構造を含んでいてもよく、切込み構造は、他のスペーサからのスペーサの分離に起因している。第1及び第2の電極の外縁を越えて横方向に延びているスペーサによって、第1及び第2の電極の間の外部リーク経路長が増加されていてもよい。
【0013】
いくつかの態様では、封止部は、電気絶縁材料で形成され、第1及び第2の電極をスペーサ無しで直接接合及び封止するように構成されていてもよい。各々の電気絶縁部は封止部から横方向内側に延びていてもよい。いくつかの態様では、各々の電気絶縁部も封止部の電気絶縁材料で形成されていてもよい。いくつかの態様では、電気絶縁部と封止部とが連続した構造を形成していてもよい。いくつかの態様では、封止部の電気絶縁材料はガラスを含んでもよい。
【0014】
いくつかの態様では、第1及び第2の電極の各々は金属層で形成されていてもよい。各々の電気絶縁部は、それぞれの電極の内向き面上に放電部を露出させるような寸法を有していてもよい。いくつかの態様では、電極の放電部は、金属層の内向き面上に実装された1つ又は複数の層を含んでもよい。そのような1つ又は複数の層は銀インク層を含んでもよい。そのような1つ又は複数の層は、銀インク層上の銀テクスチャ層をさらに含んでもよい。そのような1つ又は複数の層は、銀テクスチャ層上の放射コーティング層をさらに含んでもよい。
【0015】
いくつかの態様では、電極の放電部は、金属層の内向き面上に形成されたテクスチャ構造を含んでもよい。テクスチャ構造は、金属層の上に形成されたスタンピングされた金属の構造を含んでもよい。いくつかの態様では、電極の放電部は、テクスチャ構造上の放射コーティング層をさらに含んでもよい。
【0016】
いくつかの態様では、放電部と、電気絶縁部で覆われたそれぞれの内向き面の部分とは、実質的に平坦であってもよい。
【0017】
いくつかの態様では、放電部と、電気絶縁部で覆われたそれぞれの内向き面の部分とは、凹面を形成していてもよい。いくつかの態様では、凹面は、実質的に平坦な内側部分と、角度のついた外側部分とを含んでもよく、角度のついた外側部分の少なくとも一部がそれぞれの電気絶縁部によって覆われるようになっている。いくつかの態様では、角度のついた外側部分の実質的に全部が、それぞれの電気絶縁部によって覆われていてもよい。
【0018】
いくつかの実施態様では、本開示は、ガス放電管(GDT)を製造する方法に関する。方法は、各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を形成又は提供することを含む。方法は、第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の内向き面の一部を電気絶縁材料で覆うことをさらに含む。方法は、第1及び第2の電極の内向き面の間に密閉チャンバを画定するために、第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止することであって、密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁材料の面を含むようになっている、接合及び封止することをさらに含む。
【0019】
いくつかの態様では、第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止することは、第1及び第2の電極の間に電気絶縁性のスペーサを設けることを含んでもよく、スペーサは、第1の面及び第2の面を有し、かつ第1の面から第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定しており、密閉チャンバは内壁によってさらに画定されるようになっている。
【0020】
いくつかの態様では、第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止することは、スペーサの第1及び第2の面の各々と、対応する電極との間に実装される封止層を形成することをさらに含んでもよい。
【0021】
いくつかの態様では、第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止することは、電気絶縁材料で形成され、第1及び第2の電極をスペーサ無しで直接接合及び封止する電気絶縁部を形成することを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施態様では、本開示は、複数のガス放電管(GDTs)を製造する方法に関する。方法は、スペーサユニットのアレイを画定する電気絶縁プレートを提供又は形成することであって、各々のスペーサユニットは、第1及び第2の面を有し、かつ第1の面から第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定している、電気絶縁プレートを提供又は形成することを含む。方法は、各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を形成又は提供することをさらに含む。方法は、第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の内向き面の一部を電気絶縁材料で覆うことをさらに含む。方法は、各々のスペーサユニットの開口を第1及び第2の電極で封止することであって、第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分は、第1及び第2の電極の内向きの間に密閉チャンバを画定し、かつ密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁材料の面を含むようになっている、封止することをさらに含む。
【0023】
いくつかの態様では、方法は、スペーサユニットのアレイを複数の別個のユニットに分離することをさらに含んでもよい。
【0024】
いくつかの態様では、方法は、電極ユニットのアレイを有する金属シートを提供又は形成することと、第1及び第2の電極を提供するために電極ユニットのアレイを分離することと、をさらに含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施態様では、本開示は、各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を有するガス放電管(GDT)を含む回路保護装置に関し、第1及び第2の電極の内向き面は互いに向き合うようになっている。GDTは、第1及び第2の電極の内向き面の間に密閉チャンバを画定するために第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部をさらに含んでいる。GDTは、密閉チャンバ内に面を形成し、かつ第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁部の面を含むようになっている電気絶縁部をさらに含んでいる。回路保護装置は、GDTの第1の電極に電気的に接続された第1のクランプ装置をさらに含んでいる。
【0026】
いくつかの態様では、第1のクランプ装置は第1の電極に直接接続されていてもよい。いくつかの態様では、第1のクランプ装置は、第1及び第2の電極と、第1及び第2の電極の間に実装された金属酸化物層とを有する金属酸化物バリスタ(MOV)であってもよい。いくつかの態様では、MOVの第1及び第2の電極の一方は、回路保護装置の端子として構成されていてもよく、MOVの他方の電極は、GDTの第1の電極に電気的に接続された別の電極であってもよい。いくつかの態様では、MOVの第1及び第2の電極の一方は、回路保護装置の端子として構成されていてもよく、GDTの第1の電極は、MOVの他方の電極として構成されていてもよい。
【0027】
いくつかの態様では、GDTの第2の電極に電気的に接続された第2のクランプ装置をさらに備えていてもよい。いくつかの態様では、第2のクランプ装置は、第1及び第2の電極と、第1及び第2の電極の間に実装された金属酸化物層とを有する金属酸化物バリスタ(MOV)であってもよい。
【0028】
本開示を要約する目的のために、特定の態様、利点、及び本発明の新規な特徴が本明細書に記載される。このような利点は、本発明の任意の具体的な実施形態にしたがって必ずしも全て達成される必要はないことが理解されるべきである。したがって、本発明は、本明細書に教示又は示唆され得るように、必ずしも他の利点を達成することなく、本明細書で教示されるような一つの利点又は一群の利点を達成又は最適化するように具現化又は実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】比較的厚いスペーサの厚さ寸法を含むリーク経路を有するガス放電管(GDT)を示す図である。
【
図1B】スペーサが減少されたスペーサの厚さに対してリーク経路長を増加させるために内向きの突出部を含むように示されている、
図1Aの例よりも薄いGDTを示す図である。
【
図2】比較的薄くシンプルなスペーサの形状を用いながらリーク経路長が増加したGDTの例を示す図である。
【
図3】スペーサが電極の外壁とほぼ同一平面上にある外壁を有しすることができる、リーク経路長が増加したGDTの例を示す図である。
【
図4】スペーサが電極の外壁よりも横方向外側にある外壁を有することができる、リーク経路長が増加したGDTの例を示す図である。
【
図5】
図4のGDTのより具体的な例を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態において、GDTが、封止機能を提供する構造と、リーク経路長を横方向に増加させる構造と別個に含むことができることを示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTにおけるスペーサが2つ以上の層を含むことができることを同様に示す図である。
【
図8A】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8B】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8C】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8D】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8E】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8F】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8G】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8H】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8I】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図8J】
図5の例示的なGDTを製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図9A】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9B】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9C】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9D】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9E】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9F】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9G】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9H】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9I】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図9J】複数のGDT装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階における単体化されたユニットのアレイ又はグループの平面図である。
【
図11A】別個のスペーサ無しで密閉チャンバを形成するために電気絶縁シールが第1及び第2の電極を接合し得る例示的なGDTを示す図である。
【
図11B】別個のスペーサ無しで密閉チャンバを形成するために電気絶縁シールが第1及び第2の電極を接合し得る他の例示的なGDTを示す図である。
【
図12A】別個のスペーサ無しでチャンバを形成するために、電気絶縁シールが内向き面を有する第1及び第2の電極を接合し得る例示的なGDTを示す図である。
【
図12B】別個のスペーサ無しでチャンバを形成するために、電気絶縁シールが内向き面を有する第1及び第2の電極を接合し得る他の例示的なGDTを示す図である。
【
図13】
図12A及び
図12Bの例と同様の第1及び第2の電極を有するが、リーク経路長を増加させるように構成された電気絶縁シールを含む例示的なGDTを示す図である。
【
図14】本明細書に記載された1つ又は複数の特徴を有し、クランプ装置と組み合わされたGDTを含む回路保護装置の例を示す図である。
【
図15】本明細書に記載された1つ又は複数の特徴を有し、一方の面の上の第1のクランプ装置及び他方の面の上の第2のクランプ装置と組み合わされたGDTを含む回路保護装置の他の例を示している。
【
図16】
図14の回路保護装置のより具体的な例となり得る回路保護装置を示す図である。
【
図17】
図15の回路保護装置のより具体的な例となり得る回路保護装置を示す図である。
【
図18A】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18B】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18C】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18D】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18E】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18F】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18G】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【
図18H】複数の回路保護装置を製造するために実施することができるプロセスの様々な段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に見出しがある場合、それは便宜上のものにすぎず、特許請求の範囲に記載した発明の範囲又は意図に必ずしも影響を与えるものではない。
【0031】
ガス放電管(GDT)は、対向する電極を備えた密閉されたガス室を有する装置である。そのようなGDTが過電圧状態等の電気的状態にさらされると、電極間及び密閉されたガスを通じてアーク放電が発生し、それにより過電圧状態を放電させる。したがって、GDTの設計には、GDTの使用目的に合わせて、例えば、ガスの種類、電極間のギャップ寸法、装置全体の寸法等を含めることができる。
【0032】
典型的なGDTでは、電極間にリーク電流が存在し得る。そのようなリーク電流は、通常は、密閉チャンバの様々な面に沿う一方の電極から他方の電極へのリーク経路を辿る。GDTの多くの用途では、このようなリーク電流が低減されることが望ましい。そのようなリーク電流の低減を実現するために、対応するリーク経路を増加させることができる。いくつかの実施形態では、対応する電極のギャップ寸法に対して長いリーク経路を有することが望ましい。
【0033】
図1A及び
図1Bは、リーク電流を低減するためにどのようにリーク経路を増加させることができるかに関する例を示す。例えば、
図1Aは、比較的厚いスペーサ14の厚さ寸法を含むリーク経路19を有するGDT10を示している。そのようなスペーサは、密閉チャンバ18を形成するように、第1及び第2の電極12a,12bとそれぞれのシール16a,16bとを接合するように示されている。このような構成では、電極12a,12b(オプションの放射コーティング(emissive coating)15a,15bを有する)は、所望のギャップ寸法d
gapを形成するように、互いに向かって突出し得る。このような構成では、比較的厚いスペーサ14により、GDT10が比較的厚くなることが分かる。
【0034】
他の例では、
図1Bは、
図1Aの例よりも薄いGDT20を示している。
図1Bの例では、スペーサ24が、厚さが減少したスペーサにしてはリーク経路長が増加するように、内向きの突出部を含むように示されている。そのようなスペーサは、密閉チャンバ28を形成するように、第1及び第2の電極22a,22bとそれぞれのシール26a,26bとを接合するように示されている。
図1Bの例では、(オプションの放射コーティング25a,25bを有する)電極22a,22bは、スペーサの厚さが減少しているので、所望のギャップ寸法d
gapを形成するために(
図1Aの例と比較して)互いに向かって突出する必要はない。
図1Bの例では、内向きの突出部を有するスペーサ24は、一般に、例えば
図1Aのスペーサよりも複雑な形状を有することに留意されたい。
【0035】
いくつかの実施形態では、GDTは、比較的薄くてシンプルなスペーサの形状を用いつつ、増加したリーク経路長を有することができる。本明細書で説明するように、そのようなGDTはまた、望ましくは、比較的シンプルな電極を含むことができる。
【0036】
例えば、
図2は、平坦な導電性プレートのような比較的シンプルな構造で形成することができる上側及び下側の電極102a,102bを有するGDT100を示している。本明細書で説明するように、そのような電極の放電部は、それぞれの平坦な導電性プレート上に形成された1つ又は複数の層105a,105bで実装することができる。
【0037】
図2の例では、各電極(102a又は102b)は、所望のギャップ寸法d
gapを形成するように、他方の電極(102b又は102a)の対向する放電部に向かってわずかに突出する放電部を含んでいる。開口を有する平坦なスペーサが、開口の内壁が放電部のエッジの位置又は内側になるように実装されている場合、その結果として得られるリーク経路長は本質的に平坦なスペーサの厚さになる。
【0038】
しかしながら、
図2の例に示すように、平坦なスペーサ104の開口の内壁が放電部のエッジの外側に位置する場合、その結果として得られるリーク経路110は、平坦なスペーサ104の厚さに加えて、各々の放電部のエッジから平坦なスペーサ104の開口の内壁までの(それぞれの絶縁シール106a,106bの一部によって形成される)横方向のオフセットを含むことになる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、各々の電極(102a,102b)に関連付けられた絶縁シール(106a,106b)は、リーク経路110のための上記の横方向のオフセットを形成するために、絶縁材料(例えばガラス)の面を含むことができる。
【0039】
図2の例では、スペーサ104の開口の内壁、絶縁シール106a,106bの一部、及び電極102a,102bの放電部が密閉チャンバ108を形成するように示されている。
図2のGDT100に関連する追加の例は、本明細書においてより詳細に説明される。
【0040】
図3及び
図4は、
図2を参照して上述した、増加されたリーク経路長のより詳細な例を示している。
図3及び
図4の各々において、GDT100は、それぞれの放電部がギャップ寸法d
gapによって分離されるように、互いに相対的に配置された第1及び第2の電極102a,102bを含むように示されている。説明のために、電極の放電部は、放電が放電部で開始又は終了する場所を指すことが理解されるであろう。
【0041】
図3及び
図4の各々において、第1及び第2の電極102a,102bの各々は、平坦な部分と突出した放電部とを含むものとして描かれている。いくつかの実施形態では、本明細書において説明するように、そのような放電部は、平坦な部分の上に形成された1つ又は複数の層で実装することができる。
【0042】
図3及び
図4を参照すると、電気絶縁シール(106a又は106b)(本明細書では絶縁シールとも称する)は、対応する放電部の横方向の外側部分を囲む空間の一部又は全部を占めるように実装することができる。したがって、いくつかの実施形態では、突出した放電部及び絶縁シール(106a又は106b)は、ほぼ同じ厚さを有することができる。このような構成例では、電極(102a又は102b)及び絶縁シール(106a又は106b)は、ほぼ平坦な構造を形成することができる。本明細書ではそのようなほぼ平坦な構造の文脈でいくつかの例が説明されるが、絶縁シールは、突出した放電部の厚さよりも大きい又は小さい厚さを有することができることが理解されるであろう。
【0043】
また、電極の放電部は、電極の導体面から突出していてもいなくてもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、電極の平坦な導体面の平坦な部分は、本明細書に記載されているような電気絶縁シールによって囲まれることができ、そのような平坦な導体面の露出部分は、電極の放電部とすることができる。銀テクスチャ層及び放射コーティング層等の1つ又は複数の層がそのような露出部分の上に形成される場合、その結果として得られる、周囲を囲んでいる電気絶縁シールよりも小さい、等しい、又は大きい厚さを有する層は、電極の放電部であるとみなすことができる。
【0044】
図3及び
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、GDT100は、チャンバ108を画定する開口を有する概ね平坦なスペーサ104をさらに含むことができる。
図3及び
図4の各々の例では、スペーサ104の内壁が、各々の電極102a,102bの放電部の外縁から外側に凹んでいることが示されている。したがって、その結果として生じる凹部が、横方向の寸法d
recessを有するように示されている。そのため、電極102a,102bの放電部の寸法が同様である場合、一方の放電部の外縁から他方の放電部の外縁までの間のリーク経路110は、おおよそd
recess+d
gap+drecessの長さを有することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、電極102a,102bの放電部は、同じ寸法であってもなくてもよいことが理解されるであろう。
【0046】
図3は、いくつかの実施形態において、スペーサ104は、電極102a,102bの外壁とほぼ同一平面上にある外壁を有することができることを示している。
【0047】
図4は、いくつかの実施形態において、スペーサ104は、電極102a,102bの外壁よりも横方向外側にある外壁を有することができることを示している。
図4のそのような構成では、(電極102a,102bの外壁を超えて)横方向に突出したスペーサは、GDT100を側面から見たときに、翼状の構造を形成し得る。いくつかの実施形態では、そのような翼状の構造は、いくつかの望ましい製造プロセスを容易にすることができる。そのような製造プロセスの例は、本明細書においてより詳細に説明される。また、上述の外側の翼状の構造は、GDT100の外側に長いリーク経路を形成することもできることに留意されたい。
【0048】
図5は、
図4のGDTのより具体的な例を示す。
図5の例では、GDT100は、電気絶縁スペーサ104の第1及び第2の面(例えば、
図5のように向けられた場合、上側及び下側の面)の上に実装された第1及び第2の電極102a,102bを含むように示されている。いくつかの実施形態では、第1の電極102aは、第1の金属シート120a(例えば、スタンピングされた平坦な金属シート)を含むことができ、放電部を設けるために多数の層をそのような金属シート上に形成することができる。例えば、銀インク層122aを、金属シート120aの一方の面を実質的に覆うように形成することができる。銀テクスチャ層124a及び放射コーティング層126aが、第1の電極102aの中心部分に放電部を形成するように、銀インク層122aの中心部分に形成されるように示されている。そのような放電部は、第1及び第2の電極102a,102bの間に延びる中心線に対して対称となるように形成したり、中心部分から離れて非対称となるように形成したりすることもできることが理解されるであろう。
【0049】
同様に、
図5を参照すると、第2の電極102bは、第2の金属シート120b(例えば、スタンピングされた平坦な金属シート)を含むことができ、放電部を設けるために多数の層をそのような金属シート上に形成することができる。例えば、銀インク層122bを、金属シート120bの一方の面を実質的に覆うように形成することができる。銀テクスチャ層124b及び放射コーティング層126bが、第2の電極102bの中心部分に放電部を形成するように、銀インク層122bの中心部分に形成されるように示されている。そのような放電部は、第1及び第2の電極102a,102bの間に延びる中心線に対して対称となるように形成したり、中心部分から離れて非対称となるように形成したりすることもできることが理解されるであろう。また、第2の電極102bの個々の層が、第1の電極102aの個々の層と同じであってもよいし、そうでなくてもよいことも理解されるであろう。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴(
図5の例等)を有するGDT用の電極は、銀インク又はテクスチャを使用せずに、金属電極(例えば、銅又は42アロイ金属)として実装することができる。このような実施形態では、テクスチャ構造を金属電極上にスタンピングすることができる。テクスチャ構造のそのようなスタンピングは、(電極がスタンピングされた金属電極である実施例における)電極自体の形成中、又は、電極形成ステップの前又は後の別のステップにおいて成すことができる。いくつかの実施形態では、金属電極のスタンピングされたテクスチャ構造に放射コーティングが形成されてもよく、されなくてもよい。
【0051】
図5の例では、電気絶縁スペーサ104は、スペーサ104の内壁を有する開口を画定するように示されている。いくつかの実施形態では、このような電気絶縁スペーサは、例えば、セラミックスペーサであってもよい。
【0052】
図5は、いくつかの実施形態において、第1及び第2の電極102a,102bの各々に電気絶縁シールを設けることができることを示している。例えば、第1の電気絶縁シール106a(例えば、ガラスシール)は、銀テクスチャ層124a及び放射コーティング層126aを含む放電部を横方向に取り囲むように、銀インク層122a上に実装することができる。他の例では、前述のスタンピングされた金属電極の構成の文脈において、第1の電気絶縁シール106a(例えば、ガラスシール)を、スタンピングされたテクスチャ構造及び放射コーティング層(実装されている場合)を含む放電部を横方向に取り囲むように、金属電極自体の上に実装することができる。そのような電気絶縁シールは、自身の横方向の内縁が放電部の外縁を画定し、横方向の外側部分が電気絶縁スペーサ104の対応する面(例えば、上側の面)に係合するような寸法にすることができる。したがって、第1の電極102aの放電部の外縁は、第1のシール106aの電気絶縁材料によって、電気絶縁スペーサ104の開口の内壁から横方向に分離されていることが示されている。
【0053】
同様に、第2の電気絶縁シール106b(例えば、ガラスシール)は、銀テクスチャ層124b及び放射コーティング層126bを含む放電部を横方向に取り囲むように、銀インク層122b上に実装することができる。上述のスタンピングされた金属電極の構成の文脈では、第2の電気絶縁シール106b(例えば、ガラスシール)を、スタンピングされたテクスチャ構造及び放射コーティング層(実装されている場合)を含む放電部を横方向に取り囲むように、金属電極自体の上に実装することができる。そのような電気絶縁シールは、自身の横方向の内縁が放電部の外縁を画定し、横方向の外側部分が電気絶縁スペーサ104の対応する面(例えば、下側の面)に係合するような寸法にすることができる。したがって、第2の電極102bの放電部の外縁は、第2のシール106bの電気絶縁材料によって、電気絶縁スペーサ104の開口の内壁から横方向に分離されていることが示されている。第1及び第2の電気絶縁シール106a,106bは、同じであってもなくてもよいことが理解されるであろう。
【0054】
上述のように構成することで、スペーサ104の開口の内壁、第1及び第2の電気絶縁シール106a,106bの横方向の内側部分、及び第1及び第2の電極102a,102bの放電部は、密閉チャンバ108を画定するように示されている。本明細書に記載されているように、そのような密閉チャンバは、所望の放電機能を提供するためにガス又はガスの混合物で充填することができる。
【0055】
図5の例では、スペーサ104の開口の内壁は、(例えば、第1及び第2の電気絶縁シール106a,106bの横方向の内側部分の横方向の寸法の分だけ)第1及び第2の放電部の外縁から横方向に凹んでいることが示されている。したがって、第1及び第2の電気絶縁シール106a,106bの各々に関連付けられたそのような横方向の寸法は、第1及び第2の電極102a,102bの放電部の間のリーク経路長の増加に寄与することができる。
【0056】
図5の例では、スペーサ104の横方向の外側部分は、第1及び第2の電極102a,102bによって画定される壁を超えて横方向に延びるように示されている。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、スペーサ104のそのような横方向の延長部は、複数のGDTの製造を容易にするために利用することができる。また、本明細書に記載されているように、外側の翼状の構造としてのスペーサ104の横方向の延長部は、対応するGDTの外側により長いリーク経路を形成することもできる。
【0057】
図5の例では、単一の電気絶縁構造(例えば、ガラスシール)が、(一方の電極とスペーサの対応する面との間の)封止機能と、(内側及び/又は外側の)リーク経路長の横方向の増加との両方に寄与している。いくつかの実施形態では、そのような機能のいずれか又は両方を異なる手法で実装することも可能である。
【0058】
例えば、
図6は、いくつかの実施形態において、GDT100が、封止機能を提供するための構造と、リーク経路長の横方向の増加を提供するための構造とを別個に含むことができることを示している。
図6の例では、第1及び第2の電極102a,102bの各々は、金属シート(120a又は120b)(例えば、スタンピングされた平坦な金属シート)を含むことができ、放電部を設けるために1つ又は複数の層をそのような金属シート上に形成することができる。例えば、電極(102a又は102b)の中心部分に放電部を形成するように、放射コーティング層(126a又は126b)を金属シート(120a又は120b)の中心部分の上に形成することができる。そのような放電部は、第1及び第2の電極102a,102bの間に延びる中心線に対して対称となるように形成したり、中心部分から離れて非対称となるように形成したりすることもできることが理解されるであろう。
【0059】
図6の例では、第1及び第2の電極102a,102bの各々に電気絶縁層を設けることができる。例えば、第1電気絶縁層130a(例えば、ガラス層)を、放射コーティング層126aを含む放電部を横方向に取り囲むように、金属シート120a上に実装することができる。このような電気絶縁層は、放射コーティング層126aの外縁と、電気絶縁スペーサ104によって画定された開口の内壁とを横方向に分離するような寸法にすることができる。第1の電気絶縁層130aは、電気絶縁スペーサ104と第1の電極102aの金属シート120aとの間に封止機能を提供しないことに留意されたい。また、いくつかの実施形態では、第1の電気絶縁層130a及び電気絶縁スペーサ104は、それらの間の接合部が、金属シート120aの一部が接合部から溢れてリーク経路を破損することを許容しないように構成することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、そのような接合部は、第1の電気絶縁層130aと電気絶縁スペーサ104との間のリーク経路の破損を防止するために、第1の電気絶縁層130aの外側部分が電気絶縁スペーサ104の内側部分と十分に係合する構成を含むことができる。
【0060】
同様に、第2の電気絶縁層130b(例えば、ガラス層)を、放射コーティング層126bを含む放電部を横方向に取り囲むように、金属シート120b上に実装することができる。このような電気絶縁層は、放射コーティング層126bの外縁と、電気絶縁スペーサ104によって画定された開口の内壁とを横方向に分離するような寸法にすることができる。第2の電気絶縁層130bは、電気絶縁スペーサ104と第1の電極102bの金属シート120bとの間に封止機能を提供しないことに留意されたい。また、いくつかの実施形態では、第2の電気絶縁層130b及び電気絶縁スペーサ104は、それらの間の接合部が、金属シート120bの一部が接合部から溢れてリーク経路を破損することを許容しないように構成することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、そのような接合部は、第2の電気絶縁層130bと電気絶縁スペーサ104との間のリーク経路の破損を防止するために、第2の電気絶縁層130bの外側部分が電気絶縁スペーサ104の内側部分と十分に係合する構成を含むことができる。
【0061】
上述のように構成することで、第1及び第2の電気絶縁層130a,130bは、第1及び第2の電極102a,102bの間のリーク経路長のそれぞれの横方向の増加をもたらすことができる。
【0062】
図6の例では、封止機能が電気絶縁層130a,130b以外の構造によって提供されることが示されている。例えば、電気絶縁スペーサ104の一方の面(例えば、
図6のように向けられたときの上側の面)と第1の金属シート120aとの間の封止アセンブリは、第1の金属シート120a上に形成された接合面層132a(例えば、CuSil合金金属ろう)と、電気絶縁スペーサ104上に形成された接合面層134a(例えば、タングステンメタライズ層)とを含むことができる。同様に、電気絶縁スペーサ104の他方の面(例えば、下側の面)と第2の金属シート120bとの間の封止アセンブリは、第2の金属シート120b上に形成された接合面層132b(例えば、CuSil合金金属ろう)と、電気絶縁スペーサ104上に形成された接合面層134b(例えば、タングステンメタライズ層)とを含むことができる。
【0063】
図6の例では、封止アセンブリ(例えば、132a/134a及び132b/134b)の各々は、導電性であっても、非導電性であってもよいことに留意されたい。たとえ封止アセンブリが導電性であっても、封止アセンブリは2つの電極102a,102bの放電部の間のリーク経路から電気的に絶縁されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、上述の封止アセンブリは、製造プロセス中にそれぞれの接合面層を(例えば、熱を加えて)接合させることによって、封止機能を提供することができる。スペーサ104の内壁、第1及び第2の電気絶縁層130a,130b、及び第1及び第2の放電部は、密閉されると密閉チャンバ108を画定するように示されている。本明細書で説明されているように、そのような密閉チャンバは、所望の放電機能を提供するために、ガス又はガスの混合物で充填することができる。
【0065】
図6の例では、スペーサ104は、電気絶縁性のスペーサ(例えば、セラミックスペーサ)であることに留意されたい。したがって、接合面層132,134は、電気絶縁層、導電層、又はそれらの何らかの組み合わせとすることができる。接合面層132,134が導電性材料で形成される場合、そのような層は、封止機能を提供するが、第1及び第2の電極102a,102bに関連付けられた電気的特性を阻害しないように、スペーサ104の開口の内壁から十分に離れるように形成することができることに留意されたい。
【0066】
図5及び
図6の例では、各々のGDTは、スペーサの一方の面の上に単一の電極を有し、スペーサの他方の面の上に他の単一の電極を有するように構成されている。
図7は、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された1つ又は複数の特徴を有するGDTが、スペーサの所定の面の上に2つ以上の電極を含むことができることを示している。また
図7は、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTにおけるスペーサが、2つ以上の層を含むことができることを示している。
【0067】
例えば、
図7を参照すると、2つの電極102a,102bが、スペーサアセンブリの一方の面(例えば、
図7のように向けられたときの上側の面)の上に実装され、1つの電極102cが、スペーサアセンブリの他方の面の上に実装されている。スペーサアセンブリは、第1の層127a及び第2の層127cを含むように示されている。そのような層は、セラミック層のような電気絶縁層とすることができ、ガラスシール等の封止層129によって接合することができる。第1の層127aは、横方向に分離された上側の電極102a,102bを支持する中間部分127bを含むように描かれている。いくつかの実施形態では、中間部分127bは、第1の層127aの横方向の外側部分に接続されていてもいなくてもよい。
【0068】
上述のように構成することで、各々の電極102a,102bの横方向の外側部分は、第1の層127aの外側部分と嵌合するように示され、各々の電極102a,102bの横方向の内側部分は、中間部分127bと嵌合するように示されている。
図7の例では、電極102a,102bの各々は、それぞれの放電部を形成するため、
図5の例と同様の個々の層を含むことができる。さらに、
図5の例と同様の封止部125a,125bによって、封止機能とリーク経路長の増加とを提供することができる。
【0069】
図7の例では、下側の電極102cは、
図5の例と同様の手法で構成され、第2の層127cに嵌合することができる。
図7に示すように構成することで、(3つの電極102a,102b,102cに関連付けられた)3つの例の放電部の任意の部分に関連付けられたリーク経路を、絶縁層(例えば、127a又は127c)の最も近い内壁に対する横方向のオフセットを形成することによって、それぞれの封止構造(例えば、125a又は125c)の一部によって増加させることができる。
【0070】
図5~
図7の例では、各々のGDTは、単一の密閉チャンバを含む。しかしながら、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTは、2つ以上の密閉チャンバを含むことができることが理解されるであろう。複数の密閉チャンバを有するそのような構成では、少なくとも1つの密閉チャンバは、本明細書に記載されているような増加したリーク経路長に関連付けることができる。
【0071】
図8A~
図8Jは、
図5の例示的なGDT100を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示している。
図8A及び
図8Bは電気絶縁スペーサ104に関し、
図8C~
図8Gは各電極(102a又は102b)に関し、
図8H~
図8Jは電気絶縁スペーサへの電極の組み立てに関する。
【0072】
図8Aは、開口200を有する電気絶縁スペーサ104(例えば、セラミックスペーサ)の側面図である。いくつかの実施形態では、このような開口は、後続のステップで形成することができ、若しくは、事前に形成することができる。
図8A~
図8Jの説明のため、電気絶縁スペーサ104はセラミックスペーサであってもよいが、そのような電気絶縁スペーサは他の材料で形成することができることが理解されるであろう。
【0073】
図8Bは、アセンブリ204を生成するために、セラミックスペーサ104の一方の面の上にガラス層202aを形成し、セラミックスペーサ104の他方の面の上にガラス層202bを形成するステップを示す。そのようなガラス層の形成に関連する例は、「GLASS SEALED GAS DISCHARGE TUBES」と題された米国特許出願公開第2019/0074162号明細書に記載されており、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれており、その開示は本願明細書の一部とみなされる。層202a,202bは、非ガラス絶縁材料を含む他の材料で形成できることが理解されるであろう。
【0074】
図8Cは、電極として用いられる金属シート120の側面図である。いくつかの実施形態では、そのような金属シートは、より大きな金属のシート又はストリップからスタンピングすることができる。
【0075】
図8Dは、アセンブリ206を生成するために、金属シート120の一方の面の上に銀インク層122を形成するステップを示す。いくつかの実施形態では、そのような銀インク層は、例えば、印刷又は吹付けの後に硬化ステップを行うことによって形成することができる。いくつかの実施形態では、
図5を参照して本明細書で説明したように、電極がスタンピングされた金属の構造として実装される構成では、このステップを省略することができる。
【0076】
図8Eは、アセンブリ210を生成するために、銀インク層122の上にガラス層208を形成するステップを示す。いくつかの実施形態では、そのようなガラス層は、本明細書で説明したようにリーク経路長を増加させる幅寸法で、銀インク層122の外縁の周囲に形成することができる。いくつかの実施形態では、
図5を参照して本明細書で説明したように、ガラス層208は、電極がスタンピングされた金属の構造として実装される構成では、金属シート120の外縁の周囲に(例えば、金属シート120上に直接)形成することができる。
【0077】
図8Fは、アセンブリ212を生成するために、外縁に沿ってガラス層122の間に横方向に設けられるように、銀インク層122上に銀テクスチャ層124を形成するステップを示す。いくつかの実施形態では、
図5を参照して本明細書で説明したように、銀テクスチャ層124を省略することができ、その代わりに、電極がスタンピングされた金属の構造として実装される構成では、同様のテクスチャ構造を金属シート120上に形成することができる(例えば、スタンピングされた構造)。
【0078】
図8Gは、アセンブリ214を生成するために、外縁に沿ってガラス層122の間に横方向に設けられるように、銀テクスチャ層124上(又は対応するスタンピングされた金属電極のスタンピングされた構造の上)に、放射コーティング層126を形成するステップを示す。アセンブリ214は、
図5の例の第1及び第2の電極102a,102bのいずれかとして用いることができる。
【0079】
図8Hは、
図8Bのアセンブリ204が、
図8Gの2つのアセンブリ214a,214bの間に挟まれようとしている組立図である。いくつかの実施形態では、アセンブリ214a,214bは、アセンブリ204に同時に嵌合されるか、アセンブリ204に順次に嵌合されるか、又はそれらの何らかの組み合わせが可能であることが理解されるであろう。
【0080】
図8Iは、アセンブリ220を生成するために、アセンブリ204が2つのアセンブリ214a,214bと係合し、嵌合接合部(216a,216b)がまだ硬化及び封止されていない組立図を示す。そのようなアセンブリの形成中又は形成前に、密閉されることになる容積218に所望のガスを導入することができる。
【0081】
図8Jは、本明細書で説明されているような、密閉チャンバ108と、各シールの一部及びスペーサ104の開口の内壁を含む増加したリーク経路長とを有するGDT100を生成するために、嵌合接合部(
図8Iの216a,216b)が硬化された組立図を示す。
【0082】
図8A~
図8Jの製造ステップの例は、単一のユニットの文脈で説明されている。本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTは、独立したユニットとして、同様のユニットのアレイから単一に分離されたユニットとして、又はそれらの任意の組み合わせとして製造することができることが理解されるであろう。
【0083】
【0084】
図9A~
図9J及び
図10A~
図10Jの説明のために、そのようなGDT装置の各々は
図5の例示的なGDT100と同様である。しかしながら、そのような技術の1つ又は複数の特徴は、他の構成を有する複数のGDTを製造するためにも用いることができることが理解されるであろう。
【0085】
【0086】
単一に分離されていない複数のスペーサユニット104を有する電気絶縁スペーサプレート300(例えば、セラミックスペーサ)の、
図9Aは平面図を示し、
図10Aは側断面図を示す。そのようなスペーサユニットの各々は、単一に分離されると、
図8Aのスペーサ104と同様になる。
図9Aでは、各々のスペーサユニット104は、開口200を含むように示されている。いくつかの実施形態では、そのような開口は、後続のステップで形成することができ、又は、事前に形成することができる。
図9A~
図9J及び
図10A~
図10Jの説明のため、電気絶縁スペーサプレート300はセラミックスペーサプレートであってもよいが、そのような電気絶縁スペーサプレートは他の材料を含み得ることが理解されるであろう。
【0087】
図10Aでは、セラミックプレート300には、単体化されたユニットのエッジとなる境界306が描かれている。いくつかの実施形態では、そのような境界での又はその近くでの分離は、
図9Aに示された分離構造302,304(例えば、切込み線)によって容易化することができる。そのような分離構造は、後続のステップで形成するか、事前に形成するか、又はそれらの何らかの組み合わせで形成することができる。いくつかの実施形態では、そのような分離構造は、1つ又は複数のレーザビームを用いてセラミックプレート300上に形成することができる。
【0088】
図9B及び
図10Bは、アセンブリ308を生成するために、セラミックスペーサプレートの一方の面の上にスペーサユニット104毎にガラス層202aを形成し、セラミックスペーサプレートの他方の面の上に、スペーサユニット104毎にガラス層202bを形成するステップを示す。そのようなガラス層の形成に関連する例は、上述の米国特許出願公開第2019/0074162号明細書に記載されている。層202a,202bは、非ガラス絶縁材料を含む他の材料で形成できることが理解されるであろう。
【0089】
単一に分離されていない複数のユニット120を有する金属シート310の、
図9Cは平面図を示し、
図10Cは側断面図を示す。そのようなユニットの各々は、
図8Cの金属シート120と同様であり、電極として用いることができる。
【0090】
図9C及び10Cには、金属シート310が、単体化されたユニット120のエッジとなる境界312,314を有するように描かれている。いくつかの実施形態では、複数の単体化されたユニット120を形成するために、金属シート310をスタンピングでカットすることができる。
【0091】
図9D及び
図10Dは、アセンブリ316を生成するために、金属シート310の一方の面の上にユニット120毎に銀インク層122を形成するステップを示す。いくつかの実施形態では、そのような銀インク層は、例えば、印刷又は吹付けの後に硬化ステップを行うことによって形成することができる。いくつかの実施形態では、
図5を参照して本明細書で説明したように、電極がスタンピングされた金属の構造として実装される構成では、このステップを省略することができる。
【0092】
図9E及び
図10Eは、アセンブリ322を生成するために、銀インク層122上にユニット120毎にガラス層208を形成するステップを示す。いくつかの実施形態では、そのようなガラス層は、本明細書で説明したように、リーク経路長を増加させる幅寸法で、銀インク層122の周縁の周囲に形成することができる。いくつかの実施形態では、
図5を参照して本明細書で説明したように、ガラス層208は、電極がスタンピングされた金属の構造として実装される構成では、各ユニット120の周縁の周囲に(例えば、金属の上に直接)形成することができる。
【0093】
図9F及び
図10Fは、アセンブリ324を生成するために、周縁に沿ってガラス層208の間に横方向に設けられるように、銀インク層122上にユニット120毎に銀テクスチャ層124及び放射コーティング層126を形成するステップを示す。いくつかの実施形態では、
図5を参照して本明細書で説明したように、銀テクスチャ層124を省略することができ、その代わりに、電極がスタンピングされた金属の構造として実装される構成では、各ユニット120の金属上に同様のテクスチャ構造(例えば、スタンピングされた構造)を形成することができる。
【0094】
図9G及び
図10Gは、複数の単体化されたユニット214を形成するために、
図9F及び
図10Fのアセンブリ324を境界312,314に沿って単一に分離するステップを示す。単体化されたユニット214の各々は、
図5の例の第1及び第2の電極102a,102bのいずれかとして用いることができる。
【0095】
図9H及び
図10Hは、アセンブリ330を生成するために、
図9B及び
図10Bのアセンブリ308の各ユニット104が、
図9G及び
図10Gの2つの単体化されたユニット214a,214bの間に挟まれた組立図を示す。いくつかの実施形態では、単体化されたユニット214a,214bは、それぞれのユニット104に同時に嵌合されるか、ユニット104に順次に嵌合されるか、又はそれらの何らかの組み合わせが可能であることが理解されるであろう。
【0096】
図9H及び
図10Hの例では、嵌合接合部はまだ硬化及び封止されていない。封止プロセス中又はその前に、各ユニット104に関連付けられた容積218に所望のガスを導入することができる。
【0097】
図9I及び
図10Iは、アセンブリ332を生成するために、複数の単体化されたGDTユニット220を得るように嵌合接合部が硬化された組立図を示す。そのような未単体化のGDTユニットの各々は、本明細書で説明したように、密閉チャンバ108と、絶縁シール106a,106bの各々の一部を含む増加したリーク経路長とを含むように示されている。
【0098】
図9J及び
図10Jは、
図9I及び
図10Iのアセンブリ332を境界(
図9Aの312,314)に沿って分離して、複数の単体化されたGDT100を提供するステップを示す。単体化されたGDT100の各々は、
図5の例と同様であり得る。
【0099】
図9A~
図9J及び
図10A~
図10Jの例では、GDTの横方向の形状が矩形として描かれている。そのような形状は、例えば、対応するスペーサプレート上の切込み線によって容易化される折り(snapping)によって、加工されたユニットの単一分離を可能にすることができる。また、そのようなGDTは、矩形のチャンバと関連する電極とを有するように描かれている。したがって、そのような構成では、各電極に関連付けられたリーク経路長を増加させる電気絶縁層は、電極の対応する放電部を取り囲む矩形形状のリングを有することができる。本明細書に記載された1つ又は複数の特徴を有するGDTは、円形形状を含む他の横向きの形状を含むことができることが理解されるであろう。また、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTの異なる部分が、異なる横向き形状を有することができることも理解されるであろう。例えば、スペーサは矩形形状を有することができ、その開口は円形形状を有することができる。そのような構成の場合、対応する電極と絶縁シール等の関連部分とは円形形状を有することができる。
【0100】
図2~
図10を参照して説明した様々な例では、スペーサが一対の対向する電極の間に用いられており、スペーサの厚さはリーク経路長の一部となっている。そのようなリーク経路長は、それぞれの電極の放電部を横方向に取り囲む電気絶縁層を実装することにより増加されるように示されており、それにより、放電部のエッジとスペーサの開口の内壁との間の寸法を表すリーク経路長が増加している。本明細書に記載されているように、そのような電気絶縁層は、(例えば、
図5の例のように)封止機能を提供するように構成することもできるし、放電部とスペーサの内壁との間の分離を主に提供するように構成することもできる。
【0101】
したがって、本明細書に記載された1つ又は複数の特徴を有するGDTは、一対の対向する電極間にスペーサがあってもなくてもリーク経路長が増加することを理解できるであろう。例えば、
図11~
図13は、別個のスペーサを使用せずに、封止構造によって接合及び封止された一対の対向する電極によって形成された密閉チャンバを各々が有するGDTの様々な例を示す。いくつかの実施形態では、そのようなGDTの構成は、増加したリーク経路長の有無にかかわらず望ましい場合があることに留意されたい。
【0102】
図11Aは、いくつかの実施形態において、GDT400が、互いに向き合う平坦な表面を有し、かつギャップ寸法d
gapで隔てられた第1及び第2の電極402a,402bを含むことができることを示している。そのような第1及び第2の電極は、例えば、平坦な金属シートとして実装することができる。
図11Aの例では、電気絶縁封止構造406(例えば、ガラスシール)が、密閉チャンバ408を形成するように、電極402a,402bの外周を接合及び封止するように示されている。したがって、第1及び第2の電極402a,402bの間のリーク経路409は、本質的に、絶縁封止構造406によって画定された密閉チャンバ408の壁の寸法である。
【0103】
同様に、
図11Bは、いくつかの実施形態において、GDT410が、互いに向き合う平坦な表面を有し、かつギャップ寸法d
gapで隔てられた第1及び第2の電極412a,412bを含むことができることを示している。そのような第1及び第2の電極は、例えば、平坦な金属シートとして実装することができる。
図11Bの例では、電気絶縁封止構造416(例えば、ガラスシール)が、密閉チャンバ418を形成するように、電極412a,412bの外周を接合及び封止するように示されている。したがって、第1及び第2の電極412a,412bの間のリーク経路419は、本質的に、絶縁封止構造416によって画定された密閉チャンバ418の壁の寸法である。
図11Bの例では、絶縁封止構造416は、
図11Aの例の絶縁封止構造406の横方向の寸法よりも有意に大きい横方向の寸法を有することが示されている。
【0104】
図11A及び
図11Bの例を参照し、それぞれのギャップ寸法(d
gap)が同様であると仮定すると、絶縁封止構造の横方向の寸法の増加だけでは、ギャップ寸法(d
gap)に対するリーク経路長の増加は得られないことが分かる。より具体的には、
図11A及び
図11Bの例では、各GDTは、ギャップ寸法(d
gap)に対するリーク経路長(壁の高さとほぼ同じ)の比率が本質的に同じである。
【0105】
図12Aは、いくつかの実施形態において、GDT420が、互いに向き合う起伏のある表面(例えば、凹面)と最短分離ギャップ寸法d
gapとを有する第1及び第2の電極422a,422bを含むことができることを示している。
図12Aの例では、電気絶縁封止構造426(例えば、ガラスシール)が、密閉チャンバ428を形成するように、電極422a,422bの外周を接合及び封止するように示されている。したがって、第1及び第2の電極422a,422bの間のリーク経路429は、本質的に、絶縁封止構造426によって画定された密閉チャンバ428の壁の寸法である。
【0106】
同様に、
図12Bは、いくつかの実施形態において、GDT430が、互いに向き合う起伏のある表面(例えば、凹面)と最短分離ギャップ寸法d
gapとを有する第1及び第2の電極432a,432bを含むことができることを示している。
図12Bの例では、電気絶縁封止構造436(例えば、ガラスシール)が、密閉チャンバ438を形成するように、電極432a,432bの外周を接合及び封止するように示されている。したがって、第1及び第2の電極432a,432bの間のリーク経路439は、本質的に、絶縁封止構造436によって画定された密閉チャンバ438の壁の寸法である。
図12Bの例では、絶縁封止構造436は、
図12Aの例の絶縁封止構造426の横方向の寸法よりも有意に大きい横方向の寸法を有することが示されている。
【0107】
図12A及び
図12Bの例を参照し、それぞれのGDTの凹面が同様の寸法を有していると仮定すると、
図12Bの絶縁封止構造436の横方向の寸法を増加させると、(絶縁封止構造436によって画定される)チャンバ438の壁の寸法、したがってリーク経路長が、
図12AのGDTの壁の寸法/リーク経路長よりも大幅に増加することがわかる。しかしながら、
図12Bの例では、最短分離ギャップ寸法d
gapも、
図12Aの例の最短分離ギャップ寸法d
gapと比較して大幅に増加している。したがって、絶縁封止構造の寸法を増加させるだけでは、ギャップ寸法(d
gap)に対するリーク経路長を必ずしも増加させないことが分かる。より具体的には、
図12A及び
図12Bの例では、各GDTは、ギャップ寸法(d
gap)に対するそれぞれのリーク経路長の比率が類似している。
【0108】
図13は、
図12A及び
図12Bの例と同様の電極構成を有するGDT440を示している。
図13の例では、電気絶縁封止構造446(例えば、ガラスシール)が、密閉チャンバ448を形成するように、第1及び第2の電極442a,442bの外周を接合及び封止するように示されている。電気絶縁封止構造446は、第1及び第2の電極442a,442bの各々に個別の被覆部分をさらに含むように示されている。より具体的には、第1の被覆部分が、第1の電極442aの内向き面の凹形形状の少なくとも一部を覆うように電気絶縁封止構造446の封止部から延びるように示されている。同様に、第2の被覆部分が、第2の電極442bの内向き面の凹形形状の少なくとも一部を覆うように電気絶縁封止構造446の封止部から延びるように示されている。したがって、第1及び第2の電極442a,442bの間のリーク経路449は、
図12Bの例のように密閉チャンバの直線状の壁の寸法と本質的に類似しているのではなく、電気絶縁封止構造446の第1及び第2の被覆部分のそれぞれの延長長さを含むように示されている。
【0109】
図13の例では、それぞれの電極の各々の凹面は、内側部分(441a又は441b)及び外側部分(443a又は443b)を含むように示されている。そのような内側部分及び外側部分は
図13に示すような直線的な形状を有することができるが、いくつかの実施形態では、内側部分及び外側部分のいずれか又は両方が曲線的な形状を有することができることが理解されるであろう。
【0110】
図13の例では、電気絶縁封止構造446の各々の被覆部分は、例示的なリーク経路449を形成するように、外側部分(443a又は443b)全体及び内側部分(441a又は441b)の一部を覆うように内側に延び、被覆部分の端部がギャップ寸法d
gapを規定するように示されている。各々の被覆部分がそれぞれの外側部分(443a又は443b)の一部のみを覆うような大きさにされている場合には、結果として得られるギャップ寸法d
gapは、被覆部分の端部における2つの電極442a,442bの間の分離距離となり得ることに留意されたい。そのような構成では、結果として得られるギャップ寸法に対するリーク経路長の比率は、所望のGDTの構成に対して十分である場合もあれば、そうでない場合もある。
【0111】
したがって、いくつかの実施形態では、電気絶縁封止構造は、ギャップ寸法に対するリーク経路長の所望の比率を提供するために、それぞれの電極の凹面に沿って選択された距離だけ延びる別個の被覆部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、電気絶縁封止構造の各々の被覆部分は、凹面のそれぞれの外側部分(443a又は443b)に沿って部分的に延び、それによって内側部分(441a又は441b)全体が覆われていない状態にすることができる。いくつかの実施形態では、電気絶縁封止構造の各被覆部分は、凹面のそれぞれの外側部分(443a又は443b)を実質的に覆うように延び、内側部分(441a又は441b)を実質的に覆われないままの状態とすることができる。いくつかの実施形態では、電気絶縁封止構造の各々の被覆部分は、凹面のそれぞれの外側部分(443a又は443b)を覆うとともに、内側部分(441a又は441b)の一部を覆うように延びることができ、それによって内側部分の残りの部分は覆われないままの状態とされている。
【0112】
本明細書で提供される様々な例に少なくとも基づけば、いくつかの実施形態では、ガス放電管(GDT)は、各々が内向き面を含む第1及び第2の電極であって、第1及び第2の電極の内向き面は互いに向き合うようになっている第1及び第2の電極を含むことができる。GDTは、第1及び第2の電極の内向き面の間に密閉チャンバを画定するために第1及び第2の電極の内向き面のエッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部をさらに含むことができる。GDTは、電気絶縁層によって覆われていないそれぞれの内向き面上に放電部を画定するために第1及び第2の電極の少なくとも1つの各々の内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁層をさらに含むことができ、それにより、密閉チャンバが電気絶縁層の面及びそれぞれの電極の放電部によってさらに画定され、さらに、密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁層の上記面及び密閉チャンバの壁を含むようになっている。
【0113】
本明細書に記載された様々な例では、GDTの上記封止部は封止部材を含み、スペーサを含んでも含まなくてもよいことに留意されたい。例えば、
図2~
図7に示す各々のGDTは、1つ又は複数のスペーサを含む。このような構成の場合、密閉チャンバの上記壁は、1つ又は複数のスペーサの各々の開口の壁を含むことができる。他の例では、
図13に示すGDTは、別個のスペーサを含んでいない。そのような構成の場合、密閉チャンバの上記壁は、少なくとも1つの電気絶縁層が封止部材(例えば、1つの電気絶縁層のみが設けられている場合)又は他の電気絶縁層(例えば、両方の内向き面に電気絶縁層が設けられている場合)と接合する部分を含むことができる。
【0114】
また、各図に描かれている様々な例では、第1及び第2の電極の各々に電気絶縁層が設けられ、それによってそれぞれのGDTの内部リーク経路長が増加していることが示されていることに留意されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTは、1つの電極のみが電気的絶縁層に設けられることによっても、その内部リーク経路長が依然として増加し得ることが理解されるであろう。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された1つ又は複数の特徴を有するGDTは、それ自体で、例えば回路保護装置として利用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTは、他の装置又はコンポーネントと組み合わせることができる。
【0116】
例えば、
図14及び
図15は、いくつかの実施形態において、回路保護装置を生成するために、本明細書に記載されているような1つ又は複数の特徴を有するGDTを1つ又は複数の電気装置又はコンポーネントと組み合わせることができることを示している。例えば、
図14は、GDT100がクランプ装置502に(例えば、直列に)結合されている回路保護500を示している。GDT100とクランプ装置502とのそのような結合は、1つ又は複数の導電路(例えば、ワイヤ)を介して、又は2つの装置が互いに物理的に接触するようにして成すことができる。
【0117】
他の例では、
図15は、GDT100が一方の面で第1のクランプ装置502aに結合され、他方の面で第2のクランプ装置502bに結合されている回路保護装置500を示している。いくつかの実施形態では、そのような配置を直列にすることができる。いくつかの実施形態では、GDT100とクランプ装置502a,502bとのそれぞれのそのような結合は、1つ又は複数の導電路(例えば、ワイヤ)を介して、又は結合された装置が互いに物理的に接触するようにして成すことができる。
【0118】
図16は、
図14の回路保護装置500のより具体的な例となり得る回路保護装置500を示し、
図17は、
図15の回路保護装置500のより具体的な例となり得る回路保護装置500を示している。
【0119】
図16は、いくつかの実施形態において、回路保護装置500がGDT部分100とバリスタ部分502とを含むことができることを示している。いくつかの実施形態では、そのようなバリスタ部分は、電極510と電極514との間に実装された金属酸化物層512を有する金属酸化物バリスタ(MOV)として構成することができる。電極514は、MOV502とGDT100との共通電極であることが示されている。したがって、共通電極514は、GDT100の第1電極522aとしても示されている。GDT100は、密閉チャンバ528が第1及び第2の電極522a,522bの間に存在するように、第2の電極522bをさらに含むように示されている。
【0120】
図16の例では、第1及び第2の電極522a,522bの各々が、
図13の例と同様の凹面を含むように示されている。また、
図13の例と同様に、第1及び第2の電極522a,522bは、第1及び第2の電極522a,522bの各々に別個の被覆部分を形成するように構成された絶縁封止構造526によって接合及び封止されることが示されている。より具体的には、第1の被覆部分527aが第1の電極522aの凹面のエッジ部分を覆うように示されており、第2の被覆部分527bが第2の電極522bの凹面のエッジ部分を覆うように示されている。したがって、本明細書に記載されているように、そのような別個の被覆部分は、第1及び第2の電極522a,522bの間の内部リーク経路長の望ましい増加をもたらすことができる。
【0121】
図16の例では、それぞれの被覆部分(527a又は527b)で覆われていない第1及び第2の電極522a,522bの各々の凹面が、それぞれの電極の放電部となり得る。本明細書で説明したように、そのような放電部は、銀テクスチャ層や放射コーティング層等の1つ又は複数の層(524a,524b)を含んでいてもいなくてもよい。
【0122】
図16の例では、共通電極514/522aは、GDT100の凹面を形成するように示されている。共通電極514/522aの他方の面は、MOV502の他方の電極510から離れて広がるエッジ部分を有する凸面を形成するように示されている。そのような広がったエッジの構成は、エッジ部分又はその近傍でのMOV502の損傷の可能性を望ましく低減することができる。
【0123】
図17は、いくつかの実施形態において、回路保護装置500が、GDT部分100と、GDT部分100の両面上のバリスタ部分とを含むことができることを示している。したがって、第1のバリスタ502aがGDT部分100の第1の面上にあることが示され、第2のバリスタ502bがGDT部分100の第2の面上にあることが示されている。
【0124】
いくつかの実施形態では、そのようなバリスタ部分はそれぞれ、金属酸化物バリスタ(MOV)として構成することができる。したがって、第1のMOV502aが、電極510aと電極514aとの間に実装された第1の金属酸化物層512aを有することが示されている。電極514aは、MOV502aとGDT100との共通電極であることが示されている。したがって、共通電極514aは、GDT100の第1の電極522aとしても示されている。GDT100は、第1及び第2の電極522a,522bの間に密閉チャンバ528が存在するように、第2の電極522bをさらに含むように示されている。
【0125】
図17の例では、第1及び第2の電極522a,522bの各々が、
図13の例と同様の凹面を含むように示されている。また、
図13の例と同様に、第1及び第2の電極522a,522bは、第1及び第2の電極522a,522bの各々に別個の被覆部分を形成するように構成された絶縁封止構造526によって接合及び封止されることが示されている。より具体的には、第1の被覆部分527aが第1の電極522aの凹面のエッジ部分を覆うように示されており、第2の被覆部分527bが第2の電極522bの凹面のエッジ部分を覆うように示されている。したがって、本明細書に記載されているように、そのような別個の被覆部分は、第1及び第2の電極522a,522bの間の内部リーク経路長の望ましい増加をもたらすことができる。
【0126】
図17の例では、それぞれの被覆部分(527a又は527b)で覆われていない第1及び第2の電極522a,522bの各々の凹面が、それぞれの電極の放電部となり得る。本明細書で説明したように、そのような放電部は、銀テクスチャ層や放射コーティング層等の1つ又は複数の層(524a,524b)を含んでいてもいなくてもよい。
【0127】
図17の例では、第1の共通電極514a/522aは、GDT100の第1の面の凹面を形成するように示されており、第2の共通電極514b/522bは、GDT100の第2の面の凹面を形成するように示されている。第1の共通電極514a/522aの他方の面は、第1のMOV502aの他方の電極510aから離れて広がるエッジ部分を有する凸面を形成するように示されている。そのような広がったエッジの構成は、エッジ部分又はその近傍での第1のMOV502aの損傷の可能性を望ましく低減することができる。同様に、第2の共通電極514b/522bの他方の面は、第2のMOV502bの他方の電極510bから離れて広がるエッジ部分を有する凸面を形成するように示されている。そのような広がったエッジの構成は、エッジ部分又はその近傍での第2のMOV502bの損傷の可能性を望ましく低減することができる。
【0128】
本明細書での説明のため、凹面は、中心部分とエッジ部分とを含むことができ、エッジ部分は、凹面に面した側の平面に向かって、中心部分によって規定された平面と平行に広がるようになっている。同様に、凸面は、中心部分とエッジ部分を含むことができ、エッジ部分は、凸面に面した側の平面から離れて、中心部分によって規定された平面と平行に広がるようになっている。エッジ部分は、1つ又は複数の直線部分、1つ又は複数の曲線部分、又はそれらの何らかの組み合わせを有する形状を含むことができる。
【0129】
図18A~18Hは、
図17の回路保護装置500のような複数の回路保護装置を製造するために用いることができるプロセスの様々な段階を示している。いくつかの実施形態では、そのような製作プロセスは、複数のユニットがアレイ形式で取り付けられている間に実行されるプロセスステップの少なくとも一部を含むことができる。
【0130】
図18Aは、金属酸化物のプレート552が提供又は形成され得るプロセスステップを示す。そのようなプレートは、各ユニットが最終的にGDT及びMOVの機能を有する回路保護装置となる複数のユニット550を含むように示されている。
【0131】
図18Bのプロセスステップでは、アセンブリ556を形成するために、各ユニット550の金属酸化物552の一方の面上に成形された窪み554を形成することができる。
【0132】
図18Cのプロセスステップでは、アセンブリ562を形成するために、各ユニット550の成形された窪み(
図18Bの554)を部分的又は完全に覆うように、金属酸化物552上に電極558を形成することができる。いくつかの実施形態では、そのようなアセンブリは、電極558の横方向の内側部分の上に形成された放射コーティング560をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、放射コーティング560は用いられても用いられなくてもよいことが理解されるであろう。電極558は、本明細書で説明されているように実装された内側部分及び外側部分を含むことに留意されたい。
【0133】
図18Dのプロセスステップでは、アセンブリ566を形成するために、アセンブリ562の各ユニット550の周囲部分に封止材の層564を形成することができる。いくつかの実施形態では、そのような封止層564はそれぞれ、ガラスを含む材料で形成することができる。
【0134】
図18Eのプロセスステップでは、2つのアセンブリ(566,566’)の内向き部分を接合させて、
図18Dの2つのアセンブリ566を組み立てることができる。より具体的には、第1のアセンブリ566(
図18Dのアセンブリ566と同様)を反転させて、第2のアセンブリ566’(これも
図18Dのアセンブリ566と同様)の上に配置することができる。
【0135】
図18Fのプロセスステップでは、アセンブリ572を形成するために、
図18Eのアセンブリ(566及び566’)をさらに加工して各ユニットのシール568及び対応する密閉チャンバ570を形成することができる。
【0136】
図18Gのプロセスステップでは、アセンブリ580を形成するために、第1及び第2の外部電極574,576を、
図18Fのアセンブリ572上の各ユニットに対して形成することができる。いくつかの実施形態では、そのような外部電極は、切込み線578に沿った各ユニットの単一分離を可能にするような横方向の大きさを有することができる。
【0137】
図18Hのプロセスステップでは、
図18Gのアセンブリ580の複数のユニットを単一に分離して、GDT及びMOVの機能を有する複数の別個の回路保護装置500を得ることができ、各々の回路保護装置は
図17の回路保護装置500と同様である。
【0138】
図9、
図10及び
図18の例を含む、本明細書に開示されたいくつかの例では、複数のユニットがアレイ形式である間に加工されるように説明されている。説明のために、アレイは、M×N個のユニットの配列を含むことができ、ここで、Mは1以上の整数であり、Nは1以上の整数である。そのようなM×N個のユニットのアレイは、例えば、単一の行に複数のユニットを有する単一行アレイ形式、単一の列に複数のユニットを有する単一列アレイ形式、又は、複数の行及び複数の列を有する矩形アレイ形式で配列することができる。アレイは、複数のユニットを非矩形状に配列した配置構成も含むことができることが理解されるであろう。
【0139】
文脈で明確に必要としない限り、明細書及び特許請求の範囲を通して、「備える」「備えている」等の語句は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味、すなわち、それに限定されるのではなく「含む」という意味で解釈されるべきである。一般的に本明細書で使用される、「結合」という用語は、2つ以上の要素が直接接続される、又は、1つ又は複数の中間要素を介して接続されることを意味する。また、「本明細書に」、「上記の」、「下記の」の語句及び類似の語句は、本出願において使用される場合、本出願の任意の特定の部分ではなく本出願の全体を指す。ここで、文脈が許すところで、明細書中の単数形又は複数形による単語は、それぞれ、複数又は単数を含むことができる。2つ又はそれ以上の項目のリストを参照する「又は」の語句は以下の解釈のすべてを包含する:リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、及びリスト内の任意の組合せ。
【0140】
本発明の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であることを意図したものではなく、また、本発明を上記に開示された詳細な形態に限定することを意図したものではない。本発明の特定の実施形態、及び本発明のための実施例は、例示目的で上記に記載されているが、関連する技術の当業者であれば認識するであろうように、本発明の範囲内で様々な均等な改変が可能である。例えば、プロセス又はブロックが所定の順序で示されているが、代替的な実施形態は、ステップを有するルーチンを実行してもよく、又はブロックを有するシステムを別の順序で用いてもよく、いくつかのプロセス又はブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は変更されてもよい。これらのプロセス又はブロックの各々は、様々な異なる方法で実施されてもよい。また、プロセス又はブロックが直列に実行されるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、代わりに並列して実行されてもよく、又は時を異にして実行されてもよい。
【0141】
本明細書で提供される本発明の教示は、必ずしも上述したシステムに限らず、他のシステムにも適用することができる。上述した様々な実施形態の要素及び作用は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0142】
本発明のいくつかの実施形態が記載されているが、これらの実施形態は例示のためだけに示されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。実際、本明細書に記載された新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で実施されてもよく、さらに、様々の省略、置換、及び本明細書に記載された方法及びシステムの形態の変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び趣旨に含まれるであろうそのような形態又は修正をカバーすることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極であって、前記第1及び第2の電極の前記内向き面は互いに向き合うようになっている、前記第1及び第2の電極と、
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の間に密閉チャンバを画定するために前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部と、
前記密閉チャンバ内に面を形成し、かつ前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、前記密閉チャンバ内のリーク経路が前記電気絶縁部の前記面を含むようになっている、前記電気絶縁部と、
を備えたガス放電管(GDT)。
【請求項2】
前記電気絶縁部は、前記第1及び前記第2電極の両方の各々に実装されている、請求項1に記載のGDT。
【請求項3】
前記第1及び第2の電極の間に実装されたスペーサをさらに備え、前記スペーサは、第1の面及び第2の面を有し、かつ前記第1の面から前記第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定しており、前記密閉チャンバは前記内壁によってさらに画定されるようになっている、請求項1に記載のGDT。
【請求項4】
前記スペーサは電気絶縁材料で形成されている、請求項3に記載のGDT。
【請求項5】
前記スペーサの前記電気絶縁材料はセラミック材料を含む、請求項4に記載のGDT。
【請求項6】
前記リーク経路は、前記スペーサの厚さ寸法よりも大きい長さを有する、請求項4に記載のGDT。
【請求項7】
前記リーク経路は、各々の電気絶縁部に関連付けられた経路と前記スペーサの厚さ寸法との合計を含む長さを有する、請求項4に記載のGDT。
【請求項8】
前記封止部は、前記スペーサの前記第1及び第2の面の各々と、対応する前記電極との間に実装された封止層を含む、請求項4に記載のGDT。
【請求項9】
前記封止層は導電性材料で形成されている、請求項8に記載のGDT。
【請求項10】
各々の電気絶縁部は、前記スペーサの前記開口の前記内壁から横方向内側に延びており、それぞれの前記封止層は、前記スペーサの前記電気絶縁材料によって前記電気絶縁部から分離されている、請求項9に記載のGDT。
【請求項11】
前記封止層は電気絶縁材料で形成されている、請求項8に記載のGDT。
【請求項12】
それぞれの前記電気絶縁部も、前記封止層の前記電気絶縁材料で形成されている、請求項11に記載のGDT。
【請求項13】
それぞれの前記電気絶縁部と封止層とが連続した構造を形成している、請求項12に記載のGDT。
【請求項14】
前記封止層の前記電気絶縁材料はガラスを含む、請求項11に記載のGDT。
【請求項15】
前記スペーサは、前記内壁から、前記第1及び第2の電極の外縁とほぼ同一平面上にある外壁まで横方向に延びるような寸法を有している、請求項4に記載のGDT。
【請求項16】
前記スペーサは、前記内壁から、前記第1及び第2の電極の外縁を横方向に越えた外壁まで横方向に延びるような寸法を有している、請求項4に記載のGDT。
【請求項17】
前記スペーサは、前記第1及び第2の側面の少なくとも一方の前記外壁の角に切込み構造を含み、前記切込み構造は、他のスペーサからの前記スペーサの分離に起因している、請求項16に記載のGDT。
【請求項18】
前記第1及び第2の電極の前記外縁を越えて横方向に延びている前記スペーサによって、前記第1及び第2の電極の間の外部リーク経路長が増加されている、請求項16に記載のGDT。
【請求項19】
前記封止部は、電気絶縁材料で形成され、前記第1及び第2の電極をスペーサ無しで直接接合及び封止するように構成されている、請求項1に記載のGDT。
【請求項20】
各々の電気絶縁部
もまた前記電気絶縁材料で形成され、前記封止部から横方向内側に延びている、請求項19に記載のGDT。
【請求項21】
各々の電気絶縁部も前記封止部の前記電気絶縁材料で形成されている、請求項20に記載のGDT。
【請求項22】
前記電気絶縁部と前記封止部とが連続した構造を形成している、請求項21に記載のGDT。
【請求項23】
前記封止部の前記電気絶縁材料はガラスを含む、請求項21に記載のGDT。
【請求項24】
前記第1及び第2の電極の各々は金属層で形成されている、請求項1に記載のGDT。
【請求項25】
各々の電気絶縁部は、それぞれの前記電極の前記内向き面上に放電部を露出させるような寸法を有している、請求項24に記載のGDT。
【請求項26】
前記電極の前記放電部は、前記金属層の前記内向き面上に実装された1つ又は複数の層を含む、請求項25に記載のGDT。
【請求項27】
前記金属層の前記内向き面上に実装された前記1つ又は複数の層は銀インク層を含む、請求項26に記載のGDT。
【請求項28】
前記金属層の前記内向き面上に実装された前記1つ又は複数の層は、前記銀インク層上の銀テクスチャ層をさらに含む、請求項27に記載のGDT。
【請求項29】
前記金属層の前記内向き面上に実装された前記1つ又は複数の層は、前記銀テクスチャ層上の放射コーティング層をさらに含む、請求項28に記載のGDT。
【請求項30】
前記電極の前記放電部は、前記金属層の前記内向き面上に形成されたテクスチャ構造を含む、請求項25に記載のGDT。
【請求項31】
前記テクスチャ構造は、前記金属層の上に形成されたスタンピングされた金属の構造を含む、請求項30に記載のGDT。
【請求項32】
前記電極の前記放電部は、前記テクスチャ構造上の放射コーティング層をさらに含む、請求項31に記載のGDT。
【請求項33】
前記放電部と、前記電気絶縁部で覆われたそれぞれの前記内向き面の前記部分とは、実質的に平坦である、請求項25に記載のGDT。
【請求項34】
前記放電部と、前記電気絶縁部で覆われたそれぞれの前記内向き面の前記部分とは、凹面を形成している、請求項25に記載のGDT。
【請求項35】
前記凹面は、実質的に平坦な内側部分と、角度のついた外側部分とを含み、前記角度のついた外側部分の少なくとも一部がそれぞれの前記電気絶縁部によって覆われるようになっている、請求項34に記載のGDT。
【請求項36】
前記角度のついた外側部分の実質的に全部が、それぞれの前記電気絶縁部によって覆われている、請求項35に記載のGDT。
【請求項37】
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を形成又は提供することと、
前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を電気絶縁材料で覆うことと、
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の間に密閉チャンバを画定するために、前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することであって、前記密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁材料の面を含むようになっている、前記接合及び封止することと、
を含む、ガス放電管(GDT)を製造する方法。
【請求項38】
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することは、前記第1及び第2の電極の間に電気絶縁性のスペーサを設けることを含み、前記スペーサは、第1の面及び第2の面を有し、かつ前記第1の面から前記第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定しており、前記密閉チャンバは前記内壁によってさらに画定されるようになっている、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することは、前記スペーサの前記第1及び第2の面の各々と、対応する前記電極との間に実装される封止層を形成することをさらに含む、請求項3
8に記載の方法。
【請求項40】
前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止することは、電気絶縁材料で形成され、前記第1及び第2の電極をスペーサ無しで直接接合及び封止する電気絶縁部を形成することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
スペーサユニットのアレイを画定する電気絶縁プレートを提供又は形成することであって、各々のスペーサユニットは、第1及び第2の面を有し、かつ前記第1の面から前記第2の面まで延びる内壁を有する開口を画定している、前記電気絶縁プレートを提供又は形成することと、
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を形成又は提供することと、
前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を電気絶縁材料で覆うことと、
各々のスペーサユニットの前記開口を前記第1及び第2の電極で封止することであって、前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分は、前記第1及び第2の電極の前記内向きの間に密閉チャンバを画定し、かつ前記密閉チャンバ内のリーク経路が電気絶縁材料の面を含むようになっている、前記封止することと、
を含む、複数のガス放電管(GDTs)を製造する方法。
【請求項42】
前記スペーサユニットのアレイを複数の別個のユニットに分離することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
電極ユニットのアレイを有する金属シートを提供又は形成することと、前記第1及び第2の電極を提供するために前記電極ユニットのアレイを分離することと、をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
各々がエッジ及び内向き面を含む第1及び第2の電極を含むガス放電管(GDT)であって、前記第1及び第2の電極の前記内向き面は互いに向き合うようになっており、前記GDTは、前記第1及び第2の電極の前記内向き面の間に密閉チャンバを画定するために前記第1及び第2の電極の前記内向き面の前記エッジの部分を接合及び封止するように実装された封止部をさらに含んでおり、前記GDTは、前記密閉チャンバ内に面を形成し、かつ前記第1及び第2の電極の少なくとも一方の各々の前記内向き面の一部を覆うように実装された電気絶縁部であって、前記密閉チャンバ内のリーク経路が前記電気絶縁部の前記面を含むようになっている前記電気絶縁部をさらに含んでいる、前記GDTと、
前記GDTの前記第1の電極に電気的に接続された第1のクランプ装置と、
を備えた回路保護装置。
【請求項45】
前記第1のクランプ装置は前記第1の電極に直接接続されている、請求項44に記載の回路保護装置。
【請求項46】
前記第1のクランプ装置は、第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の電極の間に実装された金属酸化物層とを有する金属酸化物バリスタ(MOV)である、請求項45に記載の回路保護装置。
【請求項47】
前記MOVの前記第1及び第2の電極の一方は、前記回路保護装置の端子として構成されており、前記MOVの他方の前記電極は、前記GDTの前記第1の電極に電気的に接続された別の電極である、請求項46に記載の回路保護装置。
【請求項48】
前記MOVの前記第1及び第2の電極の一方は、前記回路保護装置の端子として構成されており、前記GDTの前記第1の電極は、前記MOVの他方の前記電極として構成されている、請求項46に記載の回路保護装置。
【請求項49】
前記GDTの前記第2の電極に電気的に接続された第2のクランプ装置をさらに備えている、請求項44に記載の回路保護装置。
【請求項50】
前記第2のクランプ装置は、第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の電極の間に実装された金属酸化物層とを有する金属酸化物バリスタ(MOV)である、請求項49に記載の回路保護装置。
【国際調査報告】