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特表2022-537360安全管理及び建物の運用評価システムならびに複数入居建築物用の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】安全管理及び建物の運用評価システムならびに複数入居建築物用の方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220818BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575375
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 AU2020050628
(87)【国際公開番号】W WO2020252539
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】2019902143
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521106625
【氏名又は名称】ビルト エンバイロメント コンプライアンス プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100216150
【弁理士】
【氏名又は名称】香山 良樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,デイビッド ジョン
(72)【発明者】
【氏名】プラドリン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,キ シオン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC29
(57)【要約】
実施形態は、施設の運用評価を実施するためのシステム及び方法に関する。例示的な方法は、サーバシステムプロセッサと、サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム通信インターフェイスと、サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム実行可能プログラム命令を記憶するサーバシステムメモリとを備える施設情報管理サーバシステムを設け、クライアントデバイスから要求を受信し、受信した要求は、施設運用評価が施設に関連して実行されることを示し、受信した要求に応じて、施設情報管理サーバシステムは、評価された施設に関連する施設情報リポジトリデータベースから施設運用評価データを取得し、取得した施設運用評価データに基づき施設運用評価結果を決定し、決定された施設運用評価結果をクライアントデバイスに送信することを含む、方法を含み得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設情報管理サーバシステムであって、
サーバシステムプロセッサと、
前記サーバシステムプロセッサがアクセスできるサーバシステム通信インターフェイスと、
前記サーバシステムプロセッサがアクセスできるプログラム命令を実行可能なサーバシステムを記憶するサーバシステムメモリと、
を含み、
前記サーバシステムプロセッサは、前記サーバシステムプログラム命令を実行して、
前記サーバシステム通信インターフェイスを介して、1つ以上の施設情報デバイスから施設情報を受信し、
前記受信した施設情報を前記サーバシステムメモリに記憶し、
クライアントデバイスから施設の運用評価の要求を受信し、
前記評価された施設に関連する施設情報リポジトリデータベースから施設運用評価データを取得し、
前記取得した施設運用評価データに基づいて施設運用評価結果を決定し、
前記決定された施設運用評価結果を前記クライアントデバイスに送信するよう構成される、
施設情報管理サーバシステム。
【請求項2】
前記サーバシステムプロセッサは、前記サーバシステムプログラム命令を実行して、
前記取得した施設運用評価データが、前記要求された施設運用評価を実施するのに十分か決定し、
前記取得した施設運用評価データが前記要求された運用評価を実施するには不十分であると判断した場合に、前記評価された施設に関連する施設運用評価データをさらに取得するために、評価された施設情報デバイスに要求を送信し、
施設運用評価を決定するために、前記評価された施設情報デバイスから、前記さらなる施設運用評価データを受信するよう構成される、
請求項1に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項3】
前記施設運用評価結果の決定は、前記サーバシステムメモリにて実装された施設運用評価決定木によって、前記取得された施設運用評価データ及び前記受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含む、
請求項2に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項4】
前記施設運用評価結果の決定は、前記サーバシステムメモリにて実装された施設運用評価スコアリングモジュールによって、前記取得された施設運用評価データ及び前記受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含む、
請求項2または3に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項5】
前記施設運用評価データは、施設火災インジケータパネルデータ、施設能動型火災安全構成要素データ、施設受動型火災安全構成要素データ、施設占有者警告システムデータ、施設リフト制御システムデータ、施設給水システムデータ、施設煙害管理システムデータ、施設スプリンクラー制御システムデータ、施設電気システムデータ、施設暖房換気及び空調(HVAC)システムのデータ、及び施設コンプライアンス基準データの1つ以上を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項6】
前記施設運用評価結果は、施設運用評価数値スコア及び/または施設運用評価グレードを含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項7】
前記施設運用評価要求は、1つ以上の要求パラメータを含み、前記1つ以上の要求パラメータは、要求された期間にわたって前記施設運用評価を実施する、または施設運用のサブセットに関連する施設運用評価を実施する命令を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれは、前記施設情報が関係する施設のある位置またはその近接した場所に配置された支柱またはハウジングの内部空洞内に収容され、前記支柱またはハウジングは定位置に固定され、地上レベルまたは地上階レベルにおいて歩行者がアクセスでき、前記1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれが、
プロセッサと、
前記プロセッサがアクセスでき、前記支柱またはハウジングの外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、
前記プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリと、
を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項9】
前記施設情報デバイスの前記プロセッサは、プログラム命令を実行して、
前記施設に関連する施設情報を、前記通信インターフェイスを介して外部コンピューティングデバイスから受信し、
前記受信した施設情報を前記メモリに記憶し、
前記通信インターフェイスを介して前記施設情報にアクセスするための第1の要求を受信し、
前記第1の要求に応じて、前記第1の要求が真正な要求かどうかを判定し、前記第1の要求が真正な要求である場合は前記施設情報を前記通信インターフェイスを介して送信するように構成される、
請求項8に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項10】
前記サーバシステムプロセッサは、前記サーバシステムプログラム命令を実行して、
前記1つ以上の施設情報デバイスのいずれか1つにデジタルドキュメントを記憶するための前記クライアントデバイスからの要求を受信し、前記要求が前記デジタルドキュメントを含み、
前記受信したデジタルドキュメントを処理して、前記デジタルドキュメントのメタデータの完全性及び/または有効性を判断するよう構成され、
前記デジタルドキュメントは、施設検査証明書、施設占有の証明書、施設間取り図、施設緊急処置、または施設避難計画のいずれか1つ以上に関連する施設データを含む、
請求項1から9のいずれか一項に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項11】
前記サーバシステムプロセッサは、前記サーバシステムプログラム命令を実行して、
前記デジタルドキュメントの前記メタデータが完全及び/または有効であると判断したら、前記デジタルドキュメントを記憶するための命令を前記1つ以上の施設情報デバイスの前記1つに送信し、
前記1つ以上の施設情報デバイスのうちの前記1つから前記デジタルドキュメントの前記記憶の確認を受信すると、前記デジタルドキュメントの記憶の確認を前記クライアントデバイスに送信する、
請求項10に記載の施設情報管理サーバシステム。
【請求項12】
施設の運用評価を実施するための方法であって、
サーバシステムプロセッサと、前記サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム通信インターフェイスと、前記サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム実行可能プログラム命令を記憶するサーバシステムメモリと、を備える、施設情報管理サーバシステムを設け、
クライアントデバイスから要求を受信し、前記受信した要求は、施設運用評価が前記施設に関連して実行されることを示し、
前記受信した要求に応じて、前記施設情報管理サーバシステムは、前記評価された施設に関連する施設情報リポジトリデータベースから施設運用評価データを取得し、
前記取得した施設運用評価データに基づき施設運用評価結果を決定し、
前記決定された施設運用評価結果を前記クライアントデバイスに送信することを含む、
方法。
【請求項13】
前記取得した施設運用評価データが、前記要求された施設運用評価を実施するのに十分かを決定し、
前記取得した施設運用評価データが前記要求された施設運用評価を実施するには不十分であると判断した場合に、前記評価された施設に関連する施設運用評価データをさらに取得するために、施設情報デバイスに要求を送信し、
施設運用評価を決定するために、前記評価された施設情報デバイスから、前記施設情報デバイスから前記さらなる施設運用評価データを受信することをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記施設運用評価結果の決定は、前記サーバシステムメモリにて実装された施設運用評価決定木コードモジュールによって、前記取得された施設運用評価データ及び前記受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含む、
請求項13に記載の運用評価を実施するための方法。
【請求項15】
前記施設運用評価結果の決定は、前記サーバシステムメモリにて実装された施設運用評価スコアリングモジュールによって、前記取得された施設運用評価データ及び前記受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含む、
請求項13または請求項14に記載の運用評価を実施するための方法。
【請求項16】
前記施設運用評価データは、施設火災インジケータパネルデータ、施設能動型火災安全構成要素データ、施設受動型火災安全構成要素データ、施設占有者警告システムデータ、施設リフト制御システムデータ、施設給水システムデータ、施設煙害管理システムデータ、施設スプリンクラー制御システムデータ、施設電気システムデータ、施設暖房換気及び空調(HVAC)システムのデータ、及び施設コンプライアンス基準データの1つ以上を含む、
請求項12から15のいずれか一項に記載の運用評価を実施するための方法。
【請求項17】
前記施設運用評価結果は、施設運用評価数値スコア及び/または施設運用評価グレードを含む、
請求項12から16のいずれか一項に記載の運用評価を実施するための方法。
【請求項18】
前記施設運用評価要求は、1つ以上の要求パラメータを含み、前記1つ以上の要求パラメータは、要求された期間にわたって前記施設運用評価を実施する、または施設運用のサブセットに関連する施設運用評価を実施する命令を含む、
請求項12から17のいずれか一項に記載の運用評価を実施するための方法。
【請求項19】
前記施設情報管理サーバシステムによって、前記施設情報デバイスにデジタルドキュメントを記憶するため前記クライアントデバイスからの要求を受信し、前記要求が前記デジタルドキュメントを含み、
前記施設情報管理サーバシステムにより、前記デジタルドキュメントのメタデータの完全性及び/または有効性を判断するための前記受信したデジタルドキュメントを処理することをさらに含み、
前記デジタルドキュメントは、施設検査証明書、施設占有証明書、施設間取り図、施設緊急処置、または施設避難計画のいずれか1つ以上に関連する施設データを含む、
請求項12から18のいずれか一項に記載の運用評価を実施するための方法。
【請求項20】
前記デジタルドキュメントの前記メタデータが完全である及び/または有効であると決定し、前記施設情報管理サーバシステムは、前記デジタルドキュメントを前記施設情報デバイスに記憶するための指示を送信し、
前記施設情報デバイスから前記デジタルドキュメントの前記記憶の確認を受信する前記施設情報管理サーバシステムと、
前記デジタルドキュメントの前記保管の確認を前記クライアントデバイスに送信する施設情報管理サーバシステムと、
をさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
安全システムであって、
施設の緊急警報システム(EWS)または占有者警報システム(OWS)に結合または組み込まれた電子インターフェイスであって、前記EWSまたはOWSは、前記施設内の離れた場所に可聴警報スピーカーを備えている、前記電子インターフェイス、
前記電子インターフェイスからリモートで、ネットワークを介して通信しているリモートコマンドインターフェイスを含み、
前記電子インターフェイス及び前記リモートコマンドインターフェイスが、前記リモートコマンドインターフェイスが前記リモートコマンドインターフェイスから前記EWSまたはOWSを介して前記施設内の占有者に緊急警報を発することを可能にするように協調するように構成される、
安全システム。
【請求項22】
前記リモートコマンドインターフェイスは、施設情報を受信するために、請求項1から11のいずれか一項に記載の前記施設情報管理サーバシステムと通信するように構成され、
前記受信した施設情報及び前記施設情報に関連する1つ以上の所定の閾値に基づいて、前記施設での緊急事態の発生の兆候を決定する、請求項19に記載の安全システム。
【請求項23】
前記受信された施設情報が、施設に設けられた1つまたは複数の空気特質センサから取得され、前記施設に設けられた施設情報デバイスと通信する施設空気特質情報を含み、
前記施設情報に関連する前記1つまたは複数の所定の閾値は、施設空気特質情報に関連する閾値を含み、
前記施設情報デバイスは、前記施設空気特質情報を前記リモートコマンドインターフェイスに通信するように構成される、
請求項22に記載の安全システム。
【請求項24】
前記施設のEWSまたはOWSに結合または組み込まれる前記電子インターフェイスは、前記施設に近接した場所に配置されたハウジングに設けられる施設情報デバイスと通信するように構成され、
前記施設情報デバイスは、
プロセッサと、
前記プロセッサがアクセスでき、前記電子インターフェイス及び前記リモートコマンドデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、
前記リモートコマンドインターフェイスから緊急警報を受信し、前記受信した緊急警報を、EWSまたはOWSに結合または組み込まれた前記インターフェイスに送信して、OWSを前記施設の居住者にブロードキャストするように前記プロセッサを構成するように、前記プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリと、
を含む、
請求項21に記載の安全システム。
【請求項25】
前記施設情報デバイスは、前記施設から離れた場所に配置された支柱または地中のハウジングに設けられる、
請求項24に記載の安全システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般に、施設管理のためのシステム及び方法に関する。特に、実施形態は、施設のコンプライアンス及び緊急事態管理のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルや共同住宅、コンベンションセンター、スタジアム、劇場、ショッピングモールなどの建設された施設は、居住、ビジネス、レクリエーション、その他の様々な活動のためのスペースを提供する。多くの場合、施設の設計、建設、管理、及び組織化は連邦または州が義務付けた法律及び規制の対象となる。状況によっては、施設は、例えばエネルギー効率基準などの民間認証基準に適合するように設計されている場合がある。施設の場所、目的、または性質に応じて、建設中及び/または通常の運用または占有中に遵守しなければならない特定の一連の基準または要件の対象となる場合がある。
【0003】
最新の施設のほとんどは複雑であり、例えば、安全性、セキュリティ、緊急事態管理、エネルギー管理、環境制御、換気、駐車場管理などのいくつかの内部システムを有する。施設の内部システムも、また、連邦または州により義務付けられた、及び/または民間の規制またはコンプライアンス基準の対象となる場合がある。施設、施設の内部システム、及び関連する規制や基準が複雑になるにつれ、すべての適用される規則への施設の初期の適合性と継続的なコンプライアンスを評価することは、重大な技術的課題を提示する。
【0004】
本明細書を通じて、単語「comprise(含む)」、または「comprises(含む)」もしくは「comprising(含む)」などの変形は、述べられた要素、整数またはステップ、または要素群、整数群またはステップ群を包含するが、いかなる他の要素、整数またはステップ、または要素群、整数群またはステップ群をも排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【0005】
本明細書に含まれているドキュメント、行為、材料、デバイス、物品等のいかなる説明も、これらの内容のすべてまたは一部が、添付の「特許請求の範囲」のそれぞれの優先日前において存在していた先行技術基準の一部を形成する、または本開示に関連する分野における通常の一般的知識であったとの承認とみなされるべきではない。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態は、施設情報管理サーバシステムであって、
サーバシステムプロセッサと、
サーバシステムプロセッサがアクセスできるサーバシステム通信インターフェイスと、
サーバシステムプロセッサがアクセスできるプログラム命令を実行可能なサーバシステムを記憶するサーバシステムメモリとを含み、
サーバシステムプロセッサは、サーバシステムプログラム命令を実行して、
サーバシステム通信インターフェイスを介して、1つ以上の施設情報デバイスから施設情報を受信し、
受信した施設情報をサーバシステムメモリに記憶し、
クライアントデバイスから施設の運用評価の要求を受信し、
評価された施設に関連する施設情報リポジトリデータベースから施設運用評価データを取得し、
取得した施設運用評価データに基づいて施設運用評価結果を決定し、
決定された施設運用評価結果をクライアントデバイスに送信するよう構成される、施設情報管理サーバシステムに関する。
【0007】
サーバシステムプロセッサは、サーバシステムプログラム命令を実行して、
取得した施設運用評価データが、要求された施設運用評価を実施するのに十分か決定し、
取得した施設運用評価データが要求された運用評価を実施するには不十分であると判断した場合に、評価された施設に関連する施設運用評価データをさらに取得するために、評価された施設情報デバイスに要求を送信し、
施設運用評価を決定するために、前記評価された施設情報デバイスから、前記さらなる施設運用評価データを受信するよう構成される。
【0008】
施設運用評価結果の決定は、サーバシステムメモリに記憶されたコードに基づいてサーバシステムプロセッサによって実装された施設運用評価決定木によって、取得された施設運用評価データ及び受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含み得る。
【0009】
施設運用評価結果の決定は、サーバシステムメモリに実装された施設運用評価スコアリングモジュールによって、取得された施設運用評価データ及び受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含み得る。
【0010】
施設運用評価データは、施設火災インジケータパネルデータ、施設占有者警告システムデータ、施設リフト制御システムデータ、施設給水システムデータ、施設能動型火災安全構成要素データ、施設受動型火災安全構成要素データ、施設煙害管理システムデータ、施設スプリンクラー制御システムデータ、施設電気システムデータ、施設暖房換気及び空調(HVAC)システムのデータ、及び施設コンプライアンス基準データの1つ以上を含み得る。
【0011】
施設運用評価結果は、施設運用評価の数値スコア及び/または施設の用評価グレードを含み得る。
【0012】
施設運用評価要求は、1つ以上の要求パラメータを含み、1つ以上の要求パラメータは、要求された期間にわたって施設運用評価を実施する、または施設運用のサブセットに関連する施設運用評価を実施する命令を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態は、施設情報管理サーバシステムに関し、1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれは、施設情報が関係する施設から間隔を開けた、しかし近接した場所に配置された支柱の内部空洞内に収容され、支柱は定位置に固定され、地表面において歩行者がアクセスでき、前記1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれが、
プロセッサと、
プロセッサがアクセスでき、支柱の外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、
プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリとを含む。
【0014】
施設情報デバイスのプロセッサは、プログラム命令を実行し、
施設に関連する施設情報を、通信インターフェイスを介して外部コンピューティングデバイスから受信し、
受信した施設情報をメモリに記憶し、
通信インターフェイスを介して施設情報にアクセスするための第1の要求を受信し、
第1の要求に応じて、第1の要求が真正な要求かどうかを判定し、第1の要求が真正な要求である場合は施設情報を通信インターフェイスを介して送信するように構成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、サーバシステムプロセッサは、サーバシステムプログラム命令を実行して、クライアントデバイスから、デジタルドキュメントを1つまたは複数の施設情報デバイスのいずれか1つに記憶する要求を受信し、要求はデジタルドキュメントを含み、受信したデジタルドキュメントを処理して、デジタルドキュメントのメタデータの完全性及び/または有効性を判断するように構成され、デジタルドキュメントは、施設検査証明書、施設占有の証明書、施設間取り図、施設緊急処置、または施設避難計画のいずれか1つ以上に関連する施設データを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、サーバシステムプロセッサは、サーバシステムプログラム命令を実行して、デジタルドキュメントのメタデータが完全及び/または有効であると判断した場合に、デジタルドキュメントを1つまたは複数の施設情報デバイスのうちの1つに記憶する命令を送信し、1つまたは複数の施設情報デバイスのうちの1つからデジタルドキュメントの記憶の確認を受信すると、デジタルドキュメントの記憶の確認をクライアントデバイスに送信するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態は、施設の運用評価を実施するための方法に関し、方法は、
サーバシステムプロセッサと、サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム通信インターフェイスと、サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム実行可能プログラム命令を記憶するサーバシステムメモリとを備える施設情報管理サーバシステムを設け、
クライアントデバイスから要求を受信し、受信した要求は、施設運用評価が前記施設に関連して実行されることを示し、
受信した要求に応じて、施設情報管理サーバシステムは、評価された施設に関連する施設情報リポジトリデータベースから施設運用評価データを取得し、
取得した施設運用評価データに基づき施設運用評価結果を決定し、
決定された施設運用評価結果をクライアントデバイスに送信することを含む。
【0018】
施設の運用評価を実施するための方法は、
取得した施設運用評価データが、要求された施設運用評価を実施するのに十分かを決定し、
取得した施設運用評価データが要求された施設運用評価を実施するには不十分であると判断した場合に、評価された施設に関連する施設運用評価データをさらに取得するために、施設情報デバイスに要求を送信し、
施設運用評価を決定するために、評価された施設情報デバイスから、施設情報デバイスからさらなる施設運用評価データを受信することをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、運用評価を実施するための方法は、サーバシステムメモリに記憶されたコードに基づいてサーバシステムプロセッサによって実装された施設運用評価決定木コードモジュールによって、取得された施設運用評価データ及び受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含む。
【0020】
施設運用評価結果の決定は、サーバシステムメモリに記憶されたコードに基づいてサーバシステムプロセッサによって実装された施設運用評価スコアリングモジュールによって、取得された施設運用評価データ及び受信されたさらなる施設運用評価データを処理することを含み得る。
【0021】
施設運用評価データは、施設火災インジケータパネルデータ、施設占有者警告システムデータ、施設リフト制御システムデータ、施設給水システムデータ、施設煙害管理システムデータ、施設能動型火災安全構成要素データ、施設受動型火災安全構成要素データ、施設スプリンクラー制御システムデータ、施設電気システムデータ、施設暖房換気及び空調(HVAC)システムのデータ、及び施設コンプライアンス基準データの1つ以上を含み得る。
【0022】
施設運用評価結果は、施設運用評価数値スコア及び/または施設運用評価グレードを含み得る。
【0023】
施設運用評価要求は、1つ以上の要求パラメータを含み、1つ以上の要求パラメータは、要求された期間にわたって施設運用評価を実施する、または施設運用のサブセットに関連する施設運用評価を実施する命令を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態は、施設情報アクセスシステムであって、施設から間隔を開けた、しかし近接した場所に配置された支柱またはハウジングであって、支柱またはハウジングは定位置に固定されて地表面において許可された者がアクセスでき、支柱またはハウジングは内部空洞を画定し、内部空洞への不正な物理的アクセスを阻止することのアクセスカバーを含む、支柱またはハウジングと、支柱またはハウジング内に収容された施設情報デバイスであって、プロセッサと、プロセッサがアクセスでき、支柱またはハウジングの外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリと、を含む、施設情報デバイスと、を備え、プロセッサはプログラム命令を実行して、施設に関連する施設情報を、通信インターフェイスを介して外部コンピューティングデバイスまたは他の任意の電子情報源から受信し、受信した施設情報をメモリに記憶し、通信インターフェイスを介して施設情報にアクセスするための第1の要求を受信し、第1の要求に応じて、第1の要求が真正な要求かどうかを判定し、第1の要求が真正な要求である場合は施設情報を通信インターフェイスを介して送信するように構成される、施設情報アクセスシステム、に関する。
【0025】
いくつかの実施形態は、施設情報アクセスシステムであって、施設から間隔を開けた、しかし近接した場所に配置された地中ハウジングであって、ハウジングは定位置に固定されて地表面において歩行者がアクセスでき、地中ハウジングは内部空洞を画定し、内部空洞への不正な物理的アクセスを阻止することのアクセスカバーを含む、地中ハウジングと、支柱内に収容された施設情報デバイスであって、プロセッサと、プロセッサがアクセスでき、地中ハウジングの外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリと、を含む、施設情報デバイスと、を備え、プロセッサはプログラム命令を実行して、施設に関連する施設情報を、通信インターフェイスを介して外部コンピューティングデバイスから受信し、受信した施設情報をメモリに記憶し、通信インターフェイスを介して施設情報にアクセスするための第1の要求を受信し、第1の要求に応じて、第1の要求が真正な要求かどうかを判定し、第1の要求が真正な要求である場合は施設情報を通信インターフェイスを介して送信するように構成される、施設情報アクセスシステム、に関する。
【0026】
いくつかの実施形態では、支柱またはボラードが施設情報デバイスを収容するために使用される。いくつかの実施形態では、支柱、ボラード、またはハウジングは、施設内の、徒歩で通行できるレベルに配置することができる。
【0027】
支柱またはハウジングは、内部空洞を画定する剛性管状ハウジングを含み得、管状ハウジングは、地面に対してその位置に固定される。管状ハウジングは、フーティングによって地面に固定することができ、または、ハウジングが施設内または建物内にある場合、ハウジングは、適切な堅固な固定装置によって床または壁に固定することができる。
【0028】
施設情報デバイスは、主電源を施設情報デバイスに結合するための電源ケーブルと、支柱またはハウジング内に収容され、施設情報デバイスに結合されたバックアップ電源と、をさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態は、電源ケーブルが支柱の底部の、地表面の下に位置する開口部からハウジング内に延びている施設情報アクセスシステムに関する。
【0030】
いくつかの実施形態は、通信インターフェイスと施設内に配置された施設監視システムとの間の通信を可能にするように構成された通信ケーブルをさらに備える、施設情報アクセスシステムに関する。
【0031】
いくつかの実施形態は、施設情報管理サーバシステムであって、サーバシステムプロセッサと、サーバシステムプロセッサがアクセスできるサーバシステム通信インターフェイスと、サーバシステムプロセッサがアクセスできるサーバシステム実行可能プログラム命令を記憶するサーバシステムメモリと、を備え、サーバシステムプロセッサは、サーバシステム通信インターフェイスを介して、1つ以上の施設情報デバイスから施設情報を受信し、受信した施設情報をサーバシステムメモリに記憶し、サーバシステム通信インターフェイスを介して、サーバシステムメモリに記憶されている施設情報にアクセスするための第2の要求を受信し、施設情報にアクセスするための第2の要求に応じて、要求された施設情報を通信インターフェイスを介して利用可能とする、ためのサーバシステムプログラム命令を実行するように構成されている、施設情報管理サーバシステムに関する。
【0032】
いくつかの実施形態は、1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれが、施設から間隔を開けた、しかし近接した場所に配置された支柱またはハウジングの内部空洞内に収容され、支柱またはハウジングは定位置に固定され、地表面において歩行者がアクセスでき、1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれが、プロセッサと、プロセッサがアクセスでき、支柱またはハウジングの外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリとを含む、施設情報管理サーバシステムに関する。
【0033】
いくつかの実施形態は、1つ以上の施設情報デバイスのそれぞれのプロセッサが、プログラム命令を実行して、施設情報を通信インターフェイスを介して外部コンピューティングデバイスから受信し、施設情報は施設に関し、受信した施設情報をメモリに記憶し、通信インターフェイスを介して施設情報にアクセスすることの第1の要求を受信し、第1の要求に応じて第1の要求が真正な要求かどうかを判定し、第1の要求が真正な要求である場合は施設情報を通信インターフェイスを介して送信するように構成されている、施設情報管理サーバに関する。
【0034】
いくつかの実施形態は、施設における緊急処置を管理する方法であって、施設情報デバイスが、緊急トリガーを表示するメッセージを施設警報システムから受信することと、施設情報デバイスは、受信したメッセージに応じて、作業員が施設に入館したことの作業員入館確認と、作業員が施設から退出したことの作業員退出コンフォメーションと、を待ち受け、作業員の入館及び退出の確認は作業員に対する一意の識別子を含むことと、を含む方法に関する。
【0035】
いくつかの実施形態は、作業員の入館及び退出確認に基づいて施設内の作業員を識別することをさらに含む、施設における緊急処置を管理する方法に関する。
【0036】
いくつかの実施形態は、緊急時に施設情報をクライアントデバイスが利用可能とする方法であって、施設情報デバイスが施設警報システムからメッセージを受信することと、施設情報デバイスによって、メッセージが施設内の緊急事態に関するかどうかを判定することと、施設警報システムからのメッセージが緊急事態に関すると判定したことに応じて、施設情報デバイスは、施設情報をクライアントデバイスが利用可能とすることと、を含む方法に関する。
【0037】
方法は、施設警報システムからのメッセージが緊急事態に関すると判定したことに応じて、施設情報デバイスが施設情報を施設情報管理サーバシステムに送信することをさらに含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態は、施設コンプライアンス確認のための方法であって、施設情報デバイスがクライアントデバイスから要求を受信し、メッセージにコンプライアンス確認要求が含まれることと、要求に応じて、要求が真正な要求であるかどうかを判定することと、要求が真正な要求である場合は、施設コンプライアンス情報をクライアントデバイスに送信することと、施設コンプライアンス確認記録を施設情報デバイスのメモリに記憶することと、を含む方法に関する。
【0039】
いくつかの実施形態は、施設情報、緊急事態、またはコンプライアンス管理のための方法であって、施設情報デバイスは、施設から間隔を開けた、しかし近接した場所に配置された支柱またはハウジングの内部空洞内に収容され、支柱ハウジングは定位置に固定され、地表面において歩行者がアクセスでき、施設情報デバイスは、プロセッサと、プロセッサがアクセスでき、支柱の外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリとを含む、方法に関する。
【0040】
いくつかの実施形態では、運用評価を実施するための方法は、施設情報管理サーバシステムによって、施設情報デバイスにデジタルドキュメントを記憶するためのクライアントデバイスからの要求を受信し、要求はデジタル文書を含み、施設情報管理サーバシステムにより処理し、受信したデジタル文書はデジタル文書のメタデータの完全性及び/または有効性を決定するためであることをさらに含み、デジタル文書は、施設検査証明書、施設占有証明書、施設間取り図、施設緊急処置、または施設避難計画のいずれか1つ以上に関連する施設データを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、運用評価を実施する方法は、デジタルドキュメントのメタデータが完全及び/または有効であると決定した場合に、施設情報管理サーバシステムが、デジタルドキュメントを施設情報デバイスに記憶するための命令を送信し、施設情報管理サーバシステムが、施設情報デバイスからデジタルドキュメントの記憶確認を受信し、施設情報管理サーバシステムがデジタルドキュメントの記憶確認をクライアントデバイスに送信する。
【0042】
いくつかの実施形態は、施設情報アクセスシステムであって、施設の外部からアクセス可能な部分に配置されて施設情報デバイスをセキュアに収容するハウジングを備え、施設情報デバイスは、プロセッサと、プロセッサがアクセスでき、ハウジングの外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイスと、プロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリとを含み、プロセッサはプログラム命令を実行して、施設に関連する施設情報を、通信インターフェイスを介して外部コンピューティングデバイスから受信し、受信した施設情報をメモリに記憶し、通信インターフェイスを介して施設情報にアクセスするための第1の要求を受信し、第1の要求に応じて、第1の要求が真正な要求かどうかを判定し、第1の要求が真正な要求である場合は施設情報を通信インターフェイスを介して送信するように構成される、施設情報アクセスシステムに関する。
【0043】
安全システムであって、施設の緊急警報システム(EWS)または占有者警報システム(OWS)に結合または組み込まれた電子インターフェイスであって、EWSまたはOWSは、施設内の離れた場所に可聴警報スピーカーを備える、電子インタ―フェイス、ネットワークを介して電子インターフェイスから離れており、電子インターフェイスと通信しているリモートコマンドインターフェイスを含み、電子インターフェイスとリモートコマンドインターフェイスは、リモートコマンドインターフェイスがリモートコマンドインターフェイスからEWSまたはOWSを介して施設内の占有者に緊急警報を発することを可能にするように連携するように構成されている。
【0044】
いくつかの実施形態では、安全システムのリモートコマンドインターフェイスは、施設情報を受信するために施設情報管理サーバシステムと通信し、受信した施設情報及び施設情報に関連する1つまたは複数の所定の閾値に基づいて、施設における緊急事態の発生の兆候を決定するするように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、受信された施設情報は、施設に提供された1つまたは複数の空気特質センサから、及び施設に提供された施設情報デバイスと通信して得られた施設空気特質情報を含み、施設情報に関連 する1つまたは複数の所定の閾値は、施設の空気特質情報に関連する閾値を含み、施設情報デバイスは、施設の空気特質情報をリモートコマンドインターフェイスに通信するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、施設のEWSまたはOWSに結合または組み込まれる電子インターフェイスは、施設に近接 する場所に配置されたハウジングに設けられる施設情報デバイスと通信するように構成され、施設情報デバイスは、プロセッサ、プロセッサがアクセス可能で、電子インターフェイス及びリモートコマンドインターフェイスとの情報交換を可能にするように構成された通信インターフェイス、及びリモートコマンドインターフェイスから緊急警報を受信し、受信した緊急警報をEWSまたはOWSに結合または組み込まれたインターフェイスに送信してOWSを施設内の居住者にブロードキャストするようにプロセッサを構成するためにプロセッサがアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、施設情報デバイスは、施設から離れた場所に配置された支柱または地下のハウジングに設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】いくつかの実施形態による、施設管理システムのブロック図である。
図2】いくつかの実施形態による、支柱またはボラードを含む施設情報アクセスシステムの概略立面図である。
図3】施設情報及び制御システムと、クライアントデバイスと、通信している施設情報デバイスを示すブロック図である。
図4】クライアントデバイスと、施設情報管理サーバシステムと、通信している施設情報デバイスを示すブロック図である。
図5図2の施設情報デバイスによって受信されたメッセージの処理におけるいくつかのステップを示すフローチャートである。
図6】作業員の出入りを追跡するために図2の施設情報デバイスによって遂行されるいくつかのステップを示すフローチャートである。
図7図2の施設情報デバイスによるドキュメントの記憶プロセスにおけるいくつかのステップを示すフローチャートである。
図8】コンプライアンス確認要求に応じて図2の施設情報デバイスによって遂行されるいくつかのステップを示すフローチャートである。
図9図2の施設情報デバイスの試運転におけるいくつかのステップを示すフローチャートである。
図10】施設情報管理サーバシステム及びデータベースのブロック図である。
図11】コンプライアンス評価を計算する際に施設情報管理サーバシステム及びデータベースによって実行されるステップを示すフローチャートである。
図12】いくつかの実施形態による施設情報アクセスシステムのブロック図である。
図13】いくつかの実施形態による、緊急コマンドシステムのブロック図である。
図14】管理サーバアプリケーションによって提供される施設コンプライアンス管理ユーザインターフェイスのスクリーンショットである。
図15】管理サーバアプリケーションによって提供される施設コンプライアンスドキュメント管理ユーザインターフェイスのスクリーンショットである。
図16】管理サーバアプリケーションによって提供される施設管理スケジュール追跡ユーザインターフェイスのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
実施形態は、一般に、施設管理のためのシステム及び方法に関する。実施形態は、支柱またはボラードを含む施設情報アクセスシステムを含む。支柱またはボラードまたは、施設の近くの歩行者がアクセスできる場所の地面または恒久的な構造物に恒久的に固定されている。支柱またはボラードまたはハウジングの場所は、施設の緊急サービスアクセスポイントが配置されている場所の近くにある場合がある。施設情報アクセスシステムは、施設内のシステム及び施設外のシステムと通信して、緊急事態管理、建物のコンプライアンス及び管理の追跡、施設内のシステムと施設外のシステム間のさらなる分析及び仲介のためのデータ収集を含む様々な機能を提供する。
【0050】
いくつかの実施形態は、施設情報デバイスまたはオンサイト電子タグまたは記録及び記憶デバイスに基づく施設情報管理のためのシステム及び方法に関する。オンサイトの電子タグまたはデバイスは、施設関連のデータを記憶し、リモート情報システムからの情報のバックアップとして機能し、施設内の情報システムがアクセスできないまたは遮断された場合にアクセス可能である。これは、事故、自然災害、または人為的災害が発生した場合に発生する可能性がある。施設情報デバイスは、また、施設運用評価(本明細書では「施設または建物の健常性」とも記載される)管理及び緊急時の対応管理に関する機能を提供する、クラウドベースのデータ記憶施設とも相互作用する。
【0051】
施設情報デバイスの1つの機能は、施設関連情報及びその他の関連データにアクセスできる権限のある人物または当局が、関連する管理、記録の管理、及び/またはその他の法律 、地方自治体、州、または連邦の要件に対する施設の継続的なコンプライアンスを監視できるようにすることである。施設情報デバイスは、緊急サービス作業員が間取り図、内部及び外部消防施設の位置、及びEssentials Safety Manual(ESM)などを含むあらゆる関連した施設情報にアクセスできるようにし、緊急事態において緊急サービス作業員が効果的な対応を提供することを可能にし得る。
【0052】
施設情報デバイスまたは電子タグ及び施設情報サーバシステムからの施設関連情報は、例えば、適応するアプリケーションで構成されたクライアントデバイスを介してアクセスされ得る。アクセス可能な施設関連情報は、建物の設計、建物の耐用年数にわたるコンプライアンス及び管理に関する記録、建物情報及び火災表示パネル(FIP)やその他の関連する建物の電子センサを含むシステムへのライブアクセス、Early Warning Intercom Systems(EWIS)及びOccupancy Warning Systems(OWS)と通信するための通信システムへのアクセスを含む。
【0053】
本明細書で使用される場合、「施設」という用語は、建築施設を含むことを意図している。例えば、本開示の文脈において、施設は、住宅、商業ビル、多目的ビル、スポーツ会場(例えば、スタジアム、アリーナ)、劇場またはショッピングモールなどの娯楽施設、倉庫、または他の任意の恒久的に構築された居住またはビジネスのための複数入居構造物を含む。本開示の文脈における施設はまた、建設中または入居前の、上記の建物のいずれかを含む。
【0054】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」という用語は、結果をもたらすためにメモリに記憶された命令を遂行または実行することができる任意の種類の電子回路を含むことを意図している。プロセッサは、1つの処理ユニット、または並行して動作する複数の処理ユニットを含み得る。プロセッサは、それぞれが特化した機能を有する複数の処理ユニット、例えば、信号処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、演算及び論理ユニットを含み得る。
【0055】
本書で使用される場合、「施設情報」という用語は、施設の運用、経営、または管理に関する、構成、状態、警報装置、警告、ドキュメント、手順、管理記録、またはその他の情報に関する任意の情報を含むことを意図している。施設情報には、施設内のシステムによって自動的に生成される情報と、施設に関して人による入力(例えば、クライアントコンピューティングデバイスを介して)によって生成される情報が含まれる。
【0056】
いくつかの実施形態は、施設情報アクセスシステム110に関し、その例が図2に示されている。施設情報アクセスシステム110は、施設105から間隔を開けた、しかし近接した場所に配置された支柱200を含む。いくつかの実施形態では、施設情報アクセスシステム100は、支柱200に代え、または加えて、施設の外部からアクセス可能な部分に配置されたハウジングを備えてもよい。支柱200は、施設105が建つ土地の権原の一部を形成する土地に配置され得る。いくつかの実施形態では、支柱200は、歩道上または通りに近い縁部などの公有地に配置され得る。例えば、支柱200は、施設に隣接する通りの端から1~1.5mの距離であり得る。支柱200は、定位置に固定され、地上レベルの歩行者がアクセスできる場合がある。支柱200は、内部空洞270を画定することができ、内部空洞270への無許可の物理的アクセスを遮断するためのアクセスカバー210を備えることができる。施設情報デバイス212は、支柱200内に収容することができる。施設情報デバイス212は、プロセッサ295と、プロセッサ295がアクセスでき、支柱の外部にあるデバイスと情報を交換できるように構成された通信インターフェイス269と、プロセッサ295がアクセスできる実行可能プログラム命令を記憶するメモリ280とを含む。
【0057】
プロセッサ295は、通信インターフェイス260を介して外部コンピューティングデバイスから施設情報を受信するためのプログラム命令を実行するように構成されている。施設情報は、例えば、構造、建築、管理、運用、及び規制へのコンプライアンス情報の詳細など、施設に関する。受信した施設情報は、メモリ280に記憶することができる。施設情報装置212は、通信インターフェイス260を介して施設情報にアクセスするための要求を受信することができる。第1の要求に応じて、施設情報デバイス212は、第1の要求が真正な要求であるかどうかを判定し、第1の要求が真正な要求である場合、通信インターフェイス260を介して施設情報を送信することができる。
【0058】
いくつかの実施形態は、施設情報管理サーバシステム140に関する。施設情報管理サーバシステム140は、サーバシステムプロセッサ142と、サーバシステムプロセッサ142によってアクセス可能なサーバシステム通信インターフェイス148と、サーバシステムプロセッサによってアクセス可能なサーバシステム実行可能プログラム命令を記憶するサーバシステムメモリ144とを備えることができる。メモリ144は、管理サーバアプリケーション146を実装するためのプログラムコードを含む。管理サーバアプリケーション146は、施設におけるコンプライアンス及び緊急管理を含む施設の管理のための様々な機能を提供する。
【0059】
サーバシステムプロセッサ142は、サーバシステム通信インターフェイス148を介して、1つ以上の施設情報アクセスシステム110から施設情報を受信し、受信した施設情報をサーバシステムメモリ144に記憶し、サーバシステム通信インターフェイス148を介して、サーバシステムメモリ144に記憶されている施設情報にアクセスするための第2の要求を受信し、施設情報にアクセスするための第2の要求に応じて、要求された施設情報を通信インターフェイス148を介して利用可能とするためのサーバシステムプログラム命令を実行するように構成されている。
【0060】
図1に示されているのは、いくつかの実施形態による、クライアントデバイス130及び施設情報管理サーバシステム140と通信している一連の施設情報アクセスシステム110A、110B…110Xのブロック図100である。施設情報管理サーバシステム140は、単一のコンピュータサーバまたは複数のサーバのクラスターセットを含み得る。クラスタまたはサーバのセットは、本明細書で説明する目的を達成するためにクラスタとして一緒に動作するように構成された独立したサーバのグループによって形成され得る。施設情報管理サーバシステム140の各サーバは、物質的なサーバまたは仮想的なサーバであり得る。施設情報管理サーバシステム140は、商用クラウドコンピューティングリソースを使用して、またはプライベートサーバシステムとして、あるいは両方の組み合わせとして実装され得る。
【0061】
一般に施設情報アクセスシステム110と呼ばれる施設情報アクセスシステム110A、110B…110Xのそれぞれは、単一の施設105A、105B…105Xに関連付けられている。いくつかの実施形態では、施設105は、単一の関連付けられた施設情報アクセスシステム110を有する。その関連付けられた施設情報アクセスシステム110は、物理的に施設105に相対的に近接して配置され、その施設105のみに関する使用に限定するように特化されている。いくつかの実施形態では、施設は、2つ以上の関連付けられた施設情報アクセスシステム110を有し得る。2つ以上の施設情報アクセスシステム110が施設105に関連付けられている実施形態では、施設の一部は、単一の施設情報アクセスシステムアクセスシステム110に関連付けられ得る。あるいは、単一の施設105に関連付けられた複数の施設情報アクセスシステム110は、並行して動作して情報及び機能を複製し、かつ異なる位置からアクセスを提供することができる。あるいは、1つの施設情報アクセスシステム110が施設105の主要なまたは指定施設情報アクセスシステムとして動作し得、他の施設情報アクセスシステム110は、主要な施設情報アクセスシステムと通信する補助的な施設情報アクセスシステムとして機能し得る。補助的な施設情報アクセスシステムは、施設情報を記憶するためのメモリを持たず、意図された機能を提供するために主要な施設情報アクセスシステムのメモリに依存する場合がある。前述の実施形態のいずれかにて、施設情報アクセスシステム110A、110B…110Xは、図2に示されるような支柱またはボラード200の施設、図10に示されるような地中ハウジング1000の実施形態、施設もしくは建物内部のハウジングによる実施形態、またはそれらの任意の実施形態の何らかの組み合わせを含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、複数の施設105を単一の施設情報アクセスシステム110に関連付けることができ、それにより、単一の施設情報アクセスシステム110を介して複数の施設に関連する施設情報にアクセスすることができる。そのような実施形態では、施設情報アクセスシステム110は、1つ以上の通信リンク172を介して、複数の施設の施設情報及び制御システム310と通信することができる。そのような通信リンク172は、例えば、共通のwifiネットワークを介した無線ネットワークリンク、または有線ネットワークリンク、例えば、イーサネット有線リンクを含み得る。
【0063】
施設情報アクセスシステム100は、FID110及び/または施設情報管理サーバシステム140と相互作用するように構成された一連のクライアントコンピューティングデバイス130をさらに含む。各クライアントデバイス130は、ユーザインターフェイスを提供するために協働する、ディスプレイ、プロセッサ132、及びメモリ134を備えた、タブレット、スマートフォン、または任意の他のコンピューティングデバイスなどのハンドヘルドコンピューティングデバイスであり得る。クライアントデバイス130は、クライアントデバイスアプリケーション136を実行することができる。クライアントデバイス130はまた、クライアントデバイスと施設情報アクセスシステム110との間のデータの交換を可能にする通信インターフェイス138を備える。通信インターフェイス138はまた、ネットワーク120を介したクライアントデバイス130と施設情報管理サーバシステム140との間のデータの交換を可能にする。ネットワーク120は、コンピューティングデバイス間のデータ転送を可能にするパブリック及び/またはプライベートサブネットワークを含み得、それらのいずれも有線または無線であり得る。
【0064】
施設情報アクセスシステム100は、施設情報リポジトリデータベース160をさらに含む。施設情報リポジトリデータベース160は、別々に配置された様々な施設情報アクセスシステム110を介して施設情報管理サーバシステム140によって収集された情報またはデータを記憶するためのリポジトリとして機能し得る。施設情報リポジトリデータベース160は、施設情報の単一の統合されたソースとして機能することができ、収集された施設情報をさらなる分析のために第三者に利用可能にすることができる。施設情報リポジトリデータベース160は、施設情報管理サーバシステム140の一部として実装され得るか、または施設情報管理サーバシステム140とは別のコンピュータサーバ上に実装され得る。
【0065】
緊急サービス通信エンドポイント150は、施設情報アクセスシステム100の一部であり得る。緊急サービス通信エンドポイント150は、1つ以上の施設105からの緊急トリガーまたは警報に関する情報を緊急サービスに通信する目的を果たす。通信リンク176は、ネットワーク120を緊急サービス通信エンドポイント150に接続するのに役立つことができる。通信リンク176は、施設情報アクセスシステム110を緊急サービス通信エンドポイント150に接続する専用有線リンクなどの高信頼性通信リンクであり得る。いくつかの実施形態では、通信リンク176は、施設情報管理サーバシステム140を緊急サービス通信エンドポイント150にリンクすることができる。いくつかの実施形態における緊急サービス通信エンドポイント150は、緊急トリガーまたは警報が受信され、緊急サービスがコールセンターオペレータを介して警告され得るコールセンターに通じていてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、緊急サービス通信エンドポイント150は、緊急警報システム(EWS)または占有者警報システム(OWS)または緊急事態が発生した可能性がある特定の施設に緊急警報を発するように構成されたリモートコマンドインターフェイスを備え得る。リモートコマンドインターフェイスは、施設内で提供されるEWSまたはOWSを介して、施設内でブロードキャストされるメッセージまたは警告のブロードキャストを、許可する場合がある。リモートコマンドインターフェイスからのメッセージまたは警告は、施設情報アクセスシステム110、または施設内に提供されるEWSまたはOWSとの有線または無線の通信において、特定の施設の施設情報デバイスによって、仲介され得る。
【0067】
ネットワーク120は、例えば、送信、受信、転送、生成、バッファリング、記憶、ルーティング、スイッチング、処理、またはそれらの組み合わせなどを行う1つ以上のノードを有する1つ以上のネットワークの少なくとも一部を含むことができる。ネットワーク120は、例えば、無線ネットワーク、有線ネットワーク、インターネット、イントラネット、パブリックネットワーク、パケット交換ネットワーク、回路交換ネットワーク、アドホックネットワーク、インフラストラクチャネットワーク、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)、ケーブルネットワーク、セルラーネットワーク、無重力ネットワーク、衛星ネットワーク、光ファイバーネットワーク、それらの組み合わせなどの1つ以上を含むことができる。
【0068】
クライアントデバイス130上の通信インターフェイス138は、複数のデータ通信技術のうちの1つまたは組み合わせによって実装され得る。データ通信技術には、有線USBインターフェイス、有線イーサネットインターフェイス、ワイヤレスWi-Fiインターフェイス、ワイヤレスセルラーネットワークインターフェイス、無線自動識別(RFID)ベースのインターフェイス、近距離無線通信(NFC)ベースのインターフェイス、例えば、Bluetoothインターフェイス、またはWeightlessネットワークインターフェイスを含み得る。
【0069】
通信リンク170は、クライアントデバイス130と施設情報アクセスシステム110との間の情報またはデータの交換を可能にする。通信リンク170は、有線または無線リンクであり得る。例えば、通信リンク170は、近距離無線通信リンク、またはBluetoothベースのリンク、または有線USBまたはイーサネットベースのリンク、またはWeightlessネットワークリンクであり得る。通信リンク174は、Wi-Fiネットワーク、Weightlessネットワーク、移動通信ネットワーク、またはクライアントデバイス130と施設情報管理サーバシステム140との間の相互作用を可能にする他の任意の適切な技術を介して実装される無線通信リンクであり得る。
【0070】
クライアントデバイスアプリケーション136はスマートフォンに実装された「アプリ」(すなわち、ソフトウェアアプリケーション)であり得る(androidアプリまたはiOSアプリなど)。クライアントデバイスアプリケーション136は、ユーザが施設情報アクセスシステム110、または施設情報管理サーバシステム140、あるいはその両方と通信することを可能にするためのユーザインターフェイスを提供するように構成されている。クライアントデバイス130と施設情報アクセスシステム110との間の通信は、例えば、情報の交換、またはクライアントデバイス130から施設情報アクセスシステム110への命令を含み得る。
【0071】
クライアントデバイスアプリケーション136は、建設管理者、建物管理者、建築確認当局、政府または規制当局、建物管理請負業者、緊急サービス当局、及び他のユーザによって、建物関連データを収集、更新、または監視するために使用され得る。クライアントデバイスアプリケーション136は、クライアントデバイスのユーザが認証資格情報を提供することを可能にするユーザ認証及び承認モジュールを有することができる。クライアントデバイスアプリケーション136は、その承認機能を通じ、資格情報及びアクセスレベルに基づいて、様々に異なる機能及びインターフェイスを異なるユーザに提示することができる。例えば、建物の管理請負業者は、建物の管理のスケジュールとステータスの更新のみを許可され得る。緊急サービスのシステムまたは作業員は、建物避難計画及び緊急処置へのアクセスを許可され得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のクライアントデバイスアプリケーション136が利用可能である場合があり、クライアントデバイスアプリケーション136のそれぞれは、1つ以上の特定のカテゴリのユーザ向けであり、及び/または特定のカテゴリのユーザとの相互作用に適応した特定の機能を有する。
【0072】
クライアントデバイスアプリケーション136は、ユーザが、コンプライアンス追跡モジュール332、緊急処置モジュール342、施設コンプライアンスガバナンスモジュール422、緊急応答調整モジュール416などを含む、施設情報管理サーバ140、または施設情報デバイス212の様々なモジュールと対話することを可能にし得る。クライアントデバイスアプリケーション136は、ユーザが、タッチスクリーンまたはキーボード及びマウス、あるいは仮想現実または拡張現実インターフェイスを使用して入力を行うことを可能にし得る。クライアントデバイスアプリケーション136は、施設に関する情報を更新するための入力インターフェイスをユーザに提示することができる。情報には、施設の1つまたは複数の部分の管理に関する情報、コンプライアンスの確認とコンプライアンスの確認の結果に関する情報、及び安全インシデントに関する情報などが含まれる場合がある。クライアントデバイス130上にまたはこのデバイスによって提示されるディスプレイ画面などのディスプレイにおいて、クライアントデバイスアプリケーション136は、1つまたは複数の対話型ユーザ入力インターフェイスを提示して、ユーザが、施設情報リポジトリデータベース160に記憶することができる施設に関する構造化された情報を提供できるようにし得る。対話型ユーザ入力インターフェイスには、例えば、選択可能なドロップダウンリスト、数値またはテキスト入力用のフォーム、またはチェックリストが含まれる場合がある。クライアントデバイス130において提示されるディスプレイ上で、クライアントデバイスアプリケーション136は、例えば、施設のコンプライアンスの確認または管理のタスクに関連する1つまたは複数のデジタルドキュメントまたはファイル及び関連するメタデータをアップロードするためのインターフェイスを提示することができる。クライアントデバイスアプリケーション136は、例えば、特定の施設に関連して発生する管理または安全またはコンプライアンスインシデントなどのインシデントに関連するインシデント情報の構造化された入力を可能にするために、インシデントロギングモジュールを含むことができる。次に、そのようなインシデント情報は、例えば、同じまたは別の許可されたクライアントデバイスまたは管理サーバアプリケーション146などのクライアントデバイスアプリケーション136によって、後でアクセスされ得る。
【0073】
通信リンク178は、施設情報管理サーバシステム140をネットワーク120に接続する。通信リンク178は、ギガビットイーサネットリンクを含み得る。通信インターフェイス148は、施設情報管理サーバシステム140に関する着信及び発信通信を管理かつ配信するための1つ以上のロードバランサーを含むことができる。
【0074】
図2は、いくつかの実施形態による、支柱またはボラード200を含む施設情報アクセスシステム110の概略立面図である。支柱200は、施設情報デバイス212をセキュアに収容して、無権限者による改ざん、または破壊を防ぐことができる。支柱200は、施設105の近くの地面に恒久的に固定することができる。例えば、支柱200は、施設の外壁または構造物から約3メートル~約20メートルの間に配置され得る。固定手段285は、支柱200を地面に固定する。固定手段285は、例えば、コンクリート土台または何らかの形態の金属製固定具を含み得る。支柱200は、公衆によって無理なくアクセス可能な、施設105の近くの場所に配置することができる。支柱200は、クライアントデバイス130を持つ個人が、歩行者レベルにおいて容易にアクセスできる位置とすることができる。
【0075】
支柱200はまた、施設情報デバイス212を熱、湿度、寒さまたは他の気象要素から保護することができる。支柱200は、周囲を取り巻く、例えば、5mm~25mm厚、または10mm~20mm厚の金属の管またはシート240を含み得る。支柱200は、外部の衝撃、例えば、車両が支柱200に打ち込まれることから生じる衝撃から施設情報デバイス212を保護することができる。支柱200は、例えば、地面282から、80cm~160cmの高さであり得る。
【0076】
支柱200は、施設情報デバイスハウジング270へのアクセスを提供するカバーまたは閉鎖ハッチ210を備える。カバーまたは閉鎖ハッチ210は、1つ以上のヒンジ220または他の固定要素によって支柱200に固定されている。カバーまたは閉鎖ハッチ210は、ロック機構225によって固定されている。ロック機構225は、物理的キー駆動ロック、または電子ロック、または物理的ロックと電子的ロックの組み合わせであり得る。支柱200の一部はまた、カード読み取りインターフェイス281を介して識別カードまたはデバイスから情報を読み取るためのポータルとして機能し得る。カード読み取りインターフェイス281は、通信インターフェイス260を介して施設情報デバイス212に信号を伝達する。カード読み取りインターフェイス281は、例えば、NFCインターフェイスまたはスワイプカードインターフェイスであり得る。カード読み取りインターフェイス281は、また例えば識別または認証の目的で、モバイルデバイスと相互作用してモバイルデバイスから情報を読み取ることもできるように構成され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、加えてまたは代りに、カード読み取りインターフェイス281は、例えば、施設の外部の、しかし消防ホース戸棚またはキャビネットなど消防器具に近接した場所などの、支柱200から離れた固定具上に配置され得る。カード読み取りインターフェイス281が支柱200から離れて配置されている場合、カード読み取りインターフェイスは、情報を伝達するため、有線または無線通信リンク、例えば、wifiネットワークリンクを介して、またはイーサネットもしくはUSBリンクを介して施設情報デバイス212と通信するように構成される。
【0078】
施設情報デバイスハウジング270は、主電源230、通信リンク290、172、及び170などの周辺機器への接続のためのアクセスを可能にしつつ、施設情報デバイス212をセキュアに収容する。通信リンク290は、施設情報デバイス212を施設情報及び制御システム310(図3に示されている)と接続する。
【0079】
施設情報デバイス212は、メモリ280に記憶された命令を実行するためのプロセッサ295を備える。メモリ280は、例えば、10GBから1000GBの不揮発性記憶域を含み得る。
【0080】
施設情報デバイスハウジング270は、施設情報デバイス212が空洞内に受容された後、これを支持するためのスタンドまたはフレーム275を備える。支柱200はまた、施設情報デバイス212への有線接続を可能にするために、1つ以上の露出したデータアクセスポート235を含み得る。露出したデータアクセスポート235は、USBポートもしくはイーサネットポート、または施設情報デバイス212との情報交換を容易にすることができる他の任意のポートであり得る。
【0081】
通信インターフェイス260は、施設情報デバイス212が通信リンク170を介してクライアントデバイス130と通信することを可能にする。通信インターフェイス260は、施設情報デバイス212が、ネットワーク120を通じた通信リンク172を介して、施設情報管理サーバシステム140と通信することを可能にする。通信インターフェイス260は、信号の送受信を容易にするための適切なアンテナを備え得る。通信インターフェイス260はまた、2G、GSM、EDGE、CDMA、EVDO、3G、GPRS、4G、5Gまたは他の適切な通信ネットワークを介した通信を容易にするためにSIMカードを受容するための構成要素を含み得る。
【0082】
支柱200は、主電源230を介して主電源に接続することができる。支柱200はまた、主電源230の故障の場合に施設情報デバイス212の連続動作を可能にするために、内部バッテリーバックアップ250を含み得る。いくつかの実施形態では、主電源230は、施設105から伝送され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、施設情報アクセスシステム110は、施設情報デバイス212を、支柱200の代わりにセキュアなハウジング内に含む。セキュアなハウジングは、施設情報アクセスシステム110のすべての物理的構成要素を収容することができる。セキュアなハウジングは、施設105の容易にアクセス可能な外側部分またはその近く、例えば、消火ホースの戸棚またはキャビネットの近くに配置することができる。セキュアなハウジングは、例えば、消防ホースキャビネットから約3メートル以内に配置することができる。いくつかの実施形態では、セキュアなハウジングは、消火ホースの戸棚にボルトで固定するか、または近接して(例えば、3メートル以内に)配置することができる。
【0084】
図3は、施設情報及び制御システム310と通信している施設情報デバイス212及びクライアントデバイス130を示すブロック図である。施設情報及び制御システム310は、施設105内の様々なインフラストラクチャの構成要素、警告システム、及び制御システムのステータスを追跡するための、施設105内の様々なサブシステムを含む。
【0085】
火災インジケータパネル(FIP)システム312は、火災または潜在的な火災を検出及び報告する施設内のデバイスから情報を受信し、施設内の様々な空間のすべてにわたる火災の進行を監視し、消防及び救助活動の準備に必要な情報を送信する。FIPシステム312はまた、任意の火災警報または警告システムを操作するために電気エネルギーの供給を制御することができる。FIPシステムは、312は、火災トリガー信号を施設情報デバイス212に送信することができる。FIPシステム312は、火災トリガー信号を送信した後、火災の場所を送信することができる。火災の場所が変化するか、または火災が進行するにつれて、FIPシステム312は、更新された警告または警告信号を送信することができる。
【0086】
施設占有者警告システム314は、知覚されたまたは実際の緊急事態の間ずっと占有者に警告することを目的とした音響システム及びインターホンシステムを含む。施設占有者警告システム314は、FIPシステム312と通信することができる。施設占有者警告システム314は、施設占有者警告システム314を使用して実施される消防訓練に関して、そのような消防訓練の日付、時刻、及び継続時間を含む信号またはメッセージを施設情報デバイス212に送信することができる。
【0087】
エレベーター制御システム316は、施設105内のエレベーターの動作を制御する。エレベーター制御システム316は、エレベーターの動作に関して施設情報デバイス212に信号またはメッセージを送信することができる。エレベーターの操作に関する情報には、一定期間にわたる各エレベーターの移動のログ、エレベーターの推定占有率、エレベーターの故障期間、及びその他の類似の情報が含まれる場合がある。緊急時の間ずっと、エレベーター制御システム316は、救助が必要となる可能性がある利用者が乗ったエレベーターの位置を施設システム通信インターフェイス332を介して送信することができる。
【0088】
給水システム318及び電気システム326は、施設105内の水及び電気の供給を制御する。給水システム318及び電力システム326は、施設システム通信インターフェイス332を介して、施設105の様々な部分への給水及び電気の動作状態に関する信号またはメッセージを施設情報デバイス212に送信することができる。
【0089】
煙害管理システム322は、施設105内の煙及び熱ベントを制御して、居住者に十分な避難時間を与えるために、緊急時に施設105内の可能な範囲の火災及び煙を制御する。緊急時の間、煙害管理システム322は、建物内の煙及び熱ベントの動作に関する信号またはメッセージ、及び避難に利用可能な推定時間に関する情報を、施設システム通信インターフェイス332を介して、施設情報デバイス212に送信することができる。非緊急状態の間、煙害管理システム322は、個々の煙及び熱ベントの動作状態ならびに個々の煙及び熱ベントに関連付けられたすべての警告に関する信号またはメッセージを、施設システム通信インターフェイス332を介して施設情報デバイス212に送信することができる。
【0090】
スプリンクラー制御システム324は、施設105内のスプリンクラーの動作を制御し監視する。緊急時に、スプリンクラー制御システム324は、個々のスプリンクラーの動作に関する信号またはメッセージを、施設システム通信インターフェイス332を介して施設情報デバイス212に送信することができる。
【0091】
暖房、換気、及び空調(HVAC)システム328は、暖房、換気、または空調を提供する施設内の様々な構成要素を制御する。HVACシステム328は、施設システム通信インターフェイス332を介して、施設105のHVACシステムの各構成要素の動作状態に関する信号またはメッセージを施設情報デバイス212に送信することができる。動作条件には、構成要素の特定の構成及び構成要素によって生成される警告が含まれる場合がある。
【0092】
施設情報及び制御システム310は、施設通信リンク350を介した施設情報デバイス212との間のデータ及び命令の送受信を容易にする施設システム通信インターフェイス332を含む。施設通信リンク350は、支柱200が配置される領域をカバーするのに十分な範囲を有する有線または無線通信リンクであり得る。施設システム通信インターフェイス332は、様々な施設情報及び制御システムから信号を受信し、受信した信号を施設情報デバイス212に通信する1つ以上のトランシーバを備えることができる。施設システム通信インターフェイス332はまた、施設情報デバイス212による特定の施設情報及び制御システム310の照会を可能にし得る。施設システム通信インターフェイス332は、施設情報及び制御システム310の様々な構成要素間の通信を管理するための適切なデータ通信プロトコルを実装することができる。
【0093】
図4は、クライアントデバイス130及び施設情報管理サーバシステム140と通信している施設情報デバイス212を示すブロック図400である。施設情報管理サーバシステム140は、施設情報管理サーバシステム140によって遂行される様々な機能を提供するためのソフトウェアモジュールを含む。緊急応答調整モジュール416は、1つ以上の施設105における緊急トリガーまたは警報への応答を管理及び調整する。施設105で緊急事態が発生した場合、緊急応答調整モジュール416は、施設情報デバイス212を介して仲介されるメッセージを受信することができる。
【0094】
施設情報収集モジュール418は、施設情報デバイス212に定期的に照会して、施設情報デバイス212に記憶されている更新された情報または新しい記録またはドキュメントを要求することができる。収集された記録、ドキュメントまたは情報は、施設情報リポジトリデータベース160に記憶され得る。
【0095】
施設コンプライアンスガバナンスモジュール422は、施設情報リポジトリデータベース160に記憶された施設関連の記録、ドキュメント、または情報を評価して、施設が義務付けられたコンプライアンスまたは規制要件を満たしているかどうかを判定し、コンプライアンスまたは規制要件のすべての不履行を特定し、特定された不履行をクライアントデバイス130に対して報告することができる。
【0096】
緊急応答調整モジュール416、施設情報収集モジュール418、及び施設コンプライアンスガバナンスモジュール422は、管理サーバアプリケーション146の一部を形成する。いくつかの実施形態では、管理サーバアプリケーション146は、ユーザがクライアントデバイス130を使用して管理サーバアプリケーション146の様々なモジュールとリモートで対話することを可能にする対話型ウェブインターフェイスを提供するウェブアプリケーションを含み得る。
【0097】
図5は、施設情報デバイス212によって受信されたメッセージの処理におけるいくつかのステップを示すフローチャート500である。ステップ510は、施設通信リンク290を介して施設情報及び制御システム310からメッセージを受信する施設情報デバイス212を含む。受信されたメッセージは、メッセージの出所または発生元の識別表示、メッセージの性質、それが警告であるか警報であるか、及び警告または警報に関するさらなる詳細を含み得る。いくつかの実施形態では、メッセージは、施設情報及び制御システム310の動作状態に関する情報を含む。
【0098】
ステップ512で、施設情報デバイス212は、受信されたメッセージが緊急事態に関連するか警告に関連するかを判定する。メッセージが警告に関する場合、施設情報デバイス212は、警告メッセージの詳細をそのメモリ280に記録し、警告の詳細を施設情報管理サーバ140、及び任意選択的にクライアントデバイス130にも伝達する。
【0099】
ステップ512で、施設情報デバイス212が、メッセージが警報に関すると判定した場合、施設情報デバイス212によってステップ516及び514が並行して実行される。ステップ516は、通信リンク176を介して緊急応答サービス通信エンドポイント150への警報をトリガーすることを含む。ステップ514は、施設情報デバイス212を緊急事態管理モードに切り替えることを含む。続いて、ステップ520で、緊急関連施設情報が、通信リンク170経由、通信インターフェイス260を介してクライアントデバイス130に利用可能にされる。さらに、緊急関連施設情報はまた、ネットワーク120を経由し、施設情報管理サーバ140を介して、クライアントデバイス130に利用可能にされ得る。これにより、緊急サービス作業員の移動中に、緊急関連施設情報に対する事前アクセスをクライアントデバイス130を介して緊急サービスに提供することができ、施設105への到着前に緊急対応活動と救助活動を事前に計画することが可能となる。
【0100】
緊急関連施設情報には、火災管理計画、避難計画、施設に関する構造情報、及び緊急サービスに必要なその他の情報を含み得る。支柱200を通じて緊急関連施設情報を利用可能とすることにより、緊急時にさらなる情報を得るために施設に立ち入ることに関連するリスクを回避することができる。
【0101】
緊急情報デバイス通信インターフェイス260はまた、緊急サービス作業員が施設 情報及び制御システム310から 施設占有警報システム314まで通信することを可能にし得る。施設占有警報システム314への通信は、緊急サービス作業員が施設内の占有者と通信し、避難の指示または施設内の移動に関する指示を与えることを可能にし得る。
【0102】
いくつかの実施形態は、図13に示される緊急コマンドシステム1300に関する。緊急コマンドシステム1300は、施設情報及び制御システム310の一部を形成する占有者警告システム(OWS)通信インターフェイス1310を備える。OWSは、施設の緊急警報システム(EWS)または施設の占有者警報システム(OWS)314に結合されまたは組み込まれ得る。EWSまたはOWS314は、施設内の離れた場所に、音声警告及び警告音、ならびに一般的な警告を発することができる可聴警告スピーカーを備えている。
【0103】
緊急コマンドシステム1300は、施設の情報及び制御システム310から離れており、ネットワーク120を介してOWS通信インターフェイス1310と通信するリモートコマンドインターフェイスをさらに備える。リモートコマンドインターフェイスは、クライアントコンピューティングデバイス1330の形態であり得る。クライアントコンピューティングデバイス1330は、施設占有者警告システム314の音声信号の通信を可能にする音声入力出力インターフェイス1320を備える。クライアントデバイス1330は、緊急支援センターなどの運用制御センターに基づいているか、またはその一部であるか、または市営のオペレーションセンターからアクセス可能であるか、またはその一部を形成できて、緊急事態の場所で現場の責任者によって取られる緊急対応行動に加えてまたは代わりに、調整された緊急対応アクションを可能にすることができる。
【0104】
OWS通信インターフェイス1310及びリモートコマンドインターフェイスは、コンピューティングデバイス1330がリモートコマンドインターフェイスからEWSを介して施設内の占有者に緊急警報を発することを可能にするように協調するように構成される。OWS通信インターフェイス1310は、火災インジケータパネル312と施設占有者警告システム314との間の信号(音声信号を含む)の通信を容易にするために必要なハードウェア及び/またはソフトウェアで構成されるマイクロコントローラまたはシステムオンチップまたは集積回路であり得る。
【0105】
図6は、作業員の出入りを追跡するために施設情報デバイス212によって遂行されるいくつかのステップを示すフローチャート600である。ステップ610において、作業員は、支柱200上のカード読み取りインターフェイス281に自分のカードを提示することができる。施設情報デバイス212は、カード読み取りインターフェイス281からメッセージを受信し、メッセージは、カードを提示した作業員を識別する一意の識別子を含む。ステップ620において、施設情報デバイス212はステップ610でカードを提示した作業員に関する以前の入館記録が存在するかどうかを判定する。作業員に関する以前の入館記録が存在する場合は、ステップ640において、その作業員に対する退出イベントが記録される。作業員に関する以前の入館記録が存在しない場合は、ステップ630において、その作業員に対する入館イベントが記録される。
【0106】
ステップ650において、施設情報デバイス212は、記録された入館及び退出イベントを用いて、施設内の作業員の数及び身元を判定する。660では、施設内の判定された作業員の数及び身元がクライアントデバイス130に伝達される。
【0107】
緊急処置中、施設105に出入りする緊急対応作業員を追跡するために、フローチャート600が依拠され得る。施設内の作業員数の情報が利用可能であることにより、緊急救助活動の評価が可能となり、または緊急時に行方不明になった作業員の行方を明らかにすることができる。支柱200を介してこの情報が利用可能であることにより、施設105外であるがしかし施設105にアクセス可能な近傍から緊急対応を計画し制御することが可能となる。
【0108】
図7は、施設情報デバイス212によるドキュメントの記憶プロセスにおけるいくつかのステップを示すフローチャート700である。ステップ710は、施設情報デバイス212によるクライアントデバイス130の認証を含む。認証は、通信170を介して、またはカード読み取りインターフェイス281を介して行うことができる。ステップ720においてクライアントデバイスが認証されると、施設情報デバイス212は、クライアントデバイス130からドキュメントを記憶することの要求を受信する。要求には、ドキュメント及び関連する任意のドキュメントメタデータを含み得る。ドキュメントメタデータには、例えば、ドキュメントの性質、発行機関、またはバージョンが含まれ得る。ステップ730で、施設情報デバイス212は、メモリ280に記憶された所定の検証ルールのセットに従って、ドキュメントメタデータが完全で有効であるかどうかを確認する。ドキュメントメタデータが不完全または無効である場合、ステップ760で、施設情報デバイス212は、エラーメッセージをクライアントデバイス130に送信する。エラーメッセージには、無効または不完全なドキュメントメタデータの詳細が含まれ得る。
【0109】
ドキュメントメタデータが完全で有効である場合、ステップ740で、施設情報アクセスシステム212は、受信したドキュメント及びドキュメントメタデータをそのメモリ280に記憶する。ステップ750で、施設情報アクセスシステム212は、別のクライアントデバイス130からのドキュメントに対する要求に応じて、記憶されたドキュメントを通信することができる。フローチャート700は、例えば、検査証明書、占有証明書、間取り図の更新または変更に関する証明書、緊急処置及び避難計画などの、建物に関連するドキュメントを記憶及び取得するために実施することができる。
【0110】
図8は、コンプライアンス確認要求に応答して施設情報デバイス212によって遂行されるいくつかのステップを示すフローチャート800である。施設検査機関の代表者は、施設情報デバイス212を使用してコンプライアンス確認を実施することを許可され得る。ステップ810で、クライアントデバイス130は、それ自体を検査機関として認証することができる。ステップ820で、施設情報デバイスは、クライアントデバイス130から施設コンプライアンス確認要求を受信することができる。ステップ820での要求に応じて、施設情報デバイス212は、施設コンプライアンスデータ及び他の任意の関連ドキュメントまたはデータを、通信インターフェイス260を介して利用可能にすることができる。クライアントデバイス130は、施設が準拠しているかどうかに関する評価を行うために、施設準拠データにアクセスすることができる。ステップ840で、施設情報デバイス212は、タイムスタンプ、クライアントデバイス130の詳細、及びコンプライアンス確認に関する他の任意の関連する詳細と共に、コンプライアンス確認の発生を記録することができる。
【0111】
図9は、施設情報デバイス212の試運転におけるいくつかのステップを示すフローチャート900である。ステップ910は、必要なオペレーティングシステム、ソフトウェアモジュール、認証及び承認関連情報、通信プロトコル、デバイスドライバ、及び他の必要な任意のソフトウェア依存関係について、施設情報デバイスのメモリ280を事前に構成することを含む。ステップ920で、施設に近接したアクセス可能な場所に支柱200が建設される。建設は、支柱200を固定手段285内に固定することを含み得る。建設は、主電源ケーブル230、通信リンク290及び172のような必要な周辺機器がハウジング270内からアクセス可能であることを確実にすることを含む。ステップ930で、ステップ910において事前に構成された施設情報デバイスは、支柱200内のハウジング270内にセキュアに設置され、周辺機器に接続される。ステップ940で、施設情報デバイス212の準備ができているかを評価するためのテストが、クライアントデバイス130によって実行される。テストは、事前に構成されたテストデータへのアクセスを含み得る。試験が成功した場合、フローチャート700のステップが施設情報デバイス212によって遂行され得る。テストが不成功の場合、ステップ950でいくつかのトラブルシューティングを行い、その後に後続テストを行うことができる。
【0112】
図10は、施設運用評価システム1000のブロック図である。システム1000は、図1及び4を参照して前述した施設情報管理サーバシステム140、施設情報リポジトリデータベース160、ネットワーク120、及び図1及び2を参照して前述した施設情報アクセスシステム110を備える。施設情報管理サーバシステム140は、施設運用(「健常性」)評価モジュール1027を備える。施設運用評価モジュール1027は、施設情報アクセスシステム110を通じて利用可能にされた情報に基づいて特定の施設の運用評価決定または計算を実行するための実行可能プログラムコードを含む。実行可能プログラムコードは、施設運用評価決定木1029及び施設運用スコアリングモジュール1031を含む。
【0113】
施設運用評価決定木1029は、施設情報アクセスシステムから施設データを入力として受信する決定木を実装するためのプログラムコードを含む。施設データは、火災インジケータパネルシステム312からのデータを含み得る。火災インジケータパネルシステム312は、能動型火災安全構成要素または受動型火災安全構成要素に関連するデータを含み得る。能動型火災安全構成要素は、スプリンクラー制御システム324などの構成要素に依存することにより、疑わしい火を能動的に消火する施設内の構成要素で構成される。受動型火災安全構成要素には、施設内での延焼を受動的に遅らせる壁、防火ドア、床などの耐火定格の施設の構成要素が含まれる。施設の能動型火災安全構成要素のデータには、例えば、施設内の能動型火災安全構成要素の運用ステータス、管理の履歴、または位置に関連するデータが含まれる場合がある。施設の受動型火災安全構成要素のデータは、例えば、施設内の受動型火災安全構成要素の位置とグレードに関連するデータを含む場合がある。施設運用評価決定木1029は、施設データに基づいて運用評価グレード、クラス、またはカテゴリを出力として生成することができる。グレード、クラス、またはカテゴリには、例えば、赤、黄、緑などが含まれ得る。例えば、赤のグレードは重大な安全上の問題または早急な対応が必要な懸念事項を反映している場合があり、黄色のグレードは重大な問題であるが重大な安全上の問題はないことを示し、緑のグレードは施設に重大な問題がないことを示し得る。グレード、クラス、またはカテゴリにより、施設のグレード、クラス、またはカテゴリの決定に使用される可能性のある大量の複雑な情報があるにもかかわらず、施設の運用上の「健常性」のステータスの直感的で簡単にアクセス可能な表現ができるようになる。
【0114】
施設スコアリングモジュール1031は、施設情報アクセスシステム110から受信した施設データに基づいて施設運用健常性スコアまたは評価を決定するための実行可能なプログラムコードモジュールを備える。施設運用健常性スコアは、例えば1から10または1から100のスケールを超える場合がある。施設運用健常性スコアの決定は、例えば、施設のデータを入力として使用した加重計算に基づく場合がある。施設スコアリングモジュール1031を使用すると、かなりの数の複雑な変数を因数分解して、施設の全体的な運用健常性の直感的な評価を決定できる。また、決定されたスコアにより、全体的な安全基準と運用基準に関して施設を効率的に比較することもできる。いくつかの実施形態では、施設運用評価決定木1029は、施設運用グレードの決定の一部を実行するために施設スコアリングモジュールに依存することができる。決定された施設のグレード、クラス、カテゴリ、またはスコアは、一定期間、例えば1週間以上、1か月以上、または1年以上の施設データに基づく場合がある。
【0115】
施設運用評価モジュール1027は、評価データストア1030からデータを受信し、そのデータに基づいて分析を実行し、最適または予想される閾値に対するコンプライアンス評価を生成することができる。次に、これらの評価は、図4を参照して説明するように、ガバナンスモジュール422によってさらにコンパイル及び分析される。施設全体の運用健常性評価を表す決定された施設運用健常性評価、スコア、グレード、クラス、またはカテゴリは、クライアントデバイス130または施設情報アクセスシステム110に送信され得る。施設全体の評価は、規制基準への施設のコンプライアンスと全体的な健常性と安全の簡略化された見方を提示する場合がある。したがって、施設の評価は、施設またはその運営に対するリスクの指標として役立ち得る。いくつかの実施形態では、この評価は、単一のスコア、パーセンテージ、色または数値のランク付け、または他の何らかの視覚的表現である。他の実施形態では、施設スコアリングモジュール1031によって別個に決定された異なる動作領域に関して、複数のスコアが提供される。
【0116】
評価データストア1030は、リポジトリデータベース160内に組み込まれ得る。データストア1030内に記憶された情報は、例えば、火災インジケータパネルデータ1312、施設占有者警告システムデータ1314、リフト制御システムデータ1316、給水システムデータ1318、煙害管理システムデータ1322、スプリンクラー制御システムデータ1324、電力システムデータ1326、HVACシステムデータ1328、及び/またはコンプライアンスデータ1330を含み得る。データストア1030に記憶されたコンプライアンスデータ1330は、関連施設105の進行中の運用及び機能に関連する規制コンプライアンス情報を含み得る。
【0117】
データストア1030内に記憶された情報は、クライアントデバイス130、施設情報アクセスシステム110、適切なネットワークアップリンク機能を有する火災インジケータパネル(FIP)システム312、または他の適切な手段によって供給され得る。評価データストア1030内のデータは、プロセッサ142によってメモリ144に選択的にダウンロードされて、データを施設の運用評価モジュール1027へのデータに利用可能にすることができる。
【0118】
図11は、施設運用評価モジュール1027によって実行することができる施設運用評価のプロセスまたは方法のフローチャート1100である。ステップ1105において、施設運用評価を実施するための要求は、施設情報管理サーバシステム140によって受信される。いくつかの実施形態では、要求は、クライアントデバイス130から発行または発信される。他の実施形態では、要求は、施設情報アクセスシステム110から発行または発信することができる。他の実施形態では、ステップ1105を実行することはできず、プロセス1100は、例えば、日次、週次、月次、または年次ベースで、事前に定められたスケジュールに従って施設情報管理サーバシステム140によって開始することができる。ステップ1105で受信された要求は、要求パラメータを含み得る。要求パラメータには、運用評価の決定が行われる期間、または運用評価が制限される施設の健常性という側面のサブセットなどが含まれる場合がある。
【0119】
1110で、施設運用評価モジュール1027を実行するプロセッサ142は、評価データストア1030からデータを取得して、受信した要求に従って運用評価を実施する。1120で、施設運用評価モジュール1027は、評価データストア1030から取得されたデータに基づいて、施設運用評価を完了するのに十分なデータにアクセスしているかどうかを決定する。この確認には、必要な情報がないか、古くなっているか、またはその他の方法で利用できないかどうかの識別が含まれる場合がある。施設運用評価モジュール1027が、十分なデータが欠如していると決定した場合、ステップ1132で、施設運用評価モジュール1027は、運用評価を実施するために必要なデータを要求する要求を、関連施設の施設情報アクセスシステム110に送信する。ステップ1133で、施設情報管理サーバシステム140は、ステップ1132で送信された要求に応答して、施設情報アクセスシステム110から情報を受信する。受信したデータは、将来の運用のために評価データストア1030に記憶される場合がある。
【0120】
重要なデータまたは運用評価を実施するのに十分なデータが施設運用評価モジュール1027で利用可能である場合、プロセスはステップ1135に進む。ステップ1135で、施設運用評価モジュール1027は、評価データストア1030から施設関連データを収集する。施設運用評価モジュール1027は、施設情報及び制御システム310の様々な構成要素から受信した施設データを、施設健常性評価スコアを決定するためにデータの運用を実行するのに適した形式で前処理することができる。ステップ1136で、施設運用評価モジュール1027は、評価データストア1030に記憶されたデータに基づいて分析を実行して、特定の施設にコンプライアンス評価、グレード、スコア、またはクラスを提供する。いくつかの実施形態では、この分析は、受信したデータと期待値との比較を含み得る。施設健常性評価決定木1029の場合、これは、決定木への入力として、評価データストア1030に記憶されたデータを提供することを含み得る。プロセッサ142によって実行されるとき、運用評価決定木1029は、施設の全体的な健常性または運用の準備または安全性を表す施設の運用評価グレード、カテゴリ、またはクラスを提供する。同様に、施設運用スコアリングモジュール1031は、評価データストア1030に記憶された施設データを入力として受信し、出力として施設の評価またはスコアを生成する1つまたは複数の計算または評価モデルを備えることができる。
【0121】
施設運用評価決定木1029または施設運用スコアリングモジュール1031による決定または評価は、例えば、煙害管理システム、スプリンクラー制御システム、リフト制御システム、HVACシステム、指定された期間の消費または予期された/予期されていないダウンタイムイベントの数に関する閾値の比較などの関連システムの検査データの頻度の比較を含み得る。いくつかの実施形態では、実施される分析は、特定のイベントデータに重み付けされ、計算結果に対してより大きな影響を与えることができる。
【0122】
ステップ1140において、ステップ1136で決定された様々な運用評価スコア、評価、グレード、カテゴリ、またはクラスは、施設運用評価モジュール1207によって、施設全体の運用評価に集約される。この評価には、施設の有用性とコンプライアンスステータスの簡略化された見え方が含まれる場合があり、したがって、建物またはその運用に対するリスクの指標が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、この評価は、単一のスコア、パーセンテージ、色または数値のランク付け、または他の何らかの視覚的表現である。他の実施形態では、施設の異なる運用領域に関して、複数のスコアが提供される。決定または集約の後、施設全体の運用評価がクライアントデバイス130に送信される。
【0123】
図12は、いくつかの実施形態による施設情報アクセスシステム1200のブロック図である。施設情報アクセスシステム1200は、固体媒体1250内にあり、アクセスハッチ1210によって物理的にアクセス可能である陥凹領域1251内に設置される。施設情報アクセスシステム1200は、本明細書に記載のシステム110と実質的に同じまたは類似の構成要素を含むハウジングを備える。ハウジングは、固定ねじ1232及び1221によって固体媒体1250内に固定された壁1230、固定プレート1220、ならびにアクセスハッチ1210を備える。固定ネジ1221、1232は、不正アクセス及び破壊行為を制限するための改ざん防止ネジを含み得る。システム1200は、ハウジング壁1230によって画定されたチャンバ1212内の内部ハウジング1260とアクセスハッチ1210とをさらに備え、内部ハウジング1260は施設情報デバイスハウジング270を含む。ハウジング壁1230は、ハウジング壁1230の上部を固体媒体1250内に固定することを可能にするための上部フランジ1231をさらに含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、固体媒体1250は、徒歩でアクセスできるコンクリート舗装、歩道、土台、または他の固体媒体を含むことができ、舗装、床、または他の実質的に地表の高さの表面を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム1200は、施設の入口と近接距離内にある固体媒体1250内に設置される。例えば、システム1200は、施設の入口から1mから5mの間、または5mから50mの間に設置することができる。図12の実施形態による地下(地中)レベルへの設置によって、破壊行為、または歩行者の歩行、車両の通行、もしくは環境による摩滅からの施設情報デバイスの損傷の可能性を低減し得る。
【0125】
システム1200では、施設情報デバイス212は、環境から保護されたハウジング270内に収容されている。保護されたハウジング270は、チャンバ壁1230内に内部ハウジング1260によって画定される内部チャンバ内に配置されている。チャンバ壁1230は、上部フランジ1231が半径方向外側に延び、それによりファスナ1221が、固定プレート1220の開口部を介してフランジ1231を通り固体媒体1250内に突出することを可能にする、実質的に円筒形の形状または外形を有することができる。
【0126】
内部ハウジング1260は、アクセスハッチ1210と持ち上げ構成要素1265との間での圧縮状態で保持されることができる。いくつかの実施形態では、仰角要素1265は、ばねまたは他の付勢機構を備えることができる。アクセスハッチ1210が持ち上げられると、持ち上げ構成要素1265は、内部ハウジング1260の基部を線1270によって示されるレベルまで約10~30cm持ち上げることができ、その結果、内部ハウジング1260の上部は地表面の上方に延び、施設情報デバイスハウジング270及びデータアクセスポート235への妨げられないアクセスを提供する。
【0127】
主電源ケーブル230によって電力がシステム1200のデバイスハウジング270に供給され、施設情報デバイス212及びシステム1200のうちの電動構成要素に電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、主電源ケーブル230は、バッテリーバックアップ250を介してシステム1200に電力を供給し、主電源が遮断された場合に施設情報デバイス212によって使用される電力をバッテリーバックアップ250が蓄えることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、内部ハウジング1260は、内部ハウジング1260の上方への移動を妨げるためにハウジング壁1230に設けられた、1つ以上のラッチまたはキャッチペグ1272を備えたキャッチアンドリリースタイプ機構を有し得る。ラッチまたはキャッチペグ1272が、内部ハウジング1260の上方への移動を妨げないように移動されると、内部ハウジング1260は所定の高さまで上方に移動することができる。さらなるキャッチまたはラッチを壁1230内のより高い位置に配置することにより、持ち上げ構成要素1265が過度に延ばされるのを防ぎ、または緩和し、内部ハウジング1260が壁1230内から完全に引き抜かれるのを防ぐまたは緩和することができる。延長要素1275が過度に延ばされることを、内部ハウジング1260から外向きに拡張して、キャッチペグ1272に係止されることにより防ぐ、拡張部材1271が提供され得る。拡張部材1271は、例えば、ソレノイド作動のボルトもしくはロッド、または他の電動係止手段を含み得る。
【0129】
図12の実施形態では、施設情報デバイス212は、アンテナモジュール1241をさらに含み、任意選択で、電子ロック機構1240、空気特質センサ1242、及び換気モジュール1243のうちの1つ以上を含む。電子ロックモジュール1240は、電磁ロック、電子的に作動するラッチ機構、または施設情報デバイス270及び/または内部ハウジング1260への不正アクセスを防ぐまたは妨げるための他の電子ロック手段を含むことができる。
【0130】
アンテナモジュール1241は、ごく近傍のクライアントデバイスから施設情報デバイス212へのリモートアクセスを提供することができる。いくつかの実施形態では、アンテナモジュール1241は、近距離無線通信(NFC)アンテナ、RFIDアンテナ、ロッドまたはループタイプのアンテナ、または他の適切な無線トランシーバを備え得る。いくつかの実施形態では、アンテナモジュール1241は、RFIDタグまたは他の識別子などの電子識別手段が、アクセスハッチ1210に近位に近接しているかどうかを検出することができる。そのような実施形態では、アンテナモジュール1241によってそのような(許可された識別子に対応する)識別子が明確に検出されると、プロセッサ295による電子ロックモジュール1240の作動をもたらし、アクセスハッチ1210のロックが解除され、内部の構成要素へのアクセスを可能とすることができる。そのような動作では、プロセッサ295は、アンテナモジュール1241を介して受信データを処理し、受信データを、メモリ280に記憶された許可されたコードまたは識別子のライブラリと比較する。受信したデータが許可された識別子と一致する場合、プロセッサ295は、ロックモジュール1240のロックを解除するための信号を送信する。
【0131】
空気特質センサ1242は、施設情報アクセスシステム1200の近傍内の空気特質または環境情報を検出するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、空気特質センサ1242は、システム1200の周囲環境から空気の流れを引き込み、空気の1つ以上の属性を検出するための開口部を有する。例えば、空気特質センサは、温度、汚染物質レベル、または有害化学物質の存在のうちの1つ以上を検出するように構成され得る。検出された空気特質属性のうちの1つ以上が特定された閾値レベルを満たす場合、換気ファン1243がプロセッサ295によって作動されて、施設情報アクセスシステム1200の近くの空気を排出することができる。そのような動作において、メモリ280は、プロセッサ295が空気特質センサ1242から受信されるデータと比較することができる空気特質属性の閾値レベルのライブラリを含み得る。空気特質センサ1242からの受信データが、メモリ280に記憶された閾値レベルを超える、満たす、または下回る場合、プロセッサは、空気特質センサ1242からの受信データが受け入れ可能な閾値レベル内に属するまでの間、制御信号を送信して換気ファン1243を作動させることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、換気ファン1243の作動は、温度を調整するためにシステム全体に冷却効果を提供する。他の実施形態では、換気ファン1243を作動させて、内部ハウジング1260によって画定されるチャンバ1212から汚染物質を除去することができる。空気がチャンバ1212に出入りすることを可能にする一連の隠された通気孔を含むアクセスハッチ通気孔1211によって、換気がシステム1200に提供される。
【0133】
いくつかの実施形態では、プロセッサ295は、メモリ280内に記憶された閾値レベルと、空気特質センサ1242からのデータとを比較することによって、空気特質属性閾値が超過されていると判定することができる。次に、プロセッサ295は、(空気特質閾値が超過されたことを表示した)通知を、施設情報デバイス212から、クライアントデバイス130、施設情報管理サーバシステム140、または緊急応答サービス通信エンドポイント150宛に、データ供給ケーブル1225を介して送信することができる。他の実施形態では、通知は、アンテナモジュール1241またはデータアクセスポート235によってクライアントデバイス130宛に送信され得る。
【0134】
そのような実施形態では、通知は、システム1200の近くの空気特質属性が、指定された閾値レベルを超える、またはそれに近づいている可能性があることを表示し得る。
【0135】
本開示の広い全般的範囲から逸脱することなく、多くの変形及び修正が、上記の実施形態に対してなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
【0136】
図14は、いくつかの実施形態による、管理サーバアプリケーション146によって提供される施設運用評価ユーザインターフェイス1400のスクリーンショットを示している。ユーザインターフェイス1400は、施設全体の運用評価スコア領域または施設の健常性スコア領域1410を含む。施設の健常性スコア領域1410は、数値の健常性スコアと、施設の視覚的表示(例えば、異なる健常性レベルに赤、黄、及び緑の色を使用)を含み、関連するコンプライアンス及び安全要件に対する施設の全体的なコンプライアンスを表す。図示された施設の健常性スコアは、例えば、図11のフローチャートに図示されたステップに従って計算され得る。施設運用評価ユーザインターフェイス1400は、各インシデントの重要度のレベルによって分類された注意を必要とする施設に関連する運用インシデントの概要を表示する施設運用インシデント概要領域1420を備える。施設運用評価ユーザインターフェイス1400のインシデント詳細領域1430は、施設に関連して記録された運用インシデントの詳細なリスト、及び重要度のレベル、インシデントが識別された日付、及びインシデントの解決が未解決であった日数を含む、各インシデントに関連する追加の詳細などを表示する。施設運用評価ユーザインターフェイス1400の施設詳細概要領域1440は、例えば、施設の住所、適切な企業及び作業員の連絡先、及び階数を含む、施設に関連する様々な一般的な詳細を表示する。ユーザインターフェイス1400は、複数の施設に関連する運用評価データを表示することができる。これにより、ユーザインターフェイス1400は、複数の施設の運用の健常性の管理または監視を担当する個人または組織が、複数の施設の監視を一元的に管理するためのユーザインターフェイスを有効にすることができる。複数の施設の中から特定の施設を、施設選択領域1450を使用して選択して、選択された施設の特定の運用評価の詳細を表示することができる。
【0137】
管理サーバアプリケーション146は、ウェブブラウザを介してクライアントデバイス130にアクセス可能なウェブインターフェイスを提供することができる。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス130がスマートフォンまたはタブレットデバイスである場合、管理サーバアプリケーション146は、iOS(商標)互換性アプリケーションまたはAndroid(商標)互換アプリケーションなどのスマートフォンアプリケーション(「アプリ」)を介してクライアントデバイス130にアクセス可能であり得る。管理サーバアプリケーション146は、例えば、クライアントデバイスディスプレイ上に情報をインタラクティブに表示し、ユーザ入力をタッチインターフェイス経由などでキャプチャするために、クライアントデバイス130に対話型ユーザインターフェイスを生成するためにクライアントデバイス130によって呼び出され得るアクティブスクリプトモジュールなどの実行可能コードモジュールを含み得る。
【0138】
図15は、いくつかの実施形態による、管理サーバアプリケーション146の施設コンプライアンスガバナンスモジュール422によって提供される施設コンプライアンスドキュメント管理ユーザインターフェイス1500のスクリーンショットを示す。ドキュメント管理ユーザインターフェイス1500は、ドキュメントアップロード領域1510を含み、ユーザが、施設コンプライアンスドキュメントをアップロードすることができるフォルダ構造を選択することを可能にする。ドキュメント管理ユーザインターフェイス1500はまた、施設コンプライアンスドキュメントを変更するための対話型ユーザインターフェイスを提供する仮想コンプライアンスドキュメント編集インターフェイス1520を備える。仮想コンプライアンスドキュメント編集インターフェイス1520は、ユーザが1つまたは複数の施設コンプライアンス条件のステータスを管理(例えば、追加または更新)することを可能にするコンプライアンス条件ステータス管理領域1530を備えることができる。仮想コンプライアンスドキュメント編集インターフェイス1520はまた、証拠書類提出を各施設コンプライアンス条件とリンクすることを可能にするコンプライアンス条件証拠リンク領域1540を含み得る。仮想コンプライアンスドキュメント編集インターフェイス1520を使用して必要な変更が行われた後、更新されたコンプライアンスドキュメントは、アップロードボタン1550を使用してアップロードされ得る。
【0139】
図16は、いくつかの実施形態による、管理サーバアプリケーション146の施設コンプライアンスガバナンスモジュール422によって提供される施設管理スケジュール追跡ユーザインターフェイス1600のスクリーンショットである。施設管理スケジュール追跡ユーザインターフェイス1600は、領域1610の施設管理項目のリストと、領域1620の施設管理項目ステータスとを含む。施設管理項目は、所定の管理のスケジュールに従って、管理を必要とする可能性のある施設の特定の側面を示している場合がある。施設コンプライアンスガバナンスモジュール422は、所定の施設管理スケジュール及び施設情報リポジトリデータベース160内の施設の管理の履歴に関連する記録、延滞または間もなくまたは最近実行された施設に関連する管理項目のリストに基づいて決定することができる。
図1
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【国際調査報告】