(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】被服を通して装着式装置にワイヤレスで充電するための携帯バッテリパック
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220818BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20220818BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20220818BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20220818BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/12
H02J7/00 303C
H02J50/90
H02J7/00 301B
H01M10/46
H01F38/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575965
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020038207
(87)【国際公開番号】W WO2020257329
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521552914
【氏名又は名称】ヒューメイン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イムラン・エー・チャウドリ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジョセフ・ブランク
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・フッピー
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BB01
5G503DA07
5G503FA03
5G503GB08
5G503GD03
5H030AS06
5H030AS18
5H030DD18
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF52
(57)【要約】
ユーザの被服を通して携帯電子装置にワイヤレスで給電するための携帯バッテリパックが開示される。携帯バッテリパックは、装着式カメラなどの携帯電子装置との合わさりを容易にするために1つまたは複数の永久磁石を含む合わせ面を伴うハウジングを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルと、
前記バッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
金属接点が前記整流器かつバッテリ充電器に結合されるコネクタであって、入力電源に接続するために構成される、コネクタと、
送信用共振コンデンサを通して前記電力増幅器に結合される送信用コイルと
を備える、携帯バッテリパック。
【請求項2】
バッテリセルと、
前記バッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
受信用共振コンデンサを通して前記整流器かつバッテリ充電器に結合される受信用コイルと、
送信用共振コンデンサを通して前記電力増幅器に結合される送信用コイルと
を備える、携帯バッテリパック。
【請求項3】
コイルと、
バッテリセルと、
前記バッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
充電モードの動作の間、前記整流器かつバッテリ充電器に前記コイルを結合しかつ前記電力増幅器から前記コイルを切断するように、および電力伝送モードの動作の間、前記電力増幅器に前記コイルを接続しかつ前記整流器かつバッテリ充電器から前記コイルを切断するように構成されるスイッチング手段と
を備える、携帯バッテリパック。
【請求項4】
前記電力増幅器がシングルエンド形クラスEまたはクラスD電力増幅器である、請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯バッテリパック。
【請求項5】
前記電力増幅器がプッシュプル型クラスE電力増幅器である、請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯バッテリパック。
【請求項6】
前記送信用コイルが、プリント回路基板(PCB)上に螺旋巻きトレースを使用して構築され、そして前記送信用コイルによって発される磁場を成形するために前記PCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される、請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯バッテリパック。
【請求項7】
合わせ面を有するハウジングと、
携帯電子装置上の1つまたは複数の永久磁石と結合するための、前記合わせ面上に設けられる1つまたは複数の永久磁石と、
前記ハウジング内に固定されるバッテリセルと、
前記ハウジング内に固定されるプリント回路基板(PCB)であって、
前記バッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
金属接点が前記整流器かつバッテリ充電器に結合されるコネクタであり、入力電源に接続するために構成される、コネクタと、
送信用共振コンデンサを通して前記電力増幅器に結合される送信用コイルとを含む、PCBと
を備える、携帯バッテリパック。
【請求項8】
前記送信用コイルが、前記PCB上に螺旋巻きトレースを使用して構築され、そして前記送信用コイルによって発される磁場を成形するために前記PCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される、請求項7に記載の携帯バッテリパック。
【請求項9】
合わせ面を有するハウジングと、
携帯電子装置上の1つまたは複数の永久磁石と結合するための、前記合わせ面上に設けられる1つまたは複数の永久磁石と、
前記ハウジング内に固定されるバッテリセルと、
前記ハウジング内に固定されるプリント回路基板(PCB)であって、
前記バッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
受信用共振コンデンサを通して前記整流器かつバッテリ充電器に結合される受信用コイルと、
送信用共振コンデンサを通して前記電力増幅器に結合される送信用コイルとを含む、PCBと
を備える、携帯バッテリパック。
【請求項10】
前記送信用コイルが、前記PCB上に螺旋巻きトレースを使用して構築され、そして前記送信用コイルによって発される磁場を成形するために前記PCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される、請求項9に記載の携帯バッテリパック。
【請求項11】
合わせ面を有するハウジングと、
携帯電子装置上の1つまたは複数の永久磁石と結合するための、前記合わせ面上に設けられる1つまたは複数の永久磁石と、
前記ハウジング内に固定されるバッテリセルと、
前記ハウジング内に固定されるプリント回路基板(PCB)であって、
前記バッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
受信用共振コンデンサを通して前記整流器かつバッテリ充電器に結合される受信用コイルと、
前記電力増幅器に結合されるコイルと、
充電モードの動作の間、前記整流器かつバッテリ充電器に前記コイルを結合しかつ前記電力増幅器から前記コイルを切断するように、および電力伝送モードの動作の間、前記電力増幅器に前記コイルを接続しかつ前記整流器かつバッテリ充電器から前記コイルを切断するように構成されるスイッチング手段とを含む、PCBと
を備える、携帯バッテリパック。
【請求項12】
前記コイルが、前記PCB上に螺旋巻きトレースを使用して構築され、そして前記コイルによって発される磁場を成形するために前記PCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される、請求項11に記載の携帯バッテリパック。
【請求項13】
携帯バッテリパックであって、
第1の合わせ面を有する第1のハウジングと、
携帯電子装置上の第2の永久磁石と結合するための、前記第1の合わせ面上に設けられる第1の永久磁石と、
前記第1のハウジング内に固定される第1のバッテリセルと、
前記第1のハウジング内に固定される第1のプリント回路基板(PCB)であり、
前記第1のバッテリセルに結合される電力増幅器と、
前記第1のバッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、
金属接点が前記整流器かつバッテリ充電器に結合されるコネクタであり、入力電源に接続するために構成される、コネクタと、
送信用共振コンデンサを通して前記電力増幅器に結合される送信用コイルとを含む、第1のPCBとを含む、携帯バッテリパックと、
携帯電子装置であって、
第2の合わせ面を有する第2のハウジングと、
前記携帯バッテリパックの前記第1の合わせ面上に設けられる前記第1の永久磁石と結合するための、前記第2の合わせ面上に設けられる前記永久磁石と、
前記第2のハウジングに含まれる第2のバッテリと、
前記第2のハウジングに含まれかつ前記第2のバッテリに結合される受信用コイルとを含む、携帯電子装置と
を備える、ワイヤレス電力伝送システム。
【請求項14】
前記第2のハウジングに含まれる第2のPCBと、
前記第2のPCBに取り付けられるカメラであり、前記第2のハウジングにおける開口と整列させられたレンズを有するカメラと
を更に備える、請求項13に記載のワイヤレス電力伝送システム。
【請求項15】
前記送信用コイルが、前記第1のPCB上に螺旋巻きトレースを使用して構築され、そして前記送信用コイルによって発される磁場を成形するために前記第1のPCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される、請求項13に記載のワイヤレス電力伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月18日出願の、「Portable Battery Pack for Wirelessly Charging Body-Worn Devices Through Clothing」のための米国仮特許出願第62/863,216号からの優先権の利益を主張するものであり、同仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して携帯電子装置のための携帯バッテリパックに関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォンおよびタブレットコンピュータなどのモバイル装置に延長実行時間を供給するために、今日では再充電バッテリパックが商業的に入手可能である。バッテリパックの利点は、それがモバイル装置内へまたはそれから容易に入れ替えることができるということである。バッテリパックは、標準の電気コンセントを使用して再充電される。従来のバッテリパックは、電池セルならびにモバイル装置に充電を供給するためのおよび標準の壁コンセントを使用してバッテリパックを再充電するための回路網を含む。従来のバッテリパックは、バッテリパック上の正/負電力端子とモバイル装置上の対応する正/負電力端子との間の金属接触に依存する。従来のバッテリパックは、面上に置かれる移動電話およびタブレットコンピュータと十分に合わさるが、従来のバッテリパックは、装着式カメラなどのウェアラブルデバイスと使用するには不都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開第20180332211A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ユーザの被服を通して携帯電子装置にワイヤレスで給電するための携帯バッテリパックが開示される。
【0006】
一実施形態において、携帯バッテリパックは、バッテリセルと、バッテリセルに結合される電力増幅器と、バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、入力電源に接続するための、金属接点が整流器かつバッテリ充電器に結合されるコネクタと、送信用共振コンデンサを通して電力増幅器に結合される送信用コイルとを備える。
【0007】
一実施形態において、携帯バッテリパックは、バッテリセルと、バッテリセルに結合される電力増幅器と、バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、受信用共振コンデンサを通して整流器かつバッテリ充電器に結合される受信用コイルと、送信用共振コンデンサを通して電力増幅器に結合される送信用コイルとを備える。
【0008】
一実施形態において、携帯バッテリパックは、コイルと、バッテリセルと、バッテリセルに結合される電力増幅器と、バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、充電モードの動作の間、整流器かつバッテリ充電器にコイルを結合しかつ電力増幅器からコイルを切断するように、および電力伝送モードの動作の間、電力増幅器にコイルを接続しかつ整流器かつバッテリ充電器からコイルを切断するように構成されるスイッチング手段とを備える。一実施形態において、電力増幅器はシングルエンド形クラスEまたはクラスD電力増幅器である。一実施形態において、コイルは、プリント回路基板(PCB)上に螺旋巻きトレース(例えば、銅トレース)を使用して構築され、そして磁場を成形するためにPCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される。
【0009】
一実施形態において、携帯バッテリパックは、合わせ面を有するハウジングと、携帯電子装置上の1つまたは複数の永久磁石と結合するための、合わせ面上に設けられる1つまたは複数の永久磁石と、ハウジング内に固定されるバッテリセルと、ハウジング内に固定されるプリント回路基板(PCB)であって、バッテリセルに結合される電力増幅器と、バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、入力電源に接続するための、金属接点が整流器かつバッテリ充電器に結合されるコネクタと、送信用共振コンデンサを通して電力増幅器に結合される送信用コイルとを含む、PCBとを備える。
【0010】
一実施形態において、携帯バッテリパックは、合わせ面を有するハウジングと、携帯電子装置上の1つまたは複数の永久磁石と結合するための、合わせ面上に設けられる1つまたは複数の永久磁石と、ハウジング内に固定されるバッテリセルと、ハウジング内に固定されるプリント回路基板(PCB)であって、バッテリセルに結合される電力増幅器と、バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、受信用共振コンデンサを通して整流器かつバッテリ充電器に結合される受信用コイルと、送信用共振コンデンサを通して電力増幅器に結合される送信用コイルとを含む、PCBとを備える。
【0011】
一実施形態において、携帯バッテリパックは、合わせ面を有するハウジングと、携帯電子装置上の1つまたは複数の永久磁石と結合するための、合わせ面上に設けられる1つまたは複数の永久磁石と、ハウジング内に固定されるバッテリセルと、ハウジング内に固定されるプリント回路基板(PCB)であって、バッテリセルに結合される電力増幅器と、バッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、充電モードの動作の間、整流器かつバッテリ充電器にコイルを結合しかつ電力増幅器からコイルを切断するように、および電力伝送モードの動作の間、電力増幅器にコイルを接続しかつ整流器かつバッテリ充電器からコイルを切断するように構成されるスイッチング手段とを含む、PCBとを備える。
【0012】
一実施形態において、ワイヤレス電力伝送システムは、第1の合わせ面を有する第1のハウジングと、携帯電子装置上の第2の永久磁石と結合するための、第1の合わせ面上に設けられる第1の永久磁石と、第1のハウジング内に固定される第1のバッテリセルと、第1のハウジング内に固定される第1のプリント回路基板(PCB)であって、第1のバッテリセルに結合される電力増幅器と、第1のバッテリセルに結合される整流器かつバッテリ充電器と、入力電源に接続するための、金属接点が整流器かつバッテリ充電器に結合されるコネクタと、送信用共振コンデンサを通して電力増幅器に結合される送信用コイルとを含む、第1のPCBとを含む携帯バッテリパックを備える。
【0013】
ワイヤレス電力伝送システムは、第2の合わせ面を有する第2のハウジングと、携帯バッテリパックの第1の合わせ面上に設けられる第1の永久磁石と結合するための、第2の合わせ面上に設けられる永久磁石と、第2のハウジングに含まれる第2のバッテリと、第2のハウジングに含まれかつ第2のバッテリに結合される受信用コイルと、第2のハウジングに含まれる第2のPCBと、第2のPCBに取り付けられるカメラとを含む携帯電子装置を更に備える。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に開示される特定の実施形態は以下の利点の1つまたは複数を提供する。開示された携帯バッテリパックは、いかなる扱いにくい電源コードも使用することなくユーザの被服を通して携帯電子装置にワイヤレスで給電するために共振誘導充電を使用する。携帯装置は、1つまたは複数の永久磁石を使用して携帯電子装置と合わさる結果として、2つの別々の装置よりもむしろ単一の装置になる。携帯バッテリパックは、配線を外す必要なく別の携帯バッテリパックと容易に交換される。一実施形態において、携帯バッテリパックは、携帯バッテリパックが(例えば充電マットを使用して)ワイヤレス充電されるようにするために受信用コイルを、および携帯バッテリパックが標準のAC壁コンセントまたはトランス(「電源アダプタ(wall wart)」)を使用して充電されるようにするために電気コネクタも含む。一実施形態において、携帯パワーパックが電力伝送モードで動作しているか充電モードで動作しているかに応じて単一のコイルが受信コイルまたは送信コイルとして使用されるようにするためにコイルがスイッチに接続される。
【0015】
開示される実施形態の詳細が添付図面および以下の説明に明らかにされる。他の特徴、目的および利点は説明、図面および請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態に係る、ユーザの被服を通して携帯電子装置にワイヤレスで給電する携帯バッテリパックの斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る、組込みワイヤレス送電器を伴う携帯バッテリパックの概要図である。
【
図3】一実施形態に係る、携帯電子装置に電力を送る組込みワイヤレス送電器を伴う携帯バッテリパックの概要図である。
【
図4】一実施形態に係る、組込みワイヤレス送電器および携帯バッテリパックを充電するためのコネクタを伴う携帯バッテリパックの概要図である。
【
図5】一実施形態に係る、組込みワイヤレス送電器および携帯バッテリパックをワイヤレスで充電するための第2のコイルを伴う携帯バッテリパックの概要図である。
【
図6】一実施形態に係る、携帯電子装置に給電するためのかつ携帯バッテリパックを充電するための単一のコイルを伴う携帯バッテリパックの概要図である。
【
図7】一実施形態に係る、ワイヤレス電力伝送のためのシングルエンド形クラスE電力増幅器の概要図である。
【
図8】一実施形態に係る、ワイヤレス電力伝送のためのプッシュプル型クラスE変換器の概要図である。
【
図9a】一実施形態に係る、PCB上に設けられる平面コイルの上面図である。
【
図9b】一実施形態に係る、PCB上に設けられる平面コイルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な図面に使用される同じ参照記号は同様の要素を示す。
【0018】
図1は、一実施形態に係る、ユーザの被服121を通して携帯電子装置110にワイヤレスで給電する携帯バッテリパック100の斜視図である。携帯電子装置110は、米国特許公開第20180332211A1号に記載されているウェアラブルマルチメディアデバイスなどの任意の電子装置または回路であることができる。
【0019】
図示した例では、バッテリパック100は、上に永久磁石120(例えば、N極)が設けられる合わせ面を含み、そして携帯電子装置110は、上に永久磁石122(例えば、S極)が設けられる対応する合わせ面を有する。2つの永久磁石120、122が
図1に図示されるが、任意の所望の形状またはサイズを有する任意の数の永久磁石を合わせ面上に任意の所望のパターンで配置できる。
【0020】
永久磁石120、122は、携帯バッテリパック100および携帯電子装置110を共に被服121を間にして合わさった構成に保持する。一実施形態において、携帯バッテリパック100および電子装置110は同じ合わせ面寸法を有し、その結果、合わさった構成にあるときに張出し部分がない。ユーザは、自分の被服121の裏側に携帯バッテリパック100を置き、そして自分の被服121の外側で携帯バッテリパック100の上に携帯電子装置110を置き、その結果、永久磁石120、122が被服121を通して互いを引きつけることによって、自分の被服121に携帯電子装置110を磁気的に留める。一実施形態において、合わせ面は、合わさった構成にあるときに携帯電子装置110および携帯バッテリパック100の所望の位置合わせを容易にするための1つまたは複数の案内構造を含むことができる。ハウジングが正方形状として図示されるが、ハウジングは任意の所望の形状を有することができる。
【0021】
一実施形態において、携帯バッテリパック100および携帯電子装置は、携帯バッテリパック100の動作状態に関する視覚フィードバックを提供するために1つまたは複数の照明デバイス(例えば、LED)を含む。例えば、携帯バッテリパック100のLEDは残り電力または充電状態を示すことができる。一実施形態において、携帯バッテリパック100は、携帯電子装置110との合わさり成功を示す、または携帯バッテリパック100が電源に接続されているときに、触覚フィードバックを提供する触覚エンジン(例えば、リニアアクチュエータ)を含む。一実施形態において、携帯バッテリパック100は、別の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)によって携帯バッテリパック100を充電するための複数ポート(例えば、複数USBポート)を含む。
【0022】
図2は、一実施形態に係る、組込みワイヤレス送電器を伴う携帯バッテリパック100の概要図である。携帯バッテリパック100は、バッテリセル101、電力増幅器102、送信用共振コンデンサ103および送信用コイル104などの電子部品を搭載するためのプリント回路基板(PCB)(図示せず)を含む。一実施形態において、電力増幅器102は送信用コイル104へ電力を送る。送信用共振コンデンサ103および送信用コイル104は、共振誘導結合の原理を使用して携帯電子装置100にワイヤレスで給電するために使用される。一実施形態において、送信用コイル104は、
図9a~
図9bに図示されるように、PCBの平面上に螺旋として形成される平面銅巻き線である。代替実施形態において、送信用コイル104のために単層ソレノイドが使用される。素線間の適切な絶縁(例えば、誘電損失を最小化するスペーサ、低誘電率または低損失材料)を伴う波巻きリッツ線などの、他のコイル形状または型が使用されてよい。一実施形態において、使用可能な回路領域を増加させるために携帯バッテリパック100か携帯電子装置110かに2つ以上のPCBを積み重ねることができる。
【0023】
図3は、一実施形態に係る、携帯電子装置に電力を送る組込みワイヤレス送電器を伴う携帯バッテリパックの概要図である。合わさった構成では、携帯バッテリパック100の送信用コイル104は電力増幅器によって励磁されて、携帯電子装置110の受信用コイル114に結合される準静磁場を生じさせて疎結合トランスを形成する。送信用共振コンデンサ103および受信用共振コンデンサ113は、共振誘導結合が電力伝送を改善するようにする容量値を有する。携帯バッテリパック100から電力を受信しないときに携帯電子装置110に給電する任意選択の携帯電子装置バッテリ111(例えば、再充電バッテリ)も図示される。一実施形態において、送信用コイル104および受信用コイル114の寸法は等しいまたはほぼ等しく、そして分離距離はコイル寸法の約1/4より小さい。これにより電力効率が70%を超えるようになる。
【0024】
図4は、一実施形態に係る、組込みワイヤレス送電器および携帯バッテリパック100を充電するためのコネクタ130を伴う携帯バッテリパック100の概要図である。本実施形態において、金属接点を伴うコネクタ130はバッテリ充電器133に結合されており、これは、標準の壁コンセント(120V)を使用してバッテリセル101を充電するように構成される。一実施形態において、バッテリ充電器133は、充電電流および電圧を安全に調整し、充電状態を判定し、そして充電の終了時に切れるために整流回路、温度または電圧感知回路およびマイクロプロセッサコントローラを有してよい。
【0025】
図5は、一実施形態に係る、組込みワイヤレス送電器および携帯バッテリパック100をワイヤレスで充電するための第2の受信用コイル141を伴う携帯バッテリパック100の概要図である。この構成では、携帯バッテリパック100は、例えば充電マットによってワイヤレスで充電できる。受信用共振コンデンサ142が共振誘導結合を使用して最大電力伝送を保証する。一実施形態において、第2の受信用コイル141は、ワイヤレス充電のために使用されていないときにはワイヤレス通信のためのアンテナとして使用できる。例えば、ワイヤレス通信モードで動作するときに整流器かつバッテリ充電器140からワイヤレス送受信器(例えば、ブルートゥース、NFC、RFID)に第2の受信用コイル141の端子を切り替えるスイッチング手段を使用できる。
【0026】
図6は、一実施形態に係る、携帯電子装置110に給電するためのかつ携帯バッテリパック100を充電するための単一のコイル150を伴う携帯バッテリパック100の概要図である。本実施形態において、動作モードにおいて電力増幅器102に単一のコイル150を接続する、または充電モードにおいて整流器かつバッテリ充電器140に単一のコイル150を接続するために、スイッチング手段151が使用される。携帯バッテリパック100の充電モードのためにも動作モードのためにも単一のコイル150を使用することにより、スイッチング手段151は、電力増幅器102か整流器かつバッテリ充電器140かにコイル150を接続するために使用される。図示したスイッチング手段151は双極/双投リレーである。固体スイッチなどの、他のスイッチング手段も可能である。スイッチング手段151は、オフ状態において絶縁を達成するために出力端子間の低寄生容量も、オン状態において信号を通すために低接触抵抗も有する。
【0027】
図7は、一実施形態に係る、ワイヤレス電力伝送のためのシングルエンド形クラスE電力増幅器700の概要図である。電力増幅器700は、DCフィードインダクタ701、MOSFETスイッチ702、共振分路コンデンサ703(C1)、インピーダンス整合フィルタ704(L
FおよびC
F)、送信用共振コンデンサ705(C
TX)、送信用コイル706(L
TX)、受信用コイル707(L
RX)、受信用共振コンデンサ708a(C
RX1)および708b(C
RX2)、整流器およびフィルタ709(例えば、リプルを低減させるためのフィルタコンデンサと並列に結合される全波(完全ダイオード)整流器)を含む。送信用コイル706および受信用コイル707は疎結合トランスを形成する。
【0028】
図8は、一実施形態に係る、ワイヤレス電力伝送のためのプッシュプル型クラスE変換器800の概要図である。変換器800は、DCフィードインダクタ801a、801b、MOSFETスイッチ802a、802b、共振分路コンデンサ803a(C1)および803b(C2)、インピーダンス整合フィルタ804a、804b(インダクタL
FおよびコンデンサC
Fを含む)、送信用共振コンデンサ805a(C
TX1)および805b(C
TX2)、送信用コイル806(L
TX)、受信用コイル807(L
RX)、共振コンデンサ808a(C
RX1)および808b(C
RX2)ならびに整流器およびフィルタ809を含む。送信用コイル806および受信用コイル807は疎結合トランスを形成する。
【0029】
図7および
図8に図示される実施形態において、Z整合フィルタは、インダクタL
FおよびコンデンサC
Fを含み、そしてインピーダンス整合のために使用される。別の実施形態において、LCフィルタは省略され、そしてL
Fフィルタの代わりに短絡があり、C
Fの代わりに開路がある。本実施形態はクラスE電力増幅器を使用するが、クラスDまたは他の電力増幅器トポロジも利用できる。インダクタLFおよびコンデンサCFは、ローパスフィルタを構成する2ポートネットワークを形成し、そして電力増幅器102においてインピーダンス整合のために利用できる。
【0030】
一実施形態において、コイルはPCB上に螺旋巻きトレース(例えば、銅トレース)を使用して構築され、そして磁場を成形するためにPCBの裏にフェライト材料のシールドが使用される。フェライト材料の損失正接は、選ばれた動作周波数で低いべきである。別の実施形態において、コイル/シールドアセンブリの裏で更に磁場を減衰させるために、フェライトシールドの裏に金属、例えば銅またはアルミニウムの薄板が置かれる。
【0031】
一実施形態において、携帯バッテリパック100は、The Alliance for Wireless Power(A4WP)、the Power Matters Alliance(PMA)およびthe Wireless Power Consortium(WPCまたは「Qi」)規格の少なくとも1つに準拠するために必要とされる追加回路網を含む。
【0032】
図9a~
図9bは、一実施形態に係る、PCB上に設けられる平面コイルの上面および側面図である。本実施形態例において、PCB上に銅トレースが螺旋巻きにされる。銅トレースは、銅またはアルミニウムシールド上に任意選択で設けられる低損失磁性材料上に設けられる。用途および動作制約に応じて任意の所望の巻数を使用できる。
【符号の説明】
【0033】
100 携帯バッテリパック
101 バッテリセル
102 電力増幅器
103 送信用共振コンデンサ
104 送信用コイル
110 携帯電子装置
111 携帯電子装置バッテリ
113 受信用共振コンデンサ
114 受信用コイル
120 永久磁石
121 被服
122 永久磁石
130 コネクタ
133 バッテリ充電器
140 整流器かつバッテリ充電器
141 第2の受信用コイル
142 受信用共振コンデンサ
150 単一のコイル
151 スイッチング手段
700 電力増幅器
701 DCフィードインダクタ
702 MOSFETスイッチ
703 共振分路コンデンサ
704 インピーダンス整合フィルタ
705 送信用共振コンデンサ
706 送信用コイル
707 受信用コイル
708a、708b 受信用共振コンデンサ
709 整流器およびフィルタ
800 変換器
801a、801b DCフィードインダクタ
802a、802b MOSFETスイッチ
803a、803b 共振分路コンデンサ
804a、804b インピーダンス整合フィルタ
805a、805b 送信用共振コンデンサ
806 送信用コイル
807 受信用コイル
808a、808b 共振コンデンサ
809 整流器およびフィルタ
【国際調査報告】