(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】π電子対供与複素環式芳香族窒素含有化合物のコンジュゲート
(51)【国際特許分類】
A61K 47/56 20170101AFI20220818BHJP
A61K 47/58 20170101ALI20220818BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220818BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20220818BHJP
A61K 47/59 20170101ALI20220818BHJP
A61K 47/62 20170101ALI20220818BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20220818BHJP
A61K 47/61 20170101ALI20220818BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20220818BHJP
A61K 31/4172 20060101ALI20220818BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
A61K47/56
A61K47/58
A61K45/00
A61K38/02
A61K47/59
A61K47/62
A61K47/60
A61K47/61
A61K31/404
A61K31/4172
A61K31/4184
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575987
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2020067149
(87)【国際公開番号】W WO2020254603
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510209133
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビゼク,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスブロド,ザームエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076CC41
4C076EE06
4C076EE09
4C076EE10
4C076EE11
4C076EE12
4C076EE13
4C076EE15
4C076EE16
4C076EE22
4C076EE23
4C076EE24
4C076EE26
4C076EE27
4C076EE30
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE33
4C076EE37
4C076EE38
4C076EE41
4C076EE42
4C076EE59
4C076FF31
4C084AA17
4C084BA03
4C084NA03
4C084NA05
4C084NA12
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC13
4C086BC38
4C086BC39
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA03
4C086NA05
4C086NA12
(57)【要約】
本発明は、π電子対供与複素環式芳香族窒素含有薬物のコンジュゲート及びその薬学的に許容される塩、前記コンジュゲートを含む医薬組成物、並びに医薬としての前記コンジュゲートの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの-L
1-L
2-部分を介して少なくとも1つのZ部分にコンジュゲートしている少なくとも1つの-D部分を含むコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、-L
1-部分が-D部分のπ電子対供与複素環式芳香族Nにコンジュゲートしており、-Dと-L
1-の連結が可逆的であり、-L
2-部分がZにコンジュゲートしており、
各-Dが独立して薬物D-Hのπ電子対供与複素環式芳香族N含有部分であり、
各-L
2-が独立して単結合又はスペーサー部分であり、
各Zが独立してポリマー部分又はC
8~24アルキルであり、
各-L
1-が独立して式(I):
【化1】
[式中、
破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
nは、0、1、2、3及び4からなる群から選択される整数であり、
=X
1は、=O、=S及び=N(R
4)からなる群から選択され、
-X
2-は、-O-、-S-、-N(R
5)-及び-C(R
6)(R
6a)-からなる群から選択され、
-X
3-は、
【化2】
-C(R
10)(R
10a)-、-C(R
11)(R
11a)-C(R
12)(R
12a)-、-O-及び-C(O)-からなる群から選択され、
-R
1、-R
1a、-R
6、-R
6a、-R
10、-R
10a、-R
11、-R
11a、-R
12、-R
12a、並びにそれぞれの-R
2及び-R
2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
3、-R
4、-R
5、-R
7、-R
8及び-R
9は、-H、-T、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)-、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各Tは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で独立して場合により置換されており、
-R
13は、-H、-NO
2、-OCH
3、-CN、-N(R
14)(R
14a)、-OH、-C(O)OH及びC
1~6アルキルからなる群から選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
-R
14及び-R
14aは、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2、-R
6/-R
6a、-R
10/-R
10a、-R
11/-R
11a、-R
12/-R
12a及び-R
3/-R
9の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
1/-R
6、-R
1/-R
9、-R
1/-R
10、-R
2/-R
5、-R
3/-R
6a、-R
4/-R
5、-R
4/-R
6、-R
5/-R
10、-R
6/-R
10及び-R
11/-R
12の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
但し、-X
2-が-N(R
5)-である場合、-X
3-は、下記:
【化3】
からなる群から選択され、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のリンカー部分であり、
各-L
1-が、-L
2-で置換されており、場合により更に置換されている、
前記コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
-Dが、小分子、中等のサイズ、ペプチド及びタンパク質薬物部分からなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
-Dが小分子薬物部分である、請求項1又は2に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Zがポリマー部分である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Zが水不溶性ポリマー部分である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Zが、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物ベースポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、水不溶性ポリマー部分である、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Zがヒドロゲルである、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
ZがPEGベース又はヒアルロン酸ベースヒドロゲルである、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
ZがPEGベースヒドロゲルである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Zがヒアルロン酸ベースヒドロゲルである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Zが水溶性ポリマー部分である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
=X
1が=Oであり、-X
2-が-O-である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
=X
1が=Oであり、-X
2-が-N(R
5)-である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
-L
2-がスペーサー部分である、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
-L
2-が14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
-L
2-が、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y1)-、-S(O)
2N(R
y1)-、-S(O)N(R
y1)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
y1)S(O)
2N(R
y1a)-、-S-、-N(R
y1)-、-OC(OR
y1)(R
y1a)-、-N(R
y1)C(O)N(R
y1a)-、-OC(O)N(R
y1)-、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル、及びC
2~50アルキニルからなる群から選択されるスペーサー部分であり、-T'-、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2で場合により置換されており、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y3)-、-S(O)
2N(R
y3)-、-S(O)N(R
y3)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
y3)S(O)
2N(R
y3a)-、-S-、-N(R
y3)-、-OC(OR
y3)(R
y3a)-、-N(R
y3)C(O)N(R
y3a)-及び-OC(O)N(R
y3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
y1及び-R
y1aが、-H、-T'、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルからなる群から独立して選択され、-T'、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2で場合により置換されており、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y4)-、-S(O)
2N(R
y4)-、-S(O)N(R
y4)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
y4)S(O)
2N(R
y4a)-、-S-、-N(R
y4)-、-OC(OR
y4)(R
y4a)-、-N(R
y4)C(O)N(R
y4a)-、及び-OC(O)N(R
y4)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各T'が、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から独立して選択され、各T'が、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2で独立して場合により置換されており、
各-R
y2が、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR
y5、-OR
y5、-C(O)R
y5、-C(O)N(R
y5R
y5a)、-S(O)
2N(R
y5R
y5a)、-S(O)N(R
y5R
y5a)、-S(O)
2R
y5、-S(O)R
y5、-N(R
y5)S(O)
2N(R
y5aR
y5b)、-SR
y5、-N(R
y5R
y5a)、-NO
2、-OC(O)R
y5、-N(R
y5)C(O)R
y5a、-N(R
y5)S(O)
2R
y5a、-N(R
y5)S(O)R
y5a、-N(R
y5)C(O)OR
y5a、-N(R
y5)C(O)N(R
y5aR
y5b)、-OC(O)N(R
y5R
y5a)、及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、ここでC
1~6アルキルが、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-R
y3、-R
y3a、-R
y4、-R
y4a、-R
y5、-R
y5a及び-R
y5bが、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキルが、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている、
請求項1から15のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
-R
3により提示される1つの水素が-L
2-で置き換えられる、請求項1から16のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Zと-L
2-の連結が安定である、請求項1から17のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
-L
1-が、式(Ix):
【化4】
[式中、破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
=X
1、-R
1、-R
1a、-R
2、-R
2a、-R
3、-R
5及びnは、請求項1に定義された通りに使用され、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
2/-R
5及び-R
4/-R
5の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
式(Ix)のアスタリスクで標示される窒素原子とアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のものである、請求項1から11及び13から18のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
式(Ix)の-R
5がメチルである、請求項19に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
式(Ix)の-R
1及び-R
1aが両方とも-Hである、請求項19又は20に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項23】
医薬として使用するための、請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
D-Hで治療され得る疾患を治療する方法に使用するための、請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項25】
D-Hにより予防又は治療され得る疾患を予防する又は疾患を患っている患者を治療する方法であって、有効量の請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩又は請求項22に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、π電子対供与複素環式芳香族窒素含有薬物のコンジュゲート及びその薬学的に許容される塩、前記コンジュゲートを含む医薬組成物、並びに医薬としての前記コンジュゲートの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物の物理化学的又は薬物動態学的特性、例えばin vivo循環半減期を改善するために、そのような薬物は、担体、例えばポリマーにコンジュゲートされ得る。典型的には、薬物送達におけるポリマーは、薬物とポリマーとの非共有結合的錯化、ポリマー中の薬物の包埋で、又はポリマー部分への薬物の共有結合的コンジュゲーションにより使用される。
【0003】
しかし、非共有結合的アプローチは、投与後の薬物-ポリマー錯体の分解による薬物の非制御バースト型放出を防止するために、高効率の薬物カプセル化を必要とする。非結合の水溶性薬物分子の拡散を抑制するには、疎水性部分及び静電結合のための荷電部分を介して頻繁に媒介される強いファンデルワールス接触が必要である。多くの立体配座的に感受性の薬物、例えばタンパク質又はペプチドは、錯化プロセス中、及び/又は非共有結合した薬物のその後の保存中に機能不全となる。
【0004】
或いは、薬物は、薬物が放出される安定したリンカー又は可逆的リンカーを介してポリマー部分に共有結合的にコンジュゲートされ得る。薬物がポリマー部分に安定的にコンジュゲートされる場合、そのようなコンジュゲートは、医薬効果を有するために十分な残留活性を示す必要があり、故にコンジュゲートは常に活性な形態である。
【0005】
可逆的リンカーを介して薬物をポリマー部分にコンジュゲートすることの1つの利点は、薬物がその薬理学的効果をコンジュゲートからの放出時に示すので、コンジュゲートの残留活性を必要としないことである。コンジュゲートは、薬物活性を示さない又はほとんど示さないことがあり、すなわち、コンジュゲートは、薬理学的に不活性である。このアプローチは、いわゆる小分子から、天然物、大きいタンパク質までの全てのクラスの分子に適用される。そのようなコンジュゲートの薬物は、ポリマー部分と薬物部分の連結の酵素的若しくは非酵素的切断により、又は両方の組み合わせにより放出され得る。しかし、酵素依存性は通常、あまり好ましくなく、それは、酵素レベルが患者間で著しく変動することがあり、それにより正確な投与が困難となるからである。
【0006】
WO2005/099768A2、WO2009/095479A2及びWO2016/196124A2は、薬物部分が、例えばアミド結合の形成により、アミン、例えば脂肪族アミンを介して一時的リンカーに可逆的に接続する、担体連結プロドラッグを開示する。そのような脂肪族アミンは、水素及びアルキル置換基のみからなる。WO2011/012722A1は、薬物部分が、これらの芳香族アミンを介し、アミド結合の形成を介して可逆的リンカーに結合する、担体連結プロドラッグを開示する。そのような芳香族アミンは、アミンの窒素原子が結合している芳香族環を含み、このことは、芳香族アミンの窒素原子が芳香族環系の一部ではないことを意味する。前述された特許出願は、脂肪族及び芳香族アミンを含む薬物部分をコンジュゲートに変換する能力については報告しているが、これらは、薬物分子のπ電子対供与複素環式芳香族窒素を可逆的リンカーへの連結点として明示的に用いる能力については探究していない。そのような部分は通常、良好な脱離基であるので、前述されたリンカーを介してそのような部分にコンジュゲートしている任意のポリマーは、切断されるのが速すぎて意味のある半減期延長を提供することができない場合があることが予期される。したがって、リンカー結合がπ電子対供与複素環式芳香族窒素にて行われるコンジュゲートの必要性が依然として存在する。
【0007】
WO2008/076225A2は、リンカー部分が、インダゾール環内に位置する窒素原子のうちの1つに結合している、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤のプロドラッグを開示する。これらのプロドラッグは、尿素結合の加水分解又は環化、例えば、生理学的pH(例えば約7を超えるpH)での尿素結合へのアミンの求核付加により、これらの対応する薬物に変換される。しかし、WO2008/076225A2は、薬物をポリマー部分に結合することを開示しておらず、故に、前記薬物を、可逆的リンカーを介してポリマー部分に可逆的及び共有結合的にコンジュゲートすることにより、薬物の薬物動態及び治療指数を改善する方法については教示していない。したがって、前記コンジュゲートは、例えば、薬物の循環半減期を著しく伸ばすものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記に記載の欠点を少なくとも部分的に克服することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、少なくとも1つの-L1-L2-部分を介して少なくとも1つのZ部分にコンジュゲートしている少なくとも1つの-D部分を含むコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、-L1-部分が-D部分のπ電子対供与複素環式芳香族Nにコンジュゲートしており、-Dと-L1-の連結が可逆的であり、-L2-部分がZにコンジュゲートしており、
各-Dが独立して薬物D-Hのπ電子対供与複素環式芳香族N含有部分であり、
各-L2-が独立して単結合又はスペーサー部分であり、
各Zが独立してポリマー部分又はC8~24アルキルであり、
各-L1-が独立して式(I):
【0010】
【化1】
[式中、
破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
nは、0、1、2、3及び4からなる群から選択される整数であり、
=X
1は、=O、=S及び=N(R
4)からなる群から選択され、
-X
2-は、-O-、-S-、-N(R
5)-及び-C(R
6)(R
6a)-からなる群から選択され、
-X
3-は、
【0011】
【化2】
-C(R
10)(R
10a)-、-C(R
11)(R
11a)-C(R
12)(R
12a)-、-O-及び-C(O)-からなる群から選択され、
-R
1、-R
1a、-R
6、-R
6a、-R
10、-R
10a、-R
11、-R
11a、-R
12、-R
12a、並びにそれぞれの-R
2及び-R
2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)-、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
3、-R
4、-R
5、-R
7、-R
8及び-R
9は、-H、-T、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)-、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各Tは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で独立して場合により置換されており、
-R
13は、-H、-NO
2、-OCH
3、-CN、-N(R
14)(R
14a)、-OH、-C(O)OH及びC
1~6アルキルからなる群から選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
-R
14及び-R
14aは、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2、-R
6/-R
6a、-R
10/-R
10a、-R
11/-R
11a、-R
12/-R
12a及び-R
3/-R
9の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
1/-R
6、-R
1/-R
9、-R
1/-R
10、-R
2/-R
5、-R
3/-R
6a、-R
4/-R
5、-R
4/-R
6、-R
5/-R
10、-R
6/-R
10及び-R
11/-R
12の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
但し、-X
2-が-N(R
5)-である場合、-X
3-は、下記:
【0012】
【化3】
からなる群から選択され、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のリンカー部分であり、
各-L
1-が、-L
2-で置換されており、場合により更に置換されている、
コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩によって達成される。
【0013】
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの-L1-L2-部分を介して少なくとも1つのZ部分にコンジュゲートしている少なくとも1つの-D部分を含み、-L1-部分は-D部分のπ電子対供与複素環式芳香族Nにコンジュゲートしており、-Dと-L1-の連結は可逆的であり、-L2-部分はZにコンジュゲートしており、
各-Dは独立して薬物D-Hのπ電子対供与複素環式芳香族N含有部分であり、
各-L2-は独立して単結合又はスペーサー部分であり、
各Zは独立してポリマー部分又はC8~24アルキルであり、
各-L1-は独立して式(I):
【0014】
【化4】
[式中、
破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
nは、0、1、2、3及び4からなる群から選択される整数であり、
=X
1は、=O、=S及び=N(R
4)からなる群から選択され、
-X
2-は、-O-、-S-、-N(R
5)-及び-C(R
6)(R
6a)-からなる群から選択され、
-X
3-は、
【0015】
【化5】
-C(R
10)(R
10a)-、-C(R
11)(R
11a)-C(R
12)(R
12a)-、-O-及び-C(O)-からなる群から選択され、
-R
1、-R
1a、-R
6、-R
6a、-R
10、-R
10a、-R
11、-R
11a、-R
12、-R
12a、並びにそれぞれの-R
2及び-R
2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)-、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
3、-R
4、-R
5、-R
7、-R
8及び-R
9は、-H、-T、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)-、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各Tは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で独立して場合により置換されており、
-R
13は、-H、-NO
2、-OCH
3、-CN、-N(R
14)(R
14a)、-OH、-C(O)OH及びC
1~6アルキルからなる群から選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
-R
14及び-R
14aは、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2、-R
6/-R
6a、-R
10/-R
10a、-R
11/-R
11a及び-R
12/-R
12aの対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
1/-R
6、-R
1/-R
9、-R
1/-R
10、-R
3/-R
6a、-R
4/-R
5、-R
4/-R
6、-R
5/-R
10及び-R
6/-R
10の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
但し、-X
2-が-N(R
5)-である場合、-X
3-は、下記:
【0016】
【化6】
からなる群から選択され、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のリンカー部分であり、
各-L
1-は、-L
2-で置換されており、場合により更に置換されている。
【0017】
驚くべきことに、式(I)の可逆的リンカー部分-L1-は、有利な特性、例えば、これらのπ電子対供与複素環式芳香族窒素のうちの1個にて前記可逆的リンカー部分に結合している薬物部分に適切な放出半減期を提供する特性を有することが見出された。これは、π電子対供与複素環式芳香族窒素含有部分が、薬物投与の頻度を低減させることに適さない半減期をもたらす良好な脱離基であることが予期され得るので、驚くべきことである。また、驚くべきことに、本発明のコンジュゲート内にそのような良好な脱離基を有するにもかかわらず、本出願人がこれらの安定した保存のための条件を特定できたことも見出された。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の意味の範囲内において、用語は以下の通りに使用される。
【0019】
本明細書に使用されるとき、用語「π-電子対供与複素環式芳香族N含有部分」は、-Dと-L1-の連結が開裂した後に薬物D-Hを生じる部分を指し、薬物部分の-D及び対応するD-Hも同様に、芳香族π系にπ電子対を供与する少なくとも1個、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の複素環式芳香族窒素原子を含む。芳香族π系にπ電子対を供与するそのような複素環式芳香族窒素を含む化学構造の例には、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、イソインダゾール、インドール、インダゾール、プリン、テトラゾール、トリアゾール及びカルバゾールが含まれるが、これらに限定されない。例えば、下記のイミダゾール環において芳香族π系にπ電子対を供与する複素環式芳香族窒素は、「#」で標示される。
【0020】
【0021】
π電子対供与複素環式芳香族窒素原子は、1個の電子のみ(すなわち、1対のπ電子ではない)を芳香族π系に供与する複素環式芳香族窒素原子、例えば、上述されたイミダゾール環構造に「§」で標示されている窒素を含まない。薬物D-Hは、例えば1個の水素原子が少なくとも2個の複素環式芳香族窒素原子の間を移動する、1つ以上の互変異性形態で存在してもよい。全てのそのような場合において、リンカー部分は、芳香族π系にπ電子対を供与する複素環式芳香族窒素に共有結合的及び可逆的に結合する。
【0022】
本明細書に使用されるとき、用語「薬物」は、疾患の治療、治癒、予防若しくは診断に使用される又はそうでなければ患者の身体的若しくは精神的な健康を増強するために使用される物質を指す。薬物が別の部分にコンジュゲートする場合、得られた生成物の薬物に由来する部分は「薬物部分」と呼ばれる。
【0023】
本明細書に使用されるとき、用語「部分」は、対応する試薬と比較して1個以上の原子を欠いている、分子の一部を意味する。例えば、式「H-X-H」の試薬が別の試薬と反応し、反応生成物の一部になる場合、反応生成物の対応する部分は、構造「H-X-」又は「-X-」を有し、ここで各「-」は別の部分への結合を示す。したがって、薬物部分は可逆的連結から薬物として放出される。
【0024】
原子群の配列又は化学構造が提供され、この原子群が2つの部分に結合する又は部分を中断する場合、前記配列又は化学構造は、特に明示的に記述されない限り2つの部分にいずれかの方向で結合し得ることが理解される。例えば、「-C(O)N(Rx)-」部分は、「-C(O)N(Rx)-」又は「-N(Rx)C(O)-」のいずれかとして2つの部分に結合し得る又は1つの部分を中断し得る。同様に、下記:
【0025】
【0026】
【0027】
【化10】
のいずれかとして2つの部分に結合し得る又は1つの部分を中断し得る。
【0028】
本明細書に使用されるとき、用語「試薬」は、別の化学化合物又は薬物の官能基と反応する少なくとも1つの官能基を含む化学化合物を意味する。官能基を含む薬物も試薬であることが理解される。
【0029】
本発明のコンジュゲートはプロドラッグであることが当業者により認識される。本明細書に使用されるとき、用語「プロドラッグ」は、少なくとも1つの-L1-L2-部分を介してポリマー部分、例えばZに可逆的及び共有結合的にコンジュゲートしている薬物部分を指す。プロドラッグは、可逆的及び共有結合的に結合した薬物部分-Dをその対応する薬物D-Hの形態で放出する。換言すると、プロドラッグは、少なくとも1つの-L1-L2-部分を介してポリマー部分に共有結合的及び可逆的にコンジュゲートしている薬物部分を含むコンジュゲートである。そのようなプロドラッグ又はコンジュゲートは、以前はコンジュゲートしていた薬物部分を遊離薬物の形態で放出する。
【0030】
本明細書に使用されるとき、用語「可逆的連結」又は「生分解性連結」は、生理学的条件下、酵素の非存在下で開裂される連結であり、生理学的条件は、pH7.4及び37℃での水性緩衝液であり、半減期は1時間から6か月間、例えば1時間から4か月間、例えば1時間から3か月間、1時間から2か月間又は1時間から1か月間の範囲である。しかし、可逆的連結はまた、1時間から6か月間の範囲の半減期で、他の条件、例えば異なるpH又は異なる温度で開裂され得るが、可逆性を判定するテストは、上記に記載の生理学的条件(水性緩衝液、pH7.4、37℃)で実施されることが理解される。したがって、「安定した連結」は、6か月間を超える生理学的条件下での半減期を有する連結である。
【0031】
本明細書に使用されるとき、本発明のコンジュゲートを含む医薬製剤又は組成物に関する「安定した」及び「安定性」という用語は、保存時間後、例えば1か月、2か月、4か月、6か月、8か月、12か月、18か月、24か月、36か月後、特に示された保存時間後、医薬製剤又は組成物が、薬物の5%未満をその遊離形態で含むことを意味する。
【0032】
本明細書に使用されるとき、用語「可逆的リンカー部分」は、可逆的連結を介して薬物部分に共有結合的にコンジュゲートしており、且つ-L2-部分を介してZ部分にも共有結合的にコンジュゲートしている部分である。ある特定の実施形態において、Zと-L2-の連結は、安定した連結である。
【0033】
本明細書に使用されるとき、数値と組み合わせた「約」という用語は、数値プラスマイナス前記数値の10%以下(この数値を含む)、ある特定の実施形態では前記数値の8%以下(この数値を含む)、ある特定の実施形態では前記数値の5%以下(この数値を含む)、及びある特定の実施形態では前記数値の2%以下(この数値を含む)からの範囲を示すために使用される。例えば、語句「約200」は、200+/-10%(この値を含む)からの範囲、すなわち180から220(これらの値を含む)の範囲、ある特定の実施形態では200+/-8%、すなわち184から216(これらの値を含む)の範囲、ある特定の実施形態では200+/-5%(この値を含む)からの範囲、すなわち190から210(これらの値を含む)の範囲、及びある特定の実施形態では200+/-2%、すなわち196から204(これらの値を含む)の範囲を意味するために使用される。「約20%」と提示される百分率は、「20%+/-10%」を意味しない、すなわち10から30%(これらの値を含む)の範囲を意味しないで、「約20%」は、18から22%(これらの値を含む)の範囲を意味する、すなわち20である数値のプラスマイナス10%を意味することが理解される。
【0034】
本明細書に使用されるとき、用語「C1~4アルキル」は、単独で又は組み合わせにおいて、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖又は分岐鎖C1~4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルである。分子の2つの部分がC1~4アルキルで連結している場合、そのようなC1~4アルキル基の例は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(C2H5)-、-C(CH3)2-である。C1~4アルキル炭素における各水素は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合によりC1~4アルキルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0035】
本明細書に使用されるとき、用語「C1~6アルキル」は、単独で又は組み合わせにおいて、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖及び分岐鎖C1~6アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルである。分子の2つの部分がC1~6アルキル基で連結している場合、そのようなC1~6アルキル基の例は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(C2H5)-及び-C(CH3)2-である。C1~6炭素における各水素原子は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合によりC1~6アルキルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0036】
したがって、「C1~10アルキル」、「C1~20アルキル」、「C8~24アルキル」又は「C1~50アルキル」は、それぞれ1~10個、1~20個、8~24個又は1~50個の炭素原子を有するアルキル鎖を意味し、C1~10、C1~20、C8~24又はC1~50炭素における各水素原子は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合によりC1~10アルキル、C1~20アルキル、C8~24アルキル又はC1~50アルキルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0037】
本明細書に使用されるとき、用語「C2~6アルケニル」は、単独で又は組み合わせにおいて、2~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐鎖炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-CH=CH2、-CH=CH-CH3、-CH2-CH=CH2、-CH=CHCH2-CH3及び-CH=CH-CH=CH2である。分子の2つの部分がC2~6アルケニル基で連結している場合、そのようなC2~6アルケニルの例は-CH=CH-である。C2~6アルケニル部分の各水素原子は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合によりC2~6アルケニルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0038】
したがって、用語「C2~10アルケニル」、「C2~20アルケニル」又は「C2~50アルケニル」は、単独で又は組み合わせにおいて、それぞれ2~10個、2~20個又は2~50個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐鎖炭化水素部分を意味する。C2~10アルケニル、C2~20アルケニル又はC2~50アルケニル基の各水素原子は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合によりC2~10アルケニル、C2~20アルケニル又はC2~50アルケニルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0039】
本明細書に使用されるとき、用語「C2~6アルキニル」は、単独で又は組み合わせにおいて、2~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分岐鎖炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-C≡CH、-CH2-C≡CH、CH2-CH2-C≡CH及びCH2-C≡C-CH3である。分子の2つの部分がアルキニル基で連結している場合、例は-C≡C-である。C2~6アルキニル基の各水素原子は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合により1つ以上の二重結合が生じ得る。場合によりC2~6アルキニルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0040】
したがって、本明細書に使用されるとき、用語「C2~10アルキニル」、「C2~20アルキニル」及び「C2~50アルキニル」は、単独で又は組み合わせにおいて、それぞれ2~10個、2~20個又は2~50個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分岐鎖炭化水素部分を意味する。C2~10アルキニル、C2~20アルキニル又はC2~50アルキニル基の各水素原子は、下記に定義される置換基で場合により置き換えられていてもよい。場合により1つ以上の二重結合が生じ得る。場合によりC2~10アルキニル、C2~20アルキニル又はC2~50アルキニルは、下記に定義される1つ以上の部分で中断され得る。
【0041】
上記に記述されたように、C1~4アルキル、C1~6アルキル、C1~10アルキル、C1~20アルキル、C1~50アルキル、C8~24アルキル、C2~6アルケニル、C2~10アルケニル、C2~20アルケニル、C2~50アルケニル、C2~6アルキニル、C2~10アルキニル、C2~20アルケニル又はC2~50アルキニルは、ある特定の実施形態では、下記:
【0042】
【化11】
[式中、
破線は、部分又は試薬の残りの部分への結合を示し、
-R及び-R
aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される]
からなる群から選択される1つ以上の部分で場合により中断され得、これらの部分及び連結は場合により更に置換されている。
【0043】
本明細書に使用されるとき、用語「C3~10シクロアルキル」は、3~10個の炭素原子を有する環状アルキル鎖を意味し、飽和又は不飽和であってもよく、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルである。C3~10シクロアルキル炭素における各水素原子は、下記に定義される置換基で置き換えられていてもよい。用語「C3~10シクロアルキル」は、ノルボルナン又はノルボルネンのような架橋二環も含む。
【0044】
本明細書に使用されるとき、用語「8~30員カルボポリシクリル」又は「8~30員炭素多環(carbopolycycle)」は、2つの隣接する環が少なくとも1個の環原子を共有し、最大数までの二重結合を含有し得る(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)、8~30個の環原子を有する2環以上の環状部分を意味する。ある特定の実施形態において、8~30員カルボポリシクリルは、2、3、4又は5環の環状部分を意味する。ある特定の実施形態において、8~30員カルボポリシクリルは、2、3又は4環の環状部分を意味する。
【0045】
本明細書に使用されるとき、用語「3~10員ヘテロシクリル」又は「3~10員複素環」は、最大数までの二重結合を含有し得る(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)、3、4、5、6、7、8、9又は10個の環原子を有する環を意味し、少なくとも1個の環原子から4個までの環原子は、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子に置き換えられており、環は、炭素又は窒素原子を介して分子の残りの部分に連結している。3~10員複素環の例には、アジリジン、オキシラン、チイラン、アジリン、オキシレン、チイレン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジアゾール、チアジアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアジアゾリジン、スルホラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、テトラゾール、トリアゾール、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ジアゼパン、アゼピン及びホモピペラジンが含まれるが、これらに限定されない。3~10員ヘテロシクリル又は3~10員複素環式基の各水素原子は、下記に定義される置換基で置き換えられていてもよい。
【0046】
本明細書に使用されるとき、用語「8~11員ヘテロビシクリル」又は「8~11員複素二環(heterobicycle)」は、8~11個の環原子を有する2環の複素環式部分を意味し、ここで、少なくとも1個の環原子が両方の環に共有され、最大数までの二重結合を含有し得(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)、少なくとも1個の環原子から6個までの環原子は、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子に置き換えられており、環は、炭素又は窒素原子を介して分子の残りの部分に連結している。8~11員複素二環の例は、インドール、インドリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾリン、キノリン、キナゾリン、ジヒドロキナゾリン、キノリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、イソキノリン、デカヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロイソキノリン、ベンゾアゼピン、プリン及びプテリジンである。8~11員複素二環の用語には、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンのような2環のスピロ構造又は8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンのような架橋複素環も含まれる。8~11員ヘテロビシクリル又は8~11員複素二環炭素における各水素原子は、下記に定義される置換基で置き換えられていてもよい。
【0047】
同様に、用語「8~30員ヘテロポリシクリル」又は「8~30員複素多環(heteropolycycle)」は、2つの隣接する環が少なくとも1個の環原子を共有し、最大数までの二重結合を含有し得る(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)、8~30個の環原子を有する2つを超える環、ある特定の実施形態では3、4又は5環の複素環式部分を意味し、少なくとも1個の環原子から10個までの環原子は、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子に置き換えられており、環は、炭素又は窒素原子を介して分子の残りの部分に連結している。
【0048】
下記構造の部分
【0049】
【化12】
に関して「-R
x/-R
y対は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成する」という語句は、R
x及びR
yが以下の構造:
【0050】
【化13】
(式中、RはC
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルである)
を形成することを意味することが理解される。
【0051】
下記構造の部分
【0052】
【化14】
に関して「-R
x/-R
y対は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成する」という語句は、R
x及びR
yが以下の構造:
【0053】
【化15】
を形成することを意味することも理解される。
【0054】
下記構造の部分
【0055】
【化16】
に関して「-R
1及び隣接-R
2は炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とする」という語句は、例えば、nが1の場合、-R
1及び隣接-R
2は以下の構造:
【0056】
【化17】
を形成し、例えば、nが2の場合、R
1及び隣接-R
2は以下の構造:
【0057】
【化18】
を形成することを意味し、式中、波線結合は、-R
1a及び-R
2aが二重結合の同じ側にあり得る、すなわち、シス配置であり得ること、又は二重結合の反対側にあり得る、すなわち、トランス配置であり得ることを意味し、用語「隣接」は、-R
1及び-R
2が、隣同士にある炭素原子に結合していることを意味することも理解される。
【0058】
下記構造の部分
【0059】
【化19】
に関して「2つの隣接-R
2は炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とする」という語句は、例えば、nが2の場合、2つの隣接-R
2は以下の構造
【0060】
【化20】
を形成することを意味し、式中、波線結合は、各-R
2aが二重結合の同じ側にあり得る、すなわち、シス配置であり得ること、又は二重結合の反対側にあり得る、すなわち、トランス配置であり得ることを意味し、用語「隣接」は、2つの-R
2が、隣同士にある炭素原子に結合することを意味することも理解される。
【0061】
本明細書に使用されるとき、用語「賦形剤」は、希釈剤、アジュバント又はビヒクルを指し、これらと共に治療薬、例えば薬物又はコンジュゲートが投与される。そのような医薬賦形剤は、滅菌液体、例えば水であってもよく、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等が含まれるが、これらに限定されない、石油、動物、植物又は合成由来のものが含まれる油であってもよい。医薬組成物が経口投与される場合、水が好ましい賦形剤である。医薬組成物が静脈内投与される場合、食塩水及び水性デキストロースが好ましい賦形剤である。食塩溶液、並びに水性デキストロース及びグリセロール溶液が、注射溶液用の液体賦形剤として好ましく用いられる。適切な医薬賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、トレハロース、ゼラチン、モルト、コメ、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、水、エタノール等が含まれる。医薬組成物は、望ましい場合、微量の湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤等、例えば、アセテート(酢酸塩)、スクシネート(コハク酸塩)、トリス、カーボネート(炭酸塩)、ホスフェート(リン酸塩)、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)を含有することもできる、或いは洗剤、例えばTween(登録商標)、ポロキサマー、ポロキサミン、CHAPS、Igepal(登録商標)、又はアミノ酸等、例えばグリシン、リシン若しくはヒスチジンを含有することができる。これらの医薬組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出製剤等の形態をとることができる。医薬組成物は、伝統的な結合剤及び賦形剤、例えばトリグリセリドを用いて坐剤として処方され得る。経口製剤は、標準的な賦形剤、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等を含むことができる。そのような組成物は、患者への適切な投与のための形態を提供するように、治療有効量の薬物又は薬物部分を適切な量の賦形剤と一緒に含有する。製剤は投与様式に適しているべきである。
【0062】
本明細書に使用されるとき、薬物の「遊離形態」という用語は、例えばコンジュゲートから放出された後の薬物の非改変型の薬理学的に完全に活性な形態を指す。
【0063】
本明細書に使用されるとき、用語「官能基」は、他の原子群と反応し得る原子群を意味する。例示的な官能基は、カルボン酸、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、マレイミド、チオール、スルホン酸、カーボネート、カルバメート、ヒドロキシル、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、イソシアネート、イソチオシアネート、リン酸、ホスホン酸、ハロアセチル、ハロゲン化アルキル、アクリロイル、フッ化アリール、ヒドロキシルアミン、ジスルフィド、スルホンアミド、硫酸、ビニルスルホン、ビニルケトン、ジアゾアルカン、オキシラン及びアジリジンである。
【0064】
本明細書に使用されるとき、用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。ある特定の実施形態において、ハロゲンはフルオロ又はクロロである。
【0065】
本明細書に使用されるとき、用語「中断されている」は、部分が2個の炭素原子の間に挿入されていること、又は挿入が部分の末端の一方である場合、炭素原子若しくはヘテロ原子及び水素原子の間に、ある特定の実施形態では炭素原子及び水素原子の間に挿入されていることを意味する。
【0066】
本発明のコンジュゲートが1つ以上の酸性基又は塩基性基を含む場合、本発明は、これらの対応する薬学的又は毒物学的に許容される塩、特にそれらの薬学的に利用される塩も含む。故に、酸性基を含む本発明のコンジュゲートを、本発明に従って、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として使用することができる。そのような塩のより正確な例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニア若しくは有機アミン、例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン若しくはアミノ酸、又は第四級アンモニウム、例えばテトラブチルアンモニウム及びセチルトリメチルアンモニウムの塩が含まれる。1つ以上の塩基性基、すなわちプロトン化され得る基を含む本発明のコンジュゲートは、無機又は有機の酸との付加塩の形態で存在し得る又は当該付加塩の形態で本発明に従って使用され得る。適切な酸の例には、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、トリフルオロ酢酸、及び当業者に既知の他の酸が含まれる。当業者には、アミン基のアルキル化のように塩基性基を陽イオンに変換して、陽性電荷アンモニウム基及び塩の適切な対イオンを生じる更なる方法が知られている。本発明のコンジュゲートが酸性基及び塩基性基を同時に含む場合、本発明は、記述された塩形態に加えて、内塩又はベタイン(双性イオン)も含む。対応する塩は、当業者に既知の慣用の方法により、例えば、これらのプロドラッグを有機若しくは無機の酸若しくは塩基と溶媒若しくは分散体中で接触させること、又は他の塩と陰イオン交換若しくは陽イオン交換することによって得ることができる。本発明は、低い生理学的適合性のために医薬における使用に直接的には適していないが、例えば化学反応又は薬学的に許容される塩の調製における中間体として使用することができる、本発明のコンジュゲートの全ての塩も含む。
【0067】
本明細書に使用されるとき、用語「薬学的に許容される」は、患者に投与された場合に害を及ぼさない物質を意味し、好ましくは、動物における使用のため、好ましくはヒトにおける使用のために規制当局、例えばEMA(ヨーロッパ)及び/若しくはFDA(US)による、並びに/又は任意の他の国の規制当局による承認を受けたことを意味する。
【0068】
本明細書に使用されるとき、用語「ペプチド」は、本明細書に使用されるとき、少なくとも2個から50個までのアミノ酸モノマー部分の鎖を指し、ペプチド(アミド)連結により連結されて「アミノ酸残基」と呼ばれることもある。アミノ酸モノマーは、タンパク質原性アミノ酸及び非タンパク質原性アミノ酸からなる群から選択されてもよく、D-又はL-アミノ酸であり得る。用語「ペプチド」は、ペプチド模倣体、例えば、ペプトイド、ベータペプチド、環状ペプチド及びデプシペプチドも含み、50個までのモノマー部分を有するペプチド模倣体鎖も網羅する。
【0069】
本明細書に使用されるとき、用語「タンパク質」は、50個を超えるアミノ酸モノマー部分の鎖を指し、ペプチド連結により連結されて「アミノ酸残基」とも呼ばれることもあり、好ましくは12000個以下のアミノ酸モノマーがペプチド連結により連結され、例えば、10000個以下のアミノ酸モノマー部分、8000個以下のアミノ酸モノマー部分、5000個以下のアミノ酸モノマー部分、又は2000個以下のアミノ酸モノマー部分である。
【0070】
本明細書に使用されるとき、用語「小分子薬物」は、1000Da未満、例えば900Da未満又は800Da未満の分子量を有する有機化合物である薬物を指す。核酸塩基ベース薬物部分、例えばアデニン又はグアニン類似体も、1種の小分子薬物であり得ることが理解される。
【0071】
本明細書に使用されるとき、用語「中分子薬物」は、ペプチドではなく、タンパク質ではなく、1kDaから7.5kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する有機化合物である薬物を指す。
【0072】
本明細書に使用されるとき、用語「ポリマー」は、直鎖、環状、分岐鎖、架橋的若しくはデンドリマー的又はこれらの組み合わせにおいて化学結合により接続されている繰り返し構造単位、すなわちモノマーを含む分子を意味し、合成のもの若しくは生物学的由来のもの又は両方の組み合わせであり得る。モノマーは同一であってもよく、この場合、ポリマーはホモポリマーである、又は異なっていてもよく、この場合、ポリマーはヘテロポリマーである。ヘテロポリマーは「コポリマー」と呼ばれることもあり、例えば、異なる種類のモノマーが交互に並ぶ交互コポリマー(alternating copolymer)、異なる種類のモノマーが繰り返し配列で配置されている周期コポリマー(periodic copolymer)、異なる種類のモノマーが無作為に配置されている統計コポリマー(statistical copolymer)、1種類のみのモノマーからなる異なるホモポリマーのブロックが共有結合で連結しているブロックコポリマー(block copolymer)、及び異なるモノマーの組成がポリマー鎖に沿って徐々に変化する勾配コポリマー(gradient copolymer)が含まれる。ポリマーは1つ以上の他の部分を、例えば1つ以上の官能基を含むこともできることが理解される。同様にペプチド又はタンパク質も、個別のアミノ酸残基の側鎖が異なっているとしてもポリマーであることが理解される。共有結合的架橋ポリマー、例えばヒドロゲルでは、意味のある分子量範囲を提供することができないことが理解される。
【0073】
本明細書に使用されるとき、用語「ポリマーの(polymeric)」又は「ポリマー部分」は1つ以上のポリマー又はポリマー部分を含む試薬又は部分を指す。ポリマー試薬又は部分は、場合により1つ以上の他の部分を含むこともあり、これらは、ある特定の実施形態では、下記:
- C1~50アルキル、C2~50アルケニル、C2~50アルキニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、
- 分岐点、例えば-CR<、>C<又は-N<、並びに
- 下記:
【0074】
【化21】
[式中、
破線は、部分又は試薬の残りの部分への結合を示し、
-R及び-R
aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される]
を含む群から選択される連結、
からなる群から選択され、
これらの部分及び連結は場合により更に置換されている。
【0075】
重合反応により得られる重合生成物は全てが同じ分子量を有するのではなく、むしろ分子量分布を示すことが当業者に理解される。したがって、ポリマーにおける分子量範囲、分子量、モノマーの数の範囲及びポリマーにおけるモノマーの数は、本明細書に使用されるとき、数平均分子量及びモノマーの平均数、すなわち、ポリマー又はポリマー部分の分子量の算術平均及びポリマー又はポリマー部分のモノマーの数の算術平均を指す。
【0076】
したがって、「x」個のモノマー単位を含むポリマー部分において、「x」で提示される任意の整数はそれによってモノマーの数の算術平均(算術平均数)に対応する。「x」で提示される整数の任意の範囲は、モノマーの算術平均数である整数の範囲を提供する。「約x」で提示される「x」の整数は、モノマーの算術平均数が、x+/-10%の整数の範囲である、ある特定の実施形態ではx+/-8%の整数の範囲である、ある特定の実施形態ではx+/-5%の整数の範囲である、ある特定の実施形態ではx+/-2%の整数の範囲であることを意味する。
【0077】
本明細書に使用されるとき、用語「数平均分子量」は、個別のポリマーの分子量の通常の算術平均を意味する。
【0078】
本明細書に使用されるとき、部分又は試薬に関連する「PEGベース」という用語は、前記部分又は試薬がPEGを含むことを意味する。ある特定の実施形態において、そのようなPEGベース部分又は試薬は、少なくとも10%(w/w)のPEG、例えば少なくとも20%(w/w)のPEG、例えば少なくとも30%(w/w)のPEG、例えば少なくとも40%(w/w)のPEG、例えば少なくとも50%(w/w)のPEG、例えば少なくとも60%(w/w)のPEG、例えば少なくとも70%(w/w)のPEG、例えば少なくとも80%(w/w)のPEG、例えば少なくとも90%(w/w)のPEG、例えば少なくとも95%(w/w)のPEGを含む。PEGベース部分又は試薬の残りの重量百分率は、他の部分のもの、例えば、下記:
- C1~50アルキル、C2~50アルケニル、C2~50アルキニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、
- 分岐点、例えば-CR<、>C<又は-N<、並びに
- 下記:
【0079】
【化22】
[式中、
破線は、部分又は試薬の残りの部分への結合を示し、
-R及び-R
aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される]
を含む群から選択される連結、
からなる群から選択されるものであってもよく、
これらの部分及び連結は場合により更に置換されている。
【0080】
本明細書に使用されるとき、部分又は試薬に関連する「少なくともX%のPEGを含むPEGベース」という用語は、前記部分又は試薬が少なくともX%(w/w)のエチレングリコール単位(-CH2CH2O-)を含むことを意味し、エチレングリコール単位は、部分又は試薬内に、ブロック状に配置され、交互に並んでいてもよく、又は無作為に分布していてもよい。ある特定の実施形態において、前記部分又は試薬の全てのエチレングリコール単位は1つのブロックに存在し、PEGベース部分又は試薬の残りの重量百分率は、ある特定の実施形態では下記:
- C1~50アルキル、C2~50アルケニル、C2~50アルキニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、
- 分岐点、例えば-CR<、>C<又は-N<、並びに
- 下記:
【0081】
【化23】
[式中、
破線は、部分又は試薬の残りの部分への結合を示し、-R及び-R
aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される]
を含む群から選択される連結、
からなる群から選択される他の部分のものであり、
これらの部分及び連結は場合により更に置換されている。
【0082】
本明細書に使用されるとき、部分又は試薬に関連する「ヒアルロン酸ベース」という用語は、前記部分又は試薬がヒアルロン酸を含むことを意味する。そのようなヒアルロン酸ベース部分又は試薬は、少なくとも10%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも20%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも30%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも40%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも50%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも60%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも70%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも80%(w/w)のヒアルロン酸、例えば少なくとも90%(w/w)のヒアルロン酸、又は例えば少なくとも95%(w/w)のヒアルロン酸を含む。ヒアルロン酸ベース部分又は試薬の残りの重量百分率は、他の部分のもの、例えば、下記:
- C1~50アルキル、C2~50アルケニル、C2~50アルキニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、
- 分岐点、例えば-CR<、>C<又は-N<、並びに
- 下記:
【0083】
【化24】
[式中、
破線は、部分又は試薬の残りの部分への結合を示し、
-R及び-R
aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される]
からなる群から選択される連結、
からなる群から選択されるものであってもよく、
これらの部分及び連結は場合により更に置換されている。
【0084】
本明細書に使用されるとき、用語「ヒドロゲル」は、ホモポリマー又はコポリマーから構成される親水性又は両親媒性のポリマーネットワークを意味し、疎水性相互作用、水素結合、イオン相互作用及び/又は共有結合的化学架橋の存在によって不溶性である。架橋は、ネットワーク構造及び物理的一体性を提供する。
【0085】
本明細書に使用されるとき、用語「ランダムコイル」は、周囲温度及びpH7.4にて水性緩衝液中で行われる円偏光二色性分光法により判定される定義された二次及び三次構造を実質的に欠くコンホメーションをとる/有する/形成する、ある特定の実施形態では有する、ペプチド又はタンパク質を指す。ある特定の実施形態において、周囲温度は約20℃、すなわち18℃から22℃の間である一方、ある特定の実施形態において、周囲温度は20℃である。
【0086】
本明細書に使用されるとき、用語「スペーサー」又は「スペーサー部分」は、2つの部分を接続するのに適している部分を指す。適切なスペーサーは、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルからなる群から選択され得、これらのC1~50アルキル、C2~50アルケニル又はC2~50アルキニルは、-NH-、-N(C1~4アルキル)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)NH-、-C(O)N(C1~4アルキル)-、-O-C(O)-、-S(O)-、-S(O)2-、4~7員ヘテロシクリル、フェニル及びナフチルから選択される1つ以上の基で場合により中断されており、場合により置換され得る。
【0087】
本明細書に使用されるとき、用語「置換されている」は、分子又は部分の1個以上の-H原子が、「置換基」と呼ばれる異なる原子又は原子群に置き換えられていることを意味する。
【0088】
本明細書に使用されるとき、用語「置換基」は、ある特定の実施形態において、ハロゲン、-CN、-C(O)ORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)2N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)2Rx1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)2N(Rx1a)(Rx1b)、-SRx1、-N(Rx1)(Rx1a)、-NO2、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)2Rx1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1a)(Rx1b)、-OC(O)N(Rx1)(Rx1a)、-T0、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルからなる群から選択される部分を指し、-T0、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-Rx1、-Rx1a、-Rx1bは、-H、-T0、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルからなる群から独立して選択され、-T0、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各T0は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各T0は、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で独立して場合により置換されており、
各-Rx2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-C(O)ORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4)(Rx4a)、-S(O)2N(Rx4)(Rx4a)、-S(O)N(Rx4)(Rx4a)、-S(O)2Rx4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)2N(Rx4a)(Rx4b)、-SRx4、-N(Rx4)(Rx4a)、-NO2、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)2Rx4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4a)(Rx4b)、-OC(O)N(Rx4)(Rx4a)及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Rx3、-Rx3a、-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0089】
ある特定の実施形態において、用語「置換基」は、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)2N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)2Rx1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)2N(Rx1)(Rx1a)、-SRx1、-N(Rx1)(Rx1a)、-NO2、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)2Rx1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1)(Rx1a)、-OC(O)N(Rx1)(Rx1a)、-T0、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、及びC2~10アルキニルからなる群から選択される部分を指し、-T0、C1~10アルキル、C2~10アルケニル及びC2~10アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1~10アルキル、C2~10アルケニル及びC2~10アルキニルは、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx3、-Rx3aは、-H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、
各T0は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各T0は、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で独立して場合により置換されており、
各-Rx2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-C(O)ORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4)(Rx4a)、-S(O)2N(Rx4)(Rx4a)、-S(O)N(Rx4)(Rx4a)、-S(O)2Rx4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)2N(Rx4a)(Rx4b)、-SRx4、-N(Rx4)(Rx4a)、-NO2、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)2Rx4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4a)(Rx4b)、-OC(O)N(Rx4)(Rx4a)及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは、-H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。
【0090】
ある特定の実施形態において、用語「置換基」は、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)2N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)N(Rx1)(Rx1a)、-S(O)2Rx1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)2N(Rx1a)(Rx1b)、-SRx1、-N(Rx1)(Rx1a)、-NO2、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)2Rx1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1a)(Rx1b)、-OC(O)N(Rx1)(Rx1a)、-T0、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、及びC2~6アルキニルからなる群から選択される部分を指し、-T0、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルは、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx2、-Rx3、-Rx3aは、-H、ハロゲン、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、
各T0は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各T0は、同一である又は異なっている1つ以上の-Rx2で独立して場合により置換されている。
【0091】
ある特定の実施形態において、場合により置換されている分子では最大で6個の-H原子が独立して置換基により置き換えられ、例えば、5個の-H原子が独立して置換基により置き換えられ、4個の-H原子が独立して置換基により置き換えられ、3個の-H原子が独立して置換基により置き換えられ、2個の-H原子が独立して置換基により置き換えられ又は1個の-H原子が置換基により置き換えられる。
【0092】
本明細書に使用されるとき、用語「治療有効量」は、所定の疾患及びその合併症の臨床症状を治癒、緩和又は部分的に阻止するのに十分な量を意味する。各目的のための有効量は、疾患又は傷害の重症度、並びに対象の体重及び全身状態に依存する。
【0093】
本明細書に使用されるとき、用語「水不溶性」は、1リットルの水に20℃で溶解して均質溶液を形成する量が1g未満であり得る化合物を指す。したがって、用語「水溶性」は、1リットルの水に20℃で溶解して均質溶液を形成する量が1g以上であり得る化合物を指す。
【0094】
一般に、用語「含む(comprise(s))」又は「含む(comprising)」は、「からなる(consist of)」又は「からなる(consisting of)」も包含する。
【0095】
語句「π電子対供与複素環式芳香族N」における「N」は、窒素を指すことが理解される。
【0096】
式(I)の2つの隣接-R2は、nが少なくとも2である場合にのみ存在し得ることが理解される。
【0097】
表現「アスタリスクで標示される窒素原子とアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離」は、アスタリスクで標示される窒素及び炭素原子の間の最短距離における原子の総数を指し、アスタリスクで標示される窒素及び炭素原子も含まれることが理解される。例えば、下記の構造において、nは1であり、アスタリスクで標示される窒素とアスタリスクで標示される炭素の間の距離は5であり、
【0098】
【化25】
下記の構造において、nは2であり、-R
1及び-R
1aはシクロヘキシルを形成し、アスタリスクで標示される窒素とアスタリスクで標示される炭素の間の距離は6である。
【0099】
【0100】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートの全ての-D部分は同一である、すなわち、同じ化学構造を有する。そのような場合、コンジュゲートの全ての-D部分は、同一のタイプの薬物分子に由来する。これは全ての-D部分が同一の親薬物に由来することを意味するが、例えば異なる互変異性形態の形成をもたらす分子内転位が存在してもよいことが理解される。
【0101】
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、異なる-D部分を含む、すなわち、異なる化学構造を有する-D部分を含む。これらの異なる構造は、異なるタイプの薬物分子に由来する。これは、例えば異なる互変異性形態の形成をもたらすある特定の分子内転位を含まないが、これも存在してもよいことが理解される。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、2つの異なるタイプの-D部分を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、3つの異なるタイプの-D部分を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、4つの異なるタイプの-D部分を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、5つの異なるタイプの-D部分を含む。
【0102】
本発明のコンジュゲートが1つを超えるタイプの-Dを含む場合、全ての-D部分は、同一のタイプの-L1-にコンジュゲートしてもよく、又は異なるタイプの-L1-にコンジュゲートしてもよく、すなわち例えば第1のタイプの-Dは、第1のタイプの-L1-にコンジュゲートしてもよく、第2のタイプの-Dは、第2のタイプの-L1-などにコンジュゲートしてもよい。異なるタイプの-L1-の使用は、ある特定の実施形態において、異なるタイプの-Dで異なる放出速度(放出速度論)、例えば第1のタイプの-Dでは速い放出、第2のタイプの-Dでは中等の放出、及び第3のタイプの-Dは遅い放出が可能になり得る。したがって、ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、1つのタイプの-L1-を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、2つのタイプの-L1-を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、3つのタイプの-L1-を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、4つのタイプの-L1-を含む。
【0103】
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、1つのタイプの-D及び1つのタイプの-L1-を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、2つのタイプの-D及び2つのタイプの-L1-を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、3つのタイプの-D及び3つのタイプの-L1-を含む。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、4つのタイプの-D及び4つのタイプの-L1-を含む。
【0104】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートの全ての-L1-部分は同一の構造を有する。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは2つ以上の異なるタイプの-L1-部分、例えば2、3、4又は5つの異なるタイプの-L1-部分を含む。そのような2つ以上の異なるタイプの-L1-部分は、同一の又は異なるタイプの-Dにコンジュゲートしてもよい。異なるタイプの-L1-の使用は、例えば放出半減期が短い第1の群の-L1-部分を放出半減期が長い第2の群の-L1-部分と組み合わせる場合に、異なる放出半減期で本発明のコンジュゲートから同一の又は異なるタイプの薬物D-Hを放出することを可能にする。
【0105】
ある特定の実施形態において、-Dは、小分子、中等のサイズ、ペプチド及びタンパク質薬物部分からなる群から選択される。
【0106】
ある特定の実施形態において、-Dは小分子薬物部分である。ある特定の実施形態において、そのような小分子薬物部分は、核酸塩基ベース薬物部分である。
【0107】
-D部分は、少なくとも1個のπ電子対供与複素環式芳香族窒素原子、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のπ電子対供与複素環式芳香族窒素原子を含み得ることが理解される。ペプチド及びタンパク質薬物部分では、そのような窒素はアミノ酸、例えばトリプトファン又はヒスチジンにより提供され得、核酸塩基ベース薬物部分では、そのような窒素はアデニン又はグアニンにより提供され得ることも理解される。
【0108】
ある特定の実施形態において、-Dはペプチド薬物部分である。
【0109】
ある特定の実施形態において、-Dは、C型ナトリウム利尿ペプチド、副甲状腺ホルモン、Wペプチド、メムノ-ペプチドA及びG1ペプチドからなる群から選択されるペプチド薬物部分である。
【0110】
ある特定の実施形態において、-Dはタンパク質薬物部分である。ある特定の実施形態において、そのようなタンパク質部分は、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体又はその断片若しくは融合体である。
【0111】
ある特定の実施形態において、-Dは、アシタザノラスト、セグリチド、エトドラク、レダゼロール、N-デスメチルミラメリン、カルバゾマイシンG、カルバゾマイシンH、アスペルリシンC、アスペルリシンD、デスアセチルビンブラスチンヒドラジド、ジャスプラキノリド、アゲリフェリン二酢酸塩、アゲリフェリン二塩酸塩、ドラセトロン、ロキシンドールメシル酸塩、リブロマイシン、タザノラスト、アベカルニル、ベルチシラチン、リアロゾール、イルテマゾール、オメプラゾール、パロジロールヘミフマル酸塩、トロピセトロン、トプセンチンB1、ブロモトプセンチン、リファリジン、ピリンダマイシンA、ピリンダマイシンB、デュオカルマイシンC1、デュオカルマイシンC2、デュオカルマイシンA、ビエムニジン(biemnidin)、エロピプラゾール、ミベフラジル、ルジンドール、マンザミンD、マンザミンB、マンザミンC、酢酸オクトレオチド、ラザベミド塩酸塩、テトラゾラストメグルミン、エナルキレン、クロツリン(cloturin)、ペルゴリドメシル酸塩、リアロゾール塩酸塩、クロロペプチンII、アドゼレシン、カルゼレシン、ベータ-CCM、デクスメデトミジン塩酸塩、ナラトリプタン塩酸塩、インダノマイシン、ホモインダノマイシン、ミベフラジル塩酸塩、ドラセトロンメシル酸塩、ニコトレドール、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、ビンクリスチン硫酸塩、アンチフラミン-2、パントプラゾール、マンザミンA、ジャンチノマイシン(janthinomycin)C、アルビフィリン、ジャンチノマイシンA、ジャンチノマイシンB、エフルマスト、ボキセルゴリド塩酸塩、ゲドカルニル、テモポルフィン、プロテルグリド、ビノレルビン、シクロ[His-Pro]、メピンドロール経皮パッチ、ツビンゲンシンB、メトキサチン、ミバゼロール、アタラフィリジン(atalaphillidine)、アタラフィリニン、ジスコルハブジンD、ルロセトロン、ナルトリンドール、アゼチレリン、ビゼレシン、イントプリシン、シメチジンビスマスクエン酸塩、シメチジンビスマスL-酒石酸塩、マンザミンF、レシミビド、マンザミンE、ピラゾロアクリジン、デュオカルマイシンSA、ビンホシルチン硫酸塩、ネパプラゾール(nepaprazole)、ラモレリクス、アンドラスト、タルチレリン、ラモセトロン塩酸塩、酢酸ナファレリン、シパムフィリン、ロメルゴリン、パゼリプチン三塩酸塩一水和物、パゼリプチン三塩酸塩、ギラコダゾール、サビプラゾール、ピブロゼレシン塩酸塩、ヒトアンギオテンシンII、セルレチドジエチルアミン、カルベジロール、レミキレンメシル酸塩、ロロフィリン、ノルトプセンチンD、ノルトプセンチンA、ノルトプセンチンB、ノルトプセンチンC、デバゼピド、アチパメゾール、イメチット、バツェリンB、カルサトリン、デメトミジン(demetomidine)、メデトミジン、ペメトレキセド二ナトリウム、カルボトロリン塩酸塩、スマトリプタンコハク酸塩、アロセトロンマレイン酸塩、レミノプラゾール、アテビルジンメシル酸塩、リファリジン塩酸塩、アロフィリン、ネパプラゾール、ビンロイシノール、モクソニジン塩酸塩水和物、ランソプラゾール、シトブラスチン、L-ヒスチジノール、モンチレリン四水和物、ファベセトロン塩酸塩、O6-ベンジルグアニン、インジセトロン塩酸塩、ピロロスポリンA、アンタゴニスト-G、アザトキシン、アルファ-メチルトリプトファン、エクテイナシジン722、エクテイナシジン736、エプチフィバチド、デクスペメドラク、キスタマイシン(kistamicin)A、イロマスタット、酢酸ヒストレリン、ベロンガミン、スピノルフィン、デラビルジンメシル酸塩、エポカルバゾリンA、エポカルバゾリンB、イラトレオチド、ペルデシン、酢酸プレザチド銅、プレビトレキセド、カルキノスタチンA、ガベスチネルナトリウム、チアゾハロスタチン、グリコチオヘキシドアルファ、シスタミジン(cystamidin)A、シプロキレン、インメピップ、インメピル、フィパメゾール塩酸塩、硫酸リザトリプタン、クロベンプロピット、ノルニコチン、カベルゴリン、ポルフィマーナトリウム、テザンパネル、テナトプラゾール、アルモトリプタン、ヨードプロキシファン、プラルモレリン、フロバトリプタン、プラナゼピド(pranazepide)、リザトリプタン安息香酸塩、ロメグアトリブ、111In-ペンテトレオチド、ポリジスカミドA、ピモベンダン、インペンタミン(impentamine)、アパキシフィリン、マカルバミンC、マカルバミンD、マカルバミンF、ビンフルニン、エキサモレリン、プモセトラグ(pumosetrag)塩酸塩、プランルカスト水和物、ビラゾドン塩酸塩、ラネピタント、テルグリド、アビトリプタン、シメチジン、ナキシフィリン、酢酸ブセレリン、ボピンドロール、硫酸メピンドロール、カルプロフェン、酢酸リュープロレリン、オキシペルチン、酢酸エリプチニウム、インドラミン塩酸塩、レセルピン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸リスリド、イラプラゾール、コンドラミドA、コンドラミドB、コンドラミドC、コンドラミドD、ラバンズキノシン、エレトリプタン、ミダキシフィリン(midaxifylline)、インジスラム、コニバプタン塩酸塩、インプロガン、エドテカリン、デクスケトプロフェンイミダゾール塩、スチログアニジン、シプロキシファン、ロロアチンB、トリフルプロキシム(trifluproxim)、ネミフィチドジトリフルテート、ベータ-メチル-6-クロロメラトニン、アルギリンB、アルギリンA、18-ヒドロキシコロナリジン、18-メトキシコロナリジン、ファドルミジン塩酸塩、セマキサニブ、クラソインB、アボレリン、ギルブスマイシン、マレイン酸テガセロド、カルバゾマズリンA、カルバゾマズリンB、ラファベグロン(rafabegron)、ネパズタント、ドニトリプタンメシル酸塩、ベカテカリン、ドニトリプタン塩酸塩、イットリウム-90エドトレオチド、メチルヒスタプロジフェン、ヒスタプロジフェン、レムテポルフィン(lemuteporfin)、アフェレテカン(afeletecan)塩酸塩、シプラリサント、デメチルアステリキノンB-1、インドール-3-プロピオン酸、シェルミラミンD、デカトロミシンA、デカトロミシンB、ベノルフィン(venorphin)、ミルベマイシンアルファ-9、アルステルパウロン、セコバツェリンB、アルシリアシアニンA、O-デメチルムラヤホリンA、クラウセナミンA、セコバツェリンA、サビポリドメシル酸塩、アロセトロン塩酸塩、ハリミド、イモプロキシファン、バルシバン、カロトリキシンA、ゴロチモド、タダラフィル、フルオロインドロカルバゾールC、フルオロインドロカルバゾールA、フルオロインドロカルバゾールB、デニブリン塩酸塩、99mTc-c(RGDfK*)2HYNIC、スニチニブ、スニチニブリンゴ酸塩、インドールマイシン、2,7-ジブロモクリプトレピン、パシレオチド、カリンドール二塩酸塩、ダシノスタット、ギラチド(gilatide)、ピリドン-6、フォロデシン塩酸塩、ソトラスタウリン、ガストラゾール(gastrazole)、ヤタケマイシン、アンチロイキネート、ドビチニブ乳酸塩、アキシチニブ、プルバンセリン塩酸塩、シシジマイシンC、シシジマイシンA、シシジマイシンB、プリナブリン、DADMe-インムシリン-G、DADMe-インムシリン-H、セジラニブ、ブレメラノチド、イメトリジン、タラポルフィンナトリウム、メタノバクチン、[D-Tyr1] MS-10、[Arg(Me)9] MS-10、[D-Tyr1,Arg(Me)9] MS-10、[Trp19] MS-10、[D-Tyr1,AzaGly7,Arg(Me)9] MS-10、ベデロシン、メチメピップ(methimepip)、メキシコフトアマガエル(pachymedusa dacnicolor)トリプトフィリン-1、オバトクラックスメシル酸塩、ネクロスタチン-1、2-ブロモ-7-ニトロクリプトレピン、7-ブロモ-2-クロロクリプトレピン、ブリバニブアラニネート、ブリバニブ、ダヌセルチブ、アホバゾール、センタナマイシン(centanamycin)、リニファニブ、エチルチオ-DADMe-イムシリン-A、4-クロロフェニルチオ-DADMe-イムシリン-A、メチルチオ-DADMe-イムシリン-A、ラデゾリド、シェフェルジン、デスアセチルビンブラスチンヒドラジド葉酸コンジュゲート、アナモレリン塩酸塩、ヒストレリン、メルカプトプリン、ヒスタミン二塩酸塩、ブレオマイシンA2硫酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩、チモデプレシン(timodepressin)、ヨヒンビン、ペプロマイシン、デトミジン塩酸塩、ビンデシン、デスグルガストリン トロメタミン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、オグルファニド二ナトリウム、セフピミゾールナトリウム、チナゾリン塩酸塩、パノビノスタット、ランレオチド酢酸塩、ピンドロール、カイネチン、レベルシン、カルテラミンA、メリオリン-3、ピメプラゾール(pymeprazole)、3-インドール、PPI17-24、デクスランソプラゾール、レシレリン、メチルホモインダノマイシン、デスロレリン、ファベセトロン、カルモキシロール塩酸塩、ガルダンセトロン、メラノタンII、ノカチアシンII、テオフィリン、ツロフェキソレートイソプロピル、マリノピロールA、アミコラマイシン、カルピナクタム、ミクロビスポリシン(microbisporicin)A2、ベータ-アミロイド(12-20)、5-フルオロウラシル、チオグアニン、ペメトレキセド、メルカプトプリン、チバンチニブ、ウリキセルチニブ、MK-8353、SCH772984、イデラリシブ、ベムラフェニブ、EOS-200271及びX4P-001からなる群から選択される。
【0112】
ある特定の実施形態において、-Dはアキシチニブである。
【0113】
ある特定の実施形態において、=X1は=Oである。ある特定の実施形態において、=X1は=Sである。ある特定の実施形態において、=X1は=N(R4)である。
【0114】
ある特定の実施形態において、-X2-は-O-である。ある特定の実施形態において、-X2-は-S-である。ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-である。ある特定の実施形態において、-X2-は-C(R6)(R6a)-である。
【0115】
ある特定の実施形態において、-X3-は下記である。
【0116】
【0117】
ある特定の実施形態において、-X3-は下記である。
【0118】
【0119】
ある特定の実施形態において、-X3-は下記である。
【0120】
【0121】
ある特定の実施形態において、-X3-は-C(R10)(R10a)-である。ある特定の実施形態において、-X3-は-C(R11)(R11a)-C(R12)(R12a)-である。ある特定の実施形態において、-X3-は-O-である。ある特定の実施形態において、-X3-は-C(O)-である。
【0122】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0123】
【化30】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5個の原子である。
【0124】
ある特定の実施形態において、-X2は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0125】
【化31】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、6個の原子である。
【0126】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0127】
【化32】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、7個の原子である。
【0128】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0129】
【化33】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5個の原子である。
【0130】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0131】
【化34】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、6個の原子である。
【0132】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0133】
【化35】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、7個の原子である。
【0134】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0135】
【化36】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5個の原子である。
【0136】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0137】
【化37】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、6個の原子である。
【0138】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0139】
【化38】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、7個の原子である。
【0140】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0141】
【化39】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5個の原子である。
【0142】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0143】
【化40】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、6個の原子である。
【0144】
ある特定の実施形態において、-X2-は-N(R5)-であり、-X3-は、下記:
【0145】
【化41】
であり、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、7個の原子である。
【0146】
ある特定の実施形態において、=X1は=Oであり、-X2-は-C(R6)(R6a)-であり、-X3-は下記:
【0147】
【0148】
ある特定の実施形態において、-R1、-R1a、-R6、-R6a、-R10、-R10a、-R11、-R11a、-R12、-R12a、並びにそれぞれの-R2及び-R2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。
【0149】
ある特定の実施形態において、-R1は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1は、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1は、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1は-Hである。ある特定の実施形態において、-R1は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R1はハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R1は-Fである。ある特定の実施形態において、-R1は-CNである。ある特定の実施形態において、-R1は-OHである。ある特定の実施形態において、-R1はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R1はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R1はC2~6アルキニルである。
【0150】
ある特定の実施形態において、-R1は、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。この場合、-R1/-R1aは、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、並びに-R1/-R2、-R1/-R5、-R1/-R6、-R1/-R9及び-R1/-R10の対のうちの1つ以上は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成してもよく、-A-は、式(I)について定義された通りに使用されることが理解される。
【0151】
ある特定の実施形態において、-R1aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1aは、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1aは、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R1aは-Hである。ある特定の実施形態において、-R1aは-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R1aはハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R1aは-Fである。ある特定の実施形態において、-R1aは-CNである。ある特定の実施形態において、-R1aは-OHである。ある特定の実施形態において、-R1aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R1aはC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R1aはC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R1aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0152】
ある特定の実施形態において、-R6は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6は、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6は、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6は-Hである。ある特定の実施形態において、-R6は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R6はハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R6は-Fである。ある特定の実施形態において、-R6は-CNである。ある特定の実施形態において、-R6は-OHである。ある特定の実施形態において、-R6はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R6はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R6はC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R6は、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0153】
ある特定の実施形態において、-R6aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6aは、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6aは、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R6aは-Hである。ある特定の実施形態において、-R6aは-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R6aはハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R6aは-Fである。ある特定の実施形態において、-R6aは-CNである。ある特定の実施形態において、-R6aは-OHである。ある特定の実施形態において、-R6aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R6aはC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R6aはC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R6aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0154】
ある特定の実施形態において、-R10は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10は、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10は、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10は-Hである。ある特定の実施形態において、-R10は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R10はハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R10は-Fである。ある特定の実施形態において、-R10は-CNである。ある特定の実施形態において、-R10は-OHである。ある特定の実施形態において、-R10はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R10はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R10はC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R10は、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0155】
ある特定の実施形態において、-R10aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10aは、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10aは、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R10aは-Hである。ある特定の実施形態において、-R10aは-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R10aはハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R10aは-Fである。ある特定の実施形態において、-R10aは-CNである。ある特定の実施形態において、-R10aは-OHである。ある特定の実施形態において、-R10aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R10aはC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R10aはC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R10aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0156】
ある特定の実施形態において、-R11は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11は、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11は、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11は-Hである。ある特定の実施形態において、-R11は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R11はハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R11は-Fである。ある特定の実施形態において、-R11は-CNである。ある特定の実施形態において、-R11は-OHである。ある特定の実施形態において、-R11はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R11はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R11はC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R11は、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0157】
ある特定の実施形態において、-R11aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11aは、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11aは、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R11aは-Hである。ある特定の実施形態において、-R11aは-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R11aはハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R11aは-Fである。ある特定の実施形態において、-R11aは-CNである。ある特定の実施形態において、-R11aは-OHである。ある特定の実施形態において、-R11aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R11aはC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R11aはC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R11aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0158】
ある特定の実施形態において、-R12は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12は、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12は、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12は-Hである。ある特定の実施形態において、-R12は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R12はハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R12は-Fである。ある特定の実施形態において、-R12は-CNである。ある特定の実施形態において、-R12は-OHである。ある特定の実施形態において、-R12はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R12はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R12はC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R12は、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0159】
ある特定の実施形態において、-R12aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12aは、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12aは、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R12aは-Hである。ある特定の実施形態において、-R12aは-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R12aはハロゲンである。ある特定の実施形態において、-R12aは-Fである。ある特定の実施形態において、-R12aは-CNである。ある特定の実施形態において、-R12aは-OHである。ある特定の実施形態において、-R12aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R12aはC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R12aはC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、-R12aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0160】
ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は-Hである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2はハロゲンである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は-Fである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は-CNである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は-OHである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2はC2~6アルキニルである。
【0161】
ある特定の実施形態において、それぞれの-R2は、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。この場合、-R2/-R2a及び2つの隣接-R2の対のうちの1つ以上は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、並びに-R2/-R5の対は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成してもよく、-A-は、式(I)に定義された通りに使用されることが理解される。
【0162】
ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは、-H、-C(O)OH、-CN、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-OH、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは、-H、-C(O)OH、-OH及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは-Hである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aはハロゲンである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは-Fである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは-CNである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは-OHである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aはC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aはC2~6アルキニルである。ある特定の実施形態において、それぞれの-R2aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、1-メチルブチル及び1-エチルプロピルからなる群から選択される。
【0163】
ある特定の実施形態において、-R3、-R4、-R5、-R7、-R8及び-R9は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、-R3、-R4、-R5、-R7、-R8及び-R9は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル及びC2~6アルケニルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、-R3、-R4、-R5、-R7、-R8及び-R9は、-H、-T、-CN及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、-R3、-R4、-R5、-R7、-R8及び-R9は、-H、-T及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、-R3、-R4、-R5、-R7、-R8及び-R9は、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。
【0164】
ある特定の実施形態において、-R3は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R3は-Hである。ある特定の実施形態において、-R3は-Tである。ある特定の実施形態において、-R3は-CNである。ある特定の実施形態において、-R3はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R3はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R3はC2~6アルキニルである。
【0165】
ある特定の実施形態において、-R4は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R4は-Hである。ある特定の実施形態において、-R4は-Tである。ある特定の実施形態において、-R4は-CNである。ある特定の実施形態において、-R4はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R4はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R4はC2~6アルキニルである。
【0166】
ある特定の実施形態において、-R5は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R5は-Hである。ある特定の実施形態において、-R5は-Tである。ある特定の実施形態において、-R5は-CNである。ある特定の実施形態において、-R5はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R5はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R5はC2~6アルキニルである。
【0167】
ある特定の実施形態において、-R7は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R7は-Hである。ある特定の実施形態において、-R7は-Tである。ある特定の実施形態において、-R7は-CNである。ある特定の実施形態において、-R7はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R7はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R7はC2~6アルキニルである。
【0168】
ある特定の実施形態において、-R8は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R8は-Hである。ある特定の実施形態において、-R8は-Tである。ある特定の実施形態において、-R8は-CNである。ある特定の実施形態において、-R8はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R8はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R8はC2~6アルキニルである。
【0169】
ある特定の実施形態において、-R9は、-H、-T、-CN、C1~6アルキル、C2~6アルケニル及びC2~6アルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R9は-Hである。ある特定の実施形態において、-R9は-Tである。ある特定の実施形態において、-R9は-CNである。ある特定の実施形態において、-R9はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R9はC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態において、-R9はC2~6アルキニルである。
【0170】
ある特定の実施形態において、Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、Tはフェニルである。ある特定の実施形態において、Tはナフチルである。ある特定の実施形態において、Tはインデニルである。ある特定の実施形態において、Tはインダニルである。ある特定の実施形態において、Tはテトラリニルである。ある特定の実施形態において、TはC3~10シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、Tは3~10員ヘテロシクリルである。ある特定の実施形態において、Tは8~11員ヘテロビシクリルである。
【0171】
ある特定の実施形態において、Tは、同一である又は異なっている1つ以上の-R13で置換されている。ある特定の実施形態において、Tは1つの-R13で置換されている。ある特定の実施形態において、Tは-R13で置換されていない。
【0172】
ある特定の実施形態において、-R13は、-H、-NO2、-OCH3、-CN、-N(R14)(R14a)、-OH、-C(O)OH及びC1~6アルキルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、-R13は-Hである。ある特定の実施形態において、-R13は-NO2である。ある特定の実施形態において、-R13は-OCH3である。ある特定の実施形態において、-R13は-CNである。ある特定の実施形態において、-R13は-N(R14)(R14a)である。ある特定の実施形態において、-R13は-OHである。ある特定の実施形態において、-R13は-C(O)OHである。ある特定の実施形態において、-R13はC1~6アルキルである。
【0173】
ある特定の実施形態において、-R14及び-R14aは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、-R14は-Hである。ある特定の実施形態において、-R14はC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、-R14aは-Hである。ある特定の実施形態において、-R14aはC1~6アルキルである。
【0174】
ある特定の実施形態において、-R3/-R9は、これらが結合している窒素原子と一緒になって3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成する。ある特定の実施形態において、-R3/-R9は、これらが結合している窒素原子と一緒になって3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、式(I)のリンカー部分の残りの部分への3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルの結合は、sp3混成窒素を介して行われる。
【0175】
ある特定の実施形態において、-R3/-R9は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリン、4-チアゾリン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアジアゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ジアゼパン、ホモピペラジン、インドリン、ベンゾイミダゾリン、ジヒドロキナゾリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン及びジヒドロイソキノリンからなる群から選択される環を形成する。そのような環の各水素原子は、上記に定義された置換基で置き換えられていてもよい。
【0176】
ある特定の実施形態において、nは、0、1、2及び3からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、nは、0、1及び2からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、nは、0及び1からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、nは0である。ある特定の実施形態において、nは1である。ある特定の実施形態において、nは2である。ある特定の実施形態において、nは3である。ある特定の実施形態において、nは4である。
【0177】
ある特定の実施形態において、-L1-は、アミド、カルバメート、ジチオカルバメート、O-チオカルバメート、S-チオカルバメート、尿素、チオ尿素、チオアミド、アミジン及びグアニジンからなる群から選択される連結を介して-Dに接続する。これらの連結の一部はそれ自体可逆的ではないこともあるが、本発明において、-L1-に存在する隣接基、例えば、アミド、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンは、これらの連結を可逆的にすることが理解される。
【0178】
ある特定の実施形態において、-L1-はアミド連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Oであり、-X2-は-C(R6)(R6a)-である。
【0179】
ある特定の実施形態において、-L1-はカルバメート連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Oであり、-X2-は-O-である。
【0180】
ある特定の実施形態において、-L1-はジチオカルバメート連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Sであり、-X2-は-S-である。
【0181】
ある特定の実施形態において、-L1-はO-チオカルバメート連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Sであり、-X2-は-O-である。
【0182】
ある特定の実施形態において、-L1-はS-チオカルバメート連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Oであり、-X2-は-S-である。
【0183】
ある特定の実施形態において、-L1-は尿素連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Oであり、-X2-は-N(R5)-である。
【0184】
ある特定の実施形態において、-L1-はチオ尿素連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Sであり、-X2-は-N(R5)-である。
【0185】
ある特定の実施形態において、-L1-はチオアミド連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=Sであり、-X2-は-C(R6)(R6a)-である。
【0186】
ある特定の実施形態において、-L1-はアミジン連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=N(R4)であり、-X2-は-C(R6)(R6a)-である。
【0187】
ある特定の実施形態において、-L1-はグアニジン連結を介して-Dにコンジュゲートし、すなわち、=X1は=N(R4)であり、-X2-は-N(R5)-である。
【0188】
ある特定の実施形態において、-L1-は1つ以上の置換基で更に置換されている。
【0189】
ある特定の実施形態において、-L1-は更に置換されていない。
【0190】
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートの全ての-L2-部分は同一である。ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは1つを超えるタイプの-L2-、例えば2、3、4又は5つの異なる-L2-部分を含む。そのような1つを超えるタイプの-L2-は、1つのタイプの-L1-のみに接続してもよく、又は1つを超えるタイプの-L1-に接続してもよい。
【0191】
ある特定の実施形態において、-L2-は化学結合である。
【0192】
ある特定の実施形態において、-L2-はスペーサー部分である。
【0193】
ある特定の実施形態において、-L2-は、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルからなる群から選択され、-T'-、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-Ry1及び-Ry1aは、-H、-T'、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルからなる群から独立して選択され、-T'、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)2N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)2N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各T'は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から独立して選択され、各T'は、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で独立して場合により置換されており、
各-Ry2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-C(O)ORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5)(Ry5a)、-S(O)2N(Ry5)(Ry5a)、-S(O)N(Ry5)(Ry5a)、-S(O)2Ry5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)2N(Ry5)(Ry5a)、-SRy5、-N(Ry5)(Ry5a)、-NO2、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)2Ry5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5)(Ry5a)、-OC(O)N(Ry5)(Ry5a)、及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、ここでC1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0194】
ある特定の実施形態において、-L2-は、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1~50アルキル、C2~50アルケニル、及びC2~50アルキニルからなる群から選択され、-T'-、C1~20アルキル、C2~20アルケニル及びC2~20アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1~20アルキル、C2~20アルケニル及びC2~20アルキニルは、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-Ry1及び-Ry1aは、-H、-T'、C1~10アルキル、C2~10アルケニル及びC2~10アルキニルからなる群から独立して選択され、-T'、C1~10アルキル、C2~10アルケニル及びC2~10アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1~10アルキル、C2~10アルケニル及びC2~10アルキニルは、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)2N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)2N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各T'は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から独立して選択され、各T'は、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で独立して場合により置換されており、
-Ry2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-C(O)ORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5)(Ry5a)、-S(O)2N(Ry5)(Ry5a)、-S(O)N(Ry5)(Ry5a)、-S(O)2Ry5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)2N(Ry5a)(Ry5b)、-SRy5、-N(Ry5)(Ry5a)、-NO2、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)2Ry5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5a)(Ry5b)、-OC(O)N(Ry5)(Ry5a)及びC1~6アルキルからなる群から選択され、ここでC1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0195】
ある特定の実施形態において、-L2-は、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1~50アルキル、C2~50アルケニル、及びC2~50アルキニルからなる群から選択され、-T'-、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1~50アルキル、C2~50アルケニル及びC2~50アルキニルは、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-Ry1及び-Ry1aは、-H、-T'、C1~10アルキル、C2~10アルケニル及びC2~10アルキニルからなる群から独立して選択され、
各T'は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から独立して選択され、
各-Ry2は、ハロゲン及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0196】
ある特定の実施形態において、-L2-は、-O-、-T'-及び-C(O)N(Ry1)-からなる群から独立して選択される1つ以上の基で場合により中断されているC1~20アルキル鎖であり、C1~20アルキル鎖は、-OH、-T'及び-C(O)N(Ry6Ry6a)からなる群から独立して選択される1つ以上の基で場合により置換されており、-Ry1、-Ry6、-Ry6aは、H及びC1~4アルキルからなる群から独立して選択され、T'は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から選択される。
【0197】
ある特定の実施形態において、-L2-は14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する。
【0198】
ある特定の実施形態において、-L2-は、下記:
【0199】
【化43】
[式中、破線は、それぞれ-L
1-、-L
2-の残りの部分又はZへの結合を示し、-R及び-R
aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される]
からなる群から選択される部分を含む。
【0200】
一般に、-L2-は、-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R3、-R4、-R5、-R6、-R6a、-R7、-R8、-R9、-R10、-R10a、-R11、-R11a、-R12、-R12a、-R13、-R14又は-R14aにより提示される1つの水素が-L2-で置き換えられている任意の位置において-L1-に結合し得る。
【0201】
ある特定の実施形態において、-R1により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R1aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R2により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R2aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R3により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R4により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R5により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R6により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R6aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R7により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R8により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R9により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R10により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R10aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R11により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R11aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R12により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R12aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R13により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R14により提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。ある特定の実施形態において、-R14aにより提示される1つの水素は-L2-で置き換えられる。
【0202】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は、下記:
【0203】
【化44】
[式中、
アスタリスクで標示される破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、標示のない破線は、Z、特にZのアミンの窒素への結合を示し、
-R
a、各-R
b1、各-R
b2、-R
c1、-R
c2、各-R
d1、各-R
d2、-R
e、各-R
f1及び各-R
f2は、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
nは、1、2及び3からなる群から選択される整数であり、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される整数であり、
pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20からなる群から選択される整数であり、
A*は、C
3~10シクロアルキルであり、
場合により、-R
a及び隣接-R
b1は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、-A-は、式(I)に定義された通りに使用される]
からなる群から選択される。
【0204】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は、式(a-1)のものである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Raは、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Raは-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Raはメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Raはエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)のnは、1、2及び3からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)のnは、1及び2からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)のnは1である。ある特定の実施形態において、式(a-1)のnは2である。ある特定の実施形態において、-Rb1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rb1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rb1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rb1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rb2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rb2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rb2はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-1)のnは1であり、式(a-1)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-1)のnは1であり、式(a-1)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成し、-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、-Rc1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rc1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rc1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rc1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rc2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rc2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rc2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rc2はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rd1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd1はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)の-Rd2はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは、0、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは0である。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは1である。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは2である。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは4である。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは5である。ある特定の実施形態において、式(a-1)のmは6である。
【0205】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は、式(a-2)のものである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Raは、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Raは-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Raはメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Raはエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)のnは、1、2及び3からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)のnは、1及び2からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)のnは1である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のnは2である。ある特定の実施形態において、-Rb1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rb1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rb1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rb1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rb2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rb2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rb2はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-2)のnは1であり、式(a-2)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-2)のnは1であり、式(a-2)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成し、-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、-Rc1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rc1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rc1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rc1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rc2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rc2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rc2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rc2はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rd1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rd1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rd1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rd1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rd2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rd2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rd2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rd2はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは、0、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは0である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは1である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは2である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは4である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは5である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のmは6である。ある特定の実施形態において、-Reは、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Reは-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Reはメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Reはエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは、0、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは0である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは1である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは2である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは4である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは5である。ある特定の実施形態において、式(a-2)のpは6である。ある特定の実施形態において、-Rf1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rf1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rf1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rf1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rf2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rf2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rf2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-2)の-Rf2はエチルである。
【0206】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は、式(a-3)のものである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Raは、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Raは-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Raはメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Raはエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-3)のnは、1、2及び3からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-3)のnは、1及び2からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-3)のnは1である。ある特定の実施形態において、式(a-3)のnは2である。ある特定の実施形態において、-Rb1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Rb1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Rb1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Rb1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rb2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Rb2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Rb2はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-3)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-3)のnは1であり、式(a-3)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-3)のnは1であり、式(a-3)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成し、-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-3)のA*はC5シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、式(a-3)のA*はC6シクロアルキルである。
【0207】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は、式(a-4)のものである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Raは、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Raは-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Raはメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Raはエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)のnは、1、2及び3からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)のnは、1及び2からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)のnは1である。ある特定の実施形態において、式(a-4)のnは2である。ある特定の実施形態において、-Rb1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rb1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rb1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rb1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rb2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rb2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rb2はエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-4)のnは1であり、式(a-4)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、式(a-4)のnは1であり、式(a-4)の-Ra及び-Rb1はC5シクロアルキルを形成し、-Rb2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)のA*はC5シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)のA*はC6シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、-Reは、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Reは-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Reはメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Reはエチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは、0、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは0である。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは1である。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは2である。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは4である。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは5である。ある特定の実施形態において、式(a-4)のpは6である。ある特定の実施形態において、-Rf1は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rf1は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rf1はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rf1はエチルである。ある特定の実施形態において、-Rf2は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rf2は-Hである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rf2はメチルである。ある特定の実施形態において、式(a-4)の-Rf2はエチルである。
【0208】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は、下記:
【0209】
【化45】
[式中、
アスタリスクで標示される破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、標示のない破線は、Z、特にZのアミンの窒素への結合を示す]
からなる群から選択される。
【0210】
ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(a)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(b)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(c)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(d)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(e)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(f)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(g)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(h)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(i)の構造を有する。ある特定の実施形態において、-L1-L2-部分は式(j)の構造を有する。
【0211】
ある特定の実施形態において、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)のアスタリスクで標示される破線は、アキシチニブのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示す。ある特定の実施形態において、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)の標示のない破線は、ヒドロゲル、特にPEGベースヒドロゲルへの結合を示す。
【0212】
ある特定の実施形態において、Zはポリマー部分である。
【0213】
ある特定の実施形態において、ZはC8~24アルキルである。
【0214】
ある特定の実施形態において、Zは水溶性である。
【0215】
ある特定の実施形態において、Zは水溶性ポリマー部分である。
【0216】
Zが水溶性ポリマー部分である場合、そのようなポリマー部分は1kDaから1000kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは5kDaから1000kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは5kDaから500kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは10kDaから250kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは10kDaから150kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは12kDaから100kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは15kDaから80kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは10kDaから80kDa(これらの値を含む)の範囲の分子量を有する。
【0217】
ある特定の実施形態において、Zは約80kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約70kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約60kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約50kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約40kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約30kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約20kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約10kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、Zは約5kDaの分子量を有する。
【0218】
ある特定の実施形態において、Zは、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物ベースポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、水溶性ポリマー部分である。
【0219】
ある特定の実施形態において、Zは、タンパク質、例えば、参照により本明細書に組み込まれるUS2012/0035101A1に記載されている絨毛性ゴナドトロピンのカルボキシル末端ペプチド;アルブミン;参照により本明細書に組み込まれるWO2011123813A2に記載されているXTEN配列;参照により本明細書に組み込まれるWO2011/144756A1に記載されているプロリン/アラニンランダムコイル配列;参照により本明細書に組み込まれるWO2008/155134A1及びWO2013/024049A1に記載されているプロリン/アラニン/セリンランダムコイル配列;並びにFc融合タンパク質からなる群から選択されるタンパク質を含む、水溶性ポリマー部分である。
【0220】
ある特定の実施形態において、Zはポリサルコシンである。ある特定の実施形態において、Zはポリ(N-メチルグリシン)を含む。ある特定の実施形態において、Zはランダムコイルタンパク質部分を含む。
【0221】
ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも25個のアミノ酸残基、最大で2000個のアミノ酸を含む。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも30個のアミノ酸残基、最大で1500個のアミノ酸残基を含む。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも50個のアミノ酸残基、最大で500個のアミノ酸残基を含む。
【0222】
ある特定の実施形態において、Zは、ランダムコイルタンパク質部分を含み、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、ある特定の実施形態では少なくとも85%、ある特定の実施形態では少なくとも90%、ある特定の実施形態では少なくとも95%、ある特定の実施形態では少なくとも98%、及びある特定の実施形態では少なくとも99%がアラニン及びプロリンから選択される。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分のアミノ酸残基の総数の少なくとも10%であるが75%未満、ある特定の実施形態では65%未満は、プロリン残基である。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2011/144756A1に記載されているようなものであり、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態において、Zは、参照により本明細書に組み込まれるWO2011/144756に開示されている配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号51及び配列番号61からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む。アラニン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質を含む部分は、「PA」又は「PA部分」と呼ばれる。したがって、ある特定の実施形態において、ZはPA部分を含む。
【0223】
ある特定の実施形態において、Zは、ランダムコイルタンパク質部分を含み、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、ある特定の実施形態では少なくとも85%、ある特定の実施形態では少なくとも90%、ある特定の実施形態では少なくとも95%、ある特定の実施形態では少なくとも98%、及びある特定の実施形態では少なくとも99%がアラニン、セリン及びプロリンから選択される。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分のアミノ酸残基の総数の少なくとも4%であるが40%未満は、プロリン残基である。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2008/155134A1に記載されているようなものであり、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態において、Zは、参照により本明細書に組み込まれるWO2008/155134A1に開示されている配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号50、配列番号52、配列番号54及び配列番号56からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む。アラニン、セリン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、「PAS」又は「PAS部分」と呼ばれる。したがって、ある特定の実施形態において、ZはPAS部分を含む。
【0224】
ある特定の実施形態において、Zは、ランダムコイルタンパク質部分を含み、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、ある特定の実施形態では少なくとも85%、ある特定の実施形態では少なくとも90%、ある特定の実施形態では少なくとも95%、ある特定の実施形態では少なくとも98%、及びある特定の実施形態では99%がアラニン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタメート及びプロリンから選択される。ある特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2010/091122A1に記載されているようなものであり、これは参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態において、Zは、参照により本明細書に組み込まれるWO2010/091122A1に開示されている配列番号182、配列番号183、配列番号184; 配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号759、配列番号760、配列番号761、配列番号762、配列番号763、配列番号764、配列番号765、配列番号766、配列番号767、配列番号768、配列番号769、配列番号770、配列番号771、配列番号772、配列番号773、配列番号774、配列番号775、配列番号776、配列番号777、配列番号778、配列番号779、配列番号1715、配列番号1716、配列番号1718、配列番号1719、配列番号1720、配列番号1721及び配列番号1722からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む。アラニン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタメート及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、WO2010/091122A1におけるその命名に沿って「XTEN」又は「XTEN部分」と呼ばれる。したがって、ある特定の実施形態において、ZはXTEN部分を含む。
【0225】
ある特定の実施形態において、Zはヒアルロン酸ベースポリマーである。
【0226】
ある特定の実施形態において、Zは、WO2013/024047A1に開示されているポリマー部分であり、これは参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態において、Zは、WO2013/024048A1に開示されているポリマー部分であり、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0227】
ある特定の実施形態において、Zは、PEGベースポリマー、例えば、直鎖、分岐鎖又はマルチアームPEGベースポリマーである。
【0228】
ある特定の実施形態において、Zは直鎖PEGベースポリマーである。
【0229】
ある特定の実施形態において、Zは、1、2、3、4、5又は6個の分岐点を有する分岐鎖C8~24アルキルである。ある特定の実施形態において、Zは、1、2又は3個の分岐点を有する分岐鎖C8~24アルキルである。ある特定の実施形態において、Zは、1個の分岐点を有する分岐鎖C8~24アルキルである。ある特定の実施形態において、Zは、2個の分岐点を有する分岐鎖C8~24アルキルである。ある特定の実施形態において、Zは、3個の分岐点を有する分岐鎖C8~24アルキルである。
【0230】
ある特定の実施形態において、Zは分岐鎖ポリマーである。ある特定の実施形態において、Zは、1、2、3、4、5又は6個の分岐点を有する分岐鎖ポリマーである。ある特定の実施形態において、Zは、1、2又は3個の分岐点を有する分岐鎖ポリマーである。ある特定の実施形態において、Zは、1個の分岐点を有する分岐鎖ポリマーである。ある特定の実施形態において、Zは、2個の分岐点を有する分岐鎖ポリマーである。ある特定の実施形態において、Zは、3個の分岐点を有する分岐鎖ポリマーである。
【0231】
ある特定の実施形態において、分岐点は、-N<、-CH<及び>C<からなる群から選択される。
【0232】
ある特定の実施形態において、そのような分岐鎖Z部分はPEGベースである。
【0233】
ある特定の実施形態において、ZはマルチアームPEGベースポリマーである。
【0234】
ある特定の実施形態において、Zは、少なくとも2本のPEGベースアーム、例えば2、3、4、5、6、7又は8本のPEGベースアームを有するマルチアームPEGベースポリマーである。
【0235】
ある特定の実施形態において、Zは、少なくとも10%のPEGを含む分岐鎖PEGベースポリマーであり、1個の分岐点及び2本のPEGベースポリマーアームを有し、約40kDaの分子量を有する。したがって、2本のPEGベースポリマーアームのそれぞれは約20kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、分岐点は-CH<である。
【0236】
ある特定の実施形態において、Zは、少なくとも10%のPEGを含む分岐鎖PEGベースポリマーであり、3個の分岐点及び4本のPEGベースポリマーアームを有し、約40kDaの分子量を有する。したがって、4本のPEGベースポリマーアームのそれぞれは約10kDaの分子量を有する。ある特定の実施形態において、3個の分岐点のそれぞれは-CH<である。
【0237】
ある特定の実施形態において、Zは水不溶性である。
【0238】
ある特定の実施形態において、Zは水不溶性ポリマー部分である。
【0239】
ある特定の実施形態において、Zは、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物ベースポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、水不溶性ポリマー部分である。
【0240】
ある特定の実施形態において、Zはヒドロゲルである。
【0241】
ある特定の実施形態において、ZはPEGベース又はヒアルロン酸ベースヒドロゲルである。ある特定の実施形態において、ZはPEGベースヒドロゲルである。ある特定の実施形態において、Zはヒアルロン酸ベースヒドロゲルである。
【0242】
ある特定の実施形態において、Zは、WO2006/003014A2、WO2011/012715A1又はWO2014/056926A1に記載されているヒドロゲルであり、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0243】
ある特定の実施形態において、Zは、ポリマー鎖の物理的凝集によって形成されるポリマーネットワークであり、この物理的凝集は、好ましくは水素結合、結晶化、へリックス形成又は錯化により引き起こされる。ある特定の実施形態において、そのようなポリマーネットワークは熱ゲル化ポリマーである。
【0244】
ある特定の実施形態において、Zは、下記:
【0245】
【0246】
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id):
【0247】
【化47】
[式中、
各-D、-L
2-及びZは、上記に定義された通りであり、各-L
1-は独立して式(I)のものであり、
xは少なくとも1の整数であり、
yは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である]
のものである。
【0248】
1つの-Dが複数の-L1-部分にコンジュゲートし得るとしても、薬物部分は「-D」で、薬物は「D-H」で表されることが理解される。
【0249】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zはヒドロゲルである。そのような場合、複数の-L2-L1-D部分がZにコンジュゲートし、xについて上限を設けることはできないことが理解される。
【0250】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)のものである。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ib)のものである。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ic)のものである。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Id)のものである。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは式(Ia)のものであり、Zはヒドロゲルである。
【0251】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは、2~1000、例えば2~1500、例えば2~1000、例えば2~500、例えば2~250又は例えば2~100の範囲である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは20である。
【0252】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは19である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは18である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは17である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは16である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは15である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは14である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは13である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは12である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは11である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは10である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは9である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは8である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは7である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは6である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(I
d)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは5である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは4である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは3である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは、式(Ia)、(Ic)又は(Id)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、xは2である。
【0253】
ある特定の実施形態において、コンジュゲートは式(Ib)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、yは1である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは式(Ib)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、yは2である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは式(Ib)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、yは3である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは式(Ib)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、yは4である。ある特定の実施形態において、コンジュゲートは式(Ib)のものであり、Zは水溶性ポリマー部分であり、yは5である。
【0254】
ある特定の実施形態において、式(I)の-L1-は、式(Ix):
【0255】
【化48】
[式中、破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
=X
1、-R
1、-R
1a、-R
2、-R
2a、-R
3、-R
5及びnは、式(I)に定義された通りに使用され、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
2/-R
5及び-R
4/-R
5の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
式(Ix)のアスタリスクで標示される窒素原子とアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のものである。
【0256】
ある特定の実施形態において、式(Ix)のnは0である。ある特定の実施形態において、式(Ix)のnは1である。ある特定の実施形態において、式(Ix)のnは2である。
【0257】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R1及び-R1aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される。この場合、-R1/-R1aは、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、並びに-R1/-R2及び-R1/-R5の対のうちの1つ以上は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成してもよく、-A-は、式(I)について定義された通りに使用されることが理解される。
【0258】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R2及び-R2aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される。この場合、-R2/-R2a及び2つの隣接-R2の対のうちの1つ以上は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、並びに-R2/-R5の対は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成してもよく、-A-は、式(I)に定義された通りに使用されることが理解される。
【0259】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の=X1は=Oである。
【0260】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R1及び-R1aは両方とも-Hである。
【0261】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R1は-Hであり、式(Ix)の-R1aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から選択される。
【0262】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R3はC1~6アルキルである。
【0263】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R5は-Hである。ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R5はメチルである。ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R5はエチルである。
【0264】
ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R7は水素である。ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R7はメチルである。ある特定の実施形態において、式(Ix)の-R7はエチルである。
【0265】
ある特定の実施形態において、式(I)の-L1-は、式(I'):
【0266】
【化49】
[式中、破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
-R
1、-R
1a、-R
3及び-R
5は、式(I)に定義された通りに使用され、
場合により、-R
1/-R
1aの対は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
5の対は、これらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成する]
のものである。
【0267】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R1及び-R1aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される。この場合、-R1/-R1aは、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、及び-R1/-R5の対は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し得ることが理解される。
【0268】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R1及び-R1aは両方とも-Hである。
【0269】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R1は-Hであり、式(I')の-R1aはC1~6アルキルである。ある特定の実施形態において、式(I')の-R1は-Hであり、式(I')の-R1aは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から選択される。
【0270】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R3はC1~6アルキルである。
【0271】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R5はメチルである。ある特定の実施形態において、式(I')の-R5はエチルである。
【0272】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R5は-CH3であり、式(I')の-R1及び-R1aは-Hであり、式(I')の-R3は-Hであり、これは1つの-L2-Z部分で置き換えられる。
【0273】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R5は-CH3であり、式(I')の-R1は-Hであり、式(I')の-R1aは-CH3であり、式(I')の-R3は-Hであり、これは1つの-L2-Z部分で置き換えられる。
【0274】
ある特定の実施形態において、式(I')の-R5はエチルであり、式(I')の-R1及び-R1aは-Hであり、式(I')の-R3は-Hであり、これは1つの-L2-Z部分で置き換えられる。
【0275】
ある特定の実施形態において、式(I)の-L1-は、式(Iy):
【0276】
【化50】
[式中、破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
=X
1、-R
1、-R
1a、-R
2、-R
2a、-R
3、-R
5、-R
9及びnは、式(I)に定義された通りに使用され、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2及び-R
3/-R
9の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
2/-R
5及び-R
4/-R
5の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2及び3からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2及び3からなる群から選択されることを条件とし、
式(Iy)のアスタリスクで標示される窒素原子とアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のものである。
【0277】
ある特定の実施形態において、式(Iy)のnは1である。ある特定の実施形態において、式(Iy)のnは2である。ある特定の実施形態において、式(Iy)のnは3である。
【0278】
ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R1及び-R1aは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R1及び-R1aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される。この場合、-R1/-R1aは、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、並びに-R1/-R5、-R1/-R9及び-R1/-R10の対のうちの1つ以上は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成してもよく、-A-は、式(I)について定義された通りに使用されることが理解される。
【0279】
ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R1及び-R1aは両方とも-Hである。
【0280】
ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R2及び-R2aは、-H及びC1~6アルキルからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R2及び-R2aは、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から独立して選択される。この場合、-R2/-R2a及び2つの隣接-R2の対のうちの1つ以上は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になってC3~10シクロアルキルを形成し得ること、並びに-R2/-R5の対は、場合によりこれらが結合している原子と一緒になって3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し得ることが理解される。
【0281】
ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R2及び-R2aは両方とも-Hである。
【0282】
ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R3はHである。ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R3はメチルである。
【0283】
ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R5はHである。ある特定の実施形態において、式(Iy)の-R5はメチルである。
【0284】
本発明のコンジュゲートは、長い期間にわたって1種以上の薬物を放出する、すなわち、これらは持続放出コンジュゲートである。ある特定の実施形態において、放出は、1日から1か月の範囲の放出半減期で発生する。ある特定の実施形態において、放出は、1日から20日の範囲の放出半減期で発生する。ある特定の実施形態において、放出は、1日から15日の範囲の放出半減期で発生する。ある特定の実施形態において、放出半減期は2~20日、4~15日又は3~6日の範囲であってもよい。
【0285】
本発明の別の態様は、本発明の少なくとも1つのコンジュゲート又はその医薬塩を含む医薬組成物である。
【0286】
ある特定の実施形態において、医薬組成物は本発明の1つのコンジュゲート又はその医薬塩を含む。ある特定の実施形態において、医薬組成物は本発明の2つのコンジュゲートを含む。ある特定の実施形態において、医薬組成物は本発明の3つのコンジュゲートを含む。
【0287】
そのような医薬組成物は、pH3~pH8の範囲、例えば、pH4~pH6の範囲又はpH4~pH5の範囲のpHを有してもよい。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは約4である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは約4.5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは約5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは約5.5である。
【0288】
ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは4である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは4.5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは5.5である。
【0289】
ある特定の実施形態において、そのような医薬組成物は懸濁製剤である。
【0290】
ある特定の実施形態において、そのような医薬組成物は乾燥組成物である。そのような乾燥組成物は、懸濁組成物を乾燥することにより、例えば凍結乾燥することにより得ることができることが理解される。
【0291】
医薬組成物が非経口組成物である場合、適切な賦形剤は、例えば、緩衝剤、等張性調節剤、防腐剤、安定剤、吸着防止剤(anti-adsorption agent)、酸化防止剤(oxidation protection agent)、増粘剤(viscosifier)/粘度増強剤、凝集防止剤(anti-agglomeration agent)及び他の補助剤と分類され得る。しかし一部の場合では、1つの賦形剤が二重又は三重の機能を有することができる。賦形剤は、下記からなる群から選択され得る。
(i)緩衝剤:pHを所望の範囲に維持する生理学的に耐容される緩衝液、例えば、ナトリウムホスフェート、ビカルボネート(重炭酸)、スクシネート(コハク酸)、ヒスチジン、シトレート(クエン酸)、アセテート(酢酸)、サルフェート(硫酸)、ナイトレート(硝酸)、クロライド(塩化物)又はピルベート(ピルビン酸)であり、制酸剤、例えば、Mg(OH)2又はZnCO3を使用することもできる。
(ii)等張性調節剤:注射貯留(injection depot)での浸透圧の差に起因する細胞損傷から生じ得る疼痛を最小限にするためのものであり、グリセリン及び塩化ナトリウムが例であり、有効濃度は、血清の285~315mOsmol/kgの推定浸透圧を使用する浸透圧測定により決定され得る。
(iii)防腐剤及び/又は抗微生物剤:多回用量非経口製剤は、患者が注射時に感染するリスクを最小限にするのに十分な濃度で防腐剤の添加を必要とし、対応する規制要件が確立された;典型的な防腐剤には、m-クレゾール、フェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、クロロブタノール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、クロロクレゾール及び塩化ベンザルコニウムが含まれる。
(iv)安定剤:安定化は、タンパク質安定化力の強化により、変性状態の不安定化により又は賦形剤をタンパク質に直接結合させることにより達成され、安定剤は、アミノ酸類、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン、糖類、例えば、グルコース、スクロース、トレハロース、ポリオール類、例えば、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、塩類、例えば、リン酸カリウム、硫酸ナトリウム、キレート剤類、例えば、EDTA、ヘキサホスフェート、リガンド類、例えば、二価金属イオン(亜鉛、カルシウム等)、他の塩及び有機分子類、例えば、フェノール誘導体、加えてオリゴマー又はポリマー類、例えば、シクロデキストリン、デキストラン、デンドリマー、PEG又はPVPであってもよく、又はプロタミン若しくはHSAを使用することができる。
(v)吸着防止剤:主にイオン性若しくは非イオン性界面活性剤、又は他のタンパク質若しくは可溶性ポリマーが、製剤の容器の内面を被覆するため又はそこに競合的に吸着するために使用され、例えば、ポロキサマー(Pluronic F-68)、PEGドデシルエーテル(Brij 35)、ポリソルベート20及び80、デキストラン、ポリエチレングリコール、PEG-ポリヒスチジン、BSA及びHSA、並びにゼラチンであり、選択される賦形剤の濃度及び種類は、避けるべき効果によって決まるが、典型的には界面活性剤の単層は、CMC値を少し上回る境界線で形成される。
(vi)酸化防止剤:抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、エクトイン、メチオニン、グルタチオン、モノチオグリセロール、モリン、ポリエチレンイミン(PEI)、没食子酸プロピル及びビタミンEであり、キレート剤、例えば、クエン酸、EDTA、ヘキサホスフェート及びチオグリコール酸を使用することもできる。
(vii)増粘剤又は粘度増強剤:バイアル及びシリンジ中の粒子の沈降を遅緩させるものであり、粒子の混合及び再懸濁を促進するため、並びに懸濁液を注射するのを容易にする(すなわち、シリンジプランジャーへの力を低くする)ために使用され、適切な増粘剤又は粘度増強剤は、例えば、Carbopol 940、Carbopol Ultrez 10のようなカルボマー増粘剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、HPMC)又はジエチルアミノエチルセルロース(DEAE若しくはDEAE-C)のようなセルロース誘導体、コロイド状ケイ酸マグネシウム(Veegum)又はケイ酸ナトリウム、ヒドロキシアパタイトゲル、リン酸三カルシウムゲル、キサンタン、SatiaガムUTC 30のようなカラギーナン、脂肪族ポリ(ヒドロキシ酸)、例えば、ポリ(D,L-又はL-乳酸)(PLA)及びポリ(グリコール酸)(PGA)、並びにこれらのコポリマー(PLGA)、D,L-ラクチド、グリコリド及びカプロラクトンのターポリマー、ポロキサマー、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)(例えば、Pluronic(登録商標))のトリブロックを構成する親水性ポリ(オキシエチレン)ブロック及び疎水性ポリ(オキシプロピレン)ブロック、ポリエーテルエステルコポリマー、例えば、ポリエチレングリコールテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートコポリマー、酢酸スクロースイソブチレート(SAIB)、デキストラン又はその誘導体、デキストランとPEGの組み合わせ、ポリジメチルシロキサン、コラーゲン、キトサン、ポリビニルアルコール(PVA)及び誘導体、ポリアルキルイミド、ポリ(アクリルアミド-コ-ジアリルジメチルアンモニウム(DADMA))、ポリビニルピロリドン(PVP)、グリコサミノグリカン(GAG)、例えば、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロナン、疎水性Aブロック、例えば、ポリラクチド(PLA)又はポリ(ラクチド-コ-グリコシド)(PLGA)及び親水性Bブロック、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリビニルピロリドンから構成されるABAトリブロック又はABブロックコポリマーであり、そのようなブロックコポリマー、並びに上述されたポロキサマーは、逆熱ゲル化挙動(室温で流体状態であって投与を促進し、注射後は体温でゾル-ゲル転移温度を上回りゲル状態になる)を示すことがあり得る。
(viii)展開剤又は拡散剤:間質腔(intrastitial space)の細胞外マトリックスの構成成分、例えば、限定されないが、接続組織の細胞間隙に見出される多糖であるヒアルロン酸の加水分解を介して、接続組織の透過性を改変するものであり、展開剤、例えば限定されないがヒアルロニダーゼは、細胞外マトリックスの粘度を一時的に減少し、注射された薬物の拡散を促進する。
(ix)凝集防止剤:例えば、プロピレングリコールである。
(x)他の補助剤:例えば、湿潤剤、粘度調節剤、抗生物質、ヒアルロニダーゼであり、酸及び塩基、例えば、塩酸及び水酸化ナトリウムは、製造の際にpH調整に必要な補助剤である。
【0292】
別の態様において、本発明は、医薬として使用するための、本発明のコンジュゲート又は本発明のコンジュゲートを含む医薬組成物に関する。
【0293】
別の態様において、本発明は、D-H又はその薬学的に許容される塩で治療され得る疾患を治療する方法に使用するための、本発明のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩又は本発明のコンジュゲートを含む医薬組成物に関する。
【0294】
更なる態様において、本発明は、D-Hにより予防又は治療され得る疾患を予防する又は疾患を患っている患者を治療する方法であって、有効量の本発明のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩又は前記コンジュゲートを含む医薬組成物を患者に投与することを含む方法に関する。
【0295】
本発明は、π電子対供与複素環式芳香族Nを含む全ての薬物分子に適用可能であるので、治療され得る疾患を更に指定することは不可能である。しかし、特定のコンジュゲートでどの疾患が治療され得るかは、当業者には明らかである。
【0296】
[実施例]
材料及び方法
別途明記されていない限り、全ての材料は商業的に入手した。
【0297】
アミノヒドロゲル
PEGベースアミノヒドロゲルを、異なる架橋剤及び架橋度を使用してWO2011/012715A1の例3に記載されている通りに合成して、異なるレベルのアミン含有量を得た。全ての架橋剤は、2kDaのPEGをベースとしており、アジピン酸(C6)、スベリン酸(C8)又はアゼライン酸(C9)を使用してWO2011/012715A1の例2に記載されている通りに合成した。架橋剤の選択を括弧内に示す。ヒドロゲルをこれらの遊離アミン含有量により特徴付けした:
HG-1:0.309mmol/g(C6)、HG-2:0.300mmol/g(C6)、HG-3:0.134mmol/g(C6);HG-4:0.668mmol/g(C9);HG-5:0.303mmol/g(C6);HG-6:0.668mmol/g(C9);HG-7:0.331mmol/g(C6);HG-8:0.686mmol/g(C9);HG-9:0.393mmol/g;(C9):HG-10:0.474mmol/g(C8);HG-16:0.483mmol/g(C9)
【0298】
以下のヒドロゲルを、WO2011/042450A1の例5に記載されている通りにリシンによるアミンヒドロゲルの修飾により調製し、これらの遊離アミン含有量により特徴付けした:
HG-11:0564mmol/g(HG-5から);HG-12:0.614mmol/g(HG-7から)、HG-13:0.691mmol/g(HG-9から)、HG-14:0.934mmol/g(HG-10から)。HG-15:0.621mmol/g(HG-7から);HG-17:0.864mmol/g(HG-16から)
【0299】
反応
反応は、Sigma-Aldrich Chemie GmbH、Munich、Germanyから購入したモレキュラーシーブ上に保存した乾燥溶媒(CH2Cl2、DMF、THF)を用いて行った。一般に、反応物は室温にて撹拌し、LCMSによりモニターした。
【0300】
固相合成
固相合成は、フリットを備えたシリンジ反応器において行った。標準的なFmocプロトコールを使用した。2-クロロトリチルクロリド樹脂(100-200メッシュ)、1%DVB(Merck、Darmstadt、Germany)に、DCM中DIPEAを使用して第1のアミノ酸を負荷した。Fmoc脱保護は、2:2:96 ピペリジン/DBU/DMFを使用して行った。次のアミノ酸のカップリングは、PyBOP/DIPEA又はHATU/DMF中DIPEAを使用して行った。樹脂からの切断は、HFIP又はTFA/TES/水/DCM 48:2:2:48を使用して行った。生成物を真空で濃縮した。
【0301】
RP-HPLC精製
分取RP-HPLC精製は、Waters XBridge BEH300 Prep C18 10μm、150×30mmカラムを固定相として使用して、2487 Dual Absorbance Detector又はAgilent Infinity 1260分取システムと共にWaters 600コントローラーにより行った。生成物は215nm、320nm又は360nmで検出した。溶媒系A(0.1%TFA v/vを含有する水)及び溶媒系B(0.1%TFA v/vを含有するアセトニトリル)の線形勾配を使用した。生成物を含有するHPLC分画をプールし、別途明記されていなければ凍結乾燥させた。
【0302】
フラッシュクロマトグラフィー
フラッシュクロマトグラフィー精製は、Biotage AB、SwedenのIsolera Oneシステム又はIsolera Fourシステムで、Biotage KP-Silシリカカートリッジを使用して行った。生成物は254nm、280nm又は360nmで検出した。
【0303】
RP-LPLC精製
低圧RPクロマトグラフィー精製は、Biotage AB、SwedenのIsolera Oneシステム又はIsolera Fourシステムで、Biotage SNAP C18カートリッジを使用して行った。生成物は215nm及び360nmで検出した。溶媒系A(0.1%TFA v/vを含有する水)及び溶媒系B(0.1%TFA v/vを含有するアセトニトリル)の線形勾配。生成物を含有するLPLC分画をプールし、別途明記されていなければ凍結乾燥させた。
【0304】
UPLC-MS分析
分析用超高速LC(UPLC)-MSは、Waters Micromass ZQに連結した、又はAgilent Single Quad MS systemに連結した、Waters BEH300 C18 カラム(2.1×50 mm、1.7μm粒子サイズ又は2.1×100mm、1.7μm 粒子サイズ);溶媒A:0.04%TFA(v/v)を含有する水、溶媒 B:0.05%TFA(v/v)を含有するアセトニトリルを備えたWaters Acquityシステム又はAgilent 1290 Infinity IIで行った。
【0305】
ヒドロゲルからの薬物部分含有量判定
ヒドロゲルの薬物部分含有量を、基本的なインキュベーション及びLCMS定量(UVベース)後の薬物の総放出より判定した。
【0306】
[実施例1]
インダゾールコンジュゲート1eの合成
リンカー試薬1eを以下のスキームに従って合成した:
【0307】
【0308】
MeOH(20mL)中のN-メチル-N-boc-エチレンジアミン(2g、11.48mmol)及びNaCNBH3(819mg、12.63mmol)の溶液に、2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド(2.08mg、10.61mmol)を少量ずつ添加した。混合物を室温(RT)にて90min撹拌し、3M HCl(4mL)で酸性化し、更に15min撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液(200mL)に添加し、CH2Cl2で5回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を真空で蒸発させた。生じたN-メチル-N-boc-N'-tmob-エチレンジアミン1aを高真空で乾燥させ、次の反応ステップで、更なる精製なしで使用した。
収量: 3.76 g (11.48 mmol, 純度89 %, 1a: 二重のTmob保護生成物 = 8 :1)
MS: m/z 355.22 = [M+H]+, (計算値 = 354.21).
【0309】
CH2Cl2(24ml)中の1a(2g、5.65mmol)の溶液に、COMU(4.84g、11.3mmol)、N-Fmoc-N-Me-Asp(OBn)-OH(2.08g、4.52mmol)及びコリジン(2.65mL、20.34mmol)を添加した。反応混合物をRTにて3h撹拌し、CH2Cl2(250mL)で希釈し、0.1M H2SO4(100mL)で3回、ブライン(100mL)で3回洗浄した。水相をCH2Cl2(100mL)で再度抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、残渣を24mLの体積に濃縮した。1bを、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。
収量: 5.31 g (148 %, 6.66 mmol)
MS: m/z 796.38 = [M+H]+, (計算値 = 795.37).
【0310】
THF(60mL)中の1b(5.31g、N-Fmoc-N-Me-Asp(OBn)-OHを基準に最大4.51mmol)の溶液に、DBU(1.8mL、3%v/v)を添加した。溶液をRTにて12min撹拌し、CH2Cl2(400ml)で希釈し、0.1M H2SO4(150ml)で3回、ブライン(150ml)で3回洗浄した。水相をCH2Cl2(100ml)で再度抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。1cを溶媒の蒸発の際に単離し、次の反応で、更なる精製なしで使用した。
MS: m/z 574.31 = [M+H]+, (計算値 = 573.30).
【0311】
1c(5.31g、4.51mmol、粗製物)をアセトニトリル(26mL)中に溶解し、COMU(3.87g、9.04mmol)、6-トリチルメルカプトヘキサン酸(2.12g、5.42mmol)及びコリジン(2.35mL、18.08mmol)を添加した。反応混合物をRTにて4h撹拌し、CH2Cl2(400mL)で希釈し、0.1M H2SO4(100mL)で3回、ブライン(100mL)で3回洗浄した。水相をCH2Cl2(100ml)で再度抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、1dを溶媒の蒸発の際に単離した。生成物1dを、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。
収量: 2.63 g (62 %,純度94 %)
MS: m/z 856.41 = [M+H]+, (計算値 = 855.41).
【0312】
i-PrOH(33mL)及びH2O(11mL)中の1d(2.63g、2.78mmol)の溶液に、LiOH(267mg、11.12mmol)を添加し、反応混合物をRTにて70min撹拌した。混合物をCH2Cl2(200ml)で希釈し、0.1M H2SO4(50ml)で3回、ブライン(50ml)で3回洗浄した。水相をCH2Cl2(100mL)で再度抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、1eを溶媒の蒸発の際に単離した。1eを、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。
収量: 2.1 g (88 %)
MS: m/z 878.4 = [M+Na]+, (計算値 = 878.40).
【0313】
インダゾール(50mg、0.42mmol)及びPyBOP(264mg、0.51mmol)をDMF(1.5mL)中に溶解した。溶液に、撹拌しながら1e(435mg、0.51mmol)及びDIPEA(222μL、1.27mmol)を添加した。18h後、反応溶液を分液漏斗中に移し、10mL酢酸エチルで希釈し、有機相を1×10mL 0.1N HCl、1×10mL水及び1×10mLブラインで洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、全ての揮発性物質を蒸発させた。1fをフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
収量: 173 mg (43 %)
MS: m/z 956.72 = [M+H]+, (計算値 = 956.47).
【0314】
1f(80mg、84μmol)をHFIP/TES/H2O 39/1/1(v/v/v)(1mL)中に溶解した。溶液に、TFA(200μL、2.6mmol)を添加した。全ての揮発性物質をアルゴン気流中で除去した。粗製物1gをRP-HPLCにより精製した。
収量: 9.6 mg (21 %) TFA塩
MS: m/z 434.51 = [M+H]+, (計算値 = 434.22).
【0315】
450μLギ酸及び50μL過酸化水素の混合物をRTにて1hインキュベートし、冷蔵庫内で予め冷却した。この溶液の100μLを1g(2.50mg;4.6μmol)に添加した。10min後、100μL水を添加し、生成物1hを反復凍結乾燥により単離した。
収量: 2 mg (86 %) ギ酸塩
MS: m/z 482.46 = [M+H]+, (計算値 = 482.21).
【0316】
[実施例2]
1-((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)-1H-インダゾール-3-カルボン酸 2の合成
1H-インダゾール-3-カルボン酸(249mg、1.54mmol)をDCM(5mL)中で懸濁し、撹拌しながらDCM(5mL)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(343mg;1.70mmol)の溶液を添加した。懸濁液を得た。撹拌しながらTEA(645μL、4.63mmol)を添加した。2h後、反応溶液を150ml酢酸エチルで希釈し、有機相を50mL 0.1M HClで3回洗浄した。水相を50mLの酢酸エチルで2回再度抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。生成物1-((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)-1H-インダゾール-3-カルボン酸 2を更なる精製なしで使用した。
収量: 486 mg (97 %)
MS: m/z 327.99 = [M+H]+, (計算値 = 328.06).
【0317】
[実施例3]
化合物3の合成
【0318】
【0319】
4-ニトロフェニルクロロホルメート(188mg、0.93mmol)をTHF(8mL)中に溶解した。この溶液をアキシチニブ(100mg、0.26mmol)に添加し、反応物を撹拌しながら80℃にて7h加熱した(黄色懸濁液)。反応懸濁液をRTにて終夜静置した。懸濁液を遠心分離し、上澄みを除去し、沈殿物を酢酸エチル(2回、6ml)で洗浄した。沈殿物を高真空で乾燥させた。
収量: 139 mg (92 %, HCl塩)
MS: m/z 552.11 = [M+H]+, (計算値 = 552.14).
【0320】
[実施例4]
化合物4aの合成
【0321】
【0322】
N-ベンジルオキシカルボニルサルコシン(100mg、0.45mmol)及びHOBt(59mg、0.44mmol)をDCM(1mL)中で懸濁した。1-プロピルアミン(44μL、0.54mmol)を添加し、溶液を得た。EDC HCl(91mg、0.48mmol)を添加し、反応物を撹拌した。4.5h後、反応物を真空で濃縮し、粗製物をRP-HPLCにより精製した。生成物を、超音波処理によりTHF(1.95mL)中に溶解した。溶液に、活性炭上の10%パラジウム(42mg、0.04mmol)を添加し、反応物を水素雰囲気中で撹拌した。3h後、反応物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。
収量: 50 mg (86 %)
MS: m/z 130.93 = [M+H]+, (計算値 = 131.12).
【0323】
[実施例5]
化合物4bの合成
【0324】
【0325】
N-ベンジルオキシカルボニルサルコシン(103mg、0.46mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、撹拌しながら2-ブチルアミン(54μL、0.53mmol)及びPyBOP(257mg、0.49mmol)を添加した。溶液を得た。DIPEA(156μL、0.90mmol)を添加した。5h後、反応をTFA(50μl)でクエンチし、生成物をRP-HPLCにより精製した。ステップ生成物をTHF(2mL)中に溶解した。溶液に、活性炭上の10%パラジウム(4.5mg、0.04mmol)を添加し、反応物を水素雰囲気中で撹拌した。3h後、反応物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。
収量: 67 mg (定量的)
MS: m/z 144.97 = [M+H]+, (計算値 = 145.14).
【0326】
[実施例6]
化合物4cの合成
【0327】
【0328】
Boc-Sar-OH(99mg、0.52mmol)をDCM(1mL)中に溶解した。撹拌しながらL-バリンtert-ブチルエステル塩酸塩(111mg、0.53mmol)、EDC HCl(109mg、0.57mmol)及びDIPEA(276μL、1.59mmol)を添加した。3h後、反応物を30mLのDCMで希釈し、30mLの0.1N HClで3回、飽和NaHCO3で2回、ブラインで1回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物を0.5mlのDCM中に溶解した。開放フラスコ内で撹拌しながら0.5mlのTFAを添加した。5h後、反応物を窒素気流中で濃縮し、生成物をDCMと3回共蒸発させた。
収量: 44 mg (28 %, TFA塩)
MS: m/z 188.88 = [M+H]+, (計算値 = 189.13).
【0329】
[実施例7]
化合物4dの合成
【0330】
【0331】
3-[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]プロパン酸(102mg、0.50mmol)をDMF(0.5mL)中に溶解した。1-プロピルアミン(49μL、0.59mmol)、PyBOP(286mg、0.55mmol)及びDIPEA(171μL、0.98mmol)を添加した。3h後、反応をTFA(50μl)でクエンチし、生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物を0.5mlのDCM中に溶解した。開放フラスコ内で撹拌しながら0.5mLのTFAを添加した。1h後、反応物を窒素気流中で濃縮し、生成物をDCMと2回共蒸発させた。残渣を水(2mL)中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 128 mg (99 %, TFA塩)
MS: m/z 144.92= [M+H]+, (計算値 = 145.14).
【0332】
[実施例8]
化合物4eの合成
【0333】
【0334】
メチル6-オキソ-ヘプタノエート(2g、12.64mmol)をメタノール(13mL)及び酢酸アンモニウム(9.75g、126.43mmol)中に溶解し、撹拌しながらシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.19g、18.96mmol)を添加した。生じた懸濁液は溶液に変化し、撹拌を終夜続けた。混合物を水(70mL)で希釈し、酢酸エチルを添加した(80mL)。水相のpHを25mL 4M NaOHで約pH11に調整した。水相を70mL酢酸エチルで更に3回抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。第1のステップからの粗製物をDMF(20mL)中に溶解し、撹拌しながらN-Boc-N-エチルグリシン(2.55g、12.56mmol)、PyBOP(7.19g、13.82mmol)及びDIPEA(6.56mL、37.68mmol)を添加した。1h後、反応物を60mL酢酸エチルで希釈し、0.1M HCl(3回80mL)、0.5M NaOH(3回50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)を使用して精製した。生成物をTHF(10mL)中に溶解し、LiOH(0.46g、19.21mmol)を水(4mL)中に溶解した。溶液を合わせ、激しく撹拌した。3h後、反応物を80mL酢酸エチルで希釈し、60mL 1M HClを添加した。水相のpHは2未満であった。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(2回50mL)で抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。残渣をDCM(10mL)中に溶解し、開放フラスコ内で激しく撹拌しながらTFA(5mL)を添加した。30min後、反応物を真空で濃縮し、5mL DCMと1回共蒸発させた。粗製物を水(40mL)中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 2.54 g (59 %, TFA塩)
MS: m/z 230.94 = [M+H]+, (計算値 = 231.17).
【0335】
[実施例9]
化合物4fの合成
【0336】
【0337】
化合物4fは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH及びBoc-N-エチルグリシンを構成ブロックとして使用して合成した。樹脂からの切断の際に、BOC保護基を、TFA切断カクテルを使用して同時に除去した。切断溶液を真空で濃縮し、残渣をアセトニトリル/水中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 1.01 g (定量的, TFA塩)
MS: m/z 216.92= [M+H]+, (計算値 = 217.16).
【0338】
[実施例10]
化合物4gの合成
【0339】
【0340】
N-Boc-N-エチルグリシン(100mg、0.49mmol)及びHOBt(66mg、0.49mmol)をDCM(1mL)中で懸濁した。H-ベータ-Ala-OtBu塩酸塩(107mg、0.59mmol)を添加し、溶液を得た。EDC HCl(99mg、0.52mmol)を添加し、反応物を1.5h撹拌した。揮発性物質を真空で除去し、生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物を0.5mLのDCM中に溶解した。開放フラスコ内で撹拌しながら0.5mLのTFAを添加した。30min後、反応物を真空で濃縮し、生成物をDCMと2回共蒸発させた。残渣をアセトニトリル/水 1:1(2mL)中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 125 mg (88 %, TFA塩)
MS: m/z 174.98 = [M+H]+, (計算値 = 175.11).
【0341】
[実施例11]
化合物4hの合成
【0342】
【0343】
N-Boc-N-エチルグリシン(102mg、0.50mmol)をDMF(0.5mL)中に溶解した。1-プロピルアミン(49μL、0.59mmol)、PyBOP(281mg、0.54mmol)及びDIPEA(171μL、0.98mmol)を添加した。3.5h後、TFA(40μL)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物を0.5mlのDCM中に溶解した。開放フラスコ内で撹拌しながら0.5mlのTFAを添加した。1h後、反応物を真空で濃縮し、生成物をDCM(2mL)と2回共蒸発させた。
収量: 122 mg (94 %, TFA塩)
MS: m/z 144.89 = [M+H]+, (計算値 = 145.14).
【0344】
[実施例12]
化合物4iの合成
【0345】
【0346】
DCM(0.8mL)中のtrans-4-ヒドロキシシクロヘキサン酸(61mg、0.43mmol)の懸濁液に、HOBt(63mg、0.47mmol)、次いでDIC(73μL、0.47mmol)を添加した。懸濁液に、DMF(0.2mL)を添加した。DCM(0.2mL)中のH-ベータ-Ala-OtBu塩酸塩(86mg、0.47mmol)を添加した。4.5h後、DIPEA(60μL)を添加した。5h後、反応物をDCM(約10mL)で希釈し、濾過した。濾液を0.1M HCl水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物(57.00mg、0.21mmol)をDCM(2.5mL)中に溶解し、DMAP(26mg、0.21mmol)を添加した。DCM(0.5mL)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(85mg、0.42mmol)、及びDIPEA(110μL、0.63mmol)を添加した。1h後、0.1M HCl水溶液(15mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈した。有機相を0.1M HCl水溶液(2回10mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(3回10mL)で再度抽出した。有機相を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。
収量: 119 mg (65 %)
MS: m/z 437.21 = [M+H]+, (計算値 = 437.19).
【0347】
[実施例13]
化合物4jの合成
【0348】
【0349】
Boc-Sar-OH(103mg、0.54mmol)をDCM(1mL)中に溶解した。tert-ブチル-(3S)-3-アミノブタノエート(84mg、0.53mmol)、EDC HCl(113mg、0.59mmol)及びDIPEA(0.28mL、1.58mmol)を添加した。3h後、反応混合物を30mLのDCMで希釈し、30mLの0.1N HClで3回、飽和NaHCO3で2回、ブラインで1回洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物を0.5mLのDCM中に溶解した。開放フラスコ内で撹拌しながら0.5mlのTFAを添加した。3h後、反応物を真空で濃縮し、生成物をDCM(5mL)と3回共蒸発させた。
収量: 73 mg (47 %)
MS: m/z 437.21 = [M+H]+, (計算値 = 437.19).
【0350】
[実施例14]
化合物5aの合成
【0351】
【0352】
5aは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、Fmoc-ベータホモアラニン-OH及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0353】
[実施例15]
化合物5bの合成
【0354】
【0355】
5bは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、Fmoc-Ala-OH及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0356】
[実施例16]
化合物5cの合成
【0357】
【0358】
5cは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH及びFmoc-N-メチル-Ala-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0359】
[実施例17]
化合物5dの合成
【0360】
【0361】
5dは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH及びFmoc-Pro-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0362】
[実施例18]
化合物6aの合成
【0363】
【0364】
1H-インダゾール-3-カルボン酸(40mg、0.25mmol)をDMF(0.5mL)中に溶解した。DIPEA(172μL、0.99mmol)及びn-ブチルクロロホルメート(63μL、0.49mmol)を添加した。混合物を2.5h撹拌した。TFA(95μL)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 0.8 mg (1 %)
MS: m/z 262.91 = [M+H]+, (計算値 = 263.11).
【0365】
[実施例19]
化合物6bの合成
【0366】
【0367】
4-ニトロフェニルクロロホルメート(50mg、0.25mmol)をDCM(0.50mL)中に溶解した。撹拌した反応物に、2-ペンタノール(25μL、0.23mmol)及びTEA(79μL、0.57mmol)を添加した。4h後、揮発性物質を窒素気流中で除去し、生成物をRP-HPLCにより精製した。生成物(17mg、0.07mmol)を0.5mLアセトニトリル中に溶解し、1H-インダゾール-3-カルボン酸(10mg、0.06mmol)を添加した。DIPEA(27μL、0.15mmol)を添加した。2h後、再度DIPEA(27μL、0.15mmol)を添加した。4h後、酢酸(100μL)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 15 mg (53 %)
MS: m/z 277.12 = [M+H]+, (計算値 = 277.12).
【0368】
[実施例20]
化合物6cの合成
【0369】
【0370】
1H-インダゾール-3-カルボン酸(20mg、0.12mmol)及び二炭酸ジ-tert-ブチル(30mg、0.14mmol)をアセトニトリル(0.50mL)中で懸濁した。DMAP(1.5mg、0.01mmol)及びDIPEA(32μL、0.19mmol)を添加し、反応物を2.25h撹拌した。生成物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 18 mg (56 %)
MS: m/z 547.18 = [2M+Na]+, (計算値 = 547.18).
【0371】
[実施例21]
化合物6dの合成
【0372】
【0373】
H-ベータ-Ala-OtBu塩酸塩(245mg、1.35mmol)をDMF(3mL)中に溶解し、氷浴中で撹拌しながら10min冷却してから、DIPEA(250μL、1.44mmol)、ガンマ-バレロラクトン(86μL、0.90mmol)及び酢酸スズ(II)(46mg、0.20mmol)を順次添加した。更に5分の冷却後、溶液を撹拌しながら80℃に6.75h加熱した。反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、0.1M HCl水溶液(30mL)及びブライン(2回25mL)で洗浄した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。生成物をRP-HPLCにより精製した。
【0374】
前述の生成物(4mg、16μmol)をDCM(0.2mL)中に溶解し、DCM(50μL)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(6.5mg、32μmol)を添加した。DIPEA(8μL、46μmol)及びDMAP(1.9mg、16μmol)を添加した。2h後、反応は、0.1M HCl水溶液(2mL)を添加することによりクエンチし、酢酸エチル(約2mL)で希釈した。有機相を抽出し、次いで水相を酢酸エチル(4回約2mL)で再度抽出した。有機物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を真空で除去した。前のステップからの活性化PNPカーボネートを更なる精製なしで使用した。DCM(0.4ml)中の1H-インダゾール-3-カルボン酸(3.2mg、20μmol)を添加した。DIPEA(9μL、52μmol)を添加し、反応物を終夜撹拌した。生成物をRP-HPLCにより精製した。
【0375】
前のステップからの生成物をDCM(0.4mL)中に溶解し、TFA(0.2mL)を添加した。1h後、揮発性物質を真空で除去し、残渣を水中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 1.7 mg (0.6 %)
MS: m/z 378.06 = [M+H]+, (計算値 = 378.13).
【0376】
[実施例22]
化合物6eの合成
【0377】
【0378】
H-Thr-OtBu(59mg、0.28mmol)をDMF(0.5mL)中に溶解し、DIPEA(145μL、0.84mmol)を添加した。5min後、DMF(0.2mL)中のN-アセトキシスクシンイミド(54mg、0.34mmol)を滴下添加した。40min後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、次いで、0.1M HCl水溶液(3回10mL)、飽和NaHCO3(2回10mL)及びブライン(2回10mL)で順次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。生成物をRP-HPLCにより精製した。
【0379】
DCM(0.2mL)中の前のステップからの生成物(4.6mg、21μmol)の撹拌した溶液に、DCM(0.1ml)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(8.7mg、43μmol)を添加した。撹拌しながらDIPEA(11μL、63μmol)及びDMAP(2.7mg、22μmol)を添加した。2.25h後、反応物を酢酸エチル(約2mL)で希釈し、次いで0.1M HCl水溶液(2mL)で洗浄した。酢酸エチル(3回約3mL)で水相から再抽出した。有機物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。
【0380】
前のステップからの活性化PNPカーボネートを更なる精製なしで使用した。DCM(0.4mL)中の1H-インダゾール-3-カルボン酸(4.7mg、29μmol)を添加した。DIPEA(11μL、63μmol)を添加した。終夜撹拌した後、揮発性物質を真空で除去し、生成物をRP-HPLCにより精製した。前のステップからの生成物をDCM(0.4mL)中に溶解し、TFA(0.2mL)を添加した。4h後、揮発性物質を真空で除去し、残渣を水中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 1.1 mg (11.2 %, TFA塩)
MS: m/z 350.06 = [M+H]+, (計算値 = 350.10).
【0381】
[実施例23]
化合物6fの合成
【0382】
【0383】
4i(22.9mg、52μmol)及び1H-インダゾール-3-カルボン酸(7.5mg、46μmol)をDCM(0.55mL)中で懸濁した。DIPEA(25μL、144μmol)を添加し、反応物を終夜撹拌した。更なるDIPEA(3回8.5μl)を1h、1.5h、3.5h後に添加した。翌日、反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、0.1M HCl水溶液(2回10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。生成物をRP-HPLCにより精製した。前のステップからの生成物(2.3mg)をDCM(0.1mL)中に溶解し、TFA(0.1mL)を添加した。2.25h後、揮発性物質を真空で除去し、残渣を水中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 1.6 mg (38 %)
MS: m/z 460.15 = [M+H]+, (計算値 = 460.21).
【0384】
[実施例24]
【0385】
【0386】
コンジュゲート7a~kは、過剰のDMF中DIPEAを使用して、1当量の2を、1.0~1.2当量のそれぞれのアミン4a~hと、又は7iについては:1-プロピルアミン、7jについては:N,N,N'-トリメチルエチレン、7kについては:N,N,N'-トリメチル-1,3-プロパンジアミンと反応させることにより合成した。過剰のTFAを使用して反応をクエンチし、RP-HPLCにより精製した。
7a:2:19mg、59μmol、4a:9mg、69μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 2.1 mg (11 %), MS: m/z 319.09 = [M+H]+, (計算値 = 319.14).
7b:2:20mg、60μmol、4b:12mg、69μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 5.5 mg (27 %), MS: m/z 333.11 = [M+H]+, (計算値 = 333.16).
7c:2:10mg、31μmol、4c:11mg、35μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 2.3 mg (19 %), MS: m/z 377.06 = [M+H]+, (計算値 = 377.15).
7d:2:21mg、65μmol、4d:18mg、66μmol、DIPEA:43μL、0.25mmol:
収量: 6.5 mg (30 %), MS: m/z 333.11= [M+H]+, (計算値 = 333.16).
7e:2:17mg、51μmol、4e:17mg、49μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 3.9 mg (18 %), MS: m/z 419.17 = [M+H]+, (計算値 = 419.20).
7f:2:10mg、31μmol、4f:11mg、34μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 1.7 mg (14 %), MS: m/z 405.03 = [M+H]+, (計算値 = 405.18).
7g:2:20mg、60μmol、4g:24mg、69μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 1.9 mg (9 %), MS: m/z 363.03 = [M+H]+, (計算値 = 363.13).
7h:2:20mg、60μmol、4h:24mg、68μmol、DIPEA:43μL、0.25mmol:
収量: 4 mg (20 %), MS: m/z 333.18 = [M+H]+, (計算値 = 333.16).
7i:2:22mg、66μmol、4i:5μl、61μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 4.7 mg (29 %), MS: m/z 247.96 = [M+H]+, (計算値 = 248.11).
7j:2:16mg、50μmol、4j:8μl、62μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 8 mg (52 %), MS: m/z 291.03 = [M+H]+, (計算値 = 291.15).
7k:2:21mg、65μmol、4k:9.4μl、64μmol、DIPEA:21μL、0.12mmol:
収量: 0.4 mg (1 %), MS: m/z 305.06= [M+H]+, (計算値 = 305.16).
【0387】
[実施例25]
【0388】
【0389】
コンジュゲート8a~eは、2:2:96 ピペリジン/DBU/DMFを使用する5a~dのFmoc脱保護を行い、続いて、過剰のDMF中DIPEAを使用して樹脂上で過剰の2をそれぞれのアミンと反応させることにより合成した。生成物を、HFIPを使用して樹脂から切断し、RP-HPLCにより精製した。
8a:5a:7mg、5μmol、2:5mg、16μmol、DIPEA:5μL、31μmol
収量: 1.1 mg (45 %), MS: m/z 476.02 = [M+H]+, (計算値 = 476.22).
8b:5b:7mg、5μmol、2:5mg、15μmol、DIPEA:5μl、31μmol
収量: 1.3 mg (55 %), MS: m/z 462.12 = [M+H]+, (計算値 = 462.20).
8c:5c:50μmol、2:44mg、0.13mmol、DIPEA:50μl、0.29mmol
収量: 6.5 mg (32 %), MS: m/z 405.16 = [M+H]+, (計算値 = 405.18).
8d:5d:55μmol、2:52mg、0.16mmol、DIPEA:55μl、0.32mmol
収量:11 mg (48 %), MS: m/z 417.16 = [M+H]+, (計算値 = 417.18).
【0390】
[実施例26]
化合物9aの合成
【0391】
【0392】
4g(29mg、82μmol)を100μLのDMF中に溶解し、DIPEA(48μL、0.27mmol)を添加した。3(40mg、68μmol)の懸濁液(DMF中0.79mL)を添加した。3.5h後、50μLのDMF中の4g(14mg、41μmol)を添加した。4.75h後、TFA(21μL)を添加し、反応物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 22 mg (45 %, TFA塩)
MS: m/z 350.06 = [M+H]+, (計算値 = 350.10).
【0393】
[実施例27]
化合物9bの合成
【0394】
【0395】
4j(28mg、88μmol)を100μLのDMF中に溶解し、DIPEA(38μL、0.22mmol)を添加した。3(26mg、44μmol)の懸濁液(DMF中508μL)を添加した。30min後、TFA(6.7μL)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 31 mg (定量的, TFA塩)
MS: m/z 587.16 = [M+H]+, (計算値 = 587.21).
【0396】
[実施例28]
化合物9cの合成
【0397】
【0398】
4c(22mg、68μmol)を100μLのDMF中に溶解し、DIPEA(30μL、0.17mmol)を添加した。3(20mg、34μmol)の懸濁液(DMF中393μL)を添加した。1h後、TFA(5.2μl)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 26 mg (定量的, TFA塩)
MS: m/z 601.10 = [M+H]+, (計算値 = 601.23).
【0399】
[実施例29]
化合物9d及び9eの合成
【0400】
【0401】
4f(689mg、2.09mmol)を4mLのDMF中に溶解し、DIPEA(0.9mL、5.2mmol)を添加した。3(0.61g、0.98mmol)の懸濁液(DMF中8.2mL)を添加した。30min後、反応物を2.6mL ジオキサン中4N HClの溶液及び237mLの酢酸エチルに添加した。沈殿物を遠心分離し、上澄みをデカントし、残渣を180mL酢酸エチルで1回洗浄した。残渣をRP-LPLCにより精製して、化合物9dを得た。
収量: 0.34 g (46 %, TFA塩)
MS: m/z 629.34 = [M+H]+, (計算値 = 629.26).
【0402】
9d(0.34g;0.45mmol)をDMF(6.76mL)中に溶解し、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(0.21g、0.54mmol)を添加した。DIPEA(0.48mL、2.73mmol)を添加した。45min後、酢酸(0.48mL)を添加し、生成物をRP-LPLCにより精製して、化合物9eを得た。
収量: 0.40 g (98 %, TFA塩)
MS: m/z 795.39 = [M+H]+, (計算値 = 795.24).
【0403】
[実施例30]
化合物9fの合成
【0404】
【0405】
DMF中の3の懸濁液(8.50mL、0.13mol/L;1.04mmol)を4e(0.72g、2.08mmol)に添加し、DIPEA(0.91mL、5.21mmol)を添加した。45min後、反応物を2.6mL ジオキサン中4N HClの溶液及び160mLの酢酸エチルに添加した。沈殿物を遠心分離し、上澄みをデカントし、残渣をRP-LPLCにより精製した。
【0406】
前のステップからの生成物(0.42g、0.55mmol)をDMF(8.40mL)中に溶解し、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(0.27g、0.67mmol)を添加した。DIPEA(0.58mL、3.33mmol)を添加した。1h後、酢酸(0.48mL)を添加し、生成物をRP-LPLCにより精製した。
収量: 0.27 g (28%, TFA塩)
MS: m/z 809.36 = [M+H]+, (計算値 = 809.26).
【0407】
[実施例31]
化合物9gの合成
【0408】
【0409】
THF(1.60mL)中の4i(49mg、0.11mmol)の溶液をアキシチニブ(22mg、56μmol)に添加した。DIPEA(49μL、0.28mmol)を添加した。反応物を60℃に6h加熱し、RTにて終夜撹拌した。DMF(0.5ml)を添加した。反応物を60℃に6.5h加熱し、RTにて3日間撹拌した。DMAP(>1当量)を添加し、反応物をRTにて1日間撹拌した。TFA(25μL)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
【0410】
前のステップからの生成物(16mg、20μmol)を、DCM(1mL)及びTFA(1mL)の混合物中に溶解した。2h後、揮発性物質を真空で除去し、残渣を3mLアセトニトリル/水/TFA 1:1:0.002中に溶解し、凍結乾燥させた。
【0411】
前のステップからの生成物(15mg、20μmol)をDMF(0.29mL)中に溶解し、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(9.4mg 24μmol)を添加した。DIPEA(21μL;0.12mmol)を添加した。1.5h後、TFA(10μL)を添加し、反応物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 13 mg (25 %, TFA塩)
MS: m/z 794.25 = [M+H]+, (計算値 = 794.21).
【0412】
[実施例32]
化合物10a~dの合成
【0413】
【0414】
メトキシポリエチレングリコールアミン-5kDa PEG、PyBOP、DIPEA及び9をRTにて撹拌した。反応が終了した後、酢酸を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
10a:PEG:33mg、6.0μmol、PyBOP:3.6mg、6.9μmol、DIPEA:3.1μl、18μmol、9a:4.2mg、6μmol、収量:21mg(58%、TFA塩)。
10b:PEG:21mg、3.8μmol、PyBOP:3.5mg、6.7μmol、DIPEA:1.9μl、11μmol、9b:2.6mg、3.7μmol、収量:18mg(77%、TFA塩)。
10c:PEG:47mg、8.5μmol、PyBOP:4.9mg、9.4μmol、DIPEA:4.4μl、25μmol、9c:6mg、8.4μmol、収量:31mg(60%、TFA塩)。
10d:PEG:31mg、5.6μmol、PyBOP:3.5mg、6.8μmol、DIPEA:2.8μL、16μmol、9d:4mg、5.4μmol、収量:34mg(定量的、TFA塩)。
【0415】
[実施例33]
化合物11a~dの合成
【0416】
【0417】
ヒドロゲルを、PEフリットを含有するシリンジ反応器中、DMF中1%DIPEA中で膨張させた。シリンジ反応器を3回充填し、1min振とうし、排出させた。9をDMF中に溶解し、DIPEAを添加した。溶液を、ヒドロゲルを含有するシリンジへと吸い込んだ。シリンジをRTにて16hより長く振とうした。シリンジを排出させ、ヒドロゲルをDMF及びエタノールで数回洗浄し、真空で乾燥させ、又はDMF、水及びpH5.5 20mMコハク酸ナトリウム水性緩衝液で数回洗浄し、pH5.5水性緩衝液中のヒドロゲル懸濁液を得た。
11a:HG-1:14mg、DIPEA:1.6μL、9e:3mg、
収量:15mg、乾燥させたヒドロゲル中の乾燥させた39mg/gアキシチニブ。
11b:HG-2:0.82g、DIPEA:0.21mL、9e:0.40g
収量:懸濁液、ヒドロゲル懸濁液中7.55mg/mLアキシチニブ。
11c:HG-3:30mg、DIPEA:3.5μL、9f:6.7mg、
収量:懸濁液、ヒドロゲル懸濁液中2.93mg/mLアキシチニブ。
11d:HG-3:30mg、DIPEA:3.5μL、9g:13mg
収量:懸濁液、ヒドロゲル懸濁液中3.65mg/mLアキシチニブ。
【0418】
[実施例34]
In vitro放出速度論
コンジュゲート6a~f、7a~k、8a~d、10a~d、11a~dからの可逆的結合の切断速度を水性緩衝液(pH7.4 48mMナトリウムホスフェート、20%アセトニトリル又はpH7.4 60mMナトリウムホスフェート)中でpH7.4及び37℃にてモニターした。可溶性の実施例については、コンジュゲートの消失をLCMS(UV検出)より判定し、曲線適合ソフトウェアに適合させて、放出の予備的な半減期を得た。不溶性の実施例(ヒドロゲル)については、上澄み中の放出された複素環式芳香族部分含有分子の増加をLCMS(UV検出)より判定し、曲線適合ソフトウェアのための入力として使用して、放出の予備的な半減期を得た。
【0419】
【0420】
「*」及び「**」で標示される化合物は、効率上の理由からZ部分に連結していないので、本発明によらない。それにもかかわらず、これらは、そのような-L1-部分の放出半減期を示す。「**」で標示される化合物は、比較のために合成した。
【0421】
[実施例35]
化合物12aの合成
【0422】
【0423】
12aは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-N-メチル-ベータ-アラニン、Fmoc-ベータ-ホモアラニン-OH及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0424】
[実施例36]
化合物12bの合成
【0425】
【0426】
12bは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-ベータ-ホモアラニン-OH及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0427】
[実施例37]
化合物12cの合成
【0428】
【0429】
12cは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、(S)-Fmoc-4-アミノペンタン酸及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0430】
[実施例38]
化合物12dの合成
【0431】
【0432】
12dは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及びFmoc-N-エチル-Gly-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0433】
[実施例39]
化合物12eの合成
【0434】
【0435】
12eは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、Fmoc-アミノオキシ酢酸及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用し、HFIPを樹脂からの切断のために使用して合成した。次いで、これをRP-HPLCにより精製した。
収量: 2.4 mg
MS: m/z 484.20 = [M+H]+, (計算値= 484.20).
【0436】
[実施例40]
化合物13a~dの合成
【0437】
【0438】
コンジュゲート13a~dは、2:2:96 ピペリジン/DBU/DMFを使用する12a~dのFmoc脱保護を行い、続いて、過剰のDMF中DIPEAを使用して樹脂上で過剰の2をそれぞれのアミンと反応させることにより合成した。生成物を、HFIPを使用して樹脂から切断し、RP-HPLCにより精製した。
13a:12a:32mg、24μmol、2:20mg、60μmol、DIPEA:17μL、96μmol
収量: 5.1 mg (48 %), MS: m/z 448.15 = [M+H]+, (計算値 = 448.18).
13b:12b:37mg、27μmol、2:22mg、68μmol、DIPEA:19μL、109μmol
収量: 5.2 mg (43 %), MS: m/z 448.15 = [M+H]+, (計算値 = 448.18).
13c:12c:32μmol、2:26mg、79μmol、DIPEA:22μL、127μmol
収量: 6.5 mg (42 %), MS: m/z 490.20 = [M+H]+, (計算値 = 490.23).
13d:12d:26μmol、2:21mg、64μmol、DIPEA:18μL、102μmol
収量: 2.9 mg (26 %), MS: m/z 437.14 = [M+H]+, (計算値 = 437.16).
【0439】
[実施例41]
化合物13eの合成
【0440】
【0441】
DMF(0.5mL)中の化合物12e(2.4mg、0.005mmol)をピペリジン(50μL)で処理した。RTにて1h撹拌した後、混合物をDCMで希釈し、揮発性物質を真空で除去した。残渣をDMF(0.2mL)中の2(2.4mg;0.007mmol)と合わせ、DIPEA(2.6μL;0.015mmol;3.0当量)を添加した。RTにて65min撹拌した後、TFA(1.1μL)を添加した。揮発性物質を真空で除去し、残渣を1:3 アセトニトリル/H2Oに再度溶解し、凍結乾燥させた。残渣をDMF(0.2mL)中の2(2.7mg;0.008mmol)と再度合わせ、DIPEA(5.0μL;0.029mmol;3.0当量)を添加した。RTにて2.5h撹拌した後、TFA(1.5μL)を添加した。揮発性物質を真空で除去し、残渣を1:3 アセトニトリル/H2Oに再度溶解し、凍結乾燥させ、粗製物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 0.1 mg (3%)
MS: m/z 450.10 = [M+H]+, (計算値 = 450.16)
【0442】
[実施例42]
化合物14aの合成
【0443】
【0444】
メチル6-オキソ-ヘプタノエート(2g、12.6mmol)をメタノール(13mL)及び酢酸アンモニウム(9.75g、126mmol)中に溶解し、撹拌しながらシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.19g、19.0mmol)を添加した。生じた懸濁液は溶液に変化し、撹拌を終夜続けた。混合物を水(70mL)で希釈し、酢酸エチルを添加した(80mL)。水相のpHを25mL 4M NaOHで約pH11に調整した。水相を酢酸エチル(3回70mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮して、黄色油状物(1.83g)を得た。第1のステップからの粗油状物の一部(200mg)をDMF(2mL)中に溶解し、撹拌しながらN-Boc-Sar-OH(238mg、1.26mmol)、PyBOP(719mg、1.38mmol)及びDIPEA(656μL、3.77mmol)を添加した。反応物をRTにて2h撹拌した。混合物を25mL酢酸エチルで希釈し、0.1N HCl(3回15mL)、0.5M NaOH(3回15mL)及びブライン(15mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)を使用して精製した。生成物(235mg)をTHF(1mL)中に溶解し、LiOH(51mg、2.13mmol)を水(0.4mL)中に溶解した。溶液を合わせ、RTにて激しく撹拌した。5h後、混合物を80mL酢酸エチルで希釈し、60mL 1N HClを添加した。水相のpHは2未満であった。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(3回20mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮した。残渣をDCM(1.0mL)中に溶解し、開放フラスコ内で激しく撹拌しながらTFA(0.5mL)を添加した。75min後、反応物を真空で濃縮し、5mL DCMと1回共蒸発させた。粗製物を1:2 アセトニトリル/H2O+0.1%TFA(20mL)中に溶解し、凍結乾燥させた。
収量: 213 mg (47 %, TFA塩)
MS: m/z 217.05 = [M+H]+, (計算値 = 217.15).
【0445】
[実施例43]
化合物14bの合成
【0446】
【0447】
メチル5-オキソヘキサノエート(2.00g、13.9mmol)をTHF(60mL)中に溶解し、LiOH(1.00g、41.6mmol)及び水(20mL)を添加した。混合物をRTにて5h撹拌してから、酢酸エチル(300mL)で希釈した。1N HCl水溶液(80mL)を添加し、水相を酢酸エチル(2回100mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。生じた無色油状物(1.6g)をDMF(32mL)中に溶解し、PyBOP(7.68g、14.8mmol)、次いでDIPEA(10.7mL、61.5mmol)を混合物に添加した。5min撹拌した後、tert-ブチル3-アミノプロパノエート塩酸塩(2.69g、14.8mmol)を添加し、混合物をRTにて105min撹拌した。混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、0.55M HCl水溶液(100mL)、0.1M HCl水溶液(2回100mL)、飽和NaHCO3(3回100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機物を乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮してから、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製した。次いで、精製された材料をMeOH(14.2mL)中に溶解し、酢酸アンモニウム(6.60g、85.6mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(801mg;12.8mmol)を添加した。混合物をRTにて終夜撹拌した。混合物を水(70ml)及び酢酸エチル(80ml)で希釈した。4M NaOH(15mL)を使用して、水相のpHを約pH2に調整した。水相を酢酸エチル(3回70mL)で抽出し、有機物を合わせ、TFA(648μL)を添加した。水相に、更なる4M NaOH(5mL)を添加し、再度これを酢酸エチル(3回70mL)で抽出し、これらの有機物を合わせ、TFA(400μL)を添加した。有機物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、揮発性物質を真空で除去した。
収量: 3.40 g (66 %, TFA塩)
MS: m/z 259.12 = [M+H]+, (計算値 = 259.20).
【0448】
[実施例44]
化合物14cの合成
【0449】
【0450】
化合物14b(249mg、0.62mmol)をDMF(2.30mL)中に溶解し、N-Boc-N-エチルグリシン(132mg、0.65mmol)及びPyBOP(353mg;0.68mmol)、続いてDIPEA(326μL、1.87mmol)を添加して、薄黄色溶液を形成した。RTにて90min撹拌した後、混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、0.1M HCl(3回25mL)、飽和NaHCO3水溶液(25mL)、ブライン及び飽和NaHCO3水溶液の3:5v/v混合物(2回40mL)、並びにブライン(30mL)で洗浄した。有機物を乾燥させ(MgSO4)、揮発性物質を真空で除去した。中間体をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/DCM)により精製し、次いでRP-HPLCにより精製して、無色油状物を得た。油状物をDCM(0.5mL)中に溶解し、TFA(0.5mL)を添加した。RTにて55min撹拌した後、揮発性物質を窒素気流下で除去した。残渣をアセトニトリル/H2O 1:1+0.1%TFA(2mL)+0.1%TFA及び水(4mL)で希釈した。混合物を凍結乾燥させて、無色油状物を得た。
収量: 136 mg (52 %, TFA塩)
MS: m/z 288.19 = [M+H]+, (計算値 = 288.19).
【0451】
[実施例45]
化合物14dの合成
【0452】
【0453】
化合物14b(251mg、0.63mmol)をDMF(2.30mL)中に溶解し、N-Boc-Sar-OH(121mg、0.64mmol)及びPyBOP(358mg;0.69mmol)、続いてDIPEA(326μL、1.87mmol)を添加して、薄黄色溶液を形成した。RTにて90min撹拌した後、混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、0.1M HCl(3回25mL)、飽和NaHCO3水溶液(25mL)、ブライン及び飽和NaHCO3水溶液の3:5v/v混合物(2回40mL)、並びにブライン(30mL)で洗浄した。有機物をMgSO4で乾燥させ、揮発性物質を真空で除去した。中間体をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/DCM)により精製して、無色油状物を得た。油状物をDCM(0.5mL)中に溶解し、溶液をTFA(0.5mL)で処理した。RTにて55min撹拌した後、揮発性物質を窒素気流下で除去した。残渣を1:1 アセトニトリル/H2O+0.1%TFA(2mL)+0.1%TFA及び水(4mL)で希釈した。混合物を凍結乾燥させて、無色油状物を得た。
収量: 129 mg (51 %, TFA塩)
MS: m/z 274.18 = [M+H]+, (計算値 = 274.17).
【0454】
[実施例46]
化合物14eの合成
【0455】
【0456】
14eは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-trans-1,4-ACHC-OH及びFmoc-Pro-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0457】
[実施例47]
化合物14fの合成
【0458】
【0459】
14fは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、(S)-Fmoc-4-アミノペンタン酸及びFmoc-N-メチル-Ala-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0460】
[実施例48]
化合物14gの合成
【0461】
【0462】
14gは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、Fmoc-trans-1,4-ACHC-OH及びFmoc-Sar-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0463】
[実施例49]
化合物14hの合成
【0464】
【0465】
14hは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-N-メチル-β-Ala-OH、(S)-Fmoc-4-アミノペンタン酸及びFmoc-N-メチル-Ala-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0466】
[実施例50]
化合物14iの合成
【0467】
【0468】
14iは、一般的なプロトコールに従う固相合成を使用し、Fmoc-Ahx-OH、(S)-Fmoc-4-アミノペンタン酸及びFmoc-N-エチル-Gly-OHを構成ブロックとして使用して合成した。
【0469】
[実施例51]
15aの合成
【0470】
【0471】
14a(213mg、0.64mmol)を500μLのDMF中に溶解し、DIPEA(247μL、1.42mmol)を添加した。3の懸濁液(162mg、0.28mmol、2.0mL DMF中)を添加した。2h後、TFA(110μl、1.44mmol)を添加し、生成物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 111 mg (54%, TFA塩)
MS: m/z 629.20 = [M+H]+, (計算値 = 629.25).
【0472】
[実施例52]
15bの合成
【0473】
【0474】
化合物14c(136mg、0.338mmol)をDMF(0.25mL)中に溶解し、DIPEA(147μL、0.845mmol)を添加した。撹拌した無色溶液に、DMF(1.23mL)中の3(100mg、0.169mmol)を添加し、混合物は直ちに透明な黄色に変化した。混合物をRTにて105min撹拌し、次いでTFA(65μL、0.845mmol)を添加した。生成物をRP-HPLCにより精製して、黄色固体を得た。
収量: 100 mg (72%, TFA塩)
MS: m/z 700.24 = [M+H]+, (計算値 = 700.29).
【0475】
[実施例53]
15cの合成
【0476】
【0477】
化合物14d(129mg、0.333mmol)をDMF(0.25mL)中に溶解し、DIPEA(145μL、0.83mmol)を添加した。撹拌した無色溶液に、DMF(1.21mL)中の3(98mg、0.169mmol)を添加し、混合物は直ちに透明な黄色に変化した。混合物をRTにて105min撹拌し、次いでTFA(65μL、0.845mmol)を添加した。生成物をRP-HPLCにより精製して、黄色固体を得た。
収量: 101 mg (75%, TFA塩)
MS: m/z 686.19 = [M+H]+, (計算値 = 686.27).
【0478】
[実施例54]
15d~hの合成
【0479】
【0480】
コンジュゲート15d~hをこれらのそれぞれの樹脂負荷Fmoc-保護アミン14e~iから調製し、これらを96:2:2 DMF/ピペリジン/DBU(5ml)で処理し、RTにて15min振とうした。濾液を排出し、手順を2回繰り返してから、樹脂をDMF(5回)で洗浄した。次いで、樹脂をDMF及びDIPEA中の3の懸濁液で処理した。混合物をRTにて90~200min振とうしてから、DMF(5回)及びDCM(5回)で洗浄した。樹脂を1:9 TFA/DCMで処理し、RTにて10min振とうした。濾液を収集し、これを少なくとも1回繰り返した。合わせた濾液から揮発性物質を真空で除去して、酸を得た。
15d:14e:493mg、0.453mmol、3:266mg、0.453mmol、DMF:3.5mL、DIPEA:485μL、2.72mmol。
収量: 331 mg (95 %, TFA塩). MS: m/z = 653.29 [M+H]+, (計算値 = 653.25).
15e:14f:195mg、0.16mmol、3:119mg、0.20mmol、DMF:1.5mL、DIPEA:173μL、0.97mmol。
収量: 136 mg (定量的, TFA塩). MS: m/z = 728.36 [M+H]+, (計算値 = 728.32).
15f:14g:312mg、0.26mmol、3:188mg、0.32mmol、DMF:2.3mL、DIPEA:275μL、1.54mmol。
収量: 274 mg (定量的, TFA塩). MS: m/z = 740.34 [M+H]+, (計算値 = 740.32).
15g:14h:170mg、0.15mmol、3:108mg、0.18mmol、DMF:1.3mL DIPEA:158μL、0.88mmol。
収量: 124 mg (定量的, TFA塩). MS: m/z = 700.32 [M+H]+, (計算値 = 700.29).
15h:14i:201mg、0.17mmol 3:123mg、0.21mmol、DMF:1.5mL DIPEA:0.18mL、1.00mmol。
収量: 155 mg (定量的, TFA塩). MS: m/z = 728.34 [M+H]+, (計算値 = 728.32).
【0481】
[実施例55]
化合物16a~fの合成
【0482】
【0483】
15a~e、hから選択されるそれぞれの酸をDCM中に溶解し、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネートを添加した。DIPEAを添加し、反応物をRTにて撹拌した。反応が完了したら、これをTFAでクエンチし、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(THF/酢酸エチル)により精製した。
16a:DCM:4.0mL、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート:213mg、0.54mmol、DIPEA:377μL、2.16mmol、15d:331mg、0.43mmol、TFA:165μL、2.16mmol。
収量: 273 mg (68 %, TFA塩). MS: m/z 819.34 = [M+H]+, (計算値 = 819.23).
16b:DCM:2.0mL、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート:70mg、0.178mmol、DIPEA:130μL、0.746mmol、15a:111mg、0.149mmol、TFA:57μL、0.746mmol。
収量: 122 mg (90 %, TFA塩). MS: m/z 795.25 = [M+H]+, (計算値 = 795.23).
16c:DCM:1.50mL、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート:91mg、0.23mmol、DIPEA:162μL、0.93mmol、15e:156mg、0.19mmol、TFA:71μL、0.93mmol。
収量: 94 mg (50 %, TFA塩). MS: m/z 894.30 = [M+H]+, (計算値 = 894.30).
16d:DCM:1.50mL、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート:91mg、0.23mmol、DIPEA:161μL、0.92mmol、15h:155mg、0.18mmol、TFA:71μL、0.92mmol。
収量: 105 mg (56 %, TFA塩). MS: m/z 894.31 = [M+H]+, (計算値 = 894.30).
16e:DCM:2.00mL、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート:58mg、0.147mmol、DIPEA:107μL、0.61mmol、15b:100mg、0.12mmol、TFA:47μL、0.61mmol。
収量: 77 mg (64 %, TFA塩). MS: m/z = 866.26 [M+H]+, (計算値 = 866.27).
16f:DCM:2.00mL、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート:59mg、0.151mmol、DIPEA:110μL、0.63mmol、15c:101mg、0.126mmol、TFA:48μL、0.63mmol。
収量: 96 mg (79 %, TFA塩). MS: m/z = 852.21 [M+H]+, (計算値 = 852.26).
【0484】
[実施例56]
化合物16gの合成
【0485】
【0486】
DCM(2.5mL)中の15f(274mg、0.32mmol)の溶液に、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(158mg、0.40mmol)、続いてDIPEA(280μL、1.60mmol)を添加した。更なるDCM(2.5mL)及びDIPEA(280μL、1.60mmol)を懸濁液に添加した。アセトニトリル(1mL)及びDMF(2mL)を添加した。懸濁液をRTにて1d撹拌した。混合物を濾過し、沈殿物をDCMで洗浄した。合わせた濾液を水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空で濃縮した。濃縮物をDCMで希釈してから、TFA(245μL、3.18mmol)を添加し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(THF/酢酸エチル)により精製した。
収量: 66 mg (20 %, TFA塩)
MS: m/z 906.41 = [M+H]+, (計算値 = 906.30).
【0487】
[実施例57]
化合物16hの合成
【0488】
【0489】
DCM(1.5mL)中の15g(124mg、0.15mmol)の溶液に、ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(75mg、0.19mmol)、続いてDIPEA(133μL、0.76mmol)を添加した。RTにて3h撹拌した後、更なるビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(19mg、0.05mmol)を添加し、更に1h後、DIPEA(65μL、0.37mmol)を添加した。混合物をRTにて更に18h撹拌した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(THF/酢酸エチル)により直接精製した。
収量: 24 mg (16 %, TFA塩)
MS: m/z 866.30 = [M+H]+, (計算値 = 866.27).
【0490】
[実施例58]
化合物17a~qの合成
様々なヒドロゲル(0.564~0.934mmol/gのアミン含有量)を、以下のスキームに従ってアキシチニブ-リンカー-コンジュゲートと反応させた:
【0491】
【0492】
ヒドロゲルを、PEフリットを含有するシリンジ反応器中、DMF中1%DIPEA中で膨張させた。シリンジ反応器を3回充填し、1min振とうし、排出させた。9e~f又は16a~hから選択されるPFP-エステルをDMF中に溶解し、DIPEAを添加した。溶液を、ヒドロゲルを含有するシリンジへと吸い込んだ。シリンジをRTにて16hより長く振とうした。シリンジを排出させ、ヒドロゲルをDMF、次いで水、次いでpH5.5 20mMコハク酸ナトリウム水性緩衝液で数回洗浄した。pH5.5水性緩衝液中のヒドロゲル懸濁液を得た。コンジュゲートされたヒドロゲルからのアミンの割合を、生成物の判定された薬物含有量と出発アミンヒドロゲルのアミン含有量とを比較することにより判定した。
17a:HG-6:21mg、DIPEA:12.1μL、16a:29mg
収量:懸濁液、94%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中17.93mg/mLアキシチニブ。
17b:HG-12:20mg、DIPEA:10.8μL、16a:27mg
収量:懸濁液、69%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中11.69mg/mLアキシチニブ。
17c:HG-11:19mg、DIPEA:9.3μL、16b:17mg
収量:懸濁液、100%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中16.24mg/mLアキシチニブ。
17d:HG-8:20mg、DIPEA:11.7μL、16b:22mg
収量:懸濁液、95%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中16.10mg/mLアキシチニブ。
17e:HG-13:16mg、DIPEA:9.5μL、16b:18mg
収量:懸濁液、97%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中18.63mg/mLアキシチニブ。
17f:HG-11:19mg、DIPEA:9.5μL、16c:20mg
収量:懸濁液、100%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中16.43mg/mLアキシチニブ。
17g:HG-11:20mg、DIPEA:10.0μL、16g:21mg
収量:懸濁液、95%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中14.03mg/mLアキシチニブ。
17h:HG-11:20mg、DIPEA:9.9μL、16h:24mg
収量:懸濁液、84%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中11.17mg/mLアキシチニブ。
17i:HG-11:20mg、DIPEA:9.9μL、16d:20mg
収量:懸濁液、94%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中14.66mg/mLアキシチニブ。
17j:HG-8:20mg、DIPEA:11.8μL、16d:25mg
収量:懸濁液、96%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中15.72mg/mLアキシチニブ。
17k:HG-13:15mg、DIPEA:9.1μL、16d:19mg
収量:懸濁液、100%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中19.46mg/mLアキシチニブ。
17l:HG-4:15mg、DIPEA:8.5μL、9e:15mg
収量:懸濁液、98%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中18.27mg/mLアキシチニブ。
17m:HG-11:21mg、DIPEA:10.2μL、9e:19mg
収量:懸濁液、100%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中15.60mg/mLアキシチニブ。
17n:HG-14:20mg、DIPEA:16.2μL、9e:32mg
収量:懸濁液、81%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中21.15mg/mLアキシチニブ。
17o:HG-13:16mg、DIPEA:9.4μL、16e:19mg
収量:懸濁液、99%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中19.28mg/mLアキシチニブ。
17p:HG-13:16mg、DIPEA:9.7μL、16f:19mg
収量:懸濁液、100%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中20.66mg/mLアキシチニブ。
17q:HG-15:20mg、DIPEA:10.6μL、9f:21mg
収量:懸濁液、93%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中15.75mg/mLアキシチニブ。
【0493】
[実施例59]
In vitro放出速度論
コンジュゲート9a~d、13a~e及び17b~qからの可逆的結合の切断速度を水性緩衝液(条件A:pH7.4 60mMナトリウムホスフェート、1%アセトニトリル、B:pH7.4 48mMナトリウムホスフェート、20%アセトニトリル、0.1%Pluronic F68、C:16mM L-メチオニン 2.4mM EDTA、0.1%pluronic及び20%アセトニトリルを有するpH7.4 48mMナトリウムホスフェート、D:16mM L-メチオニン 2.4mM EDTA、0.1%pluronic及び20%アセトニトリルを有するpH7.0 48mMナトリウムホスフェート、E:pH7.4 60mMナトリウムホスフェート、F:pH7.4 48mMナトリウムホスフェート、20%アセトニトリル)中で37℃にてモニターした。可溶性の実施例については、コンジュゲートの消失をLCMS(UV検出)より判定し、曲線適合ソフトウェアに適合させて、放出の半減期を得た。不溶性の実施例(ヒドロゲル)については、上澄み中の放出されたアキシチニブの増加をLCMS(UV検出)より判定し、曲線適合ソフトウェアのための入力として使用して、放出の半減期を得た。pH7.0にてインキュベートのみ行ったコンジュゲートのpH7.4での放出速度は、2~3倍増加すると推定される。
【0494】
【0495】
「*」で標示される化合物は、効率上の理由からZ部分に連結していないので、本発明によらない。それにもかかわらず、これらは、そのような-L1-部分の放出半減期を示す。
【0496】
[実施例60]
化合物17r~tの合成
ヒドロゲルHG-17を、以下のスキームに従ってアキシチニブ-リンカー-コンジュゲートと反応させた:
【0497】
【0498】
ヒドロゲルを、PEフリットを含有するシリンジ反応器中、DMF中1%DIPEA中で膨張させた。シリンジ反応器を3回充填し、1min振とうし、排出させた。16b又は16cから選択されるPFP-エステルをDMF中に溶解し、DIPEAを添加した。溶液を、ヒドロゲルを含有するシリンジへと吸い込んだ。シリンジをRTにて16hより長く振とうした。シリンジを排出させ、ヒドロゲルをDMF、次いで水、次いでpH5.5緩衝液(20mMコハク酸ナトリウム、77g/lトレハロース二水和物、0.2%Pluronic F-68)で数回洗浄した。pH5.5水性緩衝液中のヒドロゲル懸濁液を得た。コンジュゲートされたヒドロゲルからのアミンの割合を、生成物の判定された薬物含有量と出発アミンヒドロゲルのアミン含有量とを比較することにより判定した。
17r:HG-17:24mg、DIPEA:17.8μL、16b:15mg
収量:懸濁液、73%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中17.63mg/mLアキシチニブ。
17s:HG-17:24mg、DIPEA:18.1μL、16b:20mg
収量:懸濁液、94%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中22.40mg/mLアキシチニブ。
17t:HG-17:24mg、DIPEA:18.2μL、16c:17mg
収量:懸濁液、62%アキシチニブ負荷、ヒドロゲル懸濁液中14.87mg/mLアキシチニブ。
【0499】
[実施例61]
In vitro放出速度論
コンジュゲート17r~tからの可逆的結合の切断速度を、16mM L-メチオニン 2.4mM EDTA、0.1%pluronic及び20%アセトニトリルを有するpH7.0 48mMナトリウムホスフェート緩衝液中で37℃にてモニターした。上澄み中の放出されたアキシチニブの増加をLCMS(UV検出)より判定し、曲線適合ソフトウェアのための入力として使用して、放出の半減期を得た。これらのコンジュゲートのpH7.4での放出速度は、2~3倍速いと推定される。
【0500】
【0501】
[実施例62]
【0502】
【0503】
17uについては、WO2011/012715A1の例1に記載されている通りにBoc-L-Lys(Boc)-OHを使用して合成される骨格、及びWO2011/012715A1の例2に記載されている通りにアジピン酸を使用して合成される2kDa PEGベース架橋剤を使用して、PEGベースアミノヒドロゲルを、WO2011/012715A1の例3に記載されている通りに合成する。次いで、ヒドロゲルを、WO2011/042450A1の例5に記載されている通りにFmoc-L-Lys(Fmoc)-OHを使用してリシンで修飾して、0.700mmol/gのアミン含有量を有するヒドロゲルを得る。ヒドロゲルを、フリットを取り付けたシリンジ反応器中、DMF中1%DIPEA中で膨張させ、1%DIPEA/DMF溶液で3回洗浄する。16b(ヒドロゲルアミンごとに1.8当量)をDMF中に溶解し、DIPEA(5.0当量)を添加する。溶液を、ヒドロゲルを含有する反応器へと吸い込み、RTにて16時間振とうする。シリンジを排出させ、ヒドロゲルをDMFで数回洗浄し、水で数回洗浄し、次いでpH5.5 20mMコハク酸ナトリウム水性緩衝液で数回洗浄する。アキシチニブ負荷が95%を超える、pH5.5水性緩衝液中のヒドロゲル懸濁液を得る。
【0504】
ヒドロゲル17vは、17uについて記載された通りに調製するが、Boc-D-Lys(Boc)-OHをBoc-L-Lys(Boc)-OHの代わりに骨格合成に使用し、Fmoc-L-Lys(Fmoc)-OHの代わりにFmoc-D-Lys(Fmoc)-OHをリシン修飾に使用する。
【0505】
[実施例63]
化合物18の合成
【0506】
【0507】
14a(20mg、61μmol)をTHF(0.5mL)中に溶解した。DIPEA(26μL、151μmol)を添加し、沈殿物が形成された。沈殿物を、超音波処理及び撹拌を使用して微細に分散させて、乳状懸濁液を形成した。1,1'-カルボニルジイミダゾール(9.8mg、61μmol)を0.15ml THF中に溶解し、撹拌しながら懸濁液に添加した。40分後、反応を酢酸(30μl)でクエンチし、水で合計体積1mlに希釈した。生成物をRP-HPLCにより精製して、18を得た。
収量: 0.8 mg (4%)
MS: m/z 311.08 = [M+H]+, (計算値 = 311.17).
【0508】
[実施例64]
化合物19の合成
【0509】
【0510】
THF(500μl)中のメチル1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボキシレート(25mg、117.6μmol)の溶液を0℃に冷却し、1-メチルイミダゾール(19.2μl、241μmol)を添加した。THF(250μl)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(24.9mg、123.5μmol)の溶液を滴下添加した。形成された沈殿物の溶解性を向上させるために、DMF(500μl)を反応混合物に添加した。混合物を冷却浴中で周囲温度までゆっくりと温めた。1.5h後、追加の1-メチルイミダゾール(19.2μl、241μmol)を添加し、反応混合物を周囲温度にて約17h撹拌した。反応混合物を0℃に冷却する。THF(200μl)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(12.5mg、62μmol)の溶液を滴下添加した。反応混合物を0℃にて75min撹拌し、次いでTHF(200μl)中の追加の4-ニトロフェニルクロロホルメート(12.5mg、62μmol)を添加した。反応混合物を0℃にて53min撹拌し、酢酸エチル(約15ml)で希釈し、0.1M HCl(3×5ml)及びブライン(約10ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。19を、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。
収量: 35 mg (87.2 %, ベンゾイミダゾール位置異性体の混合物)
MS: m/z 342.06 = [M+H]+, (計算値 = 342.07).
【0511】
[実施例65]
化合物20の合成
【0512】
【0513】
DMF(314μl)中の化合物19(11.5mg、30.3μmol)の溶液に、DIPEA(21.2μl、121.3μmol)及び化合物14a(11.2mg、33.4μmol)を連続して添加し、反応混合物を周囲温度にて3h撹拌した。反応は、TFA(9.3μl、121.3μmol)を添加することによりクエンチし、反応物をRP-HPLCにより精製した。
収量: 2.2 mg (17.3 %, ベンゾイミダゾール位置異性体の混合物)
MS: m/z 419.18 = [M+H]+, (計算値 = 419.19).
【0514】
[実施例66]
化合物21の合成
【0515】
【0516】
THF(250μl)中のNaH(鉱油中60%、8.3mg、207.5μmol)の懸濁液を0℃に冷却し、THF(400μl)中のtert-ブチル1H-インドール-5-カルボキシレート(15mg、69μmol)の溶液を滴下添加した。添加の完了後、混合物を0℃にて1h撹拌した。この混合物を、THF(500μl)中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(34.8mg、172.6μmol)の冷却した溶液に添加した。追加のTHF(250μl)を使用して、フラスコをフラッシュし、4-ニトロフェニルクロロホルメート溶液に添加した。1.5h後、冷却浴を除去し、混合物を周囲温度にて撹拌した。30min後、4-ニトロフェニルクロロホルメート(69.6mg、346.8μmol)を一度に添加した。3h後、反応混合物を酢酸エチル(15ml)で希釈し、HCl(0.1M、3×5ml)、ブライン(5ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。21を、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。
収量: 16 mg (60.6 %)
MS: m/z 327.04 = [M -tBu +2H]+, (計算値 = 327.06).
【0517】
[実施例67]
化合物22の合成
【0518】
【0519】
DMF(250μl)中の化合物21(8mg、18.8μmol)の溶液に、DIPEA(13.1μl、75.3μmol)及びN,N,N'-トリメチルエチレンジアミン(2.7μl、20.7μmol)を連続して添加した。混合物を周囲温度にて1h45min撹拌してから、TFA(5.6μl、75.3μmol)を添加することによりクエンチした。22を、RP-HPLCを使用して精製した。
収量: 4.6 mg (70.7 %, TFA塩)
MS: m/z 346.18 = [M+H]+, (計算値 = 346.21).
【0520】
[実施例68]
化合物23の合成
【0521】
【0522】
DCM(250μl)中の化合物22(1.15mg、3.3μmol)の溶液に、TFA(250μl)を添加し、混合物を周囲温度にて25min撹拌した。反応物をトルエンで希釈し、減圧下で濃縮した。得られた材料をin vitro放出速度論で直接使用した。
MS: m/z 290.15 = [M+H]+, (計算値 = 290.15).
【0523】
[実施例69]
In vitro放出速度論
コンジュゲート18、20、23からの可逆的結合の切断速度を水性緩衝液(pH7.4 48mMナトリウムホスフェート、20%アセトニトリル)中でpH7.4及び37℃にてモニターした。コンジュゲートの消失をLCMS(UV検出)より判定し、曲線適合ソフトウェアに適合させて、放出の半減期を得た。
【0524】
【0525】
略語
ACHC アミノシクロヘキサンカルボン酸
Ahx 6-アミノヘキサン酸
aq. 水性
Asp アスパルテート(アスパラギン酸塩)
Bn ベンジル
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
COMU (1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウムヘキサフルオロホスフェート
DBU 1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン
DCM ジクロロメタン
DIC N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
eq. 当量
EDC 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニル
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート
HFIP 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LPLC 低圧液体クロマトグラフィー
MeOH メタノール
MS 質量分析
PEG ポリエチレングリコール
PFP ペンタフルオロフェニル
PNP パラ-ニトロフェニル
PyBOP ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RP 逆相
RT 室温
Sar サルコシン
sat. 飽和
tBu及びt-Bu tert-ブチル
TES トリエチルシラン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Thr トレオニン
Tmob 2,4,6-トリメトキシベンジル
Trt トリチル
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
UPLC-MS 質量分析に連結した超高速液体クロマトグラフィー
【手続補正書】
【提出日】2022-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの-L
1-L
2-部分を介して少なくとも1つのZ部分にコンジュゲートしている少なくとも1つの-D部分を含むコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、-L
1-部分が-D部分のπ電子対供与複素環式芳香族Nにコンジュゲートしており、-Dと-L
1-の連結が可逆的であり、-L
2-部分がZにコンジュゲートしており、
各-Dが独立して薬物D-Hのπ電子対供与複素環式芳香族N含有部分であり、
各-L
2-が独立して単結合又はスペーサー部分であり、
各Zが独立してポリマー部分又はC
8~24アルキルであり、
各-L
1-が独立して式(I):
【化1】
[式中、
破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
nは、0、1、2、3及び4からなる群から選択される整数であり、
=X
1は、=O、=S及び=N(R
4)からなる群から選択され、
-X
2-は、-O-、-S-、-N(R
5)-及び-C(R
6)(R
6a)-からなる群から選択され、
-X
3-は、
【化2】
-C(R
10)(R
10a)-、-C(R
11)(R
11a)-C(R
12)(R
12a)-、-O-及び-C(O)-からなる群から選択され、
-R
1、-R
1a、-R
6、-R
6a、-R
10、-R
10a、-R
11、-R
11a、-R
12、-R
12a、並びにそれぞれの-R
2及び-R
2aは、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
3、-R
4、-R
5、-R
7、-R
8及び-R
9は、-H、-T、-CN、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で場合により置換されており、C
1~6アルキル、C
2~6アルケニル及びC
2~6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14)-、-S(O)
2N(R
14)-、-S(O)N(R
14)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
14)S(O)
2N(R
14a)-、-S-、-N(R
14)-、-OC(OR
14)(R
14a)-、-N(R
14)C(O)N(R
14a)-及び-OC(O)N(R
14)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各Tは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13で独立して場合により置換されており、
-R
13は、-H、-NO
2、-OCH
3、-CN、-N(R
14)(R
14a)、-OH、-C(O)OH及びC
1~6アルキルからなる群から選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
-R
14及び-R
14aは、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、 場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2、-R
6/-R
6a、-R
10/-R
10a、-R
11/-R
11a、-R
12/-R
12a及び-R
3/-R
9の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
1/-R
6、-R
1/-R
9、-R
1/-R
10、-R
2/-R
5、-R
3/-R
6a、-R
4/-R
5、-R
4/-R
6、-R
5/-R
10、-R
6/-R
10及び-R
11/-R
12の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
但し、-X
2-が-N(R
5)-である場合、-X
3-は、下記:
【化3】
からなる群から選択され、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のリンカー部分であり、
各-L
1-が、-L
2-で置換されており、場合により更に置換されている、
前記コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
-Dが、小分子、中等のサイズ、ペプチド及びタンパク質薬物部分からなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
-Dが小分子薬物部分である、請求項1又は2に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Zがポリマー部分である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Zが水不溶性ポリマー部分である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Zが、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物ベースポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、水不溶性ポリマー部分である、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Zがヒドロゲルである、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
ZがPEGベース又はヒアルロン酸ベースヒドロゲルである、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
ZがPEGベースヒドロゲルである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Zがヒアルロン酸ベースヒドロゲルである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Zが水溶性ポリマー部分である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
=X
1が=Oであり、-X
2-が-O-である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
=X
1が=Oであり、-X
2-が-N(R
5)-である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
-L
2-がスペーサー部分である、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
-L
2-が14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
-L
2-が、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y1)-、-S(O)
2N(R
y1)-、-S(O)N(R
y1)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
y1)S(O)
2N(R
y1a)-、-S-、-N(R
y1)-、-OC(OR
y1)(R
y1a)-、-N(R
y1)C(O)N(R
y1a)-、-OC(O)N(R
y1)-、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル、及びC
2~50アルキニルからなる群から選択されるスペーサー部分であり、-T'-、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2で場合により置換されており、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y3)-、-S(O)
2N(R
y3)-、-S(O)N(R
y3)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
y3)S(O)
2N(R
y3a)-、-S-、-N(R
y3)-、-OC(OR
y3)(R
y3a)-、-N(R
y3)C(O)N(R
y3a)-及び-OC(O)N(R
y3)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
y1及び-R
y1aが、-H、-T'、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルからなる群から独立して選択され、-T'、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2で場合により置換されており、C
1~50アルキル、C
2~50アルケニル及びC
2~50アルキニルが、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y4)-、-S(O)
2N(R
y4)-、-S(O)N(R
y4)-、-S(O)
2-、-S(O)-、-N(R
y4)S(O)
2N(R
y4a)-、-S-、-N(R
y4)-、-OC(OR
y4)(R
y4a)-、-N(R
y4)C(O)N(R
y4a)-、及び-OC(O)N(R
y4)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各T'が、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から独立して選択され、各T'が、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2で独立して場合により置換されており、
各-R
y2が、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR
y5、-OR
y5、-C(O)R
y5、-C(O)N(R
y5R
y5a)、-S(O)
2N(R
y5R
y5a)、-S(O)N(R
y5R
y5a)、-S(O)
2R
y5、-S(O)R
y5、-N(R
y5)S(O)
2N(R
y5aR
y5b)、-SR
y5、-N(R
y5R
y5a)、-NO
2、-OC(O)R
y5、-N(R
y5)C(O)R
y5a、-N(R
y5)S(O)
2R
y5a、-N(R
y5)S(O)R
y5a、-N(R
y5)C(O)OR
y5a、-N(R
y5)C(O)N(R
y5aR
y5b)、-OC(O)N(R
y5R
y5a)、及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、ここでC
1~6アルキルが、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-R
y3、-R
y3a、-R
y4、-R
y4a、-R
y5、-R
y5a及び-R
y5bが、-H及びC
1~6アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6アルキルが、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている、
請求項1から15のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
-R
3により提示される1つの水素が-L
2-で置き換えられる、請求項1から16のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Zと-L
2-の連結が安定である、請求項1から17のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
-L
1-が、式(Ix):
【化4】
[式中、破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
=X
1、-R
1、-R
1a、-R
2、-R
2a、-R
3、-R
5及びnは、請求項1に定義された通りに使用され、
場合により、-R
1/-R
1a、-R
2/-R
2a、2つの隣接-R
2の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1/-R
2、-R
1/-R
5、-R
2/-R
5及び-R
4/-R
5の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1及び隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
式(Ix)のアスタリスクで標示される窒素原子とアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1と-R
2又は2つの隣接-R
2の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のものである、請求項1から11及び13から18のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
式(Ix)の-R
5がメチルである、請求項19に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
式(Ix)の-R
1及び-R
1aが両方とも-Hである、請求項19又は20に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項23】
医薬として使用するための、請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
D-Hで治療され得る疾患
の治療
のための、請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項25】
D-Hによ
り治療され得る疾患
の治療
のための医薬の製造における請求項1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩又は請求項22に記載の医薬組成物
の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0525
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0525】
略語
ACHC アミノシクロヘキサンカルボン酸
Ahx 6-アミノヘキサン酸
aq. 水性
Asp アスパルテート(アスパラギン酸塩)
Bn ベンジル
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
COMU (1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウムヘキサフルオロホスフェート
DBU 1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン
DCM ジクロロメタン
DIC N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
eq. 当量
EDC 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Fmoc フルオレニルメチルオキシカルボニル
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート
HFIP 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LPLC 低圧液体クロマトグラフィー
MeOH メタノール
MS 質量分析
PEG ポリエチレングリコール
PFP ペンタフルオロフェニル
PNP パラ-ニトロフェニル
PyBOP ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RP 逆相
RT 室温
Sar サルコシン
sat. 飽和
tBu及びt-Bu tert-ブチル
TES トリエチルシラン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Thr トレオニン
Tmob 2,4,6-トリメトキシベンジル
Trt トリチル
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
UPLC-MS 質量分析に連結した超高速液体クロマトグラフィー
(付記)
(付記1)
少なくとも1つの-L
1
-L
2
-部分を介して少なくとも1つのZ部分にコンジュゲートしている少なくとも1つの-D部分を含むコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、-L
1
-部分が-D部分のπ電子対供与複素環式芳香族Nにコンジュゲートしており、-Dと-L
1
-の連結が可逆的であり、-L
2
-部分がZにコンジュゲートしており、
各-Dが独立して薬物D-Hのπ電子対供与複素環式芳香族N含有部分であり、
各-L
2
-が独立して単結合又はスペーサー部分であり、
各Zが独立してポリマー部分又はC
8~24
アルキルであり、
各-L
1
-が独立して式(I):
【化115】
[式中、
破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
nは、0、1、2、3及び4からなる群から選択される整数であり、
=X
1
は、=O、=S及び=N(R
4
)からなる群から選択され、
-X
2
-は、-O-、-S-、-N(R
5
)-及び-C(R
6
)(R
6a
)-からなる群から選択され、
-X
3
-は、
【化116】
-C(R
10
)(R
10a
)-、-C(R
11
)(R
11a
)-C(R
12
)(R
12a
)-、-O-及び-C(O)-からなる群から選択され、
-R
1
、-R
1a
、-R
6
、-R
6a
、-R
10
、-R
10a
、-R
11
、-R
11a
、-R
12
、-R
12a
、並びにそれぞれの-R
2
及び-R
2a
は、-H、-C(O)OH、ハロゲン、-CN、-OH、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13
で場合により置換されており、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14
)-、-S(O)
2
N(R
14
)-、-S(O)N(R
14
)-、-S(O)
2
-、-S(O)-、-N(R
14
)S(O)
2
N(R
14a
)-、-S-、-N(R
14
)、-OC(OR
14
)(R
14a
)-、-N(R
14
)C(O)N(R
14a
)-及び-OC(O)N(R
14
)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
3
、-R
4
、-R
5
、-R
7
、-R
8
及び-R
9
は、-H、-T、-CN、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルからなる群から独立して選択され、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13
で場合により置換されており、C
1~6
アルキル、C
2~6
アルケニル及びC
2~6
アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
14
)-、-S(O)
2
N(R
14
)-、-S(O)N(R
14
)-、-S(O)
2
-、-S(O)-、-N(R
14
)S(O)
2
N(R
14a
)-、-S-、-N(R
14
)-、-OC(OR
14
)(R
14a
)-、-N(R
14
)C(O)N(R
14a
)-及び-OC(O)N(R
14
)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10
シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から独立して選択され、各Tは、同一である又は異なっている1つ以上の-R
13
で独立して場合により置換されており、
-R
13
は、-H、-NO
2
、-OCH
3
、-CN、-N(R
14
)(R
14a
)、-OH、-C(O)OH及びC
1~6
アルキルからなる群から選択され、C
1~6
アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
-R
14
及び-R
14a
は、-H及びC
1~6
アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6
アルキルは、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、 場合により、-R
1
/-R
1a
、-R
2
/-R
2a
、2つの隣接-R
2
、-R
6
/-R
6a
、-R
10
/-R
10a
、-R
11
/-R
11a
、-R
12
/-R
12a
及び-R
3
/-R
9
の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10
シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1
/-R
2
、-R
1
/-R
5
、-R
1
/-R
6
、-R
1
/-R
9
、-R
1
/-R
10
、-R
2
/-R
5
、-R
3
/-R
6a
、-R
4
/-R
5
、-R
4
/-R
6
、-R
5
/-R
10
、-R
6
/-R
10
及び-R
11
/-R
12
の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10
シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1
及び隣接-R
2
は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2
は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
但し、-X
2
-が-N(R
5
)-である場合、-X
3
-は、下記:
【化117】
からなる群から選択され、アスタリスクで標示される窒素原子と式(I)のアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1
と-R
2
又は2つの隣接-R
2
の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のリンカー部分であり、
各-L
1
-が、-L
2
-で置換されており、場合により更に置換されている、
前記コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記2)
-Dが、小分子、中等のサイズ、ペプチド及びタンパク質薬物部分からなる群から選択される、付記1に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記3)
-Dが小分子薬物部分である、付記1又は2に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記4)
Zがポリマー部分である、付記1から3のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記5)
Zが水不溶性ポリマー部分である、付記1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記6)
Zが、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物ベースポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、水不溶性ポリマー部分である、付記1から5のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記7)
Zがヒドロゲルである、付記1から6のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記8)
ZがPEGベース又はヒアルロン酸ベースヒドロゲルである、付記1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記9)
ZがPEGベースヒドロゲルである、付記1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記10)
Zがヒアルロン酸ベースヒドロゲルである、付記1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記11)
Zが水溶性ポリマー部分である、付記1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記12)
=X
1
が=Oであり、-X
2
-が-O-である、付記1から11のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記13)
=X
1
が=Oであり、-X
2
-が-N(R
5
)-である、付記1から11のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記14)
-L
2
-がスペーサー部分である、付記1から13のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記15)
-L
2
-が14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する、付記1から14のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記16)
-L
2
-が、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y1
)-、-S(O)
2
N(R
y1
)-、-S(O)N(R
y1
)-、-S(O)
2
-、-S(O)-、-N(R
y1
)S(O)
2
N(R
y1a
)-、-S-、-N(R
y1
)-、-OC(OR
y1
)(R
y1a
)-、-N(R
y1
)C(O)N(R
y1a
)-、-OC(O)N(R
y1
)-、C
1~50
アルキル、C
2~50
アルケニル、及びC
2~50
アルキニルからなる群から選択されるスペーサー部分であり、-T'-、C
1~50
アルキル、C
2~50
アルケニル及びC
2~50
アルキニルが、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2
で場合により置換されており、C
1~50
アルキル、C
2~50
アルケニル及びC
2~50
アルキニルが、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y3
)-、-S(O)
2
N(R
y3
)-、-S(O)N(R
y3
)-、-S(O)
2
-、-S(O)-、-N(R
y3
)S(O)
2
N(R
y3a
)-、-S-、-N(R
y3
)-、-OC(OR
y3
)(R
y3a
)-、-N(R
y3
)C(O)N(R
y3a
)-及び-OC(O)N(R
y3
)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
-R
y1
及び-R
y1a
が、-H、-T'、C
1~50
アルキル、C
2~50
アルケニル及びC
2~50
アルキニルからなる群から独立して選択され、-T'、C
1~50
アルキル、C
2~50
アルケニル及びC
2~50
アルキニルが、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2
で場合により置換されており、C
1~50
アルキル、C
2~50
アルケニル及びC
2~50
アルキニルが、-T'-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R
y4
)-、-S(O)
2
N(R
y4
)-、-S(O)N(R
y4
)-、-S(O)
2
-、-S(O)-、-N(R
y4
)S(O)
2
N(R
y4a
)-、-S-、-N(R
y4
)-、-OC(OR
y4
)(R
y4a
)-、-N(R
y4
)C(O)N(R
y4a
)-、及び-OC(O)N(R
y4
)-からなる群から選択される1つ以上の基で場合により中断されており、
各T'が、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10
シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員カルボポリシクリル及び8~30員ヘテロポリシクリルからなる群から独立して選択され、各T'が、同一である又は異なっている1つ以上の-R
y2
で独立して場合により置換されており、
各-R
y2
が、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR
y5
、-OR
y5
、-C(O)R
y5
、-C(O)N(R
y5
R
y5a
)、-S(O)
2
N(R
y5
R
y5a
)、-S(O)N(R
y5
R
y5a
)、-S(O)
2
R
y5
、-S(O)R
y5
、-N(R
y5
)S(O)
2
N(R
y5a
R
y5b
)、-SR
y5
、-N(R
y5
R
y5a
)、-NO
2
、-OC(O)R
y5
、-N(R
y5
)C(O)R
y5a
、-N(R
y5
)S(O)
2
R
y5a
、-N(R
y5
)S(O)R
y5a
、-N(R
y5
)C(O)OR
y5a
、-N(R
y5
)C(O)N(R
y5a
R
y5b
)、-OC(O)N(R
y5
R
y5a
)、及びC
1~6
アルキルからなる群から独立して選択され、ここでC
1~6
アルキルが、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-R
y3
、-R
y3a
、-R
y4
、-R
y4a
、-R
y5
、-R
y5a
及び-R
y5b
が、-H及びC
1~6
アルキルからなる群から独立して選択され、C
1~6
アルキルが、同一である又は異なっている1つ以上のハロゲンで場合により置換されている、
付記1から15のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記17)
-R
3
により提示される1つの水素が-L
2
-で置き換えられる、付記1から16のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記18)
Zと-L
2
-の連結が安定である、付記1から17のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記19)
-L
1
-が、式(Ix):
【化118】
[式中、破線は、-Dのπ電子対供与複素環式芳香族Nへの結合を示し、
=X
1
、-R
1
、-R
1a
、-R
2
、-R
2a
、-R
3
、-R
5
及びnは、付記1に定義された通りに使用され、
場合により、-R
1
/-R
1a
、-R
2
/-R
2a
、2つの隣接-R
2
の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって、C
3~10
シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル又は8~11員ヘテロビシクリルを形成し、
場合により、-R
1
/-R
2
、-R
1
/-R
5
、-R
2
/-R
5
及び-R
4
/-R
5
の対のうちの1つ以上は、これらが結合している原子と一緒になって環-A-を形成し、
-A-は、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C
3~10
シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、
場合により、-R
1
及び隣接-R
2
は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが1、2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
場合により、2つの隣接-R
2
は、炭素-炭素二重結合を形成し、但しnが2、3及び4からなる群から選択されることを条件とし、
式(Ix)のアスタリスクで標示される窒素原子とアスタリスクで標示される炭素原子の間の距離は、5、6又は7個の原子であり、存在する場合、-R
1
と-R
2
又は2つの隣接-R
2
の間に形成される炭素-炭素二重結合は、シス配置である]
のものである、付記1から11及び13から18のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記20)
式(Ix)の-R
5
がメチルである、付記19に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記21)
式(Ix)の-R
1
及び-R
1a
が両方とも-Hである、付記19又は20に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
(付記22)
付記1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
(付記23)
医薬として使用するための、付記1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は付記22に記載の医薬組成物。
(付記24)
D-Hで治療され得る疾患を治療する方法に使用するための、付記1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は付記22に記載の医薬組成物。
(付記25)
D-Hにより予防又は治療され得る疾患を予防する又は疾患を患っている患者を治療する方法であって、有効量の付記1から21のいずれか一項に記載のコンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩又は付記22に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む、方法。
【国際調査報告】